IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローリー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図1
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図2
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図3
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図4
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図5
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図6
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図7
  • 特許-物品管理装置および物品管理システム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】物品管理装置および物品管理システム
(51)【国際特許分類】
   E05B 19/00 20060101AFI20231127BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
E05B19/00 E
A47B81/00 S
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020041203
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021143481
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】北村 洋輔
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-213377(JP,A)
【文献】特開2019-44403(JP,A)
【文献】特開2012-57371(JP,A)
【文献】特開2018-36909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 - 85/28
A47B 81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を管理する物品管理装置であって、
前記物品と連結される収納部材と、
前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、
前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第1検知部の検知履歴とを紐付けて第1記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理装置。
【請求項2】
物品を管理する物品管理装置であって、
前記物品と連結される収納部材と、
前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、
前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理装置。
【請求項3】
物品を管理する物品管理装置であって、
前記物品と連結される収納部材と、
前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、
前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第2検知部の検知履歴とを紐付けて第2記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理装置。
【請求項4】
物品を管理する物品管理装置であって、
前記物品と連結される収納部材と、
前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、
前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理装置。
【請求項5】
物品を管理する物品管理装置であって、
前記物品と連結される収納部材と、
前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
少なくとも前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御するとともに、少なくとも前記収納部に前記収納部材が収納される際の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部と、
前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者と、前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第1判定部と
を備えることを特徴とする物品管理装置。
【請求項6】
前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第1検知部の検知履歴とを紐付けて前記第1記憶部に記憶するように制御する
ことを特徴とする請求項記載の物品管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを前記第1記憶部に記憶するように制御する
ことを特徴とする請求項記載の物品管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて、前記撮影部が撮影を実行するように制御する
ことを特徴とする請求項または記載の物品管理装置。
【請求項9】
前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第2検知部の検知履歴とを紐付けて前記第2記憶部に記憶するように制御する
ことを特徴とする請求項ないしのいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて、前記撮影部が撮影を実行するように制御する
ことを特徴とする請求項記載の物品管理装置。
【請求項11】
前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶する第3記憶部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または記載の物品管理装置。
【請求項12】
前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶する第4記憶部をさらに備える
ことを特徴とする請求項または記載の物品管理装置。
【請求項13】
使用者を認証する認証部と、
前記認証部にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第2判定部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1、2ないし11のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項14】
使用者を認証する認証部と、
前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者と、前記収納部材を収納する際に前記認証部にて認証された使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第3判定部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項1、2ないし11のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項15】
使用者を認証する認証部と、
前記収納部材の抜き取りの際に前記認証部にて認証された使用者と、前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第4判定部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項ないし1012のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項16】
使用者を認証する認証部と、
前記収納部材を収納する際に前記認証部にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第5判定部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項ないし1012のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項17】
前記収納部材を前記収納部に返却する使用者を設定する設定部と、
前記設定部にて設定された使用者と、前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第6判定部とをさらに備える
ことを特徴とする請求項ないし1012のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項18】
使用者を認証する認証部と、
前記収納部材の抜き取りの際に前記認証部にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第7判定部とをさらに備え、
前記第7判定部にて同一人物でないと判定された場合、前記収納部は前記収納部材を抜き取り不可とする
ことを特徴とする請求項1、2ないし11のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項19】
前記撮影部で使用者が撮影されない場合、前記収納部は前記収納部材を抜き取り不可とする
ことを特徴とする請求項1、2ないし11のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項20】
前記同一人物でないと判定された場合、前記制御部は前記収納部材の返却の受け付けを不可とする
ことを特徴とする請求項ないし1015ないし17のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項21】
前記同一人物でないと判定された場合、その理由を使用者が入力する入力部をさらに備える
ことを特徴とする請求項ないし10のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項22】
前記入力部での前記理由の入力後に、前記収納部は前記収納部材の返却を可能とする
ことを特徴とする請求項21記載の物品管理装置。
【請求項23】
前記同一人物でないと判定された場合、その旨を報知する報知部をさらに備える
ことを特徴とする請求項ないし1013ないし18、20ないし22のいずれか一記載の物品管理装置。
【請求項24】
物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、
前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第1検知部の検知履歴とを紐付けて第1記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項25】
物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、
前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項26】
物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、
前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第2検知部の検知履歴とを紐付けて第2記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項27】
物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、
前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部と
を備えることを特徴とする物品管理システム。
【請求項28】
物品を管理する物品管理システムであって、
前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、
前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、
少なくとも前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御するとともに、前記収納部に前記収納部材が収納される際の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部と、
前記収納部から前記収納部材を抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者と、前記収納部に前記収納部材を収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第1判定部と
を備えることを特徴とする物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を管理する物品管理装置および物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密情報の漏洩防止、個人情報等の漏洩防止、あるいは防犯上の観点等から、重要書類や顧客情報が収納された書庫の鍵や、貨幣が管理される金庫の鍵は、重要物として厳格な管理が求められるため、鍵管理機を用いて管理することが知られている。
【0003】
このような鍵管理機では、使用者とこの使用者に対して使用が許可される特定の鍵とを関連付けて予め登録しておき、使用者を認証して鍵管理機にログインする形で、使用者による特定の鍵の抜き取りまたは返却を可能としている。
【0004】
また、鍵管理機のログイン時の認証は、使用者のIDカード等を用いて認証する他、顔認証機能を有する鍵管理機では使用者の顔を撮影することで顔認証を可能としている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5395462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、鍵管理機では、ログイン時に使用者の認証を行い、例えば顔認証機能を有する鍵管理機では使用者の顔を撮影して顔認証しているが、ログイン後に、鍵を抜き取ったり返却する使用者の履歴を管理することはできなかった。
【0007】
本発明は、物品の使用者の履歴を管理できる物品管理装置および物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の物品管理装置は、物品を管理する物品管理装置であって、前記物品と連結される収納部材と、前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第1検知部の検知履歴とを紐付けて第1記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0009】
また、本発明の物品管理装置は、物品を管理する物品管理装置であって、前記物品と連結される収納部材と、前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0010】
また、本発明の物品管理装置は、物品を管理する物品管理装置であって、前記物品と連結される収納部材と、前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第2検知部の検知履歴とを紐付けて第2記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0011】
また、本発明の物品管理装置は、物品を管理する物品管理装置であって、前記物品と連結される収納部材と、前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0012】
また、本発明の物品管理装置は、物品を管理する物品管理装置であって、前記物品と連結される収納部材と、前記収納部材を着脱可能に収納する収納部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、少なくとも前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御するとともに、少なくとも前記収納部に前記収納部材が収納される際の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部と、前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者と、前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第1判定部とを備えるものである。
【0013】
前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部をさらに備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第1検知部の検知履歴とを紐付けて前記第1記憶部に記憶するように制御するものである。
【0014】
前記制御部は、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを前記第1記憶部に記憶するように制御するものである。
【0015】
前記制御部は、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて、前記撮影部が撮影を実行するように制御するものである。
【0016】
前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部をさらに備え、前記制御部は、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第2検知部の検知履歴とを紐付けて前記第2記憶部に記憶するように制御するものである。
【0017】
前記制御部は、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて、前記撮影部が撮影を実行するように制御するものである。
【0018】
前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶する第3記憶部をさらに備えるものである。
【0019】
前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶する第4記憶部をさらに備えるものである。
【0020】
使用者を認証する認証部と、前記認証部にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第2判定部とをさらに備えるものである。
【0021】
使用者を認証する認証部と、前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者と、前記収納部材を収納する際に前記認証部にて認証された使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第3判定部とをさらに備えるものである。
【0022】
使用者を認証する認証部と、前記収納部材の抜き取りの際に前記認証部にて認証された使用者と、前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第4判定部とをさらに備えるものである。
【0023】
使用者を認証する認証部と、前記収納部材を収納する際に前記認証部にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第5判定部とをさらに備えるものである。
【0024】
前記収納部材を前記収納部に返却する使用者を設定する設定部と、前記設定部にて設定された使用者と、前記収納部に前記収納部材が収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第6判定部とをさらに備えるものである。
【0025】
使用者を認証する認証部と、前記収納部材の抜き取りの際に前記認証部にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第7判定部とをさらに備え、前記第7判定部にて同一人物でないと判定された場合、前記収納部は前記収納部材を抜き取り不可とするものである。
【0026】
前記撮影部で使用者が撮影されない場合、前記収納部は前記収納部材を抜き取り不可とするものである。
【0027】
前記同一人物でないと判定された場合、前記制御部は前記収納部材の返却の受け付けを不可とするものである。
【0028】
前記同一人物でないと判定された場合、その理由を使用者が入力する入力部をさらに備えるものである。
【0029】
前記入力部での前記理由の入力後に、前記収納部は前記収納部材の返却を可能とするものである。
【0030】
前記同一人物でないと判定された場合、その旨を報知する報知部をさらに備えるものである。
【0031】
また、本発明の物品管理システムは、物品を管理する物品管理システムであって、前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第1検知部の検知履歴とを紐付けて第1記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0032】
また、本発明の物品管理システムは、物品を管理する物品管理システムであって、前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知する第1検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第1検知部が前記収納部から前記収納部材が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0033】
また、本発明の物品管理システムは、物品を管理する物品管理システムであって、前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データと前記第2検知部の検知履歴とを紐付けて第2記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0034】
また、本発明の物品管理システムは、物品を管理する物品管理システムであって、前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知する第2検知部と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したことに応じて前記撮影部が撮影を実行し、前記撮影部が撮影した撮影データのうち、前記第2検知部が前記収納部に前記収納部材が収納されたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部とを備えるものである。
【0035】
また、本発明の物品管理システムは、物品を管理する物品管理システムであって、前記物品と連結される収納部材、および前記収納部材を着脱可能に収納する収納部を有する物品管理装置と、前記物品管理装置の使用者を撮影する撮影部と、少なくとも前記収納部から前記収納部材が抜き取られる際の撮影データを第1記憶部に記憶するように制御するとともに、前記収納部に前記収納部材が収納される際の撮影データを第2記憶部に記憶するように制御する制御部と、前記収納部から前記収納部材を抜き取られる際に前記撮影部が撮影した使用者と、前記収納部に前記収納部材を収納される際に前記撮影部が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する第1判定部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、物品の使用者の履歴を管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第1の実施の形態を示す物品管理装置の斜視図である。
図2】同上物品管理装置のブロック図である。
図3】同上物品管理装置の抜き取り処理を示すフローチャートである。
図4】同上物品管理装置の認証有の返却処理を示すフローチャートである。
図5】同上物品管理装置の認証無の返却処理を示すフローチャートである。
図6】同上物品管理装置の抜き取り時の判定処理を示すフローチャートである。
図7】同上物品管理装置の返却時の判定処理を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2の実施の形態を示す物品管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図7を参照して説明する。
【0039】
図1に物品管理装置10を示す。本実施の形態の物品管理装置10としては、鍵管理機11の例を説明する。
【0040】
鍵管理機11は、本体部12、この本体部12の前面側を開閉する表扉13、本体部12の上部に配設された表示操作部14、この表示操作部14の側部に配置された撮影ユニット15、本体部12の側部に配設されたプリンタ部16等を備えている。
【0041】
本体部12は、前面側に、表扉13によって開閉される鍵管理部19を備えている。鍵管理部19は、重要物であって物品である鍵20を管理する。鍵20は、キーホルダである収納部材21と連結されている。鍵20は、収納部材21に直接連結されていてもよいし、リング等を介して間接的に連結されていてもよい。収納部材21は、管理者による特定の操作によって鍵20の取り外しが可能で、鍵20の交換や追加が可能となっている。
【0042】
鍵管理部19には、収納部材21を着脱可能に収納する複数の収納部22が設けられている。収納部22は、鍵管理部19の前面側に開口する孔状に設けられ、前方から収納部材21を挿入または抜き取り可能とする。各収納部22には、収納された収納部材21を施解錠する錠機構23(図2参照)、収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知する第1検知部24(図2参照)、収納部22に収納部材21が収納されたことを検知する第2検知部25(図2参照)が設けられている。なお、第1検知部24と第2検知部25は、同じ検知部であってもよいし、異なる検知部であってもよい。
【0043】
また、表扉13は、本体部12の前面側の鍵管理部19を開閉可能で、閉鎖時には本体部12に対して施錠可能とし、開放時にはプリンタ部16とは反対側となる本体部12の側部に折り畳んで配置可能とする。
【0044】
また、表示操作部14は、タッチパネルディスプレイが用いられている。表示操作部14は、使用者に対して操作案内等の情報を表示する表示部、および使用者からの各種操作の入力を受け付ける入力部である。
【0045】
また、撮影ユニット15は、撮影部27、および第2表示操作部である顔認証用表示操作部28が設けられている。撮影部27は、鍵管理機11の前方の使用者を撮影するカメラである。顔認証用表示操作部28は、タッチパネルディスプレイが用いられている。顔認証用表示操作部28は、鍵管理機11のログイン時に顔認証する場合に、撮影部27により撮影される使用者の顔画像を表示し、顔画像の確認の入力を受け付ける。
【0046】
また、プリンタ部16は、鍵抜き取り履歴、各種の履歴等をロール紙等の用紙に印字する。印字された用紙は、プリンタ部16内の巻き取り部に巻き取られるか、プリンタ部16の前面側から導出される。
【0047】
次に、図2に鍵管理機11のブロック図を示す。
【0048】
鍵管理機11は、使用者とこの使用者に対して使用が許可される特定の鍵20とを関連付けて予め登録しておき、使用者を認証して鍵管理機11にログインする形で、使用者による特定の鍵20の抜き取りまたは返却を可能としている。なお、鍵管理機11では、使用者がログインした後、例えばログイン時点から所定時間後、または最後の操作から所定時間後に、自動的にログアウトする。
【0049】
鍵管理機11は、鍵管理機11を制御する制御部31を有している。制御部31には、表示部および入力部である表示操作部14と、各収納部22の錠機構23、第1検知部24および第2検知部25と、撮影ユニット15の撮影部27および顔認証用表示操作部28と、記憶部32と、報知部33とが接続されている。
【0050】
記憶部32は、各種データや情報等を記憶するもので、記憶するデータや情報に応じて第1記憶部、第2記憶部、第3記憶部および第4記憶部の機能を有している。
【0051】
報知部33は、表示操作部14での表示による報知や、スピーカ等を用いた音や音声等による報知を行う。
【0052】
また、制御部31は、鍵管理機11のログイン時に、使用者を認証する認証部35の機能を備えている。認証部35は、撮影部27が撮影した使用者の顔データと予め使用者の顔データを登録したデータベースとを照合して顔認証する。データベースは、鍵管理機11がネットワークを通じて通信可能に接続されるサーバにて構築されている。なお、使用者の顔データ以外の生体情報で認証してもよく、あるいはカードリーダを用いて使用者のIDカードにより認証したり、表示操作部14でのID番号やパスワードの入力により認証してもよい。なお、これら使用者の認証手段による認証情報は、使用者の顔データと紐付けられている。
【0053】
さらに、制御部31は、収納部材21を収納部22に返却する使用者を設定する設定部36の機能を備えている。設定部36では、使用者毎の権限を予め設定するもので、権限が設定された使用者が収納部材21の返却を可能に設定する。なお、権限が設定される使用者は、顔データが登録されている使用者である。
【0054】
そして、制御部31は、少なくとも収納部22から収納部材21が抜き取られる際の撮影部27が撮影した撮影データを履歴として記憶部(第1記憶部)32に記憶するように制御する。なお、撮影データの記憶には、使用者が鍵管理機11にログインしてからログアウトするまで撮影を継続し、その間の撮影データをそのまま記憶する場合と、収納部材21が抜き取られたときだけ撮影データを記憶する場合と、収納部材21の抜き取り時の前後所定時間以外を削除するように編集した撮影データを記憶する場合とが含まれる。
【0055】
このとき、制御部31は、撮影部27が撮影した撮影データと、収納部材21が抜き取られたことを検知する第1検知部24の検知履歴とを紐付けて記憶部(第1記憶部)32に記憶するように制御する。
【0056】
この際、制御部31は、撮影部27が撮影した撮影データのうち、第1検知部24が収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを記憶部(第1記憶部)32に記憶するように制御する。
【0057】
さらに、制御部31は、第1検知部24が収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知したことに応じて、撮影部27が撮影を実行するように制御してもよい。なお、このように、第1検知部24が収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知したことに応じて、撮影部27が撮影を実行することにより、撮影データを記憶部(第1記憶部)32に記憶する場合においても、上述した「収納部22から収納部材21が抜き取られた際の撮影部27が撮影した撮影データを記憶部(第1記憶部)32に記憶するように制御する」こと、および「撮影部27が撮影した撮影データのうち、第1検知部24が収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを記憶部(第1記憶部)32に記憶するように制御する」ことに含まれる。
【0058】
さらに、制御部31は、収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶部(第3記憶部)32に記憶するように制御する。撮像データから得られる使用者の情報には、使用者の顔の特徴データを抽出する場合と、顔認証により予め使用者の顔データを登録したデータベースと照合して使用者がだれなのかを特定する場合が含まれる。
【0059】
また、制御部31は、少なくとも収納部22に収納部材21が収納される際の撮影部27が撮影した撮影データを履歴として記憶部(第2記憶部)32に記憶するように制御する。なお、撮影データの記憶には、使用者が鍵管理機11にログインしてからログアウトするまで撮影を継続し、その間の撮影データをそのまま記憶する場合と、収納部材21が抜き取られたときだけ撮影データを記憶する場合と、収納部材21の返却時の前後の所定範囲以外を削除するように編集した撮影データを記憶する場合とが含まれる。
【0060】
このとき、制御部31は、撮影部27が撮影した撮影データと、収納部22に収納部材21が収納されたことを検知する第2検知部25の検知履歴とを紐付けて記憶部(第2記憶部)32に記憶するように制御する。
【0061】
この際、制御部31は、撮影部27が撮影した撮影データのうち、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを記憶部(第2記憶部)32に記憶するように制御する。
【0062】
さらに、制御部31は、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知したことに応じて、撮影部27が撮影を実行するように制御してもよい。なお、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知したことに応じて、撮影部27が撮影を実行することにより、撮影データを記憶部(第2記憶部)32に記憶する場合においても、上述した「収納部22に収納部材21が収納される際の撮影部27が撮影した撮影データを記憶部(第2記憶部)32に記憶するように制御する」こと、あるいは「撮影部27が撮影した撮影データのうち、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知したタイミングを含む区間の撮影データを記憶部(第2記憶部)32に記憶するように制御する」ことに含まれる。
【0063】
さらに、制御部31は、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を履歴として記憶部(第4記憶部)32に記憶するように制御する。
【0064】
撮像データから得られる使用者の情報には、顔認証により予め使用者の顔データを登録したデータベースと照合して使用者が誰なのかを特定する場合と、使用者が誰なのかまでは特定しないが使用者の顔の特徴データを抽出する場合とが含まれる。
【0065】
なお、記憶する履歴には、撮影部27で撮影した画像または映像の撮影データをそのまま記憶してもよいし、撮像データから得られる認証結果だけを記憶してもよいし、両方を記憶してもよい。認証結果には、顔認証等から特定される利用者の名前やID等の個人情報が含まれる。
【0066】
なお、鍵管理機11の使用開始時に表扉13を開放し、使用終了時に表扉13を閉鎖するが、制御部31は、表扉13の開閉時にも、撮影部27で使用者を撮影し、履歴を記憶するようにしてもよい。
【0067】
また、制御部31は、判定部37の機能を備えている。判定部37は、以下の第1判定部ないし第7判定部の少なくともいずれかの機能を有している。
【0068】
第1判定部は、収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した使用者と、当該収納部材21が収納部22に収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0069】
第2判定部は、認証部35にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0070】
第3判定部は、収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した使用者と、収納部材21を収納する際に認証部35にて認証された使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0071】
第4判定部は、収納部材21の抜き取りの際に認証部35にて認証された使用者と、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0072】
第5判定部は、収納部材21を収納する際に認証部35にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0073】
第6判定部は、設定部36にて設定された使用者と、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0074】
第7判定部は、収納部材21の抜き取りの際に認証部35にて認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において収納部材21が抜き取られる前に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する。
【0075】
この場合、認証結果から使用者を特定し、撮影データから顔認証により使用者を特定し、これら特定した使用者が同一人物であるか否かを判定してもよい。
【0076】
あるいは、認証結果から特定した使用者の顔画像の特徴データをデータベースから読み出し、撮影データからは使用者の顔画像の特徴データを抽出し、これら特徴データを比較して使用者が同一人物であるか否かを判定してもよい。
【0077】
そして、制御部31は、第7判定部により、同一人物でないと判定された場合、収納部22の錠機構23を解錠せず、収納部材21を抜き取り不可とするように制御する。さらに、制御部31は、撮影部27で使用者が撮影されない場合、収納部22の錠機構23を解錠せず、収納部22からの収納部材21を抜き取り不可とするように制御する。なお、撮影部27で使用者が撮影されない場合には、使用者が撮影部27の撮影範囲にいない場合や、撮影部27に布などが被されて使用者が撮影されない場合などが含まれる。
【0078】
また、制御部31は、第1、第3ないし第6判定部により、同一人物でないと判定された場合、収納部22の錠機構23の一部を収納部22内に突出させるなどして、収納部材21の返却を不可とするように制御する。さらに、制御部31は、同一人物でないと判定された場合、収納部材21の返却の受け付けを不可としてもよい。つまり、その場合は、収納部材21が収納部22に物理的に返却されたとしても、制御部31では収納部材21は返却されていないとする。
【0079】
また、制御部31は、同一人物でないと判定された場合、その理由の入力を入力部である表示操作部14から受け付ける。さらに、制御部31は、入力部である表示操作部14での理由の入力後に、収納部材21の返却を可能とするように収納部22の錠機構23を制御し、取引の履歴と理由を紐付けて記憶部32に記憶する。また、制御部31は、入力部である表示操作部14での理由の入力後に、収納部材21の抜き取りを可能とするように収納部22の錠機構23を制御し、取引の履歴と理由を紐付けて記憶部32に記憶してもよい。なお、制御部31は、同一人物でなかった取引の履歴を検索できるようにしてもよい。
【0080】
また、制御部31は、同一人物でないと判定された場合、その旨を報知部33で報知するように制御する。
【0081】
次に、鍵管理機11の処理について説明する。
【0082】
まず、鍵管理機11からの収納部材21(鍵20)の抜き取り処理について、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0083】
使用者が表示操作部14で抜き取りを指示すると(ステップS1のYES)、使用者の認証処理を実行する(ステップS2)。認証処理は、例えば、撮影部27により使用者を撮影し、顔認証する。
【0084】
認証が成功すると(ステップS3のYES)、鍵管理機11にログインし(ステップS4)、鍵管理機11の使用が可能な状態となる。認証により使用者が特定されると、使用者に対して使用が許可されている特定の鍵20に対応する収納部材21を収納する収納部22の錠機構23を解錠する。
【0085】
使用者は、使用する鍵20の収納部材21を収納部22から抜き外し、鍵20を使用する。
【0086】
また、認証が成功しなかった場合(ステップS3のNO)、その旨を報知部33で報知する(ステップS5)。
【0087】
そして、鍵管理機11では、収納部22から収納部材21が抜き取られる際、撮影部27が撮影した撮影データを履歴として記憶部32に記憶する。履歴を記憶する際には、撮影部27が撮影した撮影データと、収納部材21が抜き取られたことを検知する第1検知部24の検知履歴とを紐付けて記憶する。これにより、収納部材21を抜き取った使用者の履歴を残し、厳正な鍵20の管理ができる。
【0088】
例えば、鍵管理機11にログインした時点から撮影部27が撮影を開始し(ステップS6)、この撮影部27が撮影した撮影データのうち、第1検知部24が収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知すると(ステップS7)、その検知したタイミングを含む区間の撮影データを履歴として記憶する(ステップS8)。
【0089】
そして、使用者がログインした後、例えばログイン時点から所定時間後、または最後の操作から所定時間後に、自動的にログアウトする(ステップS9)。
【0090】
なお、検知したタイミングを含む区間の撮影データには、検知したタイミングの画像、および検知したタイミングの前後所定時間の画像または映像、ログインしてからログアウトするまでの画像または映像のいずれかが含まれる。
【0091】
そして、利用者がログインし、収納部材21を抜き取ってその場を立ち去った後、ログインが継続していると、他の人により収納部材21が不正に抜き取られるおそれがあるが、収納部材21を不正に抜き取った他の人を撮影し、撮影データを履歴として残すことで、厳正な鍵20の管理ができる。
【0092】
また、収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶してもよい。この撮像データから得られる使用者の情報には、使用者の顔の特徴データを抽出する場合と、顔認証により予め使用者の顔データを登録したデータベースと照合して使用者がだれなのかを特定する場合とが含まれる。
【0093】
なお、撮影部27は、ログイン後に撮影を開始しているが、常に撮影していてもよい。この場合、常に撮影される撮影データを記憶し、収納部材21の抜き取りまたは返却がなれれば、記憶を消去してもよい。さらに、収納部材21の抜き取りまたは返却が検知されれば、その前後の画像や映像だけに編集して保存してもよい。
【0094】
あるいは、第1検知部24が収納部22から収納部材21が抜き取られたことを検知したことに応じて、撮影部27が撮影を実行し、撮影データを記憶するようにしてもよい。
【0095】
次に、鍵管理機11に鍵20を返却する返却処理について説明する。
【0096】
返却処理には、認証有の場合と、認証無の場合とがあり、いずれかに設定可能とする。
【0097】
まず、認証有の返却処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0098】
使用者が表示操作部14で返却を操作すると(ステップS11のYES)、使用者の認証処理を実行する(ステップS12)。認証処理は、例えば、撮影部27により使用者を撮影し、顔認証する。
【0099】
認証が成功すると(ステップS13のYES)、鍵管理機11にログインし(ステップS14)、鍵管理機11の使用が可能な状態となる。
【0100】
使用者は、鍵20の収納部材21を対応する収納部22に挿入して収納し、鍵20を返却する。
【0101】
認証が成功しなかった場合(ステップS13のNO)、その旨を報知部33で報知する(ステップS15)。
【0102】
そして、鍵管理機11では、収納部22に収納部材21が収納される際、撮影部27が撮影した撮影データを履歴として記憶部32に記憶する。履歴を記憶する際には、撮影部27が撮影した撮影データと、収納部22に収納部材21が収納されたことを検知する第2検知部25の検知履歴とを紐付けて記憶する。これにより、収納部材21を収納する使用者の履歴を残し、厳正な鍵20の管理ができる。
【0103】
例えば、鍵管理機11にログインした時点から撮影部27が撮影を開始し(ステップS16)、この撮影部27が撮影した撮影データのうち、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知すると(ステップS17)、その検知したタイミングを含む区間の撮影データを履歴として記憶する(ステップS18)。
【0104】
そして、使用者がログインした後、例えばログイン時点から所定時間後、または最後の操作から所定時間後に、自動的にログアウトする(ステップS19)。
【0105】
なお、検知したタイミングを含む区間の撮影データには、検知したタイミングの画像、および検知したタイミングの前後所定時間の画像または映像、ログインしてからログアウトするまでの画像または映像のいずれかが含まれる。
【0106】
そして、利用者がログインし、収納部材21を返却してその場を立ち去った後、ログインが継続していると、他の利用者の収納部材21が返却されるおそれがあるが、収納部材21を収納した他の利用者を撮影し、撮影データを履歴として残すことで、厳正な鍵20の管理ができる。
【0107】
また、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶してもよい。撮像データから得られる使用者の情報には、使用者の顔の特徴データを抽出する場合と、顔認証により予め使用者の顔データを登録したデータベースと照合して使用者がだれなのかを特定する場合とが含まれる。
【0108】
なお、撮影部27は、ログイン後に撮影を開始しているが、常に撮影していてもよい。この場合、常に撮影される撮影データを記憶し、収納部材21の抜き取りまたは返却がなければ、記憶を消去してもよい。さらに、収納部材21の抜き取りまたは返却が検知されれば、その前後の画像や映像だけに編集して保存してもよい。
【0109】
あるいは、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知したことに応じて、撮影部27が撮影を実行し、撮影データを記憶するようにしてもよい。
【0110】
続いて、認証無の返却処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0111】
鍵20の収納部材21を対応する収納部22に挿入して収納し、鍵20を返却する。なお、使用者が表示操作部14で返却を操作することにより、収納部材21を対応する収納部22に収納可能としてもよい。
【0112】
そして、鍵管理機11では、収納部22に収納部材21が収納される際、撮影部27が撮影した撮影データを記憶部32に記憶する。履歴を記憶する際には、撮影部27が撮影した撮影データと、収納部22に収納部材21が収納されたことを検知する第2検知部25の検知履歴とを紐付けて記憶する。これにより、収納部材21を収納する使用者の履歴を残し、厳正な鍵20の管理ができる。
【0113】
例えば、第2検知部25が収納部22に収納部材21が収納されたことを検知すると(ステップS21)、撮影部27が撮影を実行し(ステップS22)、撮影データを履歴として記憶する(ステップS23)。撮影データには、第2検知部25が検知したタイミングの画像、および第2検知部25が検知してからの所定時間の映像等が含まれる。
【0114】
また、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した撮像データから得られる使用者の情報を記憶してもよい。撮像データから得られる使用者の情報には、使用者の顔の特徴データを抽出する場合と、顔認証により予め使用者の顔データを登録したデータベースと照合して使用者がだれなのかを特定する場合とが含まれる。
【0115】
なお、撮影部27は、常に撮影しておき、第2検知部25が検知したタイミングの撮影データ、あるいは第2検知部25が検知したタイミングの前後所定時間の撮影データだけを履歴として記憶するようにしてもよい。
【0116】
そして、認証無の返却処理の場合、認証の手間を省くことができ、そのうえで厳正な鍵20の管理ができる。
【0117】
次に、収納部材21の抜き取り時または返却時の使用者の判定機能について説明する。
【0118】
まず、収納部材21の抜き取り時の使用者の判定機能について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0119】
収納部材21の抜き取り時に認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する(ステップS31)。
【0120】
この場合、認証結果から使用者を特定し、撮影データから顔認証により使用者を特定し、これら特定した使用者が同一人物であるか否かを判定してもよい。あるいは、認証結果から特定した使用者の顔画像の特徴データをデータベースから読み出し、撮影データからは使用者の顔画像の特徴データを抽出し、これら特徴データを比較して使用者が同一人物であるか否かを判定してもよい。
【0121】
そして、判定の結果、同一人物であると判定された場合(ステップS32のYES)、判定結果を含む履歴を記憶する(ステップS33)。
【0122】
また、判定の結果、同一人物でないと判定された場合(ステップS32のNO)、その旨を報知部33で報知する(ステップS34)。報知は、表示操作部14で表示したりスピーカで音や音声で発する他、管理者等に対してメール等で通知してもよい。この場合にも、判定結果を含む履歴を記憶する(ステップS33)。
【0123】
なお、収納部材21の抜き取りの際に認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において収納部材21が抜き取られる前に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定し、判定の結果、同一人物でないと判定された場合、収納部22の錠機構23を解錠せず、収納部材21を抜き取り不可としてもよい。
【0124】
さらに、撮影部27で使用者が撮影されない場合にも、収納部22の錠機構23を解錠せず、収納部22からの収納部材21を抜き取り不可としてもよい。
【0125】
このように、収納部材21の抜き取り時に、同一人物であるか否かを判定するため、認証してログインした使用者以外の人による収納部材21の抜き取り行為を履歴として残すことが可能となり、厳正な鍵20の管理ができる。
【0126】
続いて、収納部材21の返却時の使用者の判定機能について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0127】
収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した使用者と、当該収納部材21が収納部22に収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0128】
あるいは、収納部材21の抜き取りの際に認証された使用者と、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0129】
あるいは、収納部材21を収納する際に認証された使用者と、当該使用者の認証によりログインされている間において収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0130】
あるいは、設定部36にて設定された使用者と、収納部22に収納部材21が収納される際に撮影部27が撮影した使用者とが、同一人物であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0131】
そして、判定の結果、同一人物であると判定された場合(ステップS42のYES)、判定結果を含む履歴を記憶する(ステップS43)。
【0132】
また、判定の結果、同一人物でないと判定された場合(ステップS42のNO)、その旨を報知部33で報知する(ステップS44)。報知は、表示操作部14で表示したりスピーカで音や音声で発する他、管理者等に対してメール等で通知してもよい。
【0133】
この場合、収納部材21の返却の受け付けを不可とする。つまり、収納部材21が収納部22に物理的に返却されたとしても、制御部31では収納部材21は返却されていないものとする。
【0134】
ただし、同一人物でない理由を表示操作部14から入力された場合には、返却の受け付けを可能とする。
【0135】
同一人物でない場合は、鍵20を持ち出した管理者が使用した後、他の者に返却を依頼した場合等、鍵20を又貸した場合が含まれる。
【0136】
表示操作部14で、同一人物でない理由として例えば又貸しがあったことが入力されることにより(ステップS45のYES)、収納部材21の返却を受け付け(ステップS46)、判定結果や理由を含む履歴を記憶する(ステップS43)。なお、理由が入力されることにより、その旨を管理者等に対してメール等で通知してもよい。この通知には、抜き出した鍵20の番号、抜き出した使用者の名前、抜き出した時間、返却した使用者の名前、返却した時間等が含まれる。
【0137】
同一人物でない理由が入力されない場合には(ステップS45のNO)、収納部材21の返却の受け付けを不可とし、判定結果を含む履歴を記憶する(ステップS43)。
【0138】
また、収納部22から収納部材21が抜き取られる際に撮影部27が撮影した使用者と、収納部材21を収納する際に認証された使用者とが、同一人物であるか否かを判定し、判定の結果、同一人物でないと判定された場合、収納部22の錠機構23の一部を収納部22内に突出させるなどして、収納部材21の返却を受け付け不可としてもよい。
【0139】
この場合、同一人物でない理由が入力されることにより、収納部22の錠機構23の一部を収納部22内から退避させ、収納部材21の返却を可能とする。
【0140】
このように、収納部材21の返却時に、同一人物であるか否かを判定するため、収納部材21を抜き出した使用者または認証してログインした使用者以外の人による収納部材21の返却行為を履歴として残すことが可能となり、厳正な鍵20の管理ができる。
【0141】
次に、図8に第2の実施の形態を示す。
【0142】
図8に物品管理システム40を示す。物品管理システム40は、物品管理装置10である鍵管理機11と、撮影ユニット15と、制御装置41を備えた鍵管理システムである。これら鍵管理機11と、撮影ユニット15と、制御装置41とがネットワークを通じて通信可能に接続されている。
【0143】
物品管理システム40は、鍵管理機11と、撮影部27と、制御部31とが別体に構成されている以外は、第1の実施の形態で説明した制御部31等の機能を備え、同様の処理が可能となっている。
【0144】
そして、このような物品管理装置10(鍵管理機11)または物品管理システム40によれば、少なくとも収納部22に対して収納部材21が抜き取られる際または収納される際の撮影部27が撮影した撮影データを履歴として記憶部32に記憶するため、実際に鍵20を抜き取ったり返却した使用者の履歴を残すことが可能となり、鍵20の使用者の履歴を管理でき、これによって厳正な鍵20の管理ができる。
【0145】
なお、管理する物品としては、鍵20に限らず、カードや印鑑等でもよい。これらの物品の場合にも収納部材21と連結することで管理できる。
【0146】
また、鍵を使用する例えば貨幣処理装置や扉などの装置にも撮影部等を適用し、この装置で鍵が使用される際に撮影部で撮影した使用者と、この装置から鍵が抜き取られる際に撮影部で撮影した使用者とが同一人物であるか否かを判定してもよい。
【0147】
以上、本発明の実施の形態およびその変形例について説明したが、種々の構成の組み合わせ、一部の省略、置き換えおよび変更も可能である。
【符号の説明】
【0148】
10 物品管理装置
14 入力部である表示操作部
20 物品である鍵
21 収納部材
22 収納部
24 第1検知部
25 第2検知部
27 撮影部
31 制御部
32 第1ないし第4記憶部である記憶部
33 報知部
35 認証部
36 設定部
37 第1ないし第7判定部である判定部
40 物品管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8