(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】特定方法、プログラム、及び特定システム
(51)【国際特許分類】
H02G 1/06 20060101AFI20231127BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H02G1/06
G06K7/14 017
(21)【出願番号】P 2019143997
(22)【出願日】2019-08-05
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩川 明実
(72)【発明者】
【氏名】末富 貴博
(72)【発明者】
【氏名】吉田 博
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 淳平
【審査官】神田 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-305008(JP,A)
【文献】特開2017-034735(JP,A)
【文献】特開2017-138065(JP,A)
【文献】特開2016-149875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/06
G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置された配線器具の特定方法であって、
前記配線器具に付与されていて前記施設に設置された他の同種の配線器具と区別するための識別情報を、取得装置で前記配線器具から取得する取得ステップと、
前記配線器具から取得した前記識別情報に基づいて、前記配線器具を特定する特定ステップと、
前記配線器具から取得した前記識別情報と、前記施設における前記配線器具の位置を示す位置情報とを対応付ける位置対応ステップと、
を含み、
前記位置情報は、前記施設に関する地図情報を示す媒体に付与されていて、
前記位置情報を、前記取得装置で前記媒体から取得する媒体ステップを更に含む、
特定方法。
【請求項2】
前記取得ステップにて、前記識別情報を、前記取得装置における受信部で前記配線器具から受信し、
前記特定ステップにて、受信した前記識別情報に対応付けされている前記配線器具に関する器具情報を前記施設の外部から取得し、前記器具情報から前記配線器具を特定する、
請求項1に記載の特定方法。
【請求項3】
前記取得ステップにて、前記識別情報を、前記取得装置で光学読取により前記配線器具から取得する、
請求項1又は2に記載の特定方法。
【請求項4】
前記識別情報は、他の全ての配線器具と区別可能な唯一の識別子の情報を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の特定方法。
【請求項5】
1以上のプロセッサに請求項1~4のいずれか1項に記載の特定方法を実行させるためのプログラム。
【請求項6】
施設に設置された配線器具に付与されていて前記施設に設置された他の同種の配線器具と区別するための識別情報を、取得装置で前記配線器具から取得する取得部と、
前記配線器具から取得した前記識別情報に基づいて、前記配線器具を特定する特定部と、
を備え、
前記配線器具から取得した前記識別情報と、前記施設における前記配線器具の位置を示す位置情報とを対応付け、
前記位置情報は、前記施設に関する地図情報を示す媒体に付与されていて、
前記位置情報を、前記取得装置で前記媒体から取得する、
特定システム。
【請求項7】
前記取得部は、前記識別情報を、前記取得装置における受信部で前記配線器具から受信し、
前記特定部は、受信した前記識別情報に対応付けされている前記配線器具に関する器具情報を前記施設の外部から取得し、前記器具情報から前記配線器具を特定する、
請求項6に記載の特定システム。
【請求項8】
前記取得部は、前記識別情報を、前記取得装置で光学読取により前記配線器具から取得する、
請求項
6又は7に記載の特定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、特定方法、プログラム、及び特定システムに関する。より詳細には、本開示は、施設に設置された配線器具の特定方法、プログラム、及び特定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、分電盤の分岐回路接続チェック装置が開示されている。このチェック装置では、親機と、子機と、負荷装置と、を備えている。親機は、分岐ブレーカごとに電流を測定する手段及び分岐ブレーカの測定した電流値を子機に対して送信する手段を備えている。子機は、親機からの信号を受信する手段及び分岐ブレーカごとに測定した電流値を表示する手段を備えている。負荷装置は、コンセントに接続される。
【0003】
このチェック装置では、測定者が負荷装置をコンセントに接続することで、負荷装置に電流が流れる。親機は、この電流の変化を測定し、子機に対して測定した電流値を送信する。測定者は、子機に表示される電流値の変化から、コンセントがどの分岐ブレーカに接続されているかを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の分岐回路接続チェック装置では、単にコンセント(配線器具)がどの分岐ブレーカに接続されているかという判断結果を得ることができるだけである。配線器具の設置後に、配線器具を他システムと連携させるための種々の作業も含めて、配線器具の施工作業に関する作業性の向上が望まれる。
【0006】
本開示は上記事由に鑑みてなされ、配線器具の施工作業に関する作業性の向上を図ることができる、特定方法、プログラム、及び特定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様の特定方法は、施設に設置された配線器具の特定方法である。前記特定方法は、取得ステップと、特定ステップと、位置対応ステップと、を含む。前記取得ステップにて、前記配線器具に付与されていて前記施設に設置された他の同種の配線器具と区別するための識別情報を、取得装置で前記配線器具から取得する。前記特定ステップにて、前記配線器具から取得した前記識別情報に基づいて、前記配線器具を特定する。前記位置対応ステップにて、前記配線器具から取得した前記識別情報と、前記施設における前記配線器具の位置を示す位置情報とを対応付ける。前記位置情報は、前記施設に関する地図情報を示す媒体に付与されている。前記特定方法は、前記位置情報を、前記取得装置で前記媒体から取得する媒体ステップを更に含む。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、1以上のプロセッサに上記の特定方法を実行させるためのプログラムである。
【0009】
本開示の一態様の特定システムは、取得部と、特定部と、を備える。前記取得部は、施設に設置された配線器具に付与されていて前記施設に設置された他の同種の配線器具と区別するための識別情報を、取得装置で前記配線器具から取得する。前記特定部は、前記配線器具から取得した前記識別情報に基づいて、前記配線器具を特定する。前記特定システムは、前記配線器具から取得した前記識別情報と、前記施設における前記配線器具の位置を示す位置情報とを対応付ける。前記位置情報は、前記施設に関する地図情報を示す媒体に付与されている。前記特定システムは、前記位置情報を、前記取得装置で前記媒体から取得する。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、配線器具の施工作業に関する作業性の向上を図ることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る特定システムを説明するための概念図である。
【
図2】
図2Aは、同上の特定システムにおける取得装置のブロック構成図である。
図2Bは、同上の特定システムにおけるサーバのブロック構成図である。
【
図3】
図3は、同上の特定システムが適用される施設の断面図(間取り図)である。
【
図4】
図4は、同上の特定システムによる設定作業を説明するための概念図である。
【
図5】
図5は、同上の特定システムにおける第1~第3出力情報を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0013】
本実施形態に係る特定方法は、施設200(
図3参照)に設置された配線器具B0(
図1及び
図3参照)の特定方法である。以下では、施設200は、戸建の住宅であることを想定する。しかしながら、施設200は、集合住宅(マンション)であってもよい。更に、施設200は、住宅に限らず、非住宅として、例えば、オフィスビル、劇場、映画館、公会堂、遊技場、複合施設、飲食店、百貨店、学校、ホテル、旅館、病院、老人ホーム、幼稚園、図書館、博物館、美術館、地下街、駅、空港等であってもよい。
【0014】
特定方法は、取得ステップと、特定ステップと、を含む。
【0015】
取得ステップにて、配線器具B0に付与されていて施設200に設置された他の同種の配線器具B0と区別するための識別情報A0(
図5参照)を、取得装置6(
図4参照)で配線器具B0から取得する。以下では、一例として、識別情報A0を配線器具B0から取得する手段として、光学読取によって取得する場合を想定する。特に、識別情報A0を記録したQRコード(登録商標)等のコード(第1コードD1)が、配線器具B0の筐体の正面に付されていて、それを読み取ることで、識別情報A0を取得する。取得装置6は、例えば、スマートフォン又はタブレット端末等の情報端末T1を想定する。
【0016】
特定ステップにて、取得した識別情報A0に基づいて、配線器具B0を特定する。ここで言う「配線器具B0の特定」とは、配線器具B0の種別、(付加)属性、及び、設置場所(位置)等の少なくとも1つを特定することである。種別及び属性の詳細については後述する。
【0017】
この構成によれば、配線器具B0から取得した識別情報A0に基づいて、配線器具B0を特定するため、配線器具B0の施工作業に関する作業性の向上を図ることができる。
【0018】
また本実施形態に係る特定システム1は、取得部11と、特定部12と、を備えている(
図2参照)。取得部11は、施設200に設置された配線器具B0に付与されていて施設200に設置された他の同種の配線器具B0と区別するための識別情報A0を、取得装置6で配線器具B0から取得する。特定部12は、取得した識別情報A0に基づいて、配線器具B0を特定する。ここでは、施設200の外部にあるサーバ9が、取得部11と特定部12とを備えている。サーバ9は、1台のサーバ装置から構成されてもよいし、複数のサーバ装置から構成されてもよい。取得部11及び特定部12がサーバ9に設けられていることは必須ではない。取得部11及び特定部12の少なくとも一方の機能が、取得装置6自身に設けられてもよいし、又は施設200内に設置されて施設200内の複数の電気機器を管理する管理装置8に設けられてもよい。
【0019】
この構成においても、配線器具B0から取得した識別情報A0に基づいて、配線器具B0を特定するため、配線器具B0の施工作業に関する作業性の向上を図ることができる。
【0020】
上述した特定方法及び特定システム1と同様の機能は、(コンピュータ)プログラム、又は(コンピュータ)プログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0021】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る特定システム1の全体構成について、
図1~
図5を参照しながら詳しく説明する。
【0022】
(2.1)全体構成
特定システム1は、上述の通り、戸建の住宅である施設200に適用される。特定システム1は、
図1に示すように、1又は複数(
図3では6つ)の配線器具B0と、取得装置6(
図4参照)と、媒体7と、管理装置8と、サーバ9と、分電盤100とを備えている。
【0023】
特定システム1は、例えば、新築の施設200において、配線L1(
図1参照)を施工した後に、配線器具B0の識別情報A0と種々の情報とを対応付け(紐づけ)をするためのシステムである。対応付けをすることより、例えば、配線器具B0を他のシステムと連携させるための作業が容易になる。以下、対応付けに関する作業を「設定作業」と呼び、設定作業を行う者を「作業者」と呼ぶこともある。
【0024】
配線L1は、分電盤100と配線器具B0との間を繋ぎ、分電盤100から配線器具B0へ電力を供給するための電線である。より具体的には、配線L1は、分電盤100内に設置される分岐ブレーカ3(
図1参照)の二次側端子と、配線器具B0とを繋ぐ電線である。配線器具B0は、主として施設200の内部に設置され、分電盤100と配線L1を介して電気的に接続されている。以下では、複数の配線器具B0は、施設200の内部に設置されていることを想定するが、施設200の外部に設置されていてもよい。
【0025】
施設200は、
図3に示すように、複数(ここでは6つ)の管理領域R1に区分けされる。6つの管理領域R1は、第1領域201(玄関)、第2領域202(洋室1)、第3領域203(和室)、第4領域204(洋室2)、第5領域205(リビング)、及び第6領域206(キッチン)から構成される。図示例では、玄関を除く各管理領域R1の壁等に、1つ又は2つの配線器具B0が設置されている。以下では説明の便宜上、主に第2領域202~第4領域204にある合計4つの配線器具B0に着目して説明する。管理装置8は、例えば、第1領域201に設置されている。
【0026】
(2.2)配線器具
第2領域202~第4領域204にある4つの配線器具B0は、一例として、3つのコンセント(アウトレット)B1~B3と、1つの(壁)スイッチB4とを含む。ただし、配線器具B0の数及び種類は特に限定されず、例えば、配線器具B0は、施設200の天井等に設置される引掛けシーリングローゼットを含んでもよい。以下、3つのコンセントB1~B3を区別するために第1コンセントB1、第2コンセントB2、第3コンセントB3と呼ぶこともある。
【0027】
各配線器具B0は、外部と通信するための通信インタフェースを有し、管理装置8及び分電盤100内の計測アダプタ4と無線通信可能であってもよい。各配線器具B0と管理装置8又は計測アダプタ4との間の通信方式は、例えば920MHz帯の特定小電力無線局、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。各配線器具B0は、配線L1を伝送路として利用する電力線搬送通信(Power Line Communication:PLC)による通信が可能でもよい。
【0028】
第1コンセントB1は、例えば2個のプラグを同時に接続可能な2個口タイプのコンセントである。第1コンセントB1は、温度センサS1(
図1参照)、温度センサS1を制御する制御部、及び、配線L1からの給電により制御部の動作電源を生成する電源部を有している。第1コンセントB1は、温度センサS1により、第1コンセントB1の周囲温度を検知して、温度情報を管理装置8等に送信してもよい。あるいは、第1コンセントB1は、その器体内で温度センサS1が異常な温度上昇を検知すると給電路を遮断する過熱検知コンセントでもよい。第1コンセントB1の属性は、「温度センサ」である。ここで言う「属性」とは、配線器具B0に付加的に設けられているセンサの種類を示す情報である。
【0029】
第2コンセントB2は、第1コンセントB1と同様に、2個口タイプのコンセントである。第2コンセントB2は、湿度センサS2(
図1参照)、湿度センサS2を制御する制御部、及び、配線L1からの給電により制御部の動作電源を生成する電源部を有している。第2コンセントB2は、湿度センサS2により、第2コンセントB2の周囲湿度を検知して、湿度情報を管理装置8等に送信してもよい。第2コンセントB2の属性は、「湿度センサ」である。
【0030】
第3コンセントB3は、第1コンセントB1と同様に、2個口タイプのコンセントである。第3コンセントB3は、人感センサS3(
図1参照)、人感センサS3を制御する制御部、及び、配線L1からの給電により制御部の動作電源を生成する電源部を有している。第3コンセントB3は、人感センサS3により、第3コンセントB3の周囲における人の存在を検知して、人検知情報を管理装置8等に送信してもよい。人感センサS3は、人体から放射される光線(熱線)から室内に存在する人の位置、及び活動量等をセンシングする機能を有してもよい。第3コンセントB3の属性は、「人感センサ」である。
【0031】
壁スイッチB4は、ユーザからの操作入力に応じて、その先に電気的に接続されている照明機器の点灯及び消灯の切り替えを行うためのリレー、当該リレーを制御する制御部、及び、配線L1からの給電により制御部の動作電源を生成する電源部を有している。壁スイッチB4は、管理装置8から制御信号を受信して、当該制御信号に基づき、照明機器を点灯、調光、又は消灯させるようにリレーを制御してもよい。壁スイッチB4の属性は、「-(該当なし)」である。
【0032】
各配線器具B0には、施設200に設置された他の同種の配線器具B0と区別するための識別情報A0が付与されている。ここでいう「他の同種の配線器具B0」とは、自器がコンセントなら、施設200に設置された他のコンセントであり、識別情報A0は、他のコンセントと区別可能な識別情報である。識別情報A0は、例えば、品番又は型番を含んでもよいが、他のコンセントと区別可能な識別子を含む。ここでは識別情報A0は、他の全ての配線器具B0と区別可能な唯一の識別子A1(
図1参照)の情報を含むものとする。つまり、自器がコンセントなら、識別情報A0は、施設200に設置された他のコンセント及び壁スイッチB4と区別可能な識別子A1を含む。
【0033】
第1~第3コンセントB1~B3及び壁スイッチB4には、互いに区別可能な固有の識別子A1として、それぞれ「ID1」、「ID2」、「ID3」及び「ID4」が付与されている。着目するこれら4つの配線器具B0以外の配線器具B0についても「ID5」、「ID6」・・・等が付与されている。
【0034】
以下、本実施形態の識別情報A0は、
図5に示すように、識別子A1と、種別情報A2と、属性情報A3とを含む。種別情報A2は、配線器具B0の種別(コンセント、又はスイッチ等)を示す。属性情報A3は、上述した属性(温度センサ、湿度センサ、人感センサ、又は該当なし等)を示す。
【0035】
本実施形態の各配線器具B0は、その器体の正面等に、自器の識別情報A0が記録された第1コードD1(
図1及び
図4参照)を有している。第1コードD1は、例えば、二次元コードであり、図示例では、QRコード(登録商標)であるが、コードの種類は特に限定されない。第1コードD1は、二次元コードではなく、一次元コード(バーコード)でもよい。第1コードD1は、配線器具B0の器体に直接印刷されていてもよいし、第1コードD1が印刷されたシールが配線器具B0の器体に貼着されてもよい。
【0036】
各配線器具B0の第1コードD1を取得装置6で読み取ることで、識別情報A0が取得され得る。
【0037】
(2.3)分電盤
分電盤100は、
図1に示すように、キャビネット101と、主幹ブレーカ2と、複数の分岐ブレーカ3と、計測アダプタ4と、検知部5とを有している。
【0038】
キャビネット101は、前面が開口した箱状の本体と、本体の開口を塞ぐ蓋と、を有している。
図1では、キャビネット101のうち蓋を除く本体を模式的に図示している。キャビネット101の内部には、主幹ブレーカ2、複数の分岐ブレーカ3、計測アダプタ4、及び検知部5が収容されている。
【0039】
主幹ブレーカ2は、一次側端子と、二次側端子とを有している。主幹ブレーカ2は、主幹回路C1(
図1参照)に挿入されている。本実施形態の分電盤100では配電方式として単相三線式を想定し、主幹ブレーカ2の一次側端子には、電力系統(商用電源)の単相三線式の引き込み線が電気的に接続される。また主幹ブレーカ2の二次側端子には、第1電圧極(L1相)の導電バー、第2電圧極(L2相)の導電バー、及び中性極(N相)の導電バーが接続されている。各導電バーは、導電部材により左右方向に長い長尺板状に形成されており、キャビネット101の内部において、主幹ブレーカ2の右側の位置に配置されている。
【0040】
複数の分岐ブレーカ3は、中性極の導電バーの上側と下側とに分かれて、それぞれ複数個ずつ左右方向に並ぶように配置されている。
【0041】
各分岐ブレーカ3は、一対の一次側端子と、一対の二次側端子とを有している。各分岐ブレーカ3は、主幹回路C1から分岐する複数の分岐回路C2(
図1参照)のうち、対応する分岐回路C2に挿入されている。分岐ブレーカ3には100V用と200V用がある。100V用の分岐ブレーカ3が有する一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バー及び第2電圧極の導電バーのうちの一方と、中性極の導電バーとにそれぞれ電気的に接続される。200V用の分岐ブレーカ3が有する一対の一次側端子は、第1電圧極の導電バーと、第2電圧極の導電バーとにそれぞれ電気的に接続される。また、分岐ブレーカ3の二次側端子には、対応する配線L1が電気的に接続される。各分岐ブレーカ3の二次側端子に接続された配線L1には、配線器具B0(第1~第3コンセントB1~B3、及び壁スイッチB4等)が1つ以上接続される。なお、各配線器具B0の先には、照明機器、空調機器、テレビ受像器、又は給湯設備等の電気機器が1つ以上接続され得る。
【0042】
検知部5は、複数の分岐ブレーカ3の各々に接続された負荷(配線L1)に流れる電流を検知するように構成されている。検知部5は、例えば、基板と、複数のコイル51と、を有している。基板には、複数の孔が形成されている。複数の孔には、導電バーから延びて分岐ブレーカ3の一次側端子に接続される端子がそれぞれ挿入される。コイル51は、例えばロゴスキコイルであり、基板の孔の周りに形成されている。検知部5は、複数のコイル51の各々に誘起される電流を計測することにより、複数の分岐ブレーカ3の各々に接続された配線L1を流れる電流を検知する。
【0043】
計測アダプタ4は、キャビネット101の内部において、主幹ブレーカ2の左側に配置されている。計測アダプタ4は、分電盤100内の主幹ブレーカ2及び分岐ブレーカ3の少なくとも一方を通過する電力を計測する計測機能、及びキャビネット101の外部に配置された機器と通信する通信機能を有している。具体的には、計測アダプタ4は、主幹ブレーカ2に流れる電流を計測する主幹検知部及び検知部5と、電気的に接続されている。主幹検知部は、例えばカレントトランス(CT)からなる電流センサを有している。計測アダプタ4は、検知部5及び主幹検知部が計測した電流の値のそれぞれを電力値(瞬時電力値)に変換する機能(計測機能)を有している。計測アダプタ4は、収集した瞬時電力のデータを所定時間に亘って積算した電力量のデータを演算する機能を有している。
【0044】
計測アダプタ4は、管理装置8との間で通信する機能(通信機能)を有している。計測アダプタ4と管理装置8との間の通信方式は、例えば920MHz帯の特定小電力無線局、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の通信規格に準拠した、電波を媒体とした無線通信であってもよい。また、計測アダプタ4と管理装置8との間の通信方式は、有線LAN(Local Area Network)等の通信規格に準拠した有線通信であってもよい。管理装置8は、計測アダプタ4から受信する複数の配線L1に接続された複数の負荷の各々での瞬時電力、及び電力量等に基づいて電気機器を制御することができる。
【0045】
(2.4)管理装置
管理装置8は、HEMS(Home Energy Management System)に対応する電気機器の制御を行うように構成される。HEMSに対応する電気機器は、例えばスマートメータ、温湿度センサ、照明機器、空調機器、空気清浄機、電気錠装置、太陽光発電装置、蓄電装置、燃料電池、電気自動車、給湯装置、冷蔵庫、又はテレビ受像機等を含むが、これらに限定されない。管理装置8は、これらの電気機器と、有線又は無線により通信機能を有している。また管理装置8は、上述の通り、計測アダプタ4及び配線器具B0と通信する通信機能を有している。
【0046】
管理装置8は、施設200内のルータ等を介してネットワークN1(
図1参照:例えばインターネット回線)に接続されている通信インタフェースを有している。通信インタフェースは、ネットワークN1を介して、情報端末T1(取得装置6)、及び外部にあるサーバ9と通信を行う。
【0047】
本実施形態では、管理装置8は、サーバ9から(後述する)第3出力情報OT3を受信すると、当該情報をメモリに記憶する。
【0048】
(2.5)取得装置
取得装置6は、例えば作業者が携帯するスマートフォン、又はタブレット端末等の情報端末T1である。取得装置6は、設定作業時において作業者によって携帯され得る。情報端末T1は、携帯型の専用端末でもよい。取得装置6には、サーバ9及び管理装置8と通信可能とする専用のアプリケーションソフトがインストールされている。
【0049】
特に取得装置6には、設定作業に関する処理を実行するための専用のアプリケーションソフトがインストールされている。以下、このアプリケーションソフトを「設定アプリ」と呼ぶことがある。
【0050】
取得装置6は、
図2Aに示すように、処理部60、受信部61、通信部62、表示部63、及び記憶部64等を有している。
【0051】
受信部61は、情報端末T1に付設されている撮像装置により構成される。撮像装置は、撮像素子を有し、被写体を撮像するためのカメラである。撮像素子は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の二次元イメージセンサである。受信部61は、被写体からの光をレンズ等の光学系によって撮像素子の撮像面(受光面)上に結像させ、撮像素子にて被写体からの光を電気信号に変換する。そして、受信部61は、撮像素子の出力信号を処理部60へ出力する。
【0052】
処理部60は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを1以上のプロセッサが実行することによって、処理部60の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムの1以上のメモリに予め記録されている。なお、プログラムは、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。処理部60は、受信部61、通信部62、及び表示部63等を制御する。
【0053】
通信部62は、サーバ9及び管理装置8と通信を行うための通信インタフェースを含んでいる。通信インタフェースは、ネットワークN1を介して、サーバ9及び管理装置8と通信を行う。
【0054】
表示部63は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイのような薄型のディスプレイ装置である。表示部63は、処理部60の制御により、設定作業を進行するための各種の支援画面を表示する。表示部63は、タッチパネル式のディスプレイ装置であることを想定する。表示部63は、表示部63の画面上へのタッチ操作等によって作業者からの操作入力を受け付ける。
【0055】
記憶部64は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等から選択されるデバイスで構成される。記憶部64は、処理部60のメモリでもよい。また以下に説明する記憶部64が記憶する各種の情報の少なくとも一部が、処理部60のメモリに記憶されてもよい。記憶部64は、サーバ9及び管理装置8等に関する情報(例えばIPアドレス、メールアドレス、及び電話番号等)を記憶する。
【0056】
処理部60は、作業者からの操作入力に応じて設定アプリを起動すると、受信部61を介して、上述した第1コードD1、及び第2コードD2といった二次元コードを取得可能な状態にする。二次元コードが受信部61の撮像領域内に入ると、処理部60は、撮像素子の出力信号から、二次元コードに記録されている情報を取得する。
【0057】
ここで第2コードD2及び媒体7について説明する。媒体7は、施設200に関する地図情報を示す。本実施形態の媒体7は、
図1に示すように、例えば、施設200の間取り図が印刷された紙の媒体である。媒体7は、設定作業時において作業者によって携帯され得る。媒体7は、施設200の間取り図の代わりに、配線系統図(電気図面)が印刷された紙の媒体でもよい。媒体7は、紙の媒体に限定されないが、作業者は、取得装置6と共に媒体7を携帯しながら設定作業を行うため、比較的重量の軽い媒体が望ましい。
【0058】
媒体7には、1又は複数の第2コードD2が付与されている。ここでは一例として、6つの第2コードD2が、施設200の間取り図と共に印刷されている。特に各第2コードD2は、施設200の6つの管理領域R1に設置されている複数の配線器具B0のうち、対応する配線器具B0を差し示すように引き出し線と共に印刷されている。第2コードD2は、二次元コードであり、図示例では、第1コードD1と同様に、QRコード(登録商標)であるが、コードの種類は特に限定されない。第2コードD2は、二次元コードではなく、一次元コード(バーコード)でもよい。
【0059】
図1の例では、第4領域204に設置されている配線器具B0の位置を位置「A」で示して、位置「A」に対応する第2コードD2が付されている。また同様に他の配線器具B0の位置についても、位置「B」、位置「C」、位置「D」、位置「E」及び位置「F」に対応する第2コードD2がそれぞれ付されている。
【0060】
各第2コードD2は、施設200における配線器具B0の位置を示す位置情報X1を記録している。すなわち、位置情報X1は、媒体7に付与されている。各第2コードD2に記録されている位置情報X1は互いに異なる。位置情報X1は、例えば対応する配線器具Bの位置を示す座標に関する情報を含む。
【0061】
処理部60は、配線器具B0の第1コードD1の識別情報A0を取得し、続いて媒体7の第2コードD2の位置情報X1を取得すると(取得する順番は逆でもよい)、識別情報A0と位置情報X1の対応付けの是非を確認するメッセージを表示部63に出力する。作業者が、当該メッセージを確認して、対応付けを肯定する操作入力を行うと、処理部60は、通信部62より、識別情報A0及び位置情報X1をサーバ9に送信する。
【0062】
サーバ9は、取得装置6から識別情報A0及び位置情報X1を受信すると、識別情報A0と位置情報X1とを対応付けて(位置対応ステップ)、(後述する)第1出力情報OT1(
図1及び
図5参照)を生成する。なお、対応関係を理解し易くするために、図示される第1出力情報OT1では、その右端に、媒体7上の対応する第2コードD2が図示されている。サーバ9は、第1出力情報OT1を取得装置6に送信して、表示部63に表示させる。
図1の第1出力情報OT1から、例えば、IDが「ID1」であり、種別が「コンセント」であり、属性が「温度センサ」である第1コンセントB1は、第2コードD2に記録されている位置情報X1:位置「A」と対応付けされたことが理解できる。
【0063】
(2.6)サーバ
サーバ9は、例えば、管理装置8を管理する管理会社が運用するサーバである。ただし、サーバ9は、施設200のハウスメーカー等が運用するサーバでもよい。ここではサーバ9は、1台のサーバ装置から構成されているものとするが、複数台のサーバ装置から構成されてもよい。またサーバ9は、クラウド(クラウドコンピューティング)を構築して いてもよい。
【0064】
サーバ9は、
図2Bに示すように、制御部90、通信部91、及び記憶部92等を有している。
【0065】
制御部90は、例えば、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムの1以上のメモリに記録されたプログラムを1以上のプロセッサが実行することによって、制御部90の機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムの1以上のメモリに予め記録されている。なお、プログラムは、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部90は、通信部91等を制御する。
【0066】
通信部91は、取得装置6及び管理装置8と通信を行うための通信インタフェースを含んでいる。通信インタフェースは、ネットワークN1を介して、取得装置6及び管理装置8と通信を行う。通信部91は、第3出力情報OT3を管理装置8に出力する出力部に相当する。
【0067】
記憶部92は、ROM、RAM、又はEEPROM等から選択されるデバイスで構成される。記憶部92は、制御部90のメモリでもよい。また以下に説明する記憶部92が記憶する各種の情報の少なくとも一部が、制御部90のメモリに記憶されてもよい。記憶部92は、取得装置6及び管理装置8等に関する情報(例えばIPアドレス、メールアドレス、及び電話番号等)を記憶する。また記憶部92は、様々な種類の配線器具に関する詳細情報を記憶する。
【0068】
ここで制御部90は、
図2Bに示すように、取得部11と特定部12とを有している。言い換えると、制御部90は、取得部11としての機能と、特定部12としての機能を有している。つまり、特定システム1は、取得部11と特定部12とを備えている。
【0069】
取得部11は、施設200に設置された配線器具B0に付与されている識別情報A0を、取得装置6で、その配線器具Bから取得する。更に取得部11は、その配線器具B0の位置情報X1を、取得装置6で、媒体7から取得する。
【0070】
特定部12は、取得した識別情報A0に基づいて、配線器具B0を特定する。上述の通り、「配線器具B0の特定」とは、配線器具B0の種別、属性、及び、位置(設置場所)等の少なくとも1つを特定することである。ここでは特定部12は、以下の第1~第3特定処理を実行することで、施設200内全ての配線器具B0の種別、属性及び位置に加えて、配線器具B0が設置された管理領域R1の名称、及び配線器具B0が接続された分岐回路の情報を特定して、対応付けを行う。第1~第3特定処理を実行するタイミング及び順番は、特に限定されない。
【0071】
第1特定処理は、取得部11で取得装置6から取得した識別情報A0と位置情報X1との対応付けを、施設200内の配線器具B0の数の分だけ行い、第1出力情報OT1を生成する。制御部90は、第1出力情報OT1を記憶部92に記憶する。
【0072】
第2特定処理は、位置情報X1と、管理領域R1の名称情報X2と、分岐回路情報X3との対応付けを、分岐回路の数の分だけ行い、第2出力情報OT2を生成する。制御部90は、第2出力情報OT2を記憶部92に記憶する。
【0073】
第3特定処理は、第1出力情報OT1の位置情報X1と、第2出力情報OT2の位置情報X1とに基づいて、第1出力情報OT1及び第2出力情報OT2の対応付けを行い、第3出力情報OT3を生成する。制御部90は、第3出力情報OT3を記憶部92に記憶する。また制御部90は、通信部91より、第3出力情報OT3を管理装置8に送信する。
【0074】
(2.7)第2出力情報
分岐回路情報X3及び名称情報X2について説明する。分岐回路情報X3は、電力系統(商用電源)に接続される主幹回路C1から分岐する複数の分岐回路C2のうち配線器具B0と電気的に接続されている分岐回路C2を識別するための情報である。分岐回路情報X3は、例えば回路番号を含む。
【0075】
ここでは第1コンセントB1、第2コンセントB2、及び第3コンセントB3が接続されている分岐回路C2の回路番号は、それぞれ、「分岐1」、「分岐2」及び「分岐3」とする。また壁スイッチB4が接続されている分岐回路C2の回路番号は、「分岐4」とする。
【0076】
名称情報X2は、施設200における複数の管理領域R1のうち、配線器具B0が設置されている管理領域R1の名称を示す情報である。具体的には、名称情報X2の例としては、「玄関」、「キッチン」、「リビング」、「洋室1」、「洋室2」及び「和室」等を含み得る。
【0077】
サーバ9は、例えば、(着目する施設200も含めて)複数の施設の配線系統図に関する第1データ、及び分電盤結線図に関する第2データを記憶部92に記憶して管理する。
【0078】
配線系統図に関する第1データは、位置情報X1と分岐回路情報X3とを対応付けた情報を含み得る。媒体7と同様に、位置情報X1を記録した第2コードD2が、配線系統図と一緒に紙の媒体に印刷されていれば、読取装置で第2コードD2を読み取ることで、サーバ9に登録されてもよい。分電盤結線図に関する第2データは、管理領域R1の名称情報X2と分岐回路情報X3とを対応付けた対応情報Y1(
図5参照)を含み得る。
【0079】
サーバ9には、例えば、第2特定処理を実行するための支援用アプリケーションソフトがインストールされている。サーバ管理者がサーバ9のユーザインタフェースを介して当該アプリを起動して第2特定処理を実行させることで、制御部90は、第1データ及び第2データに基づき、位置情報X1と名称情報X2と分岐回路情報X3との対応付けを行う。制御部90は、第2特定処理の実行により、第2出力情報OT2を生成する。第2特定処理は、取得装置6からの指示により実行されてもよい。
【0080】
ところで、例えば、分電盤100内の各分岐ブレーカ3に対して、対応する分岐回路C2の接続先の配線器具B0が設置されている場所の名称ラベルを貼着する作業がある。この名称ラベルを作成するためのツールソフトを実行する端末(例えばパーソナルコンピュータ)には、分電盤結線図に関する第2データが登録される。言い換えると、当該端末は、分岐回路情報X3と名称情報X2とを管理する。この場合、サーバ9は、当該端末から対応情報Y1を取得してもよい。
【0081】
(2.8)設定作業
以下、特定システム1を用いた設定作業について説明する。
【0082】
設定作業は、第1出力情報OT1を取得するための第1作業と、第2出力情報OT2を取得するための第2作業と、第3出力情報OT3を取得するための第3作業と、を含む。ただし、ここでは第2作業は既に完了したものとする。すなわち、施設200に関する第2出力情報OT2は、例えば、各分岐ブレーカ3に貼着するための名称ラベルを作成した後のタイミングで既に取得されていて、例えばサーバ9の記憶部92内に格納されているものとする。以下、第1作業と第3作業について説明する。
【0083】
第1作業を行う作業者は、取得装置6(情報端末T1)と媒体7とを携帯して、取得装置6の「設定アプリ」を起動して、施設200内における配線器具B0が実際に設置されている管理領域R1を巡回する。要するに、設定作業のうち少なくとも第1作業は、施設200で行われる。
【0084】
作業者は、第1領域204(洋室2)内に入り、その壁面に設置されている第1コンセントB1の第1コードD1を取得装置6で読み取る。続いて作業者は、媒体7の見取り図上でこの第1コンセントB1が設置されている第1領域204を見つけ、位置「A」に対応する第2コードD2を取得装置6で読み取る。取得装置6は、画面上で、例えば「この配線器具と位置「A」とを紐づけますか?」という確認のメッセージを出力する(ペアリングの確認)。作業者は、取得装置6の画面上にポップアップされた「はい」及び「いいえ」という画像領域のうち「はい」の画像領域をタッチ操作する。すると、取得装置6は、第1コードD1に記録されている第1コンセントB1の識別情報A0(ID:ID1、種別:コンセント、属性:温度センサ)と、第2コードD2に記録されている位置情報X1(位置:A)とを、サーバ9に送信する。
【0085】
同様に作業者は、他の管理領域R1の配線器具B0についても第1コードD1を取得装置6で読み取り、媒体7の対応する第2コードD2を取得装置6で読み取る。取得装置6は、他の配線器具B0の識別情報A0及び位置情報X1をサーバ9に順次送信する(全ての配線器具B分の情報を最後に一括で送信してもよい)。具体的には、取得装置6は、第2コンセントB2の識別情報A0(ID:ID2、種別:コンセント、属性:湿度センサ)及び位置情報X1(位置:B)をサーバ9に送信する。また取得装置6は、第3コンセントB3の識別情報A0(ID:ID3、種別:コンセント、属性:人感センサ)及び位置情報X1(位置:C)をサーバ9に送信する。更に取得装置6は、壁スイッチB4の識別情報A0(ID:ID4、種別:スイッチ、属性:-)及び位置情報X1(位置:D)をサーバ9に送信する。
【0086】
サーバ9は、取得装置6から、各配線器具B0の識別情報A0及び位置情報X1を順次受信する。すなわち、特定システム1は、配線器具B0に付与されている識別情報A0を、取得装置6で配線器具B0から取得し(取得ステップ)、位置情報X1を、取得装置6で媒体7から取得する(媒体ステップ)。具体的には、特定システム1は、識別情報A0を取得装置6における受信部61(撮像部)で受信し、同様に位置情報X1を受信部61(撮像部)で受信する。
【0087】
特に特定システム1は、識別情報A0を取得装置6で光学読取により配線器具B0から取得する。したがって、例えば、無線通信により識別情報A0を配線器具B0から取得する場合に比べて、構成の簡素化を図ることができる。
【0088】
作業者は、施設200内における全ての配線器具B0について、第1コードD1と第2コードD2とを読み取り終えると、取得装置6に対して第1作業が完了した旨を入力する。サーバ9は、取得装置6から第1作業が完了した旨を示す信号を受信すると、第1特定処理を実行し、第1出力情報OT1を生成する。すなわち、特定システム1は、識別情報A0と位置情報X1とを対応付けする(位置対応ステップ)。サーバ9は、第1出力情報OT1を取得装置6に送信して表示部63に表示させる。作業者は、取得装置6に表示される第1出力情報OT1を見て、対応付けの結果を確認できる。
【0089】
そして、作業者は、(第2作業は既に完了しているため)第3作業を行う。第3作業が施設200内で行われることは必須ではない。作業者は、取得装置6を通じて、第2出力情報OT2を確認できてもよい。作業者は、取得装置6の「設定アプリ」上で、第1出力情報OT1と第2出力情報OT2とから第3出力情報OT3を生成させるための操作入力を行う。すると取得装置6は、当該操作入力に応じて指示信号をサーバ9に送信する。
【0090】
サーバ9は、指示信号を受信すると、第3特定処理を実行し、第3出力情報OT3を生成する。すなわち、特定システム1は、識別情報A0と、分岐回路情報X3とを対応付ける(
図5参照:回路対応ステップ)。また特定システム1は、識別情報A0と名称情報X2とを対応付ける(
図5参照:名称対応ステップ)。
【0091】
サーバ9は、第3出力情報OT3を取得装置6に送信して表示部63に表示させる。作業者は、取得装置6に表示される第3出力情報OT3を見て対応付けを確認できる。
【0092】
更に本実施形態のサーバ9は、第3出力情報OT3を管理装置8に送信する。言い換えると、特定システム1は、識別情報A0と、位置情報X1、分岐回路情報X3、及び名称情報X2のうちの少なくとも1つ(ここでは全部)とが対応付けされた対応情報(第3出力情報OT3)を、配線器具B0を管理する管理装置8に出力する。
【0093】
このように特定システム1は、取得した識別情報A0に基づいて、配線器具B0を特定する(特定ステップ)。したがって、配線器具B0の施工作業に関する作業性の向上を図ることができる。
【0094】
(2.9)第3出力情報の利用
ところで、管理装置8がサーバ9から受信した第3出力情報OT3は、配線器具B0を以下のような第1~第4システムのうちの少なくとも1つと連携させる場合に適用可能である。
【0095】
[第1システム]
第1システムは、照明制御システムである。第1システムは、第3出力情報OT3に基づいて、各壁スイッチ(配線器具B0)が、どの場所(管理領域R1)のどの位置にあり、どの照明機器に対応しているかを示すマップ情報を生成する。第1システムは、例えば、生成したマップ情報を、管理装置8に付設されているモニタ、又は施設200の住人等が携帯する情報端末(スマートフォン等)に表示させる。この場合、施設200の住人は、管理装置8のモニタ又は携帯する情報端末から、各管理領域R1に設置されている照明機器の照明制御を、情報端末上のマップ情報を見ながら容易に行える。
【0096】
[第2システム]
第2システムは、分電盤100の管理システムである。第2システムは、第3出力情報OT3に基づいて、各分岐回路C2が、どの場所(管理領域R1)のどの配線器具B0に接続されているかを示すマップ情報を生成する。第2システムは、例えば、生成したマップ情報を、管理装置8に付設されているモニタ、又は分電盤100の点検者又は配線器具B0等の増設を行う施工者が携帯する情報端末(スマートフォン等)に表示させる。この場合、点検者又は施工者は、表示されるマップ情報を確認しながら作業を行える。
【0097】
[第3システム]
第3システムは、人検知システムである。第3システムは、第3出力情報OT3に基づいて、人感センサS3を有した各配線器具B0(コンセント)が、どの場所(管理領域R1)のどの位置にあり、当該場所における人の在、不在を示すマップ情報を生成する。第3システムは、例えば、生成したマップ情報を、管理装置8に付設されているモニタ、又は施設200の住人等が携帯する情報端末(スマートフォン等)に表示させる。この場合、施設200の住人は、管理装置8のモニタ又は携帯する情報端末上のマップ情報を確認することで、各管理領域R1における人の在、不在を知ることができる。第3システムは、人の在、不在に関する情報と、空調機器及び照明機器の稼働に関する情報とから、無駄な電力消費の発生の存在について、管理装置8又は情報端末から住人に通知してもよい。
【0098】
[第4システム]
第4システムは、分岐ブレーカ3の遮断連携システムである。分岐ブレーカ3は、例えば、リモコンブレーカである。配線器具B0が、給電路の異常を検知する機能を有したコンセントであれば、第4システムは、配線器具B0における検知結果を受信することで、第3出力情報OT3に基づいて当該配線器具B0に対応する分岐回路C2(分岐ブレーカ3)を特定する。第4システムは、特定した分岐ブレーカ3に対して制御信号を送信して回路遮断を実行させる。更に第4システムは、管理装置8のモニタ又は施設200の住人の携帯する情報端末上に、例えば「和室で異常が見つかりました」といったメッセージを出力し、マップ情報上で「和室」の位置を通知する。その結果、住人は、速やかに異常が発生した場所を知ることができる。
【0099】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。上記実施形態に係る特定システム1は、特定方法、コンピュータプログラム、又はコンピュータプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化されてもよい。
【0100】
以下、上記実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。以下では、上記実施形態を「基本例」と呼ぶこともある。
【0101】
本開示における特定システム1(取得装置6、管理装置8、及びサーバ9)は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における特定システム1としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1ないし複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(UltraLarge Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1ないし複数の電子回路で構成される。
【0102】
また、特定システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは特定システム1に必須の構成ではない。特定システム1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、特定システム1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されてもよい。さらに、特定システム1の少なくとも一部の機能、例えば、特定システム1の一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0103】
基本例では、取得部11及び特定部12の機能の両方が、サーバ9に設けられている。しかし、取得部11及び特定部12の機能の少なくとも1つが、取得装置6、又は管理装置8に設けられてもよい。例えば、取得装置6自身が、取得部11及び特定部12の機能を有し、第3出力情報OT3を管理装置8に送信してもよい。
【0104】
基本例では、識別情報A0は、識別子A1、種別情報A2、及び属性情報A3を含んでいたが、更に配線器具B0に関する他の詳細情報を含んでもよい。あるいは逆に、識別情報A0は、識別子A1だけを含んでもよい。サーバ9は、取得装置6から取得した識別子A1に基づいて、対応する種別情報A2及び属性情報A3を自機の記憶部92又は別のサーバから取得してもよい。言い換えると、特定システム1は、受信した識別情報A0(識別子A1)に対応付けされている配線器具B0に関する器具情報(種別情報A2、属性情報A3、及び他の詳細情報)を施設200の外部から取得し、器具情報から配線器具B0を特定してもよい。この場合、配線器具B0に付与される識別情報に関する情報量を減らすことができる。
【0105】
基本例では、取得装置6の受信部61は、撮像部であり、特定システム1は、配線器具B0に付されている第1コードD1を受信部61で読み取らせて、配線器具B0から識別情報A0を取得する。しかし、配線器具B0は、第1コードD1を有する代わりに、自機のメモリに識別情報A0を記憶し、識別情報A0を含む無線信号を取得装置6に送信する機能を有してもよい。つまり、受信部61は、無線通信部でもよい。配線器具B0と受信部61との間における通信方式は、例えばBluetooth(登録商標)、近距離無線通信(Near fieldcommunication:NFC)、RFID(Radio Frequency Identification)、又は光無線通信でもよい。特定システム1は、無線通信により、無線信号を受信部61で受信させて、識別情報A0を取得してもよい。
【0106】
なお、無線通信による識別情報A0の受信の場合、2つ以上の配線器具B0が互いに近い位置に配置されていると、一度に複数の識別情報A0を取得する可能性がある。その場合、取得装置6は、電波強度により対象となる識別情報A0を選択する。あるいは、取得装置6は、作業者が対象となる識別情報A0を選択できるように、複数の識別情報A0を画面上に表示させてもよい。
【0107】
基本例における第2出力情報OT2及び第3出力情報OT3は、特定システム1において必須の情報ではない。第1出力情報OT1が、最終的な出力情報として管理装置8に送信されてもよい。
【0108】
基本例では、媒体7は、紙の媒体であるが、間取り図が電子データ化された電子媒体でもよい。例えば、取得装置6に施設200の間取り図(地図情報)が登録されていて、取得装置6に画面表示される間取り図に対してタッチ操作等を行うことで、第1コードD1と、位置情報X1とが対応付けされてもよい。要するに第2コードD2を取得装置6で読み取ることは必須ではない。
【0109】
基本例における対応情報Y1は、第1作業を実行する時点で取得装置6が取得できてもよい。この場合、更に媒体7が電子媒体で、取得装置6に施設200の間取り図(地図情報)が登録されていれば、第2作業は不要であってもよい。つまり、第1コードD1さえ読み込めば、取得装置6に画面表示される間取り図に対してタッチ操作等を行って対応する管理領域R1を選択することで、識別情報A0を、位置情報X1、名称情報X2、及び分岐回路情報X3に対応付けできてもよい。言い換えると、特定システム1は、段階的に第1出力情報OT1及び第2出力情報OT2を生成せずに、第3出力情報OT3を生成してもよい。
【0110】
基本例では、説明の便宜上、第1~第3出力情報OT1~OT3が表形式で示されているが、このような表形式で情報がサーバ9及び管理装置8内に格納されることに限定されない。
【0111】
(4)まとめ
以上説明したように、第1の態様に係る特定方法は、施設(200)に設置された配線器具(B0)の特定方法である。特定方法は、取得ステップと、特定ステップと、を含む。取得ステップにて、配線器具(B0)に付与されていて施設(200)に設置された他の同種の配線器具(B0)と区別するための識別情報(A0)を、取得装置(6)で配線器具(B0)から取得する。特定ステップにて、取得した識別情報(A0)に基づいて、配線器具(B0)を特定する。第1の態様によれば、配線器具(B0)の施工作業に関する作業性の向上を図ることができる。
【0112】
第2の態様に係る特定方法に関して、第1の態様において、取得ステップにて、識別情報(A0)を、取得装置(6)における受信部(61)で配線器具(B0)から受信する。特定ステップにて、受信した識別情報(A0)に対応付けされている配線器具(B0)に関する器具情報を施設(200)の外部から取得し、器具情報から配線器具(B0)を特定する。第2の態様によれば、配線器具(B0)に付与される識別情報(A0)に関する情報量を減らすことができる。
【0113】
第3の態様に係る特定方法に関して、第1の態様又は第2の態様において、識別情報(A0)は、他の全ての配線器具(B0)と区別可能な唯一の識別子(A1)の情報を含む。第3の態様によれば、配線器具(B0)の特定に関する信頼性が向上される。
【0114】
第4の態様に係る特定方法に関して、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、取得ステップにて、識別情報(A0)を、取得装置(6)で光学読取により配線器具(B0)から取得する。第4の態様によれば、例えば、無線通信により識別情報(A0)を配線器具(B0)から取得する場合に比べて、構成の簡素化を図ることができる。
【0115】
第5の態様に係る特定方法は、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、識別情報(A0)と、施設(200)における配線器具(B0)の位置を示す位置情報(X1)とを対応付ける位置対応ステップを更に含む。第5の態様によれば、配線器具(B0)の施工作業に関する作業性を更に向上できる。
【0116】
第6の態様に係る特定方法に関して、第5の態様において、位置情報(X1)は、施設(200)に関する地図情報を示す媒体(7)に付与されている。特定方法は、位置情報(X1)を、取得装置(6)で媒体(7)から取得する媒体ステップを更に含む。第6の態様によれば、配線器具(B0)の施工作業に関する作業性を更に向上できる。
【0117】
第7の態様に係る特定方法は、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、回路対応ステップを更に含む。回路対応ステップにて、識別情報(A0)と、電力系統に接続される主幹回路(C1)から分岐する複数の分岐回路(C2)のうち配線器具(B0)と電気的に接続されている分岐回路(C2)を識別するための分岐回路情報(X3)とを対応付ける。第7の態様によれば、配線器具(B0)の施工作業に関する作業性を更に向上できる。
【0118】
第8の態様に係る特定方法は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、名称対応ステップを更に含む。名称対応ステップにて、識別情報(A0)と、施設(200)における1又は複数の管理領域(R1)のうち、配線器具(B0)が設置されている管理領域(R1)の名称を示す名称情報(X2)とを対応付ける。第8の態様によれば、配線器具(B0)の施工作業に関する作業性を更に向上できる。
【0119】
第9の態様に係る特定方法は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、出力ステップを更に含む。出力ステップにて、識別情報(A0)と、位置情報(X1)、分岐回路情報(X3)、及び名称情報(X2)のうちの少なくとも1つとが対応付けされた対応情報を、配線器具(B0)を管理する管理装置(8)に出力する。位置情報(X1)は、施設(200)における配線器具(B0)の位置を示す情報である。分岐回路情報(X3)は、電力系統に接続される主幹回路(C1)から分岐する複数の分岐回路(C2)のうち配線器具(B0)と電気的に接続されている分岐回路(C2)を識別するための情報である。名称情報(X2)は、施設(200)における1又は複数の管理領域(R1)のうち、配線器具(B0)が設置されている管理領域(R1)の名称を示す情報である。第9の態様によれば、管理装置(8)を用いた配線器具(B0)の施工作業に関する作業性を更に向上できる。
【0120】
第10の態様に係るプログラムは、1以上のプロセッサに、第1~第9の態様のいずれか1つにおける特定方法を実行させるためのプログラムである。第10の態様によれば、配線器具の施工作業に関する作業性の向上を図ることが可能な機能を提供できる。
【0121】
第11の態様に係る特定システム(1)は、取得部(11)と、特定部(12)と、を備える。取得部(11)は、施設(200)に設置された配線器具(B0)に付与されていて施設(200)に設置された他の同種の配線器具(B0)と区別するための識別情報(A0)を、取得装置(6)で配線器具(B0)から取得する。特定部(12)は、取得した識別情報(A0)に基づいて、配線器具(B0)を特定する。第11の態様によれば、配線器具(B0)の施工作業に関する作業性の向上を図ることが可能な特定システム(1)を提供できる。
【0122】
第2~第9の態様に係る構成については、第1の態様に係る特定方法に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0123】
200 施設
1 特定システム
11 取得部
12 特定部
6 取得装置
61 受信部
7 媒体
8 管理装置
A0 識別情報
A1 識別子
B0 配線器具
C1 主幹回路
C2 分岐回路
R1 管理領域
X1 位置情報
X2 名称情報
X3 分岐回路情報