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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】直下型バックライト用の多層反射器
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20231127BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20231127BHJP
   F21V 7/28 20180101ALI20231127BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20231127BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20231127BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20231127BHJP
【FI】
F21S2/00 411
F21V7/00 530
F21V7/28 230
F21V7/28 250
G02F1/13357
F21Y115:10
F21Y105:10
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020512690
(86)(22)【出願日】2018-08-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018048386
(87)【国際公開番号】W WO2019046328
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】62/551,491
(32)【優先日】2017-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ククセンコフ,ドミトリ ウラディスラヴォヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ミー,シアン-ドン
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-096494(JP,A)
【文献】特表2017-521344(JP,A)
【文献】特開2010-277982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 7/00
F21V 7/28
G02F 1/13357
F21Y 115/10
F21Y 105/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックライトユニットにおいて、
95%超の光透過率を有し、発光する第1の主面およびその反対の第2の主面を有する透明基板、
前記透明基板に光学的に結合された少なくとも1つの光源、および
前記透明基板の前記第1または第2の主面に近接して位置付けられた反射器であって、該反射器が、反射材料の2つ以上の層を有し、該2つ以上の層は、少なくとも第1の層と該第1の層上に重ね合わされた第2の層とを具備し、該層の各々が第1の区域と第2の区域を有し、該第1の区域が該第2の区域よりも反射性が高く、該第2の区域が該第1の区域よりも透過性が高い、反射器、
を備えたバックライトユニット。
【請求項2】
前記透明基板がガラスから作られている、請求項1記載のバックライトユニット。
【請求項3】
前記ガラスが、酸化物基準のモル%で表して、
50~90モル%のSiO
0~20モル%のAl
0~20モル%のB、および
0~25モル%のRO、
を含み、
ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、
xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含む、請求項2記載のバックライトユニット。
【請求項4】
前記反射材料が白色インクであり、該白色インクからの反射の全積分散乱が、4%と93%の間で変動する、請求項1記載のバックライトユニット。
【請求項5】
前記透明基板が、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、および反射偏光子からなる群より選択される、請求項1記載のバックライトユニット。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源が、光学的接着剤層を通じて前記透明基板の第2の主面に光学的に結合されている、請求項1記載のバックライトユニット。
【請求項7】
請求項1記載のバックライトユニットを備えた表示または照明装置。
【請求項8】
バックライトユニットにおいて、
95%超の光透過率を有し、発光する第1の主面およびその反対の第2の主面を有する透明基板、
複数の個別の光源、
前記第2の主面に近接して位置付けられた反射器、および
前記第1の主面に近接して位置付けられた多層パターン反射器であって、該多層パターン反射器は、少なくとも第1の層と該第1の層上に重ね合わされた第2の層とを具備し、該第1及び第2の層の各層は、第1の区域と第2の区域を有する反射材料の層を具備し、該第1の区域が該第2の区域よりも反射性が高く、該第2の区域が該第1の区域よりも透過性が高い、多層パターン反射器、
を備えたバックライトユニット。
【請求項9】
前記複数の個別の光源が、前記多層パターン反射器および前記反射器の間に位置しており、該複数の個別の光源により放出された光は、該反射器および該多層パターン反射器の反射面での多数の反射のために、該反射器と該多層パターン反射器との間に横方向に伝わる、請求項8記載のバックライトユニット。
【請求項10】
前記透明基板がガラスから作られている、請求項8記載のバックライトユニット。
【請求項11】
前記ガラスが、酸化物基準のモル%で表して、
50~90モル%のSiO
0~20モル%のAl
0~20モル%のB、および
0~25モル%のRO、
を含み、
ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、
xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含む、請求項10記載のバックライトユニット。
【請求項12】
前記透明基板が、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、および反射偏光子からなる群より選択される、請求項8記載のバックライトユニット。
【請求項13】
前記個別の光源が、光学的接着剤層を通じて前記透明基板の第2の主面に光学的に結合されている、請求項8記載のバックライトユニット。
【請求項14】
請求項8記載のバックライトユニットを備えた表示または照明装置。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、その内容が依拠され、ここに全て引用される、2017年8月29日に出願された米国仮特許出願第62/551491号の米国法典第35編第119条の下での優先権の恩恵を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、広く、バックライトユニットおよびそのようなバックライトユニットを含む表示装置または照明装置に関し、より詳しくは、パターン化ガラス製導光板およびパターン反射層を備えたバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
液晶ディスプレイ(LCD)が、携帯電話、ラップトップ型コンピュータ、電子タブレット、テレビ、およびコンピュータ・モニタなどの様々な電子機器に一般に使用されている。LCDは、光を生じるためのバックライトユニット(BLU)を備えることができ、その光は、次に、所望の画像を生成するために、変換、フィルタリング、および/または偏光され得る。BLUは、エッジ照明、例えば、導光板(LGP)のエッジに結合された光源を備える、または背面照明、例えば、LCDパネルの背後に配置された二次元配列の光源を備えることがある。
【0004】
LCDは、ディスプレイパネルが、一対の偏光板および電気的に制御された液晶層を使用して、一連の個々にアドレス可能な光弁を備える、光弁系ディスプレイとも考えられる。BLUは、LCDからの放射画像を生成する必要がある。最新式の発光ダイオード(LED)は効率が高く、サイズが小さいために、最新のBLUはLEDを利用している。BLUには、2つの種類がある。エッジ照明BLUは、その表面から光を放出する導光板(LGP)にエッジで結合された直線LED配列を備える。直下型BLUは、LCDパネルの直接背後にある2D配列のLEDを備える。直下型BLUには、エッジ照明BLUと比べて改善されたダイナミックコントラストの利点があるであろう。例えば、直下型BLUを有するディスプレイは、画像に亘り輝度のダイナミックレンジを最適化するために各LEDの輝度を独立して調節することができる。これは、ローカルディミングとして一般に知られている。しかしながら、所望の光の均一性を達成するために、および/または直下型BLUにおけるホットスポットを避けるために、光源は、LGPおよび/または拡散フイルムからある距離に位置付けられ、それゆえ、ディスプレイ全体の厚さがエッジ照明BLUの厚さより厚くなることがある。直下型BLUにおける光の側方拡散を改善するために、LEDの上に位置付けられたレンズも提案されてきたが、そのような立体配置におけるLEDと拡散フイルムとの間の光学距離、例えば、約15~20mmの距離によっても、ディスプレイ全体の厚さが望ましくなく厚くなる、および/またはこれらの組立体により、BLUの厚さが減少したときに、望ましくない光学的損失が生じることがある。エッジ照明BLUは、より薄いであろうが、各LEDからの光は、個々のLEDまたはLEDの群を消しても、ダイナミックコントラスト比に最小の影響しかないようにLGPの広域な領域に広がり得る。画面の暗い領域のLEDを消すことができる、直下型BLUには、2Dローカルディミングを用いることによって、ダイナミックコントラストを改善できるという利点もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、BLUにより放出された光の均一性に悪影響を与えずに、ローカルディミング効率が改善された薄型BLUを提供することが都合よいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、様々な実施の形態において、2つ以上の層を有する多層パターン反射器を製造するための設計および方法であって、それらの層の各々が、第1の区域および第2の区域を有するように設計され、その第1の区域が第2の区域よりも反射性が高く、その第2の区域が第1の区域よりも透過性が高い、設計および方法に関する。
【0007】
その多層パターン反射器は、パターン反射器と均一なバックプレーン反射器との間の多数の反射によって、バックライトの面内で個々のLED源の光を拡散し、それによって、輝度の均一な照明をLCDパネルに与えるように働く、薄型直下型LCD用バックライトに使用するのに最適化することができる。
【0008】
多層パターン反射器を製造する方法は、反射白色塗料またはインクを使用し、デジタル印刷技術を用いて多層を連続して印刷することによって、その塗料またはインクを適切なガラスまたはプラスチック基板に施すことを含み得る。そのパターン反射器は、高反射インクを使用した印刷によって、簡単かつ安価に製造できるいくつかの層を有し得、その各々は、比較的低い解像度でパターン化されている。そのような反射器が直下型バックライトに使用される場合、可変反射器を使用する従来技術の直下型バックライトよりも、厚さを小さく、光利用効率をよりよく、輝度均一性をよりよくすることができる。
【0009】
パターン反射器が導光板の上面に製造される実施の形態において、光抽出特徴を製造するためにも、同じ印刷過程を使用することができる。
【0010】
本開示の追加の特徴および利点は、以下の詳細な説明に述べられており、一部は、その説明から当業者に容易に明白となるか、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付図面を含む、ここに記載されたような方法を実施することによって認識されるであろう。
【0011】
先の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方とも、本開示の様々な実施の形態を提示しており、請求項の性質および特徴を理解するための概要または骨子を提供する意図があることを理解すべきである。添付図面は、本開示のさらなる理解を与えるために含まれ、本明細書に包含され、その一部を構成する。図面は、本開示の様々な実施の形態を示しており、説明と共に、本開示の原理および作動を説明する働きをする。
【0012】
以下の詳細な説明は、以下の図面と共に読んだときに、さらに理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】導光板およびその導光板に光学的に結合された一連の光源を示す説明図
図2】本開示の特定の実施の形態による例示のパターン反射層を示す説明図
図3】本開示の様々な実施の形態による例示のBLUの断面図
図4】本開示の様々な実施の形態による例示のBLUの断面図
図5A】導光板内の光の側方拡散を示す説明図
図5B】導光板内の光の側方拡散を示す説明図
図6A】あるパターン反射層を備えた例示のBLUの光出力効率をプロットしたグラフ
図6B】別のパターン反射層を備えた例示のBLUの光出力効率をプロットしたグラフ
図6C】さらに別のパターン反射層を備えた例示のBLUの光出力効率をプロットしたグラフ
図6D】また別のパターン反射層を備えた例示のBLUの光出力効率をプロットしたグラフ
図7】本開示の追加の実施の形態による微細構造でパターン化されたLGPを示す説明図
図8A】本開示のいくつかの実施の形態による、多層可変反射器の実施の形態を示す説明図
図8B】本開示のいくつかの実施の形態による、多層可変反射器の別の実施の形態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
発光する第1の主面、その反対の第2の主面、および複数の光抽出特徴を有する導光板;その導光板の第2の主面に光学的に結合された少なくとも1つの光源;その導光板の第2の主面に近接して位置付けられた後部反射器;およびその導光板の第1の主面に近接して位置付けられたパターン反射層であって、少なくとも1つの光反射成分と少なくとも1つの光透過成分を含むパターン反射層を備えるバックライトユニットが、ここに開示されている。そのようなバックライトユニットを含む表示装置および照明装置も、ここに開示されている。
【0015】
いくつか例を挙げると、ディスプレイ、照明、および電子機器、例えば、テレビ、コンピュータ、電話、タブレット、および他の表示パネル、照明器具、固体照明、ビルボード、および他の建築要素などの、そのようなバックライトを含む装置も、ここに開示されている。
【0016】
本開示の様々な実施の形態を、ここに開示されたバックライトユニットの例示の構成要素および態様を示す、図1~8Bを参照して、ここに論じる。以下の一般的な説明は、請求項に記載された装置の概要を与える意図があり、様々な態様は、非限定的に示された実施の形態に関して、本開示の全体に亘りより詳しく論じられており、これらの実施の形態は、本開示の脈絡の中で互いに交換可能である。
【0017】
図1は、例示の導光板(LGP)100およびLGP100に光学的に結合された一連の光源110の上面図を示している。説明の目的で、光源110は、図1のLGP100を通して目に見えるが、いくつかの実施の形態において、そうでなくてもよい。異なる光源の位置、サイズ、形状、および/または間隔を含む代わりの構成も、本開示の範囲に入ることが意図されている。例えば、図示された実施の形態は、同じサイズ、形状、および間隔を有する光源110の周期的または規則的配列を含む一方で、配列が不規則または非周期的である他の実施の形態が考えられる。
【0018】
LGP100は、ディスプレイまたは照明用途に応じて変わり得る、長さLおよび幅Wなど、どのような寸法を有してもよい。いくつかの実施の形態において、長さLは、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約0.1mから約5m、約0.5mから約2.5m、または約1mから約2mなど、約0.01mから約10mに及び得る。同様に、幅Wは、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約0.1mから約5m、約0.5mから約2.5m、または約1mから約2mなど、約0.01mから約10mに及び得る。一連の光源における各光源110は、LGP100の寸法およびLGP100に沿った光源110の数および/または間隔に応じて変わり得る、関連するユニット長さLおよびユニット幅Wを有するユニットブロック(点線で表されている)も画成することがある。非限定的な実施の形態において、ユニット幅Wおよび/またはユニット長さLは、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約1mmから約120mm、約5mmから約100mm、約10mmから約80mm、約20mmから約70mm、約30mmから約60mm、または約40mmから約50mmに及ぶなど、約150mm以下であることがある。LGPの長さLおよび幅Wは、いくつかの実施の形態において、実質的に等しいことがある、またはそれらは異なることがある。同様に、ユニット長さLおよびユニット幅Wは実質的に等しいことがある、またはそれらは異なることがある。
【0019】
もちろん、長方形のLGP100が図1に示されているが、LGPは、選択された用途に所望の配光を生じるために、必要に応じて、どの規則的なまたは不規則な形状を有してもよいことを理解すべきである。LGP100は、図1に示されたような、4つのエッジを含んでも、4つより多いエッジ、例えば、多辺多角形を有してもよい。他の実施の形態において、LGP100は、4つより少ないエッジ、例えば、三角形を有してもよい。非限定例として、LGPは、4つのエッジを有する長方形、正方形、または菱形のシートから作られることがあるが、1つ以上の曲線部分またはエッジを有するものを含む、他の形状および構成が、本開示の範囲内に入ることが意図されている。
【0020】
様々な実施の形態によれば、LGPは、照明およびディスプレイ用途の技術分野に使用されるどの透明材料から作られてもよい。ここに用いられているように、「透明」という用語は、LGPが、スペクトルの可視領域(約420~750nm)において500mmの長さに亘り約80%超の光透過率を有することを示す意図がある。例えば、例示の透明材料は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約90%超、約95%超、または約99%超の透過率など、500mmの長さに亘り可視光範囲で約85%超の透過率を有することがある。特定の実施の形態において、例示の透明材料は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約55%超、約60%超、約65%超、約70%超、約75%超、約80%超、約85%超、約90%超、約95%超、または約99%超の透過率など、500mmの長さに亘り紫外線(UV)領域(約100~400nm)で約50%超の光透過率を有することがある。様々な実施の形態によれば、LGPは、約450nmから約650nmに及ぶ波長に亘り75mmの経路長で少なくとも98%の光透過率を有し得る。
【0021】
LGPの光学的性質は、透明材料の屈折率の影響を受けることがある。様々な実施の形態によれば、LGPは、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約1.35から約1.7、約1.4から約1.65、約1.45から約1.6、または約1.5から約1.55など、約1.3から約1.8に及ぶ屈折率を有することがある。他の実施の形態において、LGPは、比較的低レベルの光減衰(例えば、吸収および/または散乱による)を有することがある。LGPの光減衰(α)は、例えば、約420~750nmに及ぶ波長について約5dB/m未満であることがある。例えば、αは、全ての範囲およびその間の部分的範囲、例えば、約0.2dB/mから約5dB/mを含む、約4dB/m未満、約3dB/m未満、約2dB/m未満、約1dB/m未満、約0.5dB/m未満、約0.2dB/m未満である、またはさらにそれより小さいことがある。
【0022】
LGP100は、プラスチック、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレートスチレン(MS)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、または他の類似の材料など、高分子材料から作られることがある。LGP100は、アルミノケイ酸塩、アルカリアルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、アルカリホウケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、アルカリアルミノホウケイ酸塩、ソーダ石灰、または他の適切なガラスなど、ガラス材料から作られることもある。ガラス製ライトガイドとして使用するのに適した市販のガラスの非限定例としては、例えば、Corning IncorporatedからのEAGLE XG(登録商標)、Lotus(商標)、Willow(登録商標)、Iris(商標)、およびGorilla(登録商標)ガラスが挙げられる。
【0023】
いくつかの非限定的なガラス組成物は、約50モル%から約90モル%のSiO、0モル%から約20モル%のAl、0モル%から約20モル%のB、および0モル%から約25モル%のROを含み得、ここで、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、かつxは2であり、またはRは、Zn、Mg、Ca、SrまたはBaであり、かつxは1である。いくつかの実施の形態において、RO-Al>0;0<RO-Al<15;x=2、かつRO-Al<15;RO-Al<2;x=2、かつRO-Al-MgO>-15;0<(RO-Al)<25、-11<(RO-Al)<11、かつ-15<(RO-Al-MgO)<11;および/または-1<(RO-Al)<2、かつ-6<(RO-Al-MgO)<1。いくつかの実施の形態において、そのガラスは、各々1ppm未満のCo、Ni、およびCrを含む。いくつかの実施の形態において、Feの濃度は、約50ppm未満、約20ppm未満、または約10ppm未満である。他の実施の形態において、Fe+30Cr+35Ni<約60ppm、Fe+30Cr+35Ni<約40ppm、Fe+30Cr+35Ni<約20ppm、またはFe+30Cr+35Ni<約10ppm。他の実施の形態において、そのガラスは、約60モル%から約80モル%のSiO、約0.1モル%から約15モル%のAl、0モル%から約12モル%のB、および約0.1モル%から約15モル%のROを含み得、ここで、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、かつxは2であり、またはRは、Zn、Mg、Ca、SrまたはBaであり、かつxは1である。
【0024】
他の実施の形態において、前記ガラス組成物は、約65.79モル%から約78.17モル%のSiO、約2.94モル%から約12.12モル%のAl、約0モル%から約11.16モル%のB、約0モル%から約2.06モル%のLiO、約3.52モル%から約13.25モル%のNaO、約0モル%から約4.83モル%のKO、約0モル%から約3.01モル%のZnO、約0モル%から約8.72モル%のMgO、約0モル%から約4.24モル%のCaO、約0モル%から約6.17モル%のSrO、約0モル%から約4.3モル%のBaO、および約0.07モル%から約0.11モル%のSnOを含み得る。
【0025】
追加の実施の形態において、前記ガラスは、0.95と3.23の間のRO/Al比を有することがあり、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、xは2である。さらなる実施の形態において、そのガラスは、1.18と5.68の間のRO/Al比を有することがあり、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、かつxは2である、またはRは、Zn、Mg、Ca、SrまたはBaであり、かつxは1である。またさらなる実施の形態において、そのガラスは、-4.25と4.0の間のRO-Al-MgOを有することがあり、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、xは2である。またさらなる実施の形態において、そのガラスは、約66モル%から約78モル%のSiO、約4モル%から約11モル%のAl、約4モル%から約11モル%のB、約0モル%から約2モル%のLiO、約4モル%から約12モル%のNaO、約0モル%から約2モル%のKO、約0モル%から約2モル%のZnO、約0モル%から約5モル%のMgO、約0モル%から約2モル%のCaO、約0モル%から約5モル%のSrO、約0モル%から約2モル%のBaO、および約0モル%から約2モル%のSnOを含むことがある。
【0026】
追加の実施の形態において、前記ガラスは、約72モル%から約80モル%のSiO、約3モル%から約7モル%のAl、約0モル%から約2モル%のB、約0モル%から約2モル%のLiO、約6モル%から約15モル%のNaO、約0モル%から約2モル%のKO、約0モル%から約2モル%のZnO、約2モル%から約10モル%のMgO、約0モル%から約2モル%のCaO、約0モル%から約2モル%のSrO、約0モル%から約2モル%のBaO、および約0モル%から約2モル%のSnOを含み得る。特定の実施の形態において、そのガラスは、約60モル%から約80モル%のSiO、約0モル%から約15モル%のAl、約0モル%から約15モル%のB、および約2モル%から約50モル%のROを含み得、ここで、Rは、Li、Na、K、Rb、Csのいずれか1つ以上であり、かつxは2であり、またはRは、Zn、Mg、Ca、SrまたはBaであり、かつxは1であり、Fe+30Cr+35Ni<約60ppmである。
【0027】
いくつかの実施の形態において、LGP100は、約0.005から約0.015(例えば、約0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.010、0.011、0.012、0.013、0.014、または0.015)に及ぶなど、0.015未満の色ずれΔyを有し得る。他の実施の形態において、LGPは、0.008未満の色ずれを有し得る。色ずれは、色測定のCIE 1931標準を使用して、長さLに沿ったxおよびy色度座標の変動を測定することによって、特徴付けられることがある。LGPについて、色ずれΔyは、Δy=y(L)-y(L)として報告することができ、式中、LおよびLは、光源から離れるパネルまたは基板方向に沿ったZ位置であり、L-L=0.5メートルである。例示のLGPは、Δy<0.01、Δy<0.005、Δy<0.003、またはΔy<0.001を有する。特定の実施の形態によれば、LGPは、約420~750nmに及ぶ波長について、約3dB/m未満、約2dB/m未満、約1dB/m未満、約0.5dB/m未満、約0.2dB/m未満である、またはさらにそれより小さいなど、約4dB/m未満、例えば、約0.2dB/mから約4dB/mに及ぶ光減衰α(例えば、吸収損失および/または散乱損失による)を有し得る。
【0028】
LGP100は、いくつかの実施の形態において、化学強化された、例えば、イオン交換されたガラスから作られることがある。イオン交換過程中、ガラスシートの表面またはその近くでのガラスシート内のイオンが、例えば、塩浴からの、それより大きい金属イオンと交換されることがある。ガラス中により大きいイオンが含まれると、表面近くの領域に圧縮応力が生じることによって、シートを強化することができる。その圧縮応力と釣り合うように、ガラスシートの中央領域内に対応する引張応力が誘発され得る。
【0029】
イオン交換は、例えば、所定の期間に亘りそのガラスを溶融塩浴中に浸漬することによって、行われることがある。例示の塩浴としては、以下に限られないが、KNO、LiNO、NaNO、RbNO、およびその組合せが挙げられる。溶融塩浴の温度および処理期間は様々であり得る。所望の用途にしたがって、時間および温度を決定することは、当業者の能力の範囲内にある。非限定例として、溶融塩浴の温度は、約400℃から約500℃など、約400℃から約800℃に及ぶことがあり、所定の期間は、約4時間から約10時間など、約4時間から約24時間に及ぶことがあるが、他の温度と時間の組合せも想定される。非限定例として、そのガラスは、表面圧縮応力を与える、Kが豊富な層を得るために、例えば、約450℃で約6時間に亘り、ガラスをKNO浴中に浸漬することができる。
【0030】
例示のパターン反射層120の上面図を示す図2を参照すると、その反射層は、光学的性質が異なる少なくとも2つの領域を有することがある。例えば、そのパターン反射層は、光反射成分120A(白いドットで表される)を含み得、これは、光透過成分120B(黒いドットで表される)のものより高い光反射率を有することがある、および/または透過成分120Bは、反射成分120Aのものより大きい光透過率を有することがある。重ねて、説明目的のために、2つの例示の光源110が、図2においてパターン反射層120を通して目に見えているが、いくつかの実施の形態において、そうでなくてもよい。
【0031】
特定の実施の形態において、第1の領域125Aは、図2に示されるように、少なくとも1つの光源110に対応する区域において、反射成分120Aがより密集していることがある。第2の領域125Bは、同様に、図2に示されるように、光源110の間の区域において、透過成分120Bがより密集していることがある。組立ての際に、高反射率および/または低透過率の第1の領域125Aは、一連の光源における各個々の光源110の上により高密度で分布させることができ、低反射率および/または高透過率の第2の領域125Bは、光源に隣接するまたはその間の区域内により高密度で分布されることがある。
【0032】
パターン反射層120は、LGP100からの光出力を少なくともある程度変更できるどのような材料から作られてもよい。いくつかの実施の形態において、パターン反射層120は、パターン金属フイルム、多層誘電体フイルム、またはその任意の組合せを含むことがある。特定の例において、パターン反射層120の反射および透過成分120A、120Bおよび/または第1と第2の領域125A、125Bは、異なる拡散反射率または正反射率を有することがある。他の実施の形態において、パターン反射層120は、LGP100を透過した光の量を調節することがある。例えば、パターン反射層120の反射および透過成分120A、120Bおよび/または第1と第2の領域125A、125Bは、異なる透過率を有することがある。
【0033】
様々な実施の形態によれば、第1の領域125Aの第1の反射率は約50%以上であることがあり、第2の領域125Bの第2の反射率は約20%以下であることがある。例えば、その第1の反射率は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約50%から100%に及ぶなど、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約92%であることがある。その第2の反射率は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、0%から約20%に及ぶなど、約20%以下、約15%以下、約10%以下、または約5%以下であることがある。いくつかの実施の形態において、第1の反射率は、第2の反射率より、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約2.5から約20倍大きいなど、少なくとも約2.5倍大きい、例えば、約3倍大きい、約4倍大きい、約5倍大きい、約10倍大きい、約15倍大きい、または約20倍大きいことがある。パターン反射層120の反射率は、例えば、Perkin Elmerから市販されているUV/Vis分光計によって、測定されることがある。
【0034】
追加の非限定的な実施の形態において、第1の領域125Aの第1の透過率は約50%以下であることがあり、第2の領域125Bの第2の透過率は約80%以上であることがある。例えば、その第1の透過率は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、0%から約50%に及ぶなど、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、または約10%以下であることがある。その第2の透過率は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約80%から100%など、80%以上、約85%以上、約90%以上、または約95%以上であることがある。いくつかの実施の形態において、第2の透過率は、第1の透過率より、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約1.5から約20倍大きいなど、少なくとも約1.5倍大きい、例えば、約2倍大きい、約3倍大きい、約4倍大きい、約5倍大きい、約10倍大きい、約15倍大きい、または約20倍大きいことがある。パターン反射層120の透過率は、例えば、Perkin Elmerから市販されているUV/Vis分光計によって、測定されることがある。
【0035】
反射および/または透過成分120A、120Bは、任意の所定のパターンまたはデザインを生じるために、反射層120内で位置付けられることがあり、そのパターンまたはデザインは、例えば、無作為または配列された、反復または非反復、均一または不均一であることがある。それゆえ、図2は、反射および透過成分120A、120Bの例示の反復パターンを示しているが、規則的および不規則の両方の他のパターンが使用されてもよく、本開示の範囲に入ることが意図されることを理解すべきである。いくつかの実施の形態において、これらの成分は、勾配、例えば、第1の領域125Aから第2の領域125Bに、光源から光源の間の区域に、または各ユニットブロックの中心から各ユニットブロックのエッジおよび/または角に、減少する反射率の勾配を形成することがある。追加の実施の形態において、その反射および透過成分は、第1の領域125Aから第2の領域125Bに、光源から光源の間の区域に、または各ユニットブロックの中心から各ユニットブロックのエッジおよび/または角になど、増加する透過率の勾配を形成することができる。
【0036】
例示のBLUの断面図を示す図3を参照すると、LGP100は、発光する第1の主面100Aおよびその反対の第2の主面100Bを有することがある。それらの主面は、特定の実施の形態において、平面または実質的に平面である、および/または平行または実質的に平行であることがある。特定の実施の形態において、LGP100は、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約3mm以下の、例えば、約0.1mmから約2.5mm、約0.3mmから約2mm、約0.5mmから約1.5mm、または約0.7mmから約1mmに及ぶ、第1と第2の主面の間に延在する厚さtを有することがある。
【0037】
パターン反射層120は、LGP100の第1の主面100Aに近接して位置付けられることがある。ここに用いられているように、「近接して位置付けられる」という用語およびその変種は、構成要素または層が、特定の表面または列挙された構成要素の近くに位置しているが、必ずしも、その表面または構成要素と直接物理的に接触している必要はないことを意味する意図がある。例えば、図3に示された非限定的な実施の形態において、パターン反射層120は、第1の主面100Aと直接物理的に接触していない、例えば、これらの2つの構成要素の間に空隙が存在する。しかしながら、いくつかの実施の形態において、パターン反射層120は、LGP100の第1の主面100A上に配置されるなど、LGP100と一体化されていることがある。ここに用いられているように、「上に配置された」という用語およびその変種は、ある構成要素または層が、特定の表面または列挙された構成要素と直接物理的に接触していることを意味する意図がある。他の実施の形態において、これらの2つの構成要素の間に、接着剤層など、1つ以上の層またはフイルムが存在することがある。それゆえ、構成要素Bの表面に近接して位置付けられた構成要素Aは、構成要素Bと直接物理的に接触していても、していなくてもよい。
【0038】
図3は1つのパターン反射層120を示しているが、反射層120は、多数の片、フイルム、または層を含むことがあることを理解すべきである。例えば、パターン反射層120は、誘電体コーティングなどの、多層複合フイルムまたはコーティングであり得る。他の実施の形態において、第1の領域125Aに対応する反射層の部分がLGP100に最初に施され、その後、第2の領域125Bに対応する反射層の部分がLGPに施されてもよく、またはその逆も同様である。あるいは、LGP100の1つ以上の部分の上に第1の光学的性質を有する第1のフイルムまたは層が位置付けられ、その第1のフイルムにより覆われた部分を含む、LGP100の実質的に全てを覆うように、第2の光学的性質を有する第2のフイルムまたは層が重ね合わされることがある。そのような実施の形態において、多層反射層の第1の領域125Aは、第1と第2のフイルムの合わせた光学的性質を有し得る一方で、第2の領域125Bは、第2のフイルムのみの光学的性質を有し得、またはその逆も同様である。それゆえ、パターン反射層120は、所望の光学的効果を達成するために必要に応じて、単一フイルムまたは複合フイルム、単層または多層を含むことがある。
【0039】
パターン反射層の構成にかかわらず、ここに開示された実施の形態は、第2の領域125B(例えば、より低い反射率および/またはより高い透過率)と比べて第1の領域125Aにおいて異なる光学的性質(例えば、より高い反射率および/またはより低い透過率)を少なくとも1つ有するパターン反射層を含み得ることを理解すべきである。反射および透過成分120A、120Bの面密度は、光源110の真上に位置付けられた第1の領域125Aに反射成分120Aがより高密度で存在し、光源110の間に位置付けられた第2の領域125Bに透過成分120Bがより低密度で存在するように反射層120に亘り変動し得る。さらに、ここに開示されたBLUの実施の形態は、実質的に均一な光を生じることがある、例えば、それらの光源に対応する領域から発せられた光が、それらの光源の間の領域から発せられた光のものと実質的に等しい輝度を有することがある。
【0040】
図3に示されるように、少なくとも1つの光源110は、LGP100の第2の主面100Bに光学的に結合され得る。非限定的な例示の光源としては、発光ダイオード(LED)、例えば、青色発光LED、UV、または近UV光、例えば、約100nmから約500nmに及ぶ波長を有する光が挙げられる。ここに用いられているように、「光学的に結合された」という用語は、全内部反射のために少なくとも部分的に伝搬する光をLGPに導入するように、光源がLGPの表面に位置付けられていることを意味する意図がある。光源110は、図3に示されるように、LGP100と直接物理的に接触していることがある。しかしながら、光源は、LGPと直接物理的に接触されていなくとも、LGPに光学的に結合されていることもある。例えば、光学的接着剤層150を使用して、図4に示されるように、LGP100の第2の主面100Bに光源110を接着してもよい。特定の実施の形態において、その光学的接着剤層は、LGP100に屈折率が一致させられることがある、例えば、5%以内、3%以内、2%以内、1%以内など、LGPの屈折率の10%以内の屈折率を有する、またはLGPと同じ屈折率を有することがある。
【0041】
再び図3を参照すると、BLUは、LGP100の第2の主面100Bに近接して位置付けられた後部反射器130をさらに含み得る。それゆえ、2つの反射器の間で伝わる光の光学距離ODは、パターン反射層120と後部反射器130との間の距離として定義されることがある。例示の後部反射器130の例としては、銀、白金、金、銅などの金属箔が挙げられる。図4にさらに示されるように、バックライトユニットは、1つ以上の補助的光学フイルムおよび/または構造成分など、1つ以上の追加のフイルムまたは成分を含むことがある。例示の補助的光学フイルム170としては、以下に限られないが、いくつか例を挙げると、拡散フイルム、プリズムフイルム、例えば、輝度上昇フイルム(BEF)、または反射偏光フイルム、例えば、反射型偏光性フイルム(DBEF)が挙げられる。いくつかの実施の形態において、光源110および/または後部反射器130は、プリント基板140上に配置されることがある。拡散フイルム160、色変換層170(例えば、量子ドットおよび/または蛍光体を含む)、プリズムフイルム180、および/または反射偏光フイルム190などの補助的光学成分が、パターン反射層120と表示パネル200との間に位置付けられることがある。図4には示されていないが、ここに開示されたBLUは、いくつか例示の構成要素を挙げると、薄膜トランジスタ(TFT)アレイ、液晶(LC)層、およびカラーフィルタなど、表示装置および照明装置内に典型的に存在する他の構成要素を含んでも、またはそれらと組み合わされてもよい。
【0042】
図3に戻ると、光源110から発せられた光線が、破線、点線、および実線の矢印で示されている。説明目的のためだけに、透過成分120Bは、導光板に沿ったそれらの密度を表す様々な寸法の点として、例えば、光源110の上は低い密度で、光源110から離れると増加する密度での点として示されている。反射および/または透過成分120A、120Bの密度は、構成要素の数および/またはサイズを増加させることによって増減させることができる。さらに、反射および/または透過成分120A、120Bは、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形を含むどの形状または形状の組合せ、もしくは直線および/または曲線エッジを有する形状を含むどの他の規則的なまたは不規則な多角形を有してもよい。
【0043】
LGP100に投入される第1の光線(破線の矢印)は、LGP100内で側方に伝搬せずに、LGPを直接通って伝わることができ、反射してLGPを通って戻らずに、パターン反射層120の第2の領域120Bも通過し、第1の透過光線Tが生じることがある。LGP100に投入される第2の光線(点線の矢印)は、LGP100内で側方に伝搬せずに、LGPを直接通って伝わることができるが、パターン反射層120内の反射成分120Aに突き当たり、LGP100を通って後部反射器130に戻るように伝わることがある。このように、第2の光線は、パターン反射層120と後部反射器130との間で反射する間に、光学距離ODを一度以上横断するであろう。最終的に、第2の光線は、パターン反射層120の透過成分120Bを通過し、第2の透過光線Tが生じる。
【0044】
第3の光線(実線の矢印)は、LGP100に投入することができ、光抽出特徴に突き当たるまたは臨界角未満の入射角でLGPの表面に他の様式で突き当たり、LGPを通って伝送されるまで、全内部反射(TIR)のためにLGP内を伝搬することがある。それゆえ、第3の光線が伝わる光学距離は、LGP100の厚さtまで減少させることができる。この第3の光線は、LGP100による吸収のためにTIR中にある程度の光学的損失を経るであろうが、そのような光学的損失は、光学距離ODを伝わる第2の光線のものと比べて比較的小さいであろう。何故ならば、それらの光線は、より短い垂直および/または水平距離を伝わるからである。特に、光線は、LGP100から出て抽出される前に、複数の光源間の距離(ピッチ)の約半分だけしか伝わらない傾向にある。特定の実施の形態において、その光源のピッチは、図1に関して述べられているように、約150mm以下、またさらには約80mm未満でさえあり得る、ユニット幅W(図示されている)またはユニット長さ(図示せず)に対応し得る。最終的に、第3の光線は、そのパターン反射層の透過成分120Bを透過し、第3の透過光線Tがもたらされる。
【0045】
全内部反射(TIR)は、第1の屈折率を有する第1の材料(例えば、ガラス、プラスチックなど)を伝搬する光が、その第1の屈折率より低い第2の屈折率を有する第2の材料(例えば、空気など)との界面で全反射し得る現象である。TIRは、屈折率が異なる2つの材料間の界面での光の反射を説明する、スネルの法則:
【0046】
【数1】
【0047】
を使用して説明できる。スネルの法則にしたがって、nは、第1の材料の屈折率であり、nは、第2の材料の屈折率であり、θは、界面の法線に対する界面で入射した光の角度(入射角)であり、θは、法線に対する屈折した光の屈折角である。屈折角(θ)が90°である場合、例えば、sin(θ)=1である場合、スネルの法則は:
【0048】
【数2】
【0049】
と表すことができる。これらの条件下での入射角θは、臨界角θと称されることもある。臨界角より入射角が大きい(θ>θ)光は、第1の材料内で全内部反射されるのに対し、臨界角と等しいか小さい入射角(θ≦θ)を有する光は、第1の材料を透過する。
【0050】
空気(n=1)とガラス(n=1.5)との間の例示の界面の場合、臨界角(θ)は、41°と計算できる。それゆえ、ガラス中を伝搬する光が、41°より大きい入射角で空気とガラスの界面に突き当たった場合、入射光の全ては、その入射角と等しい角度でその界面から反射する。反射光が、第1の界面と同一の屈折率関係を有する第2の界面に遭遇した場合、第2の界面に入射した光は、入射角と等しい反射角で再び反射される。
【0051】
様々な実施の形態によれば、LGP100の第1および/または第2の主面100A、100Bは、複数の光抽出特徴によりパターン化されることがある。ここに用いられているように、「パターン化され」という用語は、複数の光抽出特徴が、例えば、無作為または配列された、反復または非反復、均一または不均一であることがある、任意の所定のパターンまたはデザインでLGPの表面上または下に存在することを意味する意図がある。他の実施の形態において、光抽出特徴は、表面に隣接した、例えば、表面の下にある、LGPの母材内に位置していることがある。例えば、光抽出特徴は、表面に亘り、例えば、粗面または隆起面を構成するテクスチャ表面特徴として、分布していることがある、もしくはLGPまたはその部分の内部とその全体に亘り、例えば、レーザ損傷部位または特徴構造として、分布していることがある。そのような光抽出特徴を作るための適切な方法としては、インクジェット印刷、スクリーン印刷、マイクロ印刷などの印刷、微細構造化、機械的粗面化、エッチング、射出成形、被覆、レーザ損傷、または任意のその組合せが挙げられる。そのような方法の非限定例としては、例えば、表面の酸エッチング、TiOによる表面被覆、および表面上または基板の母材内にレーザの焦点を合わせることによる基板のレーザ損傷が挙げられる。
【0052】
LGPは、当該技術分野に公知のどの方法、例えば、各々がここに全て引用される、同時係属および同一出願人の国際出願第PCT/US2103/063622号および同第PCT/US2014/070771号に開示された方法にしたがって、光抽出特徴を作るために処理されることがある。例えば、LGPの表面は、所望の厚さおよび/または表面品質を達成するために、研削および/または研磨されることがある。次に、その表面は、必要に応じて、洗浄されることがある、および/またはエッチングすべき表面に、その表面をオゾンに暴露するなど、汚染物質を除去する過程が施されることがある。エッチングすべき表面は、非限定的な実施の形態として、酸浴、例えば、約1:1から約9:1に及ぶ比の氷酢酸(GAA)およびフッ化アンモニウム(NHF)の混合物に暴露されることがある。エッチング時間は、例えば、約30秒から約15分に及ぶことがあり、エッチングは、室温または高温で行われることがある。酸の濃度/比、温度、および/または時間などの工程パラメータは、結果として得られる抽出特徴のサイズ、形状、および分布に影響することがある。所望の表面抽出特徴を達成するために、これらのパラメータを変えることは、当業者の能力の範囲内である。
【0053】
光抽出特徴パターンは、LGP100の長さおよび幅に沿った光抽出の均一性を改善するために選択されることがあるが、個々の光源に対応するLGPの領域が、より高い強度を有する光を放出することがある、例えば、LGPの全体の光出力が均一でないことがあることも可能である。それゆえ、パターン反射層120は、光出力をさらに均質化するために、様々な光学的性質を持つ領域で実施されることがある。例えば、パターン反射層120は、光源に対応する第1の領域125Aにおける増加した反射率および/または減少した透過率、並びに光源の間の第2の領域125Bにおける増加した透過率および/または減少した反射率を与えることがある。そのような構成により、BLUまたは照明または表示装置により生じる光の均一性に悪影響を与えずに、光源に対する拡散フイルムまたは他の光学フイルムをより密接に配置でき、それゆえ、BLU全体および結果として得られる照明装置または表示装置をより薄くできるであろう。
【0054】
従来の直下型組立体において、後部反射器とパターン反射層との間の光学距離が小さくなるほど、光反射の回数が増し、これにより、光学的損失が増す。しかしながら、ここに開示されたBLUにおいて、光源に光学的に結合されたLGPが組み込まれることにより、光を側方拡散するための反射器のみに依存する装置と比べて、減少した光学的損失で、LGPの長さに沿った光の側方拡散を可能にできる。
【0055】
光が反射器だけによって側方拡散される基本組立体、例えば、LGPを含まない図3の組立体において、入射角(θ)を有する光は、2つの反射層の間で一回以上の反射を経ることによって、垂直距離(d)に亘り横方向距離(X)を伝わることがある。反射の回数(N)は、N=X/d*tan(θ)で表すことができる。両方の反射器が98%の反射率を有するものとすると、N回の反射後に、光は98%の余力を有する。入射角(θ)と比X/dの異なる組合せに関して、下記の表1は反射の回数を示しており、表2は、光出力の残余率を示している。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
反射器の間の多数の反射による光損失は、比X/dが増加するにつれて、著しく重大になる。先に述べたように、光源間のピッチは、150mmほど大きくあり得る。垂直距離が減少するにつれて、比X/dは急激に増加し得、多くの場合、50を超える。X/d=50のときに、入射角θ=10°の光の余力は1%未満である。
【0059】
図5Aを参照すると、光線は、放射角θLEDで光源110から発せられ、LGP100に入る。その光線は、入射角θLGPでLGPの発光面に入射し、この入射角は、臨界角θを超えず、したがって、LGP100内でTIRをもたらさない。その光の一部は、nがLGPの屈折率であり、tがLGP100の厚さである、X=t*tan(sin-1(θ)/n))と表される横方向距離Xだけ伝わり、第1の透過Tとして透過される。その光のより小さい部分は、X=3Xと表される第2の横方向距離Xだけ伝わり、第2の透過Tとして透過される。下記の表3は、LGPの屈折率(n)が1.5であると仮定して、異なる放射角θLED=20°、41°、および60°に関する、第1の反射R、第2の反射R、第1の透過T、および第2の透過Tの光束のパーセントを列挙している。より高次の反射Rおよび透過T図5B参照)は、全光束が1%未満であるので、取るに足らない。光のほとんどは、放射角とは関係なく、横方向距離Xだけしか伝われず、Tとして透過され、光の1%未満しかTとして透過されない。Tとして透過された光でさえ、図示された構成においては、X=3Xの最大横方向距離しか伝われない。
【0060】
【表3】
【0061】
図5Bを参照すると、光線は、放射角θLEDが入射角θLGPと実質的に等しいように、LGP100に光学的に結合された光源110から発せられる。例えば、屈折率が一致した光学的接着剤を使用した、光学的結合により、光の少なくとも一部が、TIRのためにLGPの長さに沿って横方向に伝わることができる。光の一部は、tがLGP100の厚さである、X=t*tan(θ)と表される横方向距離Xだけ伝わり、第1の透過Tとして透過される。光の一部は、間の反射のために、X=3Xと表される第2の横方向距離Xだけ伝わり、第2の透過Tとして透過される。入射角が一旦、臨界角を超えると、例えば、図示された構成において約42°より大きくなると、光線はTIRを経ることができ、これにより、光は、抽出されてなくなる前に、LGP内で著しく大きい横方向距離を伝わることができる。このように、光の一部は、TIRのために距離Xだけ伝わることができ、第3の透過Tとして透過される。
【0062】
下記の表4は、LGPの屈折率(n)が1.5であると仮定して、異なる放射角θLED=20°および41°に関する、第1の反射R、第2の反射R、第1の透過T、および第2の透過T、第3の反射R、および第3の透過Tの光束のパーセントを列挙している。表3および4の両方において、放射角θLED=20°について、光のほとんどはTとして透過される。しかしながら、表3(光学的結合がない)において、X=0.23t、および表4(光学的結合がある)において、X=0.36t、同じ放射角(20°)の光は、光源に光学的に結合されたLGP内でより長い横方向距離だけ伝わることを示す。放射角θLED=41°について、光は、表4のより大きいTおよびTの値により示唆されるように、非結合LGP(表3)と比べて、光学的に結合されたLGP(表4)においてずっと長い横方向距離を伝わる。
【0063】
【表4】
【0064】
図6A~Dを参照すると、後部反射器、パターン化反射器、少なくとも1つのLED、およびそれらの反射器の間に位置付けられたLGPを備えたバックライト組立体を比較することによって、光の側方拡散に対するTIRの影響をさらに実証することができる。4つのケースを研究した:
(a)底部反射器は、98%のランバート反射率および2%の吸収率を有する;
(b)LEDは、60%のランバート反射率および40%の吸収率を有する;
(c)LGPは、1.5の屈折率および0.1mmから5mmまで様々な厚さを有するガラスから作られており、LEDに光学的に結合されている;
(d)パターン化反射器は、4つの異なる性質の内の1つを有する:
(i)ケースI:98%の正反射率および2%の吸収率(図6A);
(ii)ケースII:92%の正反射率および8%の吸収率(図6B);
(iii)ケースIII:98%のランバート反射率および2%の吸収率(図6C);または
(iv)ケースIV:92%のランバート反射率および8%の吸収率(図6D)。
【0065】
LGPを備えた上記組立体を、LGPを備えず、その代わりに、LGPの厚さに対応する距離を持つ空隙を備えた同一の組立体と比較した。
【0066】
LGP/空隙の厚さの関数として光抽出効率をプロットした、図6A~Dを参照すると、4つのケースの全てにおいて、空隙を備えた組立体の光抽出効率は、厚さtが減少するにつれて、減少する。それと比べると、LGPを備えた組立体の光抽出効率は、厚さtが5mmから約0.7mmまで減少するにつれて、増加する。全てのケースにおいて、LGPを備えた組立体の光抽出効率は、約2mm以下の厚さについて、空隙を備えた組立体のものより著しく高い。より薄い表示装置の消費者需要が増すにつれて、BLUの全厚を減少させる改良が、同様に望ましい。パターン反射層と後部反射器との間に光学的に結合されたLGPを位置付けることによって、反射器間の距離が減少するにつれて、そうしなければ生じるであろう光学的損失を軽減することができ、BLUの全厚を効果的に減少させることができる。
【0067】
図7に示される構成などの追加の実施の形態において、LGP100の第1の主面100A上に1つ以上の微細構造105を備えることが望ましいことがある。これらの微細構造105は、いくつかの実施の形態において、光源からの光の側方拡散をさらに促進するために、および/または光源、例えば、LEDによる吸収のための光学的損失を減少させるために、軸外角度に向けて垂直入射光を向け直すように働くことができる。その光抽出効率は、LGP上に微細構造を含まない構成と比べて、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約1%から約4%、または約2%から約3%に及ぶなど、5%ほど大きいことがある。
【0068】
特定の実施の形態において、微細構造105は、ピラミッド形を有することがあり、これは、個々の隆起特徴(図示されたような)または線形溝であり得る。隆起した微細構造は、例えば、ガラスおよびプラスチックなど、LGPと同じかまたは異なる材料から構築することができる。この隆起した微細構造は、例えば、第1の主面100A上に微細構造を成形またはマイクロ印刷することによって、製造することができる。さらなる実施の形態において、その微細構造は、第1の主面100A上に刻印するまたはエッチングすることができる。さらなる実施の形態によれば、その微細構造が第1の主面100Aと成す底角Θは、全ての範囲およびその間の部分的範囲を含む、約25°から約35°、または約30°など、約20°から約40°に及び得る。
【0069】
図8A~8Bは、本開示のいくつかの実施の形態による多層可変反射器のいくつかの実施の形態を示している。図8Aを参照すると、約1mm×1mmのLEDサイズおよび約1mmのLGP厚を有する1つの非限定的な実施の形態が示されている。この非限定的な実施の形態におけるLEDのピッチ(中心間距離)は100mmであり、個々の2Dディミング区域または1つのLEDが照明する面積のサイズは、100mm×100mmである。図8Aに示されるように、表面法線に対して約42度以上の角度(LGPの屈折率が1.5の場合)を有する、漏出円錐(escape cone)の外部にある、LEDが放出した光線は、全内部反射され、それによって、LGPに捕捉される。その円錐内の光線は、上部反射器がなければ、漏出するであろう。この非限定的な実施の形態における漏出円錐のLGP上面との交差は、約3mm×3mm、またはディミング区域のサイズの約1000分の一である。同時に、ランバート角度光分布を有するエミッタについて、全放射光束の約45%が漏出円錐内にある。したがって、図8Aに示された反射器が、その漏出円錐を正確にカバーしていれば、LGPの上方に均一な照明を達成するために、それに突き当たる光の約0.1%と約0.2%の間しか透過させる必要がないであろう(反射率の正確な値およびバックライト効率を決定する他の設計パラメータによる)。それゆえ、3mm×3mm平方について、1つのパターン特徴または「孔」が反射器に作られた場合、その特徴は、サイズが、約95μm×約95μmと約134μm×134μmの間であろう。たった1つの特徴を有することで、特徴の上のより明るい区域(ホットスポット)およびその特徴の周りのよりぼやける区域(コールドスポット)が必然的に生じる。実際には、いくつかの実施の形態において、3mm×3mmの区域の上の輝度均一性を改善するために、対応してより小さいサイズの複数のパターン特徴を作る必要があるであろう。そのような小さい特徴を製造するには、典型的に、フォトリソグラフィープロセスのある形態が必要とされるであろう。高反射塗料またはインクを使用して、可変反射器を作る場合、高反射率に到達する前に、100μm以上の厚さを蓄積する必要もあるであろう。
【0070】
図8Bを参照すると、2つ以上の層を備えた反射器を有する、別の非限定的な実施の形態が示されている。いくつかの実施の形態において、例示の反射塗料は、入射光の約95%を透過させることがあり、反射器の第1の層がその光の5%しか外に出さない場合、ひいては、第2の層は、入射光の2%と4%の間を透過させるべきである。第2の層が完全に不透明である実施の形態において、これは、約0.42mm×0.42mmと約0.6mm×0.6mmの間の第2の層のパターン特徴サイズに対応するであろう。そのような特徴サイズは、図8Aに示された実施の形態よりも、製造が容易であり、より均一な輝度を達成するのがより容易であり得る。
【0071】
このように、図8Aおよび8Bは、層厚に対する特徴サイズの比を、利用しやすい印刷の範囲内に維持するために、一方が、パターン特徴(例えば、「孔」または「内陸部(inland)」)のサイズであり、他方は反射層の各々についての透過率/反射率である、2つの特徴を、例示の実施の形態において変えられることを示している。利用できる反射インクまたは塗料の種類に応じて、インクジェット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷など、どの適切なデジタル印刷技術を使用することができる。いくつかの実施の形態において、薄型バックライト設計における反射材料として白色塗料またはインクを使用する利点は、その塗料は、典型的に、鏡面反射率よりはむしろ拡散反射率を有し、このことは、あまりに多くの反射光線がLED源に戻るのを避けるのに役立ち、バックライト効率をさらに増加させることである。
【0072】
例示の可変反射器は、ここに開示された薄型バックライト設計に使用される場合、LGPの上面、並びにLGPの上にある任意の他の適切な表面、例えば、光学拡散板、拡散シート、または輝度上昇フイルム(BEF)の底面に印刷することができる。例示の可変反射器をLGP上に印刷する場合、対応するディスプレイに与えられる追加の利点は、白色塗料は、効率的な光抽出器として当該技術分野において広く知られているので、可変反射器の第1の層と同じ経路に光抽出特徴を印刷できることである。
【0073】
いくつかの実施の形態において、例示の可変反射器が、BEF、拡散器、またはLGP以外のバックライトの他の構成要素の底面に印刷される場合、ひいては、LGPの存在は、必要ないことがあるが、それでも、製造の容易さおよびより高い輝度均一性の利点を与えることができる。
【0074】
いくつかの実施の形態を説明するために、異なる厚さdのガラス上に、Mimaki UJF7151 plusプリンタで市販の白色インクLH-100を印刷することによって、多数の試料を調製した。1つの試料は、d=0を有した、すなわち、白色インクはなかった;第2の試料は、d=d0=0.025μmを有した;他の試料は、0と6×d0の間のインク厚を有した。Imaging Sphere for Scatter and Appearance(IS-SA)検出器(Radiant Imaging,Inc.から入手できる)および550nmの波長での垂直入射の光源(透過強度について、ゼロ度のccBTDF(0)が良好な測定基準であると判定された)により、各試料について、コサイン補正双方向透過分布関数(ccBTDF)を測定した。コサイン補正双方向反射分布関数(ccBRDF)も、同じ装置で測定した。垂直入射では、反射ビームおよび入射ビームが空間で重複するので、ccBRDF(0)は得られなかった;しかしながら、ccBRDFから全積分散乱(TIS_R)は、反射光を定量化するのに良好な測定基準であると判定された。
【0075】
下記の表5には、550nmの波長に関する相対インク厚d/d0に対する、ゼロ度でのTIS_RおよびccBTDF(0)が与えられている。
【0076】
【表5】
【0077】
表5を参照すると、ccBTDF(0)により定量化された、垂直入射の透過光強度は、白色インクの厚さを制御することによって、3桁を超える大きさだけ変えられることが観察できる。インク厚が2×d0以上厚い場合、透過光強度は、低すぎて正確に測定できないかもしれないことを留意すべきである。反射光の全積分散乱は、約21%から約93%まで変動し得る。それゆえ、これらの実験結果は、反射と透過が異なり、空間的に白色インクの厚さが様々な例示の可変反射器を示す。
【0078】
ここに開示されたBLUは、以下に限られないが、テレビ、コンピュータ、電話、携帯型装置、ビルボード、または他の表示画面を含む、様々な表示装置に使用することができる。ここに開示されたBLUは、照明器具または固体照明装置など、様々な照明装置にも使用できる。
【0079】
いくつかの実施の形態は、発光する第1の主面およびその反対の第2の主面を有する基板、その基板に光学的に結合された少なくとも1つの光源、およびその基板の第1または第2の主面に近接して位置付けられた反射器であって、その反射器が、反射材料の2つ以上の層を有し、それらの層の各々が第1の区域と第2の区域を有し、その第1の区域が第2の区域よりも反射性が高く、その第2の区域が第1の区域よりも透過性が高い、反射器を備えたバックライトユニットを提供する。いくつかの実施の形態において、その基板はガラスから作られている。そのガラスは、酸化物基準のモル%で表して、50~90モル%のSiO、0~20モル%のAl、0~20モル%のB、および0~25モル%のROを含み、ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その基板は、約0.015未満の色ずれΔyを有する。他の実施の形態において、その基板は、約0.1mmから約2mmに及ぶ厚さを有する。いくつかの実施の形態において、その反射材料は白色インクであり、その白色インクからの反射の全積分散乱は、4%と93%の間で変動する。いくつかの実施の形態において、その基板は、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、または反射偏光子である。いくつかの実施の形態において、その少なくとも1つの光源は、光学的接着剤層を通じて導光板の第2の主面に光学的に結合されている。
【0080】
さらなる実施の形態は、発光する第1の主面およびその反対の第2の主面を有する基板、複数の個別の光源、その第2の主面に近接して位置付けられた反射器、およびその第1の主面に近接して位置付けられた多層パターン反射器であって、各層は、第1の区域と第2の区域を有し、その第1の区域が第2の区域よりも反射性が高く、その第2の区域が第1の区域よりも透過性が高い、多層パターン反射器を備えたバックライトユニットを提供する。いくつかの実施の形態において、その個別の光源は、多層パターン反射器の下であって、底部反射器の上に位置しており、それらの光源により放出された光は、その底部反射器およびパターン反射器の反射面での多数の反射のために、底部反射器とパターン反射器との間に横方向に伝わる。いくつかの実施の形態において、その基板はガラスから作られている。そのガラスは、酸化物基準のモル%で表して、50~90モル%のSiO、0~20モル%のAl、0~20モル%のB、および0~25モル%のROを含み、ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その基板は、約0.015未満の色ずれΔyを有する。他の実施の形態において、その基板は、約0.1mmから約2mmに及ぶ厚さを有する。いくつかの実施の形態において、その基板は、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、または反射偏光子である。いくつかの実施の形態において、その個別の光源は、光学的接着剤層を通じて導光板の第2の主面に光学的に結合されている。
【0081】
追加の実施の形態は、発光する第1の主面、その反対の第2の主面、およびその第1または第2の主面上の複数のパターン特徴を有する基板と、複数の個別の光源と、その第2の主面に近接して位置付けられた反射器と、その第1の主面に近接して位置付けられた多層パターン反射器であって、それらの層の各々は、第1の区域と第2の区域を有し、その第1の区域が第2の区域よりも反射性が高く、その第2の区域が第1の区域よりも透過性が高い、多層パターン反射器とを備えたバックライトユニットを提供する。いくつかの実施の形態において、個別の光源は、パターン基板の直接背後に位置しており、個別の光源からの光は、その光の第1の分が、全内部反射のためにパターンガラス製ライトガイド内で横方向に伝わり、光抽出器のパターンにより抽出され、その光の第2の分が、底部反射器およびパターン反射器の反射面での多数の反射のために、底部反射器とパターン反射器との間で横方向に伝わるように、パターンガラス製ライトガイドに光学的に結合されている。いくつかの実施の形態において、その基板はガラスから作られている。そのガラスは、酸化物基準のモル%で表して、50~90モル%のSiO、0~20モル%のAl、0~20モル%のB、および0~25モル%のROを含み、ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含むことがある。いくつかの実施の形態において、その基板は、約0.015未満の色ずれΔyを有する。他の実施の形態において、その基板は、約0.1mmから約2mmに及ぶ厚さを有する。いくつかの実施の形態において、その基板は、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、または反射偏光子である。いくつかの実施の形態において、その別個の光源は、光学的接着剤層を通じて導光板の第2の主面に光学的に結合されている。いくつかの実施の形態において、その基板は、第1と第2の主面の両方の上に光抽出器のパターンを有するパターンガラス製導光板である。
【0082】
様々な開示された実施の形態は、その特定の実施の形態に関して記載された特定の特徴、構成要素または工程を含むことがあることが認識されよう。特定の特徴、構成要素または工程は、1つの特定の実施の形態に関して記載されているが、様々な説明されていない組合せまたは順序で、代わりの実施の形態と交換または組合せされることがあることも認識されよう。
【0083】
ここに用いられているように、名詞は、「少なくとも1つ」の対象を指し、そうではないと明白に示されていない限り、「ただ1つ」に限定されるべきではないことも理解されよう。それゆえ、例えば、「光源」に対する言及は、特に明記のない限り、そのような光源を2つ以上有する例を含む。同様に、「複数」または「一連」は、「2つ以上」を示す意図がある。このように、「複数の光散乱特徴」は、3つ以上のそのような特徴など、2つ以上のそのような特徴を含み、「一連の孔」は、3つ以上のそのような孔など、2つ以上のそのような孔を含む。
【0084】
範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして、ここに表現することができる。そのような範囲が表現された場合、例は、その1つの特定の値から、および/または他方の特定の値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」を用いて近似として表現されている場合、その特定の値は別の態様を形成することを理解すべきである。範囲の各々の端点は、他方の端点に関連してと、他方の端点とは関係なくの両方で有意であることがさらに理解されよう。
【0085】
ここに用いられている「実質的」、「実質的に」という用語、およびその変形は、記載された特徴が、ある値または記載と等しいまたはほぼ等しいことを留意する意図がある。例えば、「実質的に平らな」表面は、平らなまたは実質的に平らな表面を示す意図がある。さらに、「実質的に同様」は、2つの値が等しいまたはほぼ等しいことを示す意図がある。いくつかの実施の形態において、「実質的に同様」は、互いの約5%以内、または互いの約2%以内など、互いの約10%以内にある値を示すことがある。
【0086】
特定の実施の形態の様々な特徴、構成要素または工程は、移行句「含む」を使用して開示することができるが、移行句「からなる」または「から実質的になる」を使用して記載できるものを含む代わりの実施の形態が暗示されることを理解すべきである。それゆえ、例えば、A+B+Cを含む装置に対して暗示される代替の実施の形態は、装置がA+B+Cからなる実施の形態、および装置がA+B+Cから実質的になる実施の形態を含む。
【0087】
本開示の精神および範囲から逸脱せずに、本開示に様々な改変および変更を行えることが、当業者に明白であろう。本開示の精神および実体を含む開示の実施の形態の改変、組合せ、部分的組合せおよび変更が、当業者に想起されるであろうから、本開示は、付随の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に全てを含むと解釈されるべきである。
【0088】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0089】
実施形態1
バックライトユニットにおいて、
発光する第1の主面およびその反対の第2の主面を有する基板、
前記基板に光学的に結合された少なくとも1つの光源、および
前記基板の第1または第2の主面に近接して位置付けられた反射器であって、該反射器が、反射材料の2つ以上の層を有し、該層の各々が第1の区域と第2の区域を有し、該第1の区域が該第2の区域よりも反射性が高く、該第2の区域が該第1の区域よりも透過性が高い、反射器、
を備えたバックライトユニット。
【0090】
実施形態2
前記基板がガラスから作られている、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0091】
実施形態3
前記ガラスが、酸化物基準のモル%で表して、
50~90モル%のSiO
0~20モル%のAl
0~20モル%のB、および
0~25モル%のRO、
を含み、
ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、
xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含む、実施形態2に記載のバックライトユニット。
【0092】
実施形態4
前記基板が、約0.015未満の色ずれΔyを有する、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0093】
実施形態5
前記基板が、約0.1mmから約2mmに及ぶ厚さを有する、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0094】
実施形態6
前記反射材料が白色インクであり、該白色インクからの反射の全積分散乱が、4%と93%の間で変動する、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0095】
実施形態7
前記基板が、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、および反射偏光子からなる群より選択される、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0096】
実施形態8
前記少なくとも1つの光源が、光学的接着剤層を通じて前記導光板の第2の主面に光学的に結合されている、実施形態1に記載のバックライトユニット。
【0097】
実施形態9
実施形態1に記載のバックライトユニットを備えた表示または照明装置。
【0098】
実施形態10
バックライトユニットにおいて、
発光する第1の主面およびその反対の第2の主面を有する基板、
複数の個別の光源、
前記第2の主面に近接して位置付けられた反射器、および
前記第1の主面に近接して位置付けられた多層パターン反射器であって、各層は、第1の区域と第2の区域を有し、該第1の区域が該第2の区域よりも反射性が高く、該第2の区域が該第1の区域よりも透過性が高い、多層パターン反射器、
を備えたバックライトユニット。
【0099】
実施形態11
前記個別の光源が、前記多層パターン反射器の下であって、前記底部反射器の上に位置しており、該光源により放出された光は、該底部反射器および該パターン反射器の反射面での多数の反射のために、該底部反射器と該パターン反射器との間に横方向に伝わる、実施形態10に記載のバックライトユニット。
【0100】
実施形態12
前記基板がガラスから作られている、実施形態10に記載のバックライトユニット。
【0101】
実施形態13
前記ガラスが、酸化物基準のモル%で表して、
50~90モル%のSiO
0~20モル%のAl
0~20モル%のB、および
0~25モル%のRO、
を含み、
ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、
xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含む、実施形態12に記載のバックライトユニット。
【0102】
実施形態14
前記基板が、約0.015未満の色ずれΔyを有する、実施形態10に記載のバックライトユニット。
【0103】
実施形態15
前記基板が、約0.1mmから約2mmに及ぶ厚さを有する、実施形態10に記載のバックライトユニット。
【0104】
実施形態16
前記基板が、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、および反射偏光子からなる群より選択される、実施形態10に記載のバックライトユニット。
【0105】
実施形態17
前記個別の光源が、光学的接着剤層を通じて前記導光板の第2の主面に光学的に結合されている、実施形態10に記載のバックライトユニット。
【0106】
実施形態18
実施形態10に記載のバックライトユニットを備えた表示または照明装置。
【0107】
実施形態19
バックライトユニットにおいて、
発光する第1の主面、その反対の第2の主面、および該第1または第2の主面上の複数のパターン特徴を有する基板と、
複数の個別の光源と、
前記第2の主面に近接して位置付けられた反射器と、
前記第1の主面に近接して位置付けられた多層パターン反射器であって、それらの層の各々は、第1の区域と第2の区域を有し、該第1の区域は該第2の区域よりも反射性が高く、該第2の区域は該第1の区域よりも透過性が高い、多層パターン反射器と、
を備えたバックライトユニット。
【0108】
実施形態20
前記個別の光源が、前記パターン基板の直接背後に位置しており、該個別の光源からの光は、該光の第1の分が、全内部反射のためにパターンガラス製ライトガイド内で横方向に伝わり、光抽出器のパターンにより抽出され、該光の第2の分が、前記底部反射器および前記パターン反射器の反射面での多数の反射のために、該底部反射器と該パターン反射器との間で横方向に伝わるように、前記パターンガラス製ライトガイドに光学的に結合されている、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【0109】
実施形態21
前記基板がガラスから作られている、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【0110】
実施形態22
前記ガラスが、酸化物基準のモル%で表して、
50~90モル%のSiO
0~20モル%のAl
0~20モル%のB、および
0~25モル%のRO、
を含み、
ここで、xは2であり、かつRは、Li、Na、K、Rb、Cs、およびその組合せから選択され、もしくは、
xは1であり、Rは、Zn、Mg、Ca、Sr、Ba、およびその組合せから選択される、組成物を含む、実施形態21に記載のバックライトユニット。
【0111】
実施形態23
前記基板が、約0.015未満の色ずれΔyを有する、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【0112】
実施形態24
前記基板が、約0.1mmから約2mmに及ぶ厚さを有する、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【0113】
実施形態25
前記基板が、体積拡散板、表面拡散シート、導光板、輝度上昇フイルム、および反射偏光子からなる群より選択される、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【0114】
実施形態26
前記別個の光源が、光学的接着剤層を通じて前記導光板の第2の主面に光学的に結合されている、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【0115】
実施形態27
実施形態19に記載のバックライトユニットを備えた表示または照明装置。
【0116】
実施形態28
前記基板が、前記第1と第2の主面の両方の上に光抽出器のパターンを有するパターンガラス製導光板である、実施形態19に記載のバックライトユニット。
【符号の説明】
【0117】
100 導光板(LGP)
110 光源
120 反射層
120A 光反射成分
120B 光透過成分
125A 第1の領域
125B 第2の領域
130 後部反射器
140 プリント基板
150 光学的接着剤層
160 拡散フイルム
170 色変換層
180 プリズムフイルム
190 反射変更フイルム
200 表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B