(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウト、及び炉装入方法
(51)【国際特許分類】
F27B 9/38 20060101AFI20231124BHJP
C21D 9/00 20060101ALI20231124BHJP
F27D 3/06 20060101ALI20231124BHJP
F27B 9/40 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
F27B9/38
C21D9/00 101B
F27D3/06 A
F27B9/40
(21)【出願番号】P 2022518369
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2020118934
(87)【国際公開番号】W WO2021063365
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】201910944706.6
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520097467
【氏名又は名称】宝鋼湛江鋼鉄有限公司
【氏名又は名称原語表記】BAOSTEEL ZHANJIANG IRON & STEEL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 国 鋒
(72)【発明者】
【氏名】劉 斌
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-078070(JP,A)
【文献】特開2017-170462(JP,A)
【文献】特開2013-126674(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104034172(CN,A)
【文献】米国特許第05533248(US,A)
【文献】中国特許出願公開第108927412(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104624660(CN,A)
【文献】特開平10-034222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 9/00-9/40
C21D 9/00
F27D 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期間保管する必要がある冷間スラブ、または熱間スラブを保管するための1#スラブヤード領域;
上記の1#スラブヤード領域の片側に並べて配置される、供給
領域とする2#スラブヤード領域;上記の2#スラブヤード領域は、一時的に放置される必要がある、供給直前の熱間スラブをスタックするために使用され、または用意される冷間スラブを保管するために使用される;上記の2#スラブヤード領域の入口に、連続鋳造プロセスに接続された連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブルがある;上記の1#スラブヤード領域と上記の2#スラブヤード領域の中に、それぞれに、熱間スラブエリアと冷間スラブエリアを設置する;
上記の2#スラブヤード領域の出口側に設置される加熱炉
領域;上記の加熱炉
領域には、上記の2#スラブヤード領域の出口側に並んで配置される、上記の熱間スラブエリアと冷間スラブエリアに対応する二つ以上の加熱炉がある;
上記の1#スラブヤード領域と上記の2#スラブヤード領域の入口側(即、熱間スラブエリア)にまたがるスラブ予備ヤード領域;上記の連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブルは、上記のスラブ予備ヤード領域を通過する;
上記の1#スラブヤード領域と上記の2#スラブヤード領域の冷間スラブエリア及び上記の加熱炉
領域にまたがるクロストラバース台車ローラーテーブル;
上記のスラブ予備ヤード領域と上記の1#スラブヤード領域の内にまたがる上記のスラブ予備ヤード領域のスラブを上記の1#スラブヤード領域へ運搬する連続鋳造スラブローラテーブル;
上記の2#スラブヤード領域と上記の加熱炉
領域の間に設置され、上記の2#スラブヤード領域の熱間スラブエリアと冷間スラブエリア及び上記の加熱炉
領域の両端にまたがる供給ローラーテーブル;上記の供給ローラーテーブルは、双方向搬送構造である;
含むことを特徴とする、厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤード領域と加熱炉とのレイアウト構造。
【請求項2】
請求項1に記載された厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトを採用し、以下のステップを含むことを特徴とする厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトの炉の装入方法:
1)熱間圧延計画に供給する必要がある熱間スラブの比率xを確定する;
2)熱間スラブの割合及び加熱炉の数量によって、熱間スラブの加熱炉の割合yを計算する:加熱炉の総数はN、選択された熱間スラブの加熱炉の数はi、熱間スラブの加熱炉の割合はy=i/Nである;yの値が熱間スラブxより大きい場合、熱間スラブの加熱炉の数はi-1個で、冷間スラブの加熱炉の数はN-i+1である;i<1の場合、熱間スラブの加熱炉の数は1で、冷間スラブの加熱炉で数はN-1である。
3)熱間スラブ供給ローラーテーブルエリアは、1~i-1の加熱炉にあり、冷間スラブ供給ローラーテーブルエリアは、N~N-i+1の加熱炉にある;熱間スラブは、1番目の加熱炉端のローラーテーブルから供給され、冷間スラブは、N番目の加熱炉端のローラーテーブルから供給される。
【請求項3】
上記の加熱炉の総数はN=3であり、熱間スラブの割合は70%である;熱間スラブの加熱炉の数は、2つであり、冷間スラブの加熱炉の数は、1つであることを特徴とする請求項2に記載された厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトの炉の装入方法。
【請求項4】
上記の加熱炉の総数はN=4であり、熱間スラブの割合は20%である;熱間スラブの加熱炉の数は、1つであり、冷間スラブの加熱炉の数は、3つであることを特徴とする請求項2に記載された厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトの炉の装入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、鋼圧延の技術分野に属し、厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウト、及び炉装入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
一般的に、厚板スラブヤードは、製鋼連続鋳造プロセスの下流に位置する;スラブヤードは、主に二つの機能がある。機能の一は、連続鋳造プロセスと厚板の加熱圧延プロセスの間の緩衝ゾーンとして、ビレットを一時的に保管することである。一般に、連続鋳造機の生産能力は、厚板の加熱と圧延の生産能力よりも大きい;加熱および圧延プロセスが時間内に完了できない場合、一時的な保管のために、余分なビレットをスラブヤードへオフラインにする必要がある。さらに、多くの場合に、納期、組み立て、プロセス、品質、さらには機器の状態などのために、ビレットは熱間圧延計画に使用できず、この部分のビレットもスラブヤードへオフラインにする必要がある。
【0003】
その機能の二は、スラブを整然とした段積・保管し、計画に従って、加熱炉に供給することである。スラブの管理と次のステップとする供給を容易にするために、スラブは、特定の同じ特性に基づき段積する必要がある。特性の異なるビレットを段積すると、加熱圧延計画に合わせることが難しく、積み替え現象(スタック位置の高いビレットを吊るして、計画に必要なビレットを見つけること)が多くなり、その結果として、作業効率が低下する。
【0004】
加熱炉は、スラブヤードの下流にあり、指定された時間に応じて、必要なスラブを目標温度まで加熱し、圧延作業の原料として提供する。通常の状況では、スラブヤードの作業効率を向上させるために、ビレットの供給順序を厳しくする必要はなく、ある範囲内のスラブを変更することができる。厚板加熱炉は、通常、1列または2列の鋼を装入することができ、日常の生産では、ビレットが、加熱炉の出口から放出された後、ビレットは、加熱入口で炉に装入することができる。
【0005】
スラブヤードは、いくつかの並列のスパン(ヤード領域)で構成される。製鋼の材料は、ローラーテーブルを介して、スラブヤードスパンに輸送され、そして、生産計画に従って、スパン間の台車によって、スパン間の材料調達を行う。スラブは、加熱炉の供給ローラーテーブルの一端から、順番に並べられて供給される。対応する加熱炉から鋼を取り出した後、ローラーテーブルで待機しているビレットを装入することができる。
【0006】
連続鋳造機から出るビレットの温度は、約900℃であり、プロセスに遅延がない場合、通常、厚板スラブヤードに送られるとき、ビレットの温度は600℃を超える。また、必要に応じて、段積して保管するために、ビレットをスラブヤードにオフラインにした後も、ビレットの温度は、下がり続ける。スラブの温度が100℃より低い場合、一般に、冷間スラブと呼ばれ、400℃より高い場合、熱間スラブと呼ばれ、その他の温度範囲にある場合、ウォームスラブと呼ばれる。熱間スラブをローディングし、ビレットの装入温度を上げると、燃料を節約し、加熱時間を短縮し、コストを大幅に削減できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術には、以下の問題がある:
1.スラブヤードと加熱炉のレイアウト:
(1)製鋼ビレットが厚板プロセスに入り、スラブヤードで材料準備される場合、熱間スラブと冷間スラブまたは生産計画に従って事前に分けることが難しく、その後の材料準備が困難になる。
【0008】
(2)スラブは、主にスパン間の台車でスパン間の材料調達を行い、再び積み替え・吊り上げ・荷降ろし等のステップが必要となり、プロセス効率に影響を及ぼす。
【0009】
(3)加熱炉の供給ローラーテーブルには、一方向にしか並べて供給できず、供給効率が低く、冷間スラブと熱間スラブを分けて、異なる加熱炉に装入することができない。
【0010】
2.炉の装入:
加熱炉の内部は、連通しているチェンバー構造であり、燃料は空気と混合され、バーナーを通って炉に燃焼し、ビレットを加熱する。この構造により、加熱炉の各部分の熱流場が統合され、狭い範囲でのビレットを、「個別に」加熱することは不可能である。冷間スラブと熱間スラブを混合して装入すると、加熱プロセスの要件を完了するために、加熱炉は、冷間スラブの処理を確保するために、より多くの燃料でより長い期間の加熱しか行わない。したがって、一般的に、省エネと環境保護及び生産効率の向上のために、同じ加熱炉で,冷間スラブと熱間スラブの混合、或いは冷間スラブと熱間スラブの交互の装入を、可能な限り避ける必要がある。
【0011】
一般的なスラブヤードと加熱炉のレイアウトによると、その装入ローラーテーブルは、第一の加熱炉から最後の加熱炉の最後の列まで伸びており、炉の装入方向は一つだけである。実際の生産では、常に、ビレットには、一部は高温なものであり、一部は低温なものである。したがって、一つの加熱炉に熱間スラブを、もう一つの加熱炉に冷間スラブを装入することを確保するつもりがあると、冷間スラブと熱間スラブを、交互に装入ローラーテーブルに順番に並べる必要がある。一つの加熱炉に装入した後、隣接するビレットの温度状態が異なるため、ローラーテーブルにあるビレットを移動・補充することはできなく、温度状態の異なる隣接するビレットが装入を完了するのを待つ必要があり、その後、後続のビレットを、ローラーテーブルから対応する炉装入位置まで前方へ移動できる。
【0012】
このような炉装入方法には、いくつかの問題がある。
(1)移動と補充の時間間隔が常にあるため、圧延ライン速度が速く、鋼を抜き取るリズムが速い場合、炉装入速度が抜き取速度に一致せず、一部の炉は空になり、エネルギーを浪費するだけでなく、圧延のリズムも低下する。
【0013】
(2)ビレットの炉装入には間隔が長いため、待機中のビレットが、装入ローラーテーブルを占有し、クレーンが、後続のビレットを、炉の装入ローラーテーブルに連続的に吊り上げることができず、クレーンの動作速度が比較的遅くなる;その結果、供給速度が追いつかないことがよくある。
【0014】
(3)熱間スラブと冷間スラブは、常に供給ローラーテーブルに交互に配置されるため、圧延プロセスやその他の都合により、短期間に加熱炉の順で鋼を引き抜かないと、その後のビレットの炉装入も困難になる。
【0015】
(4)供給は、常に冷間スラブと熱間スラブを厳密な順序で交互に行う必要があるため、多くの場合、クレーンの積み替えの作業負荷が増加し、作業効率が低下し、供給速度に影響を与えやすくなる;さらに、冷間スラブと熱間スラブの交互の配置にも、エラーが発生しやすく、修正を行うと、装入効率に影響し、修正しないと、エネルギーが無駄になる。
【0016】
発明の内容
本発明の目的は、冷間スラブと熱間スラブの分けて保管、スタキング、供給、および加熱を実現でき、省エネと環境保護と、冷間スラブと熱間スラブを交互に供給することによって引き起こされるリズムの遅さ、効率の低さ、エラーが発生しやすい問題を解決できる厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウト、及び炉装入方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を果たすために、本発明の技術方案は:
以下を含むことを特徴とする、厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトである:
長期間保管する必要があるビレット、または冷間スラブを保管する1#スラブヤードスパン;
上記の1#スラブヤードスパンの片側に並べて配置される、供給スパンとする2#スラブヤードスパン;上記の2#スラブヤードスパンは、一時的に放置される必要がある、供給直前の熱間スラブをスタックするために使用され、または用意される冷間スラブを保管するために使用される;上記の2#スラブヤードスパンの入口に、連続鋳造プロセスに接続された連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブルがある;上記の1#スラブヤードスパンと上記の2#スラブヤードスパンの中に、それぞれに、熱間スラブエリアと冷間スラブエリアを設置する;
上記の2#スラブヤードスパンの出口側に設置される加熱炉スパン;上記の加熱炉スパンには、上記の2#スラブヤードスパンの出口側に並んで配置される、上記の熱間スラブエリアと冷間スラブエリアに対応する二つ以上の加熱炉がある;
上記の1#スラブヤードスパンと上記の2#スラブヤードスパンの入口側(即、熱間スラブエリア)にまたがるスラブ予備ヤードスパン;上記の連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブルは、上記のスラブ予備ヤードスパンを通過する;
上記の1#スラブヤードスパンと上記の2#スラブヤードスパンの冷間スラブエリア及び上記の加熱炉スパンにまたがるクロストラバース台車ローラーテーブル;
上記のスラブ予備ヤードスパンと上記の1#スラブヤードスパンの内にまたがる、上記のスラブ予備ヤードスパンのビレット又は上記の連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブルのビレットを上記の1#スラブヤードスパンへ運搬するクロストラバースローラーテーブル;
上記の2#スラブヤードスパンと上記の加熱炉スパンの間に設置され、上記の2#スラブヤードスパンの熱間スラブエリアと冷間スラブエリア及び上記の加熱炉スパンの両端にまたがる供給ローラーテーブル;上記の供給ローラーテーブルは、双方向搬送構造である。
【0018】
本発明の一つの実施例によると、上記の炉の装入方法には、請求項1に記載された厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトを採用し、上記の炉の装入方法は、以下のステップを含む:
1)熱間圧延計画に供給する必要がある熱間スラブの割合xを確定する;
2)熱間スラブの割合及び加熱炉の数量によって、熱間スラブの加熱炉の割合yを計算する:加熱炉の総数はN、選択された熱間スラブの加熱炉の数はi、熱間スラブの加熱炉の割合はy=i/Nである;yの値が熱間スラブxより大きい場合、熱間スラブの加熱炉の数はi-1個で、冷間スラブの加熱炉の数はN-i+1である;i<1の場合、熱間スラブの加熱炉の数は1で、冷間スラブの加熱炉で数はN-1である。
【0019】
3)熱間スラブ供給ローラーテーブルエリアは、1~i-1の加熱炉にあり、冷間スラブ供給ローラーテーブルエリアは、N~N-i+1の加熱炉にある;熱間スラブは、1番目の加熱炉端のローラーテーブルから供給され、冷間スラブは、N番目の加熱炉端のローラーテーブルから供給される。
【0020】
本発明の一つの実施例によると、上記の加熱炉の総数N=3であり、熱間スラブの割合は70%である;ただし、熱間スラブの加熱炉の数は、2つで、冷間スラブの加熱炉の数は、1つである。
【0021】
本発明の一つの実施例によると、加熱炉の総数N=4であり、熱間スラブの割合は20%である;ただし、熱間スラブの加熱炉の数は、1つで、冷間スラブの加熱炉の数は、3つである。
【0022】
本発明に記載されたスラブヤードと加熱炉レイアウトのデザインには:
1#スラブヤードスパンは、長期間保管する必要があるビレット、または冷間スラブなどを保管するために使用される;
2#スラブヤードスパン(供給スパン)は、一時的に放置される必要がある、供給直前の熱間スラブをスタックするために使用される。または、用意される冷間スラブを保管するために使用される。
【0023】
スラブ予備ヤードスパンは、厚板スラブヤードスパンと連続鋳造の間に設置される横方向のスラブヤードスパンであり、厚板プロセスに入るビレットを、生産計画又は冷間スラブと熱間スラブなどの特性によって、事前に分類するために使用され、また、連続鋳造運搬ローラーテーブルから一時的にオフラインする必要のあるビレットを、一時的に保管するためのバッファーとしても使用される。
【0024】
ビレットを連続鋳造プロセスから厚板工場まで運搬することに使用される連続鋳造運搬ローラーテーブル。ローラーテーブルは、スラブ予備ヤードスパンと2#スラブヤードスパンを通過し、運搬されるビレットは、オフラインされてもよく、供給ローラーテーブル或いはクロストラバースローラーテーブルに直接吊り上げられても良い。
【0025】
クロストラバースローラーテーブルは、スラブ予備ヤードスパンのビレット或いは連続鋳造運搬ローラーテーブルのビレットを、1#スラブヤードスパンへ運搬するために使用される。
【0026】
供給ローラーテーブルは、すべての加熱炉ビレットの供給を完成するために使用される。ローラーテーブルには、二つの主な特徴があり、その一は、ローラーテーブルが、加熱炉エリアの両端に伸び、装入準備位置とする;その二は、供給ローラーテーブルが、一方の端に熱間スラブ、もう一方の端に冷間スラブを運搬し、ビレットを2方向に運ぶことができる。このように、熱間スラブと冷間スラブを、供給ローラーテーブルに連続的に配置して供給でき、これにより、熱間スラブと冷間スラブの分けて装入が実現されるだけでなく、冷間スラブとホ熱間スラブの交互供給によって引き起こされるさまざまな問題も避けられる。
【0027】
加熱炉スパンには、両つ以上の加熱炉を設置する;だたし、一部の加熱炉には、熱間スラブしか装入しないが、残りの加熱炉には、冷間スラブを装入することをでき、冷間スラブと熱間スラブの分けて装入を満たすことができる。
【0028】
製鋼の材料は、スラブ予備ヤードスパンに、事前分類と分流を行われてもよく、炉に供給しようとする材料または熱間スラブを、炉装入準備スパンに準備するが、長期間保管する必要のあるビレットを、他のエリアに入れる。
【0029】
加熱炉供給ローラーテーブルは、両端から同時に供給する機能を有し、各加熱炉への供給は、供給ローラーテーブルの一端から任意に行うことができる。
【0030】
本発明の有利な効果は、
上記のスラブヤードと加熱炉レイアウトのデザイン及び炉の装入方法で、本発明は、冷間スラブと熱間スラブの分けて保管、スタキング、供給、および加熱を実現することができる。
【0031】
本発明の方法は、省エネと環境保護と、冷間スラブと熱間スラブを交互に供給することによって引き起こされるリズムの遅さ、効率の低さ、エラーが発生しやすい問題を解決できる。
【0032】
図面の簡単な説明
本発明の上記および他の特徴、特性および利点は、添付の図面および実施形態と併せて取られる以下の説明からより明らかになり、ここで、同様の参照番号は、全体を通して同様の特徴を指す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明の厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトの概略図である。
【
図4】本発明による炉の装入方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の好ましい実施形態
以下、実施例および図面に基づいて本発明をさらに説明する。
【0035】
図1を参照し、本発明の厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトには、以下を含む:
長期間保管する必要があるビレット、または冷間スラブを保管する1#スラブヤードスパン1;
上記の1#スラブヤードスパン1の片側に並べて配置される、供給スパンとする2#スラブヤードスパン2;2#スラブヤードスパン2は、一時的に放置される必要がある、供給直前の熱間スラブをスタックするために使用され、または用意される冷間スラブを保管するために使用される;2#スラブヤードスパン2の入口に、連続鋳造プロセスに接続された連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブル10がある;上記の1#スラブヤードスパン1と上記の2#スラブヤードスパン2の中に、それぞれに、熱間スラブエリア100と冷間スラブエリア200を設置する;
上記の2#スラブヤードスパン2の出口側に設置される加熱炉スパン3;加熱炉スパン3には、上記の2#スラブヤードスパン2の出口側に並んで配置される、上記の熱間スラブエリア100と冷間スラブエリア200に対応する二つ以上の加熱炉31、32、33がある;
上記の1#スラブヤードスパン1と上記の2#スラブヤードスパン2の入口側(即、熱間スラブエリア100)にまたがるスラブ予備ヤードスパン4;上記の連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブル10は、当該スラブ予備ヤードスパン4を通過する;
上記の1#スラブヤードスパン1と上記の2#スラブヤードスパン2の冷間スラブエリア200及び加熱炉スパン3にまたがるクロストラバース台車ローラーテーブル20;
上記のスラブ予備ヤードスパン4と1#スラブヤードスパン1の内にまたがる、スラブ予備ヤードスパン4のビレット又は上記の連続鋳造スラブ運搬ローラーテーブル30のビレットを1#スラブヤードスパン1へ運搬するクロストラバースローラーテーブル30;
上記の2#スラブヤードスパン2と加熱炉スパン3の間に設置され、2#スラブヤードスパン2の熱間スラブエリア100と冷間スラブエリア200及び加熱炉スパン3の両端にまたがる供給ローラーテーブル40;供給ローラーテーブル40は、双方向搬送構造である。
【0036】
図4を参照し、本発明の厚板の冷間スラブと熱間スラブを分けて装入するスラブヤードと加熱炉レイアウトの炉の装入方法には、以下のステップを含む:
1)熱間圧延計画に供給する必要がある熱間スラブの比率xを確定する;
2)熱間スラブの割合及び加熱炉の数量によって、熱間スラブの加熱炉の割合yを計算する:加熱炉の総数はN、選択された熱間スラブの加熱炉の数はi、熱間スラブの加熱炉の割合はy=i/Nである;yの値が熱間スラブxより大きい場合、熱間スラブの加熱炉の数はi-1個で、冷間スラブの加熱炉の数はN-i+1である;i<1の場合、熱間スラブの加熱炉の数は1で、冷間スラブの加熱炉で数はN-1である。
【0037】
3)熱間スラブ供給ローラーテーブルエリアは、1~i-1の加熱炉にあり、冷間スラブ供給ローラーテーブルエリアは、N~N-i+1の加熱炉にある;熱間スラブは、1番目の加熱炉端のローラーテーブルから供給され、冷間スラブは、N番目の加熱炉端のローラーテーブルから供給される。
【0038】
実施例1
図2を参照し、加熱炉の総数はN=3であり、熱間スラブの割合は70%である。
【0039】
その中には、熱間スラブの加熱炉の数は、2つで、すなわち加熱炉31および32であり、冷間スラブの加熱炉の数は、1つで、すなわち加熱炉33である。
【0040】
実施例2
図3を参照し、加熱炉の総数はN=4であり、熱間スラブの割合は20%である。
【0041】
その中には、熱間スラブの加熱炉の数は、1つで、すなわち加熱炉31であり、冷間スラブの加熱炉の数は、3つで、すなわち加熱炉32、33、34である。
【0042】
以上に、本発明の特定の実施形態を説明したが、当業者は、これらが単なる例示であり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義されることを理解すべきである。当業者は、本発明の原理および本質から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更または修正を加えることができるが、これらの変更および修正はすべて、本発明の保護範囲内にある。