(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】蓄電池システム、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20231127BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20231127BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20231127BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20231127BHJP
【FI】
H02J7/00 B
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H02J7/00 302C
H02J7/02 J
(21)【出願番号】P 2019122441
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】則竹 良典
(72)【発明者】
【氏名】吉武 晃
(72)【発明者】
【氏名】加藤 友美
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/145658(WO,A1)
【文献】特開2009-213288(JP,A)
【文献】特開2012-235628(JP,A)
【文献】国際公開第2019/103059(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
H02M 3/00 - 3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが蓄電池と直流バスとの間に接続される双方向の複数のDC/DCコンバータと、
前記複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータをそれぞれ制御することにより、前記蓄電池の充電及び放電を制御する複数の制御部と、を備え、
前記複数の制御部の各々は、
前記蓄電池が特定の条件を満たしている場合に、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記直流バスに印加されるバス電圧の目標電圧を変化させ
、
前記特定の条件は、前記蓄電池の満充電容量に対する残容量の割合が所定値以下である、
蓄電池システム。
【請求項2】
それぞれが蓄電池と直流バスとの間に接続される双方向の複数のDC/DCコンバータと、
前記複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータをそれぞれ制御することにより、前記蓄電池の充電及び放電を制御する複数の制御部と、
前記直流バスに印加されるバス電圧を測定する測定部と、を備え、
前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記バス電圧の目標電圧を変化させ、
前記複数の制御部の各々は、前記対応するDC/DCコンバータに前記直流バスを介して接続されている他回路からの情報に基づいて、前記測定部で測定される前記バス電圧を調整する、
蓄電池システム。
【請求項3】
前記複数の制御部の各々は、少なくとも前記蓄電池情報に基づいて、前記目標電圧を変化させ、
前記蓄電池情報は、前記蓄電池の残容量と、前記蓄電池の満充電容量に対する残容量の割合と、の少なくとも一方を含む、
請求項1又は2に記載の蓄電池システム。
【請求項4】
前記複数の制御部の各々は、前記目標電圧と前記バス電圧との差分に応じて、前記対応するDC/DCコンバータの動作を制御する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の蓄電池システム。
【請求項5】
前記複数のDC/DCコンバータに前記直流バスを介して接続されるインバータを更に備える、
請求項1~4のいずれか1項に記載の蓄電池システム。
【請求項6】
前記蓄電池を更に備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の蓄電池システム。
【請求項7】
それぞれが蓄電池と直流バスとの間に接続される複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータを複数の制御部の各々が制御することにより前記蓄電池の充電及び放電を制御する制御方法であって、
前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池が特定の条件を満たしている場合に、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記直流バスに印加されるバス電圧の目標電圧を変化させ、
前記特定の条件は、前記蓄電池の満充電容量に対する残容量の割合が所定値以下である、
制御方法。
【請求項8】
それぞれが蓄電池と直流バスとの間に接続される複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータを複数の制御部の各々が制御することにより前記蓄電池の充電及び放電を制御する制御方法であって、
前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記直流バスに印加されるバス電圧の目標電圧を変化させ、
前記複数の制御部の各々は、前記対応するDC/DCコンバータに前記直流バスを介して接続されている他回路からの情報に基づいて、前記バス電圧を測定する測定部で測定される前記バス電圧を調整する、
制御方法。
【請求項9】
1以上のプロセッサに、
請求項7又は8に記載の制御方法を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に蓄電池システム、制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、蓄電池の充電及び放電を制御する蓄電池システム、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光発電装置の直流出力を使って電機製品に電力を供給する太陽光発電システム(電力変換システム)が開示されている。この太陽光発電システムでは、インバータに、太陽電池アレイとバッテリーとが並列に接続されている。インバータは、太陽電池アレイ又はバッテリーからの直流電力を交流に変換して、連系スイッチを介して電力系統に出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、蓄電池の残容量を調整しやすい蓄電池システム、制御方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る蓄電池システムは、双方向の複数のDC/DCコンバータと、複数の制御部と、を備える。前記複数のDC/DCコンバータは、それぞれが蓄電池と直流バスとの間に接続される。前記複数の制御部は、前記複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータをそれぞれ制御することにより、前記蓄電池の充電及び放電を制御する。前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池が特定の条件を満たしている場合に、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記直流バスに印加されるバス電圧の目標電圧を変化させる。前記特定の条件は、前記蓄電池の満充電容量に対する残容量の割合が所定値以下である。
本開示の一態様に係る蓄電池システムは、双方向の複数のDC/DCコンバータと、複数の制御部と、測定部と、を備える。前記複数のDC/DCコンバータは、それぞれが蓄電池と直流バスとの間に接続される。前記複数の制御部は、前記複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータをそれぞれ制御することにより、前記蓄電池の充電及び放電を制御する。前記測定部は、前記直流バスに印加されるバス電圧を測定する。前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記バス電圧の目標電圧を変化させる。前記複数の制御部の各々は、前記対応するDC/DCコンバータに前記直流バスを介して接続されている他回路からの情報に基づいて、前記測定部で測定される前記バス電圧を調整する。
【0006】
本開示の一態様に係る制御方法は、それぞれ蓄電池と直流バスとの間に接続される複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータを複数の制御部の各々が制御することにより前記蓄電池の充電及び放電を制御する方法である。前記制御方法では、前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池が特定の条件を満たしている場合に、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記直流バスに印加されるバス電圧の目標電圧を変化させる。前記特定の条件は、前記蓄電池の満充電容量に対する残容量の割合が所定値以下である。
本開示の一態様に係る制御方法は、それぞれ蓄電池と直流バスとの間に接続される複数のDC/DCコンバータのうち対応するDC/DCコンバータを複数の制御部の各々が制御することにより前記蓄電池の充電及び放電を制御する方法である。前記制御方法では、前記複数の制御部の各々は、前記蓄電池の入力電力、出力電力、前記対応するDC/DCコンバータの入力電力、出力電力、及び前記蓄電池に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、前記直流バスに印加されるバス電圧の目標電圧を変化させる。前記制御方法では、前記複数の制御部の各々は、前記対応するDC/DCコンバータに前記直流バスを介して接続されている他回路からの情報に基づいて、前記バス電圧を測定する測定部で測定される前記バス電圧を調整する。
【0007】
本開示の一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の制御方法を実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、蓄電池の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る蓄電池システムを示す概略ブロック図である。
【
図2】
図2は、同上の蓄電池システムが用いられる電力変換システムを示す概略回路図である。
【
図3】
図3は、同上の蓄電池システムにおける調整処理の説明図である。
【
図4】
図4は、同上の蓄電池システムの動作の説明図である。
【
図5】
図5は、同上の蓄電池システムにおける目標電圧とSOCとの相関図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、それぞれ同上の蓄電池システムにおける2つの蓄電池のSOCの時系列変化の説明図である。
【
図7】
図7は、同上の蓄電池システムにおける目標電圧とSOCとの相関図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)概要
本実施形態の蓄電池システム200は、
図1に示すように、外部(例えば、単相3線式の電力系統SY1)から供給される電力を受けて蓄電池B1を充電させる機能、及び蓄電池B1を放電させることで蓄電池B1から外部に電力を供給する機能を有するシステムである。本開示でいう「電力系統」は、電力会社等の電気事業者が需要家の受電設備に電力を供給するためのシステム全体を意味する。
【0011】
蓄電池システム200は、
図2に示すように、電力変換システム100に用いられる。電力変換システム100は、分散型電源1を電力系統SY1に系統連系させるシステムである。本実施形態では、一例として、このような蓄電池システム200及び電力変換システム100が、オフィスビル、病院、商業施設及び学校等の、非住宅施設に導入される場合を想定して説明する。
【0012】
蓄電池システム200は、
図1に示すように、DC/DCコンバータ21と、制御部22と、を備えている。
【0013】
DC/DCコンバータ21は、双方向のDC/DCコンバータであって、蓄電池B1と直流バスDB1との間に電気的に接続されている。本開示でいう「直流バス」は、分散型電源1と電力系統SY1とを接続する、直流電力を供給するための電路である。DC/DCコンバータ21は、DC/DCコンバータ21から見て蓄電池B1が接続される側を「一次側」、直流バスDB1が接続される側を「二次側」とした場合に、一次側から二次側、及び二次側から一次側の両方向に直流電力を供給可能である。本開示でいう「接続する」は、端子、電子部品、又は電線等の要素同士を機械的に接続することの他、要素同士を電気的に接続することを含んでいる。
【0014】
制御部22は、DC/DCコンバータ21を制御することにより、蓄電池B1の充電及び放電を制御する。例えば、制御部22は、DC/DCコンバータ21を制御することにより、直流バスDB1に印加されているバス電圧VB1を降圧し、降圧した直流電圧を蓄電池B1に印加することで、蓄電池B1を充電させる。また、制御部22は、DC/DCコンバータ21を制御することにより、蓄電池B1の充電電圧を昇圧し、昇圧した直流電圧を直流バスDB1に印加することで、蓄電池B1を放電させる。
【0015】
本実施形態では、蓄電池システム200は、DC/DCコンバータ21を複数(
図1では2つ)備えており、複数のDC/DCコンバータ21の各々に、複数(
図1では2つ)の蓄電池B1のうちの対応する蓄電池B1が接続されている。以下、2つのDC/DCコンバータ21を区別する場合、一方のDC/DCコンバータ21を「第1DC/DCコンバータ211」、他方のDC/DCコンバータ21を「第2DC/DCコンバータ212」という。また、以下、2つの蓄電池B1を区別する場合、一方の蓄電池B1を「第1蓄電池B11」、他方の蓄電池B1を「第2蓄電池B12」という。また、本実施形態では、蓄電池システム200は、制御部22を複数(
図1では2つ)備えており、複数の制御部22は、それぞれ対応するDC/DCコンバータ21を制御する。以下、2つの制御部22を区別する場合、一方の制御部22を「第1制御部221」、他方の制御部22を「第2制御部222」という。
【0016】
本実施形態では、第1制御部221は、第1DC/DCコンバータ211を制御することにより、第1蓄電池B11の充電及び放電を制御する。また、第2制御部222は、第2DC/DCコンバータ212を制御することにより、第2蓄電池B12の充電及び放電を制御する。
【0017】
そして、制御部22は、蓄電池B1の入力電力、出力電力、DC/DCコンバータ21の入力電力、出力電力、及び蓄電池B1に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、直流バスDB1に印加されるバス電圧VB1の目標電圧V10(
図3参照)を変化させる。
【0018】
ここで、蓄電池B1を充電する場合の充電電力、及び蓄電池B1が放電する場合の放電電力は、いずれもバス電圧VB1の目標電圧V10に応じて変化する。このため、制御部22は、例えば蓄電池B1の入力電力及び出力電力、並びに蓄電池B1の充電率R1(
図3参照)に基づいて目標電圧V10を変化させることで、蓄電池B1の残容量に応じて、蓄電池B1の充電電力及び放電電力を調整することが可能である。したがって、本実施形態では、蓄電池B1の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0019】
(2)詳細
以下、本実施形態の蓄電池システム200、及び蓄電池システム200が用いられる電力変換システム100について詳細に説明する。
【0020】
(2.1)電力変換システム
まず、電力変換システム100について
図2を用いて詳細に説明する。電力変換システム100は、
図2に示すように、入力キャパシタC0と、DC/DCコンバータ2と、インバータ3と、ノイズフィルタ4と、解列リレー5と、自立リレー6と、制御部10と、を備えている。入力キャパシタC0、DC/DCコンバータ2、インバータ3、ノイズフィルタ4、解列リレー5、自立リレー6、及び制御部10は、いずれも1つの筐体101に収納されている。
【0021】
電力変換システム100には、
図2に示すように、分散型電源1が接続されている。本実施形態では、分散型電源1は、太陽電池を含む太陽光発電装置である。さらに、電力変換システム100には、
図2に示すように、DC/DCコンバータ21を介して蓄電池B1が接続されている。本実施形態では、電力変換システム100には、第1DC/DCコンバータ211を介して第1蓄電池B11が、第2DC/DCコンバータ212を介して第2蓄電池B12が接続されている。なお、
図2では、蓄電池システム200の制御部22及び測定部23の図示を省略している。
【0022】
第1蓄電池B11及び第1DC/DCコンバータ211、並びに第2蓄電池B12及び第2DC/DCコンバータ212は、いずれも直流バスDB1を介して分散型電源1と並列に接続されている。直流バスDB1は、DC/DCコンバータ2とインバータ3とを接続する一対の電線DB11,DB12により構成されている。以下では、一対の電線DB11,DB12のうちDC/DCコンバータ2の高電位に接続されている電線を「第1電線DB11」、DC/DCコンバータ2の低電位に接続されている電線を「第2電線DB12」という。また、以下では、分散型電源1、蓄電池B1、及びDC/DCコンバータ21がいずれも電力変換システム100の構成要素に含まれないとして説明するが、これらの一部又は全部が電力変換システム100の構成要素に含まれていてもよい。
【0023】
入力キャパシタC0は、
図2に示すように、分散型電源1とDC/DCコンバータ2との間に接続されている。入力キャパシタC0の第1電極13は、分散型電源1の正極11、及びDC/DCコンバータ2の高電位の入力端に接続されている。入力キャパシタC0の第2電極14は、分散型電源1の負極12、及びDC/DCコンバータ2の低電位の入力端に接続されている。入力キャパシタC0は、分散型電源1の出力する直流電圧を安定化する機能を有している。
【0024】
DC/DCコンバータ2は、非絶縁方式の昇圧型のDC/DCコンバータであり、
図2に示すように、インダクタL0と、ダイオードD0と、スイッチング素子Q0と、を有している。インダクタL0の第1端は、DC/DCコンバータ2の高電位の入力端に接続され、入力キャパシタC0の第1電極13に接続されている。インダクタL0の第2端は、ダイオードD0のアノードに接続されている。ダイオードD0のカソードは、DC/DCコンバータ2の高電位の出力端に接続され、出力キャパシタC1の第1電極15に接続されている。
【0025】
スイッチング素子Q0は、エンハンスメント型のnチャネルMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)からなる。スイッチング素子Q0のソースは、DC/DCコンバータ2の低電位の入力端及び出力端に接続され、入力キャパシタC0の第2電極14に接続されている。スイッチング素子Q0のドレインは、インダクタL0の第2端及びダイオードD0のアノードの接続点に接続されている。スイッチング素子Q0は、制御部10から与えられる制御信号S0によりオン/オフする。スイッチング素子Q0はMOSFETに限定されず、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)、又はバイポーラトランジスタ等の他の半導体スイッチ素子であってもよい。
【0026】
DC/DCコンバータ2は、スイッチング素子Q0が制御部10によりPWM(Pulse Width Modulation)制御されることで、入力キャパシタC0の両端電圧を昇圧可能である。具体的には、制御部10は、スイッチング素子Q0をスイッチング制御することで、入力キャパシタC0の両端電圧を昇圧し、昇圧した直流電圧を出力キャパシタC1及びインバータ3に出力する。
【0027】
出力キャパシタC1は、
図2に示すように、DC/DCコンバータ2とインバータ3との間に接続されている。出力キャパシタC1の第1電極15は、DC/DCコンバータ2の高電位の出力端、及びインバータ3の高電位の入力端に接続されている。出力キャパシタC1の第2電極16は、DC/DCコンバータ2の低電位の出力端、及びインバータ3の低電位の入力端に接続されている。出力キャパシタC1は、DC/DCコンバータ2の出力する直流電圧を安定化する機能を有している。
【0028】
インバータ3は、
図2に示すように、フルブリッジ接続された4つのスイッチング素子Q1~Q4を有している。スイッチング素子Q1~Q4は、いずれもデプレッション形のnチャネルMOSFETからなる。スイッチング素子Q1~Q4は、MOSFETに限定されず、例えば、IGBT、又はバイポーラトランジスタ等の他の半導体スイッチ素子であってもよい。
【0029】
インバータ3では、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q3の直列回路と、スイッチング素子Q2及びスイッチング素子Q4の直列回路とが、出力キャパシタC1の両端間に対して並列に接続されている。スイッチング素子Q1,Q2のドレインは、DC/DCコンバータ2の高電位の出力端、及び出力キャパシタC1の第1電極15に接続されている。スイッチング素子Q3,Q4のソースは、いずれもDC/DCコンバータ2の低電位の出力端、および出力キャパシタC1の第2電極16に接続されている。
【0030】
スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q3のドレインとの接続点(第1接続点)は、ノイズフィルタ4のインダクタL11及び解列リレー5の第1接点部51を介して、電力系統SY1に接続されている。また、第1接続点は、ノイズフィルタ4のインダクタL11及び自立リレー6の第1接点部61を介して、自立系統SY2にも接続されている。スイッチング素子Q2のソースとスイッチング素子Q4のドレインとの接続点(第2接続点)は、ノイズフィルタ4のインダクタL12及び解列リレー5の第2接点部52を介して、電力系統SY1に接続されている。また、第2接続点は、ノイズフィルタ4のインダクタL12及び自立リレー6の第2接点部62を介して、自立系統SY2にも接続されている。
【0031】
インバータ3は、双方向のDC/ACコンバータである。インバータ3は、スイッチング素子Q1~Q4が制御部10によりPWM制御されることで、直流電圧から交流電圧、又は交流電圧から直流電圧への変換を行う。つまり、インバータ3は、出力キャパシタC1からの直流電力を交流電力に変換して電力系統SY1へ出力する機能と、電力系統SY1からの交流電力を直流電力に変換して出力キャパシタC1へ出力する機能と、を有する。また、インバータ3は、解列リレー5が開放され、自立リレー6が閉成されている場合に、出力キャパシタC1からの直流電力を交流電力に変換して自立系統SY2へ出力する機能を有する。
【0032】
ノイズフィルタ4は、
図2に示すように、2つのインダクタL11,L12と、キャパシタC2と、を有している。インダクタL11の第1端は、スイッチング素子Q1のソース及びスイッチング素子Q3のドレインの接続点(第1接続点)に接続されている。インダクタL11の第2端は、解列リレー5の第1接点部51及び自立リレー6の第1接点部61に接続されている。インダクタL12の第1端は、スイッチング素子Q2のソース及びスイッチング素子Q4のドレインの接続点(第2接続点)に接続されている。インダクタL12の第2端は、解列リレー5の第2接点部52及び自立リレー6の第2接点部62に接続されている。また、インダクタL11の第2端とインダクタL12の第2端との間には、キャパシタC2が接続されている。ノイズフィルタ4は、インバータ3の出力する交流電圧の高周波成分を除去し正弦波状の電圧を生成する機能を有している。
【0033】
解列リレー5は、
図2に示すように、第1接点部51と、第2接点部52と、を備える。第1接点部51及び第2接点部52は、制御部10から与えられる制御信号S10により、同時にオン又は同時にオフする。解列リレー5は、第1接点部51及び第2接点部52が同時にオンする場合にインバータ3を電力系統SY1に並列させ、同時にオフする場合にインバータ3を電力系統SY1から解列させる。
【0034】
自立リレー6は、
図2に示すように、第1接点部61と、第2接点部62と、を備える。第1接点部61及び第2接点部62は、制御部10から与えられる制御信号S20により、同時にオン又は同時にオフする。自立リレー6は、第1接点部61及び第2接点部62が同時にオンする場合にインバータ3を自立系統SY2に並列させ、同時にオフする場合にインバータ3を自立系統SY2から解列させる。
【0035】
制御部10は、例えば、1以上のプロセッサ及びメモリを有するマイクロコントローラにて構成されている。言い換えれば、制御部10は、1以上のプロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部10として機能する。プログラムは、ここでは制御部10のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部10は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されてもよい。
【0036】
制御部10は、5つのスイッチング素子Q0~Q4を制御するための制御信号S0~S4を出力する。制御信号S0~S4は、直接的に、又は駆動回路を介して、スイッチング素子Q0~Q4のゲートに印加され、スイッチング素子Q0~Q4を個別にオン/オフする。制御部10は、デューティ比を調節可能なPWM方式によって、スイッチング素子Q0~Q4を制御する。
【0037】
また、制御部10は、解列リレー5の第1接点部51及び第2接点部52のオン/オフを制御するための制御信号S10と、自立リレー6の第1接点部61及び第2接点部62のオン/オフを制御するための制御信号S20を出力する。制御部10は、例えば電力系統SY1の停電等の異常時に、解列リレー5を電力系統SY1から解列させ、かつ、自立リレー6を自立系統SY2に並列させる。そして、制御部10は、電力系統SY1の異常時において、インバータ3から自立系統SY2に交流電力を出力させる自立運転を行うように、DC/DCコンバータ2及びインバータ3を制御する。
【0038】
(2.2)蓄電池システム
次に、蓄電池システム200について
図1を用いて詳細に説明する。蓄電池システム200は、第1DC/DCコンバータ211と、第2DC/DCコンバータ212と、第1制御部221と、第2制御部222と、第1測定部231と、第2測定部232と、を備えている。以下では、第1測定部231と第2測定部232とを区別しない場合には、単に「測定部23」という。
【0039】
蓄電池システム200には、第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12が接続されている。本実施形態では、第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12は、それぞれ定格容量、定格充電電力、及び定格放電電力が互いに異なっている。つまり、本実施形態では、蓄電池システム200には、互いに種類が異なる複数(
図1では2つ)の蓄電池B1が接続されている。
【0040】
第1DC/DCコンバータ211は、第1蓄電池B11と直流バスDB1との間に接続されている。具体的には、第1DC/DCコンバータ211の一次側の高電位に第1蓄電池B11の正極が接続され、第1DC/DCコンバータ211の一次側の低電位に第1蓄電池B11の負極が接続されている。また、第1DC/DCコンバータ211の二次側の高電位に直流バスDB1の第1電線DB11が接続され、第1DC/DCコンバータ211の二次側の低電位に直流バスDB1の第2電線DB12が接続されている。
【0041】
第2DC/DCコンバータ212は、第2蓄電池B12と直流バスDB1との間に接続されている。具体的には、第2DC/DCコンバータ212の一次側の高電位に第2蓄電池B12の正極が接続され、第2DC/DCコンバータ212の一次側の低電位に第2蓄電池B12の負極が接続されている。また、第2DC/DCコンバータ212の二次側の高電位に直流バスDB1の第1電線DB11が接続され、第2DC/DCコンバータ212の二次側の低電位に直流バスDB1の第2電線DB12が接続されている。
【0042】
第1DC/DCコンバータ211及び第2DC/DCコンバータ212は、いずれも双方向のDC/DCコンバータであり、例えばエンハンスメント型のnチャネルMOSFETからなる1以上のスイッチング素子を有している。第1DC/DCコンバータ211は、1以上のスイッチング素子を第1制御部221によりPWM制御されることで、第1蓄電池B11から入力される第1蓄電池B11の充電電圧を昇圧し、昇圧した直流電圧を直流バスDB1に印加することが可能である。また、第1DC/DCコンバータ211は、1以上のスイッチング素子を第1制御部221によりPWM制御されることで、直流バスDB1から入力されるバス電圧VB1を降圧し、降圧した直流電圧を第1蓄電池B11に印加することが可能である。
【0043】
第2DC/DCコンバータ212は、1以上のスイッチング素子を第2制御部222によりPWM制御されることで、第2蓄電池B12から入力される第2蓄電池B12の充電電圧を昇圧し、昇圧した直流電圧を直流バスDB1に印加することが可能である。また、第2DC/DCコンバータ212は、1以上のスイッチング素子を第2制御部222によりPWM制御されることで、直流バスDB1から入力されるバス電圧VB1を降圧し、降圧した直流電圧を第2蓄電池B12に印加することが可能である。
【0044】
測定部23は、例えばDC/DCコンバータ21の二次側の一対の入出力端子間に接続され、一対の入出力端子間の電圧をバス電圧VB1として測定する。本実施形態では、第1測定部231は、第1DC/DCコンバータ211の二次側の一対の入出力端子間に接続され、一対の入出力端子間の電圧をバス電圧VB1として測定する。また、第2測定部232は、第2DC/DCコンバータ212の二次側の一対の入出力端子間に接続され、一対の入出力端子間の電圧をバス電圧VB1として測定する。
【0045】
第1制御部221及び第2制御部222の各々は、例えば、1以上のプロセッサ及びメモリを有するマイクロコントローラにて構成されている。言い換えれば、第1制御部221及び第2制御部222は、それぞれ1以上のプロセッサ及びメモリを有する2つのコンピュータシステムにて実現されており、1以上のプロセッサがメモリに格納されているプログラムを実行することにより、2つのコンピュータシステムがそれぞれ第1制御部221及び第2制御部222として機能する。プログラムは、ここでは第1制御部221及び第2制御部222の各々のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。第1制御部221及び第2制御部222の各々は、例えば、FPGA、又はASIC等で構成されてもよい。
【0046】
第1制御部221は、第1DC/DCコンバータ211の1以上のスイッチング素子を制御するための制御信号を出力する。制御信号は、直接的に、又は駆動回路を介して、第1DC/DCコンバータ211の1以上のスイッチング素子のゲートに印加され、1以上のスイッチング素子を個別にオン/オフする。第1制御部221は、デューティ比を調節可能なPWM方式によって、第1DC/DCコンバータ211の1以上のスイッチング素子を制御する。
【0047】
第2制御部222は、第2DC/DCコンバータ212の1以上のスイッチング素子を制御するための制御信号を出力する。制御信号は、直接的に、又は駆動回路を介して、第2DC/DCコンバータ212の1以上のスイッチング素子のゲートに印加され、1以上のスイッチング素子を個別にオン/オフする。第2制御部222は、デューティ比を調節可能なPWM方式によって、第2DC/DCコンバータ212の1以上のスイッチング素子を制御する。
【0048】
制御部22(第1制御部221及び第2制御部222)は、例えば電力変換システム100の制御部10からバス電圧VB1の指令電圧V0(
図3参照)を取得し、取得した指令電圧V0に基づいてDC/DCコンバータ21を制御することにより、蓄電池B1の充電及び放電を制御する。例えば、制御部22は、後述する調整処理を実行しない場合、測定部23で測定されたバス電圧VB1が指令電圧V0と一致するように、DC/DCコンバータ21の1以上のスイッチング素子を制御することにより、蓄電池B1の充電及び放電を制御する。この場合、指令電圧V0は、目標電圧V10と一致している。
【0049】
ここで、蓄電池B1に充電される充電電力と、蓄電池B1から放電される放電電力とは、指令電圧V0の大きさ、言い換えれば目標電圧V10の大きさに依存する。したがって、目標電圧V10を変化させることにより、蓄電池B1の充電電力及び放電電力を制御することが可能である。本実施形態では、制御部22は、バス電圧VB1の目標電圧V10(
図3参照)を変化させることにより、蓄電池B1の充電電力及び放電電力を調整する調整処理を実行する。
【0050】
以下、制御部22の調整処理について
図3を用いて説明する。調整処理において、制御部22は、正規化部22Aで演算される正規化係数α1と、補正部22Bで演算される補正係数β1と、を許容電圧ΔVに乗算することで、補正電圧VC1を求める。正規化部22A及び補正部22Bは、いずれも制御部22の有する1つの機能として実現される。
【0051】
正規化係数α1は、正規化部22Aにて、蓄電池B1に充電される現在の電力P1、又は蓄電池B1から放電される現在の電力P1を、蓄電池B1の定格電力Pmaxで除算することにより求められる。つまり、蓄電池B1の充電時及び放電時のいずれにおいても、正規化係数α1は、「α1=P1/Pmax」で表される。電力P1は、蓄電池B1が放電する場合に正の値を、蓄電池B1が充電される場合に負の値をとる。また、定格電力Pmaxは、蓄電池B1が放電する場合は定格放電電力であり、蓄電池B1が充電される場合は定格充電電力であり、いずれも絶対値である。
【0052】
補正係数β1は、補正部22Bにて、蓄電池B1の充電時においては、蓄電池B1の現在の充電率(State Of Charge:SOC)R1を、蓄電池B1の充電率R1の許容される変動幅(Rmax-Rmin)で除算することにより求められる。つまり、蓄電池B1の充電時においては、補正係数β1は、「β1=R1/(Rmax-Rmin)」で表される。また、補正係数β1は、補正部22Bにて、蓄電池B1の放電時においては、蓄電池B1の現在の充電率R1を、蓄電池B1の充電率R1の許容される変動幅(Rmax-Rmin)で除算した値を、1から減算することにより求められる。つまり、蓄電池B1の放電時においては、補正係数β1は、「β1=1-R1/(Rmax-Rmin)」で表される。充電率R1は、蓄電池B1の満充電容量に対する残容量の割合である。また、「Rmax」は、充電率R1の最大値であって、例えば100〔%〕である。また、「Rmin」は、充電率R1の最小値であって、例えば0〔%〕である。
【0053】
許容電圧ΔVは、蓄電池システム200にて許容される目標電圧V10の変動幅であって、例えば数〔V〕である。つまり、目標電圧V10は、指令電圧V0から許容電圧ΔVを減算した値を下限、指令電圧V0に許容電圧ΔVを加算した値を上限とした範囲で変動可能である。
【0054】
次に、制御部22は、指令電圧V0から、乗算により求めた補正電圧VC1を減算することで、目標電圧V10を求める。そして、制御部22は、目標電圧V10と、測定部23により測定されたバス電圧VB1との差分Diffを求め、求めた差分Diffが零となるように、つまりバス電圧VB1が目標電圧V10に一致するように、DC/DCコンバータ21を制御する。これにより、目標電圧V10の大きさに応じた充電電力(又は放電電力)により、蓄電池B1が充電(又は放電)される。このように、調整処理において、制御部22は、目標電圧V10とバス電圧VB1との差分Diffに応じて、DC/DCコンバータ21の動作を制御している。
【0055】
本実施形態では、第1制御部221は、調整処理において、第1蓄電池B11の現在の電力P1、定格電力Pmax、充電率R1、充電率R1の許容される変動幅、及び許容電圧ΔVを用いて、目標電圧V10を求める。そして、第1制御部221は、求めた目標電圧V10に基づいて、第1DC/DCコンバータ211を制御することにより、第1蓄電池B11の充電電力及び放電電力を調整する。また、第2制御部222は、調整処理において、第2蓄電池B12の現在の電力P1、定格電力Pmax、充電率R1、充電率R1の許容される変動幅、及び許容電圧ΔVを用いて、目標電圧V10を求める。そして、第2制御部222は、求めた目標電圧V10に基づいて、第2DC/DCコンバータ212を制御することにより、第2蓄電池B12の充電電力及び放電電力を調整する。
【0056】
(3)動作
まず、本実施形態の電力変換システム100の基本的な動作について
図2を用いて説明する。日中など、分散型電源1が十分な太陽光を受けて発電している場合、分散型電源1は、DC/DCコンバータ2を介して、インバータ3に直流電力を出力する。インバータ3は、入力された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統SY1に出力する。これにより、分散型電源1の発電する電力が、電力系統SY1に接続されている負荷に供給される。また、分散型電源1の発電電力に余剰電力がある場合、分散型電源1は、DC/DCコンバータ2及び蓄電池システム200を介して余剰電力を蓄電池B1(第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12)に出力することで、蓄電池B1を充電する。その他、電力系統SY1がインバータ3及び蓄電池システム200を介して蓄電池B1に直流電力を出力することで、蓄電池B1を充電してもよい。
【0057】
一方、天気が曇り又は雨、若しくは夜間など、分散型電源1が十分な太陽光を受けることができず発電していない場合、蓄電池B1は、蓄電池システム200を介して、インバータ3に直流電力を出力する。インバータ3は、入力された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を電力系統SY1に出力する。これにより、蓄電池B1が放電する電力が、電力系統SY1に接続されている負荷に供給される。
【0058】
また、電力系統SY1の停電等、電力系統SY1に異常が発生している場合、制御部10は、解列リレー5を電力系統SY1から解列させ、かつ、自立リレー6を自立系統SY2に並列させることにより、自立運転を行う。この場合も、蓄電池B1は、蓄電池システム200を介して、インバータ3に直流電力を出力する。インバータ3は、入力された直流電力を交流電力に変換し、変換した交流電力を自立系統SY2に出力する。これにより、蓄電池B1が放電する電力が、自立系統SY2に接続されている負荷に供給される。
【0059】
次に、本実施形態の蓄電池システム200における制御部22の調整処理の一例について、
図4~
図6Bを用いて説明する。本実施形態では、第1制御部221及び第2制御部222がそれぞれ以下に説明する調整処理を実行することになる。
【0060】
図4は、調整処理において、蓄電池B1の現在の電力P1及び充電率R1と、目標電圧V10との相関を表している。
図4では、縦軸が目標電圧V10、横軸が蓄電池B1の現在の電力P1を表している。また、
図4において、「Pmax(charge)」は蓄電池B1の定格充電電力、「Pmax(discharge)」は蓄電池B1の定格放電電力を表している。
図5は、蓄電池B1の現在の電力P1が定格電力Pmaxである場合における、蓄電池B1の充電率R1と、目標電圧V10との相関を表している。
図5では、縦軸が目標電圧V10、横軸が蓄電池B1の充電率R1を表している。
図4及び
図5の各々において、実線は蓄電池B1の充電時における目標電圧V10の変位、一点鎖線は蓄電池B1の放電時における目標電圧V10の変位を表している。また、
図4及び
図5の各々において、「V1」は目標電圧V10の変動可能な範囲の上限値、「V2」は目標電圧V10の変動可能な範囲の下限値を表している。
【0061】
図4及び
図5に示すように、制御部22は、調整処理において、蓄電池B1の入力電力(充電電力)又は出力電力(放電電力)と、蓄電池B1に関する蓄電池情報(充電率R1)とに基づいて、目標電圧V10を変化させている。具体的には、制御部22は、蓄電池B1の充電時においては、現在の電力(充電電力)P1が大きければ大きい程、又は蓄電池B1の充電率R1が大きければ大きい程、目標電圧V10を大きくしている。また、制御部22は、蓄電池B1の放電時においては、現在の電力(放電電力)P1が大きければ大きい程、又は蓄電池B1の充電率R1が小さければ小さい程、目標電圧V10を小さくしている。
【0062】
図6A及び
図6Bは、いずれも第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12を、それぞれ蓄電池システム200を用いて繰り返し充電及び放電させた場合における、第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12の各々の充電率R1の時系列変化を表している。ただし、
図6Aでは、蓄電池システム200の第1制御部221及び第2制御部222は、いずれも調整処理を実行していない。
図6A及び
図6Bでは、いずれも縦軸が蓄電池B1(第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12)の充電率R1、横軸が時間を表している。また、
図6A及び
図6Bにおいて、いずれも実線は第1蓄電池B11の充電率R1の時系列変化、破線は第2蓄電池B12の充電率R1の時系列変化を表している。
【0063】
図6A及び
図6Bに示す例では、いずれも蓄電池システム200による制御の開始時点において、第1蓄電池B11の充電率R1は約80〔%〕、第2蓄電池B12の充電率R1は約50〔%〕である。つまり、
図6A及び
図6Bに示す例では、いずれも第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12の残容量は、蓄電池システム200による制御の開始時点において互いに異なっている。そして、第1制御部221及び第2制御部222がそれぞれ調整処理を実行している
図6Bに示す例では、
図6Aに示す例と比較して、蓄電池システム200に制御されて充電及び放電を繰り返すことにより、充電率R1の差ΔSが収束していく。
【0064】
上述のように、本実施形態の蓄電池システム200では、蓄電池B1の残容量に応じて直流バスDB1のバス電圧VB1の目標電圧V10を調整する調整処理を実行することで、蓄電池B1の充電電力及び放電電力を調整することが可能である。このため、本実施形態では、調整処理を実行せずに蓄電池B1の充電及び放電を行った場合に生じ得る下記の問題を解消し得る。
【0065】
例えば、第1蓄電池B11の定格放電電力が1.0〔kW〕、第2蓄電池B12の定格放電電力が2.0〔kW〕であると仮定する。この場合、第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12の各々の充電率R1が0〔%〕よりも大きい状態では、第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12を含む蓄電池群は、3.0〔kW〕の放電電力を出力することが可能である。一方、第1蓄電池B11及び第2蓄電池B12のうちのいずれかの蓄電池の残容量が先に尽きた場合、電力系統SY1又は自立系統SY2に接続されている負荷に対して、想定よりも小さい電力が供給されることになる。例えば、第1蓄電池B11の充電率R1が先に0〔%〕となった場合、電力系統SY1又は自立系統SY2に接続されている負荷に対して、蓄電池群は想定(ここでは、3.0〔kW〕)よりも小さい2.0〔kW〕の放電電力しか出力することができない。
【0066】
これに対して、本実施形態では、複数の蓄電池B1の各々に対して、蓄電池B1の残容量に応じて充電電力及び放電電力が調整されるため、先にいずれかの蓄電池B1の残容量が尽きるといった事態が生じにくい。したがって、本実施形態では、上記のように電力系統SY1又は自立系統SY2に接続されている負荷に対して、想定よりも小さい電力が供給されるという事態が生じにくい、という利点がある。
【0067】
また、本実施形態では、制御部22は、他の蓄電池B1に関する蓄電池情報を取得せずとも、制御対象の蓄電池B1の残容量を調整することができる。このため、本実施形態では、例えばBMU(Battery Management Unit)により複数の蓄電池B1の各々の残容量を監視しながら各蓄電池B1の充電及び放電を制御する必要がない。言い換えれば、本実施形態では、複数の蓄電池B1の各々の蓄電池情報を参照する全体制御が不要である、という利点がある。このため、本実施形態では、例えば蓄電池システム200の制御対象となる蓄電池B1の数を増加させる際に、制御対象となる蓄電池B1と1対1に対応するDC/DCコンバータ21及び制御部22の組を増加させるだけでよい。つまり、本実施形態では、上記の全体制御と比較して、制御を複雑化することなく蓄電池システム200を拡張しやすい、という利点がある。
【0068】
(4)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つにすぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、蓄電池システム200と同様の機能は、制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0069】
一態様に係る制御方法は、蓄電池B1と直流バスDB1との間に接続されるDC/DCコンバータ21を制御することにより蓄電池B1の充電及び放電を制御する方法である。制御方法は、蓄電池B1の入力電力、出力電力、DC/DCコンバータ21の入力電力、出力電力、及び蓄電池B1に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、直流バスDB1に印加されるバス電圧VB1の目標電圧V10を変化させる。また、一態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、上記の制御方法を実行させる。
【0070】
以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0071】
本開示における蓄電池システム200は、例えば制御部22にコンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における制御部22としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0072】
また、制御部22における複数の機能が、1つの筐体に集約されていることは制御部22に必須の構成ではない。制御部22の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、制御部22の少なくとも一部の機能は、例えば、サーバ装置及びクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。反対に、上述の実施形態のように、制御部22の全ての機能が、1つの筐体に集約されていてもよい。
【0073】
上述の実施形態では、制御部22は、蓄電池B1の充電率R1の許容される変動幅の全体にわたって調整処理を実行しているが、これに限らない。例えば、制御部22は、蓄電池B1の充電率R1の許容される変動幅の一部においてのみ調整処理を実行してもよい。言い換えれば、制御部22は、蓄電池B1が特定の条件を満たしている場合に、目標電圧V10を変化させてもよい。さらに言えば、特定の条件は、蓄電池B1の満充電容量に対する残容量の割合(つまり、充電率R1)が所定値以下であってもよい。
【0074】
以下、変形例の調整処理について
図7を用いて説明する。
図7は、蓄電池B1の現在の電力P1が定格電力Pmaxである場合における、蓄電池B1の充電率R1と、目標電圧V10との相関を表している。
図7では、縦軸が目標電圧V10、横軸が蓄電池B1の充電率R1を表している。また、
図7において、実線は蓄電池B1の充電時における目標電圧V10の変位、一点鎖線は蓄電池B1の放電時における目標電圧V10の変位を表している。さらに、
図7において、「V1」は目標電圧V10の変動可能な範囲の上限値、「V2」は目標電圧V10の変動可能な範囲の下限値を表している。
【0075】
図7に示す例では、制御部22は、蓄電池B1の充電率R1が50%を上回っている間においては、目標電圧V10を変化させず、充電率R1が50%以下になると、充電率R1に応じて目標電圧V10を変化させている。この態様では、蓄電池B1の充電率R1が所定値よりも小さい状況、つまり蓄電池B1の残容量が尽きそうな状況において、蓄電池B1の残容量を調整する機能を発揮させやすい、という利点がある。つまり、変形例の調整処理では、充電率R1の変化に対する目標電圧V10の変化量は、上述の実施形態の調整処理と比較して大きくなる。このため、変形例の調整処理では、蓄電池システム200又は電力変換システム100の要求に起因して許容電圧ΔVが比較的小さい場合でも、調整処理の有効性を向上することが可能である。
【0076】
なお、特定の条件は、充電率R1が所定値以下であることに限らず、例えば、蓄電池B1の残容量が所定値以下であることであってもよい。
【0077】
上述の実施形態において、制御部22は、測定部23のキャリブレーションを定期的に実行する機能を有していてもよい。キャリブレーションにおいては、制御部22は、DC/DCコンバータ21に直流バスDB1を介して接続されている他回路(ここでは、センサ31)からの情報に基づいて、測定部23で測定されるバス電圧VB1を調整する処理を実行する。
【0078】
具体的には、制御部22は、インバータ3の一対の入力端子間に接続されているセンサ31(他回路)で測定されたバス電圧VB1の測定結果を、例えば電力変換システム100の制御部10と通信することにより定期的に取得する。そして、制御部22は、取得したバス電圧VB1を、測定部23で測定されたバス電圧VB1で除算することで補正係数を求め、補正係数をメモリに記憶する。以後、制御部22は、次のキャリブレーションを実行するまでの間においては、測定部23で測定されたバス電圧VB1に補正係数を乗じた電圧値を用いて、調整処理を実行する。
【0079】
この態様では、測定部23で測定されるバス電圧VB1を、センサ31(他回路)で測定されたバス電圧VB1に調整することができるので、蓄電池B1の残容量を調整する際に参照されるバス電圧VB1の測定精度を向上することができる、という利点がある。
【0080】
上述の実施形態では、制御部22は、蓄電池情報として蓄電池B1の充電率R1を用いているが、これに限らない。例えば、制御部22は、蓄電池情報として蓄電池B1の残容量を用いてもよい。つまり、制御部22は、少なくとも蓄電池情報に基づいて、目標電圧V10を変化させる。そして、蓄電池情報は、蓄電池B1の残容量と、蓄電池B1の満充電容量に対する残容量の割合(つまり、充電率R1)と、の少なくとも一方を含んでいればよい。もちろん、制御部22は、蓄電池B1の残容量と充電率R1との両方を用いてもよい。
【0081】
上述の実施形態において、制御部22は、蓄電池情報のみに基づいて目標電圧V10を変化させる態様であってもよい。また、制御部22は、蓄電池B1の入力電力若しくは出力電力、又はDC/DCコンバータ21の入力電力若しくは出力電力のみに基づいて目標電圧V10を変化させる態様であってもよい。
【0082】
上述の実施形態では、蓄電池システム200は、DC/DCコンバータ21及び制御部22を1つの組として複数組を備えているが、1組のみを備える態様であってもよい。つまり、蓄電池システム200は、1つのDC/DCコンバータ21と、このDC/DCコンバータ21に対応する1つの制御部22と、を備える態様であってもよい。
【0083】
上述の実施形態では、インバータ3は蓄電池システム200の構成要素に含まれていないが、蓄電池システム200の構成要素に含まれていてもよい。つまり、蓄電池システム200は、DC/DCコンバータ21に直流バスDB1を介して接続されるインバータ3を更に備えていてもよい。
【0084】
上述の実施形態において、蓄電池B1は蓄電池システム200の構成要素に含まれていないが、蓄電池システム200の構成要素に含まれていてもよい。つまり、蓄電池システム200は、蓄電池B1を更に備えていてもよい。
【0085】
上述の実施形態では、電力変換システム100は、入力キャパシタC0、DC/DCコンバータ2、出力キャパシタC1、及びノイズフィルタ4を備えているが、これらの一部又は全部を備えていなくてもよい。例えば、電力変換システム100において、分散型電源1とインバータ3との間にDC/DCコンバータ2が接続されていなくてもよい。
【0086】
上述の実施形態において、分散型電源1は太陽光発電装置であるが、これに限定する趣旨ではない。例えば、分散型電源1は、蓄電池(電気自動車用の蓄電池を含む)、又は燃料電池などの発電装置であってもよい。また、分散型電源1は、風力、水力、地熱、及びバイオマスなど、太陽光以外の再生可能エネルギーを利用した発電装置であってもよい。
【0087】
上述の実施形態において、電力変換システム100及び蓄電池システム200は、非住宅施設に導入されることに限らず、住宅に導入されてもよいし、電気自動車等、施設以外に導入されてもよい。
【0088】
(まとめ)
以上述べたように、第1の態様に係る蓄電池システム(200)は、双方向のDC/DCコンバータ(21)と、制御部(22)と、を備える。DC/DCコンバータ(21)は、蓄電池(B1)と直流バス(DB1)との間に接続される。制御部(22)は、DC/DCコンバータ(21)を制御することにより、蓄電池(B1)の充電及び放電を制御する。制御部(22)は、蓄電池(B1)の入力電力、出力電力、DC/DCコンバータ(21)の入力電力、出力電力、及び蓄電池(B1)に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、直流バス(DB1)に印加されるバス電圧(VB1)の目標電圧(V10)を変化させる。
【0089】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0090】
第2の態様に係る蓄電池システム(200)では、第1の態様において、制御部(22)は、少なくとも蓄電池情報に基づいて、目標電圧(V10)を変化させる。蓄電池情報は、蓄電池(B1)の残容量と、蓄電池(B1)の満充電容量に対する残容量の割合と、の少なくとも一方を含む。
【0091】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量及び蓄電池(B1)の満充電容量に対する残容量の割合を用いない場合と比較して、蓄電池(B1)の残容量をより調整しやすい、という利点がある。
【0092】
第3の態様に係る蓄電池システム(200)では、第1又は第2の態様において、制御部(22)は、目標電圧(V10)とバス電圧(VB1)との差分(Diff)に応じて、DC/DCコンバータ(21)の動作を制御する。
【0093】
この態様によれば、蓄電池(B1)の充電電力又は放電電力を制御しやすい、という利点がある。
【0094】
第4の態様に係る蓄電池システム(200)では、第1~第3のいずれかの態様において、制御部(22)は、蓄電池(B1)が特定の条件を満たしている場合に、目標電圧(V10)を変化させる。
【0095】
この態様によれば、特定の条件に依らず目標電圧(V10)を変化させる場合と比較して、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0096】
第5の態様に係る蓄電池システム(200)では、第4の態様において、特定の条件は、蓄電池(B1)の満充電容量に対する残容量の割合が所定値以下である。
【0097】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量が尽きそうな状況において、蓄電池(B1)の残容量を調整する機能を発揮させやすい、という利点がある。
【0098】
第6の態様に係る蓄電池システム(200)は、第1~第5のいずれかの態様において、バス電圧(VB1)を測定する測定部(23)を更に備える。制御部(22)は、DC/DCコンバータ(21)に直流バス(DB1)を介して接続されている他回路(ここでは、センサ(31))からの情報に基づいて、測定部(23)で測定されるバス電圧(VB1)を調整する。
【0099】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量を調整する際に参照されるバス電圧(VB1)の測定精度を向上することができる、という利点がある。
【0100】
第7の態様に係る蓄電池システム(200)は、第1~第6のいずれかの態様において、DC/DCコンバータ(21)を複数備える。
【0101】
この態様によれば、複数のDC/DCコンバータ(21)にそれぞれ接続される複数の蓄電池(B1)の各々において、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0102】
第8の態様に係る蓄電池システム(200)は、第1~第7のいずれかの態様において、DC/DCコンバータ(21)に直流バス(DB1)を介して接続されるインバータ(3)を更に備える。
【0103】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0104】
第9の態様に係る蓄電池システム(200)は、第1~第8のいずれかの態様において、蓄電池(B1)を更に備える。
【0105】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0106】
第10の態様に係る制御方法は、蓄電池(B1)と直流バス(DB1)との間に接続されるDC/DCコンバータ(21)を制御することにより蓄電池(B1)の充電及び放電を制御する方法である。制御方法は、蓄電池(B1)の入力電力、出力電力、DC/DCコンバータ(21)の入力電力、出力電力、及び蓄電池(B1)に関する蓄電池情報のうちの少なくとも1つに基づいて、直流バス(DB1)に印加されるバス電圧(VB1)の目標電圧(V10)を変化させる。
【0107】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0108】
第11の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第10の態様に係る制御方法を実行させる。
【0109】
この態様によれば、蓄電池(B1)の残容量を調整しやすい、という利点がある。
【0110】
第2~第9の態様に係る構成については、蓄電池システム(200)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0111】
21 DC/DCコンバータ
22 制御部
23 測定部
3 インバータ
31 センサ(他回路)
200 蓄電池システム
B1 蓄電池
DB1 直流バス
Diff 差分
V10 目標電圧
VB1 バス電圧