(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するための統合されたプロセス
(51)【国際特許分類】
C01B 21/093 20060101AFI20231124BHJP
【FI】
C01B21/093 Z
(21)【出願番号】P 2022536860
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020065102
(87)【国際公開番号】W WO2021126840
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-15
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ルリー、マシュー、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ポインター、バーナード、イー.
(72)【発明者】
【氏名】レオーネ、ブライアン
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-235370(JP,A)
【文献】国際公開第2011/111780(WO,A1)
【文献】特表2019-503956(JP,A)
【文献】特公昭40-024368(JP,B1)
【文献】国際公開第2011/148958(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02415709(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 21/084
C01B 21/093
C07C 209/68
C07C 211/63
C07C 303/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセスであって、
フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を提供することであって、前記溶液が、約0℃~約70℃の溶液温度に維持される、提供することと、
前記溶液を、80℃~約170℃の反応温度で反応媒体の存在下で反応させて、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロ硫酸アンモニウム、及び前記反応媒体を含む生成物流を生成する、
溶液を反応させることと、
前記生成物流から前記フルオロ硫酸アンモニウムを分離して、中間生成物流を生成することと、
前記中間生成物流を濃縮生成物流と第1のリサイクル流とに分離することであって、前記濃縮生成物流が、前記第1のリサイクル流よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含む、分離することと、
前記第1のリサイクル流を反応媒体の存在下において前記溶液を反応させることへ再びリサイクルすることと、を含む、プロセス。
【請求項2】
プロセスが連続プロセスである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
第1のリサイクル流を貯蔵タンクにリサイクルすることを更に含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
プロセスが半バッチプロセスである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
反応媒体がフルオロスルホン酸を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の50重量%未満である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の20重量%未満である、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の10重量%未満である、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の5重量%未満である、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記提供することにおいて、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液が、溶液温度で尿素とフルオロスルホン酸とを一緒に混合することによって形成される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
前記
提供することにおいて、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液が、約2.0:1~約3.0:1のモル比でフルオロスルホン酸と尿素とを一緒に混合することによって形成される、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
中間生成物流を濃縮生成物流と第1のリサイクル流とに分離することが、生成物流を蒸留することを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項13】
生成物流からフルオロ硫酸アンモニウムを分離することが、生成物流を蒸発させて中間生成物流を形成することを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項14】
濃縮生成物流を更なる濃縮生成物流と第2のリサイクル流とに分離することを更に含み、更なる濃縮生成物流は、第2のリサイクル流よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含み、第2のリサイクル流が反応媒体の存在下において前記溶液を反応させることに再びリサイクルされる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項15】
ビス(フルオロスルホニル)イミドの生成のための統合されたシステムであって、
尿素入口流及び第1のフルオロスルホン酸入口流に接続するように構成された容器であって、前記容器が、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を生成するように構成されており、前記容器が、約0℃~約70℃の溶液温度で前記溶液を維持するように構成されている、容器と、
前記フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を受容するように前記容器に流体的に結合された反応器であって、前記反応器が、第2のフルオロスルホン酸入口流を含み、前記反応器が、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロ硫酸アンモニウム、及びフルオロスルホン酸を含む生成物流を生成するように構成されており、前記反応器が、80℃~約170℃の反応器温度を維持するように構成されている、反応器と、
前記生成物流に流体的に結合された第1の分離器であって、前記第1の分離器が、前記フルオロ硫酸アンモニウムを前記生成物流から分離して、中間生成物流を生成するように構成されている、第1の分離器と、
前記中間生成物流に流体的に結合された第2の分離器であって、前記第2の分離器が、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を生成するように構成されており、前記濃縮生成物流が、前記第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度よりも高いビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度を含む、第2の分離器と、を備え、
第1のリサイクル流が前記反応器に再びリサイクルされる、統合されたシステム。
【請求項16】
第1のリサイクル流が貯蔵タンクに方向付けられている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
濃縮生成物流に流体的に結合された第3の分離器を更に含み、第3の分離器は、更なる濃縮生成物流及び第2のリサイクル流を生成するように構成され、更なる濃縮生成物流は、第2のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含み、第2のリサイクル流が前記反応器に再びリサイクルされる、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の50重量%未満である、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の20重量%未満である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の10重量%未満である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液が、フルオロスルホン酸及び尿素を約2.0:1~約3.0:1のモル比で含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
システムが連続動作のために構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
システムが半バッチ動作のために構成されている、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月10日に出願された米国特許出願第17/117,284号に対する優先権、及び2019年12月17日に出願された米国仮出願第62/949,105号に対する優先権を主張するものであり、これらの開示内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセスに関する。具体的には、本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するための統合されたプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
ビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)は、リチウムイオン電池に使用されるリチウムビス(フルオロスルホニル)イミド(LiFSI)の生成において重要な原料である。HFSIは、いくつかの方法によって調製することができる。例えば、HFSIは、式1に示される、尿素とフルオロスルホン酸との反応によって調製することができる:
式1 5HSO3F+2CO(NH2)2→HN(SO2F)2+2CO2+3NH4SO3F。
【0004】
Hondaらの米国特許第8,337,797号は、尿素及びフルオロスルホン酸からHFSIを生成するための2段階バッチプロセスを開示している。第1のステップでは、尿素とフルオロスルホン酸との間の式1の反応を防止するのに十分に低い温度で、尿素をフルオロスルホン酸に溶解する。第2のステップでは、尿素/フルオロスルホン酸溶液を、式1の反応が進むのに十分に加熱された反応媒体を含む別々の反応容器にゆっくりと加える。制御して加えることにより、式1の発熱反応によって発生する熱を制御することを可能にする。米国特許第8,337,797号は、加熱された反応媒体がフルオロスルホン酸又はHFSIになり得ることを開示しているが、フルオロスルホン酸とHFSIとの混合物を使用することが好ましく、HFSIは、特に開始時に、尿素/フルオロスルホン酸溶液が最初に加熱された反応媒体に添加されるときに、反応を更に制御するのに役立つ。しかしながら、米国特許第8,337,797号に開示されているバッチプロセスは、効率的な商業規模でHFSIを生成するのに好適ではない。
【0005】
やはりHondaらの国際公開第2011/111780号は、オーバーフロー出口などを介して、反応容器から反応液を連続的に除去し、スラリー状態(アンモニウム塩副生成物を含む)で反応液を連続的に排出するための回収プロセスを更に開示する。開示されたプロセスは、生成バッチで行われ、生成物HFSIは、次の生成バッチの反応の前に反応容器に再び加えられる。
【0006】
したがって、商業的な量のHFSIを生成するような規模にされ得る、より効率的なプロセスを開発する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するための統合されたプロセスを提供する。
【0008】
その一形態では、本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセスを提供する。このプロセスは、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を提供することであって、溶液が、約0℃~約70℃の溶液温度に維持される、提供することと、溶液を、80℃~約170℃の反応温度で反応媒体の存在下で反応させて、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロ硫酸アンモニウム、及び反応媒体を含む生成物流を生成することと、生成物流からフルオロ硫酸アンモニウムを分離して、中間生成物流を生成することと、中間生成物流を濃縮生成物流と第1のリサイクル流とに分離することであって、濃縮生成物流が、第1のリサイクル流よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含む、分離することと、を含む。
【0009】
その別の形態では、本開示は、ビス(フルオロスルホニル)イミドの生成のための統合されたシステムを提供する。システムは、容器、反応器、第1の分離器、及び第2の分離器を含む。容器は、尿素入口流及び第1のフルオロスルホン酸入口流に接続するように構成されている。容器は、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を生成するように構成されている。容器は、溶液を約0℃~約70℃の溶液温度に維持するように構成されている。反応器は、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を受容するように容器に流体的に結合されている。反応器は、第2のフルオロスルホン酸入口流を含む。反応器は、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロ硫酸アンモニウム及びフルオロスルホン酸を含む生成物流を生成するように構成されている。反応器は、80℃~約170℃の反応器温度を維持するように構成されている。第1の分離器は、生成物流に流体的に結合されている。第1の分離器は、フルオロ硫酸アンモニウムを生成物流から分離して、中間生成物流を生成するように構成されている。第2の分離器は、中間生成物流に流体的に結合されている。第2の分離器は、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を生成するように構成されている。濃縮生成物流は、第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度よりも高いビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度を含む。
【0010】
添付の図面を考慮して、実施形態についての以下の記載を参照することによって、本開示の上述及び他の特徴、並びにそれらを達成する様式がより明らかになり、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】図は、本開示のいくつかの実施形態による、ビス(フルオロスルホニル)イミドの連続的な製造のための統合されたプロセスを示すプロセスフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、商業的な量のビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)を生成するような規模にされ得る統合されたプロセスを提供する。いくつかの実施形態では、プロセスは、効率的かつ連続的な様式で反応媒体をリサイクルすることを含む。代替的に、又は追加的に、いくつかの実施形態では、プロセスは、リサイクルされた反応媒体を貯蔵タンクに方向付けることを含む。驚くべきことに、反応媒体中のHFSIの量を限定することにより、プロセス収率を劇的に改善することができることが見出された。
【0013】
本明細書に開示されるように、HFSIは、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液から生成される。尿素及びフルオロスルホン酸の溶液は、尿素とフルオロスルホン酸とを、式1に示すように、尿素とフルオロスルホン酸との反応を実質的に防止するのに十分低い溶液温度で、ただし商業的プロセスに適した尿素の効率的な溶解のために十分高い溶液温度で混合することによって形成される。溶液温度は、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、又は約35℃のように低い、又は約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、又は約70℃のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0℃~約70℃、約5℃~約65℃、約10℃~約60℃、約15℃~約55℃、約20℃~約50℃、約25℃~約45℃、約30℃~約40℃、約35℃~約55℃、約40℃~約50℃、又は約25℃~約65℃などであり得る。好ましくは、溶液温度は、約25℃~約60℃である。より好ましくは、溶液温度は、約30℃~約55℃である。最も好ましくは、溶液温度は、約30℃~約50℃である。
【0014】
尿素及びフルオロスルホン酸の溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、フルオロスルホン酸が全ての尿素を溶解して、溶液を輸送することをより困難にする可能性がある溶解していない尿素を含むスラリーではなく、均質な液相溶液を作成するのに十分に高くなければならない。しかしながら、フルオロスルホン酸を加えすぎると、溶液を輸送するのに対処し、かつ後で過剰なフルオロスルホン酸をHFSIから分離するためにより大きなシステム及びエネルギーの増加を必要とすることによって、プロセスの効率が低下する。したがって、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.0:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、又は約2.5:1のように低い、又は約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、又は3.0:1のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約2.0:1~約3.0:1、約2.1:1~約2.9:1、約2.2:1~約2.8:1、約2.3:1~約2.7:1、約2.4:1~約2.6:1、約2.5:1~約2.6:1、約2.4:1~約2.7:1、約2.4:1~約2.5:1、又は約2.6:1~約2.8:1などであり得る。好ましくは、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.2:1~約2.8:1である。より好ましくは、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.3:1~約2.7:1である。最も好ましくは、溶液中のフルオロスルホン酸対尿素のモル比は、約2.4:1~約2.6:1である。
【0015】
尿素及びフルオロスルホン酸の溶液を反応温度で反応媒体に添加して、フルオロスルホン酸及び尿素を反応させて、式1に示すように、HFSI、並びにフッ化アンモニウムを含む生成物流を生成する。生成された二酸化炭素ガスは、他の使用のために通気又は捕捉され得る。反応媒体は、フルオロスルホン酸を含む。反応媒体は、HFSIを更に含み得る。
【0016】
反応媒体は、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液を加熱し、反応を制御するのに役立つ。いくつかの実施形態において、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1、約0.2:1、約0.3:1、約0.4:1、約0.5:1、約0.6:1又は約0.8:1のように低い、又は約1:1、約2:1、約4:1、約6:1、約8:1、又は約10:1のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内、例えば、約0.1:1~約10:1、約0.2:1~約8:1、約0.3:1~約6:1、約0.4:1~約4:1、約0.6:1~約2:1、約0.8:1~約1:1、約0.4:1~約1:1、又は約0.6:1~約0.8:1などであり得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、スラリーを処理する必要性を防ぐために、フルオロ硫酸アンモニウムを含む反応副生成物を完全に溶解するように十分に高い。したがって、フルオロ硫酸アンモニウムが完全に溶解されるいくつかの実施形態では、好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.3:1~約2:1である。より好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.4:1~約1:1である。最も好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.6:1~約0.8:1である。
【0018】
しかしながら、反応媒体の量を増加させると、反応媒体からHFSI生成物を分離するためにより大きなシステム及び増大したエネルギー使用量を必要とする程度まで、プロセスの効率を低下させる。したがって、いくつかの実施形態では、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液とのより低い重量比を使用し、未溶解のフルオロ硫酸アンモニウムを含むスラリーの形成をもたらすことが望ましい。フルオロ硫酸アンモニウムが完全に溶解しないこのような実施形態では、好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1~約0.6:1である。より好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1~約0.4:1である。最も好ましくは、反応媒体と、尿素及びフルオロスルホン酸の溶液との重量比は、約0.1:1~約0.3:1である。
【0019】
反応温度は、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、又は約120℃のように低い、又は約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、又は170℃のように高い、又は前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲、例えば、約80℃~約170℃、約90℃~約160℃、約100℃~約150℃、約110℃~約140℃、約120℃~約130℃、約130℃~約150℃、又は約110℃~約120℃などであり得る。好ましくは、反応温度は、約110℃~約140℃である。より好ましくは、反応温度は、約120℃~約140℃である。最も好ましくは、反応温度は、約120℃~約130℃である。
【0020】
フルオロ硫酸アンモニウムは、生成物流から分離される。フルオロ硫酸アンモニウムは、例えば、蒸発、噴霧乾燥、濾過、又はそれらの任意の組み合わせによって分離され得る。
【0021】
生成物流は、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流に分離される。濃縮生成物流は、第1のリサイクル流よりも高い濃度のHFSIを含む。いくつかの実施形態では、第1のリサイクル流は、反応媒体に再びリサイクルされる。いくつかの実施形態では、第1のリサイクル流は、代替的に、又は追加的に、後で使用するために貯蔵タンクに方向付けられ得る。分離は、例えば、蒸留によるものであり得る。
【0022】
反応媒体にHFSIを添加すると、システムにおけるHFSIの収率が低下することが見出された。したがって、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、約50重量パーセント(wt%)未満、40wt%未満、30wt%未満、20wt%未満、10wt%未満、5wt%未満、3wt%未満、2wt%未満、1wt%未満、又は0.5wt%未満、又は前述の値のうちのいずれか2つの間の任意の値未満である。好ましくは、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、20wt%未満である。より好ましくは、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、10wt%未満である。最も好ましくは、第1のリサイクル流中のHFSIの濃度は、5wt%未満である。
【0023】
任意選択的に、濃縮生成物流は、更なる濃縮生成物流及び第2のリサイクル流に分離され得る。更なる濃縮生成物流は、第2のリサイクル流よりも高い濃度のHFSIを含む。いくつかの実施形態では、第2のリサイクル流は、反応媒体に再びリサイクルされる。代替的に、又は追加的に、いくつかの実施形態では、第2のリサイクル流は、後で使用するために貯蔵タンクに方向付けられる。分離は、例えば、蒸留によるものであり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、上記のプロセスは連続プロセスである。いくつかの他の実施形態では、上記のプロセスは半バッチである。半バッチとは、プロセスの有意な部分が連続的であるが、プロセス全体が連続的ではないことを意味する。例えば、いくつかの半バッチ実施形態では、生成物流は、一定期間にわたって連続的に生成及び保存され得、次いで、その後に、貯蔵された生成物流は、分離ステップを介して処理されて、生成物流からフルオロ硫酸アンモニウムを分離し、連続的に濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を生成し、濃縮生成物流は貯蔵され、第1のリサイクル流は、後で別の生成物流の生成のための反応媒体として使用するために貯蔵される。いくつかの他の半バッチ実施形態では、中間生成物流は、一定期間にわたって連続的に生成及び貯蔵され得、次いで、その後に、貯蔵された中間生成物流は、分離ステップを介して処理されて、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を連続的に生成し得、濃縮生成物流が貯蔵され、第1のリサイクル流が後で別の生成物流の生成のための反応媒体として使用するために貯蔵される。
【0025】
図は、いくつかの実施形態による、HFSIを製造するための統合されたシステム10を示すプロセスフロー図である。図に示すように、システム10は、尿素入口流14及び第1のフルオロスルホン酸入口流16に接続するように構成された容器12を含む。第1のフルオロスルホン酸入口流16中のフルオロスルホン酸は、液体形態であり、容器12に連続的にポンピングされ得る。あるいは、第1のフルオロスルホン酸入口流16中のフルオロスルホン酸をバッチとして添加され得る。尿素入口流14内の尿素は、固体形態であり、例えば、固体搬送システム(図示せず)によって容器12に連続的に提供され得る。あるいは、入口流14内の尿素をバッチとして容器12に添加してもよい。
【0026】
容器12は、例えば、撹拌器などの混合装置18と、例えば、熱伝達コイルなどの任意の冷却機構(図示せず)とを備える。容器12では、尿素入口流14からの尿素及び第1のフルオロスルホン酸入口流16からのフルオロスルホン酸を混合装置18によって混合して、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を形成する。尿素/フルオロスルホン酸溶液は、上記のような溶液温度に維持され、必要に応じて、冷却機構によって、式1の反応を実質的に防止するために冷却され得る。このようにして、容器12は、尿素/フルオロスルホン酸溶液を生成するように構成されている。
【0027】
反応器20は、容器12から尿素/フルオロスルホン酸溶液を受容するように反応物流22によって容器12に流体的に結合されている。反応器20は、反応媒体を反応器20に提供するための反応媒体入口流24を含む。反応媒体は、フルオロスルホン酸を含み得、その場合、反応媒体入口流24は、第2のフルオロスルホン酸入口流である。反応器20内の反応媒体は、上記のように反応温度に加熱され、式1の反応に従ってHFSIを含む生成物流26を生成する。二酸化炭素は、反応器通気口28を介して反応器20から通気され得る。反応器20は、例えば、熱交換器又はジャケット付き反応器(図示せず)を通って流れる流体によって、又は電気加熱コイル(図示せず)によって、反応温度を維持するように構成されている。このようにして、反応器20は、HFSI、フルオロ硫酸アンモニウム、及びフルオロスルホン酸を含む生成物流26を生成するように構成されている。
【0028】
生成物流26は、反応器20を第1の分離器30に流体接続している。第1の分離器30は、フルオロ硫酸アンモニウムを生成物流26から分離して、中間生成物流32中で生成するように構成されている。フルオロ硫酸アンモニウムは、パージ34によって除去される。第1の分離器30は、例えば、蒸発器、噴霧乾燥機、フィルタ、遠心分離器、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0029】
中間生成物流32は、第1の分離器30を第2の分離器36に流体接続している。第2の分離器36は、濃縮生成物流38及び第1のリサイクル流40を生成するように構成されている。第2の分離器36は、例えば、蒸留カラムであり得る。濃縮生成物流38は、第1のリサイクル流40におけるHFSIの濃度よりも高いHFSIの濃度を含む。第1のリサイクル流40は、反応器20に流体的に結合されている。代替的に、又は追加的に図に示されるように、第1のリサイクル流40は、反応媒体リサイクル貯蔵タンク42に流体的に結合されている。第1のリサイクル流40は、連続動作のために反応器20に、又は半バッチ動作のために反応媒体リサイクル貯蔵タンク42に、方向付けることができる。反応媒体リサイクル流44は、反応媒体リサイクル貯蔵タンク42を反応器20に流体的に結合して、貯蔵されたリサイクルされた反応媒体を後で反応器20に提供する。
【0030】
任意選択的に、濃縮生成物流38は、第2の分離器36を第3の分離器46に流体接続している。第3の分離器46は、更なる濃縮生成物流48及び第2のリサイクル流50を生成するように構成されている。第3の分離器46は、例えば、別の蒸留塔であることができる。更なる濃縮生成物流48は、第2のリサイクル流50におけるHFSIの濃度よりも高いHFSIの濃度を含む。第2のリサイクル流50は、反応器20に流体的に結合されている。代替的に、又は追加的に図に示されるように、第2のリサイクル流50は、反応媒体リサイクル貯蔵タンク42に流体的に結合されている。第2のリサイクル流50は、連続動作のために反応器20に、又は半バッチ動作のために反応媒体リサイクル貯蔵タンク42に、方向付けることができる。
【0031】
更なる濃縮生成物流48は、更なる使用又は精製のためにHSFI貯蔵タンク52に流体接続され得る。あるいは、第3の分離器46が用いられない実施形態では、濃縮生成物流38は、HSFI貯蔵タンク52に直接流体的に結合され得る。
【0032】
上述のように、図のシステム10は、連続モード又は半バッチモードで動作され得る。
【0033】
本明細書で使用する場合、「前述の値のうちのいずれか2つの間で定義される任意の範囲内」という句は、それらの値が列挙のより低い部分にあるか又は列挙のより高い部分にあるかにかかわらず、任意の範囲がそのような句の前に列挙された値のうちのいずれか2つから選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値及びより高い値から選択されてもよい。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでない旨を明確に指示しない限り、複数形を含む。
【0034】
不正確の用語に関して、用語「約」及び「およそ」が互換的に使用されてもよく、記述された測定値を含む測定値を指し、また、記載された測定値に合理的に近い任意の測定値も含む。記述された測定値に合理的に近い測定値は、当業者によって理解され、容易に確認されるように、合理的に小さい量だけ記述された測定値から逸脱する。そのような偏差は、例えば、性能を最適化するために行われる測定誤差又は微調整に起因し得る。当業者がそのような合理的に小さな差異の値を容易に確認できないと判定された場合、「約」及び「およそ」という用語は、記述された値のプラスマイナス10%を意味すると理解され得る。
【0035】
前述の説明は、本開示の単なる例示に過ぎないことが理解されるべきである。本開示から逸脱することなく、当業者によって様々な代替形態及び修正形態を考案することができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる全てのかかる代替形態、修正形態、及び変動を包含することを意図する。
【実施例】
【0036】
実施例1-ビス(フルオロスルホニル)イミドの収率に対する反応媒体中のビス(フルオロスルホニル)イミドの効果-硫酸アンモニウムの沈殿を含む
この実施例では、フルオロ硫酸アンモニウム(AFS)が沈殿物を形成する条件下でのビス(フルオロスルホニル)イミドの収率に対する、反応媒体中のビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)の効果。各試料1~8について、以下の表1に示すように、尿素を、撹拌しながら容器内でフルオロスルホン酸(FSA)にゆっくりと添加して、尿素及びFSAの溶液を形成した。尿素の添加中、温度を40℃未満に維持しながら、容器を窒素流下にした。尿素を添加した後、溶液を室温に平衡化させた。
【0037】
5リットルの三つ口フラスコを反応器として用意した。反応器の中心ネックにオーバーヘッドスターラーを取り付けた。別のネックは、上部に窒素流入口を有する凝縮器を含んでいた。第3のネックに、熱電対、蠕動ポンプからの供給チューブ、及びスクラバーへの出口を取り付けた。フルオロカーボンワックスを使用して、接続接地ガラス接合部を密封した。表1に示すように反応媒体を反応器に添加し、反応器を電気加熱マントルで約130℃の制御温度に加熱した。反応器内の反応媒体が130℃に平衡化されると、尿素及びFSAの溶液を、蠕動ポンプを使用して容器から反応器内に約3.5時間にわたってポンピングして、尿素及びFSAを反応させ、HFSIを形成した。反応中、形成された二酸化炭素ガスを反応器から通気した。
【0038】
反応の早期に、反応器の内容物は透明な液体として現れた。反応が進行するにつれて、AFSの溶解限度に達し、AFSは溶液から沈殿し始めた。反応が更に進行し、AFS沈殿物が蓄積し続けると、反応器の内容物がスラリーになった。容器から尿素及びFSAの溶液の添加が完了した後、反応器を130℃で更に4時間維持した後、熱をオフにし、反応器を室温まで冷却させた。
【0039】
反応器を再構成し、反応器内の液体をAFS沈殿物から真空下で蒸発させ、蒸発生成物を、ドライアイス及びアセトンの浴によって冷却された容器内に収集した。液体を最初に約110~120℃で数時間、次いで約150~160℃で約20時間蒸発させた。収集した生成物を計量し、反応器に添加された尿素の量に基づいて反応収率を計算した。結果を以下の表1に示す。表1に示すように、反応媒体中のHFSIの濃度を増加させると、HFSIの収率が大幅に低下する。
【表1】
実施例2-ビス(フルオロスルホニル)イミドの収率に対する反応媒体中のビス(フルオロスルホニル)イミドの効果-フルオロ硫酸アンモニウムの沈殿なし
【0040】
この実施例では、フルオロ硫酸アンモニウム(AFS)が沈殿物を形成しない条件下でのビス(フルオロスルホニル)イミドの収率に対する反応媒体中のビス(フルオロスルホニル)イミド(HFSI)の効果が実証される。各試料9~12を、実施例1で上述したように調製し、以下の表2に示され、反応器内容物が混濁し始めたらすぐに、尿素及びFSAの溶液の添加を停止したことを除く。結果を表2に示す。表2に示すように、AFS沈殿物の量は、収率にほとんど影響しない。実施例1の結果と一致して、反応媒体中のHFSIの濃度を増加させると、HFSIの収率が大幅に低下する。
【表2】
態様
【0041】
態様1は、ビス(フルオロスルホニル)イミドを生成するためのプロセスである。このプロセスは、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を提供することであって、溶液が、約0℃~約70℃の溶液温度に維持される、提供することと、溶液を、80℃~約170℃の反応温度で反応媒体の存在下で反応させて、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロ硫酸アンモニウム、及び反応媒体を含む生成物流を生成することと、生成物流からフルオロ硫酸アンモニウムを分離して、中間生成物流を生成することと、中間生成物流を濃縮生成物流と第1のリサイクル流とに分離することであって、濃縮生成物流が、第1のリサイクル流よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含む、分離することと、を含む。
【0042】
態様2は、第1のリサイクル流を反応ステップに再びリサイクルすることを更に含む、態様1に記載のプロセスである。
【0043】
態様3は、プロセスが連続プロセスである、態様2に記載のプロセスである。
【0044】
態様4は、第1のリサイクル流を貯蔵タンクにリサイクルすることを更に含む、態様1に記載のプロセスである。
【0045】
態様5は、プロセスが半バッチプロセスである、態様4に記載のプロセスである。
【0046】
態様6は、反応媒体がフルオロスルホン酸を含む、態様1~5のいずれかに記載のプロセスである。
【0047】
態様7は、第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の50重量%未満である、態様1~6のいずれかに記載のプロセスである。
【0048】
態様8は、第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の10重量%未満である、態様7に記載のプロセスである。
【0049】
態様9は、提供ステップにおいて、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液が、溶液温度で尿素とフルオロスルホン酸とを一緒に混合することによって形成される、態様1~8のいずれかに記載のプロセスである。
【0050】
態様10は、提供ステップにおいて、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液が、約2.0:1~約3.0:1のモル比でフルオロスルホン酸と尿素とを一緒に混合することによって形成される、態様1~9のいずれかに記載のプロセスである。
【0051】
態様11は、中間生成物流を濃縮生成物流と第1のリサイクル流とに分離することが、生成物流を蒸留することを含む、態様1~10のいずれかに記載のプロセスである。
【0052】
態様12は、生成物流からフルオロ硫酸アンモニウムを分離することが、生成物流を蒸発させて中間生成物流を形成することを含む、態様1~11のいずれかに記載のプロセスである。
【0053】
態様13は、濃縮生成物流を更なる濃縮生成物流と第2のリサイクル流とに分離することを更に含む、態様1~12のいずれかに記載のプロセスである。更なる濃縮生成物流は、第2のリサイクル流よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含む。
【0054】
態様14は、第2のリサイクル流が反応ステップに再びリサイクルされる、態様13に記載のプロセスである。
【0055】
態様15は、ビス(フルオロスルホニル)イミドの生成のための統合されたシステムである。システムは、容器、反応器、第1の分離器、及び第2の分離器を含む。容器は、尿素入口流及び第1のフルオロスルホン酸入口流に接続するように構成されている。容器は、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を生成するように構成されている。容器は、溶液を約0℃~約70℃の溶液温度に維持するように構成されている。反応器は、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液を受容するように容器に流体的に結合されている。反応器は、第2のフルオロスルホン酸入口流を含む。反応器は、ビス(フルオロスルホニル)イミド、フルオロ硫酸アンモニウム及びフルオロスルホン酸を含む生成物流を生成するように構成されている。反応器は、80℃~約170℃の反応器温度を維持するように構成されている。第1の分離器は、生成物流に流体的に結合されている。第1の分離器は、フルオロ硫酸アンモニウムを生成物流から分離して、中間生成物流を生成するように構成されている。第2の分離器は、中間生成物流に流体的に結合されている。第2の分離器は、濃縮生成物流及び第1のリサイクル流を生成するように構成されている。濃縮生成物流は、第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度よりも高いビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度を含む。
【0056】
態様16は、第1のリサイクル流が反応器に再びリサイクルされる、態様15に記載のシステムである。
【0057】
態様17は、第1のリサイクル流が貯蔵タンクに方向付けられている、態様15に記載のシステムである。
【0058】
態様18は、容器が混合デバイスを含む、態様15~17のいずれかに記載のシステムである。
【0059】
態様19は、第1の分離器が蒸発器である、態様15~18のいずれかに記載のシステムである。
【0060】
態様20は、第2の分離器が蒸留塔である、態様15~19のいずれかに記載のシステムである。
【0061】
態様21は、濃縮生成物流に流体的に結合された第3の分離器を更に含む、態様15~20のいずれかに記載のシステムである。第3のセパレータは、更なる濃縮生成物流及び第2のリサイクル流を生成するように構成されている。更なる濃縮生成物流は、第2のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度よりも高い濃度のビス(フルオロスルホニル)イミドを含む。
【0062】
態様22は、第3の分離器が蒸留塔である、態様21に記載のシステムである。
【0063】
態様23は、第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の50重量%未満である、態様15~22のいずれかに記載のシステムである。
【0064】
態様24は、第1のリサイクル流中のビス(フルオロスルホニル)イミドの濃度が、第1のリサイクル流の10重量%未満である、態様23に記載のシステムである。
【0065】
態様25は、フルオロスルホン酸及び尿素を含む溶液が、フルオロスルホン酸及び尿素を約2.0:1~約3.0:1のモル比で含む、態様15~24のいずれかに記載のシステムである。
【0066】
態様26は、システムが連続動作のために構成されている、態様15~25のいずれかに記載のシステムである。
【0067】
態様27は、システムが半バッチ動作のために構成されている、態様15~25のいずれかに記載のシステムである。