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特許7390375医療機器の封じ込め輸送システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】医療機器の封じ込め輸送システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20231124BHJP
【FI】
A61B50/33
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021523952
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 US2019068487
(87)【国際公開番号】W WO2020139891
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】62/784,995
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/847,142
(32)【優先日】2019-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カミングス、ネイサン ティ.
(72)【発明者】
【氏名】ダンディン、ジェニー
(72)【発明者】
【氏名】ダレーナ、ミシェル イー.
(72)【発明者】
【氏名】ボーリック、アリソン
(72)【発明者】
【氏名】ラフラム、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】タルスキー、ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ、マーク
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202016105248(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0215507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0299361(US,A1)
【文献】実開平01-006940(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0273084(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0176060(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0134453(US,A1)
【文献】特表2018-508245(JP,A)
【文献】特表2012-506277(JP,A)
【文献】特表2008-543364(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/33
A61B 50/10
A61B 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面及び前記底面を包囲する複数の側面を備え、かつ、閉鎖された第1の端及び開放された第2の端を画定して医療機器を受承して保持するための内側部分を形成する容器であって、前記側面のうちの1つ以上の側面の少なくとも一部は各側面の全長に沿って延びる、前記各側面内の凹部を有する、前記容器と、
前記容器を取り外し可能に封入可能なライナーであって、前記側面上を延びて、前記容器の前記内側部分を被覆するとともに、前記側面上を完全に、前記容器の前記底面の外面まで延びて、前記容器の外形に適合可能な前記ライナーと、からなる医療機器を収容し輸送するためのシステムであって、
前記1つ以上の側面の少なくとも一部上に設けられる前記凹部は、前記容器の前記内側部分内に向かって延び
前記凹部はフレア状の端部開口部を有する、
医療機器を収容し輸送するためのシステム。
【請求項2】
前記容器の前記底面は、陥凹部を有する輪郭要素を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器の前記開放された第2のに取り外し可能に取り付けることができる蓋をさらに備え、前記蓋は、前記側面上を延びて前記容器の前記内側部分を封入する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記容器の前記開放された第2のに取り外し可能に取り付けることができる蓋をさらに備え、前記蓋は、前記容器の前記内側部分内に少なくとも部分的に挿入可能であり、前記蓋の張り出し部は前記容器の前記側面の上端に接触する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記蓋の外形は、前記容器及び前記蓋が相互に整合して積み重ねることができるように、前記容器の底面の外形に係合するように形成されている、請求項3又は4に記載のシステム。
【請求項6】
前記蓋は1つ以上のハンドルを含む、請求項3~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記容器を取り外し可能に封入可能であり、かつ、前記側面の少なくとも一部上を延びるとともに前記容器の前記開放された第2の端を横断して延びて前記内側部分を封入する第1のカバーと、
前記容器を取り外し可能に封入可能であり、かつ、前記側面の少なくとも一部上を延びるとともに前記容器の前記開放された第2の端を横断して延びて前記内側部分を封入する第2のカバーとをさらに備え、
前記第1のカバーは、前記第2のカバーと交換可能であり、
前記第1のカバーは、前記第2のカバーとは視覚的に異なることにより、前記医療機器の状態を視認可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記ライナーは、弾性開口部、引きひも、固定要素、又はそれらの組み合わせによって前記容器を取り外し可能に封入可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
底面及び前記底面を包囲する複数の側面を備え、かつ、閉鎖された第1の端及び開放された第2の端を画定して医療装置を受承して保持するための内側部分を形成する、医療装置を収容し輸送するための容器であって、
記側面のうちの1つ以上の側面の少なくとも一部は各側面の全長に沿って延びる、前記各側面内の凹部を有し
前記1つ以上の側面の少なくとも一部上に設けられる前記凹部は、前記容器の前記内側部分内に向かって延び
前記凹部はフレア状の端部開口部を有する、医療装置を収容し輸送するための容器。
【請求項10】
前記容器の前記1つ以上の側面の一部は、第2の凹部を含む、請求項9に記載の容器。
【請求項11】
前記容器を取り外し可能に封入可能なライナーをさらに備え、同ライナーは、前記側面上を延びて前記容器の前記内側部分を被覆するとともに、前記側面上を完全に、前記容器の前記底面の外面まで延び、前記容器の外形に適合可能である、請求項9又は10に記載の容器。
【請求項12】
前記容器の前記開放された第2の端に取り外し可能に取り付けられて前記容器の前記内側部分を封入する蓋をさらに備え、前記蓋は前記容器の前記内側部分内に少なくとも部分的に挿入可能であり、前記の張り出し部は前記容器の前記側面の上端に接触する、請求項9~11のいずれか一項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封じ込め輸送システムに関し、より詳細には、医療機器を輸送するための容器及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡などの一部の装置は、継続的に患者に使用する為に再利用することができる。診療所や病院などの医療施設では、使用の合間に各装置を手動で洗浄して高レベルで消毒して、医療処置で使用するために装置を再処理又は保管場所から別の場所に輸送する必要がある場合がある。清潔な医療機器は、医療処置を実行するために医療専門家に輸送することが可能であり、使用済み医療機器は、再処理又は保管場所に輸送することができる。
【0003】
医療施設の課題の1つは、相互汚染や感染症や病気の蔓延を最小限に抑えるために、清潔で使用済みの医療機器のワークフローを維持することである。現在、医療施設で使用されている医療機器の封じ込め輸送システムは、例えば、消毒工程後であっても細菌や他の汚染物質が表面に残り得る構成を含むなど、洗浄が難しい場合がある。封じ込めシステムが完全に消毒されていない場合には、清潔な医療機器が汚染のリスクにさらされる可能性がある。
【0004】
さらに、現在使用されている封じ込めシステムと輸送システムは併せて使用されるため、輸送システムで使用される特定の容器によって医療施設が限定される場合がある。したがって、医療施設は、必要に応じて、異なる種類の輸送システムで特定の容器の構成を交換できない場合がある。
【0005】
これら及び他の考慮事項に関して、本発明の改善が有用であり得る。
【発明の概要】
【0006】
この概要は、以下の詳細な説明でさらに説明する簡略化した形式で概念の選択を紹介するために設けられている。この概要は、請求項に記載された主題の主要な要素又は本質的な要素を必ずしも特定することを意図するものではなく、請求項に記載された主題の範囲を決定する際の補助にされることも意図されていない。
【0007】
本発明の例示的な実施形態によれば、医療機器を収容し輸送するためのシステムは、医療装置を受承して保持する内側部分を形成するために閉鎖された第1の端及び開放された第2の端として底面及び包囲する複数の側面を含む容器を含む。1つ以上の側面の少なくとも一部は、各側面の一定の長さに沿って延びる凹部を有する。ライナーは、容器を取り外し可能に封入すること又は容器に取り外し可能に取り付けることができる。ライナーは、側面上を延びて、容器の内側部分を容器の底面の外面まで覆う。ライナーは、容器の外形に適合する。凹部は、容器が第1の向きで第1の輸送装置に互換的に受承可能なように、容器の内側部分の中に形成される。
【0008】
本発明の上記及び別の実施形態のいくつかにおいて、容器の底面は一定の輪郭要素を含んでおり、容器は、第1の向きとは異なる第2の向きで第1の輸送装置に互換的に受承可能である。蓋は、容器の開放された第2の端に取り外し可能に取り付けることができ、蓋は、側面上に延びて容器の内側部分を封入する。蓋は、容器の開放された第2の端に取り外し可能に取り付けることができる。蓋は、容器の内側部分に少なくとも部分的に挿入可能であり、蓋の張り出し部は、容器の側面の上端に接触する。蓋の外形は、容器の底面の輪郭要素に嵌合するように形成されているため、複数の容器と蓋とは、互いに整合して積み重ねることができる。蓋は、1つ以上のハンドルを含む。第1のカバーは、容器を取り外し可能に封入すること又は容器に取り外し可能に取り付けることが可能であり、側面の少なくとも一部の上を延びるとともに容器の開放された第2の端を覆って延びて内側部分を封入する。第2のカバーは、容器を取り外し可能に封入すること又は容器に取り外し可能に取り付けることが可能であり、側面の少なくとも一部上を延びるとともに容器の開放された第2の端を覆って延びて内側部分を封入する。第1のカバーは、医療機器の状態を視覚的に確認するために第2のカバーと交換可能である。第1のカバーは、第2のカバーとは対照的に、リバーシブルであり、リバーシブルのカバーの各側は、医療機器の異なる状態を視覚的に確認するためのものである。容器は、第2の輸送装置に互換的に受承可能である。第2の輸送装置は、第1の輸送装置とは異なるため、容器は、第1の輸送装置と第2の輸送装置との間で交換可能である。ライナーは、弾性開口部、引きひも、又は固定要素、あるいはそれらの組み合わせによって、容器を取り外し可能に封入すること、又は容器に取り外し可能に取り付けることができる。1つ以上のハンドルは、側面、底面、又は側面と底面との間の角、又はそれらのいくつかの組み合わせの凹部として容器に形成される。ハンドルは、容器を把持する時に使用者の手指を収容するサイズを有する幅、深さ、及び高さで形成される。蓋のハンドルは、容器のハンドルを補完するように形成されているため、片方の手指と親指とで容器のハンドルと蓋のハンドルとを把持することができる。容器の側面は、開放された第2の端から閉鎖された第1の端まで底面に直交する方向に直線に沿って延び、又は側面は、開放された第2の端から閉鎖された第1の端まで鉛直方向から内方に向かって先細になる直線に沿って延びる。容器の内側部分の中に形成された凹部は、凹部の長さに沿って均一な高さの開口部を有し、又は開口部は、凹部の一端又は両端に向かって高さが増加しているため、容器は、輸送装置にさらに互換的に受承可能になる。容器の底面の輪郭要素は、容器の側面と底面の外面とを覆って延びるライナーの集合した縁部を収容することができる底面に沿った空間を形成するために、底面から容器の内側部分内に延びる凹部を含む
本発明の例示的な実施形態によれば、医療機器を収容し輸送するための容器は、医療機器を受承して保持するための内側部分を形成するために閉鎖された第1の端及び開放された第2の端として底面及び包囲する複数の側面を含む。1つ以上の側面の少なくとも一部は、各側面の一定の長さに沿って延びる第1の凹部を有する。1つ以上の側面の少なくとも一部にある第1の凹部は、容器の内側部分内に形成される。容器は、第1の輸送装置に受承されるように互換性を有する。
【0009】
本発明の上記及び他の実施形態において、突出部は、1つ以上の側面の少なくとも一部から延びて、前記1つ以上の側面の少なくとも一部の第1の凹部に対して配置可能である。容器の1つ以上の側面の一部は、第2の凹部を含む。ライナーは、容器を取り外し可能に封入すること又は容器に取り外し可能に取り付けることができる。ライナーは、側面上に延びて、第1又は第2の凹部に係合して、容器の内側部分を覆うことができ、ライナーは、容器の外形に適合する。容器は、第2の輸送装置で互換的に受承可能である。第2の輸送装置は、第1の輸送装置とは異なるため、容器は、第1の輸送装置と第2の輸送装置との間で交換可能である。蓋は、容器の内側部分を封入するために、容器の開放された第2の端に取り外し可能に取り付けることができる。
【0010】
本発明の例示的な実施形態によれば、医療機器を収容し輸送するための方法は、ライナーを容器に取り付ける工程を含む。容器は、閉鎖された第1の端及び開放された第2の端として底面及び包囲する複数の側面を含んで内側部分を形成する。1つ以上の側面の少なくとも一部は、各側面の一定の長さに沿って延びる凹部を有する。ライナーは、容器の側面及び内側部分を覆って、容器の底面の外面まで延びるため、ライナーは、容器の外形に適合し得る。医療機器は、容器の内側部分に受承される。第1のカバーは、容器を封入すること又は容器に取り付けることができる。第1のカバーは、側面の少なくとも一部上を覆って容器の開放された第2の端を横断して延びて、内側部分を封入する。第1のカバーは、医療機器の状態を視覚的に確認するために第2のカバーと交換可能である。第1のカバーは、第2のカバーとは対照的に、リバーシブルであり、リバーシブルのカバーの各側は、医療機器の異なる状態を視覚的に確認するためのものである。凹部は、容器が第1の向きで第1の輸送装置に互換的に受承されるように、容器の内側部分に形成される。容器の底面は、一定の輪郭要素を含むため、容器が第1の向きとは異なる第2の向きで、第1の輸送装置に対して互換的に受承可能である。蓋は、容器の開放された第2の端に取り付けられて、容器の内側部分を封入する。容器は、第2の輸送装置に対して互換的に受承可能である。第2の輸送装置は、第1の輸送装置とは異なるため、容器は、第1の輸送装置と第2の輸送装置との間で交換可能である。医療機器の状態の変化に応じて、第1のカバーを第2のカバーに交換することができる。
【0011】
本発明の非限定的な実施形態は、例を示すことを目的として添付の図面を参照して説明されており、図面は、概略的であって、縮尺通りに描くことを意図されていない。図面では、図示されている同一又はほぼ同一の構成要素はそれぞれ、通常、1個の数字で表されている。明確性の為に、当業者が本発明を理解できるようにするために図解が必要でない場合には、すべての構成要素がすべての図面においてラベル付けされているわけではなく、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけでもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1B】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1C】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1D】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1E】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1F】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1G】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図1H】本発明の一実施形態にかかるハンドル要素を備えた図1D~1Gの容器を示す図。
図1I】本発明の一実施形態にかかるハンドル要素を備えた図1D~1Gの容器を示す図。
図1J】本発明の実施形態にかかる凹部及び輪郭要素を備えた図1D~1Iの容器を示す図。
図1K】本発明の実施形態にかかる凹部及び輪郭要素を備えた図1D~1Iの容器を示す図。
図1L】本発明の実施形態にかかる凹部及び輪郭要素を備えた図1D~1Iの容器を示す図。
図2A】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図2B】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図2C】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図2D】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図2E】本発明にかかる容器の例示的な実施形態を示す図。
図3A】本発明にかかる容器用蓋の例示的な実施形態を示す図。
図3B】本発明にかかる容器用蓋の例示的な実施形態を示す図。
図3C】本発明にかかる容器用ハンドル要素を備えた蓋の例示的な実施形態を示す図。
図3D】本発明にかかる容器用ハンドル要素を備えた蓋の例示的な実施形態を示す図。
図4A】本発明にかかる容器用蓋の例示的な実施形態を示す図。
図4B】本発明にかかる容器用蓋の例示的な実施形態を示す図。
図5A】本発明にかかる封じ込め輸送システムの例示的な実施形態を示す部分図。
図5B】本発明にかかる積み重ねられた構成の複数の容器の例示的な実施形態を示す断面図。
図5C】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図5D】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図5E】本発明にかかる封じ込めシステムのレール構成の例示的な実施形態を示す図。
図6A】本発明にかかる容器ライナーの例示的な実施形態を示す図。
図6B】本発明にかかる容器ライナーの例示的な実施形態を示す図。
図6C】本発明にかかる容器カバーの例示的な実施形態を示す図。
図6D】本発明にかかる容器カバーの例示的な実施形態を示す図。
図6E】本発明にかかる容器ライナー及びカバーの例示的な実施形態を示す図。
図6F】本発明にかかる容器ライナー及びカバーの例示的な実施形態を示す図。
図6G】本発明にかかる容器ライナー及びカバーの例示的な実施形態を示す図。
図6H】本発明にかかる容器ライナー及びカバーの例示的な実施形態を示す図。
図7】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図8A】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図8B】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図8C】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図9A】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図9B】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図10A図9A~9Bの封じ込めシステム用アダプタの例示的な実施形態を示す図。
図10B図9A~9Bの封じ込めシステム用アダプタの例示的な実施形態を示す図。
図10C図9A~9Bの封じ込めシステム用アダプタの例示的な実施形態を示す図。
図11A】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図11B】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図12A】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図12B】本発明にかかる封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図13A】本発明にかかるハンドル要素を備えた封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図13B】本発明にかかるハンドル要素を備えた封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図14A】本発明にかかるハンドル要素を備えた封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図14B】本発明にかかるハンドル要素を備えた封じ込めシステムの例示的な実施形態を示す図。
図15】本発明にかかる医療機器を収容し輸送するための方法の例示的な実施形態のフローチャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態に限定されない。本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図していない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同一の意味を有する。
【0014】
本明細書で使用される場合、単数形「a(ひとつ)」、「an(ひとつ)」、及び「the(その)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用する場合、「comprise(備える)」及び/又は「(comprising)備えている」又は「include(含む)」及び/又は「including(含んでいる)」という用語は、記載された特徴、領域、工程の要素及び/又は構成要素の存在を特定するものであるが、1つ以上の別の特徴、領域、整数、工程、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0015】
本発明にかかる封じ込め輸送システム、及び方法の例示的な実施形態は、改善された洗浄性又は消毒のために構成されて、医療機器の汚染のリスクを低減する。例示的な実施形態は、再処理されていない装置を不注意に再利用したり、使用されたと考えられるすでに再処理された装置の不注意に再処理したりすることを最小限、又は防止するように構成される。上記のように、既存のシステムは、汚染物質をトラップする可能性のあるアンダーカット、リップ、ノッチなどの要素で構成されている。取り扱い中に、医療専門家が汚染されたアンダーカット又はリップに接触すれば、汚染物質を清潔な医療機器に移動させて、患者に病気を広げるリスクを高める可能性がある。
【0016】
本発明にかかる封じ込めシステムは、再処理及び患者に使用するために医療施設にわたって輸送される医療機器を受承し、取り扱い、保持するために汚染を最小限にするように改善された設計を有する容器を含む。図1A~1Gを参照して、容器100の例示的な実施形態を示す。容器100は、医療機器を受承して保持するためのトレイ、バスケット、又はより浅いタイプの受け具として形成される。容器100は、底面105、及び包囲する複数の側面110a~110dを有して、閉鎖された第1の端115及び開放された第2の端120を有する。開放端を有する容器100は、底面105と包囲する複数の側面110a~110dとによって形成された内側部分125を有するため、例えば、医療機器は、底面105上に配置することによって受承されて、包囲する複数の側面110a~110dで容器の内側部分に保持される。いくつかの実施形態では、側面110a~110dは、底面105に垂直な直線に沿って延び(例えば、図1A~1C)、別の実施形態では、1つ以上の側面110a~110dは、開放された第2の端120から閉鎖された第1の端115まで内方に先細になる直線に沿って延びる。例えば、図1D~1Lを参照すると、容器100は、容器の前面及び背面に沿って直交する側面110b,110dを含むが、凹部130を含む容器の側面に沿った側面110a,110cは、開放された第2の端120から閉鎖された第1の端115まで延びる鉛直方向から少し内方に先細になっている。図1Eは、0度~約5度の範囲で鉛直方向からの角度ΘSW度のテーパーを示す。このテーパーは、容器が装置に搭載された時、容器の側面110a,110cと輸送装置の側面との間にクリアランスを設けるために役立つ。代替的に又は追加的に、このテーパーは、容器の製造工程で役立ち、例えば、成形技術が使用される場合には、射出成形の金型から容器を取り出すことを補助する。
【0017】
いくつかの実施形態では、容器100は、例えば4つの側面110a~110dを有する長方形又は正方形として形成されるが、容器は、任意の数の「n」個の側面を有して形成され得る。加えて、容器100は、底面と包囲する複数の側面とを接続する丸みを帯びた縁部107を有ることができ、これは、より完全な消毒及び取り扱いに有利になり得る。先細りした側面を有する実施形態では、側面は、開放された第2の端から閉鎖された第1の端までの直線であって丸みを帯びた縁部107の頂部に接する直線に沿って形成される(図1E参照)。容器は、プラスチック又は複合材料などのほぼ剛性の材料で形成され、単一部品としてその構成に熱成形又は成型される。
【0018】
容器100は、1つ以上の凹部130を有する。実施形態では、第1の凹部130aは、第1の側面110aの少なくとも一部に沿って延び、例えば、底面105にほぼ平行をなして延びる。同様に、第2の凹部130aは、第3の側面110cの少なくとも一部に沿って延び、例えば、底面105にほぼ平行をなして第1の凹部130aに整合して延びる。いくつかの実施形態では、凹部は側面の一部に沿って延びるが、凹部は各面の全長に沿って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、容器100は、対向する側面に沿って、輸送装置により受承される2つの凹部130a,130bを有する。凹部は、別の側面110b,110dなどの少なくとも一部にも含まれてもよい。凹部130は、例えば、容器100が直立姿勢で輸送装置に受承されるように、互いにほぼ対称をなす。実施形態では、容器は、医療施設で輸送するためにカートに入れることができる。
【0019】
凹部130は、内側部分125内に内方に向かって延びるように形成される。いくつかの実施形態では、凹部130は、例えば、長方形の断面を有するレールとして形成される。凹部は、使用者、例えば医療専門家が、凹部130(例えば、表面135a)によって容器100を把持することができるように内方に向かって形成される。医療専門家は、代替的に及び/又は追加的に、底面105及び/又は側面110a~110d(例えば、丸みを帯びた縁部107)を介して容器100を取り扱うことができる。実施形態では、医療専門家は、カートなどの輸送装置に容器100を出し入れして、容器100を再処理する場所及び/又は患者を処置する場所に運ぶことができる。凹部130は、互いにほぼ直交して形成された表面135a~135c(90度±10度)を有するが、いくつかの実施形態では、1つ以上の表面が鈍角(≧90度)を有してもよい。例えば、表面135aは、それが表面135bに近づくにつれてわずかに下方に傾斜して、鉛直面135bに対して約90.5度の角度を形成してもよい。さらに別例では、表面135cは、表面135bに対して約104度の角度Ωをなすため、表面135cが容器100の側面に延びるにつれて、表面135cは底面105に向かって下方に向かって傾斜してもよい(例えば図1L参照)。凹部130の表面135a~135cは、洗浄可能であり、例えば、汚染物質が凹部にトラップされないため、医療専門家が必要に応じて容器100を把持して運搬する時、相互汚染は最小限に抑えられ得る。実施形態では、表面135a~135cの角は、容器100の洗浄性を高めるための半径を有しており、洗浄のために約0.100~0.180インチ(約0.245~0.457センチ)の間の寸法にされ得る(例えば、図4B参照)。表面135a~135cは、「C」又は「U」形状を有して開口部「o」を形成する。以下に説明するように、開口部「o」は、例えば、底面105に対してほぼ鉛直に形成された表面135bに基づいて、医療専門家による取り扱いを可能にするため、及び/又はカバー、ライナー、又はその双方を受承可能にするために、所望のサイズにされる。
【0020】
いくつかの実施形態では、凹部130は、側面に沿って均一な高さの開口部を有し(例えば、図1C)、別の実施形態では、凹部は、凹部の一端又は両端で増加する開口部の高さを有する。図1Fを参照すると、容器100は、側面110a,110cに沿って延びて、フレア状の端部開口部132を有する凹部130を含む。凹部130の中間の長さの高さはdciとして表され、フレアを有する端部開口部132の高さはdtiとして表されている。高さdtiは、フレア状の端部開口部132の長さにわたって高さdciに徐々に減少する。例えば、最大の高さでは、フレア状の端部開口部132は、凹部130の中間の長さの高さよりも約30%~50%大きい。フレア状の端部開口部は、容器が装置の中に搭載された時、凹部130の開口部を輸送装置505a,505cのレール515に整合させることを補助する。フレア状の端部開口部132は、凹部130の開口部の縁部とレール515の縁部との間にいくらかのギャップクリアランスを設けて、容器がレールに沿って輸送装置の中に摺動することを容易にする。いくつかの実施形態では、凹部130の一端又は両端は、フレアを有するか否かにかかわらず、凹部を備えた側面から隣接する側面に回り込んだ部分135dを含む(例えば、図1D参照)。これは、整合を補助し、整合されると、輸送装置のレールに沿って凹部を発進させるのに役立つ。
【0021】
実施形態では、凹部130は、容器100が複数の輸送装置の中に互換的に受承可能に形成される。例えば、容器100は、第1及び第2の輸送装置が異なる構成を有する場合、第1の輸送装置及び第2の輸送装置に受承可能である。容器は、異なる構成の任意の数の「n」個の輸送装置に互換的に受承可能であることが理解できる。凹部は、容器が異なる構成を有するカートに適合して受承可能であるように一定の深さで内側部分125内に内方に向かって延びる。いくつかの実施形態では、容器100及び凹部130は、輸送装置に受承可能な寸法にされる。この点では、容器100は、様々な輸送に互換性を有する(図5A,5C,5D,5Eを参照)。
【0022】
容器100の底面105は、輪郭要素140を含む。輪郭要素140は、陥凹部145を含み、例えば、底面105の外面148は、底面105の部分150から内方に配置される。陥凹部145は、凹部130a,130bを有する側面の反対側の側面110b,110dに沿って、及び/又は底面105の中央部分147に沿って配置される。いくつかの実施形態では、側面110a,110cは、少なくとも部分150を有する。
【0023】
いくつかの実施形態では、底面105の中央部分147は、底面105の陥凹部145の表面から内側部分125の中に延びる凹部146を含む(例えば、図1D~1H,1J,1K,13A~13B及び14A~14B参照)。図1D~1Eを参照すると、凹部146は正方形の形状を有し、約0mm~約25mmの範囲である距離drbで内側部分125の中に延びる。図に示すように、凹部146は、0.4インチ(約10.16mm)の距離drbで内側部分125の中に延びる。凹部146の形状は正方形として描かれているが、円形、楕円形、長方形など、任意の数の別の形状であってもよい。凹部146の外形は、図に示すように、縁の周りの段差と、底面105及び陥凹部145に平行をなす比較的平坦な部分とを備えたプラトーのような断面を有する。代替的には、凹部146は、ドーム状の断面を有し、底面105の陥凹部145から中央部分147の頂点まで緩やかな傾斜を有し、その後、陥凹部145に戻る緩やかな傾斜を有する。凹部146は、外面148を包含し、ライナー600の閉鎖要素610(例えば、弾性体)が側面110a~110d及び底面105の外周面を包む時、集まることができる空間として機能し得る(例えば、図6Bを参照)。閉鎖要素610が凹部146に集められると、底面105は、比較的平坦に維持され、例えば、積み重ね及び/又は保管を容易にする。追加的にまたは代替的に、凹部146の隆起面は、容器の底面105を強化し(例えば、ねじれ又は反りに抵抗する)、又は製造を容易にする(例えば、射出又は熱成形金型からの容器の取り外しを容易にする)ように機能する。
【0024】
底面105及び陥凹部145は、容器100が複数の向きで輸送装置に受承されることを可能にし得る。図5Cに示すように、第1の容器500aは、第1の向きで凹部130を介して輸送装置505cに受承される。輸送装置505cは、より下方の部分505では容器が第1の向きで受承されないように構成されている。いくつかの実施形態では、輸送装置505cは、凹部130で容器を受承するための手段を欠き、及び/又は容器500aが受承されることを防止する追加の要素を含み、例えば、輸送装置505cの底部に支持要素を含む。この場合、第2の容器500bは、第2の向き、例えば、中心軸線155を中心として容器を90度回転させて、輸送装置505cに受承可能である。陥凹部145は、第2の容器500bが、上記第1の容器500aから十分な鉛直方向のクリアランスを伴って輸送装置505cに適合することを可能にする。いくつかの実施形態では、容器100は長方形に形成されるため、第2の向きにおいて、第2の容器500bは、第1の向きよりもより幅の狭い形態で受承される。第1及び第2の容器500a,500bは、以下に説明するように、容器100、及び/又は容器200a~200eについて説明した要素を含むことが理解できる。
【0025】
いくつかの実施形態では、底面105及び/又は包囲する複数の側面110a~110dは、容器100の保持及び移動を容易にするためにハンドル160,170,180を組み込むことができる(以下で更に詳細に説明するように、図1H~1L,13A~13B及び14A~1Bを参照)。図1H~1Lには、角ハンドル160を備えた容器100が示されている。各角ハンドル160a,160bは、対向する両側面110b,110d及び底面105のそれらの隣接する陥凹部145に一体形成される。各ハンドル160a,160bは、手のひら側を上向きにして容器を把持する使用者の手指を収容するサイズを有する幅Wh、高さHh、及び深さDhの寸法を有する。例えば、各ハンドル160a,160bは、3~7インチ(76.2~177.8mm)で延びる幅Wh、1.0~3.0インチ(25.4~76.2mm)で延びる高さ、及び0.5~2.0インチ(12.7~50.5mm)で延びる深さDhを有する。ハンドル160a,160bは、各側面110b,110dから容器100の内側部分125内に内方に向かって延びて、凹んだディンプル165aに移行する傾斜した鉛直面165bを含む。ディンプル165aは、容器100を把持する時に使用者の指先を収容するサイズにすることができる。ハンドル160,170,180の別の形状及び寸法は、使用者の要求に応じて可能である。ハンドル160,170,180は、特に容器がライナー600に収容されている場合には、底面105及び/又は側面110a~110dから容器を保持することと比較して、より安全な把持要素を設け得る。例えば、ハンドル160a,160bは、側面110a~110dの全長に沿って延びていない。したがって、閉鎖要素610は、ディンプル165a及び/又は傾斜した鉛直面165bに取り付けることはできない。ライナー、カバー、又はその双方は、代わりに、容器の底面まで延びて(図6Bを参照)、ハンドル160,170,180を覆う。ディンプル165a及び傾斜した鉛直面165bを覆うことにより、使用者の手及び/又は輸送中の輸送装置からの容器への汚染を低減又は排除できる。
【0026】
いくつかの実施形態では、追加的な要素が容器100に組み込まれて、例えば、使用者が容器上の別の要素を見つけて、容器を把持し、容器をカート505cなどの輸送装置505aに搭載したり荷下したりすることを補助し又は製造を補助する。図1Jを参照すると、図1H~1Iの容器100は、ハンドル160a,160bが配置される側面110b,110dのそれぞれに切り欠き144を含む。スロット144は、ハンドル160の幅に一致するような大きさに形成される。これに関して、スロット144は、使用者のためにいくつかの機能を発揮しうる。例えば、スロット144は、容器のどちらの側がハンドル及び凹部130の向きを含むかに関して、容器を上から把持する使用者に対して触覚フィードバックを提供し得る。また、スロット144は、手指で容器100の底部にあるハンドル160を把持して、親指で容器の上部を把持する使用者のためのより安全な把持面も設け得る。
【0027】
追加の要素は、凹部130に輪郭要素を形成するとともに、凹部130の下に容器の角にある丸みを帯びた縁部107の面取りを形成することを含む。図1J~1Lを参照すると、容器100は、側面110a,110cの凹部130の各端部において底面135cに傾斜した縁部136a,136bを有する。傾斜した縁部は、側面110a,110cの鉛直面に一致する表面135cの縁部で始まり、表面135cの背面に向かって直線に沿って先細になり、そこで、凹部130の各端部で表面135bに接続する。傾斜した縁部136a,136bの間は、直線状の縁部136cである。直線状の縁部136cの近位端及び遠位端において、傾斜した縁部が始まる地点は、所望の傾斜角度に応じて変更し得る。いくつかの実施形態では、直線状の縁部136cに一致する鉛直面からの傾斜した縁部136a,136bの角度は、0~35度、又は10~25度、又は15~20度、又はそれらの端点内及び端点を含む任意の角度の範囲であり得る。同様に、傾斜した縁部は直線であるように示されているが、傾斜した縁部が先細になるにつれて、それらは一定の湾曲又は角を有するように構成され、例えば、傾斜した縁部が開始及び終了する地点は、凹状の曲線を画定し、又は異なる勾配の複数の直線、又は異なる曲率半径を有する複数の曲線、又はそれらの組み合わせで構成されてもよい。
【0028】
追加的に又は代替的に、側面110a,110cは、図1J~1Lに示すように、凹部130の下の丸みを帯びた縁部107上に面取りされた表面142a,142bを含む。面取りされた表面142aは、縁部136cに隣接する傾斜した縁部136a,136bの端部から、表面135cの背面の傾斜した縁部136a,136bの端まで半楕円形に延びる平坦面を有する傾斜面を画定し、ここで、表面135cは、凹部130の各端部で表面135bに接続する。半楕円形の下端は、容器の底面105の部分150と一致してそれに移行する。面取りされた表面142a,142bの下端が会合して底面105の部分150に移行する部位は、傾斜面の所望の角度に応じて変更し得る。実施形態では、面135cの外縁(及び含まれる場合は傾斜縁136a,136bの底部)に一致する水平面からの面取りされた表面142a,142bの傾斜面の角度は、30~90度、又は40~75度、又は45~60度、又はそのような範囲の端点内の任意の角度及び端点を含む任意の角度の範囲である。平坦面として図に示されているが、傾斜した平面は、湾曲面、例えば凹状の表面を有してもよい。
【0029】
容器100は、図1J及び1Kには、容器100の複数の角において、各凹部130の端部は、傾斜した縁部136a,136b、及び面取りされた表面142a,142bを有するように示されているが、傾斜した縁部のみ又は面取りされた表面のみを含むことができ、及び/又は傾斜した縁部や面取りされた表面は、凹部130の一端のみに含まれてもよい。傾斜した縁部及び面取りされた表面はそれぞれ、容器100の内側部分125内に延び得る(図1J)。傾斜した縁部と面取りした表面との開始部及び停止部は、一致していてもよいし(図のように)、異っていてもよい。傾斜した縁部及び/又は面取りされた表面を含めることにより、輸送装置又はカートへの容器の搭載が容易になり得る。さらに、角を柔軟にすることによって、容器の製造を容易にし得る。例えば、傾斜した縁部及び/又は面取りされた表面を備えた容器は、製造がより容易であり、及び/又は容器の一部を強化することができる。例えば、射出成形は、そのような縁部及び/又は表面は、容器を金型からより容易に離脱可能にするため、容易になり得る。さらなる例として、そのような縁部及び/又は表面は、雌型への熱成形(真空成形)によって製造される時、より強い角を有する容器を可能にし得る。縁部を傾斜させたり、表面を面取りしたりすることにより、成形材料(プラスチックなど)を金型に引き伸ばす必要がある範囲が狭くすることが可能になる。これにより、角の材料が厚くなるため、材料の量が少ない角に比べてより強い角になり得る。角の強度は、使用中に落とした場合に、破損に耐える為に重要になる。容器100の各角は、輪郭を有する要素を含み得るが、いくつかの実施形態は、変更した要素を有する1つの角、2つの角、又は3つの角を含み、残りの角は、変更されていない。
【0030】
いくつかの実施形態では、容器の側面は、突出部を含む。ここで図2A~2Eを参照すると、容器200a~200eの凹部の例示的な実施形態が示されている。図2A~2Eについて説明する凹部及び突出部は、図1A~1Lの容器100に含まれてもよく、凹部及び/又は突出部は、任意及び/又はすべての側面11a~110dの外周面に全体に及び/又は部分的に延びてもよいことが理解できる。さらに、いくつかの実施形態では、容器200a~200eは、容器100で示したように、底面105に輪郭要素を有し、凹部146を含む。いくつかの実施形態では、容器200a~200eは、容器100について説明したハンドル160,170,180に類似する角ハンドル、底部ハンドル及び/又は側面ハンドルとともに形成される。
【0031】
図2Aでは、凹部230aは、内側部分125内に内方に延び、少なくとも第1の表面255aを有する。第1の表面255aは、底面105にほぼ平行に配置されるため、側面110a~110dの外形は、ほぼ直角を形成する。第2の表面255bは、第1の表面255aから、例えば、底面105に対してほぼ鉛直に延びる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の表面255a,255bは、上記の表面135a,135bに類似し、開口「o」を形成する。凹部230aは、例えば、各側面110a~110dから外方に延びる突出部240に隣接している。いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2の表面255a,255bは、角度の付いた表面245に移行する。突出部はさらに真っ直ぐな表面250を含むため、突出部240の外形は三角形である。真っ直ぐな表面250は、底面105に対してほぼ平行に配置され、側面110a~110dに対してほぼ直角をなす。
【0032】
いくつかの実施形態では、凹部及び突出部は、互いに一定の距離「d」を置いて形成される。図2Bに示すように、凹部230bは、突出部240から離間されている。凹部230bは、凹部130とほぼ同様に形成され、例えば、内側部分125の中に内方に向かって形成されたほぼ鉛直な表面135a~135c、開口「o」を形成するための長方形の断面、先細りした端部開口部132、又は囲み面135dを有する。突出部240は、各側面110a~110dから外方に延びる傾斜面と、側面110a~110dに対してほぼ直交する真っ直ぐな面250とを有する。凹部230b及び突出部240は、距離「d」、例えば、側面110a~110d上に鉛直方向、すなわち直交方向(底面105に直交する方向)の距離によって離間されている。いくつかの実施形態では、容器200bの底面105の近くに配置された突出部240は、医療機器のバランスをとるために、底面105に向かって支持を高めることができる。
【0033】
図2A~2Bは、側面110a~110dに沿って(例えば、第2の開放端120に向かって)突出部の上に配置された凹部の実施形態を示すが、いくつかの実施形態では、凹部は、図2Cに示すように、突出部の下に(例えば、閉鎖された第1端115に向かって)配置される。突出部240は、図2A~2Bで上記説明した突出部に類似し、傾斜面245及び鉛直面250を有し、外形は、側面110a~110d上に三角形を形成する。凹部230cは、上記凹部230に類似し、例えば、ほぼ鉛直な面135a~135c、開口部「o」を形成する長方形の断面、先細りした端部開口部132、又は囲み面135dを有する。突出部240及び凹部230cは、側面110a~110dに沿って互いに任意の距離「d」を置いて、例えば、鉛直方向(底面105に直交する)の距離を置いて配置される。
【0034】
突出部240は、容器200a~200cが医療専門家によって取り扱われ、又は運搬されることを可能にし得る。例えば、真っ直ぐな表面250は、取り扱いのために把持することができ、側面110a~110dの外形の鉛直性のために、容易かつ完全に消毒することができる。以下に説明するように、突出部230a~230cは、各開口部oa,b,がライナー、カバー、又はその双方を受承することができるような寸法にされる。
【0035】
いくつかの実施形態では、突出部の代わりに、第2の凹部235dが容器200dに含まれる。図2Dに示すように、側面110a~110dは、第1の凹部230d、及び第2の凹部235dを含み、これらはそれぞれ、上記のように凹部130a,130b,230a~230cと同様に形成され、例えば、ほぼ直交する表面135a~135c、開口部「od1」,「od2」を形成する長方形の断面,先細りした端部開口部132,又は囲み面135cを備える。第1及び第2の凹部230d,235dは、側面110a~110dに沿って互いに任意の距離「d」を置いて、例えば、鉛直方向(底面105に直交する)の距離を置いて配置される。凹部230d,235dは、同一に形成されてもよいし、又は異なるサイズで形成されてもよい。例えば、凹部230d,235dの一方は、医療専門家が取り扱いのために凹部230d,235dを把持することができるような(例えば、開口部od1、od2を有する)サイズで形成され、凹部230d,235dの他方は、ライナー、カバー、又はその双方を受承するサイズに形成される。
【0036】
凹部230a~230eは、例えば、より大きな、又はより小さな開口部「o」を有するなど、所望のサイズに形成され得る。図2Eに示すように、一個の凹部230eが側面110a~110dに形成されてもよく、開口部「o」、「o」、「o」、及び/又は「od1」、「od2」よりも大きな開口部[o]を有する。各開口部は、各表面135b、例えば、底面105にほぼ直交して形成された凹部の表面によって画定される。開口部oは、医療専門家が容器200eを取り扱うための凹部を把持可能にし、以下に説明するようにカバー、ライナー、又はその双方を受承可能にする。
【0037】
いくつかの実施形態では、容器100,200a~200eは、第2の開放端120を覆い、内側部分125を封入する蓋を含む。ここで図3A~3D及び4A~4Bを参照すると、蓋300は、容器100,200a~200eに一致するように、例えば、側面110a~110上を延びるように成形される。蓋300は、例えば、側面110a~110d及び面305に一致するように、4つの側面310a~310dを有する。蓋300は長方形で示されているが、蓋は、容器の形状に一致する任意の形状を有し得ることが理解できる。
【0038】
いくつかの実施形態では、蓋300は、1つ以上のハンドルを含み得る。図3C~3Dを参照すると、蓋300は、ハンドル340a,340bとともに示されている。ハンドル340aは、蓋300の側面310bに配置されて、縁部315bに一体形成される。ハンドル340bは、蓋300の側面310dに配置されて、縁部315dに一体形成される。蓋ハンドル340は、容器ハンドル160,170,180と併せて、蓋が取り付けられた時、容器100の保持及び移動を容易にし得る。各蓋ハンドル340a,340bは、対応する容器ハンドルの幅Wh及び深さDhの寸法に一致する幅Wh及び深さDhの寸法を有する。例えば、各蓋ハンドル340a,340bは、3~7インチ(76.2~177.8mm)で延びる幅Wh、0.5~2.0インチ(12.7~50.8mm)延びる深さDhを有する。蓋ハンドルの表面345aの傾斜は、凹んだディンプル165aの傾斜と一致するため、2つの平行をなす傾斜は、取り扱いのための補完的な表面を形成する。寸法及び相対傾斜は、容器ハンドルで手のひら側を上向きして容器を握りつつ、同一の手の親指で蓋ハンドル340の表面345aを握る使用者の手指に対応するようなサイズに形成される。
【0039】
別例では、図4Aに示すように、ハンドル410は、蓋300,400上に配置される。1つ以上のハンドル410は、蓋300,400の任意の側面及び/又はすべての側面310a~310d、縁部315a~315d、及び/又は張り出し部420からの突出部として延びるため、医療専門家は、蓋300、容器100,200a~200e、又はその双方を取り扱うことができる。追加的及び/又は代替的に、ハンドル410は、輸送装置505a,505cのレール515にインターフェースして、容器100,200a~200e,500は、輸送装置に受承されて保持される。
【0040】
蓋300は、側面310a~310dによって画定された面305を有し、面305にほぼ直交して延びる各縁部315a~315dを有する。蓋300は、容器100,200a~200eに取り外し可能に取り付け可能であるため、縁部315a~315dは、各側面110a~110dの少なくとも一部上を延びる。蓋300が容器100,200a~200eに取り付けられた時、面305は、第2の開放端120を横断して延びて、内側部分125を覆い、底面105に対してほぼ平行に配置される。いくつかの実施形態では、容器100,200a~200eは、蓋300の中に締まりばめされるため、封じ込め及び/又は輸送中に蓋が取り付けられた構成で保持されて、医療機器の汚染を最小限に抑え得る。いくつかの実施形態では、蓋は、容器が蓋の中に緩く受承可能であるように、公差を有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、蓋400は、容器100,200a~200eの内側部分125内に少なくとも部分的に受承されるように構成される。図4A~4Bに示すように、面305は、面305に対してほぼ鉛直に延びて、容器100,200a~200eの内側部分125の中に少なくとも部分的に延びる縁部415a~415dを有する。面305の張り出し部420は、縁部415a~415dの上に延び、及び/又は縁部415a~415dに接触するため、取り付けられた構成において、張り出し部420は、各側面110a~110dの少なくとも一部に接触して、蓋400は、容器100,200a~200eの内側部分125を封入する。いくつかの実施形態では、ハンドル410は、張り出し部420から延びる。縁部415a~415dは、容器100,200a~200eに締まりばめされるため、医療専門家が望むまで、蓋は容器に取り付けられた状態を維持する。
【0042】
いくつかの実施形態では、面305は、一定の輪郭要素320を含むが、別の実施形態では、面305は輪郭要素を含まなくてもよい。輪郭要素320は、例えば、内側部分125に対して外方に延びる突出部として形成される。実施形態では、蓋300上の輪郭要素320は、容器100,200a~200eの底面105上の輪郭要素140に嵌合するように形成される。輪郭要素320は、底面105の陥凹部145に一致する隆起面325、及び底面の部分150に一致する対応部分330を含む。陥凹部145が底面105の中央部分147にある実施形態では、隆起面325は、蓋300の中央部分335に配置されるため、蓋300の面305の隆起面325は、容器100、200a~200eの底面の陥凹部145に入れ子にすることができる。
【0043】
このようにして、蓋300は、容器100,200a~200eと積み重ねることができる。図5Bに示すように、第1の容器500aは、蓋300を底面105と入れ子にすることによって、第2の容器500bと積み重ねられるように構成される。第1及び第2の容器500a,500bは、容器100,200a~200eについて説明した上記要素を含み、蓋300に取り外し可能に取り付け可能である。入れ子構成は、容器を互いに積み重ねること、例えば、鉛直方向に積み重ねることを可能にし、これは、医療施設に追加の容器を保管するため及び/又は複数の容器の輸送中に有利である。例えば、入れ子構成は、容器の積み重ねに安定性を付与して転倒の可能性を低減し、医療機器の潜在的な汚染を低減し得る。蓋300,400は、プラスチック又は複合材料などのほぼ剛性の材料で形成することができ、熱成形、又は成型された構成を有する単一物品である。
【0044】
封じ込め輸送システムは、容器100,200a~200eの内側部分125を覆うためのライナーをさらに含み得る。実施形態では、医療装置が容器100,200a~200eの内側部分125に配置されたとき、ライナーは、ライナーが内側部分125に対する保護バリアとして機能する。これは、例えば、使用済み医療機器を受承したり保持したりするときに、潜在的な汚染を最小限に抑えるのに役立ち得る。医療機器を洗浄のために取り出す場合には、ライナーは、容器が使用済みの医療機器と直接接触しないように廃棄されてもよい。
【0045】
ここで図6Aを参照すると、ライナー600は、ライナー部分605と閉鎖要素610とを有する。ライナー部分605は、容器100,200a~200eの側面110a~110d上を延びて、内側部分125を覆うサイズを有する。ライナー部分605は、容器100,200a~200eの側面110a~110d上を全体に延びて、容器100,200a~200eの底面105の外面148まで延びる。ライナー部分605は、容器100,200a~200eを包囲又はほぼ包囲して、保護バリアとして機能してて、医療装置と容器との間、及び/又は使用者と医療装置及び又は容器との間の直接的な接触を防止したり最小限にしたりする。(図7参照)。ライナー部分605は、一個のプラスチックシートなどの可撓性材料で形成されて、閉鎖要素610として縁部を有する。可撓性材料は、ライナー600が容器100,200a~200eの外形に適合可能にし、例えば、ライナーは、側面110a~110dを囲んで容器の内側部分125に位置する。実施形態では、ライナー600は、少なくとも部分的にほぼ透明又は半透明であるが、ライナー600は、着色され、すなわち不透明であってもよい。ライナー600は、例えば、ライナー内のトレイの向きを示すため、閉鎖要素610を強調するため、使用、再処理、輸送、及び取り扱い等の様々な段階での医療機器の状態を示すための記号、触感、パターン及び/又は言語を含み得る。
【0046】
ライナー600は、閉鎖要素610によって容器に取り外し可能に取り付け可能、又は容器を取り外し可能に封入可能であるため、容器100,200a~200eが覆われた時、閉鎖要素610は、ライナー600を所定の位置に維持し、容器100,200a~200eを封入する。図6Bに示すように、ライナー600が容器100,200a~200eを封入した時、閉鎖要素610は、底面105の外面148に配置される。実施形態では、凹部146は、容器100,200a~200eの底面105の外面148に組み込まれ、凹部146の内側部分125に隆起した空間は、例えば、図6Bの集められた閉鎖要素610を収容しつつ、ほぼ平坦面を維持する。ライナー部分605が容器100,200a~200eの内側部分125を横断して連続的に延びるようにライナー600を整合させることにより、容器の汚染を最小限に抑えることができる。例えば、流体又は他の粒子は、底面105の外面148に配置された時、閉鎖要素610の縁を越えて漏れることはない。
【0047】
いくつかの実施形態では、閉鎖要素610は弾性体である。ライナー600は、例えば、弾性体によって容器100,200a~200e上に伸展されるため、弾性体は伸展された姿勢に拡張する。容器を封入するように配置されると、弾性体は、底面105の外面148で伸展されていない姿勢に戻る。いくつかの実施形態では、弾性体は、ほぼ楕円形又はフットボールの形状を有する開口部において、伸展されていない、集められた姿勢にある。図6Bに示すように、フットボール形状の開口部は、参照符号615で示すように、容器100,200a~200eの底面105の外面148のごく一部のみを露出させたままにすることができる。容器100,200a~200eをライナー600でほぼ封入して、容器の下側の一部のみを露出させたままにすることにより、容器及び/又は清潔な医療機器の汚染を最小限に抑えることができる。図6A~6Bに弾性体が示されているが、ライナーは、引きひも、接着剤、固定要素、又はそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の方法で、容器に取り外し可能に取り付けること又は容器を取り外し可能に封入することができることが理解できる(図8A~12B参照)。
【0048】
いくつかの実施形態では、ライナーは、側面110a~110d上を部分的に延びるため、閉鎖要素610は、側面110a~110dの周りに伸展された姿勢で留まる。上記のように、閉鎖要素610、すなわち弾性体は、凹部230a~230e及び/又は突出部240に係合可能である。
【0049】
説明したように、ライナー600は、容器の内側部分125に医療機器を配置する前に、容器100,200a~200eに取り外し可能に取り付けること、又は容器100,200a~200eを取り外し可能に封入することができる。図7に示すように、医療機器705は、ライナー600が容器に取り付けられた後、容器100,200a~200eの内側部分125に配置される。
【0050】
医療装置が容器内に配置された時、カバーは、第2の開放端120を横断して延びるため、医療装置は、ライナー600とカバーとの間に捕捉される。図6C~6D及び図7に示すように、第1のカバー620は、カバー部分625及び閉鎖要素630を有し、第2のカバー635は、カバー部分640及び閉鎖要素645を有する。実施形態では、カバー部分625,640は、一個のプラスチックシートなどの可撓性材料で形成され、各閉鎖要素630,645として縁部を有する。可撓性材料は、第1及び第2のカバー620,635が容器100,200a~200eを横断して延びることを可能にし、例えば、第1及び/又は第2のカバー620,635は、容器100,200a~200eの第2の開放端120を横断してバリアを形成する。実施形態では、第1及び/又は第2のカバー620,635は、少なくとも部分的にほぼ透明又は半透明である。第1及び第2のカバー620,635は、異なる色を有してもよいし、及び/又は医療機器の状態を示すための記号、パターン、及び/又は単語を含んでもよい。異なる色及び/又はパターンは、医療施設を横断し、使用済みの医療機器を回収し、及び/又は清潔な医療機器を配送する医療専門家に容易な指標を提供するため、医療機器の誤った配送を最小限に抑えることができる。実施形態では、ライナー600、第1のカバー620及び/又は第2のカバー635は、上面に書き込むための部分を含む。医療機器に関する詳細は、例えば、医療機器が使用された時間などの詳細を文書化するため、使用から洗浄までの時間を追跡するために、医療専門家によって含めることができる。一部の医療施設では、使用済みの医療機器を1時間未満などの所定の期間内に再処理する必要がある。実施形態では、第1のカバー620は、第2のカバー635とは異なるため、医療専門家は、容器100,200a~200e内の医療機器705の状態を視覚的な指標を有することができる。例えば、緑色のカバー620は、清潔な医療機器を示す。医療専門家は、緑色のカバー620を見て、使用するために医療機器を患者の処置場所に輸送することができる。同様に、赤色のカバー635は、使用済みの医療機器を示すため、医療専門家は、医療機器を再処理場所に輸送することができる。いくつかの実施形態では、有害廃棄物記号、及び/又は有害廃棄物記号のパターンをカバー635に印刷して、使用済み医療機器を示すことができ、パターンは、医療専門家に適切な取り扱い及び廃棄を示すことができる。
【0051】
第1及び/又は第2のカバー620,635は、各閉鎖要素630,645によって容器に取り外し可能に取り付けること又は容器を取り外し可能に封入することが可能であり、カバー620,635は、第2の開放端120を横断してほぼ緊張状態にされている(例えば、カバーは、容器の内側部分125内にたるんではならない)。第1及び/又は第2のカバー620,635は、例えば、医療専門家によって、交換可能である。例えば、内視鏡の再処理後、清潔な医療機器705を被覆した容器に入れ(図7を参照)、緑色であり得る第1のカバー620を第2の開放端120を横断して延ばすことができる。容器は、再処理場所から医療処置場所に輸送され、そこで、清潔な医療機器が患者に使用される。処置の後、使用済み医療機器を容器に戻し、赤色であり得る第2のカバー635を、第2の開放端120を横断して延ばされる。これは、医療専門家又は他の医療施設の担当者に、医療機器を洗浄のために再処理エリアに戻す必要があることを示す。代替的には、第1のカバーは、第2のカバーを有するのとは対照的に、リバーシブルであり、カバーの各側は、医療機器の異なる状態を視覚的に確認するためである。例えば、内視鏡の再処理後、清潔な医療機器705を被覆した容器に入れ(図7を参照)、緑色と赤色の両面を有するリバーシブルのカバー620を、第2の開放端120を横断して延ばして、緑色の面を上に向けて、内視鏡が清潔な状態であることを視覚的に確認可能にする。容器は、再処理場所から医療処置場所に輸送され、そこで、清潔な医療機器が患者に使用される。処置の後、使用済み医療機器を容器に戻し、リバーシブルのカバー620を第2の開放端120を覆って延ばして、赤色の面を上に向けて、内視鏡が使用済みの状態であることを視覚的に確認可能にする。これは、医療専門家又は他の医療施設の担当者に、医療機器を洗浄のために再処理エリアに戻す必要があることを示し得る。同様に、リバーシブルのカバーの反対側には、使用、再処理、輸送、及び取り扱いのさまざまな段階での医療機器の状態を示す記号、パターン、及び/又は単語を含めることができる。
【0052】
ライナー600と同様に、第1及び/又は第2のカバー620,635は、側面110a~110d、ならびに既に取り付けられたライナー600を囲むことができ、閉鎖要素610は、底部105の外面148に配置される。実施形態では、凹部146は、説明したように底面105に組み込まれ、内側部分125内に隆起した空間は、図6Bに示すように、ライナー600の閉鎖要素610と同様に、第1及び/又は第2のカバー620,635の集めた閉鎖要素610を収容しつつ、ほぼ平坦な底面を維持する。カバー部分625,640が、容器100,200a~200eの内側部分125を横断して連続的に延びるように第1及び第2のカバー620,635を整合させることにより、清潔な医療機器を外部汚染から保護することができる。さらに、患者からの汚染物質を含む可能性のある使用済み医療機器は、カバー620,635、及びライナー600によって封じ込めることが可能である。例えば、流体又は他の粒子は、底面105の外面148に配置された時、閉鎖要素630,645を越えて漏れることはない。
【0053】
実施形態では、閉鎖要素630,645は弾性体である。カバー620,635は、弾性体によって容器100,200a~200e上に伸展され、例えば、弾性体は伸展された姿勢に拡張する。容器を封入するように配置されると、弾性体は、底面105の外面148で、伸展されない姿勢であって、集めた姿勢に戻る。いくつかの実施形態では、閉鎖要素630,645が凹部230a~230e及び/又は突出部240に係合して、ほぼ伸展した姿勢で留まるように、第1及び/又は第2のカバー620,635は、側面110a~110dを部分的に囲む。いくつかの実施形態では、弾性体は、ほぼ楕円形又はフットボール形状の開口部で伸展されていない姿勢をなす。ライナー600と同様に、フットボール形状の開口部は、容器100,200a~200eの底面105の外面148のごく一部のみを露出させたままにすることができる(図6Bを参照)。容器100,200a~200eをカバー620,635でほぼ封入し、容器の下側の一部のみを露出させたままにすることにより、容器及び/又は清潔な医療機器の汚染を最小限に抑えることができる。弾性体が図6C~6Dに示されているが、第1及び/又は第2のカバーは、引きひも、接着剤、固定要素、又は組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の方法で、容器に取り外し可能に取り付けること又は容器を取り外し可能に封入することが可能であることが理解できる(図8A~12B参照)。
【0054】
実施形態では、ライナー600、及び/又は第1及び/又は第2のカバー620,635は、各閉鎖要素610,630,645の弾性構成を組み込むことができるため、ライナー600及び/又は第1及び/又は第2のカバー620,635は、容器を封入するように配置され、各閉鎖要素610,630,645の弾性構成は、底面105の外面148で部分的に伸展された姿勢をなして、図6Bの部分615と比較してより大きな、容器100,200a~200eの底面105の外面148の露出部分615を残す。容器の下側の外周部など、容器100,200a~200eをライナー600及びカバー620,635でほぼ封入することにより、容器及び/又は清潔な医療機器の汚染を依然として最小限に抑えることができ、容器は、容器を取り扱うとき、一般に把持される容器の外周部で容器の底面に使用者の手指が接触することから保護される。
【0055】
図6Eを参照すると、弾性体の実施形態が示され、弾性体は、閉鎖要素610又はライナー600、及び/又は第1及び第2のカバー620,635の各閉鎖要素630,645として交換可能に使用される。
【0056】
ライナー600として、ライナー部分605は、容器100,200a~200eの側面110a~110dを越えて延びて、内側部分125を覆うようなサイズを有する。ライナー部分605は、一個のプラスチックシートなどの可撓性材料で形成することができ、閉鎖要素610としてライナー600の縁部に弾性体を有する。可撓性材料は、ライナー600が容器100,200a~200eの外形に適合可能にし、例えば、ライナーは、側面110a~110dを囲み、容器の内側部分125に位置し得る。カバー620,635として、カバー部分625,640(図6C~6D)が一個のプラスチックシートなどの可撓性材料で形成され、各閉鎖要素630,645として第1のカバー及び第2のカバーの縁に弾性体を有する。可撓性材料は、第1及び第2のカバー620,635が容器100,200a~200eを横断して緊張状態で延びることを可能にし、例えば、第1及び/又は第2のカバー620,635は、容器100,200a~200eの第2の開放端を横断してバリアを形成する。
【0057】
ライナー600及び第1及び/又は第2のカバー620,635は、各閉鎖要素610,630,645によって、容器を取り出し可能に封入することができる。図6Eに示すように、容器100,200a~200eを封入する時、閉鎖要素610,630,645は、底面105の外面148に配置される。閉鎖要素610,630,645は、第1の弾性部品610a,630a,645a及び第2の弾性部品610b,630b,645bを含む弾性体である。2つの弾性部品は、部品の末端で接合部610c,630c,645cで互いに連結されて、ライナー又はカバーの縁部で連続した弾性部品を形成する。接合部610c,630c,645cでの連結は、縫製、溶接、接着剤、機械的留め具などによって形成される。2つの接合部が説明されているが、任意の数の接合部及び弾性部品を実装することができることが想定されている。
【0058】
ライナー及びカバーの弾性及び可撓性材料は、2つの弾性部品の端部の接合部に挟まれた部位に集められて、接合部からより遠く離れた材料及び接合部の間の中間の材料と比較して、接合部の近く及び接合部に集められた過剰な材料が生じる。材料は、プリーツが付けられているため、包装時及び、容器の外周面に配備される前に、ライナー及びカバーは、例えば、アコーディオンの形式で、コンパクトな形態に折り畳まれる。接合部の数、種類、及び/又は位置、接合部での材料の集積量、及び/又は底面の外周部で部分的に伸展された姿勢で弾性体を維持することにより、外面148の露出部分615を様々に異なる形状及びサイズに制御することが可能になり得る。例として、図6E,6F,及び6Gを参照すると、容器の角に接合部を有する正方形の開口部(図6E)の形状の露出部分615、凹部130を有する容器の側面に沿って接合部を備えたフットボール形状の開口部(図6F)の形状の露出部分615、及びハンドル160を有する容器の側面に沿って接合部を備えた楕円形又は円形の開口部(図6G)の形状の露出部分615が可能である。
【0059】
図6Hを参照すると、2体の弾性構成を有する第1のカバー620又は第2のカバー635の例が示され、それらは、容器の側面110a~110dを封入するとともに、2体の弾性構成を有すライナー600を封入し、閉鎖要素610及び630又は645は、底面105の外面148の外周部に配置されている。
【0060】
カバー620,635は、容器100,200a~200e及び取り付けられたライナー600に取り外し可能に取り付けること又は容器100,200a~200e及び取り付けられたライナー600を取り外し可能に封入することができる。図7は、各カバー620,635とライナー600との間に密閉可能な医療機器705を含むことにより容器にとの直接接触を防止する封じ込め輸送システム700の例示的な実施形態の分解図を示す。この実施形態では、蓋300,400は、第1又は第2のカバー620,635で閉鎖され、清潔な医療機器及び/又は使用された医療機器の汚染物質の封じ込めに追加的な保護を設ける。各カバー部分625,640は、蓋300,400が容器100,200a~200e上に閉鎖された時、第1及び/又は第2のカバー620,635が損傷したり、裂けたり破れたりすることがないように過剰な材料を有する。裂けることを最小化し又は防止することにより、使用済みの医療機器からの容器又は蓋の汚染を保護したり、外部の汚染物質から清潔な医療機器を保護したりすることが可能である。同様に、ライナー600、第1のカバー620、及び/又は第2のカバー635は、凹部130,230a~230e及び/又は突出部240をカバーするための過剰な材料を有するため、輸送装置から容器が挿入及び/又は取り出される時、ライナー600、第1のカバー620、及び/又は第2のカバー635は、損傷したり、裂けたり破れることはなく、上記のように容器100,200a~200eに適合している。
【0061】
図5A図5C~5Dに示すように、輸送装置505aは、間に1つ以上の容器100,200a~200eを受承するための側面510を含む。いくつかの実施形態では、輸送装置505aはカート505cである。側面510は、容器100,200a~200eの凹部130,230a~230e及び/又は突出部240に係合するレール515を含む。レール515は、一定の距離を置いて配置されるため、輸送装置505aは複数の容器を平行をなす対で受承可能であり、容器は地面に対してほぼ平行に保持される。図5Dを参照すると、いくつかの実施形態では、輸送装置505a又はカート505cは、複数の容器100,200a~200eを保持するための側面510及びレール515を備えた回転キャビネットである。図5Eを参照すると、いくつかの実施形態では、輸送装置505a、すなわちカート505cの側面510用のレール515は、輸送装置505a、すなわちカート505cの開口部を含むレール515の端部において、柔らかな(例えば、丸みを帯びた)上部水平面縁部及び下部水平面縁部516、及び/又は柔らかな(例えば、丸みを帯びた)鉛直面縁部517を含む。そのような柔らかな水平面縁部516及び/又は鉛直面縁部517は、容器100,200a~200eの輸送装置又はカートへの搭載を容易にするためにレール515に組み込まれ、例えば、縁部516,517は、直線状の水平縁部及び/又は鉛直縁部よりもより柔らかな容器の凹部130に係合する平面を示すが、それらは、凹部に係止されたり、凹部を覆って延びるライナー及び/又はカバーに係止される可能性がある。カートは、個別のロッキングタブ525を備えたハンドル540及びキャスター520を含む。カートは4つのキャスターとともに示されているが、キャスターの数を増減したり、キャスター以外のカートを輸送する手段を使用したりすることもできる。カートは、カート505cのいずれかの側の穴530に固定されたヒンジから吊るすことができるドア(図示せず)を収容することができる。ドアを取り付けるためにカートのどちら側を選択するかによって、ドアを開いたときにドアがどの方向にスイングするかが決まる。ドア用のラッチは、穴535でカートに固定することができる。いくつかの実施形態では、カートの上部は、凹部、すなわち凹んだ部分545で形成され、これは、使用者が容器の内容物にアクセスしているときに、容器100を滑らないように堅固に保持するために使用される。凹部545は、キャビネットを積み重ねる目的にも使用され得る。例えば、キャスターが取り外し可能に作られ、各キャビネット基部が、床に向かって伸びて凹部545の外径に一致する隆起した表面で形成される場合、1つのカートを別のカートの上に積み重ねることができる。これは、保管効率を上げるため、又は一度に輸送できる容器の数を増やすために行うことができる。
【0062】
上記のように、いくつかの実施形態では、ライナー600、第1のカバー620及び/又は第2のカバー635は、側面110a~110eを囲むように拡張可能であるため、凹部及び/又は突出部も囲まれる。ライナー600、第1のカバー620、及び/又は第2のカバー635は、輸送装置505a,505cからの保護バリアとして機能して、清潔な医療機器の汚染を防止し、及び/又は容器と輸送装置の間で使用済み医療機器の汚染物質の移動を制限できる。
【0063】
本発明の例示的な実施形態によれば、封じ込めシステム800は、図8A~8Cに示すように、組み合わせ容器及び蓋805を含む。例えば、容器と蓋は、単一構成であり、交換可能であるため、別個の構成要素は、封じ込めシステムに必要とされず、複数の輸送装置と互換性がある。容器及び蓋805は、内側部分825を形成するために、側面810a~810d及び底面815を有する。容器及び蓋805は、長方形又は正方形を形成するために4つの側面を有するが、医療機器の収容及び輸送のための任意の形状を形成するために、任意の数の「n」の側面が含まれ得ることが理解される。
【0064】
容器及び蓋805は、容器及び蓋からの側面810a~810dからの突出部として形成された1つ以上のハンドル820を有する。ハンドル820は、側面810a~810dに沿って中央に配置されるため、容器及び蓋805は、取り扱い中にバランスをとることができる。さらに、ハンドル820は、輸送装置、例えば輸送装置505a,505cのレールに係合して、必要に応じて医療施設全体に輸送するために輸送装置に受承され保持される。蓋及び容器805は同一であるため、医療装置を封入するように構成された場合、ハンドル820は、各側面810a~810dで互いに整合する。
【0065】
いくつかの実施形態では、蓋及び容器805は、1つ以上の側面810a~810dに配置されたロック要素825及びロック可能要素830を含む。例えば、ロック要素825は、蓋及び容器805の側面810bに配置され、ロック可能要素830は、蓋及び容器805の対向する側面810dに配置されるため、取り付けられた形態において、蓋805は、容器805の姿勢から上下が逆になるように反転され、180度回転されて、容器805のロック要素825及び蓋805のロック可能要素830を係合する。
【0066】
蓋及び容器は、互いに取り外し可能に取り付け可能であり、ロック要素825及びロック可能要素830によって係合する。ロック要素825及びロック可能要素830は、係合のための嵌合タブ及び/又はスロットを含む。例えば、ロック要素825は、側面810a~810dから外方に延び、かつ、側面810a~810dにほぼ直交する突出部835を含むとともに、スロット840を含む。ロック可能要素830は、突出部845が側面810a~810dに平行をなすとともに、側面810a~810dの延長をなすように、側面810a~810dから直接延びる突出部845を含む。突出部845は、タブ850を含み、タブ850は、ロック要素825のスロット840の中に挿入可能である。タブ850は、蓋805が容器805に係合する時、スロット840の中に挿入されるように構成される(例えば、矢印「A」の方向で示すように)。タブ850は、容器805と蓋805との間に閉鎖された形態を維持するために、締まりばめでスロット840にロックすることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、ライナー855、第1のカバー860、及び/又は第2のカバー865は、図6A~6D、図7に関して上記したように、及び説明のみを目的として図8A~8Cに示すように、容器805に取り外し可能に取り付けること又は容器805を取り外し可能に封入することができる。
【0068】
ここで図9A~9Bを参照すると、封じ込めシステム900の別の例示的な実施形態が示されている。容器905は、側面910a~910d及び底面915を含み、内側部分927を形成する。側面910a~910dは平面視において直線状をなすため、固定要素920は、側面910a~910dに係合可能である。この実施形態では、側面910a~910dは、例えば台形プリズムとして、底面915から外方に角度を付けられているため、固定要素920は、側面910a~910dに係合される。固定要素920が底面915から矢印「B」の方向に上方にスライドした時、角度の付いた側面910a~910dは、固定要素920に係合して、固定要素920に対してロックされる(図9Bを参照)。
【0069】
固定要素920は、ライナー925、第1のカバー930、及び/又は第2のカバー935を容器905の外周面に固定することができ、かつ、容器905の外周面に配置可能なフレームとして構成される。いくつかの実施形態では、ライナー925は、ライナー600に類似し、第1及び/又は第2のカバー930,935は、第1及び第2のカバー620,635に類似する。例えば、ライナー925、第1のカバー930、及び/又は第2のカバー935は、矢印「C」の方向に側面910a~910dの外周面に延びる。ライナー925、第1のカバー930及び/又は第2のカバー935は、平らなシートとして形成されるが、いくつかの実施形態では、それらは、上記のように、弾性体、引きひもなどのような閉鎖要素を含み得る(図12A~12Bを参照)。
【0070】
固定要素920は、1つ以上のタブ940を含み得る。例えば、タブ940は、対向する両側に配置され、取り付けられた構成では、容器905は、例えば、タブ940によって、輸送装置のレールに係合される。タブ940は、例えば、輸送装置のレールに係合した時、容器905が地面に対して平行に保持されるように、ほぼ直交する方向に外方に延びる突出部である。
【0071】
固定要素920は、容器905が複数の輸送装置に適合するように調節する。例えば、一定の容器は、選択された輸送装置、例えば、医療施設によってすでに取得されている輸送装置に互換性がない場合がある。固定要素920は、選択された輸送装置に係合しない容器に取り外し可能に取り付けることができるため、タブ940は、選択された輸送装置に係合できる。図10A~10Cに示すように、各タブ1040a,1040b,1040cは、選択された固定要素1020a,1020b,1020cを使用することによって、容器905が複数の輸送装置に受承可能であるように、必要に応じてサイズが形成される。さらに、固定要素920,1020a~1020cは取り外し可能に取り付けることができるため、容器905は恒久的に変更されないため、それらは、固定要素920,1020a~1020cがなくても他の輸送装置に互換性を有する。いくつかの実施形態では、固定要素920,1020a~1020cは、輸送装置との嵌合要素として機能する切り欠き945を含む。例えば、切り欠き945は、輸送装置上の対応する突出部に嵌合されるため、例えば、容器905及び固定要素920,1020a~1020cのみが一定の選択された輸送装置に受承される。
【0072】
固定要素920,1020a~1020cは、例えば、容器905を全体に囲む4つの側面を有するフレームとして形成されるが、固定要素は、馬蹄形又はU字形として形成されてもよいことが理解される。ここで図12A~12Bを参照すると、固定要素1220は、容器905に取り外し可能に取り付けられる。例えば、固定要素1220は、矢印「D」で示す方向に固定要素を容器905上にスライドさせることによって、容器905に係合することができる。1つの側面910a~910dは、固定要素122に係合していないが、残りの3つの側面910a~910dは、ライナー925、第1のカバー930、及び/又は第2のカバー935を固定して、上記輸送装置に係合する。したがって、ライナー925、第1のカバー930、及び/又は第2のカバー935は、弾性体、引きひもなどのような閉鎖要素を含んで、容器905の側面910a~910dに係合し得る。
【0073】
図11A~11Bに示すように、ライナー925、第1のカバー930、及び/又は第2のカバー935は、引きひも950によって容器905の外周面に取り外し可能に取り付けたり、取り外し可能に容器905を封入したりすることができる。例えば、ライナー925、第1のカバー930、及び/又は第2のカバー935は、シートとして形成され、外周面に引きひも950を有する。容器905に係合するために、引きひも950は、側面910a~910dの外周面で締められる。締め付けられた引きひも950は、例えば、固定要素920,1020a~1020c、1220で係合する前に、容器905との係合を維持し得る。
【0074】
図13A~13B及び図14A~14Bを参照すると、容器100の代替的なハンドルの形態が示されている。いくつかの実施形態、例えば、図13A~13Bでは、底面105の陥凹部145は、底部ハンドル170を含み、容器100の保持及び移動を容易にする。各底部ハンドル170a,170bは、側面110d,110bに隣接する陥凹部145の両側に一体形成される。ハンドル170a,170bは、使用者の手指先をハンドルに到達可能にするために、各側面110d,110bの近傍に配置される。各ハンドル170a,170bは、手のひら側を上向きにして容器を把持する使用者の手指を収容するサイズの幅Wh、高さHh、及び深さDhの寸法を有する。例えば、各ハンドル170a,170bは、3~7インチ(76.2~177.8mm)の幅Wh、0.5~2.0インチ(12.7~50.8mm)の高さHh、及び0.5~2.0インチ(12.7~50.8mm)の深さDhを有する。ハンドル170a,170bは、底面105の陥凹部145から容器100の内側部分125内に内方に延び、点で交わってハンドルの幅Whに沿って三角形の断面であるとともに、くさび形を形成する傾斜面175a,175bを含む。ハンドル170の他の形状及び寸法は、使用者の要件に応じて可能であり、例えば長方形などが可能である。
【0075】
いくつかの実施形態、例えば、図14A~14Bでは、側面110b,110dは、容器100の保持及び移動を容易にするために側面ハンドル180を組み込むことができる。各側面ハンドル180a,180bは、反対側の面110d,110bに一体形成される。各側面ハンドル180a,180bは、手のひら側を上向きにして容器を把持する使用者の手指を収容するサイズの幅Wh、高さHh、及び深さDhの寸法を有する。例えば、各ハンドル180a、180bは、3~7インチ(76.2~177.8mm)の幅Wh、1.0~2.0インチ(25.4~50.8mm)の高さHh、及び0.5~2.0インチ(12.7~50.8mm)の深さDhを有する。ハンドル180a,180bは、それぞれ、側面110d,110bから、容器100の内側部分125内に内方に延びる。ハンドル180a,180bは、凹部130と同様に、互いにほぼ直交するように形成された(90度±10度)表面185a~185cを有するが、いくつかの実施形態では、1つ以上の表面は鈍角(≧90度)を形成してもよい。ハンドル180の他の形状及び寸法は、使用者の要求に応じて可能である。
【0076】
角ハンドル160と同様に、底面ハンドル170又は側面ハンドル180は、特に容器がライナー600に収容されている場合、底面105及び/又は側面110a~110dから容器を保持することと比較して、より安全な把持要素を設け得る。
【0077】
ここで図15を参照すると、医療機器を収容し輸送する例示的な方法のフローチャート1500が示されている。工程1505では、医療専門家は、清潔な医療機器を収容し輸送するために、清潔な容器及び蓋(該当する場合)を選択する。医療専門家は、容器及び医療機器が、患者の処置の間に処理及び洗浄される医療施設の再処理場所にいる場合がある。工程1510では、容器の外形に一致するように、清潔なライナーが清潔な容器に取り付けられて、ライナーは、容器の側面及び内側部分の外周面に少なくとも部分的に延びる。工程1515では、清潔な医療機器が容器の内部のライナー上に配置され、工程1520では、第2のカバーが後で使用するために、閉鎖形態(例えば、折り畳まれた)で容器の内部に含まれる。いくつかの実施形態では、第2のカバーは、容器に含まれていなくてもよいが、医療処置場所で別個に利用可能である。工程1525では、第1のカバーを容器の開口部を横断して緊張状態で延ばして、容器内でライナーとカバーとの間に医療機器が封入される。上記のように、第1のカバーは、清潔な医療機器が容器に封入されていることを視覚的に示すために、緑色又は他のパターンを有する。工程1530では、蓋は、任意選択で容器及び/又は第1のカバーに取り付けられる。
【0078】
工程1535では、容器は、例えば、対応するレールに係合する凹部及び/又は突出部によって、輸送装置に挿入される。容器は、容器上の凹部、突出部、及び/又は他の固定要素によって、複数の輸送装置に互換的に受承可能である。工程1540では、1つ以上の容器が、輸送装置によって、再処理場所から医療施設内の医療処置場所に輸送される。
【0079】
容器が医療処置場所に配達された時には、医療専門家は、蓋(取り付けられている場合)を取り外し、第1のカバーは、医療機器の使用を見越して、工程1545で取り外して廃棄される。第2のカバーは、処置後のために取っておくこともでき、及び/又は後で使用するために第2のカバーを入手することができる。次に、工程1550では、医療専門家は、患者の処置で医療機器を使用する。例えば、医療機器が再利用可能な内視鏡である時、内視鏡は、必要に応じて処置を実行するために患者の体内に挿入される。
【0080】
処置が完了すると、使用済みの医療機器は、工程1555で、容器の内部のライナー上に配置される。次に、第2のカバーを容器の開口部を横断して延ばして、使用済みの医療機器をライナーと第2のカバーとの間に封入する。実施形態では、第2のカバーは、医療機器が使用済みであることを視覚的に示すために、赤色に着色するか、又はパターンを設けることができる。工程1560では、蓋が、任意選択で、容器及び第2のカバーに取り付けられる。
【0081】
容器は、工程1535と同じ方法で、工程1565で輸送装置に挿入される。輸送装置は、洗浄のために、容器を医療処置場所から医療施設内の再処理場所に輸送する。工程1570では、使用済みの医療機器は、容器から取り出されて、再利用するために洗浄される。第2のカバー及びライナーは廃棄され、容器及び蓋(該当する場合)も洗浄される。この方法は、使用のための清潔な医療機器および容器をさらに選択するために、工程1505に戻ることができる。
【0082】
実施形態の完全な理解を可能にするために多数の具体的な詳細が本明細書に記載されている。しかしながら、当業者であれば、実施形態は、これらの具体的な詳細がなくとも実施され得ることが理解できる。別例では、実施形態を不明確にしないために、周知の操作、構成要素、および回路は詳細に説明されていない。本明細書に開示される特定の構造的および機能的詳細は代表であり、必ずしも実施形態の範囲を限定するものではないことが理解できる。
【0083】
いくつかの実施形態は、それらの派生語と共に「連結された(coupled)」および「接続された(connected)」という表現を使用して説明されている。これらの用語は、相互の同義語として意図されたものではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すために、「接続された(connected)」および/又は「連結された(coupled)」という用語を使用して説明されている。しかしながら、「連結された(coupled)」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協力又は相互作用していることを意味する場合もある。
【0084】
本明細書に記載の方法は、記載された順序で、又は特定の順序で実行される必要はないことに留意されたい。さらに、本明細書で識別される方法に関して説明された様々な活動は、直列又は並列の方法で実行することができる。
【0085】
本明細書では、特定の実施形態が例示および説明されているが、同一目的を達成するために計算された任意の構成が、示された特定の実施形態の代わりになり得ることを理解されたい。本発明は、様々な実施形態のありとあらゆる適応物又は変形物を網羅することを意図している。上記説明は、例示であって、限定的でないことを理解されたい。上記説明を検討すれば、当業者であれば、上記実施形態、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは理解できる。したがって、様々な実施形態の範囲には、上記組成物、構造、および方法が使用される別の任意の用途も含まれる。
【0086】
主題は、構造的要素および/又は方法論的行為に固有の文言で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記特定の要素又は行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記特定の要素および行為は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7
図8A
図8B-8C】
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15