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特許7390797情報管理システム、方法、サーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】情報管理システム、方法、サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231127BHJP
   A41H 43/00 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
G06Q50/10
A41H43/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019066401
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020166552
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 正彦
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-297971(JP,A)
【文献】特開2018-147333(JP,A)
【文献】特開2006-119792(JP,A)
【文献】特開2009-169700(JP,A)
【文献】特開2005-333379(JP,A)
【文献】特開2007-086948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A41H 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の情報を入力可能なユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信可能に接続された経由サーバと、
前記経由サーバと通信可能に接続された情報利用装置と、を備え、
前記ユーザ端末は、
前記所定の情報を入力する情報入力部と、
入力された前記所定の情報を所定のコード情報に変換するコード化部と、
前記所定の情報と前記コード情報を、前記経由サーバに送信する情報送信部と、を有し、
前記情報利用装置は、
前記コード情報を入力するコード情報入力部と、
入力されたコード情報を、前記経由サーバに送信するコード情報送信部と、
前記経由サーバからの応答情報を受信する応答情報受信部と、を有し、
前記経由サーバは、
前記ユーザ端末から送信された前記所定の情報と前記コード情報を受信すると、受信した前記所定の情報と前記コード情報を対応付けて記憶する記憶部と、
前記情報利用装置から送信された前記コード情報に基づいて、前記記憶部に記憶された当該コード情報に対応付けられた前記所定の情報を抽出し、前記情報利用装置に前記応答情報として送信する応答情報送信部と、を有し、
前記コード化部は、
前記所定の情報自体を、ハッシュ関数による桁数圧縮によって、所定桁数のコード情報に変換する
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記ユーザ端末が、
前記コード情報を、所定の二次元コード情報に変換する二次元コード化部を備え、
前記情報利用装置は、
前記二次元コード情報を復号化することにより、前記コード情報入力部に前記コード情報を入力する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報管理システム。
【請求項3】
前記経由サーバは、
前記応答情報送信部が、前記情報利用装置に前記応答情報を送信すると、
前記記憶部に記憶された前記所定の情報と前記コード情報を所定のタイミングで削除する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報管理システム。
【請求項4】
前記所定の情報が、採寸情報である
ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の情報管理システム。
【請求項5】
所定の情報を入力可能なユーザ端末と、
前記ユーザ端末と通信可能に接続された経由サーバと、
前記経由サーバと通信可能に接続された情報利用装置と、において実行される情報管理方法であって、
前記ユーザ端末が、
前記所定の情報を入力し、
入力された前記所定の情報を所定のコード情報に変換し、
前記所定の情報と前記コード情報を、前記経由サーバに送信し、
前記情報利用装置が、
前記コード情報を入力し、
入力されたコード情報を、前記経由サーバに送信し、
前記経由サーバからの応答情報を受信し、
前記経由サーバが、
前記ユーザ端末から送信された前記所定の情報と前記コード情報を受信すると、受信した前記所定の情報と前記コード情報を対応付けて記憶し、
前記情報利用装置から送信された前記コード情報に基づいて、記憶された当該コード情報に対応付けられた前記所定の情報を抽出し、前記情報利用装置に前記応答情報として送信し、
前記ユーザ端末が、
前記所定の情報自体を、ハッシュ関数による桁数圧縮によって、所定桁数のコード情報に変換する
ことを特徴とする情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば衣服の採寸情報や身体情報,ヘルスケア情報,住宅情報,乗用車情報など、ユーザに固有の複数項目にわたる情報のように、人間が記憶しておくのが困難となる情報を管理するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば衣服の採寸情報や身体情報,ヘルスケア情報,住宅情報,乗用車情報など、人間が記憶しておくことが困難となる数値や文字,記号等からなる所定の情報が、製品の購入やサービスの提供を受ける際に使用されている。
このような所定の情報は、例えばユーザに固有の属性を示す複数項目にわたる数値や番号,記号等によって構成されており、適切な製品・サービス等の提供を受けるためには、そのような複数項目にわたる数値情報等を正しく入力することが求められる。
このため、そのような複数項目にわたる数値等は、正確に記憶しておくことが難しく、また、入力や記載が煩雑であり、誤った値が入力されることがあった。
【0003】
このような所定の情報の記載・入力等の煩雑さや誤入力などの問題を解決するため、例えば特許文献1に開示されているような技術が提案されている。
特許文献1に開示されている技術は、衣服を購入する場合に必要となる採寸情報を対象として、衣服を販売する店舗等に備えられた3Dスキャナーで採寸した採寸情報(サイズ情報)を、クラウドコンピュータに格納しておき、他の店舗やWEBサイトなどで使用できるようにするというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-124946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術には改善の余地があった。
【0006】
本発明は、以上のような従来の技術が有する課題を解決するために提案されたものであり、例えば衣服の採寸情報等の所定の情報を、入力操作が簡便かつ誤りなく入力できるコード情報に変換でき、変換されたコード情報を用いて任意のWEBサイトや店舗等において所定の情報を呼び出すことができ、当該情報に係るユーザの個人情報の登録や識別情報の台帳管理等も不要となる、利便性・信頼性の高い情報管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の情報管理システムは、所定の情報を入力可能なユーザ端末と、前記ユーザ端末と通信可能に接続された経由サーバと、前記経由サーバと通信可能に接続された情報利用装置と、を備え、前記ユーザ端末は、前記所定の情報を入力する情報入力部と、入力された前記所定の情報を所定のコード情報に変換するコード化部と、前記所定の情報と前記コード情報を、前記経由サーバに送信する情報送信部と、を有し、前記情報利用装置は、前記コード情報を入力するコード情報入力部と、入力されたコード情報を、前記経由サーバに送信するコード情報送信部と、前記経由サーバからの応答情報を受信する応答情報受信部と、を有し、前記経由サーバは、前記ユーザ端末から送信された前記所定の情報と前記コード情報を受信すると、受信した前記所定の情報と前記コード情報を対応付けて記憶する記憶部と、前記情報利用装置から送信された前記コード情報に基づいて、前記記憶部に記憶された当該コード情報に対応付けられた前記所定の情報を抽出し、前記情報利用装置に前記応答情報として送信する応答情報送信部と、を有し、前記コード化部は、前記所定の情報自体を、ハッシュ関数による桁数圧縮によって、所定桁数のコード情報に変換する構成としてある。
【0008】
また、本発明は、上記のような本発明に係る情報管理システムを構成する情報処理装置で実行される情報管理方法として構成することができる。
さらに、本発明は、上記のような本発明に係る情報管理システム及び方法を実施可能な情報管理サーバ、又は情報管理プログラムとして構成することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、例えば衣服の採寸情報等の所定の情報を、入力操作が簡便かつ誤りなく入力できるコード情報に変換でき、変換されたコード情報を用いて任意のWEBサイトや店舗等において所定の情報を呼び出すことができる。
また、当該情報に係るユーザの個人情報を登録したり煩雑な台帳管理等することも一切不要となる。
これによって、利便性・信頼性の高い情報管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の情報管理システムの一実施形態に係る採寸情報入力支援システムの全体構成を示すブロック図である。
図2】本システムのユーザ端末に表示される表示画面の遷移を示す説明図である。
図3】本システムのユーザ端末で採寸情報をハッシュ関数によりコード化する手法を示す説明図である。
図4図2から引き続いて、ユーザ端末の表示画面の遷移を示す説明図である。
図5】本システムのECサイト装置で使用可能となる採寸情報の表示画面の一例を示す説明図である。
図6】本システムにおいてユーザ端末で入力された採寸情報が経由サーバを介してECサイト装置で入力・使用されるまでの処理動作の流れを示す説明図である。
図7】本システムで入力・コード化される採寸情報の使用例を模式的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る情報管理システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本発明の情報管理システムは、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0012】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。また、本発明に係る情報管理システムを構成する各装置は、単一の情報処理装置(例えば1台のパーソナルコンピュータ,スマートフォン等)で構成することもでき、複数の情報処理装置(例えば複数台のサーバコンピュータ群等)で構成することもできる。
【0013】
[システム構成]
図1に、本発明の一実施形態に係る情報管理システムである採寸情報入力支援システム1(以下「本システム1」という)の全体構成を示す。
同図に示す本システム1は、本発明に係る情報管理システムの一例として、衣服の購入や仕立てなどに使用される採寸情報を対象とした場合となっている。
具体的には、本システム1は、ユーザ端末10と、各ユーザ端末10と通信可能に接続された経由サーバ20と、経由サーバ20と通信可能に接続されたECサイト装置30を備えている。ユーザ端末10,経由サーバ20,ECサイト装置30は、それぞれインターネット100に接続され、互いに通信が可能となっている。
なお、図1では、ユーザ端末10及びECサイト装置30は、説明の便宜上それぞれ一つずつを示しているが、本システム1において、ユーザ端末10及びECサイト装置30は、それぞれ複数備えることができるものである。
【0014】
[ユーザ端末10]
ユーザ端末10は、本システム1を利用するユーザが操作可能な無線通信機能を備えた情報処理装置であり、例えばスマートフォン,タブレット端末,携帯電話機などで構成され、例えばユーザに固有の複数項目にわたるような所定の情報を入力可能な入力手段として機能するとともに、経由サーバ20との間で、例えば公衆通信網やWiFiなどを介した無線通信が行われるようになっている。
具体的には、ユーザ端末10は、図1に示すように、採寸情報入力部11,採寸情報記憶部12,採寸コード化部13,送信部14,採寸情報読出部15,二次元コード化部16の各部として機能するように構成される。
【0015】
ここで、ユーザ端末10の採寸情報入力部11・採寸情報記憶部12・採寸コード化部13・送信部14・採寸情報読出部15・二次元コード化部16の各機能は、例えばユーザ端末10を構成するスマートフォンに所定のアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされ、当該アプリを介して、経由サーバ20のAPI(Application Programming Interface)から提供される機能として使用・実行できるようになる。
また、例えば経由サーバ20とユーザ端末10との間で、単純なサーバ・クライアントモデルを構築して、ユーザ端末10に採寸情報入力部11・採寸情報記憶部12・採寸コード化部13・送信部14・採寸情報読出部15・二次元コード化部16の各機能を実装することもできる。
【0016】
採寸情報入力部11は、ユーザ端末10を使用するユーザの入力操作に応じて、衣服を購入等する際に必要となる採寸情報を入力する入力手段として機能するものであり、本発明に係る所定の情報を入力する情報入力部を構成する。
具体的には、採寸情報入力部11は、ユーザ端末10に実装されたアプリが起動されることで、図2に示すような表示画面が生成・表示され、その表示画面の入力項目に従って、ユーザがユーザ端末10の入力手段(例えば入力キー等)を操作することで、所定の寸法情報が入力できるようになっている。この採寸情報が、本発明に係る所定の情報を構成する。
【0017】
具体的には、図2に示すように、ユーザ端末10で本システム1のアプリが起動されると、図2(a)に示すように、「採寸データ入力」「履歴データ参照」「採寸コード」などの各メニューが選択可能に表示される。
ユーザの入力操作に応じて「採寸データ入力」が選択されると、採寸情報入力部11により、所定の採寸データ(採寸情報)を入力するための入力画面が生成・表示される。
入力画面は、図2(b)~(e)に示すように、複数項目にわたる採寸情報が、画面の指示・遷移に従って順番に入力できるように構成される。
【0018】
図2(b)の画面では、「身長・体重・首周・W(ウエスト)最小・肩幅・W最大・胸囲・ヒップ」の8項目について、それぞれ数値が入力可能に表示される。
図2(c)の画面では、「腕丈・腕周・股下・太もも・ふくらはぎ・足首」の6項目について、それぞれ「左/右」についての数値が入力可能に表示される。
図2(d)の画面では、「採寸方法・採寸店舗・採寸サイト」の3項目について、それぞれ選択候補対象(採寸方法・採寸事業者・利用サイト)をスクロールして選択可能に表示される。
図2(e)の画面では、入力された採寸情報の確認画面が表示され、数値や候補等が入力された各項目が一覧で表示されるようになっている。
【0019】
以上のようにして入力された採寸情報は、採寸情報記憶部12によって、ユーザ端末10が備える所定の記憶領域に記憶・保存される。
このように採寸情報記憶部12によって、一度入力された採寸情報が記憶・保持されることにより、過去に入力された採寸情報(採寸履歴)が、採寸情報読出部15によって読み出され、経由サーバ20の送信やECサイト装置30での再利用、採寸情報の二次元コード化などに使用できるようになる。
そして、入力・保存された採寸情報は、採寸コード化部13によって、所定のコード情報にコード化されるようになる。
【0020】
採寸コード化部13は、採寸情報入力部11によって入力された採寸情報を所定のコード情報に変換するコード化手段として機能するものであり、本発明に係るコード化部を構成する。
具体的には、採寸コード化部13は、変換・生成する所定のコード情報として、所定の情報となる採寸情報を、ハッシュ関数による桁数圧縮によって所定桁数のコード情報(採寸コード)として生成する。
本システム1で対象とする採寸情報は、各ユーザに固有の情報であり、複数の項目にわたる数値等の情報であり、人間が記憶しておくことが困難な程度の桁数の情報である。このような採寸情報について、ECサイト装置30などで使用の利便性を高めるために桁数圧縮と、圧縮後の値の衝突の回避を図る必要がある。そこで、本システム1では、採寸コード化部13において、採寸情報を、ハッシュ関数を用いてコード化するようにしている。
【0021】
対象情報をコード化するために用いられる変換関数は、(1)変換後の値から変換前の値が解析できないこと(不可逆性)、(2)2つの異なるデータからの変換値が同じ値にならないこと(非衝突性)、(3)変換後の値同士を比較しやすいよう(値照合性)変換後の値が比較的短い桁数になること、などが要請される。
ハッシュ関数を用いることにより、元となるデータが相当量にわたる場合でも、比較的少ない桁数の代表値で、値の衝突を回避することが可能となり、コード化関数として最適である。また、ハッシュ関数などの変換関数による出力値の桁数は、検索する項目の桁数よりも少なくなるため、変換後の値(コード)は、より速く検索するための検索項目としても活用することができる。
【0022】
そこで、本システム1では、採寸コード化部13で用いる変換関数としてハッシュ関数を採用し、相当量のデータであっても桁数圧縮でき。変換後の値が衝突する可能性が低いというハッシュ関数の特性を活かして、各ユーザ固有の採寸情報をコード化(桁数圧縮)するようにしている。
なお、本システム1の採寸コード化部13で用いられる関数は、公知のハッシュ関数を採用することができ、ハッシュ関数変換プログラムをユーザ端末10の本システム1に係るアプリ上に実装することで、採寸コード化部13を構成することができる。
【0023】
[ハッシュ関数による桁数圧縮]
図3に、本システム1において、採寸コード化部13で実行されるハッシュ関数による桁数圧縮の手法の一例を示す。
まず、ユーザ端末10には、上述のとおり、所定項目にわたる採寸情報が入力される(ステップ401)。
同図に示すように、ユーザ端末10に入力された採寸情報に加えて、例えば以下のような付加情報を、採寸情報とともにコード化することができる。
【0024】
・採寸したスキャナ情報:採寸したボディースキャナのメーカ情報・12桁
・採寸した事業者情報:採寸した事業者の情報・12桁
・利用する事業者情報:採寸情報を利用する事業者の情報・12桁
・時間情報:採寸コードを生成した時間・10桁
なお、以上のような採寸情報に加えてコード化される付加情報は一例であって、上記の情報に限定されるものではなく、必要な付加情報を追加・削除することができる。
【0025】
そして、上記のような付加情報を含む採寸情報について、ハッシュ関数による桁数圧縮が行われ(ステップ402)、所定桁数の採寸コードが生成・出力される(ステップ403)。本システム1では、採寸コードとして8桁のコード(図3の例では「A1b2-C3d4」)が生成されるようになっている。
このように桁数の少ない(8桁)採寸コードが生成されることにより、図2に示したように複数項目にわたる採寸情報は、ユーザによる記憶も容易なコード情報となり、以降は採寸コードを使用・入力等することで、簡単かつ正確に元の採寸情報を読み出すコード情報として利用することができるようになる。
【0026】
そして、以上のように採寸コード化部13で生成された採寸コードは、ユーザ端末10においてユーザが視認できるように表示されるとともに、送信部14によって経由サーバ20に送信される。
送信部14は、採寸情報入力部11によって入力された採寸情報と、採寸コード化部13によって生成された採寸コードとを、無線通信を介して経由サーバ20に送信する送信手段として機能するものであり、本発明に係る情報送信部を構成する。
本システム1では、採寸コード化部13によるコード化と、送信部14による採寸情報・採寸コードの経由サーバ20への送信が、同じタイミングで自動的に行われるようになっている。
【0027】
具体的には、本システム1では、上述した図2(e)の画面で、入力された採寸情報を確認・承認したユーザが、画面右上の「送信」を押下操作することで、採寸情報のコード化処理と、採寸情報・採寸コードの経由サーバ20への送信処理が自動で実行されるようになる。
その後は、図2(f)に示すように、採寸情報が経由サーバ20に送信された旨のメッセージと、生成された採寸コードが表示される。
これによりユーザは、生成・表示された採寸コードを使用して、ECサイト装置30への採寸コードの入力や、それに基づく衣服の購入等が行えるようになる。
【0028】
また、一度ECサイト装置30に入力されて使用された採寸コードは、再度使用することも可能である。
具体的には、後述する図4に示すように、過去の履歴データから再利用したい採寸情報の採寸コードを表示させ(図4(c)~(d)参照)、表示された採寸コードをユーザが押下(例えばダブルタップ等)することにより、上述した送信部14から、その採寸情報・採寸コードを経由サーバ20に再度送信させることができる。
これによって、一度生成・使用された採寸コードは再度利用できるようになり、ユーザにとって利便性の高いシステムとなり、また、経由サーバ20にとっても、後述するように、一度送信された採寸情報・採寸コードは、所定のタイミングで破棄・削除することができ、無用なデータ管理が不要となる上に、記憶すべきデータ容量も削減できるメリットがある。
【0029】
採寸情報読出部15は、上述のとおり、採寸情報記憶部12によってユーザ端末10に記憶・保存された採寸情報を読み出す情報読出手段として機能する。
このように過去に入力された採寸情報(採寸履歴)が採寸情報読出部15によって読み出されることにより、採寸情報の経由サーバ20への送信やECサイト装置30での再利用、採寸情報の二次元コード化などが行えるようになる。
【0030】
二次元コード化部16は、採寸コード化部13によって生成された採寸コードや、採寸情報入力部11によって入力された採寸情報を、例えばQRコード(登録商標)などの所定の二次元コード情報に変換する二次元コード化手段として機能するものであり、本発明に係る二次元コード化部を構成する。
本システム1では、二次元コード化部16は、採寸コード化部13によって生成された採寸コードを、所定の二次元コード化手法により二次元コード化するようになっている。
【0031】
具体的には、図4に示すように、ユーザ端末10で本システム1のアプリが起動され、図4(a)に示すホーム画面から、ユーザの入力操作に応じて「履歴データ参照」が選択されると、採寸情報読出部15により、ユーザ端末10に既に入力・記憶されている一又は二以上の採寸情報が抽出され、図4(b)に示すように、ユーザが視認・選択可能に表示される。
ユーザの選択操作により一の採寸情報が選択されると、図4(c)に示すように、その採寸情報の内容を示す一覧表示が生成・表示される。
【0032】
さらに、表示された採寸情報画面の二次元コードボタン(図4(c)では右下のボタン)が押下操作されることにより、二次元コード化部16により、その採寸情報に対応する採寸コードが二次元コードに変換・生成される。
生成された二次元コードは、図4(d)に示すように、対応する採寸コードとともに、表示画面に出力・表示される。
これによって、ユーザは、採寸コードを二次元コードとして使用できるようになる。
【0033】
例えば、ユーザ端末10で採寸コードの二次元コードを表示させ、衣類の店舗に設置されている二次元コードリーダで読み取って採寸コードに復号化した後、その採寸コードをECサイト装置30から経由サーバ20に送信して、対応する採寸情報を取得することができる。
これによって、ECサイト装置30では、実店舗においても採寸コードから採寸情報を取得できるとともに、経由サーバ20側では、本システム1の利用情報を取得・収集でき、例えば本システム1の利用者に対する課金情報等の元とすることができる。
【0034】
また、二次元コード化部16は、採寸コードだけでなく、ユーザ端末10に入力・格納されている採寸情報自体を所定の二次元コード情報に変換することもできる。
そのようにすると、ユーザ端末10で生成された採寸情報の二次元コードを表示させ、衣類の店舗に設置されている二次元コードリーダで読み取って採寸情報に復号化して、店舗側のPC等に採寸情報を直接入力・表示させることができる。
これによって、経由サーバ20と通信可能に接続されているECサイト装置30が使えない場合や、そのようなECサイト装置30が存在しない店舗等において、オフラインで採寸情報が取得できるようになる。
なお、この場合には、二次元コードそれ自体が、採寸情報をコード化した本発明に係るコード情報を構成することになる。
【0035】
[経由サーバ20]
経由サーバ20は、ユーザ端末10との間で無線通信を行うことにより、ユーザ端末10に本システム1に係る機能を提供するための管理装置として機能する情報処理装置である。
具体的には、経由サーバ20は、例えば1又は2以上のサーバコンピュータや、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等の情報処理装置によって構成することができる。
この経由サーバ20には、図示しないOS(Operating System)や、記憶部として機能するDBMS(DataBase Management System)などが備えられ、サーバコンピュータとして運用されるようになっている。
【0036】
そして、経由サーバ20には、例えばWebサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアとして実装されるAPIが備えられ、APIが、1又は2以上のユーザ端末10及びECサイト装置30に対して、イントラネットやインターネット等のネットワークを介して、APIという形で利用可能なアプリケーションを公開,提供することができる。
また、経由サーバ20は、ユーザ端末10やECサイト装置30との間でサーバ・クライアントモデルを構築して、ユーザ端末10やECサイト装置30に対して、本システム1を利用可能な各機能を実行させることもできる。
これにより、各ユーザ端末10及びECサイト装置30では、本システム1の採寸情報の入力支援を受けるためのアプリケーションプログラムを使用して、ユーザ端末10を使用する各ユーザの採寸情報の入力や採寸コードの生成・送信、採寸コードに基づく採寸情報の取得などが実行できるようになる。
【0037】
具体的には、経由サーバ20は、図1に示すように、採寸情報記憶部21,応答情報送信部22,採寸情報削除部23の各部として機能するように構成される。
採寸情報記憶部21は、ユーザ端末10から送信された採寸情報と採寸コードを受信すると、受信した採寸情報と採寸コード情報を対応付けて記憶する記憶手段として機能するものであり、本発明に係る記憶部を構成する。
応答情報送信部22は、ECサイト装置30から送信された採寸コードに基づいて、採寸情報記憶部21に記憶されている当該採寸コード情報に対応付けられた採寸情報を抽出し、ECサイト装置30に応答情報として送信する送信手段として機能するものであり、本発明に係る応答情報送信部を構成する。
【0038】
採寸情報削除部23は、応答情報送信部22がECサイト装置30に応答情報を送信すると、採寸情報記憶部21に記憶された採寸情報と採寸コードを、所定のタイミングで削除するデータ削除手段として機能するものである。
具体的には、採寸情報削除部23は、応答情報送信部22がECサイト装置30に応答情報を送信したタイミングで、直ちにその応答情報に対応する採寸情報・採寸コードを削除することができる。
また、採寸情報削除部23は、応答情報送信部22がECサイト装置30に応答情報を送信した日のバッチ処理(夜間バッチ等)で、その日に送信された一又は二以上の応答情報に対応する採寸情報・採寸コードを削除するようにしても良い。
【0039】
このように経由サーバ20では、ユーザ端末10から送信される採寸情報・採寸コードは、一旦、採寸情報記憶部21で記憶・保持されるものの、ECサイト装置30からの問い合わせに応じて応答情報が送信された採寸情報・採寸コードは、所定のタイミングで削除されるようになっている。
このようにすることで、経由サーバ20では、採寸情報・採寸コードを一時的に保持するのみで、採寸情報を送信してきたユーザの個人情報(例えば、氏名・ユーザID・住所・電話番号・メールアドレス等)を登録することも管理することも必要ない。
このため、経由サーバ20では、例えば識別情報の台帳管理やアクセス管理などは一切不要となり、例えばデータ入力者の権限管理等も必要なく、本システム1のユーザは匿名性が確保された状態で、採寸情報の入力支援機能を使用できるようになる。
【0040】
本システム1の採寸コードのような、識別キー・識別情報のデータ受け渡しを行う場合、特に受け渡しデータをサーバ(本システム1の経由サーバ20)で管理する場合、データ入力者の権限管理や、新しい識別キーを重複のないように払い出すための台帳管理(マスタ管理)が必要になる。便宜上、新たな識別キー払い出しにあたり、既存の全ての識別キーを台帳に同時にならべて重複のないことを同期的に確認する処理を「同期的処理方式」という。
これに対して、本システム1では、ユーザが所有するスマートフォン等のユーザ端末10において、ECサイト装置30に受け渡したいデータとなる採寸情報に基づいて、ハッシュ関数によって変換された識別キー(採寸コード)が生成される。便宜上、識別キーを同時に並べることをせずに識別キーを生成する方式を、上述の「同期的処理方式」に対して「非同期的処理方式」という。
【0041】
このような非同期的処理方式となる本システム1では、参照用サーバとなる経由サーバ20において、台帳管理(マスタ管理)やデータ入力者の権限管理(ユーザ管理)を一切不要とすることができる。
また、経由サーバ20では、上述した同期的処理方式のように全てのデータ(採寸情報・採寸コード・台帳管理情報等)を保管する必要がなく、ユーザ端末10から受信した採寸情報・採寸コードを所定のタイミングで、例えば連携先となるECサイト装置30でのデータ受領後や、変換関数(ハッシュ関数)による識別キー(採寸コード)の重複(衝突)の可能性が現実的に発生しないレベルに留めるために必要なタイミング等で、データを削除することができる。
したがって、採寸コードを構成する識別キーの重複を現実的なレベルで回避して、信頼性の高いシステムを実現することができるようになる。
【0042】
[ECサイト装置30]
ECサイト装置30は、本システム1を運用して衣服などの衣料品の販売を企業等が運営するWEBサイトをインターネット上で公開・運用する情報処理装置であり、本発明に係る所定の情報及びコード情報を利用する情報利用装置を構成する。
このような情報利用装置となるECサイト装置30は、例えばサーバコンピュータやパーソナルコンピュータなどで構成され、インターネット100などのネットワークを介して経由サーバ20と通信可能に接続される。
また、ECサイト装置30には、衣料品等を対面販売する店舗(実店舗)に設置されるパーソナルコンピュータやタブレット端末,スマートフォンなどで構成される情報処理装置を含むことができる。
【0043】
そして、ECサイト装置30では、インターネット100を介して表示・閲覧可能なWEBサイトが提供され、WEBサイトの画面からユーザが採寸コードを入力できるとともに、経由サーバ20から送信される応答情報となる、採寸コードに対応する採寸情報が受信されるようになっており、採寸コードを入力したユーザに対して、それに対応する採寸情報に基づいて、衣服の販売や商品の案内などのサービス提供が行えるようになる。
具体的には、ECサイト装置30は、図1に示すように、採寸コード入力部31,採寸コード照会部32,応答情報受信部33の各部として機能するように構成される。
【0044】
ここで、ECサイト装置30の採寸コード入力部31・採寸コード照会部32・応答情報受信部33の各機能は、例えばECサイト装置30を構成する情報処理装置に所定のアプリケーションプログラム(アプリ)がインストールされ、当該アプリを介して、経由サーバ20のAPI(Application Programming Interface)から提供される機能として使用・実行できるようになる。
また、例えば経由サーバ20とECサイト装置30との間で、単純なサーバ・クライアントモデルを構築して、ECサイト装置30に採寸コード入力部31・採寸コード照会部32・応答情報受信部33の各機能を実装することもできる。
【0045】
採寸コード入力部31は、ユーザの入力操作に応じて、採寸コードを入力する入力手段として機能するものであり、本発明に係るコード情報入力部を構成する。
ここで、ユーザの採寸コードの入力操作は、例えばユーザ端末10や実店舗の店頭に設置される端末装置など、ECサイト装置30が提供するWEBサイトを閲覧・表示可能な情報処理装置から行うことができる。
採寸コード照会部32は、採寸コード入力部31によって入力された採寸コードを、経由サーバ20に送信・照会する送信手段として機能するものであり、本発明に係るコード情報送信部を構成する。
応答情報受信部33は、経由サーバ20から送信される応答情報を受信する受信手段として機能するものであり、本発明に係る応答情報受信部を構成する。
【0046】
図5に、ECサイト装置30に出力・常時される採寸情報の表示画面の一例を示す。
同図に示す表示画面は、ECサイト装置30に接続された表示機器やクライアント端末において表示可能であり、まず、ユーザによって入力された採寸コード(ハッシュコード)が表示され、「送信」ボタンが押下操作されることで、採寸コードが経由サーバ20に送信されるようになる。
また、採寸コードに対応する採寸情報が経由サーバ20から送信されると、その採寸情報が、複数項目にわたる一覧表示で出力・表示されるようになる。この一覧表示の各項目と数値は、図2で示したユーザ端末10から入力される採寸情報と対応・一致するものである。
なお、図5に示す表示画面は一例であり、例えば表示項目や表示レイアウトなど、図5の例に限定されるものではない。
【0047】
以上のような構成からなるECサイト装置30では、インターネット100を介してECサイト装置30が提供するWEBサイトから採寸コードが入力されると、その採寸コードを識別キーとして経由サーバ20に照会が送られ、その応答情報が経由サーバ20からECサイト装置30に回答・送信されるようになる。
これによって、ECサイト装置30の管理者・使用者は、本システム1に接続するだけで、ユーザ端末10に入力された採寸情報を取得することができ、ECサイト装置30や他の店舗やサイトで展開される衣料品等の販売ビジネスを円滑に運営できるようになる。
【0048】
[動作]
次に、以上のような構成からなる本システム1の具体的な動作(情報管理方法)について、図6を参照しつつ説明する。
図6では、本システム1においてユーザの位置情報を検知して所定のユーザ情報をECサイト装置30に提供する場合の処理動作を示す。
【0049】
まず、本システム1を利用する各ユーザは、ユーザ端末10を操作して本システム1のアプリを起動し、予め自分の採寸情報を入力しておく(図2参照)。
採寸情報が入力・記憶されたユーザ端末10では、所定の操作(例えば上述した図2(e)に示す「送信」ボタンの押下操作)が行われることで、図5に示すように、(1)採寸情報から採寸コード(ハッシュ値)が作成される。
また、この採寸コードの作成が行われると、(1)’採寸コードの表示時(送信時)に経由サーバ20に採寸情報が送信される。
このようにして、ユーザ端末10から経由サーバ20に、採寸情報・採寸コードが自動的に送信されるようになる。
【0050】
次に、ECサイト装置30が提供するWEBサイトにおいて、ユーザが入力操作を行うことにより、図5に示すように、(2)ユーザ端末10で生成・表示された採寸コードが入力される。
そして、採寸コードが入力されたECサイト装置30では、(3)採寸コードによる照会が経由サーバ20に対して行われる。
経由サーバ20では、照会を受けた採寸コードに対応する採寸情報を読み出されて、(4)採寸情報が応答情報としてECサイト装置30に送信される。
応答情報の送信後は、経由サーバ20では、所定のタイミングで、応答情報に対応する採寸情報・採寸コードが削除されるようになる。
【0051】
このように、本システム1では、経由サーバ20において、例えばユーザの登録情報等を保持する必要もなく、採寸情報・採寸コードの台帳管理やアクセス管理なども不要となり、ユーザの匿名性が確保された状態で、採寸情報の受け渡しが行われるようになる。
そして、経由サーバ20から採寸情報を受け取ったECサイト装置30では、その採寸情報を用いて、店舗やWEBサイトで展開される衣料品等の販売やサービスの提供を円滑に運営できるようになり、ユーザ端末10のユーザも、利便性の高い衣料品のショッピングなどを楽しむことができる。
【0052】
例えば、図7に示すように、ユーザ端末10で生成された採寸コードがECサイト装置30に入力されると、その採寸コードに対応する採寸情報が、経由サーバ20を介してECサイト装置30で取得されるので、ユーザは、ECサイト装置30のWEBサイトや実店舗において、改めて採寸情報を入力したり記載したりすることなく、衣料品の購入や仕立ての依頼などを行うことができる。
また、ユーザ端末10で採寸コードや採寸情報を二次元コードに変換・生成することで、その二次元コードを介して、スマートフォンサイト40に採寸情報を登録してショッピング等を行うことができ、また、ユーザがアパレルショップ50の実店舗に赴いて、店頭に設置されている二次元コードリーダで二次元コードを読み取らせて、採寸情報をアパレルショップ50側に提示・提供して、衣類の購入等をすることもできる。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係る本システム1によれば、衣服の購入等の際に必要となる複数項目にわたる採寸情報が、人間が容易に記憶でき、入力操作も簡便かつ誤りなく入力できる採寸コードに変換され、その採寸コードに基づいて、経由サーバ20を介したユーザ端末10とECサイト装置30との間で採寸情報の受け渡しが行えるようになる。
これによって、ユーザ端末10で採寸情報が一度入力されれば、それ以降は、例えば8桁等の桁数の非常に少ない採寸コードのみを用いて、複数項目にわたる採寸情報のやり取りが行えるようになる。
【0054】
しかも、採寸情報の受け渡しを仲介する経由サーバ20には、ユーザの個人情報の登録や採寸情報の台帳管理等は一切不要となり、ユーザの匿名性を確保したまま、採寸情報のみを安全にやり取りすることができるようになる。
したがって、本システム1によれば、ユーザ側にもECサイト側にも、さらに経由サーバ側にとっても、利便性・信頼性の高い採寸情報の入力支援システムを提供することができる。
【0055】
これに対して、例えば上述した特許文献1に開示されているような技術では、単に3Dスキャナーで採寸した採寸情報をクラウドコンピュータで記憶・管理するというもので、ユーザは店舗等に赴いて3Dスキャナーによる採寸を行わなければならず、店舗等には必ず3Dスキャナーの設備が必要であった。
そして、特許文献1の技術では、入力された採寸情報をコード情報に変換することも、そのようなコード情報を任意のWEBサイトや店舗等で使用して採寸情報を呼び出すことも、採寸情報・コード情報をユーザの個人情報の登録や台帳管理等を必要とすることなく安全かつ正しく配信・使用できるようにするようなことも一切行えず、上記のような本システム1における顕著な作用効果を奏することは不可能である。
【0056】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
(1)例えば、上述した実施形態では、本システムにおいて対象とする所定の情報として衣類等の購入に必要となる採寸情報を例にとって説明したが、本発明が対象とする所定の情報は採寸情報に限定されるものではなく、例えばユーザに固有の属性を示す複数項目にわたる情報などのように、人間が記憶しておくことが困難な程度の桁数の情報であれば、本発明を適用して情報の管理や入力支援等を行うことができる。
採寸情報以外の本発明に係る所定の情報としては、例えば、ユーザの身体情報,ヘルスケア情報,住宅情報,乗用車情報などがあり、記憶しておくことが難しく、入力支援が必要となる複数項目にわたる数値や記号などで構成される情報であれば、本発明に係る所定の情報として対象とすることができる。
また、所定の情報としては、ユーザ自身に関する情報に限らず、例えばユーザの仕事の成果等を示す情報など、記憶しておくことが困難であったり、桁数を圧縮することで管理が容易となる、ユーザが管理可能なあらゆる情報を対象とすることができる。
(2)同様に、本システムが導入・運用される対象としては、所定の情報を使用して製品・サービス等が提供されることがあれば、どのようなWEBサイトや店舗,受付などに適用することがで、例えば衣料販売店,病院や薬局,大型の商業施設,住宅展示場,自動車販売会社などが運営するWEBサイトや店頭端末などで、本システムを活用することができる。
したがって、上述の実施形態ではECサイト装置を例にとって説明したが、本発明に係る情報利用装置は、特にECサイトや商業設備として使用される場合に限定されず、例えば戸籍データを取り扱う役所に備えられる装置を、本発明の情報利用装置によって構成することもできる。
(3)上記実施形態では、ユーザ端末から経由サーバに送信された採寸情報・採寸コードは、経由サーバで一時置きされた後、所定のタイミングで削除されるようになっていたが、経由サーバに一時置きされるデータを、例えば別な場所(他の情報処理装置や記憶媒体など)にコピーして貯めおくことも可能である。
このようにすることで、例えば、採寸情報に基づく最適型紙の自動デザインなど、別なデータ分析ソリューション等に活用することが可能となる。
なお、この場合には、本システムを使用するユーザ端末のユーザに対して、例えば、採寸データは個人情報と紐付けることはないことや、但しデータの匿名性を前提に他の分析に使用する可能性があることなどを、正しく説明しておくことが望ましい。
(4)本発明において複数項目にわたる所定の情報をコード化する手法としては、上述の実施形態で示したハッシュ関数を用いたコード化以外にも、所定の情報を構成する数値等よりも桁数が少なくできる限り、任意のコード化の手法を用いることができる。
(5)本システムを運用・管理する経由サーバは、本システムを導入する店舗や施設が所有・運用する情報処理装置によって構成することもできるが、経由サーバによる所定の情報・コードの管理・運用のみを行う、例えば本システムをBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスとして提供するシステムインテグレータ企業に設置される情報処理装置等によって構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、例えば採寸情報や身体情報,ヘルスケア情報,住宅情報,乗用車情報などの所定の情報が使用されるWEBサイトや店舗等における当該情報の管理や入力を支援するシステム等に好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 採寸情報入力支援システム
10 ユーザ端末
11 採寸情報入力部
12 採寸情報記憶部
13 採寸コード化部
14 送信部
15 採寸情報読出部
16 二次元コード化部
20 経由サーバ
21 採寸情報記憶部
22 応答情報送信部
23 採寸情報削除部
30 ECサイト装置
31 採寸コード入力部
32 採寸コード照会部
33 応答情報受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7