(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】GDT機能およびMOV機能を有する統合デバイス
(51)【国際特許分類】
H01T 4/00 20060101AFI20231124BHJP
H01T 4/12 20060101ALI20231124BHJP
H01T 21/00 20060101ALI20231124BHJP
H01C 7/12 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
H01T4/00 F
H01T4/12 F
H01T21/00
H01C7/12
(21)【出願番号】P 2021510906
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019049008
(87)【国際公開番号】W WO2020047381
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-07-28
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505441524
【氏名又は名称】ボーンズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー、 ケリー
(72)【発明者】
【氏名】ボーンズ、 ゴードン エル.
【審査官】片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-212535(JP,A)
【文献】特表2018-512709(JP,A)
【文献】特開2008-293975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01T 4/00
H01T 4/12
H01T 21/00
H01C 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々の層が外面と内面とを有し、ガラスシールを含む接合部分で接合された第1の層および第2の層であって、前記第1および第2の層の内面と前記接合部分とが内部にガスを封入した密閉チャンバを画定する、第1の層および第2の層と、
前記第1および第2の層のそれぞれの前記外面上に実装された外部電極と、
前記第1および第2の層のそれぞれの前記内面上に実装された内部電極と、
を備え、
前記第1の層は、第1の前記外部電極、前記第1の層および第1の前記内部電極が第1の金属酸化物バリスタ(MOV)を形成し、前記第1の内部電極、第2の前記内部電極および前記ガスを備えた前記密閉チャンバがガス放電管(GDT)を形成するような金属酸化物材料を含
み、
前記第2の層は、前記第2の内部電極、前記第2の層および第2の前記外部電極が第2のMOVを形成するように、金属酸化物材料を含み、前記電気デバイスは、前記第1のMOVと前記GDTとの間の共通電極である前記第1の内部電極と、前記GDTと前記第2のMOVとの間の共通電極である前記第2の内部電極とによって電気的に直列に接続された前記第1のMOV、前記GDTおよび前記第2のMOVを含み、
前記第1および第2の層のそれぞれが前記内面にポケットを画定し、前記内面の周囲が前記ポケットの床面に対して相対的に隆起しており、前記ガラスシールが、前記第1の層の前記内面の前記隆起した周囲を前記第2の層の前記内面の前記隆起した周囲に接合する、電気デバイス。
【請求項2】
前記接合部分の少なくとも一部が、前記第1の層と前記第2の層とが互いに電気的に絶縁されるように構成されている、請求項
1に記載の電気デバイス。
【請求項3】
前記接合部分の電気的絶縁特性が少なくともガラスシールによって提供される、請求項
2に記載の電気デバイス。
【請求項4】
前記接合部分の電気的絶縁特性はガラスシール層のみによって提供される、請求項
3に記載の電気デバイス。
【請求項5】
前記第1および第2の層の各々の内部電極の上に形成された放射コーティングをさらに含む、請求項
1に記載の電気デバイス。
【請求項6】
前記第1の層の前記内部電極が、前記第1の層の前記ポケットの前記床面上に実装されており、前記第2の層の前記内部電極が、前記第2の層の前記ポケットの前記床面上に実装されている、請求項
1に記載の電気装置。
【請求項7】
前記接合部分は、前記第1および第2の層の周囲の間に実装されたスペーサをさらに含み、前記ガラスシールは、前記スペーサの一方の面上の第1のガラスシール層と、前記スペーサの他方の面上の第2のガラスシール層とを含む、請求項
1に記載の電気デバイス。
【請求項8】
前記スペーサ層は電気的絶縁材料で形成されている、請求項
7に記載の電気デバイス。
【請求項9】
前記電気的絶縁材料はセラミック材料を含む、請求項
8に記載の電気デバイス。
【請求項10】
前記第1および第2の層の各々が実質的に平坦であり、前記第1および第2の層が側壁を画定している、請求項
7に記載の電気デバイス。
【請求項11】
前記スペーサ層は、前記側壁と実質的に同一平面である外側側縁を含む、請求項1
0に記載の電気デバイス。
【請求項12】
前記スペーサ層は、前記側壁を越えて側方に延びる外側側縁を含む、請求項1
0に記載の電気デバイス。
【請求項13】
前記第1の層が、前記第1の層と前記第2の層との間の中間面を中心とする前記第2の層の略鏡像である、請求項
1に記載の電気デバイス。
【請求項14】
電気デバイスを製造する方法であって、
各々の層が外面と内面とを有する第1の層および第2の層を提供または形成することであって、前記第1の層は金属酸化物材料を含んでいる、第1の層および第2の層を提供または形成することと、
前記第1および第2の層のそれぞれの前記内面上に内部電極を形成することと、
前記第1および第2の層の前記内面と接合部分とが内部にガスを封入した密閉チャンバを画定するように、前記第1の層と前記第2の層とをガラスシールを含む前記接合部分で接合することと、
第1の外部電極、前記第1の層および第1の前記内部電極が第1の金属酸化物バリスタ(MOV)を形成し、前記第1の内部電極、第2の前記内部電極および前記ガスを備えた前記密閉チャンバがガス放電管(GDT)を形成するように、前記第1の層および前記第2の層のそれぞれの外面上に前記外部電極を形成することと、
を含
み、
前記第2の層は、前記第2の内部電極、前記第2の層および第2の前記外部電極が第2のMOVを形成するように、金属酸化物材料を含み、前記電気デバイスは、前記第1のMOVと前記GDTとの間の共通電極である前記第1の内部電極と、前記GDTと前記第2のMOVとの間の共通電極である前記第2の内部電極とによって電気的に直列に接続された前記第1のMOV、前記GDTおよび前記第2のMOVを含み、
前記第1および第2の層のそれぞれが前記内面にポケットを画定し、前記内面の周囲が前記ポケットの床面に対して相対的に隆起しており、前記ガラスシールが、前記第1の層の前記内面の前記隆起した周囲を前記第2の層の前記内面の前記隆起した周囲に接合する、方法。
【請求項15】
前記各ステップの少なくとも一部が、複数のユニットがアレイ状に接合されたアレイ形式で実行され、各ユニットは前記電気デバイスの部分的にまたは完全に製造された形態に対応している、請求項1
4に記載の方法。
【請求項16】
複数の個別のユニットを製造するために前記アレイを分離することをさらに含む、請求項1
5に記載の方法。
【請求項17】
前記第1および第2の層のそれぞれの外面上に前記外部電極を形成することが実質的に同時に行われる、請求項1
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
【0002】
本出願は、「Integrated device having GDT and MOV functionalitys」の名称で2018年8月31日に出願された米国仮出願第62/726,094号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、ガス放電管(GDT)機能および金属酸化物バリスタ(MOV)機能を有する統合デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
ガス放電管(GDT)は、密閉されたチャンバ内の2つの電極間にガスを備えた装置である。電極間に高電圧スパイクなどのトリガ条件が発生すると、ガスがイオン化して電極間に電気を流す。
【0005】
金属酸化物バリスタ(MOV)は、2つの電極間に実装された酸化亜鉛などの金属酸化物材料を含む。通常の状態(例えば、電極間の定格電圧以下)では、MOVは非導電性であるが、電圧が定格電圧を超えると導電性となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施態様では、本開示は、各々が外面と内面とを有し、接合部分で接合された第1の層および第2の層を含み、第1の層の内面と第2の層の内面とが第1の層と第2の層との間に密閉チャンバを画定する電気デバイスに関する。電気デバイスは、第1および第2の層のそれぞれの外面上に実装された外部電極と、第1および第2の層のそれぞれの内面上に実装された内部電極とをさらに含む。第1の層は、第1の外部電極、第1の層および第1の内部電極が金属酸化物バリスタ(MOV)機能を提供し、第1の内部電極、第2の内部電極および密閉チャンバがガス放電管(GDT)機能を提供するような金属酸化物材料を含む。
【0007】
いくつかの実施態様では、電気デバイスは、直列に接続された少なくとも1つのGDTおよび少なくとも1つのMOVの機能を提供することができる。例えば、少なくとも1つのGDTは1つのGDTを含み、少なくとも1つのMOVは1つのMOVを含むことができる。電気デバイスは、第1の内部電極、密閉チャンバおよび第2の外部電極に電気的に接続された第2の電極が、外部端子機能を提供する第2の外部電極を備えた1つのGDTを形成するように、第2の内部電極と第2の外部電極との間の電気的接続をさらに含むことができる。第2の層は、セラミック材料のような電気的絶縁材料を含むことができる。
【0008】
別の例では、少なくとも1つのGDTは1つのGDTを含むことができ、少なくとも1つのMOVは第1のMOVと第2のMOVとを含むことができ、第1のMOVと第2のMOVとの間に1つのGDTが備えられ、第1のMOVは第1の層に関連付けられている。第2の層は、第2の内部電極、第2の層および第2の外部層が第2のMOVを形成するような金属酸化物材料を含むことができる。接合部分の少なくとも一部が、第1の層と第2の層とが電気的に絶縁されるような電気的に絶縁された部分を含むことができる。接合部分の電気的に絶縁された部分が、第1の層と第2の層との間に実装されたシール層を含むことができる。シール層はガラスシール層を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施態様では、電気デバイスは、第1および第2の層の各々の内部電極の上に形成された放射コーティングをさらに含むことができる。
【0010】
いくつかの実施態様では、第1および第2の層のそれぞれが内面にポケットを画定することができ、内面の周囲がポケットの床面に対して相対的に隆起している。各々の内部電極は、第1の層および第2の層のそれぞれのポケットの床面上に実装されていても良い。
【0011】
いくつかの実施態様では、接合部分は、第1および第2の層の間に、第1の層および第2の層の外周に沿って実装されたスペーサ層を含むことができる。スペーサ層は、セラミック材料のような電気的絶縁材料で形成することができる。
【0012】
いくつかの実施態様では、電気デバイスは、第1の層とスペーサ層との間に実装された第1のシール層と、スペーサ層と第2の層との間に実装された第2のシール層とをさらに含むことができる。
【0013】
いくつかの実施態様では、第1および第2の層の各々が実質的に平坦であってもよく、第1および第2の層が側壁を画定することができる。いくつかの実施態様では、スペーサ層は、側壁と実質的に同一平面である外側側縁を含むことができる。いくつかの実施態様では、スペーサ層は、側壁を越えて側方に延びる外側側縁を含むことができる。
【0014】
いくつかの実施態様では、第1の層が、第1の層と第2の層との間の中間面を中心とする第2の層の略鏡像であってもよい。
【0015】
いくつかの実施態様では、第1の層および第2の層はそれぞれ、圧電材料を実質的に含まないことができる。
【0016】
いくつかの実施態様では、第1の層および第2の層はそれぞれ、圧電特性を実質的に有しないことができる。
【0017】
いくつかの実施態様では、本開示は、電気デバイスを製造する方法に関する。方法は、各々が外面と内面とを有する第1の層および第2の層を提供または形成することを含み、第1の層は金属酸化物材料を含む。方法はさらに、第1および第2の層のそれぞれの内面上に内部電極を形成することと、第1および第2の層の内面が第1の層と第2の層との間に密閉チャンバを画定するように、第1の層と第2の層とを接合部分で接合することとを含む。方法はさらに、第1の外部電極、第1の層および第1の内部電極が金属酸化物バリスタ(MOV)機能を提供し、第1の内部電極、第2の内部電極および密閉チャンバがガス放電管(GDT)機能を提供するように、第1の層および第2の層のそれぞれの外面上に外部電極を形成することを含む。
【0018】
いくつかの実施態様では、各ステップの少なくとも一部がディスクリート形式で実行され得る。
【0019】
いくつかの実施態様では、各ステップの少なくとも一部が、複数のユニットがアレイ状に接合されたアレイ形式で実行されることが可能であり、各ユニットは電気デバイスの部分的にまたは完全に製造された形態に対応している。方法は、複数の個別のユニットを製造するためにアレイを分離することをさらに含むことができる。
【0020】
いくつかの実施態様では、第1および第2の層のそれぞれの外面上に外部電極を形成することが実質的に同時に行われてもよい。
【0021】
本開示を要約する目的のために、特定の態様、利点、および本発明の新規な特徴が本明細書に記載される。このような利点は、本発明の任意の具体的な実施形態にしたがって必ずしも全て達成される必要はないことが理解されるべきである。したがって、本発明は、本明細書に教示または示唆され得るように、必ずしも他の利点を達成することなく、本明細書で教示されるような一つの利点または一群の利点を達成または最適化するように具現化または実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】直列に実装された第1の金属酸化物バリスタ(MOV)素子、ガス放電管(GDT)素子および第2のMOV素子の組み合わせを有するデバイスの側断面図である。
【
図2】
図1の例と同様の電気的機能を提供することができるが、構造および/または製造方法を大幅に簡略化することができるGDT/MOVデバイスを示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイスは、
図2の例と同様に対向する面を有する密閉チャンバを含むことができることを示す図である。
【
図4】
図2のGDT/MOVデバイスのより詳細な例を示す図である。
【
図5A】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図5B】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図5C】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図5D】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図5E】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図5F】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図5G】
図4のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図6】
図2のGDT/MOVデバイスの別のより詳細な例を示す図である。
【
図7A】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7B】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7C】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7D】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7E】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7F】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7G】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7H】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図7I】
図6のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図8】
図2のGDT/MOVデバイスのさらに別のより詳細な例を示す図である。
【
図9A】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9B】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9C】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9D】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9E】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9F】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9G】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9H】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図9I】
図8のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図10】
図2のGDT/MOVデバイスのさらに別のより詳細な例を示す図である。
【
図11A】
図10のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図11B】
図10のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図11C】
図10のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図11D】
図10のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図11E】
図10のGDT/MOVデバイスを製造するために実施され得る例示的なプロセスを示す図である。
【
図12A】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12B】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12C】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12D】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12E】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12F】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12G】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図12H】
図4のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13A】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13B】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13C】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13D】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13E】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13F】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13G】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13H】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13I】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図13J】
図6のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図14A】
図8のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図14B】
図8のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図14C】
図8のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図14D】
図8のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図14E】
図8のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図14F】
図8のGDT/MOVデバイスと同様のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造することができる製造プロセスの様々な段階を示す図である。
【
図15】いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイスは、第1の金属酸化物層と、第2の金属酸化物層と、第1の金属酸化物層と第2の金属酸化物層との間に実装された複数のGDTチャンバとを含むことができることを示す図である。
【
図16】いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイスは、互いにガス連通状態にある2つのGDTチャンバを含むことができることを示す図である。
【
図17】いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイスは、一方の面の複数の内部電極と他方の面の複数の内部電極とによって促進されるGDTチャンバを含むことができることを示す図である。
【
図18】いくつかの実施形態において、外部電極機能が複数の電極によって提供され得ることを示す図である。
【
図19】いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイスは、GDTチャンバと、GDTチャンバに関連付けられた3つのMOV要素とを含むことができることを示す図である。
【
図20】いくつかの実施形態において、2つのGDT/MOVデバイスが一体的に直列に実装され得ることを示す図である。
【
図21】いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスが、温度ヒューズと直列に配置され得ることを示す図である。
【
図22】いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスが、サーマルスイッチと直列に配置され得ることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において見出しがある場合、それらは便宜上のものにすぎず、特許請求の範囲に記載した発明の範囲または意図に必ずしも影響を与えるものではない。
【0024】
本明細書においては、1つ以上のガス放電管(GDT)と1つ以上の金属酸化物バリスタ(MOV)との一体化に関するデバイスおよび方法の様々な例が説明されている。説明の目的のために、GDTおよびMOVが一体化されたそのようなデバイスは、本明細書ではGDT/MOVデバイスと称し、または単にGDT/MOVと称することがある。
【0025】
典型的なMOVは、それ自身が、例えば一定のACライン電圧ストレスのために劣化する可能性があることに留意されたい。このようなストレスは、サージ履歴、時間、温度、またはそれらのいくつかの組み合わせに起因し、漏れ電流の増加、および/またはMOVの有効性(例えば、最大連続動作電圧(MCOV))の低下をもたらす可能性がある。リーク電流の増加は、待機電流の増加により、MOVのエネルギー効率定格に悪影響を及ぼす可能性がある。また、AC電圧の持続的な増加は、MOVの過熱を引き起こし、故障及び/又は火災を引き起こす可能性がある。
【0026】
MOVをGDTと組み合わせると、結果として得られる組合せは、GDTとMOVとが電気的に直列に接続されたGDT/MOVデバイスになり得る。通常の状態で動作しているときは、ライン(例えばACライン)の電圧がGDTの大部分にわたって出現し、それによってMOVをラインから効果的に切断する。サージ事象が発生すると、GDTは比較的迅速にスイッチを入れることができ、それにより、サージ電圧を許容レベルにクランプするためにMOVをラインに接続することができる。サージイベントが終了すると、GDTは再びスイッチを切ることができ、それによって以前のようにMOVを切断することができる。
【0027】
したがって、GDT/MOVデバイスは、多くの有利な特徴を提供することができる。例えば、MOV部分におけるリーク電流の低減を達成することができ、これにより、デバイスの動作寿命を延長することができる。別の例では、GDT/MOVデバイスは、制限電圧性能を犠牲にすることなく、電圧増加耐性、すなわちそのような電圧増加に対する低減された感度をもたらすように構成することができる。
【0028】
図1は、直列に実装された第1のMOVデバイス54、GDTデバイス56、および第2のMOVデバイス58の組み合わせを有するデバイス50の側断面図である。
図1はまた、デバイス50の電気回路表現52を示す。
図1の例では、第1のMOVデバイス54は、金属酸化物層62の反対側に実装された自身の端子60,64を含んでいる。同様に、第2のMOVデバイス58は、金属酸化物層88の反対側に実装された自身の端子86,90を含んでいる。
【0029】
第1及び第2のMOVデバイス54,58の間には、GDTデバイス56の反対側面に自身の端子66,84を有するGDTデバイス56がある。GDTデバイス56自身は、開口部を有する中間層72と、中間層72の反対側の第1及び第2の層68,82とを含み、中間層72の開口部と第1及び第2の層68,82の内側に向いている面とによって画定される密閉チャンバ76を形成するように示されている。
【0030】
上記の密閉チャンバ76内には、GDTデバイス56の第1及び第2の電極74,78が配置されている。第1の電極74は、第1の端子66(破線70で描かれた電気的接続)に電気的に接続されるように示されており、第2の電極78は、第2の端子84(破線80で描かれた電気的接続)に電気的に接続されるように示されている。
【0031】
上記のGDTデバイス56に関連する例は、「FLAT GAS DISCHARGE TUBE DEVICES AND METHODS」と題された米国特許第10,032,621号明細書に記載されており、これは、その全体が参照により明示的に本明細書に組み込まれており、その開示は本願の明細書の一部とみなされる。
図1の例において、GDTデバイスの他の構成が用いられ得ることが理解されるであろう。
【0032】
図1の例では、第1のMOVデバイス54の第2の端子64は、GDTデバイス56の第1の端子66と物理的に接触している。同様に、第2のMOVデバイス58の第1の端子86は、GDTデバイス56の第2の端子84と物理的に接触している。したがって、第1のMOVデバイス54の第1の端子60および第2のMOVデバイス58の第2の端子90は、デバイス50全体の端子として用いることができる。
【0033】
図1の例では、GDTデバイス56の3つの層(72,68,82)は、上述した米国特許第10,032,621号明細書に開示された例を含む、電気的絶縁材料で形成された電気的絶縁層として実装することができる。GDTデバイス56における第1および第2の層68,82にそのような絶縁材料を使用すると、電極74,78をそれぞれの端子(66,84)に接続するために電気的接続部70,80が必要となることに留意されたい。そのような電気的接続(内部接続および/または外部接続)の例は、米国特許第10,032,621号明細書にも記載されている。
【0034】
図2は、
図1の例と同様の電気的機能性を提供することができるが、構造および/または製造方法を大幅に簡略化することができるGDT/MOVデバイスを示す。
図2は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100が、対向する面を有する密閉チャンバ116を含むことができることを示す。第1の電極114は、そのような対向する面の一方に実装されるように示され、第2の電極118は、他方の面に実装されるように示されており、それによってGDT構成106(本明細書ではGDTとも称する)を形成している。
【0035】
GDT106の第1の電極114は、第1のMOV構成104(本明細書ではMOVとも称する)の2つの電極のうちの1つとして機能するようにも示されている。より詳細には、金属酸化物層112が、GDT106の第1の電極114と第1の外部電極110との間に実装され、それによって第1のMOV機能を提供するように示されている。
【0036】
同様に、GDT106の第2の電極118は、第2のMOV構成108(本明細書ではMOVとも称する)の2つの電極のうちの1つとして機能するようにも示されている。より詳細には、金属酸化物層120が、GDT106の第2の電極118と第2の外部電極122との間に実装され、それによって第2のMOV機能を提供するように示されている。
【0037】
図2において、GDT/MOVデバイス100の回路表現102は、第1のMOV104、GDT106、および第2のMOV108の直列配置を含むものとして描かれている。このような回路表現では、第1のMOV104は、その電極の1つがGDT106の電極の一方としても機能するように描かれている。したがって、
図2に示された構造では、電極114は第1の共通電極と称することができる。同様に、第2のMOV108は、その電極の一方がGDT106の電極の他方としても機能するように描かれている。したがって、
図2に示す構造では、電極118は第2の共通電極と称することができる。
【0038】
図2の例では、第1の外部電極110と第1の共通電極114との間の層112の少なくとも一部は、電極110,114の間にMOV機能を付与するのに適した金属酸化物材料を含むことができる。同様に、第2の外部電極122と第2の共通電極118との間の層120の少なくとも一部は、電極122,118の間にMOV機能を付与するのに適した金属酸化物材料を含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、エッジ領域(
図2では115として示されている)は、第1の金属酸化物層112と第2の金属酸化物層120との間に電気的絶縁を提供するための絶縁部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の金属酸化物層112の金属酸化物材料は、エッジ領域115内に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。同様に、第2の層120の金属酸化物材料は、エッジ領域115内に延びてもよいし、延びていなくてもよい。エッジ領域115の様々な非限定的な例が、より詳細に本明細書に記載されている。
【0040】
図2の例では、GDT/MOVデバイス100は、直列に配置され、間にGDT(106)を備えた2つのMOV(104,108)の機能を提供する。本開示の1つ以上の機能は、2つより少ないMOVを有するGDT/MOVデバイスでも実施できることが理解されるであろう。
【0041】
例えば、
図3は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100は
図2の例と同様に対向する面を有する密閉チャンバ116を含むことができることを示す。第1の電極114が、そのような対向する面の一方に実装されるように示され、第2の電極118が他方の面に実装されるように示され、それによってGDT構成106を形成している。
【0042】
GDT106の第1の電極114は、MOV構成104の2つの電極のうちの1つとして機能することも示されている。より詳細には、金属酸化物層112が、GDT106の第1の電極114と第1の外部電極110との間に実装され、それによってMOV機能を提供することが示されている。
【0043】
図2の例とは異なり、GDT106の第2の電極118と第2の外部電極122との間に電気的絶縁層124が設けられることが示されている。さらに、GDT106の第2の電極118は、全体的に106と示されるアセンブリがGDT機能を提供するように、第2の外部電極122に電気的に接続されている(125として描かれている)ことが示されている。
【0044】
図3において、GDT/MOVデバイス100の回路表現102は、MOV104とGDT106との直列配置を含むものとして描かれている。このような回路表現では、MOV104は、その電極の1つがGDT106の電極の1つとしても機能するように描かれている。したがって、
図3に示された構造では、電極114は共通電極と称することができる。この例では第2のMOVは存在しないので、GDT106の他方の電極(118)は共通電極ではない。
【0045】
図3の例では、第1の外部電極110と共通電極114との間の層112の少なくとも一部は、電極110,114間にMOV機能を付与するのに適した金属酸化物材料を含むことができる。また、
図3の例では、第2の外部電極122とGDT106の第2の電極118との間の層124の少なくとも一部は、GDT機能を付与するのに適した電気的絶縁材料を含むことができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、エッジ領域(
図3では117と示されている)は、絶縁材料、金属酸化物材料、またはそれらのいくつかの組み合わせを含むことができる。
【0047】
図4は、
図2のGDT/MOVデバイス100のより詳細な例を示す。より具体的には、
図4は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100が、金属酸化物層112を有する第1のMOV(
図2の104)と、金属酸化物層120を有する第2のMOV(
図2の108)とを含み、各MOVは隆起した周囲によって画定されるポケットを有していても良いことを示している。したがって、そのようなMOVが、ポケットが互いに対向する状態で組み立てられると、GDTチャンバ116が形成される。
【0048】
図4に示すように、シール130は、第1および第2のMOVの隆起した周囲部分を結合するために実装され得る。いくつかの実施形態では、そのようなシールは、ガラスシールのような電気的に絶縁されたシールであり得る。ガラスシールの形成に関連する例は、「GLASS SEALLED GAS DISCHARGE TUBES」と題された米国特許出願第15/990,965号明細書および対応する米国公開第2019/0074162号明細書本明細書に記載されており、その各々は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれ、その開示は、本願の明細書の一部と見なすことができる。
【0049】
図4の例では、第1のMOVは、金属酸化物層112の内向きポケット面上の内部電極114を含むように示されている。第1のMOVのための同じ内部電極114は、GDTチャンバ116の第1の電極として用いられるように示されている。同様に、第2のMOVは、金属酸化物層120の内向きポケット面上の内部電極118を含むように示されている。第2のMOVのための同じ内部電極118は、GDTチャンバ116の第2の電極として用いられるように示されている。
【0050】
図4は、いくつかの実施形態において、放射コーティング(emission coating:132または134)を電極114,118の各々の上に設けることができることを示している。そのような放射コーティングは、GDT/MOVデバイス100のGDT部分の作動に利用することができる。本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、電極上に放射コーティングを含んでもよいし、含んでいなくてもよいことが理解されるであろう。
【0051】
図4の例では、第1および第2の外部電極110,122は、それぞれ、第1および第2の金属酸化物層112,120の外側に実装されるように示されている。したがって、第1のMOVは、第1の外部電極110と第1の内部電極114との間に実装された第1の金属酸化物層112を含むことができる。同様に、第2のMOVは、第2の外部電極122と第2の内部電極118との間に実装された第2の金属酸化物層120を含むことができる。
【0052】
図5A~5Gは、
図4のGDT/MOVデバイス100を製造するために実施され得る例示的なプロセスの様々な段階を示す。
図5Aは、いくつかの実施形態において、金属酸化物層が設けられるか形成され得ることを示している。いくつかの実施形態では、そのような金属酸化物層は、
図4の第1の金属酸化物層112または第2の金属酸化物層120として用いることができる。したがって、
図5Aの金属酸化物層は112,120と示される。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1のMOVの金属酸化物層は、第2のMOVの金属酸化物層とは異なるものであってもよいことが理解されるであろう。
【0053】
図5Aの例では、金属酸化物層112,120は、隆起した周囲部分142によって画定されるポケット140を含むように示されている。いくつかの実施形態では、金属酸化物層112,120は、成形プロセスまたはMOVの製造に適した他の任意のプロセスによって形成することができる。
【0054】
図5Bは、いくつかの実施形態において、アセンブリ144を形成するために、ポケット(
図5Aのポケット140)の内向き面(例えば床面)に内部電極(114,118として示されている)を形成することができることを示している。したがって、金属酸化物層112,120が
図4の第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120として用いられる文脈では、同じ内部電極(114,118)が、第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120用に用いられ得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の内部電極は同じであってもよいし、同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0055】
図5Cは、いくつかの実施形態において、アセンブリ146を形成するために、放射コーティング(132,134として示されている)を、それぞれの内部電極(114,118)の内向き面の表面に形成することができること示している。いくつかの実施形態では、第1および第2の内部電極の放射コーティングは、同じであってもよいし、同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0056】
図5Dは、いくつかの実施形態において、アセンブリ150を形成するために、シール材料の層148を、隆起した周囲部分(
図5Aの142)上に形成することができることを示している。いくつかの実施形態では、そのようなシール材料は、絶縁性シールガラスまたは他の高温絶縁性シール材料のような電気的に絶縁性の材料であり得る。
【0057】
図5Eは、いくつかの実施形態において、
図5Dのアセンブリ150のうちの2つのアセンブリを、2つのアセンブリの内側の対向する部分を接合させるように組み立てることができることを示している。より具体的には、第1のアセンブリ150a(
図5Dのアセンブリ150と同様)は、アセンブリ152を形成するように、第2のアセンブリ150b(同じく
図5Dのアセンブリ150と同様)の上に反転して配置することができる。
【0058】
図5Fは、いくつかの実施形態において、
図5Eのアセンブリ152が、アセンブリ154を形成するために、シール130および対応する密閉チャンバ116を形成するためにさらに加工処理され得ることを示している。一例として、
図5Eのアセンブリ152のそのようなさらなるプロセスは、非密封のチャンバがガスで満たされた状態になるように、所望のガス(例えば、不活性ガス、活性ガス、またはそれらのいくつかの組み合わせ)を供給することを含むことができる。次いで、アセンブリ152を、シール層(
図5Dの148)が融合してシール130および内部に所望のガスが封入された密閉チャンバ116を形成するように、加熱することができる。
【0059】
図5Gは、いくつかの実施形態において、
図4のGDT/MOVデバイス100と同様のアセンブリ100を形成するように、第1および第2の外部電極110,122を
図5Fのアセンブリ154上に形成することができることを示している。より具体的には、第1の外部電極110は、第1の金属酸化物層(
図4の112)の外側の対向する面に形成することができ、第2の外部電極122は、第2の金属酸化物層(
図4の120)の外側の対向する面に形成することができる。
【0060】
図4および5A~5Gの例では、2つのMOV間の接合部分(
図2の115)は、隆起した周囲部分(
図5Aの142)を含むことができる。いくつかの実施形態では、そのような隆起した周囲部分は、金属酸化物層(
図4の112,120)の残りの部分を形成するのと同じ金属酸化物材料で形成することができる。
【0061】
図4および5A~5Gの例では、2つのMOV間の接合部分(
図2の115)の電気的絶縁特性が、
図4、
図5F及び
図5Gに示すように電気的絶縁シール130によってもたらされ得ることに留意されたい。
【0062】
図6は、
図2のGDT/MOVデバイス100の別のより詳細な例を示す。より具体的には、
図6は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100が、金属酸化物層112を有する第1のMOV(
図2の104)と、金属酸化物層120を有する第2のMOV(
図2の108)とを含むことができることを示している。
図6の例では、2つの金属酸化物層112,120の各々は、実質的に平坦な層であり得る。したがって、そのようなMOVがスペーサ160を挟んで組み立てられると、GDTチャンバ116が形成される。
【0063】
いくつかの実施形態では、スペーサ160は、貫通する開口部を有するプレートとして実装することができ、そのような開口部は、密封されたときにGDTチャンバ116の側壁を概ね画定することができる。
【0064】
図6に示すように、第1のMOVの金属酸化物層112の周囲部分とスペーサ160とを接合するために第1のシール162を実装することができ、第2のMOVの金属酸化物層120の周囲部分とスペーサ160とを接合するために第2のシール164を実装することができる。
【0065】
図6の例では、第1のシール162、スペーサ160および第2のシール164のうちの少なくとも1つは、電気的に絶縁性の部分であり得る。例えば、スペーサ160が電気的に絶縁性の材料(例えば、セラミック)で形成されている場合、第1および第2のシール162,164の各々は、電気的に導電性の材料(例えば、金属)または電気的に絶縁性の材料(例えば、ガラス)で形成することができる。別の例では、第1および第2のシール162,164の一方または両方が電気的に絶縁性の材料(例えば、ガラス)で形成されている場合、スペーサ162は、電気的に導電性の材料(例えば、金属)または電気的に絶縁性の材料(例えば、セラミック)で形成することができる。
【0066】
図6および
図7A~7Iの説明の目的のために、スペーサ160はセラミックのような電気的に絶縁性の材料で形成され、第1および第2のシール162,164はガラスのような電気的に絶縁性の材料または金属のような電気的に伝導性の材料で形成されることを前提とする。しかしながら、上述したように、他の構成も可能であることが理解されるであろう。
【0067】
図6の例では、第1のMOVは、金属酸化物層112の内向き面上の内部電極114を含むように示されている。第1のMOV用の同じ内部電極114は、GDTチャンバ116の第1の電極として用いられるように示されている。同様に、第2のMOVは、金属酸化物層120の内向き面上に内部電極118を含むように示されている。第2のMOV用の同じ内部電極118は、GDTチャンバ116の第2の電極として用いられるように示されている。
【0068】
図6は、いくつかの実施形態において、放射コーティング(132または134)を電極114,118の各々の上に設けることができることを示している。そのような放射コーティングは、GDT/MOVデバイス100のGDT部分の作動に用いすることができる。本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、電極上の放射コーティングを含んでもよいし、含んでいなくてもよいことが理解されるであろう。
【0069】
図6の例では、第1および第2の外部電極110,122は、それぞれ、第1および第2の金属酸化物層112,120の外側に実装されるように示されている。したがって、第1のMOVは、第1の外部電極110と第1の内部電極114との間に実装された第1の金属酸化物層112を含むことができる。同様に、第2のMOVは、第2の外部電極122と第2の内部電極118との間に実装された第2の金属酸化物層120を含むことができる。
【0070】
図7A~7Iは、
図6のGDT/MOVデバイス100を製造するために実施され得る例示的なプロセスの様々な段階を示す。
図7Aは、いくつかの実施形態において、スペーサ層160が提供または形成され得ることを示している。そのようなスペーサ層は、GDT/MOVデバイスのGDT部分のチャンバとなるような大きさの開口部170を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口部170は、例えば、開口部170の所望の形状を打ち抜くか、または切り出すことによって、固体層に形成することができる。いくつかの実施形態では、スペーサ層160は開口部と共に予め形成されていても良い。いくつかの実施形態では、スペーサ層160は、例えば、セラミック材料で形成することができる。
【0071】
図7Bは、いくつかの実施形態において、アセンブリ176を形成するために、スペーサ層160の周囲部分の一方の側にシール層172を設けることができ、スペーサ層160の周囲部分の他方の側に別のシール層174を設けることができることを示している。いくつかの実施形態では、シール層172,174の各々は、例えば、絶縁性シールガラスまたは他の高温絶縁性シール材料のような電気的に絶縁性の材料で形成することができる。
【0072】
図7Cは、いくつかの実施形態において、金属酸化物層が提供または形成され得ることを示している。いくつかの実施形態では、そのような金属酸化物層は、
図6の第1の金属酸化物層112または第2の金属酸化物層120として用いることができる。したがって、
図7Cの金属酸化物層は112,120として示される。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1のMOV用の金属酸化物層は、第2のMOV用の金属酸化物層とは異なるものであってもよいことが理解されるであろう。
【0073】
図7Cは、いくつかの実施形態において、金属酸化物層112,120は実質的に平坦であり得ることを示している。いくつかの実施形態では、金属酸化物層112,120は、成形プロセスまたはMOVの製造に適した他の任意のプロセスによって形成することができる。
【0074】
図7Dは、いくつかの実施形態において、アセンブリ178を形成するために、金属酸化物層112,120の内向き面上に内部電極(114,118として示されている)を形成することができることを示している。したがって、金属酸化物層112,120が
図6の第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120のために用いられる文脈では、同じ内部電極(114,118)が、第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120用に用いられ得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の内部電極は同じであってもよいし、同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0075】
図7Eは、いくつかの実施形態において、アセンブリ180を形成するために、放射コーティング(132,134として示されている)を、それぞれの内部電極(114,118)の内向き面に形成することができることを示している。いくつかの実施形態では、第1および第2の内部電極用の放射コーティングは、同じであってもよいし、同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0076】
図7Fは、いくつかの実施形態において、アセンブリ184を形成するために、金属酸化物層112,120の内向き面の周囲部分にシール材料の層182を形成することができることを示している。いくつかの実施形態では、そのようなシール材料は、絶縁性シールガラスまたは他の高温絶縁性シール材料のような電気的に絶縁性の材料であり得る。
【0077】
図7Gは、いくつかの実施形態において、
図7Fの2つのアセンブリ184と
図7Bのアセンブリ176とが、2つのアセンブリ184の内側に対向する部分の接合をアセンブリ176によって可能にするように組み立てることができることを示している。より具体的には、アセンブリ186を形成するために、第1のアセンブリ184a(
図7Fのアセンブリ184と同様)を反転させてスペーサ/シール層アセンブリ176の上に配置することができ、第2のアセンブリ184b(これも
図7Fのアセンブリ184と同様)をスペーサ/シーリング層アセンブリ176の下に配置することができる。
【0078】
図7Hは、いくつかの実施形態において、
図7Gのアセンブリ186が、アセンブリ188を形成するために、スペーサ層160の両面および対応する密閉チャンバ116にシール162,164を形成するように、さらに加工処理され得ることを示している。一例として、
図7Gのアセンブリ186のそのようなさらなるプロセスは、非密封のチャンバがガスで満たされるように、所望のガス(例えば、不活性ガス、活性ガス、またはそれらのいくつかの組み合わせ)を供給することを含むことができる。次いで、それぞれのシール層(
図7Bおよび7Fでは、172および182、174および182)が融合してスペーサ160の両面にシール162,164を形成し、内部に所望のガスが封入された密閉チャンバ116を形成するように、アセンブリ186を加熱することができる。
【0079】
図7Iは、いくつかの実施形態において、
図6のGDT/MOVデバイス100と同様のアセンブリ100を形成するように、第1および第2の外部電極110,122を
図7Hのアセンブリ188上に形成することができることを示している。より具体的には、第1の外部電極110は、第1の金属酸化物層(
図6の112)の外側の対向する面に形成することができ、第2の外部電極122は、第2の金属酸化物層(
図6の120)の外側の対向する面に形成することができる。
【0080】
図8は、
図2のGDT/MOVデバイス100のさらに別のより詳細な例を示す。より具体的には、
図8は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100が、金属酸化物層112を有する第1のMOV(
図2の104)と、金属酸化物層120を有する第2のMOV(
図2の108)とを含むことができることを示している。
図8の例では、2つの金属酸化物層112,120の各々は、
図6の例と同様に、実質的に平坦な層であり得る。したがって、そのようなMOVがスペーサ190を挟んで組み立てられると、GDTチャンバ116が形成される。
【0081】
いくつかの実施形態では、スペーサ190は、
図6の例示的なスペーサ160と同様に、貫通する開口部を有するプレートとして実装することができる。しかしながら、
図8の例示的な実施形態では、スペーサ190は、その横方向の外側部分が、第1および第2の金属酸化物層112,120によって画定される外側側壁を越えて延びるような大きさを有するように示されている。本明細書に記載されるように、スペーサの上記延長部分は「ウィング」と称することができる。そのようなウィングに関連する例は、「DEVICES AND METHODS RELATED TO FLAT GAS DISCHARGE TUBES」と題された米国特許第9,202,682号明細書に記載されており、これは、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれており、その開示は、本願の明細書の一部とみなされるべきである。
【0082】
本明細書にも記載されているように、そしていくつかの実施形態では、そのようなウィング構成は、複数のGDT/MOVデバイスをアレイ形式で製造し、
図6の例に類似する複数のGDT/MOVデバイスのアレイ形式での製造後に用いられ得る分離技術とは異なる方法で分離することを可能にすることができる。そのようなアレイ形式の製造の例は、より詳細に本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、スペーサ190の横方向の内側部分は、スペーサ190の両側のシール192,194の内縁を越えて内側に延びていてもよいし、延びていなくてもよい。
【0083】
図8に示すように、第1のMOVの金属酸化物層112の外周部分とスペーサ190とを接合するために第1のシール192を実装し、第2のMOVの金属酸化物層120の外周部分とスペーサ190とを接合するために第2のシール194を実施することができる。
【0084】
図8の例では、第1のシール192、スペーサ190および第2のシール194のうちの少なくとも1つは、電気的に絶縁性の部分であり得る。例えば、スペーサ190が電気的に絶縁性の材料(例えば、セラミック)で形成されている場合、第1および第2のシール192,194の各々は、電気的に導電性の材料(例えば、金属)または電気的に絶縁性の材料(例えば、ガラス)で形成することができる。別の例では、第1および第2のシール192,194の一方または両方が電気的に絶縁性の材料(例えば、ガラス)で形成されている場合、スペーサ192は、電気的に導電性の材料(例えば、金属)または電気的に絶縁性の材料(例えば、セラミック)で形成することができる。
【0085】
図8および
図9A~9Iの説明の目的のために、スペーサ192はセラミックのような電気的に絶縁性の材料で形成され、第1および第2のシール192,194はガラスのような電気的に絶縁性の材料または金属のような電気的に伝導性の材料で形成されていることを前提とする。しかしながら、上述したように、他の構成も可能であることが理解されるであろう。
【0086】
図8の例では、第1のMOVは、金属酸化物層112の内向き面上の内部電極114を含むように示されている。第1のMOV用の同じ内部電極114は、GDTチャンバ116の第1の電極として用いられるように示されている。同様に、第2のMOVは、金属酸化物層120の内向き面上に内部電極118を含むように示されている。第2のMOV用の同じ内部電極118は、GDTチャンバ116の第2の電極として用いられるように示されている。
【0087】
図8は、いくつかの実施形態において、放射コーティングを電極114,118の各々の上に設けることができることを示している。そのような放射コーティングは、GDT/MOVデバイス100のGDT部分の作動に用いることができる。本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、電極上の放射コーティングを含んでもよいし、含んでいなくてもよいことが理解されるであろう。
【0088】
図8の例では、第1および第2の外部電極110,122は、それぞれ、第1および第2の金属酸化物層112,120の外側に実装されるように示されている。したがって、第1のMOVは、第1の外部電極110と第1の内部電極114との間に実装された第1の金属酸化物層112を含むことができる。同様に、第2のMOVは、第2の外部電極122と第2の内部電極118との間に実装された第2の金属酸化物層120を含むことができる。
【0089】
図9A~9Iは、
図8のGDT/MOVデバイス100を製造するために実施され得る例示的なプロセスの様々な段階を示す。
図9Aは、いくつかの実施形態において、スペーサ層190が提供または形成され得ることを示している。そのようなスペーサ層は、概ねGDT/MOVデバイスのGDT部分のチャンバとなるような大きさの開口部200を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口部200は、例えば、開口部200の所望の形状を打ち抜くか、または切り出すことによって、固体層に形成することができる。いくつかの実施形態では、スペーサ層190は、開口部と共に予め形成されていても良い。いくつかの実施形態では、スペーサ層190は、例えば、セラミック材料で形成することができる。
【0090】
図9Bは、いくつかの実施形態において、アセンブリ206を形成するために、スペーサ層190の周囲に近い部分の一方の面にシール層202を形成することができ、スペーサ層190の周囲に近い部分の他方の面に別のシール層204を形成することができることを示している。いくつかの実施形態では、シール層202,204は、スペーサ層190の外縁部が第1および第2の金属酸化物層112,120によって画定される側壁を越えて外方に延びるウィングが形成されるように、スペーサ層190の外縁部から内側に位置することができる。いくつかの実施形態では、シール層202,204の各々は、例えば、絶縁性シールガラスまたは他の高温絶縁性シール材料のような電気的に絶縁性の材料で形成することができる。
【0091】
図9Cは、いくつかの実施形態において、金属酸化物層が提供または形成され得ることを示している。いくつかの実施形態では、そのような金属酸化物層は、
図8の第1の金属酸化物層112または第2の金属酸化物層120として用いることができる。したがって、
図9Cの金属酸化物層は112,120として示される。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1のMOV用の金属酸化物層は、第2のMOV用の金属酸化物層とは異なるものであってもよいことが理解されるであろう。
【0092】
図9Cは、いくつかの実施形態において、金属酸化物層112,120が実質的に平坦であり得ることを示している。いくつかの実施形態では、金属酸化物層112,120は、成形プロセスまたはMOVの製造に適した他の任意のプロセスによって形成することができる。
【0093】
図9Dは、いくつかの実施形態において、アセンブリ208を形成するために、金属酸化物層112,120の内向き面上に内部電極(114,118として示されている)を形成することができることを示している。したがって、金属酸化物層112,120が
図8の第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120のために用いられる文脈では、同じ内部電極(114,118)が、第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120用に用いられ得る。いくつかの実施形態では、第1および第2の内部電極は同じであってもよいし、同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0094】
図9Eは、いくつかの実施形態において、アセンブリ210を形成するために、放射コーティング(132,134として示されている)を、それぞれの内部電極(114,118)の内向き面に形成することができることを示している。いくつかの実施形態では、第1および第2の内部電極用の放射コーティングは、同じであってもよいし、同じでなくてもよいことが理解されるであろう。
【0095】
図9Fは、いくつかの実施形態において、アセンブリ214を形成するために、金属酸化物層112,120の内向き面の周囲部分にシール材料の層212を形成することができることを示している。いくつかの実施形態では、そのようなシール材料は、絶縁性シールガラスまたは他の高温絶縁性シール材料のような電気的に絶縁性の材料であり得る。
【0096】
図9Gは、いくつかの実施形態において、
図9Fの2つのアセンブリ214と
図9Bのアセンブリ206とが、2つのアセンブリ214の内側に対向する部分の接合をアセンブリ206によって可能にするように組み立てることができることを示している。より具体的には、アセンブリ216を形成するために、第1のアセンブリ214a(
図9Fのアセンブリ214と同様)を反転させてスペーサ/シール層アセンブリ206の上に配置することができ、第2のアセンブリ214b(これも
図9Fのアセンブリ214と同様)をスペーサ/シール層アセンブリ206の下に配置することができる。
【0097】
図9Hは、いくつかの実施形態において、
図9Gのアセンブリ216は、アセンブリ218を形成するために、スペーサ層190の両面および対応する密閉チャンバ116にシール192,194を形成するように、さらに加工処理され得ることを示している。一例として、
図9Gのアセンブリ216のそのようなさらなるプロセスは、非密封のチャンバがガスで満たされるように、所望のガス(例えば、不活性ガス、活性ガス、またはそれらのいくつかの組み合わせ)を供給することを含むことができる。次いで、それぞれのシール層(
図9Bおよび9Fでは、202および212、204および212)が融合してスペーサ190の両面にシール192,194を形成し、内部に所望のガスが封入された密閉チャンバ116を形成するように、アセンブリ216を加熱することができる。
【0098】
図9Iは、いくつかの実施形態において、
図8のGDT/MOVデバイス100と同様のアセンブリ100を形成するように、第1および第2の外部電極110,122を
図9Hのアセンブリ218上に形成することができることを示している。より具体的には、第1の外部電極110は、第1の金属酸化物層(
図8の112)の外側の対向する面に形成することができ、第2の外部電極122は、第2の金属酸化物層(
図8の120)の外側の対向する面に形成することができる。
【0099】
図10は、
図2のGDT/MOVデバイス100のさらに別のより詳細な例を示す。より具体的には、
図10は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100は、
図8の例に類似しているが、複数のスペーサ層(例えば、2つのスペーサ層220,222)を含むことができることを示している。したがって、
図10のGDT/MOVデバイス100は、金属酸化物層112を有する第1のMOV(
図2の104)と、金属酸化物層120を有する第2のMOV(
図2の108)とを含むことができる。
図10の例では、2つの金属酸化物層112,120の各々は、
図6の例と同様に、実質的に平坦な層であり得る。したがって、そのようなMOVがスペーサ220,222を挟んで組み立てられると、GDTチャンバ116が形成される。
【0100】
図10の例では、スペーサ220,222の各々は、
図8の例示的なスペーサ層190と同様に、貫通する開口部を有するプレートとして実装することができる。このようなスペーサ(220,222)では、第1のMOVの金属酸化物層112の周囲部分とスペーサ220とを接合するためにシール224を実装することができ、スペーサ220とスペーサ222とを接合するためにシール226を実装することができ、第2のMOVの金属酸化物層120の周囲部分とスペーサ222とを接合するためにシール228を実装することができる。
【0101】
図10の例では、2つのスペーサ220,222の各々が
図8のスペーサ190と同様であることを前提とすると、追加のスペーサは、GDT/MOVデバイス100のGDT部分がより高い電圧をサポートすることを可能にすることができる。したがって、3つ以上のそのようなスペーサを用いることができることが理解されるであろう。
【0102】
図10の例では、第1および第2の内部電極114,118、任意の放射コーティング132,134、および第1および第2の外部電極110,122は、
図8の例と同様であってもよい。しかしながら、そのような部分は、例えばより高い電圧をサポートするために、異なるものであってもよいことが理解されるであろう。
【0103】
図11A~11Eは、
図10のGDT/MOVデバイス100を製造するために実施され得る例示的なプロセスの様々な段階を示す。
図10のスペーサ220,222の各々が、
図8のスペーサ190と同様であることを前提とすると、
図11Aでは、
図9Bの2つのアセンブリ206が形成され得る。同様に、
図11Bでは、
図9Fのアセンブリ214が、2つの金属酸化物層112,120の各々に形成され得る。
【0104】
図11Cは、いくつかの実施形態において、
図11Bの2つのアセンブリ214および
図11Bの2つのアセンブリ206は、2つのアセンブリ214の内側に対向する部分の接合を2つのスペーサ・アセンブリによって可能にするように組み立てることができることを示している。より具体的には、第1のアセンブリ214a(
図11Bのアセンブリ214と同様)は、反転させて、第1のスペーサ/シール層アセンブリ206aの上に配置することができ、これは次に、第2のスペーサ/シール層アセンブリ206bの上に配置される。第2のアセンブリ214b(これも
図11Bのアセンブリ214と同様)は、アセンブリ230を形成するために、第2のスペーサ/シール層アセンブリ206bの下に配置され得る。
【0105】
図11Dは、いくつかの実施形態において、
図11Cのアセンブリ230は、アセンブリ232を形成するために、それぞれの層の間にシール224,226,228を形成するようにさらに加工処理され得ることを示している。一例として、
図11Cのアセンブリ230のそのようなさらなるプロセスは、非密封のチャンバがガスで満たされるように、所望のガス(例えば、不活性ガス、活性ガス、またはそれらのいくつかの組み合わせ)を供給することを含むことができる。次いで、それぞれのシール層(
図11Aおよび11Bの202,204,212)が融合してそれぞれの層の間のシール224,226,228を形成し、内部に所望のガスが封入された密閉チャンバ116形成するように、アセンブリ230を加熱することができる。
【0106】
図11Eは、いくつかの実施形態において、
図10のGDT/MOVデバイス100と同様のアセンブリ100を形成するように、第1および第2の外部電極110,122を
図11Dのアセンブリ232上に形成することができることを示している。より具体的には、第1の外部電極110は、第1の金属酸化物層(
図10の112)の外側の対向する面に形成することができ、第2の外部電極122は、第2の金属酸化物層(
図10の120)の外側の対向する面に形成することができる。
【0107】
図4~11を参照して説明した例では、それぞれのGDT/MOVデバイス100は、単一ユニットとして製造されるように描かれている。いくつかの実施形態では、そのようなGDT/MOVデバイスの一部または全てが、別個のユニット(例えば、単一ユニットとして)で、アレイ形式で、またはそれらの任意の組み合わせで製造され得ることが理解されるであろう。
【0108】
例えば、
図12A~12Hは、GDT/MOVデバイス(
図4のGDT/MOVデバイス100と同様)がアレイ形式で製造される製造プロセスの様々な段階を示す。別の例では、
図13A~13Jは、GDT/MOVデバイス(
図6のGDT/MOVデバイス100と同様)がアレイ形式で製造される製造プロセスの様々な段階を示す。さらに別の例では、
図14A~14Fは、GDT/MOVデバイス(
図8のGDT/MOVデバイス100と同様)がアレイ形式で製造される製造プロセスの様々な段階を示す。
【0109】
図12Aを参照すると、複数のユニット(各ユニットは112,120として示される)を有するアレイ300が提供または形成され得る。各ユニットは、
図5Aの金属酸化物層112,120と同様であってよく、したがって、
図12Aのアレイ300は、第1の金属酸化物ユニット112のアレイ、または第2の金属酸化物ユニット120のアレイであり得る。したがって、各ユニットは
図5Aの例と同様に形成される場合には、アレイ300はアレイ形式で形成することができる。
【0110】
図12Bを参照すると、
図12Aのアレイ300は、各ユニットが
図5Bの例示的なアセンブリ144と同様の複数のユニット144を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図5Aの例と同様に形成される場合には、アセンブリ302はアレイ形式で形成することができる。
【0111】
図12Cを参照すると、
図12Bのアセンブリ302は、各ユニットが
図5Cの例示的なアセンブリ146と同様の複数のユニット146を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図5Cの例と同様に形成される場合には、アセンブリ304はアレイ形式で形成することができる。
【0112】
図12Dを参照すると、
図12Cのアセンブリ304は、各ユニットが
図5Dの例示的なアセンブリ150と同様の複数のユニット150を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図5Dの例と同様に形成される場合には、アセンブリ306はアレイ形式で形成することができる。
【0113】
図12Eを参照すると、
図12Dの2つのアセンブリ306は、各ユニットが
図5Eの例示的なアセンブリ152と同様の複数のユニット152を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図5Eの例と同様に構成される場合には、アセンブリ308はアレイ形式で形成することができる。
【0114】
図12Fを参照すると、
図12Eのアセンブリ308は、各ユニットが
図5Fの例示的なアセンブリ154と同様の複数のユニット154を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図5Fの例と同様に形成される場合には、アセンブリ310はアレイ形式で形成することができる。
【0115】
図12Gを参照すると、
図12Fのアセンブリ310は、各ユニットが
図5Gの例示的なアセンブリと同様の、複数の接合されたユニットを含むアセンブリ312を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図5Gの例と同様に形成される場合には、アセンブリ312はアレイ形式で形成することができる。
【0116】
図12Hを参照すると、
図12Gのアセンブリ312は、各ユニットが
図5GのGDT/MOVデバイス100と同様の複数の個別のユニット100を得るように加工処理され得る。いくつかの実施形態では、そのような個別のユニットは、
図12Gのアレイ形式のアセンブリ312の分離によって得ることができる。いくつかの実施形態では、そのような分離プロセスは、例えば、積層アセンブリ全体を2つのユニット間でカットする切断プロセス(例えば、ノコギリ切断、ブレード切断、レーザー切断など)を含むことができる。
【0117】
図13Aを参照すると、複数のユニット(各ユニットは160として示される)を有するアレイ320が提供または形成され得る。各ユニットは、
図7Aのスペーサ層160と同様であってもよく、したがって、
図13Aのアレイ320は、スペーサ層ユニット160のアレイであってもよい。したがって、各ユニットが
図7Aの例と同様に形成される場合には、アレイ320はアレイ形式で形成することができる。
【0118】
図13Bを参照すると、
図13Aのアレイ320は、各ユニットが
図7Bの例示的なアセンブリ176と同様の複数のユニット176を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Bの例と同様に形成される場合には、アセンブリ322はアレイ形式で形成することができる。
【0119】
図13Cを参照すると、複数のユニット(各ユニットは112,120と示されている)を有するアレイ324が提供または形成され得る。各ユニットは、
図7Cの金属酸化物層112,120と同様であってよく、したがって、
図13Cのアレイ324は、第1の金属酸化物ユニット112のアレイ、または第2の金属酸化物ユニット120のアレイであり得る。したがって、各ユニットが
図7Cの例と同様に形成される場合には、アレイ324はアレイ形式で形成することができる。
【0120】
図13Dを参照すると、
図13Cのアレイ324は、各ユニットが
図7Dの例示的なアセンブリ178と同様の複数のユニット178を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Dの例と同様に形成される場合には、アセンブリ326はアレイ形式で形成することができる。
【0121】
図13Eを参照すると、
図13Dのアセンブリ326は、各ユニットが
図7Eの例示的なアセンブリ180と同様の複数のユニット180を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Eの例と同様に形成される場合には、アセンブリ328はアレイ形式で形成することができる。
【0122】
図13Fを参照すると、
図13Eのアセンブリ328は、各ユニットが
図7Fの例示的なアセンブリ180と同様の複数のユニット184を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Fの例と同様に形成される場合には、アセンブリ330はアレイ形式で形成することができる。
【0123】
図13Gを参照すると、
図13Fのアセンブリ330および
図13Bのアセンブリ322の2つは、各ユニットが
図7Gの例示的なアセンブリ186と同様の複数のユニット186を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Gの例と同様に構成される場合には、アセンブリ322はアレイ形式で形成することができる。
【0124】
図13Hを参照すると、
図13Gのアセンブリ332は、各ユニットが
図7Hの例示的なアセンブリ188と同様の複数のユニット188を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Hの例と同様に形成される場合には、アセンブリ334はアレイ形式で形成することができる。
【0125】
図13Iを参照すると、
図13Hのアセンブリ334は、各ユニットが
図7Iの例示的なアセンブリと同様の、複数の接合されたユニットを含むアセンブリ336を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図7Iの例と同様に形成される場合には、アセンブリ336はアレイ形式で形成することができる。
【0126】
図13Jを参照すると、
図13Iのアセンブリ336は、各ユニットが
図7IのGDT/MOVデバイス100と同様の複数の個別のユニット100を得るように加工処理され得る。いくつかの実施形態では、そのような個別のユニットは、
図13Iのアレイ形式のアセンブリ336の分離によって得ることができる。いくつかの実施形態では、そのような分離プロセスは、例えば、積層アセンブリ全体を2つのユニット間でカットする切断プロセス(例えば、ノコギリ切断、ブレード切断、レーザー切断など)を含むことができる。
【0127】
図12A~12Hおよび
図13A~13Jの製造例は、それぞれの処理ステップの実質的にすべてがアレイ形式である間に達成され得る例であり、分離ステップは、例えば、2つの隣接するユニット間で積層アセンブリ全体を切断することを含む。
図14A~14Fは、異なる層のすべてについてアレイ形式が用いられない製造プロセスの例を示す。したがって、そのような製造プロセスでは、分離ステップは、1つ以上のアレイ形式層によって接合されたユニットの分離を含むことができる。
【0128】
例えば、
図14Aを参照すると、複数のユニット(各ユニットは190と示される)を有するアレイ350が提供または形成され得る。各ユニットは、
図9Aのウィング状のスペーサ層190と同様であってよく、したがって、
図14Aのアレイ350は、スペーサ層ユニット190のアレイであり得る。したがって、各ユニットが
図9Aの例と同様に形成される場合には、アレイ350はアレイ形式で形成することができる。
【0129】
いくつかの実施形態では、スペーサ層ユニット190のアレイ350は、より容易な分離プロセスを可能にするように構成され得る。例えば、切込み構造を、2つの隣接するユニット190の間の線に沿って形成することができる。分離の間、そのような切込み構造は、例えば、機械的な力をかけること(例えば、分離のために各ユニットをスナップすること)によって、ユニット190を分離することを可能にすることができる。そのような分離の例は、本明細書においてさらに詳細に記載される。
【0130】
図14Bを参照すると、
図14Aのアレイ350は、各ユニットが
図9Bの例示的なアセンブリ206と同様の複数のユニット206を得るように加工処理され得る。したがって、各ユニットが
図9Bの例と同様に形成される場合には、アセンブリ352はアレイ形式で形成することができる。
【0131】
図14Cを参照すると、いくつかの実施形態では、アセンブリ354を得るために、アセンブリ215(
図9Fの例示的なアセンブリ214と同様であるが、その上に形成された外部電極を有する)が、
図14Bのアレイ形式アセンブリ352の各ユニット(206)上に配置され得る。いくつかの実施形態では、アセンブリ215は、別個のユニットとして、アレイ形式のステップ後に分離されるユニットとして、またはそれらのいくつかの組み合わせとして製造することができる。
【0132】
図14Dは、いくつかの実施形態において、アセンブリ215は、アセンブリ356を形成するために、アレイ形式のアセンブリ(
図14Bの352)の各ユニット(206)に対して、2つの面のそれぞれに配置され得ることを示している。したがって、
図14Dの各ユニット217は、2つのアセンブリ215を含むように示されている。そのようなユニット(217)は、
図9Gの例示的なアセンブリ216と同様であり得るが、その上に形成された外部電極を有する。
【0133】
図14Eを参照すると、
図14Dのアセンブリ356は、各ユニットが
図9Hの例示的なアセンブリ218と同様であるが、その上に形成された外部電極を有する、複数の接合されたユニットを得るように加工処理され得る。したがって、アセンブリ358はアレイ形式のままであることができ、その各ユニットは
図9Iの例と同様である。
【0134】
図14Fは、いくつかの実施形態において、個別のユニットが、
図14Eのアセンブリ358の分離によって得られることを示している。例えば、個別のユニット100(
図9IのGDT/MOVデバイス100と同様)は、スペーサ層の略中間位置362で折る(snap off)ことにより、隣接するユニットから分離されるように示されている。いくつかの実施形態では、そして本明細書に記載されているように、そのような分離は、例えば、スペーサ層の中間位置362またはその近傍にある切込み構造によって促され得る。スペーサ層の分離は、他の技術を利用しても達成され得ることが理解されるであろう。
【0135】
図4~14を参照して本明細書に記載された様々な例において、所与のGDT/MOVデバイスは1つのGDTチャンバを含むことが前提とされている。しかしながら、本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、1つ以上のGDTチャンバを含むことができることが理解されるであろう。
【0136】
例えば、
図15は、いくつかの実施形態において、GDT/MOV100は、
図2の例と同様に、第1の金属酸化物層112および第2の金属酸化物層120を含むことができることを示している。したがって、そのような金属酸化物層の間には、本明細書に記載された例を含めて様々な接合部分を実装することができる。
【0137】
図15の例では、第1の金属酸化物層112と第2の金属酸化物層120との間に複数のGDTチャンバが実装されるように示されている。より具体的には、第1のGDTチャンバ116aおよび第2のGDTチャンバ116bが、第1および第2の金属酸化物層112,120の間に実装されることが示されている。第1のGDTチャンバ116aは、内部電極114a,118aに関連付けられて示され、第2のGDTチャンバ116bは、内部電極114b,118bに関連付けられて示されている。したがって、第1のMOV機能は、第1の金属酸化物層112、内部電極114a,114b、および外部電極110によって提供され得る。同様に、第2のMOV機能は、第2の金属酸化物層120、内部電極118a,118b、および外部電極122によって提供され得る。
【0138】
図15の例では、2つのGDTチャンバ(116a,116b)は互いに分離されているように示されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、そのようなGDTチャンバが互いに(例えば、ガスの観点において)連通していることが望ましい場合がある。そのため、
図16は、いくつかの実施形態において、GDT/MOV装置100は、互いにガス連通状態にある2つのGDTチャンバ116a,116bを含むことができることを示している。
図16では、そのようなガス連通は、例えば、2つのGDTチャンバ116a,116bの間の開口部380によって達成され得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、
図16の例の上記構成は、2つのGDTチャンバ間のガス平衡が必要であるか求められる場合には好ましいかもしれないが、2つの概ね同様のチャンバに関連付けられた電気的特性も必要であるかまたは求められる。
図16の例では、GDT/MOVデバイス100の他の様々な部分は、
図15の例と同様であり得る。
【0140】
本明細書に開示された多くの例では、所与のGDTチャンバは、一組の内部電極が関連付けられていることを前提としている。しかしながら、他の数の内部電極が用いられ得ることが理解されるであろう。
【0141】
例えば、
図17は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100は、一方の面の複数の内部電極114a,114bと、他方の面の複数の内部電極118a,118bとによって促進されるGDTチャンバ116を含むことができることを示している。内部電極114a,114bは、第1の金属酸化物層112に関連付けられた第1のMOV用の共通電極として機能することができる。同様に、内部電極118a,118bは、第2の金属酸化物層120に関連付けられた第2のMOV用の共通電極として機能することができる。他の構成の内部電極も実装可能であることが理解されるであろう。例えば、第1のMOVに関連付けられた内部電極は、第2のMOVに関連付けられた内部電極と同じであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0142】
また、外部電極110は、外部電極122と同じであってもよいし、そうでなくてもよいことが理解されるであろう。さらに、
図18に示すように、外部電極機能は、複数の電極によって提供され得る。例えば、電極110a,110bは、第1の金属酸化物層112に関連付けられた第1のMOV用の外部電極機能を提供することができ、電極122a,122bは、第2の金属酸化物層120に関連付けられた第2のMOV用の外部電極機能を提供することができる。
【0143】
図19は、いくつかの実施形態において、GDT/MOVデバイス100は、GDTチャンバ116と、GDTチャンバ116に関連付けられた3つのMOV要素とを含むことができることを示している。
図19の例では、スペーサ層160、シール162,164、放射コーティング134、内部電極118、金属酸化物層120、および外部電極122は、
図6を参照して本明細書に記載された例と同様であり得る。
【0144】
単一の内部電極114と単一の外部電極110との間に単一の金属酸化物層112が設けられている
図6の例とは異なり、
図19のGDT/MOVデバイス100は、GDTチャンバ116の向かい側に実装された2つの電気的に絶縁された金属酸化物層112a,112bを有する。いくつかの実施形態では、そのような2つの絶縁された金属酸化物層は、電気的に絶縁するシール113(例えば、ガラスシール)によって分離され得る。そのような電気的に絶縁するシールはまた、GDTチャンバ116にシール機能をもたらすことができる。
【0145】
図19の例では、内部電極114aおよび任意の放射コーティング132aが金属酸化物層112aの内側に実装されることが示され、外部電極110aが金属酸化物層112aの外側に実装されることが示されている。同様に、内部電極114b及び任意の放射コーティング132bが金属酸化物層112bの内側面に実装されることが示され、外部電極110bが金属酸化物層112bの外側に実装されることが示されている。したがって、GDT/MOVデバイス100は、GDTチャンバ116の一方の側の2つの金属酸化物層112a,112bと、GDTチャンバ116の他方の側の1つの金属酸化物層120とに関する3つのMOV要素を含むことが示されている。
【0146】
図19の例では、GDT/MOVデバイス100のエッジ領域は、
図6の例と同様であることが前提となっている。しかしながら、
図19のデバイス100は、他のエッジ領域の例を用いて実装することもできることが理解されるであろう。
【0147】
いくつかの実施形態では、
図4~18の例のような、本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、(別個またはアレイ形式の加工処理のための)第1および第2の金属酸化物層またはパネルの間の中間面を中心にして対称性または略対称性を持つように構成され得る。例えば、所与の第1および第2の金属酸化物層またはパネルは、そのような対称性を持つように、同じまたはほぼ同じ寸法にすることができる。そのような対称性または略対称性により、温度変化を伴うステップを含む様々な加工処理ステップの間の機械的応力を低減させることができる。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、別のGDT/MOVデバイスを含む別のデバイスと組み合わせることができる。例えば、
図20は、いくつかの実施形態において、2つのGDT/MOVデバイスが直列に一体となって実装され得ることが示されている。より具体的には、第1および第2のGDTチャンバ406,414は、第1の金属酸化物層(402)、第2の金属酸化物層(410)、および第3の金属酸化物層(418)を交互に配置して実装されることが示されている。したがって、電極404は、第1の金属酸化物層402および第1のGDTチャンバ406のための共通電極であり得、電極408は、第2の金属酸化物層410および第1のGDTチャンバ406のための共通電極であり得、電極412は、第2の金属酸化物層410および第2のGDTチャンバ414のための共通電極であり得、電極416は、第3の金属酸化物層418および第2のGDTチャンバ414のための共通電極であり得る。
【0149】
電極400,420は、GDT/MOVデバイス100の外部電極として実装することができる。したがって、
図20の構造の電気回路表現は102のように描かれ得る。
【0150】
図21および
図22は、GDT/MOVデバイスが別の電気デバイスと結合され得る他の例を示す。例えば、
図21は、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイス100は、構成430を構成するように、熱ヒューズ434(例えば、単流熱ヒューズ)と直列に配置することができることを示している。いくつかの実施形態では、GDT/MOVデバイス100は、熱ヒューズ434と物理的に直接接触することができる。いくつかの実施形態では、GDT/MOVデバイス100は、熱ヒューズ434に電気的に接続されるが、熱ヒューズ434と物理的に直接接触しないことができる。
【0151】
別の例では、
図22は、いくつかの実施形態において、本明細書に記載されているような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイス100が、構成432を構成するように、サーマルスイッチ436(例えば、リセット可能なサーマルカットオフ(TCO))と直列に配置され得ることを示している。いくつかの実施形態では、GDT/MOVデバイス100は、サーマルスイッチ436と物理的に直接接触することができる。いくつかの実施形態では、GDT/MOVデバイス100は、サーマルスイッチ436と電気的に接続されるが、サーマルスイッチ436と物理的に直接接触していないことができる。
【0152】
本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、1つ以上の電気部品またはデバイスを用いて、直列に、並列に、またはそれらの任意の組み合わせで実装することも可能であることが理解されるであろう。
【0153】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような様々な金属酸化物層に関する材料のようなMOV材料は、例えば、酸化亜鉛(ZnO)またはZnOベースの材料、および/または、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)またはSrTiO3ベースの材料を含むことができる。最初の例の文脈では、ZnOベースの材料は、他の金属酸化物化合物、例えばSb2O3、Bi2O3、MnO、Cr2O3等を含むか、またはそのような他の金属酸化物化合物をドーピングすることによって形成することができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、MOV材料は、伝導機構を形成するために金属酸化物(例えば、ZnO粒子)の微細構造の構成を含むことができる。例えば、一般に半導電性である所定のZnO粒子またはZnO粒は、薄い絶縁性の境界層によって別のZnO粒から分離することができる。そのような境界層の絶縁破壊電圧は、約3.2Vである。したがって、所与のMOVデバイスの絶縁破壊電圧は、2つの電極間の粒の数(例えば平均数)に基づくことができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、上記の金属酸化物層の一部または全部を、半導電性セラミック材料として実装することができる。このような半導電性セラミック層では、電極を形成する前に、(例えばメッキによって)セラミック本体を最初に保護することによって、(例えば、取付け実装用途のための端子として構成された)外部電極を形成することができる。セラミック本体のそのような保護は、化学的および/または物理的な施用方法を利用して、セラミック本体上にパッシベーション層を形成することによって達成することができる。例えば、物理的な施用方法は、半導電性セラミック本体を何らかの絶縁性ポリマーでコーティングすることを含むことができる。別の例では、化学的な施用方法は、少なくとも電極を形成する目的で、半導電性セラミック本体の露出した表面が電気的に絶縁されるようになる化学反応を含むことができる。
【0156】
本明細書に記載されるように実装される少なくとも前述のZnO系材料およびSrTiO3系材料は、一般的に、圧電材料を含まず、かつ/または、圧電特性を含まないことに留意されたい。したがって、いくつかの実施形態では、前述の例のいくつかまたはすべてを含む、本明細書に記載されているような様々な金属酸化物層に関する材料のようなMOV材料は、一般的に、有意な量の圧電材料を含まない、かつ/または、有意な程度の圧電特性を含まないように構成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような1つ以上の特徴を有するGDT/MOVデバイスは、本明細書に記載されるような様々な金属酸化物層に関する材料のような、たとえ少量であっても有意な程度の圧電特性を利用しないように構成された材料を含むことができる。上記の圧電特性は、例えば、圧電抵抗特性を含むことができることが理解されるであろう。
【0157】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるようなスペーサ層は、例えば、セラミックまたはアルミナを含むことができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような様々なGDTチャンバは、例えば、ネオン、アルゴン、窒素、および/または水素で充填することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような様々な内部電極または共通電極は、例えば、銀、銅および/またはタングステンで形成することができる。そのような電極の形成は、例えば、スクリーン印刷技術、パッド印刷技術、または蒸着/フォトエッチング技術によって達成することができ、そのような技術の一部または全部の次に焼結ステップが続く。
【0160】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような様々な外部電極は、例えば、ニッケルまたは錫でオーバーめっきされた銀で形成することができる。そのような電極の形成は、例えば、スクリーン印刷技術またはパッド印刷技術によって達成することができ、そのような技術の一部または全部の次に焼結ステップが続く。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているような様々な任意の放射コーティングは、例えば、様々な金属、塩、およびハロゲン化物化合物を用いて形成することができる。
【0162】
文脈で明確に必要としない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える」「備えている」などの語句は、排他的または網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味、すなわち、それに限定されるのではなく「含む」という意味で解釈されるべきである。一般的に本明細書で使用される、「結合」という用語は、2つ以上の要素が直接接続される、または、1つ以上の中間要素を介して接続されることを意味する。また、「本明細書に」、「上記の」、「下記の」の語句および類似の語句は、本出願において使用される場合、本出願の任意の特定の部分ではなく本出願の全体を指す。ここで、文脈が許すところで、明細書中の単数形または複数形による単語は、それぞれ、複数または単数を含むことができる。2つまたはそれ以上の項目のリストを参照する「または」の語句は以下の解釈のすべてを包含する:リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の任意の組合せ。
【0163】
本発明の実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であることを意図したものではなく、また、本発明を上記に開示された詳細な形態に限定することを意図したものではない。本発明の特定の実施形態、および本発明のための実施例は、例示目的で上記に記載されているが、関連する技術の当業者であれば認識するであろうように、本発明の範囲内で様々な均等な改変が可能である。例えば、プロセスまたはブロックが所定の順序で示されているが、代替的な実施形態は、ステップを有するルーチンを実行してもよく、またはブロックを有するシステムを別の順序で用いてもよく、いくつかのプロセスまたはブロックは、削除、移動、追加、細分化、結合、および/または変更されてもよい。これらのプロセスまたはブロックの各々は、様々な異なる方法で実施されてもよい。また、プロセスまたはブロックが直列に実行されるように示されることがあるが、これらのプロセスまたはブロックは、代わりに並列して実行されてもよく、または時を異にして実行されてもよい。
【0164】
本明細書で提供される本発明の教示は、必ずしも上述したシステムに限らず、他のシステムにも適用することができる。上述した様々な実施形態の要素および作用は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態が記載されているが、これらの実施形態は例示のためだけに示されており、本開示の範囲を限定することを意図していない。実際、本明細書に記載された新規な方法およびシステムは、様々な他の形態で実施されてもよく、さらに、様々の省略、置換、および本明細書に記載された方法およびシステムの形態の変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および趣旨に含まれるであろうそのような形態または修正をカバーすることを意図している。