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  • 特許-非活性化装置 図1
  • 特許-非活性化装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】非活性化装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/40 20220101AFI20231127BHJP
   C10B 53/07 20060101ALI20231127BHJP
   B01D 53/75 20060101ALI20231127BHJP
   B01D 53/82 20060101ALI20231127BHJP
   F23G 5/027 20060101ALI20231127BHJP
   C10G 1/10 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
B09B3/40
C10B53/07
B01D53/75
B01D53/82
F23G5/027 Z
C10G1/10 ZAB
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019152378
(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公開番号】P2021023919
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】502442854
【氏名又は名称】阿部 荒喜
(73)【特許権者】
【識別番号】519277092
【氏名又は名称】東 周平
(72)【発明者】
【氏名】阿部 良博
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-131277(JP,A)
【文献】特開2001-321750(JP,A)
【文献】特開2011-110550(JP,A)
【文献】特開2011-105925(JP,A)
【文献】特開2009-084543(JP,A)
【文献】特開昭63-132995(JP,A)
【文献】特開2001-323308(JP,A)
【文献】特開2011-184673(JP,A)
【文献】特開平10-088148(JP,A)
【文献】特開平10-132239(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/00-85
B09B 3/40、5/00
B29B 17/00
C08J 11/00
C10B 53/00、07
F23G 5/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業工程上手側から廃プラスチックを供給する供給機と、下部に廃プラスチックを受け止 め且つ旋回可能な回転体及び底部に外気の侵入を防止するバルブを有する熱分解槽と、除 塵機と、気液分離機及び熱交換器と、充填塔と、吸着塔と、貯水しているシール槽と、該 シール槽内に設けているシールポンプとをその順に備え、供給された廃プラスチックを熱 分解槽によって熱分解し、該熱分解槽で発生したガス中の粉塵を集塵する除塵機で集塵し 、該除塵ガスを気液分離機及び熱交換機を介して液化し、液化しない残ガスは充填塔を通 って吸着塔で吸着し、該吸着塔を経たガスをシールポンプによってシール槽内の水中に放 出して水上のガスと大気を合体させることを特徴とする非活性化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
廃プラスチック(以下廃プラ)を選別や整形をしないで高周波誘導加熱を用いて熱分解させると発生ガス温度、圧力の不同が起きて摂油量も異なり、非活性化ガス温度と大気温度と近似値にすることは可能か。
【背景技術】
【0002】
見聞する熱分解と呼ばれている技術は、2個の炉体を使い片方の炉で加熱する熱源は、化石燃料をバーナーで燃やし加熱ガスを他の炉体に送り込み処理物を熱している。もうひとつの方法は、炉体をセラミックを加熱し保熱をさせて炉内に処理物を加熱収容し、追加の熱源を入れて処理物を加熱する。どちらも熱源はバーナーを用いる。
【0003】
バーナーを使わない高周波誘導加熱は、燃やさない。化石燃料は使わないから空気は不要である。熱分解槽外周に加熱コイルを巻き、通電することで槽内収容の廃プラを溶解する。但し課題としてはプラント内に空気の侵入を防止することである。
【0004】
空気の侵入は危険である。その対策として非活性化をセッションごと確実に施工し、組立時に槽内及び関連機器の接合部と廃プラ供給開閉部に至るすべての大気侵入を防止する。
供給装置においても選別、破砕、整形など余分の工程を省略し、大きさや形状の異なったものも送り込む。
【0005】
熱分解槽内に事前に供給し、蓋を締め通電するパッチ式の方法は熱分解終了後の槽内の冷却に多くの時間を要するため1日に1回から2回程度の処理しかできず、多量の処理物を限られた時間に処理することは出来なかった。槽内に多量の処理物を一度に入れると薄物小片が先に溶解して重なり、より下層の処理物が溶解して出来るガスの出口を塞いでしまう。
【0006】
熱分解槽上の供給機が大気に通気している又廃プラ供給時に廃プラと空気がともに同時混入して問題が発生する。この同伴空気の侵入を機構上で阻止し、抜気する。
【0007】
非活性化装置は、バッチ連続処理を開発して公開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【非特許文献】
【0009】
【文献】蒸留の本 大江修造 著 日刊工業新聞
【文献】電気化学の本 石原顕光 著 日刊工業新聞
【文献】高周波発振機取扱説明書 電気興業(株)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
熱分解によって発生させた高温高圧ガスを非活性化を実施して熱分解装置内で処理して外部の空気に接することなく大気に近似値の温度と圧力に排ガスを制御することは可能か。
【課題を解決するための手段】
【0011】
熱分解初期に分解槽内温度の動きは、当初温度は徐々に昇温し圧力は低下する。その後昇温となり圧力もともに上昇する。この高温ガスを発生源より遠ざけて冷却し液化させ更に各機器で降温により液化を進める。ガス温度を下げてガス体積を縮小した後、液化しないガスを吸着させガス量を更に縮小させる。
【0012】
ガス量が微小になり大気と接する位置で放出すると大気圧も温度の変動と装置内のガスの大幅な変化で大気放出温度と圧力の違いで放出ガスの増減が大幅に変化する。大気が高く、装置内圧が低いと大気の侵入があり危険である。
【0013】
装置内圧を水中に放出するために内圧と大気を縁切りする。内圧は水で大気の侵入を阻止し、水面上に内圧でガスを放出する。この大気に放出するガス中に多量の粉塵が含まれていて問題がある。
【0014】
廃プラ供給時に同伴空気を吸引除去して熱分解による高温ガス中に含まれる粉塵を除塵し、ガス冷却により液化し、ダクト配管接合部寄りの空気侵入や高圧ガスの外部への流出を防止し、排気ガスを水を介して接気させる。
【0015】
非活性化の一部機構の気液分離機は、通常の熱交換器に使用されるチューブより大きく、装置でなく立置し、ガスはチューブ内を下より上に抜け、冷却水はチューブの外周を包み、冷却時間」が短くとも立置パイプ内面に油の付着は少ない。
【0016】
ガスが液化するとガス圧力も減少し、体積も縮小し、このまま大気に接続することも可能だが液化しないガス体は充填塔と吸着塔を介して水中にポンプで放出する。未液化ガスは約1パーセント程度発生し常温では液化しない。
【0017】
条件として熱分解ガスの増減は廃プラ原料に原因があり、種別、形状によりガスの発生量が大幅に違う。また大気も天候に左右され、吸着後のガスはポンプで強制的に残留ガスを水中に放散して水上のガスが大気と合体させる。
【発明の効果】
【0018】
供給制限空間を利用し、処理と同伴空気引き抜き発生ガス中の粉塵を除き、ガスを冷却により液化し、非液化ガスを吸着して除き、大気温度と同温まで調温し、負圧時の大気の侵入を水を利用して阻止し、ガスと空気を水を介して同化させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の非活性化プラントのフロー説明図である。
図2】本発明の非活性化熱分解槽上に設けた供給機と除塵機の断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は非活性化プラントのフロー図である。この図をもとに説明する。1は熱分解槽は上下に重設した供給機に廃プラを供給し内部の回転体に廃プラを収容して90度づつ旋回し、同伴空気と機器隙間より侵入空気を真空ポンプ7で吸引処理する。
【0021】
熱分解槽底部でもシールレスバルブ12で外機の侵入を防止している。熱分解により発生したガス中の粉塵は、除塵機で集塵して熱分解槽内に落とし、除塵ガスは気液分離機5を介して熱交換器とともに液化させる。
【0022】
装置配管内ガス温度と圧力は残っているその自己圧力でガスは充填塔8に入気し、更に吸着塔9の活性炭に未液化ガスを吸着させる。ガス中の残留温度はシール層10内のシー ルポンプ11に吸引されて水中に放出される。
【0023】
シール槽は、大気の圧力差や温度の変動によって装置内が負圧になり、装置内に大気が侵入するのを防止する保安上の目的のためにある。また、熱分解槽内圧力、温度差も大きく変動するため水シールが必要である。
【実施例
【0024】
熱分解槽内廃プラを原料に無酸素状態で熱分解ガスを冷却し液化させ、油と水と塩酸を製造して残った残渣物を800℃程度で熱分解または追加工するとカーボンが脱油して工業用カーボンに利用が可能である。
【0025】
熱分解温度は高周波誘導加熱なので自由に調整可能で450℃までなら残渣物に多量の熱量を保持していて粉炭として利用も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0026】
塩酸の利用は、メッキの酸洗、鋼材等の酸洗に再利用が可能で採油した油はそのまま燃料として使用することが可能である。水は一般廃プラでは30%以上、医療廃棄物では50%以上混入または付着している。水分より塩酸を除去すればこの装置の冷却水として再利用が可能である。
【0027】
紙とアルミ箔、ビニールにアルミ箔は、菓子類や医薬品に一般的に使用されている。このアルミを回収することも可能である。また、電気機器、スイッチ党等の数多いビスの回収も空気のない世界では酸化しない利点がある。
【符号の説明】
【0028】
熱分解槽
C型供給機
除塵機
除塵機
気液分離機
熱交換器
真空ポンプ
充填塔
吸着塔
10 シール槽
11 シールポンプ
12 シールレスバルブ
13 攪拌機
図1
図2