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特許7390771情報処理システム、プログラム、情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20231127BHJP
   G06Q 30/0226 20230101ALI20231127BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
G06Q30/0226
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023156242
(22)【出願日】2023-09-21
【審査請求日】2023-09-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523246949
【氏名又は名称】ジオフラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 雄一
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 敏貴
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 一圭
(72)【発明者】
【氏名】岸田 崇志
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-82608(JP,A)
【文献】特開2003-91672(JP,A)
【文献】特開2013-61707(JP,A)
【文献】特開2015-75969(JP,A)
【文献】特開2013-5919(JP,A)
【文献】特開2012-256233(JP,A)
【文献】特開2014-199601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実世界における利用者の行動記録データを収集するデータ収集部と、
前記行動記録データに応じたポイントを前記利用者に付与する第1ポイント付与部と、
前記利用者が前記ポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する地点情報記憶部と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する位置判定部と、を備え、
前記行動記録データは、前記利用者の歩数、前記利用者の運動に関する記録データ、前記利用者の食事に関する記録データ、及び、前記利用者の睡眠に関する記録データから選択される1種以上のデータを含み、
前記第1ポイント付与部は、前記歩数に応じた前記ポイント、前記運動に関する記録データに対する前記ポイント、前記食事に関する記録データに対する前記ポイント、及び、前記睡眠に関する記録データに対する前記ポイントのうちから選択される1種以上を前記利用者に付与する情報処理システム。
【請求項2】
前記特典は、抽選の実行により決定される景品であり、
前記位置判定部が前記利用者に付与する前記権限は、所定量の前記ポイントを消費して前記抽選を実行するための権限である請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記抽選は、オンライン上で複数の景品候補のうちから少なくとも1つの前記景品を選び出す抽選を含み、
オンライン上における前記抽選を実行する抽選実行部を、さらに備える請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記行動記録データは、前記利用者の歩数、及び、前記利用者の移動距離を含み、
前記第1ポイント付与部は、前記歩数に応じた前記ポイント、及び、前記移動距離に応じた前記ポイントの両方を付与する請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記地点情報記憶部は、前記利用者が前記ポイントを獲得可能な現実世界におけるポイント獲得可能地点を記憶しており、
前記ポイント獲得可能地点を訪れた前記利用者に対して前記ポイントを付与する第2ポイント付与部、をさらに備える請求項1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項6】
利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する処理と、
前記利用者の歩数、前記利用者の運動に関する記録データ、前記利用者の食事に関する記録データ、及び、前記利用者の睡眠に関する記録データから選択される1種以上のデータを含む、現実世界における前記利用者の行動記録データを収集する処理と、
前記歩数に応じた前記ポイント、前記運動に関する記録データに対する前記ポイント、前記食事に関する記録データに対する前記ポイント、及び、前記睡眠に関する記録データに対する前記ポイントのうちから選択される1種以上を含む、前記行動記録データに応じた前記ポイントを前記利用者に付与する処理と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する処理と、
前記利用者の歩数、前記利用者の運動に関する記録データ、前記利用者の食事に関する記録データ、及び、前記利用者の睡眠に関する記録データから選択される1種以上のデータを含む、現実世界における前記利用者の行動記録データを収集する処理と、
前記歩数に応じた前記ポイント、前記運動に関する記録データに対する前記ポイント、前記食事に関する記録データに対する前記ポイント、及び、前記睡眠に関する記録データに対する前記ポイントのうちから選択される1種以上を含む、前記行動記録データに応じた前記ポイントを前記利用者に付与する処理と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する処理と、をコンピュータが実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポイントサービスを提供するための情報処理システム、プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの運動に伴う歩数又は移動距離などに応じてポイントを発行するポイント付与システムが知られている。例えば、特許文献1は、運動量計側部が計測したユーザの運動量に対してポイントを付与し、そのポイントをマイレージポイント又はカードポイントに交換できるポイント付与システムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-331058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示しているようなポイント付与システムは、ユーザの健康促進を主な目的として提供されるが、このようなポイント付与システムにおけるポイントの付与又はポイントの使用に工夫を施すことができれば、健康促進以外の新たな価値を創出できる余地がある。
【0005】
本開示における例示的な実施形態の目的は、店舗等の地点への来訪動機を創出することができるポイントサービスに関わる情報処理システム、プログラム、及び、情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係わる情報処理システムは、
現実世界における利用者の行動記録データを収集するデータ収集部と、
前記行動記録データに応じたポイントを前記利用者に付与する第1ポイント付与部と、
前記利用者が前記ポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する地点情報記憶部と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する位置判定部と、を備える。
【0007】
情報処理システムが上記の特徴を有することで、ポイント交換地点に設定された地点への来訪動機を創出することができる。
【0008】
本開示の一態様に係わるプログラムは、
利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する処理と、
現実世界における前記利用者の行動記録データを収集する処理と、
前記行動記録データに応じた前記ポイントを前記利用者に付与する処理と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0009】
プログラムが上記の特徴を有することで、ポイント交換地点に設定された地点への来訪動機を創出することができる。
【0010】
本開示の一様態に係わる情報処理方法は、
利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する処理と、
現実世界における前記利用者の行動記録データを収集する処理と、
前記行動記録データに応じた前記ポイントを前記利用者に付与する処理と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する処理と、をコンピュータが実行する方法である。
【0011】
情報処理方法が上記の特徴を有することで、ポイント交換地点に設定された地点への来訪動機を創出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本開示の一実施形態に係わる情報処理システムの構成例を示す概略図である。
図2図2は、図1に示すサーバの機能上の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、図1に示すユーザ端末の機能上の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、情報処理システムが実行する処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は、情報処理システムが実行する処理の他の一例を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、ユーザ端末に表示されるユーザーインターフェースの一例を示す模式図である。
図7図7は、ユーザ端末に表示されるユーザーインターフェースの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の一実施形態に係わる情報処理システム10を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面は本実施形態を説明するための例示であり、各図面で示すシステム構成、ブロック図、及びフローチャートなどは、技術的に問題が生じない範囲内で改変したり、変更したりしてもよい。また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付すことにより重複説明を省略する。
【0014】
<システムの概要>
本実施形態に係わる情報処理システム10は、インターネット網などのネットワークNを介してポイントの収集及び消費に関わるポイントサービスを、利用者3に提供するためのシステムである。本実施形態で記す「ポイント」は、何らかの経済的な価値を有する電子データの総称であって、「ポイント」は、スコア、コイン、スタンプ、マネー、ダラー、マイルなどの表現で読み替えられてもよい。図1に示すように、情報処理システム10は、少なくとも1つのサーバ20、及び、少なくとも1つのユーザ端末30、を主要構成として備える。これら主要構成は、ネットワークNを介して互いにアクセス可能に接続される。
【0015】
情報処理システム10が提供するポイントサービスでは、利用者3の行動記録データに応じて利用者3にポイントを付与する。情報処理システム10が利用者3に付与する該ポイントは、商品又はサービスの購入などの決済と引き換えに発行されるポイントではなく(つまり、決済をポイント発行の必須条件とはしない)、利用者3の歩行、移動などの日常行動に関わる行動記録データに基づいて発行されるポイントである。行動記録データは、利用者3の日常行動に基づいて記録・収集されるデータであって、定量的なデータであってもよく、定性的なデータであってもよい。また、行動記録データは、センサなどの物理的計測手段によって収集されてもよいし、利用者3の入力操作によって収集されてもよい。
【0016】
この行動記録データに応じて発行されるポイントは、クレジットカードなどの他の決済サービスのポイント、電子マネー、実店舗又はオンラインストアで利用可能な金券などの金銭的電子データに交換可能であってもよい。ただし、行動記録データに応じたポイントの用途は、金銭的電子データへの交換に限定されない。むしろ、情報処理システム10のポイントサービスでは、所定量の該ポイントを消費することによって、該ポイントを直接的に商品及び/又はサービスと交換可能である。具体的に、ポイントを収集した利用者3は、ポイント交換地点を訪問することで、所定量のポイントを特典に交換することができる。情報処理システム10では、利用者3がポイント交換地点を訪れたことを検知して、該利用者3に対してポイントを消費して特典を獲得する権限を付与する。
【0017】
ポイント交換地点は、利用者3がポイントを活用して特典を獲得できる現実世界における地点(つまり、ポイントを消費して、ポイントを特典に交換できる地点)である。ポイント交換地点に設定される地点の条件は、特に限定されず、例えば、ポイント交換地点は、店舗、複合商業施設、娯楽施設、公共施設などの商品及び/又はサービスを提供する施設であってもよく、商品及びサービスの提供を伴わないその他の地点であってもよい。その他の地点としては、例えば、アニメ、漫画、映画、ドラマなどの舞台となった地点、著名人又は偉人などの人物にゆかりのある地点、公園、その他観光スポットなどが挙げられる。
【0018】
ポイントと交換される特典としては、例えば、有体物である景品、デジタルコンテンツ(例えば、音楽、映像など)、及び、ポイント交換地点で利用者3に提供されるサービスなどが挙げられ、景品が特典に含まれていることが好ましい。特典が景品である場合は、景品を利用者3に提供する筐体50がポイント交換地点に設置してあってもよい。また、ポイントと交換される景品を利用者3に受け渡す手段がポイント交換地点に準備されていなくともよく、ポイントと交換される景品自体がポイント交換地点に準備されていなくともよい。
【0019】
例えば、ポイント交換地点を訪問した利用者3に付与する景品が決定されると、該景品の情報及び該景品を獲得した利用者3の情報が紐づけられ、これらの情報が、ユーザ端末30からサーバ20を介して、配送業者7の配送業者端末70に通知される。該通知を受け取った配送業者7が、ポイントと交換された特典である景品を利用者3の自宅に配送してもよい。ポイントと交換する景品の内容は、ポイント交換地点において決定されるが、景品の受け渡しは、配送サービスを利用して実行されてもよい。ポイント交換地点には、筐体50が設置されている地点、及び/又は、筐体50が設置されていない地点が含まれてもよい。
【0020】
特典は、利用者3の選択によって決定されてもよく、複数の特典候補のうちから少なくとも1つの特典をランダムに選び出す抽選により決定されてもよい。抽選により特典内容を決定する場合、筐体50を利用して抽選が実行されてもよい。つまり、筐体50は、カプセルトイのような、複数の商品のうちからランダムに少なくとも1つの商品を選択する抽選機であってもよい。また、抽選は、オンライン上で複数の特典候補のうちからランダムに少なくとも1つの特典を選び出す抽選であってもよい。このようなオンライン上の抽選(以下、オンライン抽選と称する)は、本来、場所の制限を受けることなく、何処でも実行可能なものであるが、情報処理システム10におけるオンライン抽選は、利用者3がポイント交換地点を訪れることを条件とし、ポイント交換地点でのみ実行可能である。すなわち、情報処理システム10のオンライン抽選では、利用者3の現在位置(ユーザ端末30の現在位置に相当する)に対して制約を設ける。
【0021】
抽選により特典内容を決定する場合、各ポイント交換地点は、筐体50を利用する抽選又はオンライン抽選のいずれか一方のみが実行可能な地点であってもよいし、筐体50を利用する抽選及びオンライン抽選の両方が実行可能な地点であってもよい。
【0022】
以下、情報処理システム10を構築するサーバ20及びユーザ端末30について詳述する。
【0023】
<サーバの構成>
サーバ20は、ポイントサービスを運営及び管理する際に利用する情報処理装置であって、ポイントサービスを提供する事業者1に配備されている。情報処理装置としてのサーバ20は、たとえば、ワークステーションもしくはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータであってもよく、クラウド・コンピューティング技術により論理的に構築されていてもよい。
【0024】
サーバ20は、図2に示すように、サーバ20全体の制御を行う制御部21と、各種データ及びアプリケーションプログラムを記憶する記憶部22と、ネットワークNを介してユーザ端末30との間でデータを送受信するサーバ通信部23と、を有する。
【0025】
<制御部(サーバ)>
制御部21は、サーバ20の各要素間のデータの受け渡し(例えば、制御部21と記憶部22の間のデータ受け渡し、制御部21とサーバ通信部23との間のデータ受け渡し、など)を行うとともに、サーバ20全体の制御を行う構成要素である。制御部21は、ポイントサービスの提供に必要な各種情報処理を実行する機能を有しており、制御部21の該機能は、CPU(Central Processing Unit)、及び/又は、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置が所定のストレージに格納されたデータ及びプログラムを読み出し、メモリの作業領域で各種プログラムを実行することによって実現される。
【0026】
制御部21は、実行する情報処理の種類に応じた複数の機能部を有する。たとえば、制御部21は、機能部として、ポイント付与部210と、位置判定部213と、抽選実行部214と、ポイント変動処理部215と、を備えていてもよい。これら機能部の一部又は全部は、ユーザ端末30の制御部31に備わっていてもよい。
【0027】
ポイント付与部210は、利用者3にポイントを付与する処理を実行する。ポイントを付与する処理は、所定の条件に基づいて実行され、利用者3がポイントを取得する条件として、複数の条件が設定されていてもよい。情報処理システム10では、ポイント付与の条件として、利用者3の行動記録データが設定されており、ポイント付与部210は、少なくとも、該行動記録データに応じたポイントを利用者3に付与する処理を実行する第1ポイント付与部211を有する。
【0028】
行動記録データは、利用者3の日常行動によって収集・蓄積されるデータである。ポイント付与の条件として設定される行動記録データは、必ずしも限定されず、歩行及び走行などに基づく歩数、移動距離(移動量であってもよい)、運動による消費カロリー、食事によって摂り入れられる摂取カロリー、及び、睡眠の質に関するスコアから選択される少なくとも1種のデータであってもよい。後述するポイントの消費との相乗効果を創出する観点から、第1ポイント付与部211は、歩数、及び/又は、移動距離に応じたポイントを利用者3に付与することが好ましく、歩数に応じたポイント、及び、移動距離に応じたポイントの両方を利用者3に付与することがより好ましい。また、移動距離を行動記録データとして採用する場合、移動距離の算出対象とする移動方法を利用者3自身の歩行及び走行に制限してもよいが、移動方法に制限を設けないことが好ましい。つまり、利用者3自身の歩行及び走行のみならず、自転車、車、電車、船、及び、飛行機などの乗り物を利用した移動方法を、移動距離の算出対象として設定してもよい。
【0029】
なお、上記の行動記録データは、後述するユーザ端末30において収集され、収集された行動記録データが、端末通信部37からサーバ通信部23を介して第1ポイント付与部211に伝達される。第1ポイント付与部211は、ユーザ端末30から行動記録データを受信すると、ポイントを付与する処理を実行する。このポイント付与の処理の実行に際して、第1ポイント付与部211は、行動記録データをポイントに変換する処理を実行してもよい。行動記録データをポイントに変換する処理では、変換レートが設定されてもよい。
【0030】
変換レートは、行動記録データの種類に応じて適宜設定されてよい。例えば、歩数の場合、変換レートを0.01ポイント/歩数(100歩で1ポイント獲得できる変換レート)に設定したり、移動距離の場合、変換レートを10ポイント/km(1kmの移動で10ポイント獲得できる変換レート)に設定したりすることが考えられる。変換レートは、固定値として設定されてもよく、可変値として設定されてもよい。変換レートを可変値とする場合、所定の条件に基づき全ての利用者3における変換レートを一律に変更してもよいし(例えば、期間限定キャンペーンで変換レートを変更するなど)、利用者3ごとに変換レートを変更してもよい(例えば、利用者3の情報又はポイントサービスの利用履歴に応じて変換レートを変更するなど)。
【0031】
また、行動記録データをポイントに換算する処理では、最小交換単位を設定してもよい。ここで示す最小交換単位は、ポイントへの変換が可能な行動記録データの最小量を意味し、例えば、1000歩単位で歩数を所定ポイントに変換可能な設定にすること(最小交換単位1000歩)、3km単位で移動距離をポイントに変換可能な設定にすること、などが考えられる。行動記録データをポイントに換算する処理は、変換レート及び最小交換単位の両方の設定に基づいて実行されてもよい。最小交換単位についても、変換レートと同様に、固定値として設定されてもよく、可変値として設定されてもよい。最小交換単位を可変値とする場合、所定の条件に基づき全ての利用者3における最小交換単位を一律に変更してもよいし、利用者3ごとに最小交換単位を変更可能な仕様に設定してもよい。
【0032】
行動記録データをポイントに変換する処理は、行動記録データが最小交換単位に達することをトリガーとして、自動的に実行されてもよいし、利用者3の選択をトリガーとして実行されてもよい。後者の場合、所定量の行動記録データが蓄積された後、利用者3が、ユーザ端末30を操作して、蓄積した行動記録データをポイントに変換する選択を行うことで、ポイント獲得に関する操作情報が生成される。この操作情報には、ポイントへ変換する行動記録データの量などの情報が含まれ、第1ポイント付与部211は、利用者3によるポイント獲得の指示である操作情報を受け付けて、行動記録データに応じたポイントの付与を実行する。この場合、ポイントへ変換する行動記録データの量に応じて、変換レートを変動させてもよい(例えば、蓄積された行動記録データの量が多いほど、より多くのポイントが獲得できる変換レートに設定することなどが考えられる)。
【0033】
上記では、定量的に表される行動記録データを想定して、ポイント付与処理を例示したが、行動記録データは定性的に表されるデータであってもよい。例えば、第1ポイント付与部211は、利用者3が所定期間における行動記録データの目標値(例えば、睡眠スコア又は摂取カロリーなどのライフログに関する一週間単位の目標値、その他、歩数の目標値、消費カロリーの一日単位の目標値など)を設定する操作を受け付け、目標値を達成した場合に所定量のポイントを利用者3に付与してもよい。また、目標値が達成されておらずとも、目標値を設定した期間の満了時に所定量のポイントを付与し、目標値を達成した場合はより多いポイントを付与してもよい。なお、行動記録データの目標値を設定する場合においても、行動記録データを定量的に表してポイント付与処理を実行してもよく、例えば、目標達成率に応じたポイントを利用者3に付与してもよい。
【0034】
第1ポイント付与部211は、行動記録データに応じて決定されるポイントに、ボーナスポイントを追加する処理を実行してもよい。例えば、行動記録データに応じたポイントの付与を実行する際に、利用者3がユーザ端末30に送信される広告を視聴することを条件に、ボーナスポイントを追加する処理を実行してもよい。この場合、広告を視聴するか否かを、利用者3に選択させてもよい。また、行動記録データに応じたポイントの付与に際して、オンライン上におけるくじ引き又はルーレットなどを実行する処理を行い、その処理結果に応じてボーナスポイントを追加してもよい。広告の視聴と、くじ引き又はルーレットなどの手段とを、組み合わせて、ボーナスポイントを追加する処理を実行してもよい。
【0035】
なお、上記における「ボーナスポイント」という表現は、説明を簡潔にするための名称であって、ボーナスポイントは、通常のポイント(行動記録データに応じたポイント)と統合されて、通常のポイントと同じデータとして管理されてもよい。つまり、情報処理システム10によるポイントサービスにおいて、ボーナスポイントは、行動記録データに応じて決定されるポイントと付与条件が異なるものの同じポイントとして扱ってよく、ボーナスポイントと行動記録データに応じて決定されるポイントとを区別して管理せずともよい。
【0036】
ポイント付与部210は、第1ポイント付与部211の他に、行動記録データ以外の条件に基づいてポイントを付与する機能を有していてもよい。例えば、ポイント付与部210は、ポイント獲得可能地点を訪れた利用者3に対して所定量のポイントを付与する処理を実行する第2ポイント付与部212を有することが好ましい。
【0037】
ここで、ポイント獲得可能地点は、利用者3が行動記録データに由らずにポイントを獲得可能な現実世界における地点である。ポイント獲得可能地点に設定される地点の条件は、特に限定されず、例えば、ポイント獲得可能地点は、店舗、複合商業施設、娯楽施設、公共施設などの商品及び/又はサービスを提供する施設であってもよく、商品及びサービスの提供を伴わないその他の地点であってもよい。その他の地点としては、例えば、アニメ、漫画、映画、ドラマなどの舞台となった地点、著名人又は偉人などの人物にゆかりのある地点、公園、その他観光スポットなどが挙げられる。
【0038】
ポイント獲得可能地点とポイント交換地点とは、互いに異なる地点に設定されていてもよく、重複する地点に設定されていてもよい。ポイント交換地点が、ポイント獲得可能地点のうちから選択される1以上の地点であることが好ましい。換言すると、ポイント獲得可能地点には、ポイントを消費して特典の獲得が可能なポイント交換地点、及び、ポイント消費の対象外ではあるがポイントの獲得が可能な地点(以下、「ポイント付与地点」と称することとする)の両方が含まれることが好ましい。ポイント交換地点とポイント付与地点の両方が存在することで、利用者3が、特典を獲得するためにポイント交換地点へ移動する過程で、第1ポイント付与部211によるポイントの獲得が可能であるとともに、ポイント付与地点に立ち寄って第2ポイント付与部212によるポイントの獲得も可能であり、ポイントの収集とポイントの消費に関して高いゲーム性を創出することができる。
【0039】
第2ポイント付与部212は、利用者3によるポイント獲得可能地点への来訪を検知した際に、該利用者3に対して自動的にポイントを付与する処理を実行してもよいし、ユーザ端末30から送信されてくるチェックイン情報を受信した際に、ポイントを付与する処理を実行してもよい。後者の場合、チェックイン情報は、例えば、ポイント獲得可能地点を訪れた利用者3がユーザ端末30の画面に表示されるチェックインボタンをタップ(クリック)することで生成される。この際、第2ポイント付与部212は、利用者3がポイント獲得可能地点を訪れているか否かを判定し、所定のポイント獲得可能地点を訪れていると判定された利用者3に対して、チェックインの実行を許可する処理を実行してもよい。チェックインの実行を許可とは、例えば、チェックインボタンをタップ可能(クリック可能)にする処理であってもよい。訪問しているか否かの判定は、後述する位置判定部213が実行する判定と同じ方法であってもよい。
【0040】
第2ポイント付与部212によるポイント付与処理では、一の利用者3が同じポイント獲得可能地点で短時間のうちに連続してチェックインすることを抑止するために、次回チェックインまでの時間(期間)が設定されていてもよい。例えば、次回チェックインまでの時間を24時間に設定し、同じポイント獲得可能地点へのチェックインを一日一回までに制限してもよい。また、一の利用者3が所定の期間のうちに同じポイント獲得可能地点へチェックインできる回数を制限してもよい。例えば、同じポイント獲得可能地点へのチェックイン回数を、1週間の間に最大3回までに限定してもよい。
【0041】
第2ポイント付与部212は、各利用者3のチェックイン履歴を参照し、各利用者3において、次回チェックインまでの時間又はチェックイン回数などの同地点へのチェックイン条件を満たしていないポイント獲得可能地点を特定する処理を実行してもよい。この場合、第2ポイント付与部212は、特定した地点の情報を、後述する表示制御部314に送信し、表示制御部314が、受信した情報をポイント獲得可能地点のリスト及び/又は地図表示に反映させる処理を実行してもよい。また、第2ポイント付与部212は、ポイントの付与に際して、利用者3のチェックイン履歴が、同地点へのチェックイン条件を満たしているか否かを判定する処理を実行してもよい。この場合、第2ポイント付与部212は、訪問に関する判定と同地点へのチェックイン条件に関する判定の両方が設定された条件を満たしている場合に、チェックインの実行を許可する。同地点へのチェックイン条件に関する判定は、訪問に関する判定の前に実行してもよいし、訪問に関する判定の後に実行してもよい。
【0042】
第2ポイント付与部212によって付与されるポイント数は、固定値であってもよく、可変値であってもよい。ポイント数を変動させる場合、全てのポイント獲得可能地点において、獲得可能なポイント数を一律に変動されていてもよいし、特定のフランチャイズチェーンに属する店舗など、ポイント獲得可能地点のグループ単位でポイント数を変動させてもよい。ポイントの収集により高いゲーム性を付与する観点では、ポイント獲得可能地点ごとにポイント数の変動が可能であることが好ましく、後述するポイント変動処理部215がポイント獲得可能地点ごとのポイント数の変動を制御する処理を実行してもよい。
【0043】
第2ポイント付与部212は、第1ポイント付与部211と同様に、ポイント獲得可能地点への訪問によって付与されるポイントに、ボーナスポイントを追加する処理を実行してもよい。例えば、チェックインの実行に対してポイントを付与する際に、利用者3がユーザ端末30に送信される広告を視聴することを条件に、ボーナスポイントを追加する処理を実行してもよい。この場合、広告を視聴するか否かを、利用者3に選択させてもよい。また、チェックインの実行に対してポイントを付与する際に、オンライン上におけるくじ引き又はルーレットなどを実行する処理を行い、その処理結果に応じてボーナスポイントを追加してもよい。広告の視聴と、くじ引き又はルーレットなどの手段とを、組み合わせて、ボーナスポイントを追加する処理を実行してもよい。
【0044】
第1ポイント付与部211によって付与されるポイント、及び、第2ポイント付与部212によって付与されるポイントは、ポイントの付与後において個別に管理してもよく、これらのポイントを統合して、統合したポイントを付与処理の違いによる区別を設けることなく管理してもよい。ポイント付与部210が利用者3に付与したポイントは、利用者3の保有ポイントとして、利用者3を識別するIDと関連付けられて、後述の利用者情報記憶部222に記憶される。
【0045】
なお、ポイント付与部210は、上述した第1ポイント付与部211及び第2ポイント付与部212の他に、これら第1ポイント付与部211及び第2ポイント付与部212とは異なる条件で利用者3にポイントを付与する機能を有していてもよい。例えば、第1ポイント付与部211及び第2ポイント付与部212の説明において、広告の閲覧によってボーナスとしてのポイントが追加されてもよい旨を例示したが、ポイント付与部210は、行動記録データに基づくポイントの付与、及び/又は、ポイント獲得可能地点への訪問(チェックイン)に基づくポイントの付与に伴うことなく、広告の閲覧のみに対してポイントを付与する処理を実行する機能を有していてもよい。また、ポイント付与部210は、スタンプラリー、所定の地点(ポイント交換地点及び/又はポイント獲得可能地点)で行われる謎解きゲームなどのようなイベントに伴って、イベントの実行及び/又は達成に対して利用者3にポイントを付与する処理を実行する機能を有していてもよい。この場合、イベントは、少なくとも1つの地点に赴くことを要するイベントであることが好ましい。上記のように第1ポイント付与部211及び第2ポイント付与部212とは異なる要件で付与されるポイントについても、第1ポイント付与部211によって付与されるポイント、及び/又は、第2ポイント付与部212によって付与されるポイントと統合して、付与処理の違いによる区別を設けることなく管理してもよい。
【0046】
位置判定部213は、ポイントと特典の交換に関する処理を実行する機能を有する。具体的に、位置判定部213は、利用者3の位置情報に基づき、利用者3がポイント交換地点を訪れているか否かを判定する処理(判定処理)を実行する。そして、位置判定部213は、所定のポイント交換地点を訪れていると判定された利用者3に対して、所定量のポイントを消費して特典を獲得する権限を付与する処理(権限付与処理)を実行する。
【0047】
位置判定部213の判定処理で使用される利用者3の位置情報は、現実世界における利用者3の現在位置(ユーザ端末30の現在位置)を表すデータであって、ユーザ端末30の位置情報取得部312で特定され、位置判定部213に伝達される。利用者3の位置情報の特定方法は、特に限定されない。例えば、利用者3の位置情報は、GPS又はWiFiのアクセスポイントを利用して特定され、現在位置を示す緯度座標及び経度座標が含まれていてもよい。この場合、位置判定部213は、位置情報取得部312から送られてくる利用者3の位置情報が、ポイント交換地点の位置座標を中心とする所定の範囲内(例えば、ポイント交換地点の位置座標を中心とする直径~mの範囲内)に入ったことを検知することで、利用者3がポイント交換地点を訪れているか否かを判定してもよい。
【0048】
位置判定部213は、ビーコンを利用して判定処理を実行してもよい。例えば、一方通行で無線電波を発信するビーコンをポイント交換地点に設置しておく。ユーザ端末30が該ビーコンの無線電波を受信した際に、位置情報取得部312が、ビーコンからの無線電波を受信した時間、及び、ビーコンの設置個所情報などを含むビーコン反応情報を利用者3の位置情報として生成し、位置判定部213に送信してもよい。位置判定部213は、位置情報としてのビーコン反応情報を受信することで、利用者3が該ビーコン反応情報に対応するポイント交換地点に訪れていると判定してもよい。
【0049】
利用者3の位置情報は、ポイント交換地点に存在するQRコード(登録商標)又はNFCタグ(NFC:Near Field Communication、近距離無線通信)を利用して特定されてもよい。例えば、ポイント交換地点の位置座標又は地点ID等がエンコードされているQRコード(登録商標)又はNFCタグを、該ポイント交換地点に提示しておく。利用者3がQRコード(登録商標)又はNFCタグを自身のユーザ端末30で読み取った際に、位置情報取得部312が、QRコード(登録商標)又はNFCタグ得られる情報を利用者3の位置情報としてサーバ20の位置判定部213に送信してもよい。この場合、位置判定部213は、該情報を受信して、QRコード(登録商標)又はNFCタグの読み取りを実行したポイント交換地点を特定し、利用者3が該ポイント交換地点を訪れていると判定してもよい。
【0050】
なお、QRコード(登録商標)及びNFCは、電子マネーなどの決済サービスで商品又はサービスの対価を支払う際に利用されている。上述した位置情報の特定に際して行われるQRコード(登録商標)又はNFCタグの読み取りは、ポイントと特典を交換する前に、該交換処理の条件を満たすか否かを判定するために実行するものであり、決済処理に伴う読み取りとは異なる。
【0051】
位置判定部213は、電子スタンプを利用して判定処理を実行してもよい。例えば、ユーザ端末30のディスプレイに電子スタンプ受付用画面を表示させ、ポイント交換地点で管理されている電子スタンプをユーザ端末30のディスプレイに押印することで(ポイント交換地点に在籍する従業員が押印してもよいし、利用者3が自分で押印してもよい)、位置情報取得部312が、電子スタンプが設置されている地点の位置情報を含む押印受付情報を利用者3の位置情報として生成し、位置判定部213に送信してもよい。位置判定部213は、位置情報としての押印受付情報を受信することで、利用者3が電子スタンプの押印が実行されたポイント交換地点を訪れていると判定してもよい。
【0052】
位置判定部213は、GPS又はWiFiアクセスポイントによって取得される位置情報に基づく判定処理、及び、QRコード(登録商標)又はNFCタグの読み取りに基づく判定処理の両方などのように、上述した判定処理(GPS、アクセスポイント、ビーコン、QRコード(登録商標)、NFCタグ、又は電子スタンプ)のうちから選択される複数種の判定処理を実行可能であってもよい。この場合、利用者3の選択によって複数種の判定処理のうちのいずれか1つの判定処理が選択されてもよい。また、複数種の判定処理のうちのいずれか1つの判定処理にのみ適応するポイント交換地点が存在していてもよい。
【0053】
なお、図1に示すように、景品などの商品を提供する筐体50がポイント交換地点に存在していてもよいが、ユーザ端末30と筐体50とが無線通信などで接続されていない非接続の状態で、位置判定部213による判定処理が、実行可能である。つまり、利用者3の位置情報を判定する処理において、ユーザ端末30と筐体50との接続(通信)は必要とせず、NFCなどの通信機能が筐体50に実装されていなくともよい。例えば、QRコード(登録商標)又はNFCタグが筐体50の外装又は筐体50の周辺に貼られていれば、ユーザ端末30と筐体50とが非接続(通信していない)の状態で判定処理が可能である。また、GPS等で位置情報を特定する場合、特定された該位置情報と、地点情報記憶部221に格納されているポイント交換地点の情報リストとを照らし合わせて、利用者3が訪問したポイント交換地点が特定されてもよい。この場合も、ユーザ端末30と筐体50とが非接続の状態で判定処理が可能である。
【0054】
位置判定部213が実行する権限付与処理の様態は、特に限定されない。例えば、利用者3がユーザ端末30の画面に表示される特典獲得ボタンをタップ(クリック)することで、ポイントと特典の交換時に使用するQRコード(登録商標)又はバーコードがユーザ端末30の画面に表示されてもよく、この場合、該特典獲得ボタンをタップ可能(クリック可能)にすることで、特典を獲得する権限を利用者3に付与してもよい(つまり、特典獲得ボタンをタップ可能にすることが、権限の付与に該当する)。その他に、ポイントと特典の交換時に使用するQRコード(登録商標)又はバーコードを利用者3に付与することで、特典を獲得する権限が利用者3に付与されてもよい(つまり、QRコード(登録商標)又はバーコードの付与が権限の付与に該当する)。
【0055】
位置判定部213による権限付与処理により、所定量のポイントの消費と引き換えに特典の獲得が可能となる。利用者3は、ポイント交換地点へ移動する過程で行動記録データに応じたポイントを獲得できるため、ポイント収集活動に対する利用者3の意欲の向上、及び、意欲の継続が期待できる。また、利用者3は、ポイント交換地点へ赴かないとポイント消費による特典を獲得できないことから、ポイント交換地点として設定される地点への来訪動機を効果的に創出することができる。特に、ポイント交換地点への移動に伴うポイント収集と、訪問先のポイント交換地点でのポイント消費(特典の獲得)との組み合わせにより、利用者3に対して特別感の高いコト体験(体験消費)を実感させることができる。
【0056】
冒頭のシステム概要で説明したように、特典の内容は、複数の特典候補のうちから少なくとも1つの特典をランダムに選び出す抽選により決定されてもよい。抽選実行部214は、特典を決定する抽選に関わる処理を実行する。例えば、抽選がオンライン抽選である場合、抽選実行部214は、所定量のポイントと引き換えに、オンライン抽選を実行し、特典内容を決定する処理を実行する。この際、オンライン抽選に必要なポイント数を、利用者3の保有ポイント数から差し引いて、利用者3の保有ポイント数を更新する。景品がオンライン抽選によって決定された場合、抽選実行部214は、該景品を利用者3の自宅等に配送するための指示情報を生成し、配送業者端末70に送信してもよい。
【0057】
抽選がポイント交換地点に設置してある筐体50により実行される場合、抽選実行部214が、所定量のポイントと引き換えに、筐体50に読み取らせるためのQRコード(登録商標)又はバーコードなどの筐体提示用データを利用者3に発行する処理を実行してもよい。発行された筐体提示用データは、処理結果情報として、サーバ通信部23を介してユーザ端末30に送信される。そして、ユーザ端末30の表示部36に表示させた筐体提示用データを、筐体50に読み取らせることで、筐体50による抽選が実行されてもよい。利用者3は、筐体50内に入っている商品の中から抽出された1つの商品を、ポイントと交換される景品として獲得する。筐体50を利用した抽選の場合においても、オンライン抽選と同様に、所定量のポイントを利用者3の保有ポイント数から差し引いて、利用者3の保有ポイント数を更新する処理が実行される。
【0058】
なお、筐体50が設置されているポイント交換地点においても、オンライン抽選が実行可能であってもよく、利用者3の選択によって、筐体50の抽選とオンライン抽選のいずれか一方が実行されてもよい。また、筐体50による抽選及びオンライン抽選などの抽選は、所定量のポイントを消費することで実行可能であるとともに、ポイントを消費することなくポイントサービスにおける利用者3の課金によって実行可能であってもよい。課金によって抽選を実行する場合においても、ポイントを消費する場合と同様に、ポイント交換地点に来訪していることを抽選実行の要件として設定してもよい。
【0059】
ポイント変動処理部215は、ポイント付与部210によって付与されるポイント数の変動を制御する処理を実行する。ポイント数の変動とは、基準値として設定されている通常獲得可能なポイント数を、所定の条件に基づいて増加させたり減少させたりして、変更することを意味する。ポイント変動処理部215は、変更後のポイント数に関する情報(以下、変更情報と称する)を生成し、後述の記憶部22に伝達し、記憶させる。ポイント付与部210は、利用者3にポイントを付与するにあたり、記憶部22に格納された変更情報を読み出し、その変更情報を参酌して、利用者3に付与するポイント数を決定する。
【0060】
例えば、ポイント変動処理部215は、第1ポイント付与部211におけるポイント数を変更するための変更情報を生成してもよい。この場合の変更情報としては、例えば、各利用者3に適用する変換レートが挙げられる。変換レートを変更する条件は、特に限定されず、利用者3がポイントサービスへ登録した時点から現在時点までの利用期間、ポイントサービスにおける利用者3の課金量などの利用者3の情報に基づく条件が設定されてもよい。また、変換レートを変更する条件として、利用者3自身の単位期間あたりのチェックイン回数などの利用者3自身によるポイントサービスの利用履歴に関する条件が設定されていてもよい。ポイント変動処理部215は、上記のような条件に基づいて、各利用者3に適用する変換レートを決定し、変更後の該変換レートを利用者IDと紐づけて記憶部22に記憶させる。
【0061】
また、ポイント変動処理部215は、第2ポイント付与部212により獲得可能なポイント数を変更するための変更情報を生成してもよい。この変更情報は、全てのポイント獲得可能地点を対象として一律に生成されてもよいし、特定のポイント獲得可能地点に絞って生成されてもよいが、ポイント獲得可能地点ごとに個別に生成されることが好ましい。つまり、ポイント変動処理部215は、ポイント獲得可能地点への訪問によって獲得可能なポイント数(以下、来訪ポイント数と称する場合がある)を、ポイント獲得可能地点ごとに制御する処理を実行することが好ましい。
【0062】
来訪ポイント数を変動させる条件は、特に限定されず、ポイント獲得可能地点ごとに異なる条件が設定されてもよいし、全てのポイント獲得可能地点を対象として来訪ポイント数を変動させる条件が一律に設定されてもよい。例えば、ポイント獲得可能地点のステータス(状況)、利用者3自身のステータス(状況)、及び、自身以外の他の利用者のステータス(状況)から選択される1以上のデータに関連する条件が、来訪ポイント数を変動させる条件として設定されていてもよい。
【0063】
ポイント獲得可能地点のステータスとしては、例えば、ポイント獲得可能地点の天候、気温などの環境状況、及び、ポイント獲得可能地点における複数の利用者3の動向を表すデータなどが挙げられる。環境状況を来訪ポイント数の変動条件として利用する場合、例えば、天候が「雨」、気温が「35℃以上」又は「0℃以下」などを条件として設定し、該条件を満たす状況にある地点における来訪ポイント数を、基準の設定値よりも増加させることが考えられる。
【0064】
ポイント獲得可能地点における複数の利用者3の動向を表すデータとしては、例えば、各ポイント獲得可能地点の周辺(例、半径~mの範囲など)に存在する利用者3の人数、各ポイント獲得可能地点における単位時間あたりのチェックイン回数、各ポイント獲得可能地点におけるチェックイン回数に関する利用者3のランキング、などが挙げられる。利用者3のランキングを来訪ポイント数の変動条件として利用する場合、所定の順位以上の利用者3を対象として、基準の設定値よりも多い来訪ポイント数を付与したり、順位に応じたポイント増加率を設定したりしてもよい。
【0065】
また、利用者3の動向を表すデータを来訪ポイント数の変動条件として利用する場合、利用者3の動向を表すデータの閾値を条件として設定してもよい。例えば、混雑状況を表す閾値(周辺の利用者3の人数が〇〇人以上、単位時間あたりのチェックイン回数が〇〇回/時間以上など)を条件として設定し、混雑状況にある地点における来訪ポイント数を、基準の設定値よりも増加させることが考えられる。また、過疎状況を表す閾値(周辺の利用者3が〇〇人以下、単位時間あたりのチェックイン回数が〇〇回/時間以下など)を条件として設定し、過疎状況にある地点における来訪ポイント数を、基準の設定値よりも増加させることが考えられる。混雑状況を表す閾値と過疎状況を表す閾値の両方を設定してもよく、混雑状況よりも過疎状況のほうが多い来訪ポイント数を獲得できる設定にしてもよい。ポイント獲得可能地点のステータスとしては、特に、利用者3の動向を表すデータを、来訪ポイント数の変動条件として利用することが好ましい。
【0066】
利用者3自身のステータスとしては、例えば、利用者3自身の自宅の位置情報、早朝などの所定の時点における位置情報、利用者3自身のチェックイン履歴などが挙げられる。自宅の位置情報又は所定の時点の位置情報を来訪ポイント数の変動条件に利用する場合、自宅(もしくは所定時点の位置)からポイント獲得可能地点までの距離が〇〇km以上を条件として設定し、遠いところから来訪した利用者3に対して、基準の設定値よりも多い来訪ポイント数を付与することが考えられる。チェックイン履歴を来訪ポイント数の変動条件に利用する場合、初めてチェックインすることを条件として設定し、初訪問の地点にチェックインした利用者3に基準の設定値よりも多い来訪ポイント数を付与することが考えられる。また、所定のポイント獲得可能地点へのチェックイン回数が〇〇回以上を条件として設定し、利用者3が頻繁に訪れる地点の来訪ポイント数を、基準の設定値よりも増加又は減少させることが考えられる。
【0067】
自身以外の他の利用者3のステータスとしては、例えば、他の利用者3の現在位置を表す位置情報、他の利用者3のチェックイン履歴などが挙げられる。各利用者3のフレンドを設定して、フレンドの現在位置及び/又はチェックイン履歴を来訪ポイント数の変動条件に設定してもよい。利用者3の現在位置周辺にフレンドが存在することを条件として、フレンドと一緒に所定のポイント獲得可能地点を来訪した利用者3に基準の設定値よりも多い来訪ポイント数を付与することが考えられる。また、フレンドがチェックインしたポイント獲得可能地点に〇〇分以内に利用者3がチェックインすることを条件として設定し、フレンドのチェックインの後に来訪した利用者3に基準の設定値よりも多い来訪ポイント数を付与することが考えられる。この場合、第2ポイント付与部212は、ポイント変動処理部215の処理結果に基づき、先にチェックインしていたフレンドに対して事後的に来訪ポイントを追加付与してもよい。
【0068】
上述のような来訪ポイント数の変動条件は、複数設定してもよい。ポイント変動処理部215は、ポイント獲得可能地点のステータス、利用者3自身のステータス、及び、自身以外の他の利用者のステータスなどの来訪ポイント数の変動条件に関わるデータを、収集・モニタリングし、来訪ポイント数の変動条件を満たすポイント獲得可能地点及び/又は利用者3を特定する。また、ポイント変動処理部215は、利用者3の周辺において、来訪ポイント数の変動条件を満たす可能性があるポイント獲得可能地点(例えば、フレンドが先にチェックインしている地点、利用者3が訪問したことがない地点など)を特定してもよい。ポイント変動処理部215は、特定したポイント獲得可能地点及び/又は利用者3のIDと変更する来訪ポイント数とを紐づけて、変更情報を生成し、記憶部22に記憶させる。
【0069】
上記のように、ポイント獲得可能地点のステータス、利用者3自身のステータス、又は、自身以外の他の利用者のステータスなどに基づき、一律の条件のもと、各ポイント獲得可能地点における来訪ポイント数を変動させることで、ポイントの収集に高いゲーム性を創出することができる。また、ポイントの収集活動に伴う所定地点(ポイント獲得可能地点として設定される地点)への来訪動機をより効果的に創出することができる。
【0070】
サーバ20の制御部21は、上述したポイント付与部210(第1ポイント付与部211、第2ポイント付与部212)、位置判定部213、抽選実行部214、及び、ポイント変動処理部215の他に、その他の処理を実行する機能を備えていてもよい。たとえば、制御部21は、ポイント交換地点における特典の獲得に利用できる抽選券などの引換券を発行する機能を有していてもよい。この引換券は、課金によって発行されてもよいし、所定量のポイントと引き換えに発行されてもよい。このような引換券は、ポイント交換地点の訪問前に発行可能であってもよいが、引換券の使用は、ポイント交換地点を実際に訪問することを条件とする。
【0071】
また、情報処理システム10では、獲得したポイントは、クレジットカードなどの他の決済サービスのポイント、電子マネー、実店舗又はオンラインストアで利用可能な金券などの金銭的電子データに交換可能であってもよく、制御部21が、ポイントと金銭的電子データとを交換する機能を有していてもよい。
【0072】
<記憶部(サーバ)>
記憶部22は、各種制御処理及び制御部21内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するサーバ20の記憶領域であり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部22は、サーバ20が通信を行った際に、サーバ20の通信内容を一時的に記憶する機能を有していてもよい。
【0073】
サーバ20の記憶部22は、記憶する情報の種類に応じて区画された複数の領域を有していてもよい。例えば、記憶部22は、地点情報記憶部221、利用者情報記憶部222、及び、特典情報記憶部223を備えていてもよい。
【0074】
地点情報記憶部221は、各ポイント交換地点に関する情報を記憶し、格納している。また、制御部21が第2ポイント付与部212の機能を有している場合は、地点情報記憶部221は、各ポイント獲得可能地点に関する情報を記憶し、格納していてもよい。ポイント交換地点及びポイント獲得可能地点に関する情報には、少なくとも、各地点を識別するためのID(地点ID)、当該地点IDと紐づけられた、地点名、位置座標などが含まれる。位置座標は、現実世界において各地点を特定するための座標であって、例えば、緯度座標及び経度座標の組み合わせが挙げられる。地点情報記憶部221には、その他にも、ポイント交換地点で獲得可能な特典に関する情報(特典リストなど)、ポイント獲得可能地点における来訪ポイント数、変更情報(来訪ポイント数の変動に関する情報)などが地点IDに紐づけられて記憶されていてもよく、地点情報記憶部221で管理される情報の内容は、特に限定されない。
【0075】
利用者情報記憶部222は、ポイントサービスを利用する各利用者3に関連付けられた情報を記憶する。たとえば、利用者情報記憶部222には、利用者3を特定するためのID(利用者ID)と、該利用者IDと紐づけられた、利用者3の名前、ポイントサービスへの登録日、利用者3が保有するポイント数、利用履歴、課金額、オンライン抽選で獲得した景品の配送先住所、及び、制御部21の各機能部の処理に利用されるその他の情報などが格納されていてもよい。利用履歴には、例えば、ポイントの消費履歴、チェックイン回数、利用者3のフレンドに設定されている他の利用者のID、利用者3がチェックインしたことがある地点のIDなどが含まれていてもよい。
【0076】
<サーバ通信部>
サーバ通信部23は、ネットワークNを介して、ユーザ端末30の端末通信部37と接続されている。サーバ通信部23と、ユーザ端末30の端末通信部37とは、互いに情報を送受信する。例えば、サーバ20では、サーバ通信部23を介してユーザ端末30から、行動記録データ、利用者3の位置情報、チェックイン操作情報、ポイントの獲得要求に関わる操作情報、ポイントの消費(交換)要求に関わる操作情報、及び、利用者3によるその他の操作情報などを受信する。サーバ通信部23からは、ユーザ端末30から送信されてくる情報を利用して制御部21が実行した各種処理の処理結果(例えば、利用者3に付与することが決定したポイント、ポイントと特典の交換を許可することに関する権限付与情報、筐体提示用データなど)、ポイント交換地点及びポイント獲得可能地点などの地点情報などが、端末通信部37を介してユーザ端末30に送信される。なお、ポイントサービスに関わるプログラム(制御部21の各機能を実行するためのプログラム)の一部又は全部は、ユーザ端末30に送信されてユーザ端末30上で実行されてもよい。
【0077】
<ユーザ端末>
図3は、図1に示すユーザ端末30の機能ブロック図である。ユーザ端末30は、利用者3が所持し利用することができる情報処理装置(例えば、スマートフォン、携帯電話端末、タブレット端末、その他コンピュータ等)である。ユーザ端末30は、スマートフォンと、該スマートフォンと同期可能な腕時計型端末との組み合わせなど、2以上の情報処理装置で構成してあってもよい。
【0078】
ユーザ端末30は、サーバ20から送信されたポイントサービスに関わるプログラムの処理結果をポイントサービスのアプリケーションまたはWebブラウザを介して出力することができる。ユーザ端末30は、例えば、ユーザ端末30全体の制御を行う制御部31と、各種データ・プログラムを記憶する記憶部32と、ジャイロセンサ及び/又は加速度センサなどの利用者3の行動や状態を測定する検知部33、利用者3の現在位置を取得するためのGPS受信部34、利用者3が操作入力を行うための入力部35と、操作画面等のユーザーインターフェースを表示する表示部36と、サーバ20との間で情報通信を行う端末通信部37と、を有していてもよい。
【0079】
<制御部(ユーザ端末)>
制御部31は、ディスプレイ、カメラ、検知部33の各種センサ、GPS受信部34などのユーザ端末30の各部を制御するために必要な機能を有しており、制御部31の各機能は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)が所定のメモリに格納されたプログラムを実行することによって実現される。ユーザ端末30の制御部31は、各種情報処理を行う機能部として、例えば、データ収集部311、位置情報取得部312、操作情報受付部313、及び、表示制御部314を備えていてもよい。これら機能部の一部又は全部は、サーバ20の制御部21で実行されてもよい。
【0080】
データ収集部311は、現実世界における利用者3の行動記録データを収集する処理を実行する。例えば、データ収集部311は、検知部33の加速度センサやジャイロセンサの測定結果に基づき利用者3の歩数を、行動記録データとして収集してもよい。また、データ収集部311は、人工衛星(GPS衛星)の電波をGPS受信部34が受信することで特定されるユーザ端末30の位置情報を利用して、所定時点から現時点までの位置情報の変化を、利用者3の移動距離として収集してもよい。移動距離は、GPSによる収集方法に限定されず、WiFiなどのアクセスポイント、近距離通信、など他の手法で収集されてもよい。移動距離の算出にあたり、データ収集部311は、位置情報をリアルタイムで連続的に取得して移動距離を算出してもよいし、位置情報を断続的に取得して移動距離を算出してもよい。また、移動距離は、移動量として表現されてもよい。例えば、地表を所定面積のメッシュに区切り、利用者3が移動した際の移動メッシュ量を行動記録データとして収集してもよい。このような移動メッシュ量は、メッシュ数などのような長さとは異なる単位で表現されてもよく、メートル又はキロメートルなどの長さの単位に換算して表現されてもよい。
【0081】
消費カロリー、食事によって摂り入れられる摂取カロリー、及び、睡眠の質に関するスコアなどのライフログについても、任意の手段により測定され、データ収集部311が、その測定結果に基づきライフログを行動記録データとして収集してもよい。例えば、消費カロリーは心拍数を計測する手段により収集されてもよいし、摂取カロリーは食事をカメラで撮影することで収集されてもよいし、睡眠の質に関するスコアはアラーム、睡眠中の寝息、又は動きなどを検知する手段により収集されてもよい。
【0082】
データ収集部311が収集した行動記録データは、前述のとおり、第1ポイント付与部211に送信され、ポイントと交換される。なお、検知部33は、上述のような行動記録データの収集に用いられる測定手段である。データ収集部311、及び/又は、検知部33は、活動量計のような専用端末に実装されていてもよく、専用端末と利用者3が所有するスマートフォンなどの端末とを同期することで、専用端末で収集された行動記録データをスマートフォンなどの端末に送信してもよい。
【0083】
位置情報取得部312は、現実世界における利用者3の現在の位置情報を特定する処理を実行する。位置情報の特定方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できる。前述のとおり、位置情報はGPS受信部34を利用して特定されてもよいし、WiFiのアクセスポイントを利用して特定されてもよい。この場合、位置情報は緯度座標及び経度座標などの位置座標で表される。また、位置情報は、位置判定部213の説明で列挙したように、ビーコンを利用して特定されてもよいし、ポイント交換地点のような所定の地点に存在するQRコード(登録商標)又はNFCタグを利用して特定されてもよいし、電子スタンプの押印によって特定されてもよい。位置情報取得部312は、これらの特定方法(GPS、アクセスポイント、ビーコン、QRコード(登録商標)、NFCタグ、及び電子スタンプ)のうちから選択されたいずれか1つを利用して利用者3の位置情報を特定してもよいし、これらの特定方法のうちから選択された2以上の方法を利用して位置情報を特定してもよい(好ましくは、GPS、QRコード(登録商標)、及び、NFCタグから選択される少なくとも1種)。
【0084】
位置情報取得部312が特定した位置情報は、位置判定部213に送信され、利用者3がポイント交換地点を訪問しているか否かの判定に利用される。また、ポイントサービスが第2ポイント付与部212を擁する場合には、位置情報取得部312が特定した位置情報は、第2ポイント付与部212に送信され、ポイント獲得可能地点へのチェックインが可能か否かの判定に利用される。加えて、ポイントサービスがポイント変動処理部215を要する場合、位置情報取得部312が特定した位置情報は、ポイント変動処理部215に送信され、来訪ポイント数の変動条件を満たすか否かの判定に利用されてもよい。
【0085】
操作情報受付部313は、利用者3によって後述の入力部35に入力されたポイントサービスに伴う各種操作情報を受け付ける処理を実行する。また、操作情報受付部313は、受け付けた各種操作情報を、端末通信部37を介してサーバ20に送信する。例えば、操作情報受付部313は、行動記録データをポイントに変える要求に関する操作情報、チェックインボタンのタップによるチェックインの実行を要求する操作情報、特典獲得ボタンのタップによる特典の獲得を要求する操作情報、などを受け付け、サーバ20に出力する。
【0086】
操作情報受付部313は、ユーザ端末30の表示に関連する操作情報を受け付け、該操作情報を表示制御部314に出力する。たとえば、操作情報受付部313は、ユーザーインターフェースの地図表示に含まれるポイント交換地点の詳細情報を表示する要求を、操作情報として受け付け、該操作情報を表示制御部314に出力する。
【0087】
表示制御部314は、表示部36に出力する画面表示の生成及び制御を実行する。例えば、図6及び図7に示す画面表示8が、表示部36に出力されるユーザーインターフェースの一例である。画面表示8では、周辺地図81が、該画面表示8の上側に表されており、詳細ウィンドウ83が該画面表示8の下側に表されている。
【0088】
周辺地図81は、利用者3の現在位置(ユーザ端末30の現在位置)の周辺を表す地図であり、この周辺地図81では、利用者3の現在位置がアイコン84で示されている。また、周辺地図81では、利用者3の現在位置の周辺に存在するポイントの獲得及び/又は消費に関わる地点がアイコン84で示されている。画面表示8は、ポイント交換地点がポイント獲得可能地点から選択して設定されている例を示しており、アイコン84がポイント獲得可能地点を示しており、このポイント獲得可能地点のうち、アイコン84aで示されている地点がポイント交換地点であり、アイコン84bで示されている地点がポイント付与地点である。
【0089】
周辺地図81において、ポイント交換地点を示すアイコン84aと、特典交換の対象ではないポイント付与地点を示すアイコン84bとは、互いに識別可能な様態で表示されていることが好ましい。周辺地図81では、アイコン84a内に記してある「G」の文字と、アイコン84b内に記してある「P」の文字とで、ポイント交換地点とポイント付与地点とが識別可能である。ポイント交換地点とポイント付与地点とを識別可能にするアイコンの表示方法としては、この例示のような文字を付す方法に限定されず、ポイント交換地点とポイント付与地点との識別は、アイコンに付す図、アイコンの形、アイコンの色、アイコンの動き、などによって表現されていてもよい。ポイント獲得可能地点のアイコン84は、獲得可能なポイント(来訪ポイント数)を特定可能な様態で表示されていることが好ましい。周辺地図81では、例示として、アイコン84の上方に「30」「60」などの数字が付してあり、この数字が来訪ポイント数を表している。
【0090】
表示制御部314は、位置情報取得部312で特定される利用者3の現在の位置座標、地点情報記憶部221に格納されている地点情報(特に、ポイント交換地点の位置座標及びポイント獲得可能地点の位置座標)、縮尺などの地図表示のための設定情報、及び、地図のデジタルデータなどに基づいて、周辺地図81を生成し、生成した周辺地図81を表示部36に出力する。周辺地図81の生成にあたっては、上記以外の情報を参酌してもよく、例えば、アイコン84において来訪ポイント数を特定可能にする場合は、地点情報記憶部221において地点IDと紐づけて格納されている来訪ポイント数を参酌して、周辺地図81が生成されてもよい。
【0091】
図6に示す詳細ウィンドウ83は、地点情報の詳細を表示するウィンドウであり、詳細ウィンドウ83には、例示として、「84a」の符号が付されているポイント交換地点に関する詳細情報が表示されている。このような詳細ウィンドウ83は、例えば、利用者3が周辺地図81に含まれるアイコン84のうちから参照したい地点のアイコン84をタップすることで、画面表示8に表されてもよい。
【0092】
詳細ウィンドウ83には、利用者3の入力操作を受け付けるためのボタンが表示されてもよい。たとえば、詳細ウィンドウ83では、図6に示すように、チェックインの実行を受け付けるためのチェックインボタン85、及び、特典獲得に関する処理の実行を受け付けるための特典獲得ボタン87が表示されてもよい。
【0093】
図6は、利用者3がアイコン84aで示すポイント交換地点を訪れていない状態を例示しており、チェックインボタン85及び特典獲得ボタン87は、いずれも、タップ可能な状態ではない。一方、図7は、利用者3がアイコン84aで示すポイント交換地点を訪れている状態を例示しており、チェックインボタン85及び特典獲得ボタン87は、いずれも、タップ可能な状態である。図6及び図7では、説明をわかりやすくするために、ボタンのタップが可能か否かを、ボタンの輪郭線で表現しているが、ボタンがタップ可能か否かは、ボタンの色を変えるなどの様態で示されてもよく、その識別方法は特に限定されない。上記のように特典獲得ボタン87をタップ可能にすることで、位置判定部213による権限の付与が実行されてもよい。
【0094】
表示制御部314は、位置情報取得部312で特定される利用者3の現在の位置座標、地点情報記憶部221に格納されている地点情報、及び、位置判定部213の処理結果などに基づき、詳細ウィンドウ83を生成し、生成した詳細ウィンドウ83を表示部36に出力する。詳細ウィンドウ83の生成にあたっては、上記以外の情報が参酌されてもよい。なお、表示制御部314のような画面表示を生成及び制御する機能は、サーバ20の制御部21が備えていてもよい。
【0095】
<記憶部(ユーザ端末)>
ユーザ端末30の記憶部32は、各種制御処理及び制御部31内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、その他のストレージ等の1つあるいはそれらの任意の組み合わせによって構成される。また、記憶部32は、ユーザ端末30が通信を行った際には、ユーザ端末30の通信内容を一時的に記憶する。記憶部32は、所有者情報記憶部321を備えていてもよい。
【0096】
所有者情報記憶部321は、決済手段に関する情報及び/又はアカウント情報などのユーザ端末30を所有する利用者3の設定情報を記憶する。このような利用者3の設定情報は、サーバ20の利用者情報記憶部222に記憶させておいてもよい。
【0097】
<入力部>
入力部35は、利用者3による入力操作を受け付けて、ポイントサービスにおける利用者3の操作情報を生成する。入力部35は、例えば、タッチパネルなどの表示面への接触による入力操作、ユーザ端末30に備えられている物理ボタンを介した入力操作、キーボードを用いたテキストの入力操作、マイクを用いた音声の入力操作などの受け付けが可能であってもよい。なお、表示部36を構成するディスプレイがタッチパネルの場合、入力操作を受け付ける入力部35の機能の一部又は全部が、表示部36に備えていてもよい。
【0098】
<表示部>
表示部36は、ポイントサービスの処理結果が表示されるディスプレイである。このディスプレイは、前述のとおり、表示面への接触によりの入力操作を受付可能なタッチパネルであってもよい。
【0099】
<端末通信部>
端末通信部37は、ネットワークNを介して、サーバ20のサーバ通信部23と接続されている。端末通信部37と、サーバ通信部23とは、互いに情報を送受信する。
【0100】
次に、ポイントの取得からポイントの使用(消費)までの流れの概略を、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0101】
図4に示すように、まず、ステップS1において、データ収集部311が、利用者3の歩数、移動距離、ライフログなどの行動記録データを収集する。利用者3によるポイント獲得の要求を受け付けると、ステップS2に進み、第1ポイント付与部211が、収集された行動記録データを、該行動記録データに応じた所定量のポイントに交換し、そのポイントを利用者3に付与する。このようなステップS1及びステップS2が、基本的なポイント獲得の流れである。
【0102】
ポイントを使用する際には、利用者3はポイントで特典を獲得するためにポイント交換地点に移動する必要がある。位置判定部213は、ステップS3において、位置情報取得部312が特定した利用者3の現在の位置情報を取得し、その位置情報に基づき、利用者3がポイント交換地点を訪れているか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、利用者3がポイント交換地点を訪れていると判定された場合は、ステップS5に移行し、位置判定部213が、該利用者3に対して、ポイントを使って特典を獲得する権限を付与する。その後、ステップS6において、権限を付与された利用者に対して、所定量のポイントの使用(消費)と引き換えに特典が付与される。
【0103】
上記のとおり、情報処理システム10が提供するポイントサービスでは、特典の獲得(すなわちポイントの使用(消費))に際して、ポイント交換地点への移動が必要なことから、店舗、商業施設などのポイント交換地点として設定される地点への来訪動機を創出することができ、この来訪動機が人(利用者3)の移動の活性化につながる。特に、歩数及び/又は移動距離を行動記録データとしてポイントを付与したり、チェックイン(ポイント獲得可能地点への訪問)に対してポイントを付与したりすることで、人の移動のさらなる活性化が期待できる。
【0104】
また、歩数及び/又は移動距離を行動記録データとして使用する場合には、ポイント交換地点へ移動する過程で行動記録データに応じたポイントを収集できることから、ポイントの収集とポイントの消費との間に相互に影響し合う関係が生じる。つまり、ポイントへの収集欲がポイント交換地点での消費活動に繋がるとともに、特典獲得への欲求が、ポイント交換地点への移動に伴うポイントの収集活動を生み出す。このようなポイントの収集とポイントの消費との間の相互作用によって、情報処理システム10が提供するポイントサービスにゲームのような魅力が生まれ、利用者に継続的な利用を促す効果が期待できる。
【0105】
図5は、特典の内容を抽選で決定する場合のポイントの取得からポイントの使用までの流れを例示したフローチャートである。図5におけるステップS1~ステップS4は、図4と同様であり説明を省略する。図5のステップS5aは、図4のステップS5と同様に、ポイントを使って特典を獲得する権限を付与する工程であり、特典の内容を抽選で決定する場合の「権限の付与」は、利用者3に抽選を実行する権限を付与することである。
【0106】
ステップS5aで抽選の実行が許可された後、ステップS5bにおいて、ポイント交換地点に抽選用の筐体が存在するか否かを確認し、筐体が存在しない場合は、ステップS5dに進み、オンライン抽選を実行する。ポイント交換地点に筐体が存在する場合、筐体を利用する抽選、及び、オンライン抽選のいずれか一方を利用者3が選択可能であってもよい。つまり、ポイント交換地点に筐体が存在する場合は、ステップS5cにおいて、利用者3による抽選方法の選択を受け付けてもよい。オンライン抽選が選択された場合は、ステップ5dでオンライン抽選を実行し、筐体による抽選が選択された場合は、ステップ5eで筐体による抽選を実行する。
【0107】
一般的なオンライン抽選は、場所による制約を受けることなく、何処でも実行可能であるが、情報処理システム10におけるオンライン抽選は、図5に示すとおり、ポイント交換地点においてのみ実行可能となる。
【0108】
ポイントと特典の交換に際して抽選を利用することで、利用者3の射幸心が煽られ、ポイントサービスに対する利用者3の意欲の向上が期待できる。また、ポイントの使用(消費)に対して、ゲームのような魅力を創出することができる。その結果、上述したような人の移動を活性化させる効果、及び、継続的な利用を促す効果が高まることが期待できる。
【0109】
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【0110】
本開示は、以下の構成を備える。
(項目1)
現実世界における利用者の行動記録データを収集するデータ収集部と、
前記行動記録データに応じたポイントを前記利用者に付与する第1ポイント付与部と、
前記利用者が前記ポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する地点情報記憶部と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する位置判定部と、を備える情報処理システム。
(項目2)
前記特典は、抽選の実行により決定される景品であり、
前記位置判定部が前記利用者に付与する前記権限は、所定量の前記ポイントを消費して前記抽選を実行するための権限である項目1に記載の情報処理システム。
(項目3)
前記抽選は、オンライン上で複数の景品候補のうちから少なくとも1つの前記景品を選び出す抽選を含み、
オンライン上における前記抽選を実行する抽選実行部を、さらに備える項目2に記載の情報処理システム。
(項目4)
前記行動記録データは、前記利用者の歩数、及び、前記利用者の移動距離を含み、
前記第1ポイント付与部は、前記歩数に応じた前記ポイント、及び、前記移動距離に応じた前記ポイントの両方を付与する項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目5)
前記地点情報記憶部は、前記利用者が前記ポイントを獲得可能な現実世界におけるポイント獲得可能地点を記憶しており、
前記ポイント獲得可能地点を訪れた前記利用者に対して前記ポイントを付与する第2ポイント付与部、をさらに備える項目1~3のいずれかに記載の情報処理システム。
(項目6)
利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する処理と、
現実世界における前記利用者の行動記録データを収集する処理と、
前記行動記録データに応じた前記ポイントを前記利用者に付与する処理と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する処理と、をコンピュータに実行させるプログラム。
(項目7)
利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する処理と、
現実世界における前記利用者の行動記録データを収集する処理と、
前記行動記録データに応じた前記ポイントを前記利用者に付与する処理と、
前記利用者の位置情報に基づき、前記利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、前記ポイント交換地点を訪れていると判定された前記利用者に対して、所定量の前記ポイントを消費して前記特典を獲得する権限を付与する処理と、をコンピュータが実行する情報処理方法。
【符号の説明】
【0111】
1 … 事業者
3 … プレイヤ
10 … 情報処理システム
20 … サーバ(情報処理装置)
21 … 制御部
210 … ポイント付与部
211 … 第1ポイント付与部
212 … 第2ポイント付与部
213 … 位置判定部
214 … 抽選実行部
215 … ポイント変動処理部
22 … 記憶部
221 … 地点情報記憶部
222 … 利用者情報記憶部
23 … サーバ通信部
30 … ユーザ端末
31 … 制御部(ユーザ端末側)
311 … データ収集部
312 … 位置情報取得部
313 … 操作情報受付部
314 … 表示制御部
32 … 記憶部(ユーザ端末側)
321 … 所有者情報記憶部
33 … 検知部
34 … GPS受信部
35 … 入力部
36 … 表示部
37 … 端末通信部
【要約】
【課題】店舗等の地点への来訪動機を創出することができるポイントサービスに関わる情報処理システム、プログラム、及び、情報処理方法を提供することである。
【解決手段】現実世界における利用者の行動記録データを収集するデータ収集部と、行動記録データに応じたポイントを利用者に付与する第1ポイント付与部と、利用者がポイントを活用して特典を獲得できるポイント交換地点を記憶する地点情報記憶部と、利用者の位置情報に基づき、利用者が前記ポイント交換地点を訪れているか否かを判定し、ポイント交換地点を訪れていると判定された利用者に対して、所定量のポイントを消費して特典を獲得する権限を付与する位置判定部と、を備える情報処理システム。
【選択図】図1



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7