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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】画像読取システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20231127BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20231127BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H04N1/00 567H
H04N1/00 L
G03G15/00 107
G03G21/00 370
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019207273
(22)【出願日】2019-11-15
(65)【公開番号】P2021082895
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 俊史
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-075035(JP,A)
【文献】特開2005-082395(JP,A)
【文献】特開2017-013981(JP,A)
【文献】特開平11-052635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 15/00
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置と画像処理装置からなる画像読取システムであって、
原稿を搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部が搬送した原稿を光学的に読み取って画像を生成する読取部と、
前記読取部が読み取った画像を前記画像処理装置に送信する画像送信部と、
前記搬送部による原稿搬送に関する処理を制御する搬送制御部と、
前記読取部で読み取った画像を解析する画像解析部と、
前記読取部で読み取られた原稿の種類を判定する判定部と
を備え、
前記判定部は、前記画像解析部で解析された1つ乃至複数の画像に関する情報が判定候補となる原稿の条件をそれぞれ満たすか判定し、さらに前記搬送制御部による原稿搬送方法が前記判定候補となる原稿の条件を満たすかどうか判定して、原稿の種類を判定することを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記画像処理装置は、前記原稿搬送方法を選択する選択部と、前記選択部で選択された前記原稿搬送方法に関する情報を前記画像読取装置に送信する送信部とをさらに備え、
前記画像読取装置は、記送信部から送信された前記原稿搬送方法に関する情報を受信する受信部をさらに備え、
前記受信部が受信した前記原稿搬送方法に関する情報に基づいて前記搬送制御部が原稿搬送方法を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
前記画像読取装置は、複数の前記搬送路と、当該搬送路を切り替える選択部と、前記選択部で選択された搬送路に関する情報を前記画像処理装置に送信する送信部とをさらに備え、
前記画像処理装置は、前記送信部から送信された前記搬送路に関する情報を受信する受信部をさらに備え、
前記受信部が受信した前記搬送路に関する情報に基づいて前記画像処理装置が前記原稿搬送方法を判定することを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記画像読取装置は、前記搬送制御部がその機能実行するか否かを切り替え可能な、原稿の重なりを検知する重送検知機能を備え、当該重送検知機能を実行するか否かを予め設定可能であって、
前記判定部は、前記原稿搬送方法として前記重送検知機能を実行するか否かの設定が、前記判定候補となる原稿の条件を満たすかどうか判定して、原稿の種類を判定することを特徴とする請求項に記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記画像読取装置は、前記搬送制御部が切り替え可能な、紙の特定の性質に適した複数の搬送制御を実行可能であり、紙の性質に合わせた原稿搬送方法を予め設定可能であって、
前記判定部は、紙の性質に合わせて設定された前記原稿搬送方法が、前記判定候補となる原稿の条件を満たすかどうか判定して、原稿の種類を判定することを特徴とする請求項に記載の画像読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、画像読取システムに関し、特に読み取った原稿の種類の判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿台にセットされた原稿を、順次、一枚ずつその読み取り位置まで自動搬送する自動原稿送り機構(ADF:Auto Document Feeder)を備えた画像読取装置は、多くの種類の原稿を効率よく読み取るために、様々な機能を備えている。例えば、画像読取装置を使うオペレーターが自分の正面で作業を行えるように180度曲がった搬送路(Uターンパス)を備えているものがある。また、原稿の固さ・表面状態などによってはUターンパスでの搬送に適さないため、これらの原稿を搬送するために直線状の搬送路(ストレートパス)を備え、さらにUターンパスとストレートパスのどちらを使用するかを切り替え可能にする機能を備えたものもある。他にも、重送と呼ばれる複数枚の原稿が重なって搬送されてしまう現象を検知する機能(重送検知機能)や、薄い紙であっても紙の折れ、破れなどの破損なく搬送できるようにするための機能(薄紙搬送機能)を備えたものもある。これらの機能を活用して、名刺、はがき、会員証等のプラスチックカード、レシート、写真等を読み取ることが広く行われている。
【0003】
また、画像読取装置で読み取った画像を様々に活用することが広く行われている。例えば、名刺を読み取った画像に対して光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)を施すことで会社名・人名等を抽出し名刺情報データベースに登録する、はがきを読み取った画像に対して光学文字認識を施すことで住所・人名等を抽出し宛先情報データベースに登録する、会員証を読み取った画像に対して光学文字認識を施すことで人名・会員コード等を抽出し個人情報データベースに登録する、レシートを読み取った画像に対して光学文字認識を施すことで品名・金額等を抽出し家計簿データベースに登録する、写真を読み取った画像を写真データベースに登録する、などがある。
【0004】
ただし、これらの画像の活用では、読み取った原稿の種類が分かっていることが前提となっている。原稿の種類が分からない場合には、光学文字認識を施すか否か、光学文字認識によって抽出する情報の種類、登録するデータベースの種類、などを決めることができないため、画像を活用することができない。
【0005】
このような背景を受けて、読み取った画像データから原稿の種類を判定する技術が提案されている。例えば特許文献1では、画像の大きさやレイアウト認識、文字認識、色彩認識によって、原稿の種類を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6050843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら画像データから原稿の種類を判定する従来の技術では、特に、画像上の特徴が似た原稿に対して精度の良い判定ができないことがあった。例えば名刺と会員証はサイズや全体のレイアウト、色彩が似通っており、さらに光学文字認識によって得られる情報も人名や会社名であり、従来の方法では誤検知する可能性があった。同様に名刺とレシートも、サイズや色彩が似通っており、さらに光学文字認識によって得られる情報も会社名であり、従来の方法では誤検知する可能性があった。また、写真とはがきも、サイズが似通っており、またどちらも文字・絵・風景などが自由なレイアウトで描かれているため、従来の方法では誤検知する可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取システムは、
画像読取装置と画像処理装置からなる画像読取システムであって、
原稿を搬送路に沿って搬送する搬送部と、
前記搬送部が搬送した原稿を光学的に読み取って画像を生成する読取部と、
前記読取部が読み取った画像を前記画像処理装置に送信する画像送信部と、
前記搬送部による原稿搬送に関する処理を制御する搬送制御部と、
前記読取部で読み取った画像を解析する画像解析部と、
前記読取部で読み取られた原稿の種類を判定する判定部と
を備え、
前記判定部は、前記画像解析部で解析された1つ乃至複数の画像に関する情報が判定候補となる原稿の条件をそれぞれ満たすか判定し、さらに前記搬送制御部による原稿搬送方法が前記判定候補となる原稿の条件を満たすかどうか判定して、原稿の種類を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿搬送に関する処理に基づくことにより原稿種類の判定精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明における画像読取システムの構成図。
図2】本発明における画像読取装置の電気的ハードウェアのブロック図。
図3】実施形態1における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図。
図4】本発明における画像処理装置の電気的ハードウェアのブロック図。
図5】実施形態1におけるユーザーインターフェース画面の表示例。
図6】実施形態1における画像読み取り処理を示すフローチャート。
図7】本発明における原稿種類判定処理のフローチャート。
図8】本発明における判定テーブルの例。
図9】本発明におけるサイズ条件の例。
図10】本発明における彩度条件の例。
図11】本発明における文字条件の例。
図12】実施形態1における搬送条件の例。
図13】実施形態2における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図。
図14】実施形態2におけるユーザーインターフェースの表示例。
図15】実施形態2における画像読み取り処理のフローチャート。
図16】実施形態3における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図。
図17】実施形態3におけるユーザーインターフェースの表示例。
図18】実施形態3における画像読み取り処理のフローチャート。
図19】実施形態3における搬送条件の例。
図20】実施形態4における画像読み取り処理のフローチャート。
図21】実施形態4における確認画面の表示例。
図22】実施形態5における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図。
図23】実施形態5におけるユーザーインターフェースの表示例。
図24】実施形態5における画像読み取り処理のフローチャート。
図25】実施形態5における搬送条件の例。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下図面を参照して本発明にかかる実施形態の例を詳細に説明する。
(実施形態1)
【0012】
本実施形態では、特に、搬送路に関する情報、すなわちストレートパスとUターンパスのいずれで搬送されたかの情報に基づいて原稿の種類を判定する方法を説明する。
【0013】
図1は本発明における画像読取システムの構成図である。画像読取システムは、USBケーブルで接続された画像読取装置101と画像処理装置102によって構成される。また画像処理装置102にはアプリケーション103があらかじめインストールされている。なお、本発明における画像読取装置101と画像処理装置102との接続方法はUSBケーブルに限るものではなく、SCSI等、USB以外の有線接続であってもよく、またWiFiやBluetooth(登録商標)等の無線接続であっても良い。
【0014】
図2は本発明における画像読取装置の電気的なハードウェアを示すブロック図である。画像読取装置101は、画像を読み取るラインイメージセンサーおよび原稿を検知するセンサーからなるセンサー群202と、センサー群202が読み取った画像データを一時的に記憶するRAM203と、画像読取装置101内で使用されるプログラムを格納するROM204とを、備える。また、ROM204に格納されたプログラムおよび後述するインターフェース部205から転送された画像読取設定に従って画像読取装置全体を制御するCPU201と、CPU201から送信されたRAM203内の画像データを画像処理装置102に転送すると共に、画像処理装置102からの読取方法に関する設定および画像読取を指示するコマンドを受信し、CPU201に転送するインターフェース部205と、原稿を搬送する搬送部であるローラーを駆動する不図示のモーターからなる駆動部206と、を備える。また、原稿を読み取って生成した画像はインターフェース部205から画像処理装置102に送信される。この場合インターフェース部205は送信部として機能する。このように、CPU201は、原稿を搬送する搬送部の駆動を制御する搬送制御部やラインイメージセンサーを制御する読取制御部として機能している。
【0015】
図3は、本実施形態における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図である。画像読取装置101は、複数の原稿を一枚ずつ分離して給送し、給送した原稿の画像を読み取る装置である。ピックアップローラー301は、給紙口の原稿積載台に積載された原稿束302をピックアップし、搬送路303に沿って給送する。分離給送部304は、ピックアップされた原稿束302を1枚ずつ分離して給送する給送ローラーと分離ローラーとの対で構成されている。複数の搬送ローラー305は、給紙した原稿を排紙口まで搬送する。ラインイメージセンサー306は、光学的に原稿の画像情報を読み取り、原稿の画像を生成する。ラインイメージセンサー306は、原稿の画像を入力する画像入力手段の一例であり、主走査方向(原稿搬送方向と直交する方向)に並んだ画素からなる1ラインを読み取る。搬送ローラー305が原稿を搬送することで、副走査が実行される。対向面307は、ラインイメージセンサー306の対向位置に配置された白色基準板である。フラッパー308は、搬送されてきた原稿の排出口を切り替える。フラッパー308が倒れていると原稿は搬送路309に進み画像読取装置の背面に排出される。フラッパー308が立っていると、原稿は搬送路310に進み画像読取装置の前面に向けて排出される。レジストセンサー311は、搬送路を搬送されてきた原稿を検知するセンサーであり、レジストセンサー311に原稿が到達したタイミングに基づいてラインイメージセンサー306による読み取りタイミングが設定される。原稿検知センサー312は、給紙口にセットされている原稿を検知するセンサーである。
【0016】
なお、本実施形態および以降の実施形態では、説明の簡略化のために、ラインイメージセンサー306が搬送路の片側だけに設置されたいわゆる片面読取の画像読取装置を用いる。しかし本発明はこれに限るものではなく、搬送路の両側にラインイメージセンサーが設置されたいわゆる両面読取の画像読取装置を用いても良い。
【0017】
図4は、本実施形態における画像処理装置102の電気的なハードウェアを示すブロック図である。画像処理装置102は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。インターフェース部401は画像読取装置101と通信する通信ユニットである。インターフェース部401は、画像読取装置101から転送された画像データを受信する受信部として機能することから、原稿の画像を入力する画像入力手段として機能する。つまり、インターフェース部401は、複数の原稿を一枚ずつ分離して給送し、給送した原稿の画像を読み取る画像読取装置101から転送された画像を受信する受信手段として機能する。CPU402は、画像処理装置102が備える各ユニットを統括的に制御する制御ユニットである。記憶装置403は、アプリケーションソフトウェア、オペレーティングシステムなどを記憶した記憶装置であり、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、もしくはSDカードなどの外部装置などである。RAM404は、CPU402のワークエリアとして機能する揮発性のメモリである。入力装置405は、キーボードやポインティングデバイスなどであり、ユーザーなどの操作者が情報を入力するために使用する装置である。表示装置406は、操作者に情報を出力する装置である。
【0018】
図5は、本実施形態におけるアプリケーション103が表示するユーザーインターフェースの表示例を示す図である。ユーザーインターフェース501では、ラジオボタン502によって原稿を搬送する搬送路を指定でき、またスキャンボタン503によって読み取りを開始できる。ユーザーは画像処理装置102に接続された入力装置405であるマウスを操作して、ユーザーインターフェース501上のボタンやラジオボタンを操作する。本実施形態では、ラジオボタンを用いてストレートパスとUターンパスのいずれかの搬送路を指定しているが、これは一例であり、搬送方法を選択可能な選択部であればどのような表現、手法であっても良い。具体的には、ストレートパスの代わりに背面に排紙、Uターンパスの代わりに正面に排紙、と表記しても良く、またラジオボタンの代わりにチェックボックスやリストボックスを使用するなどしても良い。また本実施形態では、画像処理装置102に接続されたマウスを用い読み取り条件を指定するものとして説明するが、キーボードや、タッチパネルで指定されても良い。
【0019】
図6は、本実施形態における画像読み取り処理を示すフローチャートである。図の左側には画像処理装置の処理を示し、右側には画像読取装置の処理を示している。なお、画像処理装置が実行する処理は、本実施形態においてはアプリケーション103が行うため、以下の説明ではアプリケーション103が処理するものとして説明するが、これに限られない。
【0020】
S601で、ユーザーはアプリケーション103上の不図示のボタンを押して図5に示すユーザーインターフェース501を表示させ、ユーザーインターフェース501上で希望する搬送路を選択する。通常の場合、ユーザーはUターンパスを選択する。これは、Uターンパスの場合には、原稿の積載位置と排紙位置の両方が画像読取装置の前面になるため、ユーザーは画像読取後に画像読取装置の背面に移動する必要がなく、利便性が高まるためである。しかし、プラスチックカードや写真を読み取る場合には、ユーザーはストレートパスを選択する。これは、プラスチックカードは硬く曲がらないため、曲がった搬送路である搬送路310を通過できず、紙詰まりが発生するためである。また、原稿が曲がった搬送路である搬送路310を通過する時には、直線の搬送路である搬送路309を通過する時よりも原稿表面が搬送路と擦れやすい傾向がある。そのため傷がつきやすい写真などの場合には、ユーザーはストレートパスを選択することがある。すなわち、ストレートパスが選択されている場合には、Uターンパスが選択されている場合に比べて、搬送される原稿がプラスチックカードもしくは写真である可能性が高くなる。
【0021】
S602で、ユーザーがスキャンボタン503を押したことを検知すると、処理はS603に進む。S603では、アプリケーション103は搬送路としてストレートパスとUターンパスのいずれが選択されているかを判定する。ストレートパスが選択されている場合には処理はS604に進み、Uターンパス選択されている場合には処理はS607に進む。
【0022】
S604では、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスにストレートパスが選択されたことを示す情報を格納する。S605で、アプリケーション103はストレートパス設定指示を画像読取装置101に送信する。
【0023】
S606で、画像読取装置101はストレートパス設定指示を受信する。ストレートパス設定指示を受信すると、S607で、画像読取装置101はフラッパー308を倒し、以降に搬送されてきた原稿が搬送路309に進むようにする。
【0024】
一方、S608では、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスにUターンパスが選択されたことを示す情報を格納する。S609で、アプリケーション103はUターンパス設定指示を画像読取装置101に送信する。
【0025】
S610で、画像読取装置101はUターンパス指定指示を受信する。Uターンパス設定指示を受信すると、S611で、画像読取装置101はフラッパー308を立て、以降に搬送されてきた原稿が搬送路310に進むようにする。
【0026】
S612で、画像読取装置101はフラッパー308の状態変更が終了したことを示すフラッパー変更終了通知をアプリケーション103に送信する。
【0027】
S613で、アプリケーション103はフラッパー変更終了通知を受信すると、S614で、アプリケーション103は画像読取開始指示を画像読取装置101に送信する。
【0028】
S615で、画像読取装置101は画像読取指示を受信すると、S616で、画像読取装置101はセンサー群202および駆動部206を制御して原稿を読み取る。
【0029】
S617で、画像読取装置101は読み取った画像データをアプリケーション103に送信する。
【0030】
S618で、アプリケーション103は画像データを受信し、受信した画像データをRAM404に格納する。
【0031】
S619で、アプリケーション103は格納された画像データに対して原稿種類判定処理を施す。
【0032】
次に、アプリケーション103が行う原稿種類判定処理の流れを図7に示す。本発明では、テーブルを利用した多数決に基づく方法で原稿種類判定を行う。テーブル(以下、判定テーブル)は図8に示すように、候補となる原稿の種類数だけ「行」が、またサイズや搬送方法などの判定基準の数だけ「列」が、それぞれ用意されている。判定テーブルの各セルは、判定対象となる画像データが、対応する判定基準に照らした時に、対応する原稿種類の可能性があると判定されるか否かを示しており、可能性がある場合に1が入力される。
【0033】
詳細は後述の通りであるが、例えば対象となる画像データのサイズが標準的な名刺の大きさである55mm×91mmであった場合、画像のサイズという基準に照らすと、この画像は名刺の可能性があるので、対応するセルには可能性があることを示す1が格納される。一方、この画像のサイズは標準的なはがきのサイズである100mm×148mmとは乖離しているので、画像のサイズという基準に照らすとこの画像ははがきの可能性がないので、対応するセルには可能性がないことを示す0が格納される。
【0034】
同様にして全てのセルについて判定を行い、各行についてセルの値を合計したものを各原稿の種類に対する尤度とし、尤度が最も大きい原稿の種類を対象画像の原稿の種類として判定する。
【0035】
以下、具体的にフローチャートを用いて説明する。S701でアプリケーション103は、RAM404の所定のアドレスに用意された判定テーブルの全てのセルに0を設定する。
【0036】
S702でアプリケーション103は、画像のサイズに基づく判定を行う。ここでは判定対象画像のサイズが記憶装置403に予め格納されたサイズ条件を満たすか否かで判定を行う。
【0037】
図9は記憶装置403に予め格納されたサイズ条件の一例を示している。名刺は標準では55mm×91mmであるが、作成者によって大きさのバラつきが大きいため、幅高さとも前後1cmのバラつきは許容するように条件が定められている。一方、はがきと写真、プラスチックカードは、業界標準や国際規格などでサイズが規定されており、サイズがバラつかないため、それぞれ標準のサイズに基づいて条件が定められている。また、レシートは幅のバラつきが少ないが、高さは購入した商品の点数に応じて自由に伸縮するため、幅だけに条件が課されている。
【0038】
判定の結果、条件を満たしている原稿の種類に対して、アプリケーション103は判定テーブルのサイズ条件のセルに1を設定する。
【0039】
なお、本発明におけるサイズ条件は一例であり、各原稿種類に対する条件の中心値やバラつき、条件を幅高さの一方だけに課すか両方に課すかは、どのようなものであっても良い。また本発明では画像のサイズとして画像データそのものの大きさを使用しているが、画像読取装置101が余白のついた画像を出力する場合には画像の中から原稿が写っている領域を検知し、検知された領域の大きさを画像のサイズとして使用しても良い。ただし、その場合の原稿領域検知方法は一般的なもので良い。また、両面読取に対応した画像読取装置で、原稿の表裏が結合した画像が出力される場合には、出力画像の半分のサイズを使用しても良い。また画像読取装置が複数の原稿面からなる画像を出力する場合には、その中の1つの面の大きさを画像サイズとして使用しても良い。
【0040】
次に、S703でアプリケーション103は、画像の色彩に基づく判定を行う。ここでは判定対象画像に含まれる画素の総数に対する、彩度が所定の値を上回る画素の割合を算出し、算出された値が記憶装置403に予め格納された彩度条件を満たすか否かで判定を行う。
【0041】
図10は記憶装置403に予め格納された彩度条件を示している。名刺とレシートは一般に白黒の文字が多いため、低い割合が条件として定められている。写真は一般に多くの色が写るため、高い割合が条件として定められている。はがきとプラスチックカードは色のバラつきが大きいため、幅の広い条件が定められている。
【0042】
判定の結果、条件を満たしている原稿の種類に対して、アプリケーション103は判定テーブルの彩度条件のセルに1を設定する。
【0043】
なお、本発明における彩度条件は一例であり、各原稿種類に対する条件の中心値やバラつきは、どのようなものであっても良い。また本発明では彩度が所定の値を上回る画素の割合で判定を行っているが、これは一例であり、画像の色彩に基づく判定であればどんなものでも良い。例えば像全体に対する割合を用いるのではなく、画像を小領域に分割し、各領域に対して彩度が所定の値を上回る画素が所定の割合以上存在するかを判定し、所定の割合以上存在すると判定された小領域の数を用いて判定するのでも良い。この小領域に基づく判定によれば、例えば、紙自体に薄く色がついているはがきと、白い砂浜と青い空が半々で写っている写真とを識別できるという効果がある。
【0044】
S704でアプリケーション103は、画像中の文字に基づく判定を行う。ここでは判定対象画像の全体に対してOCRを施し、得られた文字列の中に記憶装置403に予め格納された文字条件を満たすか否かで判定を行う。
【0045】
図11は記憶装置403に予め格納された文字条件を示している。名刺には通常、氏名や会社の名称、所在地などが記載されるため、氏名に多く使われる漢字、株式会社等の社名に多く使われる表現、都道府県等の住所表記が含まれているかということが条件として定められている。レシートには通常、店舗の名称や所在地、購入した品目の名称と価格などが記載されるため、店舗名に多く使われる表現、都道府県等の住所表記、また金額の表記に多く使われる表現が含まれているかということが条件として定められている。はがきには通常、氏名や住所などが記載されるため、氏名に多く使われる漢字、都道府県等の住所表記が含まれているかということが条件として定められている。プラスチックカードに記載される文字は多岐にわたるが、例えば会員証であれば、通常、氏名や会社の名称、所在地などが記載されるため、氏名に多く使われる漢字、株式会社等の社名に多く使われる表現、都道府県等の住所表記が含まれているかということが条件として定められている。写真には通常文字が含まれないため、文字が含まれないことが条件として定められている。
【0046】
判定の結果、条件を満たしている原稿の種類に対して、アプリケーション103は判定テーブルの文字条件のセルに1を設定する。
【0047】
なお、本発明における文字条件は一例であり、含まれている文字の種類や数はどのようなものでも良い。また、本発明では画像の全体に対してOCRを施すとしているが、画像のレイアウトを解析し、解析されたレイアウトに応じてOCR処理を施す位置を変更しても良い。
【0048】
S705でアプリケーション103は、搬送方法に基づく判定を行う。ここではRAM404の所定のアドレスに格納された搬送路の設定を読み出し、読み出された設定が記憶装置403に予め格納された搬送条件を満たすか否かで判定を行う。
【0049】
図12は記憶装置403に予め格納された搬送条件を示している。名刺とレシート、はがきは通常、利便性の高いUターンパスで搬送されるため、Uターンパスであることが条件として定められている。写真とプラスチックカードは、表面に傷がつきやすかったり硬くてUターンパスの搬送路310を通過できなかったりするなどの制約からストレートパスを使う必要があるため、ストレートパスであることが条件として定められている。判定の結果、条件を満たしている原稿の種類に対して、アプリケーション103は判定テーブルの搬送条件のセルに1を設定する。
【0050】
なお、本実施形態における搬送条件は一例であり、原稿および画像読取装置の特徴に応じた条件であればどのようなものでも良い。例えば写真をUターンパスで搬送しても傷がつかない機構を搬送路が備えていたり、逆にストレートパスにするとより表面に傷がつきやすくなる機構を備えていたりするのであれば、写真に対する条件をUターンパスにするなどしても良い。また名刺など利便性は低くてもストレートパスでの搬送が可能な原稿種類に対しては、搬送条件にストレートパスとUターンパスの両方が該当するように設定しても良い。
【0051】
S706でアプリケーション103は、各原稿の種類に対して判定テーブルに設定された値の合計を算出し、値が最大であるものを対象画像データの原稿の種類と判定する。
【0052】
本実施形態に記載の方法により、画像データだけでは判定困難な原稿についても、搬送方法がストレートパスとUターンパスのいずれかに応じて適切な原稿種類判定が行えるようになる。
【0053】
(実施形態2)
本実施形態は、ストレートパスとUターンパスの切り替えを画像読取装置上で設定するものである。
【0054】
図13は、本実施形態における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図である。本実施形態における画像読取装置1301は、実施形態1の画像読取装置101に、搬送方法切り替えスイッチ1302とフラッパー状態検知センサー1303が付加された構成になっている。搬送方法切り替えスイッチ1302はフラッパー308を操作するスイッチであり、フラッパー308を立った状態と倒れた状態との間で切り替えることができる。フラッパー状態検知センサー1303はフラッパー308が立った状態にあるか倒れた状態にあるかを検出するセンサーであり、インターフェース部205を介して、画像処理装置102からフラッパー308の状態を取得することが可能である。
【0055】
なお、本実施形態における画像読取システムの構成は実施形態1と同様であり、画像読取装置1301はUSBケーブルで画像処理装置102と接続されている。また、画像読取装置1301の電気的なハードウェアは実施形態1と同様であり、画像処理装置102の電気的なハードウェアの構成は実施形態1と同様であるため、同じ構成については説明を省略し、同じ符号を用いて説明する。
【0056】
図14は、本実施形態におけるアプリケーション103が表示するユーザーインターフェースの表示例を示す図である。ユーザーインターフェース1401では、スキャンボタン1402によって読み取りを開始できる。なお、ユーザーインターフェースの操作は実施形態1と同様である。
【0057】
図15は、本実施形態における画像読み取り処理を示すフローチャートである。まず、S1501で、ユーザーは画像読取装置1301の搬送方法切り替えスイッチ1302を操作して希望する搬送路を選択する。
【0058】
次に、S1502で、ユーザーはアプリケーション103上の不図示のボタンを押してユーザーインターフェース501を表示させ、スキャンボタン1402を押す。スキャンボタン1402が押されると、S1503で、アプリケーション103は画像読取開始指示を画像読取装置1301に送信する。
【0059】
S1504で、画像読取装置1301は画像読取指示を受信する。画像読み取り指示を受信すると、S1505で、実施形態1と同様に、画像読取装置1301は、センサー群202および駆動部206を制御して原稿を読み取る。
【0060】
S1506で、画像読取装置1301は読み取った画像データをアプリケーション103に送信する。
【0061】
S1507で、アプリケーション103は画像データを受信し、受信した画像データをRAM404に格納する。
【0062】
S1508で、アプリケーション103はフラッパー状態要求通知を送信する。
【0063】
画像読取装置1301は、S1509でフラッパー状態要求通知を受信すると、S1510で、画像読取装置1301はフラッパー状態検知センサー1303を用いてフラッパー308の状態を検知する。
【0064】
S1511で、画像読取装置1301は検知したフラッパー308の状態を示すフラッパー状態データを画像処理装置102に送信する。
【0065】
S1512で、画像処理装置102がフラッパー状態データを受信すると、S1513で、アプリケーション103は受信したフラッパー状態データがストレートパスを示すものか、もしくはUターンパスを示すものかを判定する。判定の結果、ストレートパスを示すものであった場合は、処理はS1514に進む。判定の結果、Uターンパスを示すものであった場合は、処理はS1515に進む。
【0066】
S1514で、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスにストレートパスが選択されたことを示す情報を格納する。
【0067】
S1515で、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスにUターンパスが選択されたことを示す情報を格納する。
【0068】
S1516で、実施形態1と同様に、アプリケーション103は格納された画像データに対して原稿種類判定処理を施す。
【0069】
本実施形態に記載の方法により、画像データだけでは判定困難な原稿についても、搬送方法がストレートパスとUターンパスのいずれかに応じて適切な原稿種類判定が行えるようになる。
【0070】
なお、本実施形態記載の搬送路設定方法は一例であり、画像読取装置1301本体を操作して搬送路を設定する方法であればどのようなものでも良い。例えばユーザーインターフェース1401上のスキャンボタン1402押下後、原稿が搬送されるまでの間に搬送路を切り替えても良い。
【0071】
また、本実施形態記載の画像処理装置102による搬送路設定の取得方法は一例であり、ユーザーが搬送を設定した後に本体から取得するものであればどのようなものでも良い。例えばユーザーインターフェース1401上のスキャンボタン1402押下後に搬送路の設定を取得する方法でも良い。
【0072】
また、フラッパー状態データの送信タイミングについては一例であり、画像読取装置1301がフラッパー状態検知センサー1303を用いてフラッパー308の状態を検知した結果を送信する態様であれば、タイミングは問わず、例えば読み取った画像データをアプリケーション103に送信するのと同時に送信しても良い。
【0073】
(実施形態3)
本実施形態は、原稿種類の判定に用いる搬送方法として超音波による重送検知(以下、超音波重送検知)を用いるものである。
【0074】
超音波重送検知は、ADFを備えた画像読取装置では広く使用されている。超音波重送検知の仕組みは、超音波が原稿を透過する際に減衰する量を用いるものである。具体的には、画像読取装置に搭載された超音波発信装置が原稿に対して超音波を発信し、同じく画像読取装置に搭載された超音波受信装置が原稿を透過した超音波を受信し、原稿による超音波の減衰量を測定することで行う。搬送されている原稿が1枚だけの場合と2枚以上が重なっている場合とでは減衰量に差があるため、2枚以上重なった重送を判定することができる。
【0075】
図16は、本実施形態における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成図である。本実施形態における画像読取装置1601は、実施形態1の画像読取装置101から、Uターンパスに関するものが除去され、また、超音波発信装置1602と超音波受信装置1603が付加された構成になっている。超音波発信装置1602と超音波受信装置1603は搬送路を挟んだ対向位置に設置されており、搬送されている原稿の重送を検知する。
【0076】
なお、本実施形態における画像読取システムの構成は実施形態1と同様であり、画像読取装置1601はUSBケーブルで画像処理装置102と接続されている。また、画像読取装置1601の電気的なハードウェアは実施形態1と同様であり、画像処理装置102の電気的なハードウェアの構成は実施形態1と同様であるため、同じ構成については説明を省略し、同じ符号を用いて説明する。
【0077】
図17は、本実施形態におけるアプリケーション103が表示するユーザーインターフェースの図である。ユーザーインターフェース1701では、ラジオボタン1702によって超音波重送検知機能の有効、無効を指定でき、またスキャンボタン1703によって読み取りを開始できる。
【0078】
本実施形態では、ラジオボタンを用いて超音波重送検知の有効、無効を指定しているが、これは一例であり、超音波重送検知の有効、無効を選択できるものであればどのような表現であっても良い。具体的には、ラジオボタンの代わりにチェックボックスやリストボックスを使用するなどしても良いし、必ずしもスキャンボタン1703と同時に表示しなくても良い。なお、ユーザーインターフェースの操作は実施形態1と同様である。
【0079】
図18は、本実施形態における画像読み取り処理を示すフローチャートである。S1801で、ユーザーはアプリケーション103上の不図示のボタンを押してユーザーインターフェース501を表示させ、ユーザーインターフェース501上で希望する超音波重送検知設定を選択する。通常の場合、ユーザーは超音波重送検知有効を選択する。これは、超音波重送検知設定によって重送発生時に画像読取を中断することができ、利便性が高まるためである。しかし、プラスチックカードを読み取る場合には、ユーザーは超音波重送検知無効を選択することが好ましい。これは、プラスチックカードでは、実際には1枚だけを搬送していても超音波が大きく減衰し、重送が発生していると誤判定されてしまう可能性があるためである。すなわち、超音波重送検知無効が選択されている場合には、超音波重送検知有効が選択されている場合に比べて、搬送される原稿がプラスチックカードである可能性が高くなる。
【0080】
次に、S1802で、ユーザーがスキャンボタン1703を押すと、処理はS1803に進む。
【0081】
S1803でアプリケーション103は超音波重送検知設定が有効と無効のいずれが選択されているかを判定する。超音波重送検知設定が有効であった場合には処理はS1804に進み、無効であった場合には処理はS1806に進む。
【0082】
S1804で、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスに超音波重送検知設定有効が選択されたことを示す情報を格納する。次に、S1805で、アプリケーション103は超音波重送検知設定有効指示を画像読取装置1601に送信する。
【0083】
S1806で、画像読取装置1601は超音波重送検知設定有効指示を受信すると、S1807で、画像読取装置1601は超音波重送検知設定有効設定をRAM203上の所定のアドレスに格納する。
【0084】
一方、S1808では、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスに超音波重送検知無効が選択されたことを示す情報を格納する。次に、S1809で、アプリケーション103は超音波重送検知設定無効指示を画像読取装置2201に送信する。
【0085】
S1810で、画像読取装置1601は超音波重送検知設定無効指示を受信すると、S1811で、画像読取装置1601は超音波重送検知設定無効設定をRAM203上の所定のアドレスに格納する。
【0086】
S1812で、画像読取装置1601は超音波設定変更終了通知をアプリケーション103に送信する。
【0087】
S1813で、アプリケーション103は超音波設定変更終了通知を受信すると、S1814で、アプリケーション103は画像読取開始指示を画像読取装置2201に送信する。
【0088】
S1815で、画像読取装置1601は画像読取開始指示を受信すると、S1816で、画像読取装置1601は超音波重送検知設定有効と超音波重送検知設定無効のいずれがRAM203上の所定のアドレスに格納されているかを判定する。超音波重送検知設定有効が格納されていた場合には処理はS1817に進み、超音波重送検知設定無効が格納されていた場合には処理はS1821に進む。
【0089】
S1817で、実施形態1と同様に、画像読取指示を受信した画像読取装置1601は、センサー群202および駆動部206を制御して原稿を読み取る。ただし、ここで画像読取装置1601は原稿を搬送している間だけ超音波発信装置1602と超音波受信装置1603を有効にし、原稿を搬送している間の超音波の減衰を監視する。なお、本実施形態における超音波減衰の監視方法は一般的なもので良い。
【0090】
S1818で、画像読取装置1601は原稿を搬送している間に超音波に所定の大きさの減衰が発生したかを判定する。所定の大きさの減衰が発生していないと判定された場合には処理はS1819に進み、所定の大きさの減衰が発生していたと判定された場合には処理はS1820に進む。なお、所定の大きさの減衰とは、超音波受信装置1603が受信する超音波の強度もしくは送信に対する強度の割合が、予め設定された閾値を下回ることを意味する。
【0091】
S1819で、画像読取装置1601は、原稿の搬送が終了したかを判定する。原稿の搬送が終了していなかった場合には処理はS1818に進み、超音波減衰の監視を続ける。原稿の搬送が終了していた場合には、原稿搬送中に超音波の減衰が発生しなかったことになる。この時、処理はS1823に進む。
【0092】
S1820で、画像読取装置1601は重送発生通知をアプリケーション103に送信し、また、読み取った画像データを破棄し、S1821で、アプリケーション103は重送発生通知を受信し、処理を終了する。
【0093】
一方、S1822では、実施形態1と同様に、画像読取指示を受信した画像読取装置1601は、センサー群202および駆動部206を制御して原稿を読み取る。ここでは画像読取装置1601は超音波発信装置1602と超音波受信装置1603を無効にし、超音波の減衰を監視しない。
【0094】
S1823で、画像読取装置1601は読み取った画像データをアプリケーション103に送信する。
【0095】
S1824でアプリケーション103は受信した画像データをRAM404に格納し、S1825で、アプリケーション103は格納された画像データに対して原稿種類判定処理を施す。ただし、本実施形態における原稿種類判定処理は、実施形態1と比べて、搬送方法に基づく判定の方法のみが異なっている。アプリケーション103は、RAM404の所定のアドレスに格納された超音波重送検知の設定を読み出し、読み出された設定が記憶装置403に予め格納された搬送条件を満たすか否かで判定を行う。
【0096】
図19は記憶装置403に予め格納された搬送条件を示している。名刺とレシート、はがき、写真は通常、利便性の高い超音波重送検知有効で搬送されるため、超音波重送検知有効であることが条件として定められている。プラスチックカードは、超音波重送検知が誤判定を起こすため、超音波重送検知無効であることが条件として定められている。
【0097】
実施形態1と同様に、判定の結果、条件を満たしている原稿の種類に対して、アプリケーション103は判定テーブルの搬送条件のセルに1を設定する。
【0098】
なお、この搬送条件は一例であり、原稿および画像読取装置の特徴に応じた条件であればどのようなものでも良い。例えば特に厚い名刺を使用している場合には、名刺に対する条件を超音波重送検知無効にするなどしても良い。また名刺など利便性は低くても超音波重送検知無効での搬送が可能な原稿種類に対しては、搬送条件に超音波重送検知有効と超音波重送検知無効の両方にしても良い。
【0099】
本実施形態に記載の方法により、画像データだけでは判定困難な原稿についても、搬送方法が超音波重送検知有効と超音波重送検知無効のいずれかに応じて適切な原稿種類判定が行えるようになる。
【0100】
なお、本実施形態においては、超音波重送検知有効と超音波重送検知無効の情報をアプリケーション103から画像読取装置1601に通知するタイミングと画像読取開始指示をアプリケーション103から画像読取装置1601に通知するタイミングを分けているが、これに限られず、同時に送信するように構成しても良い。
【0101】
(実施形態4)
本実施形態は、原稿種類の判定に用いる搬送方法として、検知された重送が誤検知であるか否かの判定を用いるものである。
【0102】
本実施形態における、本実施形態における画像読取システムの構成、画像読取装置の電気的なハードウェア、画像処理装置102の電気的なハードウェアの構成は、実施形態1と同様である。また、本実施形態における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアの構成は、実施形態3と同様である。また、本実施形態におけるアプリケーション103が表示するユーザーインターフェースは、実施形態2のものと同様である。各実施形態と同じ構成については説明を省略し、同じ符号を用いて説明する。
【0103】
図20は、本実施形態における画像読み取り処理を示すフローチャートである。S2001で、ユーザーがスキャンボタン1402を押すと、処理はS2002に進む。
【0104】
S2002で、アプリケーション103は、RAM404上の所定のアドレスに格納する超音波重送検知設定の情報を初期化する。すなわち超音波重送検知設定有効を示す情報をRAM404上の所定のアドレスに格納する。
【0105】
S2003で、アプリケーション103は画像読取開始指示を画像読取装置1601に送信する。
【0106】
S2004で、画像読取装置1601は画像読取指示を受信すると、S2005で、画像読取装置1601は、実施形態3のS1817と同様に、センサー群202および駆動部206を制御しつつ、超音波受信装置1603にて超音波の減衰を検知しながら原稿を読み取る。
【0107】
S2006で、実施形態3のS1818と同様に、原稿の搬送中に所定の大きさの超音波の減衰が生じていたかを判定する。減衰が生じていないと判定された場合には処理はS2007に進む。減衰が生じていたと判定された場合には処理はS2008に進む。なお、所定の大きさの超音波の減衰とは、上記第3実施形態と同様、超音波受信装置1603が受信する超音波の強度もしくは送信に対する強度の割合が、予め設定された閾値を下回ることを意味する。
【0108】
S2007で、画像読取装置1601は、原稿の搬送が終了したかを判定する。原稿の搬送が終了していなかった場合には処理はS2006に進み、超音波減衰の監視を続ける。原稿の搬送が終了していた場合には、原稿搬送中に超音波の減衰が発生しなかったことになる。この時、処理はS12018に進む。
【0109】
S2008で画像読取装置1601は、アプリケーション103に重送発生通知を送信する。
【0110】
S2009で、アプリケーション103は重送発生通知を受信すると、S2010で、アプリケーション103は、図21に示す確認画面2101を表示装置406に表示する。すなわち、画像読取装置が検知した重送が、誤検知であるか否かをユーザーに確認する。なお、確認画面2101の表示は一例であり、重送検知の結果が誤検知であるか否かを選択できるものであればどのような表示でも良い。
【0111】
S2011で、ユーザーは重送が本当に発生したのかを確認する。誤検知であった場合にはユーザーは入力装置405を操作してYESボタン2102を押し、処理はS2012に進む。一方、誤検知でなかった場合にはユーザーは入力装置405を操作してNOボタン2103を押し、処理はS2014に進む。なお、誤検知であった場合としては、付箋などを貼っていて、超音波は実際に減衰するものの、重送と判定しなくて良い場合なども含む。
【0112】
S2012で、アプリケーション103は、RAM404上の所定のアドレスの情報を、超音波重送検知設定有効が選択されたことを示す情報から超音波重送検知設定無効が選択されたことを示す情報に上書きする。
【0113】
S2013で、アプリケーション103は画像読取装置1601に画像読取再開指示を送信し、画像読取再開指示を受信した画像読取装置1601は画像読取処理を再開し、処理はS2018に進む。
【0114】
一方で、S2011で誤検知ではないことが選択された場合には、S2014で、アプリケーション103は画像読取装置1601に画像読取終了指示を送信する。
【0115】
画像読取装置1601は、S2015で画像読取終了指示を受信すると、S2016で画像読取終了受領通知をアプリケーション103に送信し、また、読み取った画像データを破棄する。
【0116】
S2017で、アプリケーション103は画像読取終了受領通知を受信し、処理を終了する。
【0117】
重送を検知しなかった場合や重送検知の結果が誤検知であることが選択された場合には、S2018で、実施形態1と同様に、画像読取装置1601は読み取った画像データをアプリケーション103に送信する。
【0118】
S2019で、実施形態1と同様に、アプリケーション103は受信した画像データをRAM404に格納する。
【0119】
S2020で、実施形態3と同様に、アプリケーション103は格納された画像データに対して原稿種類判定処理を施す。
【0120】
本実施形態に記載の方法により、画像データだけでは判定困難な原稿についても、搬送方法が超音波重送検知有効と超音波重送検知無効のいずれかに応じて適切な原稿種類判定が行えるようになる。
【0121】
なお、本実施形態記載の超音波重送検知設定方法は一例であり、重送が判定された後に誤検知を指示できるものであればどのような方法でも良い。例えば誤検知であるか否かの確認画面を画像処理装置102に表示するのではなく、画像読取装置1601に表示装置を搭載し、その搭載された表示装置に表示してユーザーが操作するものであっても良い。
【0122】
なお、原稿種類判定処理においては、原稿搬送時の超音波の減衰量を用いても良い。重送と判定しなかった場合にも、原稿を透過することによって超音波は減衰し、それは原稿の材質や厚さによって異なる。その減衰量を1枚の原稿に対して平均化やそれに類する処理を経たものを原稿種類判定処理において利用しても良い。
【0123】
(実施形態5)
本実施形態は、原稿種類の判定に用いる搬送方法として、薄紙のための搬送機能設定を用いるものである。
【0124】
非常に薄い紙を搬送するための薄紙搬送機能は、ADFを備えた画像読取装置では広く使用されている。薄紙搬送機能は、搬送速度を遅くしたり、原稿束から原稿を分離する際にかける力を弱めたりするなどして、薄紙の破損を防ぐ機能である。ただし、薄紙搬送設定には、原稿の破損が防げるという長所がある反面、搬送速度が遅くなったり原稿束からの原稿分離の性能が落ちたりするなどの短所もある。そのため、通常の原稿では薄紙搬送設定を無効にした方がユーザーの利便性は高くなる。
【0125】
図22は、本実施形態における画像読取装置の画像読取に関するハードウェアである。本実施形態における画像読取装置2201は、実施形態1の画像読取装置101から、Uターンパスに関するものが除去された構成になっている。
【0126】
なお、本実施形態における画像読取システムの構成は実施形態1と同様であり、画像読取装置2201はUSBケーブルで画像処理装置102と接続されている。また画像読取装置2201の電気的なハードウェアは実施形態1と同様である。また画像処理装置102の電気的なハードウェアの構成は実施形態1と同様である。各実施形態と同じ構成については説明を省略し、同じ符号を用いて説明する。
【0127】
図23は、本実施形態におけるアプリケーション103が表示するユーザーインターフェースの図である。ユーザーインターフェース2301では、ラジオボタン2302によって薄紙搬送機能の有効、無効を指定でき、またスキャンボタン2303によって読み取りを開始できる。
【0128】
本実施形態では、ラジオボタンを用いて薄紙搬送機能の有効、無効を指定しているが、これは一例であり、薄紙搬送機能の有効、無効を選択できるものであればどのような表現であっても良い。具体的には、ラジオボタンの代わりにチェックボックスやリストボックスを使用するなどしても良いし、必ずしもスキャンボタン2303と同時に表示しなくても良い。なお、ユーザーインターフェースの操作は実施形態1と同様である。
【0129】
図24は、本実施形態における画像読み取り処理を示すフローチャートである。S2401で、ユーザーがユーザーインターフェース2301上で希望する薄紙搬送設定を選択する。通常の場合、ユーザーは薄紙搬送機能無効を選択する。これは、薄紙搬送設定を有効にすると、搬送速度が遅くなったり、原稿を分離する性能が弱まったりして利便性が下がるためである。しかし、レシートを読み取る場合などには、ユーザーは薄紙搬送機能を有効にする可能性がある。これは、レシートには非常に薄い紙が使われている場合があるためである。すなわち、薄紙搬送機能有効が選択されている場合には、薄紙搬送機能無効が選択されている場合に比べて、搬送される原稿がレシートである可能性が高くなる。
【0130】
S2402で、ユーザーがスキャンボタン2303を押すと、S2403でアプリケーション103は薄紙搬送設定が有効と無効のいずれが選択されているかを判定する。薄紙搬送設定が有効であった場合には処理はS2404に進み、無効であった場合には処理はS2408に進む。
【0131】
S2404で、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスに薄紙搬送機能有効が選択されたことを示す情報を格納し、S2405で、アプリケーション103は薄紙搬送設定有効指示を画像読取装置2201に送信する。
【0132】
S2406で、画像読取装置2201は薄紙搬送設定有効指示を受信すると、S2407で、画像読取装置2201は薄紙搬送設定有効設定をRAM203上の所定のアドレスに格納する。
【0133】
一方、S2408で、アプリケーション103はRAM404上の所定のアドレスに薄紙搬送機能無効が選択されたことを示す情報を格納し、S2409で、アプリケーション103は薄紙搬送設定無効指示を画像読取装置2201に送信する。
【0134】
S2410で、画像読取装置2201は薄紙搬送設定無効指示を受信すると、S2411で、画像読取装置2201は薄紙搬送設定無効設定をRAM203上の所定のアドレスに格納する。
【0135】
S2412で、画像読取装置2201は薄紙搬送設定変更終了通知をアプリケーション103に送信する。
【0136】
S2413で、アプリケーション103は薄紙搬送設定変更終了通知を受信すると、S2414で、アプリケーション103は画像読取開始指示を画像読取装置2201に送信する。
【0137】
S2415で、画像読取装置2201は画像読取指示を受信すると、S2416で、画像読取装置2201は薄紙搬送設定有効と薄紙搬送設定無効のいずれがRAM203上の所定のアドレスに格納されているかを判定する。薄紙搬送設定有効が格納されていた場合には処理はS2417に進み、薄紙搬送設定無効が格納されていた場合には処理はS2418に進む。
【0138】
S2417で、実施形態1と同様に、画像読取指示を受信した画像読取装置2201は、センサー群202および駆動部206を制御して原稿を読み取る。ただし、ここで画像読取装置2201は原稿の搬送を画像読取装置2201は薄紙に適した方法で行う。なお、本実施形態における薄紙に適した原稿の搬送方法は一般的なもので良く、例えば分離給送部304と搬送ローラー305による搬送速度を低速にしたり、分離給送部304と搬送ローラー305の間の速度差を低減したりするなどの搬送制御で良い。
【0139】
また、S2418では、実施形態1と同様に、画像読取指示を受信した画像読取装置2201は、センサー群202および駆動部206を制御して原稿を読み取る。ここでは、画像読取装置2201は原稿の搬送を通常の方法で行う。
【0140】
S2419で、画像読取装置2201は読み取った画像データをアプリケーション103に送信する。
【0141】
S2420で、アプリケーション103は受信した画像データをRAM404に格納する。
【0142】
S2421で、アプリケーション103は格納された画像データに対して原稿種類判定処理を施す。ただし、本実施形態における原稿種類判定処理は、実施形態1と比べて、搬送方法に基づく判定の方法のみが異なっている。アプリケーション103は、RAM404の所定のアドレスに格納された薄紙搬送機能の設定を読み出し、読み出された設定が記憶装置403に予め格納された搬送条件を満たすか否かで判定を行う。
【0143】
図25は記憶装置403に予め格納された搬送条件の例を示している。名刺とはがき、写真、プラスチックカードは通常、利便性の高い薄紙搬送機能無効で搬送されるため、薄紙搬送機能無効であることが条件として定められている。レシートは、薄紙搬送機能有効にして搬送される可能性があるため、薄紙搬送機能有効と薄紙搬送機能無効の両方が条件として定められている。
【0144】
実施形態1と同様に、判定の結果、条件を満たしている原稿の種類に対して、アプリケーション103は判定テーブルの搬送条件のセルに1を設定する。
【0145】
なお、この搬送条件は一例であり、原稿の特定の性質や画像読取装置の特徴に応じた条件であればどのようなものでも良い。例えば、使用しているレシートが全て薄い場合には、レシートに対する条件を薄紙搬送機能無効だけにしても良い。また名刺など利便性は低くても薄紙搬送機能有効での搬送が可能な原稿種類に対しては、搬送条件に薄紙搬送機能有効と薄紙搬送機能無効の両方にしても良い。また、薄紙以外の原稿の性質に適したそれぞれの搬送制御を実行可能に構成しても良い。
【0146】
本実施形態に記載の方法により、画像データだけでは判定困難な原稿についても、薄紙搬送機能有効、薄紙搬送機能無効のいずれが設定されているかに応じて適切な原稿種類判定が行えるようになる。
【0147】
本発明記載の原稿種類判定方法は一例であり、本発明における種類判定方法は、画像に基づく判定と搬送方法に基づく判定の両方に基づいて原稿の種類を判定するものであればどのようなものであっても良い。例えば、本実施形態では、全ての判定基準において、可能性がある(条件を満たす)と判定された場合には判定テーブルに1を設定する例について説明したが、判定基準によって重みを変える、すなわち判定基準によって2、3など異なる値を設定するように構成しても良い。また原稿種類の判定を判定テーブルの値の合計から決めるのではなく、値のかけ合わせなど別の算術計算で決めても良い。
【0148】
また、判定値が最も高いものに常に決めるのではなく、判定値が所定の閾値より小さい場合には原稿の種類を不定と判定したり、写真など特定の種類の原稿と判定したりしても良い。また、判定値が同点の場合には、同点の場合のためにあらかじめ定められた優先順位に基づいて判定結果を決定しても良いし、搬送方法など特定の判定基準の結果から決めても良い。また、これらの場合の優先順位や特定の判定基準はユーザーが設定可能なように構成しても良いし、同点の場合にはユーザーに選択させるユーザーインターフェース画面を表示しても良い。
【0149】
上記の実施形態では、1つの実施形態の中では1つの搬送条件のみを課していたが、これは説明上の簡便さのためであって、本発明はこれに限るものではなく、複数の搬送条件を課すものでも良い。例えば、搬送条件として搬送路の選択と超音波重送検知の選択の両方を課しても良い。このように、上記各実施形態で説明した実施形態のいくつかを組み合わせても良く、その場合、装置のハードウェア構成についても組み合わせて用いることが可能である。
【0150】
また、上記の実施形態では、画像読取装置と画像処理装置を別体のものとしていたが、本発明はこれに限るものではなく、画像読取装置と画像処理装置を一体として構成しても良い。すなわち、上記実施形態で画像読取装置が担っていた機能を有する画像読取部と、上記実施形態で画像処理装置が担っていた機能を有する情報処理部からなる装置であっても良い。またその場合には、画像読取部と情報処理部でCPU,RAM,ROMの1つもしくは複数を共有しても良い。
【0151】
また、上記の実施形態では、搬送路の設定、超音波重送検知の設定、薄紙のための搬送設定について説明しているが、本発明はこれに限るものではなく、搬送方法の設定であればいかなるものを用いても良い。例えば厚紙のための搬送設定を用いても良い。また原稿保護用のキャリアシートのための搬送設定を用いても良い。その際には、第4実施形態のように、原稿を搬送する搬送動作中に何らかのセンサーによって検知したセンシングデータを用いて判定しても良い。例えば、同じ搬送速度設定において、レジストセンサー311で検出したタイミングからラインイメージセンサー306に到達する時間の差によって判定テーブルに入力される値が異なるように構成しても良い。
【0152】
また、給紙口を複数備え、一方の給紙口から給紙された原稿(例えば定型紙など)はストレートパスやUターンパスで排出し、他方の給紙口から給紙された原稿(例えばカードやパスポート状の冊子)はスイッチバックして他方の給紙口から排出されるように構成する場合に、それぞれの給紙口に原稿検知センサーを備え、いずれの原稿検知センサーが原稿を検知したかによって判定テーブルに入力される値が異なるように構成しても良い。
【0153】
また、搬送方法の設定によって変更される原稿搬送に関する処理には、解像度や解像度の設定に伴って変更される搬送速度を変更する処理や分離給送部における分離ニップ圧を変更する処理が含まれる。これらの原稿搬送に関する処理に基づいて、判定テーブルに入力される値が異なるように構成し、原稿種類判定処理を行っても良い。
【0154】
なお、判定テーブルは用いずに直接的に原稿種類判定処理の条件に用いても良いし、他の条件式を原稿搬送に関する処理が満たすかどうかに基づいて判定しても良い。また、例えば画像データの特徴(文字情報、レイアウト)から原稿種類判定処理を行い、上記実施形態で説明した原稿種類判定処理に用いるパラメータ(原稿搬送に関する処理の種類など)を付加的な判定パラメータとして用いても良いし、逆も然りである。このように、原稿種類判定処理を複数の方法を複合的に組み合わせて行っても良いことは言うまでもない。
【0155】
また、上記各実施形態においては、原稿種類判定処理を画像処理装置のCPU402が判定部として動作することで実行する例について説明したが、画像読取装置のCPU201が判定部として動作することで実行しても良い。この場合、例えば図15におけるS1508からS1512を実行せずに、画像読取装置側に保持している情報を用いてS1513以降の処理を実行すれば良い。このように、上記実施形態において画像処理装置で実行している処理を画像読取装置で実行しても良く、画像読取装置で実行している処理を画像処理装置で実行しても良い。
【0156】
また、以上各実施形態において説明した画像読取システムは、画像読取動作において、画像読取指示を受信すると、積載台に積載された原稿束302がなくなったことを原稿検知センサー312で検知するまで原稿を1枚ずつ分離しながら搬送し、積載台から原稿がなくなると画像読取を終了し、画像データを画像処理装置に送信するものである。画像処理装置は、画像データを受信すると原稿種類判定処理を実行することについて説明したが、原稿1枚分の画像データを受信するたびに原稿種類判定処理を実行しても良い。その場合も上記実施形態で説明したように判定テーブルを用いれば良く、判別結果を画像データと共にRAM404上に保存し、アプリケーション103の表示画面上で原稿1枚ごとにそれを通知しても良い。
【符号の説明】
【0157】
101 画像読取装置
102 画像処理装置
103 アプリケーション
201 CPU
205 インターフェース部
206 駆動部
301 ピックアップローラー
302 原稿束
303 搬送路
304 分離ローラー
305 搬送ローラー
306 ラインイメージセンサー
308 フラッパー
309 搬送路
310 搬送路
401 インターフェース部
402 CPU
405 入力装置
406 表示装置


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