IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノン株式会社の特許一覧

特許7390897画像処理装置、制御方法およびプログラム
<>
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図1
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図2
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図3
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図4
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図5
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図6
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図7
  • 特許-画像処理装置、制御方法およびプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】画像処理装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
G06F3/12 344
G06F3/12 305
G06F3/12 308
G06F3/12 350
G06F3/12 353
G06F3/12 356
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020002084
(22)【出願日】2020-01-09
(65)【公開番号】P2021111084
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 翔
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-204270(JP,A)
【文献】特開2017-204694(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0297653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09-3/12
H04N 1/00
H04N 1/38-1/393
B41J 2/01;2/165-2/20;2/21-2/215
B41J 5/00-5/52;21/00-21/18
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34;15/00;15/36;21/00;21/02;21/14;21/20
G06Q 10/00-99/00
A47G 1/00-1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レームに貼り付けられる印刷物を出力するための画像データであり、前記印刷物における前記フレームの前面部分に張り付けられる部分を印刷するための前面領域と、前記印刷物における前記フレームの側面部分に張り付けられる部分を印刷するための側面領域と、を含む画像データを制御するプログラムであって、
画像処理装置のコンピュータに、
前記画像データに対して実行される画像処理として、複数の画像処理のうちいずれかを特定する特定ステップと、
前記前面領域および前記側面領域のうち、前記特定された画像処理に応じた範囲の領域に、特定の解析処理を実行する解析ステップと、
前記特定の解析処理が実行された後の前記画像データに基づく印刷物を出力するための出力処理を実行する出力ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
画像を選択する選択ステップ、をさらに実行させ
前記選択された画像は、少なくとも前記前面領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数の画像処理は、少なくとも前記前面領域に配置される画像であり前記選択された画像を拡大することで、前記選択された画像の少なくとも一部を前記側面領域にも配置する画像配置処理を含み、
前記特定された画像処理が前記画像配置処理である場合、前記前面領域及び前記側面領域に前記特定の解析処理が実行される、ことを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像を拡大することで、前記選択された画像の少なくとも一部を前記側面領域にも配置し、且つ前記側面領域に配置された画像をぼかすぼかし処理を含み、
前記特定された画像処理が前記ぼかし処理である場合、前記前面領域及び前記側面領域に前記特定の解析処理が実行される、ことを特徴とする請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特定された画像処理が前記ぼかし処理である場合、前記選択された画像を拡大することで、前記選択された画像の少なくとも一部を前記側面領域にも配置した後であり、且つ前記側面領域に配置された画像をぼかす前に、前記特定の解析処理が実行されることを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像の少なくとも一部を鏡像反転した画像を前記側面領域に配置する鏡像加工処理を含み、
前記特定された画像処理が前記鏡像加工処理である場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域に前記特定の解析処理が実行されない、ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記特定された画像処理が前記鏡像加工処理である場合、前記前面領域に前記画像が配置された後であり、且つ前記鏡像加工処理が行われる前に、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行されることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像の少なくとも一部を鏡像反転した画像を前記側面領域に配置し、且つ前記側面領域に配置された画像をぼかす、ぼかし及び鏡像加工処理を含み、
前記特定された画像処理が前記ぼかし及び鏡像加工処理である場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域に前記特定の解析処理が実行されない、ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記特定された画像処理が前記ぼかし及び鏡像加工処理である場合、前記前面領域に前記画像が配置された後であり、且つ前記ぼかし及び鏡像加工処理が行われる前に、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行されることを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記複数の画像処理は、前記側面領域を所定の色で塗り潰す塗り潰し処理を含み、
前記特定された画像処理が前記塗り潰し処理である場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域に前記特定の解析処理が実行されない、ことを特徴とする請求項2乃至9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記側面領域に対して、前記複数の画像処理のいずれもが実行されない場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域に前記特定の解析処理が実行されないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記画像データは、さらに、前記側面領域の外側の領域であるはみだし領域を含み、
前記側面領域及び前記はみだし領域に対して実行される画像処理として、前記複数の画像処理のうちいずれかが特定される、ことを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
【請求項13】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像を拡大することで、前記選択された画像の少なくとも一部を前記側面領域及び前記はみだし領域にも配置する画像配置処理を含み、
前記特定された画像処理が前記画像配置処理である場合、前記前面領域、前記側面領域及び前記はみだし領域に前記特定の解析処理が実行される、ことを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像を拡大することで、前記選択された画像の少なくとも一部を前記側面領域及び前記はみだし領域にも配置し、且つ前記側面領域及び前記はみだし領域に配置された画像をぼかすぼかし処理を含み、
前記特定された画像処理が前記ぼかし処理である場合、前記前面領域、前記側面領域及び前記はみだし領域に前記特定の解析処理が実行される、ことを特徴とする請求項12又は13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像の少なくとも一部を鏡像反転した画像を前記側面領域及び前記はみだし領域に配置する鏡像加工処理を含み、
前記特定された画像処理が前記鏡像加工処理である場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域及び前記はみだし領域に前記特定の解析処理が実行されない、ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項16】
前記複数の画像処理は、前記選択された画像の少なくとも一部を鏡像反転した画像を前記側面領域及び前記はみだし領域に配置し、且つ前記側面領域及び前記はみだし領域に配置された画像をぼかす、ぼかし及び鏡像加工処理を含み、
前記特定された画像処理が前記ぼかし及び鏡像加工処理である場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域及び前記はみだし領域に前記特定の解析処理が実行されない、ことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項17】
前記複数の画像処理は、前記側面領域及び前記はみだし領域を所定の色で塗り潰す塗り潰し処理を含み、
前記特定された画像処理が前記塗り潰し処理である場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域及び前記はみだし領域に前記特定の解析処理が実行されない、ことを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項18】
前記側面領域及び前記はみだし領域に対して、前記複数の画像処理のいずれもが実行されない場合、前記前面領域に前記特定の解析処理が実行され、前記側面領域及び前記はみだし領域に前記特定の解析処理が実行されないことを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記特定の解析処理は、前記特定の解析処理が実行される領域に含まれるピクセルの輝度値を解析する処理であることを特徴とすることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記特定の解析処理が行われた領域に含まれるピクセルの輝度値の変更を行う変更処理を実行する変更ステップ、をさらに実行させることを特徴とする請求項19に記載のプログラム。
【請求項21】
所定の閾値を上回る輝度値を有するピクセルが前記特定の解析処理が実行された領域に含まれる場合に、前記変更処理が実行され、
前記所定の閾値を上回る輝度値を有するピクセルが前記特定の解析処理が実行された領域に含まれない場合に、前記変更処理が実行されない、ことを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記特定の解析処理及び前記複数の画像処理と異なる他の画像処理を、前記前面領域及び前記側面領域に実行する実行ステップ、をさらに実行させることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項23】
前記他の画像処理は、前記他の画像処理が実行される領域の色空間を変更する処理及び前記他の画像処理が実行される領域のピクセル数を変更する処理のうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記出力処理は、前記特定の解析処理が実行された後の前記画像データを、印刷装置に送信する処理を含むことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項25】
レームに貼り付けられる印刷物を出力するための画像データであり、前記印刷物における前記フレームの前面部分に張り付けられる部分を印刷するための前面領域と、前記印刷物における前記フレームの側面部分に張り付けられる部分を印刷するための側面領域と、を含む画像データを制御する画像処理装置によって実行される制御方法であって、
前記画像データに対して実行される画像処理として、複数の画像処理のうちいずれかを特定する特定ステップと、
前記前面領域および前記側面領域のうち、前記特定された画像処理に応じた範囲の領域に、特定の解析処理を実行する解析ステップと、
前記特定の解析処理が実行された後の前記画像データに基づく印刷物を出力するための出力処理を実行する出力ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項26】
フレームに貼り付けられる印刷物を出力するための画像データであり、前記印刷物における前記フレームの前面部分に張り付けられる部分を印刷するための前面領域と、前記印刷物における前記フレームの側面部分に張り付けられる部分を印刷するための側面領域と、を含む画像データを制御する画像処理装置であって、
前記画像データに対して実行される画像処理として、複数の画像処理のうちいずれかを特定する特定手段と、
前記前面領域および前記側面領域のうち、前記特定された画像処理に応じた範囲の領域に、特定の解析処理を実行する解析手段と、
前記特定の解析処理が実行された後の前記画像データに基づく印刷物を出力するための出力処理を実行する出力手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷対象の画像を処理する画像処理装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆるギャラリーラップやキャンバスプリントと呼ばれる、印刷物を木枠等のフレームに貼り付けて鑑賞する形式の印刷物が知られている。これらの印刷物においては、例えばフレームの前面に相当する部分に画像を配置し、フレームの側面に相当する部分には、塗りつぶしや、フレームの前面に相当する部分に配置された画像を鏡像加工した画像を配置したりする。
【0003】
特許文献1には、ギャラリーラップを作成するための印刷物を出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-204270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ギャラリーラップを作成するための印刷物を出力するための印刷データの生成において、印刷物に配置される画像を表す画像データに対して特定の解析処理を実行することがある。そして、画像データにおいて特定の解析処理が行われる範囲は、画像データにおけるフレームの側面に相当する領域に対して行われる画像処理に応じて適切に制御されることが好ましい。しかしながら、特許文献1では、特定の解析処理が行われる範囲の制御については記載されていない。
【0006】
本発明は、画像データにおいて特定の解析処理が行われる範囲を、画像データにおけるフレームの側面に相当する領域の設定に応じて適切に制御する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、レームに貼り付けられる印刷物を出力するための画像データであり、前記印刷物における前記フレームの前面部分に張り付けられる部分を印刷するための前面領域と、前記印刷物における前記フレームの側面部分に張り付けられる部分を印刷するための側面領域と、を含む画像データを制御するプログラムであって、画像処理装置のコンピュータに、前記画像データに対して実行される画像処理として、複数の画像処理のうちいずれかを特定する特定ステップと、前記前面領域および前記側面領域のうち、前記特定された画像処理に応じた範囲の領域に、特定の解析処理を実行する解析ステップと、前記特定の解析処理が実行された後の前記画像データに基づく印刷物を出力するための出力処理を実行する出力ステップとを実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像データにおいて特定の解析処理が行われる範囲を、画像データにおけるフレームの側面に相当する領域の設定に応じて適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像処理システムの構成を示すブロック図。
図2】アプリケーションソフトウェアにより表示される画面を示す図。
図3】ギャラリーラップの外観の一例を示す図。
図4】特定の解析処理の適用範囲を制御する処理を示すフローチャート。
図5】特定の解析処理の適用範囲を制御する処理を示すフローチャート。
図6】出力される印刷物を示す図。
図7】出力される印刷物を示す図。
図8】出力される印刷物を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態における画像処理システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本画像処理システムは、画像処理装置100とプリンタ106とが含まれている。画像処理装置100は、例えば、パーソナルコンピュータやサーバ、スマートフォン、タブレット端末など、様々な形態の装置によって実現することができる。また、画像処理装置100は、ワードプロセッサ、表計算、インターネットブラウザなどのアプリケーションソフトウェア101を有する。本実施形態では、アプリケーションソフトウェア101は、例えば、いわゆるギャラリーラップやキャンバスプリントといった印刷物を生成するためのアプリケーションソフトウェアである。なお、ギャラリーラップとは、印刷物の外周部を折り曲げて木枠などのフレームに巻き付けたり貼り付けたりすることで作製される展示物である。アプリケーションソフトウェア101は、印刷対象の画像データに対して画像処理を行う機能、ページ上に画像を配置するレイアウト編集機能、プリンタ106への印刷機能を有する。アプリケーションソフトウェア101によって発行される出力画像を示す各種描画命令群(イメージ描画命令、テキスト描画命令、グラフィクス描画命令)は、オペレーティングシステム(OS)102を介してモニタドライバ103へ入力される。モニタドライバ103は、上記の描画命令群を処理し、表示装置104に画像を表示させるためのソフトウェアである。また、印刷を行う場合には、それら描画命令群は、OS102を介してプリンタドライバ105へ入力される。プリンタドライバ105は、それらの描画命令群を処理して印刷データを作成し、プリンタ106に印刷させるためのソフトウェアである。
【0012】
画像処理装置100は、上記の各ソフトウェアを実行させるために、CPU108、ハードディスク(HD)107、RAM109、ROM110などのハードウェアを備える。画像処理装置100では、アプリケーションソフトウェア101により、文字などのテキストに分類されるテキストデータ、図形などのグラフィクスに分類されるグラフィクスデータ、写真画像などに分類される画像データなどを用いて出力データが作成される。そして、表示装置104では、出力データに基づいて表示が行われる。また、出力データに基づいて画像が印刷される場合、アプリケーションソフトウェア101は、OS102に対して印刷出力を要求する。そして、アプリケーションソフトウェア101は、テキストデータ部分がテキスト描画命令で構成され、グラフィクスデータ部分がグラフィクス描画命令で構成され、画像データ部分がイメージ描画命令で構成される描画命令群をOS102に発行する。
【0013】
プリンタ106は、インクジェット記録方式や電子写真方式等、各種の記録方式により記録媒体に画像を記録する記録装置である。画像処理装置100とプリンタ106とは、ネットワークを介して接続されても良いし、ケーブル等によりダイレクト接続されていても良い。ネットワークは、有線通信ネットワーク、無線通信ネットワーク、若しくは、その両方を含む。また、表示装置104は、画像処理装置100の外部に設けられても良いし、画像処理装置100と一体型に設けられても良い。
【0014】
図2(a)は、アプリケーションソフトウェア101により表示される画面の一例を示す図である。画面200は、例えば、表示装置104上に表示されるアイコン等に対する操作に応じてアプリケーションを起動することで表示される。ユーザは、画面200により、例えばキャンバスプリントのための各種設定や印刷の実行が可能である。画面200は、メニュー操作部201、プレビュー領域202、設定領域203を含む。また、設定領域203は、プリンタ選択プルダウン204、用紙サイズ選択プルダウン205、用紙種選択プルダウン206を含む。また、設定領域203は、チェックボックス207、フレームサイズ選択プルダウン208、フレームの厚さ選択プルダウン209、フレーム側面の処理選択プルダウン210、はみだし量選択プルダウン211を含む。また、設定領域203は、チェックボックス212、印刷ボタン213を含む。
【0015】
メニュー操作部201は、アプリケーションソフトウェア101の終了、ページへ追加する画像の指定、ヘルプ表示などの項目の選択を受け付ける。ユーザがメニュー操作部201に表示されたコマンドを選択することにより、アプリケーションソフトウェア101によって各機能が実行される。例えば、ユーザは、メニュー操作部201のファイルメニューからプレビュー領域202上に配置される画像を選択することができる。本実施形態では、プレビュー領域202上に配置される画像が、ROM110等の記憶部に記憶された画像から選択されるが、別の画像(例えば、通信ネットワーク上の画像や外部ストレージに記憶された画像など)が選択されてもよい。以下、このようにして選択された画像を選択画像という。選択画像は、プレビュー領域202上に配置される。プレビュー領域202は、上述のようにして選択された画像の表示を行う。また、プレビュー領域202では、画像処理が行われた結果における画素値の変化量、例えば、濃度変化を表示することが可能である。ユーザによる画像の編集が完了し、印刷指示が行われた場合、プレビュー領域202において表示された画像が印刷されることになる。
【0016】
プリンタ選択プルダウン204は、印刷を実行するプリンタの選択を受け付ける。プリンタ選択プルダウン204で表示される選択候補のプリンタは、画像処理装置100に有線もしくは無線で接続され、画像処理装置100により探索されたプリンタである。用紙サイズ選択プルダウン205は、用紙サイズの選択を受け付ける。用紙サイズ選択プルダウン205で表示される選択候補の用紙サイズは、プリンタ選択プルダウン204で選択されたプリンタ106で印刷可能な印刷用紙のサイズである。用紙種選択プルダウン206は、普通紙、光沢紙、写真紙といった用紙の種類の選択を受け付ける。用紙種選択プルダウン206で表示される選択候補の用紙種は、プリンタ選択プルダウン204で選択されたプリンタ106で印刷可能な印刷用紙の種類である。
【0017】
チェックボックス207は、印刷用補正の特定の解析処理の適用をするか否かの設定のためのチェックボックスである。ここでの特定の解析処理とは、特定の解析処理の対象となる範囲の領域に含まれる各ピクセルの輝度値を解析する処理である。そして、プリンタ106による印刷により表現できない輝度値が含まれていた場合は、プリンタ106による印刷により表現できる輝度値となるように、特定の解析処理の対象となる範囲の領域に含まれる各ピクセルの輝度値を変更させる処理である。なお、このとき、プリンタ106による印刷により表現できない輝度値を有するピクセルだけでなく、その他のピクセルの輝度値も変更される。例えば、特定の解析処理の対象となった範囲の領域におけるもともとの輝度値の分布で表現されていた階調が維持されるように、特定の解析処理の対象となる範囲の領域に含まれるピクセル全体の輝度値が変更される。また、プリンタ106による印刷により表現できない輝度値が含まれていない場合は、輝度値の変更は行われない。また、プリンタ106による印刷により表現できない輝度値とは、例えば、上限値(第1の閾値)を上回る輝度値や、下限値(第2の閾値)を下回る輝度値である。また、チェックボックス207に対する入力が行われた場合に実行される処理には、1種類の処理でなく、複数の種類の処理が含まれていても良い。チェックボックス207へのチェックにより、特定の解析処理の適用範囲の設定の指示を受付ける。
【0018】
フレームサイズ選択プルダウン208は、印刷物の貼り付け対象であるフレームの前面のサイズの選択を受け付ける。ここで、フレームとは、ギャラリーラップ用の印刷物が張り付けられる枠を指す。一般に、フレームとして木枠が用いられるが、フレームの材質は木でなくとも良い。例えば、縦310×横311といったサイズが選択される。ここで入力された値は、印刷物におけるフレームの前面に相当する領域(以下、印刷物における前面部分)の大きさに相当する。フレームの厚さ選択プルダウン209は、印刷物の貼り付け対象であるフレームの側面の厚さの選択を受け付ける。ここで入力された値は、印刷物におけるフレームの側面に相当する領域(以下、印刷物における側面領域)の大きさに相当する。なお、ここで0の値が入力された場合、印刷物における前面領域に対応する部分を印刷するための印刷データは生成されるが、印刷物における側面領域に対応する部分を印刷するための印刷データは生成されない。このような設定で作成された印刷物は、一般には、ギャラリーラップとしてではなく、平面の印刷物として展示される。しかしながら、このようにして作成された印刷物がフレームに張り付けられても良い。この場合は、側面部分は、フレームが剥き出しになる。
【0019】
処理選択プルダウン210は、印刷物における側面領域に対応する、画像データ中の領域(以下、画像データにおける側面領域)に対して行われる画像加工処理の選択を受け付ける。なお、画像データにおける側面領域が、印刷物における側面領域に印刷されることとなる。画像加工処理は、例えば、画像配置処理、鏡像加工処理、ぼかし処理、ぼかし及び鏡像加工処理、塗り潰し処理である。
【0020】
画像配置処理とは、画像データにおける側面領域にも、選択画像の一部の領域を配置する処理である。具体的には、印刷物における前面領域に対応する、画像データ中の領域(以下、画像データにおける前面領域)に配置される選択画像を、画像データにおける側面領域の縁まで拡大する処理である。さらには、当該選択画像の外側部分が画像データにおける側面領域に位置するようにして、画像データにおける側面領域に選択画像を配置する処理である。画像配置処理が選択された場合に作成されるギャラリーラップの外観の一例が、図3における外観302である。外観302において、印刷物の前面領域だけでなく、印刷物の側面領域にも、選択画像が印刷されている。
【0021】
鏡像加工処理も、画像データにおける側面領域にも選択画像の一部を配置する処理である。鏡像加工処理においては、選択画像の全体が画像データにおける前面領域に収まるように配置される。そして、前面領域に収まっている選択画像の外側の一部が切り出されたものが鏡像反転された画像が、画像データにおける側面領域に配置される。
【0022】
ぼかし処理とは、画像データにおける側面領域に配置された画像をぼかす処理である。なお、ぼかし処理においては、画像配置処理と同様にして、画像データにおける側面領域に、選択画像の一部が配置される。また、ぼかし処理においては、選択画像のうち、前面領域に配置された部分はぼかされない。ぼかし処理が選択された場合に作成されるギャラリーラップの外観の一例が、図3における外観304である。外観304において、印刷物の前面領域だけでなく、印刷物の側面領域にも、選択画像が印刷されている。また、印刷物の側面領域には、ぼかし処理が施された選択画像が印刷されている。
【0023】
ぼかし及び鏡像加工処理とは、鏡像加工処理によって画像データにおける側面領域に配置された画像をぼかす処理である。なおこのときも、画像データにおける前面領域に配置された画像はぼかされない。
【0024】
塗り潰し処理とは、画像データにおける側面領域を所定の色で塗り潰す処理である。なお、塗り潰し処理においては、画像データにおける前面領域に配置される画像は拡大されない。言い換えれば、選択画像は、側面領域には配置されず、当該選択画像の全体が、画像データにおける前面領域に収まるように配置される。なお、塗り潰しに用いられる色は、特に限定されず、ユーザが任意に選択可能であっても良い。塗り潰し処理が選択された場合に作成されるギャラリーラップの外観の一例が、図3における外観303である。外観303において、印刷物の前面領域に、選択画像が印刷されている。そして、印刷物の側面領域は、特定の色で塗り潰されている。
【0025】
なお、処理選択プルダウン210には、画像加工処理を実行しないための選択肢が含まれていても良い。当該選択肢が選択された場合、画像データにおける側面領域に選択画像は配置されず、画像データにおける前面領域に収まるように選択画像が配置される。即ち、その場合に出力される印刷物においては、側面領域は余白領域となり、前面領域にだけ画像が印刷される。画像加工処理が実行されなかった場合に作成されるギャラリーラップの外観の一例が、図3における外観301である。外観301において、印刷物の前面領域に、選択画像が印刷されており、印刷物の側面領域には、印刷が行われていない。なお、これと同様の印刷物は例えば、画像加工処理として塗り潰しが選択され、且つ、塗り潰しに用いられる色として白が選択された場合にも出力されうる。なお、側面領域に対して行われる画像加工処理として、上記の処理以外が選択可能であっても良い。
【0026】
はみ出し量選択プルダウン211は、はみ出し量の選択を受け付ける。ここで、はみ出し量とは、印刷物における側面領域からさらに外側の領域であり、フレームの裏側に巻き込まれる領域(以下、印刷物におけるはみだし領域)に相当する部分の厚みの量である。なおはみ出し量選択プルダウン211がない形態であっても良い。第1実施形態では、はみ出し量選択プルダウン211で0が選択されている形態又は、はみ出し量選択プルダウン211がない形態において実行される処理について説明する。
【0027】
図2(a)においてプルダウンで示されている箇所は、他の入力方法を受け付ける構成であっても良い。例えば、テキストボックスでの入力を受け付ける構成であっても良い。チェックボックス212は、折れ線を印刷するか否かの設定を受け付ける。折れ線とは、印刷物をフレームに張り付ける際に印刷物が折られる位置を示す線である。チェックボックス212にチェックされると、印刷用紙をフレームの側面に貼り付けるための折れ線が印刷されるよう設定され、チェックされなければ、折れ線が印刷されないよう設定される。なお、チェックボックス212に入力が行われた場合に印刷される線は、折れ線だけでなく、印刷物をフレームに張り付ける際に印刷物が切断される位置を示す切断線を含んでいても良い。印刷ボタン213は、印刷の実行指示を受け付ける。印刷ボタン213が押下された場合、プリンタ選択プルダウン204~チェックボックス212によって設定されている内容に従い、プレビュー領域202に表示されている画像の印刷処理が開始される。図2(b)は、プレビュー領域202に画像214が表示されている例を示す図である。
【0028】
上述したように本実施形態では、チェックボックス207がチェックされている場合、特定の解析処理が実行される。しかしながら、解析が不要な領域に対して特定の解析処理が実行されてしまう場合、不要な解析時間が生じてしまうことになる。解析が不要な領域とは例えば、選択画像が配置されていない領域である。また、解析の精度を低下させる要因となる領域に対して特定の解析処理が実行されてしまう場合、解析の精度が低下してしまう。解析の精度を低下させる要因となる領域とは具体的には、例えば、塗り潰し処理が行われた領域である。そのため、特定の解析処理が適用される領域の範囲は、適切に制御されることが好ましい。
【0029】
そこで以下、本実施形態における特定の解析処理の適用範囲の変更処理について説明する。
【0030】
図4は、特定の解析処理の適用範囲を制御する処理を示すフローチャートである。図4の処理は、例えば、CPU108がROM110に記憶されたプログラムをRAM109に読み出して実行することにより実現される。なお、例えば、図4の処理は、アプリケーションソフトウェア101が読み出されて実行されることにより実現される。図4の処理は、印刷ボタン213が押下されると開始する。
【0031】
S401において、CPU108は、特定の解析処理の適用が設定されているか否かを判定する。例えば、S401の判定は、図2(a)のチェックボックス207がチェックされているか否かに基づいて行われる。なお、本実施形態とは異なるコントロールによる判定が行われても良いし、アプリケーションソフトウェア101内部で、他の方法で判定が行われても良い。S401で特定の解析処理の適用が設定されていると判定された場合、S402に進み、S401で特定の解析処理の適用が設定されていないと判定された場合、S417に進む。
【0032】
S402において、CPU108は、フレームの厚さ選択プルダウン209で設定された値が、0より大きいか否かを判定する。CPU108は、0より大きいと判定した場合、S403に進み、0より大きくないと判定した場合、S416に進む。
【0033】
S403において、CPU108は、処理選択プルダウン210によって選択された画像加工処理の種類を特定する。CPU108は、画像加工処理を実行しないための選択肢が選択されており、画像加工処理がそもそも指示されていない場合は、S404に進む。またCPU108は、S403でぼかし及び鏡像加工処理を特定した場合は、S405に進む。また、CPU108は、S403で鏡像加工処理を特定した場合は、S407に進む。また、CPU108は、S403で塗り潰し処理を特定した場合は、S409に進む。また、CPU108は、S403でぼかし処理を特定した場合は、S411に進む。また、CPU108は、S403で画像配置処理を特定した場合は、S414に進む。
【0034】
S404では、CPU108は、画像データにおける前面領域にのみ、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS418に進める。
【0035】
S405では、CPU108は、画像データにおける前面領域にのみ、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、S406にて、画像データにおける側面領域に対してぼかし及び鏡像加工処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS418に進める。
【0036】
S407では、CPU108は、画像データにおける前面領域にのみ、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、S408にて、画像データにおける側面領域に対して鏡像加工処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS418に進める。
【0037】
上述したように本実施形態では、画像データにおける側面領域に対して実行される画像加工処理としてぼかし及び鏡像加工処理や鏡像加工処理が特定された場合、画像データにおける前面領域にのみ、特定の解析処理が実行される。そして、画像データにおける前面領域に特定の解析処理が実行された後、鏡像加工処理が実行される。これにより、鏡像加工処理により側面領域に配置される画像は、既に特定の解析処理が行われた画像となる。なお、鏡像加工処理が実行された後に前面領域と側面領域の両方に特定の解析処理を実行する形態であっても良い。しかし、画像データにおける前面領域に特定の解析処理が実行された後、鏡像加工処理が実行される形態とすることで特定の解析処理の適用範囲を抑制することができる。
【0038】
S409では、CPU108は、画像データにおける前面領域にのみ、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、S410にて、画像データにおける側面領域に対して塗り潰し処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS418に進める。
【0039】
S411では、CPU108は、画像データにおける側面領域の縁まで画像データに配置された選択画像を拡大する。その後、CPU108は、S412にて、画像データにおける前面領域及び側面領域に対して、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、S413にて、画像データにおける側面領域に対してぼかし処理を実行する。その後CPU108は、処理をS418に進める。
【0040】
上述のように、本実施形態では、側面領域に対して実行される画像加工処理としてぼかし処理が特定された場合、側面領域に対する画像の配置(画像の拡大)が行われた後であり、側面領域に対してぼかし処理が行われる前に、特定の解析処理が実行される。これにより、ぼかし処理により各ピクセルの輝度値が変化する前に、特定の解析処理を実行することができ、各ピクセルの輝度値をより正確に解析することができる。
【0041】
S414では、CPU108は、画像データにおける側面領域の縁まで画像データに配置された選択画像を拡大する。その後、CPU108は、S415にて、画像データにおける前面領域及び側面領域に対して、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS418に進める。
【0042】
S416では、CPU108は、画像データにおける前面領域にのみ、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS418に進める。S417では、CPU108は、処理選択プルダウン210によって選択された画像加工処理の種類を特定し、画像データにおける側面領域に対して、特定した処理を実行する。このケースでは、特定の解析処理は実行されない。その後、CPU108は、処理をS418に進める。
【0043】
S418にて、CPU108は、画像データの出力処理として印刷処理を行う。印刷処理とは、プレビュー領域202に表示された画像データを印刷物として出力するための処理である。印刷処理は、例えば、画像データの色空間を変換する処理や、画像データの解像度やピクセル数を変更する処理等の一般的な画像処理を含む。なお、S401でYESの判定結果であった場合、特定の解析処理が適用された後の画像データが印刷処理において画像処理の対象となる。一方、S401でNOの判定結果であった場合、特定の解析処理が適用されていない画像データが印刷処理において画像処理の対象となる。即ち、S401でNOの判定結果であったとしても、特定の解析処理でない一般的な画像処理は、画像データに対して実行される。また、特定の解析処理でない一般的な画像処理は、画像データに含まれる領域全体に対して実行される。また、印刷処理とは、上述の一般的な画像処理が適用された画像データ(印刷データ)を、プリンタ106に送信する処理を含む。その後、CPU108は、図4の処理を終了する。
【0044】
上述したように本実施形態では、画像データにおける側面領域に対していずれの画像加工処理が実行されるかに応じて、特定の解析処理が実行される範囲が変更される。言い換えれば、画像データにおける側面領域に対する設定に応じて、特定の解析処理が実行される範囲が変更される。本実施形態では、不要な部分への特定の解析処理の実行を抑制することで、特定の解析処理にかかる時間を抑制することができる。また、解析の精度を低下させる要因になる部分への特定の解析処理の実行を抑制することで、解析の精度の低下を抑制することができる。
【0045】
図6及び図8は、本実施形態の処理により出力される印刷物を示す図である。印刷物601は、フレームの厚さ選択プルダウン209で0が設定された場合に出力される印刷物である。この場合、選択画像は、印刷物における前面領域603のみに印刷される。本実施形態では、図4の処理によって生成された画像データに基づく画像は、当該画像のサイズより大きい用紙に印刷される。そのため領域602は、用紙における余白領域となる。ユーザは、印刷物601から、前面領域603を切り出すことで、展示物を作成する。
【0046】
印刷物604は、フレームの厚さ選択プルダウン209で1以上が設定され、且つ処理選択プルダウン210により画像配置処理が設定された場合に出力される印刷物である。この場合、選択画像は、印刷物における前面領域606及び側面領域607にまたがって印刷される。厚さ608は、フレームの厚さ選択プルダウン209によって入力された値に対応する。図4の処理によって生成された画像データに基づく画像の全体は、領域609に対応する。そのため、領域605は、用紙における余白領域となる。ユーザは、印刷物604から、領域609を切り出し、フレームに貼り付けることで、展示物を作成する。
【0047】
印刷物801は、フレームの厚さ選択プルダウン209で1以上が設定され、且つ処理選択プルダウン210によりぼかし処理が設定された場合に出力される印刷物である。この場合、選択画像は、印刷物における前面領域803及び側面領域804にまたがって印刷される。厚さ805は、フレームの厚さ選択プルダウン209によって入力された値に対応する。図4の処理によって生成された画像データに基づく画像の全体は、領域806に対応する。そのため、領域802は、用紙における余白領域となる。ユーザは、印刷物801から、領域806を切り出し、フレームに貼り付けることで、展示物を作成する。
【0048】
[第2実施形態]
以下、第2実施形態について第1実施形態と異なる点について説明する。第1実施形態では、はみ出し量選択プルダウン211で0が選択されている形態又は、はみ出し量選択プルダウン211がない形態において実行される処理について説明を説明した。本実施形態では、はみ出し量選択プルダウン211で0より大きい値が選択されている場合について説明する。なお、はみ出し量選択プルダウン211で0より大きい値が選択されている場合は、画像加工処理は、画像データにおける側面領域だけでなく、画像データにおけるはみだし領域に対しても実行される。
【0049】
具体的には、画像配置処理においては、選択画像が、はみだし領域の縁まで拡大される。即ち、当該選択画像の外側部分が画像データにおける側面領域及びはみだし領域に位置するようにして、選択画像が配置される。また、鏡像加工処理においては、前面領域に収まっている選択画像の外側の一部が切り出されたものが鏡像反転された画像が、画像データにおける側面領域及びはみだし領域にまたがって配置される。また、ぼかし処理においては、画像配置処理と同様にして、画像データにおける側面領域及びはみだし領域に、選択画像の一部が配置される。そして、画像データにおける側面領域及びはみだし領域に配置された画像がぼかされる。また、ぼかし及び鏡像加工処理においては、鏡像加工処理によって画像データにおける側面領域及びはみだし領域に配置された画像がぼかされる。また、塗り潰し処理においては、画像データにおける側面領域及びはみだし領域が特定の色で塗り潰される。
【0050】
図5は、特定の解析処理の適用範囲を制御する処理を示すフローチャートである。図5の処理は、例えば、CPU108がROM110に記憶されたプログラムをRAM109に読み出して実行することにより実現される。なお、例えば、図5の処理は、アプリケーションソフトウェア101が読み出されて実行されることにより実現される。
【0051】
S501及びS502は、S401及びS402と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0052】
S502で、フレームの厚さ選択プルダウン209で設定された値が0より大きいと判定された場合、S503において、CPU108は、はみだし量選択プルダウン211で設定された値が0より大きいか否かを判定する。CPU108は、0より大きいと判定した場合、S505に進み、0より大きくないと判定した場合、S504に進む。S504では、第1実施形態にて説明したS403以降の処理が実行される。
【0053】
S505~S507は、S403~S405と同様であるため、それらの説明を省略する。S508では、CPU108は、画像データにおける側面領域及びはみだし領域に対してぼかし及び鏡像加工処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS520に進める。
【0054】
S509は、S407と同様であるため、その説明を省略する。その後、CPU108は、S510にて、画像データにおける側面領域及びはみだし領域に対して鏡像加工処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS520に進める。
【0055】
S511は、S409と同様であるため、その説明を省略する。その後、CPU108は、S512にて、画像データにおける側面領域及びはみだし領域に対して塗り潰し処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS520に進める。
【0056】
S513では、CPU108は、画像データにおけるはみだし領域の縁まで画像データに配置された選択画像を拡大する。その後、CPU108は、S514にて、画像データにおける前面領域、側面領域及びはみだし領域に対して、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、S515にて、画像データにおける側面領域及びはみだし領域に対してぼかし処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS520に進める。
【0057】
S516では、CPU108は、画像データにおけるはみだし領域の縁まで画像データに配置された選択画像を拡大する。その後、CPU108は、S517にて、画像データにおける前面領域、側面領域及びはみだし領域に対して、特定の解析処理を実行する。その後、CPU108は、処理をS520に進める。
【0058】
S518~S520は、S416~S418と同様であるため、それらの説明を省略する。
【0059】
図7は、本実施形態の処理により出力される印刷物を示す図である。印刷物701は、フレームの厚さ選択プルダウン209及びはみだし量選択プルダウン211で1以上が設定され、且つ処理選択プルダウン210により画像配置処理が設定された場合に出力される印刷物である。この場合、選択画像は、印刷物における前面領域703、側面領域704及びはみだし領域707にまたがって印刷される。縁706は、側面領域704の縁に対応する。厚さ705は、フレームの厚さ選択プルダウン209によって入力された値に対応する。厚さ708は、はみだし量選択プルダウン211によって入力された値に対応する。図5の処理によって生成された画像データに基づく画像の全体は、領域709に対応する。そのため、領域702は、用紙における余白領域となる。ユーザは、印刷物701から、領域709を切り出し、フレームに貼り付けることで、展示物を作成する。
【0060】
以上のように、本実施形態によれば、特定の解析処理の適用範囲は、はみだし量に関する設定に応じても、適宜変更される。このようにすることで、適切な範囲にのみ特定の解析処理を適用することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0061】
[その他の実施形態]
画像データにおける側面領域に対する画像加工処理として、上述の実施形態にて説明した処理以外の処理が含まれていても良い。例えば、画像配置処理と同様にして、画像データにおける側面領域に選択画像の一部を配置し、さらに、側面領域に配置された画像に対してモザイクを施すモザイク処理等が含まれていても良い。モザイク処理においては、画像データにおける前面領域と側面領域とに、特定の解析処理が実行される。またモザイク処理においては、画像データにおける側面領域に選択画像の一部が配置された後であり、側面領域に配置された画像に対してモザイクが施される前に、特定の解析処理が実行される。
【0062】
上述の実施形態では、アプリケーションソフトウェア101のUI画面200上に各設定項目の設定値を決定するコントロールを有する構成として説明した。しかしながら、他の構成でも良く、例えば、連携する他のアプリケーションソフトウェアから当該情報を受け取る構成でも良いし、その他の任意の方法で当該設定情報を取得するようにしても良い。
【0063】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0064】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0065】
100 画像処理装置: 108 CPU: 109 RAM: 110 ROM
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8