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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】手摺付き昇降梯子
(51)【国際特許分類】
   E06C 7/18 20060101AFI20231127BHJP
   E06C 1/12 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
E06C7/18
E06C1/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020039963
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2021139234
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】新 幸斗
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-049600(JP,U)
【文献】特開2018-204182(JP,A)
【文献】特開平10-183985(JP,A)
【文献】実開昭61-184751(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B1/00-5/00
35/00-99/00
B61D17/00-49/00
B62D17/00-25/08
25/14-29/04
E04F11/00-11/18
E04G1/00-7/34
27/00
E06C1/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の支柱(3)を上下複数段の踏板(4)で連結した梯子本体(5)と、前記左右各支柱(3)に支持具(6)を介して連結した左右手摺(T)とを有しており、
前記左右各手摺(T)は、支柱(3)に沿って配置される支軸部(8)と、支柱(3)から離れていて人手で把持可能な把持部(9)とを有しており、
前記支持具(6)は手摺(T)の支軸部(8)を軸心廻り回動可能にかつ軸心方向移動可能に保持するホルダ(11)と、このホルダ(11)に形成したホルダ孔(11a)と支軸部(8)に形成した軸孔(P)とに貫通するロック部材(12)とを有しており、
前記手摺(T)の支軸部(8)には、手摺(T)を支柱(3)から前方へ立設しかつその上部が支柱(3)から上方へ突出した使用状態(U)のときにロック部材(12)が貫通される使用時軸孔(Pu)と、手摺(T)を梯子本体(5)に沿うように倒しかつ使用状態(U)から下方へ移動した不使用状態(F)のときにロック部材(12)が貫通される不使用時軸孔(Pf)とを形成していることを特徴とする手摺付き昇降梯子。
【請求項2】
前記左右各手摺(T)は支軸部(8)の上下と把持部(9)上下とがそれぞれ連結されて環状形状になっており、
前記ホルダ(11)は支軸部(8)に外嵌する筒部(11b)にホルダ孔(11a)を形成しており、
前記ロック部材(12)は、一端がホルダ孔(11a)と軸孔(P)とに貫通する貫通ピン部(12a)と、この貫通ピン部(12a)から屈曲して把持可能な摘まみ部(12b)と、この摘まみ部(12b)から屈曲して貫通ピン部(12a)と略平行でありかつ貫通ピン部(12a)を貫通方向に付勢する付勢手段(14)を設けた付勢部(12c)とを有することを特徴とする請求項1に記載の手摺付き昇降梯子。
【請求項3】
前記左右各手摺(T)の支軸部(8)には、手摺(T)の上部が支柱(3)から上方へ突出した使用状態(U)のときにホルダ(11)の下部と当接する使用時ストッパ(15U)と、手摺(T)を下方へ移動した不使用状態(F)のときにホルダ(11)の上部と当接する不使用時ストッパ(15F)とを設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手摺付き昇降梯子。
【請求項4】
前記左右各手摺(T)は、支軸部(8)の上端と把持部(9)の上端とは上向き突出の上円弧部(Tu)で連結され、支軸部(8)の下端と把持部(9)の下端とは下向き突出の下円弧部(Tf)で連結されており、
左右各手摺(T)の支軸部(8)と把持部(9)とは、略直線形であって上下寸法(L1)が梯子本体(5)の上下寸法(L2)と略等しいことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の手摺付き昇降梯子。
【請求項5】
左右支柱(3)の上部に後方突出姿勢と支柱(3)の背面に沿う収納姿勢とに姿勢変更可能な天板(17)を有し、この天板(17)に荷台あおり(W)と掛止可能な掛止部材(18)を設けていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の手摺付き昇降梯子。
【請求項6】
左右各支柱(3)の下部に、支柱(3)に収納された位置から下方へ伸張可能な伸縮脚(19)と、この伸縮脚(19)を伸縮した位置で支柱(3)に固定する固定具(33)とを設けており、
前記不使用状態(F)のときの手摺(T)は、その下端が収縮した伸縮脚(19)の下端に対向し、かつその上部が梯子本体(5)の上端より上方に突出していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の手摺付き昇降梯子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者が高所へ昇降するための手摺付き昇降梯子に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トラックの荷台にあおりを乗り越えて作業者が昇降するための階段としてトラック昇降ステップがある。
特許文献1に開示されたトラック昇降ステップは、左右一対の支柱と、支柱間に横架された複数の踏板と、支柱の上端部に横架された天板と、支柱にそれぞれ取り付けられた手摺と、を備え、天板の一端は、支柱の上端部に異なる角度で固定可能な角度固定手段により連結され、前記天板の多端下部には、当該天板をトラックの荷台のあおりに係止する係止手段が設けられ、手摺は、支柱の上下に配設された軸支部により、支柱に対して垂直に起立した状態と平行に折り畳まれた状態とに変位可能に軸支され、軸支部には、手摺の起立状態を固定するための固定手段が設けられ、軸支部にそれぞれ設けられた固定手段を連結具で連結し、当該連結具を操作することにより、手摺の起立状態の固定を解除可能としている(要約)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-204182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、左右の手摺を使用状態から不使用状態に折り畳むことはできるが、左右の手摺と左右支柱との上下位置関係は普遍であるため、手摺を不使用状態に折り畳んでも、手摺の上部は左右支柱から上方へ大きく突出したままとなり、長尺物となって収納・保管等に支障を来す。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした手摺付き昇降梯子を提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、手摺を支柱に対して折り畳み可能にかつ下方移動可能にすることにより、手摺不使用状態での前後寸法及び上下寸法をコンパクトにできるようにした手摺付き昇降梯子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、左右一対の支柱3を上下複数段の踏板4で連結した梯子本体5と、前記左右各支柱3に支持具6を介して連結した左右手摺Tとを有しており、
前記左右各手摺Tは、支柱3に沿って配置される支軸部8と、支柱3から離れていて人手で把持可能な把持部9とを有しており、
前記支持具6は手摺Tの支軸部8を軸心廻り回動可能にかつ軸心方向移動可能に保持するホルダ11と、このホルダ11に形成したホルダ孔11aと支軸部8に形成した軸孔Pとに貫通するロック部材12とを有しており、
前記手摺Tの支軸部8には、手摺Tを支柱3から前方へ立設しかつその上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときにロック部材12が貫通される使用時軸孔Puと、手摺Tを梯子本体5に沿うように倒しかつ使用状態Uから下方へ移動した不使用状態Fのときにロック部材12が貫通される不使用時軸孔Pfとを形成していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、手摺を支柱に対して折り畳みかつ下方移動することにより、不使用状態での前後寸法及び上下寸法をコンパクトにできる。
即ち、手摺Tを支柱3から前方へ立設しかつその上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときから、ロック部材12をロック解除すると、手摺Tは梯子本体5に沿うように倒しかつ下方へ移動した不使用状態Fとすることができ、手摺Tを支柱3に対して折り畳んで下方移動でき、不使用状態での前後寸法及び上下寸法は縮小されてコンパクトにな
る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態を示す手摺使用状態の斜視図である。
図2】手摺使用状態の側面図である。
図3】手摺使用状態の正面図である。
図4】手摺使用状態の背面図である。
図5】手摺使用状態の斜め下方から見た斜視図である。
図6図2のX-X線断面図である。
図7図4のY-Y線断面図である。
図8図2のZ-Z線断面図である。
図9】手摺の斜視図である。
図10】手摺不使用状態の斜視図である。
図11】手摺不使用状態の側面図である。
図12】手摺不使用状態の正面図である。
図13】手摺不使用状態の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~13において、トラックの荷台あおりWに掛止して立て掛ける手摺付き昇降梯子1を示しており、図1~5は手摺使用状態を示し、図10~13は手摺不使用状態(運搬・収納時の状態)を示している。
手摺付き昇降梯子1は、左右一対の支柱3を上下複数段の踏板4で連結した梯子本体5と、前記左右各支柱3に支持具6を介して連結した左右手摺Tと、左右支柱3の上部に後方突出姿勢に設けられた天板17と、左右各支柱3の下部に伸縮可能に設けられた伸縮脚19とを備えている。
【0010】
支柱3は図7、8に示されるように断面コ字状のチャンネル材で形成され、チャンネル材の溝が対向するように一対配置され、実施形態では上中下3段の踏板4が、両端を左右支柱3内に挿入した状態で固定板22等を介して固定されている。
前記踏板4は断面台形状のパイプ材で形成され、その上面は昇降梯子1を荷台あおりWに立て掛けたときには略水平姿勢になる。
【0011】
左右支柱3の上端には外側面にブラケット23が固定され、この左右ブラケット23に横軸24を介して天板17の前部の左右側部が回動(折り畳み)可能に連結されており、この天板17の後部下面に、荷台あおりWと掛止可能な掛止部材18が左右一対設けられている。
前記天板17の前部の下面側には、天板17の側壁及びブラケット23を貫通する設定ピン27を有する姿勢変更具25が設けられている。
【0012】
この姿勢変更具25は、取付部材26に設定ピン27が移動可能に支持され、スプリング28によって設定ピン27を左右外方向に弾圧している。設定ピン27にはハンドル部27aが設けられ、また取付部材26にはハンドル部27aと当接するカム面26aが形成され、ハンドル部27aを持って設定ピン27を回動することにより、カム面26aに案内されて設定ピン27がブラケット23から抜ける方向に移動される。
【0013】
左右一方のブラケット23には、図2に示す如く、2カ所に設定ピン27と係合する被係合孔29a、29bが設けられている。
前記姿勢変更具25は、天板17を支柱3の上部から後方に突出する姿勢(後方突出姿勢)にしたときに、設定ピン27が第1被係合孔29aと係合してその後方突出姿勢を保持し、掛止部材18を荷台あおりWに掛止して、手摺付き昇降梯子1を荷台あおりWに立て掛けて使用可能状態にする。
【0014】
手摺付き昇降梯子1を荷台あおりWから外して収納状態にするときは、設定ピン27を第1被係合孔29aから離脱して、天板17を横軸24を中心に下向き回動して支柱3の背面に沿う重合姿勢(折り畳み姿勢)にし、そして設定ピン27を第2被係合孔29bに係合して、その折り畳み姿勢を保持する。
即ち、天板17は左右支柱3の上部に後方突出の使用姿勢と折り畳んだ収納姿勢とに姿勢変更可能に設けられている。
【0015】
左右各伸縮脚19は図7に示されるように断面略四角形の筒であり、対向面には多数の係止孔19aが形成され、下端に接地部材31が嵌合され、上端に抜け止め部材32が嵌合されている。この伸縮脚19は支柱3に下端から伸縮移動可能に挿入されている。
支柱3の下部には、伸縮脚19を支柱3に収納された位置(収縮位置)、及び収縮位置から下方へ伸張した位置(伸張位置)で支柱3に固定する固定具33を設けている。
【0016】
左右各支柱3の下部には、最下段の踏板4を挟んで上下ブロック35、36が設けられており、下ブロック36は支柱3の下部の補強をするとともに固定具33の支持を兼ねている。
固定具33は位置決めピン37とこの位置決めピン37を伸縮脚19側に付勢する付勢手段38とを有し、位置決めピン37は一端37aが下ブロック36を貫通して伸縮脚19の係止孔19aに係止する。位置決めピン37の他端側はクランク形状であり、付勢手段38に抗して位置決めピン37を伸縮脚19から離脱させるための手持ち部37bとなっている。
【0017】
最下段の踏板4の下面には、左右位置決めピン37と対向する指掛け材39が設けられている。この指掛け材39と位置決めピン37とに指を掛けながら距離を縮めるように握ると、位置決めピン37を付勢手段38に抗して移動して係止孔19aから抜くことができ、伸縮脚19の伸縮作業が容易にできるようになっている。
前記上ブロック35は伸縮脚19の上端の抜け止め部材32と当接可能であって、支柱3から伸縮脚19を伸張していって、最伸張寸法になったときに抜け止め部材32が上ブロック35と当接して、それ以上の伸張を阻止する。
【0018】
前記左右各手摺Tは、支柱3に沿って配置される支軸部8と、支柱3から離れていて人手で把持可能な把持部9とを有し、支軸部8の上端と把持部9の上端とは上向き突出の上円弧部Tuで連結され、支軸部8の下端と把持部9の下端とは下向き突出の下円弧部Tfで連結されており、全体として略長円形の環形状になっている。
左右各手摺Tは、支軸部8と把持部9とが略直線形であって、その上下寸法L1が梯子本体5の上下寸法L2と略等しくなっている。手摺使用状態では、図1、2に示す如く、手摺Tの略上半分が天板17より上方に突出し、手摺としての機能を十二分に発揮できるようになる。手摺不使用状態では、図10、11に示す如く、手摺Tの下端が収縮した伸縮脚19の下端に対向し、手摺Tの殆どが梯子本体5と重合してコンパクトになり、上円弧部Tuのみが梯子本体5の上端から上方に突出して持ち運び時に手で持てるようになる。
【0019】
前記支持具6は手摺Tの支軸部8を保持するホルダ11と、このホルダ11に支軸部8を固定するロック部材12とを有している。
ホルダ11は、図1,5、8に示すように、手摺Tの支軸部8を軸心廻り回動可能にかつ軸心方向移動可能に外嵌して保持する筒部11bと、支柱3に嵌合する嵌合部11cとが一体成形されている。
【0020】
嵌合部11cは支柱3に嵌合して複数本のボルト40を介して固定されており、このボルト40の1本は、最上段の踏板4の連結も兼ねている。また、嵌合部11cの側面にはロック部材12を支持する支持ブラケット41が固定されている。
ホルダ11の筒部11bにはロック部材12が貫通されるホルダ孔11aが形成されている。前記ロック部材12は、支持ブラケット41に移動可能に支持されており、一端がホルダ孔11aに貫通する貫通ピン部12aと、この貫通ピン部12aから屈曲して把持可能な摘まみ部12bと、この摘まみ部12bから屈曲して貫通ピン部12aと略平行でありかつ貫通ピン部12aを貫通方向に付勢する付勢手段14を設けた付勢部12cとを有する。
【0021】
前記手摺Tの支軸部8には、手摺Tを支柱3から前方へ立設しかつその上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときに、ホルダ孔11aと対向してロック部材12が貫通される使用時軸孔Puと、手摺Tを梯子本体5に沿うように倒しかつ使用状態Uから下方
へ移動した不使用状態Fのときに、ホルダ孔11aと対向してロック部材12が貫通される不使用時軸孔Pfとが形成されている。
【0022】
前記左右各手摺Tの支軸部8には、手摺Tの上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときにホルダ11の下部と当接する使用時ストッパ15Uと、手摺Tを下方へ移動した不使用状態Fのときにホルダ11の上部と当接する不使用時ストッパ15Fとを設けている。
従って、ロック部材12の摘まみ部12bを摘まんで付勢手段14に抗して貫通ピン部12aをホルダ孔11aから引き抜くと、ロック解除状態となり、手摺Tの支軸部8はホルダ11内を回動でき、かつ軸方向に移動でき、使用時ストッパ15U又は不使用時ストッパ15Fがホルダ11に当接した位置で、使用時の位置又は不使用時の位置となり、摘まみ部12bから手を離すと、付勢手段14によって貫通ピン部12aが使用時軸孔Pu又は不使用時軸孔Pfに確実に貫通し、ロック状態となる。
【0023】
以上詳述した実施形態の手摺付き昇降梯子1は、左右一対の支柱3を上下複数段の踏板4で連結した梯子本体5と、前記左右各支柱3に支持具6を介して連結した左右手摺Tとを有しており、前記左右各手摺Tは、支柱3に沿って配置される支軸部8と、支柱3から離れていて人手で把持可能な把持部9とを有しており、前記支持具6は手摺Tの支軸部8を軸心廻り回動可能にかつ軸心方向移動可能に保持するホルダ11と、このホルダ11に形成したホルダ孔11aと支軸部8に形成した軸孔Pとに貫通するロック部材12とを有しており、前記手摺Tの支軸部8には、手摺Tを支柱3から前方へ立設しかつその上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときにロック部材12が貫通される使用時軸孔Puと、手摺Tを梯子本体5に沿うように倒しかつ使用状態Uから下方へ移動した不使用状態Fのときにロック部材12が貫通される不使用時軸孔Pfとを形成しているので、手摺Tを支柱3から前方へ立設しかつその上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときから、ロック部材12をロック解除すると、手摺Tは梯子本体5に沿うように倒しかつ下方へ移動した不使用状態Fとすることができ、手摺Tを支柱3に対して折り畳むだけでなく、下方にも移動でき、不使用状態での前後寸法及び上下寸法は縮小されてコンパクトになる。
【0024】
また、左右各手摺Tは支軸部8の上下と把持部9上下とがそれぞれ連結されて環状形状になっており、前記ホルダ11は支軸部8に外嵌する筒部11bにホルダ孔11aを形成しており、前記ロック部材12は、一端がホルダ孔11aと軸孔Pとに貫通する貫通ピン部12aと、この貫通ピン部12aから屈曲して把持可能な摘まみ部12bと、この摘まみ部12bから屈曲して貫通ピン部12aと略平行でありかつ貫通ピン部12aを貫通方向に付勢する付勢手段14を設けた付勢部12cとを有するので、手摺Tの使用状態U及び不使用状態Fを確実に保持でき、かつ状態変更を容易にできる。
【0025】
さらに、前記左右各手摺Tの支軸部8には、手摺Tの上部が支柱3から上方へ突出した使用状態Uのときにホルダ11の下部と当接する使用時ストッパ15Uと、手摺Tを下方へ移動した不使用状態Fのときにホルダ11の上部と当接する不使用時ストッパ15Fとを設けているので、手摺Tの使用状態U及び不使用状態Fの位置設定及び状態変更を簡単かつ容易にできる。
【0026】
さらにまた、前記左右各手摺Tは、支軸部8の上端と把持部9の上端とは上向き突出の上円弧部Tuで連結され、支軸部8の下端と把持部9の下端とは下向き突出の下円弧部Tfで連結されており、左右各手摺Tの支軸部8と把持部9とは、略直線形であって上下寸法L1が梯子本体5の上下寸法L2と略等しいので、手摺Tをシンプルな形状にでき、かつ不使用状態Fのときに梯子本体5と重合するコンパクトな形状にできる。
【0027】
そして、左右支柱3の上部に後方突出姿勢と支柱3の背面に沿う収納姿勢とに姿勢変更可能な天板17を有し、この天板17に荷台あおりWと掛止可能な掛止部材18を設けているので、天板17及び掛止部材18によって荷台への昇降が容易にできるようになり、また天板17を設けても、不使用状態Fのときに梯子本体5の上部に重合して収納しておくことができる。
【0028】
そしてまた、左右各支柱3の下部に、支柱3に収納された位置から下方へ伸張可能な伸
縮脚19と、この伸縮脚19を伸縮した位置で支柱3に固定する固定具33とを設けており、前記不使用状態Fのときの手摺Tは、その下端が収縮した伸縮脚19の下端に対向し、かつその上部が梯子本体5の上端より上方に突出しているので、伸縮脚19によって高さの異なる手摺付き昇降梯子1を構成でき、伸縮脚19を設けても、不使用状態Fのときに梯子本体5の上部から手摺Tの上部が突出して、昇降梯子1の運搬の用に共することができる。
【0029】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、天板17を割愛し、左右支柱3の上端に踏板4を設けるとともに荷台あおりWと掛止可能な掛止部材18を設けたり、天板17及び掛止部材18を割愛して、昇降梯子1を構造物等に立て掛けるだけのものにしたりしてもよい。
【0030】
梯子本体5の上下寸法を長くして、伸縮脚19を割愛してもよい。
手摺Tは支軸部8以外の形状、即ち、把持部9、上円弧部Tu及び下円弧部Tf等の形状を種々変形してもよい。
手摺Tは支軸部8と把持部9との間隔(手摺の立ち上がり高さ)が、梯子本体5の幅(踏板4の長さ)の半分以下になっているが、これを半分以上にして、不使用時に右の手摺Tの把持部9と左の手摺Tの把持部9とがオーバーラップするように構成してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 昇降梯子
3 支柱
4 踏板
5 梯子本体
6 支持具
8 支軸部
9 把持部
11 ホルダ
11a ホルダ孔
11b 筒部
11c 嵌合部
12 ロック部材
12a 貫通ピン部
12b 摘まみ部
12c 付勢部
14 付勢手段
15F 不使用時ストッパ
15U 使用時ストッパ
17 天板
18 掛止部材
19 伸縮脚
19a 係止孔
F 不使用状態
L1 支軸部及び把持部の上下寸法
L2 梯子本体の上下寸法
T 手摺
Tf 下円弧部
Tu 上円弧部
U 使用状態
P 軸孔
Pf 不使用時軸孔
Pu 使用時軸孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13