(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】制御システム、サーバ、制御情報通知方法及び制御情報通知プログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
G05B19/05 L
(21)【出願番号】P 2020045310
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100199749
【氏名又は名称】中島 成
(74)【代理人】
【識別番号】100197767
【氏名又は名称】辻岡 将昭
(72)【発明者】
【氏名】西田 千穂
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-192208(JP,A)
【文献】特開2005-337518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04 -19/05
G05B 23/00 -23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コントローラと、第2コントローラと、前記第1コントローラ及び前記第2コントローラを管理するサーバとを備え、
前記サーバは、
前記第1コントローラから、当該第1コントローラによる機器の制御で用いられる計測値を含む運転情報を収集する運転情報収集部と、
前記運転情報収集部により収集された運転情報から、
店舗を示す抽出条件を満たす計測値を抽出する制御情報抽出部と、
前記制御情報抽出部により抽出された計測値を前記第2コントローラに通知する制御情報通知部とを備え、
前記第2コントローラは、
前記サーバから通知された計測値に基づいて、機器を運転させる運転部を備えた
ことを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記第1コントローラは複数設けられ、
前記サーバは、
前記第1コントローラが制御する機器に関する設備情報に基づいて、共有情報を生成する共有情報生成部と、
前記第2コントローラから共有情報の取得要求を受付けた場合に、前記共有情報生成部により生成された共有情報を当該第2コントローラに通知する共有情報通知部とを備え、
前記第2コントローラは、
共有情報の取得要求を前記サーバに通知する共有情報取得要求部と、
前記サーバから通知された共有情報を表示部に表示させる共有情報表示部と、
前記表示部に表示された共有情報に基づいてユーザにより選択された抽出条件を前記サーバに通知する抽出条件通知部とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の制御システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記第1コントローラ毎の共有可否を設定する共有可否設定部を備え、
前記共有情報生成部は、前記第1コントローラのうちの、前記共有可否設定部により設定された共有可否が共有可を示している第1コントローラが制御する機器に関する設備情報を用いて、共有情報を生成する
ことを特徴とする請求項2記載の制御システム。
【請求項4】
前記サーバは、
前記第1コントローラが制御する機器に関する設備情報及び前記第2コントローラが制御する機器に関する設備情報に基づいて、重み係数を算出する係数算出部を備え、
前記制御情報抽出部は、抽出した計測値に対して、前記係数算出部により算出された重み係数を付加し、
前記制御情報通知部は、前記制御情報抽出部により抽出された重み係数が付加された計測値を前記第2コントローラに通知する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちの何れか1項記載の制御システム。
【請求項5】
第1コントローラと、第2コントローラと、前記第1コントローラ及び前記第2コントローラを管理するサーバとを備え、
前記サーバは、
前記第1コントローラから、当該第1コントローラによる機器の制御で用いられる計測値を含む運転情報を収集する運転情報収集部と、
前記運転情報収集部により収集された運転情報を前記第2コントローラに通知する運転情報通知部とを備え、
前記第2コントローラは、
前記サーバから通知された運転情報から、
店舗を示す抽出条件を満たす計測値を抽出する制御情報抽出部と、
前記制御情報抽出部により抽出された計測値に基づいて、機器を運転させる運転部とを備えた
ことを特徴とする制御システム。
【請求項6】
第1コントローラから、当該第1コントローラによる機器の制御で用いられるパラメータの計測値を含む運転情報を収集する運転情報収集部と、
前記運転情報収集部により収集された運転情報から、
店舗を示す抽出条件を満たす計測値を抽出する制御情報抽出部と、
前記制御情報抽出部により抽出された計測値を第2コントローラに通知する制御情報通知部と
を備えたサーバ。
【請求項7】
運転情報収集部が、第1コントローラから、当該第1コントローラによる機器の制御で用いられるパラメータの計測値を含む運転情報を収集するステップと、
制御情報抽出部が、前記運転情報収集部により収集された運転情報から、
店舗を示す抽出条件を満たす計測値を抽出するステップと、
制御情報通知部が、前記制御情報抽出部により抽出された計測値を第2コントローラに通知するステップと
を有する制御情報通知方法。
【請求項8】
運転情報収集部が、第1コントローラから、当該第1コントローラによる機器の制御で用いられるパラメータの計測値を含む運転情報を収集するステップと、
制御情報抽出部が、前記運転情報収集部により収集された運転情報から、
店舗を示す抽出条件を満たす計測値を抽出するステップと、
制御情報通知部が、前記制御情報抽出部により抽出された計測値を第2コントローラに通知するステップと
をコンピュータに実行させるための制御情報通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム、サーバ、制御情報通知方法及び制御情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象とする物件に設置された機器でのエネルギー消費量を取得する複数のコントローラと、各コントローラから当該エネルギー消費量を収集するエネルギー監視装置とを備えたエネルギー監視システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、機器を制御する制御装置では、環境に応じた制御を行うため、外気温等のパラメータに基づいた制御を行っている。そのため、機器が設置された物件毎に上記パラメータを計測するセンサが必要であった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、物件毎にセンサを設けずに、物件に設置された機器の制御が可能となる制御システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る制御システムは、第1コントローラと、第2コントローラと、第1コントローラ及び第2コントローラを管理するサーバとを備え、サーバは、第1コントローラから、当該第1コントローラによる機器の制御で用いられる計測値を含む運転情報を収集する運転情報収集部と、運転情報収集部により収集された運転情報から、店舗を示す抽出条件を満たす計測値を抽出する制御情報抽出部と、制御情報抽出部により抽出された計測値を第2コントローラに通知する制御情報通知部とを備え、第2コントローラは、サーバから通知された計測値に基づいて、機器を運転させる運転部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、上記のように構成したので、物件毎にセンサを設けずに、物件に設置された機器の制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る制御システムの構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係るサーバの構成例を示す図である。
【
図3】実施の形態1に係るコントローラの構成例を示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る制御システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1に係る制御システムによる共有可否の設定動作例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る制御システムによる共有情報の生成動作例を示すフローチャートである。
【
図7】実施の形態1における共有情報生成部により生成された共有情報の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る制御システムによる抽出条件の設定動作例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1における選択情報表示部により表示される選択情報の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る制御システムで用いられる制御方法に関する抽出条件の一例を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る制御システムによるショーケースの運転動作例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1に係る制御システムによる運転情報の収集動作例を示すフローチャートである。
【
図13】実施の形態1に係る制御システムの具体的な動作例を示す図である。
【
図14】実施の形態1に係る制御システムの具体的な動作例を示す図である。
【
図15】実施の形態2に係るサーバの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る制御システムの構成例を示す図である。
制御システムは、複数の物件に設置された機器の運転に関する制御の管理及び設定を行う。以下では、物件がスーパーマーケット又はコンビニエンスストア等のチェーン店の店舗であり、機器がショーケースである場合を示す。この制御システムは、
図1に示すように、サーバ1、1つ以上のコントローラ(第1コントローラ)2a及び1つ以上のコントローラ(第2コントローラ)2bを備えている。
図1では、4つの店舗(A店~D店)が示され、A店~C店に対してそれぞれコントローラ2aが設けられ、D店に対してコントローラ2bが設けられている。また
図1では、A店に対してセンサ3が設けられている。
【0010】
なお、コントローラ2aは、ある制御方法及び計測値に基づいてショーケースを運転させ、当該制御方法及び当該計測値のうちの少なくとも一方を含む運転情報をサーバ1に通知する機能を有するコントローラを指す。また、コントローラ2bは、サーバ1から通知された制御情報(制御方法及び計測値のうちの少なくとも一方)に基づいてショーケースを運転させる機能を有するコントローラを指す。以下では、コントローラ2a及びコントローラ2bが、上記の両方の機能を有するコントローラ2である場合を示す。
【0011】
サーバ1は、コントローラ2(コントローラ2a及びコントローラ2b)を管理する。このサーバ1は、
図2に示すように、記憶部101、設備情報設定部102、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108を備えている。サーバ1としては、例えばクラウドサーバが挙げられる。
【0012】
記憶部101は、サーバ1で扱われる各種のデータを記憶する。
記憶部101としては、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0013】
また
図2では、記憶部101がサーバ1の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、記憶部101はサーバ1の外部に設けられていてもよい。
【0014】
設備情報設定部102は、コントローラ2毎に、コントローラ2が制御するショーケースに関する情報(設備情報)を設定する。設備情報としては、ショーケースの設備構成、ショーケースの配置(店舗のレイアウト)、及び、ショーケースが設置された店舗に関する情報等が挙げられる。店舗に関する情報としては、店舗の所在地、店舗に設置されたセンサ3の有無及びセンサ3の種別、並びに、売り場の面積等が挙げられる。なお、設備情報設定部102は、少なくともコントローラ2a毎の設備情報を設定すればよい。
【0015】
共有可否設定部103は、コントローラ2毎の共有可否を設定する。共有可否は、コントローラ2が制御するショーケースの運転情報及び設備情報に基づく情報を、共有情報として他のコントローラ2に開示可(共有可)とするか開示不可(共有不可)とするかを示す。共有可否設定部103は、コントローラ2毎の共有可否を、初期状態ではデフォルト(例えば共有不可)とし、コントローラ2からの通知を受けて変更するように構成されていてもよい。なお、共有可否設定部103は、少なくともコントローラ2a毎の共有可否を設定すればよい。
【0016】
運転情報収集部104は、所定のタイミングで、コントローラ2から運転情報を収集する。運転情報には、制御方法及び制御結果が含まれる。また、コントローラ2に後述する計測値取得部207が設けられている場合には、上記運転情報に、当該計測値取得部207により取得された計測値も含まれる。なお、運転情報収集部104は、計測値及び一部の制御方法(制御設定値の変更又は発停の変更等)については、リアルタイムに収集を行う。
【0017】
共有情報生成部105は、運転情報収集部104により収集された運転情報及び設備情報設定部102により設定された設備情報に基づいて、共有情報を生成する。共有情報は、コントローラ2を操作するユーザが抽出条件を選択する際に、特に抽出条件として店舗を選択する際に、参照する情報である。抽出条件は、サーバ1で制御情報(制御方法及び計測値のうちの少なくとも一方)を抽出する際に用いられる条件であり、制御方法に関する抽出条件及び計測値に関する抽出条件がある。
【0018】
なお、共有情報生成部105が用いる運転情報及び設備情報は、共有可否設定部103により設定された共有可否が共有可を示しているコントローラ2が制御するショーケースの運転情報及び設備情報である。共有情報には、各種制御による効果のランキング、コントローラ2毎の制御方法、又は店舗毎の設備情報等が含まれる。各種制御による効果のランキングは、運転情報収集部104により収集された運転情報に含まれる制御結果から生成可能である。また、コントローラ2毎の制御方法は、運転情報収集部104により収集された運転情報に含まれる制御方法から生成可能である。また、店舗毎の設備情報は、設備情報設定部102により設定された設備情報から生成可能である。
【0019】
共有情報通知部106は、コントローラ2から共有情報の取得要求を受付けた場合に、共有情報生成部105により生成された共有情報を、当該コントローラ2に通知する。
【0020】
制御情報抽出部107は、コントローラ2から受付けた制御方法に関する抽出条件に基づいて、運転情報収集部104により収集された運転情報から、当該抽出条件を満たす制御方法を抽出する。抽出条件としては、例えば制御の概要又は店舗が挙げられる。なお、抽出条件は、コントローラ2が制御するショーケース全体に対して1つ選択されてもよいし、複数のショーケースをグルーピングしたグループ(例えば売り場)毎に選択されてもよい。制御方法としては、スケジュール、制御設定値の変更又は発停の変更等が挙げられる。なお、制御情報抽出部107は、一部の制御方法(制御設定値の変更又は発停の変更等)については、リアルタイムに抽出を行う。
【0021】
また、制御情報抽出部107は、コントローラ2から受付けた計測値に関する抽出条件に基づいて、運転情報収集部104により収集された運転情報から、当該抽出条件を満たす計測値を抽出する。抽出条件としては、例えば店舗が挙げられる。計測値としては、温度、湿度、電力量又は人の有無等が挙げられる。なお、制御情報抽出部107は、計測値については、リアルタイムに抽出を行う。
【0022】
制御情報通知部108は、制御情報抽出部107により抽出された抽出条件を満たす制御情報(制御方法及び計測値のうちの少なくとも一方)を、当該抽出条件を通知したコントローラ2に通知する。
【0023】
コントローラ2は、対象となる店舗に設置されたショーケースを制御する。このコントローラ2は、
図3に示すように、記憶部201、選択情報表示部202、共有情報取得要求部203、共有情報表示部204、抽出条件通知部205、制御方法設定部206、計測値取得部207、運転部208、制御結果検出部209及び運転情報通知部210を備えている。
【0024】
記憶部201は、コントローラ2で扱われる各種のデータを記憶する。
記憶部201としては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等が該当する。
【0025】
また
図3では、記憶部201がコントローラ2の内部に設けられた場合を示している。しかしながら、これに限らず、記憶部201はコントローラ2の外部に設けられていてもよい。
【0026】
選択情報表示部202は、選択情報を表示部(不図示)に表示させる。選択情報は、ユーザが抽出条件を選択する際に、特に抽出条件として制御の概要を選択する際に、参照する情報である。なお、ユーザは、コントローラ2を直接操作するユーザでもよいし、コントローラ2を遠隔から間接的に操作するユーザでもよい。
【0027】
共有情報取得要求部203は、ユーザにより共有情報の取得要求が為された場合に、共有情報の取得要求をサーバ1に通知する。
【0028】
共有情報表示部204は、サーバ1から通知された共有情報を、表示部に表示させる。
【0029】
抽出条件通知部205は、選択情報表示部202により表示された選択情報及び共有情報表示部204により表示された共有情報のうちの少なくとも一方に基づいてユーザにより選択された抽出条件(制御方法に関する抽出条件及び計測値に関する抽出条件のうちの少なくとも一方)を、サーバ1に通知する。
【0030】
制御方法設定部206は、ショーケースに対する制御方法を設定する。ここで、抽出条件通知部205が制御方法に関する抽出条件をサーバ1に通知している場合には、制御方法設定部206は、サーバ1から通知された制御方法を、ショーケースに対する制御方法として設定する。一方、抽出条件通知部205が制御方法に関する抽出条件をサーバ1に通知していない場合には、制御方法設定部206は、ユーザ操作等に応じ、独自の制御方法を、ショーケースに対する制御方法として設定する。
【0031】
計測値取得部207は、センサ3により計測された計測値を取得する。センサ3は、店舗に設置され、コントローラ2によるショーケースの制御で用いられるパラメータを計測する。センサ3としては、温度を計測する温度センサ、湿度を計測する湿度センサ、電力量を計測する電力計センサ、又は人の有無を検出する人感センサ等が挙げられる。なお、計測値取得部207は、計測値をリアルタイムに取得する。また、センサ3が設けられていない場合には、コントローラ2に計測値取得部207は不要である。
【0032】
運転部208は、制御方法設定部206により設定された制御方法で、ショーケースを運転させる。ここで、抽出条件通知部205が計測値に関する抽出条件をサーバ1に通知している場合には、運転部208は、上記制御方法で、サーバ1から通知された計測値に基づいて、ショーケースを運転させる。一方、抽出条件通知部205が計測値に関する抽出条件をサーバ1に通知していない場合には、運転部208は、上記制御方法で、計測値取得部207により取得された計測値に基づいて、ショーケースを運転させる。なお、運転部208による計測値を用いたショーケースの連動制御については従来のショーケースに対する制御方法と同様である。例えば、計測値が外気温である場合、運転部208は、外気温が規定値より高い場合にはショーケースによる冷却を強め、外気温が規定値より低い場合にはショーケースによる冷却を弱める。
【0033】
制御結果検出部209は、運転部208によるショーケースの運転で得られた効果(制御結果)を検出する。制御結果は、例えば電力消費量である。
【0034】
運転情報通知部210は、運転情報をサーバ1に通知する。運転情報には、制御方法設定部206により設定された制御方法、及び、制御結果検出部209により検出された制御結果が含まれる。また、コントローラ2に計測値取得部207が設けられている場合には、上記運転情報に、当該計測値取得部207により取得された計測値も含まれる。なお、運転情報通知部210は、計測値及び一部の制御方法(制御設定値の変更又は発停の変更等)については、リアルタイムに通知を行う。
【0035】
なお、コントローラ2aは、サーバ1から通知された制御情報(制御方法及び計測値のうちの少なくとも一方)に基づいてショーケースを運転させる機能については必須ではなく、当該機能は有していなくてもよい。
また、コントローラ2bは、ある制御方法及び計測値に基づいてショーケースを運転させ、当該制御方法及び計測値のうちの少なくとも一方を含む運転情報をサーバ1に通知する機能については必須ではなく、当該機能は有していなくてもよい。
【0036】
次に、
図1~3に示す実施の形態1に係る制御システムの動作例について、
図4を参照しながら説明する。なお、設備情報設定部102は、コントローラ2毎の設備情報を既に設定しているものとする。
制御システムの動作例では、
図4に示すように、まず、制御システムは、共有可否を設定する(ステップST401)。
次いで、制御システムは、共有情報を生成する(ステップST402)。
次いで、制御システムは、抽出条件を設定する(ステップST403)。
次いで、制御システムは、ショーケースを運転させる(ステップST404)。
次いで、制御システムは、運転情報を収集する(ステップST405)。
【0037】
次に、ステップST401における共有可否の設定動作例について、
図5を参照しながら説明する。
ステップST401における共有可否の設定動作例では、
図5に示すように、サーバ1の共有可否設定部103は、コントローラ2毎の共有可否を設定する(ステップST501)。共有可否設定部103は、コントローラ2毎の共有可否を、初期状態ではデフォルト(例えば共有不可)とし、コントローラ2からの通知を受けて変更するように構成されていてもよい。この共有可否の設定により、情報共有を望まない店舗については共有不可とすることで情報を他の店舗に対して非公開とすることができる。
【0038】
次に、ステップST402における共有情報の生成動作例について、
図6を参照しながら説明する。
ステップST402における共有情報の生成動作例では、
図6に示すように、まず、サーバ1の共有情報生成部105は、運転情報収集部104により収集された運転情報及び設備情報設定部102により設定された設備情報から、共有可否設定部103により設定された共有可否が共有可を示しているコントローラ2が制御するショーケースの運転情報及び設備情報を抽出する(ステップST601)。
【0039】
次いで、共有情報生成部105は、抽出した運転情報及び設備情報に基づいて、共有情報を生成する(ステップST602)。
【0040】
図7では、共有情報生成部105により生成された共有情報の一例を示している。
図7に示す共有情報には、省エネ効果のランキングと、温度保持効果のランキングと、店舗毎の設備情報とが示されている。
図7に示す省エネ効果のランキングには、総合的なランキングと、冷凍売り場に対するランキングと、店舗毎の売り場別のランキングとが示されている。
図7に示す温度保持効果のランキングについても、
図7に示す省エネ効果のランキングと同様であり、
図7ではその図示を省略している。
図7に示す設備情報には、店舗毎のレイアウトと設備構成とが示されている。
【0041】
次に、ステップST403における抽出条件の設定動作例について、
図8を参照しながら説明する。以下では、ユーザが、制御方法に関する抽出条件及び計測値に関する抽出条件の両方を選択する場合を示す。なお、計測値に関する抽出条件の選択は、通常、店舗の運用前に実施される。また、制御方法に関する抽出条件の選択は、通常、店舗の運用前に実施されるが、当日の天候等の環境又は店舗の事情等に応じて制御方法を一時的に変更したい場合等にはその都度実施される。
ステップST403における抽出条件の設定動作例では、
図8に示すように、まず、コントローラ2の選択情報表示部202は、選択情報を表示部に表示させる(ステップST801)。
【0042】
図9では、制御方法に関する抽出条件を選択するための選択情報の一例を示している。
図9に示す選択情報には、選択番号(No.)、制御の目的及びメニューが示されている。
図9では、制御の目的として、「省エネ運転」及び「快適運転」が示されている。また
図9では、メニューとして、省エネ運転については「ひかえめ」及び「強め」が示され、快適運転については「あついとき」及び「さむいとき」が示されている。
そして、ユーザは、
図9に示す選択情報を参照し、1番~4番のうちの何れかの選択番号を選択することで、制御方法に関する抽出条件(制御の概要)を選択できる。
図9に示すような選択情報により、ユーザは、制御方法の詳細(制御設定値等)を意識することなく、制御方法を設定可能となる。すなわち、ユーザは、メンテナンス業者である必要はなく、制御方法の設定に対する知識の乏しい者(店舗従事者等)でもよく、容易に制御方法を設定可能となる。
【0043】
また
図9に示す選択情報では、ユーザが選択番号として5番を選択することで、共有情報の取得要求が選択可能となっている。以下、ユーザが5番を選択した場合について示す。
【0044】
この場合、コントローラ2の共有情報取得要求部203は、共有情報の取得要求をサーバ1に通知する(ステップST802)。
【0045】
次いで、サーバ1の共有情報通知部106は、共有情報生成部105により生成された共有情報を、上記取得要求を行ったコントローラ2に通知する(ステップST803)。
【0046】
次いで、コントローラ2の共有情報表示部204は、サーバ1から通知された共有情報を、表示部に表示させる(ステップST804)。これにより、例えば
図7に示す共有情報が表示部に表示される。そして、ユーザは、
図7に示す共有情報を参照し、所望の店舗を選択することで、制御方法に関する抽出条件を選択できる。
図7に示すような共有情報により、ユーザは、自店舗の設備構成等に応じて制御モデルとなる店舗を選択可能となり、当該店舗で用いられている制御方法を自店舗の制御方法として反映可能となる。この際、ユーザは、例えば、ランキングが上位である店舗、或いは、自店舗に対してレイアウトが似ている店舗又は売り場面積が似ている店舗を選択する。
【0047】
なお上記では、制御方法に関する抽出条件の選択方法の一例について説明したが、計測値に関する抽出条件の選択方法の一例についても上記と同様である。
図10では、ユーザにより選択された制御方法に関する抽出条件の一例を示している。
図10では、ユーザが抽出条件を売り場(グループ)単位で選択した場合を示している。
図10に示す抽出条件では、青果売り場に設置されたショーケースについてはC店の制御方法を流用し、冷凍売り場に設置されたショーケースについてはA店の制御方法を流用し、精肉売り場に設置されたショーケースについてはC店の制御方法を流用することが示されている。
【0048】
次いで、コントローラ2の抽出条件通知部205は、ユーザにより選択された抽出条件(制御方法に関する抽出条件及び計測値に関する抽出条件)をサーバ1に通知する(ステップST805)。
【0049】
次に、ステップST404におけるショーケースの運転動作例について、
図11を参照しながら説明する。
ステップST404におけるショーケースの運転動作例では、
図11に示すように、まず、サーバ1の制御情報抽出部107は、コントローラ2から受付けた制御方法に関する抽出条件に基づいて、運転情報収集部104により収集された運転情報から、当該抽出条件を満たす制御方法を抽出する(ステップST1101)。なお、制御情報抽出部107は、一部の制御方法(制御設定値の変更又は発停の変更等)については、リアルタイムに抽出を行う。
【0050】
また、制御情報抽出部107は、コントローラ2から受付けた計測値に関する抽出条件に基づいて、運転情報収集部104により収集された運転情報から、当該抽出条件を満たす計測値を抽出する(ステップST1102)。なお、制御情報抽出部107は、計測値については、リアルタイムに抽出を行う。
【0051】
次いで、サーバ1の制御情報通知部108は、制御情報抽出部107により抽出された制御情報(制御方法及び計測値)を、上記抽出条件を通知したコントローラ2に通知する(ステップST1103)。
【0052】
次いで、コントローラ2の制御方法設定部206は、サーバ1から通知された制御方法を、ショーケースに対する制御方法として設定する(ステップST1104)。なお、制御方法設定部206は、上記のようにして設定した制御方法を個別に別途変更することは可能である。
【0053】
次いで、コントローラ2の運転部208は、制御方法設定部206により設定された制御方法で、サーバ1から通知された計測値に基づいて、ショーケースを運転させる(ステップST1105)。これにより、このコントローラ2は、他店舗から流用した制御方法及び計測値を用いて、ショーケースを運転可能となる。
【0054】
次に、ステップST405における運転情報の収集動作例について、
図12を参照しながら説明する。ここでは、コントローラ2が対象とする店舗にセンサ3が設置されている場合について説明する。
ステップST405における運転情報の収集動作例では、
図12に示すように、まず、コントローラ2の計測値取得部207は、センサ3により計測された計測値を取得する(ステップST1201)。なお、計測値取得部207は、計測値をリアルタイムに取得する。
【0055】
また、コントローラ2の制御結果検出部209は、運転部208によるショーケースの運転で得られた効果(制御結果)を検出する(ステップST1202)。
【0056】
次いで、コントローラ2の運転情報通知部210は、運転情報をサーバ1に通知する(ステップST1203)。運転情報には、制御方法設定部206により設定された制御方法、制御結果検出部209により検出された制御結果、及び、計測値取得部207により取得された計測値が含まれている。なお、運転情報通知部210は、計測値及び一部の制御方法(制御設定値の変更又は発停の変更等)については、リアルタイムに通知を行う。
【0057】
次いで、サーバ1の運転情報収集部104は、コントローラ2から運転情報を収集する(ステップST1204)。
【0058】
次に、
図1~3に示す制御システムの具体的な動作例について説明する。
ここでは、
図13に示すように、D店に設置されたコントローラ2が他の店舗に設置されたコントローラ2で用いられている制御情報を流用する場合について説明する。
図13では、A店に、外気温を計測するセンサ3が設けられている。また
図13では、C店に設置されたコントローラ2において、制御方法としてシフト温度が設定されている。シフト温度は、省エネの時間帯のみ制御設定値からシフトさせる温度を指す。そして、サーバ1は、A店~D店に設置された各コントローラ2から運転情報を収集している。そして、サーバ1は、保持している設備情報及び収集した運転情報に基づいて、共有情報を生成している。このサーバ1により生成された共有情報は、D店に設置されたコントローラ2からの要求に応じて通知される。
【0059】
そして、
図13では、D店に設置されたコントローラ2に対し、ユーザは、制御方法に関する抽出条件としてC店を選択し、計測値に関する抽出条件としてA店を選択している。この場合、サーバ1は、運転情報からC店の制御方法及びA店の外気温を抽出して上記コントローラ2に通知する。そして、上記コントローラ2は、サーバ1から通知された制御方法及び外気温を流用してショーケースを運転させる。なお、例えば、C店に設置されたコントローラ2で制御設定値が変更された場合には、その情報がD店に設置されたコントローラ2に通知され、D店に設置されたコントローラ2でも制御設定値が変更される。
【0060】
図14では、D店に設置されたコントローラ2に対し、ユーザが、売り場単位で抽出条件を設定した場合を示している。
図14では、A店に、外気温を計測するセンサ3と、店舗内の温度及び湿度を計測するセンサ3とが設けられている。また
図14では、C店に設置されたコントローラ2において、制御方法としてシフト温度が設定されている。また
図14では、D店に、3つの売り場(精肉売り場、冷凍売り場及び青果売り場)が設けられている。そして、サーバ1は、A店~D店に設置された各コントローラ2から運転情報を収集している。そして、サーバ1は、保持している設備情報及び収集した運転情報に基づいて、共有情報を生成している。このサーバ1により生成された共有情報は、D店に設置されたコントローラ2からの要求に応じて通知される。
【0061】
そして、
図14では、D店に設置されたコントローラ2に対し、ユーザは、精肉売り場については制御方法に関する抽出条件としてC店を選択し、冷凍売り場については制御方法に関する抽出条件としてA店を選択している。なお、ユーザは、青果売り場については、制御方法に関する抽出条件を選択せず、独自の制御方法を採用している。また、ユーザは、計測値に関する抽出条件としてA店の外気温を選択している。この場合、サーバ1は、C店の精肉売り場の制御方法、A店の冷凍売り場の制御方法及びA店の外気温を上記コントローラ2に通知する。そして、上記コントローラ2は、サーバ1から通知された制御方法及び外気温を流用してショーケースを運転させる。
【0062】
通常、複数の売り場を有する店舗では、売り場毎に最適な制御方法が異なる。すなわち、省エネ性が求められる売り場、快適性が求められる売り場、又は、温度管理を徹底すべき売り場等、売り場によって最適な制御方法は異なる。そこで、
図14に示すように、ユーザが売り場単位で抽出条件を設定し、売り場毎に適した制御方法を流用することで、複数の店舗による制御方法を組合わせて最適な制御方法を設定可能となる。
【0063】
実施の形態1に係る制御システムでは、サーバ1が、コントローラ2(コントローラ2a)から収集した運転情報を、目的別のデータとして分類且つデータベース化して保持する。そして、コントローラ2(コントローラ2b)を操作するユーザが、当日又は当日以降での抽出条件を選択することで、サーバ1が、当該抽出条件に合致する制御情報を抽出し、コントローラ2(コントローラ2b)に通知する。そして、コントローラ2(コントローラ2b)は、通知された制御情報を用いて、ショーケースの運転を行う。これにより、実施の形態1に係る制御システムでは、チェーン店等の店舗において、各店舗の自主性に任せつつ、少なくとも一部の店舗について制御方法を共有することで、制御方法の通知を受けるコントローラ2についてはメンテナンス業者による制御方法の設定が不要となる。また、この制御システムでは、他店舗の制御方法を流用することで、例えば当日の環境又は店舗の事情等により制御方法を一時的に変更したい場合に、メンテナンス業者以外の者が容易に対応可能となる。また、この制御システムでは、少なくとも一部の店舗について計測値を流用することで、計測値の通知を受けるコントローラ2が対象とする店舗についてはセンサ3の設置が不要となる。
【0064】
なお、チェーン店のような店舗では、各店舗が似たような地域に似なようなレイアウトで構成されることが多い。また、店舗に設置されるショーケースも同一メーカのショーケースである場合が多い。そのため、上記各店舗のうちのある店舗での制御方法及び計測値を他の店舗で流用しても、当該他の店舗でも流用元である店舗と同等の効果が得られるものと予想される。
【0065】
なお上記では、コントローラ2を操作するユーザが、選択情報及び共有情報のうちの少なくとも一方を参照し、抽出条件を選択する場合を示した。しかしながら、これに限らず、例えば、サーバ1は、共有情報に基づいて店舗間の類似度(売り場の面積比の類似度、レイアウトの類似度又は地理関係の類似度等)等から、上記コントローラ2に対する抽出条件の候補を選択して当該コントローラ2に通知してもよい。そして、上記コントローラ2を操作するユーザは、サーバ1から通知された抽出条件の候補の中から所望の抽出条件を選択してもよい。
【0066】
また上記では、制御情報抽出部107が、抽出条件を満たす制御情報を1つ抽出する場合を示した。しかしながら、これに限らず、制御情報抽出部107は、抽出条件を満たす制御情報を複数抽出してもよい。この場合、例えば、制御情報が計測値又は制御設定値等のような数値である場合には、制御情報抽出部107は、抽出した複数の制御情報を平均化し、制御情報通知部108は、当該平均化後の制御情報をコントローラ2に通知してもよい。
【0067】
また上記では、コントローラ2(コントローラ2b)が、サーバ1から通知された制御方法を用いて、ショーケースを運転させる場合を示した。しかしながら、これに限らず、上記コントローラ2は、独自の制御方法で、ショーケースを運転させてもよい。すなわち、実施の形態1に係る制御システムでは、制御方法の流用は必須ではない。
【0068】
また上記では、機器がショーケースである場合を示した。しかしながら、これに限らず、機器は例えば空調機器又は照明機器でもよい。
また上記では、物件が店舗である場合を示した。しかしながら、これに限らず、物件は例えばマンションでもよい。
【0069】
以上のように、この実施の形態1によれば、制御システムは、コントローラ2aと、コントローラ2bと、コントローラ2a及びコントローラ2bを管理するサーバ1とを備え、サーバ1は、コントローラ2aから、当該コントローラ2aによる機器の制御で用いられる計測値を含む運転情報を収集する運転情報収集部104と、運転情報収集部104により収集された運転情報から、抽出条件を満たす計測値を抽出する制御情報抽出部107と、制御情報抽出部107により抽出された計測値をコントローラ2bに通知する制御情報通知部108とを備え、コントローラ2bは、サーバ1から通知された計測値に基づいて、機器を運転させる運転部208を備えた。これにより、実施の形態1に係る制御システムは、物件毎にセンサ3を設けずに、物件に設置された機器の制御が可能となる。
【0070】
実施の形態2.
実施の形態1に係る制御システムでは、制御情報抽出部107が抽出条件を満たす制御情報を抽出し、制御情報通知部108が当該制御情報をそのままコントローラ2に通知する場合を示した。これに対し、実施の形態2に係る制御システムでは、上記制御情報に対して重み係数を付加する場合について示す。
図15は実施の形態2に係るサーバ1の構成例を示す図である。
図15に示す実施の形態2に係るサーバ1では、
図2に示す実施の形態1に係るサーバ1に対し、係数算出部109を追加している。その他の構成は同様であり、異なる部分についてのみ説明を行う。以下では、機器がショーケースである場合を示すが、これに限らない。
【0071】
係数算出部109は、コントローラ2(コントローラ2a及びコントローラ2b)が制御するショーケースに関する設備情報に基づいて、制御情報に対する重み係数を算出する。この際、係数算出部109は、設備情報から店舗間の類似度(売り場の面積比の類似度、レイアウトの類似度又は地理関係の類似度等)等を算出し、重み係数を算出する。
【0072】
実施の形態2における制御情報抽出部107は、抽出した制御情報に対して、係数算出部109により算出された重み係数を付加する。例えば、制御情報が計測値又は制御設定値等のような数値である場合には、制御情報抽出部107は、抽出した制御情報に対して上記重み係数を乗算する。
実施の形態2における制御情報通知部108は、制御情報抽出部107により抽出されて重み係数が付加された制御情報をコントローラ2に通知する。
【0073】
なお上記では、係数算出部109が制御情報に対する重み係数を算出する場合を示した。しかしながら、これに限らず、サーバ1は、係数算出部109は有せず、ユーザ操作等により入力された重み係数を用いてもよい。また、重み係数は固定値である必要はなく適宜変更可能である。
【0074】
なお、実施の形態1,2に係る制御システムでは、制御情報抽出部107がサーバ1に設けられた場合を示した。しかしながら、これに限らず、制御情報抽出部107に相当する機能は、サーバ1ではなく、コントローラ2bに設けられていてもよく、上記と同様の効果が得られる。
この場合、サーバ1に設けられている制御情報通知部108は、運転情報収集部104により収集された運転情報をコントローラ2bに通知する運転情報通知部に変更される。また、コントローラ2bには、サーバ1(運転情報通知部)から通知された運転情報から、抽出条件を満たす制御情報(制御方法及び計測値のうちの少なくとも一方)を抽出する制御情報抽出部が設けられる。また、制御方法設定部206は、ユーザにより制御方法に関する抽出条件が選択されている場合に、上記制御情報抽出部により抽出された制御方法を、ショーケースに対する制御方法として設定する。また、運転部208は、ユーザにより計測値に関する抽出条件が選択されている場合に、制御方法設定部206により設定された制御方法で、上記制御情報抽出部により抽出された計測値に基づいて、ショーケースを運転させる。なおこの場合、抽出条件通知部205は不要となる。
【0075】
最後に、
図16を参照して、実施の形態1,2に係る制御システムのハードウェア構成例を説明する。以下では、実施の形態1に係るサーバ1のハードウェア構成例について説明するが、実施の形態1に係るコントローラ2並びに実施の形態2に係るサーバ1及びコントローラ2についても同様である。
サーバ1における設備情報設定部102、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108の各機能は、処理回路501により実現される。処理回路501は、
図16Aに示すように、専用のハードウェアであってもよいし、
図16Bに示すように、メモリ503に格納されるプログラムを実行するCPU502(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)ともいう)であってもよい。
【0076】
処理回路501が専用のハードウェアである場合、処理回路501は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。設備情報設定部102、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108の各部の機能それぞれを処理回路501で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路501で実現してもよい。
【0077】
処理回路501がCPU502の場合、設備情報設定部102、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ503に格納される。処理回路501は、メモリ503に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、サーバ1は、処理回路501により実行されるときに、例えば
図4に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ503を備える。また、これらのプログラムは、設備情報設定部102、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ503としては、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD等が該当する。
【0078】
なお、設備情報設定部102、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、設備情報設定部102については専用のハードウェアとしての処理回路501でその機能を実現し、共有可否設定部103、運転情報収集部104、共有情報生成部105、共有情報通知部106、制御情報抽出部107及び制御情報通知部108については処理回路501がメモリ503に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0079】
このように、処理回路501は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0080】
なお、各実施の形態の自由な組合わせ、或いは各実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 サーバ、2 コントローラ、3 センサ、101 記憶部、102 設備情報設定部、103 共有可否設定部、104 運転情報収集部、105 共有情報生成部、106 共有情報通知部、107 制御情報抽出部、108 制御情報通知部、109 係数算出部、201 記憶部、202 選択情報表示部、203 共有情報取得要求部、204 共有情報表示部、205 抽出条件通知部、206 制御方法設定部、207 計測値取得部、208 運転部、209 制御結果検出部、210 運転情報通知部、501 処理回路、502 CPU、503 メモリ。