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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】電源装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/02 20060101AFI20231127BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20231127BHJP
   F21V 23/04 20060101ALI20231127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231127BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20231127BHJP
【FI】
F21S8/02 430
F21V23/00 120
F21V23/04 500
F21Y115:10
F21Y115:15
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019230659
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021099917
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 勇介
(72)【発明者】
【氏名】中城 明
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/02
F21V 23/00
F21V 23/04
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、
前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された側壁部と、該側壁部よりも幅方向外方に突出した突出部とを有し、
前記突出部は、前記ケーシングに一体形成されている、電源装置。
【請求項2】
内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、
前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された側壁部と、該側壁部よりも幅方向外方に突出した突出部とを有し、
前記ケーシングは、上方が開口する箱状に形成された電源ケースと、下方が開口する箱状に形成されて該電源ケースに嵌め込まれた電源カバーとを有し、
前記スリットは、前記電源カバーの側壁部に形成され、
前記突出部は、前記電源ケースから幅方向外方に突出するとともに上方に延びている、電源装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記電源カバーの側壁部には、係合孔が形成され、
前記突出部には、前記係合孔に係合されるカシメ部が設けられている、電源装置。
【請求項4】
内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、
前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された側壁部と、該側壁部よりも幅方向外方に突出した突出部とを有し、
前記突出部は、前記ケーシングの側壁部から幅方向外方に突出している、電源装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記突出部は、前記ケーシングの側壁部から幅方向外方に突出するとともに上下方向に延びる第1突出部と、該ケーシングの上面部から上方に突出するとともに幅方向に延び且つ該第1突出部の上端部に繋がる第2突出部とを有する、電源装置。
【請求項6】
内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、
前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された側壁部と、該側壁部よりも幅方向外方に突出した突出部とを有し、
前記突出部は、前記スリットの周縁に沿って延びている、電源装置。
【請求項7】
内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、
前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された側壁部と、該側壁部よりも幅方向外方に突出した突出部とを有し、
前記ケーシングの幅方向の長さW、前記突出部の突出量D、該ケーシングの設置面から前記スリットまでの高さHが、H≧W+Dという条件を満たすように設定されている、電源装置。
【請求項8】
内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、
前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された第1側壁部と、該第1側壁部よりも幅方向外方に配置された第2側壁部とを有する、電源装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記第1側壁部は、前記ケーシングの幅方向内方に向かって斜め上方に傾斜している、電源装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうち何れか1つに記載の電源装置と、
前記電源装置から供給された電力によって点灯する灯具ユニットとを備えた、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及び照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、調光制御のための無線信号を受信する無線通信モジュールを備えた照明駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、無線通信モジュールを筺体に収納し、アンテナから放射された電磁波が通過するスリットを筺体の対向する2つの面に形成するようにした構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-208310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、光源を有する灯体が複数設けられていた場合、複数の灯体に対応して複数の照明駆動装置が必要となる。このとき、設置スペースをできる限り抑えるために、複数の照明駆動装置を隙間無く並べて配置することが考えられる。
【0006】
しかしながら、筐体の側壁部にスリットが形成されていた場合、隣接する照明駆動装置の筐体によってスリットが塞がれた状態となり、無線通信の性能が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、無線通信用のスリットが塞がれるのを抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明は、前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された側壁部と、該側壁部よりも幅方向外方に突出した突出部とを有する。
【0010】
第1の発明では、ケーシングの側壁部には、無線通信用のスリットが形成される。側壁部よりも幅方向外方には、突出部が突出している。これにより、無線通信用のスリットが塞がれるのを抑えることができる。
【0011】
具体的に、複数の電源装置を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置の突出部同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシングの側壁部の間には、突出部の突出量に応じて所定の隙間が設けられる。これにより、隣り合うケーシングの側壁部同士が当接しないようにして、スリットが塞がれるのを抑えることができる。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記ケーシングは、上方が開口する箱状に形成された電源ケースと、下方が開口する箱状に形成されて該電源ケースに嵌め込まれた電源カバーとを有し、前記スリットは、前記電源カバーの側壁部に形成され、前記突出部は、前記電源ケースから幅方向外方に突出するとともに上方に延びている。
【0013】
第2の発明では、電源ケースに電源カバーを嵌め込むことで、ケーシングを構成している。電源カバーの側壁部には、スリットが形成される。電源ケースには、突出部が設けられる。突出部は、電源ケースから幅方向外方に突出した後、上方に延びている。
【0014】
これにより、電源カバーの幅方向外方に突出部を配置して、突出部によって電源カバーを挟み込んだ状態とすることで、電源カバーの変形を抑えることができる。
【0015】
具体的に、電源カバーの側壁部には、スリットが形成されているので、側壁部のスリット周辺の強度が低下している。そのため、電源カバーの側壁部に工具が衝突する等、側壁部に衝撃が加わった場合、側壁部が変形して電源カバーが外れるおそれがある。
【0016】
これに対し、電源カバーの幅方向外方に突出部を配置させた構成とすれば、電源カバーの側壁部に衝撃が加わったときの側壁部の変形を、突出部で規制して抑えることができる。
【0017】
第3の発明は、第2の発明において、前記電源カバーの側壁部には、係合孔が形成され、前記突出部には、前記係合孔に係合されるカシメ部が設けられている。
【0018】
第3の発明では、電源カバーの側壁部には、係合孔が形成される。突出部には、カシメ部が設けられる。そして、電源カバーを電源ケースに嵌め込んだ状態で、カシメ部を係合孔に向けて折り曲げることで、電源カバーが電源ケースから外れないように保持することができる。
【0019】
第4の発明は、第1の発明において、前記突出部は、前記ケーシングの側壁部から幅方向外方に突出している。
【0020】
第4の発明では、ケーシングの側壁部から幅方向外方に突出部を突出させている。例えば、ケーシングの側壁部の一部を幅方向外方に膨出させることで、突出部を形成すればよい。
【0021】
第5の発明は、第4の発明において、前記突出部は、前記ケーシングの側壁部から幅方向外方に突出するとともに上下方向に延びる第1突出部と、該ケーシングの上面部から上方に突出するとともに幅方向に延び且つ該第1突出部の上端部に繋がる第2突出部とを有する。
【0022】
第5の発明では、突出部は、第1突出部と第2突出部とを有する。第1突出部は、ケーシングの側壁部を上下方向に延びている。第2突出部は、ケーシングの上面部を幅方向に延びて第1突出部の上端部に繋がっている。
【0023】
これにより、第1突出部によって、隣り合うケーシングの側壁部の間に隙間を設けることができる。また、第1突出部及び第2突出部によって、ケーシングの隅部に断面L字状の補強リブを形成して、ケーシングの剛性を確保することができる。
【0024】
第6の発明は、第1の発明において、前記突出部は、前記スリットの周縁に沿って延びている。
【0025】
第6の発明では、スリットの周縁に沿って突出部が延びている。具体的に、スリットを形成するための切り込みを側壁部に設けた後、側壁部の一部を幅方向外方に折り曲げることで、スリットを形成するとともにスリットの周縁に突出部を形成することができる。
【0026】
第7の発明は、第1乃至第6の発明のうち何れか1つにおいて、前記ケーシングの幅方向の長さW、前記突出部の突出量D、該ケーシングの設置面から前記スリットまでの高さHが、H≧W+Dという条件を満たすように設定されている。
【0027】
第7の発明では、ケーシングの設置面からスリットまでの高さを、上述した条件を満たすように設定している。これにより、例えば、複数の電源装置のうち1つが転倒した場合であっても、転倒していない電源装置のスリットが、転倒した電源装置のケーシングによって塞がれるのを抑えることができる。
【0028】
第8の発明は、内部に収納空間を有する箱状のケーシングと、該ケーシング内に収納された電源回路と、該電源回路に搭載された無線通信モジュールとを備えた電源装置であって、前記ケーシングは、無線通信用のスリットが形成された第1側壁部と、該第1側壁部よりも幅方向外方に配置された第2側壁部とを有する。
【0029】
第8の発明では、ケーシングは、第1側壁部と第2側壁部とを有する。第1側壁部には、無線通信用のスリットが形成されている。第2側壁部は、第1側壁部よりも幅方向外方に配置されている。これにより、無線通信用のスリットが塞がれるのを抑えることができる。
【0030】
具体的に、複数の電源装置を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置の第2側壁部同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシングの第1側壁部の間には、所定の隙間が設けられる。これにより、隣り合うケーシングの第1側壁部同士が当接しないようにして、スリットが塞がれるのを抑えることができる。
【0031】
第9の発明は、第8の発明において、前記第1側壁部は、前記ケーシングの幅方向内方に向かって斜め上方に傾斜している。
【0032】
第9の発明では、第1側壁部を、ケーシングの幅方向内方に向かって斜め上方に傾斜させている。ここで、複数の電源装置を幅方向に並べて配置した場合、隣り合う電源装置の第2側壁部同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシングの第1側壁部同士が当接しないので、スリットが塞がれるのを抑えることができる。
【0033】
第10の発明は、請求項1乃至9のうち何れか1つに記載の電源装置と、前記電源装置から供給された電力によって点灯する灯具ユニットとを備えた照明器具である。
【0034】
第10の発明では、第1乃至第9の発明のうち何れか1つに記載の電源装置から、灯具ユニットに電力を供給することで、照明器具を構成するようにしている。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、無線通信用のスリットが塞がれるのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本実施形態1に係る照明器具の構成を示す側面図である。
図2】照明器具の構成を示す平面図である。
図3】電源装置の構成を示す斜視図である。
図4】電源装置の構成を示す正面断面図である。
図5】電源ケースに電源カバーを嵌め込んでいる状態を示す斜視図である。
図6】カシメ部を係合孔に係合させた状態を示す斜視図である。
図7】複数の電源装置を並べて配置した状態を示す正面断面図である。
図8】電源装置の設置面からスリットまでの高さについて説明する正面断面図である。
図9】本実施形態2に係る電源装置の構成を示す斜視図である。
図10】複数の電源装置を並べて配置した状態を示す正面断面図である。
図11】本実施形態3に係る電源装置の構成を示す斜視図である。
図12】複数の電源装置を並べて配置した状態を示す正面断面図である。
図13】本実施形態4に係る電源装置の構成を示す斜視図である。
図14】複数の電源装置を並べて配置した状態を示す正面断面図である。
図15】本実施形態5に係る電源装置の構成を示す斜視図である。
図16】複数の電源装置を並べて配置した状態を示す正面断面図である。
図17】本実施形態6に係る電源装置の構成を示す斜視図である。
図18】複数の電源装置を並べて配置した状態を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0038】
《実施形態1》
図1及び図2に示すように、照明器具1は、例えば、天井面5に埋め込まれたダウンライトである。照明器具1は、複数の灯具ユニット10と、複数の灯具ユニット10を点灯させる複数の電源装置20とを備えている。図1及び図2に示す例では、灯具ユニット10及び電源装置20は、それぞれ3つ設けられている。
【0039】
複数の灯具ユニット10は、取付枠14の枠内に配置されている。灯具ユニット10は、支持軸14aを介して取付枠14に取り付けられている。灯具ユニット10は、支持軸14aを中心に回動可能に支持され、光の照射方向を変更可能となっている。
【0040】
取付枠14は、天井面5の取付孔6に差し込まれた状態で、天井面5に固定されている。これにより、複数の灯具ユニット10は、取付枠14によって天井面5に固定されている。
【0041】
灯具ユニット10は、器具本体11と、発光モジュール12と、放熱部材13とを有する。器具本体11には、発光モジュール12が収納されている。
【0042】
発光モジュール12は、矩形状の基板の下面に複数個のLED(Light Emitting Diode)が実装されて構成されている。LEDは、例えば、照明用の白色LEDである。なお、発光モジュール12として、有機ELを用いてもよい。
【0043】
放熱部材13は、アルミ又はアルミ合金で構成された複数のフィンを有する。放熱部材13の下面には、発光モジュール12が取り付けられている。これにより、発光モジュール12から発生する熱は、放熱部材13に伝わって大気中に放熱される。
【0044】
灯具ユニット10には、電源ケーブル15の一端が接続されている。電源ケーブル15の他端には、電源装置20が接続されている。
【0045】
図3及び図4に示すように、電源装置20は、内部に収納空間を有するケーシング21を備えている。ケーシング21は、金属製の電源ケース22と、金属製の電源カバー25とを有する。ケーシング21は、電源ケース22に電源カバー25を嵌め込むことで構成されている。
【0046】
電源ケース22は、上方が開口した箱状に形成されている。電源ケース22は、図2で左右方向に長い直方体状に形成されている。電源ケース22は、天井裏に配置されている。電源ケース22には、一対の取付脚22aが設けられている。取付脚22aは、天井裏に固定されている。
【0047】
ケーシング21の内部には、電源回路16が収納されている。電源回路16には、灯具ユニット10を点灯させる点灯回路(図示省略)や、回路部品としての無線通信モジュール17が搭載されている。
【0048】
電源カバー25は、下方が開口した箱状に形成されている。電源カバー25は、図2で左右方向に長い直方体状に形成されている。電源カバー25の側壁部26には、無線通信用のスリット27が形成されている。スリット27は、電源カバー25の長手方向に延びている。
【0049】
電源ケース22と電源回路16との間には、絶縁シート18が配置されている。絶縁シート18は、電源ケース22の底部及び側壁部23に沿って延びている。
【0050】
電源カバー25の側壁部26には、ロック部41が設けられている。ロック部41は、電源ケース22の内部に突出している。電源ケース22の側壁部23には、貫通孔42が形成されている。
【0051】
ロック部41は、電源ケース22と電源カバー25の組み立て時に、貫通孔42に嵌め込まれる。これにより、電源ケース22と電源カバー25とがロックされて固定される。
【0052】
ケーシング21には、長手方向に直交する幅方向(図4で左右方向)に突出する突出部30が設けられている。突出部30は、ケーシング21の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0053】
突出部30は、電源ケース22の側壁部23の一部を切り出して折り曲げることで、電源ケース22と一体に形成されている(図5参照)。突出部30は、電源ケース22から幅方向外方に突出するとともに上方に延びている。これにより、突出部30は、電源カバー25の側壁部26よりも幅方向外方に配置されている。
【0054】
図5に示すように、電源カバー25の側壁部26には、係合孔28が形成されている。突出部30には、係合孔28に係合されるカシメ部31が設けられている。そして、図6に示すように、電源カバー25を電源ケース22に嵌め込んだ状態で、カシメ部31を係合孔28に向けて折り曲げることで、電源カバー25が電源ケース22から外れないように保持することができる。
【0055】
図7に示すように、複数の電源装置20を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置20の突出部30同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシング21における電源カバー25の側壁部26の間には、突出部30の突出量に応じて所定の隙間Sが設けられる。これにより、隣り合う電源カバー25の側壁部26同士が当接しないようにして、無線通信用のスリット27が塞がれるのを抑えることができる。
【0056】
ところで、図8に示すように、複数の電源装置20のうち1つが転倒した場合であっても、電源装置20のスリット27が塞がれないように、ケーシング21の設置面からスリット27までの高さHを設定するのが好ましい。
【0057】
具体的に、ケーシング21の設置面からスリット27までの高さH、ケーシング21の幅方向の長さW、突出部30の突出量Dが、H≧W+Dという条件を満たすように設定されている。
【0058】
これにより、複数の電源装置20のうち1つが転倒した場合であっても、転倒していない電源装置20のスリット27が、転倒した電源装置20のケーシング21によって塞がれるのを抑えることができる。
【0059】
《実施形態2》
図9は、本実施形態2に係る電源装置の構成を示す斜視図である。以下、前記実施形態と同じ部分については同じ符号を付し、相違点についてのみ説明する。
【0060】
図9に示すように、ケーシング21には、幅方向に突出する突出部33が設けられている。突出部33は、ケーシング21の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0061】
突出部33は、電源カバー25の側壁部26の一部が幅方向外方に膨出することで形成されている。突出部33は、電源カバー25の長手方向に沿って延びている。突出部33は、電源カバー25の長手方向に間隔をあけて2つ設けられている。これにより、突出部33は、ケーシング21の幅方向の両側にそれぞれ2つずつ、合計4つ設けられている。
【0062】
ここで、図10に示すように、複数の電源装置20を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置20の突出部33同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシング21における電源カバー25の側壁部26の間には、突出部33の突出量に応じて所定の隙間Sが設けられる。これにより、隣り合う電源カバー25の側壁部26同士が当接しないようにして、無線通信用のスリット27が塞がれるのを抑えることができる。
【0063】
《実施形態3》
図11に示すように、ケーシング21には、幅方向に突出する突出部35が設けられている。突出部35は、スリット27の周縁に沿って延びている。突出部35は、ケーシング21の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0064】
具体的に、突出部35は、スリット27を形成するための切り込みを電源カバー25の側壁部26に設けた後、側壁部26の一部を幅方向外方に折り曲げることで形成されている。図11に示す例では、突出部35は、スリット27の下縁に沿って長手方向に延びている。
【0065】
ここで、図12に示すように、複数の電源装置20を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置20の突出部35同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシング21における電源カバー25の側壁部26の間には、突出部35の突出量に応じて所定の隙間Sが設けられる。これにより、隣り合う電源カバー25の側壁部26同士が当接しないようにして、無線通信用のスリット27が塞がれるのを抑えることができる。
【0066】
《実施形態4》
図13に示すように、ケーシング21には、幅方向に突出する突出部37が設けられている。突出部37は、第1突出部37aと、第2突出部37bとを有する。突出部37は、ケーシング21の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0067】
第1突出部37aは、ケーシング21における電源カバー25の側壁部26から幅方向外方に突出するとともに上下方向に延びている。第2突出部37bは、ケーシング21における電源カバー25の上面部から上方に突出するとともに幅方向に延びている。第2突出部37bは、第1突出部37aの上端部に連続的に繋がっている。
【0068】
突出部37は、電源カバー25の側壁部26の一部が幅方向外方に膨出することで形成されている。突出部37は、電源カバー25の長手方向に間隔をあけて2つ設けられている。これにより、突出部37は、ケーシング21の幅方向の両側にそれぞれ2つずつ、合計4つ設けられている。
【0069】
ここで、図14に示すように、複数の電源装置20を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置20の突出部37の第1突出部37a同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシング21における電源カバー25の側壁部26の間には、第1突出部37aの突出量に応じて所定の隙間Sが設けられる。これにより、隣り合う電源カバー25の側壁部26同士が当接しないようにして、無線通信用のスリット27が塞がれるのを抑えることができる。
【0070】
また、第1突出部37a及び第2突出部37bによって、ケーシング21の隅部に断面L字状の補強リブが形成されるので、ケーシング21の剛性を確保することができる。
【0071】
《実施形態5》
図15に示すように、ケーシング21は、第1側壁部26aと、第2側壁部26bとを有する。第1側壁部26a及び第2側壁部26bは、電源カバー25の側壁部26を折り曲げることで形成されている。第1側壁部26a及び第2側壁部26bは、電源カバー25の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0072】
第1側壁部26aには、無線通信用のスリット27が形成されている。第1側壁部26aは、ケーシング21の幅方向内方に向かって斜め上方に傾斜している。第2側壁部26bは、第1側壁部26aよりも幅方向外方に配置されている。第2側壁部26bは、上下方向に延びるように立設している。
【0073】
ここで、図16に示すように、複数の電源装置20を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置20の第2側壁部26b同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシング21の第1側壁部26a同士が当接しないので、スリット27間に隙間Sが設けられる。これにより、スリット27が塞がれるのを抑えることができる。
【0074】
《実施形態6》
図17に示すように、ケーシング21は、第1側壁部26aと、第2側壁部26bとを有する。第1側壁部26a及び第2側壁部26bは、電源カバー25の側壁部26を段差状に折り曲げることで形成されている。第1側壁部26a及び第2側壁部26bは、電源カバー25の幅方向の両側にそれぞれ設けられている。
【0075】
第1側壁部26aには、無線通信用のスリット27が形成されている。第1側壁部26aは、上下方向に延びるように立設している。第2側壁部26bは、第1側壁部26aよりも幅方向外方に配置されている。第2側壁部26bは、上下方向に延びるように立設している。
【0076】
ここで、図18に示すように、複数の電源装置20を幅方向に並べて配置すると、隣り合う電源装置20の第2側壁部26b同士が当接することとなる。このとき、隣り合うケーシング21の第1側壁部26aの間には、所定の隙間Sが設けられる。これにより、隣り合うケーシング21の第1側壁部26a同士が当接しないようにして、スリット27が塞がれるのを抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上説明したように、本発明は、無線通信用のスリットが塞がれるのを抑えることができるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【符号の説明】
【0078】
1 照明器具
10 灯具ユニット
16 電源回路
17 無線通信モジュール
20 電源装置
21 ケーシング
22 電源ケース
25 電源カバー
26 側壁部
26a 第1側壁部
26b 第2側壁部
27 スリット
28 係合孔
30 突出部
31 カシメ部
33 突出部
35 突出部
37 突出部
37a 第1突出部
37b 第2突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図16
図17
図18