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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】情報掲示システムおよび情報掲示方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/00 20180101AFI20231127BHJP
   G06F 16/958 20190101ALI20231127BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20231127BHJP
【FI】
G06F8/00
G06F16/958
G06N20/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019232519
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021101275
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】305020745
【氏名又は名称】JCC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089026
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高明
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝利
【審査官】大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-005027(JP,A)
【文献】特開2002-312375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00- 8/38
G06F 16/00-16/958
G06N 3/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザが様々な情報を投稿することができ、投稿された情報を複数のユーザが閲覧することができる情報掲示システムであって、
AIによる自動認識を実現するシステムの開発課題に関する投稿を受け付ける投稿受付部と、
前記投稿受付部が受け付けた投稿の内容を解析する投稿内容解析部と、
前記投稿内容解析部による解析結果に基づいて、前記開発課題を抽出する開発課題抽出部と、
前記開発課題抽出部による抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集するクローリング部と、
前記クローリング部により収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を生成する掲示画像生成部と、
掲示画像の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付部と、
前記閲覧要求受付部が受け付けた閲覧要求の要求元の端末装置に、前記掲示画像を送信する掲示画像送信部と、を有することを特徴とする情報掲示システム。
【請求項2】
前記投稿は、自然言語の文を含み、
前記投稿内容解析部は、前記投稿に含まれる自然言語の文を構文解析し、
前記開発課題抽出部は、前記構文解析の結果に基づいて前記投稿に含まれる自然言語の文の意味を抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報掲示システム。
【請求項3】
複数のユーザが様々な情報を投稿することができ、投稿された情報を複数のユーザが閲覧することができる情報掲示システムによる情報掲示方法であって、
AIによる自動認識を実現するシステムの開発課題に関する投稿を受け付ける投稿受付ステップと、
前記投稿受付ステップにより受け付けた投稿の内容を解析する投稿内容解析ステップと、
前記投稿内容解析ステップによる解析結果に基づいて前記開発課題を抽出する開発課題抽出ステップと、
前記開発課題抽出ステップによる抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集するクローリングステップと、
前記クローリングステップにより収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を生成する掲示画像生成ステップと、
掲示画像の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付ステップと、
前記閲覧要求受付により受け付けた閲覧要求の要求元の端末装置に、前記掲示画像を送信する掲示画像送信ステップと、を有することを特徴とする情報掲示方法。
【請求項4】
前記投稿は、自然言語の文を含み、
前記投稿内容解析ステップは、前記投稿に含まれる自然言語の文を構文解析するステップであり、
前記開発課題抽出ステップは、前記構文解析の結果に基づいて前記投稿に含まれる自然言語の文の意味を抽出するステップであることを特徴とする請求項3に記載の情報掲示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AI(Artificial Intelligence)に関する情報を取得することができる情報掲示システムおよび情報掲示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
AIによる自動認識を実現するシステム(以下、「AIシステム」と称す)の開発過程では、オープンソースのAIソフト(AIアルゴリズムを含む)の中から、そのAIシステムに利用可能なAIソフトを見つけ出し、最適な一又は複数のAIソフトを選定する作業が行われる。オープンソースのAIソフトを一部利用してAIシステムを開発することにより、新たなAIシステムをすべて自社開発する場合と比較して、開発に要するコストおよび時間を大幅に削減できるからである。
【0003】
ところで、複数のユーザがインターネットを介して様々情報を投稿することができ、投稿された情報をインターネットを介して複数のユーザが閲覧することができる情報掲示システムは公知である(特許文献1~9等参照)。
【0004】
この種の情報掲示システムによれば、キーワードによる検索機能を使用することにより、多数の情報の中から目的の情報を効率良く見つけ出し、その情報を各ユーザが自由に活用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-149007号公報
【文献】特開2013-045279号公報
【文献】特開2007-272330号公報
【文献】特開2005-250862号公報
【文献】特開2005-209041号公報
【文献】特開2005-122226号公報
【文献】特開2004-102470号公報
【文献】特開2002-202942号公報
【文献】特開2002-73465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば、TV等の映像情報を各映像構成要素(画面上に表れる人物の顔、音声、文字、背景、風景、商品、ロゴ等)に基づき、映像を自動認識してデータ化するような作業をAIシステムを利用して実行する際には、認識精度を向上させるために認識対象(顔、音声、等)と各種ノイズとを峻別しなければならない、という課題を解決する必要がある。
たとえば、テレビ番組の出演者の声を認識対象とするケースでは、出演者の声の背後に音楽が流れている場合が多い。この場合、音楽の音がノイズとなり、出演者の声の認識精度が大きく低下する。また、テレビ番組の出演者の顔を認識対象とするケースでは、出演者の顔に髪がかかっている場合が少なくない。この場合、髪がノイズとなり、出演者の顔の認識精度が大きく低下する。
【0007】
ところが、従来の情報掲示システムは、当該特定のAIシステムの開発に関係があるとは限らない不特定のユーザによる様々な投稿を受け取りそれらの情報を整理して掲載するものであるため、AIシステムを開発する上での課題を解決するための手段に関する情報を効率良く収集するには不向きである。また、従来の情報掲示システムは、キーワード検索によって目的の情報を見つけ出す方式を採用しているため、AIシステムを開発する上での課題に応じたオープンソースのAIソフトの情報を効率良く取得することができない。AIシステムの開発課題を開発者自ら正確に把握しているとは限らず、また開発者が検索に使用するキーワードが適切であるとは限らないからである。
【0008】
また、上記のような特定のAIシステムを開発する際には、開発目的達成のための課題の解決に必要な複数の要素を適宜組み合わせ、統合していく作業が必要となる。
例えば、上記のような「AIを利用した映像情報における音声認識技術の開発」にあたっては、人の声と背景音等の分離という課題に関しては、「様々な映像シチュエーションの中でいかに人の声のみを分離するか」等の課題への論理的な思考アプローチに基づき音声分離手法を確立することが必要となる。
また、同時に、確立された音声分離手法に基づく実際の具体的な情報処理にあたっては、ディープラーニングを行うために、各種GPUを適切に選択使用して膨大な計算処理を効率よく行う必要がある。
従って、「AIを利用した映像情報における音声認識技術の開発」にあたっては、課題解決に対する解決手法の策定に必要な論理的情報と共に、解決手法実行のために使用される具体的なツールとしてのGPUに関する技術的情報とを統合して用いる必要がある、という事情が存在する。
【0009】
本発明は、AIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する様々な情報を効率良く取得することができる情報掲示システムおよび情報掲示方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1の情報掲示システムは、複数のユーザが様々な情報を投稿することができ、投稿された情報を複数のユーザが閲覧することができる情報掲示システムであって、AIシステムの開発課題に関する投稿を受け付けるための投稿受付部と、前記投稿受付部が受け付けた投稿の内容を解析する投稿内容解析部と、前記投稿内容解析部による解析結果に基づいて、前記開発課題を抽出する開発課題抽出部と、前記開発課題抽出部による抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集するクローリング部と、前記クローリング部により収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を生成する掲示画像生成部と、前記掲示画像の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付部と、前記閲覧要求受付部が受け付けた閲覧要求の要求元の端末装置に、前記掲示画像を送信する掲示画像送信部と、を有することを特徴とする。
【0011】
上記のように構成された請求項1の情報掲示システムにおいては、AIシステムの開発課題に関する投稿を投稿受付部が受け付け、その投稿の内容を投稿内容解析部が解析し、その解析結果に基づいて、開発課題抽出部が開発課題を抽出し、その抽出結果に基づいてクローリング部がウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集し、その収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を掲示画像生成部が生成する。閲覧要求受付部が掲示画像の閲覧要求を受け付けると、その閲覧要求の要求元の端末装置に掲示画像送信部が掲示画像を送信する。
【0012】
このように、請求項1の情報掲示システムによれば、投稿内容からAIシステムの開発課題が自動抽出され、その抽出結果に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報が自動収集され、その情報が掲示画像に掲載される。ユーザは、自動収集された情報が掲載された掲示画像を閲覧することより、自分または第三者が投稿したAIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
【0013】
請求項2の情報掲示システムは、請求項1に記載の情報掲示システムにおいて、前記投稿は、自然言語の文を含み、前記投稿内容解析部は、前記投稿に含まれる自然言語の文を構文解析し、前記開発課題抽出部は、前記構文解析の結果に基づいて前記投稿に含まれる自然言語の文の意味を抽出することを特徴とする。
【0014】
上記のように構成された請求項2の情報掲示システムにおいては、AIシステムの開発課題に関する自然言語の文を含む投稿を投稿受付部が受け付け、その投稿に含まれる文を投稿内容解析部が構文解析し、その解析結果に基づいて、開発課題抽出部が投稿に含まれる文の意味を抽出し、その抽出結果に基づいてクローリング部がウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集し、その収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を掲示画像生成部が生成する。閲覧要求受付部が掲示画像の閲覧要求を受け付けると、その閲覧要求の要求元の端末装置に掲示画像送信部が掲示画像を送信する。
【0015】
このように、請求項2の情報掲示システムによれば、投稿に含まれる自然言語の文の内容からAIシステムの開発課題が当該文の意味として自動抽出され、その抽出結果に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報が自動収集され、その情報が掲示画像に掲載される。ユーザは、自動収集された情報が掲載された掲示画像を閲覧することより、自分または第三者が投稿したAIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
【0016】
また、上記課題を解決するために、請求項3の情報掲示方法は、複数のユーザが様々な情報を投稿することができ、投稿された情報を複数のユーザが閲覧することができる情報掲示システムによる情報掲示方法であって、AIによる自動認識を実現するシステムの開発課題に関する投稿を受け付けるための投稿受付ステップと、前記投稿受付ステップにより受け付けた投稿の内容を解析する投稿内容解析ステップと、
前記投稿内容解析ステップによる解析結果に基づいて前記開発課題を抽出する開発課題抽出ステップと、前記開発課題抽出ステップによる抽出結果に基づいて、ウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集するクローリングステップと、前記クローリングステップにより収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を生成する掲示画像生成ステップと、掲示画像の閲覧要求を受け付ける閲覧要求受付ステップと、
前記閲覧要求受付により受け付けた閲覧要求の要求元の端末装置に、前記掲示画像を送信する掲示画像送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
上記のように構成された請求項3の情報掲示方法においては、AIシステムの開発課題に関する投稿を投稿受付ステップにより受け付け、その投稿の内容を投稿内容解析ステップにより解析し、その解析結果に基づいて、開発課題抽出ステップにより開発課題を抽出し、その抽出結果に基づいてクローリングステップによりウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集し、その収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を掲示画像生成ステップにより生成する。閲覧要求受付ステップにより掲示画像の閲覧要求を受け付けると、その閲覧要求の要求元の端末装置に、掲示画像送信ステップにより掲示画像を送信する。
【0018】
このように、請求項3の情報掲示方法によれば、投稿内容からAIシステムの開発課題が自動抽出され、その抽出結果に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報が自動収集され、その情報が掲示画像に掲載される。ユーザは、自動収集された情報が掲載された掲示画像を閲覧することより、自分または第三者が投稿したAIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
【0019】
請求項4の情報掲示方法は、請求項3に記載の情報掲示方法において、前記投稿は、自然言語の文を含み、前記投稿内容解析ステップは、前記投稿に含まれる自然言語の文を構文解析し、前記開発課題抽出ステップは、前記構文解析の結果に基づいて前記投稿に含まれる自然言語の文の意味を抽出することを特徴とする。
【0020】
上記のように構成された請求項4の情報掲示方法においては、AIシステムの開発課題に関する自然言語の文を含む投稿を投稿受付ステップにより受け付け、その投稿に含まれる文を投稿内容解析ステップにより構文解析し、その解析結果に基づいて、開発課題抽出ステップにより投稿に含まれる文の意味を抽出し、その抽出結果に基づいてクローリングステップによりウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集し、その収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載された掲示画像を掲示画像生成により生成する。閲覧要求受付ステップにより掲示画像の閲覧要求を受け付けると、その閲覧要求の要求元の端末装置に、掲示画像送信ステップにより掲示画像を送信する。
【0021】
このように、請求項4の情報掲示方法によれば、投稿に含まれる自然言語の文の内容からAIシステムの開発課題が当該文の意味として自動抽出され、その抽出結果に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報が自動収集され、その情報が掲示画像に掲載される。ユーザは、自動収集された情報が掲載された掲示画像を閲覧することより、自分または第三者が投稿したAIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の情報掲示システムおよび請求項3の情報掲示方法によれば、AIシステムの開発課題について投稿することにより、その投稿内容に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報が自動収集され、その情報が掲示画像に掲載されるので、AIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
特に、特定のAIシステムを開発する際における課題解決に必要な複数の要素を適宜組み合わせ、統合していく作業を容易かつ迅速に行うことが可能となる。
即ち、例えば、「AIを利用した映像情報における音声認識技術の開発」にあたっては、人の声と背景音等の分離という課題に関しては、「様々な映像シチュエーションの中でいかに人の声のみを分離するか」等の課題への論理的な思考アプローチに基づき音声分離手法を確立することが必要となると共に、確立された音声分離手法に基づく実際の具体的な情報処理にあたっては、ディープラーニングを行うために、各種GPUを適切に選択使用して膨大な計算処理を効率よく行う必要があるが、本願請求項1記載の発明にあっては、これら複数の解決要素を容易かつ迅速に情報収集、分析を行うことができ、統合的処理によるAIシステムの開発が可能となる。
【0023】
請求項2の情報掲示システムおよび請求項4の情報掲示方法によれば、AIシステムの開発課題についての自然言語の文を投稿することにより、その内容に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報が自動収集され、その情報が掲示画像に掲載されるので、AIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の情報掲示システムの一実施形態を示す機能ブロック図である。
図2図1に示す情報掲示システムの動作内容を例示するフローチャートである。
図3図1に示す情報掲示システムにより表示される投稿内容掲示画像を例示する説明図である。
図4図1に示す情報掲示システムにより表示されるAIソフト情報掲示画像を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、一実施形態の情報掲示システムについて説明する。
【0026】
[構成]
図1に示すように一実施形態の情報掲示システム100は、投稿受付部101と、投稿内容解析部102と、開発課題抽出部103と、第1のクローリング部104と、第2のクローリング部105と、第3のクローリング部106と、データベース部107と、掲示画像生成部108と、掲示画像記憶部109と、閲覧要求受付部110と、掲示画像送信部111と、を有する。
【0027】
投稿受付部101は、端末装置112などからAIシステムの開発課題に関する投稿を受け付ける機能ブロックである。投稿は、自然言語の文を含む。
【0028】
投稿内容解析部102は、投稿受付部101が受け付けた投稿に含まれる自然言語の文を構文解析する機能ブロックである。
【0029】
開発課題抽出部103は、投稿内容解析部102による構文解析の結果に基づいて、投稿されたAIシステムの開発課題を、当該投稿に含まれる自然言語の文の意味として自動抽出する機能ブロックである。ここで、AIシステムの開発課題を自然言語の文の意味として自動抽出することは、AIシステムの開発課題を、日本語、英語といった特定の言語による表現としてではなく、概念として自動抽出することを意味する。
【0030】
図1及び図4に示すように、第1のクローリング部104は、開発課題抽出部103による抽出結果に基づいて、ウエブクローリングすなわち、インターネット200を介してアクセス可能なウエブサイトをクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトの存在情報Exを収集する機能ブロックである。存在情報Exには、各オープンソースのAIソフトの名称および入手のための情報が含まれる。入手のための情報には、オープンソースのAIソフトのURL(Uniform Resource Locator)が含まれる。
【0031】
図1及び図4に示すように、第2のクローリング部105は、開発課題抽出部103による抽出結果に基づいて、ウエブクローリングすることにより、各オープンソースのAIソフトの実用情報Puを収集する機能ブロックである。実用情報Puは、各オープンソースのAIソフトがどのようなAIシステムに利用できるか或いは利用できないのかを見極める上で手がかりとなり得る情報である。実用情報Puには、各オープンソースのAIソフトの実装例に関する情報および各実装例の評価に関する情報が含まれる。
【0032】
図1及び図4に示すように、第3のクローリング部106は、開発課題抽出部103による抽出結果に基づいて、ウエブクローリングすることにより、AIに関する技術情報Teを収集する機能ブロックである。技術情報Teには、AIに関するトレンド情報が含まれる。トレンド情報は、AIに関連する事項全般(技術、サービス、等)についてのトピック、たとえば、特定のSNS(Social Networking Service)で高頻度に取り上げられているトピックが含まれる。
【0033】
データベース部107は、第1のクローリング部104により収集された存在情報Exと、第2のクローリング部105により収集された実用情報Puと、第3のクローリング部106により収集された技術情報Teとを関連付けて管理する機能ブロックである。
【0034】
図1図3及び図4に示すように、掲示画像生成部108は、投稿受付部101が受け付けた投稿の内容が掲載された投稿内容掲示画像Pi1を生成する機能ブロックである。掲示画像生成部108は、データベース部107に管理されている情報に基づいて、オープンソースのAIソフトの存在情報Exと各AIソフトの実用情報Puと各AIソフトに関連する技術情報Teとが併せて掲載されたAIソフト情報掲示画像Pi2を生成する機能ブロックでもある。
【0035】
掲示画像記憶部109は、掲示画像生成部108により生成された投稿内容掲示画像Pi1およびAIソフト情報掲示画像Pi2を記憶する機能ブロックである。
【0036】
閲覧要求受付部110は、インターネット200を介して投稿内容掲示画像Pi1およびAIソフト情報掲示画像Pi2の閲覧要求を受け付ける機能ブロックである。
【0037】
掲示画像送信部111は、閲覧要求受付部110が受け付けた閲覧要求の要求元の端末装置112に、インターネット200を介して投稿内容掲示画像Pi1およびAIソフト情報掲示画像Pi2を送信する機能ブロックである。
【0038】
端末装置112は、投稿内容掲示画像Pi1とAIソフト情報掲示画像Pi2とを選択的に指定して閲覧要求し得る。
【0039】
[動作]
図2に示すように情報掲示システム100は、AIシステムの開発課題に関する自然言語の文を含む投稿を受け付け(S1:投稿受付ステップ)、その投稿に含まれる文を構文解析し(S2:投稿内容解析ステップ)、その解析結果に基づいて、投稿に含まれる文の意味を抽出する(S3:開発課題抽出ステップ)。
【0040】
開発課題抽出ステップS3による抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトに関する情報を収集する(S4:クローリングステップ)。開発課題抽出ステップS3は、1日に1回、1時間に1回、1分に1回、等、定期的に実行される。開発課題抽出ステップS3が実行されることにより、オープンソースのAIソフトに関する最新の情報が収集される。最新の情報には、AIソフトの最新の更新情報が含まれる。オープンソースのAIソフトに関する情報には、オープンソースのAIソフトの存在情報Ex、オープンソースのAIソフトの実用情報PuおよびAIに関する技術情報Teが含まれる。
【0041】
この実施形態では、クローリングステップS4は、第1のクローリングステップS4-1、第2のクローリングステップS4-2および第3のクローリングステップS4-3により構成される。
【0042】
第1のクローリングステップS4-1は、開発課題抽出ステップS3による抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、オープンソースのAIソフトの存在情報Exを収集するステップである。第2のクローリングステップS4-2は、開発課題抽出ステップS3による抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、各オープンソースのAIソフトの実用情報Puを収集するステップである。第3のクローリングステップS4-3は、開発課題抽出ステップS3による抽出結果に基づいてウエブクローリングすることにより、AIに関する技術情報Teを収集するステップである。
【0043】
上記一連のステップS1~S4が実行されるたびに、掲示画像生成ステップS5および掲示画像記憶ステップS6が実行される。掲示画像生成ステップS5は、投稿受付ステップS1により受け付けた投稿の内容が掲載された投稿内容掲示画像Pi1を生成するステップである。掲示画像生成ステップS5は、クローリングステップS4により収集されたオープンソースのAIソフトに関する情報が掲載されたAI情報掲示画像Pi2を生成するステップでもある。掲示画像記憶ステップS6は、掲示画像生成ステップS5により生成された投稿内容掲示画像Pi1およびAIソフト情報掲示画像Pi2を記憶するステップである。
【0044】
情報掲示システム100は、投稿内容掲示画像Pi1の閲覧要求を受け付けると(S7:閲覧要求受付ステップ)、その閲覧要求の要求元の端末装置112に、投稿内容掲示画像Pi1を送信する(S8:掲示画像送信ステップ)。閲覧要求の要求元の端末装置112は、投稿内容掲示画像Pi1を受信する(S9:掲示画像受信ステップ)。この場合、閲覧要求の要求元の端末装置112には、投稿内容掲示画像Pi1が表示される(S10:掲示画像表示ステップ)。
【0045】
情報掲示システム100は、AI情報掲示画像Pi2の閲覧要求を受け付けると(S7:閲覧要求受付ステップ)、その閲覧要求の要求元の端末装置112に、AI情報掲示画像Pi2を送信する(S8:掲示画像送信ステップ)。閲覧要求の要求元の端末装置112は、AI情報掲示画像Pi2を受信する(S9:掲示画像受信ステップ)。この場合、閲覧要求の要求元の端末装置112には、オープンソースのAIソフトの名称および入手のための情報を含む存在情報Exと、各オープンソースのAIソフトの実装例に関する情報および各実装例の評価に関する情報を含む実用情報Puと、AIに関するトレンド情報を含む技術情報Teと、を併せて掲示したAI情報掲示画像Pi2が表示される(S10:掲示画像表示ステップ)。
【0046】
図3に例示するように、投稿内容掲示画像Pi1には、投稿受付部101が受け付けた投稿の内容が時系列的に表示される。
【0047】
図4に例示するAI情報掲示画像Pi2には、AIシステムの開発課題別に、複数のAIソフトの情報が縦方向に並べて一覧表の形で掲載されている。一覧表の各行には、開発課題のトピックTP、各AIソフトの存在情報Ex、実用情報Puおよび技術情報Teが掲載されている。この例では、トピックTPとして、「音声認識精度向上」、「音声認識速度向上」、「顔認識精度向上」といった自動認識における一般的な課題から、「音声認識の精度向上のためにノイズとしてのバックグラウンドミュージックの影響を排除する」、「顔認識の精度向上のためにノイズとしての髪の毛の影響を排除する」といった、より具体的な課題まで表示されている。存在情報Exとして、AIソフトの名称113、AIソフトのURL114およびダウンロードボタン115が表示される。ユーザは、トピックTP、AIソフトの名称113、各AIソフトの実用情報Puおよび技術情報Teを確認した上で、使用してみたいAIソフトのURL114又はダウンロードボタン115の表示領域をクリックすることにより、そのAIソフトをダウンロードすることができる。
【0048】
[効果]
上記のように、一実施形態の情報掲示システム100によれば、AIシステムの開発課題についての自然言語の文を投稿することにより、その内容に基づいてオープンソースのAIソフトに関する情報すなわち、AIソフトの存在情報Ex、実用情報Puおよび技術情報Teが自動収集され、それらの情報がAI情報掲示画像Pi2に掲載されるので、ユーザは、AI情報掲示画像Pi2を閲覧することより、自分または第三者が投稿したAIシステムの開発課題に応じたオープンソースのAIソフトに関する情報を効率良く取得することができる。
【0049】
また、一実施形態の情報掲示システム100によれば、オープンソースのAIソフトの名称および入手のための情報を含む存在情報Exと、各オープンソースのAIソフトの実装例に関する情報および各実装例の評価に関する情報を含む実用情報Puと、AIに関するトレンド情報を含む技術情報Teと、が併せて掲示されるので、新たなAIシステムを開発する際に、そのAIシステムに使用可能なオープンソースのAIソフトの名称および入手のための情報を含む存在情報Exと、各オープンソースのAIソフトの実装例に関する情報および各実装例の評価に関する情報を含む実用情報Puと、AIに関するトレンド情報を含む技術情報Teと、を併せて容易に入手することが可能になる。これらの情報は、新たなAIシステムの開発方針を決定する上で極めて有用であり、これらの情報が容易に得られることにより、新たなAIシステムの開発に要する時間とコストとを大幅に削減することができる。
【0050】
また、一実施形態の情報掲示システム100によれば、インターネット200に接続された多数の端末装置112のユーザが、AIシステムの開発課題について情報掲示システム100に投稿することにより、情報掲示システム100には、第1のクローリング部104、第2のクローリング部105および第3のクローリング部106により収集された情報が、投稿された開発課題とともに蓄積されていく。したがって、この情報掲示システム100によれば、「AI技術の進歩を促進する」という共通の目的のために人々が無給でも貢献し、その成果を無料で共有しうる協調的社会メディアを実現し得る。ここでいう「人々」とは、インターネット200に接続された端末装置112のユーザである。
【0051】
なお、上記実施形態では、投稿受付部101、閲覧要求受付部110および掲示画像送信部111と端末装置112とがインターネット200を介して通信可能に接続される構成としたが、インターネット200の代わりにイントラネット適用してもよい。この場合、上記のような協調的社会メディアの実現には至りにくいが、たとえば企業内で開発者同士が課題を出し合い協働してAIシステムを開発する環境を構築し得る。
【0052】
また、上記実施形態では、自然言語の文を含む投稿を投稿受付部101が受け付けることとしたが、投稿形式は、自然言語の文によるものに限らない。例えば、投稿受付部101が複数の課題内容をメニュー表示する投稿用画面を生成して端末装置112に表示させ、複数の課題内容の中から一又は複数の課題内容をユーザに選択させることにより、AIシステムの開発課題についての投稿が実行されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
100 情報掲示システム
101 投稿受付部
104 第1のクローリング部
105 第2のクローリング部
106 第3のクローリング部
107 データベース部
108 掲示画像生成部
109 掲示画像記憶部
110 閲覧要求受付部
111 掲示画像送信部
112 端末装置
113 AIソフトの名称
114 AIソフトのURL
115 ダウンロードボタン
200 インターネット
Ex 存在情報
Pi 掲示画像
Pu 実用情報
S1 投稿受付ステップ
S2 投稿内容解析ステップ
S3 開発課題抽出ステップ
S4 クローリングステップ
S4-1 第1のクローリングステップ
S4-2 第2のクローリングステップ
S4-3 第3のクローリングステップ
S5 掲示画像生成ステップ
S6 掲示画像記憶ステップ
S7 閲覧要求受付ステップ
S8 掲示画像送信ステップ
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図2
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