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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】電磁マシンのトランスレータの自動制動
(51)【国際特許分類】
   H02P 3/00 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
H02P3/00 J
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020516387
(86)(22)【出願日】2018-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 US2018052094
(87)【国際公開番号】W WO2019060644
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-09-21
(31)【優先権主張番号】62/561,166
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/561,163
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/561,167
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513127423
【氏名又は名称】メインスプリング エナジー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロエル, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ダ コスタ, アントニー
(72)【発明者】
【氏名】ゴルゼリック, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ガッダ, クリストファー デイビッド
【審査官】柏崎 翔
(56)【参考文献】
【文献】特許第2692074(JP,B2)
【文献】特開2017-93164(JP,A)
【文献】特開2002-291273(JP,A)
【文献】特開昭57-16589(JP,A)
【文献】米国特許第5828195(US,A)
【文献】特開2007-295654(JP,A)
【文献】実開昭61-22197(JP,U)
【文献】特開昭64-69280(JP,A)
【文献】特開昭59-181027(JP,A)
【文献】特開2007-37264(JP,A)
【文献】特開平1-209973(JP,A)
【文献】特開2005-269808(JP,A)
【文献】国際公開第2004/012260(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、前記方法は、
第1の動作状態の間、前記トランスレータが移動している一方で、回路を使用して、障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記第1の動作状態から第2の動作状態に遷移するための位置速度軌道を決定することであって、所望の行程長または前記トランスレータのピーク速度のうちの少なくとも一方は、前記第1の動作状態から前記第2の動作状態への遷移の間、前記位置速度軌道に基づいて低減される、ことと、
前記位置速度軌道に従って、前記リニア多相電磁マシンの前記トランスレータに制動することを行わせることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記トランスレータに前記制動することを行わせることは、電磁技法を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電磁技法は、第1の電磁技法であり、前記方法は、第2の電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンの前記トランスレータに制動することを行わせることをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、ハードウェア、ソフトウェア、または、両方で実装される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの動作パラメータの可用性情報を決定することと、
前記可用性情報に基づいて、前記電磁技法を決定することと
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記障害イベントは、
コントローラに関連付けられている障害イベント、
エンコーダに関連付けられている障害イベント、
前記リニア多相電磁マシンの巻線に結合されているスイッチに関連付けられている障害イベント、
グリッドタイインバータに関連付けられている障害イベント、
前記リニア多相電磁マシンの短絡巻線に関連付けられている障害イベント、
1つ以上の制御サブシステムの間の通信に関連付けられている障害イベント、
前記リニア多相電磁マシンの動作パラメータ値に関連付けられている障害イベント
の群のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの巻線に対する巻線電流情報を決定することをさらに含み、前記トランスレータに制動することを行わせることは、前記巻線電流情報に少なくとも部分的に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記障害イベントは、前記トランスレータの位置情報の非可用性を含み、前記電磁技法は、位置情報から独立している、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記トランスレータは、自由ピストンアセンブリを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記リニア多相電磁マシンは、DCバスに結合されており、抵抗器および少なくとも1つのスイッチは、前記DCバスを横断して直列に結合されており、
前記方法は、前記障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、前記リニア多相電磁マシンの前記トランスレータに制動することを行わせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記DCバスは、グリッドタイインバータに結合されており、前記障害イベントを検出することは、前記DCバスおよび前記グリッドタイインバータの群のうちの少なくとも1つから選択される障害を検出することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記リニア多相電磁マシンの各巻線は、個別の第1の巻線リードと個別の第2の巻線リードとを備え、
各第1の巻線リードは、前記DCバスを横断して結合されている個別のHブリッジの第1の側面に結合されており、
各第2の巻線リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合されており、
各第1の巻線リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合されており、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の巻線リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合されており、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記トランスレータに制動することを行わせることは、各個別のHブリッジの各第1の側面のスイッチおよび各第2の側面のスイッチに開放したままであることを行わせることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記リニア多相電磁マシンの各巻線は、個別の第1の巻線リードと個別の第2の巻線リードとを備え、
各第1の巻線リードは、中性ワイ接続に結合されており、
各第2の巻線リードは、前記DCバスを横断して個別のハーフHブリッジの側面に結合されており、
各第1の巻線リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合されており、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の巻線リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合されており、前記第2の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記トランスレータに制動することを行わせることは、各第1の側面のスイッチおよび各個別のハーフHブリッジのスイッチに開放したままであることを行わせることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記リニア多相電磁マシンの複数の巻線に対する巻線電流情報を決定することと、
前記巻線電流情報に基づいて、前記複数の巻線のうちの各巻線に個別の電流を印加することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、
前記複数の巻線のうちの少なくとも1つの巻線に対して、個別の電流を決定することと、
前記個別の電流を前記少なくとも1つの巻線に印加することにより、前記トランスレータの運動に対抗して、前記トランスレータに制動することを行わせることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記トランスレータは、第1の頂点位置を備える第1の軌道に従って平行移動し、前記トランスレータに制動することを行わせることは、前記トランスレータに第2の頂点位置を達成することを行わせることを含み、前記第2の頂点位置は、前記第1の頂点位置よりも中間行程位置に近い、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記個別の電流を決定することは、前記複数の巻線のうちの少なくとも2つの巻線のそれぞれに対する前記個別の電流に基づいて、最小ノルム解を決定することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
リニア多相電磁マシンを備えたリニア発電機のトランスレータを制動するための方法であって、前記方法は、
回路を使用して、前記リニア発電機の障害イベントを検出することであって、前記リニア発電機は、固定子を備え、前記固定子は、前記トランスレータの半径方向外側に配列されている複数の巻線を備え、前記トランスレータは、反応セクションを含むシリンダ内で軸方向に平行移動する、ことと、
前記トランスレータの運動によって引き起こされる、前記固定子の少なくとも1つの巻線内の起電力を示す極性を決定することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記極性に基づいて、前記少なくとも1つの巻線のうちの個別の巻線に印加されるべき電流を引き起こすことにより、前記トランスレータの軸方向運動に対抗する前記トランスレータに作用する力を引き起こし、これにより、前記トランスレータに制動することを行わせることと
を含む、方法。
【請求項18】
前記極性を決定することは、
前記個別の巻線に対する巻線電流情報を決定することと、
前記巻線電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記極性を決定することは、
第1の期間にわたって前記個別の巻線を短絡させることと、
前記第1の期間にわたって前記個別の巻線に対する巻線電流情報を決定することと、
前記巻線電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を含み、
前記個別の巻線に印加されるべき電流を引き起こすことは、前記第1の期間と重複しない第2の期間中に、前記個別の巻線に印加されるべき前記電流を引き起こすことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記極性を決定することは、
第1の期間中にDC電流を前記個別の巻線に印加することと、
前記第1の期間にわたって前記個別の巻線に対する巻線電流情報を決定することと、
前記巻線電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を含み、
前記個別の巻線に印加されるべき前記電流を引き起こすことは、前記第1の期間と重複しない第2の期間中に、前記個別の巻線に印加されるべき前記電流を引き起こすことを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記個別の巻線に印加されるべき前記電流を引き起こすことは、前記トランスレータに関連付けられている位置情報にさらに基づいている、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記個別の巻線に印加されるべき前記電流を引き起こすことは、制御信号に基づいており、
前記起電力を示す前記極性を決定することは、前記制御信号と閾値とを比較することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記リニア多相電磁マシンの各巻線は、個別の第1の巻線リードと個別の第2の巻線リードとを備え、
各第1の巻線リードは、DCバスを横断して結合されている個別のHブリッジの第1の側面に結合されており、前記第1の側面は、第1の高電圧スイッチと第1の低電圧スイッチとを備え、
各第2の巻線リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合されており、前記第2の側面は、第2の高電圧スイッチと第2の低電圧スイッチとを備え、
前記方法は、
前記障害イベントを検出することに応答して、制動信号を前記第1の高電圧スイッチおよび前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチに印加することにより、前記トランスレータに制動することを行わせることと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記制動信号は、信号の第1のセットおよび信号の第2のセットのうちの一方を含み、
前記信号の第1のセットは、
第1の期間にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ、第2の期間にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチを開放するように印加される第1の信号と、
前記第1の期間および前記第2の期間の両方の間に、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方を開放するように印加される第2の信号と
を含み、
前記信号の第2のセットは、
第3の期間にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ、第4の期間にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチを開放するように印加される第3の信号と、
前記第3の期間および前記第4の期間の両方の間に、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方を開放するように印加される第4の信号と
を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の信号は、オン・オフデューティサイクルを含み、前記第3の信号は、オン・オフデューティサイクルを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記制動信号は、第1の状態と第2の状態と第3の状態とを引き起こすように構成されており、
前記第1の状態では、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチが第1の期間にわたって閉鎖され、
前記第2の状態では、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチが前記第1の期間に重複しない第2の期間にわたって閉鎖され、
前記第3の状態では、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチおよび前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチのすべてが前記第1の期間または前記第2の期間に重複しない第3の期間にわたって開放している、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記リニア多相電磁マシンは、複数の巻線を備える固定子を備え、
前記トランスレータは、
磁気区分と、
前記磁気区分から軸方向にオフセットされている少なくとも1つの伝導性区分と
を備え、
前記磁気区分は、前記複数の巻線のうちの巻線のサブセットから軸方向にオフセットされており、
前記方法は、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を生成するように構成されている個別の電流を前記巻線のサブセットのうちの少なくとも1つの巻線に印加すること
を含み、
前記渦電流は、前記トランスレータの軸方向運動に対抗する力を生成することにより、前記トランスレータに制動することを行わせる、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動制動を対象とし、より具体的には、イベントに応答して多相電磁マシンの1つ以上のトランスレータを自動制動することを対象とする。本願は、その開示が全て、それらの全体として参照することによって本明細書に組みこまれる、2017年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/561,166号、2017年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/561,163号、および2017年9月20日に出願された米国仮特許出願第62/561,167号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
自由ピストンシステム等の運動エネルギーと電気エネルギーとの間で変換するシステムは、時として、障害管理を要求する。典型的な機械的にリンクされたシステムは、固定軌道を提供する。例えば、従来のピストン機関では、エネルギーは、膨張行程中にクランクシャフトに伝達される一方で、圧縮行程中にクランクシャフトから除去される。障害が起こった場合、軌道は、通常、維持され、可動部品は、安全かつ予測可能に停止まで効果的にスプールダウンすることができる。例えば、リニアモータを有する、自由ピストンマシン等の機械的拘束を含まないシステムは、従来的に、広範なリアルタイム制御に依拠し、その制御の損失は、壊滅的であり得る。
【0003】
対向ピストン機関等の複数のピストンアセンブリを有する、システムは、典型的には、アセンブリがある程度同期化されたままであることを要求する。制御の側面が失われた、または他の障害が起こった場合、同期化は、損害を受け得、システムの挙動は、予測不可能になり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア電磁マシンと、複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路とを含む、リニア発電機を対象とする。リニア電磁マシンは、トランスレータと、複数の位相を備える固定子とを含む。制御回路は、障害イベントを検出し、障害イベントを検出するステップに応答して、電磁技法を使用することによって、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるように構成される。
【0005】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、障害イベントを検出するステップに応答して、電磁技法を決定するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態では、電磁技法は、第1の電磁技法であり、制御回路はさらに、第2の電磁技法を使用して、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、電磁技法は、ハードウェアまたはソフトウェアで実装される。
【0008】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの動作パラメータの可用性情報を決定し、可用性情報に基づいて、電磁技法を決定するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、障害イベントは、コントローラと関連付けられる障害イベント、エンコーダと関連付けられる障害イベント、多相電磁マシンの位相に結合されるスイッチと関連付けられる障害イベント、グリッドタイインバータと関連付けられる障害イベント、多相電磁マシンの短絡位相と関連付けられる障害イベント、1つ以上の制御サブシステムの間の通信と関連付けられる障害イベント、およびリニア多相電磁マシンの動作パラメータ値と関連付けられる障害イベントのうちの1つと関連付けられる。
【0010】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相に関する相電流情報を決定するように構成され、制御回路はさらに、少なくとも部分的に相電流情報に基づいて、トランスレータを制動させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、トランスレータに低減位置速度軌道を達成させるように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、障害イベントは、トランスレータの位置情報の非可用性を含み、電磁技法は、位置情報から独立している。
【0013】
いくつかの実施形態では、トランスレータは、自由ピストンアセンブリを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア電磁マシンと、複数の位相およびDCバスに結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路とを含む、リニア発電機を対象とする。リニア電磁マシンは、トランスレータと、複数の位相を備える固定子とを含む。パワーエレクトロニクスシステムは、DCバスを横断して直列に結合される、抵抗器と、少なくとも1つのスイッチとを含む。制御回路は、障害イベントを検出し、障害イベントを検出するステップに応答して、少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、DCバスは、グリッドタイインバータに結合され、制御回路はさらに、DCバスおよびグリッドタイインバータのうちの少なくとも1つと関連付けられる障害を検出するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを含む。各第1の位相リードは、DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合される。各第2の位相リードは、DCバスを横断して個別のHブリッジの第2の側面に結合される。各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって抵抗器に結合され、第1の個別のダイオードは、抵抗器に対する極性を有する。各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって抵抗器に結合され、個別の第2のダイオードは、抵抗器に対する極性を有する。制御回路はさらに、各個別のHブリッジの各第1の側面のスイッチおよび各第2の側面のスイッチを開放したままにさせるように構成される、
【0017】
いくつかの実施形態では、リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを含む。各第1の位相リードは、中性ワイ接続に結合され、各第2の位相リードは、DCバスを横断して個別のハーフHブリッジの側面に結合される。各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって抵抗器に結合され、第1の個別のダイオードは、抵抗器に対する極性を有する。各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって抵抗器に結合され、個別の第2のダイオードは、抵抗器に対する極性を有する。制御回路はさらに、各第1の側面のスイッチおよび各個別のハーフHブリッジのスイッチを開放したままにさせるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア電磁マシンと、複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路とを含む、リニア発電機を対象とする。リニア電磁マシンは、トランスレータと、複数の位相を備える固定子とを含む。制御回路は、障害イベントを検出し、リニア多相電磁マシンの複数の位相に関する相電流情報を決定するように構成される。制御回路は、パワーエレクトロニクスシステムに、相電流情報に基づいて、複数の位相のうちの各位相に個別の電流を印加させ、障害イベントを検出するステップに応答して、複数の位相のうちの少なくとも1つの位相に関して、個別の電流を決定するように構成される。制御回路は、パワーエレクトロニクスシステムに、個別の電流を少なくとも1つの位相に印加させ、トランスレータの運動に対抗して、トランスレータを制動させるように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、トランスレータは、第1の頂点位置を有する第1の軌道に従って平行移動し、制御回路はさらに、トランスレータに第2の頂点位置を達成させるように構成される。第2の頂点位置は、第1の頂点位置よりも中間行程位置に近い。
【0020】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの位相は、少なくとも2つの位相を含み、制御回路はさらに、少なくとも2つの位相毎に個別の電流のための最小ノルム解を決定するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア電磁マシンと、複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路とを含む、リニア発電機を対象とする。リニア電磁マシンは、トランスレータと、複数の位相を備える固定子とを含む。制御回路は、障害イベントを検出し、トランスレータの運動によって引き起こされる、リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相内の起電力(emf)を示す極性を決定するように構成される。制御回路は、障害イベントを検出するステップに応答して、極性に基づいて、パワーエレクトロニクスシステムに、電流を少なくとも1つの位相のうちの個別の位相に印加させ、トランスレータの軸方向運動に対抗してトランスレータを制動させる、トランスレータに作用する力を引き起こすように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、個別の位相に関する相電流情報を決定し、相電流情報に基づいて、極性を決定するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、パワーエレクトロニクスシステムに、第1の時間周期にわたって個別の位相を短絡させ、第1の時間周期にわたって個別の位相に関する相電流情報を決定し、相電流情報に基づいて、極性を決定するように構成される。制御回路はさらに、パワーエレクトロニクスシステムに、第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、電流を個別の位相に印加させるように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、パワーエレクトロニクスシステムに、第1の時間周期中にDC電流を個別の位相に印加させ、第1の時間周期にわたって個別の位相に関する相電流情報を決定し、相電流情報に基づいて、極性を決定するように構成される。制御回路はさらに、パワーエレクトロニクスシステムに、第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、電流を個別の位相に印加させるように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、パワーエレクトロニクスシステムに、トランスレータと関連付けられる位置情報にさらに基づいて、電流を個別の位相に印加させるように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、制御回路はさらに、パワーエレクトロニクスシステムに、制御信号に基づいて、電流を個別の位相に印加させるように構成され、制御回路はさらに、制御信号を閾値と比較し、極性を決定するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア電磁マシンと、複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路とを含む、リニア発電機を対象とする。リニア電磁マシンは、トランスレータと、複数の位相を備える固定子とを含む。パワーエレクトロニクスシステムは、複数の位相に結合され、複数の対応するHブリッジを含む。リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを含む。各第1の位相リードは、DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合される。第1の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを含む。各第2の位相リードは、DCバスを横断して個別のHブリッジの第2の側面に結合される。第2の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを含む。制御回路はさらに、障害イベントを検出し、障害イベントを検出するステップに応答して、制動信号を第1の高電圧スイッチ、第1の低電圧スイッチ、第2の高電圧スイッチ、および第2の低電圧スイッチに印加し、トランスレータを制動させるように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、制動信号は、第1の時間周期にわたって第1の高電圧スイッチおよび第2の高電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第2の時間周期にわたって第1の高電圧スイッチおよび第2の高電圧スイッチを開放するように印加される、第1の信号と、第1の時間周期および第2の時間周期の両方の間に、第1の低電圧スイッチおよび第2の低電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第2の信号とを含む、信号の第1のセットを含む。いくつかの実施形態では、制動信号は、第3の時間周期にわたって第1の低電圧スイッチおよび第2の低電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第4の時間周期にわたって第1の低電圧スイッチおよび第2の低電圧スイッチを開放するように印加される、第3の信号と、第3の時間周期および第4の時間周期の両方の間に、第1の高電圧スイッチおよび第2の高電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第4の信号とを含む、信号の第2のセットを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の信号は、オン・オフデューティサイクルを含み、第3の信号は、オン・オフデューティサイクルを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、制動信号は、第1の高電圧スイッチおよび第2の高電圧スイッチが第1の時間周期にわたって閉鎖される、第1の状態を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、制動信号は、第1の低電圧スイッチおよび第2の低電圧スイッチが、第1の時間周期に重複しない第2の時間周期にわたって閉鎖される、第2の状態を引き起こすように構成される。いくつかの実施形態では、制動信号は、第1の高電圧スイッチ、第2の高電圧スイッチ、第1の低電圧スイッチ、および第2の低電圧スイッチが全て、第1の時間周期または第2の時間周期に重複しない第3の時間周期にわたって開放している、第3の状態を引き起こすように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンと、複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路とを含む、リニア発電機を対象とする。リニア電磁マシンは、複数の位相を有する固定子を含む。リニア電磁マシンはまた、磁気区分と、磁気区分から軸方向にオフセットされる、少なくとも1つの伝導性区分とを有する、トランスレータも含む。磁気区分は、複数の位相のうちの位相のサブセットから軸方向にオフセットされる。制御回路はさらに、障害イベントを検出し、障害イベントを検出するステップに応答して、パワーエレクトロニクスシステムに、少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を発生させるように構成される個別の電流を位相のサブセットのうちの少なくとも1つの位相に印加させるように構成され、渦電流は、トランスレータの軸方向運動に対抗し、トランスレータを制動させる力を発生させる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法を対象とする。本方法は、回路を使用して、障害イベントを検出するステップと、障害イベントを検出するステップに応答して、電磁技法を使用して、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるステップと含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法を対象とし、リニア多相電磁マシンは、DCバスに結合され、抵抗器および少なくとも1つのスイッチは、DCバスを横断して直列に結合される。本方法は、回路を使用して、障害イベントを検出するステップと、障害イベントを検出するステップに応答して、少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるステップとを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法を対象とする。本方法は、回路を使用して、障害イベントを検出するステップと、リニア多相電磁マシンの複数の位相に関する相電流情報を決定するステップと、相電流情報に基づいて、複数の位相のうちの各位相に個別の電流を印加するステップとを含む。障害イベントを検出するステップに応答して、本方法は、複数の位相のうちの少なくとも1つの位相に関して、個別の電流を決定するステップと、個別の電流を少なくとも1つの位相に印加し、トランスレータの運動に対抗して、トランスレータを制動させるステップとを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法を対象とする。本方法は、回路を使用して、障害イベントを検出するステップと、トランスレータの運動によって引き起こされる、リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相内の起電力(emf)を示す極性を決定するステップと、障害イベントを検出するステップに応答して、極性に基づいて、電流を少なくとも1つの位相のうちの個別の位相に印加させ、トランスレータの軸方向運動に対抗してトランスレータを制動させる、トランスレータに作用する力を引き起こすステップとを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法を対象とし、リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを含み、各第1の位相リードは、DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、第1の側面は、第1の高電圧スイッチと、第1の低電圧スイッチとを備え、各第2の位相リードは、DCバスを横断して個別のHブリッジの第2の側面に結合され、第2の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備える。本方法は、回路を使用して、障害イベントを検出するステップと、障害イベントを検出するステップに応答して、制動信号を第1の高電圧スイッチ、第1の低電圧スイッチ、第2の高電圧スイッチ、および第2の低電圧スイッチに印加し、トランスレータを制動させるステップとを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法を対象とし、リニア多相電磁マシンは、複数の位相を備える固定子を含み、トランスレータは、磁気区分と、磁気区分から軸方向にオフセットされる、少なくとも1つの伝導性区分とを含む。磁気区分は、複数の位相のうちの位相のサブセットから軸方向にオフセットされる。本方法は、回路を使用して、障害イベントを検出するステップと、障害イベントを検出するステップに応答して、少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を発生させるように構成される個別の電流を、位相のサブセットのうちの少なくとも1つの位相に印加するステップであって、渦電流は、トランスレータの軸方向運動に対抗し、トランスレータを制動させる力を発生させる、ステップとを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体を対象とする。非一過性のコンピュータ可読命令は、回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、障害イベントを検出するステップに応答して、電磁技法を使用して、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるための命令とを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体を対象とし、リニア多相電磁マシンは、DCバスに結合され、抵抗器および少なくとも1つのスイッチは、DCバスを横断して直列に結合される。非一過性のコンピュータ可読命令は、回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、障害イベントを検出するステップに応答して、少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるための命令とを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体を対象とする。非一過性のコンピュータ可読命令は、回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、リニア多相電磁マシンの複数の位相に関する相電流情報を決定するための命令と、相電流情報に基づいて、複数の位相のうちの各位相に個別の電流を印加するための命令とを含む。障害イベントを検出するステップに応答して、命令は、複数の位相のうちの少なくとも1つの位相に関して、個別の電流を決定するための命令と、個別の電流を少なくとも1つの位相に印加し、トランスレータの運動に対抗して、トランスレータを制動させるための命令とを含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体を対象とする。非一過性のコンピュータ可読命令は、回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、トランスレータの運動によって引き起こされる、リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相内の起電力(emf)を示す極性を決定するための命令と、障害イベントを検出するステップに応答して、極性に基づいて、電流を少なくとも1つの位相のうちの個別の位相に印加させ、トランスレータの軸方向運動に対抗してトランスレータを制動させる、トランスレータに作用する力を引き起こすための命令とを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体を対象とし、リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを含み、各第1の位相リードは、DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、第1の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備える。各第2の位相リードは、DCバスを横断して個別のHブリッジの第2の側面に結合され、第2の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備える。非一過性のコンピュータ可読命令は、回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、障害イベントを検出するステップに応答して、制動信号を第1の高電圧スイッチ、第1の低電圧スイッチ、第2の高電圧スイッチ、および第2の低電圧スイッチに印加し、トランスレータを制動させるための命令とを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示は、リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を含む、非一過性のコンピュータ可読媒体を対象とする。リニア多相電磁マシンは、複数の位相を有する固定子を含む。トランスレータは、磁気区分と、磁気区分から軸方向にオフセットされる、少なくとも1つの伝導性区分とを含む。磁気区分は、複数の位相のうちの位相のサブセットから軸方向にオフセットされる。非一過性のコンピュータ可読命令は、回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、障害イベントを検出するステップに応答して、少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を発生させるように構成される個別の電流を、位相のサブセットのうちの少なくとも1つの位相に印加するための命令であって、渦電流は、トランスレータの軸方向運動に対抗し、トランスレータを制動させる力を発生させる、命令とを含む。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、前記方法は、
回路を使用して、障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させることと
を含む、方法。
(項目2)
前記電磁技法を使用することは、前記障害イベントを検出することに応答して、前記電磁技法を決定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記電磁技法は、第1の電磁技法であり、前記方法はさらに、第2の電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記方法は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方で実装される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの動作パラメータの可用性情報を決定することと、
前記可用性情報に基づいて、前記電磁技法を決定することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記障害イベントは、
コントローラと関連付けられる障害イベント、
エンコーダと関連付けられる障害イベント、
前記多相電磁マシンの位相に結合されるスイッチと関連付けられる障害イベント、
グリッドタイインバータと関連付けられる障害イベント、
前記多相電磁マシンの短絡位相と関連付けられる障害イベント、
1つ以上の制御サブシステムの間の通信と関連付けられる障害イベント、および
前記リニア多相電磁マシンの動作パラメータ値と関連付けられる障害イベント
の群のうちの少なくとも1つから選択される、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相に関する相電流情報を決定することをさらに含み、前記トランスレータを制動させることは、少なくとも部分的に前記相電流情報に基づく、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記トランスレータを制動させることは、前記トランスレータに低減位置速度軌道を達成させることを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記障害イベントは、前記トランスレータの位置情報の非可用性を含み、前記電磁技法は、位置情報から独立している、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記トランスレータは、自由ピストンアセンブリを備える、項目1に記載の方法。
(項目11)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、前記リニア多相電磁マシンは、DCバスに結合され、抵抗器および少なくとも1つのスイッチは、前記DCバスを横断して直列に結合され、前記方法は、
回路を使用して、障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させることと
を含む、方法。
(項目12)
前記DCバスは、グリッドタイインバータに結合され、前記障害イベントを検出することは、前記DCバスおよび前記グリッドタイインバータの群のうちの少なくとも1つから選択される障害を検出することを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、前記DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合され、
各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記トランスレータを制動させることはさらに、各個別のHブリッジの各第1の側面のスイッチおよび各第2の側面のスイッチを開放したままにさせることを含む、項目11に記載の方法。
(項目14)
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、中性ワイ接続に結合され、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して個別のハーフHブリッジの側面に結合され、
各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記トランスレータを制動させることはさらに、各第1の側面のスイッチおよび各個別のハーフHブリッジのスイッチを開放したままにさせることを含む、項目11に記載の方法。
(項目15)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、前記方法は、
回路を使用して、障害イベントを検出することと、
前記リニア多相電磁マシンの複数の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記複数の位相のうちの各位相に個別の電流を印加することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、
前記複数の位相のうちの少なくとも1つの位相に関して、個別の電流を決定することと、
前記個別の電流を前記少なくとも1つの位相に印加し、前記トランスレータの運動に対抗して、前記トランスレータを制動させることと
を含む、方法。
(項目16)
前記トランスレータは、第1の頂点位置を備える第1の軌道に従って平行移動し、前記トランスレータを制動させることは、前記トランスレータに第2の頂点位置を達成させることを含み、前記第2の頂点位置は、前記第1の頂点位置よりも中間行程位置に近い、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記少なくとも1つの位相は、少なくとも2つの位相を備え、前記個別の電流を決定することは、前記少なくとも2つの位相毎に前記個別の電流のための最小ノルム解を決定することを含む、項目15に記載の方法。
(項目18)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、前記方法は、
回路を使用して、障害イベントを検出することと、
前記トランスレータの運動によって引き起こされる、前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相内の起電力(emf)を示す極性を決定することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記極性に基づいて、電流を前記少なくとも1つの位相のうちの個別の位相に印加させ、前記トランスレータの軸方向運動に対抗して前記トランスレータを制動させる、前記トランスレータに作用する力を引き起こすことと
を含む、方法。
(項目19)
前記極性を決定することは、
前記個別の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記極性を決定することは、
第1の時間周期にわたって前記個別の位相を短絡させることと、
前記第1の時間周期にわたって前記個別の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を含み、
前記電流を前記個別の位相に印加させることは、前記第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、前記電流を前記個別の位相に印加させることを含む、項目18に記載の方法。
(項目21)
前記極性を決定することは、
第1の時間周期中にDC電流を前記個別の位相に印加することと、
前記第1の時間周期にわたって前記個別の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を含み、
前記電流を前記個別の位相に印加させることは、前記第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、前記電流を前記個別の位相に印加させることを含む、項目18に記載の方法。
(項目22)
電流を前記個別の位相に印加させることはさらに、前記トランスレータと関連付けられる位置情報に基づく、項目18に記載の方法。
(項目23)
前記電流を個別の位相に印加させることは、制御信号に基づき、前記emfを示す前記極性を決定することは、前記制御信号を閾値と比較することを含む、項目18に記載の方法。
(項目24)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、前記DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、前記第1の側面は、第1の高電圧スイッチと、第1の低電圧スイッチと
を備え、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合され、前記第2の側面は、第2の高電圧スイッチと、第2の低電圧スイッチとを備え、
前記方法は、
回路を使用して、障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、制動信号を前記第1の高電圧スイッチ、前記第1の低電圧スイッチ、前記第2の高電圧スイッチ、および前記第2の低電圧スイッチに印加し、前記トランスレータを制動させることと
を含む、方法。
(項目25)
前記制動信号は、
信号の第1のセットであって、
第1の信号であって、前記第1の信号は、第1の時間周期にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第2の時間周期にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチを開放するように印加される、第1の信号と、
第2の信号であって、前記第2の信号は、前記第1の時間周期および前記第2の時間周期の両方の間に、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第2の信号と
を備える、信号の第1のセットと、
信号の第2のセットであって、
第3の信号であって、前記第3の信号は、第3の時間周期にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第4の時間周期にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチを開放するように印加される、第3の信号と、
第4の信号であって、前記第4の信号は、前記第3の時間周期および前記第4の時間周期の両方の間に、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第4の信号と
を備える、信号の第2のセットと
のうちの1つを含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記第1の信号は、オン・オフデューティサイクルを備え、前記第3の信号は、オン・オフデューティサイクルを備える、項目24に記載の方法。
(項目27)
前記制動信号は、
第1の状態であって、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチは、第1の時間周期にわたって閉鎖される、第1の状態と、
第2の状態であって、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチは、前記第1の時間周期に重複しない第2の時間周期にわたって閉鎖される、第2の状態と、
第3の状態であって、前記第1の高電圧スイッチ、前記第2の高電圧スイッチ、前記第1の低電圧スイッチ、および前記第2の低電圧スイッチは全て、前記第1の時間周期または前記第2の時間周期に重複しない第3の時間周期にわたって開放している、第3の状態と
を引き起こすように構成される、項目24に記載の方法。
(項目28)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための方法であって、
前記リニア多相電磁マシンは、複数の位相を備える固定子を備え、
前記トランスレータは、
磁気区分と、
前記磁気区分から軸方向にオフセットされる少なくとも1つの伝導性区分と
を備え、
前記磁気区分は、前記複数の位相のうちの位相のサブセットから軸方向にオフセットされ、
前記方法は、
回路を使用して、障害イベントを検出することと、
障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を発生させるように構成される個別の電流を、前記位相のサブセットのうちの少なくとも1つの位相に印加することであって、前記渦電流は、前記トランスレータの軸方向運動に対抗し、前記トランスレータを制動させる力を発生させる、ことと
を含む、方法。
(項目29)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を備える非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記非一過性のコンピュータ可読命令は、
回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、
前記障害イベントを検出することに応答して、電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるための命令と
を備える、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目30)
前記電磁技法を使用するための命令は、前記障害イベントを検出することに応答して、前記電磁技法を決定するための命令を備える、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目31)
前記電磁技法は、第1の電磁技法であり、前記非一過性のコンピュータ可読媒体はさらに、第2の電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるための命令を備える、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目32)
前記命令は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方で実装される、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目33)
前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの動作パラメータの可用性情報を決定するための命令と、
前記可用性情報に基づいて、前記電磁技法を決定するための命令と
をさらに備える、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目34)
前記障害イベントは、
コントローラと関連付けられる障害イベント、
エンコーダと関連付けられる障害イベント、
前記多相電磁マシンの位相に結合されるスイッチと関連付けられる障害イベント、
グリッドタイインバータと関連付けられる障害イベント、
前記多相電磁マシンの短絡位相と関連付けられる障害イベント、
1つ以上の制御サブシステムの間の通信と関連付けられる障害イベント、および
前記リニア多相電磁マシンの動作パラメータ値と関連付けられる障害イベント
の群のうちの少なくとも1つから選択される、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目35)
回路を使用して、前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相に関する相電流情報を決定するための命令をさらに備え、前記トランスレータを制動させるための命令は、少なくとも部分的に前記相電流情報に基づく、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目36)
前記トランスレータを制動させるための命令は、前記トランスレータに低減位置速度軌道を達成させるための命令を備える、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目37)
前記障害イベントは、前記トランスレータの位置情報の非可用性を含み、前記電磁技法は、位置情報から独立している、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目38)
前記トランスレータは、自由ピストンアセンブリを備える、項目29に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目39)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を備える非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記リニア多相電磁マシンは、DCバスに結合され、抵抗器および少なくとも1つのスイッチは、前記DCバスを横断して直列に結合され、前記非一過性のコンピュータ可読命令は、
回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるための命令と
を備える、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目40)
前記DCバスは、グリッドタイインバータに結合され、前記障害イベントを検出するための命令は、前記DCバスおよび前記グリッドタイインバータの群のうちの少なくとも1つから選択される障害を検出するための命令を備える、項目39に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目41)
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、前記DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合され、
各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記トランスレータを制動させるための命令はさらに、各個別のHブリッジの各第1の側面のスイッチおよび各第2の側面のスイッチを開放したままにさせるための命令を備える、項目39に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目42)
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、中性ワイ接続に結合され、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して個別のハーフHブリッジの側面に結合され、
各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記トランスレータを制動させるための命令はさらに、各第1の側面のスイッチおよび各個別のハーフHブリッジのスイッチを開放したままにさせるための命令を備える、項目39に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目43)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を備える非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記非一過性のコンピュータ可読命令は、
回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、
前記リニア多相電磁マシンの複数の位相に関する相電流情報を決定するための命令と、
前記相電流情報に基づいて、前記複数の位相のうちの各位相に個別の電流を印加するための命令と、
前記障害イベントを検出することに応答して、
前記複数の位相のうちの少なくとも1つの位相に関して、個別の電流を決定するための命令と、
前記個別の電流を前記少なくとも1つの位相に印加し、前記トランスレータの運動に対抗して、前記トランスレータを制動させるための命令と
を備える、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目44)
前記トランスレータは、第1の頂点位置を備える第1の軌道に従って平行移動し、前記トランスレータを制動させるための命令は、前記トランスレータに第2の頂点位置を達成させるための命令を備え、前記第2の頂点位置は、前記第1の頂点位置よりも中間行程位置に近い、項目43に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目45)
前記少なくとも1つの位相は、少なくとも2つの位相を備え、前記個別の電流を決定するための命令は、前記少なくとも2つの位相毎に前記個別の電流のための最小ノルム解を決定するための命令を備える、項目43に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目46)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を備える非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記非一過性のコンピュータ可読命令は、
回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、
前記トランスレータの運動によって引き起こされる前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相内の起電力(emf)を示す極性を決定するための命令と、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記極性に基づいて、電流を前記少なくとも1つの位相のうちの個別の位相に印加させ、前記トランスレータの軸方向運動に対抗して前記トランスレータを制動させる前記トランスレータに作用する力を引き起こすための命令と
を備える、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目47)
前記極性を決定するための命令は、
前記個別の位相に関する相電流情報を決定するための命令と、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定するための命令と
を備える、項目46に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目48)
前記極性を決定するための命令は、
第1の時間周期にわたって前記個別の位相を短絡させるための命令と、
前記第1の時間周期にわたって前記個別の位相に関する相電流情報を決定するための命令と、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定するための命令と
を備え、
前記電流を前記個別の位相に印加させるための命令は、前記第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、前記電流を前記個別の位相に印加させるための命令を備える、項目46に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目49)
前記極性を決定するための命令は、
第1の時間周期中にDC電流を前記個別の位相に印加するための命令と、
前記第1の時間周期にわたって前記個別の位相に関する相電流情報を決定するための命令と、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定するための命令と
を備え、
前記電流を前記個別の位相に印加させるための命令は、前記第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、前記電流を前記個別の位相に印加させるための命令を備える、項目46に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目50)
電流を前記個別の位相に印加させるための命令はさらに、前記トランスレータと関連付けられる位置情報に基づく、項目46に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目51)
前記電流を個別の位相に印加させるための命令は、制御信号に基づき、前記emfを示す前記極性を決定するための命令は、前記制御信号を閾値と比較するための命令を備える、項目46に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目52)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を備える非一過性のコンピュータ可読媒体であって、
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、前記DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、前記第1の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備え、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合され、前記第2の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備え、
前記非一過性のコンピュータ可読命令は、
回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、
前記障害イベントを検出することに応答して、制動信号を前記第1の高電圧スイッチ、前記第1の低電圧スイッチ、前記第2の高電圧スイッチ、および前記第2の低電圧スイッチに印加し、前記トランスレータを制動させるための命令と
を備える、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目53)
前記制動信号は、
信号の第1のセットであって、
第1の信号であって、前記第1の信号は、第1の時間周期にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第2の時間周期にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチを開放するように印加される、第1の信号と、
第2の信号であって、前記第2の信号は、前記第1の時間周期および前記第2の時間周期の両方の間に、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第2の信号と
を備える、信号の第1のセットと、
信号の第2のセットであって、
第3の信号であって、前記第3の信号は、第3の時間周期にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第4の時間周期にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチを開放するように印加される、第3の信号と、
第4の信号であって、前記第4の信号は、前記第3の時間周期および前記第4の時間周期の両方の間に、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第4の信号と
を備える、信号の第2のセットと
のうちの1つを含む、項目52に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目54)
前記第1の信号は、オン・オフデューティサイクルを備え、前記第3の信号は、オン・オフデューティサイクルを備える、項目52に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目55)
前記制動信号は、
第1の状態であって、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチは、第1の時間周期にわたって閉鎖される、第1の状態と、
第2の状態であって、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチは、前記第1の時間周期に重複しない第2の時間周期にわたって閉鎖される、第2の状態と、
第3の状態であって、前記第1の高電圧スイッチ、前記第2の高電圧スイッチ、前記第1の低電圧スイッチ、および前記第2の低電圧スイッチは全て、前記第1の時間周期または前記第2の時間周期に重複しない第3の時間周期にわたって開放している、第3の状態と
を引き起こすように構成される、項目52に記載の非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目56)
リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動するための非一過性のコンピュータ可読命令を備える非一過性のコンピュータ可読媒体であって、
前記リニア多相電磁マシンは、複数の位相を備える固定子を備え、
前記トランスレータは、
磁気区分と、
前記磁気区分から軸方向にオフセットされる少なくとも1つの伝導性区分と
を備え、
前記磁気区分は、前記複数の位相のうちの位相のサブセットから軸方向にオフセットされ、前記非一過性のコンピュータ可読命令は、
回路を使用して、障害イベントを検出するための命令と、
障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を発生させるように構成される個別の電流を、前記位相のサブセットのうちの少なくとも1つの位相に印加するための命令であって、前記渦電流は、前記トランスレータの軸方向運動に対抗し、前記トランスレータを制動させる力を発生させる、命令と
を備える、非一過性のコンピュータ可読媒体。
(項目57)
リニア発電機であって、
リニア電磁マシンであって、
トランスレータと、
複数の位相を備える固定子と
を備える、リニア電磁マシンと、
前記複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路であって、前記制御回路は、
障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させることと
を行うように構成される、制御回路と
を備える、リニア発電機。
(項目58)
前記制御回路はさらに、前記障害イベントを検出することに応答して、前記電磁技法を決定するように構成される、項目57に記載のリニア発電機。
(項目59)
前記電磁技法は、第1の電磁技法であり、前記制御回路はさらに、第2の電磁技法を使用して、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させるように構成される、項目57に記載のリニア発電機。
(項目60)
前記制御回路は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方で実装されるコントローラを備える、項目57に記載のリニア発電機。
(項目61)
前記制御回路はさらに、
前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの動作パラメータの可用性情報を決定することと、
前記可用性情報に基づいて、前記電磁技法を決定することと
を行うように構成される、項目57に記載のリニア発電機。
(項目62)
前記障害イベントは、
コントローラと関連付けられる障害イベント、
エンコーダと関連付けられる障害イベント、
前記多相電磁マシンの位相に結合されるスイッチと関連付けられる障害イベント、
グリッドタイインバータと関連付けられる障害イベント、
前記多相電磁マシンの短絡位相と関連付けられる障害イベント、
1つ以上の制御サブシステムの間の通信と関連付けられる障害イベント、および
前記リニア多相電磁マシンの動作パラメータ値と関連付けられる障害イベント
の群のうちの少なくとも1つから選択される、項目57に記載のリニア発電機。
(項目63)
前記制御回路はさらに、前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相に関する相電流情報を決定するように構成され、前記制御回路はさらに、少なくとも部分的に前記相電流情報に基づいて、前記トランスレータを制動させるように構成される、項目57に記載のリニア発電機。
(項目64)
前記制御回路はさらに、前記トランスレータに低減位置速度軌道を達成させるように構成される、項目57に記載のリニア発電機。
(項目65)
前記障害イベントは、前記トランスレータの位置情報の非可用性を含み、前記電磁技法は、位置情報から独立している、項目57に記載のリニア発電機。
(項目66)
前記トランスレータは、自由ピストンアセンブリを備える、項目57に記載のリニア発電機。
(項目67)
リニア発電機であって、
リニア電磁マシンであって、
トランスレータと、
複数の位相を備える固定子と
を備える、リニア電磁マシンと、
前記複数の位相に結合され、DCバスに結合されるパワーエレクトロニクスシステムであって、前記パワーエレクトロニクスシステムは、前記DCバスを横断して直列に結合される、抵抗器と、少なくとも1つのスイッチとを備える、パワーエレクトロニクスシステムと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路であって、前記制御回路は、
障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記少なくとも1つのスイッチを閉鎖することによって、前記リニア多相電磁マシンのトランスレータを制動させることと
を行うように構成される、制御回路と
を備える、リニア発電機。
(項目68)
前記DCバスは、グリッドタイインバータに結合され、前記制御回路はさらに、前記DCバスおよび前記グリッドタイインバータの群のうちの少なくとも1つから選択される障害を検出するように構成される、項目67に記載のリニア発電機。
(項目69)
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、前記DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合され、
各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記制御回路はさらに、各個別のHブリッジの各第1の側面のスイッチおよび各第2の側面のスイッチを開放したままにさせるように構成される、項目67に記載のリニア発電機。
(項目70)
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、中性ワイ接続に結合され、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して個別のハーフHブリッジの側面に結合され、
各第1の位相リードは、第1の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記第1の個別のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、
各第2の位相リードは、第2の個別のダイオードによって前記抵抗器に結合され、前記個別の第2のダイオードは、前記抵抗器に対する極性を有し、前記制御回路はさらに、各第1の側面のスイッチおよび各個別のハーフHブリッジのスイッチを開放したままにさせるように構成される、項目67に記載のリニア発電機。
(項目71)
リニア発電機であって、
リニア電磁マシンであって、
トランスレータと、
複数の位相を備える固定子と
を備える、リニア電磁マシンと、
前記複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路であって、前記制御回路は、
障害イベントを検出することと、
前記リニア多相電磁マシンの複数の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに、前記相電流情報に基づいて、前記複数の位相のうちの各位相に個別の電流を印加させることと、
前記障害イベントを検出することに応答して、
前記複数の位相のうちの少なくとも1つの位相に関して、個別の電流を決定することと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに、前記個別の電流を前記少なくとも1つの位相に印加させ、前記トランスレータの運動に対抗して、前記トランスレータを制動させることと
を行うように構成される、制御回路と
を備える、リニア発電機。
(項目72)
前記トランスレータは、第1の頂点位置を備える第1の軌道に従って平行移動し、前記制御回路はさらに、前記トランスレータに第2の頂点位置を達成させるように構成され、前記第2の頂点位置は、前記第1の頂点位置よりも中間行程位置に近い、項目71に記載のリニア発電機。
(項目73)
前記少なくとも1つの位相は、少なくとも2つの位相を備え、前記制御回路はさらに、前記少なくとも2つの位相毎に前記個別の電流のための最小ノルム解を決定するように構成される、項目71に記載のリニア発電機。
(項目74)
リニア発電機であって、
リニア電磁マシンであって、
トランスレータと、
複数の位相を備える固定子と
を備える、リニア電磁マシンと、
前記複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路であって、前記制御回路は、
障害イベントを検出することと、
前記トランスレータの運動によって引き起こされる前記リニア多相電磁マシンの少なくとも1つの位相内の起電力(emf)を示す極性を決定することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、前記極性に基づいて、前記パワーエレクトロニクスシステムに、電流を前記少なくとも1つの位相のうちの個別の位相に印加させ、前記トランスレータの軸方向運動に対抗して前記トランスレータを制動させる前記トランスレータに作用する力を引き起こすことと
を行うように構成される、制御回路と
を備える、リニア発電機。
(項目75)
前記制御回路はさらに、
前記個別の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定することと
を行うように構成される、項目74に記載のリニア発電機。
(項目76)
前記制御回路はさらに、
前記パワーエレクトロニクスシステムに、第1の時間周期にわたって前記個別の位相を短絡させることと、
前記第1の時間周期にわたって前記個別の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定することと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに、前記第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、前記電流を前記個別の位相に印加させることと
を行うように構成される、項目74に記載のリニア発電機。
(項目77)
前記制御回路はさらに、
前記パワーエレクトロニクスシステムに、第1の時間周期中にDC電流を前記個別の位相に印加させることと、
前記第1の時間周期にわたって前記個別の位相に関する相電流情報を決定することと、
前記相電流情報に基づいて、前記極性を決定することと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに、前記第1の時間周期と重複しない第2の時間周期中に、前記電流を前記個別の位相に印加させることと
を行うように構成される、項目74に記載のリニア発電機。
(項目78)
前記制御回路はさらに、前記パワーエレクトロニクスシステムに、前記トランスレータと関連付けられる位置情報にさらに基づいて、前記電流を前記個別の位相に印加させるように構成される、項目74に記載のリニア発電機。
(項目79)
前記制御回路はさらに、前記パワーエレクトロニクスシステムに、制御信号に基づいて、前記電流を前記個別の位相に印加させるように構成され、前記制御回路はさらに、前記制御信号を閾値と比較し、前記極性を決定するように構成される、項目74に記載のリニア発電機。
(項目80)
リニア発電機であって、
リニア電磁マシンであって、
トランスレータと、
複数の位相を備える固定子と、
を備える、リニア電磁マシンと、
前記複数の位相に結合され、複数の対応するHブリッジを備える、パワーエレクトロニクスシステムと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路と
を備え、
前記リニア多相電磁マシンの各位相は、個別の第1の位相リードと、個別の第2の位相リードとを備え、
各第1の位相リードは、前記DCバスを横断して結合される個別のHブリッジの第1の側面に結合され、前記第1の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備え、
各第2の位相リードは、前記DCバスを横断して前記個別のHブリッジの第2の側面に結合され、前記第2の側面は、高電圧スイッチと、低電圧スイッチとを備え、
前記制御回路は、
障害イベントを検出することと、
前記障害イベントを検出することに応答して、制動信号を前記第1の高電圧スイッチ、前記第1の低電圧スイッチ、前記第2の高電圧スイッチ、および前記第2の低電圧スイッチに印加し、前記トランスレータを制動させることと
を行うように構成される、リニア発電機。
(項目81)
前記制動信号は、
信号の第1のセットであって、
第1の信号であって、前記第1の信号は、第1の時間周期にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第2の時間周期にわたって前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチを開放するように印加される、第1の信号と、
第2の信号であって、前記第2の信号は、前記第1の時間周期および前記第2の時間周期の両方の間に、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第2の信号と
を備える、信号の第1のセットと、
信号の第2のセットであって、
第3の信号であって、前記第3の信号は、第3の時間周期にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチの両方をアクティブ化するように、かつ第4の時間周期にわたって前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチを開放するように印加される、第3の信号と、
第4の信号であって、前記第4の信号は、前記第3の時間周期および前記第4の時間周期の両方の間に、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチの両方を開放するように印加される、第4の信号と
を備える、信号の第2のセットと
の群から選択される信号の少なくとも1つのセットを備える、項目80に記載のリニア発電機。
(項目82)
前記第1の信号は、オン・オフデューティサイクルを備え、前記第3の信号は、オン・オフデューティサイクルを備える、項目80に記載のリニア発電機。
(項目83)
前記制動信号は、
第1の状態であって、前記第1の高電圧スイッチおよび前記第2の高電圧スイッチは、第1の時間周期にわたって閉鎖される、第1の状態と、
第2の状態であって、前記第1の低電圧スイッチおよび前記第2の低電圧スイッチは、前記第1の時間周期に重複しない第2の時間周期にわたって閉鎖される、第2の状態と、
第3の状態であって、前記第1の高電圧スイッチ、前記第2の高電圧スイッチ、前記第1の低電圧スイッチ、および前記第2の低電圧スイッチは全て、前記第1の時間周期または前記第2の時間周期に重複しない第3の時間周期にわたって開放している、第3の状態と
を引き起こすように構成される、項目80に記載のリニア発電機。
(項目84)
リニア発電機であって、
リニア多相電磁マシンであって、
複数の位相を備える固定子と、
トランスレータであって、
磁気区分と、
前記磁気区分から軸方向にオフセットされる少なくとも1つの伝導性区分であって、前記磁気区分は、前記複数の位相のうちの位相のサブセットから軸方向にオフセットされる、伝導性区分と
を備える、トランスレータと
を備える、リニア多相電磁マシンと、
前記複数の位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムと、
前記パワーエレクトロニクスシステムに結合される制御回路であって、前記制御回路は、
障害イベントを検出することと、
障害イベントを検出することに応答して、前記パワーエレクトロニクスシステムに、前記少なくとも1つの伝導性区分内で渦電流を発生させるように構成される個別の電流を前記位相のサブセットのうちの少なくとも1つの位相に印加させ、前記渦電流は、前記トランスレータの軸方向運動に対抗し、前記トランスレータを制動させる力を発生させることと
を行うように構成される、制御回路と
を備える、リニア発電機。
【図面の簡単な説明】
【0044】
1つ以上の種々の実施形態による、本開示が、下記の図を参照して詳細に説明される。図面は、例証目的のみのために提供され、典型的または例示的実施形態を描写するにすぎない。これらの図面は、本明細書に開示される概念の理解を促進するために提供され、これらの概念の範疇、範囲、または適用可能性の限定と見なされないものとする。例証を明確かつ容易にするために、これらの図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。
【0045】
図1図1は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのリニア電磁マシンを含む、デバイスの断面図を示す。
【0046】
図2図2は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的リニア電磁マシン(LEM)の断面図を示す。
【0047】
図3図3は、本開示のいくつかの実施形態による、多相マシンを制御するための例証的システムのブロック図を示す。
【0048】
図4図4は、本開示のいくつかの実施形態による、分散位相制御および分散電力管理を有する、例証的配列のブロック図を示す。
【0049】
図5図5は、本開示のいくつかの実施形態による、分散位相制御および分散電力管理を有する、例証的配列のブロック図を示す。
【0050】
図6図6は、本開示のいくつかの実施形態による、パーティション化されたDCバスを伴って、単一のLEM、分散位相制御、および分散電力管理を有する、例証的配列のブロック図を示す。
【0051】
図7図7は、本開示のいくつかの実施形態による、パーティション化されたDCバスを伴って、2つのLEM、分散位相制御、および分散電力管理を有する、例証的配列のブロック図を示す。
【0052】
図8図8は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的位相制御システムのブロック図を示す。
【0053】
図9図9は、本開示のいくつかの実施形態による、相電流を管理するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0054】
図10図10は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ以上の故障した位相制御システムを管理するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0055】
図11図11は、本開示のいくつかの実施形態による、自動制動のための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0056】
図12図12は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの位相に結合されるパワーエレクトロニクスシステムを含む、例証的配列を示す。
【0057】
図13図13は、本開示のいくつかの実施形態による、制御信号を決定するための例証的コントローラを示す。
【0058】
図14図14は、本開示のいくつかの実施形態による、図13のコントローラの出力を処理するための例証的コントローラを示す。
【0059】
図15図15は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンに対応する例証的エネルギーメトリックのプロットを示す。
【0060】
図16図16は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの位相に対応する、より短い時間尺度における例証的信号のプロットを示す。
【0061】
図17図17は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの1つ以上の位相内の電流を管理するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0062】
図18図18は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの1つ以上の位相を短絡させることを管理するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0063】
図19図19は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンのトランスレータを制動することを管理するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0064】
図20図20は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンを含む、例証的システムを示す。
【0065】
図21図21は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスレータの位置情報に基づいて、多相電磁マシンのトランスレータを制動することを管理するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0066】
図22図22は、本開示のいくつかの実施形態による、位置推定のための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0067】
図23図23は、本開示のいくつかの実施形態による、位相と関連付けられる極性を決定するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0068】
図24図24は、本開示のいくつかの実施形態による、ブレーキ抵抗器およびスイッチを有する例証的パワーエレクトロニクスシステム、および多相マシンの1つの位相のブロック図を示す。
【0069】
図25図25は、本開示のいくつかの実施形態による、ブレーキ抵抗器に係合するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0070】
図26図26は、本開示のいくつかの実施形態による、ブレーキ抵抗器、スイッチ、およびダイオード対を有する例証的パワーエレクトロニクスシステム、および多相マシンの1つの位相のブロック図を示す。
【0071】
図27図27は、本開示のいくつかの実施形態による、パワーエレクトロニクスシステムに印加するための例証的制動信号を示す。
【0072】
図28図28は、本開示のいくつかの実施形態による、制動信号を受信するように構成される例証的パワーエレクトロニクスシステムのブロック図を示す。
【0073】
図29図29は、本開示のいくつかの実施形態による、制動信号を印加するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0074】
図30図30は、本開示のいくつかの実施形態による、リニア渦電流制動のために構成される、固定子およびトランスレータの断面図を示す。
【0075】
図31図31は、本開示のいくつかの実施形態による、渦電流ブレーキに係合するための例証的プロセスのフローチャートを示す。
【0076】
図32図32は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスレータと関連付けられる例証的位置速度軌道を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
本開示は、電磁マシンを対象とする。例えば、電磁マシンは、1つ以上の位相を有する、固定子を含んでもよい。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示は、障害イベント(例えば、コントローラが中央制御ユニットから信号を受信することを止める、または平行移動アセンブリ用の位置エンコーダが中央制御ユニットへ信号を生成することを止める)等のイベントに応答して、電磁マシンの平行移動アセンブリを自動的に制動することを対象とする。本明細書で使用されるような「制動」は、トランスレータの軌道(例えば、位置速度軌道)に、行程、ピーク速度、または両方を低減させる行為である。例えば、制動は、電流を多相電磁マシンの位相に印加し、軌道を縮小させるように作用する、トランスレータの運動に対抗する(例えば、それによって、電気工事の形態でエネルギーを抽出することによって、それを減速させる)力をトランスレータ上で生成するステップを含んでもよい。さらなる実施例では、制動は、トランスレータの軌道を縮小させるように作用し得る、能動的または受動的にトランスレータから運動エネルギーを除去するステップを含んでもよい。通常動作下で、トランスレータ上の電磁力は、運動に対抗し、運動エネルギーから電気エネルギーを抽出し得ることを理解されたい。制動は、トランスレータ行程を短縮する、トランスレータ速度を低減させる、トランスレータを減速させる、トランスレータからエネルギーを除去する、または別様にトランスレータを静止、近静止、もしくは別様に低減電力動作条件にする意図によって、通常動作と区別されることができる。例えば、通常動作中に、トランスレータは、行程の終了時にゼロ速度、行程のほぼ中間に最大速度を達成し得る。通常動作は、典型的には、(例えば、定常または過渡にかかわらず)一貫した電力出力を提供するように、サイクルを定義する行程のセットを繰り返すことを対象とする。制動は、典型的には、(例えば、保守のため、損傷を回避するため、または障害等のイベントに応答して)動作停止するインジケーションの結果として、停止に向かってトランスレータを運ぶことを対象とする。例えば、図11-30の説明は、制動システムおよび多相システムを制動するための技法の例証的実施例を提供する。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示は、多くの位相をともに群化するのではなく、位相の間で、コンポーネント、制御、または両方を分散することを対象とする。例えば、固定子は、30個の鉄心に対応する30本の巻線を含んでもよい。多くの巻線(例えば、5つの位相の6つのグループ)をともに群化するのではなく、各巻線および鉄心は、相電流のより良好な空間分解能を提供するように位相として扱われ得る(例えば、群化された場合では6回の相電流ではなく、30回の相電流)。さらに、電気ネットワークの任意の好適なコンポーネントが、ロバスト性および信頼性を提供するように、これらの位相制御システムに分散されてもよい。例えば、図4-10の説明は、多相システムの制御および配列の例証的実施例を提供する。
【0080】
リニア電磁マシン(LEM)は、多数の巻線(例えば、30本の巻線)と、従来のLEM設計における位相の数(例えば、3つの位相)よりも少なくとも2~3倍上回る位相の数(例えば、6つの位相~9つの位相)とを含んでもよい。LEMは、随意に、グループの中に直列に結合され、対応する位相を形成し得る、巻線を含んでもよい(例えば、6つの位相に関して位相あたり5本の巻線、または30個の位相に関して位相あたり1本の巻線)。位相の中に巻線を直列に群化することは、LEMを動作させるために必要とされる制御電子機器および電力トランジスタの数を削減する。しかしながら、コンポーネントの数の削減は、信頼性の懸念を増加させ得る。
【0081】
巻線を群化することはまた、各群化された巻線が同一の電流を有し、LEMでは非理想的ではあり得ることも意味する。例えば、位相制御システムが時間相電流を巻線に印加し、動作中に時間が変化する、トランスレータの瞬時位置に基づいて電磁力をより最適に発生させることが所望され得る。本開示では、巻線は、提供されるLEMの空間分解能、ロバスト性、および信頼性を提供するように、群化されない、または任意の好適な程度に群化されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、本開示は、多相電磁マシンに適用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、多数の巻線を含むLEMを説明する。多数の位相は、従来のLEM設計を超える位相の数(例えば、3つの位相)を指すことを理解されたい。用語「巻線」、「位相」、および「群」は、LEMの側面を説明するために本明細書で使用される。
【0083】
「巻線」は、印加され得る単一の電流を有する(例えば、制御にかかわらず、同一の電流が印加される)、1つ以上の鉄心に巻着する連続的導電性ワイヤを指す。本明細書で使用されるように、用語「巻線」は、ハードウェアの状態によって定義される。例えば、巻線は、電圧が印加され得る、2つの終端を有する、単一の鉄心に巻着される銅線を含んでもよい。さらなる実施例では、巻線は、電圧が印加され得る、2つの終端を有する、直列にいくつかの鉄心に巻着される連続的な1本の銅線を含んでもよい。さらなる実施例では、巻線は、いくつかの対応する鉄心に巻着され、電圧が印加され得る、2つの終端を有するように、(例えば、バットスプライスコネクタまたは他の好適なコネクタを使用して)直列にともに圧着される、数本の銅線を含んでもよい。例証的実施例では、LEMの固定子は、電圧が印加され得る、60個(すなわち、30対)の終端を伴って、3本の巻線と、30本の対応する鉄心とを含んでもよい。巻線は、組み合わせられる(例えば、1本の巻線の終端が、別の巻線の終端に配線されてもよい)、または分離されてもよい(例えば、数本の歯の周囲の銅線の連続巻着が、別個の巻線を作成するように歯の間に切り込まれてもよい)。
【0084】
「位相」は、(例えば、一意の相電流が印加され得る)個別に制御され得る、巻線または巻線群を指す。例証すると、位相は、固定子の個別に制御可能なN/S極対の数を指し得る。本明細書で使用されるように、用語「位相」は、制御の状態(例えば、電流が印加される方法)によって定義される。例えば、位相は、ワイ中性端子によって結合され、相互と相互作用する(例えば、必ずしも独立しておらず、むしろ、ネットワークの一部である)が、依然として、個別に制御されてもよい。位相は、例えば、1つ以上の位相への印加された電流の時間挙動を説明するために有用である。トランスレータが固定子に対して移動すると、位相内の電流の「位相整合」が、各位相に印加される瞬時電流を決定する。例えば、巻線は、単一の鉄心に巻着される銅線を含んでもよく、その巻線は、(例えば、専用位相制御システムによって)独立して制御されることができる場合に、位相に対応し得る。さらなる実施例では、巻線は、直列にいくつかの鉄心に巻着される連続的な1本の銅線を含んでもよく、線および心の全長は、位相に対応する。LEM内の位相の数は、LEM内の巻線の数と等しいまたはそれ未満であることが明白である。
【0085】
「群」は、巻線および位相との関連で、ある方法で組み合わせられた1つを上回るアイテムを指す。巻線群は、単一の電流が印加され得るように、ともに接続された巻線を指す。位相群は、同時に同一の電流を印加することによって、単一の位相として作用するように制御される位相を指す。故に、巻線群は、ハードウェアの状態を指し、位相群は、制御の側面を指す。
【0086】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのリニア電磁マシン150および155を含む、例証的デバイス100の断面図を示す。自由ピストンアセンブリ110および120(すなわち、トランスレータとも呼ばれる)は、個別のピストン112および152と、個別のピストン182および187と、個別のトランスレータ区分151および156とを含む。デバイス100は、例えば、ピストン112および152との間に高圧区分(例えば、燃焼区分)を収納し得る、ボア132を有するシリンダ130を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、圧縮ガスの形態でサイクル中にエネルギーを貯蔵および放出するために使用され得る、ガスばね180および185(例えば、ドライバ区分)を含む。例えば、自由ピストンアセンブリ110および120はそれぞれ、個別のガス領域183および188(例えば、高圧領域)と接触している個別のピストン182および187を含んでもよい。
【0088】
シリンダ130は、軸170を中心として心合されるボア132を含んでもよい。いくつかの実施形態では、自由ピストンアセンブリ110および120は、ボア132内で軸170に沿って平行移動し、ピストン112および152と接触しているガス領域が圧縮および膨張することを可能にしてもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、自由ピストンアセンブリ110および120は、個別の固定子152および157(例えば、パワーエレクトロニクスシステムによって制御される)と相互作用し、個別のLEM150および155を形成する、個別のトランスレータ区分151および156(例えば、磁石を含み得る)を含む。例えば、自由ピストンアセンブリ110が(例えば、機関サイクルの行程中に)軸170に沿って平行移動すると、トランスレータ区分151は、固定子152の巻線内で電流を誘発してもよい。さらに、電流は、自由ピストンアセンブリ110上に電磁力を発生させるように(例えば、自由ピストンアセンブリ110の運動に影響を及ぼすように)固定子152の個別の巻線に印加されてもよい。制動は、軌道を短縮する、停止まで往復を減速させる、または別様にトランスレータから運動エネルギーを除去し、システムを有意に減速もしくは停止させる(例えば、デバイス100を停止させる)ように、(例えば、図1に示されるような軸170に沿った)トランスレータの軸方向運動に対抗する、トランスレータへの力の印加を指す。いくつかの実施形態では、制御システムは、通常動作、制動、または両方の間に、トランスレータ110および120の間の同期化を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、制動中に、エネルギーが、通常動作中に有効であり得る、効率、最適な制御、または他の制約にかかわらず、1つ以上のトランスレータから抽出される。例えば、所望の動作パラメータ値と達成される動作パラメータ値(例えば、所望および達成される頂点位置)との間の許容差は、制動中に緩和され得る。
【0090】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、固定子210と、トランスレータ区分204とを含む、例証的LEM200の断面図を示す。トランスレータ区分204は、固定子210に対して軸290に沿って移動するように構成されてもよい。固定子210は、対応する鉄の心(例えば、鉄心236)に巻着される複数の巻線(例えば、巻線234)を含む。位相は、単一の電流が印加される、1つ以上の鉄心および対応する巻線の群を指す。故に、位相は、例えば、直列に結合され得る、任意の好適な数の心および対応する巻線を含んでもよい。位相制御システム(例えば、モータコントローラまたは制御システム内に含まれる)は、対応するパワーエレクトロニクスシステムを介して、電流を各個別の位相に印加するように構成されてもよい。例証すると、例示的位相280は、直列に結合され得る、5本の鉄心および5本の巻線(そのうちの1つが巻線225である)を含む。さらに例証すると、各巻線は、個別の位相に対応し得る(例えば、いかなる巻線も直列にともに群化または巻回されない)。故に、単一の電流が、5本の巻線に印加されてもよい(すなわち、それらが直列に接続されるため)。任意の好適な数の位相の中に群化される、巻線の任意の好適な構成が、本開示に従って使用されてもよい。さらに例証すると、例示的位相281は、直列に結合され得る、3本の鉄心および3本の巻線を含む。
【0091】
固定子210の鉄心および巻線は、トランスレータ区分204が軸方向に心に重複するときに、トランスレータ区分204上に正味電磁力を引き起こす磁場を発生させるように構成される。正味電磁力は、軸290と略平行な方向に配向されてもよい。例えば、図2およびトランスレータ区分204の図示される相対位置を参照すると、巻線211、212、および219(例えば、1つ以上の位相に対応する)は、トランスレータ区分204と電磁的に相互作用してもよい。しかしながら、図示される位置では、巻線225に対応する位相(例えば、例証的位相280)は、トランスレータ区分204と実質的に強い電磁相互作用を有していない。トランスレータ区分204が右に移動すると、最終的に巻線225と軸方向に重複し、故に、巻線225に対応する位相は、トランスレータ区分204とより実質的に電磁的に相互作用することができるであろう。例証的実施例として、トランスレータ区分204が巻線にわたって軸方向に移動すると、逆起電力(逆emf)が、巻線内で発生され、起電力が、巻線内の電流の流動の結果としてトランスレータ区分204に印加されてもよい。
【0092】
トランスレータ区分204は、図2に示されるように、北「N」または南「S」として示される極性を伴って、(軸290に対して)軸方向に配列される複数の永久磁石のアレイを含む。図2の磁石アレイは、例証的実施例であり、トランスレータは、永久磁石の任意の好適な配列を含み得る、または全く永久磁石を含み得ない(例えば、誘導電磁マシン)ことを理解されたい。トランスレータ区分204が固定子210に対して軸290に沿って移動すると、電流は、1つ以上の位相の巻線を通して流動してもよい。
【0093】
図2に示されるように、各巻線が位相に対応すると仮定すると、固定子210は、30個の位相を含む。また、図2に示されるように、トランスレータ区分204は、14個の磁極を含む。図2に示されるように、位相1(すなわち、巻線211に対応する)および磁極260の軸方向整合は、位相5(すなわち、巻線235に対応する)および磁極261の軸方向整合と異なる。故に、位相1および位相5内で同一の電流を印加することは、必ずしも磁石の一方または両方の位置にとって最良の電流ではないであろう。例えば、個別の磁極260および261との位相1および5の整合の相対差は、トランスレータ204の示される位置における位相1および5のための有効力定数(例えば、電流によって分割される電磁力)の差に対応し得る。永久磁石モータ内の位相は、力を達成するように適切に整流されなければならない。本整流は、位相に対する磁石の位置を測定または推定することによって、電子的に達成されることができる。
【0094】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的システム300の略図を示す。システム300は、多相マシン340と、パワーエレクトロニクスシステム330と、制御システム350と、グリッドタイインバータ320とを含む。システム300は、リニア発電機と称され得る。図3では別個に示されるが、多相マシン340およびパワーエレクトロニクスシステム330は、統合される、または別様に任意の好適な程度に組み合わせられ得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、多相マシン340およびパワーエレクトロニクスシステム330は、位相リード335によって結合される、フレームに別個に添着されてもよい。さらなる実施例では、いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム330は、多相マシン340の一部として統合されてもよい。さらなる実施例では、多相マシン340は、パワーエレクトロニクスシステム330によってDCバス325に結合される位相リード335を伴って、複数の位相およびトランスレータ(および例えば、シリンダ、軸受、配管等の他の好適なコンポーネント)を有する、固定子を含んでもよい。
【0095】
多相マシン340は、例えば、図1に示されるものに類似するシステム(例えば、自由ピストン発電機)を含んでもよい。一般に、多相マシン340は、ガス圧力および電磁力の複合影響下で、対応する1つ以上の固定子に対する往復運動を受け得る、1つ以上の平行移動アセンブリ(すなわち、「トランスレータ」)を含んでもよい。トランスレータは、個別の固定子の位相内で逆起電力(emf)を発生させ得る、永久磁石を含んでもよいが、その必要はない。本明細書で使用されるように、かつ広く理解されるように、逆起電力は、電圧(例えば、印加された相電圧に起因して電流に対抗する電流を引き起こす)を指すことを理解されたい。パワーエレクトロニクスシステム330は、電流を固定子の位相に提供するように構成される。例えば、パワーエレクトロニクスシステム330は、固定子の位相の位相リードを、DCバス、中性端子、接地、またはそれらの組み合わせの1つ以上のバスに暴露してもよい。
【0096】
パワーエレクトロニクスシステム330は、例えば、スイッチ(例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET))、ダイオード、電流センサ、電圧センサ、PWM信号を管理するための回路、任意の他の好適なコンポーネント、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含んでもよい。例えば、パワーエレクトロニクスシステム330は、1つ以上のHブリッジ、もしくは電流を1つ以上の位相に印加するためのスイッチの他のモータ制御トポロジを含んでもよい。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム330は、固定子の巻線に結合する位相リード335を介して、多相マシン340とインターフェースをとってもよく、パワーエレクトロニクスシステム330は、DCバス325(例えば、一方のバスが他方のバスに対してより高い電圧にある、一対のバス)を介してグリッドタイインバータ320とインターフェースをとってもよい。バス322およびバス324はともに、システム300内のDCバス325を形成する。例えば、バス322は、バス324の0Vに対して公称上800Vであり得る(例えば、バス322は、「高」であり、バス324は、「低」である)。バス322およびバス324は、本開示によると、平均値を中心として時間が変動し得る、任意の好適な公称電圧にあり得る。故に、本明細書で使用されるような用語「DCバス」は、ほぼ固定された平均電圧差を有する一対のバスを指すものとするが、瞬時電圧は、上下する、変動する、雑音を呈する、または別様に非一定であり得る。
【0097】
グリッドタイインバータ320は、ACグリッド321(例えば、3位相480VAC)とDCバス325との間の電気相互作用を管理するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ320は、パワーエレクトロニクスシステム330を介して、多相マシン340(例えば、自由ピストン機関)からACグリッド321に電力を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ320は、ACグリッド321から電力を調達し、パワーエレクトロニクスシステム330を介して多相マシン340(例えば、自由ピストン空気圧縮機)に入力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ320は、両方向に(例えば、ACグリッド321へ、およびそこからの)電力を管理する。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ320は、ACグリッド321からのAC電力を整流し、DCバス325にわたって電力を供給する。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ320は、ACグリッド321の中に注入するために、DCバス325からのDC電力をAC電力に変換する。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ320は、ACグリッド321のために好適である電流および電圧のAC波形を発生させる。例えば、グリッドタイインバータ320は、ACグリッド321の中に注入されるAC電力の力率、周波数、電圧、またはそれらの組み合わせを管理してもよい。
【0098】
図3ではACグリッド321に結合されているものとして示されるが、グリッドタイインバータ320は、負荷、電源、別の発電機システム、別のグリッドタイインバータ、任意の他の好適な電力システム、またはそれらの任意の組み合わせに直接結合されてもよい。例えば、発電機システム300は、ACグリッド321がAC負荷を有するローカルACグリッドであり得る、「単独」モードまたは「独立型」モードであってもよい。いくつかの実施形態では、発電機システム300は、GTI320を含む必要がなく、直接DC印加(例えば、DCグリッド)のために構成されてもよい。例えば、DCバス325は、DCグリッド、DC負荷、または任意の他の好適なDC電気アーキテクチャに結合されてもよい。
【0099】
図4-7は、LEM、位相制御システム、グリッドタイインバータ、DCバス、電気コンポーネント、およびACグリッドの種々の配列を図示する。図4-7の配列400、500、600、および700は、本開示の例証的実施形態であり、本開示に従って、組み合わせられる、付加される、切断される、または別様に好適に修正されてもよい。さらに、図4-7に示されるコンポーネントは、本開示に従って、組み合わせられる、付加される、切断される、または別様に好適に修正されてもよい。
【0100】
図4-7の配列400、500、600、および700のトポロジは、リニア発電機の実際の物理的幾何学形状を表す必要がないことを理解されたい。例えば、図4を参照すると、位相1からNは、LEM402および404のそれぞれの軸に沿って整合されてもよいが、位相制御システムの図示される配列を単純化するように偶数および奇数位相の行にパーティション化されて示される。同様に、位相制御システムの実際の空間配列は、任意の好適な規則的または不規則的構成(例えば、線、アレイ、または星形に配列される)を成してもよい。位相制御システムに関するさらなる詳細が、例えば、図8との関連で説明される。
【0101】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、分散位相制御および分散電力管理を有する、例証的配列400のブロック図を示す。配列400は、LEM402および404と、ACグリッド494と、グリッドタイインバータ478および479と、2つのDCバスと、位相制御システム406、408、410、412、414、416、418、420、438、440、442、444、446、448、450、および452とを含む。
【0102】
LEM402および404はそれぞれ、各位相が1つ以上の巻線を含む、複数の位相を含む。図4に示されるように、LEM402および404はそれぞれ、Nが3を上回る整数である、N個の位相を含む。例えば、LEM402は、位相426(すなわち、終了位相)と、位相428とを含む、N個の位相を含む。例えば、LEM404は、位相458(すなわち、終了位相)と、位相460とを含む、N個の位相を含む。LEM402および404の各位相は、位相制御システムに対応する。例えば、位相422、424、426、428、454、456、458、および460は、それぞれ、位相制御システム406、410、414、418、438、442、446、および450に対応する。図4に示されていないが、LEM402および404は、対応するトランスレータ区分(例えば、磁石区分)を含む。
【0103】
位相制御システム406、408、410、412、414、416、418、420、438、440、442、444、446、448、450、および452は、対応する位相への電流の印加を管理するように構成される。各位相制御システムは、DCバスに結合される。例えば、第1のDCバスは、バス474およびバス476から形成される。さらなる実施例では、第2のDCバスは、バス470およびバス472から形成される。位相リード430および432は、リード434および436によってDCバスに結合される、位相制御システム420に対応する。位相リード462および464は、リード466および468によってDCバスに結合される、位相制御システム452に対応する。
【0104】
グリッドタイインバータ478および479は、個別のDCバスとACグリッド494との間の電力相互作用を管理するとともに、個別のDCバスの電圧および/または他の特性を管理するように構成される。図4に示されるようなACグリッド494は、3位相ACグリッド(例えば、480VAC3位相電力供給源)を含む。グリッドタイインバータ478は、ACグリッド494のACリード482、484、および486に結合される。グリッドタイインバータ479は、ACグリッド494のACリード488、490、および492に結合される。いくつかの実施形態では、ACリード482、484、および486、およびACリード488、490、および492は、別個のブレーカ、ヒューズ、または別様にAC回路に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ACリード482、484、および486、およびACリード488、490、および492は、同一のブレーカ、ヒューズ、または別様にAC回路に結合されてもよい。図4に示されていないが、いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ478および479は、例えば、より小さい容量のグリッドタイインバータの形態で、位相制御システムの間に分散される、またはその一部として含まれてもよい。グリッドタイインバータの数が位相の数と異なるが、1を上回る配列では、位相制御システムへのDCバス相互接続は、グリッドタイインバータ故障の場合にいずれのLEM全体(すなわち、LEMの全ての位相)の制御の完全損失も回避するように設計されてもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、配列400は、1つのDCバスの故障に対するロバスト性を提供する。例えば、バス474および476から形成されるDCバスが故障する場合では、LEM402および404の1つおきの位相(すなわち、偶数の位相2、4等)は、依然として、バス470および472から形成されるDCバスを使用して動作可能であり得る。故に、位相制御システム406、408、410、および412は、依然として、LEM402の対応する位相にわたって制御権限を提供し得る(例えば、位置および/または力制御を可能にする)。さらに、位相制御システム438、440、442、および444は、依然として、LEM404の対応する位相にわたって制御権限を提供し得る(例えば、位置および/または力制御を可能にする)。同様に、バス470および472から形成されるDCバスが故障する場合、バス474および476から形成されるDCバスに結合される、位相制御システム414、416、418、420、446、448、450、および452は、依然として、制御権限を提供し得る。
【0106】
例えば、配列400によって提供される冗長性は、DCバス故障、1つのグリッドタイインバータ(例えば、グリッドタイインバータ478または479のいずれかであるが、両方ではない)の故障、または両方の場合に、制御を維持するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ478および479のうちの1つが故障する場合、リニア発電機は、依然として、LEMの位相の半分(すなわち、Nが偶数である場合、図4に示されるようにN/2)を使用して、公称上半負荷において機能することができる。本機能性は、例えば、継続的動作、制御された動作停止、自動制動、またはそれらの組み合わせを可能にし得る。故に、各グリッドタイインバータは、システム全体にとって単一完全障害点である必要はない。
【0107】
さらなる実施例では、LEMあたりの複数の位相制御システムの使用は、単一の位相、位相制御システム、またはそのコンポーネントが部分または完全故障を受ける場合に、継続的動作を可能にし得る。例えば、位相428等の特定の位相の巻線が(例えば、鉄の心または他のコンポーネントに)短絡される場合、特定の位相は、対応する位相制御システム418が電流を印加することを止めることによって、単離され得る。そのような継続的動作は、位相短絡またはコンポーネント故障の場合に、電力生産、安全な動作停止、または他の動作を可能にし得る。
【0108】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による、分散位相制御および分散電力管理を有する、例証的配列500のブロック図を示す。配列400は、LEM502および504と、ACグリッド546と、グリッドタイインバータ542および544と、2つのDCバスと、位相制御システム510、512、514、516、522、524、526、および528とを含む。配列500は、単一のグリッドタイインバータの損失が対応するLEM(例えば、LEM502または504)の全ての位相に影響を及ぼし得るが、他方のLEMには影響しないという点で、配列400と異なる。図5に示されていないが、いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ542および544は、より小さい容量のグリッドタイインバータの形態で、位相制御システムの間に分散される、またはその一部として含まれてもよい(例えば、グリッドタイインバータ542および544は、いくつかの実施形態では、含まれる必要がない)。故に、そのような分散スキームにおけるグリッドタイインバータの損失は、LEMの1つの位相が故障した場合に、いくつかの位相が依然として動作することを可能にし得る。
【0109】
LEM502および504はそれぞれ、各位相が1つ以上の巻線を含む、複数の位相を含む。図5に示されるように、LEM502および504はそれぞれ、Nが3を上回る整数である、N個の位相を含む。例えば、LEM502は、位相506(すなわち、終了位相)と、位相508とを含む、N個の位相を含む。例えば、LEM504は、位相510(すなわち、終了位相)と、位相512とを含む、N個の位相を含む。LEM502および504の各位相は、位相制御システムに対応する。例えば、位相506、508、510、および512は、それぞれ、位相制御システム550、554、562、および566に対応する。
【0110】
位相制御システム550、552、554、556、562、564、566、および568は、対応する位相への電流の印加を管理するように構成される。各位相制御システムは、DCバスに結合される。例えば、第1のDCバスは、バス534およびバス536から形成される。さらなる実施例では、第2のDCバスは、バス538およびバス540から形成される。位相制御システム556は、リード518および520によってDCバスに結合される。位相制御システム568は、リード530および532によってDCバスに結合される。
【0111】
グリッドタイインバータ542および544は、個別のDCバスとACグリッド546との間の電力相互作用を管理するとともに、個別のDCバスの電圧および/または他の特性を管理するように構成される。図5に示されるようなACグリッド546は、3位相ACグリッド(例えば、480VAC3位相電力供給源)を含む。いくつかの実施形態では、単一のグリッドタイインバータが、両方のDCバスを管理するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ542および544のうちの一方のみが、含まれる。
【0112】
例えば、LEMあたりの複数の位相制御システムの使用は、単一の位相、位相制御システム、またはそのコンポーネントが部分または完全故障を受ける場合に、継続的動作を可能にし得る。例えば、位相506等の特定の位相の巻線が(例えば、鉄の心または他のコンポーネントに)短絡される場合、特定の位相は、対応する位相制御システム550が電流を印加することを止めることによって、単離され得る。そのような継続的動作は、位相短絡またはコンポーネント故障の場合に、電力生産、安全な動作停止、または他の動作を可能にし得る。
【0113】
グリッドタイインバータ542およびグリッドタイインバータ544のいずれかの故障の場合、LEM全体が影響を受ける(例えば、DCバスへのアクセスがない状態にされる)であろうが、他方のLEMは、DCバスへのアクセスを維持し得る。例えば、グリッドタイインバータ542が故障を被る場合、LEM502は、DCバスへのアクセスがない状態にされる。さらに、グリッドタイインバータ544が、依然として、動作可能である場合には、LEM504は、グリッドタイインバータ544の継続的動作から利益を受け得る。例えば、DCバスがないと、力が、LEM502のトランスレータに殆ど印加され得ないが、十分な力が、トランスレータの同期化(例えば、時間内にトランスレータの所望の軌道)を維持するためにLEM504のトランスレータに印加され得る。同期化は、例えば、機械的損傷、望ましくない機関挙動、または予測不可能な機関挙動を防止し得る。
【0114】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による、パーティション化されたDCバス608を伴って、LEM602、分散位相制御、および分散電力管理を有する、例証的配列600のブロック図を示す。配列600は、LEM602と、ACグリッド606と、グリッドタイインバータ604と、DCバス608、614、および616と、コンポーネント610および612と、位相制御システム616、618、620、622、624、および626とを含む。配列600は、グリッドタイインバータ604によって管理されるDCバス608が、コンポーネント610および612を使用する第1のDCバス614および第2のDCバス616に分割されるという点で、図4-5の配列400および500と異なる。DCバス608の電圧は、DCバス614および616に分散される。配列600は、本開示に従って、図6に示されるコンポーネントを繰り返すことによって、2つのLEMに拡張されてもよい。例えば、第2のグリッドタイインバータ、さらに2つのコンポーネント(例えば、コンポーネント610および612に類似する、または類似しない)、およびさらにN個の位相制御システムが、含まれてもよい。
【0115】
例証的実施例では、配列600は、グリッドタイインバータ604によって維持されるDCバス608を含んでもよいが、位相制御システムは、DCバス614および616から電力を供給される。いくつかの実施形態では、コンポーネント610および612は、例えば、DCバス608の電圧の公称上半分において動作するように構成されるエネルギー貯蔵デバイスを含む。例えば、DCバス614および616はそれぞれ、DCバス608が公称上760VDCであるときに、公称上380VDCであり得る。DCバス614と616との間の電圧平衡は、対応する位相(例えば、図6に示されるような奇数および偶数の位相)によって抽出されるエネルギーの一部を(例えば、連続的または断続的に)調節することによって、制御されてもよい。さらに、DCバス614と616との間の電圧平衡は、コンポーネント610と612と(例えば、いくつかの実施形態では380Vコンデンサバンク)の間にDC-DC変換器を追加することによって、制御されてもよい。
【0116】
LEM602は、各位相が1つ以上の巻線を含む、N個の位相を含む。例えば、いくつかの実施形態では、Nは、30またはそれを上回り得る。LEM602の各位相は、位相制御システムに対応する。例えば、位相651、652、653、654、655、657、および658は、それぞれ、位相制御システム616、618、620、622、624、および626に対応する。LEM602は複数の位相を伴って図示されているが、LEMは、1つの位相、または1つを上回る位相を含んでもよい。
【0117】
位相制御システム616、618、620、622、624、および626は、対応する位相への電流の印加を管理するように構成される。各位相制御システムは、隣接する位相が異なるDCバスに結合される、DCバス614または616のいずれかに結合される。例えば、図6に示されるように、位相651、653、および657が、DCバス614に結合される一方で、位相652、654、および658は、DCバス616に結合される。
【0118】
コンポーネント610および612は、DCバス614および616内の電力の変動に適応するように構成される。いくつかの実施形態では、コンポーネント610および612のいずれか一方または両方は、例えば、バッテリ、コンデンサ、コンデンサバンク、またはLEM602の動作に関連する時間尺度で電気エネルギーを貯蔵および放出するための任意の他の好適なデバイス等のエネルギー貯蔵デバイスを含んでもよい。
【0119】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、パーティション化されたDCバス746を伴って、LEM702および704、分散位相制御、および分散電力管理を含む、例証的配列700のブロック図を示す。配列700は、LEM702および704と、ACグリッド744と、グリッドタイインバータ742と、DCバス746、748、および750と、コンポーネント752および754と、位相制御システム710、712、714、716、722、724、726、および728とを含む。配列700は、特定のLEMの各位相が同一のDCバスに結合されるという点で、図6の配列600と異なる。例えば、LEM702に対応する位相制御システム710、712、714、および716が、DCバス748に結合される一方で、LEM704に対応する位相制御システム722、724、726、および728は、DCバス750に結合される。さらに、DCバス746は、バス738および740から形成される。
【0120】
例証的実施例では、配列700は、グリッドタイインバータ742によって維持されるDCバス746を含んでもよいが、位相制御システムは、DCバス748および750によって電力を供給される。例えば、DCバス748および750はそれぞれ、DCバス746が公称上760VDCであるときに、公称上380VDCであり得る。DCバス748と750との間の電圧平衡は、対応する位相(例えば、図7に示されるような特定のLEMの位相)によって抽出されるエネルギーの一部を(例えば、連続的または断続的に)調節することによって、制御されてもよい。さらに、DCバス748と750との間の電圧平衡は、コンポーネント752と754(例えば、いくつかの実施形態では、380Vコンデンサバンク)との間にDC-DC変換器を追加することによって、制御されてもよい。
【0121】
LEM702および704はそれぞれ、各位相が1つ以上の巻線を含む、Nが3を上回る整数である、N個の位相を含む。例えば、いくつかの実施形態では、Nは、30またはそれを上回り得る。LEM602の各位相は、位相制御システムに対応する。
【0122】
位相制御システム710、712、714、716、722、724、726、および728は、LEM702および704の対応する位相への電流の印加を管理するように構成される。各位相制御システムは、いずれかのLEM内の位相が同一のDCバスに結合される、DCバス748または750のいずれかに結合される。位相リード734および736は、リード730および732によってDCバス748に結合される、位相制御システム716に対応する。
【0123】
コンポーネント752および754は、DCバス748および750内の電力の変動に適応するように構成される。いくつかの実施形態では、コンポーネント752および754のいずれか一方または両方は、例えば、バッテリ、コンデンサ、コンデンサバンク、またはLEM702および704の動作に関連する時間尺度で電気エネルギーを貯蔵および放出するための任意の他の好適なデバイス等のエネルギー貯蔵デバイスを含んでもよい。
【0124】
図7に示されていないが、コンポーネント752と754との間のエネルギーの平衡を保つためのDC-DC変換器を含むことが所望され得る。例えば、LEM702および704のトランスレータの同期化を維持するときに、任意の時点でのエネルギー平衡は、必ずしも等しくはない。例証すると、より多くの電力が他方よりもLEM702および704の一方から抽出される場合、DCバス748および750を横断する電圧は、相互から分岐し得る。
【0125】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、例証的位相制御システム800のブロック図を示す。図8に例証的に示されるような位相制御システム800は、位相コントローラ802と、パワーエレクトロニクス804と、ブレーキ抵抗器806と、電力出力レベラ808と、グリッドタイインバータ810と、位置推定装置812と、電力供給源814とを含む。いくつかの実施形態では、各位相制御システム(例えば、位相制御システム800に類似する)は、多相LEMの単一の位相への電流の印加を制御する。さらに、各位相制御システムは、各位相制御システムに分散される全体的電気システムの要素を含んでもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ802は、対応する位相内の電流を制御するように構成される。いくつかの実施形態では、対応する位相に印加されるべき所望または命令される電流が、位相コントローラ802によってローカルで計算される。いくつかの実施形態では、対応する位相に印加されるべき所望または命令される電流は、全ての位相に印加されるべき電流を決定している、中央コントローラから通信される。例えば、対応する位相に印加されるべき所望または命令される電流は、測定された磁石またはトランスレータ位置を整合させるように、全LEM力(例えば、各位相によって印加される電磁力から合計される)達成するように、もしくは両方を行うように、決定されてもよい。いくつかの実施形態では、十分に高速のスイッチング周波数が使用される場合には、位相コントローラ802は、高帯域幅および高速スイッチング周波数を伴う単一のフィードバックループを実行してもよい。例えば、十分に高速のスイッチング周波数は、限定ではないが、以下の技法のうちのいずれか1つ以上のもの、すなわち、高速スイッチング半導体デバイス、ソフトスイッチングまたは共振変換器配列、もしくはそれらの組み合わせを使用して、達成されてもよい。例証的実施例では、高速スイッチングは、過電流または電流リップルを回避するために十分に高い周波数におけるスイッチングを指し得る。さらなる例証的実施例では、高速スイッチング周波数は、10kHzまたはそれよりも高速であり得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ802は、対応する位相内の磁束を感知するように構成される。例えば、位相コントローラ802は、位相の磁束を感知し、制御フィードバックとして感知された磁束を使用してもよい。いくつかのそのような実施形態では、位相コントローラ802は、電流センサを含む、または電流センサから入力を受信するように構成される必要はない。さらに、いくつかのそのような実施形態では、位相コントローラ802は、比較的に低減された性能、要件、費用、またはそれらの組み合わせを伴う電流センサを含む。例証的実施例では、位相コントローラ802は、測定された電圧Vおよび位相巻線の既知の巻数Nを使用して、関係
【化1】
に基づいて磁束を決定するように構成されてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、各位相に印加される電流、またはそれを横断して印加される電圧は、任意の好適な程度にローカルで(すなわち、位相制御システム800のインスタンスによって)制御される。いくつかの実施形態では、位相コントローラ802は、相電流上でローカル制御ループを実行してもよい。例えば、電流コマンドが、通信リンクを経由して中央コントローラから位相コントローラ802に通信されてもよい。通信リンクは、例えば、アナログ信号、デジタル信号(例えば、シリアル周辺インターフェース(SPI)を使用する)、CANbus信号、Modbus信号、イーサネット(登録商標)信号、任意の他の好適な信号、またはそれらの任意の組み合わせを通信するためのハードウェアおよびソフトウェアを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ローカル制御は、電流ループが高速(例えば、低消費時間)であるため、非常に高速である。制御機構の任意の好適な部分もまた、本開示に従って分散されてもよい。例えば、位置測定は、全位相に分散されてもよく、各位相コントローラ802は、所望の位置および力を決定し、パワーエレクトロニクス804によって印加され得る電流コマンドを決定してもよい。分散制御は、例えば、通信が位相制御システムと中央コントローラまたは位置測定システムとの間で失われる場合に、自動制動アルゴリズムを維持する(例えば、電力が抽出されることを可能にする)ことに適用可能である。
【0129】
いくつかの実施形態では、位相コントローラ802は、制御信号をパワーエレクトロニクス804に提供するように構成される。パワーエレクトロニクス804は、位相の位相リードに電気的に結合し、電流を位相に提供するように構成される。故に、パワーエレクトロニクス804は、DCバスおよび位相リードに関連するアンペア数およびボルト数において動作するように構成されるコンポーネントを含む。例えば、パワーエレクトロニクス804は、IGBT、MOSFET、母線、分路、(例えば、電流または電圧を測定するための)センサ、コンデンサ、ダイオード、任意の他の好適なコンポーネント、またはそれらの任意の好適な組み合わせであってもよい。位相コントローラ802は、位相リードおよびパワーエレクトロニクス804によって要求されるような大きい電流または電圧を電気的に管理する、もしくはそれと相互作用するように構成される必要はない。例えば、位相コントローラ802は、比較的に低いDC電圧(例えば、5VDC、12VDC、24VDC、48VDC)を使用して動作し、低電圧制御信号をパワーエレクトロニクス804に提供し、相電流および電圧を制御してもよい。いくつかの実施形態では、位相コントローラ802およびパワーエレクトロニクス804は、電流を制御し、位相に印加するように構成される、単一のモジュールに組み合わせられる、または統合されてもよい。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクス804は、1つを上回る位相の間で共有されてもよい。例えば、パワーエレクトロニクス804は、複数の電力回路を含み、複数の制御信号を受信するように構成され、電流を、1つを上回る位相に印加するように構成されてもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、位相制御システム800内のブレーキ抵抗器806の包含は、より小型で、場合により、より安価のブレーキ抵抗器が使用されることを可能にする。例えば、位相制御システムの間に分散される、いくつかの小型のブレーキ抵抗器および対応するトランジスタは、場合により、単一のより大型のブレーキ抵抗器および対応する大型の接触器よりも安価である。さらに、ブレーキ抵抗器システムの完全故障の可能性が、低減される。例えば、30個の位相制御システムがそれぞれ、ブレーキ抵抗器を有する場合、ブレーキ抵抗器のうちの1つが故障する場合において、依然として、エネルギー散逸のために(例えば、制動中の使用のために)29/30個のブレーキ抵抗器が存在している。これは、LEM全体のための単一のブレーキ抵抗器の故障の場合に関して、エネルギー散逸の0/30個のブレーキ抵抗器と比較して有利である。いくつかの実施形態では、ブレーキ抵抗器806は、緊急事態(例えば、グリッドタイインバータ810の損失等の故障)に応答して、電力をシンクし、トランスレータの運動を減速させるために使用される。いくつかの実施形態では、ブレーキ抵抗器806は(例えば、スイッチングのための対応するトランジスタとともに)、LEMの過渡的動作(例えば、高速負荷降下)のために迅速に電力を削減するために使用されることができる。例えば、限定されたDCバス静電容量が存在する、ある状況下で、接触器ではなく、トランジスタによって制御される、分散ブレーキ抵抗器は、単一のブレーキ抵抗器がLEM全体に使用された場合よりも良好なDCバス電圧の制御を提供する。ブレーキ抵抗器806は、任意の好適な抵抗を有し、任意の好適な電力散逸(例えば、抵抗によって乗算される電流の2乗)のために構成されてもよい。例えば、ブレーキ抵抗器806は、自由ピストン発電機のサイクル中に十分なエネルギーを散逸させ、安全な動作停止(例えば、あるサイクル数の経過にわたってトランスレータの運動を減速および停止させること)を可能にするように構成されてもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、位相制御システム800は、DCバス上により着実な電力出力を達成するための電力出力レベラ808を含んでもよい。例えば、DC-DC変換器とも称される電力出力レベラはさらに、2018年9月20日に出願された、代理人整理番号000102-0023-101を有する、「DC-DC CONVERTER IN A NON-STEADY SYSTEM」と題された、同一出願人による米国特許出願(その全体として本明細書に組み込まれる)に説明されている。例えば、自由ピストン発電機は、パルス電力プロファイルを出力してもよく、故に、より着実な電力出力をグリッドタイインバータ810に提供する、電力出力レベラ808から利益を受け得る。例証的実施例では、LEMの往復性質に起因して、LEMは、電力出力レベラ808の公称電力出力の約2倍である時間内の電力変動を呈し得る。例えば、本変動は、250~500kWの公称電力出力の間で起こり得る。いくつかの実施形態では、電力出力レベラ808は、有意な静電容量、またはDC-DC双方向変換器およびある程度の静電容量を含む。いくつかのそのような実施形態では、静電容量、DC-DC双方向変換器、または両方は、LEMに対応する各位相制御システムに分散されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コンデンサバンク、DC-DC変換器、または両方は、(例えば、位相制御システム800に類似するシステムの)1つ以上の相電流制御トランジスタを使用することが可能であり得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクス804が種々のバス電圧に耐え得ることを前提として、DCバス自体が、電気エネルギーを貯蔵および放出するために使用されることができる。エネルギーを貯蔵するためのDCバスの使用は、例えば、本開示に従って、グリッドタイインバータ810によって達成され得る。
【0133】
グリッドタイインバータ810は、ACグリッドとDCバスとの間の電気相互作用を管理するように構成される。いくつかの実施形態では、各位相制御システムは、グリッドタイインバータを含み、例えば、3位相480VAC電力を出力するように構成される。例えば、いくつかのそのような実施形態は、分散DCバスの必要性を妨げ、より安価かつ安全な分散AC電力の使用を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、位相制御システム800は、1つ以上の他の位相と共通DCバスを共有するのではなく、(すなわち、位相のための)ローカルDCバスを、グリッド相互作用のための480VAC3位相に直接変換するように構成される、トランジスタを含む。故に、DCバスは、位相の間で共有されてもよいが、その必要はない。いくつかの実施形態では、連続的である必要はない、いくつかの位相、もしくは2つ以上の異なるLEMからの位相は、共通DCバスを共有し、例えば、より一定のAC電力出力を可能にし得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクス804および電力出力レベラ808は、グリッドタイインバータ810によって管理されるDCバスに結合される。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクス804、電力出力レベラ808、およびグリッドタイインバータ810のうちのいずれかが、組み合わせられる、または統合されてもよい。いくつかの実施形態では、位相制御システム800は、バッテリバンクおよびバッテリ管理システムへの接続を含む。例えば、いくつかの実装では、バッテリは、電気エネルギー貯蔵を提供するために必要であり得る。各位相制御システムは、バッテリバンクへの接続、およびDC-DC変換器への接続を含んでもよい。いくつかの実施形態では、位相制御システム800は、バッテリバンクと、バッテリ管理システム(例えば、パワーエレクトロニクス804または電力出力レベラ808に統合される)とを含む。例えば、各位相制御システムは、(例えば、単一障害点を表す)複数の位相のDCバスの間で共有される、比較的により大型のバッテリに結合されるのではなく、比較的小型のバッテリを含んでもよい。
【0135】
位置推定装置812は、トランスレータ(例えば、ピストンの面の位置またはある他の好適な参照)またはその区分(例えば、磁石またはその極の位置、もしくはある他の好適な参照)の相対位置、絶対位置、または両方を推定するように構成される。位置推定装置812は、例えば、測定された電流、計算された電流、測定された電圧、計算された電圧、位相内の測定された電磁束、位相内の計算された電磁束、(例えば、エンコーダテープおよび好適なエンコーダ読取ヘッドを使用する)移動コンポーネントの測定された位置、任意の他の好適な情報、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて、位置を推定してもよい。
【0136】
いくつかの実施形態では、位置を推定または測定する中央アルゴリズムではなく、各位相制御システムが、位置を推定してもよい(例えば、位置推定装置812を含む)。故に、中央アルゴリズムは、いくつかの位相制御システムの間で分散されてもよい
【0137】
いくつかの実施形態では、複数の位相制御システム(例えば、それぞれ位置制御システム800に類似する)用の各位置推定装置(例えば、それぞれ位置推定装置812に類似する)は、分散位置推定装置に関与し得る。分散位置推定装置は、例えば、各対応する位相内の相電圧の感知に基づいて、位置を推定してもよい。いくつかのそのような実施形態では、専用位置センサが、含まれる必要はなく、したがって、位置センサの費用を節約し、信頼性の懸念を減じさせる。
【0138】
電力供給源814は、電流を対応する位相に印加することとは別として、位相制御システム800のコンポーネントに給電するように構成される。例えば、電力供給源814は、位相コントローラ802または位置推定装置812の機能、(例えば、パワーエレクトロニクス804、電力出力レベラ808、グリッドタイインバータ810、および位置推定装置812のための)診断、ブレーキ抵抗器806のために電力スイッチのオン/オフ、電力を要求する任意の他の好適なプロセス、またはそれらの任意の好適な組み合わせを処理するための電力を提供してもよい。いくつかの実施形態では、各位相制御システムは、電力供給源(例えば、電力供給源814に類似する)を含んでもよい。多くの事例では、多くのコンポーネントに供給する単一の電力供給源は、明確に異なる故障モードである。例えば、複数の位相のための全ての位相コントローラが、単一の電力供給源によって給電される場合、電力供給源の損失は、全ての位相コントローラのための電力の損失を意味するであろう。故に、いくつかの実施形態では、各位相制御システムは、DC電力供給源を含んでもよい。いくつかの実施形態では、限定数の位相制御システム(例えば、非包括的に1~N個、必ずしも連続位相に対応しない)が、DC電力供給源によって給電されてもよい。
【0139】
いくつかの実施形態では、位相制御システム800の好適なコンポーネントが、結合部850を介してグリッドに結合されてもよい。例えば、電力出力レベラ808、パワーエレクトロニクス804、グリッドタイインバータ810、またはそれらの組み合わせが、結合部850に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、結合部850は、AC電力(例えば、3位相480VAC)を伝送するケーブルまたはバスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合部850は、例えば、位相制御システム800から分離しているグリッドタイインバータを介してグリッドに結合され得る、DC電力を伝送するケーブルまたはバス(例えば、DCバス)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、グリッドタイインバータ810は、位相制御システム800内に含まれる必要はない。例えば、いくつかの実施形態では、結合部850は、位相制御システム800をDCグリッド、DC負荷、または他の好適なDC電気アーキテクチャに結合する。
【0140】
いくつかの実施形態では、位相制御システム800の好適なコンポーネントが、結合部852を介して、エネルギー貯蔵デバイス、DC-DC変換器、または両方に結合されてもよい。例えば、電力出力レベラ808、パワーエレクトロニクス804、グリッドタイインバータ810、またはそれらの組み合わせが、結合部852に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、結合部852は、AC電力(例えば、3位相480VAC)を伝送するケーブルまたはバスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、結合部850は、DC電力を伝送するケーブルまたはバス(例えば、DCバス)を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、結合部850および852は、(例えば、エネルギー貯蔵デバイスおよびDC-DC変換器が、DCバスに結合されるときに)組み合わせられてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、位相制御システム800の好適なコンポーネントが、位相リード854を介して、LEMの位相に結合されてもよい。例えば、パワーエレクトロニクス804、ブレーキ抵抗器806、または両方が、位相リード854に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、位相リード854は、位相制御システム800に対応する位相あたり2つの位相リードを含んでもよい(例えば、3つの位相の6つの位相リードが、位相制御システム800に対応する)。いくつかの実施形態では、位相リード854は、位相制御システム800に対応する位相あたり1つの位相リードを含んでもよい(例えば、6つのワイ接続位相の6つの位相リードが、位相制御システム800に対応する)。
【0142】
いくつかの実施形態では、位相制御システム800の好適なコンポーネントが、通信(COMM)リンク856に結合されてもよい。例えば、位相コントローラ802、パワーエレクトロニクス804、電力出力レベラ808、グリッドタイインバータ810、位置推定装置812、またはそれらの組み合わせが、COMMリンク856に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、COMMリンク856は、例えば、イーサネット(登録商標)ケーブル、シリアルケーブル、任意の他の好適な有線リンク、またはそれらの任意の組み合わせ等の有線通信リンクを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、COMMリンク856は、位相制御システム800のコンポーネントのポートにそれぞれ対応する、複数のケーブルを含む。いくつかの実施形態では、COMMリンク856は、例えば、WiFi伝送機/受信機、Bluetooth(登録商標)伝送機/受信機、任意の他の好適な無線リンク、またはそれらの任意の組み合わせ等の無線通信リンクを含んでもよい。COMMリンク856は、データ、メッセージ、信号、情報、またはそれらの組み合わせの伝送を可能にする、任意の好適な通信リンクを含んでもよい。いくつかの実施形態では、位相制御システム800は、通信リンク856を介して中央制御システムに結合される。例えば、いくつかの実施形態では、位相コントローラ802は、COMMリンク856を介して中央制御システムと通信する。
【0143】
図4-7の例証的配列400-700および図8の位相制御システム800は、ACグリッドと1つ以上のLEMとの間の電力相互作用を管理するために、本開示に従って使用されてもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、電子機器の分散は、ロバスト性および全体的システム信頼性を増加させる。
【0145】
いくつかの実施形態では、より多くのより小型のコンポーネントの使用は、量産原価が利用可能であることを可能にする。例えば、120個のパワーブレードが、2つのLEMを有するリニア発電機システムに使用される場合には、10,000個の単位価格表示が、100個のリニア発電機システムの構築時に達成される。
【0146】
いくつかの実施形態では、位相制御システムの1つ以上のコンポーネントは、より小型の半導体の使用を可能にし得る、(例えば、電流、電圧、または両方の観点からの)低減した電力定格を有する。費用利点および潜在的な効率利益に加えて、より小型の半導体の使用はまた、スイッチング周波数を増加させる可能性も提供する(例えば、概して、小口径半導体が、より高速である)。さらに、反応性要素(例えば、容量および電磁成分)は、スイッチング周波数が増加するにつれてサイズを減少させることができる。例えば、図4-7の配列に関して、各位相を別個に制御することは、反応性要素が位相制御システム内に含まれる、異なるトポロジの使用を直接可能にする。これは、各位相制御システムの性能、費用、または両方を改良し得る。加えて、各位相を制御するための位相制御システムの使用は、位相を横断してより平滑な電圧波形を提供し得、ひいては、LEM内の損失を低減させるであろう。さらに、位相制御システムトポロジは、電圧設定機能性を提供し得る。例えば、DCバスを横断する電圧が時間を変動させるシステムを考慮すると、これは、より高い逆EMFを伴うLEMの設計を可能にする。これは、低バス電圧構成の制約の除去に起因する。より高いDCバス電圧の使用は、電気損失(例えば、抵抗損失)を低減させる、より低いバス電流に対応する。例証的実施例では、標的電流を達成するために位相を横断して要求される電圧は、主に、逆emfおよびインダクタンスに基づく。逆emfは、電流からの力の生成に関連する(例えば、逆emfが大きいほど、単位電流あたりの力が大きくなる)。さらなる例証的実施例では、より大きいDCバス電圧は、位相巻線内のより多くの巻数(例えば、より大きい逆emfをもたらす)を可能にし得、これは、より小さい電流容量を有するスイッチ(例えば、より小型かつより安価なスイッチ)の使用を可能にし得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、スイッチング周波数の増加は、制御目的のためにより高い帯域幅を提供する。例えば、より高いスイッチング周波数が、要求されるセンサの数を削減し、したがって、費用を削減し、場合により、信頼性を改良しながら、位相コントローラの所望の制御可能性を維持するために、使用されてもよい。例証するために、相電流上の単一のフィードバックループが、2状態フィードバックループ(例えば、相電圧および相電流、または電流およびモード制御)の代わりに、使用されてもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、位相リードは、星形構成で配線されてもよい。例えば、ワイタイプ構成に関して、各位相からの1つの位相リードが、中性端子(例えば、相電流が合計でゼロになるように、正味ゼロ電流入力または出力を有する)を形成するようにともに結合されてもよい一方で、各位相制御システムは、制御された相電圧、したがって、電流を、対応する位相の他方のリードに印加する。いくつかのそのような実施形態では、DCバス電圧の一部のみ(例えば、バスと中性電圧との間の差)が、各位相を横断して印加するために利用可能であり得る。いくつかの実施形態では、位相リードの1つ以上のサブセットは、個別の中性端子(例えば、ともに結合され得るが、その必要はない)を有する、個別の星形構成で結合されてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、位相毎の位相リードは、独立構成で配線されてもよい。例えば、位相制御システムは、位相あたり完全Hブリッジを含んでもよく、(例えば、所望の電流をいずれかの方向に流動させるように)いずれかの方向に位相を横断して完全DCバス電圧を印加することが可能であり得る。これは、各位相に利用可能なより大きい電圧範囲、および他の位相からの完全制御独立を提供する。例えば、共通中性ワイ接続がないと、相電流は、合計でゼロになる必要はない。
【0150】
位相が独立構成で対応する位相制御システムに配線される、いくつかの実施形態では、位相制御システムは、任意の好適な様式(例えば、直列、並列、またはそれらの組み合わせ)で相互接続されてもよい。例えば、各位相制御システムは、DCバス電圧よりも低い電圧における電力を提供してもよい。本柔軟性は、システムの全体的費用および効率を最適化することを補助し得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、位相制御システムは、開放または短絡等の故障を検出し、故に、それ自体を遮断し(例えば、電流を対応する位相に印加しない)、残りのシステムを保護する。LEMは、LEMの位相が失われた場合に全体的電源能力の低減を被るであろうが、他の位相制御システムは、動作し続け得る。故に、LEMおよび位相制御システムの分散は、位相の損失に耐えるように構成されてもよい。例えば、全体的システムのための計画されたサービス間隔が存在する場合、故障した位相制御システムまたはそのコンポーネントは、緊急修理としてではなく、その時点で交換され得、リニア発電機は、その時点まで(例えば、場合により、低減した電力出力にもかかわらず)動作し続け得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、各位相制御システムは、対応するLEMまたはLEMから電力を抽出するように構成されてもよい。例えば、検出されたシステム故障、または制御システム、その一部、もしくは他の位相制御システムとの通信の損失の場合、位相コントローラは、対応する位相内の逆emf電圧の反対方向に電流を命令することによって、トランスレータの運動エネルギーからエネルギーを抽出しようとしてもよい(例えば、位相を使用してトランスレータ運動を制動する)。
【0153】
長い固定子と、短い磁石区分とを含む(例えば、位相が磁石区分を越えて空間的に延在する)、いくつかの実施形態では、例えば、いくつかの位相が、磁石進行の少なくとも一部に未使用である。例えば、磁石が位相の下にない(例えば、位相のうちの少なくともいくつかと軸方向に重複していない)とき、位相は、有意な方法で磁石区分と電磁的に相互作用しないであろう。行程中の特定の時点で、未使用の位相は、インダクタとして使用されてもよく、位相制御システムは、コンデンサ内にエネルギーを貯蔵し、または電力変換を実施して、DCバス電圧、バス電流、バス電力、またはそれらの組み合わせを調整することに役立つように構成されてもよい。故に、位相制御システムまたはその位相コントローラは、LEM内で電磁力を励起させること以外の他の目的のために、使用されてもよい。
【0154】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、相電流(すなわち、位相内の電流)を管理するための例証的プロセス900のフローチャートを示す。例えば、図8の位相コントローラ802または図4-7の位相制御システムのうちのいずれかは、例証的プロセス900のステップを実装するように構成されてもよい。以下の説明は、位相制御システムとの関連で含まれるが、任意の好適な制御回路を使用して実装されてもよい。例証的プロセス900は、例えば、同時または連続的に、複数の位相に対応する複数の位相制御システムによって実施され得ることを理解されたい。リニア多相電磁マシン(例えば、自由ピストン発電機)との関連で議論されているが、プロセス900は、任意の好適な多相電磁マシンに適用されてもよい。
【0155】
ステップ902は、位相制御システムがイベントを検出するステップを含む。イベントは、例えば、処理アルゴリズムのサンプル時間、信号(例えば、メッセージ、値、またはフラグ)の受信、信号を受信できないこと、コンポーネントの障害、測定された電圧内の特徴(例えば、パルスのエッジ)、アナログ信号、任意の他の好適なイベント、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、位相コントローラは、(例えば、位相コントローラ内に含まれるクロックから、または位相コントローラに通信されるクロック信号から)クロック信号の立ち上がりエッジを検出してもよい。さらなる実施例では、位相制御システムは、中央コントローラからのインジケーションであって、イベントであるインジケーションを受信してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、位相コントローラは、アルゴリズムを実行してもよく、イベントは、(例えば、制御スキームの一部として)電流コントローラを実行するインジケーションであってもよい。
【0156】
ステップ904は、位相制御システムが少なくとも1つの位相内の電流を感知するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ904は、位相コントローラが、位相コントローラに対応する少なくとも1つの位相内の電流を感知するように構成されるセンサから、入力信号を受信するステップを含む。例えば、ループタイプ誘導センサ、または高アンペア数精度抵抗器を横断する電圧測定が、信号を位相コントローラに提供するために使用されてもよい。さらなる実施例では、位相コントローラは、電流センサを含み得る、別のシステム(例えば、パワーエレクトロニクスシステム)から入力を受信してもよい。いくつかの実施形態では、位相コントローラは、1つ以上の物理的数量を感知し、これらの数量から電流を決定してもよい。例えば、位相コントローラは、好適な条件下で、磁束、相電圧、逆emf、または他の数量を感知し、これらの感知された数量とのその関係に基づいて、少なくとも1つの位相内の電流を決定してもよい。例証的実施例では、アナログ電流センサが、好適なサンプリングレートにおいて電流センサの出力をサンプリングし得る、位相コントローラのアナログ/デジタル変換器に結合されてもよい。センサは、例えば、位相制御システムの電力供給源によって給電されてもよい。
【0157】
ステップ906は、位相コントローラが制御信号を発生させるステップを含む。位相コントローラは、フィードバックループ制御アルゴリズム等のアルゴリズムを実行することによって、制御信号を発生させてもよい。いくつかの実施形態では、位相コントローラは、(例えば、アンペア単位の)所望の電流値を決定し、制御信号を発生させて、所望の電流値をパワーエレクトロニクスシステムに通信する。例えば、位相コントローラは、パルス幅変調(PWM)信号を発生させ、パワーエレクトロニクスシステム(例えば、IGBT、MOSFET、または他の高アンペア数スイッチングコンポーネントをアクティブ化し得る)に通信してもよい。さらなる実施例では、位相コントローラは、パワーエレクトロニクスシステム内に含まれる処理機器へのネットワーク接続を介して、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、伝送制御プロトコル(TCP)、または他の好適なプロトコルを使用して、所望の電流を示すメッセージを通信してもよい。さらなる実施例では、位相コントローラは、(例えば、CANbus、Modbus、SPI、または他の直列バスもしくは並列バスを介した)任意の好適な数の導体を含む、低電圧バスを使用して、所望の電流を示す制御信号を発生させてもよい。制御信号は、デジタル信号、アナログ信号、光学信号、任意の好適なフォーマットのメッセージ、任意の他の好適な信号、その任意の好適な変調、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含んでもよい。
【0158】
ステップ908は、パワーエレクトロニクスが、ステップ906の制御信号に部分的に基づいて、相電流を少なくとも1つの位相に印加するステップを含む。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスは、通信された電圧を位相リードに印加するように構成される、1つ以上のスイッチングコンポーネントを含む。例えば、いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスは、1つ以上のスイッチ(例えば、IGBT、MOSFET、SiCベースのMOSFETS、もしくは他の好適なコンポーネント)、または所定のスケジュールにわたってDCバスから少なくとも1つの位相の位相リードに電圧を印加し得る、任意の好適な配列(例えば、Hブリッジ、星形接続)に配列される任意の他の好適なスイッチングコンポーネントを含んでもよい。例証すると、制御信号は、PWM信号のデューティサイクルを示す時間周期にわたって(例えば、より長いデューティサイクルは、スイッチがより長い時間にわたってアクティブ化されるにつれて、より大きい相電流に対応する)好適な通信を伴って、スイッチを開閉するように構成されるPWM信号を含んでもよい。さらなる実施例では、いくつかの実施形態において、パワーエレクトロニクスは、スイッチのハーフブリッジを含んでもよく、位相リードは、ワイ接続されてもよく、パワーエレクトロニクスは、所定のスケジュールにわたって、DCバスの1つのバスから少なくとも1つの位相の位相リードに電圧を印加することができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、位相コントローラは、制御信号を発生させる際にLEMの全ての位相内の所望の電流を使用する。例えば、ワイ接続された位相を考慮すると、中性端子に接続される位相の全てのための電流は、合計でゼロでなければならない(すなわち、適用可能であるようなキルヒホッフの電流の法則によって)。故に、LEMに対応する全ての位相コントローラは、合計でゼロであるように制約される、所望の電流値を決定してもよい。
【0160】
図9との関連で、所望の電流値は、所望の相電圧または所望の電流を示し得る他の任意の他の値によって、置換または補完され得ることを理解されたい。例えば、位相コントローラは、所望の相電圧、所望のPWMデューティサイクル、所望の通信(例えば、正または負電流)、または任意の他の好適な値もしくは値の組合せを決定してもよい。さらなる実施例では、プロセス900の例証的ステップは、1つ以上の相電流を管理するように、通常動作、制動、または両方の間に実装されてもよい。
【0161】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ以上の故障した位相制御システムを管理するための例証的プロセス1000のフローチャートを示す。例証的プロセス1000のステップは、複数の位相制御システム、中央コントローラ、またはそれらの好適な組み合わせによって実施されてもよい。以下の説明は、任意の好適なコントローラまたは制御システム内に含まれ得る、制御回路を参照するであろう。いくつかの実施形態では、プロセス1000の例証的ステップは、障害(例えば、位相内の短絡、応答しない位相、位相の改変した性質)等のイベントを検出するステップに応答して、実施される。リニア多相電磁マシン(例えば、自由ピストン発電機)との関連で議論されているが、プロセス1000は、任意の好適な多相電磁マシンに適用されてもよい。
【0162】
ステップ1002は、制御回路が、位相制御システムまたはそのコンポーネントが故障したかどうかを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、各位相制御システムは、ステップ1002を実施してもよい。例えば、複数の位相制御システムは、相互と通信し、ローカル故障が起こった(すなわち、本位相制御システムが故障した)かどうかを(例えば、任意の好適な通信プロトコルを使用して)他の位相制御システムに示してもよい。例証すると、各位相制御システムは、故障が起こったかどうかを示すように構成され得る、ステータスインジケータを全ての他の位相制御システムに送信してもよい。さらに、インジケーションの非存在もまた、故障が起こったことを決定するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、中央制御システムは、各位相制御システムと通信し、(例えば、通信の欠如または故障の肯定的インジケーションによって)故障したかどうかを決定してもよい。いくつかの実施形態では、中央制御システム、1つ以上の位相制御システム、もしくはそれらの組み合わせは、LEMの動作条件の測定または計算された値に基づいて、位相制御システムが故障したことを決定してもよい。例えば、測定された電流、電圧、磁束、逆emf、他の信号、または信号の特徴が、特定の位相の故障を示す場合、対応する位相制御システムは、故障したと決定されてもよい。いくつかの実施形態では、短絡、開回路、熱劣化、または他の故障イベント等の位相の故障は、位相制御システムが故障したという決定を引き起こし得る。さらなる実施例では、グリッドタイインバータが故障したと決定される場合、制御回路は、故障したグリッドタイインバータに結合される任意の位相制御システムも故障したことを決定してもよい。故障イベントは、位相制御システムの任意のコンポーネント(例えば、図8のコンポーネントまたはシステムのうちのいずれか)、位相自体(例えば、位相の巻線、位相の相互接続、または位相の鉄の心)、位相リード、グリッドタイインバータ、DCバス、DCバスに結合されるリード、DC-DC変換器、センサ、通信リンク、コンポーネント(例えば、エネルギー貯蔵デバイス)、任意の他の好適なコンポーネントまたはシステム、もしくはそれらの任意の組み合わせの故障を含んでもよい。
【0163】
位相制御システムが故障していないことがステップ1002において決定される場合、位相制御システムは、例えば、図9のプロセス900を続けて実行する、または実行し続けてもよい。1つ以上の位相制御システムが故障したことがステップ1002において決定される場合には、制御回路は、ステップ1004に進んでもよい。ステップ1004は、制御回路が、故障した1つ以上の位相制御システムを識別するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1004は、ステップ1002と組み合わせられてもよい。例えば、少なくとも1つの位相制御システムが故障したという決定は、位相制御システムを識別するステップを含んでもよい。ステップ1004は、制御回路が、アドレス(例えば、故障した位相制御システムのIPアドレスまたは他の通信アドレス)、インデックス(例えば、故障した位相制御システムを示す整数)、位相インデックス(例えば、LEMの位相j)、シリアル番号、任意の他の好適な識別、またはそれらの任意の組み合わせを決定するステップを含んでもよい。
【0164】
ステップ1006は、制御回路が、少なくとも1つの故障した位相制御システムを単離するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1006は、位相コントローラが、ゼロ電流を示す信号(例えば、最小限のデューティサイクルを伴うPWM信号)を発生させるステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1006は、位相コントローラが、いずれの制御号も発生させることを止める(例えば、パワーエレクトロニクスとの通信を止める)ステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1006は、1つ以上のスイッチングコンポーネント(例えば、接触器、トランジスタ、または継電器)が、回路を開放し、それによって、故障した位相制御システムに結合される位相リードへのDCバス電圧の印加を防止するステップを含んでもよい。ステップ1006は、電気的単離を含み、それによって、電流が故障した位相制御システムによって印加されないように、電流が故障した位相に印加されないように、または両方を防止する。
【0165】
ステップ1008は、制御回路が、故障していない(例えば、依然として動作可能な)位相制御システムのための1つ以上の電流制約を修正するステップを含む。例えば、1つ以上の位相制御システムが故障した場合、残りの位相制御システムは、対応するLEMの継続的動作を可能にし得る。しかしながら、全ての位相制御システムが電流を対応する位相(例えば、ステップ1006からの単離された位相制御システム)に印加することができるわけではない場合、残りの位相制御システムによって印加される電流の量は、修正されてもよい。例えば、いくつかの位相が無効にされた状態で同一の電磁力を達成することは、残りの位相内の増加した電流の流動を要求し、位相の間の電流分布は、任意の好適な方法を使用して決定される。例証的実施例では、ワイ接続された位相を考慮すると、位相制御システムおよび対応する1つ以上の位相の単離は、残りの位相内の印加された電流が合計でゼロであることを要求する。いくつかの実施形態では、中央制御システム、位相コントローラ、または両方のいずれかによる電流の決定は、1つ以上の位相制御システムの単離を反映するように修正されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、故障した位相制御システムの識別および単離に続いて、残りの位相制御システムは、残りの位相制御システムのみに基づいて、プロセス900を実施してもよい(例えば、いかなる電流も故障に対応する位相に印加しない)。障害イベントが検出される度に、電流の決定はさらに、対応する位相制御システムの単離を反映するように制約されてもよい。さらに、LEMが動作することを止める(例えば、自動制御を開始する)べきであるとステップ1008において決定されてもよい。例えば、故障した位相制御システムに対応する十分な数の位相が、(例えば、ステップ1006における)単離に起因して電流を印加させることができない場合、制御回路は、継続的動作が安全ではない、非効率的である、または別様に望ましくないと決定し、故に、LEMの動作停止(例えば、対応するトランスレータの運動を減速または停止させることを含む)を管理してもよい。十分な数の位相は、所望の電磁力が達成されることができないこと、所望のトランスレータ位置が到達されることができないこと、または別様にシステムの性質が所望の値を達成できないことによって決定され得る。
【0166】
図9-10のステップまたは説明は、本開示の任意の他の実施形態と併用され得ることが考慮される。加えて、図9-10に関連して説明されるステップおよび説明は、本開示の目的を促すために、代替順序で、または並行して、行われてもよい。さらに、これらのステップはそれぞれ、システムまたは方法の遅延を低減させる、もしくは速度を増加させるように、任意の順序で、または並行して、もしくは実質的に同時に実施されてもよい。これらのステップのうちのいずれかはまた、プロセスから好適に抜かされる、または省略されてもよい。さらに、図1-8に関連して議論される好適なデバイスまたは機器のうちのいずれかは、図9-10におけるステップのうちの1つ以上のものを実施するために、単独で、または一斉に使用され得ることに留意されたい。
【0167】
制動との関連で説明される、図11-31の例証的プロセスおよびシステムのうちのいずれかは、電磁マシンの1つの位相、電磁マシンの1つを上回る位相、1つを上回る電磁マシンの位相(例えば、対向トランスレータと関連付けられる固定子)、またはそれらの任意の組み合わせに適用されてもよい。さらに、制動技法は、1つの位相または1つを上回る位相を有する、電磁マシンに適用されてもよい。図1-10に示される例証的技法、システム、および構成のうちのいずれかは、本開示の制動プロセスのうちのいずれかを実装するために使用されてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、制御システムは、動作中にイベントを検出し、トランスレータを制動するための電磁技法を決定し、好適な時間周期にわたって動作停止させる、減速させる、または移動を停止させてもよい。図11は、本開示のいくつかの実施形態による、自動制動のための例証的プロセス1100のフローチャートを示す。例証的プロセス1100のステップは、1つ以上の位相制御システム、中央コントローラ、もしくはそれらの好適な組み合わせによって実施されてもよい。以下の説明は、任意の好適なコントローラまたは制御システム内に含まれ得る、制御回路を参照するであろう。
【0169】
測定1101は、センサ信号、センサ信号から導出されるメトリック、モデルの出力(例えば、オブザーバの出力または物理的数量もしくは動作パラメータの推定)、動作パラメータを示す任意の他の好適な値またはメトリック、もしくはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ステップ1102は、制御回路が、イベントを検出する、または別様にイベントが起こったことを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、イベントは、障害イベントまたは故障イベントを含んでもよい。制御回路がステップ1102においてイベントを検出したかどうかに応じて、制御回路は、制動プロセス1106または通常動作1104のいずれかに進んでもよい。通常動作1104は、イベントが検出されなかったときに実施される例証的プロセスである。制動プロセス1106は、イベント(例えば、自動制動を要求する障害)が検出されることに応答して実施される例証的プロセスである。いくつかの実施形態では、制御回路は、障害のタイプ、1つ以上の動作パラメータに関する可用性情報(例えば、存在する場合、動作パラメータに関して利用可能である情報の内容)、通信の損失、任意の他の好適な障害、またはそれらの任意の組み合わせを決定してもよい。例証的実施例では、制御システムは、ステップ1102を繰り返し実施し、障害をチェックし、障害が検出されるまでステップ1104を実施してもよい。ステップ1106は、相電流を決定するためのアルゴリズムを修正するステップ、相電流への制約を変更するステップ、制動と関連付けられる所望の位置情報(例えば、短縮された行程長および低減されたトランスレータ速度)を決定するステップ、制動と関連付けられる所望の力情報(例えば、トランスレータに印加される所望の制動力、1つを上回るトランスレータに印加される同期化制動力)を決定するステップ、任意の他の好適な修正、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、障害のタイプに基づいて、制動アルゴリズムを決定してもよい。例えば、位置情報が利用可能であり、電流情報が利用可能である場合、制御回路は、所望の標的位置を調節してトランスレータを減速させながら、通常動作中として相電流を決定し続けてもよい。さらなる実施例では、位置情報が利用不可能である場合、制御回路は、位置推定またはemf極性推定を実施し、相電流を決定してもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、プロセス1100は、1つを上回るコントローラまたは制御システムによって実装されてもよい。例えば、通常動作(例えば、ステップ1104)中に、第1のコントローラが、使用されてもよく、制動(例えば、ステップ1106)中に、第2のコントローラが、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、制動のためにアクティブ化されるコントローラは、通常動作のために使用されるコントローラよりも比較的に単純であり得る(例えば、あまり計算上複雑ではない)。制動が、効率的である、精密である、または動作パラメータ値の非常に厳密な許容差を含むことを要求されない動作条件を伴い得るため、関連付けられるコントローラまたは制御システムは、比較的により少ないパラメータ、比較的により少ないコマンドを含む、または別様により単純に動作するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、制動中に使用されるコントローラは、関連付けられる電力供給源、関連付けられる通信リンク、関連付けられるプロセッサ、任意の他の関連付けられるまたは専用機器、もしくはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。いくつかの実施形態では、通常動作および制動のための別個の制御システムは、冗長性を提供する。例えば、通常動作制御システムの障害の場合、制動制御システムは、機能的であり、1つ以上のトランスレータを制動することが可能なままであってもよい。いくつかの実施形態では、1つの制動コントローラ、または1つを上回る制動コントローラが、含まれてもよい。例えば、各位相、モータ、または他の好適なハードウェア群は、関連付けられる個別の制動コントローラを有してもよい。
【0171】
いくつかの実施形態では、プロセス1100は、単一の制御システムによって実装される1つを上回る制御アルゴリズムを含んでもよい。例えば、通常動作(例えば、ステップ1104)中に、第1のアルゴリズムが、使用されてもよく、制動(例えば、ステップ1106)中に、第2のアルゴリズムが、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システムは、フラグ、状態マシン(例えば、システム状態を管理するように構成される)、またはアルゴリズム状態を管理するための他の好適な管理機構を実装してもよい。
【0172】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの位相1240に結合されるパワーエレクトロニクスシステム1230を含む、例証的配列1200を示す。配列1200は、(例えば、図12に明示的に示されていない、多相電磁マシン1297の)位相1240内の電流を制御するように構成され得る、モータコントローラ1260、センサ1250、微分器1260、および比較器1270を含む。いくつかの実施形態では、センサ1250は、電流センサを含んでもよく、微分器1280および比較器1270は、感知された電流の導関数の符号を決定するために使用されてもよい。
【0173】
いくつかの実施形態では、微分器1280、比較器1270、または両方は、ハードウェアに埋め込まれる。例えば、微分器1280は、演算増幅器、コンデンサ、および抵抗器を含む、アナログ回路を使用して、実装されてもよい。さらに、比較器1270は、演算増幅器を含む、アナログ回路を使用して、実装されてもよい。故に、例えば、センサ1250からの信号は、微分器1280によって微分され、微分された値の符号を決定するようにVref1274(例えば、0ボルトであり得る)と比較されてもよい。例証すると、微分された信号がVref1274を上回る場合には、比較器1270は、デジタル高(例えば、2進法で「1」)を出力してもよく、逆に、微分された信号がVref1274未満である場合には、比較器1270は、デジタル低(例えば、2進法で「0」)を出力してもよい。いくつかの実施形態では、Vref1274は、モータコントローラ1260によって提供されてもよい。いくつかの実施形態では、Vref1274は、接地(例えば、シャシ)であってもよい。Vref1274は、任意の好適な基準電圧を含んでもよい。
【0174】
いくつかの実施形態では、微分器1280、比較器1270、または両方は、(例えば、モータコントローラ1260の)ソフトウェアで実装される。例えば、位相リード1242内の瞬時電流を示し得る、センサ1250からの信号は、モータコントローラ1260において受信されてもよい。モータコントローラ1260は、信号を処理し、1つ以上の信号動作を適用し、またはそれらの組み合わせを行い、信号の導関数を示す値を決定し、次いで、値を基準値と比較してもよい。いくつかの実施形態では、モータコントローラ1260は、履歴値を記憶してもよく、履歴値の加重された組み合わせに基づいて導関数の符号を推定してもよい。例えば、任意の好適な数値技法が、本開示に従って、測定された電流の導関数の符号を推定するために使用されてもよい。
【0175】
センサ1250は、位相リード1242の電気パラメータを感知するための任意の好適なセンサを含んでもよい。図12に示されるように、センサ1250は、位相リード1242内の瞬時電流を示す信号を出力するように構成され得る、ループ電流センサを含んでもよい。しかしながら、任意の好適なセンサが、本開示に従って使用されてもよい。例えば、センサ1250は、位相リード1242および1244、位相リード1242または1244のいずれか一方および接地、もしくはそれらの任意の組み合わせの間の相電圧を測定するように構成される、電圧センサを含んでもよい。
【0176】
いくつかの実施形態では、配列1200の1つ以上のコンポーネントは、群化される、統合される、または別様に組み合わせられてもよい。例えば、システム1290は、(例えば、ハードウェアまたはソフトウェア内の)統合型システムとして実装され得る、モータコントローラ1260、比較器1270、および微分器1280を含む、例証的群化を示す。例証すると、いくつかの実施形態では、図3の制御システム350は、システム1290を含む。さらなる実施例では、システム1295は、相互接続1298を介して多相電磁マシン1297に結合される統合型システムとして実装され得る、パワーエレクトロニクスシステム1230、センサ1250、および位相リード1242および1244を含む、例証的群化を示す。例証すると、いくつかの実施形態では、図3のパワーエレクトロニクスシステム330は、システム1295を含む(例えば、故に、センサ1250は、パワーエレクトロニクスシステム1230に結合されてもよい)。システム1290および1295は、例証的であり、任意の好適な群化または統合が、本開示に従って使用され得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、システム1290は、含まれる必要がなく、センサ1250は、パワーエレクトロニクスシステム1230、制御システム、サブシステムまたはモジュール、もしくはそれらの組み合わせに結合される。
【0177】
以下の方程式1は、位相が短絡されていないときに、位相jのための相電圧V(すなわち、パワーエレクトロニクスシステム1230における位相リード1242および1244を横断して測定される、位相jを横断した電圧降下)、(例えば、センサ1250によって測定されるような)位相jのための電流i、位相j内の抵抗R、位相j内のインダクタンスL(例えば、位置、磁束、電流、および/または他のパラメータに依存し得る、位相1297の巻線のインダクタンス)、位相j内の電流iの時間導関数、位相j内の力定数k(例えば、位置、磁束、電流、および他のパラメータに依存し得る)、およびトランスレータ速度(例えば、位相jと電磁的に相互作用するトランスレータ)が関連する方法の例証的実施例を提供する。
【化2】
方程式1の右辺(RHS)上の第1の項は、位相j内の抵抗電圧降下を表し、RHS上の第2の項は、位相j内の誘導電圧降下を表し、RHS上の第3の項は、(例えば、トランスレータの運動からの)逆emfを表す。
【0178】
方程式2は、位相が短絡されている(例えば、位相リード1242および1244がパワーエレクトロニクスシステム1230においてともに接続される)ときに、位相j(例えば、位相1297)のための逆emf、位相j内のインダクタンスL、および位相j内の電流iの時間導関数が近似的に関連する方法の例証的実施例を提供する。方程式2は、Vphase,jをゼロとして定義し(例えば、位相リードが短絡される)、抵抗電圧降下項を無視することによって、方程式1から達し得ることに留意されたい。
【化3】
方程式3は、k vが逆emfである、方程式2を代数的に再配列することに起因する。方程式3は、逆emfの符号が、電流内の導関数の符号から概算され得る(例えば、それらが方程式3では反対の符号を有する)ことを示す。
【0179】
以下の方程式4は、位相jが電流を有していない(例えば、位相リード1242および1244がパワーエレクトロニクスシステム1230において相互またはバスに接続されていない)ときに、位相jのための相電圧V(すなわち、位相jを横断する電圧降下)および逆emfが関連する方法の例証的実施例を提供する。例えば、方程式4aは、パワーエレクトロニクスシステムがゼロの電流を印加しようとするとき、または対応するスイッチ(例えば、位相リードをバスまたは中性端子に結合する)が全くアクティブ化されない場合に、関連し得る。さらなる実施例では、方程式4bは、パワーエレクトロニクスシステムがDC電流を印加しようとするときに関連し得る(例えば、これは、抵抗Rが小さい場合に方程式4aまで簡略化する)。
【化4】
【0180】
いくつかの実施形態では、コントローラは、emfを示す極性に基づいて、制御信号を決定するように構成されてもよい。図13は、本開示のいくつかの実施形態による、制御信号1350を決定するための例証的コントローラ1300を示す。コントローラ1300は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装されてもよい。コントローラ1300は、制御信号1350が電流を位相jに印加するようにパワーエレクトロニクスにダイレクトするように構成され得る、位相jの観点から下記に説明されるであろう。いくつかの実施形態では、コントローラ1300によって実施されるアクションは、多重化されてもよい(例えば、値のベクトルが、モジュールに沿ってパスされ、制御信号1350は、多重化信号である)。いくつかの実施形態では、コントローラ1300に類似するコントローラのセットが、含まれ、それぞれは、制御信号を個別のパワーエレクトロニクスに出力し、電流を個別の位相に印加してもよい。例証的実施例では、コントローラ1300は、図3に示される制御システム350等の処理機器上にリアルタイムで実装されてもよい。図13に関する以下の議論は、簡単にするために、順序論理および動作の観点からであろうが、任意の好適な計算配列を使用して実装されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ1300は、制動電流(例えば、トランスレータ上に電磁力を引き起こし、トランスレータの運動に対抗する相電流)を印加することによって、トランスレータを制動するために構成される。
【0181】
測定された電流1304は、任意の好適なハードウェアまたはソフトウェアから受信されてもよい。例えば、電流センサからの信号は、固定サンプリング周波数において測定された電流1304を提供し得る、制御システムのアナログ/デジタル変換器に提供されてもよい。
【0182】
短絡波形1302は、例えば、位相が時間内に短絡されるものであるときを定義する恣意的信号を出力するように構成されてもよい。例えば、波形1301は、位相jを短絡させるためのスケジュールを示す、高い値(例えば、短絡させる)および低い値(例えば、短絡させない)を含む。
【0183】
インバータ1306は、短絡波形1302の出力を反転させるように構成されてもよい。例えば、波形1301が高いとき、インバータ1306は、低を出力してもよく、波形1301が低いとき、インバータ1306は、高を出力してもよい。
【0184】
電流ラッチ1308は、インバータ1306の出力が高いときに、最新の測定された電流1304値を出力してもよく、インバータ1306の出力が低いときに、固定値(例えば、最後の値)を出力してもよい。
【0185】
電流差ラッチ1310(すなわち、ラッチ1310)は、短絡波形1302の出力が高いときに、測定された電流1304とラッチ1308のラッチ出力との間の最新の差を出力するように構成されてもよく、短絡波形1302の出力が低いときに、固定値(例えば、最後の値)を出力してもよい。
【0186】
最大電流1312は、最大所望電流の一定の値(例えば、350アンペア)、種々の値(例えば、他のパラメータに依存する)、または任意の他の好適な値を含むように構成されてもよい。例えば、最大電流1312は、パワーエレクトロニクス、多相電磁マシン、または両方の能力に対して制動中に位相jに印加されるべき最大安全電流値を含んでもよい。
【0187】
符号1314は、入力の符号に基づいて、正または負の基準値のいずれかを出力するように構成されてもよい。例えば、ラッチ1310の出力が正である場合、符号1314は、正の1を出力してもよい一方で、ラッチ1310の出力が負である場合、符号1314は、負の1を出力してもよい。故に、符号1314は、符号を留保しながら(例えば、または符号1314が反転される場合、符号の反対を留保しながら)ラッチ1310の出力を正規化するために使用されてもよい。
【0188】
乗算器1316は、最大電流1312および符号1314の出力を乗算し、制動のために所望の符号の最大電流を発生させるように構成されてもよい。
【0189】
加算1318は、乗算器1316の出力および測定された電流1318を組み合わせ、誤差または差信号を発生させるように構成されてもよい。誤差信号は、測定された電流が所望の最大電流と異なる程度を示し得る。図13に示されるように、加算1318は、乗算器1316の出力を測定された電流1304の負の数と組み合わせる(すなわち、乗算器1316の出力から測定された電流を減算する)。
【0190】
利得1320は、一定であり得る、または他のパラメータに依存し得る、倍数によって、加算1318の出力を乗算するように構成されてもよい。例えば、利得1320は、P制御(例えば、比例コントローラ)を示す定数によって加算1318の出力を乗算してもよい。
【0191】
飽和1322は、乗算器1324の前に利得1320の出力を限定するように構成されてもよい。例えば、飽和1322は、所定の最大値と所定の最小値との間の値に利得1320の出力を限定してもよい。飽和1322は、明確に定義されていない、危険な、または合理的ではない値が乗算器1324に伝搬しないように防止するように構成されてもよい。
【0192】
乗算器1324は、インバータ1306の出力によって飽和1322の出力を乗算するように構成されてもよい。故に、短絡波形1302が高を出力する(例えば、短絡させる)場合には、乗算器1324は、ゼロを出力し(すなわち、飽和1322の出力によって乗算されるゼロがゼロであり)、短絡させるときに制御信号が出力されない(例えば、制御信号1350が、非アクティブである)。また、短絡波形1302が、低を出力する(例えば、短絡させない)場合には、乗算器1324は、飽和1322の出力を出力し、制御信号1350は、短絡させないときに(例えば、相電流が所望され得るときに)アクティブである。
【0193】
制御信号1350は、位相j内の電流の印加を引き起こすように、例えば、パワーエレクトロニクスに出力されてもよい。例証的実施例では、制御信号1350は、スイッチ(例えば、(例えば、IGBT、MOSFET、または任意の他の好適なデバイス)のための「オン」時間を規定する、対応するデューティサイクルを伴って、PWM信号を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御信号1350は、位相jへの電流の印加を引き起こすための1つを上回る信号を含んでもよい。例えば、ワイ接続された位相に関して、制御信号1350は、(例えば、IGBT、MOSFET、または他のコンポーネントのセットを使用して)位相リードをDCバスの高バスまたは低バスに接続するための信号を含んでもよい。
【0194】
短絡波形1302が、低い値を出力する(例えば、短絡されない)場合、ラッチ1308は、アクティブであり、ラッチ電流の値(すなわち、ラッチ1308の出力としての「ILAST」)は、ラッチ1310において更新される。しかしながら、ラッチ1310は、アクティブではなく、固定(すなわち、ラッチ)値を出力する。インバータ1306の出力は、高く、故に、制御信号1350は、アクティブであり、所望の符号を有する、最大電流1312を示す制御信号を出力する。図13に示されるように、符号1314は、ラッチ1310がアクティブではないときに値を変化させないことに留意されたい。
【0195】
短絡波形1302が、高い値を出力する(例えば、短絡される)とき、ラッチ1308は、非アクティブであり、ラッチ電流(すなわち、ラッチ1308の出力)は、ラッチ1310において更新されない。しかしながら、ラッチ1310がアクティブであるとき、測定された電流1304とラッチ1308が非アクティブである前からのラッチ電流との間の差を出力する(すなわち、差が更新されている)。インバータ1306の出力は、低く、故に、制御信号1350は、非アクティブであり、制御信号は、出力されない。図13に示されるように、ラッチ電流は、ラッチ1308がアクティブではないときに値を変化させないことに留意されたい。
【0196】
短絡状態と非短絡状態とを繰り返すことによって、コントローラ1300は、所望の符号を有する、最大所望電流を印加し、多相電磁マシンのトランスレータを制動してもよい。短絡するとき、コントローラ1300は、測定された電流(例えば、また、逆emf)の導関数についての情報を更新する。短絡しないとき、コントローラ1300は、適切な符号を有する、最大所望制動電流の印加を引き起こす。
【0197】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、図13のコントローラ1300の出力を処理するための例証的コントローラ1400を示す。議論の目的のために、コントローラ1400は、パワーエレクトロニクスシステムおよび多相電磁マシンの簡略化された表現を提供し得る。コントローラ1400の説明は、制御信号をパワーエレクトロニクスに印加し、位相内の電流の印加を引き起こし、トランスレータを制動することの例証的結果を提供することを意図している。制御信号1408は、図13の制御信号1350に類似し得るが、同じである必要はない。図15-16内に提供されるプロットは、例えば、コントローラ1400およびコントローラ1300から導出され得、コントローラ1400によって近似的にモデル化され得る多相電磁マシンを示し得る、情報を例証する。
【0198】
逆emf1420は、例えば、乗算器1406によって乗算されるような、トランスレータ速度1402および力定数1404の積として、推定されてもよい。
【0199】
相電圧1430は、制御信号1408によって乗算される比例係数として推定される。例えば、制御信号1408がPWM信号である場合、相電圧1430は、PWMデューティサイクルに比例し得る(例えば、完全デューティサイクルは、完全DCバス電圧またはバスライン・中性端子間相電圧に対応する)。図14に示されるように、相電圧「VPHASE」は、利得1410における制御信号1408から決定される。
【0200】
位相j内の電流1422(例えば、図13では測定された電流1304の推定値としての役割を果たし得る)は、加算1414、利得1416におけるインダクタンスLによる除算、および積分1418(例えば、電流の時間導関数を電流1422に変換する)において実施される、電圧総和に基づいて決定される。図14に図示されるようなコントローラ1400は、方程式1によって表されるものに類似する算出を実施するが、電流1422について解法する。
【0201】
位相Iからの瞬時電気電力は、瞬時電流1422および相電圧1430を乗算する、乗算器1424の出力として求められる。累積エネルギー1428は、好適な始点からの瞬時電力の積分器1426を介した時間積分である。
【0202】
図15-16は、データおよび例証的モデル値を使用する、図14のコントローラ1400の例証的出力を示す。コントローラ2200および1400、および図15-16に示されるプロットは、例証的にすぎず、本開示による実施例を提供するように含まれることを理解されたい。
【0203】
図15は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンに対応する例証的エネルギーメトリックのプロット1500を示す。プロット1500に示されるメトリックは、制動中にトランスレータから除去される累積エネルギーである。示されるように、エネルギーの殆どは、約1つの時間尺度1502(すなわち、時間の単位測定値)内に除去される。時間尺度1502は、任意の好適な時間周期、行程の数、サイクルの数、クロックパルス、サンプリング点、または他の進行変数であってもよい。いくつかの実施形態では、制動は、比較的に迅速に(例えば、1つの行程またはいくつかの行程内に)起こってもよく、制動力は、比較的により大きくあり得る(例えば、通常動作中に印加される電磁力よりも大きい)。いくつかの実施形態では、制動は、比較的にゆっくりと(例えば、多くの行程の経過にわたって)起こってもよく、制動力は、比較的により小さくあり得る(例えば、通常動作中に印加される電磁力に類似する、またはそれよりもよりも小さい)。
【0204】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの位相に対応する、例証的信号のプロット1610および1620を示す。プロット1610は、パルスが短絡に対応する(例えば、高いときに短絡し、低いときに短絡しない)、例証的短絡波形1611を示す。プロット1620は、短絡波形に対応する例証的相電流1621およびemf1622を示す。いくつかの実施形態では、短絡波形1611のパルスの周波数は、相電流またはemfの極性変化の周波数よりも高い。
【0205】
図17は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの1つ以上の位相内の電流を管理するための例証的プロセス1700のフローチャートを示す。プロセス1700は、通常動作および制動プロセスを含む、図11のプロセス1100の例証的実施例である。
【0206】
ステップ1702は、制御回路が、イベントを検出する、または別様にイベントが起こったことを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、イベントは、障害イベントまたは故障イベントを含んでもよい。例えば、障害イベントは、制御システム(例えば、図3の制御システム350)内の通信の損失を含んでもよい。さらなる実施例では、障害イベントは、多相電磁マシン(例えば、図3の多相マシン340)内の位相の意図的ではない短絡を含んでもよい。さらなる実施例では、障害イベントは、制御システムによって受信されるようなセンサ(例えば、エンコーダ、相電流センサ、またはDCバス電圧センサ)からの信号の損失を含んでもよい。さらなる実施例では、障害イベントは、その間に制動が所望される、制御システムからの「停止」へのモード変更を含んでもよい。さらなる実施例では、障害イベントは、制御システムまたは位相制御システムからのPWM制御またはそのPWM信号の損失を含んでもよい。さらなる実施例では、障害イベントは、DCバスの損失(例えば、DCバス電圧の損失)、DCバスの制御の損失、DCバスに結合されるコンポーネント(例えば、エネルギー貯蔵デバイス)の損失を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、診断のセットを実施すること(例えば、信号がリフレッシュしていることをチェックすること、センサが信号を提供していることをチェックすること、システムおよびサブシステムの間の全ての通信が起こっていることをチェックすること)によって、イベントが起こったことを決定してもよい。
【0207】
制御回路がステップ1702においてイベントを検出したかどうかに応じて、制御回路は、プロセス1750(例えば、ステップ1704)またはプロセス1770(例えば、ステップ1710)のいずれかに進んでもよい。プロセス1770は、イベントが検出されていない(例えば、通常動作)ときに実施される例証的プロセスである。プロセス1750は、イベントが検出されること(例えば、自動制動を要求する障害)に応答して実施される例証的プロセスである。
【0208】
ステップ1704は、制御回路が位相jを短絡させるかどうかを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1704は、多相電磁マシンの全ての位相に関して繰り返される。いくつかの実施形態では、制御回路は、短絡波形に基づいて位相jを短絡させるかどうかを決定する。例えば、短絡波形は、一連の2進値を含んでもよく、値が0または1であるかどうかに応じて、制御回路は、位相jを短絡させるかどうかを決定してもよい。
【0209】
ステップ1706は、制御回路がパワーエレクトロニクスシステムを介して短絡プロセスを発生させるステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに伝送し、位相jを短絡させる。ステップ1706は、例えば、制御回路が、好適な接触器を切り替えて位相jを短絡させるために、制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに送信するステップ、制御回路が、好適なトランジスタを切り替えて位相jを短絡させるために、制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに送信するステップ、位相j内の電流を示す測定を実施するステップ、位相j内の電圧を示す測定を実施するステップ、位相I内の磁束を示す測定を実施するステップ、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ1704に戻る前に、所定の時間周期にわたって短絡プロセス1706を維持する。いくつかの実施形態では、制御回路は、制御回路が位相jを短絡させないことを決定するまで、連続的に(例えば、制御ループ内で)ステップ1704および1706を繰り返してもよい。パワーエレクトロニクスシステムは、デジタル信号(例えば、2進法の0または1、PWM信号、パルス信号)、メッセージ(例えば、イーサネット(登録商標)を経由して伝送されるUDPまたはTCPメッセージ)、アナログ信号(例えば、アナログ電圧または電流信号)、任意の他の好適な信号、その変調、またはそれらの任意の組み合わせの形態であり得る、制御信号を受信するように構成されてもよい。
【0210】
ステップ1708は、制御回路がパワーエレクトロニクスシステムを介して制動プロセスを発生させるステップを含む。制御回路が位相jを短絡させないことをステップ1704において決定するとき、所望の相電流が、決定されてもよく、所望の相電流を示す制御信号が、パワーエレクトロニクスシステムに伝送されてもよい。応答して、パワーエレクトロニクスシステムは、例えば、電流を位相jに印加し、トランスレータの運動の方向と反対の方向へトランスレータ上に電磁力を印加することによって、トランスレータの制動を引き起こしてもよい。制動プロセスは、電流および相電圧(例えば、またはPWMコマンド)の積が負であるように、電流を位相に印加するステップを含む。印加された電流の規模は、例えば、最大絶対値、公称値、他の動作パラメータに基づいてリアルタイムで決定される値を含む、任意の好適な値であり得る。例証的実施例では、電流の規模は、結果として生じる電磁力を閾値内で保つように、パワーエレクトロニクスシステムの能力、コンポーネントまたは材料の最大電流定格、もしくは最大電流値に照らして、最大安全値として決定されてもよい。
【0211】
いくつかの実施形態では、ステップ1706およびステップ1708を実施するための時間尺度は、位相内の逆emfの符号の任意の変化の時間尺度に依存する。例えば、ステップ1704-ステップ1706-ステップ1704のループは、逆emfが位相巻線内の符号を切り替えるための特徴的時間よりもはるかに小さい時間尺度で実施されてもよい。故に、これは、その間にステップ1708が起こっていない(例えば、制動が起こっていない)時間を短縮することに役立つ一方で、逆emf極性変化を危険にさらさない。加えて、ある状況では、(例えば、さらなる制動を遂行するように)ステップ1706よりも比較的に長いが、逆emfの符号の変化が起こるほど長くはない時間にわたって、ステップ1708を実施することが好ましい。
【0212】
ステップ1710は、制御回路が、イベントが検出されなかった状況下で、位相jを短絡させるかどうかを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1710は、多相電磁マシンの全ての位相に関して繰り返される。いくつかの実施形態では、制御回路は、短絡波形に基づいて、位相jを短絡させるかどうかを決定する。例えば、短絡波形は、一連の2進値を含んでもよく、値が0または1であるかどうかに応じて、制御回路は、位相jを短絡させるかどうかを決定してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、通常動作中に、位相を周期的に短絡させることが好ましくあり得ないため、イベントが検出されたときに、ステップ1704よりも低頻度でステップ1710を実施する。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ1710を実施する必要はなく、むしろ、(例えば、ステップ1704において)イベントが検出されたときのみ位相jを短絡させることを決定する。
【0213】
ステップ1712は、制御回路がパワーエレクトロニクスシステムを介して短絡プロセスを発生させるステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに伝送し、位相jを短絡させる。ステップ1712は、例えば、制御回路が、好適な接触器を切り替えて位相jを短絡させるために、制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに送信するステップ、制御回路が、好適なトランジスタを切り替えて位相jを短絡させるために、制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに送信するステップ、位相j内の電流を示す測定を実施するステップ、位相j内の電圧を示す測定を実施するステップ、位相I内の磁束を示す測定を実施するステップ、またはそれらの任意の好適な組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ1704に戻る前に、所定の時間周期にわたって短絡プロセス1712を維持する。いくつかの実施形態では、制御回路は、制御回路が位相jを短絡させないことを決定するまで、連続的に(例えば、制御ループ内で)ステップ1710および1712を繰り返してもよい。パワーエレクトロニクスシステムは、デジタル信号(例えば、2進法の0または1、PWM信号、パルス信号)、メッセージ(例えば、イーサネット(登録商標)を経由して伝送されるUDPまたはTCPメッセージ)、アナログ信号(例えば、アナログ電圧または電流信号)、任意の他の好適な信号、その変調、またはそれらの任意の組み合わせの形態であり得る、制御信号を受信するように構成されてもよい。
【0214】
ステップ1714は、制御回路が位相jに印加されるべき所望の電流を決定するステップを含む。制御回路は、本開示による、任意の好適な技法を使用して、位相jのための所望の電流を決定してもよい。例えば、制御回路は、2012年4月2日に出願された、同一出願人による米国特許第8,344,669号(その全体として参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される技法のうちのいずれかを使用して、位相jのための所望の電流を決定してもよい。さらなる実施例では、ステップ1714は、制御回路が、センサ入力、制御スキーム(例えば、PIDコントローラを使用するフィードバック制御)、数学モデル、ニューラルネットワーク、ルックアップテーブル(例えば、トランスレータ位置および速度、および表集計力定数に基づく)、任意の他の好適な算出技法、またはそれらの任意の好適な組み合わせに基づいて、位相jに印加されるべき所望の電流を決定するステップを含んでもよい。センサ入力は、エンコーダ(例えば、光学エンコーダまたは磁気エンコーダ)、圧電センサ(例えば、力トランスデューサまたは高帯域幅圧力センサ)、電流トランスデューサ、電圧センサ、任意の他の好適な感知された値、またはそれらの任意の組み合わせから受信される信号を含んでもよい。
【0215】
ステップ1714の例証的実施例では、制御回路は、力定数(例えば、位置情報に依存する)、所望の力、および任意の制約(例えば、電流が合計でゼロにならなければならない、または各電流が所定の範囲内でなければならない)に基づいて、リアルタイムで所望の相電流の最小ノルム解を決定してもよい。制御システムは、目的関数(例えば、モータのための各相電流および対応する力定数の積のシーケンスが、方程式5によって示されるように、合計で所望の力になる)および制約(例えば、電流が合計でゼロになる)を選択してもよい。位相抵抗オームRの全てが同一である場合、電流値のセットが、方程式6を使用して決定されてもよい。
【化5】
式中、iは、N個の位相の電流値iのセットの列ベクトルであり、kは、(例えば、位置xおよび磁束Φに基づく)N個の位相の力定数k(x,Φ)の列ベクトルであり、Fは、固定子とトランスレータとの間の所望の起電力Fdesに等しい値を有する、1×1アレイ(すなわち、スカラー)である。目的関数および制約の本特定の選択は、最小ノルム解を可能にする。例えば、位相抵抗が等しくない場合、制御システムは、(例えば、加重電流変数を使用し、次いで、電流に変換することによって)加重最小ノルム解を決定してもよい。加えて、例えば、電流の合計がゼロに制約される場合、方程式6が、依然として、使用されてもよいが、アレイkおよびFは、異なるように定義される。例えば、kは、第1の列が全て1であり、第2の列が力定数のセットである、N×2アレイである。故に、Fは、上部の行が0の値を有し、底部の行が値Fdesを有する、2×1アレイであろう。最小ノルム解または加重最小ノルム解は、例えば、好適な二次目的関数およびアフィン等式制約が使用されるときに達成され得る。
【0216】
いくつかの実施形態では、制御回路は、(例えば、行程を画定するための頂点位置を有する)トランスレータの所望の軌道を決定する。所望の電磁力およびその導出される相電流は、所望の位置、所望の速度、所望の加速度、所望の軌道、動作の任意の他の好適な側面、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて、決定されてもよい。制動(例えば、ステップ1708)中に、制御回路は、トランスレータに、1つ以上の修正された頂点位置(例えば、第1の頂点位置よりも中間行程位置に近い)を達成させ、軌道(例えば、行程長、ピーク速度、または両方)を短縮してもよい。
【0217】
ステップ1716は、制御回路が、ステップ1714の決定された所望の電流に基づいて、パワーエレクトロニクスシステムに位相jのための電流を印加させるステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ1714からの位相jのための決定された所望の電流に基づき、それを示す制御信号を発生させる。例えば、制御信号は、デジタル信号(例えば、2進法の0または1、PWM信号、パルス信号)、メッセージ(例えば、イーサネット(登録商標)を経由して伝送されるUDPまたはTCPメッセージ)、アナログ信号(例えば、アナログ電圧または電流信号)、任意の他の好適な信号、その変調、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御信号は、パワーエレクトロニクスシステムに伝送され、電流を位相jに印加させる。例えば、制御回路は、PWM信号をパワーエレクトロニクスシステムに伝送してもよく、これは、応答して電流を位相jに印加してもよい。印加された電流は、値が所望の電流に近くあり得る、または、例えば、システムが良好にモデル化される程度、存在する摂動の内容、1つ以上のセンサの正確度、もしくは電流の印加に影響を及ぼし得る任意の他の好適な因子に応じて、所望の電流と異なり得る。
【0218】
いくつかの実施形態では、制御回路が電流を位相jに印加させた後、制御回路は、図17に示されるようにステップ1702を繰り返してもよい。故に、制御回路は、例えば、通常動作中に、依然として、プロセス1770を繰り返し実施しながら、イベントが起こったかどうかを周期的にチェックすることができる。いくつかの実施形態では、制御回路は、(例えば、通常動作を維持するように)ステップ1716を完了した後にステップ1710に進み、あまり頻繁ではない周期性(例えば、Nが整数である、N回毎のステップ、行程あたり1回、または他の好適なスケジュール)においてのみ、ステップ1702に戻る。
【0219】
図17のステップまたは説明は、本開示の任意の他の実施形態と併用され得ることが考慮される。加えて、図17に関連して説明されるステップおよび説明は、本開示の目的を促すために、代替順序で、または並行して、行われてもよい。例えば、これらのステップはそれぞれ、システムまたは方法の遅延を低減させる、もしくは速度を増加させるように、任意の順序で、または並行して、もしくは実質的に同時に実施されてもよい。これらのステップのうちのいずれかはまた、プロセスから好適に抜かされる、または省略されてもよい。さらに、図12-14に関連して議論されるデバイスまたは機器のうちのいずれかは、図17におけるステップのうちの1つ以上のものを実施するために、単独で、または一斉に使用され得ることに留意されたい。
【0220】
図18は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンの1つ以上の位相を短絡させることを管理するための例証的プロセス1800のフローチャートを示す。
【0221】
ステップ1802は、制御回路がパワーエレクトロニクスシステムに位相jを短絡させるステップを含む。ステップ1804は、制御回路が、短絡されている間に、位相jのための1つ以上のパラメータを測定するステップを含む。ステップ1806は、制御回路が位相j内の逆emfを示す好適な極性を決定するステップを含む。制御回路によるステップ1802、1804、および1806の実施は、トランスレータを制動することと一致して、電流の符号が位相Jに印加されることを可能にする。これは、反対の符号の電流(すなわち、Vphaseおよび相電流が同一の符号を有する)がトランスレータの運動の方向に力をもたらし、したがって、作業を介してエネルギーをトランスレータに追加し、場合により、危険またはより危険な状況を生じるため、ロバストな自動制動のために重要である。
【0222】
例証的実施例では、図12を参照すると、ステップ1802は、モータコントローラ1260がパワーエレクトロニクスシステム1230に位相リード1242および位相リード1244をともに短絡させるステップを含んでもよい。短絡は、位相リード1242および1244を電気的に短絡させる1つ以上の接触器を作動させる、パワーエレクトロニクスシステム1230によって遂行されてもよい。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム1230は、例えば、電圧センサ等の1つ以上のセンサ、1つ以上の受動回路要素(例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタ)、1つ以上の能動回路要素(例えば、電圧源、フィルタ、ダイオード、ヒューズ)、任意の他の好適なコンポーネント、もしくはそれらの任意の好適な組み合わせを含む、短絡回路を含む。
【0223】
図18のステップまたは説明は、本開示の任意の他の実施形態と併用され得ることが考慮される。加えて、図18に関連して説明されるステップおよび説明は、本開示の目的を促すために、代替順序で、または並行して、行われてもよい。例えば、これらのステップはそれぞれ、システムまたは方法の遅延を低減させる、もしくは速度を増加させるように、任意の順序で、または並行して、もしくは実質的に同時に実施されてもよい。これらのステップのうちのいずれかはまた、プロセスから好適に抜かされる、または省略されてもよい。さらに、図12-14に関連して議論されるシステムおよびコントローラのうちのいずれかは、図18におけるステップのうちの1つ以上のものを実施するために、単独で、または一斉に使用され得ることに留意されたい。
【0224】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による、多相電磁マシンのトランスレータを制動することを管理するための例証的プロセス1900のフローチャートを示す。
【0225】
ステップ1902は、制御回路が位相j内の電流を測定するステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、電流センサから信号を連続的に受信し、ある好適なサンプリングレートにおいて信号をサンプリングし、離散化された値を読み出す。故に、いくつかの実施形態では、制御回路は、固定サンプルレートにおいて位相j内の電流を測定する。制御回路は、較正(例えば、信号電圧を電流値に関連させる)、ルックアップテーブル、アルゴリズム、任意の他の好適な技法、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて、位相j内の電流を決定してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、電力を電流センサに提供し、電流(例えば、一定のDC電圧において給電される4~20mAのループ電流センサ出力)を示すセンサからの信号をサンプリングする。いくつかの実施形態では、ステップ1902において、制御回路は、電流(すなわち、アンペアまたはミリアンペアの単位で)を測定する必要はなく、電流に比例する信号(例えば、電流の単位に変換されない電流センサの電圧出力)を測定してもよい。
【0226】
ステップ1904は、制御回路が位相j内の逆emfを示す極性を読み出すステップを含む。極性情報は、例えば、図18のプロセス1800の結果として決定される、記憶された情報によって提供されてもよい。例えば、制御回路は、位相jを短絡させ、逆emfの極性を決定し、極性情報を記憶し、次いで、ステップ1904において(例えば、短絡よりも後の時間に)極性情報を読み出してもよい。
【0227】
ステップ1906は、制御回路が、ステップ1902の測定された電流およびステップ1904の読み出された極性に基づいて、位相jのための制御信号を発生させるステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1902の測定された電流は、電流コマンド、制御信号、または両方を決定するために、フィードバックループの一部として制御回路によって使用される。いくつかの実施形態では、ステップ1904の極性は、所望の電流の極性を決定するために、制御回路によって使用される。例証的実施例では、コントローラ2200は、測定された電流および逆emfを示す決定された極性に基づいて、制御信号を発生させるように構成される。
【0228】
ステップ1908は、制御回路が、制御信号に基づいて、電流を位相jに印加させるステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ1906の発生された制御信号をパワーエレクトロニクスシステムに伝送し、これは、制御信号に基づいて電流を位相jに印加する。例証的実施例では、制御回路は、PWM信号を発生させ、PWM信号をパワーエレクトロニクスシステムに伝送してもよい。パワーエレクトロニクスシステムは、PWM信号を処理(例えば、レベル偏移、増幅、単離、フィルタ処理、または別様に修正)し、対応する電流を位相jに印加してもよい。さらに例証すると、PWM信号またはその導出される処理された信号は、スイッチを直接アクティブ化するために使用されてもよく、バスを位相リードに結合するスイッチのゲートまたは他の制御端子に結合されてもよい。
【0229】
図19のステップまたは説明は、本開示の任意の他の実施形態と併用され得ることが考慮される。加えて、図19に関連して説明されるステップおよび説明は、本開示の目的を促すために、代替順序で、または並行して、行われてもよい。例えば、これらのステップはそれぞれ、システムまたは方法の遅延を低減させる、もしくは速度を増加させるように、任意の順序で、または並行して、もしくは実質的に同時に実施されてもよい。これらのステップのうちのいずれかはまた、プロセスから好適に抜かされる、または省略されてもよい。さらに、本明細書に議論されるシステムおよびコントローラのうちのいずれかは、図19におけるステップのうちの1つ以上のものを実施するために、単独で、または一斉に使用され得ることに留意されたい。
【0230】
いくつかの実施形態では、制御回路は、2つの対向するトランスレータを同期化するステップを含む、制動プロセスを実施する。例えば、2つのトランスレータを有する、対向自由ピストンリニア発電機を考慮すると、制動中に2つのトランスレータを同期化し、予測可能かつ安全な動作停止を維持する(例えば、コンポーネントの損傷または不安定な動作を回避する)ことが所望され得る。故に、制御回路は、トランスレータの位置情報を使用し、トランスレータの少なくともある程度の同期化を提供してもよい。以下の議論は、図20-23との関連で、いくつかの実施形態による、位置情報を考慮する制動プロセスを説明する。プロセス1700、1800、および1900の技法は、同期化を伴う自動制動に従って、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、本技法は、各個々の位相(すなわち、鉄心および対応する巻線)が独立して制御される、高位相数構成に適用されてもよい。
【0231】
図20は、本開示のいくつかの実施形態による、2つのトランスレータ2015および2005を有する、多相電磁マシン2040を含む、例証的システム2000を示す。システム2000は、制御システム2050と、モータコントローラ2023および2033と、パワーエレクトロニクスシステム2022および2032と、随意のセンサ2031および2021と、多相マシン2006および2016とを含む。多相マシン2006は、例えば、トランスレータ2005と、位相2001、2002、2003、および2004とを含む。多相マシン2016は、例えば、トランスレータ2015と、位相2011、2012、2013、および2014とを含む。
【0232】
トランスレータ2005は、軸2007に沿って平行移動するように構成され、トランスレータ115は、軸2017に沿って平行移動するように構成される。通常動作状況下で、トランスレータ2005および2015は、公称上、対向様式で移動する。ある程度の摂動が存在し得るが、トランスレータ2005および2015の軌道は、実質的に類似する。行程(すなわち、1つの頂点から別の頂点までのトランスレータの運動)中に、トランスレータの磁石(図20に示されていない)は、対応する固定子の位相を通過する。磁石は、位相と少なくとも部分的に整合されるが、電磁相互作用が、トランスレータと位相との間に起こり得る。例えば、図20を参照すると、トランスレータ2015は、位相2012-2014と電磁的に相互作用してもよいが、位相2011と有意に相互作用しない。トランスレータ2015が図20のその図示される位置から機内で(すなわち、軸2017の図示される方向と反対に)移動すると、磁石は、最終的に位相2011の近傍となり、電磁相互作用が、起こり得る。故に、位相とトランスレータとの間の相互作用は、位相に対するトランスレータの位置に依存する。
【0233】
システム2000は、随意に、個別の位相2001-2004および2011-2014に対する個別のトランスレータ2005および2015の位置情報を感知するように構成され得る、センサ2021および2031を含む。いくつかの実施形態では、センサ2021および2031は、含まれない、制動に使用されない、または別様にシステム2000から省略されてもよい。例えば、センサ2021および2031は、エンコーダ、検索コイル、近接性センサ、位置情報を感知するための任意の他の好適なセンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。位置情報は、例えば、位置(例えば、相対または絶対位置)、速度、加速度、(例えば、基準場所を越えた)相対位置を示す2進値、インデックス(例えば、トランスレータの終端が整合される位相)、位置を決定するために使用され得る情報(例えば、正弦波エンコーダ信号)、位置を示す任意の他の好適な情報、またはそれらの任意の組み合わせを含む。センサ2021および2031は、個別のモータコントローラ2023および2033、制御システム2050、またはそれらの組み合わせに結合されてもよい。
【0234】
パワーエレクトロニクスシステム2022および2032は、(例えば、図17のプロセス1770を実施することによって)それぞれ、位相2001-2004および2011-2014に電流を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム2022および2032はそれぞれ、スイッチ(例えば、IGBT、MOSFETS、または任意の他の好適なスイッチ)、ダイオード、ブレーキ抵抗器、(例えば、PWM信号を管理するための)制御信号インターフェースボード、電流センサ、任意の他の好適なコンポーネント、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム2022および2032は、個別の多相マシン2006および2016の位相を短絡させる(例えば、図18の短絡プロセス1800を実施する)ように構成される。いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム2022および2032は、個別の位相2001-2004および2011-2014内の相電圧を測定するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、パワーエレクトロニクスシステム2022および2032は、電流が印加されない(例えば、位相がDCバスまたは中性端子に結合されない)ときに、個別の位相内の相電圧を測定するように構成される。
【0235】
いくつかの実施形態では、制御システム2050は、例えば、(例えば、センサまたはサブシステムからの)信号を処理し、(例えば、サブシステムに伝送するための)制御信号を発生させ、多相マシン2006および2016を制御するためのコンピュータ可読命令を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、制御システム2050は、分散される、パーティション化される、他のシステムと組み合わせられる、または別様に図20に示されるシステム2000から修正されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム2050は、所望の電流、所望の力、動作状態、コマンド、または他の好適な情報を、個別のパワーエレクトロニクスシステム2022および2032に伝送される個別の制御信号を発生させるモータコントローラ2023および2033に提供する。いくつかの実施形態では、例えば、制御システム2050は、各位相のための所望の電流値を対応するパワーエレクトロニクスシステムに提供する。
【0236】
いくつかの実施形態では、モータコントローラ2023および2033は、制御信号を個別のパワーエレクトロニクスシステム2022および2032に提供するように構成される。いくつかの実施形態では、モータコントローラ2023および2033は、個別のセンサ2021および2031から信号を受信するように構成される。いくつかの実施形態では、モータコントローラ2023および2033はそれぞれ、センサ2021および2031の両方から信号を受信するように構成される。
【0237】
いくつかの実施形態では、通信リンク2042(「commリンク2042」)は、モータコントローラ2023と2033との間の通信のためのパスを含む。commリンク2042は、1つを上回るトランスレータ・固定子マシン(例えば、2つのトランスレータを有する多相マシン)の間の通信を可能にするために使用されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、モータコントローラ2023および2033は、個別のモータの各位相に関する情報が伝送される、共通通信バスを内部に含む。commリンク2042は、例えば、全ての位相コントローラが結合され、共通バスを上方に引動し、下方に引動し、または別様に影響を及ぼし、情報を相互に伝送するように構成される、共通バスを含んでもよい。故に、いくつかの実施形態では、commリンク2042は、モータコントローラ、その位相コントローラ、または両方の間の単純である(例えば、パルス、エッジ、またはレベルの形態の情報を伴う、1または2本のワイヤ)が高速かつ確実な通信を可能にする。いくつかの実施形態では、commリンク2042は、より多くの情報および比較的により複雑な特徴を有する信号(例えば、変調された信号、デジタル通信、ネットワーク通信)を伝送することが可能である。
【0238】
いくつかの実施形態では、位置推定装置が、位相を横断して分散され、通信が、各対向LEMの各対応する位相に結合される制御回路の間に確立される。故に、本明細書に開示される任意の好適な技法が、制動しながら対向多相マシンの同期化を維持するために使用されることができる。専用通信リンク(例えば、図20のcommリンク2042)が、位相コントローラの間に、本機能のために含まれてもよい。通信リンクは、複雑な信号を伝送することが可能である必要はない。例えば、信号は、各位相の対応する歯に到達するトランスレータの第1の磁石の検出に対応する、単純なエッジ信号(「チック」)を含んでもよい。各位相コントローラからの単純なトリガ信号が、任意の利用可能な電気または光学技法を使用して、対向モータの対応する位相コントローラに送信されてもよい。対向位相の信号は、例えば、導体の数を限定するように、最終的に(例えば、OR論理を使用して)比較されることができる。いくつかのそのような実施形態では、自動制動しながら、より高速である、または先導すると考えられるトランスレータ(すなわち、着目位相上で最初に磁石を感知するもの)が、即時に制動を開始する一方で、対向位相コントローラは、自動制動機構(例えば、図19のプロセス1900)に関与する前に所定の時間にわたって待機する。故に、対向位相コントローラは、対応するパワーエレクトロニクスシステムに、(例えば、両方のトランスレータが再び同期化されるまで)「遅い」または「低速」トランスレータから比較的により少ないエネルギーを抽出させる。故に、制御回路(例えば、位相コントローラまたはモータコントローラ)は、中央コントローラ(例えば、図3の制御システム350または図20の制御システム2050)が動作することを止める、または別様に利用不可能である、もしくは信頼できない場合でさえも、「自動制動」中に同期化を維持してもよい。いくつかの実施形態では、アイドル時間が、収束を確実にするように、2つのチックの間の測定された時間の関数として(例えば、算出から)決定される。いくつかの実施形態では、単純な利得が、使用されるが、任意の好適な複雑性を有する、任意の好適な処理が、本開示に従って使用されてもよい。いくつかの実施形態では、トランスレータ位置、速度、または他の位置情報が、制御回路の同期化性能を最適化するために使用される。
【0239】
図21は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスレータの位置情報に基づいて、多相電磁マシンのトランスレータを制動することを管理するための例証的プロセス2100のフローチャートを示す。制御回路は、プロセス2100またはその任意のステップを実施し、トランスレータを減速または停止させてもよい。
【0240】
ステップ2102は、制御回路が、イベントを検出する、または別様にイベントが起こったことを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、イベントは、障害イベントまたは故障イベントを含んでもよい。例えば、イベントは、制御システム(例えば、図3の制御システム350)のサブシステム間の通信の損失を含んでもよい。さらなる実施例では、イベントは、多相電磁マシン(例えば、図3の多相マシン340)内の位相の意図的ではない短絡を含んでもよい。さらなる実施例では、イベントは、制御システムによって受信されるようなセンサ(例えば、エンコーダ、相電流センサ、またはDCバス電圧センサ)からの信号の損失を含んでもよい。さらなる実施例では、イベントは、その間に制動が所望される、制御システムからの「停止」へのモード変更を含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、診断のセットを実施すること(例えば、信号がリフレッシュしていることをチェックすること、センサが信号を提供していることをチェックすること、システムおよびサブシステムの間の全ての通信が起こっていることをチェックすること)によって、イベントが起こったことを決定してもよい。
【0241】
制御回路がステップ2102においてイベントを検出したかどうかに応じて、制御回路は、プロセス2104またはプロセス2112のいずれかに進んでもよい。プロセス2112は、イベントが検出されていない(例えば、通常動作)ときに実施される例証的プロセスである。
【0242】
ステップ2104は、制御回路が、検出されたイベントに応答して、位相jを管理して制動を達成する方法を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、位相jを管理するステップは、短絡プロセス2106を実施する、位置推定プロセス2108を実施する、制動プロセス2110を実施する、または自動制動2150を停止するかどうかを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ2104は、多相電磁マシンの全ての位相に関して繰り返される。いくつかの実施形態では、制御回路は、短絡プロセス2106、位置推定プロセス2108、制動プロセス2110を実施し、自動制御2150を停止するステップを実施するための所定のスケジュールを実行してもよい。所定のスケジュールは、プロセスを実施するための持続時間および間隔を含んでもよい。
【0243】
例えば、ステップ2104において、制御回路は、位置推定プロセス2108を実施して位置を推定し、その後に短絡プロセス2106が続き、位相j内の逆emfを示す極性を決定し、次いで、制動プロセス2110を実施し、対応するトランスレータからエネルギーを抽出してもよい。さらなる実施例では、ステップ2104において、制御回路は、位置が推定されるまでプロセス2108を繰り返してもよく、これは、位相毎に電流の流動がない相電圧を決定し、位置を推定するステップを含んでもよい。位置が推定されるとき、制御回路は、次いで、短絡プロセス2106を繰り返し実施し、トランスレータと電磁的に相互作用し得る各位相(例えば、jを含む位相のセット)の極性を決定してもよい。最終的に、制御回路は、ステップ2106において決定される1つまたは複数の極性に基づいて、制動プロセス2110を実施してもよい。制御回路は、次いで、ある間隔において、ステップ2108、ステップ2106、または両方を繰り返し、制動しながらトランスレータの位置および逆emfを追跡してもよい。位相jが、同時に、1)短絡されることができない(例えば、位相リードがともに結合される)、2)電流の流動を有していない(例えば、位相リードが相互から単離される)、および3)電流を印加させることができない(例えば、電流の流動を引き起こすDCバスからの印加されたVphase)ため、プロセス2106、2108、および2110は、同一の瞬間に制御回路によって実施されない。
【0244】
いくつかの実施形態では、短絡プロセス2106は、図17のプロセス1706または図18のプロセス1800のうちのいずれかまたは全ての好適なステップを含む。
【0245】
いくつかの実施形態では、制動プロセス2106は、図17のプロセス1708または図19のプロセス1900のうちのいずれかまたは全ての好適なステップを含む。
【0246】
位置推定プロセス2108はさらに、図22のプロセス2200との関連で説明される。図22は、本開示のいくつかの実施形態による、位置推定のための例証的プロセス2200のフローチャートを示す。
【0247】
2つのトランスレータの間の同期化を遂行するために、位置情報は、各トランスレータが、相対先導/遅延およびより多くまたは少ない制動を要求するものを決定するために必要とされる。故に、プロセス2250は、一方のトランスレータのための位置推定を含み、プロセス2260は、他方のトランスレータのための位置推定を含む。また、プロセス2250および2260は、類似する、または同じであり得るが、その必要はない。以下の説明は、プロセス2250の観点から(すなわち、一方のトランスレータの位相jに関して)組み立てられるであろうが、本議論は、プロセス2260にも(すなわち、他方のトランスレータの位相kに関して)適用されることを理解されたい。
【0248】
ステップ2202は、制御回路が位相j内で電流を流動させないステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ2202は、制御回路が制御信号を発生させないステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ2202は、制御回路がヌル制御信号(例えば、ゼロアンペアの所望の電流、またはゼロデューティサイクルを伴うPWM、または他の好適な信号)を発生させるステップを含む。制御回路は、随意に、採用される技法に応じて、ステップ2204、2206、2208、またはそれらの組み合わせに進んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ2204においてVphaseを測定し、次いで、ステップ2210に進む。さらなる実施例では、いくつかの実施形態において、制御回路は、ステップ2206においてVphaseを基準と比較し、次いで、ステップ2210に進む。さらなる実施例では、いくつかの実施形態において、制御回路は、ステップ2208においてチックを識別し、次いで、ステップ2210に進む。さらなる実施例では、制御回路は、ステップ2204においてVphaseを測定し、ステップ2206においてそれを基準と比較し、次いで、ステップ2208において比較内でチックを識別し、位置メトリックを決定する。
【0249】
いくつかの実施形態では、制御回路は、位相毎に絶対位置推定装置を含む必要はない。いくつかの実施形態では、制御回路は、各個別のモータの位相コントローラ毎にセンサを含む必要はない。故に、いくつかの実施形態では、「チック」信号は、同期化を伴って自動制動するために十分な情報を提供する。
【0250】
ステップ2204は、制御回路が、位相j内のVphaseのインジケーションを測定する、または別様に決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、電圧トランスデューサが、位相jの位相リードを横断して結合され、信号を受信するように構成される制御回路にVphaseを示す信号を提供する。いくつかの実施形態では、制御回路は、センサからのサンプリングされた電圧値を使用し、Vphaseを示す信号を決定する。いくつかの実施形態では、制御回路は、較正によって修正される、センサからのサンプリングされた電圧値を使用し、Vphaseの値を(すなわち、関連単位、符号、および規模で)決定する。いくつかの実施形態では、制御回路は、センサから受信される信号に信号処理を実施し、Vphaseを決定するための処理された信号またはそのインジケーションを発生させる。
【0251】
ステップ2206は、制御回路が、位相j内のVphaseまたはそのインジケーションを基準信号と比較するステップを含む。いくつかの実施形態では、位相コントローラは、位相jのVphaseを基準電圧と比較するように構成される比較器回路を含む。例えば、比較器回路は、Vphaseが基準電圧を上回る、またはそれ未満であるかどうかを示す、2つの2進値のうちの1つを出力してもよい。いくつかの実施形態では、位相コントローラは、数学演算として、Vphaseを示す信号をソフトウェア内の基準と比較し、差、2進値、または他の好適な出力を出力してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、最初に、ステップ2204を実施し、Vphaseを決定し、次いで、Vphase値を基準値(例えば、閾値)と比較する。
【0252】
ステップ2208は、制御回路が、Vphase信号内のチックまたはその導出される信号を識別するステップを含む。いくつかの実施形態では、「チック」は、相電圧を電流が位相j内に流動していないときの基準値と比較するように構成される、電圧比較器によって発生される。電流がない条件下で、相電圧は、等しくなる、または別様に(例えば、方程式4によって示されるように)逆emfによって概算されてもよい。トランスレータの第1の磁石(例えば、磁石アレイのいずれか一方の端部における磁石)が位相jの歯を軸方向に通過すると、それは、相電圧が所与の閾値に到達するときに検出されてもよい。制御回路は、閾値交差を識別してもよく、故に、トランスレータ位置を推定してもよい。いくつかの実施形態では、電圧閾値レベルは、例えば、改良された位置精度を達成するように、調節可能であり得る。例えば、高いdVphase/dx(すなわち、トランスレータ位置の観点からの相電圧勾配)の領域または点は、位相の歯および磁石が重複と非重複との間で遷移している、または逆も同様であることを示し得る。いくつかの実施形態では、電圧比較器は、トランジスタ、演算増幅器、集積回路、または任意の他の好適な比較器を使用して、実装されてもよい。
【0253】
ステップ2210は、制御回路がトランスレータの位置メトリックを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ1302およびステップ2204-2208の任意の好適な組み合わせを繰り返し、位置メトリックを決定する。位置メトリックは、位相インデックス(例えば、チックを呈する位相j)、空間位置推定値(例えば、軸方向位置または位置範囲)、磁石が位相jに重複したときのタイムスタンプ、任意の他の好適な位置情報、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0254】
ステップ2220は、制御回路が他のトランスレータの位置メトリックを決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ2212およびステップ2214-2218の任意の好適な組み合わせを繰り返し、位置メトリックを決定する。位置メトリックは、位相インデックス(例えば、チックを呈する位相k)、空間位置推定値(例えば、軸方向位置または位置範囲)、磁石が位相jに重複したときのタイムスタンプ、任意の他の好適な位置情報、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、ステップ2220において、トランスレータまたはその一部(例えば、磁石の前縁)の位置を決定してもよい。
【0255】
ステップ2222は、制御回路が、2つの個別のトランスレータに関してステップ2210および2220において決定される位置メトリックに基づいて、同期化メトリックを決定するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、2つのトランスレータに関する位置メトリックを比較し、より迅速に移動している、よりゆっくりと移動している、位置が先導している、位置が遅延している、またはそれらの組み合わせである、トランスレータを決定してもよい。いくつかの実施形態では、制御回路は、2つのトランスレータの個別の第1の磁石が対向位相に重複したときに関するタイムスタンプを比較し、先導または遅延しているトランスレータを決定してもよい。同期化メトリックは、例えば、時間(例えば、位相のためのチックが起こる時間)、インデックス化された時間(例えば、「第1の」または「最後の」)、空間位置(例えば、0.02メートル)、インデックス化された位置(例えば、「位相jまたはその近傍における」)、任意の他の好適なメトリック、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0256】
いくつかの実施形態では、通信プロトコルが、位相コントローラの間でチックを通信するために使用される。例えば、いくつかの実施形態では、単一の多重化されたバスが、位相からの全ての「チック」信号に使用される。さらなる実施例では、全位相コントローラがバスラインを上または下に引動することによってそのチックを送信する、比較的に単純で低費用の「バス」(例えば、単一のワイヤのみであり得る)が、実装されてもよい。故に、これは、2つの個別のトランスレータに対応する2つのモータコントローラの間で要求される導体の数を限定することに役立ち得る。例えば、「チック」信号は、端部磁石が位相巻線の近傍に出現する、または位相巻線と重複し始める際のみ、送信されてもよい。故に、その時点で、その位相がチックを呈する唯一の位相であるべきであり、単一のバス上の任意の衝突の可能性が低減される(例えば、バス上の信号遅延も低減させる)。
【0257】
自動制動および同期化を伴う自動制動の任意の好適な組み合わせが、本開示に従って使用されてもよい。例えば、位相を軸方向に通過する磁石キャリア上の第1または最後の磁石(例えば、磁石アレイの軸方向に端部上の磁石)が、検出されたイベントであるとき、(例えば、磁石/磁石なし遷移が見えない可能性が高いであろうため)中央位相から「チック」特徴を得ることは困難または不可能であり得る。あるそのような状況では、中央または中間位相が、位置情報を考慮することなく、(例えば、図17のステップ1708との関連で説明されるように)「自動制動」に使用されてもよい。
【0258】
いくつかの実施形態では、その自動制動が同期化以外の理由(例えば、DCバス過電圧、故障したMOSFETまたはIGBT等)により非アクティブ化されるときに、「停止」信号が、1つの位相から他方の多相電磁マシン上のその対応部分に送信される。位相は、したがって、磁石キャリアが位相にわたって存在するかどうかにかかわらず、その対応部分が制動しないように防止し、したがって、非同期化を能動的に防止することに役立つであろう。
【0259】
いくつかの実施形態では、磁石キャリアの検出は、相電圧上に比較器回路を実装することによって達成される。いくつかの実施形態では、比較器は、単一のトランジスタを伴って実現される。例えば、中性端子が(例えば、ワイ接続されたモータに関して)モータ上でアクセス可能であるという前提で、星形構成が、使用されてもよい(例えば、パワーエレクトロニクスシステムから中性ワイまで位相巻線に跨架する比較器)。モータ中性端子がアクセス可能ではない状況では、中性端子は、全ての相電圧の平均として再構築されてもよい。
【0260】
PWMに基づく極性決定
図23は、本開示のいくつかの実施形態による、位相と関連付けられる極性を決定するための例証的プロセス2300のフローチャートを示す。いくつかの実施形態では、制御システムは、イベントが検出されることに応答して、プロセス2300を実施する。いくつかの実施形態では、制御システムは、イベントが検出されることに先立って、ロセス2300を実施してもよい。プロセス2300の説明がPWMデューティサイクル(例えば、相電流のための制御信号)との関連で提供されるが、任意の好適なパラメータ(例えば、電流、電流導関数、磁束、emf、相電圧、または他のパラメータ)またはその導出されるメトリック、もしくはそれらの組み合わせが、本開示に従って使用されてもよい。
【0261】
ステップ2302は、極性値を初期化するステップを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、通常動作中の極性に基づいて極性を初期化する。例えば、イベントが検出されるとき、制御システムは、最後の決定された極性を使用し、または利用可能な情報に基づいて最後の極性を決定し、制動中の極性を初期化してもよい。例証的実施例では、極性は、2つの値のうちの1つ(例えば、正または負等の2進状態)であってもよい。
【0262】
ステップ2304は、1つ以上のデューティサイクル閾値を定義するステップを含む。いくつかの実施形態では、デューティサイクル閾値は、所定の値(例えば、所定のデューティサイクル値)を含む。いくつかの実施形態では、デューティサイクル閾値は、動作パラメータに依存し得る。例えば、閾値は、ピーク電流、ピークトランスレータ速度、電力出力、ピークデューティサイクル、モータ電気周波数(例えば、極性変化の周波数)、閾値交差の間の時間周期、任意の他の好適なパラメータ、またはそれらの任意の組み合わせに基づいてもよい。デューティサイクル閾値は、ゼロを含む、任意の好適な数値を含んでもよい。
【0263】
ステップ2306は、デューティサイクル状態を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、最後のデューティサイクル値をデューティサイクル状態として使用してもよい。いくつかの実施形態では、制御システムは、履歴デューティサイクル値に基づくフィルタ処理された値(例えば、FIRまたはIIRフィルタを使用する)を使用してもよい。デューティサイクル状態は、所望のデューティサイクル、達成されるデューティサイクル、平均デューティサイクル、代表的デューティサイクル(例えば、モデル、アルゴリズム、または他の好適な計算に基づいて決定される)、他の利用可能なパラメータに基づいて決定されるデューティサイクル、任意の他の好適なデューティサイクル値、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0264】
ステップ2308は、デューティサイクル状態をステップ2304のデューティサイクル閾値と比較するステップを含む。いくつかの実施形態では、使用される閾値は、デューティサイクル状態の性質に依存する。例えば、いくつかの実施形態では、閾値の極性は、デューティサイクル状態の極性に合致される。いくつかの実施形態では、デューティサイクルの絶対値は、正の符号を有する閾値と比較される。
【0265】
ステップ2310は、デューティサイクル状態をデューティサイクル閾値と再び比較するステップを含む。いくつかの実施形態では、デューティサイクル状態および閾値の第2の交差が、極性が切り替わった、切り替わろうとしている、切り替わる可能性が高い、または別様に切替の高い確率を有するときを推定するために使用される。いくつかの実施形態では、第2の比較に応じて、制御システムは、ステップ2312に進んでもよい。
【0266】
ステップ2312は、初期化された極性を切り替えるステップを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、フラグを更新する、記憶された値を更新する、パラメータ値を更新する、または別様に切替を示す命令を提供してもよい。
【0267】
ステップ2314は、切り替えられた極性を出力するステップを含む。いくつかの実施形態では、ステップ2314は、中央コントローラが極性を位相コントローラまたはモータコントローラに出力するステップを含む。いくつかの実施形態では、制御システムは、メモリ内の記憶が相電流を決定するために使用されるために極性を出力してもよい。いくつかの実施形態では、制御システムは、極性を別のアルゴリズムまたはアルゴリズムの一部に出力し、トランスレータ位置、トランスレータ速度を推定し、相電流(例えば、所望の電流または印加された電流)を推定してもよい。
【0268】
例証的実施例では、プロセス2300は、固定相対規模において位相毎に制動電流を維持しながら、制動中に適用されてもよいが、極性は、トランスレータ位置(例えば、位相に対する磁極位置)に応じて切り替わる。本例証的実施例では、相電流情報が、利用可能である。ステップ2302では、制御システムは、極性値を「正」に初期化してもよい。ステップ2304では、制御システムは、ほぼゼロであるがゼロではない閾値を定義してもよい。ステップ2306では、制御システムは、パワーエレクトロニクスシステムが電流を維持するために要求される制御信号デューティサイクルを示す、最近のPWM値(例えば、最後のPWM値)を決定してもよい。ステップ2308では、制御システムは、決定されたデューティサイクルおよび初期化された極性の積が閾値(例えば、ここでは正の値)を上回るかどうかを決定してもよい。決定されたデューティサイクルおよび初期化された極性の積が閾値を上回る場合には、制御システムは、ステップ2306に戻り、繰り返す。決定されたデューティサイクルおよび初期化された極性の積が閾値を上回らない場合には、制御システムは、ステップ2310に進んでもよい。いくつかの実施形態では、ステップ2310において、制御システムは、閾値交差が最後の極性切替以降の第2の交差であるかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、ステップ2310において、制御システムは、ステップ2308後の次の閾値交差が起こるときを決定する。決定されたデューティサイクルの極性が切り替わるとき、閾値も同様に切り替わってもよい。ステップ2310では、制御システムは、決定されたデューティサイクルおよび初期化された極性の積(すなわち、ここでは負である)が閾値(すなわち、同様に負である)を上回らないことを決定し、ステップ2312に進んでもよい。ステップ2312では、制御システムは、極性を「負」に切り替え、ステップ2314では、制御システムは、負の極性を出力する。プロセス2300は、制動が完了するまで継続する。例証的パネル2350は、前述の実施例を示す。いくつかの実施形態では、決定されたデューティサイクルの絶対値は、正の閾値と比較される。決定されたデューティサイクルおよび現在の極性の積が閾値と比較される、絶対値を使用しない、いくつかの実施形態では、閾値は、極性が変更されるときのみ符号を変更する。表1は、例証的パネル2350に対応する例証的状態図を示す。
【表1-1】
【表1-2】
【0269】
ブレーキ抵抗器
ある状況では、イベントは、DCバス、DCバスに結合されるコンポーネント、グリッドタイインバータ、ACグリッド、またはそれらの組み合わせと関連付けられる障害イベントを含んでもよい。いくつかのそのような状況では、DCバスは、侵害される、調整されない、または別様にトランスレータからACグリッドにエネルギーを伝達するために信頼できなくあり得る。ブレーキ抵抗器は、トランスレータを制動することに役立ち得る、エネルギー散逸を可能にする。いくつかの実施形態では、ブレーキ抵抗器は、制御システムが開示される制動技法のうちの1つ以上のものを実施することに加えて、エネルギーを除去するように位相リードに結合されてもよい。例えば、停止までトランスレータを制御可能に減速させる(例えば、往復を停止させる)ために、ブレーキ抵抗器の使用は、相電流の印加を伴い、トランスレータ運動に対抗する力を発生させてもよい。いくつかの実施形態では、ブレーキ抵抗器の使用は、依然として、機能するモータコントローラ(例えば、位置情報、電流情報、または両方を有する、1つ以上の位相コントローラ)、および機能するパワーエレクトロニクスシステムを要求する。図24は、本開示のいくつかの実施形態による、ブレーキ抵抗器2440およびスイッチ2450を有する例証的パワーエレクトロニクスシステム、および多相マシンの1つの位相のブロック図を示す。図25は、本開示のいくつかの実施形態による、ブレーキ抵抗器に係合するための例証的プロセス2500のフローチャートを示す。図25のステップ2502は、イベント(例えば、障害イベントまたは故障イベント)を検出するステップを含み、ステップ2504は、検出に応答して、スイッチを閉鎖し、ブレーキ抵抗器に係合するステップを含む。
【0270】
システム2400は、スイッチ2414-2417と、位相リード2461および2462によって電磁マシンの位相2460に結合されるフライバックダイオード2434-2437とを含む、Hブリッジ構成を含む。Hブリッジは、例えば、グリッドタイインバータまたは他の好適な機器によって調整または別様に維持され得る、DCバス2402に結合される。電流センサ2408は、例えば、位相2460内の電流を感知し、センサ信号を制御システムに出力するように構成される。電磁マシンは、個別のHブリッジによってそれぞれ結合される、複数の位相を含んでもよい。Hブリッジに結合されるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、位相2460は、ワイ中性接続(例えば、星形構成内に含まれる)に結合されてもよい。故に、いくつかのそのような実施形態では、4つではなく2つだけのスイッチが、中性接続によって置換されるHブリッジ(例えば、ハーフHブリッジをもたらす)の他方の側面と併用される。任意の好適なスイッチトポロジが、プロセス2500との関連で使用されてもよい。
【0271】
スイッチ2414-2417は、トランジスタまたは任意の他の好適な制御可能ソリッドステートスイッチを含んでもよい。例えば、スイッチ2414-2417は、制御システムが対応するスイッチを開放または閉鎖するように構成される個別のゲート端子2424-2427に結合される(例えば、ゲート端子がそれぞれ、いくつかの実施形態では、電圧差を生成するための2つの端子を含み得る)、IGBT、MOSFET、または他の好適なスイッチを含んでもよい。スイッチ2414-2417は、(例えば、位相2460のインダクタンスに起因して)切り替えられたときに大きい電圧スパイクを防止するように、個別のフライバックダイオード2434-2437と並列に構成される。スイッチ2414および2416は、高電圧スイッチ(例えば、DCバス2402の高電圧バスラインに結合される)と称され得る。スイッチ2415および2417は、低電圧スイッチ(例えば、DCバス2402の低電圧バスラインに結合される)と称され得る。さらに、スイッチ2414および2415は、Hブリッジの第1の側面と関連付けられてもよく、スイッチ2416および2417は、Hブリッジの第2の側面と関連付けられてもよい。
【0272】
スイッチ2450は、例えば、トランジスタ、接触器、継電器、任意の他の好適な制御可能スイッチ、またはそれらの任意の組み合わせ等の任意の好適なスイッチを含んでもよい。スイッチ2450は、ブレーキ抵抗器2440を通してDCバス2402を短絡させない(従って、エネルギーを無駄にしない)ように、通常動作中に開放している(すなわち、導電性パスを形成しない)。イベントが検出されるとき、制御システムは、スイッチ2450を閉鎖し(例えば、導電性パスを形成し)、したがって、ブレーキ抵抗器2440をDCバス2402の両方のバスラインに結合してもよい。故に、制動するとき、ブレーキ抵抗器は、DCバス2402を横断する電圧に等しい、またはほぼ等しい電圧降下を被るであろう。DCバス2402を横断する電圧は、例えば、数百ボルトまたはそれを上回り得る。制動中に、ブレーキ抵抗器2440は、その抵抗損失に従ってエネルギーを散逸させる。例えば、散逸された電力が、電力=IRから決定される一方で、散逸されたエネルギーは、経時的な電力の積分に等しい。例証的実施例では、スイッチ2450が、通常動作-制動-停止律動(例えば、オフ-オンまたはオフ-オン-オフ)中に1または2スロー律動を受けるため、スイッチ2450は、(例えば、典型的には、高周波数において循環されないため)接触器または他の非ソリッドステートスイッチを含んでもよい。
【0273】
半波整流器を伴う受動制動(2つのダイオード)
いくつかの実施形態では、半波整流器が、トランスレータを制動させるためにブレーキ抵抗器と併せて使用されてもよい。波整流器は、位相をブレーキ抵抗器に結合する、2つのダイオードを含んでもよい。図26は、本開示のいくつかの実施形態による、ブレーキ抵抗器2640、スイッチ2650、およびダイオード2671-2672を有する例証的パワーエレクトロニクスシステム2600、および多相マシンの1つの位相のブロック図を示す。ブレーキ抵抗器に係合するための図25の例証的プロセス2500は、本開示のいくつかの実施形態によると、ステップ2502がスイッチ2614-2617を開放した状態で維持するステップを含むという付加的考慮を伴って、システム2600に適用されてもよい。
【0274】
システム2600は、スイッチ2614-2617と、位相リード2661および2662によって電磁マシンの位相2660に結合されるフライバックダイオード2634-2637とを含む、Hブリッジ構成を含む。Hブリッジは、例えば、グリッドタイインバータによって調整または別様に維持され得る、DCバス2602に結合される。電流センサ2608は、例えば、位相2660内の電流を感知し、センサ信号を制御システムに出力するように構成される。電磁マシンは、個別のHブリッジによってそれぞれ結合される、複数の位相を含んでもよい。Hブリッジに結合されるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、位相2660は、中性接続(例えば、星形構成内に含まれる)に結合されてもよい。故に、いくつかのそのような実施形態では、4つではなく2つだけのスイッチが、中性接続によって置換されるHブリッジ(例えば、ハーフHブリッジをもたらす)の他方の側面と併用される。任意の好適なスイッチトポロジが、プロセス2500との関連で使用されてもよい。
【0275】
スイッチ2614-2617は、トランジスタまたは任意の他の好適な制御可能ソリッドステートスイッチを含んでもよい。例えば、スイッチ2614-2617は、制御システムが対応するスイッチを開放または閉鎖するように構成される個別のゲート端子2624-2627に結合される(例えば、ゲート端子がそれぞれ、いくつかの実施形態では、電圧差を生成するための2つの端子を含み得る)、IGBT、MOSFET、または他の好適なスイッチを含んでもよい。スイッチ2614-2617は、(例えば、位相2660のインダクタンスに起因して)切り替えられたときに大きい電圧スパイクを防止するように、個別のフライバックダイオード2634-2637と並列に構成される。スイッチ2614および2616は、高電圧スイッチ(例えば、DCバス2602の高電圧バスラインに結合される)と称され得る。スイッチ2615および2617は、低電圧スイッチ(例えば、DCバス2602の低電圧バスラインに結合される)と称され得る。さらに、スイッチ2614および2615は、Hブリッジの第1の側面と関連付けられてもよく、スイッチ2616および2617は、Hブリッジの第2の側面と関連付けられてもよい。
【0276】
ダイオード2671は、位相リード2661およびブレーキ抵抗器2640に結合され、位相リード2661からブレーキ抵抗器2640までのみの電流の流動を可能にする。ダイオード2672は、位相リード2662およびブレーキ抵抗器2640に結合され、位相リード2662からブレーキ抵抗器2640までのみの電流の流動を可能にする。ダイオード2671および2672は、ブレーキ抵抗器2640に対して類似極性を有し、半波整流器を作成する。ブレーキ抵抗器2640およびスイッチ2650の相対位置は、交換されてもよい(例えば、それらが直列である限り、順序は図示される通りである必要はない)。
【0277】
スイッチ2650は、例えば、トランジスタ、接触器、継電器、任意の他の好適な制御可能スイッチ、またはそれらの任意の組み合わせ等の任意の好適なスイッチを含んでもよい。スイッチ2650は、スイッチ2614-2617の動作に干渉しないように、通常動作中に開放している(すなわち、導電性パスを形成しない)。イベントが検出されるとき、制御システムは、スイッチ2650を閉鎖し(例えば、導電性パスを形成し)、スイッチ2614-2617を開放した状態で保持または維持してもよい。スイッチ2614-2617が全て開放しているとき、位相2660と相互作用するトランスレータによって発生される任意のemfは、電流を、いずれか一方のダイオード2671および2672を通してブレーキ抵抗器2640まで(例えば、続いて、DCバス2602の低電圧バスラインまで)流動させるであろう。いくつかの実施形態では、制御システムは、個別のスイッチ2614-2617を開放した状態で維持するために信号をゲート端子2624-2627に印加する必要はない(例えば、ゲート端子は、下方に引動されてもよい)。制動中に、ブレーキ抵抗器2440は、その抵抗損失に従って、誘発された電流からエネルギーを散逸させる。例えば、散逸された電力が、電力=IRから決定される一方で、散逸されたエネルギーは、経時的な電力の積分に等しい。例証的実施例では、スイッチ2450が、通常動作-制動-停止律動(例えば、オフ-オンまたはオフ-オン-オフ)中に1または2スロー律動を受けるため、スイッチ2450は、(例えば、典型的には、高周波数において循環されないため)接触器または他の非ソリッドステートスイッチを含んでもよい。
【0278】
いくつかの実施形態では、制御システムは、制動信号を発生させてもよく、パワーエレクトロニクスシステムは、制動信号を印加し、位相に結合される1つ以上のスイッチを制御する。例えば、Hブリッジ構成との関連で、パワーエレクトロニクスシステムは、好適な制動信号を好適なスイッチに印加し、トランスレータを制動させてもよい。図27は、本開示のいくつかの実施形態による、パワーエレクトロニクスシステムに印加するための例証的制動信号を示す。図28は、本開示のいくつかの実施形態による、制動信号を受信するように構成される例証的パワーエレクトロニクスシステム2800のブロック図を示す。図29は、本開示のいくつかの実施形態による、制動信号を印加するための例証的プロセス2900のフローチャートを示す。
【0279】
制動信号2700は、対応する電流を多相電磁マシンの位相に印加するように構成され得る、パワーエレクトロニクスシステムのスイッチに印加される信号を含む。制動信号2701は、スイッチを開放した状態で維持するように構成される、ゼロまたはヌル信号を含む。いくつかの実施形態では、印加された信号の欠如は、信号2701を構成してもよい。例えば、スイッチのゲートは、接地まで下方に引動されてもよく、印加された信号の非存在下で、ゼロボルトで維持されてもよい。制動信号2702は、オンおよびオフ間隔の両方を含む。例えば、図27に図示されるように、制動信号2702は、ほぼ30%のデューティサイクルを伴うPWM信号を含む。制動信号2702は、オンおよびオフ周期を含む時間内に任意の好適な信号形状を含んでもよい。例えば、制動信号2702は、規則的または不規則的周期、もしくはそれらの任意の組み合わせを有する、正弦波信号、方形波、三角波、鋸波、チャープ信号、ウェーブレット、任意の他の好適な形状または波形、もしくはそれらの変調を含んでもよい。
【0280】
システム2800は、スイッチ2814-2817と、位相リード2861および2862によって電磁マシンの位相2860に結合されるフライバックダイオード2834-2837とを含む、Hブリッジ構成を含む。Hブリッジは、例えば、グリッドタイインバータによって調整または別様に維持され得る、DCバス2802に結合される。電流センサ2808は、例えば、位相2860内の電流を感知し、センサ信号を制御システムに出力するように構成される。電磁マシンは、個別のHブリッジによってそれぞれ結合される、複数の位相を含んでもよい。Hブリッジに結合されるものとして示されているが、いくつかの実施形態では、位相2860は、中性接続(例えば、星形構成内に含まれる)に結合されてもよい。故に、いくつかのそのような実施形態では、4つではなく2つだけのスイッチが、中性接続によって置換されるHブリッジ(例えば、ハーフHブリッジをもたらす)の他方の側面と併用される。任意の好適なスイッチトポロジが、プロセス2900との関連で使用されてもよい。
【0281】
スイッチ2814-2817は、トランジスタまたは任意の他の好適な制御可能ソリッドステートスイッチを含んでもよい。例えば、スイッチ2814-2817は、制御システムが対応するスイッチを開放または閉鎖するように構成される個別のゲート端子2824-2827に結合される(例えば、ゲート端子がそれぞれ、いくつかの実施形態では、電圧差を生成するための2つの端子を含み得る)、IGBT、MOSFET、または他の好適なスイッチを含んでもよい。スイッチ2814-2817は、(例えば、位相2860のインダクタンスに起因して)切り替えられたときに大きい電圧スパイクを防止するように、個別のフライバックダイオード2834-2837と並列に構成される。スイッチ2814および2816は、高電圧スイッチ(例えば、DCバス2802の高電圧バスラインに結合される)と称され得る。スイッチ2815および2817は、低電圧スイッチ(例えば、DCバス2802の低電圧バスラインに結合される)と称され得る。さらに、スイッチ2814および2815は、Hブリッジの第1の側面と関連付けられてもよく、スイッチ2816および2817は、Hブリッジの第2の側面と関連付けられてもよい。
【0282】
図28を参照すると、制御システムは、開放した状態で維持された(例えば、アクティブ化されていない)残りのスイッチを伴って、両方の高電圧スイッチまたは両方の低電圧スイッチのいずれかをアクティブ化することによって、Hブリッジを動作させてトランスレータを制動してもよい。表2は、例証的制御信号を示す。図29のステップ2902は、イベント(例えば、障害イベント)を検出するステップを含み、ステップ2904は、検出に応答して制動信号を印加するステップ(例えば、表2の制動Aまたは制動Bモードを実装するステップ)を含む。
【表2】
【0283】
表2に示されるように、通常動作中に、スイッチ2814-2817のそれぞれへの制御信号は、位置情報、相電流情報、任意の他の好適な情報、またはそれらの任意の組み合わせに基づいて決定される、PWM信号を含んでもよい。例えば、制御システムは、全ての相電流が所望の電磁力を達成するための最小ノルム電流解を決定することによって、位相毎に電流のためのフィードバック制御ループを実行する。
【0284】
表2に示されるように、制動A中に、スイッチ2814-2817のそれぞれへの制御信号は、位置または電流情報から独立し得るが、その必要はない、制動信号を含んでもよい。制動A中の動作を参照すると、低電圧スイッチ(すなわち、図28に示されるようなスイッチ2815および2817)が、ゼロではない制動信号に従って閉鎖される一方で、高電圧スイッチ(すなわち、図28に示されるようなスイッチ2814および2816)は、ゼロ制動信号に従って開放した状態で維持される。例証すると、制動A中に、電流が流動し、エネルギーを低電圧バスラインに散逸させることを可能にする、電流ループ2891が、形成される。制動信号2702がオンおよびオフ間隔の両方を含むため、位相2860からのエネルギー伝達は、非定常であり得る。制動A中に、高電圧スイッチ2814および2816は、DCバス2802の低バスラインと高バスラインとの間の短絡を防止するように開放した状態で維持される。
【0285】
表2に示されるように、制動B中に、スイッチ2814-2817のそれぞれへの制御信号は、位置または電流情報から独立し得るが、その必要はない、制動信号を含んでもよい。制動B中の動作を参照すると、高電圧スイッチ(すなわち、図28に示されるようなスイッチ2814および2816)が、ゼロではない制動信号に従って閉鎖される一方で、低電圧スイッチ(すなわち、図28に示されるようなスイッチ2815および2817)は、ゼロ制動信号に従って開放した状態で維持される。例証すると、制動A中に、電流が流動し、エネルギーを低電圧バスラインに散逸させることを可能にする、電流ループ2890が、形成される。制動信号2702がオンおよびオフ間隔の両方を含むため、位相2860からのエネルギー伝達は、非定常であり得る。制動B中に、低電圧スイッチ2815および2817は、DCバス2802の低バスラインと高バスラインとの間の短絡を防止するように開放した状態で維持される。
【0286】
いくつかの実施形態では、制動中に、制御システムは、制動Aと制動Bとの間で切り替わる、またはその間で交互に入れ替わってもよい。例えば、制御システムは、制動Aと制動Bとの間で交互に入れ替わり、任意のスイッチ対(例えば、低電圧スイッチ対または高電圧スイッチ対)が過熱しないように防止する、または別様にHブリッジのスイッチの間のエネルギー伝達の平衡を保ってもよい。いくつかの実施形態では、制動A、制動B、または両方が、イベントを検出するステップに応答して、制動中に他の制動技法(例えば、本開示の例証的技法のうちのいずれか)とともに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、星形構成で結合される位相との関連で、1つを上回る位相が、電流ループ(例えば、電流ループ2890または2891に類似する)を作成するために使用されてもよい。
【0287】
いくつかの実施形態では、リニア多相電磁マシンは、渦電流ブレーキを含むように構成される。例えば、磁場は、トランスレータの運動に対抗する力を引き起こす渦電流を発生させる、トランスレータの伝導性材料内の1つ以上の位相によって発生される。図30は、本開示のいくつかの実施形態による、リニア渦電流制動のために構成される、固定子3000およびトランスレータ3012の断面図を示す。固定子3000およびトランスレータ3012は、リニア多相電磁マシンの一部である。固定子3000は、軸3070に沿って軸方向に配列される、位相3001、3002、3003、3004、3005、3006、3007、3008、3009、3010、3011、および3012を含む。トランスレータ3012は、磁石区分3030と、磁石区分3030から軸方向にオフセットされて配列される伝導性区分3031および3032とを含む。図30に示されていないが、トランスレータ3012は、(例えば、磁石区分3030が伝導性区分の間で軸方向にあるように)伝導性区分3031および3032から磁石区分3020の他方の側面上に付加的伝導性区分を含んでもよい。図31は、本開示のいくつかの実施形態による、渦電流ブレーキに係合するための例証的プロセス3100のフローチャートを示す。ステップ3102は、例えば、障害イベントまたは故障イベント等のイベントを検出するステップを含む。ステップ3104は、イベントを検出するステップに応答して、渦電流を発生させ、トランスレータを制動するステップを含む。
【0288】
伝導性区分は、渦電流制動との関連で、任意の好適な導電性材料を含んでもよい。例えば、伝導性区分(例えば、伝導性区分3031および3032)は、アルミニウム、銅、鋼鉄、ステンレス鋼、合金、任意の他の好適な材料、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。さらなる実施例では、伝導性区分(例えば、伝導性区分3031および3032)は、軸方向厚さ、断面形状、外径、内径、搭載特徴(例えば、突起または陥凹)、冷却特徴(例えば、フィン、リブ、または溝)、任意の他の好適な幾何学的性質、またはそれらの任意の組み合わせ等の任意の好適な幾何学的性質を含んでもよい。例証すると、伝導性区分は、トランスレータロッド/管に添着され、固定子と所定の空隙を形成するように構成される、金属リングを含んでもよい。
【0289】
磁石区分3030および固定子3000は、電磁相互作用に影響を及ぼすように構成され得る、関連付けられる空隙3020を有する。例えば、空隙3020は、リラクタンス、力定数、モータ効率、および任意の他の好適な動作パラメータに影響を及ぼし得る。伝導性区分3031および3032および固定子3000は、電磁相互作用に影響を及ぼすように構成され得る、関連付けられる空隙3021を有する。空隙3021は、空隙3020と同一である、または異なり得る。例えば、空隙3021は、伝導性区分3031および3032における磁場、伝導性区分3031および3032内の渦電流、および任意の他の好適な動作パラメータに影響を及ぼし得る。
【0290】
動作(例えば、通常動作および制動の両方)中に、磁石区分3030は、固定子3000の位相のサブセットと軸方向に整合されてもよい。例えば、図30に図示されるように、磁石区分3030は、位相3001-3006と軸方向に整合され、位相3007-3012から軸方向にオフセットされる。故に、位相3001-3006が、磁石区分3030と電磁的に相互作用してもよい一方で、位相3007-3012は、磁石区分3030と有意に電磁的に相互作用しない。例証的実施例では、相電流が、トランスレータ3012上に制動力を発生させるように位相3001-3006に印加されてもよい。
【0291】
図30に図示されるような伝導性区分3031および3032は、位相3010-3012と少なくとも部分的に軸方向に整合される。位相3009-3011が、磁石区分3030から軸方向にオフセットされる位相3007-3012のサブセットの一部であるため、位相3009-3011内の電流は、渦電流制動に使用されてもよい。例えば、伝導性区分3031および3032の非存在下の通常動作中に、トランスレータ3012が図30に図示される位置にあるとき、相電流は、位相3007-3012に印加される必要はない。本空間構成における位相3007-3012への電流の印加は、トランスレータ3012上に有意な電磁力を生成しないであろう。さらなる実施例では、伝導性区分3031および3032の存在下の通常動作中に、トランスレータ3012が図30に図示される位置にあるとき、相電流は、位相3007-3012に印加されない(例えば、これは、渦電流制動を引き起こすであろう)。イベントが検出されることに応答して、制御システムは、磁石区分3030から軸方向にオフセットされ、伝導性区分3031および3032と軸方向に整合される、位相のサブセットを決定し、電流をこれらの位相(例えば、図30に図示されるような位相3009-3011)に印加してもよい。例証的実施例では、制御システムは、電流を位相3009-3011のうちの少なくとも1つに印加し、軸方向整合に応じて、伝導性区分3031および3032内で渦電流を発生させてもよい(例えば、位相3009は、伝導性区分3031が軸方向に整合されるため、その中で渦電流を発生させるために使用されてもよい)。印加された電流は、例えば、正弦波振幅、パルス振幅、方形波振幅、一定振幅、任意の他の好適な振幅、またはそれらの任意の組み合わせを含む、任意の好適な時間特性を有してもよい。トランスレータ3012が制動中に軸3070に沿って軸方向に移動すると、軸方向に整合され、軸方向にオフセットされる位相のサブセットは、変化してもよい。故に、制御システムは、渦電流を発生させるための好適な位相に相電流を印加してもよい。例えば、制御システムは、磁石区分3030に対して関連付けられるゼロではない力定数を有する位相を決定し、これらの位相を、渦電流制動のための電流を印加する潜在的位相と見なしてもよい。例えば、制御システムは、伝導性区分3031、伝導性区分3032、または両方と軸方向に整合される位相を決定し、これらの位相を、渦電流制動のための電流を印加する潜在的位相と見なしてもよい。
【0292】
図32は、本開示のいくつかの実施形態による、トランスレータと関連付けられる例証的位置速度軌道を示す。パネル3200は、より大きいトランスレータ速度(例えば、速度の絶対値に等しい)と、より大きい行程(例えば、頂点位置1と頂点位置2との間の差に等しい)とを含む、位置速度軌道3201および位置速度軌道3202を示す。位置速度軌道3202は、自由ピストンマシンの比較的に高電力の動作条件に対応し得る。位置速度軌道3201および3202は、実質的に定常であり、通常動作または別様に定常動作に対応する。トランスレータは、通常動作(例えば、負荷追従)中に位置速度軌道の間で移動してもよい、または実質的に特定の位置速度軌道において動作したままであってもよい。
【0293】
パネル3210は、通常動作からゼロの最終速度(すなわち、停止)までの制動中の位置速度軌道3212を示す。位置速度軌道3212は、各後続の行程中にピーク速度および行程長の両方を減少させる。いくつかの実施形態では、位置速度軌道3212は、本明細書に開示される制動プロセスの例証である。
【0294】
パネル3220は、通常動作からゼロの最終速度(すなわち、停止)までの制動中の位置速度軌道3222を示す。位置速度軌道3222は、各後続の行程中にピーク速度を減少させる。位置速度軌道3222の行程長は、最初に増加し、次いで、(すなわち、速度がゼロであるときに)ゼロまで減少する。いくつかの実施形態では、位置速度軌道3222は、本明細書に開示される制動プロセスの例証である。
【0295】
パネル3230は、通常動作からゼロの最終速度(すなわち、停止)までの制動中の位置速度軌道3232を示す。位置速度軌道3232は、各後続の行程中にピーク速度を減少させる。位置速度軌道3232の行程長は、ゼロまで減少するまで(すなわち、速度がゼロであるときに)、実質的に固定されたままである。いくつかの実施形態では、位置速度軌道3232は、本明細書に開示される制動プロセスの例証である。
【0296】
パネル3240は、第1の動作状態から、より低い関連付けられる動作電力を有する第2の動作状態に遷移する、制動中の位置速度軌道3242を示す。位置速度軌道3242は、遷移中にピーク速度および行程長を減少させる。いくつかの実施形態では、位置速度軌道3242は、本明細書に開示される制動プロセスの例証である。
【0297】
位置速度軌道3201、3202、3212、3222、3232、および3242は、例証的にすぎず、トランスレータは、本開示によると、通常動作および制動中に任意の好適な軌道を達成し得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、制動を受けるトランスレータは、多くのサイクル(例えば、図32に示されるよりも多い)、1つのサイクル、または任意の好適な数のサイクル、もしくはその一部にわたって、減速してもよい。さらなる実施例では、制動軌道の終了状態は、完全停止(例えば、ゼロの速度)、または比較的により小さい速度(すなわち、より低い運動エネルギー)、行程長、もしくはそれらの組み合わせを有する、動作条件であってもよい。
【0298】
本開示の上記で説明される実施形態は、限定ではなく、例証の目的のために提示され、本開示は、以下に続く請求項のみによって限定される。加えて、本明細書に開示されるシステム、デバイス、または機器のうちのいずれかは、本明細書に開示される任意のプロセスのステップのうちの1つ以上のものを実施するために使用され得ることに留意されたい。例えば、図4-7の例証的LEMトポロジのうちのいずれかは、図9-32との関連で説明されるシステムおよびプロセスのうちのいずれかに関連して使用されてもよい。さらに、いずれか1つの実施形態に説明される特徴および限定は、本明細書の任意の他の実施形態に適用され得、一実施形態に関するフローチャートまたは実施例は、好適な様式で任意の他の実施形態と組み合わせられる、異なる順序で行われる、追加ステップを伴って実施される、省略されたステップを伴って実施される、または並行して行われ得ることに留意されたい。例えば、これらのステップはそれぞれ、システムまたは方法の遅延を低減させる、もしくは速度を増加させるように、任意の順序で、または並行して、もしくは実質的に同時に実施されてもよい。加えて、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、リアルタイムで実施されてもよい。また、上記に説明されるシステムおよび/または方法は、他のシステムおよび/もしくは方法に適用される、またはそれに従って使用され得ることに留意されたい。
【0299】
本開示は、本明細書に説明される実施形態に限定されず、任意の好適なシステムとの関連で実装され得ることを理解されたい。いくつかの好適な実施形態では、本開示は、往復機関および圧縮機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、自由ピストン機関および圧縮機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、往復機関および自由ピストン機関等の燃焼および反応デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、往復圧縮機および自由ピストン圧縮機等の非燃焼および非反応デバイスに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、ガスばねに適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、油を含まない往復および自由ピストン機関および圧縮機に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、内部または外部燃焼もしくは反応を伴う油を含まない自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、圧縮点火、火花点火、または両方とともに動作する、油を含まない自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、ガス燃料、液体燃料、または両方とともに動作する、油を含まない自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、リニア自由ピストン機関に適用可能である。いくつかの実施形態では、本開示は、内部燃焼/反応を伴う燃焼機関、または(例えば、熱源もしくは燃焼等の外部反応からの)外部熱付加を伴う任意のタイプの熱機関であり得る、機関に適用可能である。
【0300】
前述は、本開示の原則の例証にすぎず、種々の修正が、本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって行われ得る。上記で説明される実施形態は、限定ではなく、例証の目的のために提示される。本開示はまた、本明細書に明示的に説明されるもの以外の多くの形態をとることもできる。故に、本開示は、明示的に開示される方法、システム、および装置に限定されないが、以下の請求項の精神内である、それらの変形例および修正を含むことを意図していることが強調される。
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