(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】盤用ボックス及び分電盤
(51)【国際特許分類】
H02B 1/40 20060101AFI20231127BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H02B1/40 B
H05K5/03 C
(21)【出願番号】P 2020007851
(22)【出願日】2020-01-21
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】南平 智志
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 洋一
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-16379(JP,A)
【文献】特開2017-103018(JP,A)
【文献】実開昭63-191803(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/40
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に開口部を有するボックス本体と、
前記ボックス本体に対して前記開口部を塞ぐ閉位置と前記開口部を開放する開位置との間で移動可能な外扉と、
前記ボックス本体に前記外扉を取り付けた際に前記ボックス本体に対して前記外扉を回転可能に支持する支持構造と、
前記ボックス本体に対して前記外扉を開く際に前記外扉の一部と接触することで前記外扉の回転を規制するストッパと、を備え
、
前記支持構造は、
前記外扉を回転可能に支持する軸体と、
前記軸体が前記外扉を支持する支持位置と前記軸体が前記外扉を支持しない非支持位置との間で前記軸体を移動させるレバーと、
前記レバーの操作を禁止するロック機構と、を有し、
前記外扉は、
前記外扉が前記閉位置に位置している状態で前記開口部を覆う扉本体と、
前記扉本体の外縁から前記ボックス本体側に突出する側板部と、を有し、
前記外扉における前記ストッパとの接触部分は、前記側板部の少なくとも一部である、
盤用ボックス。
【請求項2】
前
記接触部分は、前記外扉が前記閉位置に位置している状態で外部から見えない位置に設けられている、
請求項1に記載の盤用ボックス。
【請求項3】
前記側板部は、前記外扉が前記開位置に位置している状態で前記ストッパを逃がすための逃がし部を有し、
前記接触部分は、前記逃がし部の端縁部分である、
請求項1又は2に記載の盤用ボックス。
【請求項4】
前記ストッパは、前記ボックス本体と一体である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の盤用ボックス。
【請求項5】
前記外扉は、工具を使用しないで前記ボックス本体に取付可能である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の盤用ボックス。
【請求項6】
前記ボックス本体に対して開閉可能な内扉を更に備え、
前記内扉は、前記支持構造としての第1支持構造とは異なり前記ボックス本体に前記内扉を取り付けた際に前記ボックス本体に対して前記内扉を回転可能に支持する第2支持構造にて前記ボックス本体に取り付けられる、
請求項1~5のいずれか1項に記載の盤用ボックス。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の盤用ボックスと、
少なくとも1つのブレーカと、を備える、
分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に盤用ボックス及び分電盤に関する。より詳細には、本開示は、外扉を備える盤用ボックス及び分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、壁等の施工面に取り付けられる分電盤が記載されている。特許文献1に記載の分電盤は、前面に開口部が形成された箱型のボックス本体(キャビネット)と、ヒンジを介して開閉可能にボックス本体に取り付けられている外扉と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の分電盤では、ボックス本体及び外扉に対してヒンジを取り付ける作業が必要であり、作業性がよくなかった。
【0005】
本開示の目的は、ボックス本体に外扉を取り付ける際の作業性を向上させることができる盤用ボックス及び分電盤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る盤用ボックスは、ボックス本体と、外扉と、支持構造と、ストッパと、を備える。前記ボックス本体は、一面に開口部を有する。前記外扉は、前記ボックス本体に対して前記開口部を塞ぐ閉位置と前記開口部を開放する開位置との間で移動可能である。前記支持構造は、前記ボックス本体に前記外扉を取り付けた際に前記ボックス本体に対して前記外扉を回転可能に支持する。前記ストッパは、前記ボックス本体に対して前記外扉を開く際に前記外扉の一部と接触することで前記外扉の回転を規制する。前記支持構造は、前記外扉を回転可能に支持する軸体と、前記軸体が前記外扉を支持する支持位置と前記軸体が前記外扉を支持しない非支持位置との間で前記軸体を移動させるレバーと、前記レバーの操作を禁止するロック機構と、を有する。前記外扉は、前記外扉が前記閉位置に位置している状態で前記開口部を覆う扉本体と、前記扉本体の外縁から前記ボックス本体側に突出する側板部と、を有する。前記外扉における前記ストッパとの接触部分は、前記側板部の少なくとも一部である。
【0007】
本開示の一態様に係る分電盤は、前記盤用ボックスと、少なくとも1つのブレーカと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ボックス本体に外扉を取り付ける際の作業性を向上させることができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る分電盤に関し、内扉及び外扉を開いた状態の斜視図である。
【
図2】
図2は、同上の分電盤に関し、外扉のみを開いた状態の斜視図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る盤用ボックスに関し、施工面に取付ベースを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4A及び
図4Bは、同上の盤用ボックスに関し、取付ベースに内器ユニットを取り付ける手順を説明する説明図である。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、同上の盤用ボックスに関し、取付ベースに内器ユニットを取り付ける手順を説明する別の説明図である。
【
図6】
図6は、同上の盤用ボックスに関し、カバー体及び外扉を後方から見た場合の斜視図である。
【
図7】
図7Aは、同上の盤用ボックスに関し、取付ベースにカバー体を取り付けた状態を後方から見た場合の要部を示す斜視図である。
図7Bは、同上の盤用ボックスに関し、取付ベースにカバー体を取り付けた状態を後方から見た場合の別の要部を示す斜視図である。
【
図8】
図8Aは、同上の盤用ボックスに関し、カバー体の要部を示す斜視図である。
図8Bは、同上の盤用ボックスに関し、取付ベースにカバー体を取り付けた状態における取付ベース及びカバー体の要部を示す斜視図である。
【
図9】
図9Aは、同上の盤用ボックスに関し、カバー体の別の要部を示す斜視図である。
図9Bは、同上の盤用ボックスに関し、取付ベースにカバー体を取り付けた状態における取付ベース及びカバー体の別の要部を示す斜視図である。
【
図10】
図10Aは、同上の盤用ボックスに関し、カバー体に外扉を取り付けた状態におけるカバー体及び外扉の要部を示す斜視図である。
図10Bは、同上の盤用ボックスに関し、カバー体に外扉を取り付けた状態におけるカバー体及び外扉の別の要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下、実施形態に係る盤用ボックス及び分電盤について、図面を参照して説明する。下記の実施形態において参照する
図1~
図10は、いずれも模式的な図であり、図中の各構成要素の大きさや厚さそれぞれの比は、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0011】
以下では、分電盤1が施工面100(
図3参照)に取り付けられた状態で、盤用ボックス10を正面(第1開口部101側)から見たときの上下左右を基準として説明を行う。また、分電盤1が施工面100に取り付けられた状態で盤用ボックス10を正面から見たときの奥行方向を前後方向とし、盤用ボックス10の前面が前方を向いていることとして説明する。つまり、
図1等において「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに各方向を規定する。ただし、これらの方向は分電盤1の設置方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0012】
(1)概要
まず、本実施形態に係る盤用ボックス10及び分電盤1の概要について、
図1~
図3を参照して説明する。
【0013】
本実施形態に係る盤用ボックス10は、少なくとも1つのブレーカを収納するためのボックスである。本実施形態では、盤用ボックス10は、
図1に示すように、少なくとも1つのブレーカとして、主幹ブレーカ2及び複数(図示例では12個)の分岐ブレーカ3を収納する。また、本実施形態に係る分電盤1は、例えば、工場又はオフィスビルのような建物(施設)に設置される分電盤である。分電盤1は、
図1に示すように、盤用ボックス10と、盤用ボックス10内に収納される少なくとも1つのブレーカ(主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ3)と、を備える。
【0014】
ところで、上述の特許文献1に記載のような分電盤では、ボックス本体に外扉を取り付けるために、ボックス本体及び外扉に対してヒンジを取り付ける作業が必要であり、作業性がよくないという問題があった。本実施形態に係る盤用ボックス10では、上述の問題を解決するために、以下に示す構成を採用している。
【0015】
すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10は、
図1に示すように、ボックス本体17と、外扉15と、第1支持構造(支持構造)18と、を備える。ボックス本体17は、一面(前面)に第1開口部(開口部)101を有する。外扉15は、ボックス本体17に対して第1開口部101を塞ぐ閉位置と第1開口部101を開放する開位置との間で移動可能である。第1支持構造18は、ボックス本体17に外扉15を取り付けた際にボックス本体17に対して外扉15を回転可能に支持する。
【0016】
本実施形態に係る盤用ボックス10は、上述したように、ボックス本体17に外扉15を取り付けた際に第1支持構造18にて外扉15をボックス本体17に保持させることができる。これにより、ボックス本体17に外扉15を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0017】
(2)構成
次に、本実施形態に係る盤用ボックス10及び分電盤1の構成について、
図1~
図10を参照して説明する。
【0018】
本実施形態に係る分電盤1は、
図1及び
図2に示すように、盤用ボックス10と、盤用ボックス10内に収納される主幹ブレーカ2及び複数(図示例では12個)の分岐ブレーカ3と、を備えている。つまり、本実施形態では、盤用ボックス10内に収納される少なくとも1つのブレーカは、少なくとも1つの分岐ブレーカ3を含む。
【0019】
(2.1)主幹ブレーカ
主幹ブレーカ2は、
図1に示すように、直方体状のケース20を備えている。ケース20の上端部には、複数(図示例では3個)の一次側端子21が設けられている。ケース20の下端部には、複数(図示例では3個)の二次側端子22が設けられている。ケース20の内部には、複数の一次側端子21と複数の二次側端子22との間に電気的に接続された接点部が収納されている。主幹ブレーカ2は、過電流保護機能及び漏電保護機能を有している。過電流保護機能は、接点部を流れる主幹電流が予め決められた閾値を超えると、接点部を強制的に開極させる機能である。漏電保護機能は、漏電を検出すると、接点部を強制的に開極させる機能である。
【0020】
ケース20の前面には、接点部を手動で開閉させるためのハンドル23が配置されている。複数の一次側端子21には、交流電源が電気的に接続される。本実施形態では、交流電源の配電方式が単相三線式である場合を例に説明する。複数の一次側端子21には、電圧極(L1相、L2相)と中性極との3本の電源線201が接続される。3本の電源線201は、交流電源に電気的に接続されている。これにより、主幹ブレーカ2は、3本の電源線201を介して交流電源に電気的に接続される。
【0021】
複数の二次側端子22には、電圧極(L1相、L2相)と中性極との3本の導電バー5が電気的に接続される。3本の導電バー5の各々は、金属製であって、上下方向に長尺となる帯板状に形成されている。3本の導電バー5の各々は、例えば、金属板にプレス加工を施すことによって形成される。3本の導電バー5の各々は、主幹ブレーカ2を介して電源線201に電気的に接続されている。
【0022】
主幹ブレーカ2は、
図1に示すように、後述の内器ユニット13の第1取付部材132に対して適宜の取付方法(例えばねじ固定)によって取り付けられる。
【0023】
(2.2)分岐ブレーカ
分岐ブレーカ3は、
図1に示すように、ケース30を備えている。ケース30は、それぞれ合成樹脂の成形品である複数の分割体を組み合わせることで、全体として直方体状に形成されている。ケース30は、上下方向に扁平な薄箱状である。ケース30の長手方向の一端部(右端部又は左端部)には、複数の一次側端子が設けられている。ケース30の長手方向の他端部(左端部又は右端部)には、複数の二次側端子が設けられている。ケース30の内部には、複数の一次側端子と複数の二次側端子との間に電気的に接続された接点部が収納されている。
【0024】
ケース30の前面には、接点部を手動で開閉させるためのハンドル33が配置されている。複数の一次側端子には、3本の導電バー5のうち少なくとも2本の導電バー5が電気的に接続される。複数の二次側端子には、分岐線202が接続される。分岐線202は、負荷に電気的に接続されている。これにより、分岐ブレーカ3は、分岐線202を介して負荷に電気的に接続される。本開示でいう「負荷」には、接地極付きのコンセント等の配線器具、並びに、照明器具及び空調装置等の種々の電気機器等が含まれる。
【0025】
複数の分岐ブレーカ3は、
図1に示すように、後述の内器ユニット13の第2取付部材133に対して適宜の取付方法によって取り付けられる。また、複数の分岐ブレーカ3は、3本の導電バー5の左側と右側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ上下方向に並ぶように配置される。
【0026】
(2.3)盤用ボックス
本実施形態に係る盤用ボックス10は、
図1及び
図2に示すように、取付ベース11と、カバー体12と、内器ユニット13と、内扉14と、外扉15と、を備えている。また、本実施形態では、取付ベース11とカバー体12とでボックス本体17が構成されている。すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10は、
図1に示すように、一面(前面)に第1開口部(開口部)101を有するボックス本体17を備えている。
【0027】
(2.3.1)取付ベース
取付ベース11は、
図3に示すように、一面(前面)が開口した扁平な箱状である。取付ベース11は、主幹ブレーカ2及び複数の分岐ブレーカ3が取り付けられた内器ユニット13を保持するための部材である。取付ベース11は、ベース本体111と、一対の第1側板部112と、一対の第2側板部113と、を有している。ベース本体111は、上下方向に長い矩形の板状である。
【0028】
一対の第1側板部112の各々は、ベース本体111における左右方向の両端からベース本体111の表面1111と直交(交差)する方向に突出している。具体的には、一対の第1側板部112の各々は、ベース本体111における左右方向の両端から前方に突出している。一対の第1側板部112は、左右方向において互いに対向している。
【0029】
一対の第2側板部113の各々は、ベース本体111における上下方向の両端からベース本体111の表面1111と直交(交差)する方向に突出している。具体的には、一対の第2側板部113の各々は、ベース本体111における上下方向の両端から前方に突出している。一対の第2側板部113は、上下方向において互いに対向している。本実施形態では、内器ユニット13は、取付ベース11のベース本体111の表面1111に取り付けられるため、ベース本体111の表面1111が取付ベース11における内器ユニット13の取付面(以下、「第1取付面1111」ともいう)である。
【0030】
ここで、本開示でいう「直交」は、厳密に90度で交わる状態だけでなく、ある程度の誤差の範囲内で略直交する状態も含む意味である。つまり、ベース本体111と各第1側板部112(又は各第2側板部113)との間の角度は、90度に対してある程度の誤差(一例として10度以下)の範囲内に収まる。本実施形態では、一例として、ベース本体111と各第1側板部112(又は各第2側板部113)との間の角度は90度である。
【0031】
ベース本体111は、
図3及び
図4A~
図5Bに示すように、複数(図示例では2個)の第1固定部114と、複数(図示例では2個)の第2固定部115と、複数(図示例では4個)のスペーサ116と、を有している。複数の第1固定部114は、ベース本体111の表面1111における上端部で、かつ左右方向の両端部に設けられている。複数の第2固定部115は、ベース本体111の表面1111における下端部で、かつ左右方向の両端部に設けられている。複数の第1固定部114と複数の第2固定部115とは、一対一に対応している。具体的には、複数の第1固定部114のうち左側の第1固定部114は、複数の第2固定部115のうち左側の第2固定部115と対応している。また、複数の第1固定部114のうち右側の第1固定部114は、複数の第2固定部115のうち右側の第2固定部115と対応している。複数のスペーサ116は、左側に位置する第1固定部114及び第2固定部115と対応し、かつ右側に位置する第1固定部114及び第2固定部115と対応するように、左側と右側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ上下方向に設けられている。
【0032】
複数の第1固定部114の各々は、上下方向から見た形状がU字状である。複数の第1固定部114の各々は、
図3、
図4A及び
図4Bに示すように、一対の第1片1141と、第2片1142と、を有している。一対の第1片1141の各々は、ベース本体111の表面1111からベース本体111の表面1111と直交(交差)する方向に突出している。具体的には、一対の第1片1141の各々は、ベース本体111の表面1111から前方に突出している。一対の第1片1141は、所定の間隔を空けた状態で左右方向に並んでいる。第2片1142は、一対の第1片1141の先端(前端)同士をつないでいる。
【0033】
複数の第2固定部115の各々は、前後方向から見た形状がU字状である。複数の第2固定部115の各々は、
図3、
図5A及び
図5Bに示すように、第1片1151と、一対の第2片1152と、を有している。第1片1151及び一対の第2片1152の各々は、ベース本体111の表面1111からベース本体111の表面1111と直交(交差)する方向に突出している。具体的には、第1片1151及び一対の第2片1152の各々は、ベース本体111の表面1111から前方に突出している。一対の第2片1152は、所定の間隔を空けた状態で左右方向に並んでいる。第1片1151は、一対の第2片1152の一端(上端)同士をつないでいる。
【0034】
第1片1151は、
図5Aに示すように、貫通孔1153を有している。貫通孔1153は、例えば、上下方向から見た形状が前後方向に長い長孔である。なお、貫通孔1153は、後述の第4結合部134の突起1341を挿通可能な大きさであればよく、例えば、円形であってもよいし、多角形(一例として四角形)であってもよい。
【0035】
複数のスペーサ116の各々は、上下方向から見た形状がU字状である。複数のスペーサ116の各々は、
図3及び
図4A~
図5Bに示すように、一対の第1片1161と、第2片1162と、を有している。一対の第1片1161の各々は、ベース本体111の表面1111からベース本体111の表面1111と直交(交差)する方向に突出している。具体的には、一対の第1片1161の各々は、ベース本体111の表面1111から前方に突出している。一対の第1片1161は、所定の間隔を空けた状態で左右方向に並んでいる。第2片1162は、一対の第1片1161の先端(前端)同士をつないでいる。
【0036】
複数のスペーサ116は、取付ベース11のベース本体111の表面1111と内器ユニット13との間に隙間を設けた状態で内器ユニット13を支持する。すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10は、取付ベース11における内器ユニット13の第1取付面1111と内器ユニット13との間に隙間を設けた状態で内器ユニット13を支持するスペーサ116を更に備える。
【0037】
一対の第1側板部112の各々は、
図3に示すように、突出部16を有している。本実施形態では、突出部16の断面形状は、円形である。突出部16は、一対の第1延出部161と、第2延出部162と、を有している。一対の第1延出部161の各々は、前後方向に長い棒状である。一対の第1延出部161の各々は、その後端部において第1側板部112に取り付けられ、その前端部が第1側板部112よりも前方に突出している。すなわち、一対の第1延出部161の各々は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面である第1取付面1111と直交(交差)する方向に突出している。一対の第1延出部161は、所定の間隔を空けた状態で上下方向に並んでいる。すなわち、一対の第1延出部161は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面である第1取付面1111と平行な方向において間隔を空けた状態で取付ベース11に固定されている。本実施形態では、一対の第1延出部161は、例えば、溶接により第1側板部112に取り付けられている。つまり、本実施形態では、突出部16は、取付ベース11と一体である。
【0038】
ここで、本開示でいう「一体」は、複数の要素(部位)について物理的に一体として取り扱うことができる態様を意味する。つまり、複数の要素が一体である、とは、複数の要素が一つにまとまっており、1つの部材のように扱うことができる態様にあることを意味する。この場合において、複数の要素は、一体成形品のように一体不可分の関係にあってもよいし、又は、別々に作成された複数の要素が、例えば、溶着、接着又はかしめ接合等により機械的に結合されていてもよい。すなわち、取付ベース11と突出部16とは、適宜の態様で一体化されていればよい。
【0039】
第2延出部162は、前後方向から見た形状がU字状である。第2延出部162は、第1部分1621と、一対の第2部分1622と、を有している。第1部分1621は、
図3に示すように、上下方向に沿って延びている。言い換えると、突出部16は、鉛直方向(上下方向)に沿った施工面100に取付ベース11が取り付けられた状態で鉛直方向に沿って延びている延出部(第1部分1621)を有している。つまり、本実施形態では、第2延出部162の第1部分1621が延出部である。
【0040】
一対の第2部分1622の各々は、一対の第1延出部161と第2延出部162の第1部分1621とをつなぐ部分である。一対の第2部分1622のうち上側の第2部分1622は、一対の第1延出部161のうち上側の第1延出部161と第1部分1621の上端とを接続する。一対の第2部分1622のうち下側の第2部分1622は、一対の第1延出部161のうち下側の第1延出部161と第1部分1621の下端とを接続する。すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10では、第2延出部162は、
図3に示すように、一対の第1延出部161の先端同士をつないでおり、かつ取付ベース11から離れている。
【0041】
また、一対の第2部分1622の各々は、一対の第1延出部161のうち対応する第1延出部161の先端から内向き(内器ユニット13に近づく向き)に突出している。すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10では、第2延出部162は、
図3に示すように、取付ベース11における内器ユニット13の取付面である第1取付面1111と平行な方向で、かつ内器ユニット13に近づく向きに延びている。
【0042】
一対の第2側板部113の各々は、一対の組立孔1131を有している。一対の組立孔1131の各々は、上下方向から見た形状が左右方向に長い矩形状である。一対の組立孔1131は、一対の第2側板部113の各々の後端部で、かつ左右方向の両端部に設けられている。
【0043】
(2.3.2)カバー体
カバー体12は、
図6に示すように、両面(前面及び後面)が開口した箱状である。つまり、カバー体12は、前面側に設けられた第1開口部101(
図1参照)と、後面側に設けられた第2開口部102と、を有している。第1開口部101の開口寸法は、
図2に示すように、内扉14の外形寸法よりもわずかに大きい。第2開口部102の開口寸法は、
図7A及び
図7Bに示すように、取付ベース11の外形寸法よりもわずかに大きい。
【0044】
カバー体12は、
図6、
図7A及び
図7Bに示すように、枠体121と、一対の第1側板部122と、一対の第2側板部123と、を有している。
【0045】
枠体121は、
図6に示すように、一対の第1枠片1211と、一対の第2枠片1212と、を有している。一対の第1枠片1211の各々は、上下方向に長い棒状である。一対の第1枠片1211は、所定の間隔を空けて左右方向に並んでいる。一対の第2枠片1212の各々は、左右方向に長い棒状である。一対の第2枠片1212は、所定の間隔を空けて上下方向に並んでいる。枠体121は、一対の第1枠片1211と一対の第2枠片1212とで上下方向に長い矩形の枠状に形成されている。枠体121は、その中央部に開口部1210を有している。開口部1210は、上述したカバー体12の第1開口部101を構成している。
【0046】
一対の第1枠片1211のうち右側(
図6の左側)の第1枠片1211には、複数(図示例では2個)のストッパ128が設けられている。つまり、複数のストッパ128は、ボックス本体17(取付ベース11及びカバー体12)と一体である。複数のストッパ128は、右側の第1枠片1211の長手方向の両端部に設けられている。複数のストッパ128の各々は、右側の第1枠片1211の前面から前方に突出している。一対の第1枠片1211のうち左側(
図6の右側)の第1枠片1211には、複数(図示例では2個)の固定金具129が取り付けられている。複数の固定金具129は、左側の第1枠片1211の長手方向の両端部に取り付けられている。
【0047】
一対の第2枠片1212のうち上側の第2枠片1212には、第1支持金具127Aが取り付けられている。第1支持金具127Aは、上側の第2枠片1212の長手方向の右端部(
図6の左端部)に取り付けられている。第1支持金具127Aは、前後方向に長い板状であって、上下方向に貫通する貫通孔1271を有している。貫通孔1271は、上下方向から見た形状が円形である。一対の第2枠片1212のうち下側の第2枠片1212には、第2支持金具127Bが取り付けられている。第2支持金具127Bは、下側の第2枠片1212の長手方向の右端部(
図6の左端部)に取り付けられている。第2支持金具127Bは、前後方向に長い板状であって、上向きに突出する突起1272が一体に設けられている。
【0048】
一対の第1側板部122は、枠体121における左右方向の両端から後方に突出している。すなわち、一対の第1側板部122は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面である第1取付面1111と交差する方向に延びている。一対の第1側板部122は、左右方向において互いに対向している。すなわち、一対(2つ)の第1側板部122は、鉛直方向(上下方向)に沿った施工面100(
図3参照)に取り付けられた取付ベース11に対してカバー体12を取り付けた状態で鉛直方向と交差する方向(左右方向)に並んでいる。
【0049】
一対の第1側板部122の各々の後端には、折り返し部124が一体に設けられている。折り返し部124は、第1側板部122の後端から内向きに突出している。言い換えると、一対(2つ)の第1側板部122の各々は、一対(2つ)の第1側板部122の各々における取付ベース11側の端部を互いに近づく向きに折り返した折り返し部124を有している。
【0050】
一対の第2側板部123は、枠体121における上下方向の両端から後方に突出している。すなわち、一対の第2側板部123は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面である第1取付面1111と交差する方向に延びている。一対の第2側板部123は、上下方向において互いに対向している。すなわち、一対(2つ)の第2側板部123は、鉛直方向(上下方向)に沿った施工面100(
図3参照)に取り付けられた取付ベース11に対してカバー体12を取り付けた状態で鉛直方向に並んでいる。
【0051】
一対の第2側板部123のうち上側の第2側板部123は、開口部1231を有している。開口部1231は、左右方向に長い矩形状であって、上側の第2側板部123における左右方向の中央部に設けられている。開口部1231は、上下方向から見て上側の第2側板部123の後端まで形成されている。したがって、後述するように、取付ベース11に取り付けられた主幹ブレーカ2及び複数の分岐ブレーカ3に対して分岐線202を接続した後に、取付ベース11に対してカバー体12を取り付けることができる。
【0052】
また、上側の第2側板部123は、一対の第1結合部125を更に有している。一対の第1結合部125は、上側の第2側板部123の後端部で、かつ左右方向の両端部に設けられている。一対の第1結合部125の各々は、
図8A及び
図8Bに示すように、取付片1251と、結合片1252と、を有している。一対の第1結合部125の各々は、左右方向から見た形状がL字状である。一対の第1結合部125の各々は、取付片1251にて上側の第2側板部123に取り付けられている。そして、一対の第1結合部125の各々が上側の第2側板部123に取り付けられた状態では、一対の第1結合部125の各々の結合片1252は、上側の第2側板部123の下面から下向きに突出している。
【0053】
一対の第2側板部123のうち下側の第2側板部123は、一対の第2結合部126を有している。一対の第2結合部126は、下側の第2側板部123の後端部で、かつ左右方向の両端部に設けられている。一対の第2結合部126の各々は、
図9A及び
図9Bに示すように、支持片1261と、ばね片1262と、を有している。支持片1261は、前後方向に長い矩形の板状である。ばね片1262は、支持片1261の後端部を上向きに折り返すことにより、上下方向に撓み可能に構成されている。
【0054】
(2.3.3)内器ユニット
内器ユニット13は、主幹ブレーカ2及び複数の分岐ブレーカ3を取付ベース11に取り付けるための部材である。すなわち、内器ユニット13は、少なくとも1つのブレーカ(主幹ブレーカ2及び複数の分岐ブレーカ3)を取付可能である。内器ユニット13は、
図3に示すように、一対の支持部材131と、第1取付部材132と、第2取付部材133と、を有している。
【0055】
一対の支持部材131の各々は、上下方向に長い棒状である。一対の支持部材131の各々は、上下方向から見た形状がU字状である。一対の支持部材131の上端部には、第3結合部135が取り付けられている。一対の支持部材131の下端部には、第4結合部134が取り付けられている。
【0056】
第3結合部135は、
図4A及び
図4Bに示すように、可動部1351と、レバー1352と、ロック機構1353(
図8B参照)と、を有している。
【0057】
可動部1351は、第1位置と第2位置との間で移動可能である。第1位置は、可動部1351の先端部が支持部材131の上端よりも上側に突出する位置(
図4Aに示す位置)である。第2位置は、可動部1351の先端部が支持部材131の上端よりも下側に引っ込んだ位置である。第3結合部135は、取付ベース11に設けられた第1固定部114と結合する。具体的には、第3結合部135の可動部1351の先端部が第1固定部114の第2片1142の後面に接触することによって、第3結合部135が第1固定部114と結合する。可動部1351は、図示しないばね体によって上向きの弾性力が付与されている。
【0058】
レバー1352は、ユーザの操作によって上下方向に移動可能である。ユーザがレバー1352を上下方向に移動させることによって、可動部1351を第1位置と第2位置との間で移動させることができる。すなわち、第3結合部135は、第1位置(後述の結合位置)と第2位置(後述の非結合位置)との間で可動部1351を移動させるレバー1352を更に有している。
【0059】
ロック機構1353は、ユーザの操作によって第1状態と第2状態とを切替可能である。第1状態は、レバー1352の操作を禁止、すなわちレバー1352の移動を規制する状態である。第2状態は、レバー1352の操作を許可、すなわち、レバー1352の移動を可能にする状態である。すなわち、第3結合部135は、レバー1352の操作を禁止するロック機構1353を更に有している。
【0060】
第4結合部134は、
図5A及び
図5Bに示すように、下向きに突出する突起1341を有している。第4結合部134は、取付ベース11に設けられた第2固定部115と結合する。具体的には、第2固定部115の第1片1151に設けられた貫通孔1153に、第4結合部134の突起1341を挿入することによって、第4結合部134が第2固定部115と結合する。
【0061】
第1取付部材132は、
図3に示すように、左右方向に長い矩形の板状である。第1取付部材132には、主幹ブレーカ2が取り付けられる。第2取付部材133は、
図3に示すように、左右方向に長い矩形の板状である。第2取付部材133の上下寸法は、第1取付部材132の上下寸法よりも大きい。第2取付部材133には、複数の分岐ブレーカ3が取り付けられる。第1取付部材132及び第2取付部材133は、所定の間隔を空けて左右方向に並ぶ一対の支持部材131に対して、第1取付部材132が上側、第2取付部材133が下側となるように、適宜の取付方法(例えばねじ固定)によって取り付けられる。
【0062】
(2.3.4)内扉
内扉14は、
図1に示すように、一面(後面)が開口した扁平な箱状である。内扉14の外形寸法は、カバー体12の第1開口部101の開口寸法よりもわずかに小さい。内扉14は、扉本体141と、一対の第1側板部142と、一対の第2側板部143と、を有している。
【0063】
扉本体141は、上下方向に長い矩形の板状である。扉本体141は、第1露出孔1411と、第2露出孔1412と、一対の第5結合部145と、を有している。第1露出孔1411は、内器ユニット13に取り付けられた主幹ブレーカ2の機能面(ハンドル23が設けられている面)を露出させるための孔である。第2露出孔1412は、内器ユニット13に取り付けられた複数の分岐ブレーカ3の機能面(ハンドル33が設けられている面)を露出させるための孔である。
【0064】
一対の第5結合部145は、
図2に示すように、扉本体141の左端部で、かつ上下方向の両端部に取り付けられている。一対の第5結合部145の各々は、上述の第3結合部135と同じ構造を有している。つまり、一対の第5結合部145の各々は、可動部と、レバー1451と、ロック機構1452と、を有している。そして、カバー体12に対して内扉14を閉じた状態で、一対の第5結合部145の可動部を、上述の一対の固定金具129(
図6参照)に引っ掛けることで、内扉14が閉状態に保持(ロック)される。
【0065】
一対の第1側板部142は、扉本体141の左右方向の両端から後方に突出している。つまり、一対の第1側板部142は、左右方向において互いに対向している。一対の第2側板部143は、扉本体141の上下方向の両端から後方に突出している。つまり、一対の第2側板部143は、上下方向において互いに対向している。
【0066】
内扉14は、ボックス本体17(取付ベース11及びカバー体12)に対して開閉可能である。具体的には、内扉14は、第2支持構造19によってボックス本体17に取り付けられ、ボックス本体17の第1開口部101を塞ぐ閉位置と第1開口部101を開放する開位置との間で開閉可能である。
【0067】
第2支持構造19は、上述の第1支持金具127Aと、上述の第2支持金具127Bと、第1支持部144(
図8B参照)と、第2支持部1431(
図1参照)と、を有している。
【0068】
第1支持部144は、
図8Bに示すように、軸体1441と、レバー1442と、ロック機構1443と、ばね体1444と、を有している。第1支持部144は、内扉14の右側の第1側板部142の上端部に取り付けられている。
【0069】
軸体1441は、上下方向に長い丸棒である。レバー1442は、軸体1441の長手方向と直交する方向に長い丸棒であり、軸体1441の外周面から外方に突出している。つまり、本実施形態では、軸体1441とレバー1442とが一体である。
【0070】
ロック機構1443は、上下方向に長い縦溝1445と、前後方向に長い第1横溝1446及び第2横溝1447と、を有している。ロック機構1443は、左右方向から見た形状がU字状である。第1横溝1446は、縦溝1445の上端から前方に延出している。第2横溝1447は、縦溝1445の下端から前方に延出している。
【0071】
ばね体1444は、伸縮方向が上下方向となるように、軸体1441に取り付けられている。ばね体1444は、軸体1441に対して上向きの弾性力を付与する。したがって、レバー1442が縦溝1445内に位置している状態では、ばね体1444からの弾性力によって軸体1441が後述の支持位置へと移動する。
【0072】
第1支持部144では、レバー1442は、縦溝1445、第1横溝1446及び第2横溝1447内を移動可能である。レバー1442が縦溝1445内を上下方向に移動することによって、軸体1441が支持位置と非支持位置との間で移動する。支持位置は、軸体1441の先端部が第1支持金具127Aの貫通孔1271に挿入される位置である。非支持位置は、支持位置よりも下側の位置であって、軸体1441の先端部が第1支持金具127Aの貫通孔1271に挿入されない位置である。レバー1442が第1横溝1446内に位置している状態では、軸体1441が支持位置に保持される。レバー1442が第2横溝1447内に位置している状態では、軸体1441が非支持位置に保持される。
【0073】
第2支持部1431は、
図1に示すように、内扉14の下側の第2側板部143に設けられた貫通孔(以下、「貫通孔1431」ともいう)である。貫通孔1431は、第2支持金具127Bの突起1272を挿通可能な大きさであって、上下方向から見た形状が円形である。第2支持部1431は、下側の第2側板部143の右端部に設けられている。
【0074】
内扉14は、第1支持金具127Aの貫通孔1271に第1支持部144の軸体1441の先端部を挿入し、かつ貫通孔(第2支持部)1431に第2支持金具127Bの突起1272を挿入することで、ボックス本体17に対して開閉可能に支持される。
【0075】
(2.3.5)外扉
外扉15は、
図1及び
図2に示すように、一面(後面)が開口した扁平な箱状である。外扉15の外形寸法は、内扉14の外形寸法よりも一回り大きい。外扉15は、扉本体151と、一対の第1側板部152と、一対の第2側板部153と、を有している。
【0076】
扉本体151は、上下方向に長い矩形の板状である。扉本体151は、外扉15が後述の閉位置に位置している状態で、ボックス本体17の第1開口部101を覆う。一対の第1側板部152は、扉本体151の左右方向の両端(つまり、扉本体151の外縁)から後方(ボックス本体17側)に突出している。つまり、一対の第1側板部152は、左右方向において互いに対向している。一対の第2側板部153は、扉本体151の上下方向の両端から後方に突出している。つまり、一対の第2側板部153は、上下方向において互いに対向している。
【0077】
外扉15は、ボックス本体17(取付ベース11及びカバー体12)に対して開閉可能である。具体的には、外扉15は、第1支持構造18によってボックス本体17に取り付けられ、ボックス本体17の第1開口部101を塞ぐ閉位置と第1開口部101を開放する開位置との間で移動可能である。
【0078】
第1支持構造18は、支持金具130と、貫通孔と、第1支持部154と、第2支持部1531と、を有している。
【0079】
支持金具130は、
図10Bに示すように、カバー体12の枠体121のうち下側の第2枠片1212の上面における右端部に取り付けられている。支持金具130は、上向きに突出する突起1301を有している。貫通孔は、カバー体12の枠体121のうち上側の第2枠片1212の下面における右端部に設けられている。
【0080】
第1支持部154は、
図10Aに示すように、軸体1541と、レバー1542と、ロック機構1543と、ばね体1544と、を有している。すなわち、第1支持構造(支持構造)18は、軸体1541と、レバー1542と、ロック機構1543と、を有している。軸体1541は、外扉15を回転可能に支持する。レバー1542は、後述の支持位置と非支持位置との間で軸体1541を移動させる。ロック機構1543は、レバー1542の操作を禁止する。第1支持部154は、外扉15の右側の第1側板部152の上端部に取り付けられている。
【0081】
軸体1541は、上下方向に長い丸棒である。レバー1542は、軸体1541の長手方向と直交する方向に長い丸棒であり、軸体1541の外周面から外方に突出している。つまり、本実施形態では、軸体1541とレバー1542とが一体である。
【0082】
ロック機構1543は、上下方向に長い縦溝1545と、前後方向に長い第1横溝1546及び第2横溝1547と、を有している。ロック機構1543は、左右方向から見た形状がU字状である。第1横溝1546は、縦溝1545の上端から後方に延出している。第2横溝1547は、縦溝1545の下端から後方に延出している。
【0083】
ばね体1544は、伸縮方向が上下方向となるように、軸体1541に取り付けられている。ばね体1544は、軸体1541に対して上向きの弾性力を付与する。したがって、レバー1542が縦溝1545内に位置している状態では、軸体1541は、ばね体1544からの弾性力によって後述の支持位置へと移動する。
【0084】
第2支持部1531は、外扉15の下側の第2側板部153に設けられた貫通孔(以下、「貫通孔1531」ともいう)である。貫通孔1531は、支持金具130の突起1301を挿通可能な大きさであって、上下方向から見た形状が円形である。
【0085】
第1支持部154では、レバー1542は、縦溝1545、第1横溝1546及び第2横溝1547内を移動可能である。レバー1542が縦溝1545内を上下方向に移動することによって、軸体1541が支持位置と非支持位置との間で移動する。支持位置は、軸体1541の先端部が上述の貫通孔に挿入される位置である。非支持位置は、支持位置よりも下側の位置であって、軸体1541の先端部が上述の貫通孔に挿入されない位置である。レバー1542が第1横溝1546内に位置している状態では、軸体1541が支持位置に保持される。レバー1542が第2横溝1547内に位置している状態では、軸体1541が非支持位置に保持される。
【0086】
(3)突出部の機能
(3.1)把持部
本実施形態に係る盤用ボックス10は、
図3に示すように、取付ベース11と一体に設けられた一対の突出部16を備えている。言い換えると、盤用ボックス10は、取付ベース11が取り付けられる施工面100と平行な方向で、かつ鉛直方向(上下方向)と直交(交差)する方向における両端部に設けられた複数(図示例では2個)の突出部16を備えている。各突出部16における第2延出部162は、取付ベース11から離れている。また、各第2延出部162における第1部分1621は、鉛直方向(上下方向)に沿って延びている。そのため、本実施形態に係る盤用ボックス10によれば、各突出部16の第1部分1621を持って取付ベース11を施工面100に取り付けることができるので、例えば、分電盤1を高所に取り付ける場合でも施工性が低下しにくい。すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10によれば、上述の特許文献1に記載の分電盤のようにキャビネットの両側面を持って取り付ける場合に比べて、分電盤1を施工面100に取り付ける際の作業性を向上させることができる。このように、本実施形態に係る盤用ボックス10によれば、複数の突出部16を、取付ベース11の把持部16Aとして機能させることができる。
【0087】
また、本実施形態に係る盤用ボックス10のように、鉛直方向と直交する方向(左右方向)における両端部に複数の突出部16を設けることで、取付ベース11を持ち易いという利点もある。
【0088】
さらに、本実施形態に係る盤用ボックス10では、各突出部16の断面形状が円形である。そのため、各突出部16の第1部分1621を掴み易いという利点がある。
【0089】
(3.2)配線規制部
本実施形態に係る盤用ボックス10では、
図3に示すように、一次側端子が内側、二次側端子が外側となるように、複数の分岐ブレーカ3が配置されている。そのため、各分岐ブレーカ3の二次側端子に分岐線202を接続した場合には、分岐線202が左右方向に広がる可能性がある。そして、施工面100に取り付けられた取付ベース11に対してカバー体12を取り付ける際に、左右方向に広がった分岐線202が邪魔になって作業性が低下する可能性がある。
【0090】
本実施形態に係る盤用ボックス10では、突出部16は、左右方向において、内器ユニット13に取り付けられた複数の分岐ブレーカ3と対向する位置に設けられている。そのため、各分岐ブレーカ3の二次側端子に接続された分岐線202が左右方向に広がるのを突出部16にて規制することができる。その結果、取付ベース11にカバー体12を取り付ける際に分岐線202が邪魔になりにくく、作業性が低下しにくいという利点がある。このように、本実施形態に係る盤用ボックス10によれば、複数の突出部16を、分岐線(電気配線)202の移動を規制する配線規制部16Bとして機能させることができる。
【0091】
また、本実施形態に係る盤用ボックス10では、
図4A及び
図4Bに示すように、各突出部16は、内器ユニット13における分岐ブレーカ3の取付面である第2取付面1331(第2取付部材133の表面1331)よりも分岐ブレーカ側(前方)に突出している。各分岐ブレーカ3に接続される分岐線(電気配線)202は、第2取付部材133の表面1331よりも前方に配置されるため、分岐線202の前方への広がりについても突出部16にて規制することができる。
【0092】
(4)取付ベースに対するカバー体の取付構造
本実施形態に係る分電盤1では、施工面100に対して取付ベース11を取り付けた後、施工面100に取り付けられた取付ベース11に対してカバー体12を取り付ける。その後、施工面100に取り付けられたボックス本体17(取付ベース11及びカバー体12)に対して、内扉14及び外扉15を順番に取り付ける。このような手順により、本実施形態に係る分電盤1が施工面100に取り付けられる。
【0093】
本実施形態に係る盤用ボックス10では、取付ベース11に対してカバー体12を容易に取り付けることができる。以下、具体的に説明する。
【0094】
まず、取付ベース11の上側の第2側板部113に設けられた一対の組立孔1131に、カバー体12の上側の第2側板部123に設けられた一対の第1結合部125の結合片1252を差し込む(
図8B参照)。
【0095】
次に、一対の組立孔1131に差し込まれた一対の結合片1252を支点として、取付ベース11に対してカバー体12を回転させる。このとき、カバー体12の下側の第2側板部123に設けられた一対の第2結合部126のばね片1262は、取付ベース11の下側の第2側板部113の下面に接触することで、第2側板部113から離れる向き(支持片1261に近づく向き)に移動(変形)する。つまり、本実施形態に係る盤用ボックス10では、支持片1261及びばね片1262を含む第2結合部126が可動体であり、第2結合部126の一部であるばね片1262が板ばねである。
【0096】
そして、取付ベース11に対してカバー体12を取り付けた状態では、
図9Bに示すように、取付ベース11の下側の第2側板部113に設けられた一対の組立孔1131に、一対の第2結合部126のばね片1262が嵌まり込む。つまり、本実施形態に係る盤用ボックス10では、カバー体12は、ドライバ等の工具を使用しないで取付ベース11に取付可能である。そして、カバー体12を取付ベース11に取り付けた状態では、カバー体12によって内器ユニット13の周囲が覆われている。
【0097】
また、取付ベース11にカバー体12を取り付けた状態から、一対の第2結合部126のばね片1262を支持片1261に近づく向きに変形させた状態で、カバー体12の下側を取付ベース11から離れる向きに持ち上げる。このとき、一対の第2結合部126のばね片1262は、一対の組立孔1131に嵌まり込んだ状態が解除される。
【0098】
次に、カバー体12の下側を取付ベース11から離れる向きに持ち上げた状態で、取付ベース11に対してカバー体12を上側に移動させる。このとき、一対の結合片1252が一対の組立孔1131に差し込まれた状態が解除され、取付ベース11からカバー体12を取り外すことができる。つまり、本実施形態に係る盤用ボックス10では、カバー体12は、取付ベース11に対して着脱可能である。
【0099】
ところで、本実施形態に係る盤用ボックス10では、
図3に示すように、施工面100に対して取付ベース11のみが直接的に取り付けられる。そのため、上述の特許文献1に記載の分電盤のようにキャビネットが一体構造である場合に比べて、施工面100に取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0100】
ここで、本実施形態に係る盤用ボックス10では、取付ベース11が第1部材であり、カバー体12が第2部材である。そして、第1部材としての取付ベース11は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面である第1取付面1111と直交(交差)する方向に延びている第2側板部113(固定板)を有している。また、第2部材としてのカバー体12は、第2側板部113と結合する第1結合部125及び第2結合部126(結合部)を有している。
【0101】
また、取付ベース11にカバー体12を取り付けた状態では、取付ベース11の一対の第2側板部113とカバー体12の一対の第2側板部123とが上下方向において対向している。言い換えると、取付ベース11にカバー体12を取り付けた状態で、固定板の少なくとも一部と第2部材の少なくとも一部とが対向している。これにより、一対の第2側板部113と一対の第2側板部123とが接触することで、取付ベース11に対するカバー体12の上下方向への移動を規制することができる。
【0102】
さらに、本実施形態に係る盤用ボックス10では、カバー体12の一対の第1側板部122が並ぶ方向(左右方向)における取付ベース11の幅寸法W1は、取付ベース11にカバー体12を取り付けた状態で一対の折り返し部124と干渉しない幅寸法である。言い換えると、取付ベース11の幅寸法W1は、
図7Aに示すように、カバー体12の幅寸法W0から一対の折り返し部124の幅寸法W2を引いた寸法よりも小さい。この構成によれば、取付ベース11にカバー体12を取り付ける際の作業性が向上するという利点がある。
【0103】
(5)取付ベースに対する内器ユニットの取付構造
本実施形態に係る盤用ボックス10では、
図4A~
図5Bに示すように、取付ベース11に対して内器ユニット13を容易に取り付けることができる。以下、具体的に説明する。
【0104】
まず、取付ベース11のベース本体111の下端部に設けられた一対の第2固定部115の貫通孔1153に、内器ユニット13の一対の支持部材131の下端部に設けられた一対の第4結合部134の突起1341を差し込む(
図5B参照)。
【0105】
次に、一対の貫通孔1153に差し込まれた一対の突起1341を支点として、取付ベース11のベース本体111に近づく向きに内器ユニット13を回転させる。このとき、内器ユニット13の一対の支持部材131の上端部に設けられた一対の第3結合部135の可動部1351が、取付ベース11のベース本体111の上端部に設けられた一対の第1固定部114の第2片1142に接触する。そして、各可動部1351は、各第2片1142からの反力によって、ばね体からの弾性力に抗って下側に移動する。つまり、可動部1351は、取付ベース11に内器ユニット13を取り付ける際に、第1固定部114の第2片1142に接触することで第2片1142から離れる向きに移動する。
【0106】
内器ユニット13が取付ベース11に対して所定位置(
図4Bに示す位置)に到達すると、各可動部1351は、ばね体からの弾性力によって上側に移動する。その結果、各可動部1351が、各第2片1142の後面に接触し、取付ベース11に内器ユニット13が取り付けられる。つまり、本実施形態に係る盤用ボックス10では、内器ユニット13は、ドライバ等の工具を使用しないで取付ベース11に取付可能である。また、本実施形態に係る盤用ボックス10では、内器ユニット13は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面1111と平行な方向における一端部(一対の突起1341)を支点として回転させることで取付ベース11に取り付けられる。
【0107】
ここで、本実施形態に係る盤用ボックス10では、取付ベース11が第1部品であり、内器ユニット13が第2部品である。そして、第1部品としての取付ベース11は、取付ベース11における内器ユニット13の取付面1111と交差する方向に延びている第1固定部114及び第2固定部115(固定部)を有している。また、第2部品としての内器ユニット13は、取付ベース11に内器ユニット13を取り付けた状態で第1固定部114及び第2固定部115と結合する第3結合部135及び第4結合部134(結合部)を有している。
【0108】
ところで、取付ベース11に内器ユニット13を取り付けた状態では、
図4Bに示すように、第1固定部114と第3結合部135とが上下方向において互いに対向している。また、取付ベース11に内器ユニット13を取り付けた状態では、
図5Bに示すように、第2固定部115と第4結合部134とが上下方向において互いに対向している。これにより、取付ベース11に対して内器ユニット13が上下方向に移動するのを規制することができる。
【0109】
また、取付ベース11に内器ユニット13を取り付けた状態から、各レバー1352を下向きに移動させて、各可動部1351と各第2片1142との接触状態を解除する。そして、この状態から、一対の貫通孔1153に差し込まれた一対の突起1341を支点として、取付ベース11から離れる向きに内器ユニット13を回転させる。最後に、内器ユニット13を上向きに移動させることで、各貫通孔1153に対する各突起1341の挿入状態が解除され、取付ベース11から内器ユニット13を取り外すことができる。
【0110】
(6)ボックス本体に対する外扉及び内扉の取付構造
本実施形態に係る盤用ボックス10では、ボックス本体17(取付ベース11及びカバー体12)に対して内扉14及び外扉15を容易に取り付けることができる。以下、具体的に説明する。ただし、内扉14及び外扉15は、同様の手順にてボックス本体17に取り付けられるため、以下では、外扉15をボックス本体17に取り付ける場合について説明し、内扉14をボックス本体17に取り付ける場合については説明を省略する。
【0111】
まず、
図10Bに示すように、外扉15の下側の第2側板部153に設けられた貫通孔(第2支持部)1531に、カバー体12の枠体121のうち下側の第2枠片1212に設けられた支持金具130の突起1301を挿入する。
【0112】
次に、カバー体12の枠体121のうち上側の第2枠片1212に設けられた貫通孔に、外扉15の右側の第1側板部152に取り付けられた第1支持部154の軸体1541を挿入する。ここで、軸体1541は、上述したように、ばね体1544からの弾性力が上向きに付与されており、上述の支持位置に位置している。そのため、軸体1541は、上側の第2枠片1212からの反力によって、ばね体1544からの弾性力に抗って下側に移動する。そして、軸体1541は、上下方向において貫通孔と重なる位置に到達すると、ばね体1544からの弾性力によって上向きに移動し、貫通孔に挿入される。これにより、外扉15がボックス本体17に取り付けられる。
【0113】
このように、上述の第1支持構造(支持構造)18は、ボックス本体17に外扉15を取り付けた際にボックス本体17に対して外扉15を回転可能に支持する。また、外扉15は、上述したように、ドライバ等の工具を使用しないでボックス本体17に取付可能である。これにより、ボックス本体17に外扉15を取り付ける際の作業性を向上させることができる。また、内扉14についても同様の手順にてボックス本体17に取り付けることができるので、ボックス本体17に内扉14を取り付ける際の作業性についても向上させることができる。
【0114】
また、ボックス本体17に外扉15を取り付けた状態から、第1支持部154のレバー1542を下向きに移動させて、貫通孔に対する軸体1541の挿入状態を解除した状態で、外扉15をボックス本体17から離れる向きに移動させる。そして、外扉15を上向きに移動させることで、貫通孔1531に対する突起1301の挿入状態が解除され、ボックス本体17から外扉15を取り外すことができる。また、内扉14についても同様の手順にてボックス本体17から取り外すことができる。
【0115】
ところで、本実施形態に係る盤用ボックス10では、
図10A及び
図10Bに示すように、一対のストッパ128によってボックス本体17に対する外扉15の回転を規制することができる。具体的には、一対のストッパ128は、外扉15の右側の第1側板部152の後端縁に接触することで、外扉15の回転を規制する。言い換えると、外扉15におけるストッパ128との接触部分は、右側の第1側板部152の一部である。すなわち、本実施形態に係る盤用ボックス10では、外扉15におけるストッパ128との接触部分(右側の第1側板部152の後端縁)は、外扉15が閉位置に位置している状態で外部から見えない位置に設けられている。
【0116】
また、本実施形態に係る盤用ボックス10では、外扉15におけるストッパ128との接触部分である右側の第1側板部152の後端縁に、逃がし部1521が設けられている。逃がし部1521の形状は、右側の第1側板部152の一部を矩形状に切り欠いたような形状である。このように、外扉15におけるストッパ128との接触部分に逃がし部1521を設けることで、逃がし部1521を設けない場合に比べてボックス本体17に対する外扉15の開度を大きくすることができる。要するに、本実施形態に係る盤用ボックス10では、右側の第1側板部152は、外扉15が開位置に位置している状態でストッパ128を逃がすための逃がし部1521を有している。そして、外扉15におけるストッパ128との接触部分は、逃がし部1521の端縁部分である。
【0117】
(7)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0118】
上述の実施形態では、取付ベース11の第1側板部112に対して突出部16が溶接により取り付けられることで一体となっているが、突出部16は、例えば、第1側板部112の一部を切り起こすことにより、第1側板部112と一体に形成されていてもよい。この場合、第1側板部112と別体に形成された突出部16を第1側板部112に取り付ける作業が不要であるという利点がある。
【0119】
上述の実施形態では、突出部16の断面形状は円形であるが、突出部16の断面形状は、例えば、三角形又は四角形等の多角形であってもよい。
【0120】
上述の実施形態では、カバー体12が備える一対の第2側板部123のうち、上側の第2側板部123が開口部1231を有しているが、一対の第2側板部123の両方が開口部を有していてもよいし、下側の第2側板部123が開口部を有していてもよい。すなわち、カバー体12が備える一対の第2側板部123のうち少なくとも一方の第2側板部123が開口部を有していればよい。
【0121】
上述の実施形態では、取付ベース11が第1部材であり、カバー体12が第2部材であるが、その逆であってもよい。すなわち、取付ベース11が結合部を有する第2部材であって、カバー体12が固定部を有する第1部材であってもよい。
【0122】
上述の実施形態では、取付ベース11が第1部品であり、内器ユニット13が第2部品であるが、その逆であってもよい。すなわち、取付ベース11が結合部を有する第2部品であって、内器ユニット13が固定部を有する第1部品であってもよい。
【0123】
上述の実施形態では、第2結合部126が可動体であるが、第1結合部125及び第2結合部126の両方が可動体であってもよいし、第1結合部125が可動体であってもよい。すなわち、第1結合部125及び第2結合部126の少なくとも一方が可動体であればよい。
【0124】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る盤用ボックス(10)は、ボックス本体(17)と、外扉(15)と、支持構造(18)と、を備える。ボックス本体(17)は、一面(前面)に開口部(101)を有する。外扉(15)は、ボックス本体(17)に対して開口部(101)を塞ぐ閉位置と開口部(101)を開放する開位置との間で移動可能である。支持構造(18)は、ボックス本体(17)に外扉(15)を取り付けた際にボックス本体(17)に対して外扉(15)を回転可能に支持する。
【0125】
この態様によれば、ボックス本体(17)に外扉(15)を取り付けた際に支持構造(18)にて外扉(15)をボックス本体(17)に保持させることができる。これにより、ボックス本体(17)に外扉(15)を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0126】
第2の態様に係る盤用ボックス(10)は、第1の態様において、ストッパ(128)を更に備える。ストッパ(128)は、ボックス本体(17)に対して外扉(15)を開く際に外扉(15)の一部と接触することで外扉(15)の回転を規制する。外扉(15)におけるストッパ(128)との接触部分は、外扉(15)が閉位置に位置している状態で外部から見えない位置に設けられている。
【0127】
この態様によれば、外扉(15)におけるストッパ(128)との接触部分は、外扉(15)が閉位置に位置している状態で外部から見えない位置に設けられているので、外観の低下を抑えながら外扉(15)の回転を規制することができる。
【0128】
第3の態様に係る盤用ボックス(10)では、第2の態様において、外扉(15)は、扉本体(151)と、側板部(152)と、を有する。扉本体(151)は、外扉(15)が閉位置に位置している状態で開口部(101)を覆う。側板部(152)は、扉本体(151)の外縁からボックス本体(17)側に突出する。接触部分は、側板部(152)の少なくとも一部である。
【0129】
この態様によれば、ストッパ(128)を側板部(152)の少なくとも一部に接触させることで外扉(15)の回転を規制することができる。
【0130】
第4の態様に係る盤用ボックス(10)では、第3の態様において、側板部(152)は、外扉(15)が開位置に位置している状態でストッパ(128)を逃がすための逃がし部(1521)を有する。接触部分は、逃がし部(1521)の端縁部分である。
【0131】
この態様によれば、逃がし部(1521)により外扉(15)の開度を大きくすることができる。
【0132】
第5の態様に係る盤用ボックス(10)では、第2~第4の態様のいずれか1つにおいて、ストッパ(128)は、ボックス本体(17)と一体である。
【0133】
この態様によれば、ボックス本体(17)にストッパ(128)を取り付ける作業が不要であるという利点がある。
【0134】
第6の態様に係る盤用ボックス(10)では、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、外扉(15)は、工具を使用しないでボックス本体(17)に取付可能である。
【0135】
この態様によれば、ボックス本体(17)に対して外扉(15)を容易に取り付けることができる。
【0136】
第7の態様に係る盤用ボックス(10)では、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、支持構造(18)は、軸体(1541)と、レバー(1542)と、ロック機構(1543)と、を有する。軸体(1541)は、外扉(15)を回転可能に支持する。レバー(1542)は、軸体(1541)が外扉(15)を支持する支持位置と軸体(1541)が外扉(15)を支持しない非支持位置との間で軸体(1541)を移動させる。ロック機構(1543)は、レバー(1542)の操作を禁止する。
【0137】
この態様によれば、ロック機構(1543)によりレバー(1542)の誤操作を防止することができる。
【0138】
第8の態様に係る盤用ボックス(10)は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、内扉(14)を更に備える。内扉(14)は、ボックス本体(17)に対して開閉可能である。内扉(14)は、第2支持構造(19)にてボックス本体(17)に取り付けられる。第2支持構造(19)は、支持構造(18)としての第1支持構造(18)とは異なり、ボックス本体(17)に内扉(14)を取り付けた際にボックス本体(17)に対して内扉(14)を回転可能に支持する。
【0139】
この態様によれば、ボックス本体(17)に内扉(14)を取り付けた際に第2支持構造(19)にて内扉(14)をボックス本体(17)に保持させることができる。これにより、ボックス本体(17)に内扉(14)を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0140】
第9の態様に係る分電盤(1)は、第1~第8の態様のいずれか1つの盤用ボックス(10)と、少なくとも1つのブレーカ(2,3)と、を備える。
【0141】
この態様によれば、ボックス本体(17)に外扉(15)を取り付けた際に支持構造(154)にて外扉(15)をボックス本体(17)に保持させることができる。これにより、ボックス本体(17)に外扉(15)を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
【0142】
第2~第8の態様に係る構成については、盤用ボックス(10)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0143】
1 分電盤
2 主幹ブレーカ(ブレーカ)
3 分岐ブレーカ(ブレーカ)
10 盤用ボックス
14 内扉
15 外扉
17 ボックス本体
18 第1支持構造(支持構造)
19 第2支持構造
101 第1開口部(開口部)
128 ストッパ
151 扉本体
152 第1側板部(側板部)
1521 逃がし部
1541 軸体
1542 レバー
1543 ロック機構