(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】シャワーノズル及び液体流通構造
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20231127BHJP
B01F 23/20 20220101ALI20231127BHJP
B01F 25/20 20220101ALI20231127BHJP
B01F 25/10 20220101ALI20231127BHJP
【FI】
A47K3/28
B01F23/20
B01F25/20
B01F25/10
(21)【出願番号】P 2020083200
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】308041934
【氏名又は名称】株式会社シバタ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】宮本 順一
(72)【発明者】
【氏名】柴田 芳樹
(72)【発明者】
【氏名】花村 厚次
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-185439(JP,A)
【文献】特開2010-284619(JP,A)
【文献】国際公開第2013/012069(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0121793(KR,A)
【文献】特開2019-042700(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/02- 3/40
B01F 21/00-25/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流通する流路(4)が設けられた管体(3)と、
前記管体(3)の一端に設けられ、前記液体の出口となるヘッド(5)と、
前記管体(3)の前記流路(4)内において前記液体が通過するように配置され、通過する前記液体に気泡を含有させる気泡発生器(10)と、
前記気泡発生器(10)と前記流路(4)の内周面との間において前記液体を通過させる補助流路(25)と、を備え
、
前記気泡発生器(10)は、前記流路(4)の前記内周面に沿った外周面を有する筒状体(20)の内側空間に配置され、
前記筒状体(20)は、前記気泡発生器(10)が前記流路(4)の下流側に移動することを規制する規制壁(23)を有し、
前記補助流路(25)は、前記筒状体(20)の周壁(21)に形成されている、シャワーノズル。
【請求項2】
液体が流通する流路(4)が設けられた管体(3)と、
前記管体(3)の一端に設けられ、前記液体の出口となるヘッド(5)と、
前記管体(3)の前記流路(4)内において前記液体が通過するように配置され、通過する前記液体に気泡を含有させる気泡発生器(10)と、
前記気泡発生器(10)と前記流路(4)の内周面との間において前記液体を通過させる補助流路(25)と、
前記気泡発生器(10)の上流に配置される押さえ部材(40)と、を備え
、
前記押さえ部材(40)は、前記液体の入口側から出口側に向かって開口面積が大きくなるように傾斜した内周傾斜面(35)と、前記内周傾斜面(35)から突出して前記気泡発生器(10)に係合可能なリブ(36)を有している、シャワーノズル。
【請求項3】
前記気泡発生器(10)の上流に配置される押さえ部材(40)をさらに備え、
前記押さえ部材(40)は、前記液体の入口側から出口側に向かって開口面積が大きくなるように傾斜した内周傾斜面(35)と、前記内周傾斜面(35)から突出して前記気泡発生器(10)に係合可能なリブ(36)を有している、請求項
1に記載のシャワーノズル。
【請求項4】
前記補助流路(25)は、前記液体に旋回流を発生させる複数の偏向流路(26)を備える、請求項1
~3のいずれか一項に記載のシャワーノズル。
【請求項5】
前記偏向流路(26)は、入口から出口に向かって前記流路の軸線を中心とした周方向に傾斜する傾斜面(26s)を有している、請求項
4に記載のシャワーノズル。
【請求項6】
前記補助流路(25)では、入口の開口面積は出口の開口面積よりも大きい、請求項1~
5のいずれか一項に記載のシャワーノズル。
【請求項7】
入口から出口に向けて液体を流通させる液体流通構造(50)であって、
流路(12)を有し、当該流路(12)を通過する前記液体に気泡を含有させる気泡発生器(10)と、
前記気泡発生器(10)の外周において前記液体を通過させる補助流路(25)と、を備え
、
前記気泡発生器(10)は、筒状を呈する筒状体(20)の内側空間に配置され、
前記筒状体(20)は、前記気泡発生器(10)が出口側に移動することを規制する規制壁(23)を有し、
前記補助流路(25)は、前記筒状体(20)の周壁(21)に形成されている、液体流通構造。
【請求項8】
入口から出口に向けて液体を流通させる液体流通構造(50)であって、
流路(12)を有し、当該流路(12)を通過する前記液体に気泡を含有させる気泡発生器(10)と、
前記気泡発生器(10)の外周において前記液体を通過させる補助流路(25)と、
前記気泡発生器(10)の上流に配置される押さえ部材(40)と、を備え、
前記押さえ部材(40)は、前記液体の入口側から出口側に向かって開口面積が大きくなるように傾斜した内周傾斜面(35)と、前記内周傾斜面(35)から突出して前記気泡発生器(10)に係合可能なリブ(36)を有している、液体流通構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーノズル及び液体流通構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、気泡発生機構が内装されたシャワーノズルが開示されている。この気泡発生機構には、流路の途中位置に絞り部が形成されており、絞り部には衝突部が配置されている。気泡発生機構は、液体の流れを衝突部に衝突させることによって液体に気泡を含有させ、気泡が含有された液体を流出口から流出させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたシャワーノズルでは、気泡発生機構における流路断面積が小さくなっていることによって、気泡発生機構を通過する液体の量が規制されており、シャワーノズルにおける液体の流量が減少することが考えられる。
【0005】
本発明は、液体の流量の減少が抑制されたシャワーノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるシャワーノズル(1)は、液体が流通する流路(4)が設けられた管体(3)と、管体(3)の一端に設けられ、液体の出口となるヘッド(5)と、管体(3)の流路(4)内において液体が通過するように配置され、通過する液体に気泡を含有させる気泡発生器(10)と、気泡発生器(10)と流路(4)の内周面との間において液体を通過させる補助流路(25)と、を備える。
【0007】
このようなシャワーノズル(1)では、管体(3)の流路(4)を流通する液体が気泡発生器(10)を通過することによって、液体に気泡が含有される。気泡発生器(10)と管体(3)の流路(4)の内周面との間には、補助流路(25)が設けられているため、気泡発生器(25)を通過する気泡が含有された液体と、補助流路(25)を通過する液体とが混合されてヘッド(5)から流出する。このように、気泡発生器(10)に加えて補助流路(25)が設けられているため、気泡発生器(10)を通過する液体の流量よりも大きい流量をシャワーノズル(1)に流通させることができるので、液体の流量の減少が抑制される。
【0008】
また、補助流路(25)は、液体に旋回流を発生させる複数の偏向流路(26)を備えてもよい。この構成では、補助流路(25)から流出する液体によって旋回流が形成されるため、気泡発生器(10)を通過する気泡を包含した液体と、補助流路(25)を通過する液体とが混合されやすい。
【0009】
偏向流路(26)は、入口から出口に向かって流路の軸線を中心とした周方向に傾斜する傾斜面(26s)を有していてもよい。偏向流路(26)では、周方向に傾斜する傾斜面(26s)に沿って液体が流通することによって、周方向に傾斜した方向に液体が吐出される。
【0010】
補助流路(25)では、入口の開口面積は出口の開口面積よりも大きくてもよい。この構成では補助流路(25)の出口から吐出される液体の流速を大きくすることができる。
【0011】
気泡発生器(10)は、流路(4)の内周面に沿った外周面を有する筒状体(20)の内側空間に配置され、筒状体(20)は、気泡発生器(10)が流路(4)の下流側に移動することを規制する規制壁(23)を有し、補助流路(25)は、筒状体(20)の周壁(21)に形成されてもよい。この構成では、補助流路(25)が形成された筒状体(20)と気泡発生器(10)とを容易に一体化することができる。
【0012】
シャワーノズル(1)は、気泡発生器(10)の上流に配置される押さえ部材(40)をさらに備え、押さえ部材(40)は、入口側から出口側に向かって開口面積が大きくなるように傾斜した内周傾斜面(35)と、内周傾斜面(35)から突出して気泡発生器(10)に係合可能なリブ(36)を有してもよい。この構成では、気泡発生器(10)が上流側に移動することが規制される。
【0013】
また、本発明による液体流通構造(50)は、入口から出口に向けて液体を流通させる液体流通構造(50)であって、流路(12)を有し、当該流路(12)を通過する液体に気泡を含有させる気泡発生器(10)と、気泡発生器(10)の外周において液体を通過させる補助流路(25)と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、液体の流量の減少が抑制されたシャワーノズルを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】一例に係るシャワーノズルを示す部分断面図である。
【
図8】
図7のVIII―VIII線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、一例に係るシャワーノズルを側面から見た図であり、シャワーノズルの一部を断面で示している。
図1に示すように、シャワーノズル1は、管体3と、ヘッド5と、気泡発生器10と、筒状体20と、キャップ(押さえ部材)30と、を備える。管体3は、シャワーノズル1の使用者に把持される部分であり、例えば略円柱状の外形を有する。図示例の管体3は、長手方向の中央において屈曲された略円柱状の外形を有している。管体3の内側には、長手方向に沿って液体が流通する断面円形の流路4が形成されている。すなわち、管体3は、略円筒形状を有している。ヘッド5は、管体3の一端(下流側の端部)に設けられており、管体3の他端(上流側の端部)側に接続されるシャワーホース40から流入する液体の出口となっている。ヘッド5には、例えば複数の貫通孔が設けられており、管体3を流通する液体は複数の貫通孔から吐出される。
【0018】
気泡発生器10は、管体3の流路4内において液体が通過するように配置され、通過する液体に気泡を含有させる。本実施形態では、気泡発生器10は、筒状体20の内側空間に配置されている。一例の気泡発生器10は、略円筒形状を有しており、内側空間によって構成される流路12を通過する液体に気泡を含有させる。図示例の気泡発生器10は、上流側に開口する流入口と下流側に開口する流出口とをつなぐ流路12を有する。流路12の途中位置には、流入口よりも流路断面積が小さい絞り部12aが形成されており、絞り部12aには流路断面積をさらに減少させる衝突部13が配置されている。流入口から供給された液体は、衝突部13に衝突することにより、溶解していた気体の一部が気泡となった気泡含有液体となり、流出口から流する。なお、気泡発生器10は、他の原理に基づいて、流通する液体に気泡を発生させてもよい。一例において、気泡は、気泡径が100μm未満のファインバブルであってもよく、特に、気泡径が1μm以上100μm未満のマイクロバブル、気泡径が1μm未満のウルトラファインバブル等であってもよい。
【0019】
図2は、筒状体を入口(上流)側から見た斜視図である。
図3は、筒状体を出口(下流)側から見た斜視図である。
図4は、筒状体を出口側から見た平面図である。
図5は、筒状体を入口側から見た平面図である。
図6は、
図4のVI―VI線に沿った断面図である。筒状体20は、有底円筒状を有しており、周壁21及び底壁23を含んでいる。例えば、筒状体20の内径は、気泡発生器10の外径と略同じか僅かに小さくなっている。底壁23の中央には円形の開口23aが形成されている。筒状体20の内側空間に配置された気泡発生器10は、底壁(規制壁)23に当接することによって、下流側に移動することが規制されている。
【0020】
筒状体20の周壁21は、管体3の流路4の内周面に沿った外周面を有しており、
図1に示すように、底壁23が下流側を向くように管体3の流路4内に配置されている。一例のシャワーノズル1では、管体3におけるヘッド5と逆側(すなわち上流側)の端部に筒状体20が配置されている。例えば、管体3の流路4の上流側端部は、内径が大きくなるように形成された段部4aになっている。筒状体20は、段部4aに配置されることによって、下流側への移動が規制されている。筒状体20が段部4aに配置された状態では、筒状体20の偏向流路26(出口26b)は、管体3の流路4に連通している。
【0021】
筒状体20の周壁21には、補助流路25が形成されている。補助流路25は、気泡発生器10と管体3の流路4の内周面との間において液体を通過させる。一例の補助流路25は、周壁21の一端から他端にかけて形成された管状の流路である。本実施形態において、補助流路25は、液体に旋回流を発生させる複数(図示例では4つ)の同形状の偏向流路26によって構成されている。それぞれの偏向流路26は、周壁21の周方向に互いに等間隔で配置されている。そのため、筒状体20は、軸芯を回転中心とした回転対称性を有している。偏向流路26は、出口26bから吐出される液体の向きを管体3の流路4の軸線方向に対して傾けることで、液体に旋回流を発生させる。
【0022】
一例の偏向流路26は、断面矩形状を呈している。すなわち、それぞれの偏向流路26は、液体の流通方向に沿って延在する4つの側面によって画成されている。一例において、偏向流路26は、台形状の2つの側面と矩形状の2つの側面とによって画成されていてもよい。図示例では、4つの側面の内の一つ(側面26s)が、入口から出口に向かって流路の軸線を中心とした周方向に傾斜する傾斜面となっている。なお、補助流路25の横断面は、矩形以外であってもよく、例えば円形や多角形であってもよい。例えば、補助流路の横断面が円形状である場合には、補助流路の内周面において、入口から出口に向かって流路の軸線を中心とした周方向に傾斜する部分が傾斜面となる。
【0023】
また、それぞれの偏向流路26において、入口26aの開口面積は出口26bの開口面積よりも大きくなっている。すなわち、偏向流路26の流通断面積は、入口26aから出口26bに向かうにつれて漸次小さくなる。なお、図示例では、偏向流路26の入口26aの開口面積が特に大きくなるように、入口26aの開口端が径方向に広がっている(
図6参照)。本実施形態においては、気泡発生器10と補助流路25とによって、上流(入口26a)から下流(出口26b)に向けて液体を流通させる液体流通構造50が構成されている。
【0024】
キャップ(押さえ部材)30は、気泡発生器10及び筒状体20の上流に配置されており、管体3とシャワーホース40とを接続する。一例のキャップ30は、略筒状をなしており、液体が流通する流路39を有している。キャップは、上流側の外周に形成されたねじ溝31と下流側の外周に形成されたねじ溝32とを有する。また、上流側のねじ溝31と下流側のねじ溝32との間には径方向に突出するフランジ33が形成されている。上流側のねじ溝31は、シャワーホース40の先端に設けられた略円筒状の取付部材41に接続され得る。すなわち、取付部材41の内周面には、ねじ溝31に対応するねじ溝42が形成されている。
【0025】
下流側のねじ溝32は、管体3の上流側の端部に接続されている。
図1に示すように、管体3の上流側端部の内周面には、ねじ溝32に対応するねじ溝6が形成されている。キャップ30が管体3に接続された状態(すなわち、ねじ溝32とねじ溝6とが螺合した状態)では、キャップ30のフランジ33が管体3の端縁に当接している。一例においては、キャップ30のフランジ33と下流側のねじ溝32との間(環状溝32a)に配置されたOリング等のシール部材7によって、管体3の上流側端部とキャップ30との接続部分が封止されている。
【0026】
図7は、キャップ30を出口(下流)側から見た平面図である。
図8は、
図7のVIII―VIII線に沿った断面図である。
図9は、
図7のIX-IX線に沿った断面図である。
図7~
図9に示すように、キャップ30の内周には、入口側から出口側に向かって開口面積が大きくなるように傾斜した円錘台形状の傾斜面(内周傾斜面)35が形成されている。図示例の傾斜面35は、液体の流通方向において、フランジ33の中心位置よりも下流側に形成されている(
図8参照)。傾斜面35には、傾斜面35から流路39の中心に向かって突出する複数(図示例では4つ)のリブ36が形成されている。それぞれのリブ36は、周方向に互いに等間隔で配置されている。それぞれのリブ36は三角板状をなしている。リブ36の下流側の端縁36aは、キャップ30の下流側の端縁30aに揃っている。また、リブ36の径方向における端縁36bは、キャップ30の流路39の入口側の内周面39aの位置に揃っている。
【0027】
キャップ30が管体3に接続された状態では、リブ36が筒状体20の上流側端縁及び気泡発生器10の上流側端縁に当接(係合)し得る。また、気泡発生器10の流路12及び筒状体20の偏向流路26(入口26a)は、キャップ30の流路39に連通している。例えば、流路39の下流となる傾斜面35の出口側端縁の外径は、筒状体20の外径よりも大きくなっていてもよい。
【0028】
シャワーホース40を流通された液体は、キャップ30の流路39を介して気泡発生器10の流路12及び筒状体20の補助流路25(偏向流路26)に供給される。気泡発生器10の流路12に供給された液体は、気泡含有液体となって気泡発生器10から流出される。また、補助流路25に供給された液体は、流路4の軸線を中心として周方向に旋回しながら下流側に進行する旋回流となって筒状体20から流出される。これらの液体は互いに混合されながら管体3の流路4を流通し、ヘッド5から吐出される。
【0029】
以上説明したように、一例のシャワーノズル1は、液体が流通する流路4が設けられた管体3と、管体3の一端に設けられ、液体の出口となるヘッド5と、管体3の流路4内において液体が通過するように配置され、通過する液体に気泡を含有させる気泡発生器10と、気泡発生器10と流路4の内周面との間において液体を通過させる補助流路25と、を備える。
【0030】
このようなシャワーノズル1では、管体3の流路4を流通する液体が気泡発生器10を通過することによって、液体に気泡が含有される。気泡発生器10と管体3の流路4の内周面との間には、補助流路25が設けられているため、気泡発生器10を通過する気泡を含有した液体と、補助流路25を通過する液体とが混合されてヘッド5から流出する。このように、気泡発生器10に加えて補助流路25が設けられているため、液体の流量の減少が抑制される。
【0031】
また、補助流路25は、液体に旋回流を発生させる複数の偏向流路26を備えてもよい。この構成では、補助流路25から流出する液体によって旋回流が形成されるため、気泡発生器10を通過する気泡を含有した液体と、補助流路25を通過する液体とが混合されやすい。
【0032】
偏向流路26は、入口から出口に向かって流路4の軸線を中心とした周方向に傾斜する側面(傾斜面)26sを有していてもよい。偏向流路26では、周方向に傾斜する側面26sに沿って液体が流通することによって、周方向に傾斜した方向に液体が吐出される。液体が周方向に傾斜した向きに吐出されることにより、容易に旋回流が形成され得る。
【0033】
偏向流路26(補助流路25)の入口26aの開口面積は出口26bの開口面積よりも大きくてもよい。この構成では偏向流路26の出口26bから吐出される液体の流速を大きくすることができる。そのため、気泡発生器10を通過する気泡を含有した液体と、補助流路25を通過する液体とが混合されやすい。
【0034】
気泡発生器10は、流路4の内周面に沿った外周面(周壁21)を有する筒状体20の内側空間に配置され、筒状体20は、気泡発生器10が液体の出口側に移動することを規制する規制壁を有し、補助流路25は、筒状体20の周壁21に形成されてもよい。この構成では、補助流路25が形成された筒状体20と気泡発生器10とを容易に一体化することができる。また、気泡発生器10の外周の位置に容易に補助流路25を配置することができる。
【0035】
キャップ30は、入口側から出口側に向かって開口面積が大きくなるように傾斜した傾斜面(内周傾斜面)35と、傾斜面35から突出して気泡発生器10に係合可能なリブ36とを有してもよい。この構成では、気泡発生器10が上流側に移動することが規制される。
【0036】
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0037】
例えば、補助流路の流路断面積は入口から出口にかけて一定であってもよい。この場合、補助流路は、入口から出口に向かって流路4の軸線を中心とした周方向に傾斜していてもよいし、傾斜していなくてもよい。すなわち、補助流路は、螺旋状に形成されていてもよいし、直線状に形成されていてもよい。
【0038】
また、筒状体20の周壁21に管状の補助流路25が形成されている例を示したが、補助経路は、気泡発生器10における液体の流通経路に沿って管体3の流路4内に設けられていればよい。一例として、筒状体の周壁の内周面に溝状の経路が形成されており、気泡発生器10の外周面と溝状の経路とによって補助経路が画成されてもよい。
【0039】
また、気泡発生器及び筒状体が管体の上流側端部に配置される例を示したが、気泡発生器及び筒状体が配置される位置は特に限定されない。例えば、気泡発生器及び筒状体は、管体の下流側端部(すなわち、ヘッドの上流側)に配置されてもよいし、管体における上流端と下流端との中央に配置されてもよい。
【0040】
また、気泡発生器と筒状体とによって構成される液体流通構造がシャワーノズルの流路内に配置される形態について説明したが、例えば、気泡発生器と、気泡発生器の外周において液体を通過させる補助流路と、を備える液体流通構造が設けられた液体流通部品が既設のシャワーノズルとシャワーホースとの間に配置される形態であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…シャワーノズル、3…管体、4…流路、5…ヘッド、10…気泡発生器、20…筒状体、25…補助流路、26…偏向流路。