(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】組成物及びそれを含む有機発光素子
(51)【国際特許分類】
H10K 85/30 20230101AFI20231127BHJP
H10K 85/60 20230101ALI20231127BHJP
H10K 50/12 20230101ALI20231127BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20231127BHJP
H10K 101/10 20230101ALN20231127BHJP
【FI】
H10K85/30
H10K85/60
H10K50/12
C09K11/06 660
H10K101:10
(21)【出願番号】P 2020055729
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】10-2019-0037214
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0136949
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 芳 リン
(72)【発明者】
【氏名】金 昭 延
(72)【発明者】
【氏名】李 智 娟
(72)【発明者】
【氏名】崔 鐘 元
(72)【発明者】
【氏名】クラフチュク, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】金 象 同
(72)【発明者】
【氏名】荒谷 介和
(72)【発明者】
【氏名】ゾ 勇 碩
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-154614(JP,A)
【文献】特開2014-127687(JP,A)
【文献】特開2009-114137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0235123(US,A1)
【文献】特開2014-143405(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 85/30
H10K 85/60
H10K 50/00 - 50/88
C09K 11/06
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1化合物及び第2化合物を含む組成物であって、
前記第1化合物は、下記化学式1で表される化合物を含み、
前記第2化合物は、下記化学式2で表される化合物を含むことを特徴とする組成物。
【化1】
【化2】
前記化学式1で、Y
2は、Cであり、
前記化学式1で、環CY
12は、C
5-C
60炭素環基又はC
1-C
60ヘテロ環基であり、
前記化学式2で、Ar
1は、少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
前記化学式2で、Ar
2は、少なくとも1つのR
62で置換若しくは非置換のπ電子欠乏性含窒素C
1-C
60環式基であり、
前記化学式2で、Ar
5は、単一結合であるか、少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であるか、或いは存在せず、
前記化学式2で、nは、1、2、又は3であり、nが1である場合、Ar
5は、存在せず、
前記化学式2で、a1及びa2は、互いに独立して、0~5の整数であるが、a1とa2との和は、1以上であり、
前記化学式2で、環CY
2及び環CY
3は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基又はC
1-C
60ヘテロ環基であり、環CY
2及び環CY
3は、選択的に、少なくとも1つのR
66で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
66で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を挟んで互いに結合され、
前記化学式1及び2で、R
1乃至R
8、A
20、A
1乃至A
7、R
20、R
30、R
61、R
62、R
65、及びR
66は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-SF
5、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、置換若しくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換若しくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換若しくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換若しくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換若しくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q
1)(Q
2)、-Si(Q
3)(Q
4)(Q
5)、-Ge(Q
3)(Q
4)(Q
5)、-B(Q
6)(Q
7)、-P(=O)(Q
8)(Q
9)、又は-P(Q
8)(Q
9)であり、
前記化学式2で、b2及びb3は、互いに独立して、0~20の整数であり、b2が2以上である場合、2以上のR
20は、互いに同一であるか又は異なり、b3が2以上である場合、2以上のR
30は、互いに同一であるか又は異なり、
前記化学式1で、d2は、0~10の整数であり、d2が2以上である場合、2以上のA
20は、互いに同一であるか又は異なり、
前記化学式1で、R
1乃至R
8、及びA
20のうちの少なくとも一つは、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含み、
前記化学式1で、R
1乃至R
8、及びA
20のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を形成し、
前記化学式1で、A
1乃至A
7のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を形成し、
前記化学式2で、環CY
2、環CY
3、R
20、及びR
30のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を形成し、
前記R
1aに関する説明は、前記A
7に関する説明を参照し、
前記置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
1-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD
3、-CD
2H、-CDH
2、-CF
3、-CF
2H、-CFH
2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、又はC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD
3、-CD
2H、-CDH
2、-CF
3、-CF
2H、-CFH
2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q
11)(Q
12)、-Si(Q
13)(Q
14)(Q
15)、-Ge(Q
13)(Q
14)(Q
15)、-B(Q
16)(Q
17)、-P(=O)(Q
18)(Q
19)、-P(Q
18)(Q
19)、又はその任意の組み合わせで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、又はC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD
3、-CD
2H、-CDH
2、-CF
3、-CF
2H、-CFH
2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q
21)(Q
22)、-Si(Q
23)(Q
24)(Q
25)、-Ge(Q
23)(Q
24)(Q
25)、-B(Q
26)(Q
27)、-P(=O)(Q
28)(Q
29)、-P(Q
28)(Q
29)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
-N(Q
31)(Q
32)、-Si(Q
33)(Q
34)(Q
35)、-Ge(Q
33)(Q
34)(Q
35)、-B(Q
36)(Q
37)、-P(=O)(Q
38)(Q
39)、又は-P(Q
38)(Q
39);或いは
その任意の組み合わせ;であり、
前記Q
1乃至Q
9、Q
11乃至Q
19、Q
21乃至Q
29、及びQ
31乃至Q
39は、それぞれ独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミジノ基;ヒドラジン基;ヒドラゾン基;カルボン酸基又はその塩;スルホン酸基又はその塩;リン酸基又はその塩;重水素、C
1-C
60アルキル基、C
6-C
60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;C
3-C
10シクロアルキル基;C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基;C
3-C
10シクロアルケニル基;C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基;重水素、C
1-C
60アルキル基、C
6-C
60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC
6-C
60アリール基;C
6-C
60アリールオキシ基;C
6-C
60アリールチオ基;C
1-C
60ヘテロアリール基;一価非芳香族縮合多環基;又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;である。
【請求項2】
前記化学式1で、環CY
12は、ベンゼン基、ナフタレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、シクロペンタジエン基、シロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、インドール基、インデン基、ベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、カルバゾール基、フルオレン基、又はジベンゾシロール基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記化学式1で、R
1乃至R
8、及びA
1乃至A
7は、それぞれ独立して、
水素、重水素、又は-F;
重水素、-F、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、又はフェニル基;或いは
-Si(Q
3)(Q
4)(Q
5)又は-Ge(Q
3)(Q
4)(Q
5);であり、
前記化学式1で、A
20は、
水素又は重水素;
重水素、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、又はフェニル基;或いは
-Si(Q
3)(Q
4)(Q
5)又は-Ge(Q
3)(Q
4)(Q
5);であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記化学式1で、R
1乃至R
8のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、
フルオロ基(-F);或いは
重水素、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フッ化C
1-C
20アルキル基、フッ化C
3-C
10シクロアルキル基、フッ化C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、又はフッ化フェニル基;であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記化学式1で、A
1乃至A
6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC
2-C
60アルキル基、置換若しくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記化学式1で、A
1乃至A
6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換若しくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記化学式1で、
【化1-1】
で表される基は、下記化学式CY1~CY108のうちの一つで表される基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化CY1-CY24】
【化CY25-CY48】
【化CY49-CY72】
【化CY73-CY92】
【化CY93-CY108】
前記化学式CY1~CY108で、
T
2乃至T
8は、それぞれ独立して、
フルオロ基(-F);或いは
重水素、C
1-C
20アルキル基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フッ化C
1-C
20アルキル基、フッ化C
3-C
10シクロアルキル基、フッ化C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、又はフッ化フェニル基;であり、
R
2乃至R
8、及びR
1aに関する説明は、それぞれ請求項1に記載された箇所を参照するが、R
2乃至R
8は、水素ではなく、
*は、前記化学式1で、Irとの結合サイトであり、
*”は、前記化学式1で、隣接原子との結合サイトである。
【請求項8】
前記化学式1で、
【化1-2】
で表される基は、下記化学式A(1)~A(7)のうちの一つで表される基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化A(1)-A(7)】
前記化学式A(1)~A(7)で、
Y
2は、Cであり、
X
21は、O、S、N(R
25)、C(R
25)(R
26)、又はSi(R
25)(R
26)であり、
R
9乃至R
12、及びR
21乃至R
26に関する説明は、それぞれ請求項1において、A
20に関する説明を参照し、
*’は、前記化学式1で、Irとの結合サイトであり、
*”は、前記化学式1で、隣接原子との結合サイトである。
【請求項9】
前記第1化合物は、下記化合物1~53のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化1-24】
【化25-53】
【請求項10】
前記化学式2で、Ar
1は、i)少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換の第1環、ii)少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換の第2環、iii)少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換の2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、iv)少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換の2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはv)少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換の、1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環に由来する基であり、
前記化学式2で、Ar
2は、i)少なくとも1つのR
62で置換若しくは非置換の第1環、ii)少なくとも1つのR
62で置換若しくは非置換の2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、或いはiii)少なくとも1つのR
62で置換若しくは非置換の、1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環に由来する基であり、
前記化学式2で、Ar
5は、単一結合であるか、i)少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換の第1環、ii)少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換の第2環、iii)少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換の2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、iv)少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換の2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはv)少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換の、1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環に由来する基であるか、或いは存在せず、
前記化学式2で、環CY
2及び環CY
3は、互いに独立して、i)第1環、ii)第2環、iii)2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、iv)2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはv)1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環であり、
前記第1環は、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、又はチアジアゾール基であり、
前記第2環は、ベンゼン基、シクロペンタジエン基、ピロール基、フラン基、チオフェン基、又はシロール基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記化学式2で、Ar
2は、少なくとも1つのR
62で置換若しくは非置換の、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、インダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、シンノリン基、フェナントリジン基、アクリジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、ベンゾイミダゾール基、イソベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソベンゾオキサゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、チアジアゾール基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾシロール基、又はピリドピラジン基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記化学式2で、a2は、1又は2であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記第2化合物は、下記化学式2(1)で表される化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化2(1)】
前記化学式2(1)で、
Ar
5は、単一結合、少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
Ar
1、Ar
2、Ar
5、a1、a2、環CY
2、環CY
3、R
20、R
30、b2、及びb3に関する説明は、それぞれ請求項1に記載された箇所を参照し、
Ar
3及びAr
4に関する説明は、それぞれ請求項1において、Ar
1に関する説明を参照し、
a3、a4、環CY
4、環CY
5、R
40、R
50、b4、及びb5に関する説明は、それぞれ請求項1において、a1、a2、環CY
2、環CY
3、R
20、R
30、b2、及びb3に関する説明を参照する。
【請求項14】
前記化学式2で、
【化2-1】
で表される基は、下記化学式2-1~2-93のうちの一つで表される基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化(2-1)-(2-15)】
【化(2-16)-(2-36)】
【化(2-37)-(2-56)】
【化(2-57)-(2-73)】
【化(2-74)-(2-93)】
前記化学式2-1~2-93で、
X
1は、O、S、N(R
31)、C(R
31)(R
32)、又はSi(R
31)(R
32)であり、
X
2は、O、S、N(R
33)、C(R
33)(R
34)、又はSi(R
33)(R
34)であり、
R
31乃至R
34に関する説明は、それぞれ請求項1において、R
30に関する説明を参照し、
*は、前記化学式2で、Ar
1又はAr
2との結合サイトである。
【請求項15】
前記化学式2で、Ar2は、下記化学式5-1~5-31のうちの一つで表される基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化(5-1)-(5-31)】
前記化学式5-1~5-31で、
R
62に関する説明は、請求項1に記載された箇所を参照し、
c2は、0~2の整数であり、
c3は、0~3の整数であり、
c4は、0~4の整数であり、
c5は、0~5の整数であり、
c7は、0~7の整数であり、
*は、前記化学式2で、Ar
1又はNとの結合サイトである。
【請求項16】
前記第2化合物は、下記化合物H1~H90のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【化H1-H30】
【化H31-H60】
【化H61-H90】
【請求項17】
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に配置されて発光層を含む有機層と、を有し、
前記有機層は、請求項1乃至16のうちのいずれか1項に記載の組成物を1種以上含むことを特徴とする有機発光素子。
【請求項18】
前記第1電極は、アノードであり、
前記第2電極は、カソードであり、
前記有機層は、前記第1電極と前記発光層との間に配置された正孔輸送領域、及び前記発光層と前記第2電極との間に配置された電子輸送領域を更に含み、
前記正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、バッファ層、又はその任意の組み合わせを含み、
前記電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又はその任意の組み合わせを含むことを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記組成物は、前記発光層に含まれることを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【請求項20】
前記発光層は、赤色光を放出することを特徴とする請求項17に記載の有機発光素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物及びそれを含む有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子(organic light emitting device)は、自発光型素子であり、視野角、応答時間、輝度、駆動電圧及び応答速度などの特性に優れ、多色化が可能である。
【0003】
一例によると、有機発光素子は、アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間に配置されて発光層を含む有機層を有する。アノードと発光層との間には正孔輸送領域が具備され、発光層とカソードとの間には電子輸送領域が具備される。アノードから注入された正孔は正孔輸送領域を経由して発光層に移動し、カソードから注入された電子は電子輸送領域を経由して発光層に移動する。正孔及び電子は、発光層領域で再結合して励起子(exciton)を生成する。励起子が励起状態から基底状態に変わりながら光が生成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、新規の組成物及びそれを含む有機発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による組成物は、
第1化合物及び第2化合物を含み、
前記第1化合物は、下記化学式1で表される化合物を含み、
前記第2化合物は、下記化学式2で表される化合物を含む。
【化1】
【化2】
前記化学式1で、Y
2は、Cであり、
前記化学式1で、環CY
12は、C
5-C
60炭素環基又はC
1-C
60ヘテロ環基であり、
前記化学式2で、Ar
1は、少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
61で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であり、
前記化学式2で、Ar
2は、少なくとも1つのR
62で置換若しくは非置換のπ電子欠乏性含窒素C
1-C
60環式基であり、
前記化学式2で、Ar
5は、単一結合であるか、少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
65で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基であるか、或いは存在せず、
前記化学式2で、nは、1、2、又は3であり、nが1である場合、Ar
5は、存在せず、
前記化学式2で、a1及びa2は、互いに独立して、0~5の整数であるが、a1とa2との和は、1以上であり、
前記化学式2で、環CY
2及び環CY
3は、互いに独立して、C
5-C
60炭素環基又はC
1-C
60ヘテロ環基であり、環CY
2及び環CY
3は、選択的に、少なくとも1つのR
66で置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
66で置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を挟んで互いに結合され、
前記化学式1及び2で、R
1乃至R
8、A
20、A
1乃至A
7、R
20、R
30、R
61、R
62、R
65、及びR
66は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-SF
5、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、置換若しくは非置換のC
1-C
60アルキル基、置換若しくは非置換のC
2-C
60アルケニル基、置換若しくは非置換のC
2-C
60アルキニル基、置換若しくは非置換のC
1-C
60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC
3-C
10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC
3-C
10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC
6-C
60アリール基、置換若しくは非置換のC
6-C
60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC
6-C
60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q
1)(Q
2)、-Si(Q
3)(Q
4)(Q
5)、-Ge(Q
3)(Q
4)(Q
5)、-B(Q
6)(Q
7)、-P(=O)(Q
8)(Q
9)、又は-P(Q8)(Q9)であり、
前記化学式2で、b2及びb3は、互いに独立して、0~20の整数であり、b2が2以上である場合、2以上のR
20は、互いに同一であるか又は異なり、b3が2以上である場合、2以上のR
30は、互いに同一であるか又は異なり、
前記化学式1で、d2は、0~10の整数であり、d2が2以上である場合、2以上のA
20は、互いに同一であるか又は異なり、
前記化学式1で、R
1乃至R
8、及びA
20のうちの少なくとも一つは、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含み、
前記化学式1で、R
1乃至R
8、及びA
20のうちの2以上は、選択的に(optionally)、互いに結合し、少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を形成し、
前記化学式1で、A
1乃至A
7のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を形成し、
前記化学式2で、環CY
2、環CY
3、R
20、及びR
30のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
5-C
60炭素環基、又は少なくとも1つのR
1aで置換若しくは非置換のC
1-C
60ヘテロ環基を形成し、
前記R
1aに関する説明は、前記A
7に関する説明を参照し、
前記置換されたC
1-C
60アルキル基、置換されたC
2-C
60アルケニル基、置換されたC
2-C
60アルキニル基、置換されたC
1-C
60アルコキシ基、置換されたC
3-C
10シクロアルキル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC
3-C
10シクロアルケニル基、置換されたC
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC
6-C
60アリール基、置換されたC
6-C
60アリールオキシ基、置換されたC
6-C
60アリールチオ基、置換されたC
1-C
60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD
3、-CD
2H、-CDH
2、-CF
3、-CF
2H、-CFH
2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、又はC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD
3、-CD
2H、-CDH
2、-CF
3、-CF
2H、-CFH
2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q
11)(Q
12)、-Si(Q
13)(Q
14)(Q
15)、-Ge(Q
13)(Q
14)(Q
15)、-B(Q
16)(Q
17)、-P(=O)(Q
18)(Q
19)、-P(Q
18)(Q
19)、又はその任意の組み合わせで置換された、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、又はC
1-C
60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD
3、-CD
2H、-CDH
2、-CF
3、-CF
2H、-CFH
2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C
1-C
60アルキル基、C
2-C
60アルケニル基、C
2-C
60アルキニル基、C
1-C
60アルコキシ基、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q
21)(Q
22)、-Si(Q
23)(Q
24)(Q
25)、-Ge(Q
23)(Q
24)(Q
25)、-B(Q
26)(Q
27)、-P(=O)(Q
28)(Q
29)、-P(Q
28)(Q
29)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C
3-C
10シクロアルキル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基、C
3-C
10シクロアルケニル基、C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基、C
6-C
60アリール基、C
6-C
60アリールオキシ基、C
6-C
60アリールチオ基、C
1-C
60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
-N(Q
31)(Q
32)、-Si(Q
33)(Q
34)(Q
35)、-Ge(Q
33)(Q
34)(Q
35)、-B(Q
36)(Q
37)、-P(=O)(Q
38)(Q
39)、又は-P(Q
38)(Q
39);或いは
その任意の組み合わせ;であり、
前記Q
1乃至Q
9、Q
11乃至Q
19、Q
21乃至Q
29、及びQ
31乃至Q
39は、それぞれ独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミジノ基;ヒドラジン基;ヒドラゾン基;カルボン酸基又はその塩;スルホン酸基又はその塩;リン酸基又はその塩;重水素、C
1-C
60アルキル基、C
6-C
60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC
1-C
60アルキル基;C
2-C
60アルケニル基;C
2-C
60アルキニル基;C
1-C
60アルコキシ基;C
3-C
10シクロアルキル基;C
1-C
10ヘテロシクロアルキル基;C
3-C
10シクロアルケニル基;C
1-C
10ヘテロシクロアルケニル基;重水素、C
1-C
60アルキル基、C
6-C
60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC
6-C
60アリール基;C
6-C
60アリールオキシ基;C
6-C
60アリールチオ基;C
1-C
60ヘテロアリール基;一価非芳香族縮合多環基;又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;である。
【0007】
一態様による有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置されて発光層を含む有機層と、を有し、前記有機層は、前記第1化合物及び第2化合物を含む組成物を含む。
前記組成物は、有機層において、発光層に含まれ、発光層に含まれる第1化合物は、ドーパントの役割を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明の組成物は、優秀な電気的特性及び安定性を有し、本発明の組成物を採用した電子素子、例えば有機発光素子は、向上した外部量子効率及び向上した寿命特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一具現例による有機発光素子を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の組成物は、第1化合物及び第2化合物を含み、第1化合物は下記化学式1で表される化合物を含み、第2化合物は下記化学式2で表される化合物を含む。
【0011】
【0012】
【0013】
第1化合物は、上記化学式1で表される化合物に属する1種の化合物のみを含むか、或いは上記化学式1で表される化合物に属する互いに異なる2種以上の化合物を含む。
【0014】
第2化合物は、上記化学式2で表される化合物に属する1種の化合物のみを含むか、或いは上記化学式2で表される化合物に属する互いに異なる2種以上の化合物を含む。
【0015】
≪化学式1に関する説明≫
【0016】
上記化学式1で、Y2は、Cである。
【0017】
上記化学式1で、環CY12は、C5-C60炭素環基又はC1-C60ヘテロ環基である。
【0018】
例えば、上記化学式1で、環CY12は、i)第3環、ii)第4環、iii)2以上の第3環が互いに縮合された縮合環、iv)2以上の第4環が互いに縮合された縮合環、或いはv)1以上の第3環と1以上の第4環とが互いに縮合された縮合環であり、
第3環は、シクロペンタン基、シクロペンタジエン基、フラン基、チオフェン基、ピロール基、シロール基、インデン基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、インドール基、ベンゾシロール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、オキサジアゾール基、イソオキサジアゾール基、オキサトリアゾール基、イソオキサトリアゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、チアジアゾール基、イソチアジアゾール基、チアトリアゾール基、イソチアトリアゾール基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、アザシロール基、ジアザシロール基、又はトリアザシロール基であり、
第4環は、アダマンタン基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン基(ノルボルナン基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、シクロヘキサン基、シクロヘキセン基、ベンゼン基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、又はトリアジン基である。
【0019】
一具現例によると、上記化学式1で、環CY12は、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘキセン基、ベンゼン基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、シクロペンタジエン基、シロール基、ボロール基、ホスホール基、セレノフェン基、ゲルモール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、インドール基、インデン基、ベンゾシロール基、ベンゾボロール基、ベンゾホスホール基、ベンゾセレノフェン基、ベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、カルバゾール基、フルオレン基、ジベンゾシロール基、ジベンゾボロール基、ジベンゾホスホール基、ジベンゾセレノフェン基、ジベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン5-オキシド基、9H-フルオレン-9-オン基、ジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、アザベンゾチオフェン基、アザベンゾフラン基、アザインドール基、アザインデン基、アザベンゾシロール基、アザベンゾボロール基、アザベンゾホスホール基、アザベンゾセレノフェン基、アザベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾボロール基、アザジベンゾホスホール基、アザジベンゾセレノフェン基、アザジベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン5-オキシド基、アザ-9H-フルオレン-9-オン基、アザジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、キノキサリン基、キナゾリン基、フェナントロリン基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾル基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアジアゾール基、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン基、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン基、アダマンタン基、ノルボルナン基、又はノルボルネン基である。
【0020】
他の具現例によると、環CY12は、ベンゼン基、ナフタレン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、チオフェン基、フラン基、ピロール基、シクロペンタジエン基、シロール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、インドール基、インデン基、ベンゾシロール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、カルバゾール基、フルオレン基、又はジベンゾシロール基である。
【0021】
上記化学式1で、R1乃至R8、A20、及びA1乃至A7は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-SF5、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC6-C60アリール基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基(non-aromatic condensed polycyclic group)、置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基(non-aromatic condensed heteropolycyclic group)、-N(Q1)(Q2)、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、-Ge(Q3)(Q4)(Q5)、-B(Q6)(Q7)、-P(=O)(Q8)(Q9)、又は-P(Q8)(Q9)である。上述のQ1乃至Q9に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する。
【0022】
一具現例によると、上記化学式1で、A20は、フルオロ基(-F)及びシアノ基を含まない。例えば、A20は、フルオロ基(-F)及びシアノ基を含まない任意の基である。
【0023】
例えば、上記化学式1で、R1乃至R8、A20、及びA1乃至A7は、それぞれ独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SF5、C1-C20アルキル基、又はC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C20アルキル基、重水素含有C1-C20アルキル基、フッ化C1-C20アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基(ノルボルナニル基)、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C1-C20アルキル)シクロペンチル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C1-C20アルキル)シクロオクチル基、(C1-C20アルキル)アダマンタニル基、(C1-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C1-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、シロラニル基、フェニル基、(C1-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、又はその任意の組み合わせで置換された、C1-C20アルキル基又はC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C20アルキル基、重水素含有C1-C20アルキル基、フッ化C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C1-C20アルキル)シクロペンチル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C1-C20アルキル)シクロオクチル基、(C1-C20アルキル)アダマンタニル基、(C1-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C1-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、シロラニル基、フェニル基、(C1-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、シロラニル基、フェニル基、(C1-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基フラニル基、又はアザジベンゾチオフェニル基;或いは
-N(Q1)(Q2)、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、-Ge(Q3)(Q4)(Q5)、-B(Q6)(Q7)、-P(=O)(Q8)(Q9)、又は-P(Q8)(Q9);であり、
Q1乃至Q9は、それぞれ独立して、
-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CH2CH3、-CH2CD3、-CH2CD2H、-CH2CDH2、-CHDCH3、-CHDCD2H、-CHDCDH2、-CHDCD3、-CD2CD3、-CD2CD2H、又は-CD2CDH2;或いは
重水素、C1-C20アルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基;である。ここで、A20は、フルオロ基及びシアノ基を含まない。
【0024】
一具現例によると、上記化学式1で、R1乃至R8、A20、及びA1乃至A7は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のフェニル基、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、又は-Ge(Q3)(Q4)(Q5)である。ここで、A20は、フルオロ基及びシアノ基を含まない。
【0025】
他の具現例によると、上記化学式1で、R1乃至R8、及びA1乃至A7は、それぞれ独立して、
水素、重水素、又は-F;
重水素、-F、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はフェニル基、;或いは
-Si(Q3)(Q4)(Q5)又は-Ge(Q3)(Q4)(Q5);である。
【0026】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A20は、
水素又は重水素;
重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はフェニル基;或いは
-Si(Q3)(Q4)(Q5)又は-Ge(Q3)(Q4)(Q5);である。
【0027】
上記化学式1で、d2は、A20の個数を示したものであり、0~10の整数である。d2が2以上である場合、2以上のA20は、互いに同一であるか又は異なる。例えば、d2は、0~6の整数である。
【0028】
上記化学式1で、R1乃至R8、及びA20のうちの少なくとも一つは、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含む。
【0029】
例えば、上記化学式1で、R1乃至R8のうちの少なくとも一つ(例えば、R2乃至R8のうちの少なくとも一つ、又はR3乃至R6のうちの少なくとも一つ)は、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含む。
【0030】
更に他の例として、上記化学式1のR1乃至R8のうちの少なくとも一つ(例えば、R2乃至R8のうちの少なくとも一つ、又はR3乃至R6のうちの少なくとも一つ)は、それぞれ独立して、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含む任意の基である。
【0031】
一具現例によると、上記化学式1で、R1乃至R8のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、
フルオロ基(-F);或いは
重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フッ化C1-C20アルキル基、フッ化C3-C10シクロアルキル基、フッ化C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はフッ化フェニル基;である。
【0032】
一方、一具現例によると、上記化学式1で、A1乃至A6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC2-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC6-C60アリール基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、又は置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基である。
【0033】
他の具現例によると、上記化学式1で、A1乃至A6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC2-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0034】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A1乃至A3のうちの少なくとも一つと、上記A4乃至A6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC2-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0035】
更に他の具現例によると、上記A1乃至A6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、重水素、-F、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C2-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、又はC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0036】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A1乃至A6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC6-C60アリール基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、又は置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基である。
【0037】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A1乃至A6は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0038】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A1乃至A6は、それぞれ独立して、重水素、-F、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、又はC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0039】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A7は、水素又は重水素である。
【0040】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A7は、水素ではない。
【0041】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A7は、置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、又は置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0042】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A7は、重水素、-F、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、又はC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0043】
例えば、上記化学式1で、R1乃至R8、A20、及びA1乃至A7は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、下記化学式9-1~9-39のうちの一つで表される基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つで表される基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つで表される基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つで表される基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、又は-Ge(Q3)(Q4)(Q5)(但し、Q3乃至Q5に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する)であるが、R1乃至R8のうちの少なくとも一つ(例えば、R2乃至R8のうちの少なくとも一つ、又はR3乃至R6のうちの少なくとも一つ)は、-F、-CF3、-CF2H、-CFH2、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、又は下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基である。
【0044】
更に他の例として、上記化学式1で、A20は、水素、重水素、-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、下記化学式9-1~9-39のうちの一つで表される基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つで表される基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つで表される基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つで表される基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、又は-Ge(Q3)(Q4)(Q5)(但し、Q3乃至Q5に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する)である。
【0045】
更に他の例として、上記化学式1で、A1乃至A6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、下記化学式9-1~9-39のうちの一つで表される基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つで表される基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つで表される基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つで表される基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、又は下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基である。
【0046】
更に他の例として、上記化学式1で、A1乃至A6は、それぞれ独立して、-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、下記化学式9-1~9-39のうちの一つで表される基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-1~9-39のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つで表される基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式9-201~9-233のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つで表される基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、下記化学式10-1~10-126のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つで表される基、下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基、又は下記化学式10-201~10-343のうちの一つの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基である。
【0047】
【化(9-1)-(9-39)】
【化(9-201)-(9-233)】
【0048】
【化(10-1)-(10-66)】
【化(10-67)-(10-100)】
【化(10-101)-(10-126)】
【化(10-201)-(10-237)】
【化(10-238)-(10-286)】
【化(10-287)-(10-343)】
【0049】
上記化学式9-1~9-39、化学式9-201~9-233、化学式10-1~10-126、及び化学式10-201~10-343で、*は、隣接原子との結合サイトであり、Phは、フェニル基であり、TMSは、トリメチルシリル基であり、TMGは、トリメチルゲルミル基である。
【0050】
上述の「化学式9-1~9-39のうちの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基」、及び「化学式9-201~9-233のうちの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基」は、例えば下記化学式9-501~9-514及び化学式9-601~9-635で表される基である。
【0051】
【化(9-501)-(9-514)】
【化(9-601)-(9-635)】
【0052】
上述の「化学式9-1~9-39のうちの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基」、及び「化学式9-201~9-233のうちの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基」は、例えば下記化学式9-701~9-710で表される基である。
【0053】
【0054】
上述の「化学式10-1~10-126のうちの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基」、及び「化学式10-201~10-343のうちの少なくとも1つの水素が重水素で置換された基」は、例えば下記化学式10-501~10-553で表される基である。
【0055】
【化(10-501)-(10-540)】
【化(10-541)-(10-553)】
【0056】
上述の「化学式10-1~10-126のうちの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基」、及び「化学式10-201~10-343のうちの少なくとも1つの水素が-Fで置換された基」は、例えば下記化学式10-601~10-617で表される基である。
【0057】
【0058】
一具現例によると、上記化学式1で、
1)R2が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
2)R3が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
3)R4が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
4)R5が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
5)R6が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
6)R7が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
7)R8が、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
8)R4及びR5のそれぞれが、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
9)R4及びR6のそれぞれが、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
10)R5及びR6のそれぞれが、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、
11)R3及びR4のそれぞれが、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含むか、或いは
12)R3及びR6のそれぞれが、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含む。
【0059】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、
R1乃至R8のうちの1個又は2個は、それぞれ独立して、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含み、
R1乃至R8のうちの少なくとも一つは、i)フルオロ基(-F)を含まず、ii)水素ではない。
【0060】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A20は、重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、又はC1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0061】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A20は、重水素、C1-C20アルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基である。
【0062】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、d2は、2である。
【0063】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、A20は、重水素、C1-C20アルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基であり、d2は、2である。
【0064】
更に他の具現例によると、上記化学式1で表される有機金属化合物は、少なくとも1つの重水素を含む。
【0065】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、R1乃至R8のうちの少なくとも一つは、少なくとも1つの重水素を含む。
【0066】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、d2個のR20のうちの少なくとも一つは、重水素を含む。
【0067】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、d2個のR20のうちの少なくとも一つは、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、重水素含有C1-C20アルキル基、重水素含有C3-C10シクロアルキル基、又は重水素含有C1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0068】
一具現例によると、上記化学式1で、
【化1-1】
で表される基は、下記化学式CY1~CY108のうちの一つで表される基である。
【0069】
【化CY1-CY24】
【化CY25-CY48】
【化CY49-CY72】
【化CY73-CY92】
【化CY93-CY108】
【0070】
上記化学式CY1~CY108で、
T2乃至T8は、それぞれ独立して、
フルオロ基(-F);或いは
重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フッ化C1-C20アルキル基、フッ化C3-C10シクロアルキル基、フッ化C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はフッ化フェニル基;であり、
R2乃至R8、及びR1aに関する説明は、それぞれ上述の箇所を参照するが、R2乃至R8は、水素ではなく、
*は、上記化学式1で、Irとの結合サイトであり、
*”は、上記化学式1で、隣接原子との結合サイトである。
【0071】
例えば、上記化学式CY1~CY108で、R2乃至R8は、それぞれ独立して、
重水素;或いは
重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はフェニル基;である。
【0072】
他の具現例によると、上記化学式1で、
【化1-2】
で表される基は、下記化学式A(1)~A(7)のうちの一つで表される基である。
【0073】
【0074】
上記化学式A(1)~A(7)で、
Y2は、Cであり、
X21は、O、S、N(R25)、C(R25)(R26)、又はSi(R25)(R26)であり、
R9乃至R12、及びR21乃至R26に関する説明は、それぞれ本明細書において、A20に関する説明を参照し、
*’は、上記化学式1で、Irとの結合サイトであり、
*”は、上記化学式1で、隣接原子との結合サイトである。
【0075】
例えば、上記化学式A(1)で、R9及びR11は、それぞれ独立して、重水素、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はフェニル基である。
【0076】
更に他の例として、上記化学式A(1)で、R9及びR11は、互いに独立して、重水素、C1-C20アルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基である。
【0077】
更に他の例として、上記化学式A(1)で、R10及びR12は、互いに独立して、水素又は重水素である。
【0078】
更に他の例として、上記化学式A(1)で、R9及びR11は、互いに同一である。
【0079】
更に他の例として、上記化学式A(1)で、R9及びR11は、互いに異なる。
【0080】
更に他の例として、上記化学式A(1)で、R9及びR11は、互いに異なり、R11に含まれる炭素の個数は、R9に含まれる炭素の個数よりも多い。
【0081】
更に他の例として、i)上記化学式A(1)で、R9乃至R12のうちの少なくとも一つ、ii)上記化学式A(2)及びA(3)で、R11、R12、R21乃至R26のうちの一つ、又はその任意の組み合わせ、iii)上記化学式A(4)及びA(5)で、R9、R12、R21乃至R26のうちの一つ、又はその任意の組み合わせ、並びにiv)上記化学式A(6)及びA(7)で、R9、R10、R21乃至R26のうちの一つ、又はその任意の組み合わせは、それぞれ独立して、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、重水素含有C1-C20アルキル基、重水素含有C3-C10シクロアルキル基、又は重水素含有C1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0082】
更に他の例として、上記化学式A(1)で、R9及びR11のうちの少なくとも一つ(例えば、化学式A(1)のR9及びR11)は、それぞれ独立して、C1-C20アルキル基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、重水素含有C1-C20アルキル基、重水素含有C3-C10シクロアルキル基、又は重水素含有C1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0083】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、
【化1-2】
で表される基は、上記化学式A(1)又はA(5)で表される基である。
【0084】
一方、上記化学式1で、*-C(A1)(A2)(A3)で表される基に含まれる炭素数は、5以上であり、且つ/又は上記化学式1で、*-C(A4)(A5)(A6)で表される基に含まれる炭素数は、5以上である。
【0085】
一具現例によると、上記化学式1で、*-C(A1)(A2)(A3)で表される基のA1乃至A3は、互いに結合し、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基を形成する。即ち、上記化学式1で、*-C(A1)(A2)(A3)で表される基は、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基(例えば、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換の、アダマンタン基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン基(ノルボルナン基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、又はシクロヘキセン基)である。
【0086】
他の具現例によると、上記化学式1で、*-C(A4)(A5)(A6)で表される基のA4乃至A6は、互いに結合し、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基を形成する。即ち、上記化学式1で、*-C(A4)(A5)(A6)で表される基は、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基(例えば、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換の、アダマンタン基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン基(ノルボルナン基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、又はシクロヘキセン基)である。
【0087】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、*-C(A1)(A2)(A3)で表される基と、*-C(A4)(A5)(A6)で表される基とは、互いに同一である。
【0088】
更に他の具現例によると、上記化学式1で、*-C(A1)(A2)(A3)で表される基と、*-C(A4)(A5)(A6)で表される基とは、互いに異なる。
【0089】
例えば、第1化合物は、下記化合物1~53のうちの少なくとも一つを含む。
【0090】
【0091】
第1化合物は、上記化学式1で表される有機金属化合物を含む。上記化学式1で表される有機金属化合物において、1)環CY1(下記化学式1a参照)は、上記化学式1に示されるように、2個のベンゼン基と、1個のピリジン基とが互いに縮合された縮合環であり、2)上記化学式1で、R1乃至R8、及びA20のうちの少なくとも一つは、少なくとも1つのフルオロ基(-F)を含む。それにより、有機金属化合物の遷移双極子モーメント(transition dipole moment)が向上し、有機金属化合物の共役(conjugation)長が相対的に長くなり、構造的剛性(rigidity)が増大し、非発光転移が低減する。従って、上記化学式1で表される有機金属化合物を採用した電子素子、例えば有機発光素子は、高い外部量子効率(EQE)を有し、高発光効率を有する。
【0092】
【0093】
また、一具現例により、上記化学式1で、A1乃至A6のうちの少なくとも一つは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC2-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC6-C60アリール基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、又は置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基である場合(即ち、上記化学式1のA1乃至A6のうちの少なくとも一つが2以上の炭素を有する場合)、上記化学式1で、リガンド2(上記化学式1a参照)の電子供与能が向上し、上記化学式1で、リガンド1とリガンド2とのインタラクションが強化される。それにより、上記化学式1で表される有機金属化合物は、向上した発光転移特性、向上した光配向特性、及び向上した構造的剛性を有し、上記化学式1で表される有機金属化合物を含む電子素子、例えば有機発光素子は、高発光効率及び寿命特性を有する。
【0094】
更に他の具現例により、上記化学式1で、A1乃至A6が、それぞれ独立して、置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC6-C60アリール基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、又は置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基である場合(即ち、上記化学式1のA1乃至A6が1以上の炭素を有する場合)、上記化学式1で、A1乃至A6に結合された炭素は、α-プロトン(α-proton)を含まないが、上記化学式1で表される有機金属化合物は、合成前後、副反応発生が最小化された安定した化学構造を有しながら、同時に、それを採用した電子素子(例えば、有機発光素子)の駆動中、有機金属化合物分子間の相互作用が最小され、リガンド2とリガンド1とのインタラクションが強化され、上記化学式1で表される有機金属化合物の強健性(rigidity)が向上する。それにより、上記化学式1で表される有機金属化合物に関するPLスペクトル又はELスペクトルにおける発光ピークの半幅値比(FWHM:full width at half maximum(FWHM))が低下し、上記化学式1で表される有機金属化合物分子の振動状態(vibronicstate)が低減し、非発光転移(non-radiative decay)が低減される。従って、上記化学式1で表される有機金属化合物を含む電子素子、例えば有機発光素子は、高発光効率及び寿命特性を有する。
【0095】
上記化学式1で表される第1化合物の合成方法は、後述する合成例を参照することで、当業者が認識することができる。
【0096】
≪化学式2に関する説明≫
【0097】
上記化学式2で、Ar1は、少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
上記化学式2で、Ar2は、少なくとも1つのR62で置換若しくは非置換のπ電子欠乏性含窒素C1-C60環式基であり、
上記化学式2で、Ar5は、単一結合、少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であるか、或いは存在せず、
上記化学式2で、nは、1、2、又は3であり、nが1である場合、Ar5は、存在せず、
上記化学式2で、a1及びa2は、互いに独立して、0~5の整数であるが、a1とa2との和は、1以上であり、
上記化学式2で、環CY2及び環CY3は、互いに独立して、C5-C60炭素環基又はC1-C60ヘテロ環基であり、環CY2及び環CY3は、選択的に、少なくとも1つのR66で置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR66で置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基を挟んで互いに結合される。
【0098】
本明細書において、「π電子欠乏性含窒素C1-C60環式基」とは、環構成モイエティとして、少なくとも1つの*-N=*’を含むC1-C60環基であり、例えば、a)第1環、b)2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、或いはc)1以上の第1環と、1以上の第2環とが互いに縮合環である。第1環及び第2環の具体例は、本明細書に記載された箇所を参照する。
【0099】
π電子欠乏性含窒素C1-C60環式基は、例えば、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、インダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、シンノリン基、フェナントリジン基、アクリジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、ベンゾイミダゾール基、イソベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソベンゾオキサゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、チアジアゾール基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾシロール基、ベンゾナフトフラン基、ベンゾナフトチオフェン基、(インドロ)フェナントレン基、(ベンゾフラノ)フェナントレン基、(ベンゾチエノ)フェナントレン基、又はピリドピラジン基である。
【0100】
本明細書において、「π電子過剰(rich)C3-C60環式基」とは、環構成モイエティとして、*-N=*’を含まないC3-C60環基であり、例えば、a)第2環、或いはb)2以上の第2環が互いに縮合された縮合環である。第2環の具体例は、本明細書に記載された箇所を参照する。
【0101】
π電子過剰C3-C60環式基は、例えば、ベンゼン基、ヘプタレン基、インデン基、ナフタレン基、アズレン基、ヘプタレン基、インダセン基、アセナフチレン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、ジベンゾフルオレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ナフタセン基、ピセン基、ペリレン基、ペンタセン基、ヘキサセン基、ペンタフェン基、ルビセン基、コロネン基、オバレン基、ピロール基、フラン基、チオフェン基、イソインドール基、インドール基、インデン基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾシロール基、ナフトピロール基、ナフトフラン基、ナフトチオフェン基、ナフトシロール基、ベンゾカルバゾール基、ジベンゾカルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェンスルホン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、トリインドロベンゼン基、アクリジン基、ジヒドロアクリジン基、ピロロフェナントレン基、フラノフェナントレン基、又はチエノフェナントレン基である。
【0102】
一具現例によると、
上記化学式2で、Ar1は、i)少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換の第1環、ii)少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換の第2環、iii)少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換の2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、iv)少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換の2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはv)少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換の、1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環に由来する基であり、
上記化学式2で、Ar2は、i)少なくとも1つのR62で置換若しくは非置換の第1環、ii)少なくとも1つのR62で置換若しくは非置換の2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、或いはiii)少なくとも1つのR62で置換若しくは非置換の、1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環に由来する基であり、
上記化学式2で、Ar5は、単一結合であるか、i)少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換の第1環、ii)少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換の第2環、iii)少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換の2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、iv)少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換の2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはv)少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換の、1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環に由来する基であるか、或いは存在せず、
上記化学式2で、環CY2及び環CY3は、互いに独立して、i)第1環、ii)第2環、iii)2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、iv)2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはv)1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環であり、
第1環は、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、又はチアジアゾール基であり、
第2環は、ベンゼン基、シクロペンタジエン基、ピロール基、フラン基、チオフェン基、又はシロール基である。
【0103】
他の具現例によると、上記化学式2で、Ar1は、少なくとも1つのR61で置換若しくは非置換の、ベンゼン基、ヘプタレン基、インデン基、ナフタレン基、アズレン基、ヘプタレン基、インダセン基、アセナフチレン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、ジベンゾフルオレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ナフタセン基、ピセン基、ペリレン基、ペンタセン基、ヘキサセン基、ペンタフェン基、ルビセン基、コロネン基、オバレン基、ピロール基、フラン基、チオフェン基、イソインドール基、インドール基、インデン基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾシロール基、ナフトピロール基、ナフトフラン基、ナフトチオフェン基、ナフトシロール基、ベンゾカルバゾール基、ジベンゾカルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェンスルホン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、トリインドロベンゼン基、アクリジン基、ジヒドロアクリジン基、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、インダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、シンノリン基、フェナントリジン基、アクリジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、ベンゾイミダゾール基、イソベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソベンゾオキサゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、チアジアゾール基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン基、又はアザジベンゾシロール基である。
【0104】
他の具現例によると、上記化学式2で、Ar2は、少なくとも1つのR62で置換若しくは非置換の、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、インダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、シンノリン基、フェナントリジン基、アクリジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、ベンゾイミダゾール基、イソベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソベンゾオキサゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、チアジアゾール基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾシロール基、又はピリドピラジン基である。
【0105】
更に他の具現例によると、上記環CY2及び環CY3は、互いに独立して、ベンゼン基、ヘプタレン基、インデン基、ナフタレン基、アズレン基、インダセン基、アセナフチレン基、フルオレン基、スピロ-ビフルオレン基、ベンゾフルオレン基、ジベンゾフルオレン基、フェナレン基、フェナントレン基、アントラセン基、フルオランテン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、ナフタセン基、ピセン基、ペリレン基、ペンタセン基、ヘキサセン基、ペンタフェン基、ルビセン基、コロネン基、オバレン基、ピロール基、フラン基、チオフェン基、イソインドール基、インドール基、インデン基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、ベンゾシロール基、ナフトピロール基、ナフトフラン基、ナフトチオフェン基、ナフトシロール基、ベンゾカルバゾール基、ジベンゾカルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェンスルホン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、インデノカルバゾール基、インドロカルバゾール基、ベンゾフロカルバゾール基、ベンゾチエノカルバゾール基、ベンゾシロロカルバゾール基、トリインドロベンゼン基、アクリジン基、ジヒドロアクリジン基、イミダゾール基、ピラゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、ピリジン基、ピラジン基、ピリダジン基、ピリミジン基、インダゾール基、プリン基、キノリン基、イソキノリン基、ベンゾキノリン基、ベンゾイソキノリン基、フタラジン基、ナフチリジン基、キノキサリン基、ベンゾキノキサリン基、キナゾリン基、シンノリン基、フェナントリジン基、アクリジン基、フェナントロリン基、フェナジン基、ベンゾイミダゾール基、イソベンゾチアゾール基、ベンゾオキサゾール基、イソベンゾオキサゾール基、トリアゾール基、テトラゾール基、オキサジアゾール基、トリアジン基、チアジアゾール基、イミダゾピリジン基、イミダゾピリミジン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン基、又はアザジベンゾシロール基である。
【0106】
更に他の具現例によると、上記化学式2で、nが1である場合、環CY2及びCY3のうちの少なくとも一つは、ベンゼン基ではない。
【0107】
更に他の具現例によると、上記化学式2で、環CY2及び環CY3は、互いに独立して、π電子過剰C3-C60環式基である。
【0108】
更に他の具現例によると、上記化学式2で、nが1である場合、環CY2及びCY3のうちの少なくとも一つは、a)2以上の第1環が互いに縮合された縮合環、b)2以上の第2環が互いに縮合された縮合環、或いはc)1以上の第1環、及び1以上の第2環が互いに縮合された縮合環である。ここで、上述の第1環及び第2環に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する。
【0109】
更に他の具現例によると、第2化合物は、下記化学式2(1)で表される化合物を含む。
【0110】
【0111】
上記化学式2(1)で、
Ar5は、単一結合、少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR65で置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基であり、
Ar1、Ar2、Ar5、a1、a2、環CY2、環CY3、R20、R30、b2、及びb3に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照し、
Ar3及びAr4に関する説明は、それぞれ本明細書において、Ar1に関する説明を参照し、
a3、a4、環CY4、環CY5、R40、R50、b4、及びb5に関する説明は、それぞれ本明細書において、a1、a2、環CY2、環CY3、R20、R30、b2、及びb3に関する説明を参照する。
【0112】
例えば、上記化学式2(1)でAr5は、単一結合である。
【0113】
更に他の具現例によると、上記化学式2で、
【化2-1】
で表される基、並びに上記化学式2(1)で、
【化2(1)-1】
で表される基、及び
【化2(1)-2】
表される基は、それぞれ独立して、下記化学式2-1~2-93のうちの一つで表される基である。
【0114】
【化(2-1)-(2-15)】
【化(2-16)-(2-36)】
【化(2-37)-(2-56)】
【化(2-57)-(2-73)】
【化(2-74)-(2-93)】
【0115】
上記化学式2-1~2-93で、
X1は、O、S、N(R31)、C(R31)(R32)、又はSi(R31)(R32)であり、
X2は、O、S、N(R33)、C(R33)(R34)、又はSi(R33)(R34)であり、
R31乃至R34に関する説明は、それぞれ本明細書において、R30に関する説明を参照し、
*は、上記化学式2で、Ar1又はAr2との結合サイトである。
【0116】
更に他の具現例によると、上記化学式2及び2(1)で、Ar2は、下記化学式5-1~5-31のうちの一つで表される基である。
【0117】
【0118】
上記化学式5-1~5-31で、
R62に関する説明は、本明細書に記載された箇所を参照し、
c2は、0~2の整数であり、
c3は、0~3の整数であり、
c4は0~4の整数であり、
c5は、0~5の整数であり、
c7は、0~7の整数であり、
*は、上記化学式2及び2(1)で、Ar1又はNとの結合サイトである。
【0119】
上記化学式2及び2(1)で、a1及びa2は、それぞれAr1とAr2との個数を示したものであり、互いに独立して、0~5の整数であるが、a1とa2との和は、1以上である。a1が2以上である場合、2以上のAr1は、互いに同一であるか又は異なり、a2が2以上である場合、2以上のAr2は、互いに同一であるか又は異なる。a1が0である場合、上記化学式2で、*-(Ar1)a1-*’は、単一結合になる。
【0120】
一具現例によると、上記化学式2及び2(1)で、a2は、0ではない。
【0121】
例えば、上記化学式2及び2(1)で、a2は、1又は2である。
【0122】
他の具現例によると、上記化学式2(1)で、a2は、1又は2であり、Ar3及びAr4は、互いに独立して、重水素、C1-C20アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のπ電子過剰C3-C60環式基(例えば、ベンゼン基、ナフタレン基、フェナントレン基、カルバゾール基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基など)である。
【0123】
更に他の具現例によると、上記化学式2で、nは、1又は2である。
【0124】
上記化学式2で、R20、R30、R61、R62、R65、及びR66は、それぞれ独立して、水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-SF5、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルケニル基、置換若しくは非置換のC2-C60アルキニル基、置換若しくは非置換のC1-C60アルコキシ基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルキル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換若しくは非置換のC3-C10シクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換若しくは非置換のC6-C60アリール基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールオキシ基、置換若しくは非置換のC6-C60アリールチオ基、置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロアリール基、置換若しくは非置換の一価非芳香族縮合多環基、置換若しくは非置換の一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q1)(Q2)、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、-Ge(Q3)(Q4)(Q5)、-B(Q6)(Q7)、-P(=O)(Q8)(Q9)、又は-P(Q8)(Q9)である。上述のQ1乃至Q9に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する。
【0125】
例えば、上記化学式2で、R20、R30、R61、R62、R65、及びR66は、それぞれ独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、-SF5、C1-C20アルキル基、又はC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C20アルキル基、重水素含有C1-C20アルキル基、フッ化C1-C20アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基(ノルボルナニル基)、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C1-C20アルキル)シクロペンチル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C1-C20アルキル)シクロオクチル基、(C1-C20アルキル)アダマンタニル基、(C1-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C1-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、シロラニル基、フェニル基、(C1-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、又はその任意の組み合わせで置換された、C1-C20アルキル基又はC1-C20アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C20アルキル基、重水素含有C1-C20アルキル基、フッ化C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、(C1-C20アルキル)シクロペンチル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキシル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプチル基、(C1-C20アルキル)シクロオクチル基、(C1-C20アルキル)アダマンタニル基、(C1-C20アルキル)ノルボルネニル基、(C1-C20アルキル)シクロペンテニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘキセニル基、(C1-C20アルキル)シクロヘプテニル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、(C1-C20アルキル)ビシクロ[2.2.2]オクチル基、シロラニル基、フェニル基、(C1-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基、アザジベンゾチオフェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ノルボルネニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、シロラニル基、フェニル基、(C1-C20アルキル)フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、フルオレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基、フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ピロリル基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾキノリニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、カルバゾリル基、フェナントロリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、イソベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、イソベンゾオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ベンゾカルバゾリル基、ジベンゾカルバゾリル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、アザカルバゾリル基、アザジベンゾフラニル基フラニル基、又はアザジベンゾチオフェニル基;或いは
-N(Q1)(Q2)、-Si(Q3)(Q4)(Q5)、-Ge(Q3)(Q4)(Q5)、-B(Q6)(Q7)、-P(=O)(Q8)(Q9)、又は-P(Q8)(Q9);であり、
Q1乃至Q9は、それぞれ独立して、
-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CH2CH3、-CH2CD3、-CH2CD2H、-CH2CDH2、-CHDCH3、-CHDCD2H、-CHDCDH2、-CHDCD3、-CD2CD3、-CD2CD2H、又は-CD2CDH2;或いは
重水素、C1-C20アルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基;である。
【0126】
上記化学式2で、b2及びb3は、それぞれR20及びR30の個数を示し、互いに独立して、0~20の整数である。例えば、b2及びb3は、互いに独立して、0~10の整数である。b2が2以上である場合、2以上のR20は、互いに同一であるか又は異なり、b3が2以上である場合、2以上のR30は、互いに同一であるか又は異なる。
【0127】
例えば、上記化学式2で、R20、R30、R61、R62、R65、及びR66は、それぞれ独立して、
水素又は重水素;
重水素、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、ジ(C1-C10アルキル)フルオレニル基、ジ(C6-C60アリール)フルオレニル基、ジベンゾシロリル基、ジ(C1-C10アルキル)ジベンゾシロリル基、ジ(C6-C60アリール)ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、(C1-C10アルキル)カルバゾリル基、(C6-C60アリール)カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、-N(Q31)(Q32)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C20アルキル基又はC1-C20アルコキシ基;
重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、ジ(C1-C10アルキル)フルオレニル基、ジ(C6-C60アリール)フルオレニル基、ジベンゾシロリル基、ジ(C1-C10アルキル)ジベンゾシロリル基、ジ(C6-C60アリール)ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、(C1-C10アルキル)カルバゾリル基、(C6-C60アリール)カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、-N(Q31)(Q32)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のπ電子過剰C3-C60環式基;或いは
-N(Q1)(Q2);である。ここで、Q1、Q2、Q31、及びQ32に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する。
【0128】
更に他の例として、上記化学式2で、R20、R30、R61、R62、R65、及びR66は、それぞれ独立して、
水素又は重水素;
重水素、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、ジ(C1-C10アルキル)フルオレニル基、ジ(C6-C60アリール)フルオレニル基、ジベンゾシロリル基、ジ(C1-C10アルキル)ジベンゾシロリル基、ジ(C6-C60アリール)ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、(C1-C10アルキル)カルバゾリル基、(C6-C60アリール)カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、-N(Q31)(Q32)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC1-C20アルキル基;或いは
重水素、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、ジ(C1-C10アルキル)フルオレニル基、ジ(C6-C60アリール)フルオレニル基、ジベンゾシロリル基、ジ(C1-C10アルキル)ジベンゾシロリル基、ジ(C6-C60アリール)ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、(C1-C10アルキル)カルバゾリル基、(C6-C60アリール)カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、ジベンゾシロリル基、カルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基;である。ここで、Q31及びQ32に関する説明は、それぞれ本明細書に記載された箇所を参照する。
【0129】
例えば、上記化学式2で表される第2化合物は、下記化合物H1~H90のうちの少なくとも一つを含む。
【0130】
【化H1-H30】
【化H31-H60】
【化H61-H90】
【0131】
上述のような第2化合物を含む組成物を採用した電子素子、例えば有機発光素子は、優秀な外部量子効率及び寿命特性を有する。
【0132】
上記化学式1及び2で、1)R1乃至R8、及びA20のうちの2以上は、選択的に(optionally)、互いに結合し、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基を形成することができ、2)A1乃至A7のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基を形成し、3)環CY2、環CY3、R20、及びR30のうちの2以上は、選択的に、互いに結合し、少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC5-C60炭素環基、又は少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換のC1-C60ヘテロ環基を形成する。ここで、R1aに関する説明は、本明細書において、A7に関する説明を参照する。
【0133】
本明細書において、C5-C60炭素環基は、環形成原子として、5~60個の炭素のみを有する飽和環式基又は不飽和環式基を示す。C5-C60炭素環基は、単環基又は多環基である。「(少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換の)C5-C60炭素環基」は、例えば、(少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換の)アダマンタン基、ノルボルネン基、ビシクロ[1.1.1]ペンタン基、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン基(ノルボルナン基)、ビシクロ[2.2.2]オクタン基、シクロペンタン基、シクロヘキサン基、シクロヘキセン基、ベンゼン基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基、トリフェニレン基、ピレン基、クリセン基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン基、シクロペンタジエン基、シロール基、フルオレン基などを含む。
【0134】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環基は、環形成原子として、1~60個の炭素以外に、N、O、P、Si、及びSのうちから選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ有する飽和環式基又は不飽和環式基を示す。C1-C30ヘテロ環基は、単環基又は多環基である。「(少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換の)C1-C60ヘテロ環基」は、例えば、(少なくとも1つのR1aで置換若しくは非置換の)チオフェン基、フラン基、ピロール基、シロール基、ボロール基、ホスホール基、セレノフェン基、ゲルモール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾフラン基、インドール基、インデン基、ベンゾシロール基、ベンゾボロール基、ベンゾホスホール基、ベンゾセレノフェン基、ベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾシロール基、ジベンゾボロール基、ジベンゾホスホール基、ジベンゾセレノフェン基、ジベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン5-オキシド基、9H-フルオレン-9-オン基、ジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、アザベンゾチオフェン基、アザベンゾフラン基、アザインドール基、アザインデン基、アザベンゾシロール基、アザベンゾボロール基、アザベンゾホスホール基、アザベンゾセレノフェン基、アザベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾフラン基、アザカルバゾール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾボロール基、アザジベンゾホスホール基、アザジベンゾセレノフェン基、アザジベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン5-オキシド基、アザ-9H-フルオレン-9-オン基、アザジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基、ピリジン基、ピリミジン基、ピラジン基、ピリダジン基、トリアジン基、キノリン基、イソキノリン基、キノキサリン基、キナゾリン基、フェナントロリン基、ピラゾール基、イミダゾール基、トリアゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基、ベンゾピラゾル基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾオキサジアゾール基、ベンゾチアジアゾール基、5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリン基、5,6,7,8-テトラヒドロキノリン基などを含む。
【0135】
本明細書において、C1-C60アルキル基は、C1-C60の線状又は分枝状の飽和脂肪族炭化水素一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、iso-アミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0136】
本明細書において、C1-C60アルキル基、C1-C20アルキル基、及び/又はC1-C10アルキル基の例には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、sec-ヘキシル基、tert-ヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、sec-ヘプチル基、tert-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、sec-オクチル基、tert-オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、sec-ノニル基、tert-ノニル基、n-デシル基、イソデシル基、sec-デシル基、tert-デシル基などが含まれる。例えば、上記化学式9-33は、分枝状C6アルキル基であり、2個のメチル基で置換されたtert-ブチル基と見ることができる。
【0137】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0138】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基、C1-C20アルコキシ基、又はC1-C10アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などが含まれる。
【0139】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価飽和炭化水素単環基を意味し、その具体例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを含む。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0140】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基の例には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、アダマンタニル基、ビシクロ[1.1.1]ペンチル基、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基(ノルボルナニル基(norbornanyl))、ビシクロ[2.2.2]オックチル基などが含まれる。
【0141】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基を意味し、その具体例は、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などを含む。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0142】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基の例には、シロラニル基、シリナニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロ-2H-ピラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などが含まれる。
【0143】
本明細書において、「重水素含有C1-C60アルキル基(又は、重水素含有C1-C20アルキル基、重水素含有C2-C20アルキル基など)」とは、少なくとも1つの重水素で置換されたC1-C60アルキル基(又は、少なくとも1つの重水素で置換されたC1-C20アルキル基、少なくとも1つの重水素で置換されたC2-C20アルキルなど)を意味する。例えば、「重水素含有C1アルキル基(即ち、重水素含有メチル基)」とは、-CD3、-CD2H、及び-CDH2を含む。
【0144】
本明細書において、「重水素含有C3-C10シクロアルキル基」とは、少なくとも1つの重水素で置換されたC3-C10シクロアルキル基を意味する。上述の「重水素含有C3-C10シクロアルキル基」の例としては、例えば、上記化学式10-501などを参照する。
【0145】
本明細書において、「フッ化C1-C60アルキル基(又は、フッ化C1-C20アルキル基など)」、「フッ化C3-C10シクロアルキル基」、「フッ化C1-C10ヘテロシクロアルキル基」、及び「フッ化フェニル基」は、それぞれ少なくとも1つのフルオロ基(-F)で置換された、C1-C60アルキル基(又は、C1-C20アルキル基など)、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、及びフェニル基を意味する。例えば、「フッ化C1アルキル基(即ち、フッ化メチル基)」とは、-CF3、-CF2H、及び-CFH2を含む。上述の「フッ化C1-C60アルキル基(又は、フッ化C1-C20アルキル基など)」、「フッ化C3-C10シクロアルキル基」、又は「フッ化C1-C10ヘテロシクロアルキル基」は、i)各基に含まれる全ての水素がフルオロ基で置換された、完全(fully)フッ化C1-C60アルキル基(又は、完全フッ化C1-C20アルキル基など)、完全フッ化C3-C10シクロアルキル基、又は完全フッ化C1-C10ヘテロシクロアルキル基であるか、或いはii)各基に含まれる全ての水素がフルオロ基に置換されない、一部(partially)フッ化C1-C60アルキル基(又は、一部フッ化C1-C20アルキル基など)、一部フッ化C3-C10シクロアルキル基、又は一部フッ化C1-C10ヘテロシクロアルキル基である。
【0146】
本明細書において、「(C1-C20アルキル)「X」基」とは、少なくとも1つのC1-C20アルキル基で置換された「X」基を示す。例えば、本明細書において、「(C1-C20アルキル)C3-C10シクロアルキル基」とは、少なくとも1つのC1-C20アルキル基で置換されたC3-C10シクロアルキル基を示し、「(C1-C20アルキル)フェニル基」とは、少なくとも1つのC1-C20アルキル基で置換されたフェニル基を示す。(C1アルキル)フェニル基の例は、トルイル基(toluyl group)である。
【0147】
本明細書において、「アザインドール基、アザベンゾボロール基、アザベンゾホスホール基、アザインデン基、アザベンゾシロール基、アザベンゾゲルモール基、アザベンゾチオフェン基、アザベンゾセレノフェン基、アザベンゾフラン基、アザカルバゾール基、アザジベンゾボロール基、アザジベンゾホスホール基、アザフルオレン基、アザジベンゾシロール基、アザジベンゾゲルモール基、アザジベンゾチオフェン基、アザジベンゾセレノフェン基、アザジベンゾフラン基、アザジベンゾチオフェン5-オキシド基、アザ-9H-フルオレン-9-オン基、アザジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基」は、それぞれ、「インドール基、ベンゾボロール基、ベンゾホスホール基、インデン基、ベンゾシロール基、ベンゾゲルモール基、ベンゾチオフェン基、ベンゾセレノフェン基、ベンゾフラン基、カルバゾール基、ジベンゾボロール基、ジベンゾホスホール基、フルオレン基、ジベンゾシロール基、ジベンゾゲルモール基、ジベンゾチオフェン基、ジベンゾセレノフェン基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン5-オキシド基、9H-フルオレン-9-オン基、ジベンゾチオフェン5,5-ジオキシド基」と同一バックボーンを有するが、それらの環を形成する炭素のうちの少なくとも一つが窒素で置換されたヘテロ環を意味する。
【0148】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間又は末端に、1以上の炭素・炭素二重結合を含む構造を有し、その具体的な例には、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0149】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間又は末端に、1以上の炭素・炭素三重結合を含む構造を有し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0150】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10一価単環基であり、環内に少なくとも1つの炭素・炭素二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例は、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などを含む。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0151】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例は、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などを含む。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0152】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含む。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は、互いに融合される。
【0153】
本明細書において、C7-C60アルキルアリール基は、少なくとも1つのC1-C60アルキル基で置換されたC6-C60アリール基を意味する。
【0154】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60環式芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例は、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを含む。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに、融合される。
【0155】
本明細書において、C2-C60アルキルヘテロアリール基は、少なくとも1つのC1-C60アルキル基で置換されたC1-C60ヘテロアリール基を意味する。
【0156】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は、-OA102(ここで、A102は、C6-C60アリール基である)を示し、C6-C60アリールチオ基は、-SA103(ここで、A103は、C6-C60アリール基である)を示す。
【0157】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合され、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、8~60の炭素数を有する)を意味する。一価非芳香族縮合多環基の具体例は、フルオレニル基などを含む。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0158】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合され、環形成原子として炭素以外、N、O、P、Si、及びSのうちから選択されるヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、1~60の炭素数を有する)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、カルバゾリル基などを含む。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0159】
本明細書において、置換されたC5-C30炭素環基、置換されたC2-C30ヘテロ環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC7-C60アルキルアリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換されたC2-C60アルキルヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基は、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、又はC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C7-C60アルキルアリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C2-C60アルキルヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q11)(Q12)、-Si(Q13)(Q14)(Q15)、-Ge(Q13)(Q14)(Q15)、-B(Q16)(Q17)、-P(=O)(Q18)(Q19)、-P(Q18)(Q19)、又はその任意の組み合わせで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、又はC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C7-C60アルキルアリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C2-C60アルキルヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q21)(Q22)、-Si(Q23)(Q24)(Q25)、-Ge(Q23)(Q24)(Q25)、-B(Q26)(Q27)、-P(=O)(Q28)(Q29)、-P(Q28)(Q29)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C7-C60アルキルアリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C2-C60アルキルヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
-N(Q31)(Q32)、-Si(Q33)(Q34)(Q35)、-Ge(Q33)(Q34)(Q35)、-B(Q36)(Q37)、-P(=O)(Q38)(Q39)、又は-P(Q38)(Q39);或いは
その任意の組み合わせ;である。
【0160】
本明細書において、Q1乃至Q9、Q11乃至Q19、Q21乃至Q29、及びQ31乃至Q39は、それぞれ独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミジノ基;ヒドラジン基;ヒドラゾン基;カルボン酸基又はその塩;スルホン酸基又はその塩;リン酸基又はその塩;重水素、C1-C60アルキル基、C6-C60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基;C2-C60アルケニル基;C2-C60アルキニル基;C1-C60アルコキシ基;C3-C10シクロアルキル基;C1-C10ヘテロシクロアルキル基;C3-C10シクロアルケニル基;C1-C10ヘテロシクロアルケニル基;重水素、C1-C60アルキル基、C6-C60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC6-C60アリール基;C6-C60アリールオキシ基;C6-C60アリールチオ基;C1-C60ヘテロアリール基;一価非芳香族縮合多環基;又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;である。
【0161】
例えば、本明細書において、Q1乃至Q9、Q11乃至Q19、Q21乃至Q29、及びQ31乃至Q39は、それぞれ独立して、
-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CH2CH3、-CH2CD3、-CH2CD2H、-CH2CDH2、-CHDCH3、-CHDCD2H、-CHDCDH2、-CHDCD3、-CD2CD3、-CD2CD2H、又は-CD2CDH2;或いは
重水素、C1-C10アルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基;である。
【0162】
上述の第1化合物及び第2化合物を含む組成物は、有機発光素子の有機層、例えば有機層における発光層材料として使用するのに適するものであり、他の側面によると、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に配置されて発光層を含む有機層と、を有し、有機層は、組成物を含む有機発光素子が提供される。
【0163】
有機発光素子は、上述のような第1化合物及び第2化合物を含む組成物を具備することにより、低駆動電圧、高外部量子効率、及び長寿命を有する。
【0164】
組成物は、有機発光素子の1対の電極間に使用される。例えば、組成物は、有機発光素子の発光層に含まれる。ここで、第1化合物はドーパントの役割を行い、第2化合物はホストの役割を行う。例えば、第2化合物の含量は第1化合物の含量よりも多い。発光層は、赤色光、例えば550nm以上(例えば、550nm以上900nm以下の範囲)の最大発光波長を有する赤色光を放出する。
【0165】
第1電極は正孔注入電極であるアノードであり、第2電極は電子注入電極であるカソードであるか、或いは第1電極は電子注入電極であるカソードであり、第2電極は正孔注入電極であるアノードである。
【0166】
例えば、有機発光素子において、第1電極はアノードであり、第2電極はカソードであり、有機層は、第1電極と発光層との間に配置された正孔輸送領域、及び発光層と第2電極との間に配置された電子輸送領域を更に含み、正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、バッファ層、又はその任意の組み合わせを含み、電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又はその任意の組み合わせを含む。
【0167】
本明細書において、「有機層」は、有機発光素子において、第1電極と第2電極との間に配置された単一及び/又は複数の層を示す用語である。上述の「有機層」は、有機化合物だけではなく、金属を含む有機金属錯体なども含む。
【0168】
図1は、本発明の一具現例による有機発光素子10の断面図を概略的に示したものである。以下、
図1を参照し、本発明の一具現例による有機発光素子の構造及び製造方法について説明すると、次の通りである。有機発光素子10は、第1電極11、有機層15、及び第2電極19が順に積層された構造を有する。
【0169】
第1電極11の下部又は第2電極19の上部には、基板が追加して配置される。基板としては、一般的な有機発光素子で使用される基板を使用することができ、機械的強度、熱安定性、透明性、表面平滑性、取り扱い容易性及び防水性に優れるガラス基板又は透明プラスチック基板を使用することができる。
【0170】
第1電極11は、例えば基板上部に第1電極用物質を蒸着法やスパッタリング法などを利用して提供することによって形成される。第1電極11は、アノードである。第1電極用物質は、正孔注入が容易であるように高い仕事関数を有する物質のうちから選択される。第1電極11は、反射型電極、半透過型電極、又は透過型電極である。第1電極用物質としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)などを利用することができる。又は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)のような金属を利用することができる。
【0171】
第1電極11は、単一層構造又は2以上の層を含む多層構造を有する。例えば、第1電極11は、ITO/Ag/ITOの3層構造を有するが、それに限定されるものではない。
【0172】
第1電極11の上部には、有機層15が配置される。
【0173】
有機層15は、正孔輸送領域(hole transport region)、発光層(emission layer)、及び電子輸送領域(electron transport tregion)を含む。
【0174】
正孔輸送領域は、第1電極11と発光層との間に配置される。
【0175】
正孔輸送領域は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、バッファ層、又はその任意の組み合わせを含む。
【0176】
正孔輸送領域は、正孔注入層のみを含むか又は正孔輸送層のみを含む。或いは、正孔輸送領域は、第1電極11から順に積層された正孔注入層/正孔輸送層又は正孔注入層/正孔輸送層/電子阻止層の構造を有する。
【0177】
正孔輸送領域が正孔注入層を含む場合、正孔注入層(HIL)は、第1電極11の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成される。
【0178】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なり、例えば、蒸着温度約100~約500℃、真空度約10-8~約10-3torr、蒸着速度約0.01~約100Å/secの範囲から選択されるが、それらに限定されるものではない。
【0179】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、コーティング条件は、正孔注入層材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造、及び熱的特性によって異なり、約2,000rpm~約5,000rpmのコーティング速度で行われ、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度は、約80℃~200℃の温度範囲から選択されるが、それに限定されるものではない。
【0180】
正孔輸送層及び電子阻止層の形成条件は、正孔注入層形成条件を参照する。
【0181】
正孔輸送領域は、例えば、m-MTDATA、TDATA、2-TNATA、NPB、β-NPB、TPD、spiro-TPD、spiro-NPB、methylated-NPB、TAPC、HMTPD、4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、ポリアニリン/ポリ(4-スチレンスルホネート)(PANI/PSS)、下記化学式201で表される化合物、下記化学式202で表される化合物、又はその任意の組み合わせを含む。
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
上記化学式201で、Ar101及びAr102は、互いに独立して、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニレン基、ペンタレニレンギ、インデニレン基、ナフチレン基、アズレニレン基、ヘプタレニレン基、アセナフチレン基、フルオレニレン基、フェナレニレン基、フェナントレニレン基、アントラセニレン基、フルオランテニレン基、トリフェニレニレン基、ピレニレン基、クリセニレニレン基、ナフタセニレン基、ピセニレン基、ペリレニレン基、又はペンタセニレン基である。
【0186】
上記化学式201で、xa及びxbは、互いに独立して、0~5の整数、又は0、1、又は2である。例えば、xaは、1であり、xbは、0であるが、それらに限定されるものではない。
【0187】
上記化学式201及び202で、R101乃至R108、R111乃至R119、及びR121乃至R124は、それぞれ独立して、
水素、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C10アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など)、又はC1-C10アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基など);
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、及びリン酸基又はその塩、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C1-C10アルキル基又はC1-C10アルコキシ基;或いは
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C10アルキル基、C1-C10アルコキシ基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、又はピレニル基;である。
【0188】
上記化学式201で、R109は、重水素、-F、-Cl、-Br、-I、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C20アルキル基、C1-C20アルコキシ基、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ピリジニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、又はピリジニル基である。
【0189】
一具現例によると、上記化学式201で表される化合物は、下記化学式201Aによって表される。
【0190】
【0191】
上記化学式201Aで、R101、R111、R112、及びR109に関する詳細な説明は、上述の箇所を参照する。
【0192】
例えば、正孔輸送領域は、下記化合物HT1~HT20のうちの一つ、又はその任意の組み合わせを含む。
【0193】
【0194】
正孔輸送領域の厚みは、約100Å~約10,000Å、例えば約100Å~約1,000Åである。正孔輸送領域が正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、又はその任意の組み合わせを含む場合、正孔注入層の厚みは、約100Å~約10,000Å、例えば約100Å~約1,000Åであり、正孔輸送層の厚みは、約50Å~約2,000Å、例えば約100Å~約1,500Åである。正孔輸送領域、正孔注入層、及び正孔輸送層の厚みが上述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに満足すべき正孔輸送特性を得ることができる。
【0195】
正孔輸送領域は、上述のような物質以外に、導電性向上のために電荷生成物質を更に含む。電荷生成物質は、正孔輸送領域内に均一又は不均一に分散される。
【0196】
電荷生成物質は、例えばp-ドーパントである。p-ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物、シアノ基含有化合物、又はその任意の組み合わせであるが、それらに限定されるものではない。例えば、p-ドーパントは、テトラシアノキノンジメタン(TCNQ)、2,3,5,6-テトラフルオロ-テトラシアノ-1,4-ベンゾキノンジメタン(F4-TCNQ)、F6-TCNNQのようなキノン誘導体;タングステン酸化物及びモリブデン酸化物のような金属酸化物;下記化合物HT-D1のようなシアノ基含有化合物;又はその任意の組み合わせである。
【0197】
【0198】
正孔輸送領域は、バッファ層を更に含んでもよい。
【0199】
バッファ層は、発光層から放出される光の波長による光学的共振距離を補償して効率を上昇させる役割を行う。
【0200】
一方、正孔輸送領域が電子阻止層を含む場合、電子阻止層材料は、上述のような正孔輸送領域に使用される物質、後述するホスト物質、又はその任意の組み合わせを含む。例えば、正孔輸送領域が電子阻止層を含む場合、電子阻止層材料として、後述するmCPを使用することができる。
【0201】
正孔輸送領域の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して発光層(EML)を形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層の形成と略同一条件範囲のうちから選択される。
【0202】
発光層は、本明細書に記載されたような第1化合物及び第2化合物を含む組成物を含む。
【0203】
他の具現例によると、発光層はホスト及びドーパントを含み、ドーパントは第1化合物を含み、ホストは第2化合物を含む。
【0204】
一方、発光層は、本明細書に記載された組成物以外に、任意のドーパント及び/又はホストを更に含んでもよい。
【0205】
有機発光素子がフルカラー有機発光素子である場合、発光層は、赤色発光層、緑色発光層、及び/又は青色発光層にパターニングされる。或いは、発光層は、赤色発光層、緑色発光層、及び/又は青色発光層が積層された構造を有することにより白色光を放出するというように、多様な変形例が可能である。
【0206】
発光層がホスト及びドーパントを含む場合、ドーパントの含量は、一般的にホスト約100重量部を基準にして約0.01~約15重量部の範囲から選択されるが、それに限定されるものではない。
【0207】
発光層の厚みは、約100Å~約1,000Å、例えば約200Å~約600Åである。発光層の厚みが上述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに優秀な発光特性を示す。
【0208】
次に、発光層の上部に電子輸送領域が配置される。
【0209】
電子輸送領域は、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層、又はその任意の組み合わせを含む。
【0210】
例えば、電子輸送領域は、正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層又は電子輸送層/電子注入層の構造を有するが、それらに限定されるものではない。電子輸送層は、単一層構造又は2以上の互いに異なる物質を含む多層構造を有する。
【0211】
電子輸送領域の正孔阻止層、電子輸送層、及び電子注入層の形成条件は、正孔注入層の形成条件を参照する。
【0212】
電子輸送領域が正孔阻止層を含む場合、正孔阻止層は、例えば、下記のBCP、Bphen、及びBalqのうちの少なくとも一つを含む。
【0213】
【0214】
或いは、正孔阻止層は、ホスト、後述する電子輸送層材料、電子注入層材料、又はその任意の組み合わせを含む。
【0215】
正孔阻止層の厚みは、約20Å~約1,000Å、例えば約30Å~約300Åである。正孔阻止層の厚みが上述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに優秀な正孔阻止特性を得ることができる。
【0216】
電子輸送層は、上述のBCP、Bphen、2,2’,2”-(1,3,5-フェニレン)-トリス(1- フェニル-1H-ベンズイミダゾール)(TPBi)、Alq3、Balq、TAZ、NTAZ、又はその任意の組み合わせを含む。
【0217】
【0218】
或いは、電子輸送層は、下記化合物ET1~ET25のうちの少なくとも一つを含む。
【0219】
【0220】
電子輸送層の厚みは、約100Å~約1,000Å、例えば約150Å~約500Åである。電子輸送層の厚みが上述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに満足すべき電子輸送特性を得ることができる。
【0221】
電子輸送層は、上述のような物質以外に金属含有物質を更に含む。金属含有物質は、Li錯体を含む。Li錯体は、例えば下記化合物ET-D1又はET-D2を含む。
【0222】
【0223】
また、電子輸送領域は、第2電極19から電子の注入を容易にする電子注入層(EIL)を含む。
【0224】
電子注入層は、LiF、NaCl、CsF、Li2O、BaO、又はその任意の組み合わせを含む。
【0225】
電子注入層の厚みは、約1Å~約100Å、例えば約3Å~約90Åである。電子注入層の厚みが上述のような範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに満足すべき電子注入特性を得ることができる。
【0226】
有機層15の上部には、第2電極19が具備される。第2電極19は、カソードである。第2電極19用物質としては、相対的に低い仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物、及びそれらの組み合わせを使用することができる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム-リチウム(Al-Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム-インジウム(Mg-In)、マグネシウム-銀(Mg-Ag)などを第2電極19形成用物質として使用する。或いは、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを利用して透過型第2電極19を形成するというように、多様な変形が可能である。
【0227】
以上、有機発光素子について、
図1を参照して説明したが、それらに限定されるものではない。
【0228】
本明細書において、C1-C60アルキル基は、C1-C60の線状又は分枝状の飽和脂肪族炭化水素一価基を意味し、具体的な例には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、iso-アミル基、ヘキシル基などが含まれる。本明細書において、C1-C60アルキレン基は、C1-C60アルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0229】
本明細書において、C1-C60アルコキシ基は、-OA101(ここで、A101は、C1-C60アルキル基である)の化学式を有する一価基を意味し、その具体的な例には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基などが含まれる。
【0230】
本明細書において、C2-C60アルケニル基は、C2-C60アルキル基の中間又は末端に1以上の炭素・炭素二重結合を含む構造を有し、その具体的な例には、エテニル基、プロぺニル基、ブテニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルケニレン基は、C2-C60アルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0231】
本明細書において、C2-C60アルキニル基は、C2-C60アルキル基の中間又は末端に1以上の炭素・炭素三重結合を含む構造を有し、その具体的な例には、エチニル基、プロピニル基などが含まれる。本明細書において、C2-C60アルキニレン基は、C2-C60アルキニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0232】
本明細書において、C3-C10シクロアルキル基は、C3-C10一価飽和炭化水素単環基を意味し、その具体例は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などを含む。本明細書において、C3-C10シクロアルキレン基は、C3-C10シクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0233】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキル基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基を意味し、その具体例は、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチオフェニル基などを含む。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルキレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルキル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0234】
本明細書において、C3-C10シクロアルケニル基は、C3-C10一価単環基であり、環内に、少なくとも1つの炭素・炭素二重結合を有するが、芳香族性(aromaticity)を有さない基を意味し、その具体例は、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基などを含む。本明細書において、C3-C10シクロアルケニレン基は、C3-C10シクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0235】
本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含むC1-C10一価単環基であり、環内に少なくとも1つの二重結合を有する。C1-C10ヘテロシクロアルケニル基の具体例は、2,3-ジヒドロフラニル基、2,3-ジヒドロチオフェニル基などを含む。本明細書において、C1-C10ヘテロシクロアルケニレン基は、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0236】
本明細書において、C6-C60アリール基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する一価基を意味し、C6-C60アリーレン基は、C6-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。C6-C60アリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、ピレニル基、クリセニル基などを含む。C6-C60アリール基及びC6-C60アリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合される。
【0237】
本明細書において、C1-C60ヘテロアリール基は、N、O、P、Si、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60環式芳香族系を有する一価基を意味し、C1-C60ヘテロアリーレン基は、N、O、P、及びSのうちから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を環形成原子として含み、C1-C60炭素環芳香族系を有する二価基を意味する。C1-C60ヘテロアリール基の具体例は、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを含む。C1-C60ヘテロアリール基及びC1-C60ヘテロアリーレン基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合される。
【0238】
本明細書において、C6-C60アリールオキシ基は-OA102(ここで、A102は、C6-C60アリール基である)を示し、C6-C60アリールチオ基は-SA103(ここで、A103は、C6-C60アリール基である)を示す。
【0239】
本明細書において、一価非芳香族縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合され、環形成原子として炭素のみを含み、分子全体が非芳香族性(non-aromaticity)を有する一価基(例えば、8~60の炭素数を有する)を意味する。一価非芳香族縮合多環基の具体例は、フルオレニル基などを含む。本明細書において、二価非芳香族縮合多環基は、一価非芳香族縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0240】
本明細書において、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、2以上の環が互いに縮合され、環形成原子として炭素以外に、N、O、P、Si、及びSのうちから選択されるヘテロ原子を含み、分子全体が非芳香族性を有する一価基(例えば、1~60の炭素数を有する)を意味する。一価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、カルバゾリル基などを含む。本明細書において、二価非芳香族ヘテロ縮合多環基は、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基と同一構造を有する二価基を意味する。
【0241】
本明細書において、C5-C60炭素環基は、環形成原子として、5~60個の炭素のみを有する飽和環式基又は不飽和環式基を示す。C5-C60炭素環基は、単環基又は多環基である。
【0242】
本明細書において、C1-C60ヘテロ環基は、環形成原子として、1~60個の炭素以外にN、O、P、Si、及びSのうちから選択されるヘテロ原子を少なくとも一つ有する飽和環式基又は不飽和環式基を示す。C1-C60ヘテロ環基は、単環基又は多環基である。
【0243】
本明細書において、C1-C60環式基は、上述のようなC5-C60炭素環基及びC1-C60ヘテロ環基の両方を含む。
【0244】
置換されたC5-C60炭素環基、置換されたC1-C60ヘテロ環基、置換されたC1-C60アルキル基、置換されたC2-C60アルケニル基、置換されたC2-C60アルキニル基、置換されたC1-C60アルコキシ基、置換されたC3-C10シクロアルキル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルキル基、置換されたC3-C10シクロアルケニル基、置換されたC1-C10ヘテロシクロアルケニル基、置換されたC6-C60アリール基、置換されたC6-C60アリールオキシ基、置換されたC6-C60アリールチオ基、置換されたC1-C60ヘテロアリール基、置換された一価非芳香族縮合多環基、及び置換された一価非芳香族ヘテロ縮合多環基の置換基のうちの少なくとも一つは、
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、又はC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C7-C60アルキルアリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C2-C60アルキルヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q11)(Q12)、-Si(Q13)(Q14)(Q15)、-Ge(Q13)(Q14)(Q15)、-B(Q16)(Q17)、-P(=O)(Q18)(Q19)、-P(Q18)(Q19)、又はその任意の組み合わせで置換された、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、又はC1-C60アルコキシ基;
重水素、-F、-Cl、-Br、-I、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CF3、-CF2H、-CFH2、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロ基、アミジノ基、ヒドラジン基、ヒドラゾン基、カルボン酸基又はその塩、スルホン酸基又はその塩、リン酸基又はその塩、C1-C60アルキル基、C2-C60アルケニル基、C2-C60アルキニル基、C1-C60アルコキシ基、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C7-C60アルキルアリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C2-C60アルキルヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、一価非芳香族ヘテロ縮合多環基、-N(Q21)(Q22)、-Si(Q23)(Q24)(Q25)、-Ge(Q23)(Q24)(Q25)、-B(Q26)(Q27)、-P(=O)(Q28)(Q29)、-P(Q28)(Q29)、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、C3-C10シクロアルキル基、C1-C10ヘテロシクロアルキル基、C3-C10シクロアルケニル基、C1-C10ヘテロシクロアルケニル基、C6-C60アリール基、C7-C60アルキルアリール基、C6-C60アリールオキシ基、C6-C60アリールチオ基、C1-C60ヘテロアリール基、C2-C60アルキルヘテロアリール基、一価非芳香族縮合多環基、又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;
-N(Q31)(Q32)、-Si(Q33)(Q34)(Q35)、-Ge(Q33)(Q34)(Q35)、-B(Q36)(Q37)、-P(=O)(Q38)(Q39)、又は-P(Q38)(Q39);或いは
その任意の組み合わせ;である。
【0245】
本明細書において、Q1乃至Q9、Q11乃至Q19、Q21乃至Q29、及びQ31乃至Q39は、それぞれ独立して、水素;重水素;-F;-Cl;-Br;-I;ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;アミジノ基;ヒドラジン基;ヒドラゾン基;カルボン酸基又はその塩;スルホン酸基又はその塩;リン酸基又はその塩;重水素、C1-C60アルキル基、C6-C60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC1-C60アルキル基;C2-C60アルケニル基;C2-C60アルキニル基;C1-C60アルコキシ基;C3-C10シクロアルキル基;C1-C10ヘテロシクロアルキル基;C3-C10シクロアルケニル基;C1-C10ヘテロシクロアルケニル基;重水素、C1-C60アルキル基、C6-C60アリール基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換のC6-C60アリール基;C6-C60アリールオキシ基;C6-C60アリールチオ基;C1-C60ヘテロアリール基;一価非芳香族縮合多環基;又は一価非芳香族ヘテロ縮合多環基;である。
【0246】
例えば、本明細書において、Q1乃至Q9、Q11乃至Q19、Q21乃至Q29、及びQ31乃至Q39は、それぞれ独立して、
-CH3、-CD3、-CD2H、-CDH2、-CH2CH3、-CH2CD3、-CH2CD2H、-CH2CDH2、-CHDCH3、-CHDCD2H、-CHDCDH2、-CHDCD3、-CD2CD3、-CD2CD2H、又は-CD2CDH2;或いは
重水素、C1-C10アルキル基、フェニル基、又はその任意の組み合わせで置換若しくは非置換の、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、3-ペンチル基、sec-イソペンチル基、フェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基;である。
【0247】
以下、合成例及び実施例を挙げ、本発明の一具現例による化合物及び有機発光素子について更に具体的に説明するが、本発明は、下記の合成例及び実施例に限定されるものではない。下記合成例において、「『A』の代わりに『B』を使用した」という表現において、「B」の使用量と「A」の使用量とは、モル当量基準で同一である。
【0248】
〔実施例〕
【0249】
≪合成例1(化合物3)≫
【0250】
【0251】
<中間体L3-2の合成>
【0252】
2-クロロ-4-ヨードニコチンアルデヒド2.5g(9.3mmol)を、テトラヒドロフラン100ml及び水30mlと混合し、Pd(PPh3)4 0.53g(0.46mmol)、3-フルオロフェニルボロン酸1.3g(9.3mmol)、及びK2CO3 3.2g(23.0mmol)を添加し、80℃で24時間加熱還流した。反応が完了すると、反応混合物を減圧濃縮させ、ジクロロメタンと水とを入れて抽出して得られた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥させて減圧蒸溜した後、カラムクロマトグラフィで精製し、中間体L3-2 1.1g(収率51%)を得た。
LCMS:m/z calcd for C12H7ClFNO 235.02;Found 236.06
【0253】
<中間体L3-1の合成>
【0254】
テトラヒドロフラン50mlに、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド5.8g(17.0mmol)と中間体L3-2 1.6g(6.8mmol)とを入れて混合した後、室温で1.0M カリウムtert-ブトキシド溶液17mlを徐々に滴加し、24時間撹拌した。反応が完了すると、水と酢酸エチルとを入れて抽出して得られた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥させて減圧蒸溜した。そこから得られた結果物を減圧乾燥させた後、ジクロロメタン40mlと混合した後に室温でメタンスルホン酸1.5mlを徐々に滴加した後、室温で約12時間撹拌した。反応が完了すると、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を入れて抽出して得られた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥させて減圧蒸溜した後、カラムクロマトグラフィで精製し、中間体L3-1 1.1g(収率72%)を得た。
LCMS:m/z calcd for C13H7ClFN 231.03;Found 231.98
【0255】
<中間体L3の合成>
【0256】
中間体L3-1 0.7g(3.0mmol)を、テトラヒドロフラン(THF)30ml及び水10mlと混合し、3,5-ジメチルフェニルボロン酸0.5g(3.6mmol)、Pd(PPh3)4 0.24g(0.2mmol)、及びK2CO3 1.0g(7.5mmol)を添加した後、一日加熱還流した。反応が完了すると、酢酸エチルと水とを加えて抽出して得られた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥させて減圧蒸溜した後、カラムクロマトグラフィで精製し、中間体L3 0.72g(収率80%)を得た。
LCMS:m/z calcd for C21H16FN 301.13;Found 302.05
【0257】
<中間体L3二量体の合成>
【0258】
中間体L3 1.05g(3.4mmol)と塩化イリジウム0.6g(1.6mmol)とに、40mLのエトキシエタノールと15mLの蒸溜水とを混合した後、24時間加熱還流した。反応が完了すると、常温まで温度を低め、そこから生成された固形物を濾過し、水/メタノール/ヘキサンの順序で十分に洗浄した。得られた固体を真空オーブンで乾燥させ、中間体L3二量体1.0gを得た。
【0259】
<化合物3の合成>
【0260】
中間体L3二量体1.0g(0.63mmol)、3,7-ジエチルノナン-4,6-ジオン0.96g(4.5mmol)、及びNa2CO3 0.48g(4.5mmol)にエトキシエタノール40mLを混合し、24時間90℃で撹拌して反応を進めた。反応が完了すると、常温まで温度を低め、そこから生成された固形物を濾過し、液体クロマトグラフィで精製し、化合物3 0.8g(収率65%)を得た。
LCMS:m/z calcd for C55H53F2IrN2O2 1004.37;Found 1005.25
【0261】
≪合成例2(化合物9)≫
【0262】
【0263】
<中間体L9の合成>
【0264】
中間体L3-1の代わりに、中間体L9-1を使用する点を除いては、合成例1の中間体L3の合成と同一方法を利用し、中間体L9を合成した。
LC-MS m/z=303(M+H)+
【0265】
<中間体L9二量体の合成>
【0266】
中間体L3の代わりに、中間体L9を使用する点を除いては、合成例1の中間体L3二量体の合成方法と同一方法を利用し、中間体L9二量体を合成した。
【0267】
<化合物9の合成>
【0268】
中間体L3二量体及び3,7-ジエチルノナン-4,6-ジオンの代わりに、中間体L9二量体と3,7-ジエチル-3,7-ジメチルノナン-4,6-ジオンとを使用する点を除いては、合成例1の化合物3の合成方法と同一方法を利用し、化合物9を合成した。
LC-MS m/z=1,035(M+H)+
【0269】
≪合成例3(化合物10)≫
【0270】
【0271】
<中間体L10の合成>
【0272】
中間体L3-1の代わりに、中間体L10-1を使用したという点を除いては、合成例1の中間体L3の合成方法と同一方法を利用し、中間体L10を合成した。
LCMS:m/z calcd for C22H16F3N 351.36;Found 352.21
【0273】
<中間体L10二量体の合成>
【0274】
中間体L3の代わりに、中間体L10を使用することを除いては、合成例1の中間体L3二量体の合成方法と同一方法を利用し、中間体L10二量体を合成した。
【0275】
<化合物10の合成>
【0276】
中間体L3二量体の代わりに、中間体L10二量体を使用することを除いては、合成例1の化合物3の合成方法と同一方法を利用し、化合物10を合成した。
LCMS:m/z calcd for C57H53F6IrN2O2 1,104.35;Found 1105.40
【0277】
≪実施例1≫
【0278】
アノードとして、ITO/Ag/ITOが70/1,000/70Å厚に蒸着されたガラス基板を50mm×50mm×0.5mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、各5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄し、真空蒸着装置に設けた。
【0279】
アノード上に、2-TNATAを真空蒸着し、600Å厚の正孔注入層を形成し、正孔注入層上に4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を真空蒸着し、1,350Å厚の正孔輸送層を形成した。
【0280】
次に、正孔輸送層上に、化合物H2(ホスト)及び化合物3(ドーパント)を、98:2の重量比で共蒸着し、400Å厚の発光層を形成した。
【0281】
その後、発光層上にBCPを真空蒸着し、50Å厚の正孔阻止層を形成した後、正孔阻止層上にAlq3を真空蒸着し、350Å厚の電子輸送層を形成した後、電子輸送層上にLiFを真空蒸着し、10Å厚の電子注入層を形成し、電子注入層上にMg及びAgを90:10の重量比で共蒸着し、120Å厚のカソードを形成することにより有機発光素子(赤色光放出)を作製した。
【0282】
【0283】
≪実施例2~6及び比較例1~3≫
【0284】
発光層の形成時、ホスト及びドーパントとして、化合物H2及び化合物3の代わりに、表1及び2に記載された化合物をそれぞれ使用したという点を除いては、実施例1と同一方法を利用し、有機発光素子を作製した。
【0285】
≪評価例1:有機発光素子の特性評価≫
【0286】
上述の実施例1~6と、比較例1~3で製造されたそれぞれの有機発光素子に対し、駆動電圧、電流密度、外部量子効率最大値(Max EQE)、ELスペクトルの半値幅、発光光、色座標、及び寿命(LT97)を評価し、その結果を表1及び2にそれぞれ示した。評価装置として、電流・電圧計(Keithley 2400)及び輝度計(Minolta Cs-1000A)を使用し、寿命(LT97)(at 3,500nit)は、初期輝度100%対比で97%の輝度になるのにかかる時間を評価した。寿命(LT97)は、相対値(%)で示した。
【0287】
【0288】
【0289】
【0290】
上記表1から、実施例1~3の有機発光素子は、比較例1及び2の有機発光素子に比べて、向上しているか、或いはそれと同等レベルの駆動電圧、向上した外部量子効率、及び向上した寿命特性を有することを確認することができ、上記表2から、実施例4~6の有機発光素子は、比較例3の有機発光素子に比べて、向上した駆動電圧、向上した外部量子効率、及び向上した寿命特性を有するということを確認することができる。
【0291】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0292】
10 有機発光素子
11 第1電極
15 有機層
19 第2電極