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特許7390548熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料
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  • 特許-熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/04 20060101AFI20231127BHJP
   C08K 3/01 20180101ALI20231127BHJP
   C09K 5/10 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
C08L83/04
C08K3/01
C09K5/10 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019162412
(22)【出願日】2019-09-05
(65)【公開番号】P2021038366
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-05-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 広志
(72)【発明者】
【氏名】小松 圭一
【審査官】中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/016566(WO,A1)
【文献】特開2018-050018(JP,A)
【文献】特開2019-210305(JP,A)
【文献】特開2020-073626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーン成分と、多面体状のフィラーとを含有し、前記多面体状のフィラーは、多面体状のスピネルフィラーを含有し、前記多面体状のスピネルフィラーは、モリブデンがドープされている、熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項2】
25℃での粘度が3000Pa・s以下である、
請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項3】
前記多面体状のフィラーの平均粒径は、1μm以上100μm以下である、
請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項4】
前記多面体状のフィラーは、平均粒径の異なる二種以上の粒子群を含む、
請求項3に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
【請求項5】
請求項1からのいずれか一項に記載の熱伝導性シリコーン組成物から製造され、
前記シリコーン成分から作製されたシリコーン樹脂マトリクスと、前記シリコーン樹脂マトリクス中に分散している前記多面体状のフィラーとを備える、
熱伝導性シリコーン材料。
【請求項6】
プレス圧1MPaの条件で直圧プレスされている状態での、プレス圧の方向の熱抵抗が0.8K/W以下である、
請求項に記載の熱伝導性シリコーン材料。
【請求項7】
アスカーC硬度が40以下である、
請求項に記載の熱伝導性シリコーン材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタ、コンピュータのCPU(中央演算処理装置)等の電気部品と放熱器(ヒートシンク)との間に熱伝導性材料を配置することで、電子・電気部品から発生する熱を放熱器に伝導させることが行われている。特許文献1には、シリコーンゴムにシランカップリング剤で表面処理を施した熱伝導性無機フィラーを分散させた熱伝導性シリコーンゴム組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-209618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子・電気部品の高集積化などに伴い、電子・電気部品からの発熱量は益々増大する傾向にある。また、サイズの異なる複数の電子・電気部品を一つの基板に実装する場合には各電子・電気部品が発する熱を熱伝導性材料で効率良く伝導させることも求められる。
【0005】
本発明の課題は、熱伝導性シリコーン材料の熱伝導性を高めることができる熱伝導性シリコーン組成物、及びこの熱伝導性シリコーン組成物から作製された熱伝導性シリコーン材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る熱伝導性シリコーン組成物は、シリコーン成分と、多面体状のフィラーとを含有する。
【0007】
本発明の一態様に係る熱伝導性シリコーン材料は、前記熱伝導性シリコーン組成物から製造され、前記シリコーン成分から作製されたシリコーン樹脂マトリクスと、前記シリコーン樹脂マトリクス中に分散している前記多面体状のフィラーとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によると、熱伝導性シリコーン材料の熱伝導性を高めることができる熱伝導性シリコーン組成物、及びこの熱伝導性シリコーン組成物から作製された熱伝導性シリコーン材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる電子デバイスの概略の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態に係る熱伝導性シリコーン組成物は、シリコーン成分と、多面体状のフィラーとを含有する。
【0011】
シリコーン成分は、例えば反応硬化型の液状のシリコーンゴム又はシリコーンゲルである。シリコーン成分は二液型でも一液型でもよい。シリコーン成分は、例えばオルガノポリシロキサンなどの反応性有機ケイ素化合物と硬化剤とを含有し、更に必要により触媒を含有する。硬化剤は、例えばオルガノハイドロジェンポリシロキサンと有機過酸化物とのうち少なくとも一方を含有する。触媒は例えば白金系触媒である。
【0012】
多面体状のフィラーは、例えば多面体状のアルミナフィラーと、多面体状のスピネルフィラーとのうち、少なくとも一方を含む。この場合、多面体状のフィラーは優れた熱伝導性を有し、そのため熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗を効果的に低減しうる。なお、多面体状のフィラーが含みうるフィラーは前記のみには制限されない。
【0013】
多面体状のアルミナフィラーは、例えば高純度の水酸化アルミニウムを塩化水素等を含有する雰囲気中で焼成することで製造される。
【0014】
多面体状のスピネルフィラーには、モリブデンがドープされていてもよい。多面体状のスピネルフィラーは、例えば金属マグネシウム、酸化マグネシウムなどのマグネシウム化合物と酸化アルミニウムなどのアルミニウム化合物との混合物を、モリブデンの存在下で焼成して結晶成長させてから冷却して結晶化させることで、製造される。アルミニウム化合物は、モリブデンを含むα-アルミナのように、モリブデンを含んでいてもよい。
【0015】
多面体状のフィラーは、シランカップリング剤で処理されていてもよい。多面体状のフィラーがシランカップリング剤で処理されていると、熱伝導性シリコーン組成物中及び熱伝導性シリコーン材料中で多面体状のフィラーが良好に分散しやすく、そのため熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が低減しやすい。
【0016】
熱伝導性シリコーン組成物がシランカップリング剤を含有してもよい。この場合も、熱伝導性シリコーン組成物中及び熱伝導性シリコーン材料中で多面体状のフィラーが良好に分散しやすく、そのため熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が低減しやすい。
【0017】
多面体状のフィラーの形状は、走査型電子顕微鏡(SEM)で確認できる。電子顕微鏡で確認される多面体状のフィラー中の粒子に例えば5以上150以下の面が確認できれば、多面体状であると判断できる。
【0018】
多面体状のフィラーの平均粒径は、1μm以上100μm以下であることが好ましい。特に、この範囲内で、多面体状のフィラーは、平均粒径の異なる二種以上の粒子群を含むことが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン組成物が良好な成形性を有しやすく、かつ多面体状のフィラーが熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗をより効果的に低減しやすい。なお、多面体状のフィラーの平均粒径は、動的光散乱法による得られる粒度分布から算出されるメディアン径(D50)である。
【0019】
多面体状のフィラーが平均粒径の異なる二種以上の粒子群を含むことが好ましい。この場合、多面体状のフィラーを含有させても熱伝導性シリコーン組成物の粘度が上昇しにくい。このため熱伝導性シリコーン組成物の良好な流動性と熱伝導性シリコーン材料の低い熱抵抗とを両立させやすい。例えば多面体状のフィラーは、平均粒径50μm以上100μm以下の第一の粒子群と、平均粒径5μm以上20μm以下の第二の粒子群とを含有し、第一の粒子群と第二の粒子群との質量比が6:4から9:1であることが好ましい。多面体状のフィラーは、更に平均粒径0.1μm以上3μm以下の第三の粒子群を含有してもよい。この場合、第一の粒子群と第二の粒子群との質量比が6:3から7:2であることが好ましく、第一の粒子群と第三の粒子群との質量比が6:1から7:1であることが好ましく、第二の粒子群と第三の粒子群との質量比が3:1から2:1であることが好ましい。
【0020】
多面体状のフィラーの割合は熱伝導性シリコーン組成物全体に対して60体積%以上90体積%以下であることが好ましい。割合が60体積%以上であれば、熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗が特に低減しやすい。割合が90体積%以下であれば、熱伝導性シリコーン組成物が良好な流動性を有しやすく、かつ熱伝導性シリコーン材料が良好な柔軟性を有しやすい。この割合は65体積%以上85体積%以下であればより好ましく、70体積%以上80体積%以下であれば更に好ましい。
【0021】
熱伝導性シリコーン組成物は25℃で液状であることが好ましい。熱伝導性シリコーン組成物の25℃での粘度は、3000Pa・s以下であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン組成物は良好な成形性を有することができ、例えばディスペンサーを用いて膜状に成形しやすくなる。また熱伝導性シリコーン組成物を脱泡しやすく、そのため熱伝導性シリコーン材料にボイドを生じにくくできる。なお、粘度は、E型回転粘度計を用いて0.3rpmの条件で測定される値である。
【0022】
熱伝導性シリコーン組成物は、多面体状のフィラー以外のフィラーを更に含有してもよい。例えば熱伝導性シリコーン組成物は、多面体状のフィラー以外の適宜の金属酸化物粒子、金属窒化物留意、金属炭化物粒子、金属ほう化物粒子、及び金属単体粒子からなる群から選択される少なくとも一種を含有してもよい。
【0023】
熱伝導性シリコーン組成物は、例えば上記の成分を混練することで調製される。シリコーン成分が二液型である場合には、シリコーン成分における反応性有機ケイ素化合物を含む第一剤と、硬化剤を含む第二剤とからなる熱伝導性シリコーン組成物を調製し、使用時に第一剤と第二剤とを混合してもよい。この場合、多面体状のフィラーは第一剤と第二剤とのうち少なくとも一方に含有されていればよい。
【0024】
熱伝導性シリコーン組成物から熱伝導性シリコーン材料を作製する場合、例えば熱伝導性シリコーン組成物をプレス成形、押出し成形、カレンダー成形等の適宜の方法で膜状に成形する。熱伝導性シリコーン組成物をディスペンサーで膜状に成形することも好ましい。続いて膜状の熱伝導性シリコーン組成物をその組成に応じた条件で加熱することで硬化させることで、膜状の熱伝導性シリコーン材料が得られる。
【0025】
なお、熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シリコーン材料の形状は膜状に限られず、適宜の形状であってよい。また、シリコーン成分が常温硬化型である場合には加熱することなく熱伝導性シリコーン組成物を硬化させて熱伝導性シリコーン材料を得ることもできる。熱伝導性シリコーン材料は、シリコーン成分から作製されたシリコーン樹脂マトリクスと、このシリコーン樹脂マトリクス中に分散されている多面体状のフィラーとを備える。
【0026】
熱伝導性シリコーン材料は、多面体状のフィラーを含有することで、低い熱抵抗を有しやすい。これは、熱伝導性シリコーン材料中で多面体状のフィラーの粒子同士が接触することで熱を伝達しうる経路が形成され、このとき粒子同士が面接触しやすいことで粒子間の熱の伝達効率が高くなりやすいからであると考えられる。
【0027】
熱伝導性シリコーン材料にプレス圧がかけられている場合には、熱伝導性シリコーン材料のプレス圧の方向の熱抵抗が特に低くなりやすい。これは、プレス圧の方向に多面体状のフィラーの粒子が接触しやすくなるためと考えられる。本実施形態では上述のように粒子同士が面接触しやすいため、プレス圧がかけられることによる熱抵抗の低減が特に生じやすく、プレス圧が小さくても熱抵抗が低減しうる。
【0028】
この熱伝導性シリコーン材料は、上記のように熱抵抗が低められることで、プレス圧1MPaの条件で直圧プレスされている状態での、プレス圧の方向の熱伝導性シリコーン材料の熱抵抗は、0.8K/W以下であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料は優れた熱伝導性を発現でき、プレス圧が低くても熱を効率良く伝達しやすい。この熱抵抗は0.7K/W以下であればより好ましく、0.6K/W以下であれば更に好ましい。
【0029】
熱伝導性シリコーン材料のアスカーC硬度は、40以下であることが好ましい。アスカーC硬度は、例えば高分子計器株式会社製のアスカーゴム硬度計C型を用いて測定される。アスカーC硬度が40以下であると、熱伝導性シリコーン材料は良好な柔軟性を有することができ、例えば反り、うねりなど種々の形状を有する面に密着させやすい。アスカーC硬度は20以下であれば更に好ましい。また、アスカーC硬度は例えば1以上である。この低いアスカーC硬度は、シリコーン成分の選択、多面体状のフィラーの粒径の選択、多面体状のフィラーの割合の選択などによって実現可能である。
【0030】
熱伝導性シリコーン材料を備える電子デバイスの例について説明する。図1に示す電子デバイス1は、基板2、チップ部品3、ヒートスプレッダ4、ヒートシンク5及び二種の熱伝導性材料6(以下、TIM1 61及びTIM2 62という)を備える。基板2にチップ部品3が搭載されている。基板2は例えばプリント配線板である。チップ部品3は例えばトランジスタ、CPU、MPU、ドライバIC、メモリなどであるが、これらに制限されない。基板2には複数のチップ部品3が搭載されていてもよい。この場合、チップ部品3の厚みが互いに異なっていてもよい。ヒートスプレッダ4は、チップ部品3を覆うように基板2に搭載されている。チップ部品3とヒートスプレッダ4との間には隙間があり、この隙間にTIM1 61が配置されている。ヒートスプレッダ4の上にはヒートシンク5が配置されており、ヒートスプレッダ4とヒートシンク5との間にTIM2 62が配置されている。
【0031】
本実施形態における熱伝導性シリコーン材料は、上記のTIM1 61とTIM2 62とのうちいずれにも適用できる。特にTIM1 61が本実施形態に係る熱伝導性シリコーン材料であることが好ましい。この場合、熱伝導性シリコーン材料にはヒートスプレッダ4によってプレス圧がかけられうる。このため、上述のように熱伝導性シリコーン材料中の多面体状のフィラーの粒子間の接触が生じやすく、これにより熱伝導性シリコーン材料の特に低い熱抵抗が実現されやすい。
【0032】
また、電子デバイス1が複数のチップ部品3を備え、かつチップ部品3の厚みが互いに異なる場合には、厚みのより大きいチップ部品3(31)とヒートスプレッダ4との間の隙間の寸法よりも、厚みのより小さいチップ部品3(32)とヒートスプレッダ4との間の隙間の寸法の方が大きくなる。このため、厚みのより小さいチップ部品32とヒートスプレッダ4との間でTIM1 61にかけられるプレス圧は、厚みのより大きいチップ部品31とヒートスプレッダ4との間でTIM1 61にかけられるプレス圧よりも小さくなりがちである。このため、TIM1 61にかけられるプレス圧は部分的に異なりやすい。しかし、本実施形態では、上記のとおり、熱伝導性シリコー材料が多面体状のフィラーを含有するために、プレス圧がかけられることによる熱抵抗の低減が特に生じやすい。そのため熱伝導性シリコー材料にかけられるプレス圧が部分的に異なっていても、熱伝導性シリコー材料は全体的に低い熱抵抗を有しやすい。このため、TIM1 61が熱伝導性シリコーン材料であると、熱伝導性シリコーン材料は、チップ部品3で生じた熱をヒートスプレッダ4に効率良く伝達することができ、これにより放熱性のよい電子デバイス1が実現されやすい。
【実施例
【0033】
以下、本実施形態のより具体的な実施例について説明する。なお、本実施形態は下記の実施例のみには制限されない。
【0034】
1.組成物の調製
表1の「組成」の欄に示す原料を混合することで組成物を調製した。原料の詳細は下記のとおりである。
-TES8553:東レ・ダウコーニング製のシリコーン樹脂。品番TES8553。
-多面体状フィラー:平均粒径70μmの、モリブデンがドープされた多面体状のスピネル粒子を80質量%、平均粒径10μmの、モリブデンがドープされた多面体状のスピネル粒子を10質量%、平均粒径0.4μmの多面体状のアルミナ粒子(住友化学工業製)を5質量%の割合で含有する多面体状のフィラー。
-真球状フィラー:平均粒径70μmの真球状のアルミナ粒子(ADEKA製)を80質量%、平均粒径10μmの真球状のアルミナ粒子(ADEKA製)を10質量%、平均粒径0.4μmの多面体状のアルミナ粒子(住友化学工業製)を5質量%の割合で含有する真球状フィラー。
【0035】
なお、モリブデンがドープされた各多面体状のスピネル粒子は、モリブデンを含むα-酸化アルミニウムと酸化マグネシウムとを含む混合物を、空気雰囲気下で1500℃で焼成してから冷却することで製造された。
【0036】
2.評価
(1)粘度
組成物の粘度を、測定装置として東機産業株式会社製のE型粘度計(型番RC-215)を用い、0.3rpmの条件で測定した。
【0037】
(2)アスカーC硬度
組成物のアスカーC硬度を、測定装置として高分子計器株式会社製のアスカーゴム硬度計C型を用いて測定した。また、比較例4として、厚み100μmのインジウム製フィルムを用意し、このインジウム製フィルムのアスカーC硬度も測定した。
【0038】
(3)熱抵抗
組成物を、加熱温度120℃、プレス圧1MPaの条件で30分間熱プレスすることで、厚み100μmのシート状のサンプルを作製した。このサンプルを二つの銅製のプレートで挟み、このプレートでサンプルをプレス圧1MPaの条件で直圧プレスした。この状態で、室温下における、プレス圧の方向のサンプルの熱抵抗を、メンターグラフィック社製のDynTIM Testerを用いて測定した。また、比較例4であるインジウム製フィルムの熱抵抗も測定した。
【0039】
【表1】
図1