(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-22
(45)【発行日】2023-12-01
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20231124BHJP
【FI】
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2023010819
(22)【出願日】2023-01-27
【審査請求日】2023-01-27
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)1ウェブサイトの掲載日 2022年6月10日、2022年8月2日 2ウェブサイトのアドレス https://play.google.com/console/developers https://play.google.com/store/apps/details?id=tt.zdc.app.ddsupport (2)1ウェブサイトの掲載日 2022年6月10日、2022年8月26日、2022年8月31日 2ウェブサイトのアドレス https://developer.apple.com/account/ https://appstoreconnect.apple.com/ https://apps.apple.com/jp/app/ncs%E9%81%8B%E8%A1%8C%E6%94%AF%E6%8F%B4/id1640221551 (3)1ウェブサイトの掲載日 2022年9月14日 2ウェブサイトのアドレス https://ncsdd.ncsol.co.jp/ncsdd/ (4)1ウェブサイトの掲載日 2022年9月15日 2ウェブサイトのアドレス https://www.ncsol.co.jp/telematics/smartphone_app/ (5)1配布日 2022年8月15日~11月8日、2022年11月9日以降 2配布場所 営業先 (6)1配布日 2022年7月19日 2配布場所 営業先 (7)1開催日 2022年10月19日 2ウェブセミナーのアドレス https://www.ncsol.co.jp/telematics/column/008.html (8)1配布日 2022年4月20日 2配布場所 営業先 (9)1展示日 2022年5月18日 2展示会名、開催場所 つくばフォーラム NTT筑波研究開発センタ(茨城県つくば市花畑1丁目7番1号)
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306004346
【氏名又は名称】日本カーソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(72)【発明者】
【氏名】石田 雄一
(72)【発明者】
【氏名】兒島 智樹
(72)【発明者】
【氏名】坂田 幸光
(72)【発明者】
【氏名】新橋 忠彦
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-026430(JP,A)
【文献】特開2007-058295(JP,A)
【文献】特開2005-157599(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する数値検出部と、
前記検出されたアルコール濃度の数値を、前記対象の運転者を識別する運転者識別情報
に関連付けて記憶装置に記憶させる記憶処理部と、
を備える管理システム。
【請求項2】
前記数値検出部は、前記画像から解像度を落とした低解像度画像を生成し、生成した低解像度画像に基づいて、前記アルコール濃度の数値を検出する
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
対象の運転者から入力されたアルコール濃度を取得する濃度取得部と、
前記対象の運転者による入力のアルコール濃度と、前記画像認識処理によって検出されたアルコール濃度の数値とが一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定の結果、一致していない場合、一致していないことを報知する 出力部と、
を備える請求項1または2に記載の管理システム。
【請求項4】
対象の運転者によって指定されたアルコール検知器の機種を取得する機種取得部と、
前記撮像部による撮像の際に、前記取得された機種の外形または当該機種のディスプレイに応じたガイドラインまたは枠を端末の画面に表示するよう制御する表示制御部と、
を備える請求項1に記載の管理システム。
【請求項5】
対象の運転者によって指定されたアルコール検知器の機種を取得する機種取得部と、
前記撮像部による撮像の際に、前記取得された機種に対応する画面領域を透明に、当該画面領域以外の画面領域を透明以外の色で表示するよう制御する表示制御部と、
を備える請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
撮像部が、対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する手順、
数値検出部が、前記撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する手順、
記憶処理部が、前記検出されたアルコール濃度の数値を、前記対象の運転者を識別する運転者識別情報に関連付けて記憶装置に記憶させる手順、
を有する管理方法。
【請求項7】
対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する撮像部を備える端末に、
前記撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する手順、
前記検出された
アルコール濃度の数値を
、前記対象の運転者を識別する運転者識別情報に関連付けて記憶装置に記憶させる手順、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルコール検知器によって運転者の呼気に含まれるアルコール濃度を検出した記録は、紙ベースの管理簿に記入して記録を残すことが多い。このため、管理者は複数の運転者の結果を確認することなどに時間がかかる。紙管理のため、管理者は紙のあるところに行って確認するしかないので、情報確認や統合的な管理をする際に場所の制約を受ける。
【0003】
これに対して、アルコール検知器の機種によっては、アルコール検知器で測定したデータを通信によって外部に送信することによって証跡とすることもできる。例えば特許文献1では、アルコール検知器からアルコール検知結果を通信によって受信する制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アルコール検知器で測定したデータを通信によって外部に送信する機能を有するアルコール検知器の値段が高い。アルコール検知器のセンサが劣化するため耐久年数が限定されているから使い捨てであり買い替えが必要のためアルコール検知器は安い方が好ましい。一方、アルコール検知結果を通信によって外部に送信する機能がないアルコール検知器は安価であるが、アルコール検知結果のデータ収集がアルコール検知器毎に実施しなくてはいけないので手間がかかる。またアルコール検知対象の運転者とアルコール検知結果の紐づけを管理することが難しいという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、検知したアルコール濃度を通信によって外部に送信する機能がないアルコール検知器を利用した場合であっても、アルコール検知結果のデータ収集を容易化し且つアルコール検知対象の運転者とアルコール検知結果を関連付けて管理することを可能とする管理システム、管理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係る管理システムは、対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する撮像部と、前記撮像部によって撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する数値検出部と、前記検出されたアルコール濃度の数値を、前記対象の運転者を識別する運転者識別情報に関連付けて記憶装置に記憶させる記憶処理部と、を備える。
【0008】
本発明の第2の態様に係る管理システムは、第1の態様に係る管理システムであって、前記数値検出部は、前記画像から解像度を落とした低解像度画像を生成し、生成した低解像度画像に基づいて、前記アルコール濃度の数値を検出する。
【0009】
本発明の第3の態様に係る管理システムは、第1または2の態様に係る管理システムであって、対象の運転者から入力されたアルコール濃度を取得する濃度取得部と、前記対象の運転者による入力のアルコール濃度と、前記画像認識処理によって検出されたアルコール濃度の数値とが一致するか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定の結果、一致していない場合、一致していないことを報知する 出力部と、を備える。
【0010】
本発明の第4の態様に係る管理システムは、第1から3のいずれかの態様に係る管理システムであって、対象の運転者によって指定されたアルコール検知器の機種を取得する機種取得部と、前記撮像部による撮像の際に、前記取得された機種の外形または当該機種のディスプレイに応じたガイドラインまたは枠を端末の画面に表示するよう制御する表示制御部と、を備える。
【0011】
本発明の第5の態様に係る管理システムは、第1から3のいずれかの態様に係る管理システムであって、対象の運転者によって指定されたアルコール検知器の機種を取得する機種取得部と、前記撮像部による撮像の際に、前記取得された機種に対応する画面領域を透明に、当該画面領域以外の画面領域を透明以外の色で表示するよう制御する表示制御部と、を備える。
【0012】
本発明の第6の態様に係る管理方法は、対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する手順、前記撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する手順、前記検出された数値を前記画像と関連付けて記憶装置に記憶させる手順、を有する。
【0013】
本発明の第7の態様に係るプログラムは、対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する撮像部を備える端末に、前記撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する手順、前記検出された数値を前記画像と関連付けて記憶装置に記憶させる手順、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、検知したアルコール濃度を通信によって外部に送信する機能がないアルコール検知器を利用した場合であっても、アルコール検知結果のデータ収集を容易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る管理システムの概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係る運転者端末の概略構成図である。
【
図3】本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
【
図5】撮影画像から生成された低解像度画像の一例である。
【
図7】管理者端末に表示されるアルコールチェック実績一覧の一例である。
【
図8】本実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0017】
図1は、本実施形態に係る管理システムの概略構成図である。
図1に示すように、情報処理システムSは、アルコール検知対象の運転者それぞれが使用する運転者端末1-1、…、1-N(Nは自然数)とコンピュータシステム2と、運転者を管理する管理者が使用する管理者端末3とを備える。運転者端末1-1、…、1-Nの各々は、コンピュータシステム2と通信回路網CNを介して通信可能に接続されている。管理者端末3は、コンピュータシステム2と通信回路網CNを介して通信可能に接続されている。運転者端末1-1、…、1-N、管理者端末3は、例えばスマートフォン、タブレット運転者端末、ノートパソコンなどである。以下、運転者端末1-1、…、1-Nを総称して運転者端末1ともいう。
【0018】
アルコール検知器4-1、…、4-Nは、アルコール検知対象の運転者それぞれが使用するものであり、例えば呼気に含まれるアルコール濃度を検知するが、例えば検知したアルコール濃度を通信によって外部に送信する機能がない。なお、アルコール検知器4-1、…、4-Nの一部または全部は、検知したアルコール濃度を通信によって外部に送信する機能を備えていてもよい。
【0019】
図2は、本実施形態に係る運転者端末の概略構成図である。
図2に示すように、運転者端末1は一例として、入力インタフェース11と、通信モジュール12と、記憶装置13と、メモリ14と、ディスプレイ15と、プロセッサ16と、撮像部17を備える。なお、ここでは一態様として運転者端末1は一つのプロセッサ16を備えるとして説明するが、複数あってもよく、すなわち一以上のプロセッサを備えればよい。またここでは一態様として運転者端末1は一つの記憶装置13を備えるとして説明するが、複数あってもよく、すなわち一以上の記憶装置を備えればよい。なお、撮像部17は運転者端末1に外付けであってもよい。
【0020】
入力インタフェース11は、アルコール検知対象の運転者からの入力を受け付け、受け付けた入力に応じた入力信号をプロセッサ16へ出力する。通信モジュール12は、通信回路網CNに接続されており、コンピュータシステム2と通信する。この通信は有線であっても無線であってもよい。
【0021】
ストレージ13は記憶装置の一例であり、プロセッサ16が読み出して実行するためのプログラム及び各種のデータが格納されている。メモリ14は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ14は、揮発性メモリであり、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0022】
ディスプレイ15はプロセッサ16からの映像信号に基づいて情報を表示する。プロセッサ16は、ストレージ13からプログラムをメモリ14にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって数値検出部161、機種取得部162、表示制御部163、濃度取得部164、通信制御部165として機能する。通信制御部165は、通信モジュール12を制御する。
【0023】
図3は、本実施形態に係るコンピュータシステムの概略構成図である。
図3に示すように、コンピュータシステム2は一例として、入力インタフェース21と、通信モジュール12と、ストレージ23と、メモリ24と、出力インタフェース25と、プロセッサ26とを備える。なお、ここでは一態様としてコンピュータシステム2は一つのプロセッサ26を備えるとして説明するが、複数あってもよく、すなわち一以上のプロセッサを備えればよい。またここでは一態様としてコンピュータシステム2は一つのストレージ23を備えるとして説明するが、複数あってもよく、すなわち一以上のストレージを備えればよい。
【0024】
入力インタフェース21は、コンピュータシステム2の管理者(例えば、管理団体の従業員)からの入力を受け付け、受け付けた入力に応じた入力信号をプロセッサ26へ出力する。通信モジュール22は、通信回路網CNに接続されており、運転者端末1-1、…、1-Nの各々と通信する。この通信は有線であっても無線であってもよい。
【0025】
ストレージ23は記憶装置の一例であり、プロセッサ26が読み出して実行するためのプログラム及び各種のデータが格納されている。メモリ24は、データ及びプログラムを一時的に保持する。メモリ24は、揮発性メモリであり、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0026】
出力インタフェース25は、外部の装置と接続可能であり、当該外部の装置へ信号を出力可能である。プロセッサ26は、ストレージ23からプログラムをメモリ24にロードし、当該プログラムに含まれる一連の命令を実行することによって、記憶処理部261、判定部262、出力部263、通信制御部264を行う。通信制御部264は、通信モジュール22を制御する。
【0027】
図4は、運転者端末における画面遷移の一例である。前提として、アルコール検知対象の運転者がアルコール検知器によって呼気のアルコール濃度を計測した後に、運転者端末1を操作することを想定する。
図4における画面G1において、アルコール検知器の機種を選択するセレクトボックスB1が表示されており、撮影ボタンB2が表示されている。画面G1における撮影ボタンB2が押されると撮影画面G2に遷移する。
【0028】
アルコール検知対象の運転者は、アルコール検知器に表示されたアルコール濃度のデジタル数値が少なくとも画角に収まった状態(ここでは一例としてアルコール検知器全体が画角に収まった状態)で、撮影ボタンB3を押す。撮影ボタンB3が押されると、画面G3に遷移する。画面G3において、撮影によって得られた撮影画像R3が表示され、アルコール検知器に表示された測定値を入力するためのテキストボックスB4が表示される。また、画像認識ボタンB5が設けられており、この画像認識ボタンB5が押されると、運転者端末1またはコンピュータシステム2によって画像認識が実行されて撮影画像からアルコール濃度の数値が抽出され、抽出された数値が画像認識値としてテキストボックスB6に表示される。
【0029】
画面G3を下にスクロールした画面G4において、発熱の有無選択用のラジオボタンB7、体調の良否選択用ラジオボタンB8、運転者コメント入力用のテキストエリアB9、入力完了ボタンB10が表示されている。入力完了ボタンB10が押されると、運転者端末1から、対象の運転者を識別する運転者識別情報、アルコール濃度入力値などの入力値、アルコール濃度画像認識値、撮影画像などがコンピュータシステム2へ送信される。
【0030】
撮像部17は、対象の運転者の操作に応じて、対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する。数値検出部161は、撮像部によって撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する。この画像認識処理は公知の技術が利用できる。その後、コンピュータシステム2の記憶処理部261は、検出されたアルコール濃度の数値を、対象の運転者を識別する運転者識別情報を関連付けてストレージ23に記憶させる。この構成によれば、検知したアルコール濃度を通信によって外部に送信する機能がないアルコール検知器を利用した場合であっても、アルコール検知結果のデータ収集を容易化し且つアルコール検知対象の運転者とアルコール検知結果を関連付けて管理することができる。
【0031】
この画像認識処理の際、数値検出部161は、撮像画像から解像度を落とした低解像度画像を生成し、生成した低解像度画像に基づいて、前記アルコール濃度の数値を検出する。ここで低解像度画像について
図5を用いて説明する。
【0032】
図5は、撮影画像から生成された低解像度画像の一例である。撮影画像G11に含まれるデジタル数値は、一部に隙間が存在するため、数値として認識することが難しいという問題がある。これに対して、撮影画像G11から解像度を落とした低解像度画像G12に含まれる数値は、隙間がなくなるため、数値として認識することが容易である。これによって、数値の認識精度を上げることができる。
【0033】
図6は、管理者端末の画面の一例である。
図6における画面G11aには、アルコールチェック実績一覧が表示される。画面G11aにおけるチェック結果の欄のリンク(例えば、〇または×などでリンクが表される)を押すと、例えば同じ画面G11bの上に、該当する運転者のアルコールチェック実績詳細画面G12がポップアップで表示される。アルコールチェック実績詳細画面G12において、撮影画像R12が表示され、撮影画像R12をクリックすると、撮影画像R13に示すように拡大表示される。これによって、管理者は、撮影画像から、アルコール検知器が示すアルコール濃度を目視で確認することができる。
【0034】
上記の課題に加えて、管理者がアルコール検知器の画像をひとつずつ確認して、ユーザによって入力されたアルコール濃度が正しいか確認する場合に、運転者が多い場合は時間や手間がかかるという問題がある。
図7は、管理者端末に表示されるアルコールチェック実績一覧の一例である。
図7に示すように、アルコールチェック実績一覧T11のチェック結果の欄において、〇はアルコール検知結果が問題ない(すなわちアルコール濃度が基準値以下)ことを表し、×はアルコール検知結果に問題がある(すなわちアルコール濃度が基準値を超える)ことを表している。
【0035】
一方、アルコールチェック実績一覧T12のチェック結果の欄において、矢印A12が指す「画像相違あり」は、画像認識処理によって検出されたアルコール濃度の数値と、運転者が入力したアルコール濃度の数値が異なっていることを示している。この表示を実現するために、以下の処理が実行される。
【0036】
濃度取得部164は、対象の運転者から入力されたアルコール濃度を取得する。そして判定部262は、対象の運転者による入力のアルコール濃度と、前記画像認識処理によって検出されたアルコール濃度の数値とが一致するか否かを判定する。そして出力部263は、判定部262による判定の結果、一致していない場合、一致していないことを報知する。この報知の一態様として、
図7のアルコールチェック実績一覧T12において、「画像相違あり」と表示するように情報を出力してもよい。これによって、管理者の写真確認負担を軽減することができる。
【0037】
図8は、本実施形態の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(ステップS110)端末1は、アルコール検知器の機種を受け付ける。
【0038】
(ステップS120)端末1は、対象の運転者の操作に従って、対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する。
【0039】
(ステップS130)端末1は、対象の運転者から、アルコール濃度の入力値を受け付ける。
【0040】
(ステップS140)端末1は、画像認識ボタンが押されたか否か判定する。
【0041】
(ステップS150)ステップS140で画像認識ボタンが押された場合、端末1の数値検出部161は例えば、撮影画像を低解像度画像に変換する。
【0042】
(ステップS160)端末1の数値検出部161は、低解像度画像からアルコール濃度の数値の検出する。
【0043】
(ステップS170)端末1は、入力完了ボタンが押されたか否かを判定する。
【0044】
(ステップS180)ステップS170で入力完了ボタンが押された場合、端末1は運転者識別情報、アルコール濃度入力値などの入力値、アルコール濃度画像認識値、撮影画像などをコンピュータシステム2へ送信する。
【0045】
(ステップS210)コンピュータシステム2の判定部262は、アルコール濃度入力値、アルコール濃度画像認識値が一致するか否か判定する。
【0046】
(ステップS220)ステップS210で一致すると判定された場合、コンピュータシステム2の記憶処理部261は、一致する旨の情報で、アルコールチェックテーブルを更新する。ここで、アルコールチェックテーブルはストレージ23に格納され、アルコールチェック実績一覧を構成する情報が含まれている。そして処理がステップS240に進む。
【0047】
(ステップS230)ステップS210で一致しないと判定された場合、コンピュータシステム2の記憶処理部261は、一致しない旨の情報で、アルコールチェックテーブルを更新する。そして処理がステップS240に進む。
【0048】
(ステップS240)コンピュータシステム2の判定部262は、アルコール濃度入力値が基準値を超えているか否か判定する。
【0049】
(ステップS250)ステップS240でアルコール濃度入力値が基準値を超えている場合、コンピュータシステム2の記憶処理部261は、アルコール濃度に問題がある旨の情報でアルコールチェックテーブルを更新する。
【0050】
(ステップS260)ステップS240でアルコール濃度入力値が基準値を超えていない場合、コンピュータシステム2の記憶処理部261は、アルコール濃度に問題がない旨の情報でアルコールチェックテーブルを更新する。
【0051】
(ステップS270)コンピュータシステム2の出力部263は、更新されたアルコールチェックテーブルに基づいて、アルコールチェック実績一覧を更新する。
【0052】
図9Aは、撮影画面の第1の変形例である。
図9Aの撮影画面G21において、アルコール検知器の機種に応じて枠L21が表示される。なお、枠L21ではなくガイドラインであってもよい。
【0053】
図9Bは、撮影画面の第2の変形例である。
図9Bの撮影画面G22において、アルコール検知器の機種に応じて枠L22が表示される。なお、枠L22ではなくガイドラインであってもよい。
【0054】
図9A及び
図9Bの表示を実現するために以下の処理が実行される。端末1の機種取得部162は、対象の運転者によって指定されたアルコール検知器の機種を取得する。そして端末1の表示制御部163は、撮像部17による撮像の際に、取得された機種の外形または当該機種のディスプレイに応じたガイドラインまたは枠を端末の画面に表示するよう制御してもよい。この構成によれば、対象の運転者は、このガイドラインまたは枠にアルコール検知器のディスプレイを合わせて撮影することができるので、撮影画像中におけるデジタル数値の画像領域の位置を限定でき、デジタル数値の画像認識精度を向上させることができる。
【0055】
図9Cは、撮影画面の第3の変形例である。
図9Cの撮影画面G23において、アルコール検知器の機種に対応する画面領域R23は透明であるが、この画面領域R23以外の画面領域R24が透明以外の色(例えば黒色)で表示されている。
【0056】
図9Cの表示を実現するために以下の処理が実行される。端末1の機種取得部162は、対象の運転者によって指定されたアルコール検知器の機種を取得する。そして端末1の表示制御部163は、撮像部17による撮像の際に、取得された機種に対応する画面領域を透明に、当該画面領域以外の画面領域を透明以外の色で表示するよう制御してもよい。この構成によれば、対象の運転者は、アルコール検知器全体またはディスプレイを透明な画像領域に収まるように撮影することができるので、撮影画像中におけるデジタル数値の画像領域の位置を限定でき、デジタル数値の画像認識精度を向上させることができる。
【0057】
なお、運転者端末1のプロセッサで実現される機能がコンピュータシステム2で実現されてもよいし、コンピュータシステム2のプロセッサで実現される機能が運転者端末1で実現されてもよい。具体的には例えば運転者端末1が、記憶処理部261、判定部262、出力部263を備えてもよいし、例えばコンピュータシステム2が数値検出部161を備えてもよい。
【0058】
なお、上述した実施形態で説明したコンピュータシステム2の少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、コンピュータシステム2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0059】
また、コンピュータシステム2の少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0060】
さらに、一つまたは複数の情報機器によってコンピュータシステム2を機能させてもよい。複数の情報機器を用いる場合、そのうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することによりコンピュータシステム2の少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0061】
以上、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0062】
161 数値検出部、162 機種取得部、163 表示制御部、164 濃度取得部、165 通信制御部、261 記憶処理部、262 判定部、263 出力部、264 通信制御部
【要約】 (修正有)
【課題】検知したアルコール濃度を通信によって外部に送信する機能がないアルコール検知器を利用した場合であっても、アルコール検知結果のデータ収集を容易化する。
【解決手段】情報処理システムSにおいて、運転者端末は、プロセッサに対象の運転者のアルコール濃度を検知するアルコール検知器によって表示されたデジタル数値を含むように撮像する撮像部と撮像部によって撮像して得られた撮像画像から画像認識処理によって、アルコール濃度の数値を検出する数値検出部を備える。コンピュータシステムは、検出されたアルコール濃度の数値を、対象の運転者を識別する運転者識別情報に関連付けて記憶装置に記憶させる記憶処理部を備える。
【選択図】
図1