(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】腫瘍を診断するためのDNAメチル化に関連するマーカー及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20231127BHJP
C12Q 1/6886 20180101ALI20231127BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20231127BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20231127BHJP
【FI】
C12N15/11 Z ZNA
C12Q1/6886 Z
C12Q1/6869 Z
C12Q1/686 Z
(21)【出願番号】P 2021507822
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2019099722
(87)【国際公開番号】W WO2020034888
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】201810935933.8
(32)【優先日】2018-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517366574
【氏名又は名称】上▲海▼市公共▲衛▼生▲臨▼床中心
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】于 文▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】董 世▲華▼
【審査官】中野 あい
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-140377(JP,A)
【文献】特表2013-509872(JP,A)
【文献】AY128659.1 [GI: 22724933], DEFINITION: Homo sapiens clone HIST1H4F histone H4 gene, complete cds, NCBI Sequence Revision History [online], 123-OCT-2002 uploaded, NCBI,URL: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/22724933?sat=4&satkey=35528272
【文献】BMC Urol, 2012 Mar 13, vol. 12, article no. 5 (pp. 1-6)
【文献】Nat Genet, 2005 Apr (Epub 2005 Mar 13), vol. 37, no. 4, pp. 391-400
【文献】Int J Mol Sci, 2015 Dec 11, vol. 16, no. 12, pp. 29654-29662
【文献】Inflamm Bowel Dis, 2012 Apr(Epub 2011 Aug 9), vol. 18, no. 4, pp. 641-648
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍検出用の試薬又はキットの調製における、単離されたポリヌクレオチドの使用であって、
前記腫瘍は、結腸直腸がん、肝臓がん、肺がん、及び頭頸部腫瘍を含み、
前記単離されたポリヌクレオチドは、
(a) SEQ ID NO:1に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドと、
(e) 前記(a)のポリヌクレオチドのフラグメントであって、かつその中に少なくとも1個の修飾されたCpGサイトが存在するものと、及び/又は
(f)前記(a)のポリヌクレオチド又はフラグメントと相補する核
酸であって、かつその中に少なくとも1個の修飾されたCpGサイトが存在するものと、
を含むことを特徴とする使用。
【請求項2】
前記修飾は、5-メチル化修飾、5-ヒドロキシメチル化修飾、5-ホルミル化修飾又は5-カルボキシル化修飾を含むことを特徴とする請求項1に記載の単離されたポリヌクレオチドの使用。
【請求項3】
単離されたポリヌクレオチドの使用において、
単離されたポリヌクレオチドは、請求項1又は2に記載のポリヌクレオチドから転換され、請求項1の配列と対応し、修飾されたCpGサイトのシトシンCが変化せず、未修飾のシトシンがTに転換することを特徴とする請求項1又は2に記載の単離されたポリヌクレオチドの使用。
【請求項4】
請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチドは、
(g) SEQ ID NO:2に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドと、
(k) 前記(g)のポリヌクレオチドのフラグメントであって、かつその中に少なくとも1個の修飾されたCpGサイトが存在するものと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の単離されたポリヌクレオチドの使用。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のポリヌクレオチドを提供し、前記ポリヌクレオチドの全長又はフラグメントを標的配列とし、該標的配列を特異性的に検出する検出試薬をデザインすることを含む腫瘍検出試薬を調製する方法であって、
前記腫瘍は、結腸直腸がん、肝臓がん、肺がん、及び頭頸部腫瘍を含み、
前記標的配列には、少なくとも1個の修飾されたCpGサイトが存在し、
前記腫瘍検出試薬は、プライマーを含み、前記プライマーは、SEQ ID NO: 9~12に示されたプライマーである、
調製する方法。
【請求項6】
前記検出試薬が、プローブを含む、請求項5に記載の調製する方法。
【請求項7】
腫瘍検出用のキットの調製における、試薬又は組み合わせた試薬の使用であって、
前記腫瘍は、結腸直腸がん、肝臓がん、肺がん、及び頭頸部腫瘍を含み、
標的配列を特異的に検出し、前記標的配列は、請求項1~4のいずれか一つに記載のポリヌクレオチドの全長又はフラグメントであり、
少なくとも1個の修飾されたCpGサイトが存在し、
前記試薬は、プライマーを含み、前記プライマーは、SEQ ID NO: 9~12に示されたプライマーである、
ことを特徴とする試薬又は組み合わせた試薬の使用。
【請求項8】
前記検出試薬が、プローブを含む、請求項7に記載の試薬又は組み合わせた試薬の使用。
【請求項9】
前記ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 1に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドであり、前記標的配列が、SEQ ID NO: 1の240~296位のヌクレオチドのフラグメントを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の試薬又は組み合わせた試薬の使用。
【請求項10】
腫瘍検出用の検出キットであって、
前記腫瘍は、結腸直腸がん、肝臓がん、肺がん、及び頭頸部腫瘍を含み、
容器、及び容器に位置する請求項7~9のいずれか一つに記載の試薬又は組み合わせた試薬
を含むことを特徴とする検出キット。
【請求項11】
腫瘍検出に用いられる、請求項1に記載のポリヌクレオチド又はそのフラグメントのメチル化プロファイルを検出する方法であって、
前記フラグメントは、その中に少なくとも1個の修飾されたCpGサイトが存在するものであり、
前記腫瘍は、結腸直腸がん、肝臓がん、肺がん、及び頭頸部腫瘍を含み、
(i)試料を提供し、DNAを抽出するステップと、
(ii)その中の未修飾のシトシンがウラシルに転化するように、検出しようとする試料を処理するステップと、
(iii)(ii)で処理されたゲノムDNAにおける請求項2又は3に記載のポリヌクレオチド又はそのフラグメントの修飾状況を分析するステップと、
を含むことを特徴とする生体外で試料における請求項1に記載のポリヌクレオチド又はそのフラグメントのメチル化プロファイルを検出する方法。
【請求項12】
前記修飾が、5-メチル化修飾、5-ヒドロキシメチル化修飾、5-ホルミル化修飾又は5-カルボキシル化修飾を含む、請求項
11に記載の検出する方法。
【請求項13】
バイサルファイトでステップ(i)に記載のDNAを処理する、請求項
11または
12に記載の検出する方法。
【請求項14】
ステップ(iii)には、前記分析の方法が、パイロシーケンス法、バイサルファイトシーケンス法、qPCR法、次世代シーケンス法、全ゲノムメチル化シーケンス法、DNA濃縮検出法、Reduced Representation Bisulfite Sequencing(RRBS)技術、HPLC法、又はそれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項
11~
13のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断分野に属し、より具体的に、本発明は、腫瘍を診断するためのDNAメチル化に関連するマーカー及びその使用に関わる。
【背景技術】
【0002】
腫瘍に関する研究が深まるにつれ、この分野でのますます多くの証拠が、エピジェネティック調節の小さな変化が、腫瘍において重要な役割を果たすことを示している。
【0003】
エピジェネティクスとは、遺伝子のDNA配列を変更せずに、遺伝子機能における遺伝可能な変化、及び最終的にもたらされた表現型の変化を研究する学科である。エピジェネティクスには、主にDNAメチル化、ヒストン修飾、マイクロRNAレベルの変化などの生化学的プロセスが含まれる。DNAメチル化とは、生体内で、DNAメチルトランスフェラーゼの触媒作用下で、S-アデノシルメチオニンをメチルドナーとし、メチル基を特定の塩基に転移させるプロセスを指す。DNAメチル化は、アデニンのN-6位、シトシンのN-4位、グアニンのN-7位、またはシトシンのC-5位などで発生する可能性がある。ただし、哺乳類では、DNAメチル化は主に5’-CpG-3’のCで発生し、5-メチルシトシン(5mC)を生成する。
【0004】
ゲノム内のCpGジヌクレオチドの98%以上が、転写依存性の転移可能な反復配列に散在している。正常細胞では、これらのCpGは、高メチル化/転写沈黙の状態にあるが、腫瘍細胞では、これらのCpGは広範な脱メチル化を受け、反復配列の転写、トランスポゾンの活性化、および高度なゲノム不安定性と癌原遺伝子の転写の増強をもたらす。全体の約2%を占める残りのCpGは、小さな領域(CpGアイランド)に密に分布している。遺伝子プロモーター領域の約40%~50%またはその近くに、CpGアイランドがあり、これは、DNAメチル化が、このような遺伝子の転写調節メカニズムに関与している可能性があることを示唆している。一部の腫瘍では、これらの元々正常細胞では低メチル化状態にあるCpGアイランドが高メチル化を受け、遺伝子転写が不活性化される。影響を受ける遺伝子には、DNA修復遺伝子、細胞周期制御遺伝子、抗アポトーシス遺伝子、その他の腫瘍抑制遺伝子が含まれる。
【0005】
α-フェトプロテイン(AFP)などの臨床診療で一般的に使用される腫瘍マーカーの高い偽陽性および偽陰性を考慮すると、この分野では、さらに、マーカーを開発することが急務である。腫瘍細胞DNAの異常なメチル化プロファイルを見つけることは、腫瘍バイオマーカーを研究するための新しい方法である。しかし、腫瘍に確実に関連する異常なメチル化プロファイルを見つけるには、多くの研究と、多数の患者の遺伝子に対する長期的な同定・比較が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的としては、腫瘍を診断するためのDNAメチル化に関連するマーカー及びその使用を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の様態では、以下を含む単離されたポリヌクレオチドを提供する:
(a) SEQ ID NO:1に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(b) SEQ ID NO:3に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(c) SEQ ID NO:5に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(d) SEQ ID NO:7に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(e)上記(a)~(d)のポリヌクレオチドのフラグメントであって、かつその中に少なくとも1個(例えば2~40個、より具体的に3、5、8、10、15、20、25、30、35個)の修飾されたCpGサイトが存在するもの;及び/又は
(f) 上記(a)~(e)のポリヌクレオチド又はフラグメントと相補する核酸(アンチセンス鎖)。
【0008】
一つの好ましい例では、上記の修飾が、5-メチル化修飾(5mC)、5-ヒドロキシメチル化修飾(5hmC)、5-ホルミル化修飾(5-fC)又は5-カルボキシル化修飾(5-caC)を含む。
【0009】
本発明のもう一つの様態では、上記に記載されたポリヌクレオチドから転換される、前記の(a)~(e)の配列と対応する単離されたポリヌクレオチドを提供し、ただし、修飾されたCpGサイトのシトシンCが変化しなく、未修飾のシトシンがT(U)に転換する。
一つの好ましい例では、それが、バイサルファイトで処理された前記の(a)~(e)と対応するポリヌクレオチドから転換されてなる。
【0010】
好ましい例のもう一つにおいて、上記のポリヌクレオチドは、
(g) SEQ ID NO:2に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(h) SEQ ID NO:4に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(i) SEQ ID NO:6に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(j) SEQ ID NO:8に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチド;
(k)上記(g)~(j)のポリヌクレオチドのフラグメントであって、かつその中に少なくとも1個(例えば2~40個、より具体的に3、5、8、10、15、20、25、30、35個)の修飾されたCpGサイトが存在するものを含む。
【0011】
本発明のもう一つの様態では、腫瘍検出用の試薬又はキットを調製するための、前記のいずれか一つに記載されたポリヌクレオチドの用途を提供する。
【0012】
一つの好ましい例では、上記の腫瘍が、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がん、胆嚢がんなどの消化器系腫瘍;肺がん、胸膜腫などの呼吸器系腫瘍;白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液系腫瘍;乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、外陰がん、精巣がん、前立腺がん、陰茎がんなどの婦人科および生殖器系の腫瘍;神経膠腫、神経芽細胞腫、髄膜腫などの神経系腫瘍;口腔がん、舌がん、喉頭がん、鼻咽頭がんなどの頭頸部がん;腎臓がん、膀胱がんなどの泌尿器系腫瘍;皮膚がん、黒色腫、骨肉腫、脂肪肉腫、甲状腺がんなどの皮膚および他のシステム腫瘍を含む。
【0013】
本発明のもう一つの様態では、腫瘍検出試薬を調製する方法を提供し、上記の方法が、以下を含む:前記のいずれか一つに記載された(例えば1、2、3、4本の)ポリヌクレオチドを提供し、上記のポリヌクレオチドの全長又はフラグメントを標的配列とし、当該標的配列を特異的に検出する検出試薬をデザインする;ただし、上記の標的配列には、少なくとも1個(例えば2~40個、より具体的に3、5、8、10、15、20、25、30、35個)の修飾されたCpGサイトが存在する;好ましくは、上記の検出試薬が、プライマー、プローブを含むが、これらに限定されない。
【0014】
本発明のもう一つの様態では、試薬又は組み合わせた試薬を提供し、それが、標的配列を特異的に検出し、上記の標的配列は、前記のいずれか一つに記載されたポリヌクレオチドの全長又はフラグメントであり、かつその中に少なくとも1個の(例えば2~40個、より具体的に3、5、8、10、15、20、25、30、35個)修飾されたCpGサイトが存在する;好ましくは、上記の検出試薬が、プライマー、プローブを含むが、これらに限定されない。
【0015】
一つの好ましい例では、上記のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 1に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドであり、上記の標的配列が、SEQ ID NO: 1の240~296位のヌクレオチドのフラグメントを含む;好ましくは、上記のプライマーは、SEQ ID NO: 9~12に示されたプライマーである。
【0016】
もう一つの好ましい例では、上記のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 3に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドであり、上記の標的配列が、SEQ ID NO: 3の279~323位のヌクレオチドのフラグメントを含む;好ましくは、上記のプライマーは、SEQ ID NO: 12~15に示されたプライマーである;又は
【0017】
もう一つの好ましい例では、上記のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 5に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドであり、上記の標的配列が、SEQ ID NO: 5の186~235位のヌクレオチドのフラグメントを含む;好ましくは、上記のプライマーは、SEQ ID NO: 12、16~18に示されたプライマーである;又は
【0018】
もう一つの好ましい例では、上記のポリヌクレオチドは、SEQ ID NO: 7に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドであり、上記の標的配列が、SEQ ID NO: 7の164~198位のヌクレオチドのフラグメントを含む;好ましくは、上記のプライマーは、SEQ ID NO: 12、19~21に示されたプライマーである。
【0019】
本発明のもう一つの様態では、上記の試薬又は組み合わせた試薬の、腫瘍を検出するためのキットの調製における用途を提供する;好ましくは、上記の腫瘍が、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がん、胆嚢がんなどの消化器系腫瘍;肺がん、胸膜腫などの呼吸器系腫瘍;白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液系腫瘍;乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、外陰がん、精巣がん、前立腺がん、陰茎がんなどの婦人科および生殖器系の腫瘍;神経膠腫、神経芽細胞腫、髄膜腫などの神経系腫瘍;口腔がん、舌がん、喉頭がん、鼻咽頭がんなどの頭頸部がん;腎臓がん、膀胱がんなどの泌尿器系腫瘍;皮膚がん、黒色腫、骨肉腫、脂肪肉腫、甲状腺がんなどの皮膚および他のシステム腫瘍を含む。
【0020】
本発明のもう一つの様態では、以下を含む検出キットを提供する:
容器、及び容器に位置する前記の試薬又は試薬の組み合わせ;好ましくは、各試薬は別々の容器に位置する。
【0021】
一つの好ましい例では、上記のキットは、さらに、バイサルファイト、DNA精製試薬、DNA抽出試薬、PCR増幅試薬及び/又はユーザーマニュアル(検出操作ステップと結果判定標準を表示するもの)を含む。
【0022】
本発明のもう一つの様態では、生体外で試料における上記のポリヌクレオチド又はそのフラグメントのメチル化プロファイルを検出する方法を提供し、上記の方法が、以下を含む:
(i)試料を提供し、DNAを抽出すること;
(ii)その中の未修飾のシトシンがウラシルに転化するように、検出しようとする試料を処理する;好ましくは、上記の修飾が、5-メチル化修飾(5mC)、5-ヒドロキシメチル化修飾(5hmC)、5-ホルミル化修飾又は5-カルボキシル化修飾を含む;好ましくは、バイサルファイトでステップ(i)に記載されたDNAを処理すること;
(iii)(ii)で処理されたゲノムDNAにおける上記のポリヌクレオチド又はそのフラグメントの修飾状況を分析すること。
【0023】
一つの好ましい例では、上記のメチル化プロファイル異常とは、当該ポリヌクレオチドCpGにおけるCが、高度にメチル化されることを意味する。
【0024】
もう一つの好ましい例では、上記のメチル化プロファイルの方法は、疾患の診断結果を直接取得することを目的としたものではなく、診断的な方法ではない。
【0025】
もう一つの好ましい例では、ステップ(3)には、分析する方法が、パイロシーケンス法、バイサルファイトシーケンス法、qPCR法、次世代シーケンス法、全ゲノムメチル化シーケンス法、DNA濃縮検出法、Reduced Representation Bisulfite Sequencing(RRBS)技術、HPLC法、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0026】
本文に開示された内容に基づき、当業者にとって、本発明の他の面は自明なものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】結腸直腸がんにおけるCTSM-4Fの検出結果。
【
図2】肝臓がんにおけるCTSM-4Fの検出結果。
【
図3】頭頸部腫瘍におけるCTSM-4Fの検出結果。
【
図5】乳がんにおけるCTSM-2BEの検出結果。
【
図6】頭頸部腫瘍におけるCTSM-2BEの検出結果。
【
図7】肺がんにおけるCTSM-2BEの検出結果。
【
図8】膵臓がんにおけるCTSM-2BEの検出結果。
【
図9】結腸直腸がんにおけるCTSM-3Cの検出結果。
【
図10】頭頸部がんにおけるCTSM-3Cの検出結果。
【
図11】肺がんにおけるCTSM-3Cの検出結果。
【
図12】乳がんにおけるCTSM-4Iの検出結果。
【
図13】結腸直腸がんにおけるCTSM-4Iの検出結果。
【
図14】頭頸部がんにおけるCTSM-4Iの検出結果。
【
図15】肺がんにおけるCTSM-4Iの検出結果。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明者らは、腫瘍マーカーの研究に取り組んで、広範な研究とスクリーニングの上に、ゲノムに異常なDNAメチル化がある遺伝子配列領域を特定し、腫瘍マーカーであるCTSM-4F、CTSM-2BE、CTSM-3C、CTSM-4Iと名付けた。臨床サンプルに関する研究は、これらの配列領域のメチル化状態が腫瘍組織と非腫瘍組織の間で有意差があり、それらのCpGが高度にメチル化されていることを示している。したがって、これらの遺伝子は腫瘍マーカーであり、腫瘍診断試薬を設計するための基礎として使用できる。
【0029】
用語
本明細書で使用される場合、「単離」とは、物質をその元の環境から単離することを指す(天然物質である場合、元の環境は自然環境である)。例えば、生細胞において、自然状態にあるポリヌクレオチドとポリペプチドは、単離・精製されないが、同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドが自然状態で共存する他の物質から単離される場合、それは単離・精製されるものである。
本明細書で使用される場合、「サンプル」または「試料」は、任意の個体または単離された組織、細胞、または体液から得られる、DNAメチル化状態の検出に適した物質を含む。
【0030】
本明細書で使用される場合、「高(度)メチル化」は、遺伝子配列におけるCpGの高度的なメチル化、ヒドロキシメチル化、ホルミル化またはカルボキシル化修飾の存在を指す。たとえば、メチル化特異的PCR(MSP)分析法の観点から、メチル化特異的プライマーを使用したPCR反応では、陽性のPCR結果が得られると、テスト対象のDNA(遺伝子)領域が高メチル化状態にあることを意味する。例えば、リアルタイム定量的メチル化特異的PCRの場合、高メチル化状態の判定は、コントロール試料のメチル化状態の相対値に基づく統計的差異について分析することができる。
【0031】
本明細書で使用される場合、上記の腫瘍が、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、肝臓がん、膵臓がん、胆管がん、胆嚢がんなどの消化器系腫瘍;肺がん、胸膜腫などの呼吸器系腫瘍;白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫などの血液系腫瘍;乳がん、卵巣がん、子宮頸がん、外陰がん、精巣がん、前立腺がん、陰茎がんなどの婦人科および生殖器系の腫瘍;神経膠腫、神経芽細胞腫、髄膜腫などの神経系腫瘍;口腔がん、舌がん、喉頭がん、鼻咽頭がんなどの頭頸部がん;腎臓がん、膀胱がんなどの泌尿器系腫瘍;皮膚がん、黒色腫、骨肉腫、脂肪肉腫、甲状腺がんなどの皮膚および他のシステム腫瘍を含むが、これらに限定されない。
【0032】
遺伝子マーカー
腫瘍の診断のための有用な標的を見つけるために、本発明者らは、広範囲かつ詳細な研究を経て、最終に、一連の遺伝子配列領域であるCTSM-4F、CTSM-2BE、CTSM-3C、CTSM-4Iを見つけた。これらの遺伝子配列領域のメチル化状態が、腫瘍組織と非腫瘍組織では有意差があるので、上記遺伝子のいずれかのプロモーター領域に異常なメチル化状態(高メチル化)が検出されると、当該受検者が、がんのハイリスクグループであることを判定できる。
そして、本発明が、単離されたポリヌクレオチドを提供し、上記のポリヌクレオチドは、ヒトゲノムから由来し、SEQ ID NO: 1、SEQ ID NO: 3、SEQ ID NO: 5、SEQ ID NO: 7に示されたヌクレオチド配列を有し、腫瘍患者の腫瘍細胞において、当該ポリヌクレオチド配列の複数箇所の5’-CpG-3’の塩基Cポジションに、5-メチルシトシン(5mC)が生成される。本発明が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5又はSEQ ID NO:7に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドのフラグメントであって、かつ少なくとも1個(例えば2~40個、より具体的に3、5、8、10、15、20、25、30、35個)のメチル化CpGサイトが存在するものも含む。上記のポリヌクレオチド又はフラグメント又は相補鎖(アンチセンス鎖)は、検出試薬又は検出キットのデザインに用いられても良い。
【0033】
上記のポリヌクレオチドは、メチル化状態を分析するためのゲノムの重要な領域として使用することができ、それらのメチル化状態は、当技術分野で既知された様々な技術によって分析することができる。メチル化状態を分析するために使用することができる任意の技術を本発明に適用することができる。
【0034】
上記のポリヌクレオチドをバイサルファイトで処理した後に、メチル化されないシトシンは、ウラシルに転化され、メチル化されたシトシンは、変化しない。
【0035】
そして、本発明が、上記ポリヌクレオチド(それと相補する鎖(アンチセンス鎖)を含む)をバイサルファイトで処理して得るポリヌクレオチドも提供し、SEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 4、SEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 8に示されたヌクレオチド配列のポリヌクレオチドを含む。これらのポリヌクレオチドは、検出試薬又は検出キットのデザインに用いられても良い。
【0036】
本発明が、上記ポリヌクレオチド(その相補鎖(アンチセンス鎖)を含む)をバイサルファイトで処理して得るポリヌクレオチドのフラグメントも含み、ただし、少なくとも1個のメチル化CpGサイトが存在する。
【0037】
検出試薬及キット
本発明の新たな発見に基づき、生体外で試料におけるポリヌクレオチドのメチル化プロファイルを検出するための、ポリヌクレオチド配列に基づいてデザインされた検出試薬も提供する。本分野に既知された確定なゲノムの配列とメチル化状態の検出方法と試薬は、いずれも本発明に適用できる。
【0038】
そして、本発明が、腫瘍検出試薬を調製する方法を提供し、以下を含む:(例えば1、2、3、4本の)上記のポリヌクレオチドを提供し、上記のポリヌクレオチドの全長又はフラグメントを標的配列とし、当該標的配列を特異的に検出する検出試薬をデザインする;ただし、上記の標的配列には、少なくとも1個のメチル化CpGサイトが存在する。
【0039】
本発明の好ましい形態において、上記の標的配列は、SEQ ID NO: 1の240~296位のヌクレオチドのフラグメントを含む;或いはSEQ ID NO: 3の279~323位のヌクレオチドのフラグメントを含む;或いはSEQ ID NO: 5の186~235位のヌクレオチドのフラグメントを含む;好ましくは、上記のプライマーは、SEQ ID NO: 12、16~18に示されたプライマーである;或いはSEQ ID NO: 7の164~198位のヌクレオチドのフラグメントを含む。
【0040】
上記の検出試薬が、プライマー、プローブなどを含むが、これらに限定されない。
【0041】
上記の試薬は、例えばプライマーペアであり、ポリヌクレオチドの配列を知っている場合、プライマーのデザインは当業者に既知されたものであり、2つのプライマーが、増幅される標的遺伝子の特定の配列の両側に隣接している(CpG配列を含み、その中のCpGと相補するのは、元のメチル化された遺伝子領域を標的とするものであり、その中のTpGと相補するのは、元の脱メチル化された遺伝子領域を標的とするものである)。
【0042】
上記の試薬は、試薬の組み合わせ(プライマー組み合わせ)であっても良く、複数グループのプライマーを含み、複数の上記ポリヌクレオチドを別々に増幅することができる。
【0043】
本発明の好ましい形態として、上記のプライマーは、SEQ ID NO: 9~12に示されたプライマーである;或いはSEQ ID NO: 12~15に示されたプライマーである;或いはSEQ ID NO: 12、16~18に示されたプライマーである;或いはSEQ ID NO: 12、19~21に示されたプライマーである。上記のプライマーはネステッドPCRに使用するプライマーであり、2回のPCR増幅反応で得られた増幅産物を、配列の同定に使用される。上記のプライマーで増幅することにより得られた産物は、適切な長さと高い特異性を有し、複雑なシステムの増幅にも優れた特異性を有し、メチル化特異的PCRに特に適している。
【0044】
本発明が、生体外で試料におけるポリヌクレオチドのメチル化プロファイルを検出するキットも提供し、当該キットが、容器、及び容器に位置する上記のプライマーペアを含む。
また、上記のキットには、さらに、DNAの抽出、DNAの精製、PCR増幅などに必要な様々な試薬も含んでも良い。
【0045】
さらに、上記のキットは、当業者の使用を便利にするための、検出操作ステップおよび結果判断基準を示すユーザーマニュアルを含むことができる。
【0046】
検出方法
ポリヌクレオチドのメチル化プロファイルは、既存の技術(例えばメチル化特異的PCR(MSP)またはリアルタイム定量的メチル化特異的PCR、Methylight)、または開発中と開発予定の他の技術によって測定することができる。
【0047】
定量的メチル化特異的PCR(QMSP)を使用して、メチル化レベルを検出することもできる。この方法は、MSP法よりも感度の高い、蛍光PCRの連続光学モニタリングに基づくものである。それが高いスループットを有し、かつその結果を分析するための電気泳動の使用を避ける。
【0048】
他の使用できる技術は、パイロシーケンス法、バイサルファイトシーケンス法、qPCR法、次世代シーケンス法、全ゲノムメチル化シーケンス法、DNA濃縮検出法、Reduced Representation Bisulfite Sequencing(RRBS)技術、HPLC法、及び組み合わせた遺伝子グループ検出法などの、当技術分野の通常方法がある。本発明の新たな開示に基づいて、当技術分野で公知されたこれらの技術ならびに開発しようとする技術は、いずれも本発明に適用できることを理解すべきである。
【0049】
本発明の好ましい様態として、生体外で試料におけるポリヌクレオチドのメチル化プロファイルを検出する方法も提供する。上記の方法は、以下の原理に基づくものである:バイサルファイトは、メチル化されていないシトシンをウラシルに変換でき、その後のPCR増幅プロセスでチミンに変換されるが、メチル化されたシトシンは変化しない;したがって、ポリヌクレオチドをバイサルファイトで処理した後、メチル化されたサイトには、C/Tのようなポリヌクレオチド多型(SNP)が生成される。上記の原理に基づいて試料におけるポリヌクレオチドのメチル化プロファイルを検出すると、メチル化シトシンと非メチル化シトシンを効果的に区別できる。
本発明に記載された方法が、以下を含む:(a)試料を提供し、ゲノムDNAを抽出する;(b)バイサルファイトでステップ(a)のゲノムDNAを処理し、ゲノムDNAにおけるメチル化されていないシトシンをウラシルに転化する;(c)ステップ(b)で処理されたゲノムDNAにメチル化プロファイル異常の存在の有無を分析する。
【0050】
本発明の方法は、(i)受験者の試料に検出を行い、受験者が腫瘍を罹患しているかどうかを分析すること;(ii)腫瘍のハイリスクグループを区別することに用いられても良い。上記の方法は、直接的な疾患診断結果を得ることを目的としない状況でもあり得る。
【0051】
本発明の好ましい実施例において、DNAメチル化は、PCR増幅およびパイロシーケンシングによって検出されるが、当業者は、実際の使用には、当該方法に限定されず、他のDNAメチル化検出方法も可能であることを理解すべきである。PCR増幅に使用されるプライマーは、実施例で提供されるものに限定されない。
【0052】
本発明の好ましい実施例において、ゲノムDNAはバイサルファイトで処理された後に、メチル化されていないシトシンはウラシルに変換され、その後のPCRプロセスでチミンに変換されることが、ゲノムの配列の複雑さを軽減するので、PCRによる特定の標的フラグメントの増幅がより困難になる。本発明者らは、ネステッドPCR増幅を採用し、外周と内周に2ペアのプライマーをデザインし、2回のPCR増幅反応を行ってもよく、1回目の増幅産物を2回目の増幅のテンプレートとして使用し、増幅の効率と特異性を効果的に改善することができることを見出す。本発明で利用可能な検出方法はこれに限定されないことを理解すべきである。
【0053】
臨床サンプルに関する研究および検証によって、本発明の方法は、臨床腫瘍の診断に使用される場合、非常に高い精度と、高い臨床使用価値を有する。
【0054】
以下、具体的な実施例を参照して、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の単なる例示であることが理解されるべく。以下の実施例における特定の条件を特定しない実験方法は、通常に、J.Sambrookら、Guide to Molecular Cloning、Third Edition、Science Press、2002に記載された通常条件に従って実施され、或いはメーカーが推奨する条件に従って実施される。
【0055】
実施例1、腫瘍マーカーCTSM-4F
一、検出配列に対する説明
この実施例では、SEQ ID NO: 1に示されるCTSM-4F腫瘍マーカーの配列を提供し、ただし、ボックスによって示される塩基は潜在的なメチル化CpGサイトであり、最適な検出領域は中央の下線が引かれた領域である。
【0056】
SEQ ID NO:1は、以下に示される:
CGCCCAGTAAGTTACGGAAAAGGCGGAGACAGAGGTTTCGTTCCCGCCCCTCCAATTCAGTCTCCAAAAAGGTCCGCATAATTGATATATAAGGGGCTTCAGTGTGTAGCAAAGTTGCAAAAGTTAAGAGTTGTTGTTTGTCTTCGATCATGTCTGGTAGAGGCAAAGGTGGTAAAGGTTTAGGAAAGGGAGGCGCCAAGCGCCATCGCAAAGTGCTGCGTGACAACATACAGGGCATCACGAAGCCCGCCATCCGTCGCTTGGCCCGACGCGGCGGCGTGAAACGCATTTCGGGCCTCATTTATGAGGAGACCCGCGGTGTTCTTAAGGTGTTCCTGGAGAATGTGATACGGGACGCCGTAACCTACACGGAGCACGCCAAGCGTAAGACAGTCACTGCAATGGATGTTGTCTACGCGCTCAAGCGCCAGGGACGCACTCTGTACGGCTTTGGTGGCTGAGCCTCACCCCGGCTTTTTATTTAACAGCTCACCCATAAAAGGCCCTTTTCAGGGCCACCTCCTTCGTCACACGAAGGGCTGTAACTGATGACGACTTGGGTTTCGTTTTGTAAATTTGGGATTCTAACTGAGTTAAACCGAGCCGTTTTTAGCGATCTTCCTAAGATGGCGGATGTGCTAAGGAGAAAGGGAAGGCGAAACATTAGAAACTTGTTCAGGTATTTCGATCGCAAACATT
【0057】
二、検出ステップ
1、検出しようとするサンプルの入手:がん組織及び相応する腫瘍随伴コントロール組織を含む臨床組織サンプルを選択した。
【0058】
2、DNA抽出:一般的なフェノールクロロホルムで検出しようとするサンプルのゲノムDNAを抽出した。
【0059】
3、パイロシーケンス法でDNAのメチル化を検出し、DNAメチル化の検出ステップは、以下に示された:
【0060】
(1) バイサルファイト処理操作:5~200ngの上記の抽出で得られたゲノムDNAに対し、バイサルファイト処理を行って、本ステップには、ZYMO Research会社のMethylation-Gold(TM) Kitキット(商品番号D5006)を使用し、ユーザーマニュアルに従って厳密に操作し、最後に20ulの溶離液で溶出し、その後のPCR増幅のテンプレートとした。
【0061】
(2)バイサルファイト処理の後に、SEQ ID NO: 2を得、ただし、YはC(シトシン)またはT(チミン)を表す。SEQ ID NO:1に対応し、元のメチル化修飾シトシンCは変化せず、元の非メチル化修飾シトシンはT(U)に変換されるため、YはCまたはTを表す。
SEQ ID NO:2は、以下に示される:
YGTTTAGTAAGTTAYGGAAAAGGYGGAGATAGAGGTTTYGTTTTYGTTTTTTTAATTTAGTTTTTAAAAAGGTTYGTATAATTGATATATAAGGGGTTTTAGTGTGTAGTAAAGTTGTAAAAGTTAAGAGTTGTTGTTTGTTTTYGATTATGTTTG
GTAGAGGTAAAGGTGGTAAAGGTTTAGGAAAGGGAGGYGTTAAGYGTTATYGTAAAG
TGTTGYGTGATAATATATAGGGTATTAYGAAGTTYGTTATTYGTYGTTTGGTTYGAYGYGGYGGYGTGAAAYGTATTTYGGGTTTT
ATTTATGAGGAGATTYGYGGTGTTTTTAAGGTGTTTTTGGAGAATGTGATAYGGGAYGTYGTAATTTATAYGGAGTAYGTTAAGYGTAAGATAGTTATTGTAATGGATGTTGTTTAYGYGTTTAAGYGTTAGGGAYGTATTTTGTAYGGTTTTGGTGGTTGAGTTTTATTTYGGTTTTTTATTTAATAGTTTATTTATAAAAGGTTTTTTTTAGGGTTATTTTTTTYGTTATAYGAAGGGTTGTAATTGATGAYGATTTGGGTTTYGTTTTGTAAATTTGGGATTTTAATTGAGTTAAATYGAGTYGTTTTTAGYGATTTTTTTAAGATGGYGGATGTGTTAAGGAGAAAGGGAAGGYGAAATATTAGAAATTTGTTTAGGTATTTYGATYGTAAATATT
SEQ ID NO: 2に基づき、ネステッドPCR及びパイロシーケンスの特徴によって、増幅プライマーとシーケンシングプライマーのセットを提供し、表1に示された(SEQ ID NO: 2の二重下線または太字の配列に対応する):
【表1】
【0062】
(3)ネステッドPCR増幅:使用されたPCR増幅試薬は、莱楓会社製の2×PCR Master Mix試薬(商品番号はPT102である)が、この試薬に限定されない。
1回目のPCR増幅システム:
【表2】
1回目のPCR増幅プログラム:
【表3】
1回目のPCR増幅が完了した後、1回目のPCR増幅の産物をテンプレートとし、2回目のPCR増幅を行い、そのシステムは次のとおり:
【表4】
2回目の増幅プログラムは次のとおり:
【表5】
【0063】
(4)アガロースゲル電気泳動:PCR増幅産物の特異性を確認するために、アガロースゲル電気泳動で同定した結果として、増幅産物の長さは177bpであるはず。
【0064】
(5)パイロシーケンス:QIAGEN会社が製造したパイロシーケンスマシンを使用し、特定の手順に従って、標的領域の各CpGサイトのメチル化値を検出した。
【0065】
(6)分析と計算:パイロシーケンスステップによって、11個のCpGサイトのメチル化値を検出し、それらの平均値を、サンプルの該領域内の最終的なメチル化値とした。ここで、平均値法を使用したが、加算や中央値などの他の計算方法も使用できる。
【0066】
三、結果の分析
サンプルのメチル化値を分析することにより、腫瘍サンプルとコントロールサンプルを効果的に区別することができ、コントロールサンプルでは、CTSM-4Fは低メチル化状態にあり、腫瘍サンプルでは、CTSM-4Fは高メチル化状態にある。
【0067】
四、臨床試験と分析
1、直腸がんの検出と分析
病院から得られた直腸がんに診断されたサンプルから、ランダムに4つの結腸直腸がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0068】
上記のステップ二~三の方法を採用し、上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0069】
図1に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Fのメチル化は、結腸直腸がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、結腸直腸がんにおけるCTSM-4Fは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた結腸直腸がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0070】
2、肝臓がんの検出と分析
病院から得られた肝臓がんに診断されたサンプルから、ランダムに8つの肝臓がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0071】
上記のステップ二~三の方法を採用し、上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0072】
図2に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Fのメチル化は、肝臓がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、肝臓がんにおけるCTSM-4Fは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた肝臓がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0073】
3、頭頸部腫瘍の検出と分析
病院から得られた頭頸部腫瘍に診断されたサンプルから、ランダムに5つの頭頸部腫瘍サンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0074】
上記のステップ二~三の方法を採用し、上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0075】
図3に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Fのメチル化は、頭頸部腫瘍サンプルのメチル化よりも有意に低かったが、頭頸部腫瘍におけるCTSM-4Fは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた頭頸部腫瘍マーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0076】
4、肺がんの検出と分析
病院から得られた肺がんに診断されたサンプルから、実験グループとして、ランダムに5つの肺がん血漿サンプルを選択し、コントロールグループとして、5つの正常なヒト血漿サンプルを選択した。
【0077】
上記のステップ二~三の方法を採用し、上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0078】
図4に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Fのメチル化は、実験グループのメチル化よりも有意に低かったが、肺がんにおけるCTSM-4Fは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた肺がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0079】
実施例2、腫瘍マーカーCTSM-2BE
一、検出配列に対する説明
この実施例では、SEQ ID NO:3に示されるCTSM-2BE腫瘍マーカーの配列を提供し、ただし、ボックスによって示される塩基は潜在的なメチル化CpGサイトである。最適な検出領域は中央の下線が引かれた領域である。
SEQ ID NO:3は、以下に示される:
AGCTGTTTGTTAAATAGGCTTTCATTTTAATTTTTTAAAAAATATTTTCACTAGTTAGACGGAATATTTATTTCTGATCCTCGTTGTAGGGCTAAACTAGGTGTGACTTGCTTTTCCATTAAGGACTGTAGCCATTTTGGCTAAGAAAGTCTTTCCTGTCTTAGCTCTCTTCAAGAGATGCTATTTACTTTTTTGTTGTTGTTTTCTCCGGAGCTTTATTGCCTACCCTTTATTTTCACGATGTGTTTGTGCATTCTGTAAAAAGTGGGAAACACTGTTCTCCGGATTGTGTGGGTGATCGCCGGTCGCCTAGCTTGCCGTTCTTCAGGTATCTCCTGCTGCTCCAGAATCTACATCTGAATGTCAAGGCATAGCTTTTCCAGGAGCTTTTAAACCGACCTTTCAATTCGAAGACGTAACTGCGCCAGGAGCTTTGTCTCCCTGGCATATAAAAGCATAGAAGAGAGCAACTTCTGGTTTTTAAAATAAGTAAACTAATCTGAATTGTTTGCAATGGTAGGAACTTGTTATATAAAATGTTAATTAGGTGGCCCGTGCTCGAAAACTGCTCTCAGGATATGACCAATGGGAGAGTAGACCTAAGCTCCTTCATTTGCATGCAGA
【0080】
バイサルファイト処理の後に、SEQ ID NO:4を得、ただし、YはC(シトシン)またはT(チミン)を表す。
SEQ ID NO:4は、以下に示される:
AGTTGTTTGTTAAATAGGTTTTTATTTTAATTTTTTAAAAAATATTTTTATTAGTTAGAYGGAATATTTATTTTTGATTTTYGTTGTAGGGTTAAATTAGGTGTGATTTGTTTTTTTATTAAGGATTGTAGTTATTTTGGTTAAGAAAGTTTTTTTTGTTTTAGTTTTTTTTAAGAGATGTTATTTATTTTTTTGTTGTTGTTTTTTTYGGAGTTTTATTGTTTATTTTTTATTTTTAYGATGTGTTTGTGTATTTTGTAAAAAGTGGGAAATATTGTTTTTYGGATTGTGTGGGTGATYGTYGGTYGTTTAGTTTGTYGTTTTTTAGGTATTTTTTGTTGTTTTAGAATTTATATTTGAATGTTAAGGTATAGTTTTTTTAGGAGTTTTTAAATYGATTTTTTAATTYGAAGAYGTAATTGYGTTAGGAGTTTTGTTTTTTTGGTATATAAAAGTATAGAAGAGAGTAATTTTTGGTTTTTAAAATAAGTAAATTAATTTGAATTGTTTGTAATGGTAGGAATTTGTTATATAAAATGTTAATTAGGTGGTTYGTGTTYGAAAATTGTTTTTAGGATATGATTAATGGGAGAGTAGATTTAAGTTTTTTTATTTGTATGTAGA
【0081】
SEQ ID NO:4に基づき、ネステッドPCR及びパイロシーケンスの特徴によって、増幅プライマーとシーケンシングプライマーのセットを提供し、表2に示された。
【表6】
上記のプライマーを採用し、実施例1と同じ方法で検出しようとするサンプルのDNAを抽出し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR増幅、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0082】
二、臨床試験と分析
1、乳がんの検出と分析
病院から得られた乳がんを診断されたサンプルから、ランダムに8つの乳がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
図5に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-2BEのメチル化は、乳がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、乳がんにおけるCTSM-2BEは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた乳がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0083】
2、頭頸部腫瘍の検出と分析
病院から得られた頭頸部腫瘍を診断されたサンプルから、ランダムに6つの頭頸部腫瘍サンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
図6に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-2BEのメチル化は、頭頸部腫瘍サンプルのメチル化よりも有意に低かったが、頭頸部腫瘍におけるCTSM-2BEは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた頭頸部腫瘍マーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0084】
3、肺がんの検出と分析
病院から得られた肺がんを診断されたサンプルから、ランダムに8つの肺がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
図7に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-2BEのメチル化は、肺がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、肺がんにおけるCTSM-2BEは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた肺がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0085】
4、膵臓がんの検出と分析
病院から得られた膵臓がんを診断されたサンプルから、ランダムに8つの膵臓がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
図8に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-2BEのメチル化は、膵臓がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、膵臓がんにおけるCTSM-2BEは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた膵臓がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0086】
実施例3、腫瘍マーカーCTSM-3C
一、検出配列に対する説明
この実施例では、SEQ ID NO:5に示されるCTSM-3C腫瘍マーカーの配列を提供し、ただし、ボックスによって示される塩基は潜在的なメチル化CpGサイトである。最適な検出領域は中央の下線が引かれた領域である。
SEQ ID NO:5は、以下に示される:
TGGGGCAACTCATCCAATAAGATTGTCTAGTAATGAACCAATCAGTCTGGTCACTCTTCAGCCAATGATTTTATCGCGCGGGACTTTTGAAATATTACAGGACCAATCAGAATGTTTCTCACTATATTTAAAGGCCACTTGCTCTCAGTTCACTACACTTTTGTGTGTGCTCTCATTGCAAATGGCTCGTACGAAGCAAACAGCTCGCAAGTCTACCGGCGGCAAAGCTCCGCGCAAGCAGCTTGCTACTAAAGCAGCCCGTAAGAGCGCTCCGGCCACCGGTGGCGTGAAGAAACCTCATCGCTACCGCCCGGGCACCGTGGCCTTGCGCGAAATCCGTCGCTACCAGAAGTCCACCGAGCTGCTGATCCGGAAGCTGCCGTTCCAGCGCCTGGTGCGAGAAATCGCCCAGGACTTCAAAACCGACCTGCGTTTCCAGAGCTCTGCGGTGATGGCGCTGCAGGAGGCTTGTGAGGCCTACCTGGTGGGACTCTTCGAAGACACCAATCTGTGCGCTATTCACGCTAAACGCGTCACCATCATGCCCAAAGATATCCAGCTGGCACGTCGCATCCGTGGGGAAAGGGCATAAGTCTGCCCGTTTCTTCCTCATTGAAAAGGCTCTTTTCAGAGCCACTCACAATTTCACTTAAAAACAGTTGTAACCCA
【0087】
バイサルファイト処理の後に、SEQ ID NO:6を得、ただし、YはC(シトシン)またはT(チミン)を表す:
SEQ ID NO:6は、以下に示される:
TGGGGTAATTTATTTAATAAGATTGTTTAGTAATGAATTAATTAGTTTGGTTATTTTTTAGTTAATGATTTTATYGYGYGGGATTTTTGAAATATTATAGGATTAATTAGAATGTTTTTTATTATATTTAAAGGTTATTTGTTTTTAGTTTATTATATTTTTGTGTGTGTTTTTATTGTAAATGGTTYGTAYGAAGTAAATAGTTYGTAAGTTTATYGGYGGTAAAGTTTYGYGTAAGTAGTTTGTTATTAAAGTAGTTYGTAAGAGYGTTTYGGTTATYGGTGGYGTGAAGAAATTTTATYGTTATYGTTYGGGTATYGTGGTTTTGYGYGAAATTYGTYGTTATTAGAAGTTTATYGAGTTGTTGATTYGGAAGTTGTYGTTTTAGYGTTTGGTGYGAGAAATYGTTTAGGATTTTAAAATYGATTTGYGTTTTTAGAGTTTTGYGGTGATGGYGTTGTAGGAGGTTTGTGAGGTTTATTTGGTGGGATTTTTYGAAGATATTAATTTGTGYGTTATTTAYGTTAAAYGYGTTATTATTATGTTTAAAGATATTTAGTTGGTAYGTYGTATTYGTGGGGAAAGGGTATAAGTTTGTTYGTTTTTTTTTTATTGAAAAGGTTTTTTTTAGAGTTATTTATAATTTTATTTAAAAATAGTTGTAATTTA
【0088】
SEQ ID NO:6に基づき、ネステッドPCR及びパイロシーケンスの特徴によって、増幅プライマーとシーケンシングプライマーのセットを提供し、表3に示された。
【表7】
上記のプライマーを採用し、実施例1と同じ方法で検出しようとするサンプルのDNAを抽出し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR増幅、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0089】
二、臨床試験と分析
1、結腸直腸がんの検出と分析
病院から得られた結腸直腸がんを診断されたサンプルから、ランダムに9つの結腸直腸がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0090】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0091】
図9に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-3Cのメチル化は、結腸直腸がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、結腸直腸がんにおけるCTSM-3Cは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた結腸直腸がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0092】
2、頭頸部がんの検出と分析
病院から得られた頭頸部がんを診断されたサンプルから、ランダムに5つの頭頸部がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0093】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0094】
図10に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-3Cのメチル化は、頭頸部がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、頭頸部がんにおけるCTSM-3Cは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた頭頸部がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0095】
3、肺がんの検出と分析
病院から得られた肺がんを診断されたサンプルから、ランダムに6つの肺がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0096】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0097】
図11に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-3Cのメチル化は、肺がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、肺がんにおけるCTSM-3Cは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた肺がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0098】
実施例4、腫瘍マーカーCTSM-4I
一、検出配列に対する説明
この実施例では、SEQ ID NO:7に示されるCTSM-4I腫瘍マーカーの配列を提供し、ただし、ボックスによって示される塩基は潜在的なメチル化CpGサイトである。最適な検出領域は中央の下線が引かれた領域である。
SEQ ID NO:7は、以下に示される:
TACCCATAAAAGAAAGCTGCCATCACAGGCAGCAGACCTTTGTTCTCTGACCACTTGATAATGTCAGGACGCGGCAAAGGAGGTAAGGGCCTGGGGAAAGGGGGTGCCAAGCGCCACCGCAAGGTGCTGCGCGACAACATCCAGGGTATCACCAAGCCAGCCATTCGGCGCCTTGCTCGCCGCGGCGGCGTGAAGCGCATTTCTGGCCTCATCTATGAGGAGACCCGCGGAGTGTTGAAGGTGTTCCTGGAGAACGTGATCCGGGACGCCGTGACCTACACGGAGCACGCCAAGCGCAAGACGGTCACCGCCATGGACGTGGTCTACGCGCTCAAGCGCCAGGGCCGCACCCTCTATGGCTTCGGCGGCTAAAT
【0099】
バイサルファイト処理の後に、SEQ ID NO:8を得、ただし、YはC(シトシン)またはT(チミン)を表す:
SEQ ID NO:8は、以下に示される:
TATTTATAAAAGAAAGTTGTTATTATAGGTAGTAGATTTTTGTTTTTTGATTATTTGATAATGTTAGGAYGYGGTAAAGGAGGTAAGGGTTTGGGGAAAGGGGGTGTTAAGYGTTATYGTAAGGTGTTGYGYGATAATATTTAGGGTATTATTAAGTTAGTTATTYGGYGTTTTGTTYGTYGYGGYGGYGTGAAGYGTATTTTTGGTTTTATTTATGAGGAGATTYGYGGAGTGTTGAAGGTGTTTTTGGAGAAYGTGATTYGGGAYGTYGTGATTTATAYGGAGTAYGTTAAGYGTAAGAYGGTTATYGTTATGGAYGTGGTTTAYGYGTTTAAGYGTTAGGGTYGTATTTTTTATGGTTTYGGYGGTTAAAT
【0100】
SEQ ID NO:8に基づき、ネステッドPCR及びパイロシーケンスの特徴によって、増幅プライマーとシーケンシングプライマーのセットを提供し、表4に示された。
【表8】
【0101】
二、臨床試験と分析
1、乳がんの検出と分析
病院から得られた乳がんを診断されたサンプルから、ランダムに4つの乳がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0102】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0103】
図12に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Iのメチル化は、乳がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、乳がんにおけるCTSM-4Iは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた乳がんマーカーとして使用できる。
【0104】
2、結腸直腸がんの検出と分析
病院から得られた結腸直腸がんを診断されたサンプルから、ランダムに5つの結腸直腸がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0105】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0106】
図13に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Iのメチル化は、結腸直腸がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、結腸直腸がんにおけるCTSM-4Iは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた結腸直腸がんマーカーとして使用できる。
【0107】
3、頭頸部がんの検出と分析
病院から得られた頭頸部がんを診断されたサンプルから、ランダムに6つの頭頸部がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0108】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0109】
図14に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Iのメチル化は、頭頸部がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、頭頸部がんにおけるCTSM-4Iは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた頭頸部がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0110】
4、肺がんの検出と分析
病院から得られた肺がんを診断されたサンプルから、ランダムに7つの肺がんサンプルを選択し、相応する腫瘍随伴組織をコントロールサンプルとした。
【0111】
上記のサンプルのDNAを取得し、バイサルファイト処理、ネステッドPCR、アガロースゲル電気泳動、パイロシーケンスを行い、CpGサイトのメチル化値を分析・計算した。
【0112】
図15に示されたように、結果は、コントロールサンプルにおけるCTSM-4Iのメチル化は、肺がんサンプルのメチル化よりも有意に低かったが、肺がんにおけるCTSM-4Iは、著しく異常に高メチル化され、非常に優れた肺がんマーカーとして使用できる。さらに拡大された臨床サンプルも同じ有意性を示した。
【0113】
本出願に言及されている全ての参考文献は、参照として単独に引用されるように、本出願に引用されて、参照になる。理解すべきは、本発明の上記の開示に基づき、当業者は、本発明を様々な変更または修正を行っても良い、これらの均等な形態も本出願に添付された請求の範囲に規定される範囲内に含まれる。
【配列表】