(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】環境制御システム、及び、環境制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/80 20180101AFI20231127BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20231127BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20231127BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20231127BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20231127BHJP
H05B 47/105 20200101ALI20231127BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20231127BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20231127BHJP
F24F 110/50 20180101ALN20231127BHJP
【FI】
F24F11/80
F24F11/62
H05B45/10
H05B45/20
H05B47/16
H05B47/105
F24F110:10
F24F110:20
F24F110:50
(21)【出願番号】P 2020553841
(86)(22)【出願日】2019-10-25
(86)【国際出願番号】 JP2019041856
(87)【国際公開番号】W WO2020090640
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】P 2018207582
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】青木 沙季
(72)【発明者】
【氏名】鈴鹿 裕子
(72)【発明者】
【氏名】岩堀 裕
(72)【発明者】
【氏名】越水 隆典
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-232421(JP,A)
【文献】特開2001-074292(JP,A)
【文献】特開2001-078966(JP,A)
【文献】特開2017-032202(JP,A)
【文献】特開2005-211319(JP,A)
【文献】特開2006-280748(JP,A)
【文献】特開2018-065068(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199920(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/017784(WO,A1)
【文献】特開平08-152175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/80
F24F 11/62
H05B 45/10
H05B 45/20
H05B 47/16
H05B 47/105
F24F 110/10
F24F 110/20
F24F 110/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が位置する空間の温度を調整するための空調装置と、
前記空調装置を用いて、前記空間の温度を上げる第一制御、及び、前記空間の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる第二制御を行うことにより、
覚醒中の前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う制御装置とを備える
環境制御システム。
【請求項2】
対象者が位置する空間の換気を行う換気装置と、
前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にすべきタイミングが到来すると、換気を行っている前記換気装置を停止させるか、または、換気を行っている前記換気装置の換気量を低下させて、前記空間における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にすることにより、前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う制御装置とを備える
環境制御システム。
【請求項3】
さらに、前記空間の温度を調整するための空調装置を備え、
前記制御装置は、前記制御において、前記空調装置を用いて、前記空間の温度を上げる第一制御、及び、前記空間の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる第二制御を行う
請求項2に記載の環境制御システム。
【請求項4】
前記第一制御は、前記空調装置を用いて一定時間をかけて前記空間の温度を上げる制御であり、
前記第二制御は、前記空調装置を用いて、前記一定時間とは異なる周期で、前記空間の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる制御である
請求項1または3に記載の環境制御システム。
【請求項5】
さらに、前記空間を照らす照明装置を備え、
前記制御装置は、前記制御の開始当初に、前記照明装置を用いて前記空間の照度を下げる
請求項1~4のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項6】
さらに、前記空間を照らす照明装置を備え、
前記制御装置は、前記制御の開始当初に、前記照明装置が発する光の色温度を下げる
請求項1~5のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項7】
さらに、前記空間へ取り入れられる外光の量を調整する外光調整装置を備え、
前記制御装置は、前記制御の開始当初に、前記外光調整装置を用いて前記空間へ取り入れられる外光の光量を低減する
請求項1~6のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項8】
さらに、前記空間に配置された間接照明装置を備え、
前記制御装置は、前記制御において、前記間接照明装置が発する光の照度をゆらがせる
請求項1~7のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項9】
さらに、前記空間に配置された間接照明装置を備え、
前記制御装置は、前記制御において、前記間接照明装置が発する光の発光色を変更可能である
請求項1~8のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項10】
さらに、前記空間に配置された、スピーカ及び香り発生装置を備え、
前記制御装置は、前記制御において、前記スピーカが発する音を変化させ、かつ、前記香り発生装置が発する香りを変化させる
請求項1~9のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項11】
さらに、前記空間における環境情報を計測する計測装置を備える
請求項1~10のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項12】
前記制御装置は、現在時刻情報を取得し、取得した前記現在時刻情報に基づいて前記制御を実行する
請求項1~11のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記対象者の生体情報を取得し、取得した前記生体情報に基づいて前記制御を実行する
請求項1~12のいずれか1項に記載の環境制御システム。
【請求項14】
対象者が位置する空間の温度を調整するための空調装置を用いて、前記空間の温度を上げた後、前記空間の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させることにより、
覚醒中の前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う
環境制御方法。
【請求項15】
対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にすべきタイミングが到来すると、前記対象者が位置する空間の換気を行っている換気装置を停止させるか、または、前記換気装置の換気量を低下させて前記空間における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にすることにより、前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う
環境制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境制御システム、及び、環境制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、生理情報及び行動情報を併用することにより居住者の身体状態を検出し、上記身体状態に対して住宅設備機器を個人にとって最適に制御する環境制御機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、対象者の緊張感の緩和、及び、対象者のリラックス感の向上等を図ることができる環境制御システム及び環境制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る環境制御システムは、対象者が位置する空間の温度を調整するための空調装置と、前記空調装置を用いて、前記空間の温度を上げる第一制御、及び、前記空間の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる第二制御を行うことにより、前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う制御装置とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る環境制御システムは、対象者が位置する空間の換気を行う換気装置と、前記換気装置を用いて、前記空間における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にすることにより、前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う制御装置とを備える。
【0007】
本発明の一態様に係る環境制御方法は、対象者が位置する空間の温度を調整するための空調装置を用いて、前記空間の温度を上げた後、前記空間の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させることにより、前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う。
【0008】
本発明の一態様に係る環境制御方法は、対象者が位置する空間の換気を行う換気装置を用いて前記空間における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にすることにより、前記対象者の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、対象者の緊張感の緩和、及び、対象者のリラックス感の向上等を図ることができる環境制御システム及び環境制御方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る環境制御システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、制御装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、対象者の
副交感神経の働きを優位にする制御を説明するためのタイムチャートである。
【
図4】
図4は、光の照度のゆらぎの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、交感神経の働きと副交感神経の働きとを示す図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係る環境制御システムの動作例1のフローチャートである。
【
図7】
図7は、交感神経(または副交感神経)の働きと生体情報の変化の関係を示す図である。
【
図8】
図8は、心拍数に基づく制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[環境制御システムの構成]
まず、実施の形態に係る環境制御システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る環境制御システムの構成を示す図である。
【0014】
図1に示される環境制御システム10は、部屋などの閉空間である空間300内の環境に関連する対象装置を制御することにより、対象者200の自律神経の働きを調整する制御を行う。
【0015】
自律神経には、対照的に働く交感神経及び副交感神経の2種類の神経が含まれる。環境制御システム10は、副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御(以下、単に、副交感神経の働きを優位にする制御とも記載される)を行う。副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にすることで、対象者200の緊張感の緩和、及び、対象者200のリラックス感の向上等を図ることができる。
【0016】
環境制御システム10は、具体的には、送風装置20と、空調装置30と、照明装置40と、外光調整装置50と、間接照明装置60と、換気装置70と、スピーカ80と、香り発生装置90と、環境計測装置100と、生体情報計測装置110と、制御装置120とを備える。
【0017】
送風装置20は、対象者200に向けて風を送出する装置である。送風装置20は、具体的には、サーキュレータなどの比較的指向性の高い送風装置であるが、扇風機などであってもよい。
【0018】
空調装置30は、対象者200が位置する空間300の温度を調整するための装置である。空調装置30は、空間300の湿度を調整することもできる。空調装置30は、空間300の温度及び湿度を、制御装置120によって指示された温度及び湿度に近づける。
【0019】
照明装置40は、対象者200が位置する空間300を照らす直接照明用の装置である。照明装置40は、例えば、LEDなどの発光素子を光源として有するシーリングライトであるが、ベースライトまたはダウンライトなどのその他の照明装置であってもよい。照明装置40は、制御装置120によって調光及び調色が可能である。
【0020】
外光調整装置50は、対象者200が位置する空間300へ取り入れられる外光の量を調整する装置である。外光調整装置50は、例えば、調光フィルムなどによって実現される電子ブラインドであるが、電動式ブラインド(電動式シャッター)などであってもよい。
【0021】
間接照明装置60は、対象者200が位置する空間300に配置された間接照明用の装置である。つまり、間接照明装置60は、空間300を規定する壁または天井などの構造物を照らす。間接照明装置60は、例えば、発光色が異なる複数の光源を有することにより発光色を変更可能である。間接照明装置60は、光源及び光学フィルタの組み合わせによって任意の発光色を実現してもよい。間接照明装置60の発光色は、例えば、赤の単色光、緑の単色光、及び、青の単色光のいずれかに変更可能である。なお、間接照明装置60が発する光の色は、特に限定されず、例えば、ユーザの好みに応じた任意の色であればよい。
【0022】
換気装置70は、対象者200が位置する空間300の換気を行う。換気装置70は、空調装置30と異なり、温度調整機能を有していない。換気装置70は、例えば、全熱交換器(ERV:Energy Recovery Ventilator)であるが、換気扇などの熱交換をともなわない換気装置であってもよい。また、換気装置70は、空間300に設けられた窓の開閉装置であってもよい。
【0023】
スピーカ80は、対象者200が位置する空間300に配置され、音声または音楽などを出力する装置である。
【0024】
香り発生装置90は、対象者200が位置する空間300に配置された、香りを発する装置である。香り発生装置90は、例えば、アロマディフューザであるが、その他の香り発生装置であってもよい。
【0025】
環境計測装置100は、対象者200が位置する空間300における環境情報を計測する装置である。環境計測装置100は、例えば、空間300における温度を計測する温度センサ、空間300における湿度を計測する湿度センサ、空間300における照度を計測する照度センサ、空間300における二酸化炭素(CO2)濃度を計測するCO2センサなどである。
【0026】
生体情報計測装置110は、対象者200の生体情報を計測する装置である。生体情報計測装置110は、対象者200の体温、血圧、心拍数、脈波、発汗量、瞳孔径、表皮温度、または、表情などを生体情報として計測する。生体情報計測装置110は、心拍、脈波、及び、呼吸変動波形から算出されるVLF(Very Low Frequency)、HF(High Frequency)、LF(Low Frequency)、吸気時間、排気時間、ポーズ時間などを計測してもよい。生体情報計測装置110は、例えば、対象者200の体に装着されるウェアラブル型のセンサ(言い換えれば、接触型のセンサ)であるが、非接触型のセンサであってもよい。非接触型のセンサとしては、心拍数、呼吸数、脈波などを計測できる電波センサ、瞳孔径または表情を計測できるカメラなどが例示される。
【0027】
制御装置120は、送風装置20、空調装置30、照明装置40、外光調整装置50、間接照明装置60、換気装置70、スピーカ80、及び、香り発生装置90などの対象装置を制御する装置である。
図2は、制御装置120の機能構成を示すブロック図である。
【0028】
図2に示されるように、制御装置120は、制御部121と、通信部122と、計時部123と、記憶部124と、操作受付部125とを備える。
【0029】
制御部121は、通信部122に制御信号を送信させることにより、対象装置を制御する。制御部121は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0030】
通信部122は、制御装置120が、対象装置と通信するための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。通信部122は、例えば、制御部121の制御に基づいて対象装置に制御信号を送信する。また、通信部122は、環境計測装置100から空間300の環境情報を受信し、生体情報計測装置110から対象者200の生体情報を受信する。通信部122は、例えば、無線通信を行うが、有線通信を行ってもよい。通信部122によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0031】
計時部123は、現在時刻を計測する。計時部123は、例えば、リアルタイムクロックなどによって実現される。
【0032】
記憶部124は、制御部121が対象装置を制御するための制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部124は、例えば、半導体メモリによって実現される。
【0033】
操作受付部125は、対象者200などのユーザの操作(例えば、副交感神経の働きを優位にする制御に関する設定操作)を受け付ける。操作受付部125は、タッチパネルまたはハードウェアボタンなどによって実現される。
【0034】
[空調装置の制御]
上述のように、環境制御システム10は、対象者200の副交感神経の働きを優位にする制御を行うことができる。以下、このような制御の詳細について説明する。
図3は、対象者200の副交感神経の働きを優位にする制御を説明するためのタイムチャートである。なお、
図3は、時間0分が制御の開始時刻であり、一例として開始時刻までは快適性のみを考慮した対象装置の制御が行われているものとする。
図3では、0分~90分までが図示されているが、90分以降については、30分~90分と同様の制御が繰り返される。
【0035】
なお、副交感神経の働きを優位にする制御においては、少なくとも1つの対象装置が制御されればよいが、複数の対象装置が制御されてもよい。これにより、より副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0036】
まず、空調装置30の制御について説明する。制御装置120の制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御の開始当初に、空調装置30を用いて空間300の温度を上げる。制御部121は、具体的には、制御開始直後に30分かけて周囲の温度を基準温度から3℃上昇させる。なお、温度を上げるために要する時間(30分)は、一例であり、特に限定されない。温度は30分かけて周囲の温度を3℃程度、上昇させることが望ましい。
【0037】
このように空間300を基準温度よりもやや暖かめの環境とすることで、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。基準温度は、季節によって異なり、例えば、夏場は25℃以上27℃以下の所定温度であり、春及び秋は21℃以上23℃以下の所定温度であり、冬場は17℃以上20℃以下の所定温度である。
【0038】
制御部121は、その後、30分かけて周囲の温度を1℃低下させ、続いて30分かけて周囲の温度を1℃上昇させる。その後はこのような温度変化が繰り返される。つまり、制御部121は、空調装置30を用いて、空間300の温度を、最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる。なお、対象者200の周囲の温度は、例えば、環境計測装置100によって計測され、制御部121は環境計測装置100によって計測された温度に基づいて空調装置30を制御する。制御部121は、環境計測装置100を用いずに、空調装置30の温度設定を上記のように60分周期で上昇及び下降させてもよい。なお、温度を変化させる周期(60分)は一例であり、特に限定されない。
【0039】
このように、制御部121は、所定の周期(例えば、60分周期)で温度をわずかに(具体的には、3℃未満程度)上昇及び下降させる。一般に人は、体が発熱すると汗をかいて体を冷やし、また時間が経つと体が発熱するという基礎代謝を繰り返している。対象者200の周辺の温度を一定にすると、この基礎代謝を無視することとなり、暑すぎると感じたり、寒すぎると感じたりしてしまう。
【0040】
これに対し、温度が基礎代謝を想定した周期でわずかに変化すれば、対象者200に与える温度による刺激を低減しつつ、快適性を高めることができる。このため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0041】
なお、制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御が行われている間、空調装置30を用いて、空間300の湿度を40%以上60%以下の範囲にする。
【0042】
[換気装置の制御]
次に、換気装置70の制御について説明する。制御部121は、換気装置70を用いて空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にする。1000ppmは、所定の濃度の一例である。制御部121は、例えば、空間300における二酸化炭素濃度が低いときに、換気装置70の換気量を低下させることにより、空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にする。制御部121は、換気装置70を停止させることにより、空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にしてもよい。なお、空間300の二酸化炭素濃度は、例えば、環境計測装置100によって計測され、制御部121は環境計測装置100によって計測された二酸化炭素濃度に基づいて換気装置70を制御する。
【0043】
このように、空間300における二酸化炭素濃度が1000ppm以上に調整されれば、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0044】
[他の対象装置の制御]
以下、他の対象装置の制御について引き続き
図3を参照しながら説明する。
【0045】
まず、送風装置20の制御について説明する。制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御において送風装置20による送風を停止させる。なお、
図3の例では、制御開始前から送風装置20が停止したままであるが、制御開始前に送風装置20が動作している場合は、送風装置20を停止させる制御が行われる。
【0046】
これにより、対象者200に送風装置20が送出する風によって与える刺激が低減されるため副交感神経の働きを優位にすることができる。なお、制御開始前に送風装置20が動作している場合は、制御開始前よりも風速を弱める制御が行われてもよく、このような制御によっても副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0047】
次に、照明装置40の制御について説明する。制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御の開始当初に、照明装置40を用いて空間300の照度を下げる。制御部121は、例えば、当初750ルクスであった空間300の照度を制御開始から5分間で500ルクスまで下げる。対象者200が照度変動に嫌悪感を抱かない程度に照度を時間変動させることが好ましい。なお、ここでの「照明装置40を用いて空間300の照度を下げる」には、照明装置40を消灯することが含まれる。
【0048】
これにより、空間300を暗くすることによって対象者200に与える光刺激が弱められるため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0049】
また、制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御の開始当初に、照明装置40が発する光の色温度を下げる。対象者200が色度変動に嫌悪感を抱かない程度に色度を時間変動させることが好ましい。なお、
図3の例では、当初5000Kであった照明装置40が発する光の色温度が2500Kまで下げられる。
【0050】
これにより、空間300を色温度の低い照明環境にすることによって対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0051】
次に、外光調整装置50の制御について説明する。制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御の開始当初に、外光調整装置50を用いて空間300へ取り入れられる外光の光量を低減する。制御部121は、具体的には、外光調整装置50の光の透過率を下げる。対象者200が照度変動に嫌悪感を抱かない程度に照度を時間変動させることが好ましい。なお、ここでの「外光調整装置50の光の透過率を下げる」には、外光調整装置50の透過率を0%にして遮断することが含まれる。
【0052】
これにより、空間300を暗くすることによって対象者200に与える光刺激が弱められるため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0053】
次に、間接照明装置60の制御について説明する。制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御において間接照明装置60が発する光の発光色を変更する。制御部121は、例えば、制御開始から5分間で輝度(実質的には照度)を0(無色)Cd/m2から10Cd/m2まで上げる。この時の発光色は、例えば、青色であるが、エメラルドグリーンなどであってもよい。制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御の開始当初に、間接照明装置60が出射する光の色度を、当該色度のCIE 1931色空間の色度図のx座標が小さくなるように変更すればよい。これにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0054】
また、
図3では正確に図示されていないが、制御部121は、間接照明装置60が発する光の照度をゆらがせる。つまり、間接照明装置60が発する光の明るさを1sec~10sec程度の数秒オーダーの周期(一定周期でもよいし、ランダムな周期であってもよい)で明るくしたり暗くしたりする。間接照明装置60が発する光は、一定の振幅でゆらいでもよいし、ランダムな振幅でゆらいでもよい。
図4は、光の照度のゆらぎの一例を示す図である。これにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0055】
次に、スピーカ80及び香り発生装置90の制御について説明する。制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御において、スピーカ80が発する音を変化させる。ここでの「音を変化させる」には、出音されていない状態で出音を開始することが含まれる。スピーカ80は、例えば、ヒーリング音楽などのリラックス効果のある音、または、比較的スローテンポな曲などを出力する。これにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0056】
また、制御部121は、副交感神経の働きを優位にする制御において、香り発生装置90が発する香りを変化させる。ここでの「香りを変化させる」には、香りが発生していない状態で香りの発生を開始することが含まれる。香り発生装置90は、例えば、フィトンチッドなどが含まれる刺激の少ない香り、または、ラベンダーの香りなどを発生させる。これにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0057】
[動作例1]
一般に、人の自律神経は、昼間は交感神経の働きが副交感神経の働きよりも優位になり、夜間は
副交感神経の働きが
交感神経の働きよりも優位になる。
図5は、交感神経の働きと副交感神経の働きとを示す図である。つまり、副交感神経の働きを優位にすべき時間帯は、ある程度決まっているといえる。
【0058】
そこで、制御装置120は、上述の副交感神経の働きを優位にする制御を、副交感神経の働きを優位にすべき時間帯に実行(開始)する。
図6は、このような動作例1のフローチャートである。
【0059】
制御部121は、計時部123によって計測される現在時刻を取得し(S11)、取得された現在時刻が開始時刻であるか否かを判定する(S12)。開始時刻は、例えば、PM8:00などであり、あらかじめ設定されるが、操作受付部125が受け付けた対象者200の設定操作によって設定されてもよい。
【0060】
制御部121は、現在時刻が開始時刻であると判定すると(S12でYes)、副交感神経の働きを優位にする制御を実行する(S13)。また、制御部121は、現在時刻が開始時刻でないと判定すると(S12でNo)、現在時刻の取得(S11)、及び、現在時刻が開始時刻であるか否かの判定を継続する(S12)。
【0061】
このように、環境制御システム10は、現在時刻情報を取得し、取得した現在時刻情報に基づいて副交感神経の働きを優位にする制御を実行する。このような環境制御システム10は、副交感神経の働きを優位にする制御を、副交感神経の働きを優位にすべき時間帯に実行(開始)することができる。つまり、環境制御システム10は、対象者200の自律神経の乱れを抑制することができる。
【0062】
[動作例2]
制御装置120は、対象者200の生体情報を取得し、取得した生体情報に基づいて制御を実行してもよい。生体情報は、生体情報計測装置110によって計測される。
図7は、交感神経及び副交感神経の働きと生体情報の変化の関係を示す図である。
図7に示されるように、対象者200の体温、血圧、心拍数、脈波、発汗量、瞳孔径、表皮温度、及び、表情などの生体情報は、副交感神経の働きと関連しており、副交感神経の働きを優位にする制御を開始するための指標として利用できる。
【0063】
図8は、心拍数に基づく制御の実行タイミングを説明するための図である。例えば、対象者200の1日の安静時の心拍数の変化を複数日分取得し、記憶部124には、これらを平均した1日の心拍数の変化が心拍数の基準データとして記憶される。基準データは、
図8において実線で示される。なお、このような基準データは、対象者200に最適化されたものであるが、当該基準データに代えて、任意の人に適用される絶対的な基準データが用いられてもよい。
【0064】
制御部121は、生体情報計測装置110によって計測される対象者200の心拍数をモニタし、記憶部124に記憶された基準データと比較する。心拍数が基準データよりも高い場合には、副交感神経の働きが弱いと推定される。したがって、副交感神経の働きを優位にする制御を行う必要があると考えられる。
【0065】
そこで、制御部121は、例えば、生体情報計測装置110によって計測される心拍数が基準データよりも閾値a(a>0)だけ大きくなった時刻tに、副交感神経の働きを優位にする制御を実行(開始)する。このような環境制御システム10は、対象者200の副交感神経の働きが通常よりも弱いと推定される場合に、副交感神経の働きを優位にする制御を実行することができる。つまり、環境制御システム10は、対象者200の自律神経の乱れを抑制することができる。なお、心拍数以外の生体情報を用いても同様の動作が可能である。
【0066】
[効果等]
以上説明したように、環境制御システム10は、対象者200が位置する空間300の温度を調整するための空調装置30と、空調装置30を用いて、空間300の温度を上げる第一制御、及び、空間300の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる第二制御を行うことにより、対象者200の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う制御装置120とを備える。
【0067】
このような環境制御システム10は、空間300をやや暖かめの環境にした後、空間300の温度を周期的にわずかに変化させることで、対象者200に与える温度による刺激を低減しつつ、快適性を高めることができるため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。環境制御システム10は、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることで、対象者200の緊張感の緩和、及び、対象者200のリラックス感の向上等を図ることができる。
【0068】
また、環境制御システム10は、対象者200が位置する空間300の換気を行う換気装置70と、換気装置70を用いて、空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にすることにより、対象者200の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う制御装置120とを備える。
【0069】
このような環境制御システム10は、空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上に調整することで、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。環境制御システム10は、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることで、対象者200の緊張感の緩和、及び、対象者200のリラックス感の向上等を図ることができる。
【0070】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300の温度を調整するための空調装置30を備える。制御装置120は、上記制御において、空調装置30を用いて、空間300の温度を上げる第一制御、及び、空間300の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる第二制御を行う。
【0071】
このような環境制御システム10は、空間300をやや暖かめの環境にした後、空間300の温度を周期的にわずかに変化させることで、対象者200に与える温度による刺激を低減しつつ、快適性を高めることができるため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0072】
また、例えば、第一制御は、空調装置30を用いて一定時間をかけて空間300の温度を上げる制御であり、第二制御は、空調装置30を用いて、一定時間とは異なる周期で、空間300の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させる制御である。
【0073】
このような環境制御システム10は、空間300をやや暖かめの環境にした後、空間300の温度を周期的にわずかに変化させることで、対象者200に与える温度による刺激を低減しつつ、快適性を高めることができるため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0074】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300を照らす照明装置40を備える。制御装置120は、上記制御の開始当初に、照明装置40を用いて空間300の照度を下げる。
【0075】
このような環境制御システム10は、空間300を暗くすることで対象者200に与える光刺激を弱めることにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0076】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300を照らす照明装置40を備える。制御装置120は、上記制御の開始当初に、照明装置40が発する光の色温度を下げる。
【0077】
このような環境制御システム10は、空間300を色温度の低い照明環境にすることによって対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0078】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300へ取り入れられる外光の量を調整する外光調整装置50を備える。制御装置120は、上記制御の開始当初に、外光調整装置50を用いて空間300へ取り入れられる外光の光量を低減する。
【0079】
このような環境制御システム10は、空間300を暗くすることで対象者200に与える光刺激を弱めることにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0080】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300に配置された間接照明装置60を備える。制御装置120は、上記制御において、間接照明装置60が発する光の照度をゆらがせる。
【0081】
このような環境制御システム10は、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0082】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300に配置された間接照明装置60を備える。制御装置120は、上記制御において、間接照明装置60が発する光の発光色を変更可能である。
【0083】
このような環境制御システム10は、間接照明装置60を青系(または緑系)の色で発光させることにより、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0084】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、空間300に配置された、スピーカ80及び香り発生装置90を備える。制御装置120は、上記制御において、スピーカ80が発する音を変化させ、かつ、香り発生装置90が発する香りを変化させる。
【0085】
このような環境制御システム10は、リラックス効果のある音を出力し、かつ、リラックス効果のある香りを発生させることで、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。
【0086】
また、例えば、環境制御システム10は、さらに、対象者200が位置する空間300における環境情報を計測する環境計測装置100を備える。環境計測装置100は、計測装置の一例である。
【0087】
このような環境制御システム10は、空間300における環境に基づいて上記制御を行うことができる。
【0088】
また、例えば、制御装置120は、現在時刻情報を取得し、取得した現在時刻情報に基づいて上記制御を実行する。
【0089】
このような環境制御システム10は、副交感神経の働きを優位にする制御を、副交感神経の働きを優位にすべき時間帯に実行することができる。つまり、環境制御システム10は、対象者200の自律神経の乱れを抑制することができる。
【0090】
また、例えば、制御装置120は、対象者200の生体情報を取得し、取得した生体情報に基づいて上記制御を実行する。
【0091】
このような環境制御システム10は、生体情報に基づいて対象者200の副交感神経の働きが通常よりも弱いと推定される場合に、副交感神経の働きを優位にする制御を実行することができる。つまり、環境制御システム10は、対象者200の自律神経の乱れを抑制することができる。
【0092】
また、環境制御システム10などのコンピュータによって実行される環境制御方法は、対象者200が位置する空間300の温度を調整するための空調装置30を用いて、空間300の温度を上げた後、空間300の温度を最大値から最小値までの幅が3℃未満となるように周期的に変化させることにより、対象者200の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う。
【0093】
このような環境制御方法は、空間300をやや暖かめの環境にした後、空間300の温度を周期的にわずかに変化させることで、対象者200に与える温度による刺激を低減しつつ、快適性を高めることができるため、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。環境制御方法は、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることで、対象者200の緊張感の緩和、及び、対象者200のリラックス感の向上等を図ることができる。
【0094】
また、環境制御システム10などのコンピュータによって実行される別の環境制御方法は、対象者200が位置する空間の換気を行う換気装置70を用いて空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上にすることにより、対象者200の副交感神経の働きを交感神経の働きよりも優位にする制御を行う。
【0095】
このような環境制御方法は、空間300における二酸化炭素濃度を1000ppm以上に調整することで、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることができる。環境制御方法は、対象者200の副交感神経の働きを優位にすることで、対象者200の緊張感の緩和、及び、対象者200のリラックス感の向上等を図ることができる。
【0096】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0097】
例えば、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0098】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0099】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0100】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0101】
例えば、本発明は、環境制御方法として実現されてもよいし、環境制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0102】
また、本発明は、上記実施の形態の制御装置として実現されてもよいし、コンピュータをこのような制御装置として動作させるための当該コンピュータによって実行されるプログラムとして実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、環境制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。環境制御システムが複数の装置によって実現される場合、上記実施の形態で説明された環境制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0104】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
10 環境制御システム
20 送風装置
30 空調装置
40 照明装置
50 外光調整装置
60 間接照明装置
70 換気装置
80 スピーカ
90 香り発生装置
100 環境計測装置(計測装置)
120 制御装置
200 対象者
300 空間