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特許7390425組織欠損を修復するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】組織欠損を修復するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/88 20060101AFI20231124BHJP
   A61F 2/46 20060101ALI20231124BHJP
   A61F 2/38 20060101ALI20231124BHJP
   A61L 27/18 20060101ALI20231124BHJP
   A61L 27/24 20060101ALI20231124BHJP
   A61L 27/36 20060101ALI20231124BHJP
   A61L 27/38 20060101ALI20231124BHJP
   A61L 27/44 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
A61B17/88
A61F2/46
A61F2/38
A61L27/18
A61L27/24
A61L27/36 130
A61L27/38
A61L27/38 112
A61L27/44
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022060266
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2018557086の分割
【原出願日】2017-05-25
(65)【公開番号】P2022101577
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】62/341,914
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514005652
【氏名又は名称】スクリップス ヘルス
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディリ―マ,ダリル
(72)【発明者】
【氏名】コールウェル,ジュニア,エムディー,クリフォード,ダブリュ.
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0012225(US,A1)
【文献】国際公開第2015/017579(WO,A1)
【文献】特表2016-513979(JP,A)
【文献】国際公開第2015/175880(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/179572(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0175410(US,A1)
【文献】国際公開第2015/066705(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0065400(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56-17/92
A61F 2/02- 2/48
A61L 27/36-27/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)内視鏡、
b)内視鏡に接続された光源、
c)バイオプリンターであって、バイオプリンターはバイオインク容器とノズルを含み、前記バイオインク容器は、前記ノズルと流体連通し、バイオインク容器はバイオインクを含み、バイオインクは光重合開始剤を含む、バイオプリンター、
d)3次元スキャナー、
e)前記バイオプリンターと通信する制御システ
を含む生体組成物送達システムであって、
前記内視鏡および前記3次元スキャナーは内部組織欠損の画像を提供し、前記バイオプリンターが内部組織欠損にバイオインクを提供するときに内部組織欠損を監視し、ここで、前記内視鏡に接続された光源へのバイオインクの曝露は、バイオインクの重合を引き起こすことを特徴とする生体組成物送達システム。
【請求項2】
前記バイオインクは、0.01乃至1%w/vの光重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項3】
記光源は、100nm乃至400nmの波長を有する光を放射することを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項4】
前記バイオインクは、複数の細胞を含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項5】
前記バイオインクは細胞外マトリックスの成分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項6】
前記バイオインクは、ポリエチレンジメタクリラートを含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項7】
前記バイオインクは、ポリ乳酸をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項8】
前記バイオインクは、メタクリル化コラーゲンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項9】
前記内視鏡と通信するディスプレイスクリーンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項10】
バイオプリンターは複数のプリントノズルで構成され、各プリントノズルは独立して制御および作動することを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項11】
前記3次元スキャナーは、3次元のX線スキャナー、コンタクト3Dスキャナー、調光3Dスキャナー、3Dレーザースキャナー、タイム・オブ・フライト法3Dスキャナー、レーザー位相シフト3Dスキャナー、またはレーザーパルスベースの3Dスキャナーであることを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項12】
第2のバイオインク容器と第2のノズルを含む第2のバイオプリンターをさらに含み、前記第2のバイオプリンターは前記第2のノズルと流体連通していることを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項13】
バイオプリンターのノズルの位置を検出および監視するためのセンサーをさらに備える、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項14】
前記センサーは、光センサー、ロータリエンコーダ、圧電気加速度計、静電容量変位センサー、ジャイロスコープセンサー、圧力センサー、赤外線センサー、線形ポテンショメーター、ストレッチセンサー、ステレオカメラシステム、位置推定システム、光センサー、サーマルセンサー、温度センサー、サーマルカメラ、慣性計測装置(IMU)、電流センサー、電圧センサー、磁気センサー、電磁センサー、深度センサー、音響センサー、タッチセンサー、または共焦点変位センサーであることを特徴とする、
請求項13に記載の生体組成物送達システム。
【請求項15】
a)制御システムはロボットアームとコンピューターシステムを含む
b)前記バイオプリンターは前記ロボットアームの遠位端に接続されている;および
c)前記ロボットアームは前記コンピューターシステムに動作可能に接続されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の生体組成物送達システム。
【請求項16】
第2のバイオインク容器と第2のノズルを含む第2のバイオプリンターをさらに含み、前記第2のバイオプリンターは前記第2のノズルと流体連通しており、
a)制御システムはさらに第2のロボットアームを含む
b)前記第2のバイオプリンターは前記第2のロボットアームの遠位端に接続されている、および
c)第2のロボットアームは前記コンピューターシステムと動作可能に接続されている
ことを特徴とする請求項15に記載の生体組成物送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本出願は、2016年5月26日に出願された米国仮特許出願第62/341,914号の利益を主張し、該仮出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0002】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、必要としている個体における低侵襲手術中に内部組織欠損にバイオインク構築物をバイオプリントする方法であり、該方法は:(a)内部組織欠損を視覚化する工程;(b)プリントヘッドを含むバイオプリンターを、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置する工程;および(c)バイオインク層を形成するために内部組織欠損上にプリントヘッドからバイオインクを排出し、それによってバイオインク構築物を生成する工程、を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は複数のバイオインク層を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は生きた組織である。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは針、伸長したシリンダ、流体線、印刷ノズルまたは複数の印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは独立して制御および作動される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは、バイオインクの個々の液滴を排出するために作動される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは個々の液滴を同時に排出する。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは、特定の順序で個々の液滴を排出する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはバイオインクを連続的に排出する。いくつかの実施形態では、バイオインクは、複数の細胞、細胞外マトリックスの成分、合成高分子、天然高分子、架橋剤、光重合開始剤またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、軟骨細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、破骨細胞、角化細胞、毛根細胞、毛幹細胞、毛母細胞、外分泌上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、神経細胞または感覚細胞、光受容細胞、筋細胞、細胞間マトリックス細胞、血球、心臓血管細胞、内皮細胞、腎臓細胞、肝細胞、膵細胞、免疫細胞、幹細胞、生殖細胞、ナース細胞、間質細胞、星細胞、およびその前駆体から選択された細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、軟骨細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、破骨細胞、およびその前駆体から選択された細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞外マトリックスの成分は、コラーゲン、エラスチン、フィブリリン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノゲン、テネイシン、トロンボスポンジン、インテグリン、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、デルマタン硫酸またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、合成高分子は、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG大割球、ポリエチレングリコールメタクリル酸塩(PEGMA)、ポリエチレンジメタクリラート(PEDGMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸塩(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアクリル酸塩(PAA)、ポリウレタン(PU)、PEGラクチド、PEGグリコリドまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、天然高分子は、アルギン酸塩、セルロース、ゼラチン、ペクチン、アガロース、キトサンまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、グルタルアルデヒド、ゲニピン、ノルジヒドログアヤレト酸、タンニン酸、プロシアニジン、グリコサミノグリカン(GAG)、1-エチル-3-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、該方法はバイオインクを重合する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを重合する工程は、バイオインクを架橋結合する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを架橋結合する工程は、プリントヘッドによって架橋剤をバイオインクに送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを架橋結合する工程は、光源からUV光をバイオインクに適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを架橋結合する工程は、熱をバイオインクに適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオプリンターは第2のプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に、プリントヘッドを含む第2のバイオプリンターを配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、第2のバイオインク層を形成するために、内部組織欠損上に第2のバイオプリンターのプリントヘッドから第2のバイオインクを排出する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、制御システムを備えたバイオプリンターを制御する工程を含む。いくつかの実施形態では、制御システムはコンピューターシステムを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは個体の身体部分に連結される。いくつかの実施形態では、ロボットアームはバイオプリンターを配置する。いくつかの実施形態では、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる。いくつかの実施形態では、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる。いくつかの実施形態では、制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御する。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、内部組織欠損を視覚化する工程は、バイオインクの排出前、排出中、または排出後に行われる。いくつかの実施形態では、内部組織欠損を視覚化する工程は、内部組織欠損を画像化する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損の近位に内視鏡を配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、内視鏡が内部組織欠損を視覚化する。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は、損傷した組織、侵食した組織、病変組織、または退化した組織から選択される。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は、骨、筋肉、神経、脳、目、膵臓、脾臓、軟骨、甲状腺、脂肪、洞、食道、腎臓、心臓、肺、腸、胃、結腸、直腸、胸、卵巣、子宮、頚部、前立腺、膀胱、または肝臓から選択された内部組織にある。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は、血管の欠損、軟骨の欠損、筋肉の欠損、腸の欠損、神経細胞の欠損、生殖の欠損、膵臓の欠損、または目の欠損から選択される。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は軟骨の欠損を含む。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は、膝関節、股関節、肘関節、肩関節、手首関節、脊椎関節、指関節、足首関節、または足関節から選択された関節にある。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は膝関節にある。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は骨軟骨の欠損を含む。
【0003】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、必要としている個体における低侵襲手術中に軟骨の欠損にバイオインク構築物をバイオプリントする方法であり、該方法は:(a)軟骨の欠損を視覚化する工程;(b)プリントヘッドを含むバイオプリンターを、軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置に配置する工程;および(c)バイオインク層を形成するために軟骨の欠損上にプリントヘッドからバイオインクを排出し、それによってバイオインク構築物を生成する工程、を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は複数のバイオインク層を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は生きた組織である。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは針、伸長したシリンダ、流体線、印刷ノズルまたは複数の印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは独立して制御および作動される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは、バイオインクの個々の液滴を排出するために作動される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは個々の液滴を同時に排出する。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは、特定の順序で個々の液滴を排出する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはバイオインクを連続的に排出する。いくつかの実施形態では、バイオインクは、複数の細胞、細胞外マトリックスの成分、合成高分子、天然高分子、架橋剤、光重合開始剤またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、軟骨細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、破骨細胞、およびその前駆体から選択された細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞外マトリックスの成分は、コラーゲン、エラスチン、フィブリリン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノゲン、テネイシン、トロンボスポンジン、インテグリン、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、デルマタン硫酸またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、合成高分子は、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG大割球、ポリエチレングリコールメタクリル酸塩(PEGMA)、ポリエチレンジメタクリラート(PEDGMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸塩(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアクリル酸塩(PAA)、ポリウレタン(PU)、PEGラクチド、PEGグリコリドまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、天然高分子は、アルギン酸塩、セルロース、ゼラチン、ペクチン、アガロース、キトサンまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、グルタルアルデヒド、ゲニピン、ノルジヒドログアヤレト酸、タンニン酸、プロシアニジン、グリコサミノグリカン(GAG)、1-エチル-3-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、該方法はバイオインクを重合する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを重合する工程は、バイオインクを架橋結合する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを架橋結合する工程は、プリントヘッドによって架橋剤をバイオインクに送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを架橋結合する工程は、光源からUV光をバイオインクに適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを架橋結合する工程は、熱をバイオインクに適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオプリンターは第二のプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、該方法は、軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置に、プリントヘッドを含む第2のバイオプリンターを配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、第2のバイオインク層を形成するために、軟骨の欠損上に第2のバイオプリンターのプリントヘッドから第2のバイオインクを排出する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、制御システムを備えたバイオプリンターを制御する工程を含む。いくつかの実施形態では、制御システムはコンピューターシステムを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは個体の身体部分に連結される。いくつかの実施形態では、ロボットアームはバイオプリンターを配置する。いくつかの実施形態では、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる。いくつかの実施形態では、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる。いくつかの実施形態では、制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御する。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損を視覚化する工程は、バイオインクの排出前、排出中、または排出後に行われる。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損を視覚化する工程は、軟骨の欠損を画像化する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、軟骨の欠損の近位に内視鏡を配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、内視鏡は軟骨の欠損を視覚化する。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は、損傷した組織、侵食した組織、病変組織、または退化した組織から選択される。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は、膝関節、股関節、肘関節、肩関節、手首関節、脊椎関節、指関節、足首関節、または足関節から選択された関節にある。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は膝関節にある。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は骨軟骨の欠損を含む。
【0004】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、内視鏡、少なくとも1つのプリントヘッドを含む少なくとも1つのバイオプリンター、および少なくとも1つのバイオプリンターを制御する制御システムを含む、生体組成物送達システムであり;生体組成物は、複数の細胞を含むバイオインクである。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、複数の自己由来細胞、同種異系細胞またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の軟骨形成の前駆体を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の膵臓細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の肝細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の神経細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の網膜細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の免疫細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の腎臓細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の造血細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の脂肪細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の線維芽細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の骨芽細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の筋細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の上皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の内皮細胞を含む。いくつかの実施形態では、生体組成物送達システムは、3次元スキャナーを含む。いくつかの実施形態では、3次元スキャナーは、内部組織欠損、バイオインク構築物またはそれらの組み合わせの点群を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、患者の内部組織欠損の形状を補完するバイオインク構築物を設計するために、点群を使用する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプリントヘッドは、針、印刷ノズルまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、生体組成物送達システムは、第1のプリントヘッドを含む第1のバイオプリンター、および第2のプリントヘッドを含む第2のバイオプリンター含み;第1のプリントヘッドは第1のバイオインクを排出し、および第2のプリントヘッドは第2のバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、システムは持ち運び可能である。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは:1)内部組織欠損の近位またはそれに接する位置にバイオプリンターを配置し、および2)6自由度を有する。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続された第2のロボットアームを含み、第2のロボットアームは6自由度を有する。いくつかの実施形態では、内視鏡は、内部組織欠損の画像を提供するために構成され;画像は、リアルタイムで、バイオプリンティングプロセスの間にバイオインク構築物の構造に関するフィードバックを提供するために使用される。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、軟骨細胞、間葉系幹細胞(MSC)、MSC様細胞、ヒト胚性幹細胞(hESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の軟骨細胞である。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の間葉系幹細胞(MSC)である。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数のヒト胚性幹細胞(hESC)である。いくつかの実施形態では、複数の細胞は複数の人工多能性幹細胞(iPSC)である。いくつかの実施形態では、バイオインクは細胞外マトリックスの成分を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは、ポリ乳酸、メタクリル化コラーゲン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バイオインクはコラーゲンを含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは架橋剤、光重合開始剤、またはそれらの組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを参照することによって、本発明の特徴および利点のより良い理解が得られるであろう。
図1】A-Fは、印刷ノズルの異なる高さおよび角度を例示する。図1Aは、一点に集まる印刷ノズルの直線の配列を備えたプリントヘッドを例示する。図1Bは、広がっていく印刷ノズルの直線の配列を備えたプリントヘッドを例示する。図1Cは、印刷ノズルの直線の配列を例示し、個々の印刷ノズルの高さはすべて同じ平面にあるわけではない。中心においてより深い印刷ノズルがここで示される。図1Dは、一点に集まる印刷ノズルの2次元的配列を備えたプリントヘッドを例示する。図1Eは、広がっていく印刷ノズルの2次元的配列を備えたプリントヘッドを例示する。図1Fは、印刷ノズルの2次元的配列を例示し、個々の印刷ノズルの高さはすべて同じ平面にあるわけではない。
図2】A-Eは、プリントヘッド上の印刷ノズルの異なる構成を例示する。図2Aは、長方形の形で均一に分布した印刷ノズルを例示する。図2Bは、1つ以上のマスク(印刷ノズルが欠けている空白)を伴って分布した印刷ノズルを例示する。図2Cは、星型に分配した印刷ノズルを例示する。図2Dは、楕円形に分配された印刷ノズルを例示する。図2Eは、異なるバイオインク、異なる細胞型、異なる分子、生理活性因子、マトリックス成分、および/または薬剤をバイオプリントする各印刷ノズルと共に、様々な位置に分布した異なる大きさと直径の個々の印刷ノズルを例示する。
図3】シリンジの押し出しによってバイオインクを排出するバイオプリンターを例示する。
図4】ダイアフラムに基づく噴出によってバイオインクを排出するバイオプリンターを例示する。
図5A】インクジェットに基づく印刷を使用するバイオプリンターを例示する。図5Aは、単一のノズルを通じて、インクジェットに基づく印刷によりバイオインクを排出するバイオプリンターを例示する。
図5B】インクジェットに基づく印刷を使用するバイオプリンターを例示する。図5Bは、複数のノズルを通じて、インクジェットに基づく印刷によりバイオインクを排出するバイオプリンターを例示する。
図6】2つのロボットアームによって制御された、バイオインクを印刷するための2つのバイオプリンター、および内部組織欠損を視覚化する内視鏡を使用した、膝の関節の病変の修復を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
バイオプリンティングは、3次元の(3D)印刷技術を使用して、空間的に制御された細胞パターンを生成するプロセスであり、細胞の機能と生存率は印刷された構築物内に保存される。バイオプリンティングは典型的に、組織に似た3次元構造を生成するために、連続したLayer by Layerアプローチを使用して、生体適合性のスキャホールド上に細胞を分配する工程を含む。
【0007】
外科手術は、低侵襲法で、本明細書に開示されるシステムを用いて行なうことができる。従来の切開開放術と比較した場合、低侵襲手術の有益性として、患者の外傷がより少ない、失血がより少ない、および回復時間がより速いことがあげられる。さらに、本明細書に開示される方法とシステムによって提供されるように、内部組織欠損上に直接印刷することの利点は、限定されないが以下を含む:i)事前の製造、保管または輸送の必要をなくす;ii)いかなる形状またはサイズの欠損にも完全に適合する培養組織をカスタマイズする性能を提供する;iii)事前に設計された形状に一致するように欠損を再構築、修正または拡大する必要を省く;iv)外科手術中に生成されている組織の種類または量を変更する性能;v)生きている細胞と共に人工および天然のスキャホールドを組み合わせる性能;およびvi)宿主組織内へと新しく印刷された組織の直接の組込みを可能にする。
【0008】
<特定の用語>
本明細書で使用される用語は、特定の事例を記載するためだけのものであり、限定を意図したものではない。本明細書で使用されるように、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、および「その(the)」は、文脈上他の意味を明白に示すものでない限り、複数形も含むことを意図している。さらに、用語「含んでいる(including)」、「含む(includes)」、「有している(having)」、「有する(has)」、「伴う(with)」、またはその変異形態が明細書および/または特許請求の範囲のいずれかで使用される限りにおいて、そのような用語は、用語「含んでいる(comprising)」と同様、意味において包括的であることを意図している。
【0009】
本明細書で使用されるように、用語「約(about)」または「およそ(approximately)」は、当業者によって決定されるような特定の値の許容可能な誤差範囲内であることを意味し、これは、その値がどのように測定または決定されるか、例えば測定システムの限界に、部分的に左右される。特定の実施形態では、用語「約」または「ほぼ」は、1、2、3または4の標準偏差内であることを意味する。特定の実施形態では、用語「約」または「ほぼ」は、所与の値または範囲の30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%内にあることを意味する。特定の実施形態では、用語「約」または「ほぼ」は、所与の値または範囲の20.0度、15.0度、10.0度、9.0度、8.0度、7.0度、6.0度、5.0度、4.0度、3.0度、2.0度、1.0度、0.9度、0.8度、0.7度、0.6度、0.5度、0.4度、0.3度、0.2度、0.1度、0.09度、0.08度、0.07度、0.06度、0.05度、0.04度、0.03度、0.02度または0.01度内にあることを意味する。
【0010】
本明細書で使用されるように、用語「個体」、「患者」、および「被験体」は同義で使用される。前記の用語はいずれも、医療従事者(例えば医者、正看護師、ナースプラクティショナー、医師助手、用務員またはホスピス職員)の監督(例えば継続的または断続的)を特徴とする状況を要求せず、またはその状況に制限されない。
【0011】
本明細書において使用されるように、用語「ユーザー」、「医療従事者」または「外科医」は区別なく使用され、バイオプリンターおよび/またはバイオプリンティングシステムを操作するであろう人物を指す。
【0012】
本明細書において使用されるように、疾患、障害または疾病(例えば癌)に関して「処置する」または「処置」という用語は、以下を含む:(1)ヒトにおいて発達している障害の臨床症状または亜臨床症状の出現を予防または遅らせることであり、前記ヒトは障害に苦しむ、または障害にかかりやすくなっているが、障害の臨床症状または亜臨床症状をまだ経験していない、または示していない;および/または(2)障害を阻害することであり、障害の臨床的徴候またはその臨床症状または亜臨床症状の少なくとも1つを阻止、低減または遅らせることを含む;および/または(3)障害を緩和する、例えば、障害またはその臨床症状または亜臨床症状の少なくとも1つの緩解をもたらす;および/または(4)障害の1つ以上の症状の重症度の低下を引き起こす。処置される被験体にとっての有益性は、統計的に有意であるか、少なくとも患者または医師が知覚可能であるかのいずれかである。
【0013】
本明細書で使用されるように、「バイオインク」は、生体ポリマーおよび/または複数の細胞を含むバイオプリンティングに適した組成物を指す。いくつかの実施形態では、バイオインクは、細胞溶液、細胞集合体、細胞を含むゲル、タンパク質、多細胞体、または組織を含む。
【0014】
本明細書で使用されるように、「軟骨細胞」は、軟骨細胞、関節の軟骨細胞、線維軟骨細胞(fibrochondrocytes)、軟骨芽細胞、軟骨細胞前駆体、軟骨細胞の前駆細胞、間葉系幹細胞、骨芽細胞、未熟軟骨細胞、軟骨細胞(cartilage cells)、軟骨形成細胞、骨形成原細胞、骨細胞前駆細胞、骨軟骨前駆細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、およびこうした細胞の成長または分化を助ける細胞を含む。
【0015】
本明細書で使用されるように、「重合」は、ポリマー鎖を形成するプロセスと、ポリマーのネットワークを形成するプロセスの両方を指す。重合は、共有結合およびイオン架橋結合を含むポリマーの架橋結合を含む。いくつかの実施形態では、重合は、バイオインクのゼラチン化またはゲル化を含む。
【0016】
本明細書で使用されるように、用語「軟骨形成の前駆体」、「軟骨の前駆細胞」、「軟骨細胞の前駆細胞」、「軟骨細胞前駆体」は区別なく使用される。
【0017】
本明細書で使用されるように、用語「胚性幹細胞」(ESC)は、3つの胚葉へと細胞を実質的に分化する前に、胚盤胞から取り出された多能性幹細胞を指す。ESCは、非限定的な例としてのH9、H1、H7およびSA002などの、市販されているまたは定評のある任意のESC細胞株を含む。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「人工多能性幹細胞」または「iPSC」は、胚性幹細胞のものに似た多能性状態に再プログラムされた体細胞を指す。霊長類体細胞またはマウス体細胞である体細胞に由来するiPSCなどの、ヒトiPSCおよび非ヒトiPSCを含む様々な種類のiPSCが、iPSCの定義に含まれる。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「同種異系である」は、複数の細胞が遺伝学的に同一ではないドナーから得られることを意味する。例えば、同種異系細胞は、ドナーから抽出され、および遺伝学的に同一ではない別のレシピエントに戻される。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「自己由来である」は、複数の細胞が遺伝学的に同一のドナーから得られることを意味する。例えば、自己由来細胞は、患者から抽出され、および遺伝学的に同一の同じ患者に戻される。
【0021】
<バイオプリンティングの方法>
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、必要としている個体における低侵襲手術中に内部組織欠損にバイオインク構築物をバイオプリントする方法であり、該方法は:内部組織欠損を視覚化する工程;バイオプリンターを、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置する工程;および、バイオインク層を形成するために内部組織欠損上にバイオプリンターからバイオインクを排出し、それによってバイオインク構築物を生成する工程、を含む。
【0022】
本明細書に開示されるのは、特定の実施形態において、必要としている個体における低侵襲手術中に軟骨の欠損にバイオインク構築物をバイオプリントする方法であり、該方法は:軟骨の欠損を視覚化する工程;バイオプリンターを、軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置に配置する工程;およびバイオインク層を形成するために、軟骨の欠損上にバイオプリンターからバイオインクを排出し、それによってバイオインク構築物を生成する工程、を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、バイオプリンティングの方法は、バイオインクを重合する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを重合する工程は、バイオインクに、特定の温度または化学薬品を適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、バイオインクが基材上に印刷されるとバイオインクを重合する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、バイオインクが基材上に印刷されるとバイオインクを光重合する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、バイオインクが基材上に印刷された後にバイオインクを重合する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、バイオインクが基材上に印刷された後にバイオインクを光重合する工程を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、バイオプリンティングの方法はバイオインクをゲル化する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクをゲル化する工程は、バイオインクに特定の温度または化学薬品を適用する工程を含む。いくつかの実施形態では、化学薬品は架橋剤である。いくつかの実施形態では、バイオインクはゼラチン化を経る。いくつかの実施形態では、ゼラチン化は、pHの変化、温度の変化、クーロン相互作用、共有結合、非共有結合による相互作用、または重合によって引き起こされる。
【0025】
いくつかの実施形態では、バイオインクを重合する工程は、バイオインク中のポリマーを架橋結合する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク中のポリマーの架橋結合は化学的架橋結合を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク中のポリマーの架橋結合は、バイオインクが印刷された後に生じる。いくつかの実施形態では、バイオインク中のポリマーの架橋結合と印刷は同時に生じる。いくつかの実施形態では、バイオインク中のポリマーの架橋結合は、フリーラジカル開始剤を用いた架橋結合を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク中のポリマーの架橋結合は、チオール部分またはアミン部分を用いた架橋結合を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク中のポリマーの架橋結合は、架橋剤をバイオインクに送達する工程を含む。いくつかの実施形態では、架橋剤は、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、グルタルアルデヒド、ゲニピン、ノルジヒドログアヤレト酸、タンニン酸、プロシアニジン、1-エチル-3-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤はバイオプリンターによってバイオインクに送達される。
【0026】
いくつかの実施形態では、バイオインクは印刷プロセスの間に固体に変わる。いくつかの実施形態では、該方法は、電磁放射線にさらすことによってバイオインクを重合または分解する工程を含む。いくつかの実施形態では、電磁放射線は電子線、ガンマ線またはUV放射線を含む。いくつかの実施形態では、方法は、光に晒すことによるバイオインクの重合または分解を含む。いくつかの実施形態では、光はバイオプリントされた組織を部分的に分解するために使用される。いくつかの実施形態では、光にさらす時間、光の波長、および光の強さは変更することができる。いくつかの実施形態では、分解または重合は光を遮ることにより休止される。いくつかの実施形態では、光にさらすのを再開すると、ゲルの重合または分解が続く。いくつかの実施形態では、該方法は、バイオインクに光重合開始剤を加える工程を含む。いくつかの実施形態では、任意の適切な光重合開始剤を使用する。いくつかの実施形態では、光重合開始剤はUV治療用の光重合開始剤である。いくつかの実施形態では、I型光重合開始剤またはII型光重合開始剤を使用する。光重合開始剤の例として、限定されないが、Irgacure(登録商標)2959、2-ヒドロキシ-4’-(2-ヒドロキシエトキシ)-2-メチルプロピオフェノン、(2-ヒドロキシ-1-[4―(2-ヒドロキシエトキシフェニル]-2-メチル-1-プロパノン;リチウムフェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸(LAP);(2’,2-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド];メタクリル酸2-イソシアナトエチル;ベンゾイルベンジルアミン;カンファーキノン;チオール-ノルボルネン(チオール-エン);リボフラビン;ルシリンTPO;ローズベンガル/フルフリル;エチルエオシン;無水メタクリル酸;2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン;およびエオシンYがあげられる。いくつかの実施形態では、光重合開始剤は、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、または約1%w/vのゲルの最終濃度で加えられる。いくつかの実施形態では、光重合開始剤は、約0.05%w/vのゲルの最終濃度で加えられる。いくつかの実施形態では、該方法は、物理的、化学的または酵素的な手段によってバイオプリントした後に、バイオインク成分(例えば、非細胞構造成分、非ECM成分)を除去する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク成分はバイオインク成分の分解によって除去される。
【0027】
いくつかの実施形態では、該方法は血管細胞をバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、血管細胞をバイオプリントする工程は、血管またはその一部の形成をもたらす。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物を生成する方法は、細胞間マトリックス成分をバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物を生成する方法は、血管細胞と細胞間マトリックス成分をバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、血管細胞と細胞間マトリックスをバイオプリントする工程は、内皮細胞、平滑筋細胞、およびフィブリンをバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は軟骨を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は膵臓の組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は肝臓の組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は腎臓の組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は膀胱または尿管の組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は肺の組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は維管束組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は網膜の組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は神経組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は筋組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は内皮組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は上皮組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は粘膜組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は線維組織を印刷する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は脂肪組織を印刷する工程を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、バイオインク構築物の生体力学試験を含む。いくつかの実施形態では、生体力学試験は、バイオインク構築物の完全性を試験する。いくつかの実施形態では、生体力学試験には、機械的な圧力、音響、超音波の分析、または任意の適切な生体力学試験技術が含まれる。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者の組織欠損に特異的な構造または形状を有するバイオインク構築物をバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、半月形状を有するバイオインク構築物をバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、患者の組織欠損の構造または形状を補完する構造または形状を有するバイオインク構築物をバイオプリントする工程を含む。
【0030】
<欠損の視覚化>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は内部組織欠損を視覚化する工程を含む。いくつかの実施形態では、内部組織欠損を視覚化する工程は、バイオインクの排出前、排出中、または排出後に、内部組織欠損を視覚化する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクの排出前に内部組織欠損を視覚化する工程は、手術前になされる。いくつかの実施形態では、手術前に内部組織欠損を視覚化する工程は、内部組織欠損のX線、CAT/CTスキャン、PETスキャン、MRI、超音波、サーモグラフィー、内視鏡検査または放射線写真術を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクを排出する前に内部組織欠損を視覚化する工程は、印刷される予定のバイオインク構築物の画像を生成するために、外科手術中に行われる。いくつかの実施形態では、内部組織欠損を視覚化する工程は、印刷の進行、忠実度または精度をモニタリングするために、バイオインクの排出中にリアルタイムで行われる。
【0031】
いくつかの実施形態では、内部組織欠損を視覚化する工程は、バイオインクの排出前、排出中、または排出後に内部組織欠損を画像化する工程を含む。いくつかの実施形態では、内部組織欠損を画像化する工程は、写真、赤外線イメージング、3次元スキャン、超音波、透視検査、タッチプローブ、または任意の適切な画像化技術を用いて、内部組織欠損の画像を生成する工程を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、内部組織欠損の画像を、バイオインク構築物を設計するために使用する。いくつかの実施形態では、内部組織欠損の画像を、バイオインク構築物の形状または構造を決定するために使用する。いくつかの実施形態では、患者の組織欠損に適合する、または適切な相互関係に調整されるバイオインク構築物を設計するために、内部組織欠損の画像を使用する。いくつかの実施形態では、患者に特異的であり、および患者の組織欠損の形状または構造と一致するバイオインク構築物を設計するために、内部組織欠損の画像を使用する。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータを実行するように制御システムをプログラムするために、内部組織欠損の画像を使用する。いくつかの実施形態では、制御システムのプログラムは手動で実行される。いくつかの実施形態では、制御システムのプログラムは自動的に実行される。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは変更される。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは、医療サービス提供者によって変更される。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは、外科手術の間に変更される。
【0033】
いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損の近位に内視鏡を配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、内視鏡はバイオプリンティングの間に内部組織欠損を視覚化する。いくつかの実施形態では、内視鏡は、関節鏡、気管支鏡、大腸内視鏡、膣鏡、膀胱尿道鏡、膀胱鏡、十二指腸内視鏡、腸鏡、食道胃十二指腸内視鏡、胎児鏡、胃鏡、生殖器鏡(gynoscope)、子宮鏡、腹腔鏡、喉頭鏡、腹腔鏡、直腸S状結腸鏡 、S状結腸鏡、胸腔鏡または尿管鏡である。いくつかの実施形態では、該方法は、第2の内視鏡、第3の内視鏡、第4の内視鏡、または第5の内視鏡を、内部組織欠損の近位に配置する工程を含む。
【0034】
<バイオプリンターの配置>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に、バイオプリンターを配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に、第2のバイオプリンターを配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオプリンターは、患者の皮膚の切開を通じて患者にバイオプリンターを挿入することにより、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置される。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、患者の皮膚の切開を通じて患者にプリントヘッドを挿入することにより、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置される。いくつかの実施形態では、針は、患者の皮膚の切開を通じて患者に針を挿入することにより、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置される。いくつかの実施形態では、ノズルは、患者の皮膚の切開を通じて患者にノズルを挿入することにより、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置される。いくつかの実施形態では、複数のノズルは、患者の皮膚の切開を通じて患者に複数のノズルを挿入することにより、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に配置される。
【0035】
<バイオインクの排出>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、バイオインク組成物を含むバイオインク構築物をバイオプリントする工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、バイオインクを排出する工程を含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは押出印刷システムを使用してバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは液滴ベースの印刷システムを使用してバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはインクジェット印刷システムを使用して、バイオインクを排出する。
【0036】
いくつかの実施形態では、押出印刷システムは、バイオインクを排出するために力、熱またはそれらの組み合わせを加える工程を含む。いくつかの実施形態では、力は、機械的力、空気の力、動水力である。いくつかの実施形態では、押出印刷システムはシリンジである(図3)。いくつかの実施形態では、シリンジは針を含む。いくつかの実施形態では、押出印刷システムはバイオインクを連続的に排出する。いくつかの実施形態では、力または熱が加えられた時に、押出印刷システムはバイオインクを連続的に排出する。いくつかの実施形態では、押出印刷システムはバイオインクを断続的に排出する。
【0037】
インクジェット印刷は、インクの滴下によって基材上でデジタルパターン情報を再生する印刷技術である。いくつかの実施形態では、インクジェット印刷システムは熱インクジェットシステムである。いくつかの実施形態では、インクジェット印刷システムは圧電性のインクジェットシステムである。いくつかの実施形態では、インクジェット印刷システムは機械的振動を使用する。いくつかの実施形態では、押出印刷システムは、ダイアフラムに基づく噴出器具である(図4)。いくつかの実施形態では、図4のバイオプリンターは、空気供給源(図示せず)に接続され、それはバイオプリンターに加圧空気を供給する。いくつかの実施形態では、加圧空気は、バイオインクを含むリザーバからノズルへとバイオインクを導き、それによってバイオインクの連続的な流れを作り出す。いくつかの実施形態では、機械的振動は、バイオインクの連続的な流れを妨げ、および個々のバイオインクの流れをバイオインクの小滴に分解する。
【0038】
いくつかの実施形態では、インクジェット印刷システムは、各印刷ノズルに発熱体を含む。いくつかの実施形態では、発熱体はローカルプリントノズルの温度を、約100℃、約150℃、約200℃、約250℃、約260℃、約270℃、約280℃、約285℃、約290℃、約295℃、約298℃、約300℃、約302℃、約305℃、約310℃、約315℃、約320℃、約325℃、約350℃、約375℃、または約400℃に上げる。いくつかの実施形態では、発熱体はローカルノズルの温度を約300℃に上げる。いくつかの実施形態では、発熱体は、バイオインク中の複数の細胞の温度を、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、約5℃、約6℃、約7℃、約8℃、約9℃、約10℃、約11℃、約12℃、約13℃、約14℃、または約15℃上げる。いくつかの実施形態では、バイオインク中の複数の細胞の温度は、1μ秒、約2μ秒、約3μ秒、約4μ秒、約5μ秒、約6μ秒、約7μ秒、約8μ秒、約9μ秒、または約10μ秒よりも短い期間、上げられる。いくつかの実施形態では、インクジェット印刷システムは1つの印刷ノズルを含む。他の実施形態では、インクジェット印刷システムは複数の印刷ノズルを含む。
【0039】
<バイオインク組成物>
特定の実施形態において、バイオインク組成物が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は本明細書に開示される方法およびシステムによって生成される。本明細書に開示されるバイオインク組成物は、流体、ゲルまたは構築物の形状であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるように用語「ゲル」は、定常状態にある時に少ない流れを示す、または全く示さない、柔らかく、固形または固形状の組成物を指し、および高い粘度を特徴とする。いくつかの実施形態では、ゲルは混合物である。いくつかの実施形態では、ゲルは流体を含む。いくつかの実施形態では、ゲルは水を含む。いくつかの実施形態では、ゲルは、ヒドロゲル、エアロゲル、ナノコンポジットヒドロゲル、キセロゲル、有機ゲル、合成ゲル、天然ゲルまたはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は本明細書に開示される治療法で使用される。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、本明細書に開示されるヒトまたは動物の外科手術の方法で使用される。
【0040】
本明細書に開示されるバイオインク組成物は、複数の細胞、細胞外マトリックスの成分、成長因子、治療薬、合成高分子、天然高分子、架橋剤、光重合開始剤、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数の細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクの細胞密度は、約1セル/pL、約10セル/pL、約100セル/pL、約1セル/nL、約10セル/nL、約100セル/nL、約1セル/μL、約10セル/μL、約100セル/μL、約1000セル/μL、約10,000セル/μL、約100,000セル/μLである。いくつかの実施形態では、バイオインクの細胞密度は、約2x106セル/mL、約3x106セル/mL、約4x106セル/mL、約5x106セル/mL、約6x106セル/mL、約7x106セル/mL、約8x106セル/mL、約9x106セル/mL、約10x106セル/mL、約15x106セル/mL、約20x106セル/mL、約25x106セル/mL、約30x106セル/mL、約35x106セル/mL、約40x106セル/mL、約45x106セル/mL、または約50x106セル/mLである。いくつかの実施形態では、複数の細胞は1つの細胞型を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は細胞型の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は1つを超える細胞型を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞セルは、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約12、約14、約16、約18、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、または約100の細胞型を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは100を超える細胞型を含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、複数の細胞は、軟骨細胞、軟骨前駆体(chondroprogenitor)細胞、角化細胞、毛根細胞、毛幹細胞、毛母細胞、外分泌腺上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、神経細胞または感覚細胞、光受容細胞、筋細胞、細胞間マトリックス細胞、血球、心臓血管細胞、内皮細胞、血管平滑筋細胞、腎臓細胞、膵細胞、免疫細胞、幹細胞、生殖細胞、ナース細胞、間質細胞、星細胞肝細胞、胃腸細胞、肺細胞、気管細胞、血管細胞、骨格筋細胞、心臓細胞、皮膚細胞、平滑筋細胞、結合組織細胞、角膜細胞、尿生殖器細胞、乳腺細胞、生殖細胞、内皮細胞、上皮細胞、線維芽細胞、シュワン細胞、脂肪細胞、骨細胞、骨髄細胞、軟骨細胞、周皮細胞、中皮細胞、内分泌組織に由来する細胞、間質細胞、前駆細胞、リンパ細胞、内胚葉に由来する細胞、外胚葉に由来する細胞、中胚葉に由来する細胞、周皮細胞、またはこれらの前駆細胞、および/またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は軟骨芽細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数の間葉系幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、または破骨細胞、あるいはその任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は関節の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、幹細胞、前駆細胞、全能細胞、多能性細胞、人工多能性幹細胞、未分化細胞、分化細胞、分化する細胞、トランス分化する(trans-differentiating)細胞、成体からの細胞、小児からの細胞、生殖細胞、循環細胞、常在細胞、付着細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、増殖細胞、休止細胞、老化細胞、アポトーシス細胞、サイトカイン産生細胞、移動細胞、またはその組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、バイオインクは、細胞接着分子を発現する複数の細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞接着分子は、アドへリン(adherin)、カドヘリン、カルシンテニン(calsyntenin)、クローディン、クラスター分化タンパク質、コンタクチン、免疫グロブリン、インテグリン、レクチン、ネクチン、オクルディン、ビンキュリン、ポリミン(porimin)、ポドプラニン、ポドカリキシン、ペリオスチン、ニューロトリミン(neurotrimin)、ニューレキシン、およびセレクチンの1つ以上から選ばれる。いくつかの実施形態では、細胞接着分子は受容体である。いくつかの実施形態では、細胞接着分子は膜貫通型タンパク質である。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の細胞は遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は自然発生の遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、自然発生の遺伝子突然変異は、生殖系列遺伝子突然変異または体細胞遺伝子突然変異である。いくつかの実施形態では、複数の細胞は誘導された遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、誘導された遺伝子突然変異は、無作為の遺伝子突然変異または標的化遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞の1つ以上の遺伝子は遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞中の2、3、4、5、6、7、8、9、または10の遺伝子は、遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞中の10を超える遺伝子が遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は複数の遺伝子突然変異を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は遺伝子組み換えされている。いくつかの実施形態では、複数の細胞は核酸でトランスフェクトされる。いくつかの実施形態では、細胞は核酸を含むウイルスに感染している。いくつかの実施形態では、複数の細胞は核酸を含むウイルスによって形質導入されている。いくつかの実施形態では、ウイルスはレトロウイルス、アデノウイルス、またはアデノ随伴ウイルスから選択される。いくつかの実施形態では、核酸は、ベクター、プラスミド、遺伝子、非コード核酸、エクソン、イントロン、二本鎖DNA、一本鎖DNA、RNA、siRNA、またはmiRNAか選択される。いくつかの実施形態では、核酸は遺伝子である。いくつかの実施形態では、遺伝子は真核生物の遺伝子である。いくつかの実施形態では、遺伝子は原核生物の遺伝子である。いくつかの実施形態では、核酸は標識またはアフィニティータグをコード化する。
【0043】
いくつかの実施形態では、複数の細胞は1つ以上の標識を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の標識は蛍光プローブを含む。いくつかの実施形態では、蛍光プローブは、CellTrace(商標)またはCellTracker(商標)(Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)から選択される。いくつかの実施形態では、標識は蛍光タグを含む。いくつかの実施形態では、蛍光タグは、mPlum、mCherry、tdTomato、mStrawberry、J-Red、DsRedモノマー、mOrange、mKO、mCitrine、Venus、YPet、EYFP、エメラルドEGFP、CyPet、mCFPm、Cerulean、T-サファイア、GFP、またはYFPである。いくつかの実施形態では、複数の細胞はアフィニティータグを含む。いくつかの実施形態では、アフィニティータグはペプチドである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、mycタグ、c-mycタグ、FLAGタグ、Hisタグ、ポリヒスチジンタグ、HAタグ、V5、VSVG、softag 1、softag 3、Express tag、Sタグ、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、ジニトロフェニル、トリニトロフェニル、ペリディニンクロロフィルタンパク質複合体、ビオチン、フィコエリトリン(PE)、ストレプトアビジン、アビジン、西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)、パルミトイル化、ニトロシル化、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、グルタチオン-S-転移酵素(GST)、SUMOタグ、チオレドキシン、ポリ(NANP)、ポリ-Arg、カルモジュリン結合タンパク質、PurFフラグメント、ケトステロイドイソメラーゼ、PaP3.30、TAF12ヒストンフォールドドメイン(histone fold domain)、マルトース結合タンパク質、またはそのフラグメントである。いくつかの実施形態では、複数の細胞は組織バンクからのものである。いくつかの実施形態では、複数の細胞は凍結される、または事前に凍結される。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、ドナー組織から採取または単離される。いくつかの実施形態では、ドナー組織は生きている動物から採取される。いくつかの実施形態では、ドナー組織は、サル、類人猿、ゴリラ、チンパンジー、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウサギ、ニワトリ、ターキー、モルモット、ラットまたはマウスに由来する。いくつかの実施形態では、ドナー組織は合成されたものである。いくつかの実施形態では、複数の細胞は生きたヒトドナーから採取される。いくつかの実施形態では、複数の細胞は個体から採取される。いくつかの実施形態では、ドナー組織は死体から採取される。いくつかの実施形態では、複数の細胞は死体から採取される。いくつかの実施形態では、複数の細胞を死体から採取し、該複数の細胞は死後、約1時間未満、約2時間未満、約4時間未満、約6時間未満、約12時間未満、約24時間未満、約36時間未満、約48時間未満、約72時間未満に採取される。いくつかの実施形態では、複数の細胞を死体から、死後約72時間未満で採取する。いくつかの実施形態では、複数の細胞を死体から、死後約22時間から約72時間の間に採取する。いくつかの実施形態では、複数の細胞を、単離または採取した後またはその最中に、抗生物質および/または抗真菌剤で処理する。いくつかの実施形態では、抗生物質は、ペニシリン、ストレプトマイシン、アクチノマイシンD、アンピシリン、ブラストサイジン、カルベニシリン、セフォタキシム、ホスミドマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ポリミキシンB、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、抗真菌剤は、アンフォテリシンB、ナイスタチン、ナタマイシン、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0044】
いくつかの実施形態では、複数の細胞は、単離後およびバイオプリンティング前に、細胞培養培地で増殖または保全される。いくつかの実施形態では、細胞培養培地は、必須栄養素、成長因子、塩、無機質、ビタミン、多血小板血漿、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、特定の成分は、特定のタンパク質の細胞増殖、分化または分泌を向上させるために選択される。いくつかの実施形態では、細胞培養培地は細胞分化剤を含む。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、細胞培養中の別の細胞集団からの上澄みまたは調整培地で培養される。いくつかの実施形態では、複数の細胞を、約1%、約2%、約3%、約5%、約7%、約10%、または約20%のOの大気中で培養する。いくつかの実施形態では、細胞を、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、または約10%のCOの大気中で培養する。いくつかの実施形態では、細胞を、約30℃、約32℃、約33℃、約34℃、約35℃、約36℃、約37℃、約38℃、約39℃、約40℃、または約42℃の温度で培養する。いくつかの実施形態では、ヒト軟骨細胞を、好ましくはおよそ37℃、5%のCOを含む加湿空気で培養し、培地は約4日おきに取り換える。いくつかの実施形態では、複数の細胞が約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%の集合まで成長した時に、それらをバイオプリンティングのために使用する。いくつかの実施形態では、バイオインクは好ましくは約37℃の温度で保全される。いくつかの実施形態では、複数の細胞はヒト軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、ヒト軟骨細胞が約80%から90%の集合へと成長した時に、バイオプリンティングのためにそれらを使用する。いくつかの実施形態では、複数の細胞は、軟骨細胞、線維軟骨細胞、または軟骨形成の前駆体を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数の軟骨形成の前駆体を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数の線維軟骨細胞を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、軟骨細胞はヒト胚性幹細胞(hESC)に由来する(すなわちhESC由来軟骨細胞)。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数のhESC由来軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、胚性幹細胞は、H9、H1、H7またはSA002などの、市販されているまたは定評のある任意のESC細胞株を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はヒト以外の胚性幹細胞に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨細胞は人工多能性幹細胞(iPSC)に由来する(すなわちiPSC由来軟骨細胞)。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数のiPSC由来軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞は間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数のMSC由来軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞は、成人の骨髄MSCではない間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、骨髄由来のMSCではないMSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、成人の骨髄由来MSCではないMSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はhESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、hESC由来MSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はH9 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、H9 hESC由来MSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はH1 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、H1 hESC由来MSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はH1 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、H7 hESC由来MSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はSA002 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、SA002 hESC由来MSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞はiPSC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、iPSC由来MSCに由来する複数の軟骨細胞を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、軟骨細胞はMSC様細胞に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、MSC様細胞に由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、MSC様細胞は、以下から選択される1つ以上のマーカーを発現する細胞として定義される:CD44、CD151、SOX5、SOX6およびSOX9。いくつかの実施形態では、MSC様細胞の集団は、CD73とCD105に対して少なくとも85%陽性である。いくつかの実施形態では、MSC様細胞の集団は、CD73とCD105に対して少なくとも95%陽性である。いくつかの実施形態では、MSC様細胞の集団は、間葉に由来する様々な組織へと多系列分化することができる。いくつかの実施形態では、MSC様細胞の集団は、脂肪生成、骨形成、軟骨形成、および筋原性の系列へと分化することができる。いくつかの実施形態では、MSC様細胞の集団は、脂肪細胞、軟骨細胞、骨芽細胞および筋細胞に分化することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、複数の軟骨形成の前駆体に由来する複数の軟骨細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は複数の軟骨形成の前駆体を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク組成物は、複数の軟骨細胞および複数の軟骨形成の前駆体を含む混合物を含む。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、以下から選択される1つ以上のマーカーを発現する:アグリカン、コラーゲンII、コラーゲン2A1型、コラーゲンIVおよびSOX9。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は幹細胞(SC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は軟骨細胞に分化する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は軟骨細胞のみに分化することができる。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、軟骨細胞ではない細胞型に分化することはできない。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、肥大した軟骨細胞に分化することはできない。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、脂肪生成系列、骨形成系列、筋原性系列、またはそれらの任意の組み合わせの細胞には分化しない。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞、または他任意の種類の骨細胞には分化しない。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、脂肪細胞、単胞性脂肪細胞、多胞性脂肪細胞、または他の任意の種類の脂肪細胞には分化しない。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、または他の任意の種類の筋細胞には分化しない。
【0048】
いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は多能性幹細胞に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はヒト胚性幹細胞(hESC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は人工多能性幹細胞(iPSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体は、成人の骨髄間葉系幹細胞(MSC)ではないMSCに由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はhESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はH9 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はH1 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はH7 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はSA002 hESC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体はiPSC由来の間葉系幹細胞(MSC)に由来する。いくつかの実施形態では、軟骨形成の前駆体の形態は、比較的低い核と細胞質の比率を有し、丸いまたは細長いと記載される。
【0049】
いくつかの実施形態では、軟骨細胞または軟骨形成の前駆体は成長因子を含む細胞培養に保全される。いくつかの実施形態では、軟骨細胞または軟骨形成の前駆体は、形質転換増殖因子-β3(TGF-β3)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、インスリン様成長因子-1(IGF-1)、骨形態形成因子(BMP)、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、またはそれらの組み合わせを含む細胞培養培地に保全される。いくつかの実施形態では、軟骨細胞または軟骨形成の前駆体は、BMP-1、BMP-2、BMP-3、BMP-4、BMP-5、BMP-6、BMP-7、BMP-8a、BMP-8b、BMP-10、BMP-15、またはそれらの任意の組み合わせを含む細胞培養培地に保全される。いくつかの実施形態では、軟骨細胞または軟骨形成の前駆体は、PDGFA、PDGFB、PDGFC、PDGFD、PDGFRA、PDGFRB、またはそれらの任意の組み合わせを含む細胞培養培地に保全される。いくつかの実施形態では、軟骨細胞または軟骨形成の前駆体は3次元の細胞培養で培養される。いくつかの実施形態では、3次元の培養物は3次元のマトリックスを含む。いくつかの実施形態では、3次元のマトリックスはゲルマトリックスである。いくつかの実施形態では、ゲルマトリックスはMatrigel(登録商標)である。いくつかの実施形態では、3次元のマトリックスは、コラーゲン、プロテオグリカン、フィブリン、ヒアルロン酸、ポリDラクチド、ポリLラクチド、ポリDLラクチド、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウム、アテロコラーゲン、フィブリン、アルギン酸塩、寒天培地、および/またはゼラチンを含む。いくつかの実施形態では、3次元のマトリックスはコラーゲンを含む。いくつかの実施形態では、コラーゲンは架橋結合を含まない。いくつかの実施形態では、コラーゲンは可溶性である。いくつかの実施形態では、3次元のマトリックスはプロテオグリカンを含む。いくつかの実施形態では、3次元の培養物はペレット培養物を含む。いくつかの実施形態では、軟骨細胞または軟骨形成の前駆体は、例えば緩やかな遠心分離下で、圧縮またはペレット化された細胞集団として、一緒に濃縮して培養される。
【0050】
いくつかの実施形態では、バイオインクは複数の幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数の多能性幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、多能性幹細胞は軟骨細胞に由来する。いくつかの実施形態では、多能性幹細胞は自己由来の軟骨細胞に由来する。いくつかの実施形態では、多能性幹細胞は同種異系の軟骨細胞に由来する。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数の胚性幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のヒト胚性幹細胞(hESC)を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のヒト以外の胚性幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数の人工多能性幹細胞(iPSC)を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCは成人の骨髄MSCではない。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCは多能性幹細胞由来ではない。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはiPSC由来である。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはhESC由来である。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはH9 hESC由来である。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはH1 hESC由来である。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはH7 hESC由来である。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはSA002 hESC由来である。いくつかの実施形態では、バイオインクは複数のMSCを含み、該MSCはH1 hESC由来である。いくつかの実施形態では、先に規定されたように、バイオインクは複数のMSC様細胞を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、バイオインクは細胞培養培地を含む。いくつかの実施形態では、細胞培養培地は、平衡塩類、ダルベッコ変法イーグル培地、ダルベッコ変法イーグル培地/ハムF-12混合培地、ハムF-10培地、ハムF-12培地、イーグル最小必須培地、Medium 199、RPMI-1640培地、Ames’Media、BGJb培地(Fitton-Jackson Modification)、クリック培地、CMRL-1066培地、フィッシャー培地、グラスゴー最小必須培地(GMEM)、イスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)、L-15培地(Leibovitz)、マッコイ5A改変培地、NCTC培地、Swim’s S-77培地、Waymouth培地、ウィリアムE培地、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、細胞培養培地は生体血清を含む。いくつかの実施形態では、血清は、ウシ胎仔血清、ウシ胎児血清、胎児ヤギ血清またはウマ血清である。いくつかの実施形態では、細胞培養培地の生体血清含量は、約0.5%v/v、約1%v/v、約2%v/v、約5%v/v、約10%v/v、約15%v/v、約20%v/v、約50%v/v、約99%v/v、約100%v/vである。いくつかの実施形態では、細胞培養培地は緩衝薬を含む。いくつかの実施形態では、緩衝薬は、MES、ADA、PIPES、ACES、MOPSO、MOPS、BES、TES、HEPES、DIPSO、セトアミドグリシン、TAPSO、POPSO、HEPPSO、HEPPS、トリシン、グリシンアミド、ビシンまたはTAPSから選択される。
【0052】
いくつかの実施形態では、バイオインクは成長因子を含む。いくつかの実施形態では、成長因子は、アドレノメデュリン(AM)、アンジオポエチン(Ang)、自己分泌型細胞運動刺激因子、骨形成因子(BMP)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、コロニー刺激因子(CSF)、上皮成長因子(EGF)、エリトロポイエチン(EPO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、成長分化因子-9(GDF9)、肝細胞増殖因子(HGF)、肝臓癌由来成長因子(HDGF)、インスリン、インスリン様成長因子(IGF)、移動刺激因子、ミオスタチン(GDF-8)、神経成長因子(NGF)および他のニューロトロフィン、血小板由来増殖因子(PDGF)、トロンボポイエチン(TPO)、形質転換増殖因子アルファ(TGF-α)、形質転換増殖因子ベータ(TGF-β)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF-α)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、胎盤増殖因子(P1GF)、ウシ胎児ソマトトロピン(FBS)、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、バイオインクはTGF-β1とbFGFを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、バイオインクは細胞外マトリックスの成分を含む。いくつかの実施形態では、細胞外マトリックス成分は、構造タンパク質、特殊タンパク質、グリコサミノグリカン(GAG)、プロテオグリカンまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、構造タンパク質はコラーゲン、エラスチンおよびフィブリリンを含む。いくつかの実施形態では、コラーゲンは、I型コラーゲン、IL型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、V型コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、VIII型コラーゲン、IX型コラーゲン、X型コラーゲン、XI型コラーゲン、XII型コラーゲン、XIII型コラーゲン、XIV型コラーゲン、XV型コラーゲン、XVI型コラーゲン、XVII型コラーゲン、XVIII型コラーゲン、XIX型コラーゲン、XX型コラーゲン、XXI型コラーゲン、XXII型コラーゲン、XXIII型コラーゲン、XXIV型コラーゲン、XXV型コラーゲン、XXVI型コラーゲン、XXVII型コラーゲン、XXVIII型コラーゲン、XXIX型コラーゲン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、特殊タンパク質は、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノゲン、テネイシン、トロンボスポンジン、インテグリン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、グリコサミノグリカンは反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態では、二糖単位は、改変された糖およびヘキスロン酸を含む。いくつかの実施形態では、改変された糖は、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ヘキスロン酸はグルクロン酸(グルコン酸)またはイズロネート(IdA)を含む。いくつかの実施形態では、グリコサミノグリカンは、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸およびケラチン硫酸を含む。いくつかの実施形態では、グリコサミノグリカンはコアタンパク質に連結し、プロテオグリカンを形成する。いくつかの実施形態では、コアタンパク質はセリン(Ser)およびトレオニン(Thr)残留物に富む。いくつかの実施形態では、プロテオグリカンは、グルクロン酸(GlcA)残留物、2つのガラクトース(Gal)残留物およびキシロース(Xyl)残留物を含む四糖類リンカーを含む。いくつかの実施形態では、細胞外マトリックスは、ヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、チンパンジー、サル、ラット、ブタ、マウス、ウサギ、または合成反応に由来する。
【0054】
いくつかの実施形態では、バイオインクは合成高分子、天然高分子、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、バイオインクはゲルである。いくつかの実施形態では、ゲルはバイオゲルまたはヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、合成高分子は、ポリラクチド(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエチレングリコール(PEG)、PEGマクロマ、ポリエチレングリコールメタクリル酸(PEGMA)、ポリエチレンジメタクリラート(PEGDMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリウレタン(PU)、PEGラクチド、PEGグリコリド、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、ゲルはPEGDMAヒドロゲルを含む。いくつかの実施形態では、PEGDMAポリマーは10%w/vヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、PEGDMAポリマーは20%w/vヒドロゲルである。いくつかの実施形態では、ゲルは合成高分子を含まない。いくつかの実施形態では、PEGマクロマは、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、アリルエーテル、マレイミド、ビニルスルホン、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、およびビニルエーテル基などの反応性鎖端を含む。いくつかの実施形態では、PEGのアルコール鎖端は、塩基の存在下において酸塩化物(例えば塩化アクリ、塩化メタクリロイル)を使用してエステル化される。いくつかの実施形態では、PEG鎖端は、2-クロロエチルビニルエーテルまたは臭化アリルなどのハロゲン化アルキルでの反応によって基本条件下でエーテル化される。いくつかの実施形態では、アクリル酸塩、メタクリル酸塩、ビニルスルホン、マレイミド、ビニルエーテルおよびアリルエーテルは、段階成長ネットワーク形成または重合が可能である。いくつかの実施形態では、マクロマの重合は、レドックス生成ラジカル(例えば過硫酸アンモニウムおよびTEMED)、または光で生成されたラジカルを使用して開始される。いくつかの実施形態では、天然高分子は、アルギン酸塩、セルロース、ゼラチン、ペクチン、キトサン、パラフィン、アガロース、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、バイオインクはMatrigel(登録商標)を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、合成高分子または天然高分子は、架橋を可能にする修飾を含む。いくつかの実施形態では、架橋を可能にする修飾は、メタクリル化である。いくつかの実施形態では、バイオインクはメタクリル化コラーゲンを含む。いくつかの実施形態では、バイオインクはメタクリル化ヒアルロン酸を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクはメタクリル化細胞外マトリックスのタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、合成高分子または天然高分子は機能分子を含む。いくつかの実施形態では、機能分子は生物活性タンパク質または薬物を含む。いくつかの実施形態では、合成高分子または天然高分子は、細胞粘着を促進するペプチド、増殖を促進するペプチド、または分化を促進するペプチドを含む。いくつかの実施形態では、細胞粘着を促進するペプチドはアルギニル-グリシル-アスパラギン酸(RGD)である。いくつかの実施形態では、合成高分子または天然高分子は生分解性結合を含む。いくつかの実施形態では、生分解性結合は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)感受性結合またはアグリカナーゼ感受性結合である。
【0056】
いくつかの実施形態では、バイオインクは追加の薬剤を含む。いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、サリチル酸、カルボン酸、脂質または脂肪酸、界面活性剤、デンプン、パラフィン、シリカ、グリセリンまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、脂質または脂肪酸は、パルミチン酸、オレイン酸、リノレン酸、ω-3脂肪酸またはそれらの組み合わせを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、バイオインクは生化学因子を含む。いくつかの実施形態では、生化学因子は、抗凝血剤、アルブミン、セレン、アミノ酸、ビタミン、ホルモン、無機質、またはそれらの任意の組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、バイオインクはタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質は、キナーゼ、ホルモン、サイトカイン、ケモカイン、抗炎症性因子、炎症促進性因子、アポトーシス因子、またはステロイドである。いくつかの実施形態では、バイオインクは酵素を含む。いくつかの実施形態では、酵素は、プロテアーゼ、コラゲナーゼ、ヌクレアーゼ、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、トレオニンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、メタロプロテアーゼ、エキソペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、トロンベース、プラスミン、カテプシン、またはヘビ毒である。
【0058】
いくつかの実施形態では、バイオインクは治療薬を含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、抗生物質および/または抗真菌剤から選択される。いくつかの実施形態では、抗生物質は、ペニシリン、ストレプトマイシン、アクチノマイシンD、アンピシリン、ブラストサイジン、カルベニシリン、セフォタキシム、ホスミドマイシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ポリミキシンB、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、抗真菌剤は、アンフォテリシンB、ナイスタチン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、治療薬は抗炎症性治療薬から選択される。いくつかの実施形態では、抗炎症性治療薬は非ステロイド性の抗炎症性治療薬である。いくつかの実施形態では、非ステロイド性の抗炎症性治療薬はシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤である。いくつかの実施形態では、COX阻害剤は、COX1阻害剤、COX2阻害剤、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、抗炎症性の治療薬はステロイドを含む。いくつかの実施形態では、ステロイドはグルココルチコイドである。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはデキサメタゾンである。
【0059】
いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損の近位に光源を配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、光源はレーザーである。いくつかの実施形態では、光源はランプである。いくつかの実施形態では、光源は焦点範囲に光を発する。いくつかの実施形態では、光源はあるパターンで光を発する。いくつかの実施形態では、光のパターンはバイオインクを架橋結合する。いくつかの実施形態では、該方法は、架橋結合されなかったバイオインクを取り除く洗浄工程を含む。いくつかの実施形態では、光源は内視鏡に接続される。いくつかの実施形態では、光源は、400nmから700nmの可視波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源はUV光を発する。いくつかの実施形態では、UV光は、UV-A光、UV-B光、またはUV-C光を含む。いくつかの実施形態では、UVA光は、315nmから400nmの光の波長を含む。いくつかの実施形態では、UV-B光は、280nmから315nmの光の波長を含む。いくつかの実施形態では、UV-C光は、100nmから280nmの光の波長を含む。いくつかの実施形態では、光源はLEDである。
【0060】
いくつかの実施形態では、バイオインクは光重合性である。いくつかの実施形態では、バイオインクは光分解性である。いくつかの実施形態では、バイオインクは光により放出される因子を含む。いくつかの実施形態では、光により放出される因子は、細胞、成長因子、プロテアーゼ、リガンド、ホルモン、細胞外マトリックス、サイトカイン、抗炎症性因子、炎症促進性因子、接着分子、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、光により放出される因子は、バイオプリントされた組織(例えば血管)の特徴を形成するために使用される。いくつかの実施形態では、バイオインクは分解性のエステル結合を伴うPEGを含む。いくつかの実施形態では、バイオインクは、バイオインクまたは細胞外マトリックスの成分に付着する因子を含む。いくつかの実施形態では、因子は、ゲルまたは細胞外マトリックスの成分に因子を付着させる結合の加水分解または酵素性分解によって放たれる。いくつかの実施形態では、因子は、ゲル成分または細胞外マトリックスの加水分解または酵素性分解によって放たれる。いくつかの実施形態では、因子は、酵素によってゲル成分または細胞外マトリックスから放出される。いくつかの実施形態では、酵素は内部組織欠損に存在する。いくつかの実施形態では、放出される因子は治療薬または成長因子である。いくつかの実施形態では、成長因子は、放出に際して血管新生を誘発する。
【0061】
<バイオインク構築物>
バイオインク構築物が本明細書において提供され、該バイオインク構築物は、本明細書に開示される方法およびシステムによって製造される。
【0062】
いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は複数のバイオインク層を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は生きた組織である。
【0063】
いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は、2次元の細胞培養物中の各細胞と比較したグリコサミノグリカンの増加、および/または2次元の細胞培養中の細胞と比較したプロテオグリカンの増加を有する。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物の平均細胞生存率は、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%である。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物の平均細胞生存率は約90%である。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物の平均細胞生存率は約100%である。
【0064】
いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は複数のバイオインク層を含む。いくつかの実施形態では、それぞれのバイオインク層は1つ以上の細胞を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク層は2つ以上の細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数のバイオインク層は内部組織欠損上または欠損内に印刷される。いくつかの実施形態では、内部組織欠損はヒトにある。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は動物にある。いくつかの実施形態では、複数のバイオインク層は隣接している。いくつかの実施形態では、各バイオインク層の1つ以上の細胞は、隣接するバイオインク層の1つ以上の細胞に隣接している。いくつかの実施形態では、バイオインク層は同じ大きさである。いくつかの実施形態では、バイオインク層は各々独立して適切な大きさである。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、または100以上のバイオインク層を含む。いくつかの実施形態では、複数のバイオインク層の各層の厚さは独立して、約10μm、約12μm、約14μm、約16μm、約18μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、約125μm、約150μm、約175μm、約200μm、約225μm、約250μm、約275μm、約300μm、約325μm、約350μm、約375μm、約400μm、約425μm、約450μm、約500μm、約525μm、約550μm、約575μm、約600μm、約625μm、約650μm、約675μm、約700μm、約725μm、約750μm、約775μm、約800μm、約825μm、約850μm、約875μm、約900μm、約925μm、約950μm、約975μm、または約1mmである。いくつかの実施形態では、複数のバイオインク層の各層または構築物の生きた組織の厚さは独立して、その最も薄い先端において、約10μm未満、約12μm未満、約14μm未満、約16μm未満、約18μm未満、約20μm未満、約22μm未満、約24μm未満、約26μm未満、約28μm未満、または約30μm未満である。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は、組織を囲むことによって血管形成される。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は無血管である。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は、組織を囲むことによって血管形成されることはない。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は軟骨を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物は実質的に軟骨から成る。いくつかの実施形態では、軟骨の含水率は、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約72%、約74%、約75%、約76%、約77%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約87%、または約90%よりも大きい。いくつかの実施形態では、軟骨の含水率は約80%である。
【0065】
<バイオプリンティングシステム>
本明細書に開示されるバイオインク構築物を製造するためのバイオプリンティングシステムが、本明細書に提供される。さらに、これらのバイオプリンティングシステムは、本明細書に開示されるバイオプリンティング法を行なうために使用され得る。バイオプリンティングシステムは、本願の全体にわたって記載されるように、本明細書に開示される様々なバイオインク組成物と共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステムは生体組成物送達システムである。いくつかの実施形態では、システムは、バイオプリンター、制御システム、表示画面、ロボットアーム、光源、センサー、内視鏡、3次元スキャナーまたはそれらの組み合わせを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、外科手術中の、手術移植材料の配置と配向、バイオインク沈着、およびバイオインク構築物形成の精度および正確さを向上させる。いくつかの実施形態では、システムは所望の領域に印刷するのみであり、より安全な外科手術を保証する。いくつかの実施形態では、手術移植材料はバイオインク構築物である。いくつかの実施形態では、手術移植材料は、本明細書に記載される方法によって製造された半月の移植組織である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、組織切除、バイオインクの沈着、またはバイオインク構築物の位置付けを含む外科手術中の調整が可能である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、外科手術中に使用される場合、外科手術後の患者の回復時間を改善する。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、外科手術中に使用される場合、患者が外科手術後に耐えしのぶ痛みの量を減らす。
【0067】
<バイオプリンター>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムはバイオプリンターを含む。いくつかの実施形態では、バイオプリンターはプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは針、伸長したシリンダ、流体線、印刷ノズル(図5A)、または複数の印刷ノズル(図5B)を含む。いくつかの実施形態では、バイオプリンターは第二のプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはロボットアームに取り付けられている。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドが複数のロボットアームに取り付けられている。いくつかの実施形態では、ロボットアームはプリントヘッドを誘導する。いくつかの実施形態では、ロボットアームはバイオプリンターを誘導する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、湾曲面または複雑面の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置にバイオプリンターを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置にバイオプリンターを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、湾曲面または複雑面の近位またはそれに接する位置にバイオプリンターを配置する。
【0068】
いくつかの実施形態では、バイオプリンターのサイズは、患者の皮膚の切開を通じてバイオプリンターを患者に挿入することを可能にする。いくつかの実施形態では、プリントヘッドのサイズは、患者の皮膚の切開を通じてプリントヘッドを患者に挿入することを可能にする。いくつかの実施形態では、ノズルの直径は、患者の皮膚の切開を通じてノズルを患者に挿入することを可能にする。いくつかの実施形態では、複数のノズルの直径は、患者の皮膚の切開を通じて複数のノズルを患者に挿入することを可能にする。いくつかの実施形態では、針の直径は、患者の皮膚の切開を通じて針を患者に挿入することを可能にする。
【0069】
いくつかの実施形態では、バイオプリンターのサイズは、低侵襲手術中に患者の皮膚の切開を通じてバイオプリンターを患者に挿入することを可能にし、切開の長さは約1mmから約5mmである。いくつかの実施形態では、プリントヘッドのサイズは、低侵襲手術中に患者の皮膚の切開を通じてプリントヘッドを患者に挿入することを可能にし、切開の長さは約1mmから約5mmである。いくつかの実施形態では、針の直径は、低侵襲手術中に患者の皮膚の切開を通じて針を患者に挿入することを可能にし、切開の長さは約1mmから約5mmである。いくつかの実施形態では、ノズルの直径は、低侵襲手術中に患者の皮膚の切開を通じてノズルを患者に挿入することを可能にし、切開の長さは約1mmから約5mmである。いくつかの実施形態では、複数のノズルの直径は、低侵襲手術中に患者の皮膚の切開を通じて複数のノズルを患者に挿入することを可能にし、切開の長さは約1mmから約5mmである。
【0070】
いくつかの実施形態では、バイオプリンターのサイズは、患者の皮膚の切開を通じてバイオプリンターを患者に挿入することを可能にする。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約1mmから約10mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約1mmから約5mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約5mmから約10mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約1mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約2mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約3mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約4mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約5mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約6mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約7mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約8mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約9mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約10mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約10mmから約50mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約10mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約20mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約30mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約40mmである。いくつかの実施形態では、患者の皮膚の切開の長さは、約50mmである。
【0071】
いくつかの実施形態では、プリントヘッドは複数の印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは整列して配される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは独立して制御および作動される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルはバイオインクの個々の液滴を排出するために作動される。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは、バイオインクの個々の液滴を同時に排出する。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは、特定の順序で個々の液滴を排出する。いくつかの実施形態では、複数のノズルは、湾曲面および複雑面に順応する性能を有する様々な構成で配される(図1A-1F)。
【0072】
いくつかの実施形態では、プリントヘッドはバイオインクを格納する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、100μl、200μl、300μl、400μl、500μl、600μl、700μl、800μl、900μl、1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、6ml、7ml、8ml、9ml、10ml、20ml、30ml、40ml、50ml、60ml、70ml、80ml、90ml、100ml、200ml、300ml、400ml、または500mlのバイオインクを格納する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは使い捨てである。
【0073】
いくつかの実施形態では、プリントヘッドは少なくとも5つの印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは約6-20の印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは10、12または16の印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、約50、約55、約60、約65、約70、約75、約80、約85、約90、約95、または約100の印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの直径は、約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、約80μm、約85μm、約90μm、約95μm、約100μm、約105μm、約110μm、約115μm、約120μm、約125μm、約130μm、約135μm、約140μm、約145μm、または約150μmである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの直径は約120μmである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの直径は約120μmより小さい。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの直径は120μmより大きい。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは改変されたインクジェットのプリントヘッドである。いくつかの実施形態では、インクジェットのプリントヘッドは熱インクジェットプリントヘッドである。いくつかの実施形態では、インクジェットのプリントヘッドは圧電気インクジェットプリントヘッドである。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは改変されたカスタムプリントヘッドである。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはバイオプリンティングのために製造されたカスタムプリントヘッドである。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは改変されたレーザープリントヘッドである。
【0074】
いくつかの実施形態では、印刷ノズルは印刷ノズルの1つの行に配置される。いくつかの実施形態では、印刷ノズルは印刷ノズルの2つの行に配置される。いくつかの実施形態では、印刷ノズルは、印刷ノズルの約3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45または50の行に配置される。いくつかの実施形態では、印刷ノズルは、10、12または16の印刷ノズルの2つの行に配置される。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの各行は、同数の印刷ノズルを有する。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの1つ以上の行は、1つ以上の他の行からの異なる数の印刷ノズルを有する。いくつかの実施形態では、行の長さは行のY軸として記載される。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの行における印刷ノズル間のY軸間隔は、約5マイクロメートルから約500マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの行における印刷ノズル間のY軸間隔は、約5マイクロメートルから約200マイクロメートル、約5マイクロメートルから約100マイクロメートル、約50マイクロメートルから約200マイクロメートル、約1マイクロメートルから約50マイクロメートル、または約200マイクロメートルから約400マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの行における印刷ノズル間のY軸間隔は、約200マイクロメートルから約400マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの行の間の間隔は、約5マイクロメートルから約500マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの行の間の間隔は、約5マイクロメートルから約200マイクロメートル、約5マイクロメートルから約100マイクロメートル、約50マイクロメートルから約200マイクロメートル、約1マイクロメートルから約50マイクロメートル、または約200マイクロメートルから約400マイクロメートルである。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの行の間の間隔は、約200マイクロメートルから約400マイクロメートルである。10の印刷ノズルが2つの行に配置されるいくつかの実施形態では、印刷ノズル間のY軸間隔は、約20dpi、約30dpi、約40dpi、約60dpi、約70dpi、約80dpi、約90dpi、約100dpi、約110dpi、約120dpi、約130dpi、約140dpi、約150dpi、約160dpi、約170dpi、約180dpi、約190dpi、約200dpi、約250dpi、または約300dpiである。10の印刷ノズルが2つの行に配置されるいくつかの実施形態では、印刷ノズル間のY軸間隔は約150dpiである。いくつかの実施形態では、行の間の間隔は、約200gm、約220gm、約240gm、約260gm、約280gm、約300gm、約320gm、約340gm、約360gm、約380gm、約400gm、約420gm、約450gm、または約500gmである。いくつかの実施形態では、行の間の間隔は約340gmである。12の印刷ノズルが2つの行に配置されるいくつかの実施形態では、印刷ノズル間のY軸間隔は、約20dpi、約30dpi、約40dpi、約60dpi、約70dpi、約80dpi、約90dpi、約100dpi、約110dpi、約120dpi、約130dpi、約140dpi、約150dpi、約160dpi、約170dpi、約180dpi、約190dpi、約200dpi、約250dpi、または約300dpiである。12の印刷ノズルが2つの行に配置されるいくつかの実施形態では、印刷ノズル間のY軸間隔は約180dpiまたは141μmである。いくつかの実施形態では、行の間の間隔は、約200μm、約220μm、約240μm、約260μm、約280μm、約300μm、約320μm、約340μm、約360μm、約380μm、約400μm、約420μm、約450μm、または約500μmである。いくつかの実施形態では、行の間の間隔は約300μmである。16の印刷ノズルが2つの行に配置されるいくつかの実施形態では、印刷ノズル間のY軸間隔は、約20dpi、約30dpi、約40dpi、約60dpi、約70dpi、約80dpi、約90dpi、約100dpi、約110dpi、約120dpi、約130dpi、約140dpi、約150dpi、約160dpi、約170dpi、約180dpi、約190dpi、約200dpi、約250dpi、約300dpi、約320dpi、約340dpi、約360dpi、約380dpi、約400dpi、約450dpi、または約500dpiである。16の印刷ノズルが2つの行に配置されるいくつかの実施形態では、印刷ノズル間のY軸間隔は約300dpiまたは84μmである。いくつかの実施形態では、行の間の間隔は、約200μm、約220μm、約240μm、約260μm、約280μm、約300μm、約320μm、約340μm、約360μm、約380μm、約400μm、約420μm、約450μm、または約500μmである。いくつかの実施形態では、行の間の間隔は約230μmである。
【0075】
いくつかの実施形態では、プリントヘッドは印刷ノズルの構成を含む。いくつかの実施形態では、印刷ノズルの構成は並行印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、該構成は平行ではない印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、該構成は一点に集まる印刷ノズルを含む(図1Aおよび1D)。いくつかの実施形態では、該構成は広がっていく印刷ノズルを含む(図1Bおよび1E)。いくつかの実施形態では、印刷ノズルは、内部組織欠損の上のレベルに、またはその欠損に位置づけられる。いくつかの実施形態では、内部組織欠損に対する印刷ノズルの近接性を増加または減少させるように、レベルを変化させる(図1Cおよび1F)。いくつかの実施形態では、該構成は、すべての印刷ノズルのレベルが同じ平面にある印刷ノズルを含む(図1Cおよび1F)。いくつかの実施形態では、該構成は、1つ以上の印刷ノズルのレベルが同じ平面にない印刷ノズルを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の構成が組み合わされる。いくつかの実施形態では、複数のノズルが特定の形状で配置される(図2A-2E)。
【0076】
いくつかの実施形態では、印刷ノズルの構成は印刷ノズルを含み、印刷ノズルの配向は測定基準単位である。いくつかの実施形態では、印刷ノズルは、約2ピコリットルから約220ピコリットルの、プリントヘッドから排出されたバイオインクの滴量を可能にする。いくつかの実施形態では、バイオインクの滴下は、約1pL、約2pL、約5pL、約10pL、約15pL、約20pL、約25pL、約30pL、約35pL、約40pL、約45pL、約50pL、約55pL、約60pL、約65pL、約70pL、約75pL、約80pL、約85pL、約90pL、約95pL、約100pL、約105pL、約110pL、約115pL、約120pL、約125pL、約130pL、約135pL、約140pL、約145pL、約150pL、約155pL、約160pL、約165pL、約170pL、約175pL、約180pL、約185pL、約190pL、約195pL、約200pL、約250pL、約300pL、約500pL、または約1nLである。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、1インチ(dpi)当たり少なくとも約100ドットの解像度を有する。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、少なくとも約150dpi、少なくとも約200dpi、少なくとも約300dpi、少なくとも約400dpi、少なくとも約500dpi以上、または約1000dpi以上の解像度を有する。いくつかの実施形態では、印刷ノズルは、約1000Hz、約1200Hz、約1400Hz、約1600Hz、約1800Hz、約2000Hz、約2200Hz、約2400Hz、約2600Hz、約2800Hz、約3000Hz、約3200Hz、約3400Hz、約3600Hz、約3800Hz、約4000Hz、約4200Hz、約4400Hz、約4600Hz、約5000Hz、約5200Hz、約5400Hz、約5600Hz、約5800Hz、または約6000Hzの周波数で発射する。
【0077】
いくつかの実施形態では、印刷ノズルは同軸ノズルである。いくつかの実施形態では、同軸ノズルは、第1のノズルおよび第2のノズルを含む2つの同心ノズルを含む。いくつかの実施形態では、第1のノズルは内側ノズルであり、および第2のノズルは外側ノズルである。いくつかの実施形態では、第1のノズルと第2のノズルはそれぞれ、第1のバイオインクと第2のバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、第1のノズルと第2のノズルは、異なるバイオインク印刷パラメータを使用してバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、同軸ノズルは、第1のノズル、第2のノズルおよび第3のノズルを含む3つの同心ノズルを含む。いくつかの実施形態では、第1のノズルは内側ノズルであり、第2のノズルは中央ノズルであり、および第3のノズルは外側ノズルである。いくつかの実施形態では、第1のノズル、第2のノズルおよび第3のノズルはそれぞれ、第1のバイオインク、第2のバイオインク、および第3のバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、第1のバイオインク、第2のバイオインク、または第3のバイオインクは、架橋剤を含む。いくつかの実施形態では、第1のバイオインク、第2のバイオインク、または第3のバイオインクは、合成高分子または天然高分子を含む。いくつかの実施形態では、第1のバイオインク、第2のバイオインク、または第3のバイオインクは、複数の細胞を含む。いくつかの実施形態では、第1のノズル、第2のノズル、および第3のノズルは、異なるバイオインクプリンティングパラメータを使用してバイオインクを排出する。いくつかの実施形態では、同心ノズルは、4つ以上の同心ノズルを含む。いくつかの実施形態では、同軸ノズルは、バイオインク構築物に血管を生成するために使用される。
【0078】
いくつかの実施形態では、バイオプリンターは複数のプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドは、第2のプリントヘッド、第3のプリントヘッド、第4のプリントヘッド、第5のプリントヘッド、第6のプリントヘッド、第7のプリントヘッド、第8のプリントヘッド、第9のプリントヘッド、または第10のプリントヘッドを含む。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは異なるサイズと直径であり、および様々な位置に分配される(図2E)。いくつかの実施形態では、複数の印刷ノズルは、同軸ノズル、非同軸ノズル、またはそれらの組み合わせを含む。
【0079】
<制御システム>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは制御システムを含む。いくつかの実施形態では、制御システムはバイオプリンターに接続される。いくつかの実施形態では、制御システムはバイオプリンターと通信する。いくつかの実施形態では、制御システムは、バイオプリンターとの無線通信を備える。いくつかの実施形態では、制御システムはバイオプリンターのバイオインクプリンティングパラメータを制御する。
【0080】
いくつかの実施形態では、制御システムはコンピューターシステムを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続された複数のロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、複数のロボットアームは、第2のロボットアーム、第3のロボットアーム、第4のロボットアーム、第5のロボットアーム、第6のロボットアーム、第7のロボットアーム、第8のロボットアーム、第9のロボットアーム、または第10のロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは任意の方向、および任意の角度に動くことができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームには6自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには5自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには4自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには3自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには2自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、印刷が行われる基材に対して任意の角度でバイオプリンターを配置することができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームの動きにおける柔軟性の増加は、バイオプリンターが患者に直接印刷することを可能にする。
【0081】
いくつかの実施形態では、コンピューターシステムは、プリントヘッドのモニタリングまた操作用の、コンピューティングデバイス、マイクロコントローラ、プロセッサー、メモリデバイス、オペレーティングシステム、およびソフトウェアモジュールを含む。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムはコンピューティングデバイスを含む。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスはマイクロコントローラである。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラは8ビット、16ビット、または32ビットのマイクロコントローラである。いくつかの実施形態では、マイクロコントローラは、8051マイクロコントローラ、プログラマブルインターフェースコントローラ(PIC)、AVRまたはAdvanced Virtual RISCマイクロコントローラ、またはARM(登録商標)マイクロコントローラである。
【0082】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスはデスクトップコンピューターまたはラップトップコンピューターである。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスはモバイル機器である。いくつかの実施形態では、モバイル機器はスマートフォンまたはスマートウォッチである。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスはポータブルデバイスである。本明細書の記載によれば、適切なコンピューティングデバイスはさらに、非限定的な例として、ノート型コンピューター、タブレットコンピューター、ネットブックコンピューター、スマートブックコンピューター、サブノートブックコンピューター、ウルトラモバイルPC、ハンドヘルドコンピューター、携帯情報端末、インターネットアプライアンス、スマートフォン、音楽プレーヤー、およびポータブルビデオゲームシステムを含む。多くのモバイルスマートフォンが、本明細書に記載されるシステムでの使用に適している。適切なタブレットコンピューターとして、ブックレット、スレート、およびコンバーチブル型の構成を備えたものがあげられる。適切なポータブルビデオゲームシステムは、非限定的な例として、ニンテンドーDS(商標)およびSony(登録商標)PSP(商標)を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、コンピューターシステムは、プロセッサーによって実行可能な命令を含むコンピュータープログラム含み、プロセッサーに:1)ロボットアームの動きと位置を制御させ、2)バイオインクプリンティングのパラメータを制御させる、および
3)バイオプリンティングプロセスを制御させる。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムは、バイオインクが置かれる基材上の位置へとバイオプリンターを配向することによって、バイオプリンティングプロセスを制御する。
【0084】
いくつかの実施形態では、コンピューターシステムは、プリントヘッドのモニタリングまた操作用の、プロセッサー、メモリデバイス、オペレーティングシステム、およびソフトウェアモジュールを含む。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムはデジタル処理装置を含み、および1つ以上のハードウェア中央処理装置(CPU)を含む。さらなる実施形態において、コンピューターシステムは、実行可能な命令を行うように構成されたオペレーティングシステムを含む。いくつかの実施形態では、オペレーティングシステムは、デバイスのハードウェアを制御し、およびアプリケーションの実行のためのサービスを提供するプログラムとデータを含むソフトウェアである。当業者は、適切なサーバーオペレーティングシステムには、非限定的な例として、FreeBSD、OpenBSD、NetBSD(登録商標)、リナックス(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X Server(登録商標)、Oracle(登録商標)Solaris(登録商標)、Wiodows Server(登録商標)、およびNovell(登録商標)NetWare(登録商標)が含まれることを認識する。当業者は、適切なパソコンオペレーティングシステムには、非限定的な例として、Microsoft(登録商標)Windows(登録商標)、Apple(登録商標)Mac OS X(登録商標)、UNIX(登録商標)、およびGNU/Linux(登録商標)などのUNIXのようなオペレーティングシステムが含まれることを認識する。いくつかの実施形態では、オペレーティングシステムは、クラウドコンピューティングによって提供される。当業者はさらに、適切なモバイルスマートフォンオペレーティングシステムには、非限定的な例として、Nokia(登録商標)Symbian(登録商標)OS、Apple(登録商標)iOS(登録商標)、Research in Motion(登録商標)BlackBerry OS(登録商標)、Google(登録商標)Android(登録商標)、Microsoft(登録商標)Windows Phone(登録商標)OS、Microsoft(登録商標)Windows Mobile(登録商標)OS、Linux、およびPalm(登録商標)WebOSが含まれることを認識するだろう。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムは記憶装置および/またはメモリデバイスを含む。いくつかの実施形態では、記憶装置および/またはメモリデバイスは、一時的または永久的にデータまたはプログラムを記憶するために使用される1つ以上の物理的な機器である。いくつかの実施形態において、デバイスは揮発性メモリであり、記憶した情報を維持するための電力を必要とする。いくつかの実施形態において、デバイスは不揮発性メモリであり、デジタル処理装置に電力が供給されないときに記憶した情報を保持する。さらなる実施形態において、不揮発性メモリはフラッシュメモリを含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)を含む。いくつかの実施形態において、不揮発性メモリは、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、非限定的な例として、CD-ROM、DVD、フラッシュメモリ装置、磁気ディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、およびクラウドコンピューティングベースの記憶装置を含む記憶装置である。いくつかの実施形態では、記憶装置および/またはメモリデバイスは、本明細書に開示されるようなデバイスの組み合わせである。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコンピューターシステムは、ユーザーインターフェースを含む。いくつかの実施形態において、入力装置はキーボードである。さらなる実施形態において、入力装置はキーパッドである。特定の実施形態では、入力装置は、通信制限(例えば年齢、病気、障害等による)を伴う被験体による使用のための単純化されたキーパッドであり、各キーは色、形状および健康/通信概念に関係する。いくつかの実施形態において、入力装置は、非限定的な例として、マウス、トラックボール、トラックパッド、ジョイスティック、ゲームコントローラ、またはスタイラスを含むポインティングデバイスである。いくつかの実施形態において、入力装置は表示画面であり、それはタッチスクリーンまたはマルチタッチスクリーンである。他の実施形態において、入力装置は、声または他の音声入力を捕らえるマイクロホンである。他の実施形態において、入力装置は、動きまたは視覚入力を捕らえるビデオカメラである。またさらなる実施形態において、入力装置は本明細書に開示されるデバイスの組み合わせである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムとソフトウェアモジュールは、イントラネットベースである。いくつかの実施形態では、システムとソフトウェアモジュールはインターネットベースである。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムはWiFiまたはBluetoothのインターフェースを含む。さらなる実施形態では、コンピューターシステムとソフトウェアモジュールはワールド・ワイド・ウェブに基づく。さらなる実施形態では、コンピューターシステムとソフトウェアモジュールはクラウドコンピューティングに基づく。他の実施形態では、コンピューターシステムとソフトウェアモジュールは、非限定的な例としてCD-ROM、DVD、フラッシュメモリ装置、RAM(例えばDRAM、SRAM等)、ROM(例えばPROM、EPROM、EEPROM等)、磁気テープドライブ、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブ、光磁気ドライブ、ソリッドステートドライブ、およびそれらの組み合わせを含むデータストレージ装置に基づく。
【0086】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、第1のバイオプリンターの位置を制御する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、ロボット手術システムの一部を含む。いくつかの実施形態では、ロボット手術システムは、Makoのロボット手術システムである。いくつかの実施形態では、ロボットアームは身体部分に連結される。いくつかの実施形態では、身体部分は内部組織欠損を伴う身体部分である。身体部分への連結は、身体部分が再配置される必要があれば、制御システムが身体部分と共に動くことを可能にする。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続された第2のロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、第2のバイオプリンターの位置を制御する(図6)。
【0087】
いくつかの実施形態では、制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御するために構成される。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、必要としている個体への低侵襲手術中に、内部組織欠損上にバイオインク構築物をバイオプリントすることができる。該システムは、制御システム、内視鏡、表示画面、センサー、光源、3Dスキャナー、ロボットアーム、およびプリントヘッドを含むバイオプリンター、を含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは持ち運び可能である。いくつかの実施形態では、該システムは、手術室内外に移動させられるように構成される。非限定的な例として、該システムは車輪またはカートに据え付けられてもよい。さらに非限定的な例として、該システムは、平均的なユーザーが手で運ぶのに十分小さく、かつ軽くてもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、生きた医療サービス提供者のサービスを必要としない。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される制御システムは非通信モードを含む。さらなる実施形態では、本明細書に記載される方法は、通信プロトコルが失敗した場合、通信チャネルまたは信号が失敗または失われた場合、または1つ以上の通信プロトコル、チャネルまたは信号が利用不可能な位置にデバイスが配置された場合に、非通信モードで操作される。非通信モードにおいて、生きている遠方の医療サービス提供者は、システムのコンポーネントをモニタリングし、監督し、操作することができない。さらなる例として、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される制御システムは、非常モードを含む。非常モードにおいて、いくつかの実施形態では、システムのコンポーネントは、生きているまたは遠方の医療サービス提供者によるモニタリング、監督または操作なしで、自発的に作動する。
【0091】
いくつかの実施形態では、システムはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、制御システムはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、コンピューターシステムはプログラム可能である。いくつかの実施形態では、制御システムは、内部組織欠損またはシステムを使用して処置される被験体についての情報によってプログラム可能である。内部組織欠損に関する情報の非限定的な例は、内部組織欠損の形状、サイズディメンション、厚さ、密度または接近度である。
【0092】
いくつかの実施形態では、医療サービス提供者は、内部組織欠損についての情報をコンピューターシステムにプログラムする。いくつかの実施形態では、医療サービス提供者は、内部組織欠損についての情報をコンピューターシステムに入力する。いくつかの実施形態では、内部組織欠損に関する情報は、内部組織欠損の形状、サイズディメンション、厚さ、密度または接近度を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは、病院、ホスピス、ナーシングホーム、緊急ケア診察所、診断ラボなどのヘルスケア施設で、一部または全体として使用される。いくつかの実施形態では、システムは、動物病院、獣医の診察所などの獣医の施設で、一部または全体として使用される。
【0093】
いくつかの実施形態では、制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御する工程を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む。
【0094】
<表示画面>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは表示画面を含む。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物をバイオプリントするためのシステムは、複数の表示画面を含む。いくつかの実施形態では、表示画面は、コンピューターシステムに動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、バイオインク構築物をバイオプリントするためのシステムは、表示画面への接続を含む。いくつかの実施形態では、表示画面は、内視鏡によって生成された画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、関節の内部構造の画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、低侵襲手術を受けている患者の関節の内部構造の画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、低侵襲手術を受けている患者の膝の内部構造の画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、バイオプリンターによって印刷されたバイオ構築物の画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、低侵襲手術中にバイオプリンターによって印刷されたバイオ構築物の画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、バイオプリンターによって印刷されているバイオ構築物のリアルタイムの画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、低侵襲手術中にバイオプリンターによって印刷されているバイオ構築物のリアルタイム画像を表示する。いくつかの実施形態では、表示画面は、バイオプリンティングプロセスの視覚フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、表示画面は、バイオプリンティングプロセス中、およびバイオプリンティングプロセス後に、バイオ構築物の構造の精度に関する視覚フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、表示画面は、バイオプリンターによってバイオプリントされているバイオ構築物の位置のリアルタイムの視覚フィードバックを提供する。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコンピューターシステムは、ユーザーインターフェースを含む。さらなる実施形態では、ユーザーインターフェースはグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を含む。さらなる実施形態では、ユーザーインターフェースはインタラクティブであり、および本明細書に記載のコンピューターシステムおよびバイオプリンターとインタラクトするためのメニューとオプションをユーザーに提示する。さらなる実施形態では、コンピューターシステムは、ユーザーに視覚情報を送る表示画面を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイはブラウン管(CRT)である。いくつかの実施形態では、表示画面は液晶ディスプレイ(LCD)である。さらなる実施形態において、ディスプレイは薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT-LCD)である。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイである。様々なさらなる実施形態において、OLEDディスプレイは、パッシブ-マトリクスOLED(PMOLED)またはアクティブ-マトリクスOLED(AMOLED)のディスプレイである。いくつかの実施形態において、ディスプレイはプラズマディスプレイである。他の実施形態において、ディスプレイはビデオプロジェクターである。いくつかの実施形態では、表示画面は、モバイルデバイススクリーン、コンピュータースクリーン、ポータブルデバイススクリーン、タッチスクリーン、またはマルチタッチスクリーンである。またさらなる実施形態において、ディスプレイは、本明細書に開示されるディスプレイの組み合わせである。
【0096】
<ロボットアーム>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは少なくとも1つのロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、コンピューターシステムに動作可能に接続された第2のロボットアームを含む。いくつかの実施形態では、制御システムはロボットアームを制御する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、第2のバイオプリンターの位置を制御する(図6)。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、ロボットアームの、ユーザー(すなわち外科医)に対して遠位に取り付けられる。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドは、複数のロボットアームの、ユーザー(すなわち外科医)に対して遠位に取り付けられる。いくつかの実施形態では、プリントヘッドは、ロボットアームのユーザーに対して遠位端に据え付けられる。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドが、複数のロボットアームの遠位端に据え付けられる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、ロボットアームに取り付けられたプリントヘッドが外科手術中に患者に挿入される深度を手動で変更または制御することができる。いくつかの実施形態では、制御システムは、ロボットアームに取り付けられたプリントヘッドが外科手術中に患者に挿入される深度を手動で制御することができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームの遠位端は、患者に最も近いロボットアームの端部である。
【0097】
いくつかの実施形態では、複数のロボットアームを含むシステムは、外科手術の時間を減らす。いくつかの実施形態では、システムは複数のロボットアームを含み、1つ以上のアームが1つ以上のプリントヘッドを制御し、他方で1つ以上のアームが画像化コンポーネントまたは可視化装置コンポーネントまたは1つ以上のセンサーを制御する。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドを含むシステムは、外科手術の時間を減らす。いくつかの実施形態では、複数のバイオプリンターを含むシステムは、外科手術の時間を減らす。いくつかの実施形態では、複数のロボットアームを含むシステムは、複数のバイオインクの配置を可能にする。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドを含むシステムは、複数のバイオインクの配置を可能にする。いくつかの実施形態では、複数のバイオプリンターを含むシステムは、複数のバイオインクの配置を可能にする。いくつかの実施形態では、複数のロボットアームを含むシステムは、1以上のバイオインク組成物を含むバイオインク構築物のバイオプリンティングを可能にする。いくつかの実施形態では、複数のプリントヘッドを含むシステムは、1以上のバイオインク組成物を含むバイオインク構築物のバイオプリンティングを可能にする。いくつかの実施形態では、複数のバイオプリンターを含むシステムは、1以上のバイオインク組成物を含むバイオインク構築物のバイオプリンティングを可能にする。
【0098】
いくつかの実施形態では、ロボットアームは基部を含む。いくつかの実施形態では、基部は360度を回転する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは基部から伸長する。いくつかの実施形態では、ロボットアームはジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは複数のジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは1つのジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは2つのジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは3つのジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは4つのジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは5つのジョイントを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアームは6つのジョイントを含む。いくつかの実施形態では、複数のジョイントによって、ロボットアームを約6軸回転させることが可能である。いくつかの実施形態では、複数のジョイントによって、ロボットアームを約5軸回転させることが可能である。いくつかの実施形態では、複数のジョイントによって、ロボットアームを約4軸回転させることが可能である。いくつかの実施形態では、複数のジョイントによって、ロボットアームを約3軸回転させることが可能である。いくつかの実施形態では、ロボットアームは外科医によって手動で回転させられる。いくつかの実施形態では、ロボットアームは制御システムによって自動的に回転させられる。
【0099】
いくつかの実施形態では、ロボットアームはアクチュエータを含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは回転アクチュエータである。いくつかの実施形態では、アクチュエータは電気アクチュエータである。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、直流(DC)リニアアクチュエータである。いくつかの実施形態では、アクチュエータはモーターから動力を得る。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、ロボットアームの動きに動力を供給するモーターまたは複数のモーターを含む。いくつかの実施形態では、モーターは、交流(A/C)モーター、直流(DC)モーター、歯車付DCモーター、RCサーボモーター、ステッパモーター、または産業用サーボモーターである。いくつかの実施形態では、モーターはモーター制御装置によって制御される。いくつかの実施形態では、モーター制御装置は、ブラシ付きDCモーターコントローラ、ブラシレスDCモーターコントローラ、サーボモーターコントローラまたはステップモータコントローラである。いくつかの実施形態では、モーター制御装置は、制御システムに動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、ロボットアームは制御システムによって制御される。いくつかの実施形態では、モーター制御装置は、コンピューティングシステムに動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、ロボットアームはコンピューティングシステムによって制御される。いくつかの実施形態では、モーター制御装置は、コンピューティング装置に動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、ロボットアームはコンピューティングデバイスによって制御される。いくつかの実施形態では、モーター制御装置は、マイクロコントローラに動作可能に接続される。いくつかの実施形態では、ロボットアームはマイクロコントローラによって制御される。いくつかの実施形態では、ロボットアームは手動で制御される。いくつかの実施形態では、ロボットアームはユーザーによって制御される。いくつかの実施形態では、ユーザーは、外科手術中のいかなる時においても、ロボットアームを手動で制御することができる。いくつかの実施形態では、ユーザーは、外科手術中のいかなる時においても、ロボットアームの位置を手動で変更または制御することができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、ロボットアームは、バイオプリンターの位置を制御する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる。いくつかの実施形態では、ロボットアームは任意の方向、および任意の角度に動くことができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームには6自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには5自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには4自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには3自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには2自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームには1自由度がある。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、湾曲面または複雑面の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、内部組織欠損の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを配置する。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを配置する。
【0101】
いくつかの実施形態では、ロボットアームは、印刷が行われる基材に対して任意の角度でバイオプリンターを配置することができる。いくつかの実施形態では、ロボットアームの動きにおける柔軟性の増加は、バイオプリンターが患者の組織欠損に直接印刷することを可能にする。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、ロボット手術システムの一部を含む。いくつかの実施形態では、ロボット手術システムは、Makoのロボット手術システムである。いくつかの実施形態では、ロボットアームは身体部分に連結される。いくつかの実施形態では、身体部分は内部組織欠損を伴う身体部分である。身体部分への連結は、身体部分が再配置される必要があれば、制御システムが身体部分と共に動くことを可能にする。
【0102】
<光源>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは光源を含む。いくつかの実施形態では、該光源は、内部組織欠損の近位に配置される。いくつかの実施形態では、光源はレーザーである。いくつかの実施形態では、光源はランプである。いくつかの実施形態では、光源は焦点範囲に光を発する。いくつかの実施形態では、光源はあるパターンで光を発する。いくつかの実施形態では、光のパターンはバイオインクを架橋結合する。いくつかの実施形態では、光源はバイオインクを重合する。いくつかの実施形態では、該方法は、架橋結合されなかったバイオインクを取り除く洗浄工程を含む。いくつかの実施形態では、光源は内視鏡に接続される。いくつかの実施形態では、光源はUV光を発する。いくつかの実施形態では、UV光は、UV-A光、UV-B光、またはUV-C光を含む。いくつかの実施形態では、UVA光は、約315nmから約400nmの光の波長を含む。いくつかの実施形態では、UV-B光は、約280nmから約315nmの光の波長を含む。いくつかの実施形態では、UV-C光は、約100nmから約280nmの光の波長を含む。いくつかの実施形態では、光源は発光ダイオード(LED)である。
【0103】
いくつかの実施形態では、システムは、バイオインクを刺激する光源を含む。いくつかの実施形態では、システムは、バイオインク中で細胞を刺激する光源を含む。いくつかの実施形態では、システムは、バイオインクの1つ以上の成分を刺激する光源を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクの1つ以上の成分を検出可能である。いくつかの実施形態では、光源によって刺激されるバイオインクの成分は、複数の細胞、タンパク質、細胞接着分子、細胞外マトリックス成分、成長因子、酵素、治療薬、天然高分子、合成高分子、ヒドロゲル、ナノ粒子、生化学的因子、架橋剤、光重合開始剤、追加の薬剤、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、光源によって刺激された複数の細胞は、蛍光プローブ、蛍光タグ、アフィニティータグ、またはペプチドで標識される。いくつかの実施形態では、光源によって刺激された複数の細胞は、複数の軟骨細胞、軟骨形成の前駆体、軟骨前駆体、幹細胞、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、間葉系幹細胞、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、システムは、バイオインク中でタンパク質を刺激するための光源を含む。いくつかの実施形態では、光源によって刺激されたタンパク質は、蛍光プローブ、蛍光タグ、アフィニティータグ、またはペプチドで標識される。いくつかの実施形態では、光源によって刺激されたタンパク質は、自ら蛍光を発する。いくつかの実施形態では、光源によって刺激された自ら蛍光を発するタンパク質は、コラーゲンである。
【0104】
いくつかの実施形態では、光源は、400nmから700nmの可視波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約270nmから約370nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約480nmから約500nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約488nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約540nmから約570nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約561nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約546nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約620nmから約640nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約633nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約640nmから約660nmの波長で光を発する。いくつかの実施形態では、光源は、約647nmの波長で光を発する。
【0105】
<センサー>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムはセンサーを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは複数のセンサーを含む。いくつかの実施形態では、センサーは、ロボットアームの位置を検出およびモニタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、センサーは、バイオプリンターの位置を検出およびモニタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、センサーは、プリントヘッドの位置を検出およびモニタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、センサーは、ノズルまたは複数のノズルの位置を検出およびモニタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、センサーは、針の位置を検出およびモニタリングするように構成される。いくつかの実施形態では、センサーは、光センサー、ロータリエンコーダ、圧電気加速度計、静電容量変位センサー、ジャイロスコープセンサー、圧力センサー、赤外線センサー、線形ポテンショメーター、ストレッチセンサー、ステレオカメラシステム、位置推定システム、光センサー、サーマルセンサー、温度センサー、サーマルカメラ、慣性計測装置(IMU)、電流センサー、電圧センサー、磁気センサー、電磁センサー、深度センサー、音響センサー、タッチセンサー、共焦点変位センサー、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0106】
いくつかの実施形態では、センサーは、バイオインクの温度を検出する。いくつかの実施形態では、センサーはバイオプリンターから排出されたバイオインクの量を検出する。いくつかの実施形態では、センサーは、ロボットアームのジョイントの回転の度合を検出する。いくつかの実施形態では、センサーは、ロボットアームの並進運動を検出する。いくつかの実施形態では、センサーはバイオプリンターから基材までの距離を検出する。いくつかの実施形態では、センサーはバイオプリンターから組織欠損までの距離を検出する。いくつかの実施形態では、センサーは、基材内の距離を検出する。いくつかの実施形態では、センサーは、組織欠損内部の距離を検出する。いくつかの実施形態では、センサーは制御システムに位置フィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、センサーは、バイオインク構築物の深度を測定する。いくつかの実施形態では、センサーは、組織欠損の深度を測定する。いくつかの実施形態では、センサーは、バイオインク、またはバイオインク構築物の温度を測定する。いくつかの実施形態では、センサーは、組織欠損の温度を測定する。
【0107】
<内視鏡>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは少なくとも1つの内視鏡を含む。いくつかの実施形態では、内視鏡は、内部組織欠損に近接して配置される。いくつかの実施形態では、内視鏡はバイオプリンティングの間に内部組織欠損を視覚化する。いくつかの実施形態では、内視鏡は、関節鏡、気管支鏡、大腸内視鏡、膣鏡、膀胱尿道鏡、膀胱鏡、十二指腸内視鏡、腸鏡、食道胃十二指腸内視鏡、胎児鏡、胃鏡、生殖器鏡(gynoscope)、子宮鏡、腹腔鏡、喉頭鏡、腹腔鏡、直腸S状結腸鏡、S状結腸鏡、胸腔鏡または尿管鏡である。いくつかの実施形態では、該システムは、第1の内視鏡、第2の内視鏡、第3の内視鏡、第4の内視鏡、または第5の内視鏡を、内部組織欠損の近位に含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、システムは、バイオプリンティング中または後に、バイオインクを検出または視覚化するために、内視鏡を含む。いくつかの実施形態では、システムは、内部組織欠損の画像を提供するように構成された内視鏡を含み、画像は、バイオプリンティングプロセス中にリアルタイムでバイオインク構築物の構造に関するフィードバックを提供するために使用される。いくつかの実施形態では、内視鏡は、バイオプリンティングプロセス中にリアルタイムで、バイオ構築物の構造に関するフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、システムは、バイオインクの1つ以上の成分を検出または視覚化する内視鏡を含む。いくつかの実施形態では、バイオインクの成分は、複数の細胞、タンパク質、細胞接着分子、細胞外マトリックス成分、成長因子、酵素、治療薬、天然高分子、合成高分子、ヒドロゲル、ナノ粒子、生化学的因子、架橋剤、光重合開始剤、追加の薬剤、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、システムは、バイオインク中の複数の細胞を検出または視覚化するために内視鏡を含む。いくつかの実施形態では、内視鏡によって検出または視覚化された複数の細胞は、蛍光プローブ、蛍光タグ、アフィニティータグ、またはペプチドで標識される。いくつかの実施形態では、内視鏡によって検出または視覚化された複数の細胞は、複数の軟骨細胞、軟骨形成の前駆体、軟骨前駆体、幹細胞、多能性幹細胞、人工多能性幹細胞、間葉系幹細胞、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0109】
いくつかの実施形態では、システムは、バイオインク中のタンパク質を検出または視覚化するために内視鏡を含む。いくつかの実施形態では、内視鏡によって検出または視覚化されたタンパク質は、蛍光プローブ、蛍光タグ、アフィニティータグ、またはペプチドで標識される。いくつかの実施形態では、第2の内視鏡によって検出または視覚化されたタンパク質は、自ら蛍光を発する。いくつかの実施形態では、内視鏡によって検出または視覚化された自ら蛍光を発するタンパク質はコラーゲンである。いくつかの実施形態では、自ら蛍光を発するコラーゲンは、I型コラーゲン、IL型コラーゲン、III型コラーゲン、IV型コラーゲン、V型コラーゲン、VI型コラーゲン、VII型コラーゲン、VIII型コラーゲン、IX型コラーゲン、X型コラーゲン、XI型コラーゲン、XII型コラーゲン、XIII型コラーゲン、XIV型コラーゲン、XV型コラーゲン、XVI型コラーゲン、XVII型コラーゲン、XVIII型コラーゲン、XIX型コラーゲン、XX型コラーゲン、XXI型コラーゲン、XXII型コラーゲン、XXIII型コラーゲン、XXIV型コラーゲン、XXV型コラーゲン、XXVI型コラーゲン、XXVII型コラーゲン、XXVIII型コラーゲン、XXIX型コラーゲン、またはそれらの組み合わせを含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、システムは少なくとも第1の内視鏡と第2の内視鏡を含み、第1の内視鏡はバイオプリンティング中またはバイオプリンティング後に第1のバイオインクを検出または視覚化し、および第2の内視鏡はバイオプリンティング中またはバイオプリンティング後に第2のバイオインクを検出または視覚化する。いくつかの実施形態では、第1のバイオインクは第2のバイオインクとは異なる。いくつかの実施形態では、第1のバイオインクと第2のバイオインクは同じである。いくつかの実施形態では、システムは少なくとも第1の内視鏡と第2の内視鏡を含み、第1の内視鏡はバイオプリンティング中またはバイオプリンティング後に第1のバイオインクの成分を検出または視覚化し、および第2の内視鏡はバイオプリンティング中またはバイオプリンティング後に第2のバイオインクの成分を検出または視覚化する。いくつかの実施形態では、システムは少なくとも第1の内視鏡と第2の内視鏡を含み、第1の内視鏡はバイオプリンティング中またはバイオプリンティング後に第1のバイオインクの成分を検出または視覚化し、および第2の内視鏡はバイオプリンティング中またはバイオプリンティング後に第1のバイオインクの成分を検出または視覚化する。いくつかの実施形態では、第1の成分と第2の成分は同じである。いくつかの実施形態では、第1の成分と第2の成分は異なる。いくつかの実施形態では、追加のバイオインクまたはバイオインクの追加の成分を検出または視覚化する追加の内視鏡(例えば第3、第4、第5の内視鏡)がある。
【0111】
<3Dスキャナー>
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるシステムは3次元(3D)スキャナーを含む。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは3次元レーザースキャナーである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは携帯型のレーザースキャナーである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは3次元のX線スキャナーである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーはパターン投影3次元法である。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーはコンタクト3Dスキャナーである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは調光3Dスキャナーである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは静止3Dレーザースキャナーである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーはタイム・オブ・フライト法3Dスキャナーである。いくつかの実施形態では、タイム・オブ・フライト法はレーザー位相シフト3Dスキャナーまたはレーザーパルスベースの3Dスキャナーである。
【0112】
いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、構造的に内視鏡に類似している可撓性の管状の機器に設置される。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、組織欠損に近接して、または接触して配置される。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、骨軟骨欠損に近接して、または接触して配置される。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、軟骨の欠損に近接して、または接触して配置される。
【0113】
いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは内部組織欠損をスキャンする。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーはバイオインクをスキャンする。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインク構築物をスキャンする。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、内部組織欠損の点群を生成する。いくつかの実施形態では、点群は、3Dスキャナーによって測定され出力された三次元座標系における一連のデータポイントである。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンティングプロセスの前、間、または後に、内部組織欠損の点群を生成する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインクの点群を生成する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインク構築物の点群を生成する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンティングプロセスの前、間、または後に、バイオインクまたはバイオインク構築物の点群を生成する。いくつかの実施形態では、制御システムは、バイオインク構築物を設計するために3Dスキャナーによって生成された点群を使用する。いくつかの実施形態では、制御システムは、バイオプリンターを配向するために3Dスキャナーによって生成された点群を使用する。いくつかの実施形態では、制御システムは、バイオインクプリンティングのパラメータを判定するために3Dスキャナーによって生成された点群を使用する。いくつかの実施形態では、制御システムは、バイオインクまたはバイオインク構築物の空間的、構造的、または幾何学的なフィードバックを提供するために、3Dスキャナーによって生成された点群を使用する。いくつかの実施形態では、バイオインクまたはバイオインク構築物の空間的、構造的、または幾何学的なフィードバックは、バイオプリンティングプロセスの前、間、または後に生成される。
【0114】
いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンティングプロセス中にリアルタイムで、バイオ構築物の構造に関するフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンティングプロセス中にリアルタイムで、バイオ構築物の位置に関するフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンティングプロセス中にリアルタイムで、バイオインクの位置に関するフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーによって提供されるフィードバックは空間的なフィードバックである。いくつかの実施形態では、空間的なフィードバックはコンピューティングシステムによって計算される。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、バイオプリンティングプロセス中にバイオ構築物の3Dスキャンをとるための命令を実行する。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、バイオプリンティングプロセス中に基材または組織欠損の3Dスキャンをとるための命令を実行する。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、バイオプリンティングプロセス中にバイオ構築物の3Dスキャンをとり、印刷されるバイオ構築物の構造の元の設計と比較し、および両者の構造的な違いを検出する命令を実行する。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、基材または組織欠損の第1の3Dスキャンをとり、バイオプリンティングプロセス中に基材または組織欠損の第2の3Dスキャンをとり、第1と第2の3Dスキャンを比較し、および第1と第2のスキャンの違いを検出する命令を実行する。
【0115】
いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインク構築物を設計するために使用される内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインク構築物の形状または構造を決定するために使用される内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者の組織欠損に適合する、または適切な相互関係に調整されるバイオインク構築物を設計するために使用される、内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者に特異的なバイオインク構築物を設計するために使用される内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者の組織欠損の形状または構造に適合するバイオインク構築物を設計するために使用される、内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者の組織欠損の形状または構造を補完するバイオインク構築物を設計するために使用される、内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンターに送信される命令を判定するために制御システムによって使用される内部組織欠損の画像を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインクプリンティングのパラメータを判定するために制御システムによって使用される内部組織欠損の画像を提供する。
【0116】
いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインク構築物を設計するために使用される内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインク構築物の形状または構造を決定するために使用される内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者の組織欠損に適合する、または適切な相互関係に調整されるバイオインク構築物を設計するために使用される、内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者に特異的なバイオインク構築物を設計するために使用される内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者の組織欠損の形状または構造に適合するバイオインク構築物を設計するために使用される、内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、患者の組織欠損の形状または構造を補完するバイオインク構築物を設計するために使用される、内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオプリンターに送信される命令を判定するために制御システムによって使用される内部組織欠損の点群を提供する。いくつかの実施形態では、3Dスキャナーは、バイオインクプリンティングのパラメータを判定するために制御システムによって使用される内部組織欠損の点群を提供する。
【0117】
<組成物と方法の使用>
必要としている被験体を処置するための組成物および方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、被験体は熱傷の犠牲者、スポーツ選手または切断患者である。いくつかの実施形態では、被験体は、高齢者、幼児、または青年である。いくつかの実施形態では、被験体は臓器移植を必要としている。いくつかの実施形態では、臓器移植を必要とする被験体は、目、心臓、肺、胃、腸、結腸、膀胱、膵臓、脾臓、子宮、卵巣、前立腺、筋肉、骨、動脈、血管、甲状腺、肝臓または腎臓を必要としている。いくつかの実施形態では、被験体は、自己免疫疾患、心臓血管疾患、オートファジー障害または神経変性疾患を患う。いくつかの実施形態では、神経変性疾患は、パーキンソン病、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ルー・ゲーリッグ病)または黄斑変性から選択される。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、多発性硬化症、脳脊髄炎、肝炎、内耳疾患、末梢神経障害または膵炎から選択される。いくつかの実施形態では、被験体は、脳損傷、組織変性、癌、関節炎、変形性関節症、痛風、虫歯または潰瘍を患っている。いくつかの実施形態では、被験体は変形性関節症を患っている。いくつかの実施形態では、被験体はヒトである。いくつかの実施形態では、被験体は動物である。さらなる実施形態では、動物は、所有者、介護者、救助者または獣医の治療下にある。さらなる実施形態では、動物は、無脊椎動物、魚、両生動物、爬虫類、鳥または哺乳動物である。
【0118】
必要としている被験体の内部欠損を処置するための組成物および方法が本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は、維管束組織、骨軟骨組織、上皮組織、筋組織、腸組織、ニューロン組織、生殖組織、膵臓組織、眼組織、耳、目、角膜、鼻、脳、洞、歯、骨、軟骨、皮膚、食道、気管、胸腺、甲状腺、心臓、血管、肺、隔膜、リンパ節、胸、乳頭、胃、腸、結腸、直腸、膵臓、脾臓、膀胱、腎臓、肝臓、卵巣、子宮、膣、前立腺、陰茎、頚部、脂肪の骨格筋、平滑筋または皮膚から選択された組織または器官の内部または上部に位置する。いくつかの実施形態では、皮膚は、頭部、顔、頚部、肩、胸、腕、手、背中、尻、脚、くるぶし、または脚に位置する。いくつかの実施形態では、該方法は、関節の内部組織欠損を処置する工程を含む。いくつかの実施形態では、関節は、頚部、肩、背中、脊椎、胸、腕、手、肘、手首、指、脚、くるぶし、脚、腰または膝に位置する。いくつかの実施形態では、関節は膝に位置する。
【0119】
いくつかの実施形態では、内部組織欠損は出産時欠損または先天的欠損である。いくつかの実施形態では、内部組織欠損は負傷の結果である。いくつかの実施形態では、負傷は、筋骨格の外傷、スポーツによる負傷、自動車事故、感染症または腫瘍に起因する。いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損を処置する工程を含み、内部組織欠損は、損傷した組織、腐食した組織、病変組織または退化した組織から選択される。いくつかの実施形態では、損傷した組織は、やけど、表皮剥脱、裂傷、病変、切断、骨折、打撲傷、血腫、掻き傷、切り傷、穿刺、感染症、腫瘍、凍傷、酷使または壊死によって損傷を受けた組織から選択される。いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織欠損の特性評価を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、内部組織のX線、CAT/CTスキャン、PETスキャン、MRI、超音波、サーモグラフィー、内視鏡検査、X線撮影または生検を含む。いくつかの実施形態では、該方法は、外科手術の前に内部組織欠損の準備を含む。いくつかの実施形態では、内部組織欠損の準備は、組織の除去、放射線、滅菌、清浄、抗生物質での処置または麻酔薬での処置を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、組織欠損は関節の欠損である。いくつかの実施形態では、組織欠損は軟骨の欠損である。いくつかの実施形態では、軟骨の欠損は、関節軟骨への外傷または損傷の病巣領域である。いくつかの実施形態では、組織欠損は骨軟骨の欠損である。いくつかの実施形態では、骨軟骨欠損は、隣接する軟骨下骨への損傷または外傷と組み合わせた、関節軟骨への損傷または外傷の病巣領域である。いくつかの実施形態では、組織欠損は、膝の組織欠損、腰の組織欠損、肩の組織欠損、くるぶしの組織欠損または肘の組織欠損である。いくつかの実施形態では、組織欠損は骨折した骨である。いくつかの実施形態では、組織欠損は、膝の骨折、腰の骨折、肩の骨折、くるぶしの骨折または肘の骨折である。いくつかの実施形態では、組織欠損は断裂した靱帯である。いくつかの実施形態では、組織欠損は、膝の靱帯断裂、腰の靱帯断裂、肩の靱帯断裂、くるぶしの靱帯断裂または肘の靱帯断裂である。いくつかの実施形態では、組織欠損は断裂した腱である。いくつかの実施形態では、組織欠損は、膝の腱断裂、腰の腱断裂、肩の腱断裂、くるぶしの腱断裂または肘の腱断裂である。いくつかの実施形態では、組織欠損はふくれあがった滑膜である。いくつかの実施形態では、組織欠損は断裂した関節軟骨である。いくつかの実施形態では、組織欠損は半月軟骨の断裂である。いくつかの実施形態では、組織欠損は表面軟骨の断裂である。いくつかの実施形態では、組織欠損は断裂した半月板である。いくつかの実施形態では、組織欠損は膝の骨折である。いくつかの実施形態では、組織欠損は、断裂した前十字靱帯または断裂した後十字靱帯である。いくつかの実施形態では、組織欠損はベーカー嚢胞である。いくつかの実施形態では、組織欠損は唇における裂傷である。
【0121】
本開示は、本明細書に列挙される番号の付いた実施形態の論評を通じてさらに理解される。本明細書で熟慮される様々な実施形態は、限定されないが以下の1つ以上、またはそれらの組み合わせを含んでもよい:1.必要としている個体における低侵襲手術中に内部組織欠損にバイオインク構築物をバイオプリントする方法であり、該方法は:a.内部組織欠損を視覚化する工程;b.内部組織欠損の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを含むバイオプリンターを配置する工程;および、c.バイオインク層を形成するために内部組織欠損上にプリントヘッドからバイオインクを排出し、それによってバイオインク構築物を生成する工程、を含む方法。2.バイオインク構築物は複数のバイオインク層を含む、請求項1に記載の方法。3.バイオインク構築物は生きた組織である、請求項1に記載の方法。4.プリントヘッドは針、伸長したシリンダ、流体線、印刷ノズルまたは複数の印刷ノズルを含む、請求項1に記載の方法。5.複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは独立して制御および作動される、請求項4に記載の方法。6.複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは、バイオインクの個々の液滴を排出するために作動される、請求項4に記載。7.複数の印刷ノズルは、個々の液滴を同時に排出する、請求項6に記載の方法。8.複数の印刷ノズルは、特定の順序で個々の液滴を排出する、請求項6に記載の方法。9.プリントヘッドはバイオインクを連続的に排出する、請求項1に記載の方法。10.バイオインクは、複数の細胞、細胞外マトリックスの成分、合成高分子、天然高分子、架橋剤、光重合開始剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。11.複数の細胞は、軟骨細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、破骨細胞、角化細胞、毛根細胞、毛幹細胞、毛母細胞、外分泌上皮細胞、ホルモン分泌細胞、上皮細胞、神経細胞または感覚細胞、光受容細胞、筋細胞、細胞間マトリックス細胞、血球、心臓血管細胞、内皮細胞、腎臓細胞、肝細胞、膵細胞、免疫細胞、幹細胞、生殖細胞、ナース細胞、間質細胞、星細胞、およびその前駆体から選択された細胞を含む、請求項10に記載の方法。12.複数の細胞は、軟骨細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、破骨細胞、およびその前駆体から選択された細胞を含む、請求項10に記載の方法。13.複数の細胞は軟骨細胞を含む、請求項10に記載の方法。14.細胞外マトリックスの成分は、コラーゲン、エラスチン、フィブリリン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノゲン、テネイシン、トロンボスポンジン、インテグリン、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、デルマタン硫酸またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。15.合成高分子は、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG大割球、ポリエチレングリコールメタクリル酸塩(PEGMA)、ポリエチレンジメタクリラート(PEDGMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸塩(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアクリル酸塩(PAA)、ポリウレタン(PU)、PEGラクチド、PEGグリコリドまたはそれらの組み合わせである、請求項10に記載の方法。16.天然高分子は、アルギン酸塩、セルロース、ゼラチン、ペクチン、アガロース、キトサンまたはそれらの組み合わせである、請求項10に記載の方法。17.架橋剤は、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、グルタルアルデヒド、ゲニピン、ノルジヒドログアヤレト酸、タンニン酸、プロシアニジン、グリコサミノグリカン(GAG)、1-エチル-3-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。18.バイオインクを重合する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。19.バイオインクを重合する工程は、バイオインクを架橋結合する工程を含む、請求項18に記載の方法。20.バイオインクを架橋結合する工程は、プリントヘッドによって架橋剤をバイオインクに送達する工程を含む、請求項19に記載の方法。21.バイオインクを架橋結合する工程は、光源からUV光をバイオインクに適用する工程を含む、請求項19に記載の方法。22.バイオインクを架橋結合する工程は、熱をバイオインクに適用する工程を含む、請求項19に記載の方法。23.バイオプリンターは第2のプリントヘッドを含む、請求項1に記載の方法。24.内部組織欠損の近位またはそれに接する位置に、プリントヘッドを含む第2のバイオプリンターを配置する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。25.第2のバイオインク層を形成するために、内部組織欠損上に第2のバイオプリンターのプリントヘッドから第2のバイオインクを排出する工程をさらに含む、請求項24に記載の方法。26.制御システムでバイオプリンターを制御する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。27.制御システムはコンピューターシステムを含む、請求項26に記載の方法。28.制御システムはコンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む、請求項27に記載の方法。29.ロボットアームは個体の身体部分に連結される、請求項28に記載の方法。30.ロボットアームはバイオプリンターを配置する、請求項28に記載の方法。31.X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる、請求項30に記載の方法。32.X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる、請求項30に記載の方法。33.制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御する、請求項26に記載の方法。34.バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む、請求項33に記載の方法。35.内部組織欠損を視覚化する工程は、バイオインクの排出前、排出中、または排出後に行われる、請求項1に記載の方法。36.内部組織欠損の視覚化は、内部組織欠損を画像化する工程を含む、請求項1に記載の方法。37.内部組織欠損の近位に内視鏡を配置する工程をさらに含む、請求項1に記載に方法。38.内視鏡は内部組織欠損を視覚化する、請求項37に記載の方法。39.組織の欠損は、損傷した組織、侵食した組織、病変組織、または退化した組織から選択される、請求項1に記載の方法。40.内部組織欠損は、骨、筋肉、神経、脳、目、膵臓、脾臓、軟骨、甲状腺、脂肪、洞、食道、腎臓、心臓、肺、腸、胃、結腸、直腸、胸、卵巣、子宮、頚部、前立腺、膀胱、または肝臓から選択された内部組織にある、請求項1に記載の方法。41.内部組織欠損は、血管の欠損、軟骨の欠損、筋肉の欠損、腸の欠損、神経細胞の欠損、生殖の欠損、膵臓の欠損、または目の欠損から選択される、請求項1に記載の方法。42.内部組織欠損は、軟骨の欠損を含む、請求項1に記載の方法。43.軟骨の欠損は、膝関節、股関節、肘関節、肩関節、手首関節、脊椎関節、指関節、足首関節、または足関節から選択された関節にある、請求項42に記載の方法。44.軟骨の欠損は膝関節にある、請求項42に記載の方法。45.軟骨の欠損は骨軟骨の欠損である、請求項42に記載の方法。46.必要としている個体における低侵襲手術中に軟骨の欠損にバイオインク構築物をバイオプリントする方法であり、該方法は:a.軟骨の欠損を視覚化する工程;b.軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置にプリントヘッドを含むバイオプリンターを配置する工程;およびc.バイオインク層を形成するために、軟骨の欠損上にプリントヘッドからバイオインクを排出し、それによってバイオインク構築物を生成する工程、を含む方法。47.バイオインク構築物は複数のバイオインク層を含む、請求項46に記載の方法。48.バイオインク構築物は生きた組織である、請求項46に記載の彼方法。49.プリントヘッドは針、伸長したシリンダ、流体線、印刷ノズルまたは複数の印刷ノズルを含む、請求項1に記載の方法。50.複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは独立して制御および作動される、請求項49に記載の方法。51.複数の印刷ノズルの各印刷ノズルは、バイオインクの個々の液滴を排出するために作動される、請求項49に記載。52.複数の印刷ノズルは、個々の液滴を同時に排出する、請求項51に記載の方法。53.複数の印刷ノズルは、個々の液滴を特定の順序で排出する、請求項51に記載の方法。54.プリントヘッドはバイオインクを連続的に排出する、請求項1に記載の方法。55.バイオインクは、複数の細胞、細胞外マトリックスの成分、合成高分子、天然高分子、架橋剤、光重合開始剤またはそれらの組み合わせを含む、請求項46に記載の方法。56.複数の細胞は、軟骨細胞、結合組織線維芽細胞、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、非上皮線維芽細胞、周皮細胞、骨原性細胞、骨芽細胞、破骨細胞、およびその前駆体から選択された細胞を含む、請求項55に記載の方法。57.複数の細胞は軟骨細胞を含む、請求項55に記載の方法。58.細胞外マトリックスの成分は、コラーゲン、エラスチン、フィブリリン、フィブロネクチン、ラミニン、フィブリノゲン、テネイシン、トロンボスポンジン、インテグリン、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパリン硫酸、コンドロイチン硫酸、ケラチン硫酸、デルマタン硫酸またはそれらの組み合わせを含む、請求項55に記載の方法。59.合成高分子は、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG大割球、ポリエチレングリコールメタクリル酸塩(PEGMA)、ポリエチレンジメタクリラート(PEDGMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸塩(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリイミド(PI)、ポリアクリル酸塩(PAA)、ポリウレタン(PU)、PEGラクチド、PEGグリコリドまたはそれらの組み合わせである、請求項55に記載の方法。60.天然高分子は、アルギン酸塩、セルロース、ゼラチン、ペクチン、アガロース、キトサンまたはそれらの組み合わせである、請求項55に記載の方法。61.架橋剤は、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、カルシウム(Ca2+)、マグネシウム(Mg2+)、グルタルアルデヒド、ゲニピン、ノルジヒドログアヤレト酸、タンニン酸、プロシアニジン、グリコサミノグリカン(GAG)、1-エチル-3-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩(EDC)、ジビニルベンゼン(DVB)、エチレングリコールジメタクリラート(EGDMA)、テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、ポリエチレングリコールジアクリレート(PEGDA)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項55に記載の方法。62.バイオインクを重合する工程をさらに含む、請求項46に記載の方法。63.バイオインクを重合する工程は、バイオインクを架橋結合する工程を含む、請求項46に記載の方法。64.バイオインクを架橋結合する工程は、プリントヘッドによって架橋剤をバイオインクに送達する工程を含む、請求項63に記載の方法。65.バイオインクを架橋結合する工程は、光源からUV光をバイオインクに適用する工程を含む、請求項63に記載の方法。66.バイオインクを架橋結合する工程は、熱をバイ
オインクに適用する工程を含む、請求項63に記載の方法。67.バイオプリンターは第2のプリントヘッドを含む、請求項46に記載の方法。68.軟骨の欠損の近位またはそれに接する位置に、プリントヘッドを含む第2のバイオプリンターを配置する工程をさらに含む、請求項67に記載の方法。69.第2のバイオインク層を形成するために、軟骨の欠損上に第2のバイオプリンターのプリントヘッドから第2のバイオインクを排出する工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。70.制御システムでバイオプリンターを制御する工程をさらに含む、請求項46に記載の方法。71.制御システムはコンピューターシステムを含む、請求項70に記載の方法。72.制御システムはコンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む、請求項71に記載の方法。73.ロボットアームは個体の身体部分に連結される、請求項72に記載の方法。74.ロボットアームはバイオプリンターを配置する、請求項73に記載の方法。75.X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる、請求項74に記載の方法。76.X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる、請求項74に記載の方法。77.制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御する、請求項71に記載の方法。78.バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む、請求項77に記載の方法。79.軟骨の欠損を視覚化する工程は、バイオインクの排出前、排出中、または排出後に行われる、請求項46に記載の方法。80.軟骨の欠損の視覚化は、軟骨の欠損を画像化する工程を含む、請求項46に記載の方法。81.軟骨の欠損の近位に内視鏡を配置する工程をさらに含む、請求項46に記載に方法。82.内視鏡は軟骨の欠損を視覚化する、請求項81に記載の方法。83.軟骨の欠損は、損傷した組織、侵食した組織、病変組織、または退化した組織から選択される、請求項46に記載の方法。84.軟骨の欠損は、膝関節、股関節、肘関節、肩関節、手首関節、脊椎関節、指関節、足首関節、または足関節から選択された関節にある、請求項46に記載の方法。85.軟骨の欠損は膝関節にある、請求項46に記載の方法。86.軟骨の欠損は骨軟骨の欠損である、請求項46に記載の方法。87.必要としている個体の低侵襲手術中に内部組織欠損上にバイオインク構築物をバイオプリントするためのシステムであって、該システムは、制御システム、内視鏡、およびプリントヘッドを含むバイオプリンターを含む、システム。88.さらに光源を含む、請求項87に記載のシステム。89.プリントヘッドは針、伸長したシリンダ、流体線、印刷ノズルまたは複数の印刷ノズルを含む、請求項87に記載のシステム。90.バイオプリンターは第2のプリントヘッドを含む、請求項87に記載のシステム。91.第2のバイオプリンターをさらに含む、請求項87に記載のシステム。92.制御システムはバイオプリンターを制御する、請求項87に記載のシステム。93.制御システムはコンピューターシステムを含む、請求項87に記載のシステム。94.制御システムはコンピューターシステムに動作可能に接続されたロボットアームを含む、請求項93に記載のシステム。95.ロボットアームは身体部分に連結される、請求項94に記載のシステム。96.ロボットアームはバイオプリンターを配置する、請求項94に記載のシステム。97.X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせに沿ってバイオプリンターを移動させる、請求項96に記載のシステム。98.X、YまたはZ軸、またはそれらの組み合わせのまわりでバイオプリンターを回転させる、請求項96に記載のシステム。99.制御システムはバイオインクプリンティングのパラメータを制御する、請求項87に記載のシステム。100.バイオインクプリンティングのパラメータは、温度、背圧、1つのノズル当たりの滴下、滴下率の頻度、使用中のノズルの数、発射エネルギー、解像度、粘度、細胞濃度、生理温度、印刷の速度、またはそれらの組み合わせを含む、請求項99に記載のシステム。101.発射エネルギーはパルスエネルギー、パルス幅、パルス間のギャップの長さ、および電圧を含む、請求項100に記載のシステム。102.制御システムはコンピューターシステムに動作可能に接続された第2のロボットアームを含む、請求項94に記載のシステム。103.ロボットアームは第2のバイオプリンターの位置を制御する、請求項102に記載のシステム。
【実施例
【0122】
<実施例1:単一のバイオプリンターにおける単一のプリントヘッドを使用して、外科手術中に膝の軟骨の欠損を修復する>
16歳の少年は、繰り返しのスポーツ損傷による膝関節の軟骨の欠損を有している。健康なヒトの関節軟骨を少年から採取し、リン酸緩衝食塩水(PBS)ですすいで殺菌する。殺菌したメスを使用して、無菌状態下で大腿顆および脛骨プラトーから関節軟骨を切除する。採取された軟骨サンプルを細かく刻み、および15分間37℃で、0.5mg/mLのトリプシンで処理する。トリプシン溶液を取り除いた後に、12時間から16時間37℃で、5%のウシ胎児血清を用いて、DMEM中で2mg/mLのIV型クロストリディウムのコラゲナーゼで軟骨組織を消化させた。遊離されたヒト関節の軟骨細胞を、1Xのペニシリンストレプトマイシングルタミン(PSG)を補足したDMEMで3回洗浄し、および細胞の生存率を判定する。単離した軟骨細胞を、単層内での拡張のために、各フラスコにつき500万細胞で、T175組織培養フラスコに播種し、および10%の子牛血清およびlxPSGを補足したDMEMで培養する。細胞を、5%のCOを含む加湿空気で、37℃においてインキュベートする。培地は4日ごとに交換される。ヒト軟骨細胞は、80%から90%の集合に達すると(初代培養で1~2週間)、(例えばバイオプリンティングへの)使用の準備が整う。バイオプリンティングに使用した全ての細胞は、第1または第2の継代培養である。
【0123】
軟骨の欠損を修復する外科手術中、バイオプリンターはロボットアームに取り付けられている。バイオプリンターはシリンジを含む。シリンジは、事前に採取された個体の軟骨細胞を含むバイオインク、およびMatrigel(登録商標)などのヒドロゲルを含む。リアルタイムでバイオプリンティングプロセスをモニタリングするために、欠損の近くにさらに内視鏡を配置し、外科医は必要に応じて手動で任意のバイオプリンティングパラメータを調整する。外科医は、バイオプリンターを配置し、続いてバイオプリンティングを開始するために制御システムを従事させる。軟骨細胞とMatrigel(登録商標)を含むバイオインクを、軟骨の欠損上に押し出す。
【0124】
<実施例2:単一のバイオプリンターにおける4つのプリントヘッドを使用して、外科手術中に膝の骨軟骨欠損を治療する>
個体における骨軟骨欠損を修復する外科手術中、バイオプリンターはロボットアームに取り付けられている。バイオプリンターは4つのプリントヘッドを含む。第1のプリントヘッドは事前に採取された個体の軟骨細胞を含む。第2のプリントヘッドは事前に採取された個体の骨芽細胞を含む。第3のプリントヘッドはアルギン酸塩を含む。第4のプリントヘッドは塩化カルシウムを含む。全てのプリントヘッドはインクジェットに基づく印刷を利用し、および骨軟骨欠損から1~2mm分離して設定した300の印刷ノズルを含む。骨芽細胞、アルギン酸塩および塩化カルシウムの組み合わせを、骨軟骨欠損の骨欠損上に印刷する。次に、軟骨細胞、アルギン酸塩および塩化カルシウムの組み合わせを、骨軟骨欠損の軟骨欠損上に印刷する。
【0125】
リアルタイムでバイオプリンティングプロセスをモニタリングするために、骨軟骨欠損の近くにさらに内視鏡を配置し、外科医は必要に応じて手動で任意のバイオプリンティングパラメータを調整する。外科医は、バイオプリンターを配置し、続いてバイオプリンティングを開始するために制御システムを従事させる。
【0126】
<実施例3:UV架橋を使用して、外科手術中に膝軟骨の軟骨の欠損を治療する>
個体における軟骨の欠損を修復する外科手術中、プリントヘッドを含むバイオプリンターはロボットアームに取り付けられている。精製されたPEGDMAを、10%w/vの濃度へとPBD中で溶解させる。光重合開始剤I-2959(Irgacure[登録商標])を、0.05w/vの最終濃度で加える。バイオインクは、ろ過殺菌されたPEGDMA溶液に5×106細胞/mLで懸濁した、事前に採取した個体の軟骨細胞から構成される。UVランプは内視鏡に取り付けられている。
【0127】
プリントヘッドを、欠損から1~2mm離して設定する。リアルタイムでバイオプリンティングプロセスをモニタリングするために、欠損の近くに内視鏡を配置し、外科医は必要に応じて手動で任意のバイオプリンティングパラメータを調整する。外科医は、バイオプリンターを配置し、続いてバイオプリンティングを開始するために制御システムを従事させる。バイオインクが排出されると、280nmの波長でUVランプから発せられるUV光にさらされ、それによってPEDGMAを架橋結合する。
【0128】
<実施例4:UV架橋結合を使用して、外科手術中に膝の骨軟骨欠損を修復する>
個体における骨軟骨欠損を修復する外科手術中、2つのプリントヘッドを含むバイオプリンターはロボットアームに取り付けられている。バイオプリンターのプリントヘッドは、欠損から1~2mm離して設定した300の印刷ノズルを含む。第1のプリントヘッドは、事前に採取した個体の軟骨細胞を含むバイオインク、メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、および光重合開始剤I-2959(Irgacure[登録商標])を含む。第2のプリントヘッドは、事前に採取した個体の骨芽細胞を含むバイオインク、メタクリル化ヒアルロン酸(MeHA)、および光重合開始剤I-2959(Irgacure[登録商標])を含む。リアルタイムでバイオプリンティングプロセスをモニタリングするために、骨軟骨欠損の近くに内視鏡を配置し、外科医は必要に応じて手動で任意のバイオプリンティングパラメータを調整する。外科医は、バイオプリンターを配置し、続いてバイオプリンティングを開始するために制御システムを従事させる。骨芽細胞を含むバイオインクのいくつかの層を、まず骨軟骨欠損に適用し、続いて軟骨細胞を含むバイオインクのいくつかの層に適用する。内視鏡に取り付けられたUVランプは、領域上に280nmでUV光を発し、他方でバイオインク構築物が印刷され、それによって構築物を架橋結合する。
【0129】
<実施例5:外科医によって制御されるロボットアームを使用して、外科手術中に膝の骨軟骨欠損を治療する>
個体における骨軟骨欠損を修復する外科手術中、プリントヘッドを含むバイオプリンターはロボットアームに取り付けられている。リアルタイムでバイオプリンティングプロセスをモニタリングするために、骨軟骨欠損の近くに内視鏡を配置し、外科医は必要に応じて手動で任意のバイオプリンティングパラメータを調整する。外科医は、バイオプリンターを配置し、続いてバイオプリンティングを開始するために制御システムを従事させる。ロボットアームは、プリントヘッドが標的を指している時にのみ印刷し、もし標的領域から遠ざかればオフになる。複数の骨芽細胞を含むバイオインクのいくつかの層を、まず骨軟骨欠損に適用し、続いて複数の軟骨細胞を含むバイオインクのいくつかの層に適用する。各層を印刷する時に、制御システムは適切な細胞型を有するプリントヘッドをオンにする(すなわち、制御システムは、骨層を印刷する時に、骨芽細胞のみを含むバイオインクを装填した第1のプリントヘッドをオンにし、および制御システムは、軟骨層を印刷する時に、軟骨細胞のみを含むバイオインクを装填した第2のプリントヘッドをオンにする)。内視鏡に取り付けられたUVランプは、領域上に280nmでUV光を発し、他方でバイオインク構築物が印刷され、それによって構築物を架橋結合する。外科医にロボットアームの動きを制御させることによって安全性を高め、およびロボットアームの機械的動作の必要を減らす。プリントヘッドのロボット制御は、細胞が望ましい位置でのみ印刷されることを保証する。
【0130】
<実施例6:コンピューターによって制御されたロボットアームを使用して、外科手術中に膝の骨軟骨欠損を治療する>
個体における骨軟骨欠損を修復する外科手術中、プリントヘッドを含むバイオプリンターはロボットアームに取り付けられている。リアルタイムでバイオプリンティングプロセスをモニタリングするために、骨軟骨欠損の近くに内視鏡を配置し、外科医は必要に応じて手動で任意のバイオプリンティングパラメータを調整する。外科医は、バイオプリンターを配置し、続いてバイオプリンティングを開始するために制御システムを従事させる。制御システムは、アクチュエータを介してロボットアームの動きを制御し、プリントヘッドが標的を指している場合のみ印刷する。骨芽細胞を含むバイオインクのいくつかの層を、まず骨軟骨欠損に適用し、続いて軟骨細胞を含むバイオインクのいくつかの層に適用する。各層を印刷する時に、制御システムは適切な細胞型を有するプリントヘッドをオンにする(すなわち、制御システムは、骨層を印刷する時に、骨芽細胞のみを含むバイオインクを装填した第1のプリントヘッドをオンにし、および制御システムは、軟骨層を印刷する時に、軟骨細胞のみを含むバイオインクを装填した第2のプリントヘッドをオンにする)。コンピューター化された視覚フィードバックシステムは、印刷されている欠損のリアルタイムの画像化を提供し、および印刷領域または印刷し損ねた領域におけるエラーを考慮するために、ロボットアームの動きとプリントヘッドの発射を制御する。内視鏡に取り付けられたUVランプは、領域上に280nmでUV光を発し、他方でバイオインク構築物が印刷され、それによって構築物を架橋結合する。ロボットアームの動きを制御する制御システムの存在は、手術前のプランに従っている時の精度を高める。プリントヘッドのロボット制御は、細胞が望ましい位置でのみ印刷されることを保証する。
【0131】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に示され、記載されたが、そのような実施形態が単なる例として提供されていることは、当業者にとって明白だろう。多くの変形、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に想到されるであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が、本発明の実施において利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲内の方法と構造、およびそれらの同等物がそれに包含されるように意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6