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特許7390996超小型又は超薄型ディスクリート部品の配置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】超小型又は超薄型ディスクリート部品の配置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20231127BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20231127BHJP
   H01L 21/301 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
H01L21/02 C
H01L21/60 311Q
H01L21/78 M
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020146643
(22)【出願日】2020-09-01
(62)【分割の表示】P 2018536735の分割
【原出願日】2017-01-12
(65)【公開番号】P2020194980
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2020-09-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】62/279,143
(32)【優先日】2016-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521359324
【氏名又は名称】キューリック・アンド・ソファ・ネザーランズ・ベーフェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァル・マリノフ
(72)【発明者】
【氏名】ユーリー・アタナソフ
【合議体】
【審判長】恩田 春香
【審判官】棚田 一也
【審判官】中野 浩昌
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-515883(JP,A)
【文献】特表2013-543262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/00-21/02
H01L 21/04-21/16
H01L 21/48-21/52
H01L 21/58
H01L 21/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の解放構造と前記解放構造上のディスクリート部品との間の接着力を低下させるステップであって、第1状態から第2状態への前記解放構造の状態変化を引き起こす第1刺激を加えるステップを含む、ステップと、
前記解放構造をレーザー光で照射することを含む第2刺激を加え、前記解放構造内にブリスターを形成するステップであって、前記ブリスターが前記ディスクリート部品を前記解放構造から解放させる、ステップと、
を含む方法。
【請求項2】
状態変化を引き起こすことは、前記解放構造の少なくとも一部の相転移を引き起こすことを含み、前記相転移は、固体から液体への転移又は固体から気体への転移又はその両方を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
状態変化を引き起こすことは、前記解放構造の少なくとも一部の化学構造又は化学組成又はその両方の変化を引き起こすことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ディスクリート部品を解放するステップは、解放後にディスクリート部品上に前記解放構造からの残留物を残すことなく前記ディスクリート部品を解放するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記状態変化は、表面形態の変化を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
基板と、
前記基板上に配置された解放構造であって、当該解放構造がディスクリート部品の前記解放構造への接着を可能にするのに十分である第1接着力を有するように構成され、当該解放構造が第1層及び第2層を含む、解放構造と
を含み、
第1の刺激が前記解放構造に加えられた場合に、前記解放構造の前記第1層は前記第1接着力から第2接着力への接着力の低下を受けるように構成され、前記第2接着力は前記ディスクリート部品を前記解放構造に接着した状態に保持するのに十分であり、
レーザー光の照射が前記解放構造に加えられた場合に、前記解放構造の前記第2層がブリスターを形成するように構成されており、前記ブリスターが前記ディスクリート部品を前記解放構造から解放させる、装置。
【請求項7】
前記ブリスターは、前記照射に応答して第1状態から第2状態への状態変化によって形成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2層は、前記第1層と前記基板との間に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第2層は、前記基板に隣接している、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記状態変化は、形態の変化を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
解放構造であって、
基板上にフィルムを形成するように構成された制御可能な接着材料であって、第1の刺激の適用に応答して第1接着力から第2接着力への接着力の低下を受けるように構成され、前記第1接着力及び前記第2接着力はともに、前記制御可能な接着材料の前記フィルムへのディスクリート部品の接着を可能にするのに十分である、制御可能な接着材料を含む第1層と、
前記第1層と平行でありかつ前記第1層と接触する第2層であって、紫外線光に感受性を有し、前記紫外線光の適用に応答して第1状態から第2状態への状態変化を受けるように構成され、前記第2状態は、前記制御可能な接着材料の前記フィルムからの前記ディスクリート部品の解放を可能にする状態である、第2層と、
を含む、
解放構造を含む、装置。
【請求項12】
前記状態変化は、形態の変化を含む、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の刺激は、前記制御可能な接着材料の表面形態の変化を引き起こす、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の刺激は、前記制御可能な接着材料の少なくとも一部の化学構造又は化学組成又はその両方の変化を引き起こす、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
基板と、
前記基板上に配置された解放構造であって、第1層及び第2層を含み、前記第2層は前記第1層と前記基板との間に配置され、前記第1層は、ディスクリート部品の前記解放構造への接着を可能にするのに十分である第1接着力を有する、解放構造と
を含み、
第1の刺激が前記解放構造に加えられた場合に、前記解放構造の前記第1層は前記第1接着力から第2接着力への接着力の低下を受けるように構成され、前記第2接着力は前記ディスクリート部品を前記解放構造に接着した状態に保持するのに十分であり、
第2の刺激が前記解放構造に加えられた場合に、前記解放構造の前記第2層は第1状態から第2状態への状態変化を受けるように構成され、前記第2状態は前記ディスクリート部品の前記基板からの解放を可能にし、前記状態変化は、形態変化、相転移、化学構造の変化、及び化学組成の変化の1つ以上を含む、装置。
【請求項16】
前記状態変化は、形態の変化を含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の刺激は、制御可能な接着材料の少なくとも一部の化学構造又は化学組成又はその両方の変化を引き起こす、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記状態変化は、前記解放構造の少なくとも一部の相転移を含み、前記相転移は、固体から液体への転移又は固体から気体への転移又はその両方を含む、請求項15に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2016年1月15日に出願された米国特許出願第62/279,143号に対する優先権を主張する。
【0002】
本明細書の記載は、一般に、超小型又は超薄型ディスクリート部品(discrete component)の配置に関する。
【背景技術】
【0003】
公知のアセンブリプロセスは、ロボットのピックアンドプレースシステム、流体自己アセンブリシステム、光アシストアセンブリシステム、又は他のシステムを使用してある場所から別の場所へアイテムを転写することを自動化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
集積回路パッケージングにおける容易なピックアンドプレース用の超小型又は超薄型ディスクリート部品を設置する方法は、2014年8月5日に出願された米国特許出願第62/033,595号及び2015年8月4日に出願されたPCT出願第PCT/US2015/043550号に開示されていると考えられ、その両方の内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、方法は、ディスクリート部品を形成するためにウェハをダイシングするステップと、ディスクリート部品を透明キャリア上に転写するステップであって、ディスクリート部品を透明キャリア上のキャリア解放層(carrier release layer)に接着させるステップを含む、ステップと、透明キャリアからディスクリート部品の1つを解放するステップであって、ディスクリート部品の1つは解放後にデバイス基板上に堆積されている、ステップとを含む。
【0006】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0007】
本方法は、ウェハを50μm未満の厚さまで薄くするステップを含む。ウェハをダイシングするステップは、ディスクリート部品を形成するために薄くされたウェハをダイシングするステップを含む。
【0008】
ウェハをダイシングするステップは、ウェハをダイシングキャリアに接着させるステップを含む。ディスクリート部品を透明キャリア上に転写するステップは、ディスクリート部品をダイシングキャリアから透明キャリアに転写するステップを含む。ダイシングキャリアは、ダイシングテープを含む。
【0009】
透明キャリアからディスクリート部品の1つを解放するステップは、透明キャリア上のキャリア解放層に刺激を加えるステップを含む。刺激は紫外線(UV)光を含む。
【0010】
透明キャリアは、UV光に対して少なくとも部分的に透明である。
【0011】
キャリア解放層は、動的解放層(DRL;dynamic releasing layer)を含む。
【0012】
ディスクリート部品の1つをデバイス基板上に堆積させるステップは、ディスクリート部品の1つをデバイス基板の表面上に配置された取り付け要素(attachment element)上に堆積させるステップを含む。取り付け要素は、熱硬化性材料を含む。取り付け要素は、UV硬化性材料を含む。取り付け要素は、導電性材料を含む。本方法は、取り付け要素を硬化させるために刺激を加えるステップを含む。取り付け要素を硬化させるために刺激を加えることにより、ディスクリート部品がデバイス基板に電気的に接続される。
【0013】
本方法は、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させる(bond)ステップを含む。
【0014】
本方法は、ウェハハンドルアセンブリを形成するためにウェハをハンドル基板に取り付けるステップを含む。ウェハをハンドル基板に取り付けるステップは、ウェハをハンドル基板の表面上に形成されたハンドル解放層に取り付けるステップを含む。ハンドル解放層は感熱材料を含む。ハンドル解放層は、紫外線(UV)感受性材料を含む。ウェハをディスクリート部品にダイシングするステップは、ウェハハンドルアセンブリをハンドルアセンブリにダイシングするステップであって、各ハンドルアセンブリはハンドル基板の対応部分に取り付けられたディスクリート部品を含む、ステップを含む。ディスクリート部品を透明キャリア上に転写するステップは、ハンドルアセンブリを透明キャリア上に転写するステップを含む。ディスクリート部品の1つをデバイス基板上に堆積させるステップは、ハンドルアセンブリの1つを透明キャリア上に堆積させるステップを含む。本方法は、ハンドル基板の対応部分をデバイス基板上に堆積されたディスクリート部品から解放するステップを含む。本方法は、ハンドル基板の対応部分をデバイス基板上に堆積されたディスクリート部品から解放するステップと、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップとを同時に含む。本方法は、(i)ディスクリート部品のデバイス基板への接合と、(ii)ハンドル基板のディスクリート部品からの解放とを引き起こす刺激を加えるステップを含む。本方法は、ディスクリート部品のデバイス基板への接合を引き起こす第1の刺激と、ハンドル基板のディスクリート部品からの解放を引き起こす第2の刺激とを加えるステップを含む。本方法は、ウェハを50μm未満の厚さまで薄くするステップを含む。本方法は、ウェハハンドルアセンブリを形成するために薄くされたウェハをハンドル基板に取り付けるステップを含む。
【0015】
各ディスクリート部品は、超薄型、超小型、又は超薄型及び超小型の両方である。各ディスクリート部品は、50μm以下の厚さを有する。各ディスクリート部品は、300μm/辺以下の最大長さを有する。
【0016】
一態様では、方法は、透明キャリアからハンドルアセンブリを解放するステップであって、ハンドルアセンブリは、解放後にデバイス基板上に堆積され、ハンドルアセンブリは、ハンドル基板に解放可能に(releasably)取り付けられたディスクリート部品を含み、ディスクリート部品は、超薄型、超小型、又は超薄型及び超小型の両方である、ステップを含む。
【0017】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0018】
ハンドル基板は、少なくとも50μmの厚さを有する。
【0019】
本方法は、ハンドルアセンブリを透明キャリアに取り付けるステップを含む。ハンドルアセンブリを透明キャリアに取り付けるステップは、ハンドルアセンブリをダイシングキャリアから透明キャリアに転写するステップを含む。
【0020】
本方法は、ウェハハンドルアセンブリを形成するためにウェハをハンドル基板に取り付けるステップであって、ディスクリート部品はウェハ上に形成されている、ステップを含む。ウェハをハンドル基板に取り付けるステップは、ウェハをハンドル基板の表面上に形成されたハンドル解放層に取り付けるステップを含む。ハンドル解放層は感熱材料を含む。ハンドル解放層は、UV感受性材料を含む。本方法は、ハンドルアセンブリを形成するためにウェハハンドルアセンブリをダイシングするステップを含む。本方法は、ハンドルアセンブリを透明キャリアに取り付けるステップを含む。本方法は、ウェハを50μm未満の厚さまで薄くするステップを含む。本方法は、ウェハハンドル基板を形成するために薄くされたウェハをハンドル基板に取り付けるステップを含む。本方法は、ウェハハンドルアセンブリを透明キャリアに取り付けるステップを含む。本方法は、透明キャリアに取り付けられたウェハハンドルアセンブリをハンドルアセンブリにダイシングするステップを含む。本方法は、ウェハハンドルアセンブリを部分的にダイシングするステップであって、ウェハハンドルアセンブリの全厚さよりも小さくダイシングするステップを含む、ステップを含む。ウェハハンドルアセンブリを透明キャリアに取り付けるステップは、部分的にダイシングされたウェハハンドルアセンブリを透明キャリアに取り付けるステップを含む。本方法は、透明キャリアに取り付けられた部分的にダイシングされたウェハハンドルアセンブリをハンドルアセンブリにダイシングするステップを含む。本方法は、ウェハを50μm未満の厚さまで薄くするステップを含む。本方法は、ウェハハンドルアセンブリを形成するために薄くされたウェハをハンドル基板に取り付けるステップを含む。本方法は、取り付けられたウェハを50μm未満の厚さまで薄くするステップを含む。
【0021】
透明キャリアは、紫外光に対して少なくとも部分的に透明である。透明キャリアはガラスを含む。
【0022】
透明キャリアからハンドルアセンブリを解放するステップは、キャリア基板とハンドルアセンブリとの間に配置された動的解放層に刺激を加えるステップを含む。刺激は紫外光を含む。動的解放層に刺激を加えることにより、動的解放層はハンドルアセンブリを透明キャリアから機械的に解放する。
【0023】
ハンドルアセンブリをデバイス基板上に堆積させるステップは、ハンドルアセンブリをデバイス基板上に配置された取り付け要素上に堆積させるステップを含む。取り付け要素は、熱硬化性材料を含む。取り付け要素は、UV硬化性材料を含む。取り付け要素は、導電性材料を含む。本方法は、取り付け要素を硬化させるために刺激を加えるステップを含む。
【0024】
本方法は、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップを含む。本方法は、ハンドルアセンブリをデバイス基板上に堆積した後に、ハンドル基板をディスクリート部品から解放するステップを含む。ハンドル基板をディスクリート部品から解放するステップは、ハンドル基板とディスクリート部品との間に配置されたハンドル解放層を解放するために刺激を加えるステップを含む。本方法は、ウェハハンドルアセンブリをデバイス基板に接合させるステップと、ハンドル基板をディスクリート部品から解放するステップとを同時に含む。本方法は、(i)ディスクリート部品のデバイス基板への接合と、(ii)ハンドル基板のディスクリート部品からの解放とを引き起こす刺激を加えるステップを含む。本方法は、ディスクリート部品のデバイス基板への接合を引き起こす第1の刺激と、ハンドル基板のディスクリート部品からの解放を引き起こす第2の刺激とを加えるステップを含む。
【0025】
一態様では、装置は、透明キャリアに取り付けられたハンドルアセンブリであって、ハンドル基板に解放可能に取り付けられたディスクリート部品を含み、ディスクリート部品は、超薄型、超小型、又は超薄型及び超小型の両方である、ハンドルアセンブリを含む。
【0026】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0027】
本装置は、透明キャリアに取り付けられた複数のハンドルアセンブリを含む。
【0028】
ハンドル基板は、少なくとも50μmの厚さを有する。
【0029】
透明キャリアは、紫外光に対して少なくとも部分的に透明である。
【0030】
透明キャリアはガラスを含む。
【0031】
透明キャリアは、透明キャリアの表面上に配置された動的解放層を含み、動的解放層は、透明キャリアとハンドルアセンブリとの間に配置されている。動的解放層は、透明キャリアとハンドルアセンブリとの間に配置される。動的解放層は、加えられた刺激に機械的に応答する。加えられた刺激は紫外光を含む。
【0032】
ハンドル基板は、ハンドル基板の表面上に形成されたハンドル解放層を含み、ハンドル解放層は、ハンドル基板とディスクリート部品との間に配置されている。ハンドル解放層は感熱材料を含む。ハンドル解放層は、UV感受性材料を含む。
【0033】
ディスクリート部品は、半導体基板上に形成された集積回路を含む。
【0034】
一態様では、装置は、透明キャリアに取り付けられたウェハハンドルアセンブリであって、ハンドル基板に解放可能に取り付けられたウェハを含み、ディスクリート部品はウェハ上に形成されており、(i)ウェハ上に形成されたディスクリート部品が超小型であるか、又は(ii)ウェハが超薄型であるか、又は(iii)(i)と(ii)の両方であるように構成されている、ウェハハンドルアセンブリを含む。
【0035】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0036】
ハンドル基板は、少なくとも50μmの厚さを有する。
【0037】
透明キャリアは、紫外光に対して少なくとも部分的に透明である。
【0038】
透明キャリアはガラスを含む。
【0039】
透明キャリアは、透明キャリアの表面上に配置された動的解放層を含み、動的解放層は、透明キャリアとウェハハンドルアセンブリとの間に配置されている。動的解放層は、透明キャリアとウェハハンドルアセンブリとの間に配置される。動的解放層は、加えられた刺激に機械的に応答する。加えられた刺激は紫外光を含む。
【0040】
ハンドル基板は、ハンドル基板の表面上に形成されたハンドル解放層を含み、ハンドル解放層は、ハンドル基板とディスクリート部品との間に配置されている。ハンドル解放層は感熱材料を含む。ハンドル解放層は、UV感受性材料を含む。
【0041】
ウェハは半導体ウェハを含む。
【0042】
一態様では、方法は、ディスクリート部品を含むアセンブリを流動性材料内に埋め込むステップであって、ディスクリート部品を含むアセンブリは第1ハンドル基板に取り付けられている、ステップと、埋め込まれたディスクリート部品を50μm未満の厚さまで薄くするステップとを含む。
【0043】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0044】
ディスクリート部品を含むアセンブリは、ハンドルアセンブリを含む。
【0045】
アセンブリを流動性材料内に埋め込むステップは、第1ハンドル基板の表面上に流動性材料の層を堆積させるステップを含む。
【0046】
アセンブリを流動性材料内に埋め込むステップは、第1ハンドル基板の表面上に第2ハンドル基板を配置するステップであって、アセンブリは第1ハンドル基板の表面上に配置されており、流動性材料の層は第2ハンドル基板の表面上に配置されている、ステップを含む。第1ハンドル基板の表面上に第2ハンドル基板を配置するステップは、第2ハンドル基板の表面上に配置された流動性材料の層を第1ハンドル基板の表面と接触させるステップを含む。アセンブリを流動性材料内に埋め込むステップは、流動性材料の層を流動させるステップを含む。流動性材料の層を流動させるステップは、流動性材料の層を紫外線(UV)光に曝すステップを含む。流動性材料の層を流動させるステップは、流動性材料の層を熱刺激に曝すステップを含む。第2ハンドル基板は、UV光に対して少なくとも部分的に透明である。第2ハンドル基板はガラスを含む。本方法は、第2ハンドル基板を除去するステップを含む。
【0047】
流動性材料はフォトレジストを含む。
【0048】
本方法は、埋め込まれたディスクリート部品を薄くした後に流動性材料を除去するステップを含む。第1ハンドル基板は、透明キャリアを含む。本方法は、薄くされたディスクリート部品を透明キャリアからデバイス基板に転写するステップを含む。
【0049】
本方法は、薄くされたディスクリート部品を第3ハンドル基板に転写するステップを含む。薄くされたディスクリート部品を第3ハンドル基板に転写するステップは、薄くされたディスクリート部品を、第3ハンドル基板の表面上に配置されたハンドル解放層に取り付けるステップを含む。薄くされたディスクリート部品を第3ハンドル基板に転写するステップは、ディスクリート部品と第1ハンドル基板との間に配置されたハンドル解放層を解放するステップを含む。ハンドル解放層を解放するステップは、解放層に刺激を加えるステップを含む。刺激はUV光を含む。刺激は熱刺激を含む。本方法は、第3ハンドル基板の対応部分に取り付けられた薄くされたディスクリート部品を含むハンドルアセンブリを形成するために、第3ハンドル基板をダイシングするステップを含む。第3ハンドル基板をダイシングするステップは、第3ハンドル基板と、第3ハンドル基板の表面上に配置されたハンドル解放層とをダイシングするステップを含み、形成されたハンドルアセンブリは、第3ハンドル基板の対応部分上に配置されたハンドル解放層に取り付けられた薄くされたディスクリート部品を含む。本方法は、ハンドルアセンブリをデバイス基板に転写するステップを含む。本方法は、ピックアンドプレース(pick-and-place)アプローチを用いてハンドルアセンブリをデバイス基板に転写するステップを含む。本方法は、ハンドルアセンブリを透明キャリアに転写するステップを含む。ハンドルアセンブリを透明キャリアに転写するステップは、ハンドルアセンブリを透明キャリア上に配置されたキャリア解放層に接着させるステップを含む。本方法は、ハンドルアセンブリを透明キャリアからデバイス基板に転写するステップを含む。
【0050】
本方法は、ディスクリート部品を第1ハンドル基板に取り付けるステップを含む。
【0051】
本方法は、ディスクリート部品を第1ハンドル基板の表面上に配置されたハンドル解放層に取り付けるステップを含む。本方法は、ピックアンドプレースアプローチを用いてディスクリート部品を第1ハンドル基板に取り付けるステップを含む。本方法は、複数のディスクリート部品を第1ハンドル基板に取り付けるステップを含む。複数のディスクリート部品の少なくとも1つは、複数のディスクリート部品の他のそれぞれとは異なる。
【0052】
一態様では、方法は、第1の基板を第1の刺激に曝すステップであって、第1の基板と第1の基板に接着されたディスクリート部品との間の接着力は第1の刺激に応答して低下する、ステップと、ディスクリート部品を第1の基板から第2の基板に転写するステップと、第2の基板を第2の刺激に曝すステップであって、第1の基板とディスクリート部品との間の接着力は第2の刺激に応答して低下する、ステップとを含む。
【0053】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0054】
本方法は、ウェハを第1の基板に取り付けるステップであって、ディスクリート部品はウェハ上に形成されている、ステップを含む。本方法は、ディスクリート部品を形成するために第1の基板に取り付けられたウェハをダイシングするステップを含む。ウェハを第1の基板に取り付けるステップは、ウェハハンドルアセンブリを第1の基板に取り付けるステップであって、ウェハハンドルアセンブリは、ハンドル基板に取り付けられたウェハを含む、ステップを含む。本方法は、ハンドルアセンブリを形成するために第1の基板に取り付けられたウェハハンドルアセンブリをダイシングするステップであって、各ハンドルアセンブリは、ディスクリート部品及びハンドル基板の対応部分を含む、ステップを含む。
【0055】
第1の基板はダイシングテープを含む。
【0056】
第1の基板を第1の刺激に曝すステップは、第1の基板を紫外光に曝すステップを含む。第1の基板を第1の刺激に曝すステップは、第1の基板を熱に曝すステップを含む。第2の基板を第2の刺激に曝すステップは、第2の基板を紫外光に曝すステップを含む。第2の基板を第2の刺激に曝すことは、第2の基板を熱に曝すステップを含む。
【0057】
本方法は、ディスクリート部品を第2の基板から透明キャリアに転写するステップを含む。
【0058】
第2の基板は、真空チャック上に配置されたテープを含む。本方法は、真空チャックに真空を適用するステップであって、適用された真空はテープを真空チャックに固定する、ステップを含む。
【0059】
一態様では、方法は、ディスクリート部品を形成するために透明キャリア上に配置された解放層に取り付けられたウェハをダイシングするステップと、解放層を刺激に曝すステップであって、解放層とディスクリート部品との間の接着力は刺激に応答して低下する、ステップとを含む。
【0060】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0061】
解放層を刺激に曝すステップは、解放層を熱に曝すステップを含む。解放層を刺激に曝すステップは、解放層を紫外光に曝すステップを含む。
【0062】
刺激に曝された後の解放層とディスクリート部品との間の接着力は、ディスクリート部品が解放層に接着するのに十分である。
【0063】
解放層は、接着層及び動的解放層を含む。刺激に曝されると、接着層の接着力が低下する。本方法は、解放層を第2の刺激に曝すステップであって、動的解放層は第2の刺激に機械的に応答する、ステップを含む。ディスクリート部品の1つ以上は、解放層が第2の刺激に曝されると、デバイス基板に転写される。
【0064】
ウェハをダイシングするステップは、ハンドルアセンブリを形成するためにウェハハンドルアセンブリをダイシングするステップであって、ウェハハンドルアセンブリは、ハンドル基板に取り付けられたウェハを含み、各ハンドルアセンブリはディスクリート部品の1つ及びハンドル基板の対応部分を含む、ステップを含む。
【0065】
一態様では、方法は、解放層とディスクリート部品との間の接着力を低下させることによって、仮ハンドル(interim handle)上の解放層からディスクリート部品を解放するステップであって、この低下は、解放層の表面形態の変化を引き起こす刺激を加えることを含む、ステップを含む。
【0066】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0067】
解放層の表面形態を変化させることは、表面を膨れさせること(blistering)を含む。刺激は、熱又は光を含む。
【0068】
一態様では、方法は、解放層とディスクリート部品との間の接着力を低下させることによって、仮ハンドル上の解放層からディスクリート部品を解放するステップであって、この低下は、解放層の少なくとも一部の相転移を引き起こす刺激を加えることを含む、ステップを含む。
【0069】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0070】
相転移は、固体から液体への転移又は固体から気体への転移又はその両方を含む。刺激は、熱又は圧力又はその両方を含む。
【0071】
一態様では、方法は、解放層とディスクリート部品との間の接着力を低下させることによって、仮ハンドル上の解放層からディスクリート部品を解放するステップであって、この低下は、解放層の少なくとも一部の化学構造又は化学組成又はその両方を変化させる刺激を加えることを含む、ステップを含む。
【0072】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0073】
解放層の一部は熱分解(thermal decomposition)を受ける。解放層の一部は光分解(photodegradation)を受ける。
【0074】
一態様では、方法は、解放層とディスクリート部品との間の接着力を低下させることによって、仮ハンドル上の解放層からディスクリート部品を解放するステップであって、接着力の低下後の接着力の回復は、防止、抑制又は遅延されている、ステップを含む。
【0075】
一態様では、方法は、解放層とディスクリート部品との間の接着力を低下させることによって、仮ハンドル上の解放層からディスクリート部品を解放するステップであって、解放後にディスクリート部品上に解放層からの残留物を残すことなくディスクリート部品を解放するステップを含む、ステップを含む。
【0076】
一態様では、方法は、仮ハンドルの解放層からディスクリート部品を解放するステップと、ディスクリート部品及びハンドル基板を堆積させるステップとを含み、解放層は、解放前に10μm未満の厚さを有する。
【0077】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0078】
解放層は単層を含む。
【0079】
解放層は、第1層及び第2層を含む。解放層は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品の堆積を対象とする第2層とを含む。第2層は第1層に平行である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第1層は永久接着剤である。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。
【0080】
本方法は、デバイス基板と接触させるためにハンドル基板上にディスクリート部品を転写するステップを含む。本方法は、ディスクリート部品をデバイス基板上に堆積させるためにディスクリート部品をハンドル基板から解放するステップを含む。ディスクリート部品をデバイス基板上に堆積させるステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップを含む。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップと同時に行われる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップに応じるものである。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させることによって引き起こされる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップの後に完了する。ディスクリート部品は、デバイス基板との接合によってハンドルから解放される。接合させるステップは、ディスクリート部品の基板との接合と、ディスクリート部品のハンドルからの解放との両方のために熱エネルギー又はUV光を供給するステップをさらに含む。ハンドル基板は、ハンドル基板からディスクリート部品を解放する際にデバイス基板と接触した状態のままである。本方法は、ディスクリート部品からハンドル基板を除去するステップを含む。ハンドル基板を除去するステップは、以下:ブラシ、ブレード、圧縮空気、真空力、振動、又は重力、のうちの少なくとも1つ、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを適用するステップを含む。
【0081】
ハンドル基板は、49~801ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板は、100~800ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板は、300~800ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0082】
一態様では、装置は、解放層を介して仮ハンドルに取り付けられたディスクリート部品であって、解放層は、加えられた刺激に応答して表面形態の変化を受けるように構成されている、ディスクリート部品を含む。
【0083】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0084】
表面形態の変化は、ブリスターを含む。表面形態の変化は、解放層の表面にわたる複数のブリスターを含む。
【0085】
一態様では、装置は、解放層を介して仮ハンドルに取り付けられたディスクリート部品であって、解放層の少なくとも一部は、加えられた刺激に応答して相転移を受けるように構成されている、ディスクリート部品を含む。
【0086】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0087】
相転移は、固体から液体への転移又は固体から気体への転移又はその両方を含む。
【0088】
一態様では、装置は、解放層を介して仮ハンドルに取り付けられたディスクリート部品であって、解放層の少なくとも一部は、加えられた刺激に応答して化学構造又は化学組成又はその両方の変化を受けるように構成されている、ディスクリート部品を含む。
【0089】
実施形態は、以下の特徴の1つ以上を含むことができる。
【0090】
変化は熱分解を含む。変化は光分解を含む。
【0091】
一態様では、装置は、解放層を介して仮ハンドルに取り付けられたディスクリート部品を含み、解放層は、解放層とディスクリート部品との間の接着力の低下後に解放層の接着力の回復が防止、抑制又は遅延されるように構成されている。
【0092】
一態様では、装置は、解放層を介して仮ハンドルに取り付けられたディスクリート部品であって、解放層は10μm未満の厚さを有する、ディスクリート部品を含む。
【0093】
一般に、一態様では、方法は、キャリアからディスクリート部品を解放するステップと、ハンドル基板上にディスクリート部品を堆積させるステップとを含み、ディスクリート部品は、超薄型、超小型、又は超薄型及び超小型の形状を有し、ハンドル基板は、少なくとも50ミクロンの厚さと、少なくとも300ミクロンの少なくとも一辺の長さとを有する。
【0094】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。本方法はまた、ディスクリート部品が解放層に解放可能に取り付けられるように、ハンドル基板に解放層を含むことができる。解放層は感熱材料である。解放層は、紫外線(「UV」)感光材料である。解放層は、第1層及び第2層を含む。第1層は、ハンドルに取り付けられており、第2層は、ディスクリート部品の堆積を対象とする。第2層は第1層に平行である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第1層は永久接着剤である。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させるか、又はUV光の照射に応答して接着力を低下させる。本方法は、デバイス基板と接触させるためにハンドル基板上にディスクリート部品を転写するステップを含む。本方法は、ディスクリート部品をデバイス基板上に堆積させるためにディスクリート部品をハンドル基板から解放するステップを含む。ディスクリート部品をデバイス基板上に堆積させるステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップを含む。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップと同時に行われる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップに応じるものである。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させることによって引き起こされる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップの後に完了する。ディスクリート部品は、デバイス基板との接合によってハンドルから解放される。接合させるステップは、ディスクリート部品の基板との接合と、ディスクリート部品のハンドルからの解放との両方のために熱エネルギー又はUV光のエネルギーを供給するステップをさらに含む。ハンドル基板は、ディスクリート部品からハンドル基板を解放する際にデバイス基板と接触した状態のままである。本方法は、ディスクリート部品からハンドル基板を除去するステップをさらに含む。ハンドル基板を除去するステップは、以下:ブラシ、ブレード、圧縮空気、真空力、振動、又は重力、のうちの少なくとも1つ、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを適用するステップを含むことができる。ハンドル基板は、49~801ミクロン、100~800ミクロン、及び/又は300~800ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0095】
一般に、一態様では、装置は、超薄型、超小型、又は超薄型及び超小型の形状を有するディスクリート部品と、ディスクリート部品に解放可能に取り付けられたハンドル基板とを含み、ハンドル及びディスクリート部品は、ディスクリート部品よりも厚くかつ幅広い形状を有する。
【0096】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。本装置はまた、ディスクリート部品が解放層に解放可能に取り付けられるようにハンドル基板に取り付けられた解放層を含む。解放層は感熱材料である。解放層は、紫外線感光材料である。解放層は、第1層及び第2層を含む。解放層は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品の堆積を対象とする第2層とを含む。第2層は第1層に平行である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第1層は感受性永久接着剤である。第2層の感熱性は、接着剤の熱パラメータを超える熱に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、接着剤の熱パラメータを超える熱に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。ハンドル基板は、49~801ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、100~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、300~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0097】
一般に、一態様では、方法は、超薄型、超小型又は超薄型及び超小型のディスクリート部品の表面と、超薄型及び超小型ディスクリート部品が取り付けられる基板との間の材料を、その材料が基板上に超薄型及び超小型のディスクリート部品を保持する状態に変化させる処理ステップを適用することを含む。処理ステップは同時に、ピックアンドプレースツールのチャックによって保持されているハンドル上の超薄型及び超小型ディスクリート部品の反対面を一時的に保持する材料を、その材料がハンドル上に超薄型及び超小型ディスクリート部品をもはや保持していない状態に変化させる。本方法は、状態の変化を引き起こすステップを含み、それは、熱エネルギー、UV光、又はその両方を供給するステップを含む。ディスクリート部品の反対面をハンドル基板上に一時的に保持する材料は、第1層及び第2層を含む解放層を含む。ディスクリート部品の反対面をハンドル基板上に一時的に保持する材料は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品を一時的に保持する第2層とを含む解放層を含む。解放層は感熱材料である。解放層は、UV感光材料である。第2層は第1層に平行である。第1層は永久接着剤であり、第2層は感熱性である。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。ハンドルは、49~801ミクロンの間の厚さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、100~600ミクロンの間の長さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、300~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0098】
一般に、一態様では、方法は、ハンドル基板上に超薄型ウェハを堆積させるステップと、超薄型ウェハからディスクリート部品を解放するステップとを含み、ディスクリート部品は超薄型形状を有し、ハンドル基板は少なくとも50ミクロンの厚さを有する。
【0099】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。
【0100】
本方法はまた、超薄型ウェハが解放層に解放可能に取り付けられるように、解放層をハンドル基板に取り付けるステップを含む。ディスクリート部品を解放するステップは、超薄型ウェハをダイシングするステップを含む。超薄型ウェハをダイシングするステップは、ディスクリート部品がハンドル基板に解放可能に取り付けられるように、ダイシングされたハンドル基板を形成するためにハンドル基板をダイシングするステップをさらに含む。ディスクリート部品は、ダイシングされたハンドル基板の表面を覆うようにサイズ調整される。解放層は感熱材料である。解放層は紫外線感光材料である。解放層は、第1及び第2層を含む。解放層は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品の堆積を対象とする第2層とを含む。第2層は第1層に平行である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第1層は永久接着剤である。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。本方法はまた、デバイス基板と接触させるためにハンドル基板上にディスクリート部品を転写するステップを含む。本方法はまた、ディスクリート部品をデバイス基板上に堆積させるためにディスクリート部品をハンドル基板から解放するステップを含む。ディスクリート部品をデバイス基板上に堆積させるステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップを含む。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップと同時に行われる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップに応じるものである。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させることによって引き起こされる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させるステップの後に完了する。ディスクリート部品は、デバイス基板との接合によってハンドルから解放される。接合させるステップは、ディスクリート部品の基板との接合と、ディスクリート部品のハンドルからの解放との両方のために熱エネルギー又はUV光を供給するステップをさらに含む。ハンドル基板は、49~801ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板は、ハンドル基板をディスクリート部品から解放する際にデバイス基板と接触した状態のままである。本方法は、ディスクリート部品からハンドル基板を除去するステップをさらに含む。ハンドル基板を除去するステップは、以下:ブラシ、ブレード、圧縮空気、真空力、振動、液体ジェット、静電気力、電磁力又は重力、のうちの少なくとも1つ、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせを適用するステップを含むことができる。ハンドルの少なくとも一辺は、100~600ミクロンの間の長さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、300~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0101】
一般に、一態様では、装置は、超薄型形状を有するディスクリート部品と、ディスクリート部品に解放可能に取り付けられたハンドル基板とを含み、ハンドル及びディスクリート部品は、ディスクリート部品よりも厚い形状を有する。
【0102】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。本装置はまた、ディスクリート部品が解放層に解放可能に取り付けられるようにハンドル基板に取り付けられた解放層を含む。解放層は感熱材料である。解放層は、紫外線感光材料である。解放層は、第1層及び第2層を含む。解放層は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品の堆積を対象とする第2層とを含む。第2層は第1層に平行である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第1層は感受性永久接着剤である。第2層の感熱性は、接着剤の熱パラメータを超える熱に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、接着剤の熱パラメータを超える熱に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。ハンドル基板は、49~801ミクロンの間の厚さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、100~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、300~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドル基板の少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0103】
一般に、一態様では、方法は、超薄型ディスクリート部品の表面と、超薄型ディスクリート部品が取り付けられる基板との間の材料を、その材料が基板上にディスクリート部品を保持する状態に変化させる処理ステップを適用することを含む。処理ステップは同時に、ピックアンドプレースツールのチャックによって保持されているハンドル上の超薄型ディスクリート部品の反対面を一時的に保持する材料を、その材料がハンドル上にディスクリート部品をもはや保持していない状態に変化させる。
【0104】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。本方法は、状態の変化を引き起こすステップを含み、それは、熱エネルギー、UV光、又はその両方を供給するステップを含む。ディスクリート部品の反対面をハンドル基板上に一時的に保持する材料は、第1層及び第2層を含む解放層を含む。ディスクリート部品の反対面をハンドル基板上に一時的に保持する材料は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品を一時的に保持する第2層とを含む解放層を含む。解放層は感熱材料である。解放層は、UV感光材料である。第2層は第1層に平行である。第1層は永久接着剤であり、第2層は感熱性である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。ハンドルは、49~801ミクロンの間の厚さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、100~600ミクロンの間の長さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、300~800ミクロンの間の長さを含む。ハンドルの少なくとも一辺は、400~600ミクロンの間の長さを含む。
【0105】
一般に、一態様では、方法は、ハンドル基板をディスクリート部品に取り付けるために解放可能層(releasable layer)を使用するステップと、ハンドル基板がディスクリート部品に取り付けられている間に、ハンドル基板を保持してディスクリート部品をデバイス基板上の接着層と接触させるためにツールを使用するステップとを含む。本方法はまた、解放可能層がディスクリート部品からハンドル基板を解放し、ディスクリート部品が接着層でデバイス基板に取り付けられるようにするステップと、ハンドル基板が解放された解放可能層を介してディスクリート部品と接触した状態である間にハンドル基板からツールを引き出すステップとを含む。
【0106】
実施形態は、以下の特徴の1つ又は任意の2つ以上の組み合わせを含むことができる。
【0107】
本方法は、ディスクリート部品との接触からハンドル基板を除去するステップを含む。ディスクリート部品との接触からハンドル基板を除去するステップは、以下:ブラシ、ブレード、圧縮空気、真空力、振動、又は重力、のうちの少なくとも1つ、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせを適用するステップを含む。解放可能層は感熱材料である。解放可能層は紫外線感光材料である。解放可能層は、第1及び第2層を含む。解放可能層は、ハンドルに取り付けられた第1層と、ディスクリート部品の堆積を対象とする第2層とを含む。第2層は第1層に平行である。第2層はUV感受性である。第2層は感熱性である。第1層は永久接着剤である。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を低下させる。第2層の感熱性は、熱エネルギーの適用に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を増加させる。UV感光性は、UV光の照射に応答して接着強度を低下させる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に取り付けるステップと同時に行われる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に取り付けるステップに応じるものである。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に取り付けることによって引き起こされる。ディスクリート部品をハンドルから解放するステップは、ディスクリート部品をデバイス基板に取り付けるステップの後に完了する。ディスクリート部品は、ディスクリート部品をデバイス基板に取り付けることによってハンドルから解放される。
【0108】
本明細書では、とりわけ、超小型及び/又は超薄型ディスクリート部品、例えば、結果として得られるアセンブリが標準的な電子パッケージング装置、例えばピックアンドプレース型のダイボンダー及び他のチップアセンブリ装置に適合できるようにハンドル基板に一時的に取り付けられた集積回路を含む、超小型及び/又は超薄型半導体ダイをパッケージングする新しい方法について記載される。とりわけ、本明細書で記載される方法及び製品は、比較的単純で、安価で、効果的で、現在のシステムと適合可能であり得る。その点で、これらの方法及び製品は、新しい市場を開拓し、低コストの電子デバイスを含む技術に対して現在の市場を拡大するであろう。
【0109】
本明細書では、ディスクリート部品との用語は、例えば電子、電気機械、又は光電子部品、モジュール、又はシステムなどの製品又は電子デバイスの一部となる任意のユニット、例えば半導体材料の一部の上に形成された回路を有する任意の半導体材料を広く含む。
【0110】
本明細書では、デバイス基板との用語は、例えば、ディスクリート部品を受け取るか、又はディスクリート部品が組み立てられる任意の物体、例えば、より高レベルのアセンブリ、例えば、製品又は電子デバイス、電子、電気機械、又は光電子部品、又はシステムを広く含む。幾つかの例では、デバイス基板は、可撓性のある有機基板とすることができる。
【0111】
本明細書では、ハンドル、ハンドル基板、仮ハンドル、又は仮ハンドル基板との用語は、例えば、ブランクシリコンウェハ、ガラス又はセラミック基板などの任意の剛性基板、又は剛性ポリマー又は複合材料で作られた基板、ディスクリート部品をデバイス基板に転写するための一時的使用及び/又は1つ以上のディスクリート部品を支持するための一時的使用のために、ディスクリート部品の厚さ又は剛性又はその両方を超える厚さ又は剛性又はその両方を有して作られた基板を広く含む。
【0112】
本明細書では、キャリア又はキャリア基板との用語は、例えば、1つ以上のディスクリート部品を含む任意の材料、例えば、製造業者によって組み立てられたディスクリート部品の集合体、例えば1つ以上の半導体ダイを含むウェハなど、を広く含む。
【0113】
本明細書では、透明キャリアとの用語は、例えば、ディスクリート部品がキャリア解放層を介して取り付けられ、紫外、可視、又は赤外電磁スペクトルの少なくとも幾つかの波長に対して少なくとも部分的に透明である、例えばガラス又は透明ポリマーなどの任意の材料を広く含む。
【0114】
ディスクリート部品に関して、本明細書では、超薄型との用語は、例えば、一般的なピックアンドプレース技術に適合できない厚さを有する、例えば50μm以下の厚さを有するディスクリート部品を広く含む。
【0115】
ディスクリート部品に関して、本明細書では、超小型との用語は、例えば、一般的なピックアンドプレース技術に適合できないサイズを有する、例えば300μm/辺以下の最大長さを有するディスクリート部品を広く含む。
【0116】
ウェハに関して、本明細書では、超薄型との用語は、例えば、50μm以下の最大厚さを有する半導体ウェハを広く含む。
【0117】
これら及び他の態様、特徴、実施形態、及び利点は、方法、装置、システム、部品、機能を実施するための手段又はステップとして、及び他の方法及びこれらの組み合わせにおいて表すことができる。
【0118】
これら及び他の態様、特徴、実施形態、及び利点は、以下の記載から、また特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0119】
図1A】デバイス基板上のディスクリート部品の図である。
図1B】デバイス基板上のディスクリート部品の図である。
図2】超小型及び超薄型の裸の(bare)ディスクリート部品とハンドル基板とを含むハンドルアセンブリの概略側面図である。
図3】超小型及び超薄型の裸のディスクリート部品とハンドル基板とを含むハンドルアセンブリの概略側面図である。
図4】超薄型の裸のディスクリート部品とハンドル基板とを含むハンドルアセンブリの概略側面図である。
図5】フローチャートである。
図6図6A及び図6Bはともに、ウェハ薄化の図である。
図7】ハンドル基板上に取り付けられた超薄型ウェハの図である。
図8A】超薄型ウェハのダイシングの図である。
図8B】超薄型ウェハのダイシングの図である。
図9】ダイシングされた超薄型ウェハの転写の図である。
図10】ダイシングされた超薄型ウェハの転写の図である。
図11】ダイシングされた超薄型ウェハの転写の図である。
図12】ダイシングされた超薄型ウェハの転写の図である。
図13】ダイシングされた超薄型ウェハの転写の図である。
図14】ディスクリート部品のピックアンドプレースアセンブリの図である。
図15】超薄型又は超小型又はその両方であるディスクリート部品を転写するためのレーザーアシスト非接触法の図である。
図16図2のハンドルアセンブリを使用したディスクリート部品のパッケージングプロセスの一例を示す概略図であって、超小型及び超薄型の裸のディスクリート部品のアクティブ面は、デバイス基板から遠ざかる方向に面している。
図17】ディスクリート部品との取り付けの前のハンドル基板の概略側面図である。
図18】転写アセンブリ及びデバイス基板アセンブリの概略側面図である。
図19図2のハンドルアセンブリを使用したディスクリート部品のパッケージングプロセスの別の例を示す概略図であって、超小型及び超薄型の裸のディスクリート部品のアクティブ面は、デバイス基板から遠ざかる方向に面している。
図20】ディスクリート部品との取り付けの前のハンドル基板の概略側面図である。
図21】複数のハンドル基板アセンブリの概略側面図である。
図22図3のハンドルアセンブリを使用したディスクリート部品のパッケージングプロセスの一例を示す概略図であって、超小型及び超薄型の裸のディスクリート部品のアクティブ面は、デバイス基板に面している。
図23】転写アセンブリ及びデバイス基板アセンブリの概略側面図である。
図24】ディスクリート部品との取り付けの前のハンドル基板の概略側面図である。
図25図4のハンドルアセンブリを使用したディスクリート部品のパッケージングプロセスの一例を示す概略図であって、超薄型の裸のディスクリート部品のアクティブ面は、デバイス基板に面している。
図26】転写アセンブリ及びデバイス基板アセンブリの概略側面図である。
図27】プロセスのフロー図である。
図28】プロセスのフロー図である。
図29】プロセスのフロー図である。
図30】プロセスのフロー図である。
図31図25のディスクリート部品のパッケージングプロセスで使用するためのプロセスの一例を示す概略図である。
図32】プロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0120】
本明細書では、とりわけ、可撓性が高く、及び/又は微小な(例えば、知覚できない)ディスクリート部品をパッケージングする新しい方法を記載する。例えば、ディスクリート部品は、集積回路を含む半導体ダイであってもよい。このような可撓性があり知覚できないディスクリート部品は、超薄型及び/又は超小型であり、広範囲の用途に有益である可撓性及び低コストを提供するが、また、現時点では、例えばピックアンドプレース装置などの従来のパッケージング技術には適合できない。とりわけ、本明細書で記載する方法及び製品は、従来のピックアンドプレース装置と組み合わせてこのような超薄型及び/又は超小型ディスクリート部品を取り扱うように最適化されている。その点で、これらの方法及び製品は、結果として、従来のディスクリート部品及びピックアンドプレース装置で可能な速度よりも高いパッケージング速度を支持しながら、電子製品の製造コストを低減することができる。
【0121】
ディスクリート部品は一連のプロセスステップに従ってパッケージングされ、各プロセスステップは1つ以上の可能なアプローチを有する。これらのアプローチは、超小型又は超薄型ディスクリート部品をパッケージングする様々なプロセスを得るために、ミックスアンドマッチスキームと組み合わせることができる。これらのプロセスの幾つかでは、ディスクリート部品は、結果として得られるアセンブリが標準的な電子パッケージング装置、例えばピックアンドプレース型のダイボンダー又は他のチップアセンブリ装置に適合できるように、ハンドル基板に一時的に取り付けられる。これらのプロセスの幾つかでは、標準的な電子パッケージング装置に適合できないディスクリート部品を転写するために、レーザーアシスト非接触転写法が使用される。とりわけ、本明細書で記載する方法及び製品は、比較的単純で、安価で、効果的で、現在のシステムに適合可能であり得る。その点で、これらの方法及び製品は、新しい市場を開拓し、低コストの電子デバイスを含む技術に対して現在の市場を拡大するであろう。
【0122】
本明細書に記載されたプロセスは、超小型又は超薄型又はその両方であるディスクリート部品、例えば、標準的な集積回路パッケージング装置又はアプローチに対して薄すぎるか又は小さすぎるか又はその両方であるディスクリート部品のパッケージングを可能にすることができる。ディスクリート部品は、例えば、50μm以下、40μm以下、30μm以下、25μm以下、20μm以下、10μm以下、及び5μm以下の最大厚さを有して超薄型に、例えば、300μm/辺以下、250μm/辺、200μm/辺、150μm/辺及び100μm/辺の最大長さ又は幅寸法を有して超小型に、又は超薄型及び超小型の両方に形成される。このように、ディスクリート部品の寸法は、ディスクリート部品又は同様のサイズのディスクリート部品のパッケージングを完全に不可能にするとは言わないまでも、例えば機械的ピックアンドプレースシステムなどの現在の大規模な集積回路パッケージング技術を、(例えば、物理的制限、高価なコスト、非効率性、及び/又は生産速度の低さにより)無効にする。
【0123】
図1Aを参照すると、本明細書に記載された1つ以上のプロセスを使用して、電子デバイス内にパッケージングするために、超薄型、極小型、又はその両方であるディスクリート部品10をデバイス基板12上に配置することができる。デバイス基板12は、集積回路パッケージングに適合できる基板、例えばプリント回路基板、プラスチックケーシング、セラミック基板、フレキシブル回路、又は他のデバイス基板などとすることができる。ディスクリート部品10は、例えば(以下で議論される)硬化可能な導電性又は非導電性接着剤などの取り付け要素14を介して、デバイス基板12に機械的に接合され、電気的に接続され、又はその両方を行うことができる。
【0124】
ディスクリート部品10は、その上に1つ以上の集積回路デバイスが形成されたアクティブ面102を含む。幾つかの例では、アクティブ面102は、パッシベーション層(図示せず)を含むことができる。図1Aの例では、ディスクリート部品10は、ディスクリート部品10のアクティブ面102がデバイス基板12から離れる向きになるように、デバイス基板12上に配置される(本明細書では「フェイスアップ」位置と呼ぶことがある)。デバイス基板12上にフェイスアップ位置で配置される場合、ディスクリート部品10は、ワイヤボンディング、テープ自動ボンディング(TAB)、スクリーン印刷、直接描画(direct write)、又は他の方法などのアプローチを使用して、デバイス基板12上の他の構成要素に電気的に接続することができる。ディスクリート部品の裏面は、共晶合金、はんだ、導電性又は非導電性エポキシなどの接着剤、ポリアミド、又は他の材料又は方法などのアプローチを使用して、デバイス基板に接合される。
【0125】
図1Bを参照すると、幾つかの例では、本明細書に記載されたプロセスの1つ以上を使用して、ディスクリート部品10のアクティブ面102がデバイス基板12に向かうように、ディスクリート部品10をデバイス基板12上に配置することができる(本明細書では「フェイスダウン」位置又は「フリップチップ」構成と呼ぶことがある)。フリップチップ構成でパッケージングする場合、ディスクリート部品は、導電性接着剤又ははんだ付けなどのフリップチップアセンブリ法を使用して、デバイス基板上の他の構成要素に電気的に接続することができる。
【0126】
図2及び3に示すように、幾つかの例では、ディスクリート部品10及びハンドル基板108を含むハンドルアセンブリ100は、ディスクリート部品10をデバイス基板上に配置するように操作される。ディスクリート部品10はアクティブ面102を含み、それは集積回路デバイスを含む。アクティブ面102はまた、パッシベーション層(図示せず)を含むことができる。ディスクリート部品10は、ディスクリート部品10に露出された第1面104と、ハンドル基板108に露出された第2面106とを有するハンドル解放層105への取り付けを介して、ハンドル基板108に解放可能に取り付けられる。ハンドル解放層105は、以下でより詳細に議論される。
【0127】
図2では、ディスクリート部品10は、ハンドル基板108に面してアクティブ面102を配向させる。このような構成は、ディスクリート部品がデバイス基板上にフェイスアップ位置で配置され、このような接続に通常使用される手段及び材料、例えばワイヤボンディング、テープ自動ボンディング(TAB)、スクリーン印刷、直接描画、又は他の方法などを用いてデバイス基板上の他の構成要素に電気的に接続されることが期待される場合に有利である。ディスクリート部品の裏面は、このような取り付けに通常使用される手段及び材料、例えば共晶合金、はんだ、導電性又は非導電性エポキシなどの接着剤、ポリアミド、又は他の適切な材料との接合及び方法などを用いてデバイス基板に接合される。
【0128】
以下に記載するように、一体化されたパッキング法は代替的に、代替のアクティブ面配向を有するディスクリート部品を製造することができる。例えば、図3に示すように、ハンドルアセンブリ101は、露出又はハンドル基板108から離れる向きに配向されたアクティブ面102を有するディスクリート部品10を含むことができる。このような配向は、ディスクリート部品10が、例えば図24に示すようなデバイス基板上の導体などの構成要素にフリップチップアセンブリと呼ばれる方法を使用して電気的に接続されることが期待される場合に有利である。
【0129】
幾つかの実施形態では、ハンドル基板108、例えばブランクシリコンウェハ、ガラス、セラミック、又は他の無機又は有機物質は、ディスクリート部品10を超えて延び、現在のピックアンドプレースシステムに適合できるようにサイズ調整及び構成される。場合によっては、1つ以上の回路は特大ハンドル基板上に配置され、個々のハンドルはそれぞれサイズに切断される。一般的に、ハンドル基板108は、300μm/辺以上、好ましくは400~600μm/辺の長さと、50μmを超える厚さ、例えば50μmよりも大きい、100~800μmの間の厚さとを有することができる。これらの場合、ピックアンドプレースシステムはディスクリート部品10を効果的に転写することができないかもしれないが、ピックアンドプレースシステムは、ディスクリート部品10が十分にサイズ調整及び構成されたハンドル基板に取り付けられている限り、ディスクリート部品10を転写することができるであろう。それ自体は、しかしながら、ピックアンドプレースシステムの標準的な配備(deployment)手段、例えば真空力が存在しないことにより、ディスクリート部品のみを解放することができず、むしろハンドル及びディスクリート部品のアセンブリを解放することになるだろう。しかしながら、他の利点の中でも、取り付け手段の特性、及び、特にディスクリート部品、ハンドル基板、及びデバイス基板の間のそれらの互いの相対関係は、ピックアンドプレースシステムがハンドル基板にわたる制御を保持している間ハンドル基板からディスクリート部品を解放してそれをデバイス基板に取り付けるように、選択可能かつカスタマイズ可能である。
【0130】
幾つかの実施形態では、ディスクリート部品30はあるサイズを有することができるが、現在のパッケージング技術に適合するには薄すぎる状態のままである。これらの場合、図4に示すように、ハンドルアセンブリ103は、ディスクリート部品30と同様の長さを有するハンドル基板308に取り付けられた超薄型ディスクリート部品30を含むことができる。従って、ハンドルアセンブリ103は、ピックアンドプレースシステムに適合するのに十分なほど厚い。第2面306及び第1面304を含むハンドル解放層305の特性は、通常、図2及び図3を参照して説明したものと同様である。
【0131】
本明細書では、フェイスアップ又はフェイスダウン位置でデバイス基板上に超薄型、超小型又はその両方であるディスクリート部品を配置するために使用することができる幾つかのプロセスを説明する。本明細書で説明するプロセスは、複数の一般的なプロセスステップを含む一般的なフローに従っており、各プロセスステップは、1つ以上の異なるアプローチによって達成できる。本明細書で説明するプロセスは、一般的なプロセスステップ間の「ミックスアンドマッチ」アプローチと、一般的なプロセスステップのそれぞれに対するアプローチとによって確立される。本明細書で説明する幾つかのプロセスは、一般的なプロセスステップの全てを含む;幾つかのプロセスは、一般的なプロセスステップの全てよりも少なく含む。
【0132】
図5を参照すると、超薄型、超小型、又はその両方であるディスクリート部品をデバイス基板上に配置するための一般的なフロー(200)は、以下の一般的なプロセスステップ:ウェハ処理(202)、ウェハ準備(204)、ウェハ転写(206)、部品転写(208)、部品相互接続(210)、及びハンドル除去(212)、を含む。これらの一般的なプロセスステップのそれぞれについてはここでは簡単に説明し、本明細書の後半でさらに詳細に説明する。幾つかの例では、プロセスステップは、図5に示す順番とは異なる順番で起こることができる。例えば、ウェハ準備204は、ウェハ転写206の後に起こることができる。幾つかの例では、プロセスステップの1つ以上は、複数のプロセスステップに分割することができ、それは、図5に示す順番とは異なる時点で起こることができる。例えば、ウェハ準備204は、ウェハ転写206の前に起こる第1のサブステップと、ウェハ転写206の後に起こる第2のサブステップとに分割することができる。
【0133】
ウェハ処理(202)は、その上に製造された多数のディスクリート部品を有するウェハを製造又は取得することを含む。本明細書では、ウェハ処理をディスクリート部品製造と呼ぶことがある。ディスクリート部品は、例えばバルクシリコン基板、シリコンオンインシュレータ基板、ゲルマニウム基板、ガリウムヒ素基板、サファイア基板などの半導体基板、又は別のタイプの半導体基板上において、例えば薄膜処理法などの半導体処理技術を使用して、ウェハ上に製造される。
【0134】
幾つかの例では、ウェハ上に製造されたディスクリート部品は、ディスクリート部品がフリップチップ構成と適合できるようにバンプ形成(bump)される。ディスクリート部品は、スタッドバンピング、無電解ニッケル-金メッキ、はんだボール、はんだペースト印刷、はんだ電気メッキ、又はその他のアプローチによってバンプ形成することができる。幾つかの例では、ディスクリート部品は、一般的なプロセスの後の時点でバンプ形成される。
【0135】
ウェハ準備(204)は、ウェハを薄くすること、ハンドル基板上にウェハを取り付けること、ダイシングテープ上にウェハを取り付けること、透明キャリア上にウェハを取り付けること、ウェハを個々のディスクリート部品にダイシングすることなどの態様、又はこれらの態様の任意の2つ以上の組み合わせを含む。透明キャリアは、キャリア解放層を介してディスクリート部品が取り付けられ、紫外、可視、又は代わりに赤外電磁スペクトルの少なくとも幾つかの波長に対して少なくとも部分的に透明である、例えばガラス又は透明ポリマーなどの材料である。本明細書で説明する幾つかのプロセスでは、ハンドル基板は使用されない。
【0136】
ウェハ転写(206)は、ダイシングされたウェハを透明キャリアに転写すること、又はワッフルパック、ゲルパックなどのダイキャリア、又は別のタイプのダイキャリアにおいてダイシングされたウェハを再パッケージングすることを含む。本明細書で説明する幾つかのプロセスでは、ウェハ転写プロセスステップは行われない。
【0137】
部品転写(208)は、個々のディスクリート部品をデバイス基板上の目標位置の上に転写することを含む。部品転写は、ピックアンドプレースアプローチ、レーザーアシスト非接触転写法、別の転写法、又は複数の転写法の組み合わせによって行うことができる。
【0138】
部品相互接続(210)は、例えば、ディスクリート部品がデバイス基板上の回路に電気的に接続されるように、ディスクリート部品をデバイス基板に接合することを含む。
【0139】
ハンドル除去(212)は、ハンドル基板を接合したディスクリート部品から解放することと、取り外されたハンドル基板をデバイス基板から除去することとを含む。ハンドル基板を使用しないプロセスでは、ハンドル除去プロセスステップは行われない。
【0140】
図5に示す一般的なプロセスステップの各々は、1つ以上の態様を有することができ、そのうちの1つ以上は、本明細書で説明する特定の各プロセスに対して行うことができる。
【0141】
[ウェハ準備]
ウェハ準備プロセスステップでは、ウェハを薄くし、ダイシングして、所望のサイズ及び厚さを有するディスクリート部品を得る。本明細書に記載のプロセスの幾つかでは、ウェハ準備は、ウェハをハンドル基板上に取り付けることを含むことができる。幾つかの例では、ウェハ準備プロセスステップは、(後述する)ウェハ転写プロセスステップの前に起こり得る。幾つかの例では、ウェハ準備プロセスステップは、ウェハ転写プロセスステップの後に起こり得る。幾つかの例では、ウェハ準備プロセスステップは複数のサブステップを含むことができ、その1つ以上は、ウェハ転写プロセスステップの前に起こることがあり、またその1つ以上は、ウェハ転写プロセスステップの後に起こることがある。
【0142】
ウェハ準備は、ウェハの薄化を含むことができる。図6A及び図6Bを参照すると、多数のディスクリート部品10を有するウェハ300が所望の厚さに薄くされる。機械的研削、化学機械平坦化(CMP)、ウェットエッチング、大気下流プラズマエッチング(ADP)、反応性イオンエッチング(RIE)、ドライケミカルエッチング(DCE)、気相エッチング(VPE)、又はそれらの任意の組み合わせ、例えば機械的研削及びそれに続く化学機械研磨など、などの様々な半導体処理技術の何れかによって、ウェハ300を薄くすることができる(ウェハ300の厚さを減少させることを意味する)。薄化前のウェハ300の最初の厚さは、約0.1mmと約1mmの間、例えば約0.2mmと約0.8mmの間、例えば約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、又は別の厚さであり得、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約5μm以下の厚さ、又は別の厚さまで薄くすることができる。
【0143】
幾つかの例では、ウェハ300は、裏面研削などの機械的研削技術を用いて、約50μmの厚さまで薄くすることができる。しかしながら、一般に、ウェハの厚さが減少するにつれて、ウェハ300は、薄いウェハの脆弱性により、機械的研削による損傷の影響を受けやすくなる。ウェハを損傷する危険性を低減するために、非接触材料除去プロセスを使用して、従来の機械的研削プロセスによって達成可能な厚さを超えてウェハ厚さを減少させることができる。例えば、25μm以下のウェハ厚さを達成するために、反応性イオンエッチング(RIE)、気相エッチング、又は他の適切なプロセスなどの非接触材料除去プロセスを使用して、薄いウェハを製造することができる。
【0144】
幾つかの例では、約50μmの厚さまでのウェハの薄化は、機械的な裏面研削及びそれに続く研磨によって達成することができる。薄化プロセスの間、ウェハは、より厚いウェハ(例えば、3Mウェハサポートシステム(登録商標))などの支持基板302に一時的に接合される。裏面研削及び研磨プロセスでは、その上に集積回路が形成されたウェハ300の上面上のアクティブ層310は、支持基板302に向かって下向きになる。ウェハ薄化に続いて、薄くされたウェハは支持基板304から除去される。
【0145】
図7を参照すると、ウェハ準備は、ウェハハンドルアセンブリ400を形成するために薄化されたウェハ300をハンドル基板108上に取り付けることを含むことができる。薄化されたウェハ300は、(図7に示すような)フェイスアップ構成又はフェイスダウン構成で、ハンドル基板上に取り付けることができる。ハンドル基板108は、例えば、ブランクシリコンウェハ、ガラス、セラミック、又は別の無機又は有機物質であり得る。ハンドル基板は、ピックアンドプレースシステムのような標準的な集積回路処理技術に適合できるようにサイズ調整することができる。例えば、ハンドル基板108は、約50μmよりも大きい厚さ、例えば約100μmと約800μmの間、例えば約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、約350μm、約400μm、約450μm、約500μm、約550μm、約600μm、約650μm、約700μm、約750μm、約800μmなどの厚さ、又は別の厚さなど、を有することができる。
【0146】
薄化されたウェハ300は、ハンドル解放層105への取り付けを介してハンドル基板108上に解放可能に取り付けることができる。ハンドル解放層は、ウェハ300とハンドル基板108との間の接着を提供し、それは、紫外線(UV)光、高温、正常又はせん断機械力、又は別の刺激、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせなどの刺激を加えることにより解放され得る。
【0147】
幾つかの例では、ハンドル解放層105は、複数のサブ層(例えば、第1層及び第2層)の複合体で形成された両面ハンドル解放層である。両面ハンドル解放層105及び1つ以上のサブ層(存在する場合)は、1つ以上の表面(例えば内部表面又は外部表面など)を含むことができる。両面ハンドル解放層105は、ディスクリート部品10に露出した第1面104と、ハンドル基板108に露出した第2面106とを含む。幾つかの例では、ハンドル解放層105は、ウェハのダイシング又は薄化のためのウェハ取り付けに適合できると知られている両面熱又はUV剥離(release)テープである。そのようなテープでは、第2面106は感圧接着剤を含み、第1面104はUV剥離材料又は熱剥離材料を含むことができる。半導体材料と適合できる例示的な剥離材料は既知であり、所望の接着特性に基づいて選択可能である。
【0148】
幾つかの例では、ハンドル解放層105は、第1面104及び第2面106が同じ材料であるような単層である。このような材料には、例えば、Valtech社のValtron(登録商標)Heat Release Epoxy System又はLogitech社のOCON-196 Thin Film Bonding Waxなどの一時的なウェハ接合用のスピンオン式(spin-on)熱剥離材料が含まれ得る。熱剥離材料の他の例には、Dynatex社のWaferGrip接着フィルムなどのエチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーフィルムが含まれる。他の例示的な材料には、UV光エネルギーに曝されると容易にそれらの化学構造を変化させる光官能基を有するポリマーなどのUV剥離接着剤が含まれる。単層ハンドル解放層105に対する材料の他の例には、刺激の影響下で中間の液相を通過することなく固体状態から直接気相への転移を受ける昇華材料が含まれる。
【0149】
一般に、ハンドル解放層105は、加えられた刺激に機械的に応答する材料で形成される。幾つかの例では、ハンドル解放層は、刺激に応答して機械的変化を受ける。例えば、ハンドル解放層は、刺激の印加によって引き起こされる表面形態の変化の結果として接着力を失う可能性がある。例示的なハンドル解放層は、熱、紫外光、又は別のタイプの刺激に応答して、滑らかで接着力の高い接着剤から粗くて接着力の低い接着剤へと移行する材料で形成することができる。幾つかの例では、ハンドル解放層は、刺激に応答して相転移を受け、状態の物理的変化の結果として接着力を失う。転移は、固相から液相(融解)又は固相から気相(昇華)であり得る。幾つかの例では、ハンドル解放層は、刺激に応答して化学的変化を受け、その化学構造又は組成の変化の結果として接着力を失う。幾つかの材料は、熱分解(thermal decomposition)、又は熱による化学分解である熱分解(thermolysis)を受ける。幾つかの材料は、光の吸収によって引き起こされる分解である光分解を受ける。
【0150】
幾つかの例では、ハンドル解放層105とウェハ300との間、及びハンドル解放層105とハンドル基板108との間の接合強度は、例えば、ウェハ300が第1面104に取り付けられた場合にその取り付けの接合強度が第2面106とハンドル基板108との間の接合強度よりも弱いように、それぞれ選択される。ウェハ300と第1面104との間の接合強度はまた、ディスクリート部品10と後述するデバイス基板との間の接合強度よりも弱くなるように選択され得る。例えば、場合によっては、ハンドル解放層105は、ディスクリート部品10と後述するデバイス基板とを接合するのに必要な温度よりも低い融解温度を有する材料であってもよい。例には、ワックス又は同様の材料が含まれる。
【0151】
他の例では、ハンドル解放層105は、第1面104の接着機構が第2面106の取り付け機構に対して独立して制御可能であるように選択される。この準備は、ウェハ300(又は個々のディスクリート部品10)が、ハンドル解放層105をハンドル基板108から解放する必要性なしにハンドル基板108から選択的に解放可能であること、を保証する手助けをする。
【0152】
他の場合には、例えば、ハンドル解放層105は、代替的又は追加的に、感圧接着剤層及び熱剥離接着剤層を含む両面(double coated)熱剥離テープ(例えばNitto(登録商標)によるREVALPHA(登録商標)両面熱剥離テープなど)を含むことができる。場合によっては、第1面104は熱剥離接着剤層を含むことができ、第2面106は感圧接着剤を含むことができる。少なくとも熱エネルギーが加えられると、ウェハ300(又は個々の超薄型又は超小型ディスクリート部品10)とハンドル解放層105との間の接合強度は、ハンドル解放層105とハンドル基板108との間の接合強度と比較して、弱くなることがある。このようにして、ハンドル基板から離れる方向にウェハ300(又は個々の超薄型又は超小型ディスクリート部品10)に加えられる力、例えばハンドル基板108から離れる方向への引っ張り力及び/又はせん断力により、ハンドル解放層105を除去することなくウェハ300又は個々の超薄型又は超小型ディスクリート部品10をハンドル基板108から自由に除去することができ、ハンドル解放層105はハンドル基板108に取り付けられた状態のままである。
【0153】
ディスクリート部品10とハンドル基板108との間の取り付け手段は、一般に接着テープとして記載されているが、他の準備も可能であるだろう。例えば、この取り付けを一時的に形成するために、真空又は静電力を使用することができる。ハンドル解放層105の場合と同様に、取り付け手段及び接合強度などの特徴は、ディスクリート部品と基板との間の接合強度が、ディスクリート部品が基板に接合されている場合のディスクリート部品とハンドルとの間の接合強度よりも大きくなるように選択され得る。
【0154】
場合によっては、ハンドル解放層105を比較的薄くなるように、例えば、20μm未満、好ましくは10μm未満、場合によっては5μm未満の厚さを有するように準備することが望ましい。薄いハンドル解放層を使用することにより、特定の有利なチップダイシング法の使用が可能になり、ダイシング及び基板への転写後のチップ品質が改善される。より厚いハンドル解放層の使用は、ダイシングプロセス中のダイのチッピング又は割れに寄与し得る。
【0155】
図8A及び8Bを参照すると、ウェハ準備は、ウェハハンドルアセンブリ400をハンドルアセンブリ500にダイシングすること(場合によってはウェハの個片化と呼ばれる)、又はハンドル基板を有さないウェハをディスクリート部品にダイシングすることを含むことができる。ウェハハンドルアセンブリは、ハンドル基板に取り付けられたウェハである。ハンドルアセンブリは、ハンドル基板の一部に取り付けられた個々のディスクリート部品である。ウェハハンドルアセンブリは、ドライエッチング又はウェットエッチング、プラズマダイシング、(図8Aに示すような)機械的切断、レーザーアブレーション、(図8Bに示すような)ステルスダイシング、又は別のダイシング技術によって、完全に又は部分的にダイシングすることができる。幾つかの例では、ウェハハンドルアセンブリ400の前面(例えば、ウェハが配置されている側)からダイシングツールをウェハハンドルアセンブリ400に近づけることによって、ウェハハンドルアセンブリ400をダイシングすることができる。図8Aの例では、ウェハハンドルアセンブリ400は、ブレード502を用いた機械的切断によって直接、部分的にダイシングされる。幾つかの例では、ウェハハンドルアセンブリ400の後面(例えば、ハンドル基板108が配置されている側)からダイシングツールをウェハハンドルアセンブリ400に近づけることによって、ウェハハンドルアセンブリ400をダイシングすることができる。図8Bの例では、ウェハハンドルアセンブリ400は、ウェハハンドルアセンブリ400の裏面に入射するレーザービーム504を用いたレーザーマイクロマシニング(場合によってはレーザーステルスダイシングと呼ばれる)によって間接的にダイシングされる。幾つかの例では、機械的切断及びレーザーステルスダイシングは、ウェハハンドルアセンブリ400を完全にダイシングするために連続的に使用される。
【0156】
幾つかの例では、(例えば、図8A及び8Bに示すように、)薄くされたウェハ及びハンドル基板を含むウェハハンドルアセンブリ400をダイシングすることができる。幾つかの例では、薄くされたウェハは、ダイシングの間ハンドル基板に取り付けられていない。
【0157】
幾つかの例では(例えば、図8A及び8Bに示すように)、ウェハハンドルアセンブリ400又はウェハをダイシング用のダイシングテープ506に接着させることができる。ダイシングテープ506は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン、ポリエチレン、又は別の材料のバッキング材料、及びウェハハンドルアセンブリ又はウェハが接着される接着面を有することができる。
【0158】
幾つかの例(図示せず)では、ウェハダイシングの前に(後述する)ウェハ転写が起こることがある。例えば、ウェハハンドルアセンブリ又はウェハを透明キャリアに取り付けることができ、取り付けられたウェハハンドルアセンブリ又はウェハをダイシングする。透明キャリアは、紫外、可視又は赤外電磁スペクトルの少なくとも幾つかの波長に対して少なくとも部分的に透明であるガラス又は透明ポリマーなどの材料で形成することができる。透明キャリアは、国際公開第2012/033147号に記載されているように、その表面上に配置された動的解放層(DRL)の層を有することができ、国際公開第2012/033147号の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0159】
幾つかの例では、ウェハ転写プロセスステップの前にウェハを部分的にダイシングし、ウェハ転写プロセスステップの後にダイシングを完了することができる(後述する)。
【0160】
[ウェハ転写]
ウェハ転写プロセスステップでは、部分的又は完全にダイシングされたハンドルアセンブリ又はダイシングされていないウェハ又はウェハハンドルアセンブリを、ダイシングテープから、透明キャリア又はワッフルパック、ゲルパック、又は別のタイプのキャリアなどのダイキャリアに転写する。様々なアプローチをウェハ転写に使用することができ、場合によってはダイシングプロセスと組み合わせて使用することができる。
【0161】
透明キャリア600は、紫外、可視又は赤外電磁スペクトルの少なくとも幾つかの波長に対して少なくとも部分的に透明である、例えばガラス又は透明ポリマーなどの透明材料で形成することができる。透明キャリアは、その表面上に配置された動的解放層(DRL)604、接着層(図示せず)、又はその両方の層を含むキャリア解放層を有することができる。
【0162】
図9を参照すると、ウェハ転写アプローチ501では、ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品が、ダイシングテープ506から透明キャリア600又はダイキャリア上に転写される。ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品は、例えば真空チャック602によって提供される吸引を使用して、ダイシングテープ506から除去される。透明キャリア600又はダイキャリアを、真空チャック602上に吸引されたダイシングされたハンドルアセンブリ500又はダイシングされていないウェハ又はウェハハンドルアセンブリと接触させる。吸引力が除去され、ハンドルアセンブリ500又はダイシングされていないウェハ又はウェハハンドルアセンブリが透明キャリア600又はダイキャリア上に転写される。
【0163】
図10を参照すると、ウェハ転写アプローチ320では、ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品が、ダイシングテープ506から透明キャリア600又はダイキャリア上に転写される。ウェハ又はウェハハンドルアセンブリはダイシングテープに接着され、ハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品にダイシングされる。ダイシングテープ506は、熱又は光などの刺激に応答して接着力の低下を受ける材料で形成される。例えば、ダイシングテープ506は、UV光に曝されたときに接着力の低下を受ける紫外線(UV)剥離接着剤であってもよい。UVダイシングテープは紫外光508に曝され、ダイシングされたハンドルアセンブリ又はディスクリート部品との間の接着力が弱まる。真空チャック510は、熱又は光などの刺激に応答して接着力の低下を受ける材料512で覆われる。例えば、真空チャック510を、熱剥離テープ512(例えば、Nitto(登録商標)によるREVALPHA(登録商標)両面熱剥離テープなど)で覆うことができ、熱剥離テープ512を定位置に保持するために真空が引き出される。ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品は、テープで覆われた真空チャック510との接触によってUVダイシングテープ506から除去される。幾つかの例では、熱剥離テープ512は、事前に露光したUVダイシングテープ506とダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品との間の弱まった接着力よりも大きい接着力で、ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品に接着しているため、ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品がダイシングテープ506から除去される。ダイシングテープ506は剥がされ、熱剥離テープ512に接着したハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品が残る。
【0164】
その上に配置された動的解放層を有する透明キャリア600を、真空チャック510上の熱剥離テープ512に接着されたダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品と接触させる。例えば、透明キャリア600は、ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品の上部に配置され、強い接触のために重みをかけることができる。正圧を真空チャック510に加えて、熱剥離テープ512をチャック510から離れる方向に押すことで、ダイシングされたハンドルアセンブリ又はディスクリート部品を透明キャリア600の動的解放層にさらに押し付けることができる。
【0165】
透明キャリア600、ダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品、及び熱剥離テープ512を含むスタックは、真空チャック510から除去され、熱剥離テープがその接着力の一部又は全部を失う温度(熱剥離テープの特性温度と呼ばれる)に加熱される。その後、熱剥離テープ512が剥がされ、透明キャリア600上にダイシングされたハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品が残る。
【0166】
熱剥離テープの特性温度が、ハンドルアセンブリのハンドル解放層105を融解させ、流動させ又は劣化させる温度よりも低い限り、ウェハ転写アプローチ320を使用することができる。例えば、平坦な真空チャック及び動的解放層の平坦面を設けることによって、又はより良く接触させるために真空チャックから正圧を提供することによって、ディスクリート部品又はハンドルアセンブリと透明キャリア上の動的解放層との間の均一な接触を提供することによって、損失を緩和することもできる。場合によっては、熱剥離テープを除去する際に熱剥離テープをまっすぐに持ち上げることによって、透明キャリア上にディスクリート部品又はハンドルアセンブリを配置する精度を高めることができる。
【0167】
図11を参照すると、ウェハ転写アプローチ370において、ウェハ300又はウェハハンドルアセンブリは、制御可能な接着力を有する材料374を介して透明キャリア600に接着される。例えば、透明キャリア600は、動的解放層及びUV又は熱剥離接着剤の両方を含むことができ、又はUV又は熱剥離接着剤のみを含むことができる。ウェハ300又はウェハハンドルアセンブリは、透明キャリア600上で直接ダイシングされる(372)。制御可能な接着力を有する材料374は、ダイシングの間ウェハ300又はウェハハンドルアセンブリを透明キャリア600にしっかりと取り付けることを可能にするのに十分なほど強い接着力を有する。
【0168】
ダイシングが完了した後、制御可能な接着力を有する材料374は、熱又は紫外光などの刺激(376)に曝され、材料374の接着力の低下をもたらす。露光後の材料374の接着レベルは、露光強度(例えば紫外光の強度又は温度など)、露光時間、又は他の刺激パラメータなどの刺激のパラメータを制御することによって制御することができる。例えば、材料374の接着力は、後述するレーザーアシスト非接触転写法800に適合するレベルまで低下され得る。
【0169】
ウェハ転写アプローチ350は、(後述する)部品転写プロセスを排除することで、プロセスフローを単純化する。さらに、部品転写プロセスなしでは、部品転写中にディスクリート部品又はハンドルアセンブリが失われる可能性がないので、ウェハ転写アプローチ350を使用してプロセス歩留まりを改善することができる。
【0170】
図12を参照すると、ウェハ転写アプローチ550では、例えば(図示の)部分的ブレードダイシング、レーザーダイシング、ウェットエッチング、又は別のアプローチを使用して、ウェハ又はウェハハンドルアセンブリ400を部分的にダイシングする(552)。部分的ダイシングは、ウェハ又はウェハハンドルアセンブリ400上のディスクリート部品間の(場合によってはストリートと呼ばれる)スペースからパッシベーション層及び金属を除去し、各ダイシングストリートの底部に、少量の材料(例えば、約20μm未満、例えば約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、又は別の量)を残す。部分的ダイシングは、プラズマダイシングなどの後続の非接触ダイシングを容易にする。
【0171】
部分的にダイシングされたウェハ又はウェハハンドルアセンブリは、例えば真空チャックを用いて、その上に配置された動的解放層を有する透明なキャリア600に転写される(554)。ダイシングは、プラズマダイシング又はウェットエッチングなどの非接触アプローチ(556)を用いて、透明キャリア600上で完了する。図12の例では、ウェハハンドルアセンブリ400は、ダイシングテープ上で部分的にダイシングされ、その後、透明キャリア上で完全にダイシングされる;幾つかの例では、ウェハハンドルアセンブリ400は、透明キャリア600に取り付けられた状態で部分的にダイシングされ、続いて非接触アプローチを用いて完全にダイシングされる。場合によっては、ウェハ転写アプローチ550は、ウェハハンドルアセンブリ又は他の厚い部品よりも、ウェハのダイシング及び転写に対してより効率的であり得る。例えば、ウェハ転写アプローチ550は、後述するレーザー対応(enabled)パッケージングプロセス150とともに使用されてもよい。
【0172】
図13を参照すると、ウェハ転写アプローチ570において、ウェハ又はウェハハンドルアセンブリ400は、ダイシングテープ上で完全にダイシングされる。例えば、ウェハ又はウェハハンドルアセンブリ400がダイシングブレードを用いて部分的にダイシングされ(572)、続いてステルスダイシングアプローチを用いて完全にダイシングされる(574)、2段階ダイシングプロセスを使用することができる。ダイシングされたディスクリート部品又はハンドルアセンブリは、熱剥離テープ(例えば、Revalpha)で覆われた真空チャックに転写され(576)、ウェハ転写アプローチ320について上述したように透明キャリア600に解放される(578)。
【0173】
透明キャリアは、動的解放層に加えて、又はその代わりに、制御可能な接着力を有する材料580を含む。ダイシングされたディスクリート部品が透明キャリアに接着されると、制御可能な接着力を有する材料580は、ウェハ転写アプローチ370について上述したように刺激に曝され(582)、材料580の接着力を、後述するレーザーアシスト非接触転写法800に適合するレベルまで低下させる。
【0174】
ウェハ転写アプローチ570は、ディスクリート部品又はハンドルアセンブリの損失をより少なくすることができ、材料580の接着レベルの制御を介してレーザーアシスト非接触転写法800を精密に制御することができる。
【0175】
ウェハ転写アプローチでは、ハンドルアセンブリ又はディスクリート部品を透明キャリアに転写するために、ピックアンドプレースツールが使用される。このアプローチでは、ハンドルアセンブリ又はディスクリート部品を、所望の配置、例えば矩形アレイで透明キャリア上に再配置し、配置アルゴリズムの単純化を可能にする。このアプローチはまた、「良好な」ハンドルアセンブリ又はディスクリート部品のみを転写することを可能にするため、下流の収率を改善する。このウェハ転写アプローチは、ピックアンドプレース設備に適合するサイズを有するハンドルアセンブリ又はディスクリート部品に限定されることがあり、他のウェハ転写アプローチと比較して処理能力が低いことがある。このウェハ転写アプローチは、例えば個々のディスクリート部品が薄くされレーザー転写のために準備されるプロセスにおいて、プロトタイピングに有用であり得る。
【0176】
ここで説明した幾つかのプロセスは、ウェハ転写プロセスステップを含まない。例えば、ダイシングの前に透明キャリア上にウェハが取り付けられるプロセスは、ウェハ転写プロセスステップを含まない。
【0177】
[部品転写]
部品転写プロセスステップでは、個々のディスクリート部品が、デバイス基板上の目標位置の上に配置される。
【0178】
ディスクリート部品がデバイス基板上に配置される前に、デバイス基板又はディスクリート部品又はその両方に、ディスクリート部品とデバイス基板との間の接着、電気的接続、又はその両方などの取り付けを促進する取り付け要素を設けることができる。取り付け要素は、熱的に硬化可能であるか、紫外線(UV)光に曝されると硬化可能であるか、機械的圧力に曝されると硬化可能であるか、又は他の方法で硬化可能である材料など、加えられた刺激に応答して硬化可能な材料であり得る。取り付け要素は、導電性エポキシ、例えばペースト中に金属(例えば、銀)又は金属被覆粒子を含む導電性ペースト、はんだペースト、又は別の導電性材料などの導電性材料とすることができる。取り付け要素は、Ablebond 8008NC(Henkel Electronic Materials、Irvine、CA)などの非導電性材料とすることができる。取り付け要素は、異方性導電フィルム又は非導電性ダイアタッチフィルムなどのフィルムとすることができる。
【0179】
幾つかの例では、取り付け要素は、硬化されると一方向のみ又は全方向より少ない方向で導電性である異方性導電性材料とすることができる。例えば、取り付け要素は、Ablestik ACP-3122(Henkel Electronic Materials、Irvine、CA)などの異方性導電ペーストとすることができ、それは、ディスクリート部品とその下のデバイス基板との間の垂直方向では導電性であるが、デバイス基板の表面に平行な水平方向では導電性ではない。異方性導電取り付け要素は、ディスクリート部品が正確な位置合わせなしにデバイス基板上に転写され得るように、デバイス基板にわたって均一に配置することができる。
【0180】
図14を参照すると、幾つかの例では、デバイス基板上へのディスクリート部品の転写は、ピックアンドプレースアプローチ700によって達成される。ピックアンドプレースアプローチは、超薄型又は超小型ディスクリート部品を効果的に転写できないかもしれないが、ディスクリート部品がより大きい又はより厚いハンドル基板に取り付けられる場合に使用することができる(場合によっては、ハンドル基板上に取り付けられた個々のディスクリート部品をハンドルアセンブリと呼ぶことがある)。例えば、ピックアンドプレースアプローチは、一辺が少なくとも約300μmの長さを有するハンドルアセンブリ、一辺が1ミリメートル又は数ミリメートル又は数十ミリメートルの長さを有するハンドルアセンブリを転写するために使用することができる。ピックアンドプレースアプローチは、約50μmよりも大きい厚さ、例えば約100μmと約800μmの間の厚さを有するハンドルアセンブリを転写するために使用することができる。
【0181】
ピックアンドプレースアプローチ700は、ハンドルアセンブリ500をデバイス基板704上に転写するツール702を含む。ツール702は、例えばハンドルアセンブリ500のハンドル基板108に吸引を加えることによって、ハンドルアセンブリ500を持ち上げる。ツール702は、ハンドルアセンブリ500をデバイス基板704上の取り付け面708の上に直接配置する。ツール702は次いで、ディスクリート部品10がデバイス基板704上の取り付け面708と接触するまで、ハンドルアセンブリ500をデバイス基板704に向かって、例えば矢印710で概ね示す方向に動かす。
【0182】
図15を参照すると、幾つかの例では、部品転写は、場合によってはtmSLADT(熱機械選択的レーザーアシストダイ転写)と呼ばれるレーザーアシスト非接触転写法800によって達成される。tmSLADT法では、(図示の)ハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品は、例えば、上述したように接着層802によって、その上に配置された動的解放層(DRL)604を有する透明キャリア600に接着される。DRL604及び接着剤層802の組み合わせは、場合によってはキャリア解放層と呼ばれる。動的解放層(DRL)604には、レーザーからの光804が照射される。DRL604は、レーザー光804からその上に入射するエネルギーを吸収して、加熱され部分的に蒸発し、結果としてブリスター806を形成する。ブリスター806は、ハンドルアセンブリ500をデバイス基板704の取り付け面708に機械的に押す。tmSLADT法は、国際公開第2012/142177号に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0183】
接着層802の接着力は、tmSLADTプロセス800において重要なパラメータである。tmSLADTの間の力平衡は、膨張するブリスター806の加速度によって引き起こされる力Fb=ma(aは、膨張するブリスター806の加速度である);重力Fg=mg(gは重力定数である);及びハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品と接着層との間の接着力Faを含む。
【0184】
ハンドルアセンブリ500又はディスクリート部品がレーザー照射前にDRL604に取り付けられる場合、Fb(膨張するブリスターの力)はゼロであり、FgはFa未満である(Fg<Fa)。転写が開始されると(例えば、レーザー照射が始まると)、膨張するブリスターの力と重力の合計が接着力を超え(Fb+Fg>Fa)、ディスクリート部品が転写される。両方の条件を組み合わせると、Fg<Fa<Fg+Fbとなり、接着力は転写前にハンドルアセンブリを定位置に保持するのに十分なほど大きく、転写の間にディスクリート部品又はハンドルアセンブリの取り外しを可能にするように慣性及び重力の組み合わせよりも小さくなければならないことを意味する。
【0185】
ディスクリート部品の質量は、Fb及びFgの両方において役割を果たし、これらの条件を超小型又は超薄型ディスクリート部品の転写に対して達成することを困難にする。さらに、転写プロセスの成功は一般に、転写を促進する力(Fb及びFg)と転写に対向する力(Fa)との差に比例する。
【0186】
ディスクリート部品又はハンドルアセンブリとDRL604との間の接着力は、例えば、重力によってディスクリート部品又はハンドルアセンブリが落下するのを防止するのに十分な程度低いレベルに維持することができる。しかしながら、ウェハ、ウェハハンドルアセンブリ、ディスクリート部品、又はハンドルアセンブリをダイシングテープから透明キャリア600上に転写する間、DRL604へのより大きな接着力が有用であり得る。従って、転写は、ダイシングテープとDRL604との接着力と、転写デバイス(例えば、真空チャック)の吸引力との間の均衡を含む。上述のウェハ転写アプローチは、DRL604に対する様々なレベルの接着力で動作可能であり、tmSLADT転写を成功させるための柔軟性を提供する。
【0187】
幾つかの例では、部品転写は、tmSLADT及びピックアンドプレースアプローチの両方を含むことができる。例えば、ディスクリート部品は、tmSLADTアプローチによってハンドル基板に転写されて、ハンドルアセンブリを形成することができ、ハンドルアセンブリは、ピックアンドプレースアプローチによってデバイス基板に転写することができる。反対に、ハンドルアセンブリを、ピックアンドプレースアプローチを使用して透明キャリアに転写し、次いで、tmSLADTアプローチによってデバイス基板に転写することができる。
【0188】
ディスクリート部品は、例えばワイヤボンディング用途のために、(例えば図1Aに示すように)ディスクリート部品のアクティブ面が上向きになるように、フェイスアップ配向でデバイス基板上に転写することができる。ディスクリート部品は、例えばフリップチップアセンブリのために、(例えば図1Bに示すように)ディスクリート部品のアクティブ面が下向きになるように、フェイスダウン配向でデバイス基板上に転写することができる。
【0189】
[部品相互接続]
部品相互接続プロセスステップでは、ディスクリート部品をデバイス基板に接合する(例えば、機械的に接合するか、又は電気的に接合するか、又はその両方である)。再び図14を参照すると、デバイス基板上の取り付け面708は、ディスクリート部品とデバイス基板との間の接着、電気的接続、又はその両方などの取り付けを促進する取り付け要素を含む。取り付け要素は、熱的に硬化可能であるか、紫外光に曝されると硬化可能であるか、機械的圧力に曝されると硬化可能であるか、又は別のタイプの刺激に応答して硬化可能である材料など、加えられた刺激に応答して硬化可能な材料、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせであり得る。
【0190】
取り付け要素を硬化させるために、接合ツールは、高温、紫外光、機械的圧力、又は別の刺激、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせなどの刺激を取り付け要素に加える。接合ツールは、(図14に示すように)ディスクリート部品を介して、デバイス基板を介して、又はその両方を介して刺激を加えることができる。幾つかの例では、接合ツールは、部品転写に対するピックアンドプレースアプローチでハンドルアセンブリをデバイス基板上に転写するツールと同じツールである。刺激は、取り付け要素を硬化するのに十分な時間の後に除去され、ディスクリート部品とデバイス基板との間に機械的接合、電気的接合、又はその両方を形成する。
【0191】
幾つかの例では、部品相互接続プロセスステップはワイヤボンディングを含むことができる。幾つかの例では、部品相互接続プロセスステップは、デバイス基板上にディスクリート部品をフェイスアップ構成で配置するステップと、基板及びディスクリート部品のアクティブ面上に導電性材料を印刷するステップとを含むことができる。
【0192】
[ハンドル除去]
ハンドル除去プロセスステップでは、ハンドル基板をディスクリート部品から取り外して除去し、デバイス基板に接合されたディスクリート部品のみを残す。ハンドル基板は、ハンドル解放層を介してディスクリート部品に取り付けられ、ハンドル解放層はディスクリート部品とハンドル基板との間の接着を提供し、それは、温度、紫外光、正常又はせん断機械力、又は別の刺激、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせなどの加えられた刺激に応答して解放され得る。
【0193】
ハンドル基板をディスクリート部品から取り外すために、解放ツールはハンドル解放層に、高温、紫外光、正常又はせん断機械力、又は別の刺激、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせなどの刺激を加える。解放ツールは、ディスクリート部品を介して、デバイス基板を介して、又はその両方を介して刺激を加えることができる。幾つかの例では、解放ツールは、取り付け要素に刺激を加える接合ツールと同じである。刺激は、ハンドル解放層を解放するのに十分な時間の後に除去される。ハンドル基板は、例えば吸引力、強制空気、解放ツールの作用、又は別の方法で除去される。
【0194】
幾つかの例では、ハンドル解放層及び取り付け要素は、同じ刺激に応答する。同時に取り付け要素を硬化させてハンドル解放層を解放させる単一の刺激を加えることができる。例えば、ハンドル解放層及び取り付け要素が同じ刺激に応答する場合、単一の解放ツールを使用して取り付け要素を硬化させ、ハンドル層を解放し、ハンドルを除去することができる。幾つかの例では、ハンドル解放層及び取り付け要素は、同時に又は連続して加えられる異なる刺激に応答する。
【0195】
ここで説明するプロセスの幾つかでは、ハンドル基板を使用しないため、ハンドル除去プロセスステップは行われない。
【0196】
上述のように、これらのステップを様々な組み合わせで組み合わせることにより、ディスクリート部品をデバイス基板上に配置するための様々なプロセスを行うことができる。5つの例示的なプロセスを表1に要約し、それぞれをここで説明する。
【0197】
【表1】
【0198】
[ハンドルアシスト超小型チップアセンブリ]
ハンドルアシスト超小型チップアセンブリプロセスは、(側面寸法において)小さすぎるディスクリート部品のアセンブリを、ピックアンドプレースアプローチを用いて移動させることを可能にする。図16に示すように、超小型及び超薄型ディスクリート部品をパッケージングするプロセス410は、一般に、ディスクリート部品製造(412)、ウェハ準備(414-422)、ディスクリート部品転写(424-430)、ディスクリート部品相互接続(430)、及びハンドル除去を含むことができる。プロセス410におけるディスクリート部品転写は、ハンドル基板上へのディスクリート部品転写(424)、ハンドル基板のダイシング(426)、取り付け場所の準備(428)、及びデバイス基板上へのディスクリート部品転写(430)を含む。
【0199】
一般に、多数のディスクリート部品を有するウェハは、半導体材料、例えばバルクシリコン基板又は層状シリコン-インシュレータ-シリコン基板上に、薄膜法などの既知の半導体技術を用いて製造することができる(412)。
【0200】
プロセス410におけるウェハ準備は、既知の半導体技術を用いたウェハの部分的ダイシング(404)を含むことができる。例えば、ディスクリート部品は、ドライエッチング又はウェットエッチング、(図16に示す)機械的切断、又はレーザーマイクロマシニングによって部分的に分離することができる。ウェハ表面は、マスキングフィルム及び/又はパッシベーション層を用いて損傷から保護することができる。例えば、フォトリソグラフィー又はステンシル/スクリーン印刷の方法を使用して、フォトレジスト、ポリマー、UV硬化性ポリイミド、ラミネートフィルム、又は別の適切な材料の層を塗布し、パターン化することができる。
【0201】
マスキングフィルムは、フォトレジストをウェハに塗布するなどして、既知の半導体技術及び材料に従って形成することができる。マスキングフィルム材料の厚さ及び組成は、ウェハ製造の下流の予想される処理ステップを考慮して選択される。例えば、マスキングフィルムの厚さ及び組成は、ストリートが開かれた後、マスキングフィルムが例えば(後述のような)エッチングプロセス(420)中に除去されるように選択される。
【0202】
ウェハストリート内の除去された材料の深さは、予想される取り付けプロセス及び組み立てられたディスクリート部品の所望の最終厚さに基づいて選択することができる。例えば、図2に示すようなハンドルアセンブリ100を形成するために使用されるディスクリート部品フェイスアッププロセスでは、ウェハストリートの深さは、所望の最終ディスクリート部品厚さよりも小さく、好ましくは1μmよりも大きく、最終ディスクリート部品厚さの1/2よりも小さい。ストリート幅は、例えば、ダイシング方法の精度(accuracy)及び正確さ(precision)の点から、ダイシングの方法に基づいて選択することができる。
【0203】
プロセス410におけるウェハ準備は、薄いウェハ、例えば50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、及び5μm以下の厚さを有する薄いウェハを形成すること(416-418)を含む。ウェハの厚さは、既知の半導体薄化技術、例えば機械的研削、化学機械平坦化(CMP)、ウェットエッチング、大気下流プラズマエッチング(ADP)、ドライケミカルエッチング(DCE)、気相エッチング、又はそれらの任意の組合せ、例えば、機械的研削及びそれに続く化学機械的研磨、によって、所望の最終ディスクリート部品の寸法に基づいて減少又は薄化され得る。
【0204】
幾つかの例では、ウェハは、裏面研削などの機械的研削技術を用いて、約50μmの厚さまで薄くすることができる。しかしながら、一般に、ウェハの厚さが減少するにつれて、ウェハは、薄いウェハの脆弱性により、機械的研削による損傷の影響を受けやすくなる。ウェハを損傷する危険性を低減するために、非接触材料除去プロセスを使用して、従来の機械的研削プロセスによって達成可能な厚さを超えてウェハ厚さを減少させることができる。例えば、20μm以下のウェハ厚さを達成するために、反応性イオンエッチング(RIE)、気相エッチング、又は他の適切なプロセスなどの既知の非接触材料除去プロセスを使用して、薄いウェハを製造することができる。
【0205】
ウェハ薄化の前及びその間に、ウェハを仮ハンドリング基板に取り付けることができる(416-418)。仮ハンドリング基板は、ウェハに解放可能に接着し、ウェハを損傷することなく除去可能である。例えば、仮ハンドリング基板は、熱剥離テープ(例えば、NittoのELEP Holder(登録商標)など)又は紫外線剥離テープなどの半導体テープを含むことができ、又は真空力、静電気力、又は薄いウェハを取り扱うのに適切な他の手段を用いてウェハに解放可能に接続するように構成されたウェハハンドリング取り付け具を含むことができる。熱剥離テープ又は紫外線剥離テープは、テープがウェハに接着するがそれぞれ熱又はUVの適用の何れかによって除去可能であるように選択される。場合によっては、仮ハンドリング基板は、レーザー透過性仮ハンドル(420-422)、例えば、国際公開第2012/033147号に開示されているような動的解放層(DRLと呼ぶ)を使用するガラス仮ハンドルであることができ、国際公開第2012/033147号は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0206】
上述したように、ディスクリート部品は、例えばウェハに形成されたストリートに沿って、半導体材料の一部をウェハから分離することによって形成される。図16に示すように、ドライエッチング技術を用いて個々のディスクリート部品をウェハから解放することができ、例えばRIEが使用される(420-422)。上述したように、パラメータ及びプラズマガス組成は、他のマスク材料をエッチング又は除去する(422)前に、ストリート内のシリコンが完全にエッチング又は除去される(420)ように選択される。例えば、RIEが使用される場合、プロセスパラメータ及びプラズマガス組成に応じて、フォトレジスト材料及び厚さを選択することができる。この場合、パラメータ及びプラズマガス組成は、他のマスク材料をエッチング又は除去する前にストリート内のシリコンが完全にエッチング又は除去されるように選択される。場合によっては、プロセスパラメータは、プラズマガスとしてのSF6とO2との1:1の混合物、圧力13-14Pa、電力135W、及びDCバイアス150Vを含む。この例では、ストリートが開いた後、マスキング層がディスクリート部品表面から完全に除去されるまでエッチングを続ける。
【0207】
個々のディスクリート部品をハンドリング基板から解放することを含むプロセス410における部品転写は、使用されるハンドリング基板材料及び/又は接着材料に依存するだろう。上述したように、例えばディスクリート部品は、DRL層を用いてガラス仮ハンドルに取り付けられる。この場合、ディスクリート部品を、超薄型ディスクリート部品と接触することなく、レーザー転写法を用いてDRLから解放することができる(424)。超薄型ディスクリート部品を取り扱うことができる他の方法を使用して、ディスクリート部品をハンドル基板に転写することができる。
【0208】
図16の例では、部品転写は、レーザー転写法及びピックアンドプレースの両方を含む。ディスクリート部品は、レーザー転写法を用いてDRLからハンドル基板上に転写される。ハンドル基板は、部品転写に対するピックアンドプレースアプローチと適合するサイズよりも大きなハンドルを提供するため、ハンドルアセンブリをピックアンドプレースアプローチによってデバイス基板に転写することを可能にする。
【0209】
図16及び17を参照すると、国際公開第2012/142177号に開示されている超薄型チップアセンブリ用のレーザー非接触技術(tmSLADTと呼ぶ)を使用することによって、ディスクリート部品をDRL層から解放してハンドル基板に取り付けることができ(424)、国際公開第2012/142177号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。各ディスクリート部品10間の距離508は、ウェハダイシングツールの能力、例えば切り口及び正確さ、超小型及び超薄型ディスクリート部品10の寸法、及びハンドル108の寸法に基づいて選択可能である。適切なウェハダイシングツール及び/又は方法には、切断(sawing)、レーザー切断(laser cutting)、スクライビング、ステルススダイシング、及び他の既知の適切な方法が含まれる。幾つかの例では、距離502は、50μmよりも大きく、例えば、50μmと200μmとの間に含まれる。個々のハンドルアセンブリ、例えばハンドルアセンブリ100を形成する前に、1つ以上のディスクリート部品10が特大ハンドル基板108a上に解放されて、特大ハンドルアセンブリ510を形成する。場合によっては、特大ハンドルアセンブリは、そこからレーザー転写法を用いてディスクリート部品が解放されるガラス仮ハンドルの下に配置されるため、ディスクリート部品がガラス仮ハンドルから解放される場合に、各ディスクリート部品は、概して矢印512で示される方向に、例えばラミネーション又はスピンコーティングなどの任意の適切なプロセスを用いてハンドル基板108a上に予め被覆されたハンドル解放層105aに向かって移動する。ハンドル基板108a、第2面106a及び第1面104aを含むハンドル解放層105aの特性は、ハンドル基板108a及び関連するハンドル解放層105aのサイズが大きいことを除いて、ハンドルアセンブリ100に関して説明したものと概ね同様である。
【0210】
幾つかの例では、第2面106aは、ハンドル解放層105aをハンドル基板108aに取り付けるための圧力作動型接着剤を含み、第1面104aは、熱剥離面又はUV剥離面、例えば、ディスクリート部品10をハンドル解放層105aに取り付けるための熱剥離層又はUV剥離層を含む。従って、ディスクリート部品がハンドル解放層105aと接触すると、ディスクリート部品は、例えば熱又はUV光が適用されるまで、ハンドル基板108aに解放可能に取り付けられる。幾つかの例では、ハンドル解放層105aは、第1面104a及び第2面106aが同じ材料、例えば熱剥離接着剤又はUV剥離接着剤であるような単層である。
【0211】
プロセス410における部品転写は、ハンドルアセンブリ100をデバイス基板上に転写することを含む。他で説明したように、本明細書に記載の方法は、プリント回路基板、プラスチックケーシング、セラミック基板、フレキシブル回路などの集積回路パッケージングに使用される任意のデバイス基板、又は他のデバイス基板に超薄型及び/又は超小型の裸のディスクリート部品を取り付けるために使用される。ディスクリート部品をデバイス基板、例えばデバイス基板614に取り付ける前に、ディスクリート部品の取り付け手段を設けることができる。例えば、図18に示すように、熱硬化された非導電性ディスクリート部品取り付け材料(Henkel社のAblebond 8008NCなど)を分散して、ディスクリート部品をデバイス基板614に取り付けるための接着面618を形成することができる(418)。
【0212】
図16及び18を参照すると、デバイス基板への転写610は、例えば、ディスクリート部品接合ツール612、ハンドルアセンブリ100、及びデバイス基板614を含むことができる。幾つかの実装形態では、ディスクリート部品接合ツール612は、ハンドル基板アセンブリ100のハンドル基板108に取り付けられる。ディスクリート部品接合ツール612は、デバイス基板に向かって移動し、ディスクリート部品10をデバイス基板614上の取り付け面618上に直接配置する。次に、ディスクリート部品接合ツール612は、ディスクリート部品10が接着面618と接触するまで、例えば概して矢印620で示す方向に、ハンドルアセンブリ100をデバイス基板に向かって移動させる。接触が行われると、ディスクリート部品相互接続及びハンドル除去が行われる。ディスクリート部品接合ツールは、接着面618上の接着剤を硬化させることができる力及び温度プロファイルを加える。ディスクリート部品10は熱剥離層を介してハンドル基板アセンブリに取り付けられているため、接着面618上の接着剤に供給された温度プロファイルは、ハンドル基板108からディスクリート部品10との接着を迅速に又は同時に弱める。ハンドル基板108とディスクリート部品10との間の残りの接合強度は、ディスクリート部品10とデバイス基板614との間の接合強度に打ち勝つには不十分である。その結果、ディスクリート部品10は、ディスクリート部品接合ツール612及びハンドル基板がデバイス基板から離れる際に、デバイス表面に取り付けられた状態のままである。続いてハンドル基板は、ディスクリート部品接合ツールを介して正圧を加えることによって、ディスクリート部品接合ツールから解放されて、別の場所で廃棄され得る。
【0213】
ハンドル基板が熱剥離層ではなくUV剥離層(104)を含む場合、転写手段、例えばディスクリート部品接合ツール612は、UV光を放出することができるデバイスを用いて有用になり得る。熱剥離性ディスクリート部品接合ツールと同様に、UV剥離性ディスクリート部品接合ツールは、ハンドルからディスクリート部品を取り外すために十分な強度を有するUV光を放出することができる。この場合、ディスクリート部品をデバイス基板に接合するために追加の熱源が必要とされる。このような熱源は、デバイス基板を保持する作業台と一体化することができる。
【0214】
特定の実施形態では、ディスクリート部品は、UV剥離可能(releasable)層によってハンドル基板に接合され、デバイス基板上の接着剤はUV硬化接着材料とすることができる。この場合、選択された接着剤に基づいて十分な強度のUV光を放出することにより、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合を弱め、ディスクリート部品をデバイス基板上の接着剤に接合することができる。
【0215】
幾つかの例では、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合を弱め、ディスクリート部品とデバイス基板との間の接合を強めるように、感熱性又はUV感受性接着剤の様々な組み合わせが使用される。
【0216】
場合によっては、デバイス基板上の接着剤を硬化させるために、デバイス基板を介して熱又はUV光をまた適用するか、又はそれらを代替的に適用する。
【0217】
幾つかの実施形態では、ディスクリート部品をデバイス基板に転写することは、以下のようなステップを含むことができる。
【0218】
図19に示すように、超小型及び/又は超薄型ディスクリート部品をフェイスアップ構成でパッケージングするプロセス720は、一般に、ウェハを取得又は製造するステップ(722)と、ウェハを部分的にダイシングするステップ(724)と、ウェハを薄くするステップと(726)、ウェハからディスクリート部品を分離するステップ(728)と、ウェハから仮ハンドル基板にディスクリート部品を転写するステップ(730)と、仮ハンドル基板からハンドル基板にディスクリート部品を転写するステップ(732)と、仮ハンドル基板とディスクリート部品との間の接合を弱めながらディスクリート部品をハンドル基板に接合するステップ(732)と、ハンドル基板を複数の個々のハンドル基板に分割するステップであって、個々のハンドル基板はそれぞれディスクリート部品を含む、ステップ(734)と、ディスクリート部品を取り付けるためのデバイス基板を準備するステップ(736)と、ディスクリート部品接合ツールを用いてハンドルアセンブリをピックアップし、ディスクリート部品をデバイス基板上の取り付け接着剤と合わせるようにハンドルアセンブリをデバイス基板の上に配置するステップ(738)と、ディスクリート部品を移動させてデバイス基板上の取り付け接着剤と接触させるステップ(738)と、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合を弱め、ディスクリート部品とデバイス基板との間の接合を強くするように、エネルギーを放出するステップ(738)と、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させた状態で、ディスクリート部品接合ツールをデバイス基板から離れる方向に移動させるステップ(738)と、ディスクリート部品接合ツールからハンドル基板を解放するステップ(739)とを含むことができる。
【0219】
一般に、半導体材料、例えばバルクシリコン基板又は層状シリコン-インシュレータ-シリコン基板上に、薄膜法などの既知の半導体技術を用いて、多数のディスクリート部品を有するウェハを製造することができる(722)。
【0220】
ダイシング(724)の間、ウェハは既知の半導体技術を用いて部分的ダイシングを受けることができる。例えば、ディスクリート部品は、ドライエッチング又はウェットエッチング、(図19に示す)機械的研削、又はレーザー切断によって部分的に分離することができる。特定の場合には、ウェハはダイシングされて、最終的なディスクリート部品の厚さと等しいか又はわずかに大きいストリート深さを形成する。
【0221】
幾つかの実施形態では、ウェハ薄化、ディスクリート部品分離は、マスキングフィルムに関連する議論を除いて、プロセス410を参照して説明したウェハ薄化及びディスクリート部品分離と概ね同様である。例えば、プロセス720はマスキングフィルムを省略しているため、ストリートが遮られなくなるまでドライエッチング(728)を単に実施する。
【0222】
ウェハからディスクリート部品を転写するプロセス(730)は、プロセス410を参照して説明したプロセスと概ね同様であるが、ここではディスクリート部品は最初に、方向822に沿って仮基板ハンドル818に転写され、各ディスクリート部品10は距離812によって分離されている。図20を参照すると、特大ハンドルアセンブリ810は、ディスクリート部品のアクティブ面102の位置及びハンドル解放層815のタイプを除いて、特大ハンドルアセンブリ510と概ね同様である。ここで、ディスクリート部品のアクティブ面は、仮基板818から離れる方向に配向している。さらに、仮基板818は、テープが特定の温度に曝されたときにテープがその接着性を失うように、低温接着性熱剥離テープで覆われている。例えば、Nitto(登録商標)によるREVALPHA 319Y-4Lは、90℃の剥離温度を有する。
【0223】
図21を参照すると、ディスクリート部品を仮ハンドル基板818からハンドル基板108に転写するために、仮ハンドル基板818がハンドル基板108の上に配置されるか、又はその上に積層される。この場合、ハンドル基板108は、感熱性であり、仮ハンドル基板の剥離温度よりも高い剥離温度を有する、例えば150℃の剥離温度を有するNitto(登録商標)によるREVALPHA 319Y-4Hなどの層104を含むハンドル解放層105を含む。ディスクリート部品と仮ハンドル基板との間の接合を弱めるために、積層体は、低温テープの剥離温度よりも高いが高温テープの剥離温度よりも低い温度に加熱される。この状態は、仮ハンドル基板818が接着力を失う結果となる。このように、仮ハンドル基板は自由に除去可能である。場合によっては、暫定基板アセンブリはまた、再使用可能である。
【0224】
仮ハンドル基材に接着力を失わせる様式としての加熱について述べるが、その目的のために様々な技術を使用することができる。
【0225】
例えば、機械的技術を使用することができる。それらのアプローチでは、ハンドル解放層の表面形態の変化を引き起こす刺激を加えることによって、ハンドル解放層は接着力を失うことができる。幾つかの実施形態では、刺激は熱又はUV光であり得、ハンドル解放層の表面形態の対応する変化は、表面上での小さなブリスターの形成を含むことができる。このような表面形態の滑らかな状態からブリスター状への変化は、接着力が十分である接着剤から非常に低い接着力を有する非常に荒い接着剤への転移を引き起こすだろう。場合によっては、ハンドル解放層に使用される材料は、その表面形態を変えることによってそのような刺激に応答するように選択することができる。
【0226】
幾つかの例では、接着力の低下は、刺激を加えることによって引き起こされる状態の物理的変化によってハンドル解放層が接着力を失う相転移によって達成される。相転移は、固相から液相(例えば、融解)又は固相から気相(昇華)又はそれらの組み合わせであり得る。刺激は、光、熱、圧力、又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせであり得る。
【0227】
幾つかの例では、接着力の喪失は、化学的プロセスによって引き起こされ得る。例えば、化学的に誘発される接着力の喪失は、ハンドル解放層又はその構成要素の化学構造又は組成の変化に基づくことができる。ある場合には、ハンドル解放層又はその構成要素は、刺激に曝されたときにそれらの化学構造が変化するものであり得る。幾つかの例では、材料は、刺激が加えられたときにそれらの化学組成が変化(例えば、分解)する材料であり得る。そのような材料は、i)熱分解(thermal decomposition)、又は熱による化学分解である熱分解(thermolysis)を受ける材料、及びii)光の吸収によって引き起こされる分解である光分解を受ける材料を含むことができる。化学的プロセスに対する刺激は、光又は熱又はその両方であり得る。
【0228】
従って、幾つかの例では、解放機構は、ハンドル解放層材料の融解を伴わない。ハンドル層を融解させずに解放することにより、横方向の摺動運動よりもむしろ垂直運動によってハンドル基板を除去することができる。ハンドル基板を垂直に除去することは、例えばハンドル基板が従来のダイボンダーによって除去される場合に有利であり得る。横方向の摺動運動によってハンドル基板を除去することは、ハンドル基板が連続ウェブの一部を形成するロールツーロールアセンブリラインなどの環境において有利であり得る。ハンドル解放層材料を融解させずに解放することは、ハンドルを除去した後にディスクリート部品の表面に残留物が残らないようにするのに役立つことができる。
【0229】
幾つかの実施形態では、ハンドル解放層又はその接着力を低下させるプロセス又はその両方は、接着力の喪失が永続的であるように、又は接着力の回復が防止、阻害、又は遅延されるように選択することができる。このアプローチは、ハンドルを除去しなければならないときの時間的制約を低減又は排除するという利点を有する。例えば、このような材料は、接着力の低下後、約10秒、30秒、1分、5分、10分、又は別の時間内に、接着の回復を受けることがある。例えば、ハンドル解放層の接着力を低下させるためにワックスを融解すると、ワックスは比較的迅速に再固化するため、ワックスの融解を引き起こす熱が減少した後にハンドルを除去する時間はほとんどないだろう。ハンドル解放層の材料が固化する前にハンドルを迅速に除去しなければならないという要件を課すことは、製造プロセスに望ましくない制約を課す。接着力の喪失が永続的であるか、又は接着力の回復が防止、阻害又は遅延される例示的な材料には、劣化(degrade)、分解(decompose)又は昇華する材料;又はNitto(登録商標)によるREVALPHA(登録商標)両面熱剥離テープのような接着テープが含まれる。
【0230】
場合によっては、ハンドル解放層の材料又はそれを解放するプロセス又はその両方は、解放後にディスクリート部品上に残留物が残らないように選択することができる。例えば、解放後にディスクリート部品上に残留物を残さない材料は、表面形態が変化する材料(例えば、Nitto(登録商標)によるREVALPHA(登録商標)両面熱剥離テープなど)又は昇華する材料を含むことができる。
【0231】
デバイス基板を準備するステップ(736)と、ディスクリート部品をデバイス基板に転写するステップ(738)とを含むディスクリート部品パッケージングプロセスは、図16に関して説明したディスクリート部品パッケージングプロセスと概ね同様である。
【0232】
図22に示すように、超小型及び超薄型ディスクリート部品をフリップチップ構成でパッケージングするプロセス1000は、一般に、ウェハを取得又は製造するステップ(1002)と、ウェハを部分的にダイシングするステップ(1004)と、ウェハを薄くするステップと(1006)、ウェハからディスクリート部品を分離するステップ(1008)と、ハンドル基板にディスクリート部品を転写するステップ(1010)と、ハンドル基板を複数の個々のハンドル基板に分割するステップであって、個々のハンドル基板はそれぞれディスクリート部品を含む、ステップ(1012)と、ディスクリート部品を取り付けるためのデバイス基板を準備するステップ(1014)と、ディスクリート部品接合ツールを用いてハンドルアセンブリをピックアップし、ディスクリート部品をデバイス基板上の取り付け接着剤と合わせるようにハンドルアセンブリをデバイス基板の上に配置するステップ(1016)と、ディスクリート部品を移動させてデバイス基板上の取り付け接着剤と接触させるステップ(1016)と、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合を弱め、ディスクリート部品とデバイス基板との間の接合を強めるように、エネルギーを放出するステップ(1016)と、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させた状態で、ディスクリート部品接合ツールをデバイス基板から離れる方向に移動させるステップと、ディスクリート部品接合ツールからハンドル基板を解放するステップ(1016)とを含む。
【0233】
一般に、フリップチップ構成で要求されるようなバンプアウトされた(bumped out)ディスクリート部品を有するウェハが一般に知られている。ウェハバンピングのための一般的な方法には、スタッドバンピング、無電解ニッケル-金メッキ、はんだボール、はんだペースト印刷、はんだ電気メッキなどが含まれる。低プロファイルの無電解ニッケル-金メッキを有する初期ウェハはここで説明したプロセスと適合するが、バンプの生成は、ガラス基板からディスクリート部品を転写するステップ(1010)の後、及びディスクリート部品をハンドル基板上に配置するステップ(1012)の前に起こることがある。
【0234】
ウェハダイシングプロセス(1004)、ウェハ薄化プロセス(1006)、ディスクリート部品分離(1008)、ディスクリート部品転写(1010)、個々のハンドル基板の形成ステップ(1012)、及びディスクリート部品の接合ステップ(1016)は、上述した他の方法と概ね同様である。例えば、ディスクリート部品10は、図17及び23に示すように、ディスクリート部品10上のアクティブ面102の配向を除いて、同様にハンドル基板108上に配置される。ここでは、ディスクリート部品10の各々は、距離1202で分離され、方向1204に沿って移動する。
【0235】
図22~23を参照すると、ディスクリート部品10は、導電性材料1106及び接着材料1108を用いて、デバイス基板618に取り付けられる。
【0236】
接着材料のタイプ及び適用方法は、ディスクリート部品をデバイス基板上の導体トレースに電気的に接続するために選択される方法に依存する。例えば、液状の導電性接着剤(例えば異方性導電接着剤、ACP、例えばCreative Materials社によるタイプ115-29)又は他の一般的に使用される方法及び材料、例えば異方性導電フィルム及びペースト、等方性導電フィルム及びペースト、及びはんだを使用することができる。ディスクリート部品の接合ステップは、一般に、ディスクリート部品接合ツールを用いてハンドルアセンブリをピックアップし、ディスクリート部品をデバイス基板上の取り付け接着剤と合わせるようにハンドルアセンブリをデバイス基板の上に配置するステップ(1016)と、ディスクリート部品を移動させてデバイス基板上の取り付け接着剤と接触させるステップ(1016)と、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合を弱め、ディスクリート部品とデバイス基板との間の接合を強めるように、エネルギーを放出するステップ(1016)と、ディスクリート部品をデバイス基板に接合させた状態で、ディスクリート部品接合ツールをデバイス基板から離れる方向に移動させるステップと、ディスクリート部品接合ツールからハンドル基板を解放するステップ(1016)とを含む。
【0237】
特定の実施形態では、ACP接合を超える接着法が使用される場合、新しい材料を収容するためにサイト準備機構及び/又はプロセスをカスタマイズする(1014)ことが望ましい。
【0238】
[ハンドルアシストパッケージングプロセス]
図25に示すように、ハンドルアシストパッケージングプロセス1300は、ハンドル基板を用いてフリップチップ構成で超薄型ディスクリート部品をパッケージングすることを可能にする。多数のディスクリート部品を有するウェハが取得又は製造される(1302)。
【0239】
プロセス1300におけるウェハ準備には、ウェハ薄化、ハンドル取り付け、及びダイシングが含まれる。ウェハは、例えば、約25μmの厚さなど、50μm未満の厚さまで薄くされる。例えば、ウェハは、機械的薄化プロセス又は機械的薄化プロセス及びそれに続く非接触薄化プロセスを用いて薄くすることができる(1304)。超薄型ウェハは、ハンドル基板に取り付けられる(1306)。図25の例では、ウェハの裏面を、厚さ20μmのハンドル解放層を介して厚さ350μmのハンドル基板に接合し、ウェハのアクティブ層を露出した状態のままにする。幾つかの例では、ウェハのアクティブ層をハンドル基板に接合し、ウェハの裏面を露出した状態のままにすることができる。
【0240】
ウェハ及びハンドル基板のアセンブリをダイシングテープに接着させ、個々のディスクリート部品にダイシングする。例えば、ウェハ及びハンドル基板のアセンブリを、ハンドル基板のダイシングされた部分に取り付けられたディスクリート部品を形成するために、機械的切断(1308)及びそれに続くレーザーステルスダイシング(1309)又はその両方によってダイシングすることができる。ハンドル基板のダイシングされた部分の上のディスクリート部品をハンドルアセンブリと呼ぶことがある。
【0241】
一般に、ウェハ形成(1302)及び接触又は非接触材料除去プロセスによるウェハ薄化(1304)は、他で説明したプロセスと概ね同様である。しかしながら、個々のディスクリート部品の個別化及びハンドル基板のサイジング(1308、1309)は、場合によっては幾分合理化される(streamlined)。例えば、図26を参照すると、第2面306及び第1面304を含むハンドル解放層305は、ハンドル基板に沿って、超薄型ウェハの裏面に露出された熱又はUV剥離層、及びハンドル基板に取り付けられた感圧層とともに適用される(1306)。この場合、ハンドル基板308の長さ及び幅は、超薄型ディスクリート部品30の寸法と等しくすることができる。このようにして、ハンドル基板及びウェハを個々のハンドルアセンブリ300に同時にダイシングすることができる(1308)。
【0242】
プロセス1300における部品転写は、ディスクリート部品の取り付けのためのデバイス基板を準備するステップ(1310)と、ピックアンドプレースアプローチを用いて準備されたデバイス基板上にハンドルアセンブリを転写するステップ(1312)とを含む。図26を参照すると、ピックアンドプレースアプローチでは、ハンドルアセンブリ300を、ディスクリート部品接合ツール612を用いてピックアップし、ディスクリート部品30をデバイス基板614上の取り付け接着剤618と合わせるようにデバイス基板614の上に配置する。ディスクリート部品を移動させて、デバイス基板614上の取り付け接着剤618と接触させる。
【0243】
プロセス1300における部品相互接続及びハンドル除去には、ディスクリート部品30とハンドル基板618との間の接合を弱め、ディスクリート部品30とデバイス基板614との間の接合を強めるように、エネルギーを放出するステップ(1312)が含まれる。ディスクリート部品30をデバイス基板614に接合させた状態で、ディスクリート部品接合ツール612をデバイス基板614から離れる方向に移動させる。ディスクリート部品接合ツール612からハンドル基板618を解放する(1312)。
【0244】
他のフリップチップ構成と同様に、ディスクリート部品は、導電性材料1106を用いてデバイス基板618に取り付けられる。
【0245】
[レーザー対応パッケージングプロセス]
図27を参照すると、レーザー対応パッケージングプロセス150は、ハンドル基板を使用せずに超薄型、超小型ディスクリート部品のパッケージングを可能にする。多数のディスクリート部品を有するウェハが製造又は取得される(152)。
【0246】
プロセス150におけるウェハ処理は、ウェハ薄化(図示せず)を任意に含むことができる。(薄くされ得る)ウェハは、ダイシングテープに接着され、上述のようなアプローチを用いて個々のディスクリート部品にダイシングされる(154)。幾つかの例では、プロセス150はウェハを薄くするステップの中で行われる。
【0247】
プロセス150におけるウェハ転写(155)は、例えば真空アシスト転写で、ダイシングされたディスクリート部品を、ダイシングテープからガラスキャリアなどの透明キャリアに転写するステップを含むことができる。この転写は、プロセス150をフリップチップアセンブリに使用することを可能にする。ダイシング及びウェハ転写に対する他のアプローチも、プロセス150で使用することができる。
【0248】
プロセス150における部品転写は、上述したレーザーアシスト非接触転写法を用いて透明キャリアからディスクリート部品を解放するステップ(156)を含む。ディスクリート部品は、その上に形成された取り付け要素を有するデバイス基板上に転写される。ディスクリート部品相互接続(158)は、上述したように、圧力、温度、又は紫外光を加えることによって行われる。プロセス150はハンドル基板を使用しないため、ハンドル除去は必要ない。
【0249】
プロセス150は利点を有することができる。例えば、レーザーアシスト非接触転写法を用いて部品転写を行うことにより、ピックアンドプレースアプローチ用には小さすぎる部品又はハンドル基板上に取り付けるのに適していない部品など、広範囲のサイズ及びタイプの部品の転写にこのプロセスを適用することを可能にする。プロセス150は、レーザーを電子的に走査して透明キャリアの再配列をほとんど又は全く伴わずに連続したディスクリート部品を迅速に転写することができるため、レーザーアシストされていない他のプロセスよりも高い処理能力で動作することができる。
【0250】
[直接レーザー対応パッケージングプロセス]
図28を参照すると、レーザー対応パッケージングプロセス(160)は、ハンドル基板を使用せずに超小型ディスクリート部品のパッケージングを可能にする。多数のディスクリート部品を有するウェハが製造又は取得される(162)。
【0251】
プロセス160におけるウェハ処理は、ウェハ薄化(図示せず)を任意に含むことができる。(薄くされ得る)ウェハは、その上に配置された動的解放層を有するガラスキャリアなどの透明キャリアに接着され、上述のようなアプローチを用いて透明キャリアに接着した状態で個々のディスクリート部品にダイシングされる(166)。ウェハは、透明キャリア上のUV剥離接着材料に接着されているように示されているが、ウェハはまた、UV剥離材料を用いずに動的解放層に接着することもできる。
【0252】
ウェハ及びハンドル基板のアセンブリは、ダイシングテープではなく、ダイシングのために透明キャリアに直接接着されているため、ウェハ転写プロセスをバイパスすることができる。ウェハ転写及びダイシングに対する他のアプローチも、プロセス160で使用することができる
【0253】
プロセス160における部品転写は、上述したレーザーアシスト非接触転写法を用いて透明キャリアからディスクリート部品を解放するステップ(168)を含む。ディスクリート部品は、その上に形成された取り付け要素を有するデバイス基板上に転写される。ディスクリート部品相互接続(170)は、上述したように、圧力、温度、又は紫外光を加えることによって行われる。プロセス160はハンドル基板を使用しないため、ハンドル除去は必要ない。
【0254】
プロセス160では、レーザーアシスト非接触転写法を用いて部品転写を行うことにより、ピックアンドプレースアプローチ用には小さすぎる部品又はハンドル基板上に取り付けるのに適していない部品など、広範囲のサイズ及びタイプの部品の転写にこのプロセスを適用することを可能にする。
【0255】
プロセス160は利点を有することができる。例えば、プロセス160は、ダイシングされたウェハの転写ステップを排除することによって、他のレーザーアシストプロセスと比較して、単純化されたプロセスフローを有する。ダイシングされたディスクリート部品の転写の間にダイの損失の機会がないため、プロセス歩留まりを改善することができる。さらに、ウェハが無傷な(intact)ユニットとして転写されるため、ダイシングされたディスクリート部品の転写中にウェハにおいてダイが元の位置に対してシフト又は回転する可能性は排除される。
【0256】
[レーザー対応ハンドルアシストパッケージングプロセス]
図29を参照すると、レーザー対応ハンドルアシストパッケージングプロセス180は、ハンドル基板を用いた超薄型ディスクリート部品のパッケージングを可能にする。多数のディスクリート部品を有するウェハが製造又は取得される(182)。
【0257】
プロセス180におけるウェハ準備は、ウェハ薄化、ハンドル取り付け、及びダイシングを含む。ウェハは、上述のウェハ薄化アプローチの1つ以上を使用して、50μm未満の厚さまで薄くされる(184)。図29の例では、裏面研削、ドライエッチング又は化学機械研磨の組み合わせを用いて、また支持基板を使用して、ウェハを約25μmの厚さまで薄くする。ハンドル基板を、薄くされたウェハに取り付ける(186)。図29の例では、ウェハの裏面を、厚さ20μmのハンドル解放層を介して厚さ350μmのハンドル基板に接合し、ウェハのアクティブ層を露出した状態のままにする。幾つかの例では、ウェハのアクティブ層をハンドル基板に接合し、ウェハの裏面を露出した状態のままにすることができる。ウェハ及びハンドル基板のアセンブリを、ダイシングテープに接着させ、個々のディスクリート部品にダイシングする。例えば、ハンドル基板のダイシングされた部分に取り付けられたディスクリート部品(集合的にハンドルアセンブリと呼ぶ)を形成するために、ウェハ及びハンドル基板のアセンブリを、機械的切断(188)によって直接的に、及びレーザーマイクロマシニング(レーザーステルスダイシングと呼ぶこともある)(190)によって間接的にダイシングすることができる。上述のようなウェハ及びハンドル基板のアセンブリをダイシングする他のアプローチも使用することができる。
【0258】
プロセス180におけるウェハ転写は、ハンドルアセンブリをダイシングテープからガラスキャリアなどの透明キャリアに転写するステップ(192)を含む。ダイシングテープに接着されたハンドルアセンブリは、例えば真空チャックから提供される吸引によって、ダイシングテープから除去される。その上に配置された動的解放層を有するガラスキャリアなどの透明キャリアを、真空チャック上に吸引されたハンドルアセンブリと接触させ、ハンドルアセンブリのキャリアへの転写をもたらす。吸引力が除去され、真空チャックが取り除かれる。ダイシング及びウェハ転写に対する他のアプローチも、プロセス180で使用することができる。
【0259】
プロセス180における部品転写は、例えば上述したレーザーアシスト非接触転写法を用いて、透明キャリアからハンドルアセンブリを解放するステップ(194)を含む。ハンドルアセンブリは、その上に形成された取り付け要素を有するデバイス基板上に転写される。ディスクリート部品相互接続(196)及びハンドル除去(198)は、上述したように、圧力、温度、又は紫外光を加えることによって行われる。
【0260】
プロセス180では、レーザーアシスト非接触転写法を用いて部品転写を行うことにより、ピックアンドプレースアプローチ用には小さすぎる又は薄すぎる部品など、広範囲のサイズ及びタイプの部品の転写にこのプロセスを適用することを可能にする。
【0261】
プロセス180では、レーザーアシスト非接触転写法を使用して、ディスクリート部品のみではなくハンドルアセンブリを転写する。転写されるアイテムの質量は、レーザーアシスト非接触転写法における転写の精度に相関するため、ディスクリート部品だけではなくハンドルアセンブリを転写することは、ハンドルアセンブリをより正確にデバイス基板上に配置することを可能にする。
【0262】
プロセス180では、ディスクリート部品がハンドル基板の関連部分に依然として取り付けられている状態で、ディスクリート部品相互接続が行われる。ディスクリート部品及びハンドル基板の厚いアセンブリは、ハンドル基板に取り付けられていないディスクリート部品よりも、ディスクリート部品相互接続中にデバイス基板上の取り付け要素を硬化する間(例えば、導電性エポキシの硬化の間)に、割れを生じにくい。
【0263】
プロセス180は利点を有することができる。例えば、部品転写の精度を向上することができる。さらに、他の方法では操作するのが困難であり得る超薄型チップを転写するためにプロセス180を使用することができる。
【0264】
[直接レーザー対応ハンドルアシストパッケージングプロセス]
図30を参照すると、レーザー対応ハンドルアシストパッケージングプロセス250は、超薄型ディスクリート部品のパッケージングを可能にする。多数のディスクリート部品を有するウェハが製造又は取得される(252)。
【0265】
プロセス250におけるウェハ準備は、ウェハ薄化、ハンドル取り付け、及びダイシングを含む。ウェハは、上述のウェハ薄化アプローチの1つ以上を使用して、50μm未満の厚さまで薄くされる(254)。図30の例では、裏面研削、ドライエッチング又は化学機械研磨の組み合わせを用いて、また3M Wafer Support System(登録商標)を使用して、ウェハを約25μmの厚さまで薄くする。薄くされたウェハをハンドル基板上に取り付けて、ハンドルアセンブリを形成する(256)。図30の例では、ウェハの裏面を、厚さ20μmのハンドル解放層を介して厚さ350μmのハンドル基板に接合し、ウェハのアクティブ層を露出した状態のままにする。幾つかの例では、ウェハのアクティブ層をハンドル基板に接合し、ウェハの裏面を露出した状態のままにすることができる。
【0266】
幾つかの例では、ウェハを、ダイシングテープに取り付けられている間に部分的に予備ダイシングし(258)、次いで、完全なダイシング(262)のために透明キャリアに転写する(260)。幾つかの例では、ウェハ及びハンドル基板のアセンブリは、その上に配置された動的解放層を有するガラスキャリアなどの透明キャリアに接着され(258)、上述のようなアプローチを用いて個々のディスクリート部品にダイシングされる(259)。ウェハ及びハンドル基板のアセンブリは、ダイシングテープではなく、ダイシングのために透明キャリアに直接接着されているため、ウェハ転写プロセスをバイパスすることができる。ダイシング及びウェハ転写に対する他のアプローチも、プロセス250に適用することができる。
【0267】
プロセス250における部品転写は、上述したレーザーアシスト非接触転写法を用いて、透明キャリアからディスクリート部品を解放するステップ(264)を含む。ディスクリート部品は、その上に形成された取り付け要素を有するデバイス基板上に転写される。ディスクリート部品相互接続(266)及びハンドル除去(268)は、上述したように、圧力、温度、又は紫外光を加えることによって行われる。
【0268】
プロセス250では、レーザーアシスト非接触転写法を用いて部品転写を行うことにより、ピックアンドプレースアプローチ用には薄すぎる部品など、広範囲のサイズ及びタイプの部品の転写にこのプロセスを適用することを可能にする。
【0269】
プロセス250は利点を有することができる。例えば、プロセス250は、ダイシングされたウェハの転写ステップを排除することによって、他のレーザーアシストプロセスと比較して、単純化されたプロセスフローを有する。ダイシングされたディスクリート部品の転写の間にダイの損失の機会がないため、プロセス歩留まりを改善することができる。さらに、ウェハが無傷な(intact)ユニットとして転写されるため、ダイシングされたディスクリート部品の転写中にウェハにおいてダイが元の位置に対してシフト又は回転する可能性は排除される。
【0270】
図31に示すように、上述のディスクリート部品をパッケージングするプロセスは、ディスクリート部品1501をデバイス基板1502に取り付けるプロセス1500に示すように変更することができる。例えば、まず、ディスクリート部品が取り付けられるデバイス基板1502の位置1515で、分配管1507を介して(導体1511を含む)デバイス基板表面1509上にある量の接着剤1505を分配することによって、ディスクリート部品1501に取り付けるためのデバイス基板1502を準備する(1310)。
【0271】
次に、プロセス1500は、一般に、ディスクリート部品転写ツール1508の真空管1516を介して真空を適用する1513ことによって、(ディスクリート部品1501、ハンドル基板108、ハンドル解放層105を含む)ハンドルアセンブリ1552をピックアップするステップ(1502)を含むことができる。ハンドルアセンブリを有する転写ツールは次いで、図25及び26にも示すように、デバイス基板の位置1515の上に配置され(1502)、ディスクリート部品をデバイス基板1502(図18の614)上の取り付け接着剤と合わせる。次に、ディスクリート部品を移動させ、デバイス基板1502上の取り付け接着剤1505(図18の618)と接触させる。
【0272】
ディスクリート部品をデバイス基板1502上の(その瞬間幾らか流体状態であってもなくてもよい)取り付け接着剤1505(図18の618)と接触させた後、真空管内の真空を壊してハンドルから転写ツール1508を解放し、転写ツールを遠ざけることができる。次いで、別個のディスクリート部品接合ツール1510を移動させ、ディスクリート部品と接触させてもよい。次いで、圧力1550、又は例えば熱又はUVエネルギーなどのエネルギー1551、又はその両方を、接合ツール1510のハンドルへの接触面1519を介して、ディスクリート部品1501、ハンドル基板108、ハンドル解放層105に、またハンドルを介して接合部1521に、接合部を介してディスクリート部品1501に、ディスクリート部品1501を介してデバイス基板を有する接合部1523に加えることができる1517。圧力又はエネルギー又はその両方は、同時に又は連続して、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合1522を弱め、ディスクリート部品とハンドル基板との間の接合1523を強めることができる(1504)。圧力が加えられているとき、圧力は同時に接合1522を弱め接合1523を強めるように動作することができる。エネルギーが加えられているとき、場合によっては、接合1523の強化が開始又は完了する前に接合1522の弱化が開始又は完了するか、又は弱化及び強化が連続して生じることができるように、エネルギーはシステムの連続した構成要素を介して流れなければならない。
【0273】
場合によっては、ハンドル解放層105及び取り付け接着剤は、ディスクリート部品1501とデバイス基板1502との間の接合1523が、接合1521がハンドルとディスクリート部品1501との間に形成される前に形成されるか、又は接合1523及び接合1521の形成が、時間的に完全に重なって同時に起こり得るか、又はその形成が接合1523又は接合1521の何れかと部分的に重なり、部分的にその重なった時間の前又は後に起こり得るように、選択される。接合1523又は接合1521の何れかの形成は、材料、例えばワックス材料の硬化又は軟化を含むことができる。例えば、場合によっては、ハンドル解放層105、取り付け接着剤1505、又はハンドル解放層105及び取り付け接着剤1505の両方は、エネルギーの適用に応じて軟化又は硬化する1つ以上の材料を含んでもよい。この場合、接合1523の軟化は接合1521の硬化の前に起こり得るか、又は接合1521の軟化は接合1521の硬化の後に起こり得るか、又は2つの事象が時間的に完全に重なって同時に起こり得るか、又はそれらは重なるが、一方又は他方が重なった時間の前又は後に部分的に生じ得る。
【0274】
適切な程度まで弱化及び強化が進行すると、(ディスクリート部品1501、ハンドル基板108、ハンドル解放層105を含む)ハンドルアセンブリがデバイス基板1502に接合されたディスクリート部品と接触した状態で、ディスクリート部品接合ツール1510を除去することができる。(接合1523の弱化により)ディスクリート部品に接合されていないが、ハンドルは、例えば、重力、表面引力、又は接合プロセス後に残っている残余接着力、又はこれらの力の2つ以上の組み合わせにより、ディスクリート部品と接触した状態のままである。次いで、ハンドル基板を、例えば、ブラッシング、圧縮空気、真空、振動、液体ジェット、静電気力、重力がディスクリート部品からハンドルを分離するようにデバイス基板を再配向させる電磁気力、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせなどの様々な分離技術の何れかを用いて、ディスクリート部品から除去することができる(1506)。一般に、ディスクリート部品及び/又はハンドル基板が損傷されない限り、様々な分離技術、例えば、力、エネルギー、接触、及びこれらのうちの2つ以上の任意の組み合わせを適用してディスクリート部品からハンドル基板を分離する技術が想定される。
【0275】
幾つかの例では、ディスクリート部品転写ツール1508は、図18でのディスクリート部品転写ツール612の使用と同様に、ハンドルアセンブリに真空力を加えるように構成することができる。幾つかの例では、ディスクリート部品転写ツール1508は、図18でのディスクリート部品転写ツール602の使用と同様に、ハンドルアセンブリに圧力、熱、又はUV光、又はそれらの組み合わせを加えるように構成することができる。
【0276】
図31は、1つのハンドルアセンブリの除去を示しているが、同じ分離技術又は複数の技術を使用して、2つ以上のハンドルアセンブリを同時に除去することができる。例えば、ブラシ、ブレード、圧縮空気の適用、真空の適用、又は振動力の適用、又はそれらの2つ以上の任意の組み合わせが2つ以上のハンドルアセンブリをそれらの対応するディスクリート部品から除去し得るように、複数のハンドル基板を互いに近接して配置してもよい。
【0277】
幾つかの例では、ウェハから開始するのではなく規則的な厚さを有する個々のディスクリート部品から開始して、本明細書で説明するプロセスの1つ以上を使用して、デバイス基板上に薄いディスクリート部品を配置することができる。個々のディスクリート部品から開始するプロセスを使用して、単一のデバイス基板上に複数の異なるディスクリート部品を配置することができる。ピックアンドプレースアプローチ又はレーザーアシスト非接触転写法を使用して、デバイス基板の目標位置に個々のディスクリート部品を配置することができる。幾つかの例では、デバイス基板は静止したままであることができ、各ディスクリート部品は、その目標位置に達するまで、デバイス基板に対して移動することができる。幾つかの例では、特定のディスクリート部品の目標位置がそのディスクリート部品の下に位置するまで、デバイス基板をディスクリート部品に対して移動させることができる。単一の基板上に複数の異なるディスクリート部品を配置する能力は、例えば、複数のタイプのディスクリート部品の試験を容易にするために、研究開発に応用することができる
【0278】
図32を参照すると、プロセス450では、個々のディスクリート部品452が受け取られ、ハンドル解放層456を介して第1ハンドル基板454上に取り付けられる(440)。ディスクリート部品452は、ピックアンドプレースアプローチ又はディスクリート部品を配置するための別の方法によって、第1ハンドル基板454上に取り付けることができる。ディスクリート部品は、ピックアンドプレースアプローチに適合する様々なサイズ及び厚さのものとすることができる。
【0279】
ハンドル解放層458及びその上に配置された流動性材料の層460を有する第2ハンドル基板456を、第1ハンドル基板454上のディスクリート部品452と接触させる(441)。用語「流動性材料」は、例えば、第2ハンドル基板456が第1ハンドル基板456上のディスクリート部品452と接触するときに加えられる圧力及び真空ラミネーションなどの刺激に応答して流動性材料を流動させることができる粘度を有する任意の材料を含むように、広く使用される。例示的な流動性材料は、熱又は光(例えば、紫外光)などの刺激の適用に応答して液体から固体への相変化を受ける材料を含むことができる。例えば、流動性材料は、ポジ型フォトレジスト(例えば、AZ Electronic Materials、メルク、ダルムシュタット、ドイツによるAZ(登録商標)40XT)、ネガ型フォトレジスト(例えば、MicroChem Corp、ニュートン、MAによるSU-8)、熱硬化性(heat curable)熱硬化性(thermosetting)ポリイミド、又は他の材料を含むことができる。流動性材料を硬化するために刺激が加えられ(442)、ディスクリート部品452の周りで流動性材料を固化する。幾つかの例では、流動性材料460はフォトレジストであり、第2ハンドル基板456は透明基板(例えば、ガラス又は透明プラスチック)であり、刺激は、フォトレジストを硬化させるのに十分な光又は熱である。例えば上述の1つ以上のアプローチを使用して、第2ハンドル基板456は除去され(443)、ディスクリート部品452は所望の厚さまで薄くされ(444)、硬化した流動性材料460は、ウェットエッチング又はドライエッチングにより除去される(445)。
【0280】
薄くされたディスクリート部品452は、ハンドル解放層464で覆われた第3ハンドル基板462上に取り付けられる(446)。第1ハンドル基板454上のハンドル解放層456が解放される(447)ため、ディスクリート部品が第1ハンドル基板454から取り外される。洗浄後、第3ハンドル基板462上のディスクリート部品452は、ウェハ転写プロセスステップで上述したハンドルアシストプロセス(448)の何れかに入ることができる。
【0281】
プロセス450は、ディスクリート部品452がフェイスダウンで第1ハンドル基板454に取り付けられるときに使用することができる。フェイスアップアセンブリの場合、ステップ447及び447は省略され、第1ハンドルウェハ454は、上記のような後続のハンドルアシストディスクリート部品アセンブリのためのハンドルウェハとして機能する。
【0282】
幾つかの例では、本明細書で説明したプロセスの1つ以上を使用して、3次元集積回路(積層チップと呼ぶこともある)を組み立てることができる。積層されたチップは、積層されたディスクリート部品が単一のデバイスとしてともに振る舞うように、集積回路などのディスクリート部品を積層して垂直に接続させることによって製造される。積層されたチップは、電流密度を高め、故に計算能力又はメモリを向上させるのに役立つことができる。
【符号の説明】
【0283】
10、30、452 ディスクリート部品
12、614、704 デバイス基板
14 取り付け要素
100、101、103、500 ハンドルアセンブリ
102 アクティブ面
104、104a、304 第1面
105、105a、305、458、464 ハンドル解放層
106、106a、306 第2面
108、108a、308 ハンドル基板
150、160、180、450 プロセス
300 ウェハ
302 支持基板
310 アクティブ層
320、370、501、550、570 ウェハ転写アプローチ
372、552 ダイシング
374、580 制御可能な接着力を有する材料
376、582 熱又は紫外線などの刺激
400 ウェハハンドルアセンブリ
410 超小型及び超薄型のディスクリート部品をパッケージングするプロセス
454 第1ハンドル基板
456 第2ハンドル基板
460 流動性材料の層
462 第3ハンドル基板
502 ブレード
504 レーザービーム
506 ダイシングテープ
508 紫外線、距離
510 真空チャック、特大ハンドルアセンブリ
512 熱剥離テープ
554 透明キャリア600への転写
556 非接触アプローチ
572 ダイシングブレード
574 ステルスダイシングアプローチ
576 熱剥離テープで覆われた真空チャックへの転写
578 透明キャリアへの解放
600 透明キャリア
602 真空チャック
604 動的解放層(DRL)
610 デバイス基板への転写
612 ディスクリート部品接合ツール
618 接着面
700 ピックアンドプレースアプローチ
702 ツール
708 取り付け面
720 超小型及び/又は超薄型ディスクリート部品をフェイスアップ構成でパッケージングするプロセス
800 レーザーアシスト非接触転写法
802 接着剤層
804 レーザー光
806 ブリスター
810 特大ハンドルアセンブリ
812、1202 距離
815 ハンドル解放層
818 仮基板ハンドル
1000 超小型及び超薄型ディスクリート部品をフリップチップ構成でパッケージングするプロセス
1106 導電性材料
1300 ハンドルアシストパッケージングプロセス
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32