(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】ロボットジョイントのための鋸歯状安全制動装置、ロボットジョイント、およびロボット
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20231124BHJP
B25J 19/00 20060101ALI20231124BHJP
【FI】
B25J19/06
B25J19/00 C
(21)【出願番号】P 2022544869
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2019109592
(87)【国際公開番号】W WO2021062698
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】522128767
【氏名又は名称】リシンク ロボティクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シェン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン, チャオ
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-189081(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043486(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 19/06
B25J 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置であって、ロボット
が主要支持体(5)を備え、前記ロボットジョイントは、シャフト(C)を備え、ロボットジョイント
において使用
される前記鋸歯状安全制動装置は、
前記主要支持体(5)上に搭載された電磁気伸縮装置(6)であって、前記電磁気伸縮装置(6)は、作業ビット(17)を具備し、前記作業ビット(17)は、前記ロボットジョイントの前記シャフト(C)の軸の方向に沿って、係止位置と非係止位置との間で移動することが可能である、電磁気伸縮装置(6)と、
前記ロボットジョイントの前記シャフト(C)に搭載された摩擦係合構成部品(10)と
をさらに備え、
前記摩擦係合構成部品(10)は、
円盤形の制動ロックリングギヤ(1)であって、前記円盤形の制動ロックリングギヤ(1)は、その外側円周上に配置された歯(11)と、第1の中心嵌め合い孔(12)とを具備している、円盤形の制動ロックリングギヤ(1)と、
第2の中心嵌め合い孔(13)を具備している円盤形のプレテンションリング(2)と、
第1の端面(14)
と第2の端面(15)
と外周面(16)
とを具備している円盤形の制動ハブ(4)と
を備え、
前記制動ロックリングギヤ(1)および前記プレテンションリング(2)は、前記第1の中心嵌め合い孔(12)および前記第2の中心嵌め合い孔(13)を介して、並列に配置され、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上に摩擦係合され、
前記係止位置において、前記電磁気伸縮装置(6)の前記作業ビット(17)は、前記摩擦係合構成部品(10)の前記制動ロックリングギヤ(1)上の前記歯(11)と係合されることができ、前記非係止位置において、前記電磁気伸縮装置(6)の前記作業ビット(17)は、前記摩擦係合構成部品(10)の前記制動ロックリングギヤ(1)上の前記歯から係合解除されることができ
、
前記制動ロックリングギヤ(1)および前記プレテンションリング(2)は、係止ねじ(3)を介して、並列に配置され、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上で摩擦係合され、間隙が、前記制動ロックリングギヤ(1)と前記プレテンションリング(2)との間に存在する、ロボットジョイントにおいて使用される鋸歯状安全制動装置。
【請求項2】
前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)は、前記第1の端面(14)から上向きに傾いた第1の円錐面(8)と、前記第2の端面(15)から上向きに傾いた第2の円錐面(9)とを有する、請求項1に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項3】
前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上の前記第1の円錐面(8)および前記第2の円錐面(9)は、前記制動ハブ(4)の垂直断面に対して互いの鏡像である、請求項1に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項4】
前記制動ロックリングギヤ(1)の前記第1の中心嵌め合い孔(12)は、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上の前記第1の円錐面(8)に適合するように、円錐孔として構成されている、請求項2に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項5】
前記プレテンションリング(2)の前記第2の中心嵌め合い孔(13)は、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上の前記第2の円錐面(9)に適合するように、円錐孔として構成されている、請求項2に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項6】
前記制動ロックリングギヤ(1)と前記プレテンションリング(2)との間の前記間隙は、前記係止ねじ(3)を介して調節されることができる、請求項
1に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項7】
前記制動ロックリングギヤ(1)
および前記プレテンションリング(2)
および前記制動ハブ(4)は、同じ材料から作製されている、請求項1に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項8】
前記制動ロックリングギヤ(1)
および前記プレテンションリング(2)
および前記制動ハブ(4)は、異なる材料から作製されている、請求項1に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項9】
前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)の前記第1の円錐面(8)および前記第2の円錐面(9)は、セラミック材料でコーティングされている、請求項1に記載のロボットジョイント
において使用
される鋸歯状安全制動装置。
【請求項10】
請求項1
~9のいずれか1項に記載の鋸歯状安全制動装置を備えているロボットジョイント。
【請求項11】
ロボットであって、前記ロボットは、
作業アームと、
シャフト(C)を有するロボットジョイントであって、前記ロボットジョイントは、前記作業アームを接続するために使用されている、ロボットジョイントと、
主要支持体(5)と、
請求項
10に記載のロボットジョイントと
を備えている、ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置と、ロボットジョイントと、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を有するロボットとに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、種々のロボットは、ワークピースを取り出すこと、送達すること、および処理すること、または、割り当てられたタスクを完了するためにオペレータと協働することを行うために、近代工業生産において広く使用される。多くの場合、例えば、動作中に作業領域に進入する侵入者に遭遇し、緊急停止のために部品を迅速に所望の場所に輸送する場合等、ロボットの緊急または急制動が、要求される。ロボットジョイント安全制動機が、ロボットの安全動作を確実にするためのコア機能性部品である。2つのタイプの広く使用されるロボット安全制動機が存在する:電磁気ディスク制動機、およびボルトタイプ制動機。電磁気ディスク制動機の主要な問題は、大容積および重量、および動作中の重大な加熱である。ボルトタイプ制動機の主要問題は、回転機構が、スリップすることを許されないことであり、ジョイントのギヤ伝動機構を損傷し易い。
【0003】
上述の問題を解決し得る、ロボットジョイント安全制動機の差し迫った必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置と、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を有するロボットとを提供することを目的とする。ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置は、サイズが小さく、重量が軽く、熱発生が低く、かつ動作が信頼性があり、シャフト伝動機構を保護することができる。ロボットは、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を含むので、ロボットは、安全性を確実にするための緊急停止または制動を生じることができる。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の側面に従って、本発明は、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を提供する。ロボットジョイントは、主要支持体を含み、ロボットジョイントは、シャフトを含む。ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置は、
【0006】
主要支持体上に搭載される電磁気伸縮装置であって、ロボットジョイントのシャフトの軸の方向に沿って、係止位置と非係止位置との間で移動することが可能である作業ビットを具備する電磁気伸縮装置と、
ロボットジョイントのシャフトに搭載された摩擦係合構成部品と
をさらに備え、
摩擦係合構成部品は、
【0007】
その外周面に配置された歯と、第1の中心嵌め合い孔とを具備する円盤形の制動ロックリングギヤと、
【0008】
第2の中心嵌め合い孔を具備する円盤形のプレテンションリングと、
【0009】
第1の端面、第2の端面、および外周面を具備する円盤形の制動ハブと
を含み、
【0010】
制動ロックリングギヤおよびプレテンションリングは、第1の中心嵌め合い孔および第2の中心嵌め合い孔を介して、並列に配置され、制動ハブの外周面上に摩擦係合され、
【0011】
係止位置において、電磁気伸縮装置の作業ビットは、摩擦係合構成部品の制動ロックリングギヤ上の歯と係合されることができ、非係止位置において、電磁気伸縮装置の作業ビットは、摩擦係合構成部品の制動ロックリングギヤ上の歯から係合解除されることができる。本発明の摩擦係合構成部品を用いて、制動装置は、サイズが小さく、重量が軽く、熱発生が低く、かつ動作が信頼性があり得、シャフト伝動機構を保護することができる。
【0012】
さらに、制動ハブの外周面は、第1の端面から上向きに傾いた第1の円錐面と、第2の端面から上向きに傾いた第2の円錐面とを有する。制動ロックリングギヤの第1の中心嵌め合い孔およびプレテンションリングの第2の中心嵌め合い孔との形状適合および摩擦係合は、制動ハブの第1の円錐面および第2の円錐面を通して達成される。
【0013】
さらに、制動ハブの外周面上の第1の円錐面および第2の円錐面は、制動ハブの垂直断面に対して互いの鏡像である。プレテンション力の対称分布は、制動ハブの外周面上の第1の円錐面および第2の円錐面の鏡像配置を通して達成されることができる。
【0014】
さらに、制動ロックリングギヤの第1の中心嵌め合い孔は、制動ハブの外周面上の第1の円錐面と適合するように、円錐孔として構成される。制動ハブの第1の円錐面との形状適合および摩擦係合は、制動ロックリングギヤの第1の中心嵌め合い孔を円錐孔として構成することによって達成される。
【0015】
さらに、プレテンションリングの第2の中心嵌め合い孔は、制動ハブの外周面上の第2の円錐面と適合するように、円錐孔として構成される。制動ハブの第2の円錐面との形状適合および摩擦係合は、プレテンションリングの第2の中心嵌め合い孔を円錐孔として構成することによって達成される。
【0016】
さらに、制動ロックリングギヤおよびプレテンションリングは、係止ねじを介して、並列に配置され、制動ハブの外周面上で摩擦係合され、間隙が、制動ロックリングギヤとプレテンションリングとの間に存在する。制動ロックリングギヤとプレテンションリングとの間に間隙を提供することによって、プレテンション力は、制動ロックリングギヤおよびプラグプレテンションリングを通して、プラグ制動ハブの外周面に及ぼされることができる。
【0017】
さらに、制動ロックリングギヤとプレテンションリングとの間の間隙は、係止ねじを介して調節されることができる。制動ロックリングギヤとプレテンションリングとの間の間隙は、係止ねじを介して調節されることができるので、プレテンション力が、調節されることができる。
【0018】
さらに、制動ロックリングギヤ、プレテンションリング、および制動ハブは、同じ材料から作製される。同じ材料からの制動ロックリングギヤ、プレテンションリング、および制動ハブの作製は、製造コストを節約することができる。
【0019】
さらに、制動ロックリングギヤ、プレテンションリング、および制動ハブは、異なる材料から作製される。異なる材料からの制動ロックリングギヤ、プレテンションリング、および制動ハブの作製は、制動ロックリングギヤおよびプレテンションリングの弾性を増加させることができ、制動ハブの摩耗抵抗を増加させることもできる。
【0020】
さらに、制動ハブの外周面の第1の円錐面および第2の円錐面は、セラミック材料でコーティングされる。制動ハブの外周面の第1の円錐面および第2の円錐面をセラミック材料でコーティングすることによって、制動ハブの摩耗抵抗は、増加させられることができる。
【0021】
本発明の別の側面によると、本発明は、本発明の新規特徴によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を有するロボットを提供することを目的とする。本発明の摩擦係合構成部品を含むロボットを用いて、制動装置は、サイズが小さく、重量が軽く、熱発生が低く、かつ動作が信頼性があり得、シャフト伝動機構を保護することができる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置であって、ロボットが、主要支持体(5)を備え、前記ロボットジョイントは、シャフト(C)を備え、ロボットジョイントにおける使用のための前記鋸歯状安全制動装置は、
前記主要支持体(5)上に搭載された電磁気伸縮装置(6)であって、前記電磁気伸縮装置(6)は、作業ビット(17)を具備し、前記作業ビット(17)は、前記ロボットジョイントの前記シャフト(C)の軸の方向に沿って、係止位置と非係止位置との間で移動することが可能である、電磁気伸縮装置(6)と、
前記ロボットジョイントの前記シャフト(C)に搭載された摩擦係合構成部品(10)と
をさらに備え、
前記摩擦係合構成部品(10)は、
円盤形の制動ロックリングギヤ(1)であって、前記円盤形の制動ロックリングギヤ(1)は、その外側円周上に配置された歯(11)と、第1の中心嵌め合い孔(12)とを具備している、円盤形の制動ロックリングギヤ(1)と、
第2の中心嵌め合い孔(13)を具備している円盤形のプレテンションリング(2)と、
第1の端面(14)、第2の端面(15)、および外周面(16)を具備している円盤形の制動ハブ(4)と
を備え、
前記制動ロックリングギヤ(1)および前記プレテンションリング(2)は、前記第1の中心嵌め合い孔(12)および前記第2の中心嵌め合い孔(13)を介して、並列に配置され、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上に摩擦係合され、
前記係止位置において、前記電磁気伸縮装置(6)の前記作業ビット(17)は、前記摩擦係合構成部品(10)の前記制動ロックリングギヤ(1)上の前記歯(11)と係合されることができ、前記非係止位置において、前記電磁気伸縮装置(6)の前記作業ビット(17)は、前記摩擦係合構成部品(10)の前記制動ロックリングギヤ(1)上の前記歯から係合解除されることができる、装置。
(項目2)
前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)は、前記第1の端面(14)から上向きに傾いた第1の円錐面(8)と、前記第2の端面(15)から上向きに傾いた第2の円錐面(9)とを有する、項目1に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目3)
前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上の前記第1の円錐面(8)および前記第2の円錐面(9)は、前記制動ハブ(4)の垂直断面に対して互いの鏡像である、項目1に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目4)
前記制動ロックリングギヤ(1)の前記第1の中心嵌め合い孔(12)は、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上の前記第1の円錐面(8)に適合するように、円錐孔として構成されている、項目2に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目5)
前記プレテンションリング(2)の前記第2の中心嵌め合い孔(13)は、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上の前記第2の円錐面(9)に適合するように、円錐孔として構成されている、項目2に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目6)
前記制動ロックリングギヤ(1)および前記プレテンションリング(2)は、係止ねじ
(3)を介して、並列に配置され、前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)上で摩擦係合され、間隙が、前記制動ロックリングギヤ(1)と前記プレテンションリング(2)との間に存在する、項目1に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目7)
前記制動ロックリングギヤ(1)と前記プレテンションリング(2)との間の前記間隙は、前記係止ねじ(3)を介して調節されることができる、項目6に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目8)
前記制動ロックリングギヤ(1)、前記プレテンションリング(2)、および前記制動ハブ(4)は、同じ材料から作製されている、項目1に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目9)
前記制動ロックリングギヤ(1)、前記プレテンションリング(2)、および前記制動ハブ(4)は、異なる材料から作製されている、項目1に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目10)
前記制動ハブ(4)の前記外周面(16)の前記第1の円錐面(8)および前記第2の円錐面(9)は、セラミック材料でコーティングされている、項目1に記載のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置。
(項目11)
項目1-10のいずれか1項に記載の鋸歯状安全制動装置を備えているロボットジョイント。
(項目12)
ロボットであって、前記ロボットは、
作業アームと、
シャフト(C)を有するロボットジョイントであって、前記ロボットジョイントは、前記作業アームを接続するために使用されている、ロボットジョイントと、
主要支持体(5)と、
項目11に記載のロボットジョイントと
を備えている、ロボット。
【図面の簡単な説明】
【0022】
以下の付随の図面は、本発明を図式的に図示および解説するためにのみ意図され、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
【
図1】
図1は、ロボットの主要支持体も示される本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の斜視図である。
【0024】
【
図2】
図2は、ロボットの主要支持体を示すロボットジョイントのシャフトの軸の方向に沿って視認する本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の斜視図である。
【0025】
【
図3】
図3は、ロボットの主要支持体と、電磁気伸縮装置が係止位置に位置付けられることとを示す
図3のB-Bにおいて得られた本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の断面図である。
【0026】
【
図4】
図4は、電磁気伸縮装置が非係止位置に位置付けられることを示す
図3のB-Bにおいて得られた本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の断面図である。
【0027】
【
図5】
図5は、
図3の円形Aにおいて得られた本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の部分断面図である。
【0028】
(参照番号の一覧)
1.制動ロックリングギヤ
2.プレテンションリング
3.係止ねじ
4.制動ハブ
5.主要支持体
6.電磁気伸縮装置
7.シャフト接続ボルト
8.第1の円錐面
9.第2の円錐面
10.摩擦係合構成部品
11.歯
12.第1の中心嵌め合い孔
13.第2の中心嵌め合い孔
14.第1の端面
15.第2の端面
16.外周面
17.作業ビット
C.シャフト
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の技術的特徴、目的、および効果がより明確に理解されるように、本発明の具体的実施形態が、付随の図面を参照してここで説明される。
【0030】
本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置と、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を含むロボットとの構成および実施例が、下記にさらに詳細に説明されるであろう。
【0031】
図1は、本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の斜視図であり、ロボットジョイントの主要支持体5を示すが、ロボットジョイントのシャフトCは示していない。
【0032】
図2および
図3は、それぞれ、本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の側面図および断面図であり、ロボットの主要支持体5を示す。
【0033】
図2および
図3に示されるように、ロボットジョイントのシャフトCと協働して使用される本発明のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置は、摩擦係合構成部品10と、電磁気伸縮装置6とを含む。
【0034】
摩擦係合構成部品10は、制動ロックリングギヤ1と、プレテンションリング2と、制動ハブ4とを含む。制動ロックリングギヤ1は、円盤形であり、制動ロックリングギヤ1は、その外周面上に配置された歯11と、第1の中心嵌め合い孔12とを具備する。プレテンションリング2は、円盤形であり、プレテンションリング2は、第2の中心嵌め合い孔13を具備する。制動ハブ4も、円盤形であり、制動ハブ4は、第1の端面14と、第2の端面15と、外周面16とを具備する。制動ハブ4、そして、摩擦係合構成部品10は、シャフト接続ボルト7を介して、ロボットジョイントのシャフトCの端面(図示せず)に固定される。制動ロックリングギヤ1およびプレテンションリング2は、第1の中心嵌め合い孔12および第2の中心嵌め合い孔13を介して、並列に配置され、制動ハブ4の外周面16上で摩擦係合される。
【0035】
電磁気伸縮装置6は、主要支持体5上に搭載され、主要支持体5は、例えば、螺合接続を通してロボットの筐体(図示せず)に取り付けられ、電磁気伸縮装置6は、作業ビット17を具備し、作業ビット17は、係止位置と非係止位置との間でロボットジョイントのシャフトCの軸(図示せず)の方向に沿って移動することが可能である。
図3に示される係止位置において、電磁気伸縮装置6の作業ビット17は、シャフトCの回転を停止させるように、摩擦係合構成部品10の制動ロックリングギヤ1上の歯11と係合されることができる。
図4に示される非係止位置において、電磁気伸縮装置6の作業ビット17は、シャフトCが回転することを可能にするように、摩擦係合構成部品10の制動ロックリングギヤ1上の歯11から係合解除されることができる。
【0036】
図5に示されるように、制動ロックリングギヤ1とプレテンションリング2とは、係止ねじ3を用いて、第1の中心嵌め合い孔12および第2の中心嵌め合い孔13を介して、並列に配置され、制動ハブ4の外周面16上で摩擦係合される。制動ハブ4の外周面16は、第1の端面14から上向きに傾いた第1の円錐面8と、第2の端面15から上向きに傾いた第2の円錐面9とを有する。制動ハブ4の外周面16上の第1の円錐面8および第2の円錐面9は、制動ハブの垂直断面に対して互いの鏡像である。
【0037】
制動ロックリングギヤ1の第1の中心嵌め合い孔12は、制動ハブ4の外周面16上の第1の円錐面8と適合するように、円錐孔として構成される。プレテンションリング2の第2の中心嵌め合い孔13は、制動ハブ4の外周面16上の第2の円錐面9と適合するように、円錐孔として構成される。
【0038】
制動ロックリングギヤ1およびプレテンションリング2は、係止ねじ3を介して、並列に配置され、制動ハブ4の外周面16上で摩擦係合され、間隙が、制動ロックリングギヤ1とプレテンションリング2との間に存在する。さらに、制動ロックリングギヤ1とプレテンションリング2との間の間隙は、制動ロックリングギヤ1およびプレテンションリング2によって制動ハブ4に及ぼされるプレテンション力を制御するように、係止ねじ3を介して調節されることができる。
【0039】
制動ロックリングギヤ1、プレテンションリング2、および制動ハブ4は、鋼鉄等の同じ材料から作製されることができる。異なる実施形態では、制動ロックリングギヤ1およびプレテンションリング2は、高強度ばね鋼鉄から作製されることができる一方、制動ハブ4は、より耐摩耗性の鉄鋼材料から作製される。
【0040】
制動ハブ4の外周面16の摩耗抵抗を増加させるために、制動ハブ4の第1の円錐面8および第2の円錐面9は、セラミック材料でコーティングされる。
本発明によるロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置の動作プロセスは、下で詳細に説明されるであろう。
【0041】
実施例1:ロボットが電力供給されると、電磁気伸縮装置6の作業ビット17は、制動ロックリングギヤ1の歯から係合解除されるように後退させられる。この場合、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置は、
図4に示される非係止位置に位置付けられ、ロボットジョイントのシャフトCは、正常に回転することができる。
【0042】
実施例2:ロボットが電力オフにされ、シャフト上の外部負荷が大きくないと、電磁気伸縮装置6は、
図3に示される係止位置に位置付けられ、電磁気伸縮装置6の作業ビット17は、突出し、制動ロックリングギヤ1上の歯に接触し、それによって、シャフトCの回転を停止させる。
【0043】
実施例3:ロボットが電力オフにされ、シャフトC上の外部負荷が大きいと、電磁気伸縮装置6は、
図3に示される係止位置に位置付けられ、電磁気伸縮装置6の作業ビット17は、突出し、制動ロックリングギヤ1上の歯に接触し、制動ロックリングギヤ1の第1の嵌め合い孔は、制動ハブ4の外周面16の第1の円錐面8に対してスライドする。一方、プレテンションリング2の第2の嵌め合い孔は、制動ハブ4の外周面16の第2の円錐面9に対してスライドする。シャフトCは、減衰を伴ってスライドし、それによって、ロボットの伝動ギヤを保護することができる。
【0044】
加えて、本発明は、ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を含むロボットにさらに関する。ロボットは、作業アームと、作業アームを接続し、シャフトCを具備するロボットジョイントと、主要支持体5とを含む。
【0045】
本発明のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置が、制動効果を提供するために、制動ハブ4の円錐面との制動ロックリングギヤ1およびプレテンションリング2の協働を通して、摩擦係合を達成するが、当業者は、制動ロックリングギヤ1およびプレテンションリング2の種々の形状が、制動ハブ4と適合し、摩擦係合を達成し、それによって、制動効果を提供する他の実施形態が採用され得ることを理解するであろう。
【0046】
本発明のロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置は、制動するために円錐面の摩擦を利用する。ロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置は、サイズが小さく、重量が軽く、熱発生が低く、かつ動作が信頼性があり、シャフト伝動機構を保護することができる。ロボットがロボットジョイントにおける使用のための鋸歯状安全制動装置を含むので、ロボットは、安全性を確実にするための緊急停止または制動を生じさせることができる。
【0047】
説明は、各実施形態に従って説明されるが、各実施形態が、ある独立した技術的解決策のみを含むことを意味しないことを理解されたい。このように説明される説明は、単に、明確性の目的のためのものである。当業者は、種々の実施形態の技術的解決策も、当業者によって理解され得る他の実施形態を形成するために適切に組み合わせられ得るように、説明を全体として考慮するべきである。
【0048】
上記は、単に、本発明の概略具体的実施形態にすぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の概念および原理から逸脱することなく、当業者によって作製される任意の均等変形例、修正、および組み合わせは、本発明の保護の範囲内に該当する。