(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】アタッチメント、及び、ワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
H02G 3/06 20060101AFI20231127BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231127BHJP
H02G 3/04 20060101ALI20231127BHJP
F16L 3/10 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H02G3/06
B60R16/02 623V
H02G3/04 062
F16L3/10 A
(21)【出願番号】P 2019227905
(22)【出願日】2019-12-18
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ヨンホ
(72)【発明者】
【氏名】豊田 竜平
(72)【発明者】
【氏名】小池 勇貴
(72)【発明者】
【氏名】舘野 重行
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 篤郎
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-268743(JP,A)
【文献】特開2011-244650(JP,A)
【文献】特開2004-166403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/06
B60R 16/02
H02G 3/04
F16L 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部によって区画された空間部と、前記壁部から前記空間部へ突出するプロテクタ凸部とを有するプロテクタに収容されるアタッチメントであって、
前記アタッチメントは、
周方向に沿って延在する従側凹部を複数有し、前記従側凹部を軸線方向に間隔をあけて配置する円筒状の従外装部材が挿入される筒状部と、
前記筒状部の内周面から径方向の内側へ突出し、前記従側凹部に挿入して前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凸部と、
前記筒状部の外周面から前記径方向の内側に凹み、かつ、前記周方向に沿って延在し、前記プロテクタ凸部に挿入されて前記アタッチメントの前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凹部と、を有し、
前記筒状部は、
半リング状の第1部材と、
半リング状の第2部材と、
前記第2部材を前記第1部材に対して回動可能に連結するヒンジと、
を備え、
前記ヒンジは、前記軸線方向から視た場合に、前記第1部材の周方向における一方の端部と、前記第2部材の周方向における一方の端部とが近接、及び、離隔可能な態様で、前記第1部材の周方向における他方の端部と、前記第2部材の周方向における端部とを連結し、
前記第1部材は、前記他方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成され、前記ヒンジの一端が位置する第1凹部を有し、
前記第2部材は、前記他方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成され、前記ヒンジの他端が位置する第2凹部を有し、
前記第2部材の周方向における一方の端部が前記第1部材の周方向における一方の端部に近接した閉塞位置にある状態において、前記軸線方向から視た場合、前記第1凹部の内部及び前記第2凹部の内部に前記ヒンジが位置し、
前記第1部材は、
前記一方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成される第3凹部と、
前記第3凹部の底面から径方向の外側に突出するロック爪部と、
を有し、
前記第2部材は、
前記一方の端部から周方向に突出して形成され、前記第2凹部に挿入する挿入凸部と、
前記挿入凸部において、当該挿入凸部を径方向に貫通して形成され、前記ロック爪部に係合するロック孔部を有し、
前記第1部材に対して前記第2部材が閉塞位置にある状態において、前記挿入凸部が前記第3凹部に挿入されるとともに、前記ロック孔部及び前記ロック爪部が係合することによって、前記第1部材の一端が前記第2部材の一端に対して離隔する開放位置に第2部材が回動することを規制し、
前記ロック孔部に前記ロック爪部が係合した状態において、前記軸線方向から視た場合、前記第3凹部の内部に前記挿入凸部が位置するとともに前記ロック孔部の内部に前記ロック爪部が位置する、
アタッチメント。
【請求項2】
壁部によって区画された空間部と、前記壁部から前記空間部へ突出するプロテクタ凸部とを有するプロテクタに収容されるアタッチメントであって、
前記アタッチメントは、
周方向に沿って延在する従側凹部を複数有し、前記従側凹部を軸線方向に間隔をあけて配置する円筒状の従外装部材が挿入される筒状部と、
前記筒状部の内周面から径方向の内側へ突出し、前記従側凹部に挿入して前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凸部と、
前記筒状部の外周面から前記径方向の内側に凹み、かつ、前記周方向に沿って延在し、前記プロテクタ凸部に挿入されて前記アタッチメントの前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凹部と、を有し、
前記軸線方向から視た場合に、前記アタッチメント凸部は、径方向において、前記アタッチメント凹部に対向する、
アタッチメント。
【請求項3】
軸線方向に延在する配索材と、
前記配索材の外周面に設けられ、周方向に沿って延在する従側凹部を複数有し、前記従側凹部を軸線方向に間隔をあけて配置する円筒状の従外装部材と、
前記従外装部材を介して前記配索材の外周面に設けられるアタッチメントと、
壁部によって区画された空間部に、前記配索材の一部、前記従外装部材の端部、及び、前記アタッチメントを収容するプロテクタと、
を備え、
前記プロテクタは、前記壁部から前記空間部へ向けて突出するプロテクタ凸部を有し、
前記アタッチメントは、
前記従外装部材が挿入される筒状部と、
前記筒状部の内周面から径方向の内側へ突出し、前記従側凹部に挿入して前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凸部と、
前記筒状部の外周面から前記径方向の内側に凹み、かつ、前記周方向に沿って延在し、前記プロテクタ凸部に挿入されて前記アタッチメントの前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凹部と、
を有し、
前記プロテクタ凸部は、
前記プロテクタに対する主外装部材の前記軸線方向への移動を規制する場合、前記従外装部材の外径よりも大きい外径を有し、周方向に沿って延在する主側凹部を複数有し、前記主側凹部を前記軸線方向に間隔をあけて配置する前記主外装部材の前記主側凹部に挿入可能であり、
前記アタッチメント凹部に挿入されることで、前記アタッチメントを介して前記プロテクタに対する前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制し、
前記筒状部は、
半リング状の第1部材と、
半リング状の第2部材と、
前記第2部材を前記第1部材に対して回動可能に連結するヒンジと、
を備え、
前記ヒンジは、前記軸線方向から視た場合に、前記第1部材の周方向における一方の端部と、前記第2部材の周方向における一方の端部とが近接、及び、離隔可能な態様で、前記第1部材の周方向における他方の端部と、前記第2部材の周方向における端部とを連結し、
前記第1部材は、前記他方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成され、前記ヒンジの一端が位置する第1凹部を有し、
前記第2部材は、前記他方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成され、前記ヒンジの他端が位置する第2凹部を有し、
前記第2部材の周方向における一方の端部が前記第1部材の周方向における一方の端部に近接した閉塞位置にある状態において、前記軸線方向から視た場合、前記第1凹部の内部及び前記第2凹部の内部に前記ヒンジが位置し、
前記第1部材は、
前記一方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成される第3凹部と、
前記第3凹部の底面から径方向の外側に突出するロック爪部と、
を有し、
前記第2部材は、
前記一方の端部から周方向に突出して形成され、前記第2凹部に挿入する挿入凸部と、
前記挿入凸部において、当該挿入凸部を径方向に貫通して形成され、前記ロック爪部に係合するロック孔部を有し、
前記第1部材に対して前記第2部材が閉塞位置にある状態において、前記挿入凸部が前記第3凹部に挿入されるとともに、前記ロック孔部及び前記ロック爪部が係合することによって、前記第1部材の一端が前記第2部材の一端に対して離隔する開放位置に第2部材が回動することを規制し、
前記ロック孔部に前記ロック爪部が係合した状態において、前記軸線方向から視た場合、前記第3凹部の内部に前記挿入凸部が位置するとともに前記ロック孔部の内部に前記ロック爪部が位置する、
ワイヤハーネス。
【請求項4】
軸線方向に延在する配索材と、
前記配索材の外周面に設けられ、周方向に沿って延在する従側凹部を複数有し、前記従側凹部を軸線方向に間隔をあけて配置する円筒状の従外装部材と、
前記従外装部材を介して前記配索材の外周面に設けられるアタッチメントと、
壁部によって区画された空間部に、前記配索材の一部、前記従外装部材の端部、及び、前記アタッチメントを収容するプロテクタと、
を備え、
前記プロテクタは、前記壁部から前記空間部へ向けて突出するプロテクタ凸部を有し、
前記アタッチメントは、
前記従外装部材が挿入される筒状部と、
前記筒状部の内周面から径方向の内側へ突出し、前記従側凹部に挿入して前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凸部と、
前記筒状部の外周面から前記径方向の内側に凹み、かつ、前記周方向に沿って延在し、前記プロテクタ凸部に挿入されて前記アタッチメントの前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凹部と、
を有し、
前記プロテクタ凸部は、
前記プロテクタに対する主外装部材の前記軸線方向への移動を規制する場合、前記従外装部材の外径よりも大きい外径を有し、周方向に沿って延在する主側凹部を複数有し、前記主側凹部を前記軸線方向に間隔をあけて配置する前記主外装部材の前記主側凹部に挿入可能であり、
前記アタッチメント凹部に挿入されることで、前記アタッチメントを介して前記プロテクタに対する前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制し、
前記軸線方向から視た場合に、前記アタッチメント凸部は、径方向において、前記アタッチメント凹部に対向する、
ワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アタッチメント、及び、ワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載するワイヤハーネスの中には、電線で構成される配索材を保護するプロテクタを備えるものがある。ワイヤハーネスは、任意のプロテクタと当該プロテクタとの間から露出する配索材を保護するため、配索材の外周面にコルゲートチューブ(外装部材)を設け、コルゲートチューブの端部をプロテクタで保持する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、近年、車両に搭載する電子機器の複雑化、及び、高機能化によって、車両の仕様が変更し、その変更に応じて、信号線の数が増加したり、電線に流れる電流が増加したりすることがある。信号線の数が増加したり、電流が増加したりすることによって、配索材の径を変更した場合には、配索材の径の変更に対応してコルゲートチューブの径を変更しなければならないとともに、コルゲートチューブの径に対応した新たなプロテクタを設計しなければならなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のワイヤハーネスは、配索材の径を変更する度ごとにプロテクタを設計しなければならないため、部品のコストアップを招くとともに、プロテクタの種類が増加することによって部品の管理が煩雑となる。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、1つのプロテクタによって径の異なる配索材に対応可能なアタッチメント、及び、ワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るアタッチメントは、壁部によって区画された空間部と、前記壁部から前記空間部へ突出するプロテクタ凸部とを有するプロテクタに収容されるアタッチメントであって、前記アタッチメントは、周方向に沿って延在する従側凹部を複数有し、前記従側凹部を軸線方向に間隔をあけて配置する円筒状の従外装部材が挿入される筒状部と、前記筒状部の内周面から径方向の内側へ突出し、前記従側凹部に挿入して前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凸部と、前記筒状部の外周面から前記径方向の内側に凹み、かつ、前記周方向に沿って延在し、前記プロテクタ凸部に挿入されて前記アタッチメントの前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凹部と、を有し、前記アタッチメント凹部に挿入される前記プロテクタ凸部は、前記プロテクタに対する主外装部材の前記軸線方向への移動を規制する場合、前記従外装部材の外径よりも大きい外径を有し、周方向に沿って延在する主側凹部を複数有し、前記主側凹部を前記軸線方向に間隔をあけて配置する前記主外装部材の前記主側凹部に挿入可能であり、前記アタッチメント凹部に挿入されることで、前記アタッチメントを介して前記プロテクタに対する前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制することを特徴とする。
【0008】
また、上記アタッチメントにおいて、半リング状の第1部材と、半リング状の第2部材と、前記第2部材を前記第1部材に対して回動可能に連結するヒンジと、を備え、前記ヒンジは、前記軸線方向から視た場合に、前記第1部材の周方向における一方の端部と、前記第2部材の周方向における一方の端部とが近接、及び、離隔可能な態様で、前記第1部材の周方向における他方の端部と、前記第2部材の周方向における端部とを連結し、前記第1部材は、前記他方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成され、前記ヒンジの一端が位置する第1凹部を有し、前記第2部材は、前記他方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成され、前記ヒンジの他端が位置する第2凹部を有し、前記第2部材の周方向における一方の端部が前記第1部材の周方向における一方の端部に近接した閉塞位置にある状態において、前記軸線方向から視た場合、前記第1凹部の内部及び前記第2凹部の内部に前記ヒンジが位置する、ことが好ましい。
【0009】
また、上記アタッチメントにおいて、前記第1部材は、前記一方の端部において外周面から径方向の内側に凹んで形成される第3凹部と、前記第3凹部の底面から径方向の外側に突出するロック爪部と、を有し、前記第2部材は、前記一方の端部から周方向に突出して形成され、前記第2凹部に挿入する挿入凸部と、前記挿入凸部において、当該挿入凸部を径方向に貫通して形成され、前記ロック爪部に係合するロック孔部を有し、前記第1部材に対して前記第2部材が閉塞位置にある状態において、前記挿入凸部が前記第3凹部に挿入されるとともに、前記ロック孔部及び前記ロック爪部が係合することによって、前記第1部材の一端が前記第2部材の一端に対して離隔する開放位置に第2部材が回動することを規制し、前記ロック孔部に前記ロック爪部が係合した状態において、前記軸線方向から視た場合、前記第3凹部の内部に前記挿入凸部が位置するとともに前記ロック孔部の内部に前記ロック爪部が位置する、ことが好ましい。
【0010】
また、上記アタッチメントにおいて、前記軸線方向から視た場合に、前記アタッチメント凸部は、径方向において、前記アタッチメント凹部に対向する、ことが好ましい。
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明に係るワイヤハーネスは、軸線方向に延在する配索材と、前記配索材の外周面に設けられ、周方向に沿って延在する従側凹部を複数有し、前記従側凹部を軸線方向に間隔をあけて配置する円筒状の従外装部材と、前記従外装部材を介して前記配索材の外周面に設けられるアタッチメントと、壁部によって区画された空間部に、前記配索材の一部、前記従外装部材の端部、及び、前記アタッチメントを収容するプロテクタと、を備え、前記プロテクタは、前記壁部から前記空間部へ向けて突出するプロテクタ凸部を有し、前記アタッチメントは、前記従外装部材が挿入される筒状部と、前記筒状部の内周面から径方向の内側へ突出し、前記従側凹部に挿入して前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凸部と、前記筒状部の外周面から前記径方向の内側に凹み、かつ、前記周方向に沿って延在し、前記プロテクタ凸部に挿入されて前記アタッチメントの前記軸線方向の移動を規制するアタッチメント凹部と、を有し、前記プロテクタ凸部は、前記プロテクタに対する主外装部材の前記軸線方向への移動を規制する場合、前記従外装部材の外径よりも大きい外径を有し、周方向に沿って延在する主側凹部を複数有し、前記主側凹部を前記軸線方向に間隔をあけて配置する前記主外装部材の前記主側凹部に挿入可能であり、前記アタッチメント凹部に挿入されることで、前記アタッチメントを介して前記プロテクタに対する前記従外装部材の前記軸線方向の移動を規制することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るアタッチメント、及び、ワイヤハーネスは、以下の構成を有する。プロテクタ凸部は、主外装部材の主側凹部に挿入可能であり、アタッチメント凹部に挿入されることで、アタッチメントを介して従外装部材の軸線方向の移動を規制する。これらのため、アタッチメント、及び、ワイヤハーネスは、径方向の外径が小さい配索材を使用する場合には、アタッチメントを使用し、プロテクタ凸部をアタッチメント凹部に挿入し、かつ、アタッチメント凸部を従側凹部に挿入することによって、アタッチメントを介して従外装部材をプロテクタに固定する。一方、径方向の外径が大きい配索材を使用する場合には、アタッチメントを使用することなく、プロテクタ凸部を主側凹部に挿入することによって、主外装部材をプロテクタに固定する。これらによって、本発明に係るアタッチメント、及び、ワイヤハーネスは、1つのプロテクタによって径の異なる配索材に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るアタッチメントを有するワイヤハーネスの斜視図である。
【
図2】
図2は、第1方向と第3方向とを含む平面におけるワイヤハーネスの断面図である。
【
図3】
図3は、第1方向と第2方向とを含む平面におけるワイヤハーネスの断面図である。
【
図4】
図4は、プロテクタ本体に対して蓋部材を取り外した状態のワイヤハーネスの斜視図である。
【
図8】
図8は、第2部材が開放位置にある状態において、アタッチメントを幅方向の一方から視た斜視図である。
【
図9】
図9は、第2部材が開放位置にある状態において、アタッチメントを幅方向の他方から視た斜視図である。
【
図11】
図11は、本実施形態に係るアタッチメントを有するワイヤハーネスの組み立てを説明する分解斜視図である。
【
図12】
図12は、プロテクタ本体に主外装部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図13】
図13は、主外装部材を有するワイヤハーネスにおいて、第1方向と第3方向とを含む平面におけるワイヤハーネスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明における実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
[実施形態]
以下の説明では、互いに直交する3つの方向を便宜的にそれぞれ「第1方向X」、「第2方向Y」、及び、「第3方向Z」という。本実施形態において、第1方向Xは、
図2、
図7、13に示すように、配索材W1が延在する方向である。第2方向Yは、アタッチメント6を収容するプロテクタ1の側壁部22a、22bが互いに対向する方向である。第3方向Zは、
図2、
図13に示すようにプロテクタ1の高さ方向である。
【0016】
図1は、本実施形態に係るアタッチメント6を有するワイヤハーネスWH1の斜視図である。
図2は、第1方向Xと第3方向Zとを含む平面におけるワイヤハーネスWH1の断面図である。
図3は、第1方向Xと第2方向Yとを含む平面におけるワイヤハーネスWH1の断面図である。
図4は、プロテクタ本体2に対して蓋部材3を取り外した状態のワイヤハーネスWH1の斜視図である。
図5は、プロテクタ本体2の斜視図である。
図6は、蓋部材3の斜視図である。
図7は、従外装部材5の斜視図である。
図8は、第2部材8が開放位置にある状態において、アタッチメント6を第2方向Yの一方から視た斜視図である。
図9は、第2部材8が開放位置にある状態において、アタッチメント6を第2方向Yの他方から視た斜視図である。
図10は、アタッチメント6の断面図である。
図11は、本実施形態に係るアタッチメント6を有するワイヤハーネスWH1の組み立てを説明する分解斜視図である。なお、図中における説明の便宜のため、配索材W1と従外装部材5とを固定するテープ部材59は、
図11にのみ示し、他の図ではテープ部材59を省略してある。
【0017】
図1に示すプロテクタ1は、自動車等の車両に搭載されるワイヤハーネスWH1に組み込まれ、導電性を有する配索材Wに装着され当該配索材Wを保護するものである。ワイヤハーネスWH1は、例えば、車両に搭載される各機器間の接続のために、電源供給や信号通信に用いられる複数の配索材W1を束にして集合部品とし、コネクタ等で複数の配索材W1を各機器に接続するものである。本実施形態に係るワイヤハーネスWH1は、
図2に示す配索材W1、及び、
図13に示し、配索材W1よりも外径が大きい配索材W2を、コルゲートチューブである主外装部材9、及び、従外装部材5、並びにプロテクタ1で保護する。配索材W1を保護する場合には、配索材W1の外周面に主外装部材9を設けた上で、配索材W1をプロテクタ1に収容する。一方、配索材W2を保護する場合には、配索材W2の外周面に従外装部材5を設け、かつ、従外装部材5の外周面にアタッチメント6を設けた上で、配索材W2をプロテクタ1に収容する。以下、説明の便宜のため、先ず、配索材W1に従外装部材5を設け、かつ、従外装部材5にアタッチメント6を取り付けて、これらをプロテクタ1に収容する場合を説明し、次に、配索材W2に主外装部材9を設け、これらをプロテクタ1に収容する場合を説明する。ワイヤハーネスWH1は、導電性を有して第1方向Xに延在する配索材W1と、配索材W1に装着され当該配索材W1を保護するプロテクタ1と、プロテクタ1と他のプロテクタ1(不図示)との間の配索材W1を保護するコルゲートチューブである従外装部材5とを備える。配索材W1は、例えば、1本の電線、又は、複数の電線によって構成され、第1方向Xに延在する。電線は、例えば、複数の導電性を有する金属素線からなる導体部(芯線)の外側を、絶縁性を有する被覆部によって覆ったものである。配索材W1は、例えば、センサ等と他の電子機器とを接続する信号線、又は、電子機器に電力を供給する電力供給線である。なお、ワイヤハーネスWH1は、この他、さらに、コネクタ、電気接続箱、グロメット、固定具等を含んで構成されてもよい。以下、各図を参照してプロテクタ1の構成について詳細に説明する。
【0018】
プロテクタ1は、絶縁性を有する樹脂材料によって、例えば略角筒形状に形成される。本実施形態のプロテクタ1は、保護する配索材W1がL字状に屈曲された状態で配索されるものであるがこれに限らず、当該配索材W1が直線状等に配索されるものであってもよい。プロテクタ1は、プロテクタ本体2と、蓋部材3と、プロテクタ本体2に対して蓋部材3を係止する係止機構4とから構成される。本実施形態のプロテクタ1は、プロテクタ本体2と、蓋部材3とが別体に形成され、係止機構4によって当該プロテクタ本体2に当該蓋部材3が組み付けられる。
【0019】
プロテクタ本体2は、内部に配索材W1の一部、従外装部材5の端部5a、アタッチメント6を収容するものである。換言すれば、プロテクタ1は、内部に配索材W1の一部、従外装部材5の端部5a、及び、アタッチメント6を収容し、収容した配索材W1の一部を保護するものである。本実施形態のプロテクタ本体2は、第1方向Xの両端部、及び、第3方向Zの一方の端部(上下方向の上端部)が開口した樋形状に形成される。プロテクタ本体2は、例えば、プロテクタ本体2の内部に第1方向Xに沿って配索材W1が挿通される。
【0020】
プロテクタ本体2は、
図5に示すように、基部21と、互いに対向する一対の側壁部22a、22bとから構成される。そして、プロテクタ本体2は、基部21、及び、一対の側壁部22a、22bによって形成される空間部23、挿通開口部24、及び、開閉開口部25を含む。
【0021】
基部21は、空間部23を区画するための底壁部(すなわち壁部)であり、第3方向Zの一方の端部(上下方向の下端部)に位置する。基部21は、配索材W1の直径よりもわずかに大きい所定幅を第2方向Yに有して第1方向Xに延在する。
【0022】
一対の側壁部22a、22bは、空間部23を区画するための側壁部(すなわち壁部)であり、第2方向Yの両端部に位置する。一対の側壁部22a、22bは、配索材W1の直径よりもわずかに大きい所定高さを第3方向Zに有し、基部21から第3方向Zへ突出して形成され、第2方向Yに対して基部21を挟んで基部21の両側に設けられ、第2方向Yに間隔をあけて互いに対向して配置される。
【0023】
空間部23は、プロテクタ本体2の内部において、第1方向Xに沿って配索材W1が配索される空間部である。換言すれば、プロテクタ本体2は、内部に配索材W1を配索する空間部23を有する。空間部23は、基部21と一対の側壁部22a、22bと蓋部材3によって区画された内部空間部として形成される。
【0024】
プロテクタ本体2は、さらに、ストッパ28を有する。ストッパ28は、壁部である基部21、一対の側壁部22a、22bから空間部23へ突出するように形成される。ストッパ28は、主外装部材9を設けた配索材W2をプロテクタ1に収容する場合、主外装部材9の端部に接触し、主外装部材9が空間部23の奥側に移動することを規制するものである。
【0025】
挿通開口部24は、空間部23に配索材W1を挿通させる開口部である。挿通開口部24は、基部21、及び、一対の側壁部22a、22bによって第1方向Xの両端部に形成された第1挿通開口部24a及び第2挿通開口部24bを含む。第1挿通開口部24a及び第2挿通開口部24bは、第2方向Y、及び、第3方向Zに沿って開口する。
【0026】
開閉開口部25は、空間部23を外部に対して開放させる開口部であり、蓋部材3によって塞がれる開口部である。開閉開口部25は、例えば、空間部23に配索材W1を挿通させる際に開放され、空間部23に配索材W1を挿通させた後に蓋部材3によって閉塞される。開閉開口部25は、一対の側壁部22a、22bにおける第3方向Zの一方の端部(上下方向の上端部)に位置し、一対の側壁部22a、22bにおける基部21側とは反対側に位置する端部によって形成される。
【0027】
蓋部材3は、プロテクタ本体2に組み付けられ当該プロテクタ本体2に形成された開閉開口部25を塞ぎ(閉塞する)、空間部23を区画するための天壁部であり、一対の側壁部22a、22bにおける第3方向Zの一方の端部(上下方向の上端部)に位置する。蓋部材3は、プロテクタ本体2の形状に対応した矩形板状に形成される。本実施形態の蓋部材3は、配索材W1の直径よりもわずかに大きい所定幅を第2方向Yに有して第1方向Xに延在する。蓋部材3は、第2方向Yの両端に位置し、かつ、第3方向Zの他方の端部(上下方向の下端部)へ向けて突出する一対の突出部31a、31bを有する。
【0028】
係止機構4は、例えば、一対の側壁部22a、22bにそれぞれ形成された係止孔部41と、蓋部材3に形成された係止爪部42とを有する。係止孔部41は、第3方向Zの一方の端部(上下方向の上端部)に位置し、第3方向Zの両側が開口する。係止爪部42は、突出部31a、31bに形成される。より具体的に説明すると、係止爪部42は、空間部23である内面側に対して外面側に向けて突出するように形成してある。このような係止孔部41及び係止爪部42は、プロテクタ本体2と蓋部材3とが正規位置にある状態で係止する。
【0029】
上記のよう構成を有するプロテクタ1は、さらに、プロテクタ凸部18を有する。本実施形態のプロテクタ1は、例えば、複数個(例えば3個)のプロテクタ凸部18a、18b、18cで1群のプロテクタ凸部群19を構成する。本実施形態のプロテクタ1は、第1挿通開口部24a側に第1プロテクタ凸部群19aを配置してあり、かつ、第2挿通開口部24b側に第2プロテクタ凸部群19bを配置してある。プロテクタ凸部群19は、第1プロテクタ凸部18aと、第2プロテクタ凸部18bと、第3プロテクタ凸部18cとのよって構成される。第1プロテクタ凸部18aは、挿通開口部24に位置する。第2プロテクタ凸部18bは、挿通開口部24に対して空間部23の最も奥側に位置する。第3プロテクタ凸部18cは、第1方向Xに対して、第1プロテクタ凸部18aと第2プロテクタ凸部18bとの間に位置する。
【0030】
各プロテクタ凸部18は、プロテクタ本体2に形成された第1プロテクタ凸部構成要素18xと、蓋部材3に形成された第2プロテクタ凸部構成要素18yとを有する。プロテクタ凸部18は、これらの第1プロテクタ凸部構成要素18xと、第2プロテクタ凸部構成要素18yとによって環状(より具体的には円環状)に形成される。
【0031】
より具体的に説明すると、第1プロテクタ凸部構成要素18xは、プロテクタ本体2の底壁である基部21、及び、側壁部である一対の側壁部22a、22bに形成され、第2プロテクタ凸部構成要素18yは、天壁部である蓋部材3に形成される。また、各プロテクタ凸部18は、壁部である基部21、一対の側壁部22a、22b、蓋部材3から空間部23へ突出するように形成される。次に、このような構成を有するプロテクタ1の内部に収容する従外装部材5について詳細に説明する。
【0032】
図1、
図2、
図3、
図4、
図7に示す従外装部材5は、いわゆるコルゲートチューブであって、例えば、絶縁性の合成樹脂材料によって可撓性を有する筒状(管状)に形成される。より具体的には、従外装部材5は、プロテクタ1と、他のプロテクタとの間に位置する配索材W1の外周面に設けられ、配索材W1を覆う円筒状に形成される。従外装部材5は、
図7に示すように、周方向に沿って延在する従側凹部51を複数有し、従側凹部51を第1方向Xに間隔をあけて配置する蛇腹形状に構成され、内側に配索材W1が挿入される。このような従外装部材5は、配索材W1の外径に対応して内径が設定される。次に、このような構成を有する従外装部材5に外装されるアタッチメント6について詳細に説明する。
【0033】
アタッチメント6は、
図2、
図3、
図4に示すように、プロテクタ1に対する従外装部材5の第1方向Xの移動を規制するものである。本実施形態に示すプロテクタ1は、2つのアタッチメント6を有するが、これらのアタッチメント6は同一の構成であるため、
図4中、上方に位置するアタッチメント6について説明し、
図4中、下方に位置するアタッチメント6の説明を省略する。アタッチメント6は、例えば、絶縁性の合成樹脂材料によって形成してあり、
図8、
図9、
図10に示すように、半リング状の第1部材7と、半リング状の第2部材8と、第2部材8を第1部材7に対して回動可能に連結するヒンジ60とを有する。より具体的に説明すると、第1部材7は、第3方向Zの一方側(上下方向の下方側)に位置し、プロテクタ1に収容された配索材W1の軸心を中心Oとする円弧状に形成してあり、円弧状の外周面75を有する。また、第2部材8は、第3方向Zの他方側(上下方向の上方側)に位置し、プロテクタ1に収容された配索材W1の軸心を中心Oとする円弧状に形成してあり、円弧状の外周面85を有する。ヒンジ60は、第1方向Xから視た場合に、第1部材7の周方向における一方の端部(すなわち一端)7aと、第2部材8の周方向における一方の端部(すなわち一端)8aとが近接、及び、離隔可能な態様で、第1部材7の周方向における他方の端部7bと、第2部材8の周方向における他方の端部8bとを連結する。第1部材7の周方向における一方の端部7aと、第2部材8の周方向における一方の端部8aとが離隔した状態では、第1部材7に対して第2部材8が開放位置にある。一方、第1部材7の周方向における一方の端部7aと、第2部材8の周方向における一方の端部8aとが近接した状態では、第1部材7に対して第2部材8が閉塞位置にある。このようなアタッチメント6は、第1部材7に対して第2部材8を閉塞位置に移動させた状態において、アタッチメント本体である筒状部63と、アタッチメント凸部64と、アタッチメント凹部65とを有する。本実施形態のアタッチメント6は、第1部材7と第2部材8とを閉塞位置に移動させた状態において、筒状部63の外周面がプロテクタ1の内壁面に対向し、筒状部63の内周面が従外装部材5の外周面に対向する。
【0034】
筒状部63は、第1方向Xに沿って延在し、内部に従外装部材5が挿入される。筒状部63の外径は、主外装部材9の外径と略同一である。
【0035】
アタッチメント凸部64は、筒状部63の内周面から径方向の内側へ突出し、従側凹部51に挿入してアタッチメント6を介してプロテクタ1に対する従外装部材5の第1方向Xの移動を規制する。アタッチメント6は、例えば、複数個(例えば3個)のアタッチメント凸部64を有する。複数のアタッチメント凸部64は、第1方向Xに沿って間隔をあけて配置してある。
【0036】
アタッチメント凹部65は、筒状部63の外周面から径方向の内側に凹み、かつ、周方向に沿って延在し、プロテクタ凸部18に挿入されてプロテクタ1に対するアタッチメント6の第1方向Xの移動を規制する。3つのアタッチメント凸部64のうち、第1方向Xの中央に位置するアタッチメント凸部64は、アタッチメント凹部65に対向する。より具体的に説明すると、当該アタッチメント凸部64は、第1方向Xから視た場合に、径方向において、アタッチメント凹部65に対向する。
【0037】
第1部材7は、他方の端部7bにおいて、外周面75から径方向の内側に凹んで形成され、ヒンジ60の一端60a位置する第1凹部71を有する。その上、第1部材7は、一方の端部7aにおいて、外周面75から径方向の内側に凹んで形成される第3凹部72と、第3凹部72の底面72aから径方向の外側に突出するロック爪部73とを有する。また、第1凹部71、及び、第3凹部72は、例えば、第3方向Zに沿って延在する溝状に形成される。
【0038】
第2部材8は、他方の端部8bにおいて、外周面85から径方向の内側に凹んで形成され、ヒンジ60の他端60b位置する第2凹部81を有する。その上、第2部材8は、一方の端部8aから周方向に突出して形成され、第3凹部72に挿入する挿入凸部82と、挿入凸部82において、当該挿入凸部82を径方向に貫通して形成され、ロック爪部73に係合するロック孔部83を有する。挿入凸部82は、外周面85の一部を構成する。また、第2凹部81は、例えば、第3方向Zに沿って延在する溝状に形成される。
【0039】
第1部材7、及び、第2部材8は、
図10に示すように、第1部材7に対して第2部材8が閉塞位置にある状態において、挿入凸部82が第3凹部72に挿入されるとともに、ロック孔部83及びロック爪部73が係合することによって、第1部材7に対して第2部材8が開放位置に回動することを規制する。また、ロック孔部83にロック爪部73が係合した状態において、第1方向Xから視た場合、挿入凸部82が第3凹部72の内部に位置するとともにロック孔部83の内部にロック爪部73が位置する。この結果、本実施形態のアタッチメント6は、ロック爪部73の一部が筒状部63の外周面に突出することがなく、かつ、挿入凸部82の一部が筒状部63の外周面に突出することがない。
【0040】
また、アタッチメント6は、第1部材7に対して第2部材8が閉塞位置に回動された状態において、第1方向Xから視た場合に、第1凹部71の内部及び第2凹部81の内部にヒンジ60が位置する。この結果、本実施形態のアタッチメント6は、ヒンジ60の一部が、筒状部63の外周面に突出することはない。
【0041】
本実施形態において、第1方向Xから視た場合、第1凹部71の内部及び第2凹部81の内部にヒンジ60の一部が位置する、とは、以下の場合が含まれる。第1に、ヒンジ60の全部が第1凹部71の内部及び第2凹部81の内部に含まれる場合。第2に、ヒンジ60の一部が、第1部材7の外周面75の一部を構成し、又は、第2部材8の外周面85の一部を構成する場合。第3に、ヒンジ60の一部が第1部材7の外周面75から突出せず、かつ、第2部材8の外周面85から突出しない場合。図示例は、ヒンジ60の全部が第1凹部71の内部及び第2凹部81の内部に含まれる。
【0042】
本実施形態において、第1方向Xから視た場合、第3凹部72の内部に挿入凸部82が位置する、とは、以下の場合が含まれる。第1に、挿入凸部82の全部が第3凹部72の内部に含まれる場合。第2に、挿入凸部82の一部が、第2部材8の外周面85の一部を構成する場合。第3に、挿入凸部82の一部が第1部材7の外周面75から突出せず、かつ、第2部材8の外周面85から突出しない場合。図示例は、挿入凸部82の全部が第3凹部72の内部に含まれる。
【0043】
本実施形態において、第1方向Xから視た場合、ロック孔部83の内部にロック爪部73が位置する、とは、以下の場合が含まれる。第1に、ロック爪部73の全部がロック孔部83の内部に含まれる場合。第2に、ロック爪部73の一部が、第1部材7の外周面75の一部を構成し、又は、第2部材8の外周面85の一部を構成する場合。第3に、ロック爪部73の一部が第1部材7の外周面75から突出せず、かつ、第2部材8の外周面85から突出しない場合。図示例は、ロック爪部73の全部がロック孔部83の内部に含まれる。
【0044】
このようなアタッチメント6を従外装部材5に取り付ける場合、作業者は、先ず、第1部材7の一方の端部7aと、第2部材8の一方の端部8aとが離隔する開放位置へ、第1部材7に対して第2部材8を移動させる。次に、第3方向Zにおいて、第1部材7と第2部材8との間に、配索材W1に外装した従外装部材5を配置する。
【0045】
次に、作業者は、第1部材7の一方の端部7aと、第2部材8の一方の端部8aとが近接する閉塞位置へ、第1部材7に対して第2部材8を移動させる。その後、作業者は、第2部材8の挿入凸部82を、第1部材7の第3凹部72に挿入するとともに、ロック爪部73をロック孔部83に係合して、従外装部材5に対するアタッチメント6の取り付けを終了する。
【0046】
また、上記のようなワイヤハーネスWH1を組み立てる場合、先ず、作業者は、従外装部材5の内部に配索材W1を挿入し、配索材W1の外周面に従外装部材5を設ける。
【0047】
次に、作業者は、従外装部材5と配索材W1とを取り付けるため、
図12に示すように、アタッチメント6から露出する従外装部材5の端部と、配索材W1とをテープ部材59で固定する。
【0048】
次いで、作業者は、プロテクタ本体2の第1プロテクタ凸部構成要素18xをアタッチメント凹部65に挿入し、プロテクタ本体2に対して、配索材W1、及び、アタッチメント6を固定する。
【0049】
次に、作業者は、係止孔部41に係止爪部42を係合させるとともに、蓋部材3の第2プロテクタ凸部構成要素18yをアタッチメント凹部65に挿入し、プロテクタ本体2に蓋部材3を固定してワイヤハーネスWH1を形成する。
【0050】
次に、上述した配索材W1の外径よりも大きい外径を有する配索材W2をプロテクタ1に固定する場合を、
図12及び
図13を参照しながら説明する。
図12は、プロテクタ本体2に主外装部材9を取り付けた状態を示す斜視図である。
図13は、主外装部材9を有するワイヤハーネスWH1において、第1方向Xと第3方向Zとを含む平面におけるワイヤハーネスWH1の断面図である。
【0051】
主外装部材9は、従外装部材5の外径よりも大きな外径を有する。主外装部材9は、いわゆるコルゲートチューブであって、例えば、絶縁性の合成樹脂材料によって可撓性を有する筒状(管状)に形成される。より具体的には、主外装部材9は、上記した配索材W1の外径よりも大きな外径を有する配索材W2の外周面に設けられ、当該配索材W2を覆う円筒状に形成される。本実施形態の主外装部材9は、プロテクタ1と、他のプロテクタとの間に位置する配索材W2の外周面に設けられる。主外装部材9は、周方向に沿って延在する主側凹部91を複数有し、主側凹部91を第1方向Xに間隔をあけて配置する蛇腹形状に構成され、内側に配索材W2が挿入される。
【0052】
主外装部材9を使用して上記のようなワイヤハーネスWH1を組み立てる場合、先ず、作業者は、主外装部材9の内部に配索材W2を挿入し、配索材W2の外周面に主外装部材9を設ける。
【0053】
次に、作業者は、主外装部材9と配索材W2とを取り付けるため、上述と同様、アタッチメント6から露出する主外装部材9の端部と、配索材W1とをテープ部材59で固定する。
【0054】
次いで、作業者は、プロテクタ本体2の第1プロテクタ凸部構成要素18xを主側凹部91に挿入し、プロテクタ本体2に対して、配索材W2、及び、主外装部材9を固定する。
【0055】
次に、作業者は、係止孔部41に係止爪部42を係合させるとともに、蓋部材3の第2プロテクタ凸部構成要素18yを主側凹部91に挿入し、プロテクタ本体2に蓋部材3を固定してワイヤハーネスWH1を形成する。
【0056】
以上で説明した本実施形態に係るアタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。プロテクタ凸部18は、主外装部材9の主側凹部91に挿入可能であり、アタッチメント凹部65に挿入されることで、アタッチメント6を介して従外装部材5の第1方向Xの移動を規制する。これらのため、アタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、径方向の外径が小さい配索材W1を使用する場合には、アタッチメント6を使用し、プロテクタ凸部18をアタッチメント凹部65に挿入し、かつ、アタッチメント凸部64を従側凹部51に挿入することによって、アタッチメント6を介して従外装部材5をプロテクタ1に固定する。一方、径方向の外径が大きい配索材W2を使用する場合には、アタッチメント6を使用することなく、プロテクタ凸部18を主側凹部91に挿入することによって、主外装部材9をプロテクタ1に固定する。これらによって、本発明に係るアタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、1つのプロテクタ1によって径の異なる配索材W1、W2に対応可能である。
【0057】
本実施形態に係るアタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。半リング状の第1部材7と、半リング状の第2部材8と、ヒンジ60とを有する。ヒンジ60は、第1方向Xから視た場合に、第1部材7の周方向における一方の端部7aと、第2部材8の周方向における一方の端部8aとが離隔する開放位置と、第1部材7の一方の端部7aと、第2部材8の一方の端部8aとが近接する閉塞位置とに第2部材8を第1部材7に対して回動可能に第1部材7の周方向における他方の端部7bと、第2部材8の周方向における他方の端部8bとを連結する。第1部材7は、他方の端部7bにおいて外周面75から径方向の内側に凹んで形成され、ヒンジ60の一端60aが位置する第1凹部71を有する。第2部材8は、他方の端部8bにおいて外周面85から径方向の内側に凹んで形成され、ヒンジ60の他端60bが位置する第2凹部81を有する。第1方向Xから視た場合、第1凹部71の内部及び第2凹部81の内部にヒンジ60が位置する。このため、従外装部材5にアタッチメント6を取り付けても、アタッチメント6の筒状部63からヒンジ60が突出することがないため、プロテクタ1の形状を変更することなしにプロテクタ1を使用することができるともに、プロテクタ1が大型化することを抑制することができる。
【0058】
本実施形態に係るアタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。第1部材7は、一方の端部7aにおいて外周面75から径方向の内側に凹んで形成される第3凹部72と、第3凹部72の底面72aから径方向の外側に突出するロック爪部73とを有する。第2部材8は、一方の端部8aから周方向に突出して形成され、第3凹部72に挿入する挿入凸部82と、挿入凸部82において、当該挿入凸部82を径方向に貫通して形成され、ロック爪部73に係合するロック孔部83を有する。第1部材7に対して第2部材8が閉塞位置に回動された場合に、挿入凸部82が第3凹部72に挿入されるとともに、ロック孔部83及びロック爪部73が係合して第1部材7に対して第2部材8が開放位置に回動することを規制する。ロック孔部83にロック爪部73が係合した状態において、第1方向Xから視た場合、ロック孔部83の内部にロック爪部73が位置するとともに、第3凹部72の内部に挿入凸部82が位置する。このため、ロック爪部73及び挿入凸部82が、第1部材7の外周面75及び第2部材8の外周面85から突出しない。このため、従外装部材5にアタッチメント6を取り付けても、アタッチメント6の筒状部63からロック爪部73及び挿入凸部82が突出することがないため、プロテクタ1の形状を変更することなしにプロテクタ1を使用することができるともに、プロテクタ1が大型化することを抑制することができる。
【0059】
本実施形態に係るアタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、以下の構成を有する。第1方向Xから視た場合に、アタッチメント凸部64は、径方向において、アタッチメント凹部65に対向する。このため、第1方向Xにおいて、アタッチメント凸部64とアタッチメント凹部65とを異なる場所に配置した場合に比較して、アタッチメント6の径方向の厚さが厚くなることを抑制することができる。このため、本実施形態に係るアタッチメント6、及び、ワイヤハーネスWH1は、プロテクタ1が大型化することを抑制することができる。
【0060】
なお、上述した実施形態には、プロテクタ1が、プロテクタ本体2と、蓋部材3とを備えるものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、プロテクタ1は、プロテクタ本体2を備える一方、蓋部材3を備えなくてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態には、アタッチメント凸部64を筒状部63の全周に連続するものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、アタッチメント凸部64に1つの切欠きを形成することによって、アタッチメント凸部64が筒状部63の全周に連続しなくてもよい。もちろん、アタッチメント凸部64に複数の切欠きを形成してもよい。また、アタッチメント凸部64は、蓋部材3に形成する必要はなく、例えば、プロテクタ本体2にのみ形成してもよい。
【0062】
さらに、上述した実施形態には、1種類の従外装部材5を説明した。しかし、本発明は、これに限られず、径方向の大きさが異なる複数種類の従外装部材を複数用いれば、径方向の大きさが異なる複数種類の配索材W1を1つのプロテクタ1によって対応可能である。
【0063】
また、上述した実施形態には、アタッチメント6が、半リング状の第1部材7と、半リング状の第2部材8と、第1部材7に対して第2部材8を回動可能に連結するヒンジ60とを備えるものを説明した。しかし、この発明は、それに限られず、ヒンジ60に代えて、第1部材7の一方の端部7aに、第3凹部72とロック爪部73とを設けるとともに、
第2部材8の一方の端部8aに、挿入凸部82とロック孔部83とを設けてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 プロテクタ
18 プロテクタ凸部
21 基部(底壁部(壁部))
22a、22b 側壁部(壁部)
23 空間部
3 蓋部材(天壁部(壁部))
5 従外装部材
5a 端部
51 従側凹部
6 アタッチメント
63 筒状部
64 アタッチメント凸部
65 アタッチメント凹部
7 第1部材
71 第1凹部
72 第3凹部
73 ロック爪部
8 第2部材
81 第2凹部
82 挿入凸部
83 ロック孔部
9 主外装部材
91 主側凹部
WH1 ワイヤハーネス
W、W1、W2 配索材
X 第1方向(軸線方向)