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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20231127BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20231127BHJP
   B65G 54/02 20060101ALI20231127BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
B65G47/30 L
B65G43/08 B
B65G54/02
B65G47/68 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020012344
(22)【出願日】2020-01-29
(65)【公開番号】P2021116181
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000141886
【氏名又は名称】株式会社京都製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100157325
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 太一
(72)【発明者】
【氏名】林 健太郎
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-132406(JP,A)
【文献】特開平09-040171(JP,A)
【文献】特開2002-053225(JP,A)
【文献】特開2017-165490(JP,A)
【文献】特開2020-066496(JP,A)
【文献】特開2020-066497(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第3002222(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0244271(US,A1)
【文献】特表2015-525176(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/30
B65G 43/08
B65G 54/02
B65G 47/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環経路と、
前記循環経路に並設された軌道と、
前記軌道上を移動可能な複数のコンテナと、
前記コンテナを帯同して、前記循環経路上を移動可能な複数の可動モジュールと、
前記軌道上の異なる位置において、nを2以上の自然数としたとき、前記コンテナに物品を供給するn機の物品供給手段とを備え、
前記コンテナが前記軌道上を移動することにより、前記軌道上において連続するn台の前記コンテナは、n機の前記物品供給手段のうち、前記n台の前記コンテナそれぞれに対応する物品供給手段が存する前記軌道上の位置に順次搬送され、前記n台の前記コンテナには前記対応する物品供給手段それぞれから物品が供給され、
物品が供給された連続するn台の前記コンテナは、前記軌道上において連続するn台単位で前記軌道の外に搬出される
搬送装置。
【請求項2】
前記軌道上において連続するn台の前記コンテナへの物品の供給は、それぞれ異なるタイミングにおいて行われる
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
n機の前記物品供給手段による、前記軌道上において連続する前記コンテナへの物品の供給は、互いに独立した動作によって行われる
請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記軌道上において連続するn台の前記コンテナに対し、前記軌道上の移動方向の後方に位置する前記コンテナから前方に位置する前記コンテナに向けて順次に物品が供給される、
請求項1~3の何れか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
複数の前記コンテナは、前記軌道上において連続するn台のコンテナ毎にグループ分けされており、
物品が供給された前記コンテナのグループは、グループ単位で搬出される
請求項1~4の何れか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記軌道上において連続するn台の前記コンテナのうち、1つのコンテナが当該1つのコンテナに対応する物品供給手段が存する前記軌道上の位置に搬送された後に、前記対応する物品供給手段から前記1つのコンテナに物品が供給される動作と、前記1つのコンテナよりも搬送方向上流側に位置するコンテナが前記1つのコンテナに隣接する位置まで搬送される動作とが、同時に行われる
請求項1~5の何れか1項に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送装置に関し、特に、リニア搬送方式による物品の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、製造ライン等において、製品、部品、工作物、包装、各種容器等の物品を搬送する搬送装置(コンベア)として、物品が載設された複数のコンテナがリニアモータによって搬送されるリニア搬送方式が用いられている。このリニア搬送方式は、コンテナを帯同する可動子が、固定子が列設された軌道上を移動することにより、物品を搬送する構成を採る。このリニア搬送方式を用いて、物品を所定数ごとにまとめて搬出する搬送装置が開示されている(例えば、特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-165490号公報
【文献】特開2018-127352号公報
【文献】特開2019-119588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の搬送装置では、物品が単一の供給路を通して逐次的に供給される構成であることから、物品を所定数ごとに次工程に搬出する際の工程作業時間(タクトタイム)の短縮を図ることは難しかった。
【0005】
本開示は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、供給された物品を所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程における、工程作業時間を短縮する搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である搬送装置は、循環経路と、前記循環経路に並設された軌道と、前記軌道上を移動可能な複数のコンテナと、前記コンテナを帯同して、前記循環経路上を移動可能な複数の可動モジュールと、前記軌道上の異なる位置において、nを2以上の自然数としたとき、前記コンテナに物品を供給するn機の物品供給手段とを備え、前記コンテナが前記軌道上を移動することにより、前記軌道上において連続するn台の前記コンテナナは、n機の前記物品供給手段のうち、前記n台の前記コンテナそれぞれに対応する物品供給手段が存する前記軌道上の位置に順次搬送され、前記n台の前記コンテナには前記対応する物品供給手段それぞれから、物品が供給され、物品が供給された連続するn台の前記コンテナは、前記軌道上において連続するn台単位で前記軌道の外に搬出されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る搬送装置によれば、並設された異なる所定数の供給路それぞれを通して供給された物品を、所定数ごとにグループ化されたコンテナそれぞれに分配して搬送できる。そのため、供給された物品を所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程における、工程作業時間を短縮する搬送装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る搬送装置1の構成を示す平面図である。
図2】(a)は、図1におけるA矢視図、(b)は、図1におけるB-B断面矢視図である。
図3】搬送装置1における、1つのコンテナのグループに着目したときの、搬送動作の一態様を示す工程図である。
図4】搬送装置1における搬送動作を説明するための模式図である。
図5】搬送装置1における搬送動作を説明するための模式図である。
図6図5(b)の状態における搬送装置1の平面図である。
図7】変形例に係る搬送動作の態様を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
≪本発明を実施するための形態の概要≫
本開示における実施の形態に係る搬送装置は、循環経路と、前記循環経路に並設された軌道と、前記軌道上を移動可能な複数のコンテナと、前記コンテナを帯同して、前記循環経路上を移動可能な複数の可動モジュールと、前記軌道上の異なる位置において、nを2以上の自然数としたとき、前記コンテナに物品を供給するn機の物品供給手段とを備え、前記軌道上において連続するn台の前記コンテナには、n機の前記物品供給手段から、それぞれ物品が供給され、物品が供給された連続するn台の前記コンテナは、n台単位で前記軌道の外に搬出されることを特徴とする。
【0010】
係る構成により、並設された異なる所定数の供給路それぞれを通して供給された物品を、所定数ごとにグループ化されたコンテナそれぞれに分配して搬送できることから、物品を所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程における、工程作業時間を短縮できる。
【0011】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記軌道上において連続するn台の前記コンテナへの物品の供給は、それぞれ異なるタイミングにおいて行われる構成としてもよい。
【0012】
係る構成により、複数の物品供給手段が軌道に沿って所定距離以上離間して配されている場合であっても、軌道上において連続するn台のコンテナを隣接して配置することができ、軌道上の物品の間隔を低減し、工程作業時間を短縮できる。
【0013】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、n機の前記物品供給手段による前記コンテナへの物品の供給は、互いに独立した動作によって行われる構成としてもよい。
【0014】
係る構成によれば、複数のコンテナそれぞれが供給位置に到着するタイミングが異なる場合でも、それぞれの供給位置において、物品供給手段はコンテナの到着のタイミングに適応して物品を供給することができ、コンテナへの物品供給における信頼性を向上できる。
【0015】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、前記軌道上において連続するn台の前記コンテナに対し、前記軌道上の移動方向の後方に位置する前記コンテナから前方に位置する前記コンテナに向けて順次に物品が供給される構成としてもよい。
【0016】
係る構成によれば、同一のコンテナのグループに属する連続するn台のコンテナに対する物品の供給において、上流側に位置する最初の供給位置における物品の供給から、下流側に位置する最後の供給位置における物品の供給までの間の、各コンテナの移動距離を相対的に短く構成することができる。そのため、軌道上の物品の搬送時間を低減し、工程作業時間をより一層短縮できる。
【0017】
また、別の態様では、上記何れかに記載の態様において、複数の前記コンテナは、前記軌道上において連続するn台のコンテナ毎にグループ分けされており、物品が供給された前記コンテナのグループは、グループ単位で搬出される構成としてもよい。
【0018】
係る構成によれば、並設された複数の供給路それぞれから物品の供給を受けることにより、異なる複数の供給経路を通して供給された物品を所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程における、工程作業時間を短縮できる搬送装置を実現できる。
【0019】
≪実施の形態≫
実施の形態に係る搬送装置1の構成について図面を用いて説明する。ここで、本明細書では、各図におけるX方向、Y方向、Z方向を、それぞれ、幅方向、奥行方向、高さ方向とする場合があり、高さ方向の正方向を「上」方向、負方向を「下」方向とする場合がある。また、各図面における部材の縮尺は必ずしも実際のものと同じであるとは限らない。また、本明細書において、数値範囲を示す際に用いる符号「~」は、その両端の数値を含む。また、本実施形態で記載している、材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。また、本開示の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施形態との構成の一部同士の組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。
【0020】
<搬送装置1の構成について>
搬送装置1の構成について図面を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る搬送装置1の構成を示す平面図である。
【0021】
搬送装置1は、供給される物品OBをn個単位で次工程に搬出する装置であり、循環経路10と複数の可動モジュール20を有するリニア搬送手段15、コンテナ30、軌道40、物品供給手段50および制御部60を備える。ここで、nは2以上の自然数である。実施の形態では、一例として、n=3とした実施態様について説明する。搬送される物品OBは、例えば、各種製品の容器としてもよく、次工程は、複数の容器に対し内容物の充填を同時に行う充填工程としてもよい。
【0022】
搬送装置1には、リニアモータを用い循環経路10上の複数の可動モジュール20それぞれの搬送を独立に制御することができる、いわゆるリニア搬送と呼ばれる方式のコンベアが用いられる。
【0023】
循環経路10は、リニアモータの固定子から構成されるループ状の循環路である。
【0024】
可動モジュール20は、循環経路10上を移動可能なリニアモータの可動子により構成される。
【0025】
コンテナ30は、物品OBを載置可能であって、循環経路10に沿って可動モジュール20に帯同されて移動可能に構成された、物品OBを搬送するためのキャリア手段である。
【0026】
軌道40は、コンテナ30が移動するための案内手段であり、平面視においてU字形状にレイアウトされて循環経路10に並設されている。軌道40は、始点及び終点において、それぞれ搬入レーン41及び搬出レーン42とに接続され、搬入レーン41から供給されたコンテナ30が軌道40を通って搬出レーン42に搬出される。
【0027】
コンテナ30は、図1の紙面右手下方から、図示しない移送手段によって搬入レーン41上を移送されて、搬入位置IPにて軌道40に搬入される(Min)。移送手段は、モータの回転によりベルトが伝達されるものであってもよく、リニアモータにより駆動されるものでもよい。コンテナ30は、搬入位置IP以降において可動モジュール20に帯同されて、軌道40上を循環経路10に沿って移動する。そして、コンテナ30は、軌道40上を移動した後、搬出位置EPにおいて可動モジュール20から離間して図1の紙面右手上方で搬出レーン42へ搬出される(Mout)。
【0028】
図2(a)は、図1におけるA矢視図、(b)は、図1におけるB-B断面矢視図である。
【0029】
コンテナ30は、図2(a)(b)に示すように、軌道40上に載設される。また、コンテナ30には、上面に凹部30aが形成されており、凹部30aの底面に物品OBが載設される。
【0030】
可動モジュール20は、移動方向に連続する2個の可動モジュール20F、20Rが所定距離を保った状態で循環経路10上を移動する(Mrt)。可動モジュール20F、20Rは、それぞれのコンテナ支持部21の間にコンテナ30を保持した状態で、可動モジュール20F、20Rが見かけ上一体となって循環経路10上を移動することにより、軌道40上のコンテナ30はコンテナ30毎に独立して搬送される。
【0031】
循環経路10は、図2(b)に示すように、ループ状に配されたガイドレール11、ガイドレール11の延伸方向に列状に配された複数の電磁コイル12、ガイドレール11の延伸方向に延在するリニアエンコーダ13を備える。
【0032】
可動モジュール20は、図2(b)に示すように、基台部22が、針状ころ23を介してガイドレール11に対し移動自在に嵌合されて、循環経路10に組付けられている。また、可動モジュール20には、永久磁石24が、循環経路10の電磁コイル12と対向する位置に配されている。
【0033】
循環経路10に設けられたリニアエンコーダ13は、可動モジュール20の位置を検出して後述する制御部60に出力し、電磁コイル12は、リニアエンコーダ13からの出力に基づき制御部60によって駆動制御される。すなわち、制御部60は、循環経路10上の複数の可動モジュール20の位置をリニアエンコーダ13により逐次検出し、可動モジュール20それぞれの位置情報に基づいて、可動モジュール20それぞれの搬送を独立に制御することができる。
【0034】
物品供給手段50は、軌道40上のコンテナ30に物品OBを供給する機構である。物品供給手段50は、軌道40上の異なる供給位置SP1、SP2、SP3(以下、まとめて、供給位置SPと記す場合もある)において、軌道40上を搬送(M1、M2、M3)されて停止しているコンテナ30に対し物品OB1、OB2、OB3(以下、まとめて、物品OBと記す場合もある)を、供給する物品供給手段51、52、53(以下、まとめて、物品供給手段50と記す場合もある)から構成される。
【0035】
具体的には、物品供給手段51、52、53は、それぞれが、物品OB1、OB2、OB3を並行して搬送するコンベア51C、52C、53Cと、搬送された物品OB1、OB2、OB3を、異なるコンテナ30に乗せ換える移載部51T、52T、53Tを有する。コンベア51C、52C、53Cは、モータの回転によりベルトが伝達されるものであってもよく、リニアモータにより駆動されるものでもよい。移載部51T、52T、53Tには物品OBを吸着して移動させるロボットアーム等のアクチェータを用いることができる。
【0036】
制御部60は、リニア搬送手段15、物品供給手段50に接続され、制御信号を出力して、循環経路10上の可動モジュール20の移動、及び移載部51T、52T、53Tの動作を制御する。
【0037】
以上の構成を有する搬送装置1は、並設された複数のコンベア51C、52C、53Cそれぞれを通して物品OB1、OB2、OB3の供給を受け、供給された物品OBを所定数ごとにまとめて次工程に搬出する動作を行う。
【0038】
<搬送装置1の動作について>
次に、本実施形態の搬送装置1において行われる、物品OBの搬送動作について説明する。
【0039】
搬送装置1では、複数のコンテナ30は、軌道40上において連続するn台のコンテナ毎にグループ分けされて搬送される。図1では、コンテナのグループを30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30Hと表記する。図3は、搬送装置1における、1つのコンテナのグループに着目した搬送動作の一態様を示す工程図である。図4、5は、搬送装置1における物品OBの搬送動作を説明するための模式図であり、各供給位置SPにコンテナのグループが搬送される態様を模式的に示した図である。図6は、図5(b)の状態における搬送装置1の平面図である。
【0040】
以下では、図1に示すコンテナのグループ30A、及び後続のコンテナのグループ30B、30Cを例に、搬送装置1の動作について説明する。
【0041】
搬送装置1の動作では、先ず、コンテナのグループ30Aに属する第1、第2、第3のコンテナが軌道40に搬入される(ステップS1)。ここで、同一のグループに属する3台のコンテナ30を、進行方向後方から前方に向けて昇順に第1、第2、第3のコンテナとし、コンテナのグループ30Aにおける、第1、第2、第3のコンテナ30それぞれをコンテナ30A1、30A2、30A3(あるいは、単にA1、A2、A3)と表記する。ステップS1では、図4(a)に示すように、コンテナのグループ30Aに属するコンテナ30A1、30A2、30A3が軌道40に搬入される。
【0042】
次に、第1、第2、第3のコンテナ30A1、30A2、30A3を第1の供給領域に搬送する(ステップS2、M1)。ここで、第1の供給領域とは、グループ30Aに属するコンテナ30A1、30A2、30A3の何れかが供給位置SP1に位置しているときに、隣接して配されたコンテナ30A1、30A2、30A3が存在する領域を指す。本例では、図4(b)に示すように、進行方向に対し最も後方に位置する第1のコンテナ30A1が供給位置SP1に搬送され、他の第2、第3のコンテナ30A2、A3は、第1のコンテナ30A1の進行方向の前方において順次、隣接する位置に搬送される。
【0043】
次に、物品供給手段51により第1のコンテナ30A1に物品OB1が供給される(ステップS3)。
【0044】
このとき、同時に、図4(b)に示すように、後続のコンテナのグループ30Bに属するコンテナ30B1、30B2、30B3が軌道40に搬入される。
【0045】
次に、第1、第2、第3のコンテナ30A1、30A2、30A3を第2の供給領域に搬送する(ステップS4、M2)。ここでも、第2の供給領域とは、グループ30Aに属するコンテナ30A1、30A2、30A3の何れかが供給位置SP2に位置しているときに、隣接して配されたコンテナ30A1、30A2、30A3が存在する領域を指す。本例では、図4(c)に示すように、中央に位置する第2のコンテナ30A2が供給位置SP2に搬送され、他の第1、第3のコンテナ30A1、A3は、第2のコンテナ30A2の両側において、それぞれ隣接する位置に搬送される。
【0046】
次に、物品供給手段52により第2のコンテナ30A2に物品OB2が供給される(ステップS5)。
【0047】
このとき、同様に、図4(c)に示すように、コンテナのグループ30Bにおいて、最も後方に位置するコンテナ30B1が供給位置SP1に搬送され(M1)、コンテナ30B2、B3は、コンテナ30B1の進行方向の前方において順次、隣接する位置に搬送され(M1)、物品供給手段51によりコンテナ30B1に物品OB1が供給される。また、後続のコンテナのグループ30Cに属するコンテナ30C1、30C2、30C3が軌道40に搬入される。
【0048】
次に、第1、第2、第3のコンテナ30A1、30A2、30A3を第3の供給領域に搬送する(ステップS6、図5(a)、M3)。図1は、図5(a)の状態に対応する搬送装置1の平面図である。本例では、図1及び図5(a)に示すように、進行方向の最も前方に位置する第3のコンテナ30A3が供給位置SP3に搬送され、第2、第1のコンテナ30A2、A1は、第3のコンテナ30A2の進行方向に対し後方において順次、隣接する位置に搬送される。
【0049】
次に、物品供給手段53により第3のコンテナ30A3に物品OB3が供給される(ステップS7)。
【0050】
このとき、同様に、図5(a)に示すように、コンテナのグループ30Bにおいて、中央に位置するコンテナ30B2が供給位置SP2に搬送され(M2)、物品供給手段52によりコンテナ30B2に物品OB2が供給される。また、同様に、コンテナのグループ30Cにおいて、最も後方に位置するコンテナ30C1が供給位置SP1に搬送され(M1)、物品供給手段51によりコンテナ30C1に物品OB1が供給される。また、コンテナ30B1、30B3、30C2、30C3は、図5(a)に示す位置に搬送される(M2、M1)。
【0051】
次に、第1、第2、第3のコンテナ30A1、30A2、30A3を軌道40から搬出する(ステップS8)。図5(b)に示すように、物品OB1、OB2、OB3の供給が完了したコンテナのグループ30Aに属する連続する3台の、第1、第2、第3のコンテナ30A1、30A2、30A3は、軌道40の外に搬出される(Mout)。
【0052】
このとき、同時に、図5(b)に示すように、コンテナのグループ30Bにおいて、最も前方に位置するコンテナ30B3が供給位置SP3に搬送され(M3)、物品供給手段53によりコンテナ30B3に物品OB3が供給される。また、同時に、コンテナのグループ30Cにおいて、中央に位置するコンテナ30C2が供給位置SP2に搬送され(M2)、物品供給手段52によりコンテナ30C2に物品OB2が供給される。また、コンテナ30B1、30B2、30C1、30C3は、図5(b)に示す位置に搬送される(M3、M2)。図6は、図5(b)の状態における搬送装置1の平面図である。
【0053】
以後、後続するコンテナのグループ30Bに対して同様の動作を行い、図5(c)に示すように、物品OB1、OB2、OB3の供給が完了したコンテナのグループ30Bに属する連続する3台のコンテナ30B1、30B2、30B3が、軌道40の外に搬出される(Mout)。
【0054】
また、後続するコンテナのグループ30Cに対しても同様の動作を行い、コンテナのグループ30Cの最も前方に位置するコンテナ30C3が供給位置SP3に搬送され(M3)、物品供給手段53によりコンテナ30C3に物品OB3が供給される。さらに、図5(d)に示すように、物品OB1、OB2、OB3の供給が完了したコンテナのグループ30Cに属する連続する3台のコンテナ30C1、30C2、30C3が、軌道40の外に搬出される(Mout)。
【0055】
以上の工程により、搬送装置1では、並設された複数のコンベア51C、52C、53Cそれぞれから物品OB1、OB2、OB3の供給を受け、供給された物品OBを所定数ごとにまとめて次工程に搬出する動作が行われる。
【0056】
<まとめ>
以上、説明したように、実施の形態に係る搬送装置1は、供給される物品OBをn個(n=3)単位で搬出する搬送装置1であって、循環経路10と、循環経路10に並設された軌道40と、軌道40上を移動可能な複数のコンテナ30と、コンテナ30を帯同して、循環経路10上を移動可能な複数の可動モジュール20と、軌道40上の異なる位置において、コンテナ30に物品OBを供給するn機の物品供給手段50とを備え、軌道40上で連続するn台のコンテナ30には、n機の物品供給手段50から、それぞれ物品OBが供給され、物品OBが供給された連続するn台のコンテナは、n台単位で軌道40の外に搬出される構成を採る。
【0057】
すなわち、搬送装置1では、複数のコンテナ30は、軌道40上において連続するn台のコンテナ毎にグループ分けされて搬送され、物品供給手段51、52、53は、同一のグループに属し、軌道40上で連続する3台のコンテナ30に対して、軌道40上の異なる供給位置SP1、SP2、SP3において、物品OB1、OB2、OB3をそれぞれ異なるタイミングにおいて供給し、物品OBが供給されたコンテナのグループはグループ単位で軌道40の外に搬出されるよう構成されている。
【0058】
これにより、並設された異なる所定数の供給路それぞれを通して供給された物品を、所定数ごとにグループ化されたコンテナそれぞれに分配して搬送できることから、物品を所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程における、工程作業時間を短縮できる。
【0059】
また、軌道40上において、上記した連続するn台のコンテナ30への物品の供給は、それぞれ異なるタイミングにおいて行われる構成としてもよい。
【0060】
これにより、物品供給手段51、52、53が、軌道40に沿って所定距離以上離間して配されている場合であっても、軌道40上において連続するn台のコンテナ30を隣接して配置することができ、軌道40上の物品OBの間隔を低減し、工程作業時間を短縮できる。例えば、コンテナ30の移動方向に沿った物品供給手段50の装置の幅が大きく、隣り合った物品供給手段51、52又は52、53が、隣接する2つのコンテナ30の間のピッチ以上に離れている場合においても、軌道40上のコンテナ30を互いに隣接させた状態で搬送することができる。そのため、軌道40上のコンテナ30の間隔を低減し、工程作業時間をさらに短縮できる。
【0061】
また、n機の物品供給手段51、52、53によるコンテナ30への物品の供給は、互いに独立した動作によって行われる構成としてもよい。
【0062】
これにより、複数のコンテナ30それぞれが供給位置SP1、SP2、SP3に到着するタイミングが異なる場合でも、それぞれの供給位置SP1、SP2、SP3において、物品供給手段51、52、53は各コンテナ30の到着のタイミングに適応して物品OB1、OB2、OB3を供給することができる。ここで、「n機の物品供給手段51、52、53によるコンテナへ30の物品の供給」とは、同一のコンテナグループに属する連続する3台のコンテナへ30への物品OB1、OB2、OB3の供給に限らず、異なるコンテナのグループに属する3台のコンテナ30への物品OB1、OB2、OB3の供給を含む概念である。
【0063】
その結果、並設された複数の供給路それぞれから物品OBの供給が容易になり、コンテナ30への物品OB供給における信頼性を向上できる。ひいては、供給された物品OBを所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程において、ライン停止を抑制して工程作業時間を短縮できる。
【0064】
また、軌道40上において連続するn台のコンテナ30に対し、軌道40上の移動方向の後方に位置するコンテナ30から前方に位置するコンテナ30に向けて順次、物品が供給される構成としてもよい。具体的には、搬送装置1では、進行方向に連続する3台のコンテナ30に対し、3機の物品供給手段51、52、53それぞれから、軌道40上の移動方向の後方に位置するコンテナから前方に位置するコンテナに向けて順次1個ずつ物品が供給される構成とした。
【0065】
これにより、同一のコンテナのグループに属する連続するn台のコンテナ30に対する物品OBの供給において、上流側に位置する最初の供給位置SP1における物品OBの供給から、下流側に位置する最後の供給位置SP3における物品OBの供給までの間の、各コンテナの移動距離を相対的に短く構成することができる。そのため、軌道40上の物品Bの搬送時間を低減し、工程作業時間をより一層短縮できる。
【0066】
≪変形例≫
実施の形態に係る包装箱施蓋装置を説明したが、本開示は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の実施の形態に何ら限定を受けるものではない。例えば、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。以下では、そのような形態の一例として、吸着ヘッドの変形例を説明する。
【0067】
(1)上記実施の形態では、コンテナのグループに属するコンテナの搬送を終えた後に、1つのコンテナに対し物品が供給される構成とした。
【0068】
具体的には、実施の形態において、図3におけるステップS4において、グループ30Aに属する第1、第2、第3のコンテナ30A1、A2、A3が第2の供給領域に搬送され、その後、ステップS5において、第2のコンテナ30A2に物品OB2が供給される構成とした。また、図3におけるステップS6において、第1、第2、第3のコンテナ30A1、A2、A3が第3の供給領域に搬送され、その後、ステップS7において、第3のコンテナ30A3に物品OB3が供給される構成とした。
【0069】
これに対し、変形例に係る搬送動作では、コンテナのグループに属する1つのコンテナに対する物品の供給と、他のコンテナの搬送とが同時に行われる構成としてもよい。図7は、変形例に係る搬送動作の態様を示す工程図である。図7において、図4に示す実施の形態に係る工程と同じ動作を行う工程には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0070】
変形例に係る搬送装置では、図7に示すように、ステップS41において、グループ30Aに属する第2、第3のコンテナ30A2、A3が第2の供給領域に搬送され、その後、ステップS51において、コンテナ30A2に物品OB2が供給されるとともに、同時に、ステップS52において、第1のコンテナ30A1が第2の供給領域に搬送される構成としてもよい。これにより、第2のコンテナ30A2への物品OB2の供給動作と、第2の供給領域への第1のコンテナ30A1の搬送動作とが同時に行われる態様を採ることができる。
【0071】
また、同様に、図7におけるステップS61において、グループ30Aに属する第3のコンテナ30A3が第3の供給領域に搬送され、その後、ステップS71において、第3のコンテナ30A3に物品OB3が供給されるとともに、同時に、ステップS72において、第1、第2のコンテナ30A1、A2が第3の供給領域に搬送される構成としてもよい。これにより、第3のコンテナ30A3への物品OB3の供給動作と、第3の供給領域への第1、第2のコンテナ30A1、A2の搬送動作とが同時に行われる態様を採ることができる。
【0072】
コンテナ30の搬送において、軌道40上で連続する同一グループに属するコンテナ30間には、前後の衝突回避のために一定の間隔を設ける必要がある。そのため、各コンテナが供給領域に到達する時刻には、若干のタイムラグが存在する。
【0073】
しかしながら、変形例に係る搬送装置では、1つのコンテナ30が供給位置SPに到達した後、同一のコンテナのグループに属するすべてのコンテナが供給領域に到達するまでの間に、供給位置SPに到達したコンテナ30に対する物品OPの供給が開始される。そのため、物品OBの供給対象となるコンテナ30が供給位置SPに到達した後の待ち時間を削減でき、工程作業時間をより一層短縮できる。
【0074】
すなわち、変形例に係る搬送装置では、1つのコンテナに対する物品の供給と、他のコンテナの搬送とを同時に行うことができ、供給された物品を所定数ごとにまとめて次工程に搬出する工程における、工程作業時間をより一層短縮できる。
【0075】
(2)上記実施の形態では、n機の物品供給手段51、52、53によるコンテナへ30の物品の供給は、互いに独立した動作によって行われる構成とした。
【0076】
しかしながら、搬送装置1において、n機の物品供給手段51、52、53によるコンテナへ30の物品の供給が、n機の物品供給手段51、52、53によるコンテナへ30の物品の供給が、同時に行われる構成、連動した動作によって行われる構成、又は従属した動作によって行われる構成、としてもよい。これにより、搬送装置1における、n機の物品供給手段51、52、53の制御を簡易に構成することができる。
【0077】
≪補足≫
以上で説明した実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていないものについては、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
【0078】
また、上記の方法が実行される順序は、本発明を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記方法の一部が、他の方法と同時(並列)に実行されてもよい。
【0079】
また、発明の理解の容易のため、上記各実施の形態で挙げた各図の構成要素の縮尺は実際のものと異なる場合がある。また本発明は上記各実施の形態の記載によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0080】
また、各実施の形態及びその変形例の機能のうち少なくとも一部を組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示の一態様に係る搬送装置は、製造ライン等において、製品、部品、工作物、包装、各種容器等の物品を搬送する搬送装置に利用可能である。また、各種物流等において、包装された荷物や梱包物を搬送する搬送装置としても好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1 搬送装置
15 リニア搬送手段
10 循環経路(固定子)
11 ガイドレール
12 電磁コイル
13 リニアエンコーダ
20、20F、20R 可動モジュール(可動子)
21 コンテナ保持部
22 基台部
23 針状ころ
24 永久磁石
30 コンテナ
30A、30B、30C、30D、30E、30F、30G、30H コンテナのグループ
30a 凹部
40 軌道
41 搬入レーン
42 排出レーン
50 物品供給手段
51 第1の物品供給手段
51C コンベア
51T 移載部
52 第2の物品供給手段
52C コンベア
52T 移載部
53 第3の物品供給手段
53C コンベア
53T 移載部
60 制御部
OB、OB1、OB2、OB3 物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7