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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】回路基板及び電源装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/18 20060101AFI20231127BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20231127BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20231127BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H05K1/18 C
H05K7/14 A
H01R12/71
H05K1/02 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019140333
(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公開番号】P2021022713
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】車田 進一
(72)【発明者】
【氏名】金井 教郎
【審査官】鹿野 博司
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-038672(JP,U)
【文献】特開2018-026219(JP,A)
【文献】特開平06-152162(JP,A)
【文献】特開昭63-040278(JP,A)
【文献】特開2011-159664(JP,A)
【文献】特開2016-091774(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0248678(US,A1)
【文献】実開昭64-023882(JP,U)
【文献】特開2001-210407(JP,A)
【文献】特開2018-092852(JP,A)
【文献】特開2012-044017(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/18
H05K 1/02
H05K 7/14
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔を有するプリント配線板と、
電子回路を構成するように前記プリント配線板に実装された複数の電子部品とを備え、
前記複数の電子部品に含まれる所定の電子部品は、前記複数の貫通孔に一対一で挿入される複数の固定用突起を有し、
前記複数の固定用突起の各々は、大径の抜け止め部を有する筒状の突起であり、前記抜け止め部は、径方向において弾性変形が自在であり、
前記複数の貫通孔のうち少なくとも一つの貫通孔は、前記複数の固定用突起のうち当該貫通孔に挿入される固定用突起の前記抜け止め部よりも、大径であり、
前記複数の貫通孔のうち別の貫通孔は、前記複数の固定用突起のうち当該貫通孔に挿入される固定用突起の前記抜け止め部よりも、小径であり、
前記複数の固定用突起の各々は、金属製でありかつ前記プリント配線板に対して半田接合されている
回路基板。
【請求項2】
前記所定の電子部品は、前記複数の固定用突起の間に配置された電気接続用の複数のピンを有する
請求項1の回路基板。
【請求項3】
前記複数の固定用突起は、第一固定用突起と第二固定用突起とを含み、
前記複数の貫通孔は、前記第一固定用突起よりも小径でありかつ前記第一固定用突起が挿入される第一貫通孔と、前記第二固定用突起よりも大径でありかつ前記第二固定用突起が挿入される第二貫通孔とを含み、
前記複数の電子部品のうち前記所定の電子部品を除いた他の電子部品群と前記第一貫通孔との間の最小距離は、前記他の電子部品群と前記第二貫通孔との間の最小距離よりも、大きい
請求項1又は2の回路基板。
【請求項4】
前記複数の固定用突起は、第一固定用突起と第二固定用突起とを含み、
前記複数の貫通孔は、前記第一固定用突起よりも小径でありかつ前記第一固定用突起が挿入される第一貫通孔と、前記第二固定用突起よりも大径でありかつ前記第二固定用突起が挿入される第二貫通孔とを含み、
前記第一貫通孔の近傍領域における前記複数の電子部品の個数は、前記第二貫通孔の近傍領域における前記複数の電子部品の個数よりも、少ない
請求項1又は2の回路基板。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項の前記回路基板と、
前記回路基板が収容されるケースとを備える
電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子回路を構成する複数の電子部品を有する回路基板、及びこれを備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板に電子部品を実装するための構造として、電子部品が備える複数の固定用突起を、プリント配線板に形成された複数の貫通孔に一対一で挿入し、各突起をプリント配線板に引っ掛ける構造が、知られている(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭63-40278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来の構造では、プリント配線板の反りや、プリント配線板と電子部品の少なくとも一方の加工寸法のばらつきに起因して、固定用突起と貫通孔との位置関係が設定どおりでなくなる場合がある。この場合、プリント配線板に対して電子部品を円滑に実装することが困難になり、また、実装後の電子部品が、プリント配線板に対して傾いた姿勢となる。
【0005】
本開示は、プリント配線板の反りや、プリント配線板と電子部品少なくとも一方の加工寸法のばらつきが生じた場合でも、電子部品を、適正な姿勢となるように円滑に実装することのできる技術を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る回路基板は、複数の貫通孔を有するプリント配線板と、電子回路を構成するように前記プリント配線板に実装された複数の電子部品とを備える。前記複数の電子部品に含まれる所定の電子部品は、前記複数の貫通孔に一対一で挿入される複数の固定用突起を有する。前記複数の貫通孔の少なくとも一つは、前記複数の固定用突起のうち当該貫通孔に挿入される固定用突起よりも、大径である。
【0007】
本開示の一態様に係る電源装置は、前記回路基板と、前記回路基板が収容されるケースとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示は、プリント配線板の反りや、プリント配線板と電子部品の少なくとも一方の加工寸法のばらつきが生じた場合でも、電子部品を、適正な姿勢となるように円滑に実装することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の回路基板を備える電源装置を模式的に示す分解斜視図である。
図2図2は、同上の回路基板のプリント配線板に所定の電子部品を実装する様子を模式的に示す一部破断側面図である。
図3図3Aは、図2のP部拡大図であり、図3Bは、図2のQ部拡大図である。
図4図4は、同上のプリント配線板に所定の電子部品を実装した様子を模式的に示す一部破断側面図である。
図5図5Aは、図4のR部拡大図であり、図5Bは、図4のS部拡大図である。
図6図6は、同上のプリント配線板を模式的に示す平面図である。
図7図7は、同上のプリント配線板の変形例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(一実施形態)
図1に示すように、一実施形態の電源装置8は、回路基板7と、回路基板7が収容される金属製のケース82とを備える。回路基板7とケース82との間には、電気絶縁性のシート材が配されることが好ましい。
【0011】
回路基板7は、プリント配線板1と、電子回路を構成するようにプリント配線板1に接続された複数の電子部品2とを備える。複数の電子部品2は、一例として、コンデンサ、ダイオード、抵抗器、トランジスタ、コネクタ等である。これら複数の電子部品2によって構成される電子回路は、例えば、外部の商用電源からの交流の入力電流を、所定の直流電流に変換する電源回路である。
【0012】
複数の電子部品2には、基板実装型のコネクタで構成された所定の電子部品5が含まれる。所定の電子部品5は、電気接続用の複数のピン51と、これら複数のピン51が保持された長尺の部品本体53と、部品本体53の長手方向の両端部に設けられた二つの固定用突起52とを有する。
【0013】
複数のピン51の各々は、電気的なやり取りを行うために設けられたL字状のピンである。複数のピン51の各々の第一端部511が部品本体53から突出する方向と、複数のピン51の各々の第二端部512が部品本体53から突出する方向は、互いに直交する方向である。本明細書で用いる直交の文言は、厳密な意味での直交に限定されず、略直交する場合も含む。
【0014】
複数のピン51の第一端部511は、部品本体53が有するD字状の金属シールド531に囲まれて位置する。部品本体53から固定用突起52が突出する方向は、複数のピン51の第二端部512が部品本体53から突出する方向と同じである。
【0015】
所定の電子部品5が有する二つの固定用突起52は、互いに距離をあけて位置する第一固定用突起52Aと第二固定用突起52Bである。
【0016】
図2図3A等に示すように、第一固定用突起52Aは、筒状に形成された金属製の突起である。第一固定用突起52Aには、第一固定用突起52Aの軸方向に沿って複数のスリット523が形成されている。複数のスリット523は、例えば、第一固定用突起52Aの周方向において互いに距離をあけて位置する三つのスリット523である。複数のスリット523を有する第一固定用突起52Aは、径方向において弾性変形が自在である。
【0017】
筒状である第一固定用突起52Aは、部品本体53から突出した軸部521と、軸部521と一つながりに形成された抜け止め部525を有する。抜け止め部525は、軸部521よりも大径に形成されている。軸部521と抜け止め部525との間には、全周にわたって段差が形成されている。第一固定用突起52Aの径は、すなわち抜け止め部525の外径である。第一固定用突起52Aの各スリット523は、第一固定用突起52Aの全体つまり軸部521から抜け止め部525にかけて、直線状に形成されている。
【0018】
図2図3B等に示すように、第二固定用突起52Bは、第一固定用突起52Aと同様の構成を備える。つまり、第二固定用突起52Bは、第一固定用突起52Aと同様の軸部521、スリット523及び抜け止め部525を有する。
【0019】
プリント配線板1は、所定の電子部品5が実装される箇所に、プリント配線板1の厚み方向D1に貫通した二つの貫通孔15を有する。二つの貫通孔15は、所定の電子部品5をプリント配線板1に実装するために用いられる。
【0020】
所定の電子部品5が有する第一固定用突起52Aと第二固定用突起52Bは、プリント配線板1が有する二つの貫通孔15に対して、一対一で挿入される。以下において、二つの貫通孔15のうち、第一固定用突起52Aに対応する貫通孔15(つまり第一固定用突起52Aが挿入される貫通孔15)を、第一貫通孔15Aと称する。二つの貫通孔15のうち、第二固定用突起52Bに対応する貫通孔15(つまり第二固定用突起52Bが挿入される貫通孔15)を、第二貫通孔15Bと称する。
【0021】
図3A等に示すように、第一貫通孔15Aは、ここに挿入される第一固定用突起52Aよりも小径に形成されている。
【0022】
より詳細には、第一貫通孔15Aの径は、第一固定用突起52Aの抜け止め部525の外径よりも小さく、かつ軸部521の外径と同一又はこれより大きくなるように設定されている。第一固定用突起52Aの軸部521が、第一貫通孔15Aに挿入された状態で、第一固定用突起52Aの抜け止め部525は、プリント配線板1に引っ掛かることができる。
【0023】
図3B等に示すように、第二貫通孔15Bは、ここに挿入される第二固定用突起52Bよりも大径に形成されている。より詳細には、第二貫通孔15Bの径は、第二固定用突起52Bの軸部521の外径よりも大きく、かつ抜け止め部525の外径よりも大きく設定されている。
【0024】
更に、一実施形態の回路基板7では、図4図5A及び図5Bに示すように、第一固定用突起52Aと第二固定用突起52Bを、それぞれプリント配線板1に対して半田18で接合させている。なお、半田付けは一例に過ぎず、第一固定用突起52Aと第二固定用突起52Bを、他の手段でプリント配線板1に接合させることも可能である。
【0025】
半田18は、例えばフロー方式でプリント配線板1に接合することができる。この場合、半田槽から上方に噴出される半田噴流に対して、プリント配線板1を、水平方向に移動させながら接触させる。これにより、プリント配線板1の厚み方向D1の両面11,12のうち、所定の電子部品5の部品本体53が配される面11とは反対側の面12の二箇所に、半田18が接合される。面12の二箇所のうち一方に接合された半田18は、第一固定用突起52A及び第一貫通孔15Aを覆い隠す。面12の二箇所のうち他方に接合された半田18は、第二固定用突起52B及び第二貫通孔15Bを覆い隠す。
【0026】
一実施形態の回路基板7では、第二貫通孔15Bの径が、ここに挿入される第二固定用突起52Bの径よりも大きく(つまり第二固定用突起52Bの軸部521及び抜け止め部525の外径よりも大きく)形成されているので、半田付けをする前段階において、第二貫通孔15Bと第二固定用突起52Bとの間にはクリアランスが存在する。そのため、プリント配線板1に反りが生じた場合や、プリント配線板1と電子部品5の少なくとも一方の加工寸法にばらつきが存在した場合でも、プリント配線板1に対して所定の電子部品5を円滑に実装すること可能となる。また、実装後の電子部品5が、プリント配線板1に対して傾いた姿勢になることを抑えることができる。
【0027】
また、プリント配線板1に実装される複数の電子部品2のうち所定の電子部品5を除いた他の電子部品2のグループを「他の電子部品群2G」としたとき(図6参照)、一実施形態の回路基板7では、他の電子部品群2Gと第一貫通孔15Aとの間の最小距離d1は、他の電子部品群2Gと第二貫通孔15Bとの間の最小距離d2よりも、大きく設定されている。
【0028】
他の電子部品群2Gと第一貫通孔15Aとの間の最小距離d1は、すなわち、他の電子部品群2Gに含まれる複数の電子部品2のうち最も第一貫通孔15Aに近い電子部品2と、第一貫通孔15Aとの間の距離である。他の電子部品群2Gと第二貫通孔15Bとの間の最小距離d2は、すなわち、他の電子部品群2Gに含まれる複数の電子部品2のうち最も第二貫通孔15Bに近い電子部品2と、第二貫通孔15Bとの間の距離である。
【0029】
このように最小距離d1,d2を設定することで、所定の電子部品5の実装に際して、プリント配線板1に応力が生じた場合でも、その影響が、他の電子部品群2Gに含まれる電子部品2に及ぶことが抑えられる。そのため、耐応力性が比較的低い表面実装型の電子部品2を利用しやすくなる。
【0030】
一実施形態の回路基板7では、所定の電子部品5が固定用突起52を二つ有し、これに対応して、プリント配線板1が貫通孔15を二つ有しているが、固定用突起52と貫通孔15の個数はこれに限定されない。
【0031】
所定の電子部品5が三つ以上の固定用突起52を有し、これに対応して、プリント配線板1が三つ以上の貫通孔15を有してもよい。いずれの場合においても、複数の貫通孔15のうち少なくとも一つの貫通孔15を、複数の固定用突起52のうち当該貫通孔15に挿入される固定用突起52よりも大径に形成することで、同様の効果が得られる。
【0032】
図7には、一実施形態の回路基板7が備えるプリント配線板1の変形例を示している。この変形例では、プリント配線板1に実装される他の電子部品群2Gのうち、第一貫通孔15Aの近傍領域に位置する電子部品2の個数を、第二貫通孔15Bの近傍領域に位置する電子部品2の個数よりも、少なく設定している。
【0033】
第一貫通孔15Aの近傍領域は、すなわち、第一貫通孔15Aから所定距離dsの範囲内の領域である。第二貫通孔15Bの近傍領域は、すなわち、第二貫通孔15Bから所定距離dsの範囲内の領域である。
【0034】
このように設定することで、所定の電子部品5の実装に際して、プリント配線板1に応力が生じた場合でも、その影響が、他の電子部品群2Gに含まれる電子部品2に及ぶことが抑えられる。そのため、耐応力性が比較的低い表面実装型の電子部品2を利用しやすくなる。
【0035】
(態様)
一実施形態及びこれの変形例に基づいて説明したように、本明細書は、以下の第1から第6の態様の回路基板(7)を開示している。
【0036】
第1の態様の回路基板(7)は、複数の貫通孔(15)を有するプリント配線板(1)と、電子回路を構成するようにプリント配線板(1)に実装された複数の電子部品(2)とを備える。複数の電子部品(2)に含まれる所定の電子部品(5)は、複数の貫通孔(15)に一対一で挿入される複数の固定用突起(52)を有する。複数の貫通孔(15)の少なくとも一つは、複数の固定用突起(52)のうち当該貫通孔(15)に挿入される固定用突起(52)よりも、大径である。
【0037】
第1の態様の回路基板(7)では、プリント配線板(1)に反りが生じた場合や、プリント配線板(1)と所定の電子部品(5)の少なくとも一方の加工寸法にばらつきが生じた場合でも、固定用突起(52)と貫通孔(15)との間のクリアランスで調整可能である。そのため、所定の電子部品(5)を、プリント配線板(1)に対して適正な姿勢で円滑に実装することが可能となる。
【0038】
第2の態様の回路基板(7)では、第1の態様に加えて、複数の固定用突起(52)の各々は、金属製でありかつプリント配線板(1)に対して半田接合されている。
【0039】
第2の態様の回路基板(7)によれば、所定の電子部品(5)を、プリント配線板(1)に対して適正な姿勢となるように円滑に配置した後に、その姿勢でプリント配線板(1)に対して確実に接合させることができる。
【0040】
第3の態様の回路基板(7)では、第1又は第2の態様に加えて、複数の固定用突起(52)の各々は、弾性変形可能な抜け止め部(525)を有する。
【0041】
第3の態様の回路基板(7)によれば、固定用突起(52)の抜け止め部(525)を利用して、固定用突起(52)をプリント配線板(1)に対してより確実に保持させることができる。
【0042】
第4の態様の回路基板(7)では、第1から第3のいずれか一つの態様に加えて、所定の電子部品(5)は、複数の固定用突起(52)の間に配置された電気接続用の複数のピン(51)を有する。
【0043】
第4の態様の回路基板(7)によれば、プリント配線板(1)に実装された所定の電子部品(5)の複数のピン(51)を通じて、電気的なやり取りを行うことができる。
【0044】
第5の態様の回路基板(7)では、第1から第4のいずれか一つの態様に加えて、複数の固定用突起(52)は、第一固定用突起(52A)と第二固定用突起(52B)とを含む。複数の貫通孔(15)は、第一固定用突起(52A)よりも小径でありかつ第一固定用突起(52A)が挿入される第一貫通孔(15A)と、第二固定用突起(52B)よりも大径でありかつ第二固定用突起(52B)が挿入される第二貫通孔(15B)とを含む。複数の電子部品(2)のうち所定の電子部品(5)を除いた他の電子部品群(2G)と第一貫通孔(15A)との間の最小距離(d1)は、他の電子部品群(2G)と第二貫通孔(15B)との間の最小距離(d2)よりも、大きい。
【0045】
第5の態様の回路基板(7)によれば、所定の電子部品(5)の実装に際して、プリント配線板(1)に応力が生じた場合でも、その影響が他の電子部品群(2G)に及ぶことが抑えられる。そのため、他の電子部品群(2G)において、耐応力性が比較的低い表面実装型の電子部品(2)を利用しやすい。
【0046】
第6の態様の回路基板(7)では、第1から第4のいずれか一つの態様に加えて、複数の固定用突起(52)は、第一固定用突起(52A)と第二固定用突起(52B)とを含む。複数の貫通孔(15)は、第一固定用突起(52A)よりも小径でありかつ第一固定用突起(52A)が挿入される第一貫通孔(15A)と、第二固定用突起(52B)よりも大径でありかつ第二固定用突起(52B)が挿入される第二貫通孔(15B)とを含む。第一貫通孔(15A)の近傍領域における複数の電子部品(2)の個数は、第二貫通孔(15B)の近傍領域における複数の電子部品(2)の個数よりも、少ない。
【0047】
第6の態様の回路基板(7)によれば、所定の電子部品(5)の実装に際して、プリント配線板(1)に応力が生じた場合でも、その影響が他の電子部品群(2G)に及ぶことが抑えられる。そのため、他の電子部品群(2G)において、耐応力性が比較的低い表面実装型の電子部品(2)を利用しやすい。
【0048】
また、一実施形態及びこれの変形例に基づいて説明したように、本明細書は、以下の第1の態様の電源装置(8)を開示している。
【0049】
第1の態様の電源装置(8)は、上記した第1から第6のいずれか一つの態様の回路基板(7)と、回路基板(7)が収容されるケース(82)とを備える。
【0050】
第1の態様の電源装置(8)によれば、電源装置(8)が備える回路基板(7)において、所定の電子部品(5)を、プリント配線板(1)に対して適正な姿勢で円滑に実装することが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1 プリント配線板
15 貫通孔
18 半田
2 電子部品
2G 他の電子部品群
5 所定の電子部品
52 固定用突起
52A 第一固定用突起
52B 第二固定用突起
525 抜け止め部
7 回路基板
8 電源装置
82 ケース
d1 最小距離
d2 最小距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7