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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】ハイブリッドロケット
(51)【国際特許分類】
   F02K 9/72 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
F02K9/72
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020530098
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(86)【国際出願番号】 JP2019025607
(87)【国際公開番号】W WO2020012971
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2018130158
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018132797
(32)【優先日】2018-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 生太
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】片野田 洋
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-039645(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0042596(US,A1)
【文献】特開2008-240643(JP,A)
【文献】特開昭51-007327(JP,A)
【文献】特公昭47-009803(JP,B1)
【文献】中国特許出願公開第106870206(CN,A)
【文献】米国特許第03423943(US,A)
【文献】特開2005-054649(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0194256(US,A1)
【文献】米国特許第05582001(US,A)
【文献】米国特許第06092366(US,A)
【文献】米国特許第03744427(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02K 9/72
B64G 1/00
F02K 9/12
F02K 9/50
F17C 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向の両端面に開口が形成され、かつ前記長さ方向の一方の端面である始端面の前記開口と、他方の端面である終端面の前記開口とを連通させる流路を内部に画定している固体燃料と、
前記固体燃料を酸化させる液体酸化剤を、前記固体燃料の前記始端面の前記開口から前記流路に供給することにより、前記固体燃料を、前記始端面から前記終端面に向かう方向の燃焼ガスの流動が前記流路に生じる態様で燃焼させる液体酸化剤供給装置と、
前記固体燃料を収容するケーシングと、
前記ケーシングの端部につながれ、前記燃焼ガスを噴射するノズルと、
を備え、
前記固体燃料が、
前記流路に露出している易燃焼露出面を有する易燃焼部と、
前記易燃焼部の、前記長さ方向と直交する方向に関して前記易燃焼露出面とは反対側の外面を覆っており、前記易燃焼部よりも燃焼しにくい材料よりなり、前記易燃焼部が消失した後に前記流路に露出する内面を有することにより、前記内面が前記易燃焼部よりも緩やかに燃焼しつつ前記ケーシングを保護する難燃焼部と、
を有し、
前記難燃焼部が、前記易燃焼部の、前記始端面から前記終端面に向かう方向の剥離を阻止するストッパー部を有し、
前記液体酸化剤供給装置が、
内部に前記液体酸化剤が溜められ、かつ前記内部における前記液体酸化剤の液面を加圧する加圧用ガスを前記内部に供給可能なタンクと、
前記タンクに設けられ、前記内部で前記液体酸化剤が気化したガスを、前記タンクの外部に排出するガス排出部と、
前記液体酸化剤が流入する流入端部と、前記液体酸化剤が流出する流出端部とを有し、前記流入端部が、前記タンクの前記内部で前記液体酸化剤に浸漬され、前記流出端部が、前記タンクよりも下方に配置される前記固体燃料の前記流路につながれ、前記流入端部から前記流出端部にわたって前記液体酸化剤が流れる管路を構成している供給管と、
前記タンクへの前記加圧用ガスの供給が断たれ、かつ前記ガス排出部から前記ガスが排出される加圧停止状態と、前記ガス排出部からの前記ガスの排出が断たれ、かつ前記タンクに前記加圧用ガスが供給されることにより、前記加圧用ガスによって、前記液体酸化剤が、前記流入端部から前記流出端部を通して、前記固体燃料の前記流路へと押し出される加圧状態との間で切り換え可能なガスバルブと、
を備え、
前記供給管が、前記管路に沿って、前記流入端部から前記流出端部までの間に、前記タンクの上面から前記タンクよりも上方に突出している上方突出部を有し、前記上方突出部が、前記管路の一部を構成しており、
前記ガスバルブが前記加圧停止状態に設定されている場合に、前記タンクに前記液体酸化剤を注入したとき、前記管路における、少なくとも前記上方突出部から前記流出端部までの間に空隙部が確保される、
イブリッドロケット。
【請求項2】
長さ方向の両端面に開口が形成され、かつ前記長さ方向の一方の端面である始端面の前記開口と、他方の端面である終端面の前記開口とを連通させる流路を内部に画定している固体燃料と、
前記固体燃料を酸化させる液体酸化剤を、前記固体燃料の前記始端面の前記開口から前記流路に供給することにより、前記固体燃料を、前記始端面から前記終端面に向かう方向の燃焼ガスの流動が前記流路に生じる態様で燃焼させる液体酸化剤供給装置と、
前記固体燃料を収容するケーシングと、
前記ケーシングの端部につながれ、前記燃焼ガスを噴射するノズルと、
を備え、
前記固体燃料が、
前記流路に露出している易燃焼露出面を有する易燃焼部と、
前記易燃焼部の、前記長さ方向と直交する方向に関して前記易燃焼露出面とは反対側の外面を覆っており、前記易燃焼部よりも燃焼しにくい材料よりなり、前記易燃焼部が消失した後に前記流路に露出する内面を有することにより、前記内面が前記易燃焼部よりも緩やかに燃焼しつつ前記ケーシングを保護する難燃焼部と、
を有し、
前記難燃焼部が、前記易燃焼部の、前記始端面から前記終端面に向かう方向の剥離を阻止するストッパー部を有し、
前記液体酸化剤供給装置が、
内部に前記液体酸化剤が溜められ、かつ前記内部における前記液体酸化剤の液面を加圧する加圧用ガスを前記内部に供給可能なタンクと、
前記タンクに設けられ、前記内部で前記液体酸化剤が気化したガスを、前記タンクの外部に排出するガス排出部と、
前記液体酸化剤が流入する流入端部と、前記液体酸化剤が流出する流出端部とを有し、前記流入端部が、前記タンクの前記内部で前記液体酸化剤に浸漬され、前記流出端部が、前記タンクよりも下方に配置される前記固体燃料の前記流路につながれ、前記流入端部から前記流出端部にわたって前記液体酸化剤が流れる管路を構成している供給管と、
前記タンクへの前記加圧用ガスの供給が断たれ、かつ前記ガス排出部から前記ガスが排出される加圧停止状態と、前記ガス排出部からの前記ガスの排出が断たれ、かつ前記タンクに前記加圧用ガスが供給されることにより、前記加圧用ガスによって、前記液体酸化剤が、前記流入端部から前記流出端部を通して、前記固体燃料の前記流路へと押し出される加圧状態との間で切り換え可能なガスバルブと、
を備え、
前記供給管が、前記管路に沿って、前記流入端部から前記流出端部までの間に、前記タンクから上方に突出している上方突出部を有し、前記上方突出部が、前記管路の一部を構成しており、
前記ガスバルブが前記加圧停止状態に設定されている場合に、前記タンクに前記液体酸化剤を注入したとき、前記管路における、少なくとも前記上方突出部から前記流出端部までの間に空隙部が確保される、
ハイブリッドロケットであって、
前記供給管が、
一端部が前記流入端部を構成し、他端部が前記上方突出部につながれ、前記流入端部から前記上方突出部に向けて前記液体酸化剤を上方に案内する上方案内部と、
前記上方案内部によって上方に案内された前記液体酸化剤を、前記タンクの前記内部に向けて下方に折り返す、前記上方突出部を構成している折り返し部と、
一端部が前記折り返し部につながれ、他端部が前記流出端部を構成しており、前記折り返し部において下方に折り返された前記液体酸化剤を、前記固体燃料の前記流路に向けて下方に案内する下方案内部と、
を有する、ハイブリッドロケット。
【請求項3】
前記下方案内部が、前記折り返し部において下方に折り返された前記液体酸化剤を、前記タンクの前記内部を経由して、前記固体燃料の前記流路に向けて下方に案内する、
請求項に記載のハイブリッドロケット。
【請求項4】
前記ガス排出部から排出された前記ガスを前記固体燃料の前記流路へと導くためのガス案内管、
をさらに備える、請求項からのいずれか1項に記載のハイブリッドロケット。
【請求項5】
前記ガス案内管が、前記ガス排出部と、前記供給管における前記空隙部が構成される部分とをつないでおり、
前記ガス排出部から排出された前記ガスが、前記ガス案内管と前記空隙部とを通して前記固体燃料の前記流路へと供給される、
請求項に記載のハイブリッドロケット。
【請求項6】
前記供給管が、
一端部が前記流入端部を構成し、他端部が前記上方突出部を構成している外管と、
前記外管の内部を通っており、一端部が前記上方突出部の内部において開口し、他端部が前記流出端部を構成している内管と、
を有し、
前記外管の内面と、前記内管の外面とによって、前記流入端部から前記上方突出部に向かって前記液体酸化剤が上方に案内され、前記上方突出部において前記液体酸化剤が前記内管の前記一端部に流入され、流入された前記液体酸化剤が、前記内管によって前記固体燃料の前記流路へと案内される、
請求項に記載のハイブリッドロケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッドロケットに関する。
【背景技術】
【0002】
固体の燃料(以下、固体燃料という)に液体の酸化剤(以下、液体酸化剤という)を供給することで固体燃料を燃焼させ、その燃焼で生じた燃焼ガスを噴出することで推力を得るハイブリッドロケットが知られている。なお“ハイブリッド”とは、推力を得るための材料に固体と液体の双方を用いることを意味する。
【0003】
固体燃料は、ハイブリットロケットが推進する方向に延びる流路を画定している。その流路に、液体酸化剤が噴射される。これにより、その流路に燃焼ガスの流動が生じる態様で、固体燃料が燃焼される。
【0004】
特許文献1は、このような固体燃料として、相対的に燃焼しやすい材料よりなる易燃焼部と、相対的に燃焼しにくい材料よりなる難燃焼部とが、ハイブリットロケットが推進する方向に、交互に配置されて構成されたものを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特公昭46-39645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
固体燃料は、ケーシングに収容された状態で燃焼される。特許文献1に係る固体燃料の構成では、易燃焼部が難燃焼部よりも先に焼失した時点で、易燃焼部が配置されていた箇所に、ケーシングの内面が露出する。このため、残存する難燃焼部の燃焼によって、ケーシングが損傷を受ける懸念がある。
【0007】
なお、ハイブリットロケットが推進する方向と直交する方向に関して、流路に近い内側に易燃焼部を配置し、ケーシングの内面に近い外側に難燃焼部を配置すれば、易燃焼部が焼失した時点でも、ケーシングの内面が露出しない。このため、ケーシングが損傷を受ける問題を回避できる。
【0008】
しかし、この構成を採る場合、流路を流れる燃焼ガスの流動によって、易燃焼部と難燃焼部との界面にせん断力が作用しうる。このため、易燃焼部が難燃焼部から剥離しやすいという新たな問題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、易燃焼部と難燃焼部とを有するにも関わらず、それらを収容するケーシングが損傷を受けにくく、しかも燃焼の過程で易燃焼部が難燃焼部から剥離しにくい固体燃料を備えるハイブリッドロケットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るハイブリッドロケットは、
長さ方向の両端面に開口が形成され、かつ前記長さ方向の一方の端面である始端面の前記開口と、他方の端面である終端面の前記開口とを連通させる流路を内部に画定している固体燃料と、
前記固体燃料を酸化させる液体酸化剤を、前記固体燃料の前記始端面の前記開口から前記流路に供給することにより、前記固体燃料を、前記始端面から前記終端面に向かう方向の燃焼ガスの流動が前記流路に生じる態様で燃焼させる液体酸化剤供給装置と、
前記固体燃料を収容するケーシングと、
前記ケーシングの端部につながれ、前記燃焼ガスを噴射するノズルと、
を備え、
前記固体燃料が、
前記流路に露出している易燃焼露出面を有する易燃焼部と、
前記易燃焼部の、前記長さ方向と直交する方向に関して前記易燃焼露出面とは反対側の外面を覆っており、前記易燃焼部よりも燃焼しにくい材料よりなり、前記易燃焼部が消失した後に前記流路に露出する内面を有することにより、前記内面が前記易燃焼部よりも緩やかに燃焼しつつ前記ケーシングを保護する難燃焼部と、
を有し、
前記難燃焼部が、前記易燃焼部の、前記始端面から前記終端面に向かう方向の剥離を阻止するストッパー部を有し、
前記液体酸化剤供給装置が、
内部に前記液体酸化剤が溜められ、かつ前記内部における前記液体酸化剤の液面を加圧する加圧用ガスを前記内部に供給可能なタンクと、
前記タンクに設けられ、前記内部で前記液体酸化剤が気化したガスを、前記タンクの外部に排出するガス排出部と、
前記液体酸化剤が流入する流入端部と、前記液体酸化剤が流出する流出端部とを有し、前記流入端部が、前記タンクの前記内部で前記液体酸化剤に浸漬され、前記流出端部が、前記タンクよりも下方に配置される前記固体燃料の前記流路につながれ、前記流入端部から前記流出端部にわたって前記液体酸化剤が流れる管路を構成している供給管と、
前記タンクへの前記加圧用ガスの供給が断たれ、かつ前記ガス排出部から前記ガスが排出される加圧停止状態と、前記ガス排出部からの前記ガスの排出が断たれ、かつ前記タンクに前記加圧用ガスが供給されることにより、前記加圧用ガスによって、前記液体酸化剤が、前記流入端部から前記流出端部を通して、前記固体燃料の前記流路へと押し出される加圧状態との間で切り換え可能なガスバルブと、
を備え、
前記供給管が、前記管路に沿って、前記流入端部から前記流出端部までの間に、前記タンクの上面から前記タンクよりも上方に突出している上方突出部を有し、前記上方突出部が、前記管路の一部を構成しており、
前記ガスバルブが前記加圧停止状態に設定されている場合に、前記タンクに前記液体酸化剤を注入したとき、前記管路における、少なくとも前記上方突出部から前記流出端部までの間に空隙部が確保され
【0020】
本発明の第2の観点に係るハイブリッドロケットは、
長さ方向の両端面に開口が形成され、かつ前記長さ方向の一方の端面である始端面の前記開口と、他方の端面である終端面の前記開口とを連通させる流路を内部に画定している固体燃料と、
前記固体燃料を酸化させる液体酸化剤を、前記固体燃料の前記始端面の前記開口から前記流路に供給することにより、前記固体燃料を、前記始端面から前記終端面に向かう方向の燃焼ガスの流動が前記流路に生じる態様で燃焼させる液体酸化剤供給装置と、
前記固体燃料を収容するケーシングと、
前記ケーシングの端部につながれ、前記燃焼ガスを噴射するノズルと、
を備え、
前記固体燃料が、
前記流路に露出している易燃焼露出面を有する易燃焼部と、
前記易燃焼部の、前記長さ方向と直交する方向に関して前記易燃焼露出面とは反対側の外面を覆っており、前記易燃焼部よりも燃焼しにくい材料よりなり、前記易燃焼部が消失した後に前記流路に露出する内面を有することにより、前記内面が前記易燃焼部よりも緩やかに燃焼しつつ前記ケーシングを保護する難燃焼部と、
を有し、
前記難燃焼部が、前記易燃焼部の、前記始端面から前記終端面に向かう方向の剥離を阻止するストッパー部を有し、
前記液体酸化剤供給装置が、
内部に前記液体酸化剤が溜められ、かつ前記内部における前記液体酸化剤の液面を加圧する加圧用ガスを前記内部に供給可能なタンクと、
前記タンクに設けられ、前記内部で前記液体酸化剤が気化したガスを、前記タンクの外部に排出するガス排出部と、
前記液体酸化剤が流入する流入端部と、前記液体酸化剤が流出する流出端部とを有し、前記流入端部が、前記タンクの前記内部で前記液体酸化剤に浸漬され、前記流出端部が、前記タンクよりも下方に配置される前記固体燃料の前記流路につながれ、前記流入端部から前記流出端部にわたって前記液体酸化剤が流れる管路を構成している供給管と、
前記タンクへの前記加圧用ガスの供給が断たれ、かつ前記ガス排出部から前記ガスが排出される加圧停止状態と、前記ガス排出部からの前記ガスの排出が断たれ、かつ前記タンクに前記加圧用ガスが供給されることにより、前記加圧用ガスによって、前記液体酸化剤が、前記流入端部から前記流出端部を通して、前記固体燃料の前記流路へと押し出される加圧状態との間で切り換え可能なガスバルブと、
を備え、
前記供給管が、前記管路に沿って、前記流入端部から前記流出端部までの間に、前記タンクから上方に突出している上方突出部を有し、前記上方突出部が、前記管路の一部を構成しており、
前記ガスバルブが前記加圧停止状態に設定されている場合に、前記タンクに前記液体酸化剤を注入したとき、前記管路における、少なくとも前記上方突出部から前記流出端部までの間に空隙部が確保される、
ハイブリッドロケットであって、
前記供給管が、
一端部が前記流入端部を構成し、他端部が前記上方突出部につながれ、前記流入端部から前記上方突出部に向けて前記液体酸化剤を上方に案内する上方案内部と、
前記上方案内部によって上方に案内された前記液体酸化剤を、前記タンクの前記内部に向けて下方に折り返す、前記上方突出部を構成している折り返し部と、
一端部が前記折り返し部につながれ、他端部が前記流出端部を構成しており、前記折り返し部において下方に折り返された前記液体酸化剤を、前記固体燃料の前記流路に向けて下方に案内する下方案内部と、
を有する
【0021】
前記下方案内部が、前記折り返し部において下方に折り返された前記液体酸化剤を、前記タンクの前記内部を経由して、前記固体燃料の前記流路に向けて下方に案内してもよい。
【0022】
本発明の第1及び第2の観点に係るハイブリッドロケットは、
前記ガス排出部から排出された前記ガスを前記固体燃料の前記流路へと導くためのガス案内管、
をさらに備えてもよい。
【0023】
前記ガス案内管が、前記ガス排出部と、前記供給管における前記空隙部が構成される部分とをつないでおり、
前記ガス排出部から排出された前記ガスが、前記ガス案内管と前記空隙部とを通して前記固体燃料の前記流路へと供給されてもよい。
【0024】
本発明の第1の観点に係るハイブリッドロケットにおいては、
前記供給管が、
一端部が前記流入端部を構成し、他端部が前記上方突出部を構成している外管と、
前記外管の内部を通っており、一端部が前記上方突出部の内部において開口し、他端部が前記流出端部を構成している内管と、
を有し、
前記外管の内面と、前記内管の外面とによって、前記流入端部から前記上方突出部に向かって前記液体酸化剤が上方に案内され、前記上方突出部において前記液体酸化剤が前記内管の前記一端部に流入され、流入された前記液体酸化剤が、前記内管によって前記固体燃料の前記流路へと案内されてもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明の第1及び第2の観点に係るハイブリッドロケットの固体燃料によれば、難燃焼部が易燃焼部の外面を覆っているため、易燃焼部が焼失した時点でケーシングが流路に露出する問題を回避できる。このため、易燃焼部と難燃焼部とを収容するケーシングが損傷を受けにくい。
【0026】
また、難燃焼部が、易燃焼部の剥離を阻止するストッパー部を有するため、燃焼の過程で易燃焼部が難燃焼部から剥離しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】実施形態1に係るハイブリッドロケットの構成を示す概念図。
図2】実施形態1に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図3】実施形態1に係る固体燃料の易燃焼部が焼失した後の状態を示す概念図。
図4】実施形態2に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図5】実施形態3に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図6】実施形態4に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図7】実施形態5に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図8】実施形態6に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図9】実施形態6に係る固体燃料の易燃焼部が焼失した後の状態を示す概念図。
図10】実施形態7に係る固体燃料の構成を示す断面図。
図11】実施形態8に係る極低温液体供給装置の加圧停止状態を示す概念図。
図12】実施形態8に係る極低温液体供給装置の加圧状態を示す概念図。
図13】実施形態9に係る極低温液体供給装置の加圧停止状態を示す概念図。
図14】実施形態9に係る極低温液体供給装置の加圧状態を示す概念図。
図15】実施形態10に係るハイブリッドロケットの構成を示す概念図。
図16】比較形態に係る極低温液体供給装置の加圧停止状態を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、実施形態1-10に係るハイブリッドロケットについて説明する。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
【0029】
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係るハイブリッドロケット800は、燃焼されることにより推力を生む固体燃料100を備える。固体燃料100は、ハイブリッドロケット800が推進する方向と平行な方向(以下、長さ方向という。)に延在している。
【0030】
固体燃料100の長さ方向の両端面には、開口APが形成されている。固体燃料100は、長さ方向の一方の端面である始端面100aの開口APと、他方の端面である終端面100bの開口APとを連通させる流路CAを内部に画定している。
【0031】
具体的には、固体燃料100は、長さ方向に延びる仮想直線VLを中心軸とする中空円筒の形状に形成されている。流路CAの内面は、始端面100aの開口APから終端面100bの開口APにわたって、仮想直線VLを中心軸とする円柱の側面を構成している。
【0032】
また、ハイブリッドロケット800は、固体燃料100に液体酸化剤を供給する液体酸化剤供給装置810を備える。液体酸化剤供給装置810は、液体酸化剤が溜められたタンク811と、タンク811内の液体酸化剤を固体燃料100に向けて押し出すための不活性ガスを、タンク811に供給する加圧用ガス源812とを有する。
【0033】
また、液体酸化剤供給装置810は、加圧用ガス源812からタンク811に至る不活性ガスの流路に設けられた気体用バルブ813と、タンク811から固体燃料100に至る液体酸化剤の流路に設けられた液体用バルブ814とを有する。
【0034】
また、ハイブリッドロケット800は、固体燃料100を収容するケーシング820と、ケーシング820の端部につながれたノズル830とを有する。ノズル830は、ハイブリッドロケット800の尾部に配置されている。
【0035】
ケーシング820は、金属材料、具体的には、ステンレスよりなる。ケーシング820は、仮想直線VLを中心軸とする中空筒状に形成されており、固体燃料100の外周面を覆っている。固体燃料100は、ケーシング820に収容された状態で燃焼される。
【0036】
ケーシング820の、仮想直線VLと平行な長さ方向に関してノズル830とは反対側の端部の内壁と、固体燃料100の始端面100aとの間には、前部燃焼室としての隙間GP1が確保されている。隙間GP1は、流路CAに連通している。上述したタンク811は、液体用バルブ814を介して隙間GP1と連通している。
【0037】
そして、ハイブリッドロケット800は、隙間GP1に配置された噴霧器840、及び隙間GP1に面するように配置されたイグナイター850も有する。
【0038】
噴霧器840は、タンク811から供給された液体酸化剤を霧化する。霧化された液体酸化剤は、固体燃料100の始端面100aの開口APから、流路CAに流入する。つまり、液体酸化剤供給装置810は、噴霧器840を通して、固体燃料100の流路CAに液体酸化剤を供給する。
【0039】
また、ケーシング820の、ノズル830がつながれている方の端部の内壁と、固体燃料100の終端面100bとの間にも、隙間GP2が確保されている。隙間GP2は、流路CAと連通しており、固体燃料100が熱分解した熱分解ガスの燃焼を完全燃焼に近づけるための後部燃焼室としての役割を果たす。
【0040】
以下、ハイブリッドロケット800の動作を説明する。まず、イグナイター850が、高温の燃料ガスを発生させる。イグナイター850によって発生された燃料ガスは、流路CAに流入し、固体燃料100が一部熱分解した状態となる。
【0041】
この状態で、気体用バルブ813及び液体用バルブ814が開かれる。すると、加圧用ガス源812内の不活性ガスが、タンク811内の液体酸化剤を隙間GP1に向けて押し出す。押し出された液体酸化剤は、噴霧器840において霧化されて、流路CAに流入する。
【0042】
そして、霧化された液体酸化剤が流路CAの内壁面近傍に到達することによって燃料ガスが燃焼され、これにより固体燃料100の、流路CAに面する内面が熱分解した熱分解ガス及び火炎が生成される。熱分解ガス及び火炎は、始端面100aから終端面100bに向かう方向に流路CAを流れる。
【0043】
その過程で、火炎によって熱分解ガスが燃焼することで燃焼ガスが生じ、その燃焼ガスの熱が、未燃の固体燃料100の表層部を熱分解させて熱分解ガスを生じさせ、再びその熱分解ガスが燃焼する。このようにして、固体燃料100は、始端面100aから終端面100bに向かう方向の燃焼ガスの流動が流路CAに生じる態様で燃焼される。
【0044】
終端面100bの開口APから流出した燃焼ガス、熱分解ガス、及び火炎を含む流体は、後部燃焼室としての隙間GP2で撹拌される。これにより、熱分解ガスの燃焼が、完全燃焼に近づけられる。隙間GP2において撹拌されて生成された燃焼ガス及び火炎は、ノズル830によって超音速に加速されて噴射される。その噴射に対する反作用によって、ハイブリッドロケット800が推力を得て推進する。
【0045】
本実施形態に係るハイブリッドロケット800は、固体燃料100の構成に特徴を有する。そこで、以下、図2を参照し、固体燃料100の構成について詳述する。
【0046】
図2に示すように、固体燃料100は、仮想直線VLに平行な長さ方向に、4つのブロックBKに分割されて構成されている。各々のブロックBKは、仮想直線VLを中心軸とする中空円筒の形状に形成されている。4つのブロックBKは、互いに同じ構成を有する。以下、各々のブロックBKの構成について説明する。
【0047】
各々のブロックBKは、相対的に燃焼しやすい材料よりなる易燃焼部110と、易燃焼部110よりも燃焼しにくい材料よりなる難燃焼部140とによって構成されている。
【0048】
ここで“易燃焼部110よりも燃焼しにくい”とは、ハイブリットロケット800に推進可能な推力を付与する程度に激しく燃焼しうるが、易燃焼部110を構成する材料と同じ条件で燃焼させた場合には、燃焼によって体積が減少する速度が、易燃焼部110を構成する材料よりも遅いことを意味する。
【0049】
具体的には、本実施形態では、易燃焼部110は、パラフィンよりなり、難燃焼部140は、アクリル樹脂よりなる。
【0050】
易燃焼部110は、仮想直線VLを中心軸とする中空円筒の形状に形成されている。易燃焼部110の、仮想直線VLを取り囲む内面としての内周面は、流路CAに露出している易燃焼露出面111を構成している。易燃焼部110の、仮想直線VLに平行な方向の長さは、ブロックBKの、仮想直線VLに平行な方向の長さよりも短い。
【0051】
一方、難燃焼部140の、仮想直線VLに平行な方向の長さは、ブロックBKの、仮想直線VLに平行な方向の長さと等しい。難燃焼部140は、易燃焼部110と接合されることにより、中空円筒状のブロックBKを易燃焼部110と共に構成する形状に形成されている。以下、難燃焼部140の形状を具体的に説明する。
【0052】
難燃焼部140の、仮想直線VLと平行な長さ方向の両端面は開口している。難燃焼部140の、仮想直線VLと平行な長さ方向の一端面である第1端面140aの開口の面積は、他端面である第2端面140bの開口の面積よりも小さい。第1端面140aは、仮想直線VLと平行な長さ方向に関して、始端面100aに近い方に配置されており、第2端面140bは、終端面100bに近い方に配置されている。
【0053】
具体的には、難燃焼部140は、第1端面140aを構成している厚肉部120と、第2端面140bを構成しており、厚肉部120よりも、仮想直線VLと直交する径方向の厚さが薄い薄肉部130とを有する。薄肉部130は、易燃焼部110の、仮想直線VLと直交する径方向に関して易燃焼露出面111とは反対側の外面としての外周面を覆っている。
【0054】
厚肉部120は、第1端面140aと連続して流路CAに露出している難燃焼露出面121を有する。難燃焼露出面121は、易燃焼部110の易燃焼露出面111と隣接している。そして、難燃焼露出面121は、仮想直線VLを中心軸とする円筒の内周面を、易燃焼露出面111と共に構成している。
【0055】
各々のブロックBKの、仮想直線VLと平行な長さ方向に関して、始端面100aに近い方の端面は、厚肉部120の第1端面140aによって構成されており、終端面100bに近い方の端面は、薄肉部130の第2端面140bと、易燃焼部110の終端面100bに近い方の端面とによって構成されている。
【0056】
そして、仮想直線VLと平行な方向に隣接する2つのブロックBKのうち、終端面100bに近い方のブロック(以下、終端側ブロックという。)BKにおける厚肉部120の第1端面140aが、始端面100aに近い方のブロック(以下、始端側ブロックという。)BKにおける易燃焼部110の、終端面100bに近い方の端面に接している。
【0057】
このため、終端側ブロックBKにおける難燃焼部140の、第1端面140aを構成している部分、具体的には、厚肉部120が、始端側ブロックBKにおける易燃焼部110の、始端面100aから終端面100bに向かう方向の、始端側ブロックBKにおける難燃焼部140からの剥離を阻止するストッパー部としての役割を果たしている。
【0058】
また、最もノズル830に近い最後段のブロックBKの、ノズル830に近づく向きの移動を阻止するために、ハイブリッドロケット800は、後部燃焼室としての隙間GP2に、ストッパー860を備える。ストッパー860は、耐熱性を有する材料、具体的には、ベークライトよりなる。
【0059】
ストッパー860は、最後段のブロックBKの、ノズル830に近い方の端面を構成する薄肉部130及び易燃焼部110に面する位置に固定されている。このため、ストッパー860は、最後段のブロックBKにおける易燃焼部110の、最後段のブロックBKにおける難燃焼部140からノズル830に近づく向きの剥離を阻止する。
【0060】
なお、以上説明したブロックBKは、まず難燃焼部140を作成する第1工程と、作成した難燃焼部140に、易燃焼部110の材料を流し込む第2工程とを経て得ることができる。具体的には、まずアクリル樹脂よりなる被削材を準備し、その被削材を加工することで難燃焼部140を作成する。次に、その難燃焼部140に対して、易燃焼部110の材料であるパラフィンを加熱によって流動化させたものを、流し込む。パラフィンが固化すると、易燃焼部110と難燃焼部140とが接合されているブロックBKが得られる。
【0061】
但し、第1工程では、難燃焼部140を、易燃焼部110と同様に鋳込みによって形成してもよい。また、第2工程では、易燃焼部110の材料が流し込まれる空間を、難燃焼部140と共に画定する型を用いてもよい。
【0062】
以上説明したように、本実施形態の固体燃料100によれば、難燃焼部140の薄肉部130が、易燃焼部110の外周面を覆っているため、易燃焼部110が焼失した時点でケーシング820が流路CAに露出する問題を回避できる。
【0063】
つまり、難燃焼部140の薄肉部130の、易燃焼部110の外周面を覆っている内面は、易燃焼部110が消失した後に流路CAに露出する。そして、その薄肉部130の内面は、易燃焼部110よりも緩やかに燃焼しつつケーシング820を保護する。このため、ケーシング820が損傷を受けにくい。
【0064】
また、終端側ブロックBKにおける難燃焼部140の厚肉部120が、始端側ブロックBKにおける易燃焼部110の、終端面100bに近い方の端面の全域に接するストッパー部の役割を果たしている。このため、燃焼の過程で、易燃焼部110が難燃焼部140から剥離しにくい。
【0065】
また、易燃焼露出面111と難燃焼露出面121とが連続した1つの曲面を構成している。具体的には、始端面100aの開口APから終端面100bの開口APにわたって、流路CAの内面が、仮想直線VLを中心軸とする円柱の側面を構成している。このため、流路CAの内面に凹凸が形成されている場合に比べると、燃焼の開始後の初期の段階において、燃焼ガスが、流路CAをスムーズに流れる。このことは、ハイブリッドロケット800に付与する推力の向上に資する。
【0066】
また、相対的に燃焼しやすい易燃焼部110が、流路CAに面する位置に配置されている。このため、難燃焼部140のみが流路CAに面している場合に比べて、燃焼の開始後の初期の段階において、大きな推力が得られる。特に、本実施形態では、全ての易燃焼露出面111の面積の合計が、全ての難燃焼露出面121の面積の合計よりも大きい。このため、燃焼ガスが、易燃焼露出面111が多く露出した流路CAを流れ、燃焼の開始後の初期の段階において、大きな推力が得られやすい。
【0067】
図3に示すように、易燃焼部110が焼失した後は、難燃焼部140においてストッパー部の役割を果たしていた厚肉部120が、流路CAに突出した状態となる。このため、厚肉部120が、液体酸化剤、難燃焼部140が熱分解した熱分解ガス、その熱分解ガスが燃焼した燃焼ガス、及び火炎の4者を含む流体FLの流れを乱す。
【0068】
これにより、それら4者が撹拌されることで、難燃焼部140の熱分解が促進される。難燃焼部140の熱分解の促進は、ハイブリッドロケット800に付与する推力の向上に資する。
【0069】
以上のように、厚肉部120は、燃焼の開始後の初期の段階において、易燃焼部110の剥離を阻止するストッパー部の役割を果たすだけでなく、易燃焼部110の焼失後の段階において、難燃焼部140自身の燃焼を促進する役割も兼ねる。
【0070】
[実施形態2]
上記実施形態1では、各々のブロックBKにおいて、厚肉部120が薄肉部130よりも始端面100aに近い位置に配置されていたが、逆に薄肉部130が厚肉部120よりも始端面100aに近い位置に配置されていてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0071】
図4に示すように、本実施形態に係る固体燃料200においては、各々のブロックBKの難燃焼部140における、面積が小さい方の開口を有する第1端面140aが、終端面100bに近い方に配置されており、面積が大きい方の開口を有する第2端面140bが、始端面100aに近い方に配置されている。
【0072】
本実施形態に係る固体燃料200では、難燃焼部140の、第1端面140aを構成している厚肉部120が、その難燃焼部140を有するブロックBKの易燃焼部110に対するストッパー部を構成する。他の構成及び効果は、実施形態1の場合と同様である。
【0073】
[実施形態3]
上記実施形態1では、燃焼前の初期状態において、流路CAには、易燃焼露出面111だけでなく、難燃焼露出面121も露出していたが、初期状態において流路CAには、易燃焼露出面111のみが露出していてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0074】
図5に示すように、本実施形態に係る固体燃料300においては、各々のブロックBKの難燃焼部140における厚肉部120が、薄肉部130と同様に、易燃焼部110の外周面を覆っている。
【0075】
本実施形態によれば、初期状態における流路CAの内面が、全域にわたって易燃焼露出面111によって構成されているため、燃焼の開始後の初期の段階において、実施形態1の場合よりも大きな推力が得られうる。
【0076】
また、本実施形態においては、終端側ブロックBKにおける難燃焼部140の厚肉部120が、始端側ブロックBKにおける易燃焼部110の、終端面100bに近い方の端面の一部に接している。このため、実施形態1の場合と同様に、厚肉部120が、始端側ブロックBKの易燃焼部110に対するストッパー部の役割を果たす。他の構成及び効果は、実施形態1の場合と同様である。
【0077】
[実施形態4]
上記実施形態1-3では、各々のブロックBKにおいて、難燃焼部140が厚肉部120を1つのみ備えた構成を例示したが、難燃焼部140は厚肉部120を複数備えてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0078】
図6に示すように、本実施形態に係る固体燃料400も、実施形態1の場合と同様、4つのブロックBKに分割されて構成されている。各々のブロックBKは、易燃焼部410と難燃焼部450とによって構成されている。
【0079】
各々のブロックBKにおいて、難燃焼部450は、易燃焼部410の、仮想直線VLに平行な長さ方向の両端面及び外面としての外周面を覆う形状を有する。そして、難燃焼部450の、易燃焼部410の両端面のうち終端面100bに近い方の端面を覆う部分が、その易燃焼部410に対するストッパー部を構成している。以下、具体的に説明する。
【0080】
各々のブロックBKにおいて、難燃焼部450は、第1厚肉部420及び第2厚肉部430と、それら第1厚肉部420及び第2厚肉部430よりも、長さ方向と直交する径方向の厚さが薄い薄肉部440とを有する。
【0081】
第1厚肉部420は、難燃焼部450の、長さ方向の一端面である第1端面450aを構成しており、かつ第1端面450aと連続して流路CAに露出している第1難燃焼露出面421を有する。第2厚肉部430は、難燃焼部450の、長さ方向の他端面である第2端面450bを構成しており、かつ第2端面450bと連続して流路CAに露出している第2難燃焼露出面431を有する。
【0082】
第1厚肉部420と第2厚肉部430との間に、易燃焼部410が配置される。易燃焼部410の両端面は、第1厚肉部420と第2厚肉部430とによって覆われている。薄肉部440は、易燃焼部410の外面としての外周面を覆った状態で、第1厚肉部420と第2厚肉部430とをつないでいる。
【0083】
第1厚肉部420は、始端面100aに近い方に配置され、第2厚肉部430は、終端面100bに近い方に配置される。つまり、第1厚肉部420が、易燃焼部410の、始端面100aに近い方の端面を覆っており、第2厚肉部430が、易燃焼部410の、終端面100bに近い方の端面を覆っている。
【0084】
このため、各々のブロックBKにおいて、第2厚肉部430が、易燃焼部410に対するストッパー部を構成する。他の構成及び効果は、実施形態1の場合と同様である。
【0085】
[実施形態5]
上記実施形態1では、固体燃料100が複数のブロックBKに分割されていたが、固体燃料100は、必ずしも複数のブロックBKに分割されていなくてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0086】
図7に示すように、本実施形態に係る固体燃料500は、一体の易燃焼部510と、一体の難燃焼部520とが接合されて構成されている。易燃焼部510と難燃焼部520の各々は、筒状に形成されており、かつ始端面100aから終端面100bにわたって延在している。
【0087】
易燃焼部510は、仮想直線VLと直交する径方向に関して、難燃焼部520よりも仮想直線VLに近い内側に配置されている。固体燃料500が燃焼する前の初期状態における流路CAの内面は、全域にわたって易燃焼部510の易燃焼露出面511によって構成されている。
【0088】
難燃焼部520は、仮想直線VLと直交する径方向の厚さが相対的に薄い薄肉部521と、径方向の厚さが相対的に厚い厚肉部522とが、仮想直線VLに平行な長さ方向に交互に複数配置された構成を有する。
【0089】
厚肉部522は、薄肉部521よりも流路CAに近い径方向内方に突出した状態で、易燃焼部510に食い込んでおり、始端面100aから終端面100bに向かう方向の易燃焼部510の剥離を阻止するストッパー部の役割を果たす。
【0090】
また、それら厚肉部522は、上記実施形態1に係る難燃焼部140の、図3に示した厚肉部120と同様、易燃焼部510の焼失後の段階において、難燃焼部520自身の燃焼を促進する役割も兼ねる。
【0091】
[実施形態6]
上記実施形態1では、各々のブロックBKを構成する難燃焼部140として、第1端面140aと第2端面140bとの間で、仮想直線VLと直交する径方向の厚さが段階的に変化した形状のものを用いたが、難燃焼部140の厚さは、第1端面140aから第2端面140bに向かって連続的に変化していてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0092】
図8に示すように、本実施形態に係る固体燃料600も、実施形態1の場合と同様、4つのブロックBKに分割されて構成されている。各々のブロックBKは、易燃焼部610と難燃焼部620とによって構成されている。
【0093】
また、難燃焼部620の、仮想直線VLと平行な長さ方向の一端面である第1端面620aの開口の面積は、他端面である第2端面620bの開口の面積よりも小さい。第1端面620aは、始端面100aに近い方に配置されており、第2端面620bは、終端面100bに近い方に配置されている。
【0094】
易燃焼部610の易燃焼露出面611は、仮想直線VLと平行な長さ方向に関して、第1端面620aの位置から第2端面620bの位置にわたって流路CAに露出している。つまり、初期状態における流路CAの内面は、全域にわたって易燃焼露出面611によって構成されている。
【0095】
そして、難燃焼部620は、易燃焼部610の、仮想直線VLと直交する径方向に関して易燃焼露出面611とは反対側の外面としての外周面を、第1端面620aの位置から第2端面620bの位置にわたって覆っている。
【0096】
各々のブロックBKにおける難燃焼部620の、仮想直線VLと直交する径方向に関してケーシング820から遠い方の内面としての内周面621は、仮想直線VLと平行な長さ方向に関して第2端面620bに近づくに従って、次第にケーシング820に近づくように傾斜している。つまり、各々のブロックBKにおいて、難燃焼部620の径方向の厚さは、第1端面620aから第2端面620bに向かって連続的に減少している。
【0097】
なお、難燃焼部620の内周面621は、易燃焼部110が消失した後に流路CAに露出する内面の一例である。内周面621は、易燃焼部110が消失した後に、易燃焼部110よりも緩やかに燃焼しつつケーシング820を保護する。
【0098】
終端側ブロックBKにおける難燃焼部620の第1端面620aは、始端側ブロックBKにおける易燃焼部610の、終端面100bに近い方の端面に接している。このため、終端側ブロックBKにおける難燃焼部620の、第1端面620aを構成している部分が、始端側ブロックBKの易燃焼部610に対するストッパー部を構成する。従って、燃焼の過程で、易燃焼部610が難燃焼部620から剥離しにくい。
【0099】
図9に示すように、易燃焼部610が焼失した後は、難燃焼部620の内周面621が、流路CAの、仮想直線VLに垂直な断面積を、第2端面620bに近づくに従って次第に増大させている末広部を構成する。そして、難燃焼部620において第1端面620aを構成している部分が、流路CAに突出した状態となる。
【0100】
このため、その第1端面620aを構成している部分が、液体酸化剤、難燃焼部620が熱分解した熱分解ガス、その熱分解ガスが燃焼した燃焼ガス、及び火炎の4者を含む流体FLの流れを乱す。これにより、それら4者が撹拌されることで、難燃焼部620の熱分解が促進される。難燃焼部620の熱分解の促進は、ハイブリッドロケット800に付与する推力の向上に資する。
【0101】
このように、難燃焼部620において第1端面620aを構成している部分は、燃焼の開始後の初期の段階において、易燃焼部610の剥離を阻止するストッパー部の役割を果たすだけでなく、易燃焼部610の焼失後の段階において、難燃焼部620自身の燃焼を促進する役割も兼ねる。
【0102】
また、難燃焼部620における第1端面620aを構成している部分は、図3に示した厚肉部120に比べて、完全には焼失しにくい。このため、難燃焼部620自身の燃焼を促進する効果が持続しやすい。
【0103】
これは、難燃焼部620の内周面621が、流路CAの断面積を次第に増大させる末広部を構成しているため、流体FLの流速が、第1端面620aに当たるまでに適度に減速されることで、第1端面620aを構成している部分の局所的で過剰な損耗が抑えられることによると考えられる。
【0104】
また、難燃焼部620の内周面621に沿う流体FLの流れが、仮想直線VLから遠ざかる径方向外方の速度成分を有するため、難燃焼部620の内周面621が、仮想直線VLに平行なフラットな面になりにくいことも、第1端面620aを構成している部分が残留しやすい理由の1つと考えられる。
【0105】
[実施形態7]
上記実施形態6では、固体燃料600が複数のブロックBKに分割されていたが、固体燃料600は、必ずしも複数のブロックBKに分割されていなくてもよい。以下、その具体例を述べる。
【0106】
図10に示すように、本実施形態に係る固体燃料700は、一体の易燃焼部710と、一体の難燃焼部720とが接合されて構成されている。易燃焼部710と難燃焼部720の各々は、始端面100aから終端面100bにわたって延在している。
【0107】
難燃焼部720は、仮想直線VLと直交する径方向に関して、ケーシング820から遠ざかる向きに突出している段差部721と、その段差部721から、終端面100bに近づくに従って、次第にケーシング820に近づく向きに傾斜している末広部722とを有する。
【0108】
具体的には、難燃焼部720は、段差部721と末広部722との組を、長さ方向に複数組、具体的には、4組有する。隙間GP1に面している最上段のブロックBKの段差部721は、始端面100aを構成している。
【0109】
なお、本実施形態では、易燃焼部710が、難燃焼部720の各々の段差部721よりも径方向内方に厚さをもって存在している。固体燃料700が燃焼する前の初期状態における流路CAの内面は、全域にわたって易燃焼部710の易燃焼露出面711によって構成されている。
【0110】
また、本実施形態では、4つの段差部721のうち、始端面100aを構成するものを除く3つの段差部721が、易燃焼部710に食い込んでおり、易燃焼部710の剥離を阻止するストッパー部の役割を果たす。
【0111】
また、それら段差部721は、上記実施形態6に係る難燃焼部620の、図8に示した第2端面620aを構成している部分と同様、易燃焼部710の焼失後の段階において、難燃焼部720自身の燃焼を促進する役割も兼ねる。
【0112】
以上、実施形態1-7について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、以下に述べる変形も可能である。
【0113】
上記実施形態1では、易燃焼部110の材料としてパラフィンを採用し、難燃焼部140の材料としてアクリル樹脂を採用したが、易燃焼部110よりも難燃焼部140が燃焼しにくければ、易燃焼部110及び難燃焼部140の材料は特に限定されない。易燃焼部110の材料としてパラフィンを用いる場合、難燃焼部140の材料として、ポリエチレン樹脂又はABS樹脂を用いることもできる。他の実施形態においても同様である。
【0114】
上記実施形態1では、固体燃料100が、易燃焼部110と難燃焼部140とによって構成される場合を例示したが、固体燃料100は、易燃焼部110及び難燃焼部140以外の部分を有してもよい。具体的には、固体燃料100は、易燃焼部110及び難燃焼部140とは燃焼のしにくさの異なる第3の材料を含んでもよい。他の実施形態においても同様である。
【0115】
上記実施形態1では、固体燃料100をハイブリッドロケット800に適用した構成を例示したが、固体燃料100は、固体燃料ロケット等、ハイブリッドロケット800以外のロケットに適用することもできる。他の実施形態においても同様である。
【0116】
上記実施形態1-4及び6では、互いに同じ形状の複数のブロックBKを組み合わせた構成を例示したが、異なる形状のブロックBKを組み合わせてもよい。例えば、図1に示すブロックBKと、図8に示すブロックBKとを組み合わせてもよい。
【0117】
上記実施形態1-7では、流路CAの内面が、仮想直線VLを中心軸とする円柱の側面を構成している場合を例示したが、流路CAの内面は、仮想直線VLを中心軸とする、円柱以外の柱体、例えば、角柱の側面を構成していてもよい。
【0118】
上記実施形態5では、図7に示したように、ストッパー部としての厚肉部522が、仮想直線VLの周りの周方向に、全周にわたって延在する構成を例示したが、厚肉部522は、必ずしも周方向に全周にわたって延在していなくても、ストッパー部としての役割を果たし得る。図10に例示した段差部721についても同様である。難燃焼部520が、仮想中心軸VLに近づく径方向内方に、棒状に突出した突出部を有する場合でも、その突出部が易燃焼部510に食い込んでいることにより、その突出部がストッパー部としての役割を果たし得る。
【0119】
以下、図1に示した液体酸化剤供給装置810の具体例として用いることができる極低温液体供給装置について説明する。
【0120】
[比較形態]
まず、実施形態に係る極低温液体供給装置おいて解決しようとする課題を示すために、比較形態係る極低温液体供給装置を説明する。
【0121】
図16に示すように、比較形態に係る極低温液体供給装置3000は、内部に極低温液体ULが溜められる液密かつ気密なタンク3100を備える。タンク3100の上面には、内部に極低温液体ULを注入するための注入口3110が形成されている。注入口3110は、極低温液体ULの注入が完了した後に、気密かつ液密に閉塞される。
【0122】
また、極低温液体供給装置3000は、タンク3100の内部の極低温液体ULを、タンク3100よりも下方に配置される供給先SDへと案内する供給管3200を備える。供給管3200は、外管3210と、外管3210の内部を通っている内管3220とによって構成される2重管構造を有する。
【0123】
外管3210は、タンク3100の内部における上面から、タンクの内部における底面に向かって下方に延在する。内管3220の上端は、タンク3100の上面と対面する位置において開口している。内管3220の下端は、供給先SDにつながれている。
【0124】
また、極低温液体供給装置3000は、一端部がタンク3100の内部と連通したガス導出入管3400と、ガス導出入管3400の他端部につながれた3方バルブ3500と、一端部が3方バルブ3500につながれ、他端部がタンク3100の内部と連通したガス案内管3600とを備える。
【0125】
ガス導出入管3400の一端部は、タンク3100の内部における、外管3210の外側の領域と連通している。ガス案内管3600の他端部は、タンク3100の内部における、外管3210の内側の領域と連通している。
【0126】
また、極低温液体供給装置3000は、タンク3100の内部の極低温液体ULを、供給管3200を通して供給先SDへと押し出すための加圧用ガスを供給する加圧用ガス源3300を備える。加圧用ガス源3300も3方バルブ3500につながれている。
【0127】
まず、3方バルブ3500は、加圧用ガス源3300からの加圧用ガスの供給が断たれ、かつガス導出入管3400とガス案内管3600とが連通する加圧停止状態に設定される。この状態で、注入口3110を介してタンク3100に極低温液体ULが注入される。極低温液体ULの注入に伴って、タンク3100の内部の空気が、ガス導出入管3400、ガス案内管3600、及び内管3220を通して、供給先SDに押し出される。
【0128】
このとき、タンク3100の内部において、外管3210の外側と外管3210の内側とが、ガス導出入管3400及びガス案内管3600によって連通されているため、タンク3100の内部における外管3210の外側と外管3210の内側とで、極低温液体ULの液面の高さが等しく揃う。
【0129】
次に、3方バルブ3500が、ガス案内管3600の一端部が閉塞され、かつ加圧用ガス源3300とガス導出入管3400とが連通する加圧状態に切り換えられる。すると、加圧用ガス源3300から、ガス導出入管3400を通してタンク3100の内部に供給される加圧用ガスによって、外管3210の外側における極低温液体ULの液面が加圧される。
【0130】
これにより、外管3210の外側における極低温液体ULの液面が降下し、外管3210の内側における極低温液体ULの液面が上昇して、極低温液体ULが内管3220に流入する。流入した極低温液体ULは、内管3220を通して供給先SDに供給される。
【0131】
以上説明した極低温液体供給装置3000においては、加圧停止状態においてタンク3100に極低温液体ULを注入するときに、極低温液体ULの液面が、タンク3100の底面から、内管3220の上端の開口までの距離を表す限界高さHを超えないように、細心の注意を払う必要がある。
【0132】
極低温液体ULの液面が限界高さHを超えると、加圧用ガスを供給していないにも関わらず、極低温液体ULが内管3220に流入し、内管3220を通して供給先SDに流出してしまうオーバーフローが生じるからである。
【0133】
この問題を防止するためには、極低温液体ULの液面を限界高さHよりも充分に低く定めることが有効である。しかし、その場合、タンク3100の全容積に占める極低温液体ULの体積の割合である充填率が低いため、タンク3100を有効に活用できているとは言い難い。以下、この課題を解決する実施形態について説明する。
【0134】
[実施形態8]
図11に示すように、本実施形態に係る極低温液体供給装置1000は、内部に極低温液体ULが溜められる液密かつ気密なタンク1100を備える。タンク1100の上面には、内部に極低温液体ULを注入するための注入口1110が形成されている。注入口1110は、タンク1100への極低温液体ULの注入が完了した後に、気密かつ液密に閉塞される。
【0135】
また、極低温液体供給装置1000は、タンク1100の内部の極低温液体ULを、タンク1100よりも下方に配置される供給先SDへと案内する供給管1200と、タンク1100の内部の極低温液体ULを、供給管1200を通して供給先SDへと押し出すための加圧用ガスを供給する加圧用ガス源1300とを備える。
【0136】
供給管1200は、極低温液体ULが流入する流入端部1200aと、極低温液体ULが流出する流出端部1200bとを有し、流入端部1200aから流出端部1200bにわたって、極低温液体ULが流れる管路を構成している。流入端部1200aは、タンク1100の内部で極低温液体ULに浸漬される。流出端部1200bは、供給先SDにつながれている。
【0137】
本実施形態に係る供給管1200は、極低温液体ULが流れる管路に沿って、流入端部1200aから流出端部1200bまでの間に、タンク1100から上方に突出している上方突出部としての折り返し部1220を有する点を最大の特徴としている。
【0138】
具体的には、供給管1200は、折り返し部1220の他、流入端部1200aから折り返し部1220に至る上方案内部1210と、折り返し部1220から供給先SDに至る下方案内部1230とを有し、全体として逆U字状に形成されている。
【0139】
上方案内部1210の一端部は、流入端部1200aを構成している。上方案内部1210の他端部は、折り返し部1220につながれている。上方案内部1210は、流入端部1200aから折り返し部1220に向けて、極低温液体ULを上方に案内する。
【0140】
折り返し部1220は、上方案内部1210によって上方に案内された極低温液体ULを、タンク1100の内部に向けて下方に折り返す。このように、折り返し部1220は、極低温液体ULが流れる管路の一部を構成している。
【0141】
下方案内部1230の一端部は、折り返し部1220につながれている。下方案内部1230は、タンク1100の底面を貫いており、下方案内部1230の他端部は、流出端部1200bを構成している。下方案内部1230は、折り返し部1220において下方に折り返された極低温液体ULを、タンク1100の内部を経由して、供給先SDに向けて下方に案内する。
【0142】
また、極低温液体供給装置1000は、一端部がタンク1100の内部と連通したガス導出入管1400と、ガス導出入管1400の他端部につながれたガスバルブとしての3方バルブ1500と、一端部が3方バルブ1500につながれたガス案内管1600とを備える。ガス案内管1600の他端部は、供給管1200の下方案内部1230における、タンク1100の底面から供給先SDまでの間の部分につながれている。
【0143】
3方バルブ1500には、加圧用ガス源1300も接続されている。3方バルブ1500は、加圧用ガス源1300からタンク1100への加圧用ガスの供給が断たれ、かつガス導出入管1400とガス案内管1600とが連通する加圧停止状態と、ガス導出入管1400とガス案内管1600との連通が断たれ、かつ加圧用ガス源1300とガス導出入管1400とが連通する加圧状態との間で切り換え可能である。
【0144】
図11は、加圧停止状態の極低温液体供給装置1000を示す。加圧停止状態において、ユーザは、注入口1110からタンク1100に極低温液体ULを注入する。極低温液体ULの注入に伴って、注入された極低温液体ULによって、タンク1100の内部の空気が、ガス導出入管1400、ガス案内管1600、及び下方案内部1230を通して、供給先SDに押し出される。
【0145】
このため、タンク1100には、極低温液体ULと置換された空気を排出するための空気排出孔を形成する必要がない。但し、タンク1100に空気排出孔を形成してもよいし、注入口1110の一部が空気排出孔の役割を果たしてもよい。
【0146】
また、このとき、ガス導出入管1400及びガス案内管1600を通して、タンク1100の内部と供給管1200の内部とが連通しているため、タンク1100の内部と供給管1200の内部とで気圧が等しい。従って、タンク1100の内部における極低温液体ULの液面の高さと、上方案内部1210における極低温液体ULの液面の高さとが等しく揃う。
【0147】
なお、本実施形態では、供給先SDの気圧が大気圧と等しく、加圧停止状態では、タンク1100の内部及び供給管1200の内部が、大気圧に保たれる。
【0148】
そして、折り返し部1220が、タンク1100から上方に突出しているため、タンク1100に極低温液体ULを注入したとき、供給管1200によって構成される管路における、少なくとも折り返し部1220から流出端部1200bまでの間に、空隙部VPが確保される。
【0149】
従って、タンク1100に極低温液体ULを注入したときに、極低温液体ULが供給管1200を通して供給先SDに流出してしまうオーバーフローの問題を回避できる。このため、タンク1100に極低温液体ULを注入する作業を手軽に行うことができる。
【0150】
また、タンク1100の内部における極低温液体ULの液面を従来よりも高く設定してもオーバーフローの問題を回避できる。具体的には、タンク1100の内部における極低温液体ULの液面の高さを、図16に示した限界高さHよりも高く設定することができる。このため、タンク1100への極低温液体ULの充填率を従来よりも高めうる。
【0151】
なお、タンク1100への極低温液体ULの注入が完了すると、注入口1110が気密かつ液密に閉塞される。この状態において、タンク1100の内部で極低温液体ULが気化したガスは、ガス導出入管1400を通してタンク1100の外部に排出される。つまり、ガス導出入管1400は、タンク1100の内部で極低温液体ULが気化したガスを、タンク1100の外部に排出するガス排出部の役割を果たす。
【0152】
ガス導出入管1400から排出されたガスは、ガス案内管1600を通して供給先SDへと導かれる。具体的には、ガス導出入管1400から排出されたガスは、ガス案内管1600と、供給管1200の下方案内部1230における空隙部VPとを通して、供給先SDへと供給される。このため、加圧停止状態において、タンク1100の昇圧が抑制される。
【0153】
そして、極低温液体ULを供給先SDに供給する所望のタイミングで、3方バルブ1500が加圧状態に切り換えられる。以下、加圧状態における極低温液体供給装置1000の動作について説明する。
【0154】
図12に示すように、3方バルブ1500が加圧状態に切り換えられると、ガス導出入管1400とガス案内管1600との連通が断たれるため、極低温液体ULが気化したガスの、ガス導出入管1400からの排出が断たれる。
【0155】
そして、加圧用ガス源1300とガス導出入管1400とが連通するため、加圧用ガス源1300から、ガス導出入管1400を通してタンク1100に加圧用ガスが供給される。このように、ガス導出入管1400は、加圧用ガスをタンク1100に案内する役割も果たす。
【0156】
これにより、タンク1100の内部における極低温液体ULの液面が、加圧用ガスによって、下方に加圧される。これに伴い、極低温液体ULが、流入端部1200aから上方案内部1210に流入する。
【0157】
上方案内部1210に流入した極低温液体ULは、折り返し部1220に向かって上昇し、折り返し部1220において折り返されて、流出端部1200bを経て供給先SDに向かって降下する。このようにして、加圧用ガスによって、極低温液体ULが、流入端部1200aから流出端部1200bを通して、供給先SDへと押し出される。
【0158】
下方案内部1230がタンク1100の内部を通っており、折り返し部1220において下方に折り返された極低温液体ULが、タンク1100の内部を経由して、供給先SDに供給される。このため、下方案内部1230がタンク1100の外部に配置されている場合に比べると、下方案内部1230を流れる極低温液体ULが、外気によって加温されにくい。
【0159】
[実施形態9]
上記実施形態8では、逆U字状の供給管1200を用いたが、供給管1200は、極低温液体ULを一旦タンク1100よりも上方へと案内し、タンク1100よりも上方において下方に折り返すものであれば、その形状は特に限定されない。以下、供給管1200の形状を変形した具体例について述べる。
【0160】
図13に示すように、本実施形態に係る極低温液体供給装置2000は、内部に極低温液体ULが溜められる液密かつ気密なタンク2100と、タンク2100の内部の極低温液体ULを、タンク2100よりも下方に配置される供給先SDへと案内する供給管2200と、タンク2100の内部の極低温液体ULを、供給管2200を通して供給先SDへと押し出すための加圧用ガスを供給する加圧用ガス源2300とを備える。
【0161】
供給管2200は、極低温液体ULが流入する流入端部2200aと、極低温液体ULが流出する流出端部2200bとを有し、流入端部2200aから流出端部2200bにわたって、極低温液体ULが流れる管路を構成している。流入端部2200aは、タンク2100の内部で極低温液体ULに浸漬される。流出端部2200bは、供給先SDにつながれている。
【0162】
本実施形態に係る供給管2200は、極低温液体ULが流れる管路に沿って、流入端部2200aから流出端部2200bまでの間に、タンク2100から上方に突出している上方突出部2200cを有する点を最大の特徴としている。
【0163】
具体的には、供給管2200は、直管状の外管2210と、外管2210の内部を通り、かつタンク2100を貫通している直管状の内管2220とを有する。
【0164】
外管2210の一端部は、流入端部2200aを構成している。外管2210の他端部は、上方突出部2200cを構成している。内管2220の一端部は、上方突出部2200cの内部において開口している。内管2220の他端部は、流出端部2200bを構成している。
【0165】
外管2210の内面と、内管2220の外面とによって、流入端部2200aから上方突出部2200cに向かって極低温液体ULが上方に案内される。そして、上方突出部2200cにおいて極低温液体ULが内管2220の一端部の開口に流入され、流入された極低温液体ULが、内管2220によって供給先SDへと案内される。
【0166】
また、極低温液体供給装置2000は、一端部がタンク2100の内部と連通したガス導出入管2400と、ガス導出入管2400の他端部につながれたガスバルブとしての3方バルブ2500と、一端部が3方バルブ2500につながれたガス案内管2600とを備える。
【0167】
ガス導出入管2400の一端部は、タンク2100の内部における、外管2210の外側の領域と連通している。ガス案内管2600の他端部は、タンク2100の内部における、外管2210の内側の領域、具体的には、上方突出部2200cの内部と連通している。
【0168】
3方バルブ2500には、加圧用ガス源2300も接続されている。3方バルブ2500は、加圧用ガス源2300からタンク2100への加圧用ガスの供給が断たれ、かつガス導出入管2400とガス案内管2600とが連通する加圧停止状態と、ガス導出入管2400とガス案内管2600との連通が断たれ、かつ加圧用ガス源2300とガス導出入管2400とが連通する加圧状態との間で切り換え可能である。
【0169】
図13は、加圧停止状態の極低温液体供給装置2000を示す。加圧停止状態において、ユーザは、注入口2110から、タンク2100の内部における外管2210の外側の領域に、極低温液体ULを注入する。その過程で、注入された極低温液体ULによって、タンク2100の内部の空気が、ガス導出入管2400、ガス案内管2600、及び内管2220を通して、供給先SDに押し出される。
【0170】
また、このとき、ガス導出入管2400及びガス案内管2600を通して、タンク2100の内部における外管2210の内側の領域と外側の領域とが連通しているため、タンク2100の内部において、外管2210の内側と外側とで気圧が等しい。従って、タンク2100の内部における外管2210の内側と外側とで、極低温液体ULの液面の高さが等しく揃う。
【0171】
なお、本実施形態では、供給先SDの気圧が大気圧と等しく、加圧停止状態では、タンク2100の内部において、外管2210の内側と外側とが大気圧に保たれる。
【0172】
そして、上方突出部2200cがタンク2100から上方に突出しているため、タンク2100に極低温液体ULを注入したとき、供給管2200によって構成される、極低温液体ULが流れる管路における、少なくとも上方突出部2200cから流出端部2200bまでの間に、空隙部VPが確保される。
【0173】
従って、タンク2100に極低温液体ULを注入したときに、極低温液体ULが内管2220を通して供給先SDに流出してしまうオーバーフローの問題を回避できる。このため、タンク2100に極低温液体ULを注入する作業を手軽に行うことができる。
【0174】
また、タンク2100の内部における極低温液体ULの液面を従来よりも高く設定してもオーバーフローの問題を回避できる。具体的には、タンク2100の内部における極低温液体ULの液面の高さを、図16に示した限界高さHよりも高く設定することができる。このため、タンク2100への極低温液体ULの充填率を従来よりも高めうる。
【0175】
なお、タンク2100への極低温液体ULの注入が完了すると、注入口2110が気密かつ液密に閉塞される。この状態において、タンク2100の内部で極低温液体ULが気化したガスは、ガス導出入管2400を通してタンク2100の外部に排出される。つまり、ガス導出入管2400は、タンク2100の内部で極低温液体ULが気化したガスを、タンク2100の外部に排出するガス排出部の役割を果たす。
【0176】
ガス導出入管2400から排出されたガスは、ガス案内管2600と、上方突出部2200c及び内管2220における空隙部VPとを通して、供給先SDへと導かれる。このため、加圧停止状態において、タンク2100の昇圧が抑制される。
【0177】
そして、極低温液体ULを供給先SDに供給する所望のタイミングで、3方バルブ2500が加圧状態に切り換えられる。以下、加圧状態における極低温液体供給装置2000の動作について説明する。
【0178】
図14に示すように、3方バルブ2500が加圧状態に切り換えられると、ガス導出入管2400とガス案内管2600との連通が断たれるため、極低温液体ULが気化したガスの、ガス導出入管2400からの排出が断たれる。
【0179】
そして、加圧用ガス源2300とガス導出入管2400とが連通するため、加圧用ガス源2300から、ガス導出入管2400を通してタンク2100に加圧用ガスが供給される。このように、ガス導出入管2400は、加圧用ガスをタンク2100に案内する役割も果たす。これにより、タンク2100の内部における極低温液体ULの液面が、加圧用ガスによって、下方に加圧される。
【0180】
これに伴い、極低温液体ULが、流入端部2200aから、外管2210と内管2220との間に流入する。流入した極低温液体ULは、上方突出部2200cに向かって上昇し、上方突出部2200cにおいて折り返されて、内管2220を通って供給先SDに向かって降下する。このようにして、加圧用ガスによって、極低温液体ULが、流入端部2200aから流出端部2200bを通して、供給先SDへと押し出される。
【0181】
[実施形態10]
上記実施形態8及び9に係る極低温液体供給装置1000及び2000の用途は限定されないが、ハイブリッドロケットにおいて、極低温液体ULとしての液体酸化剤を供給する用途に特に適する。以下、上記実施形態8に係る極低温液体供給装置1000をハイブリッドロケットに適用した具体例について述べる。
【0182】
図15に示すように、本実施形態に係るハイブリッドロケット4000は、固体燃料4110を有する燃焼部4100と、極低温液体ULとしての液体酸素を固体燃料4110に供給する極低温液体供給装置1000とを備える。
【0183】
燃焼部4100は、固体燃料4110の他、固体燃料4110を収容しているケーシング4120と、ケーシング4120につながれたノズル4130とを有する。
【0184】
ケーシング4120は、ハイブリッドロケット4000が推進する方向と平行な仮想直線VLを中心軸とする中空筒状に形成されている。ケーシング4120の、仮想直線VLの延在方向の一端部に、極低温液体供給装置1000の流出端部1200bがつながれている。ノズル4130は、ケーシング4120の他端部につながれている。
【0185】
ケーシング4120内において、固体燃料4110は、仮想直線VLに沿って延びた空洞部である流路CAを画定している。この流路CAが、図11に示した供給先SDに該当する。固体燃料4110の、仮想直線VLの延在方向の両端面は開口している。固体燃料4110の一端面である始端面4110aの開口と、他端面である終端面4110bの開口とが、流路CAによって連通している。
【0186】
ケーシング4120の、極低温液体供給装置1000とつながれる一端部の内壁と、固体燃料4110の始端面4110aとの間には、隙間GPが確保されている。燃焼部4100は、隙間GPに配置された噴霧器4140、及び隙間GPに面するように配置されたイグナイター4150も有する。
【0187】
噴霧器4140は、極低温液体供給装置1000によって供給された液体酸素を霧化する。霧化された液体酸素が、固体燃料4110の始端面4110aの開口から流路CAに流入する。つまり、極低温液体供給装置1000は、噴霧器4140を通して、固体燃料4110の流路CAに液体酸素を供給する。
【0188】
以下、ハイブリッドロケット4000の動作を説明する。まず、イグナイター4150が、高温の燃料ガスを発生させる。イグナイター4150によって発生された燃料ガスは、流路CAに流入し、固体燃料4110が一部熱分解した状態となる。
【0189】
この状態で、極低温液体供給装置1000が、液体酸素の供給を開始する。極低温液体供給装置1000によって供給された液体酸素は、噴霧器4140において霧化されて、流路CAに流入する。すると、霧化された液体酸素が流路CAの内壁面近傍に到達することによって燃料ガスが燃焼され、これにより固体燃料4110の、流路CAに面する内面の熱分解が促進され、かつ火炎及び燃焼ガスが生成される。
【0190】
火炎及び燃焼ガスは、始端面4110aの開口から終端面4110bの開口に向かって、流路CAを流れる。その過程で、火炎及び燃焼ガスが、未燃の固体燃料4110の表層部を熱分解させて燃料ガスを生じさせ、再びその燃料ガスが燃焼する。
【0191】
このようにして、固体燃料4110は、始端面4110aから終端面4110bに向かう燃焼ガスの流動が流路CAに生じる態様で燃焼される。終端面4110bの開口から流出した燃焼ガスは、ノズル4130において超音速に加速され、ノズル4130から噴出する。その噴出に対する反作用によって、ハイブリッドロケット4000が推力を得て推進する。
【0192】
以上、実施形態8-10について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、以下に述べる変形も可能である。
【0193】
上記実施形態8では、図11に示したように、一端部が3方バルブ1500につながれたガス案内管1600の他端部が、下方案内部1230につながれた構成を採ったが、ガス案内管1600の他端部は、必ずしも下方案内部1230につながれていなくてもよく、供給管1200における空隙部VPが構成される部分につながれていればよい。
【0194】
実施形態8及び9に係る極低温液体供給装置1000及び2000の用途は、特にハイブリッドロケット4000に限定されない。実施形態8及び9に係る極低温液体供給装置1000及び2000は、例えば、液体酸素、液体水素、液体窒素、液体ヘリウム等の極低温液体ULを供給するあらゆる用途に利用することができる。
【0195】
上記実施形態10を、上記実施形態1-7のいずれかに適用してもよい。つまり、図15に示す固体燃料4110として、図2に示す固体燃料100、図4に示す固体燃料200、図5に示す固体燃料300、図6に示す固体燃料400、図7に示す固体燃料500、図8に示す固体燃料600、又は図10に示す固体燃料700を用いてもよい。
【0196】
本発明は、その広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされる。上記実施形態は、本発明を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の範囲は、実施形態でなく、請求の範囲によって示される。請求の範囲内及びそれと同等の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【0197】
本出願は、2018年7月9日に出願された日本国特許出願2018-130158号と、2018年7月13日に出願された日本国特許出願2018-132797号とに基づく。本明細書中に、それら日本国特許出願の明細書、特許請求の範囲、及び図面全体を参照として取り込むものとする。
【符号の説明】
【0198】
100,200,300,400,500,600,700…固体燃料、
100a…始端面、
100b…終端面、
110,410,510,610,710…易燃焼部、
111,411,511,611,711…易燃焼露出面、
120,522…厚肉部(ストッパー部)、
121…難燃焼露出面、
130,440,521…薄肉部、
140,450,520,620,720…難燃焼部、
140a,450a,620a…第1端面、
140b,450b,620b…第2端面、
420…第1厚肉部、
421…第1難燃焼露出面、
430…第2厚肉部(ストッパー部)、
431…第2難燃焼露出面、
621…内周面(内面)、
721…段差部、
722…末広部、
800…ハイブリッドロケット(ロケット)、
810…液体酸化剤供給装置、
811…タンク、
812…加圧用ガス源、
813…気体用バルブ、
814…液体用バルブ、
820…ケーシング、
830…ノズル、
840…噴霧器、
850…イグナイター、
860…ストッパー、
1000,2000,3000…極低温液体供給装置(液体酸化剤供給装置)、
1100,2100,3100…タンク、
1110,2110,3110…注入口、
1200,2200,3200…供給管、
1200a,2200a…流入端部、
1200b,2200b…流出端部、
1210…上方案内部、
1220…折り返し部(上方突出部)、
1230…下方案内部、
1300,2300,3300…加圧用ガス源、
1400,2400…ガス導出入管(ガス排出部)、
1500,2500…3方バルブ(ガスバルブ)、
1600,2600…ガス案内管、
2200c…上方突出部、
2210,3210…外管、
2220,3220…内管、
3400…ガス導出入管、
3500…3方バルブ、
3600…ガス案内管、
4000…ハイブリッドロケット、
4100…燃焼部、
4110…固体燃料、
4110a…始端面、
4110b…終端面、
4120…ケーシング、
4130…ノズル、
4140…噴霧器、
4150…イグナイター、
AP…開口、
BK…ブロック、
CA…流路(空洞部、供給先)、
FL…流体、
GP…隙間、
GP1…隙間(前部燃焼室)、
GP2…隙間(後部燃焼室)、
H…限界高さ、
SD…供給先、
UL…極低温液体(液体酸化剤)、
VL…仮想直線、
VP…空隙部。
図1
図2
図3
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