IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特許7390670共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム
<>
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図1
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図2
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図3
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図4
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図5
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図6
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図7
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図8
  • 特許-共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
H04M9/00 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022074282
(22)【出願日】2022-04-28
(62)【分割の表示】P 2018024328の分割
【原出願日】2018-02-14
(65)【公開番号】P2022100385
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 譲
(72)【発明者】
【氏名】中村 守雄
(72)【発明者】
【氏名】池田 光治
(72)【発明者】
【氏名】竹ノ内 利春
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-020062(JP,A)
【文献】特開2009-206784(JP,A)
【文献】特開2007-226741(JP,A)
【文献】特開2016-158171(JP,A)
【文献】特開2010-103618(JP,A)
【文献】特開2010-278765(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106375641(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0071273(US,A1)
【文献】特開2008-199549(JP,A)
【文献】特開2007-158421(JP,A)
【文献】国際公開第2008/012905(WO,A1)
【文献】特開2012-34025(JP,A)
【文献】特開2009-77032(JP,A)
【文献】特開2011-10200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラが撮影した元画像に補正処理を行った後の補正画像から予め設定された範囲の部分画像を抽出する画像処理を行って生成された顔認証用の第1画像を出力する第1出力部と、
居住空間の外側に配置される第1通話装置である共同玄関子機と通信可能であって前記居住空間に配置される第2通話装置に対して、前記第2通話装置からの指示内容にしたがって前記補正画像にサイズ調整及びトリミングの少なくとも一方の画像処理を行って生成された表示用の第2画像を出力する第2出力部と、を有する
共同玄関子機。
【請求項2】
前記第1画像と、前記第2画像とは、画像のサイズが異なる
請求項1に記載の共同玄関子機。
【請求項3】
カメラが撮影した元画像に補正処理を行った後の補正画像から予め設定された範囲の部分画像を抽出する画像処理を行って生成された顔認証用の第1画像を出力する第1出力処理と、
居住空間の外側に配置される第1通話装置である共同玄関子機と通信可能であって前記居住空間に配置される第2通話装置に対して、前記第2通話装置からの指示内容にしたがって前記補正画像にサイズ調整及びトリミングの少なくとも一方の画像処理を行って生成された表示用の第2画像を出力する第2出力処理と、を含む
共同玄関子機の画像出力方法。
【請求項4】
共同玄関子機として動作するコンピュータシステムに、
カメラが撮影した元画像に補正処理を行った後の補正画像から予め設定された範囲の部分画像を抽出する画像処理を行って生成された顔認証用の第1画像を出力する第1出力処理と、
居住空間の外側に配置される第1通話装置である共同玄関子機と通信可能であって前記居住空間に配置される第2通話装置に対して、前記第2通話装置からの指示内容にしたがって前記補正画像にサイズ調整及びトリミングの少なくとも一方の画像処理を行って生成された表示用の第2画像を出力する第2出力処理と、を実行させるための
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居室親機と集合玄関機とを含むインターホンシステムがあった(例えば特許文献1参照)。このインターホンシステムでは、訪問者が集合玄関機を用いて居室親機を呼び出す呼出操作を行うと、集合玄関機のカメラの撮像映像が居室親機に送信され、居室親機のモニタにカメラの撮像映像が出画される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-41983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のインターホンシステムでは、集合玄関機(第1通話装置)のカメラの撮像画像は居室親機(第2通話装置)に出力されて居室親機のモニタに表示されるだけであった。そのため、集合玄関機のカメラの撮像画像(元画像)を、訪問者の顔認証を行う顔認証システムで利用することができなかった。
【0005】
本開示の目的は、カメラが撮影した元画像を顔認証に利用可能な共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の共同玄関子機は、第1出力部と、第2出力部と、を有する。前記第1出力部は、カメラが撮影した元画像に補正処理を行った後の補正画像から予め設定された範囲の部分画像を抽出する画像処理を行って生成された顔認証用の第1画像を出力する。前記第2出力部は、第2通話装置に対して、前記第2通話装置からの指示内容にしたがって前記補正画像にサイズ調整及びトリミングの少なくとも一方の画像処理を行って生成された表示用の第2画像を出力する。前記第2通話装置は、居住空間の外側に配置される第1通話装置である共同玄関子機と通信可能であって、前記居住空間に配置される。
【0007】
本開示の一態様の共同玄関子機の画像出力方法は、第1出力処理と、第2出力処理と、を含む。前記第1出力処理では、カメラが撮影した元画像に補正処理を行った後の補正画像から予め設定された範囲の部分画像を抽出する画像処理を行って生成された顔認証用の第1画像を出力する。前記第2出力処理では、第2通話装置に対して、前記第2通話装置からの指示内容にしたがって前記補正画像にサイズ調整及びトリミングの少なくとも一方の画像処理を行って生成された表示用の第2画像を出力する。前記第2通話装置は、居住空間の外側に配置される第1通話装置である共同玄関子機と通信可能であって、前記居住空間に配置される。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、共同玄関子機として動作するコンピュータシステムに、第1出力処理と、第2出力処理と、を実行させるためのプログラムである。前記第1出力処理では、カメラが撮影した元画像に補正処理を行った後の補正画像から予め設定された範囲の部分画像を抽出する画像処理を行って生成された顔認証用の第1画像を出力する。前記第2出力処理では、第2通話装置に対して、前記第2通話装置からの指示内容にしたがって前記補正画像にサイズ調整及びトリミングの少なくとも一方の画像処理を行って生成された表示用の第2画像を出力する。前記第2通話装置は、居住空間の外側に配置される第1通話装置である共同玄関子機と通信可能であって、前記居住空間に配置される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、カメラが撮影した元画像を顔認証に利用可能な共同玄関子機、共同玄関子機の画像出力方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るインターホンシステムのシステム構成図である。
図2図2は、同上のインターホンシステムのブロック図である。
図3図3は、同上のインターホンシステムの動作を説明するフローチャートである。
図4図4Aは同上のインターホンシステムにおける元画像の説明図である。図4Bは同上のインターホンシステムにおける第2画像の説明図である。図4Cは同上のインターホンシステムにおける第1画像の説明図である。
図5図5は、本開示の一実施形態の変形例1に係るインターホンシステムのブロック図である。
図6図6Aは同上のインターホンシステムにおける元画像の説明図である。図6Bは同上のインターホンシステムにおける第2画像の説明図である。図6Cは同上のインターホンシステムにおける第1画像の説明図である。
図7図7は、本開示の一実施形態の変形例2に係るインターホンシステムのブロック図である。
図8図8Aは同上のインターホンシステムにおける元画像の説明図である。図8Bは同上のインターホンシステムにおける第2画像の説明図である。図8Cは同上のインターホンシステムにおける第1画像の説明図である。
図9図9は、本開示の一実施形態の変形例3に係るインターホンシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)概要
本実施形態に係るインターホンシステムの概要を図1及び図2に基づいて説明する。以下では、集合住宅向けのインターホンシステム100を例に説明する。集合住宅向けのインターホンシステム100は、集合住宅200の住戸210に配置される住戸親機(第2通話装置)2と、集合住宅200の共同玄関220に配置される共同玄関子機(第1通話装置)1と、を含む。
【0012】
本実施形態のインターホンシステム100は、図2に示すように、第1出力部161と、第2出力部162と、を有する。
【0013】
第1出力部161は、カメラ5が撮影した元画像に基づく顔認証用の第1画像を出力する。
【0014】
第2出力部162は、第2通話装置である住戸親機2に対して、元画像に基づく表示用の第2画像を出力する。住戸親機2は、第1通話装置である共同玄関子機1と通信可能である。共同玄関子機1は、居住空間である住戸210の外側(例えば共同玄関220)に配置され、住戸親機2は、居住空間である住戸210に配置される。
【0015】
ここにおいて、顔認証用の第1画像とは、第1通話装置である共同玄関子機1が配置された場所にいる人物の顔認証を行うシステム(後述する顔認証サーバ4)が顔認証に用いる画像である。また、表示用の第2画像とは、第2通話装置である住戸親機2の表示部25(後述する)に表示される画像である。
【0016】
このように、第1出力部161は、カメラ5が撮影した元画像に基づいて顔認証用の第1画像を出力しているので、第1画像が入力されるシステムでは第1画像を用いて顔認証を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、カメラ5が撮影した元画像(具体的には、元画像に基づく第1画像)を顔認証に利用可能なインターホンシステムを提供できる。
【0017】
(2)詳細
以下、本実施形態に係るインターホンシステム100について図面を参照して説明する。
【0018】
(2.1)構成
本実施形態のインターホンシステム100は、共同玄関子機1と、住戸親機2と、制御装置3と、を備えている。このインターホンシステム100は、顔認証サーバ4と組み合わせて使用される。集合住宅200には複数の住戸210がある。インターホンシステム100は住戸親機2を複数備えており、複数の住戸親機2は複数の住戸210に1対1に対応している。
【0019】
(2.1.1)共同玄関子機の構成
共同玄関子機1は、集合住宅200において居住空間である住戸210の外側に配置されており、例えば集合住宅200の共同玄関220に配置されている。共同玄関子機1は、制御部11と、画像入力部12と、操作入力部13と、通信部14と、扉駆動部15と、を備える。
【0020】
画像入力部12には、カメラ5が撮影した元画像の画像データが入力される。画像入力部12は、カメラ5から入力された画像データを制御部11に出力する。カメラ5は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサなどのイメージセンサを備えている。カメラ5は、共同玄関220において、共同玄関子機1を操作する人物、換言すれば共同玄関子機1を用いて通話する人物を含む1以上の人物(例えば、住戸210の住人、訪問者など)を撮影可能な位置に配置されている。カメラ5は、共同玄関220において広範囲の画像を撮影できるように、広角レンズなどを備えている。なお、本実施形態では、カメラ5は共同玄関子機1に設けられているが、カメラ5は共同玄関子機1と離れた場所に配置されていてもよい。
【0021】
操作入力部13は、共同玄関子機1を操作する人物の操作入力を受け付ける。操作入力部13は、呼出先の住戸210の住戸番号を指定するためのテンキー、指定された住戸番号の住戸210の呼び出しを開始するための呼出ボタン、などの操作に応じた操作入力を受け付ける。操作入力部13は、操作入力を受け付けると、操作入力に応じた操作信号を制御部11に出力する。
【0022】
通信部14は、所定の通信プロトコルに準拠した通信機能を有しており、制御装置3及び顔認証サーバ4と通信可能である。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
【0023】
扉駆動部15は、制御部11から入力される制御信号に応じて、自動扉装置6を制御する。扉駆動部15は、制御部11から自動扉装置6を開ける制御信号が入力されると、共同玄関220に設けられた扉221を開ける開動作を自動扉装置6に行わせる。
【0024】
制御部11は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部11は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部11として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0025】
制御部11は、画像変換部111、第2画像生成部112、抽出部113、第1出力部161、第2出力部162、扉制御部114、などの機能を有している。画像変換部111と、第2画像生成部112と、抽出部113と、第1出力部161と、第2出力部162と、扉制御部114とは実体のある構成を示しているわけではなく、制御部11によって実現される機能を示している。
【0026】
画像変換部111は、画像入力部12から入力されるカメラ5の元画像に対して所定の画像処理を行う。カメラ5が広角レンズを備える場合、カメラ5の元画像には周辺部に歪みが発生するので、画像変換部111は、例えば、広角レンズによる歪みを補正する歪み補正の処理を行う。なお、画像変換部111は、カメラ5の元画像において、人物の顔が斜めに傾いて写っている場合、人物の顔の向きを補正する処理を行ってもよい。画像変換部111が歪み補正の処理を行うことで、顔認証用の第1画像の歪みを低減して、顔認証の精度を向上させることが可能である。なお、共同玄関子機1が画像変換部111を備えることは必須ではなく、第1画像が出力される顔認証サーバ4、第2画像が出力される住戸親機2で歪み補正を行ってもよい。
【0027】
第2画像生成部112は、画像変換部111が補正処理を行った後の画像に対して、画像のサイズ調整(拡大又は縮小)、トリミングなどの処理を施して、住戸親機2に出力する表示用の第2画像を生成する。第2画像生成部112は、通信部14が受信した住戸親機2からの指示内容にしたがって、住戸親機2ごとに住戸親機2に表示させる第2画像を生成する。
【0028】
抽出部113は、画像変換部111が補正処理を行った後の画像において、予め設定された範囲の部分画像を第1画像として抽出する。つまり、本実施形態では、抽出部113は、第2画像生成部112が表示用の第2画像を生成するためにサイズ調整やトリミングなどの処理を行う前の画像から、第1画像を抽出している。つまり、抽出部113は、サイズ調整やトリミングなどの処理を行う前の画像(カメラ5の元画像に対して歪み補正などの処理を施した画像)から第1画像を抽出することができる。
【0029】
本実施形態では、抽出部113は、カメラ5の元画像の中央部分を含む所定の大きさの部分画像を第1画像として抽出する。つまり、部分画像は、カメラ5の元画像の中央部分を含む。共同玄関子機1を操作する人物は、共同玄関子機1の正面に立って操作を行うと想定されるので、共同玄関子機1の正面に立った人物は元画像の中央部分に写ることになる。したがって、抽出部113が、カメラ5の元画像の中央部分を含む部分画像を第1画像として抽出すれば、第1画像には共同玄関子機1を操作する人物の顔が大きく写ることになる。よって、第1画像を用いて顔認証を行う場合に顔認証の精度が向上するという利点がある。
【0030】
このように、抽出部113は元画像の中央部分を含む部分画像を第1画像として抽出しているので、元画像において第1画像が占める範囲が、元画像において第2画像が占める範囲よりも狭くなる。換言すると、第1画像は、第2画像に比べて人物の顔が拡大された画像となるので、第2画像を用いて顔認証する場合に比べて、第1画像を用いて顔認証する場合の方が顔認証の精度が向上する、という利点がある。なお、元画像をそのまま使って顔認証を行った場合でも、元画像の解像度が十分高く、顔認証の認証エラーが許容範囲内に収まるのであれば、抽出部113は元画像を第1画像として出力してもよい。この場合、第2画像が元画像を拡大した画像であれば、元画像において第1画像が占める範囲が、元画像において第2画像が占める範囲よりも広くなるが、顔認証に適した第1画像を出力できる。
【0031】
第1出力部161は、抽出部113によって抽出された顔認証用の第1画像を、通信部14を介して顔認証サーバ4に出力する。したがって、第1出力部161は、カメラ5が撮影した元画像のうち予め設定された範囲の部分画像を第1画像として出力する。
【0032】
第2出力部162は、第2画像生成部112によって生成された第2画像を、通信部14及び制御装置3を介して、呼出先の住戸親機2に出力する。
【0033】
扉制御部114は、通信部14が制御装置3から受信した制御指令に基づいて、自動扉装置6を制御するための制御信号を扉駆動部15に出力する。
【0034】
(2.1.2)住戸親機の構成
住戸親機2は住戸210に配置されている。住戸親機2は、共同玄関220に配置された共同玄関子機1と通信する通信機能を有している。また、住戸親機2は、住戸210の出入口に配置されたドアホン子機と通信する通信機能を有している。
【0035】
住戸親機2は、制御部21と、操作入力部22と、通信部23と、映像入力部24と、表示部25と、を備える。
【0036】
制御部21は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部21は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部21として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0037】
操作入力部22は、住戸親機2を操作するユーザ(例えば、住戸210の住人など)の操作入力を受け付ける。操作入力部22は、例えば、共同玄関子機1からの呼出に応答するための応答ボタン、カメラ5の映像をモニタするための操作ボタン、などの操作に応じた操作入力を受け付ける。操作入力部22は、表示部25を構成するディスプレイ装置に設けられた静電容量方式などのタッチパネルから操作に応じた操作入力を受け付けてもよい。
【0038】
通信部23は、所定の通信プロトコルに準拠した通信機能を有しており、制御装置3と通信可能である。
【0039】
映像入力部24には、通信部23を介して共同玄関子機1から出力された第2画像が入力される。
【0040】
表示部25は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの薄型のディスプレイ装置を有する。表示部25は、映像入力部24に入力された第2画像を表示する。
【0041】
(2.1.3)制御装置の構成
制御装置3は、共同玄関子機1と、複数の住戸親機2との間の通信を制御する。
【0042】
制御装置3は、制御部31と、通信部32とを備える。
【0043】
通信部32は、所定の通信プロトコルに準拠した通信機能を有している。通信部32は、共同玄関子機1、住戸親機2、及び顔認証サーバ4と通信可能である。
【0044】
制御部31は、例えば、プロセッサ及びメモリを有するマイクロコンピュータで構成されている。つまり、制御部31は、プロセッサ及びメモリを有するコンピュータシステムで実現されている。そして、プロセッサが適宜のプログラムを実行することにより、コンピュータシステムが制御部31として機能する。プログラムは、メモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。制御部31は、共同玄関子機1と、複数の住戸親機2との間の通信を制御する機能などを有している。
【0045】
(2.1.4)顔認証サーバの構成
顔認証サーバ4は、顔認証部41と、通信部42と、記憶部43と、を備える。
【0046】
通信部42は、所定の通信プロトコルに準拠した通信機能を有している。通信部42は、共同玄関子機1及び制御装置3と通信可能である。
【0047】
記憶部43は、例えば、ハードディスクドライブ、光学ディスクドライブなどの非一時的な記憶装置を含む。記憶部43には、例えば、共同玄関220からの入場が許可された1以上の人物(例えば、住戸210の住人、及び住人が入場を許可した人物など)の顔画像のデータが記憶されている。記憶部43は、例えば、共同玄関220からの入場が許可された人物の顔画像のデータを、対応する住戸210の住戸番号と関連付けて記憶する。
【0048】
顔認証部41は、共同玄関子機1から入力される顔認証用の第1画像を、記憶部43に記憶された顔画像のデータと照合することによって、第1画像に写っている人物が、共同玄関220からの入場が許可された人物であるか否かを認証する。
【0049】
(2.2)動作
以下では、住人以外の人物であって、共同玄関220からの入場を許可された人物(以下、訪問者という。)が共同玄関子機1を操作して入場する場合のインターホンシステム100の動作を図3及び図4に基づいて説明する。
【0050】
共同玄関子機1の制御部11は、操作入力部13から呼出操作に応じた操作信号が入力されるか否かを監視している(S1)。
【0051】
共同玄関220において、訪問者が、共同玄関子機1のテンキーを操作して訪問先の住戸210の住戸番号を入力し、呼出ボタンを操作すると、操作入力部13から呼出操作に応じた操作信号が制御部11に出力される。制御部11は、呼出操作に応じた操作信号が入力されると(S1:Yes)、カメラ5を起動して、カメラ5に撮影を開始させる(S2)。
【0052】
カメラ5が撮影を開始すると、カメラ5が撮影した元画像A10(図4A参照)が画像入力部12を介して制御部11に入力される。
【0053】
制御部11にカメラ5の元画像A10が入力されると、画像変換部111が、カメラ5の元画像A10に対して歪み補正などの補正処理を施す(S3)。
【0054】
そして、第2画像生成部112が、画像変換部111によって補正処理が施された後の画像に対してサイズ調整、トリミングなどの処理を施して、第2画像A12(図4B参照)を生成する。本実施形態では、第2画像生成部112は、サイズ調整、トリミングなどの処理を行っておらず、元画像A10と画像サイズが同じで撮影範囲も同じである第2画像A12を生成する。第2画像生成部112が第2画像A12を生成すると、第2出力部162が第2画像A12の画像データを通信部14から制御装置3を介して呼出先の住戸210の住戸親機2に出力する(S4)。呼出先の住戸親機2では、通信部23が第2画像A12の画像データを受信すると、通信部23が受信した画像データが映像入力部24に入力され、制御部21が、映像入力部24に入力された第2画像A12を表示部25に表示させる(S5)。また、制御部21は、スピーカから呼出音を出力させる。つまり、訪問者が共同玄関子機1を用いて所望の住戸210を呼び出す操作を行うと、呼出先の住戸210の住戸親機2が、呼出音を出力するとともに、カメラ5が撮影した元画像A10に基づく第2画像A12を表示部25に表示させる。これにより、住戸210の住人は、表示部25に表示された第2画像A12を見ることで、訪問者と通話することなく、訪問者を確認することができる。
【0055】
また、共同玄関子機1では、抽出部113が、画像変換部111によって補正処理が施された後の画像のうち、予め設定された範囲B1(図4A参照)の部分画像を第1画像A11(図4C参照)として抽出する。本実施形態では、抽出部113は、画像変換部111によって補正処理が施された後の画像の中央部分を含む所定の大きさの部分画像を第1画像A11として抽出する。
【0056】
抽出部113が第1画像A11を抽出すると、第1出力部161が第1画像A11の画像データを通信部14から顔認証サーバ4に出力する(S6)。顔認証サーバ4では、通信部42が第1画像A11の画像データを受信すると、顔認証部41が、この第1画像A11を、記憶部43に記憶された顔画像のデータと照合する。顔認証部41は、第1画像A11が、記憶部43に記憶された顔画像と一致するか否かを判定することで、第1画像A11に写っている人物が、共同玄関220からの入場が許可された人物であるか否かを認証する(S7)。
【0057】
ここで、第1画像A11が記憶部43に記憶された顔画像と一致すれば、つまり第1画像A11に写っている訪問者の顔画像が記憶部43に登録済みであれば(S8:Yes)、顔認証部41は認証が成立したことを示す信号を通信部42から制御装置3に出力する。制御装置3の通信部32が、顔認証サーバ4から認証が成立したことを示す信号を受信すると、制御部31は、自動扉装置6を開けるための制御指令を通信部32から共同玄関子機1に送信させる。共同玄関子機1では通信部14が自動扉装置6を開けるための制御指令を受信すると、扉制御部114が自動扉装置6を開ける制御信号を扉駆動部15に出力し、扉駆動部15が自動扉装置6を制御して扉221を一定時間開ける開制御を行わせる(S12)。これにより、訪問者は、住戸210の住人によって扉221を開ける操作が行われるまで待つことがなく、共同玄関220から速やかに入場することができるので、利便性が向上する。
【0058】
一方、第1画像A11が記憶部43に記憶された顔画像と一致しなければ(S8:No)、顔認証部41は認証が不成立であることを示す信号を通信部42から制御装置3に出力する。制御装置3の通信部32が、顔認証サーバ4から認証が不成立であることを示す信号を受信した場合、制御部31は、呼出先の住戸210の住戸親機2と共同玄関子機1との間の通信を中継する処理を継続する。
【0059】
ここで、呼出先の住戸210の住人が住戸親機2の通話ボタンを操作すると(S9:Yes)、操作入力部22が通話操作に応じた操作信号を制御部21に出力する。このとき、制御部21は、共同玄関子機1との間で通話を開始する制御信号を通信部23から制御装置3に送信させ、共同玄関子機1と呼出先の住戸親機との間で通信が開始される。その後、呼出先の住戸210の住人が訪問者と通話し、訪問者の入場を許可するために自動扉装置6を開ける開操作を行うと(S10:Yes)、制御部21は、自動扉装置6を開ける開制御信号を通信部23から制御装置3に送信させる。制御装置3において、通信部32が住戸親機2から開制御信号を受信すると、制御部31が、自動扉装置6を開けるための制御指令を通信部32から共同玄関子機1に送信させる。これにより、共同玄関子機1は、自動扉装置6を制御して、共同玄関220の扉221を一定時間開ける開制御を行わせるので(S11)、訪問者は共同玄関220を通って入場することができる。
【0060】
なお、訪問者が呼出操作を行ってから一定時間内に、呼出先の住戸210の住人によって通話操作が行われなかった場合は(S9:No)、訪問者による呼出が終了する。また、呼出先の住戸210の住人が訪問者の呼出に応答した場合でも、住人が開操作を行わなかった場合は(S10:No)、扉221が開けられないまま呼出が終了する。
【0061】
本実施形態のインターホンシステム100では、住戸親機2の表示部25に表示される第2画像A12は共同玄関220を全体的に写した画像であるので、住戸210の住人は第2画像A12を確認することで、共同玄関220の様子を把握できる。また、顔認証用の第1画像A11は、予め設定された範囲の部分画像となり、第1画像A11では第2画像A12に比べて訪問者の顔が大きく写っているので、顔認証の認証精度を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態のインターホンシステム100では、居住空間は集合住宅200の複数の住戸210の1つであり、第1通話装置である共同玄関子機1は、集合住宅200の共同玄関220に配置されており、共同玄関子機1が第1出力部161を有している。
【0063】
共同玄関子機1から制御装置3に出力される第2画像は、例えば共同玄関子機1と制御装置3との間の通信の制約を受けて、カメラ5の元画像から画像サイズを小さくしたり、画質を低下させたりしている場合がある。このような場合でも、第1出力部161が共同玄関子機1に設けられていれば、第1出力部161は、通信に制約がある制御装置3を介さずに、カメラ5の元画像から第1画像を生成することができる。
【0064】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0065】
インターホンシステム100と同様の機能は、インターホンシステムの画像出力方法、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係るインターホンシステムの画像出力方法は、第1出力処理と、第2出力処理と、を含む。第1出力処理では、カメラ5が撮影した元画像A10に基づく顔認証用の第1画像A11を出力する。第2出力処理では、第2通話装置2に対して、元画像A10に基づく表示用の第2画像A12を出力する。第2通話装置2は、居住空間(住戸210)の外側に配置される第1通話装置1と通信可能であって、居住空間(住戸210)に配置される。また、一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、第1出力処理と、第2出力処理と、を実行させるためのプログラムである。
【0066】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0067】
本開示におけるインターホンシステム100又はインターホンシステム100の画像出力方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示におけるインターホンシステム100又はインターホンシステム100の画像出力方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよいし、コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムで読み取り可能な非一時的な記録媒体は、メモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等である。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。
【0068】
また、上記の実施形態では、インターホンシステム100は、共同玄関子機1と、住戸親機2と、制御装置3と、を備えているが、制御装置3はインターホンシステム100に必須の構成ではない。すなわち、インターホンシステム100は、戸建て住宅用のインターホンシステムでもよく、共同玄関子機1と、住戸親機2と、を備えていればよい。
【0069】
(3.1)変形例1
変形例1のインターホンシステム100は、図5に示すように、第1画像とする部分画像の範囲を操作入力に応じて設定する設定部115を備えている点で上記実施形態と相違する。以下、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0070】
例えば、共同玄関子機1の施工時などに、施工者がいずれかの住戸親機2を操作して部分画像の範囲を設定する操作を行うと、操作入力部22から制御部21に設定操作に応じた操作信号が入力される。このとき、制御部21は、操作入力部22が受け付けた部分画像の範囲を設定する設定信号を通信部23から制御装置3を介して共同玄関子機1に送信させる。
【0071】
共同玄関子機1の通信部14が住戸親機2から設定信号を受信すると、設定部115が設定信号に基づいて、抽出部113が部分画像を抽出する範囲を示すパラメータを設定する。例えば、設定部115は、上記のパラメータとして、画像変換部111が補正処理を行った後の画像において部分画像を抽出する範囲を示す座標などを設定する。
【0072】
抽出部113は、画像変換部111が補正処理を行った後の画像において、設定部115によって設定されたパラメータに基づいて、パラメータが示す範囲の部分画像を第1画像として抽出する。これにより、抽出部113は、施工者がカメラ5の設置場所などを考慮して設定した範囲の部分画像を第1画像として抽出することができる。
【0073】
例えば、設定部115が、カメラ5が撮影した元画像A20(図6A参照)のうち、訪問者が写ると想定される範囲B2を部分画像の範囲として設定すると、抽出部113は範囲B2の部分画像を第1画像A21(図6C参照)として抽出する。なお、第2画像生成部112は、元画像A20と画像サイズが同じで撮影範囲も同じである第2画像A22(図6B参照)を生成している。
【0074】
住戸親機2の表示部25に表示される第2画像A22は共同玄関220を全体的に写した画像であるので、住戸210の住人は第2画像A22を確認することで、共同玄関220の様子を把握できる。また、顔認証用の第1画像A21は、設定部115によって設定された範囲の部分画像となり、第1画像A21では第2画像A22に比べて訪問者の顔が大きく写っているので、顔認証の認証精度を向上させることができる。
【0075】
(3.2)変形例2
変形例2のインターホンシステム100は、図7に示すように、第2画像に写っている人物の顔を検出する顔検出部116を備えている点で上記実施形態及び変形例1と相違する。以下、上記実施形態と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
【0076】
顔検出部116は、第2画像生成部112が生成した第2画像において、第2画像に写っている人物の顔を検出する顔検出処理を行う。顔検出部116は、適宜の顔検出の技術を利用して、第2画像に写っている人物の顔を検出する。
【0077】
抽出部113は、画像変換部111が補正処理を行った後の画像において、顔検出部116が検出した顔の位置を含む所定の大きさの部分画像を、顔認証用の第1画像として抽出する。これにより、第1画像となる部分画像は、元画像のうち人物の顔が写っている範囲の画像を含むので、第1画像には、共同玄関220において共同玄関子機1を操作する人物の顔が写っている可能性が高くなる。
【0078】
なお、顔検出部116が複数の顔を検出した場合、抽出部113は、顔検出部116によって検出された複数の顔のうち、大きさが最大の顔の位置を含む所定の大きさの部分画像を第1画像として出力する。これにより、抽出部113は、カメラ5に最も近い位置にいる人物、つまり共同玄関子機1を操作していると考えられる人物の画像を第1画像として抽出することができる。
【0079】
変形例2では、上記実施形態と同様、第2画像生成部112は、カメラ5が撮影した元画像A30(図8A参照)と画像サイズが同じで撮影範囲も同じである第2画像A32(図8B参照)を生成する。そして、顔検出部116が、カメラ5が撮影した元画像A30において訪問者の顔を検出すると、抽出部113は訪問者の顔を含む所定の大きさの範囲B3の部分画像を第1画像A31(図8C参照)として抽出する。
【0080】
住戸親機2の表示部25に表示される第2画像A32は共同玄関220を全体的に写した画像であるので、住戸210の住人は第2画像A32を確認することで、共同玄関220の様子を把握できる。一方、顔認証用の第1画像A31は、顔検出部116によって検出された顔を含む所定の大きさの部分画像となり、第1画像A31では第2画像A32に比べて訪問者の顔が大きく写っているので、顔認証の認証精度を向上させることができる。
【0081】
なお、変形例2では、顔検出部116が人の顔を検出しているが、カメラ5が写した元画像において所定の位置に人の顔が写るように、人の立ち位置を制限したり、人を所定の立ち位置に誘導する表示などを行ってもよい。この場合は、顔検出部116を省略でき、抽出部113は、画像変換部111が補正処理を行った後の画像において、人の顔が写ると想定される範囲の部分画像を抽出すればよい。
【0082】
(3.3)変形例3
上記実施形態では、インターホンシステム100が備える第1出力部161及び第2出力部162の機能は、共同玄関子機1に備えられているが、第1出力部161及び第2出力部162は、共同玄関子機1、住戸親機2、及び制御装置3のうちの2つ以上のシステムに分散して設けられてもよい。
【0083】
例えば、図9に示すように、制御装置3の制御部31が、抽出部311と、第1出力部312の機能を備えていてもよい。つまり、変形例3では、第1通話装置である共同玄関子機1と第2通話装置である住戸親機2との間の通信を制御する制御装置3が、第1出力部312を備えている。
【0084】
抽出部311は、共同玄関子機1の第2出力部162から出力される第2画像のうち、予め設定された範囲の部分画像、例えば第2画像の中央部分を含む部分画像を第1画像として抽出する。この場合、第1画像の撮像範囲は、第2画像の撮像範囲よりも広くなる。
【0085】
第1出力部312は、抽出部311が抽出した第1画像を通信部32を介して、顔認証サーバ4に出力する。
【0086】
このように、変形例3のインターホンシステム100では、制御装置3が抽出部311と第1出力部312とを備えている。例えば、集合住宅200に共同玄関220が複数あり、複数の共同玄関220に複数の共同玄関子機1が設けられている場合、複数の共同玄関子機1と住戸親機2との間の通信を制御する制御装置3に抽出部311と第1出力部312とが設けられていればよい。これにより、複数の共同玄関子機1のそれぞれに第1出力部312を設ける必要がないという利点がある。
【0087】
なお、変形例3のインターホンシステム100において、変形例1で説明した設定部115と同様の機能を制御装置3に設けてもよいし、変形例2で説明した顔検出部116と同様の機能を制御装置3に設けてもよい。
【0088】
また、第1出力部161及び第2出力部162の各々の機能が、複数の装置に分散して設けられていてもよい。また、第1出力部161及び第2出力部162の少なくとも一部の機能は、例えば、クラウド(クラウドコンピューティング)によって実現されてもよい。
【0089】
(3.4)その他の変形例
上記実施形態及び変形例1~3では、インターホンシステム100は第1出力部161と第2出力部162とを備えているが、顔認証の第1画像と、表示用の第2画像を両方ともに出力することは必須ではない。第1出力部161のみが顔認証用の第1画像を出力してもよい。
【0090】
また、第1出力部161が出力する第1画像と、第2出力部16が出力する第2画像とが異なる画像であることは必須ではなく、第1画像と第2画像とが同じ画像であってもよい。
【0091】
上記実施形態及び変形例1~3では、第1通話装置が共同玄関220に設けられた共同玄関子機1である場合を例に説明したが、第1通話装置は、住戸210の出入口に配置されたドアホン子機であってもよい。
【0092】
上記実施形態及び変形例1~3では、顔認証サーバ4が第1画像を用いて顔認証を行った場合に認証が成立すると、顔認証サーバ4は、顔認証の成立を示す信号を制御装置3に送信するが、顔認証の成立を示す信号を共同玄関子機1に送信してもよい。この場合、共同玄関子機1は、顔認証サーバ4から顔認証が成立したことを示す信号を受信すると、自動扉装置6を制御して扉221を開ける開制御を行う。なお、自動扉装置6が顔認証サーバ4と通信する機能を備えていれば、顔認証サーバ4は、顔認証が成立したことを示す信号を自動扉装置6に送信してもよい。この場合、自動扉装置6は、顔認証が成立したことを示す信号を顔認証サーバ4から受信すると、扉221を開ける開制御を行えばよい。
【0093】
また、上記実施形態及び変形例1~3では、顔認証サーバ4が第1画像を用いて顔認証を行った場合に認証が成立すると、共同玄関子機1が、自動扉装置6を制御して扉221を開けているが、扉221に設けられた電気錠を解錠するのみでもよい。ここにおいて、扉221を自動的に開閉する自動扉装置6は必須ではなく、顔認証サーバ4が第1画像を用いて顔認証を行った場合に認証が成立すると、共同玄関子機1が、人が手動で開けるタイプの扉に設けられた電気錠を解錠してもよい。
【0094】
上記実施形態及び変形例1~3では、顔認証サーバ4が集合住宅200に設けられているが、顔認証サーバ4は集合住宅200の外部に設けられてもよい。また、上記実施形態ではインターホンシステム100に顔認証サーバ4が組み合わされているが、インターホンシステム100が顔認証サーバ4を備えていてもよい。
【0095】
上記実施形態及び変形例1~3において、第1出力部161が、顔認証用の第1画像を、第2通話装置である住戸親機2に出力してもよい。顔認証サーバ4が第1画像をもとに顔認証を行い、顔認証が成立すると、共同玄関220の扉221が自動的に開けられるので、住戸210の住人が知らぬ間に、入場が許可された人物(他の住人など)が入場する場合がある。このような場合でも、第1出力部161が、顔認証用の第1画像を住戸親機2に出力すれば、住戸210の住人は、住戸親機2に表示された第1画像を確認することで、共同玄関220から入場した人物を把握することができる。
【0096】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係るインターホンシステム(100)は、第1出力部(161,312)と、第2出力部(162)と、を有する。第1出力部(161,312)は、カメラ(5)が撮影した元画像(A10,A20,A30)に基づく顔認証用の第1画像(A11,A21,A31)を出力する。第2出力部(162)は、第2通話装置(2)に対して、元画像(A10,A20,A30)に基づく表示用の第2画像(A12,A22,A32)を出力する。第2通話装置(2)は、居住空間(210)の外側に配置される第1通話装置(1)と通信可能であって、居住空間(210)に配置される。
【0097】
この態様によれば、第1出力部(161)は、カメラ(5)が撮影した元画像に基づいて顔認証用の第1画像を出力しているので、第1画像が入力されるシステムでは第1画像を用いて顔認証を行うことができる。したがって、カメラ(5)が撮影した元画像を顔認証に利用可能なインターホンシステムを提供できる。
【0098】
第2の態様に係るインターホンシステム(100)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、元画像(A10,A20,A30)において第1画像(A11,A21,A31)が占める範囲が、元画像(A10,A20,A30)において第2画像(A12,A22,A32)が占める範囲よりも狭い。
【0099】
この態様によれば、カメラ(5)が撮影した元画像を顔認証に利用可能なインターホンシステムを提供できる。
【0100】
第3の態様に係るインターホンシステム(100)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、元画像(A10,A20,A30)において第1画像(A11,A21,A31)が占める範囲が、元画像(A10,A20,A30)において第2画像(A12,A22,A32)が占める範囲よりも広い。
【0101】
この態様によれば、カメラ(5)が撮影した元画像を顔認証に利用可能なインターホンシステムを提供できる。
【0102】
第4の態様に係るインターホンシステム(100)では、第1~第3のいずれかの態様において、第1出力部(161,312)は、元画像(A10,A20,A30)のうち予め設定された範囲の部分画像を第1画像(A11,A21,A31)として出力する。
【0103】
この態様によれば、カメラ(5)が撮影した元画像を顔認証に利用可能なインターホンシステムを提供できる。
【0104】
第5の態様に係るインターホンシステム(100)では、第4の態様において、部分画像は、元画像(A10,A20,A30)の中央部分を含む。
【0105】
この態様によれば、人物が写る可能性が高い元画像(A10,A20,A30)の中央部分を第1画像(A11,A21,A31)として出力することができる。
【0106】
第6の態様に係るインターホンシステム(100)は、第4の態様において、部分画像の範囲を操作入力に応じて設定する設定部(115)を更に備える。
【0107】
この態様によれば、第1画像(A11,A21,A31)として出力する部分画像の範囲を設定することができる。
【0108】
第7の態様に係るインターホンシステム(100)では、第4の態様において、部分画像は、元画像(A10,A20,A30)のうち人物の顔が写っている範囲の画像を含む。
【0109】
この態様によれば、人物の顔が写っている範囲の画像を第1画像とすることができる。
【0110】
第8の態様に係るインターホンシステム(100)では、第4の態様において、第1出力部(161,312)が、第1画像(A11,A21,A31)を第2通話装置(2)に出力する。
【0111】
この態様によれば、第2通話装置(2)において第1画像(A11,A21,A31)を表示すれば、顔認証用の第1画像(A11,A21,A31)に写っている人物の顔を確認できる。
【0112】
第9の態様に係るインターホンシステム(100)では、第1~第8のいずれかの態様において、居住空間(210)は、集合住宅(200)の複数の住戸(210)の1つである。第1通話装置(1)は、集合住宅(200)の共同玄関(220)に配置されている。第1通話装置(1)が第1出力部(161)を有する。
【0113】
この態様によれば、第1出力部(161)は、カメラ(5)の元画像から第1画像を生成して出力することができる。
【0114】
第10の態様に係るインターホンシステム(100)では、第1~第8のいずれかの態様において、居住空間(210)は、集合住宅(200)の複数の住戸(210)の1つである。第1通話装置(1)は、集合住宅(200)の共同玄関(220)に配置されている。第1通話装置(1)と第2通話装置(2)との間の通信を制御する制御装置(3)が第1出力部(312)を有する。
【0115】
この態様によれば、制御装置(3)が第1出力部(312)を有しているので、第1通話装置(1)が複数ある場合でも、複数の第1通話装置(1)の各々に第1出力部を設ける必要がないという利点がある。
【0116】
第11の態様に係るインターホンシステム(100)の画像出力方法は、第1出力処理と、第2出力処理と、を含む。第1出力処理では、カメラ(5)が撮影した元画像(A10,A20,A30)に基づく顔認証用の第1画像(A11,A21,A31)を出力する。第2出力処理では、第2通話装置(2)に対して、元画像(A10,A20,A30)に基づく表示用の第2画像(A12,A22,A32)を出力する。第2通話装置(2)は、居住空間(210)の外側に配置される第1通話装置(1)と通信可能であって、居住空間(210)に配置される。
【0117】
この態様によれば、第1出力処理では、カメラ(5)が撮影した元画像に基づいて顔認証用の第1画像を出力しているので、第1画像が入力されるシステムでは第1画像を用いて顔認証を行うことができる。したがって、カメラ(5)が撮影した元画像を顔認証に利用可能なインターホンシステム(100)の画像出力方法を提供できる。
【0118】
第12の態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、第1出力処理と、第2出力処理と、を実行させるためのプログラムである。第1出力処理では、カメラ(5)が撮影した元画像(A10,A20,A30)に基づく顔認証用の第1画像(A11,A21,A31)を出力する。第2出力処理では、第2通話装置(2)に対して、元画像(A10,A20,A30)に基づく表示用の第2画像(A12,A22,A32)を出力する。第2通話装置(2)は、居住空間(210)の外側に配置される第1通話装置(1)と通信可能であって、居住空間(210)に配置される。
【0119】
この態様によれば、第1出力処理では、カメラ(5)が撮影した元画像に基づいて顔認証用の第1画像を出力しているので、第1画像が入力されるシステムでは第1画像を用いて顔認証を行うことができる。したがって、カメラ(5)が撮影した元画像を顔認証に利用可能なプログラムを提供できる。
【0120】
上記態様に限らず、上記の実施形態に係るインターホンシステム(100)の種々の構成(変形例を含む)は、インターホンシステム(100)の画像出力方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0121】
第2~第10の態様に係る構成については、インターホンシステム(100)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0122】
1 共同玄関子機(第1通話装置)
2 住戸親機(第2通話装置)
3 制御装置
5 カメラ
100 インターホンシステム
115 設定部
161,312 第1出力部
162 第2出力部
200 集合住宅
210 住戸(居住空間)
220 共同玄関
A10,A20,A30 元画像
A11,A21,A31 第1画像
A12,A22,A32 第2画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9