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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】システム、サーバおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20231127BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019146449
(22)【出願日】2019-08-08
(65)【公開番号】P2021026684
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢出 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】茂木 裕二
(72)【発明者】
【氏名】福原 到
(72)【発明者】
【氏名】中桐 泉
(72)【発明者】
【氏名】柳沼 貴志
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-181160(JP,A)
【文献】特開2008-113936(JP,A)
【文献】特開2004-065471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 50/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報を保存可能なサーバと、
前記情報機器と近距離通信可能であり、かつ前記情報機器との間で行われる通信に関する通信情報を前記サーバに送信可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記サーバは、前記通信端末から受信した前記通信情報に基づいて前記容態情報を生成する、システム。
【請求項2】
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報を保存可能なサーバと、
前記情報機器と近距離通信可能であり、かつ前記情報機器との間で行われる通信に関する通信情報に基づいて前記容態情報を生成可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記通信端末は前記容態情報を前記サーバに送信する、システム。
【請求項3】
前記通信情報は、前記情報機器と前記通信端末との通信回数に関する通信回数情報と、前記情報機器と前記通信端末との通信時間に関する通信時間情報の少なくとも一つを含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記通信情報は、前記情報機器に紐づけられた複数の通信媒体に関する種別情報を含む、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項5】
特定の患者に紐付く情報機器と通信端末との間で行われる通信に関する通信情報を受信する機能と、
前記受信した通信情報に基づいて前記患者の容態情報を生成する機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、サーバおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の日常生活における服薬内容や体調等に関する情報を、ICカードを介して医療機関へ伝達するコンピュータシステムが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平08-140944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されたシステムでは、患者の日常生活における服薬内容や体調等に関する情報を医療機関へ伝達するために、患者ICカードの発行処理や患者に関する基本情報の入力等を行う必要があり、この点において改善の余地がある。
【0005】
本発明は、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができるシステム、サーバおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るシステムは、
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報を保存可能なサーバと、
前記情報機器と近距離通信可能であり、かつ前記情報機器との間で行われる通信に関する通信情報を前記サーバに送信可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記サーバは、前記通信端末から受信した前記通信情報に基づいて前記容態情報を生成する。
【0007】
上記構成に係るシステムによれば、サーバは、情報機器と通信端末との間で行われる通信に関する通信情報に基づき、患者に関する容態情報を生成することができる。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができる。
【0008】
また、本発明の一態様に係るシステムは、
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報を保存可能なサーバと、
前記情報機器と近距離通信可能であり、かつ前記情報機器との間で行われる通信に関する通信情報に基づいて前記容態情報を生成可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記通信端末は前記容態情報を前記サーバに送信する。
【0009】
上記構成に係るシステムによれば、特定の患者に紐付く情報機器と通信端末とが通信するだけで、患者に関する容態情報がサーバに送られる。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができる。
【0010】
また、本発明の一態様に係るシステムは、
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報を保存可能なサーバと、
前記サーバに前記容態情報を送信可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記情報機器は、前記通信端末と近距離通信可能であり、
前記容態情報は、前記情報機器を用いたユーザの操作に基づいて前記通信端末を介して前記サーバに送信される。
なお、本明細書においてユーザの操作とは、ユーザからの作用に基づいて、情報機器が情報を生成するための操作である。ユーザの操作とは、例えば、情報機器に備わるボタンの押圧、情報機器のタッチパネル画面へのタッチ操作、情報機器への音声情報の入力、情報機器に備わるカメラに画像を撮像させる操作等である。
【0011】
上記構成に係るシステムによれば、ユーザが情報機器を用いて所定の操作を行うだけで、患者に関する容態情報が、特定の患者に紐付けられた情報機器から通信端末を介してサーバに送られる。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係るシステムは、
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報に対応する容態識別情報を保存可能なサーバと、
前記サーバに、前記容態識別情報を送信可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記情報機器は、前記通信端末と近距離通信可能であり、
前記容態識別情報は、前記情報機器を用いたユーザの操作に基づいて前記通信端末を介して前記サーバに送信され、
前記サーバは、前記容態識別情報に基づいて前記容態情報を生成する。
【0013】
上記構成に係るシステムによれば、ユーザが情報機器を用いて所定の操作を行うだけで、患者に関する容態情報に対応する容態識別情報がサーバに送られる。サーバは、受信した容態識別情報に基づいて容態情報を生成する。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係るシステムは、
特定の患者に紐付く情報機器と、
前記患者に関する容態情報を保存可能なサーバと、
前記サーバに、前記容態情報を送信可能な通信端末と、
を含む、システムであって、
前記情報機器は、前記通信端末と近距離通信可能であって、かつ前記容態情報に対応する容態識別情報を生成可能であり、
前記容態識別情報は、前記情報機器を用いたユーザの操作に基づいて前記通信端末に送信され、
前記通信端末は、前記容態情報に対応する前記容態識別情報に基づいて前記容態情報を生成する。
【0015】
上記構成に係るシステムによれば、ユーザが情報機器を用いて所定の操作を行うだけで、患者に関する容態情報に対応する容態情報がサーバに送られる。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができる。
【0016】
また、本発明の一態様に係るプログラムは、
特定の患者に紐付く情報機器と通信端末との間で行われる通信に関する通信情報を受信する機能と、
前記受信した通信情報に基づいて前記患者の容態情報を生成する機能と、をコンピュータに実現させる。
【0017】
上記構成に係るプログラムによれば、特定の患者に紐付く情報機器と通信端末との通信に関する通信情報に基づいて患者の容態情報が生成される。
このように、上記構成によれば、情報機器に紐付く特定の患者の容態情報がシームレスに生成される。
【0018】
また、本発明の一態様に係るサーバは、
特定の患者に対応する患者識別情報と、前記患者が発した音声に基づく音声データと、前記患者に関する容態情報と、を保存可能な保存部と、
前記音声データを分析し、前記患者に関する容態情報を生成可能な判断部と、
を備えるサーバであって、
前記サーバは、前記患者に紐付く機器から前記患者識別情報と前記音声データを受信し、
前記判断部は、前記音声データを分析し、前記特定の患者に関する容態情報を生成する。
【0019】
上記構成に係るサーバによれば、サーバは、患者に紐付く機器から、特定の患者に対応する識別情報と音声データを受信することで、その特定の患者に関する容態情報を生成することができる。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報をシームレスにかつ簡便にサーバに保存させることができる。
【0020】
また、本発明の一態様に係るサーバは、
特定の患者に対応する患者識別情報と、前記患者に関する容態情報に対応する容態識別情報と、を保存可能な保存部と、
前記容態識別情報に基づいて、前記特定の患者に関する容態情報を生成可能な判断部と、
を備えるサーバであって、
前記サーバは、前記患者に紐付く機器から前記患者識別情報と前記容態識別情報を受信し、
前記判断部は、前記容態識別情報に基づいて前記容態情報を生成する。
【0021】
上記構成に係るサーバによれば、サーバは、患者に紐付く機器から患者識別情報と容態識別情報を受信することで、その特定の患者に関する容態情報を生成することができる。
このように、上記構成によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報をシームレスにかつ簡便にサーバに保存させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、より簡単な構成によって、患者の容態情報の入力作業をシームレスにかつ簡便に行うことができるシステム、サーバおよびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係るシステムの機能ブロック図である。
図3】ゲートウェイ機器の機能ブロック図である。
図4】第一動作例に関するフロー図である。
図5】第二動作例に関するフロー図である。
図6】第三動作例に関するフロー図である。
図7】第四動作例に関するフロー図である。
図8】第五動作例に関するフロー図である。
図9】第六動作例に関するフロー図である。
図10】第六動作例における警告の報知に関するフロー図である。
図11】第七動作例に関するフロー図である。
図12】第八動作例に関するフロー図である。
図13】第九動作例に関するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態の例図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態の説明において既に説明された要素と同一の参照番号を有する要素については、説明の便宜上、その説明は省略する。
【0025】
<システムの基本構成>
図1は、本発明の実施形態(以下、単に「本実施形態」という。)に係るシステム100の構成図である。図1に示すように、システム100は、情報機器1と、サーバ2と、音声機器3と、ゲートウェイ機器4(通信端末の一例)と、を含む。情報機器1と、サーバ2と、音声機器3と、はゲートウェイ機器4及びネットワークN、又はネットワークNを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNは、汎用のインターネットネットワークである。情報機器1と音声機器3はペアリング可能である。この場合、情報機器1と音声機器3は、互いの所有者情報(すなわち、所有者である患者の患者識別情報)を共有している。
【0026】
図2は、システム100の機能ブロック図である。図2に示されるように、情報機器1は、表示部11と、操作部12と、制御部13と、音声検出部14と、音声認識部15と、第一通信インターフェース(通信IF)16と、NFC(Near Field Communication)タグ17と、を備える。これらはバス20を介して互いに通信可能に接続されている。情報機器1としては、例えば、タブレット端末、スマートフォン等の電子機器、携帯型のボタン装置、カード型通信機器、電子モジュールを内蔵したカード等が利用され得る。
【0027】
情報機器1には、複数の通信媒体5が紐づけられうる。通信媒体5とは、例えばゲートウェイ機器4と近距離通信可能な非接触型ICカード等の通信用カードである。各通信媒体5は図示しないメモリを備えている。当該メモリには、後述する種別情報と、通信媒体5に対応する情報機器1に紐付く患者識別情報と、が記憶されている。
【0028】
情報機器1は、情報機器1の所有者である患者の識別情報(患者識別情報)を有している。つまり、情報機器1は、情報機器1の所有者である患者に紐付いている。患者識別情報は、後述する制御部13が有する情報保存部131に保存されている。情報機器1は、NFCタグ17を介して、ゲートウェイ機器4とデータ通信可能である。
【0029】
表示部11は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等のタッチスクリーン型のディスプレイ等であって、画像を表示するように構成されている。
【0030】
操作部12は、情報機器1を操作する操作者の入力操作を受付けると共に、当該入力操作に対応する指示信号を生成するように構成されている。操作部12は、例えば、情報機器1の表示部上に重ねて配置されたタッチパネル、情報機器1の筐体に取り付けられた操作ボタン等である。操作部12は、情報機器1とゲートウェイ機器4を通信可能な状態にするための操作、ゲートウェイ機器4を介して患者に関する情報をサーバ2に送信するための操作、サーバ2に各種情報を処理させるための操作等を受け付けて、当該操作に対応する指示信号を生成する。生成された指示信号は、バス20を介して制御部13に送信される。制御部13は、指示信号に基づいて、情報機器1の動作を制御するように構成されている。
【0031】
制御部13は、情報保存部131を有している。制御部13は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。情報保存部131の機能は、制御部13のメモリに記憶されたプログラムがプロセッサに実行されることで実現される。なお、各種機能は、ハードウェアである電子回路によって実現されてもよく、または、少なくとも一部をソフトウェアによって実現されてもよい。
【0032】
音声検出部14は、情報機器1の周辺の音声を捉えることができる。音声としては、例えば、患者が発する声や患者が手を叩く音等である。検出された音声は、例えばA/D変換によって、音声データに変換される。音声データは、制御部13や音声認識部15に送信される。
【0033】
音声認識部15は、制御部13に備わっているプロセッサと同様のプロセッサにより構成され得る。音声認識部15は、音声検出部14が捉えた声等の音声データを受信する。音声認識部15は、音声認識用のプログラムにより、受信した音声データを分析し、音声データの内容を認識する。受信した音声データが、例えば、「苦しい」、「痛い」、「辛い」、「暑い」、「寒い」といった患者の容態を表すものである場合、音声認識部15は、受信した音声データから患者の容態情報を生成する。なお、ここで言う容態情報とは、患者の体調や気分等に関する情報である。音声認識部15は、当該容態情報を制御部13に送信する。音声認識部15が受信した音声データや音声認識部15が生成した患者の容態情報は、制御部13の情報保存部131に保存される。
【0034】
第一通信インターフェース16は、ネットワークNへの接続を可能にするインターフェースである。情報機器1は、第一通信インターフェース16を介して、ネットワークNに接続されたサーバ2や音声機器3と適宜に通信することができる。情報機器1は、例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、RFID(Radio Frequency Identifier)等の近距離無線通信、またはLTE(Long Term Evolution)等の長距離無線通信等の他の通信手段によりネットワークNに接続する。
【0035】
NFCタグ17は、第二通信インターフェース18と、記憶部19と、を備えている。第二通信インターフェース18は、ゲートウェイ機器4への接続を可能にするインターフェースである。情報機器1は、第二通信インターフェース18を介して、ゲートウェイ機器4と近距離無線通信可能である。ゲートウェイ機器4は、ネットワークNを介してサーバ2と通信可能である。このため、情報機器1は、第二通信インターフェース18とネットワークNを介して、サーバ2と適宜に通信することもできる。
【0036】
記憶部19はメモリを備えている。記憶部19は、例えば、情報機器1とゲートウェイ機器4の通信に関する情報等を記憶することができる。
【0037】
図2に示されるように、サーバ2は、制御部21と、通信インターフェース(通信IF)22と、を備える。これらはバス23を介して互いに通信可能に接続されている。
【0038】
制御部21は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)やプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM(Random Access Memory)等から構成される。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)であって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で後述する保存部211、判断部212等の各種処理を実行するように構成されている。
【0039】
制御部21は、保存部211と、判断部212と、を備える。保存部211は、音声データ、患者の容態情報、情報機器1とゲートウェイ機器4の間で行われる通信に関する情報(通信情報)、通信情報と患者の容態情報との対応関係を規定するテーブル情報等を保存可能である。通信情報は、情報機器1とゲートウェイ機器4の間で行われる通信回数に関する情報(通信回数情報)、情報機器1とゲートウェイ機器4の間で行われる通信時間に関する情報(通信時間情報)、および情報機器1に紐づけられた複数の通信媒体5から一の通信媒体5を特定するための種別情報を含む。また、通信情報と患者の容態情報との対応関係を規定するテーブル情報は、通信回数情報、通信時間情報、および種別情報の少なくともいずれか一つと、患者の容態情報との対応関係を規定するテーブル情報である。
【0040】
通信情報と患者の容態情報との対応関係について詳述する。例えば、通信情報が通信回数情報であり、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信が始まってから所定の時間内(例えば、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信が始まってから十秒以内)における情報機器1とゲートウェイ機器4との通信回数が一回の場合、患者の容態は良いことを示す。また、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信が始まってから所定の時間内における情報機器1とゲートウェイ機器4との通信回数が二回の場合、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いことを示す。なお、当該テーブル情報は、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信回数が三回以上の場合における、通信回数情報と患者の容態情報との対応関係に関する情報も含んでいる。また、上記所定の時間は任意に設定可能であり、十秒以内に限られない。
【0041】
判断部212は、保存部211に保存された音声データや、情報機器1とゲートウェイ機器4の間で行われる通信情報等を分析し、その分析結果に基づいて、当該患者の容態情報を生成することができる。
【0042】
通信インターフェース22は、ネットワークNへの接続を可能にするインターフェースである。通信インターフェース22を介して、サーバ2は、ネットワークN、またはネットワークN及びゲートウェイ機器4を介して情報機器1又は音声機器3と適宜に通信することができる。
【0043】
図2に示されるように、音声機器3は、音声検出部31と、音声認識部32と、制御部33と、通信インターフェース(通信IF)34と、を備える。これらはバス35を介して互いに通信可能に接続されている。音声機器3としては、例えば、いわゆるスマートスピーカ等である。
【0044】
音声機器3は、音声機器3の所有者である患者の患者識別情報を有している。つまり、音声機器3は、音声機器3の所有者である患者に紐付いている。なお、当該患者識別情報は、例えば制御部33に保存されている。
【0045】
音声検出部31は、情報機器1に備わっている音声検出部14と同様の構成であるので説明を省略する。
【0046】
音声認識部32は、情報機器1に備わっている音声認識部15と同様の構成であるので説明を省略する。
【0047】
制御部33は、メモリとプロセッサを備えている。メモリは、例えば、各種プログラム等が格納されたROMやプロセッサにより実行される各種プログラム等が格納される複数ワークエリアを有するRAM等から構成される。プロセッサは、例えばCPUであって、ROMに組み込まれた各種プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
【0048】
通信インターフェース34は、ネットワークN又はゲートウェイ機器4への接続を可能にするインターフェースである。音声機器3とゲートウェイ機器4は、例えば、近距離無線通信や長距離無線通信等により接続される。音声機器3は、通信インターフェース34または通信インターフェース34及びゲートウェイ機器4を介して、ネットワークNに接続された情報機器1やサーバ2と適宜に通信することができる。
【0049】
次に、図3を参照してゲートウェイ機器4について説明する。図3に示されるように、ゲートウェイ機器4は、通信インターフェース41と、制御部42と、を備える。通信インターフェース41と制御部42は、バス43を介して通信可能に接続されている。制御部42は、情報保存部421と、判断部422と、を含む。
【0050】
ゲートウェイ機器4は、情報機器1の音声検出部14若しくは音声機器3の音声検出部31により検出された音声、又は情報機器1の音声認識部15若しくは音声機器3の音声認識部32により生成された患者の容態情報を中継しうる通信機器である。情報機器1及び音声機器3は、ゲートウェイ機器4を介してネットワークNに接続されるようにも構成されている。その結果、情報機器1及び音声機器3は、ゲートウェイ機器4及びネットワークNを介してサーバ2と通信することもできる。
【0051】
ゲートウェイ機器4は略直方体の筐体を有する。ゲートウェイ機器4の幅及び奥行は約10センチメートルであり、高さは約4センチメートルである。ゲートウェイ機器4の重さは約120グラムである。このように、ゲートウェイ機器4は小型でかつ軽量である。
【0052】
ゲートウェイ機器4は、NFCタグとデータ通信可能なリーダ機能部(図示せず)を備えている。このため、ゲートウェイ機器4は、情報機器1と非接触型近距離無線通信が可能である。ユーザ(患者や医療介護従事者等)が情報機器1をゲートウェイ機器4のリーダ機能部にかざすと、ゲートウェイ機器4は、情報機器1内のNFCタグ17とデータ通信を行う。
【0053】
通信インターフェース41は、ネットワークN、情報機器1、および音声機器3への接続を可能にするインターフェースである。
【0054】
制御部42は、制御部13と同様の構成であってもよい。情報保存部421は、患者の識別情報や容態識別情報等を保存可能に構成されている。容態識別情報とは、患者の容態を特定するために用いられる情報である。つまり、容態識別情報は、患者の容態情報に対応する情報である。判断部422は、情報保存部421に保存された容態識別情報や情報機器1とゲートウェイ機器4の間で行われる通信に関する情報等を分析し、その分析結果に基づいて、当該患者の容態情報を生成することができる。
【0055】
ゲートウェイ機器4は、ゲートウェイ機器4で生成された容態情報を、ネットワークNを介してサーバ2に送信することもできる。
【0056】
<第一動作例>
図4は、第一動作例に関するフロー図である。第一動作例は、患者が情報機器1に向かって声を発することで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。患者がスマートフォン(情報機器1の一例)に向かって声を発すると(ステップS01)、音声検出部14が当該声を検出する(ステップS02)。患者が発する声としては、例えば、「苦しい」、「痛い」、「辛い」、「暑い」、「寒い」といった患者の容態を示すものである。第一動作例では、患者が「苦しい」という声を発した場合について説明する。
【0057】
音声検出部14は、検出した患者の声を音声データに変換する(ステップS03)。音声データは、音声認識部15に送信される(ステップS04)。
【0058】
音声認識部15は、受信した音声データを分析して、患者の容態を認識する。この例では、音声認識部15は、受信した音声データに基づいて、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いと認識する。音声認識部15は、受信した音声データに基づいて患者の容態を認識すると、患者の容態情報を生成する(ステップS05)。生成された患者の容態情報は、患者が情報機器1に自身の音声を入力したこと(すなわちステップS01)に基づいて、情報機器1に紐付く患者識別情報とともに、近距離無線通信により、ゲートウェイ機器4に送信される(ステップS06)。
【0059】
ゲートウェイ機器4は、患者の容態情報と患者識別情報を受信すると、ネットワークNを介して、サーバ2に患者の容態情報と患者識別情報を送信する(ステップS07)。サーバ2は、患者の容態情報と患者識別情報を受信すると、患者の容態情報と患者識別情報との紐付けを行い、その後、患者の容態情報を保存部211に保存する(ステップS08)。
【0060】
<第二動作例>
図5は、第二動作例に関するフロー図である。第二動作例は、患者が音声機器3に向かって声を発すると、患者の音声データに基づく患者の容態情報が音声機器3によって生成され、当該容態情報がゲートウェイ機器4を介してサーバ2に送信される例である。患者がスマートスピーカ等の音声機器3に向かって声を発すると(ステップS11)、音声検出部31が当該声を検出する(ステップS12)。患者が発する声としては、例えば、「苦しい」、「痛い」、「辛い」、「暑い」、「寒い」といった患者の容態を示すものである。第二動作例では、患者が「苦しい」という声を発した場合を想定して説明する。
【0061】
音声検出部31は、検出した患者の声を音声データに変換する(ステップS13)。音声データは、音声認識部32に送信される(ステップS14)。
【0062】
音声認識部32は、受信した音声データを分析し、患者の容態を認識する。この例では、音声認識部32は、受信した音声データに基づいて、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いと認識する。音声認識部32は、受信した音声データに基づいて患者の容態を認識すると、患者の容態情報を生成する(ステップS15)。生成された患者の容態情報は、音声機器3に紐付く患者識別情報とともに、近距離無線通信により、ゲートウェイ機器4に送信される(ステップS16)。
【0063】
なお、音声機器3が情報機器1と通信可能なとき、音声機器3は、患者が、自身に紐付けられた情報機器1に対して所定の操作を行った際に、ステップS12~S16を実行するように構成されていてもよい。
【0064】
ステップS17~S18は、第一動作例のステップS07~S08と同様なので、説明を省略する。
【0065】
<第三動作例>
図6は、第三動作例に関するフロー図である。第三動作例は、患者が音声機器3に向かって声を発すると、患者の音声データがゲートウェイ機器4を介してサーバ2に送信され、患者の容態情報が当該音声データに基づきサーバ2によって生成される例である。サーバ2の制御部21は、当該音声データを分析し、音声機器3に紐付く患者の容態情報を生成する。
【0066】
ステップS21~S23は、第二動作例のステップS11~S13と同様なので、説明を省略する。
【0067】
音声機器3の音声検出部31は、患者の声から変換された音声データを制御部33に送信する。制御部33は、音声データと音声機器3に紐付く患者識別情報を、近距離無線通信により、ゲートウェイ機器4に送信する(ステップS24)。ゲートウェイ機器4は、音声データと患者識別情報を受信すると、当該音声データと患者識別情報をサーバ2に送信する(ステップS25)。なお、送信された音声データは、送信された患者識別情報と紐付けられた上で、サーバ2の保存部211に保存される。
【0068】
ここで、患者は情報機器1の操作部12を介して、サーバ2に当該音声データを処理させるための操作を入力する(ステップS26)。操作部12は、当該操作を受け付けて、当該操作に対応する指示信号を生成する。生成された指示信号は、ネットワークNを介してサーバ2に送信される(ステップS27)。
【0069】
サーバ2の判断部212は、保存部211に保存された音声データを分析し、当該患者の容態情報を生成する(ステップS28)。例えば、患者が「苦しい」という声を発した場合、判断部212は、保存部211に保存された音声データを分析し、その分析結果に基づいて、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いと判断する。判断部212は、当該音声データに基づいて患者の容態を判断すると、患者の容態情報を生成する。生成された患者の容態情報は患者識別情報と紐づけられた上で、保存部211に保存される(ステップS29)。
【0070】
<第四動作例>
図7は、第四動作例に関するフロー図である。第四動作例は、患者が情報機器1に向かって手を叩くことで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。患者が情報機器1に向かって手を叩くと(ステップS31)、音声検出部14は、当該音を検出する(ステップS32)。音声検出部14は、検出した音を音声データに変換する(ステップS33)。音声検出部14は、音声データを音声認識部15へ送信する(ステップS34)。
【0071】
音声認識部15は、受信した音声データを分析し、患者の容態情報を生成する(ステップS35)。例えば、音声認識部15は、所定の時間内(例えば、十秒以内)に手を叩く音が一回であったことを示す音声データを受信すると、患者の容態は良いと認識する。また、音声認識部15は、所定の時間内に手を叩く音が二回であったことを示す音声データを受信すると、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いと認識する。音声認識部15は、患者の容態情報を制御部33に送信する。
【0072】
当該容態情報は、近距離無線通信により、情報機器1に紐付く患者識別情報とともに、ゲートウェイ機器4に送信される(ステップS36)。ゲートウェイ機器4は、患者の容態情報と患者識別情報を受信すると、サーバ2に当該容態情報と患者識別情報を送信する(ステップS37)。サーバ2は、患者の容態情報と患者識別情報を受信すると、患者の容態情報と患者識別情報との紐付けを行い、その後、患者の容態情報を保存部211に保存する(ステップS38)。
【0073】
<第五動作例>
図8は、第五動作例に関するフロー図である。第五動作例は、患者が情報機器1に対して所定の操作を行うことで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。患者は、本発明に係るシステムに関するアプリケーションを、自身が保有する情報機器1(例えば、スマートフォン)が備える制御部13のメモリに保存する(ステップS41)。患者は、操作部12を介して、当該アプリケーションを起動させるための操作を入力する。操作部12は、当該操作を受け付けて、当該操作に対応する指示信号を生成する。生成された指示信号は、バス20を介して制御部13に送信される。これにより、アプリケーションが起動する(ステップS42)。
【0074】
アプリケーションが起動されると、患者が、患者の現在の体調や気分に関する情報を入力するための画面が表示部11に表示される。患者は、操作部12を介して、自身の体調や気分等を入力する(ステップS43)。操作部12は、当該操作を受け付けて、患者の容態情報を制御部13に生成させるための指示信号を生成する。生成された指示信号は、バス20を介して制御部13に送信され、容態情報が生成される(ステップS44)。
【0075】
制御部13は、容態情報が生成されると、近距離無線通信により、当該容態情報と情報機器1に紐付く患者識別情報をゲートウェイ機器4に送信する(ステップS45)。ゲートウェイ機器4は、容態情報を受信すると、当該容態情報と患者識別情報をサーバ2に送信する(ステップS46)。サーバ2は、容態情報を受信すると、当該患者の容態情報と患者識別情報との紐付けを行い、その後、当該容態情報を保存部211に保存する(ステップS47)。
【0076】
<第六動作例>
図9は、第六動作例に関するフロー図である。第六動作例は、患者が、情報機器1上に設けられた操作ボタン(操作部12の一例)に対して所定の操作(操作ボタンの押下等)を行うことで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。第六動作例において、情報機器1は、例えば電子モジュールを内蔵したカードである。当該カードには、一つ以上の操作ボタンが設けられている。当該カード上に設けられている操作ボタンが押されると、押された操作ボタンに紐付く患者の容態識別情報を制御部13に生成されるための指示信号が生成される。例えば、患者によって、「苦しい」という容態情報に紐付く操作ボタンが押されると(ステップS51)、操作部12は、当該操作ボタンに紐付く患者の容態情報に対応する容態識別情報を生成する(ステップS52)。
【0077】
容態識別情報は、ゲートウェイ機器4に送信される(ステップS53)。
【0078】
ゲートウェイ機器4は、容態識別情報と、情報機器1に紐づく患者の患者識別情報と、をサーバ2に送信する(ステップS54)。
【0079】
サーバ2は、容態識別情報に基づいて容態情報を生成する(ステップS55)。
【0080】
患者の容態情報は、容態識別情報と患者識別情報との紐付けを行った後、サーバ2に保存される(ステップS56)。
【0081】
<第六動作例における警告の報知>
図10は、第六動作例における警告の報知に関するフロー図である。情報機器1に備わる、患者の容態情報に紐付く操作ボタンが押されると(ステップS51)、操作部12は、押下時刻情報を含む押下情報を生成する。生成された押下情報は、ゲートウェイ機器4およびネットワークNを介してサーバ2の制御部21に送信される。
【0082】
制御部21は、押下時刻情報に基づき、押下時刻から所定の時間を経過したかどうかを判別する(ステップS511)。押下時刻から所定の時間を経過しているとき(ステップS511においてYes)、ステップS512に進む。一方、押下時刻から所定の時間を経過していないとき(ステップS511においてNo)、ステップS511が繰り返される。
【0083】
ステップS512において、制御部21は、押下時刻から所定の時間内に患者の容態識別情報が受信されたかどうか判別する。患者の容態識別情報が受信されたと判別された場合(ステップS512においてNo)、警告が報知されない(ステップS513)。一方、所定時間内に患者の容態識別情報が受信されなかったと判別された場合(ステップS512においてYes)、制御部21は警告情報を生成する(ステップS514)。
【0084】
警告情報は、例えばネットワークNを介して情報機器1に送信される。情報機器1の制御部13は、例えば情報機器の表示画面上に、警告情報に基づく警告が表示されるように制御する。これにより、警告が報知される(ステップS515)。なお、報知の方法は視覚的な報知に限られず、聴覚的な報知、触覚的な報知等であってもよい。
【0085】
<第七動作例>
図11は、第七動作例に関するフロー図である。第七動作例は、患者が情報機器1をゲートウェイ機器4に近づけることで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。患者が情報機器1をゲートウェイ機器4に接近させると(ステップS61)、ゲートウェイ機器4は、情報機器1のNFCタグとデータ通信を開始する(ステップS62)。情報機器1がゲートウェイ機器4に接近する度に通信回数がカウントされる。
【0086】
所定の時間が経過すると、ゲートウェイ機器4は、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信回数に関する情報(通信回数情報)を、情報機器1に紐付く患者識別情報とともに、サーバ2に送信する(ステップS63)。サーバ2は、通信回数情報と患者識別情報を受信すると、通信回数情報と患者識別情報との紐付けを行い、その後、通信回数情報を保存部211に保存する(ステップS64)。
【0087】
サーバ2の判断部212は、保存部211に保存された情報機器1とゲートウェイ機器4の間で行われる通信回数に関する情報と、当該通信回数情報と患者の容態情報との対応関係を規定するテーブル情報と、に基づき、患者の容態情報を生成する(ステップS65)。例えば、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信回数が二回の場合、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いことを示す容態情報が生成される。生成された容態情報は患者識別情報と紐づけられた上で、保存部211に保存される(ステップS66)。
【0088】
<第八動作例>
図12は、第八動作例に関するフロー図である。第八動作例は、患者が情報機器1をゲートウェイ機器4に近づけることで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。患者が情報機器1をゲートウェイ機器4に接近させると(ステップS71)、ゲートウェイ機器4は、情報機器1のNFCタグとデータ通信を開始し、情報機器1との通信時間を記録する(ステップS72)。
【0089】
ゲートウェイ機器4は、情報機器1との通信時間に関する情報(通信時間情報)を、情報機器1に紐付く患者識別情報とともに、サーバ2に送信する(ステップS73)。サーバ2は、通信時間情報と患者識別情報を受信すると、通信時間情報と患者識別情報との紐付けを行い、その後、通信時間情報を保存部211に保存する(ステップS74)。
【0090】
サーバ2の判断部212は、保存部211に保存された通信時間情報と、当該通信時間情報と患者の容態情報との対応関係を規定するテーブル情報と、に基づき、患者の容態情報を生成する(ステップS75)。例えば、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信時間が5~10秒の場合、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いことを示す容態情報が生成される。生成された容態情報は患者識別情報と紐づけられた上で、保存部211に保存される(ステップS76)。
【0091】
<第九動作例>
図13は、第九動作例に関するフロー図である。第九動作例は、患者が、情報機器1に紐づけられた通信媒体5をゲートウェイ機器4に近づけることで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例である。まずはじめに、複数の通信媒体5が、患者または医療介護従事者によって患者の情報機器1に紐づけられる(ステップS81)。
【0092】
患者が、情報機器1に紐づいている複数の通信媒体5の中から選択した一の通信媒体5をゲートウェイ機器4に接近させると(ステップS82)、ゲートウェイ機器4は、通信媒体5と通信を開始する(ステップS83)。ゲートウェイ機器4は、通信媒体5から、種別情報と情報機器1に紐付く患者識別情報を受信する。
【0093】
ゲートウェイ機器4は、種別情報を、情報機器1に紐付く患者識別情報とともに、サーバ2に送信する(ステップS84)。サーバ2は、種別情報と患者識別情報を受信すると、種別情報と患者識別情報との紐付けを行い、その後、種別情報を保存部211に保存する(ステップS85)。
【0094】
サーバ2の判断部212は、保存部211に保存された種別情報と、当該種別情報と患者の容態情報との対応関係を規定するテーブル情報と、に基づき、患者の容態情報を生成する(ステップS86)。例えば、情報機器1とゲートウェイ機器4との通信時間が5~10秒の場合、患者は苦しんでおり、患者の容態は悪いことを示す容態情報が生成される。生成された容態情報は患者識別情報と紐づけられた上で、保存部211に保存される(ステップS87)。
【0095】
ところで、いわゆる在宅医療においては、シームレスに、かつ網羅的に患者の容態情報を管理する必要がある。このため、患者の容態情報や患者の容態を表す音声データ等の情報はタイムリーにサーバ2へ送信されるのが望ましい。一方で、例えば患者が疼痛等で苦しんでいるとき、患者が即座に自身の容態情報や自身の容態を表す情報をサーバ2に送信することは難しい場合がある。しかし、患者の容態情報をシームレスに、かつ網羅的に管理することができなくなると、医療介護従事者は患者の容態を正確に把握することができない虞がある。このように、患者の容態情報をシームレスに、かつ網羅的に管理するには、患者の容態情報の登録方法を簡便な方法にするのが好ましい。
【0096】
また、サーバ2は、受信した容態情報や音声データ等の情報がどの患者に関する情報かを紐付ける必要がある。このため、容態情報や音声データ等の情報がサーバ2へ送信される際に、これらの情報に紐付く患者を特定するための情報が併せてサーバ2へ送信されるのが好ましい。
【0097】
上述した第一実施例から第九実施例に示すように、患者は、自身の容態を表す声や音を出したり、所定の簡単な操作を情報機器1に対して行ったり、情報機器1または情報機器1に紐づく通信媒体5とゲートウェイ機器4とを通信させるだけで、自身の容態情報をサーバ2に保存させることができる。このため、患者の容態情報がシームレスに、かつ網羅的にサーバ2に保存される。
【0098】
上記構成に係るシステム100によれば、患者が情報機器1を用いて所定の簡単な操作を行うだけで患者に関する情報が、特定の患者に紐付けられた情報機器1からゲートウェイ機器4を介してサーバ2に送られる。このように、上記構成によれば、患者の容態情報の入力作業を簡便にすることができる。
【0099】
第一動作例から第三動作例では、音声認識部15は、患者が発する声の内容に基づいて患者の容態情報を認識しているが、この例に限られない。例えば、音声認識部15は、患者が「痛い」と言った回数や患者が発する声の波長に基づいて患者の容態情報を認識してもよい。
【0100】
第二実施例および第三実施例では、患者の容態情報が、音声機器3に紐付く患者識別情報に基づいて紐付けされる例を用いて説明したがこの例に限られない。例えば音声機器3は情報機器1とペアリングされており、情報機器1に紐付く所有者情報を有しているとき、音声機器3は、情報機器1に紐付く患者識別情報をサーバ2に送信してもよい。この場合、サーバ2は、患者の容態情報を情報機器1に係る患者識別情報と紐付ける。
【0101】
第一動作例から第九動作例において、患者自身が情報機器1等を操作する例を用いて説明したが、この例に限られない。ユーザの他の一例としての医療介護従事者が情報機器1等を操作してもよい。
【0102】
第三実施例では、患者が情報機器1の操作部12を介して、サーバ2に患者の音声データを処理させるための操作を入力することで、サーバ2が音声データを分析し、患者の容態情報を生成する例を用いて説明したが、これに限られない。サーバ2は、患者による入力操作なしに、音声データを分析し、患者の容態情報を生成してもよい。
【0103】
第四動作例では、患者が情報機器1に向かって手を叩くことで、患者の容態情報がサーバ2に保存される例を用いて説明したが、この例に限られない。例えば、患者が音声機器3に向かって手を叩くことで、音声機器3が、手を叩くことで生じる音声データに基づいて、患者の容態情報を生成し、当該容態情報をサーバ2に送信することで、患者の容態情報がサーバ2に保存されてもよい。なおこの場合、患者の容態情報は音声機器3に係る患者識別情報と紐付けられる。
また、例えば、患者が音声機器3に向かって手を叩くことで、音声機器3は、手を叩くことで生じる音声データをサーバ2に送信し、サーバ2は受信した音声データに基づいて患者の容態情報を生成して、当該容態情報を保存してもよい。
【0104】
第六動作例において、情報機器1の筐体に複数の操作ボタンが取り付けられている例を用いて説明したが、情報機器1の筐体には一つの操作ボタンしか取り付けられていなくてもよい。例えば、患者が操作ボタンを押す時間や押し方に基づいて、患者の容態情報を制御部13に生成させるための指示信号が生成されてもよい。
【0105】
第六動作例では、サーバ2が容態識別情報に基づいて容態情報を生成しているが、ゲートウェイ機器4が容態識別情報に基づいて容態情報を生成してもよい。この場合、ゲートウェイ機器4は、患者識別情報と容態情報をサーバ2に送信する。
【0106】
第七動作例では通信回数情報を用いて、第八動作例では通信時間情報を用いて、サーバ2が患者の容態情報を生成する例を説明したが、サーバ2は、通信回数情報、通信時間情報、種別情報を組み合わせて、患者の容態情報を生成してもよい。
【0107】
第七動作例から第九動作例では、サーバ2が容態情報を生成しているが、ゲートウェイ機器4が、通信回数情報、通信時間情報、種別情報の少なくとも一つに基づいて患者の容態情報を生成してもよい。この場合、ゲートウェイ機器4は、患者識別情報と容態情報をサーバ2に送信する。
【0108】
本実施形態に係るゲートウェイ機器4は、情報保存部421および判断部422を備えているが、ゲートウェイ機器4が患者の容態情報を生成しない場合、ゲートウェイ機器4は情報保存部421および判断部422を備えていなくてもよい。
【0109】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0110】
1:情報機器、2:サーバ、3:音声機器、4:ゲートウェイ機器、N:ネットワーク、100:システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13