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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】浄水器
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/28 20230101AFI20231127BHJP
   E03C 1/10 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
C02F1/28 S
E03C1/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019183621
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021058831
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591147694
【氏名又は名称】大阪ガスケミカル株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000133445
【氏名又は名称】株式会社ダスキン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】塩野 桂
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-526489(JP,A)
【文献】特開昭62-234512(JP,A)
【文献】特開2008-207175(JP,A)
【文献】特開2011-115785(JP,A)
【文献】特開2002-079242(JP,A)
【文献】特開2016-002529(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0043174(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0334745(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0142144(US,A1)
【文献】国際公開第2014/119530(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/119638(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/28
1/44
B01D 61/00 - 71/82
24/00 - 37/04
15/00 - 15/42
E03C 1/00 - 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を浄化する濾材を有する浄水カートリッジと、当該浄水カートリッジを内部に配設すると共に外部から前記原水を受け入れて前記濾材を通過して浄化された浄水を外部へ吐出可能な浄水器筐体とを備える浄水器であって、
前記浄水器筐体は、一端に壁部を有すると共に他端に開口部を有する筒状の筐体本体と、前記筐体本体の前記開口部を閉止する筐体蓋部とから構成され、
前記浄水器筐体の第1軸心周りで前記筐体蓋部に対する前記筐体本体の第1相対回転により、前記筐体本体と前記筐体蓋部とを係合する第1係合位置と当該係合が解除される第1係合解除位置とを切替可能な第1係合機構と、
前記第1軸心に沿う第2軸心周りで前記筐体蓋部に対する前記浄水カートリッジの第2相対回転により、前記浄水カートリッジと前記筐体蓋部とを係合する第2係合位置と当該係合が解除される第2係合解除位置とを切替可能な第2係合機構とを備え、
前記第2相対回転における前記第2係合位置から前記第2係合解除位置までの第2相対回転角度が、前記第2相対回転の回転方向と同一回転方向である前記第1相対回転における前記第1係合位置から前記第1係合解除位置までの第1相対回転角度よりも、大きく設定されており、
前記第1軸心と前記第2軸心とが同軸に構成されている浄水器。
【請求項2】
前記筐体本体は、前記開口部を前記筐体蓋部の側へ向けた姿勢で、前記第1係合機構により前記筐体蓋部に係合する状態となり、
前記筐体本体が前記第1軸心を中心軸とする第1環状壁部を有すると共に、前記筐体蓋部が前記第1軸心を中心軸とする第2環状壁部を有し、前記第1係合機構にて係合された状態において、前記第1環状壁部と前記第2環状壁部とが互いの環状壁面を前記第1軸心と交差する方向で対向させて配設され、
前記第1係合機構として、前記第1環状壁部の前記環状壁面に前記開口部の側から連続して形成される第1凹欠溝部と、当該第1凹欠溝部に連続して設けられると共に前記第1軸心周りでの前記第1相対回転角度に対応して形成される第2凹欠溝部と、前記第1軸心と直交する径方向の外側へと突出する第1凸部とが設けられ、前記第2環状壁部の前記環状壁面に、当該環状壁面から突出して形成される第2凸部が設けられ、
前記第1凹欠溝部及び前記第2凹欠溝部は、前記第1環状壁部の前記環状壁面として形成され、
前記第1凸部は、前記第1環状壁部の前記環状壁面において、前記第1軸心周りの周方向で前記第2凹欠溝部が形成されている部位で且つ前記第2凹欠溝部よりも前記開口部の側の部位に設けられ、
前記第2凸部は、前記第1軸心に沿って前記筐体本体と前記筐体蓋部とを相対的に近づけるに伴って前記第1凹欠溝部に嵌合した状態で前記第1軸心に沿って移動可能であると共に、前記第1軸心周りでの前記第1相対回転に伴って前記第2凹欠溝部に嵌合して前記第1係合解除位置と前記第1係合位置との間を移動可能に形成されている請求項1に記載の浄水器。
【請求項3】
前記浄水カートリッジは、前記濾材を外囲するカートリッジ筐体を有し、
前記カートリッジ筐体は、浄水を吐出する浄水吐出口を前記筐体蓋部の側へ向けた姿勢で、前記第2係合機構により前記筐体蓋部に係合する状態となり、
前記カートリッジ筐体が前記第2軸心を中心軸とする第3環状壁部を有すると共に、前記筐体蓋部が前記第2軸心を中心軸とする第4環状壁部を有し、前記第2係合機構にて係合された状態において、前記第3環状壁部と前記第4環状壁部とが互いの環状壁面を前記第2軸心と交差する方向で対向させて配設され、
前記第2係合機構として、前記第3環状壁部の前記環状壁面に前記浄水吐出口の側から連続して形成される第3凹欠溝部と、当該第3凹欠溝部に連続して設けられると共に前記第2軸心周りでの前記第2相対回転角度に対応して形成される第4凹欠溝部と、前記第2軸心と直交する径方向の外側へと突出する第3凸部とが設けられ、前記第4環状壁部の前記環状壁面に、当該環状壁面から突出して形成される第4凸部が設けられ、
前記第3凹欠溝部及び前記第4凹欠溝部は、前記第3環状壁部の前記環状壁面として形成され、
前記第3凸部は、前記第3環状壁部の前記環状壁面において、前記第2軸心周りの周方向で前記第4凹欠溝部が形成されている部位で且つ前記第4凹欠溝部よりも前記浄水吐出口の側の部位に設けられ、
前記第4凸部は、前記第2軸心に沿って前記浄水カートリッジと前記筐体蓋部とを相対的に近づけるに伴って前記第3凹欠溝部に嵌合した状態で前記第2軸心に沿って移動可能であると共に、前記第2軸心周りでの前記第2相対回転に伴って前記第4凹欠溝部に嵌合して前記第2係合解除位置と前記第2係合位置との間を移動可能に形成されている請求項1又は2に記載の浄水器。
【請求項4】
前記浄水カートリッジの前記濾材を外囲するカートリッジ筐体は、ABS樹脂から成る請求項1~3の何れか一項に記載の浄水器。
【請求項5】
前記第1相対回転角度が40°以上45°以下の角度であり、前記第2相対回転角度が50°以上55°以下の角度である請求項1~4の何れか一項に記載の浄水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水を浄化する濾材を有する浄水カートリッジと、当該浄水カートリッジを内部に配設すると共に外部から前記原水を受け入れて前記濾材を通過して濾過された浄水を外部へ吐出可能な浄水器筐体とを備える浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蛇口直結式の浄水器として、原水を浄化する濾材を有する浄水カートリッジと、当該浄水カートリッジを内部に設けると共に外部から原水を受け入れて濾材を通過して浄化された浄水を外部へ吐出可能な浄水器筐体とを備える浄水器が知られている(特許文献1を参照)。
当該浄水器の浄水器筐体は、通常、その内部に設けられる浄水カートリッジを取り替え可能とするべく、一旦に壁部を有すると共に他端に開口部を有する筒状の筐体本体と、当該筐体本体の開口部を閉止する筐体蓋部とを有し、筐体本体に対して筐体蓋部を螺合等により固定する構成が採用されている。
当該浄水器を使用する際には、所定の期間毎に、筐体本体から筐体蓋部を取り外して、筐体本体の内部から使用後の浄水カートリッジを取り出した後に、新たな浄水カートリッジを内部へ配設し、筐体本体に筐体蓋部を取り付ける形で交換操作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-123627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている浄水器の如く、浄水カートリッジは、浄水器筐体の内部において、浄水器筐体に対して位置決め固定されていないものが多い。このような場合、浄水器筐体の内部にて、浄水カートリッジが適切な位置から位置ズレして配設され、濾材に対する原水の通水状態が偏り、適正な浄化性能が発揮されない虞があった。
更に、上記特許文献1の図1に示される浄水器では、浄水カートリッジが筐体蓋部に固定されていないため、筐体本体から筐体蓋部を取り外した際に、筐体本体の内部に浄水カートリッジが残り、当該浄水カートリッジが筐体本体の内部で十分な隙間がない状態で配設される場合、使用者が筐体本体から浄水カートリッジを取り出せない等の状況に陥る虞がある。また、使用者によっては、筐体本体の内部の浄水カートリッジを視認できず、交換操作を進められなくなる虞もあった。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、浄水器筐体の内部において浄水カートリッジが確実に固定され、原水通流時に原水を確実に所望の流路に通流すると共に、浄水カートリッジの交換時の操作性を向上できる浄水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための浄水器は、
原水を浄化する濾材を有する浄水カートリッジと、当該浄水カートリッジを内部に配設すると共に外部から前記原水を受け入れて前記濾材を通過して浄化された浄水を外部へ吐出可能な浄水器筐体とを備える浄水器であって、その特徴構成は、
前記浄水器筐体は、一端に壁部を有すると共に他端に開口部を有する筒状の筐体本体と、前記筐体本体の前記開口部を閉止する筐体蓋部とから構成され、
前記浄水器筐体の第1軸心周りで前記筐体蓋部に対する前記筐体本体の第1相対回転により、前記筐体本体と前記筐体蓋部とを係合する第1係合位置と当該係合が解除される第1係合解除位置とを切替可能な第1係合機構と、
前記第1軸心に沿う第2軸心周りで前記筐体蓋部に対する前記浄水カートリッジの第2相対回転により、前記浄水カートリッジと前記筐体蓋部とを係合する第2係合位置と当該係合が解除される第2係合解除位置とを切替可能な第2係合機構とを備え、
前記第2相対回転における前記第2係合位置から前記第2係合解除位置までの第2相対回転角度が、前記第2相対回転の回転方向と同一回転方向である前記第1相対回転における前記第1係合位置から前記第1係合解除位置までの第1相対回転角度よりも、大きく設定されており、
前記第1軸心と前記第2軸心とが同軸に構成されている点にある。
【0007】
上記特徴構成によれば、浄水カートリッジは筐体蓋部と第2係合機構により相対固定可能であるから、第1係合機構により筐体本体に対して筐体蓋部を取り付けた際に、浄水器筐体の内部において、浄水カートリッジを所望の位置に配設でき、その濾材に対して設計通り偏りなく原水を通水して、適切な浄化性能を発揮できる。
更には、第2係合機構による浄水カートリッジと筐体蓋部との間の第2相対回転角度が、第1係合機構による筐体蓋部と筐体本体との間の第1相対回転角度よりも、大きく設定されているから、筐体本体と筐体蓋部とを第1相対回転角度だけ相対回転して、筐体本体から筐体蓋部を取り外した際に、浄水カートリッジの筐体蓋部に対する係合が維持され、浄水カートリッジを筐体蓋部と共に筐体本体から取り外すことができる。結果、浄水カートリッジの交換操作を容易に実行できる。
【0008】
本発明に係る浄水器の更なる特徴構成は、
前記筐体本体は、前記開口部を前記筐体蓋部の側へ向けた姿勢で、前記第1係合機構により前記筐体蓋部に係合する状態となり、
前記筐体本体が前記第1軸心を中心軸とする第1環状壁部を有すると共に、前記筐体蓋部が前記第1軸心を中心軸とする第2環状壁部を有し、前記第1係合機構にて係合された状態において、前記第1環状壁部と前記第2環状壁部とが互いの環状壁面を前記第1軸心と交差する方向で対向させて配設され、
前記第1係合機構として、前記第1環状壁部の前記環状壁面に前記開口部の側から連続して形成される第1凹欠溝部と、当該第1凹欠溝部に連続して設けられると共に前記第1軸心周りでの前記第1相対回転角度に対応して形成される第2凹欠溝部と、前記第1軸心と直交する径方向の外側へと突出する第1凸部とが設けられ、前記第2環状壁部の前記環状壁面に、当該環状壁面から突出して形成される第2凸部が設けられ、
前記第1凹欠溝部及び前記第2凹欠溝部は、前記第1環状壁部の前記環状壁面として形成され、
前記第1凸部は、前記第1環状壁部の前記環状壁面において、前記第1軸心周りの周方向で前記第2凹欠溝部が形成されている部位で且つ前記第2凹欠溝部よりも前記開口部の側の部位に設けられ、
前記第2凸部は、前記第1軸心に沿って前記筐体本体と前記筐体蓋部とを相対的に近づけるに伴って前記第1凹欠溝部に嵌合した状態で前記第1軸心に沿って移動可能であると共に、前記第1軸心周りでの前記第1相対回転に伴って前記第2凹欠溝部に嵌合して前記第1係合解除位置と前記第1係合位置との間を移動可能に形成されている点にある。
【0009】
本発明に係る浄水器の更なる特徴構成は、
前記浄水カートリッジは、前記濾材を外囲するカートリッジ筐体を有し、
前記カートリッジ筐体は、浄水を吐出する浄水吐出口を前記筐体蓋部の側へ向けた姿勢で、前記第2係合機構により前記筐体蓋部に係合する状態となり、
前記カートリッジ筐体が前記第2軸心を中心軸とする第3環状壁部を有すると共に、前記筐体蓋部が前記第2軸心を中心軸とする第4環状壁部を有し、前記第2係合機構にて係合された状態において、前記第3環状壁部と前記第4環状壁部とが互いの環状壁面を前記第2軸心と交差する方向で対向させて配設され、
前記第2係合機構として、前記第3環状壁部の前記環状壁面に前記浄水吐出口の側から連続して形成される第3凹欠溝部と、当該第3凹欠溝部に連続して設けられると共に前記第2軸心周りでの前記第2相対回転角度に対応して形成される第4凹欠溝部と、前記第2軸心と直交する径方向の外側へと突出する第3凸部とが設けられ、前記第4環状壁部の前記環状壁面に、当該環状壁面から突出して形成される第4凸部が設けられ、
前記第3凹欠溝部及び前記第4凹欠溝部は、前記第3環状壁部の前記環状壁面として形成され、
前記第3凸部は、前記第3環状壁部の前記環状壁面において、前記第2軸心周りの周方向で前記第4凹欠溝部が形成されている部位で且つ前記第4凹欠溝部よりも前記浄水吐出口の側の部位に設けられ、
前記第4凸部は、前記第2軸心に沿って前記浄水カートリッジと前記筐体蓋部とを相対的に近づけるに伴って前記第3凹欠溝部に嵌合した状態で前記第2軸心に沿って移動可能であると共に、前記第2軸心周りでの前記第2相対回転に伴って前記第4凹欠溝部に嵌合して前記第2係合解除位置と前記第2係合位置との間を移動可能に形成されている点にある。
【0010】
上記特徴構成によれば、第2凹欠溝部及び第4凹欠溝部の軸心周りの長さを適宜設定することで、第1相対回転角度及び第2相対回転角度を、精度良く設定することができる。
これにより、浄水カートリッジと筐体蓋部との係合に伴う第2相対回転角度を、筐体本体と筐体蓋部との係合に伴う第1相対回転角度よりも大きくする構成を良好に実現でき、特に、筐体本体から筐体蓋部を取り外した際に、筐体本体の内部に浄水カートリッジが残ることを良好に防止できる。
【0011】
本発明に係る浄水器の更なる特徴構成は、
前記浄水カートリッジの前記濾材を外囲するカートリッジ筐体は、ABS樹脂から成る点にある。
【0012】
従来、浄水カートリッジのカートリッジ筐体は、浄水器筐体の内部に形成される環状鍔部に圧入して固定する構成が採用される場合、比較的機械的強度が高いポリプロピレン樹脂が材料として用いられる。カートリッジ筐体は、その内部に濾材を充填する必要があるため、筐体本体と蓋体とから構成されることが一般的であるが、カートリッジ筐体の材料としてのポリプロピレン樹脂は超音波溶着ができないため、筐体本体と蓋体との間にシール部材を介在させた状態で、両者を螺合等により接続する構成が採用されることが多い。即ち、カートリッジ筐体の材料としてポリプロピレン樹脂を用いる場合、シール部材を必要とし、部品点数が多くなるといったデメリットがある。
上記特徴構成によれば、カートリッジ筐体をABS樹脂から構成するから、例えば、カートリッジ筐体を蓋体と筐体本体との2部材から構成し、内部に濾材を封入した後に、蓋体と筐体本体とを超音波溶着することができ、両者の間のシール部材を省略して部品点数を減らし、構成の簡略化を図ることができる。
尚、一般的にABS樹脂はポリプロピレン樹脂に比べて機械的強度が低く、上述したようにカートリッジ筐体を浄水器筐体の環状鍔部に圧入する構造をとる場合には、破損してしまう虞があるが、本発明によれば、浄水カートリッジのカートリッジ筐体と浄水器筐体の筐体蓋部とが第2係合機構により圧入を伴わずに固定されるから、ABS樹脂から成るカートリッジ筐体が損傷する可能性を十分に低減できる。
【0013】
本発明に係る浄水器の更なる特徴構成は、
前記第1相対回転角度が40°以上45°以下の角度であり、前記第2相対回転角度が50°以上55°以下の角度である点にある。
【0014】
上記特徴構成によれば、筐体本体と筐体蓋部との固定、及び浄水カートリッジと筐体蓋部との固定を、一般に知られる螺合固定により実現する場合に比べ、十分に小さい相対回転角度で、筐体本体と筐体蓋部との固定、及び浄水カートリッジと筐体蓋部との固定を実現できるから、使用者による浄水カートリッジの取替操作の操作性を向上できる。
尚、発明者らは、筐体本体と筐体蓋部と浄水カートリッジとの関係において、第2相対回転角度が第1相対回転角度よりも少なくとも5°以上大きければ、これまで説明してきた作用効果を奏することを、実験的に確認している。
【0015】
本発明に係る浄水器の更なる特徴構成は、
前記第1軸心と前記第2軸心とが同軸に構成されている点にある。
【0016】
上記特徴構成によれば、浄水カートリッジの定期的な交換作業に伴う回転操作を共通の回転軸心で実行できるから、交換に伴う操作性を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る蛇口直結型の浄水器の斜視図である。
図2図1のII-II断面図であり、原水を吐出する原水吐出状態を示す図である。
図3図1のIII-III断面図であり、浄水を吐出する浄水吐出状態を示す図である。
図4】筐体本体と筐体蓋部とが取り外された状態にある浄水器の斜視図である。
図5図1のV-V断面図であり、第1係合位置(実線)と第1係合解除位置(破線)とにある第1係合機構を示す図である。
図6】浄水カートリッジと筐体蓋部とが取り外された状態にある浄水器の斜視図である。
図7図1のVII-VII断面図であり、第2係合位置(実線)と第2係合解除位置(破線)とにある第2係合機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る浄水器100は、浄水器筐体40の内部において浄水カートリッジ20が確実に固定され、原水通流時に原水を確実に所望の流路に通流すると共に、浄水カートリッジ20の交換時の操作性を向上できるものに関する。
以下、図1~7に基づいて、実施形態に係る浄水器100について説明する。
【0019】
実施形態に係る浄水器100は、図1又は図2に示すように、原水を浄化する濾材R(例えば、活性炭)を有する浄水カートリッジ20と、浄水カートリッジ20を内部に配設すると共に外部から原水を受け入れて濾材Rを通過して浄化された浄水を外部へ吐出可能な浄水器筐体40とを備えて構成されている。尚、当該実施形態に係る浄水器100は、図3に示す浄水を吐出する浄水吐出状態と、図2に示す原水をシャワー状態で吐出する原水吐出状態とを、切替機構30としての操作レバー31を操作することにより切り替え可能に構成されている。
【0020】
図2又は図3に示すように、浄水器筐体40は、一端に壁部43を有すると共に他端に開口部41h(図4に図示)を有する筒状の筐体本体41と、筐体本体41の開口部41hを閉止する筐体蓋部51とから構成されており、両者は、間に第4シール部材S4を介在させた状態で、後述する第1係合機構K1により係合されている。
筐体本体41の壁部43には、壁部43を貫通して外部から原水を受け入れる開孔43aが形成されると共に、平面視において当該開孔43aの外側に立設される環状口42が設けられている。
当該環状口42には、その環周壁の外周面に雄螺子42bが切られており、当該雄螺子42bに螺合する雌螺子60aが内面に切られているアダプタ挟持部材60が螺合可能に構成されている。
環状口42の内部には、第1リング状部材61と第2リング状部材62との間に第1フィルタF1が挟持される形で嵌め込まれており、原水は、当該第1フィルタF1を通過した後、開孔43aを通り浄水器筐体40の内部に流入する。
当該構成により、当該実施形態に係る蛇口直結型の浄水器100は、蛇口(図示せず)に連結可能なアダプタ(図示せず)のフランジ部を、アダプタ挟持部材60と第1リング状部材61との間に挟持する形で、蛇口の原水流路(図示せず)に対して連通接続する。
【0021】
筐体蓋部51には、筐体本体41の開孔43aに対向する面に、多数の噴出孔から成り原水を吐出するシャワー吐出孔51aと、浄水を吐出する挿入口53とが形成されている。
【0022】
筐体本体41は複数の部品から構成されており、筐体本体41と筐体蓋部51とが第1係合機構K1により係合されて形成される浄水器筐体40の内部には、開孔43aに直結する第1空間V1と、当該第1空間V1に対して第1連通孔H1及び第2連通孔H2を介して連通接続される第2空間V2が形成されている。
第1空間V1には、原水を第1連通孔H1へ導く原水吐出状態(図2)と、原水を第2連通孔H2へ導く浄水吐出状態(図3)とを切り替える切替機構30が設けられており、第2空間V2には、第2連通孔H2を通過した原水を内部の濾材Rを通して浄化する浄水カートリッジ20が配設される領域と、第1連通孔H1を通過した原水を浄水カートリッジ20の外部を通流させてシャワー吐出孔51aへ導く原水通流路L2とが形成されている。
【0023】
切替機構30は、操作軸心P3周りで90°回転する操作レバー31(図1に図示)と、操作軸心P3に沿って延びると共に操作軸心P3に直交する直交断面視(図2、3に示す断面視)でU字形状となる軸心部材35と、直交断面視で軸心部材35のU字形状の開放部位31aに位置する球状弁体34と当該球状弁体34を軸心部材35の内側で支持する支持部材33と、支持部材33を軸心部材35の内側から外側へ向かって付勢するコイルバネ32とから構成されている。
尚、第1連通孔H1と球状弁体34との間には、両者の間をシールする第1シール部材S1が設けられると共に、第2連通孔H2と球状弁体34との間には、両者の間をシールする第2シール部材S2が設けられる。
【0024】
以上の構成を採用することにより、切替機構30は、操作レバー31を操作軸心P3周りで回動させることにより、球状弁体34を第1連通孔H1に対向して位置させ第1連通孔H1を閉止し、原水が第2連通孔H2を介して第1空間V1から第2空間V2へ導かれる浄水吐出状態(図3に示す状態)と、球状弁体34を第2連通孔H2に対向して位置させ第2連通孔H2を閉止し、原水が第1連通孔H1を介して第1空間V1から第2空間V2へ導かれる浄水吐出状態(図2に示す状態)とを切り替え可能となる。
【0025】
浄水カートリッジ20は、第2連通孔H2と連通接続する原水受入口21aを有するカートリッジ蓋部21と、成形された濾材Rと、一端がカートリッジ蓋部21にて閉止可能に開放されると共に他端に浄水吐出口23を有するカートリッジ筐体本体22とから構成されている。尚、原水受入口21aは、第2連通孔H2が形成される連通孔形成部位H2aに対して第3シール部材S3を介して水密に接続されている。
即ち、カートリッジ蓋部21とカートリッジ筐体本体22とからカートリッジ筐体28が形成されており、当該カートリッジ筐体28の内部に成形された濾材Rが配設されている。
濾材Rは、原水の流れ方向で下流側を複数の突状支持体24にて支持され、濾材Rと突状支持体24との間には第2フィルタF2が設けられている。
浄水カートリッジ20と筐体蓋部51とは、浄水カートリッジ20の浄水吐出口23と筐体蓋部51の挿入口53とが後述する第2係合機構K2により係合される形で、互いに固定されている。
【0026】
当該実施形態に係る浄水器100にあっては、経済性を向上する目的で、浄水器筐体40及びカートリッジ筐体28を、ABS樹脂から構成している。特に、カートリッジ筐体28をABS樹脂から構成することで、カートリッジ蓋部21とカートリッジ筐体本体22とを超音波溶着により接合でき、両者の間のシール部材を省略でき、部品点数を減らすことができる。
尚、浄水器筐体40及びカートリッジ筐体28は、上記材料に限らず、種々の材料を用いて製造することが可能である。
【0027】
さて、当該実施形態に係る浄水器100は、浄水器筐体40の内部において浄水カートリッジ20が確実に固定され、原水通流時に原水を確実に所望の流路に通流すると共に、浄水カートリッジ20の交換時の操作性を向上するべく、以下の構成を有する。
浄水器100は、浄水器筐体40の第1軸心P1周りで筐体蓋部51に対する筐体本体41の第1相対回転により、筐体本体41と筐体蓋部51とを係合する第1係合位置KG1(図5に図示)と当該係合が解除される第1係合解除位置KK1(図5に図示)とを切替可能な第1係合機構K1を備えると共に、第1軸心P1に沿う第2軸心P2周りで筐体蓋部51に対する浄水カートリッジ20の第2相対回転により、浄水カートリッジ20と筐体蓋部51とを係合する第2係合位置KG2(図7に図示)と当該係合が解除される第2係合解除位置KK2とを切替可能な第2係合機構K2とを備える。
【0028】
当該浄水器100では、第2相対回転における第2係合位置KG2から第2係合解除位置KK2までの第2相対回転角度(図7でβ)が、第2相対回転の回転方向と同一回転方向である第1相対回転における第1係合位置KG1から第1係合解除位置KK1までの第1相対回転角度(図5でα)よりも、大きく設定されている。
具体的には、第1相対回転角度αは40°以上45°以下が好ましく、第2相対回転角度βは50°以上55°以下の角度であることが好ましい。
尚、当該実施形態に係る浄水器100にあっては、第1軸心P1と第2軸心P2とは同軸に構成されている。
【0029】
第1係合機構K1について説明を追加する。
本実施形態では、浄水器筐体40は、図2等に図示されるように、その外形は、第1軸心P1を中心軸とする略円筒形状であり、筐体本体41と筐体蓋部51とは、浄水器筐体40の第1軸心P1に沿う方向に延びる円筒周壁のうち、原水及び浄水の流れ方向で下流側の端部を内側に、かつ、筐体蓋部51の第1軸心P1に沿う方向に延びる円筒周壁のうち、原水及び浄水の流れ方向で下流側の端部を外側にして、互いに重ね合わせる形態で浄水器筐体40を成す。
換言すると、図4に示すように、筐体本体41には円筒周壁として第1環状壁部K1fが設けられ、筐体蓋部51には円筒周壁として第2環状壁部K1gが設けられており、第1環状壁部K1fと第2環状壁部K1gとは、第1環状壁部K1fの環状壁面(第1環状壁面K1ff)と第2環状壁部K1gの環状壁面(第2環状壁面K1gf)とを互いに第1軸心P1と交差する方向で対向させて配設されている。図4に示す構成では、第1環状壁面K1ffは外周面であり、第2環状壁面K1gfは内周面である。
【0030】
図4及び図5に示すように、互いに対向する第1環状壁面K1ffと第2環状壁面K1gfとの間に、第1係合機構K1が設けられる。このうち、第1環状壁面K1ffには、筐体本体41における開口部41h側の端部から、第1軸心P1に沿う方向へと拡がる、筐体本体41の外周壁面である。この第1環状壁面K1ffには、当該第1環状壁面K1ffから、第1軸心P1と直交する径方向の外側へと突出する第1凸部K1hと、第1凹欠溝部K1bと、当該第1凹欠溝部K1bに連続して設けられ、前記第1凸部K1hによって区画される第2凹欠溝部K1cとが設けられている。第2凹欠溝部K1cは、第1軸心P1を回転軸とする第1相対回転角度(図5でα)に対応して形成されている。また、第2環状壁面K1gfには、当該第2環状壁面K1gfから、第1軸心P1と直交する径方向の外側へと突出する第2凸部K1aが設けられている。
【0031】
これにより、第2凸部K1aは、第1軸心P1に沿って筐体本体41と筐体蓋部51とを相対的に近づけるに伴って、第1凹欠溝部K1bに嵌合した状態で、第1環状壁面K1ffに沿って移動可能である。さらに、第2凸部K1aは、第1軸心P1を回転軸とする第1相対回転に伴って第1凸部K1hに当接し、かつ第2凹欠溝部K1cに嵌合して、第1係合解除位置KK1と第1係合位置KG1との間を移動可能となる。
即ち、第2凸部K1aの第2環状壁面K1gfの周方向に沿う幅W2は、第2凹欠溝部K1cの第1環状壁面K1ffの周方向に沿う幅W1よりも小さく構成されている。
また、第2凸部K1aの第1相対回転方向での端部には、傾斜部位が設けられ、第1凹欠溝部K1bと第2凹欠溝部K1cとの間の移動の円滑性を向上させている。
【0032】
尚、第2凹欠溝部K1cには、第1環状壁面K1ffから突出形成される第1突出段部K1dが設けられると共に、第2凸部K1aには第1引退段部K1eが設けられており、第1係合位置KG1において、第1突出段部K1dが第1引退段部K1eに嵌まり込む形で、係合状態が維持される。
【0033】
即ち、第1係合機構K1は、第2凸部K1a、第1凹欠溝部K1b、第2凹欠溝部K1c、第1突出段部K1d及び第1引退段部K1eから構成されている。
【0034】
尚、第2凸部K1aは、第2環状壁部K1gの環周方向で等角度間隔(図5に示す例では、90°間隔)で4つ設けられており、第1凹欠溝部K1b及び第2凹欠溝部K1cは、第1環状壁部K1fの環周方向で等角度間隔(図5に示す例では90°間隔)で2つ設けられている。
【0035】
第2係合機構K2について説明を追加する。
図6に示すように、浄水カートリッジ20の、有底筒形状を有するカートリッジ筐体28にはカートリッジ筐体28の原水受入口21a(図2に図示)と対向する一端面において、第2軸心P2に沿って外側へ突出して形成される円筒周壁を備えており、当該円筒周壁の内周面は、浄水吐出口23を成している。筐体蓋部51の挿入口53は、筐体蓋部51が筐体本体41と共に浄水器筐体40を形成している状態で、シャワー吐出孔51aが形成される一端面から筐体内部へ引退突出する円筒周壁から成る。
更に、当該カートリッジ筐体28の浄水吐出口23と、筐体蓋部51の挿入口53とは、カートリッジ筐体28と筐体蓋部51とが第2係合機構K2にて係合状態にある場合、図2、3に示すように、第2軸心P2に直交する方向視で、第2軸心P2に沿う方向に延びる円筒周壁の一部と重ね合わさる状態となる。換言すると、カートリッジ筐体28の浄水吐出口23が、筐体蓋部51の挿入口53に内嵌する。
換言すると、図6に示すように、カートリッジ筐体28の浄水吐出口23としての円筒周壁が第3環状壁部K2fとして設けられ、筐体蓋部51の挿入口53としての円筒周壁が第4環状壁部K2gとして設けられ、第3環状壁部K2fと第4環状壁部K2gとは、第3環状壁部K2fの環状壁面(第3環状壁面K2ff)と第4環状壁部K2gの環状壁面(第4環状壁面K2gf)とを互いに第2軸心P2と交差する方向で対向させて配設されている。図6に示す構成では、第3環状壁面K2ffは外周面であり、第4環状壁面K2gfは内周面である。
【0036】
図6及び図7に示すように、互いに対向する第3環状壁面K2ffと第4環状壁面K2gfとの間に、第2係合機構K2が設けられる。このうち、第3環状壁面K2ffには、当該第3環状壁面K2ffから、第2軸心P2と直交する径方向の外側へと突出する第3凸部K2hと、第3凹欠溝部K2bと、当該第3凹欠溝部K2bに連続して設けられ、前記第3凸部K2hによって区画される第4凹欠溝部K2cとが設けられている。第4凹欠溝部K2cは、第2軸心P2を回転軸とする第2相対回転角度(図7でβ)に対応して形成されている。また、第4環状壁面K2gfには、当該第4環状壁面K2gfから、第2軸心P2と直交する径方向の外側へと突出する第4凸部K2aが設けられている。
【0037】
これにより、第4凸部K2aは、第2軸心P2に沿って浄水カートリッジ20と筐体蓋部51とを相対的に近づけるに伴って、第3凹欠溝部K2bに嵌合した状態で、第3環状壁面K2ffに沿って移動可能である。さらに、第4凸部K2aは、第2軸心P2を回転軸とする第2相対回転に伴って第3凸部K2hに当接し、かつ第4凹欠溝部K2cに嵌合して、第2係合解除位置KK2と第2係合位置KG2との間を移動可能となる。
即ち、第4凸部K2aの第4環状壁面K2gfの周方向に沿う幅W4は、第4凹欠溝部K2cの第3環状壁面K2ffの周方向に沿う幅W3よりも小さく構成されている。
また、第4凸部K2aの第2相対回転方向での端部には、傾斜部位が設けられ、第3凹欠溝部K2bと第4凹欠溝部K2cとの間の移動の円滑性を向上させている。
尚、第4凹欠溝部K2cには、第3環状壁面K2ffから突出形成される第2突出段部K2dが設けられると共に、第4凸部K2aには第2引退段部K2eが設けられており、第2係合位置KG2において、第2突出段部K2dが第2引退段部K2eに嵌まり込む形で、係合状態が維持される。
【0038】
即ち、第2係合機構K2は、第4凸部K2a、第3凹欠溝部K2b、第4凹欠溝部K2c、第2突出段部K2d及び第2引退段部K2eから構成されている。
【0039】
尚、図7に示すように、第4凸部K2aは、第4環状壁部K2gの環周方向で等角度間隔(図7に示す例では、180°間隔)で2つ設けられており、第3凹欠溝部K2b及び第4凹欠溝部K2cは、第3環状壁部K2fの環周方向で等角度間隔(図7に示す例では180°間隔)で2つ設けられている。
【0040】
〔別実施形態〕
以下の別実施形態において、符号を付した部位は、上記実施形態と同一の機能を有する機能部位を意図するものとする。
(1)上記実施形態では、蛇口直結式の浄水器100を例として説明した。
しかしながら、本発明は、蛇口とは別にシンクの下方等に据え置かれる据え置き式の浄水器としても、好適に適用可能である。
【0041】
(2)上記実施形態では、第1環状壁部K1fの第1環状壁面K1ffは外周面であり、第2環状壁部K1gの第2環状壁面K1gfは内周面である構成例を示した。
他の構成例としては、第1環状壁面K1ffを内周面とし、第2環状壁面K1gfを外周面とする構成であっても構わない。
この場合、内周面である第1環状壁面K1ffには、第1凸部K1h、第1凹欠溝部K1b、第2凹欠溝部K1c、及び第1突出段部K1dが設けられる。一方で、外周面である第2環状壁面K1gfには、第2凸部K1a及び第1引退段部K1eが設けられる。
また、第1環状壁部K1f及び第2環状壁部K1gを、浄水器筐体40の円筒周壁とは別に設けても構わない。
【0042】
(3)第2凸部K1aと第1凹欠溝部K1bと第2凹欠溝部K1cの数は、1つ以上の任意の数として構わない。
【0043】
(4)上記実施形態では、第3環状壁部K2fの第3環状壁面K2ffは外周面であり、第4環状壁部K2gの第4環状壁面K2gfは内周面である構成例を示した。
他の構成例としては、第3環状壁面K2ffを内周面とし、第4環状壁面K2gfを外周面とする構成であっても構わない。
この場合、内周面である第3環状壁面K2ffには、第3凸部K2h、第3凹欠溝部K2b、第4凹欠溝部K2c、及び第2突出段部K2dが設けられる。一方で、外周面である第4環状壁面K2gfには、第4凸部K2a及び第2引退段部K2eが設けられる。
【0044】
(5)第4凸部K2aと第3凹欠溝部K2bと第4凹欠溝部K2cの数は、1つ以上の任意の数として構わない。
【0045】
(6)第1係合機構K1及び第2係合機構K2は、螺合により実現しても構わない。
【0047】
尚、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の浄水器は、浄水器筐体の内部において浄水カートリッジが確実に固定され、原水通流時に原水を確実に所望の流路に通流すると共に、浄水カートリッジの交換時の操作性を向上できる浄水器として、有効に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
20 :浄水カートリッジ
28 :カートリッジ筐体
40 :浄水器筐体
41 :筐体本体
51 :筐体蓋部
100 :浄水器
20 :浄水カートリッジ
K1 :第1係合機構
K2 :第2係合機構
KG1 :第1係合位置
KG2 :第2係合位置
KK1 :第1係合解除位置
KK2 :第2係合解除位置
P1 :第1軸心
P2 :第2軸心
R :濾材
α :第1相対回転角度
β :第2相対回転角度
K1 :第1係合機構
K1a :第2凸部
K1b :第1凹欠溝部
K1c :第2凹欠溝部
K1f :第1環状壁部
K1ff:第1環状壁面
K1g :第2環状壁部
K1gf:第2環状壁面
K1h :第1凸部
K2 :第2係合機構
K2a :第4凸部
K2b :第3凹欠溝部
K2c :第4凹欠溝部
K2f :第3環状壁部
K2ff:第3環状壁面
K2g :第4環状壁部
K2gf:第4環状壁面
K2h :第3凸部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7