(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/02 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
B65D43/02 100
(21)【出願番号】P 2018087158
(22)【出願日】2018-04-27
【審査請求日】2020-11-06
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】立藏 亮
【合議体】
【審判長】山崎 勝司
【審判官】井上 茂夫
【審判官】稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-308333(JP,A)
【文献】特開2004-307059(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0233854(US,A1)
【文献】特表2014-500198(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の本体部および前記本体部の上端部から径方向外側に向けて延びるフランジ部を有する容器本体と、
前記容器本体の上端開口を覆う閉塞部を有する蓋体と、を備え、
前記蓋体には、前記フランジ部を挟持する弾性変形可能な挟持部と、前記挟持部を前記閉塞部に対して回動可能に連結するヒンジ部と、が形成され
、
前記挟持部および前記ヒンジ部は、間隔を空けてそれぞれ2つ配置されている、蓋付き容器。
【請求項2】
前記挟持部は、前記フランジ部の上面に当接する上当接部と、前記フランジ部の下面に当接する下当接部と、前記上当接部および前記下当接部を互いに連結する連結部と、前記下当接部から下方に向けて延びるガイド部と、を有している、請求項1に記載の蓋付き容器。
【請求項3】
前記フランジ部の下面には、上方に向けて窪む凹部が形成され、
前記挟持部の少なくとも一部が前記凹部内に位置している、請求項1または2に記載の蓋付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に示されるような蓋付き容器が知られている。この蓋付き容器は、有底筒状の容器本体と、容器本体を覆う蓋体と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の蓋付き容器では、蓋体が容器本体に連結された構成とされる場合がある。蓋体を容器本体に連結したとき、操作性を向上させることについて改善の余地があった。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされ、操作性を向上させた蓋付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る蓋付き容器は、有底筒状の本体部および前記本体部の上端部から径方向外側に向けて延びるフランジ部を有する容器本体と、前記容器本体の上端開口を覆う閉塞部を有する蓋体と、を備え、前記蓋体には、前記フランジ部を挟持する弾性変形可能な挟持部と、前記挟持部を前記閉塞部に対して回動可能に連結するヒンジ部と、が形成され、前記挟持部および前記ヒンジ部は、間隔を空けてそれぞれ2つ配置されている。
【0007】
上記態様によれば、蓋体をヒンジ部回りに容器本体に対して回動させることで、容易に容器本体の上端開口を開放させることができる。また、挟持部がフランジ部を挟持しているため、蓋体が容器本体に連結された状態が維持される。したがって、蓋体を操作する際の操作性を改善できる。
さらに、挟持部がフランジ部を挟持することで、蓋体が容器本体に連結される構成であるため、蓋付き容器を組み立てる前の状態において、蓋体を容器本体から分離させておくことができる。このため、容器本体に内容物を充填する際に、蓋体が充填ラインの空間を占有することが抑えられる。したがって、容器本体を充填ライン上に密に整列配置しやすくなり、充填効率を高めることができる。
【0008】
ここで、前記挟持部は、前記フランジ部の上面に当接する上当接部と、前記フランジ部の下面に当接する下当接部と、前記上当接部および前記下当接部を互いに連結する連結部と、前記下当接部から下方に向けて延びるガイド部と、を有していてもよい。
【0009】
この場合、蓋体を容器本体に組み付ける際に、ガイド部をフランジ部に摺接させることで、ガイド部によってガイドされた下当接部がフランジ部の下側に入り込みやすくなる。これにより、組み付け作業を容易にすることができる。
【0010】
また、前記フランジ部の下面には、上方に向けて窪む凹部が形成され、前記挟持部の少なくとも一部が前記凹部内に位置していてもよい。
【0011】
この場合、挟持部のフランジ部に対する係止が外れにくくなる。したがって、蓋体が不意に容器本体から外れてしまうことが抑えられ、操作性をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の上記態様によれば、操作性を向上させた蓋付き容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係る蓋付き容器の斜視図である。
【
図3】
図2の蓋付き容器のIII-III断面矢視図である。
【
図4】蓋体を容器本体に取り付ける様子を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る蓋付き容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の蓋付き容器について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、蓋付き容器1Aは、容器本体10と、容器本体10の上端開口を覆う蓋体20と、を備えている。容器本体10および蓋体20は、別体に形成されている。容器本体10は、有底筒状の本体部11を有している。
【0015】
(方向定義)
ここで本実施形態では、本体部11の中心軸を容器軸Oといい、容器軸Oが延びる方向を上下方向Zという。また、上下方向Zに沿って、本体部11の底部側(-Z側)を下方といい、蓋体20側(+Z側)を上方という。上下方向Zから見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
また、上下方向Zに直交する一方向を前後方向Xといい、上下方向Zおよび前後方向Xの双方に直交する方向を左右方向Yという。前後方向Xにおける一方側(+X側)を前方、他方側(-X側)を後方という。左右方向Yにおける一方側(+Y側)を右方、他方側(-Y側)を左方という。
【0016】
図2に示すように、容器本体10および蓋体20は、平面視において略長方形状に形成されている。より詳しくは、容器本体10および蓋体20の左右方向Yにおける大きさ(寸法)が、前後方向Xにおける大きさ(寸法)よりも大きくなっている。なお、容器本体10および蓋体20は、平面視で略楕円形状などであってもよい。
【0017】
(容器本体)
図1~
図3に示すように、容器本体10は、本体部11と、本体部11の上端部から径方向外側に向けて延びる下フランジ部12(フランジ部)と、を有している。本実施形態の容器本体10は、熱成形(サーモフォーミング)によって薄肉に形成されている。このため、容器本体10の製造コストが抑えられている。なお、容器本体10を射出成形またはその他の方法で成形してもよい。
【0018】
図3に示すように、本体部11は、側壁部11aと、側壁部11aの上端部から径方向外側に延びる段部11bと、段部11bの外周縁から上方に延びる上筒部11cと、を有している。本体部11の上端部の内周面(上筒部11cの上端開口縁)には、径方向内側に向けて凸の曲面が形成されている。
【0019】
図2に示すように、下フランジ部12には、下切欠部12cが形成されている。下フランジ部12は、下切欠部12cが形成された部分を除き、本体部11の上端部の全周にわたって形成されている。下フランジ部12の幅は、下切欠部12cが形成された部分を除き、略一定となっている。下切欠部12cは、下フランジ部12のうち本体部11よりも前方に位置する部分において、下フランジ部12の左右方向Yにおける中央部から左方(-Y側)の部分に形成されている。下切欠部12cによって、下フランジ部12の一部に第1係止部12aが形成されている。第1係止部12aは、下フランジ部12のうち本体部11よりも前方に位置する部分において、下フランジ部12の左右方向Yにおける中央部から左方に向けて突出している。第1係止部12aは、略半円形状に形成されている。
【0020】
図3に示すように、下フランジ部12の下面には、上方に向けて窪む凹部12bが形成されている。凹部12bは、下フランジ部12の全周にわたって形成されている。なお、凹部12bは、下フランジ部12のうち本体部11よりも後方に位置する部分にのみ形成されていてもよい。
【0021】
(蓋体)
図1および
図3に示すように、蓋体20は、有頂筒状の閉塞部21と、閉塞部21の下端部から径方向外側に向けて延びる上フランジ部22と、を有している。本実施形態の蓋体20は、射出成形によって形成されている。なお、蓋体20を射出成形以外の方法で成形してもよい。
閉塞部21は、容器本体10の本体部11の上端開口を閉塞している。上フランジ部22は、容器本体10の下フランジ部12に、その上方から当接もしくは近接している。
【0022】
図1および
図2に示すように、上フランジ部22には、上切欠部22cが形成されている。上フランジ部22は、上切欠部22cが形成された部分を除き、閉塞部21の下端部の全周にわたって形成されている。上フランジ部22の幅は、上切欠部22cおよび挟持部23(後述)が形成された部分を除き、略一定となっている。上切欠部22cは、上フランジ部22のうち閉塞部21よりも前方に位置する部分において、上フランジ部22の左右方向Yにおける中央部から右方(+Y側)の部分に形成されている。上切欠部22cによって、上フランジ部22の一部に第2係止部22aが形成されている。第2係止部22aは、上フランジ部22のうち閉塞部21よりも前方に位置する部分において、上フランジ部22の左右方向における中央部から右方に向けて突出している。第2係止部22aは、略半円形状に形成されている。
【0023】
容器本体10の下フランジ部12および蓋体20の上フランジ部22は、がま口状に係止されるように構成されている。より詳しくは、下フランジ部12のうち第1係止部12aを除く部分が、上フランジ部22の下方に位置している。その一方で、第1係止部12aは、第2係止部22aの上に乗り上げている。これにより、蓋体20が容器本体10に対して閉じられた状態が維持される。
使用者は、上フランジ部22および下フランジ部12を弾性変形させて、第1係止部12aと第2係止部22aとの係止を解除することで、蓋体20を開放することができる。
【0024】
そして本実施形態の蓋体20には、下フランジ部12を挟持する弾性変形可能な挟持部23と、挟持部23を閉塞部21に対して回動可能に連結するヒンジ部26と、が形成されている。挟持部23およびヒンジ部26は、蓋体20の後端部に、左右方向Yに間隔を空けてそれぞれ2つ配置されている。
【0025】
図4(c)は、
図3の挟持部23近傍の拡大図である。
図4(c)に示すように、挟持部23は、上当接部23aと、連結部23bと、下当接部23cと、ガイド部23dと、を有している。上当接部23aは、下フランジ部12にその上方から当接しており、下当接部23cは、下フランジ部12にその下方から当接している。下当接部23cは、下フランジ部12の下面に形成された凹部12bの内面に当接している。上当接部23aおよび下当接部23cは、下フランジ部12を介して、上下方向Zで向かい合う位置に配置されている。連結部23bは、上当接部23aと下当接部23cとを連結している。連結部23bは、上下方向Zおよび前後方向Xに沿う断面視において、C字状に形成されている。
【0026】
ガイド部23dは、下当接部23cから下方に向けて延びている。ガイド部23dは、下方に向かうに従って、漸次前方に向かうように傾斜している。ガイド部23dの前端部と容器本体10の本体部11との間には、前後方向Xの隙間が設けられている。
挟持部23は、全体として弾性変形可能に形成されており、復元力によって容器本体10の下フランジ部12を挟持するように構成されている。
【0027】
図4(c)に示すように、ヒンジ部26は、挟持部23と閉塞部21との間に位置しており、挟持部23を閉塞部21に連結している。上フランジ部22の下面に、上方に向けて窪む溝22bが形成されている。溝22bが形成された部分では、上フランジ部22の肉厚が小さくなっており、弾性変形しやすくなっている。本実施形態では、上フランジ部22のうち、溝22bによって肉厚が小さくなった部分が、ヒンジ部26として機能する。
【0028】
また、
図1および
図2に示すように、蓋体20には嵌合部25が形成されている。嵌合部25は、閉塞部21の左右方向Yにおける中央部かつ閉塞部21の後端部に位置している。嵌合部25は、左右方向Yにおいて、2つの挟持部23の間に位置している。嵌合部25の左端面および右端面は、テーパ面25aとなっている。各テーパ面25aは、上方に向かうに従って漸次左右方向Yの中央部に向けて延びている。これにより、嵌合部25の左右方向Yにおける長さは、上方に向かうに従って漸次小さくなっている。嵌合部25の下端部における左右方向Yの長さは、2つの挟持部23同士の間の間隔よりも大きい。嵌合部25の上端部における左右方向Yの長さは、2つの挟持部23同士の間の間隔よりも小さい。
【0029】
図3に示すように、蓋体20には、閉塞部21の頂壁から下方に向けて突出するリブ24が形成されている。リブ24は、閉塞部21の頂壁から周壁にわたって形成されており、容器本体10の段部11bと上下方向Zで対向している。リブ24は、周方向に間隔を空けて複数配置されている。リブ24によって、閉塞部21の剛性が高められている。また、蓋体20が閉じられた状態において、蓋体20を容器本体10に対して左右方向Yに動かそうとすると、リブ24が容器本体10の上筒部11cに当接する。したがって、リブ24により、容器本体10に対する蓋体20の左右方向Yにおける位置のずれが規制される。
【0030】
次に、以上のように構成された蓋付き容器1Aの作用について説明する。
【0031】
蓋付き容器1Aを組み立てる際は、
図4(a)に示すように、蓋体20を容器本体10の上方に配置し、容器本体10に向けて近づける。このとき、挟持部23は、連結部23bがヒンジ部26よりも上方に位置した状態とする。
【0032】
次に
図4(b)に示すように、上フランジ部22と下フランジ部12とが接触した状態で、挟持部23をヒンジ部26回りに下方に向けて回動させる。このとき、ガイド部23dが下フランジ部12の後端部に対して摺動しながら、上当接部23aと下当接部23cとの間の隙間が広がるように、挟持部23が全体として弾性変形する。
【0033】
挟持部23をヒンジ部26回りに下方に向けてさらに回動させると、
図4(c)に示すように、下当接部23cが下フランジ部12の凹部12b内に進入する。そして、上当接部23aおよび下当接部23cによってフランジ部12が挟持され、蓋体20が容器本体10に連結された状態となる。これにより蓋体20が、ヒンジ部26回りに回動可能な状態で、容器本体10に連結される。
【0034】
図4(c)に示す状態から蓋体20をヒンジ部26回りに上方に回動させると、嵌合部25(
図1参照)の一部が、2つの挟持部23同士の間に進入する。嵌合部25にはテーパ面25aが形成されているため、蓋体20をさらに回動させると、嵌合部25が2つの挟持部23同士の間に圧入された状態となる。これにより、蓋体20を開いた状態に維持することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の蓋付き容器1Aによれば、蓋体20に、下フランジ部12を挟持する挟持部23と、挟持部23を閉塞部21に対して回動可能に連結するヒンジ部26と、が形成されている。この構成により、蓋体20をヒンジ部26回りに容器本体10に対して回動させることで、容易に容器本体10の上端開口を開放させることができる。また、挟持部23が下フランジ部12を挟持しているため、蓋体20が容器本体10に連結された状態が維持される。したがって、操作性を改善することができる。
また、例えば蓋体20に、下フランジ部12を囲う周壁を設けた場合と比較して、蓋体20の質量および製造コストを低減することができる。
【0036】
また、蓋付き容器1Aは、挟持部23が下フランジ部12を挟持することで、蓋体20が容器本体10に連結される構成である。したがって
図4(a)に示すように、組み立て前の状態において、蓋体20を容器本体10から分離させておくことができる。このため、容器本体10に内容物を充填する際に、蓋体20が充填ラインの空間を占有することが抑えられる。したがって、容器本体10を充填ライン上に密に整列配置しやすくなり、充填効率を高めることができる。
【0037】
また、挟持部23は、下フランジ部12の上面に当接する上当接部23aと、下フランジ部12の下面(凹部12bの内面)に当接する下当接部23cと、上当接部23aおよび下当接部23cを互いに連結する連結部23bと、下当接部23cから下方に向けて延びるガイド部23dと、を有している。この構成により、
図4(a)~(c)に示すように、蓋体20を容器本体10に組み付ける際に、ガイド部23dを下フランジ部12に摺接させることで、ガイド部23dによってガイドされた下当接部23cが下フランジ部12の下側に入り込みやすくなる。これにより、蓋付き容器1Aの組み立て作業を容易にすることができる。
【0038】
また、下フランジ部12の凹部12b内に、挟持部23(下当接部23c)の少なくとも一部が位置していることで、挟持部23の下フランジ部12に対する係止が外れにくくなる。したがって、蓋体20が不意に容器本体10から外れてしまうことが抑えられ、操作性をより向上させることができる。
【0039】
さらに、凹部12bは本体部11の上端部の形状に沿って、下フランジ部12の全周にわたって形成されている。このため、容器本体10を下方から見ると、凹部12bは略長方形状に形成されている。つまり、凹部12bは、左右方向Yに沿って延びる長辺部分と、前後方向Xに沿って延びる短辺部分と、を有している。そして、挟持部23の一部は、凹部12bの長辺部分の内部に位置している。この構成により、蓋体20を開いた状態で、蓋体20を容器本体10に対して左右方向Yに移動させようとすると、凹部12bの長辺部分から短辺部分への切り替わり部における内面に挟持部23が当接する。これにより、蓋体20の容器本体10に対する移動が規制される。したがって、凹部12bおよび挟持部23は、蓋体20が開かれた状態において、蓋体20の容器本体10に対する左右方向Yの移動を規制する役割も有している。
【0040】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明するが、第1実施形態と基本的な構成は同様である。このため、同様の構成には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0041】
本実施形態の蓋付き容器1Bでは、
図5に示すように、蓋体20の前端部および後端部の両方に、挟持部23およびヒンジ部26が形成されている。各挟持部23および各ヒンジ部26の構成は、第1実施形態と同様である。すなわち、前側の挟持部23は下フランジ部12の前側部分を挟持し、後側の挟持部23はフランジ部12の後側部分を挟持している。
【0042】
本実施形態の場合、前側または後側の挟持部23を弾性変形させて、下フランジ部12への係止を解除することで、蓋体20を容器本体10に対して回動させて容器本体10を開放させることができる。したがって、前側および後側のどちらからでも蓋体20を開く操作を行うことが可能であり、操作性がより高められている。
【0043】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0044】
例えば、前記第1実施形態では、挟持部23およびヒンジ部26がそれぞれ2つ設けられていたが、挟持部23およびヒンジ部26の数は1または3以上であってもよい。
【0045】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1A、1B…蓋付き容器 10…容器本体 11…本体部 12…下フランジ部(フランジ部) 12b…凹部 20…蓋体 21…閉塞部 23…挟持部 23a…上当接部 23b…連結部 23c…下当接部 23d…ガイド部 26…ヒンジ部