(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】方向性電磁鋼板およびその磁区微細化方法
(51)【国際特許分類】
C22C 38/00 20060101AFI20231127BHJP
C21D 8/12 20060101ALI20231127BHJP
H01F 1/147 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
C22C38/00 303U
C21D8/12 D
H01F1/147 183
(21)【出願番号】P 2021510815
(86)(22)【出願日】2019-05-23
(86)【国際出願番号】 KR2019006218
(87)【国際公開番号】W WO2020045796
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0101596
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グォン,オ-ヨル
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジョン-テ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウ-シン
(72)【発明者】
【氏名】キム,チャン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ヒョン-チョル
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォン-ゴル
(72)【発明者】
【氏名】グォン,オ-チャル
【審査官】河口 展明
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-320922(JP,A)
【文献】特開2012-012639(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0073306(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0074131(KR,A)
【文献】特開平07-316655(JP,A)
【文献】特開平07-201550(JP,A)
【文献】特開平07-258739(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0128214(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22C 38/00-38/60
C21D 8/12,9/46
H01F 1/147-1/38,1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁鋼板の一面または両面に、圧延方向と交差する方向に形成された線状のグルーブと、
前記電磁鋼板の一面または両面に、圧延方向と交差する方向に形成された線状の熱衝撃部とを含み、
前記グルーブおよび前記熱衝撃部は、圧延方向に沿って複数個形成され、
前記グルーブと前記熱衝撃部との間の間隔(D2)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.5倍であり、前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~3.0倍であり、
前記熱衝撃部は、前記熱衝撃部と前記グルーブが形成されない鋼板表面よりビッカース硬度(Hv)が10~120高く、
前記グルーブの下部に形成された凝固合金層を含み、前記凝固合金層は、厚さが0.1μm~3μmであり、
グルーブが熱衝撃部を兼ねていることは排除される、ことを特徴とする方向性電磁鋼板。
【請求項2】
前記グルーブ間の間隔(D1)が2~15mmであり、前記グルーブと前記熱衝撃部との間の間隔(D2)は0.45~7.5mmであり、前記熱衝撃部間の間隔(D3)は2.5~25mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項3】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部は、前記電磁鋼板の一面に形成される、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項4】
前記グルーブは、前記電磁鋼板の一面に形成され、前記熱衝撃部は、前記電磁鋼板の他面に形成される、ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項5】
前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.4倍である、ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項6】
前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の2~2.8倍である、ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項7】
前記グルーブの深さは、前記電磁鋼板の厚さの3~5%である、ことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項8】
前記グルーブの上部に形成された絶縁被膜層を含む、ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項9】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部の長手方向と前記圧延方向とは75~88°の角度をなす、ことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項10】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部は、前記電磁鋼板の圧延垂直方向に沿って2個~10個断続的に形成された、ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板。
【請求項11】
方向性電磁鋼板を準備する段階と、
前記方向性電磁鋼板の一面または両面に、圧延方向と交差する方向にレーザを照射して、線状のグルーブを形成する段階と、
前記方向性電磁鋼板の一面または両面に、前記圧延方向と交差する方向に前記レーザを照射して、線状の熱衝撃部を形成する段階とを含み、
前記グルーブを形成する段階および前記熱衝撃部を形成する段階を複数回行って、前記グルーブおよび前記熱衝撃部を前記圧延方向に沿って複数個形成し、
前記グルーブと前記熱衝撃部との間の間隔(D2)
は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.5倍となり、前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~3.0倍となるように形成し、
前記グルーブを形成する段階における前記レーザのエネルギー密度は0.5~2J/mm
2であり、前記熱衝撃部を形成する段階における前記レーザのエネルギー密度は0.02~0.2J/mm
2であ
り、
前記熱衝撃部は、前記熱衝撃部と前記グルーブが形成されない鋼板表面よりビッカース硬度(Hv)が10~120高く、
前記グルーブの下部に形成された凝固合金層を含み、前記凝固合金層は、厚さが0.1μm~3μmであり、
グルーブが熱衝撃部を兼ねていることは排除されることを特徴とする方向性電磁鋼板の磁区微細化方法。
【請求項12】
前記グルーブを形成する段階において、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延垂直方向のビーム長さが50~750μmであり、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延方向のビーム幅が10~30μmである、ことを特徴とする請求項11に記載の方向性電磁鋼板の磁区微細化方法。
【請求項13】
前記熱衝撃部を形成する段階において、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延垂直方向のビーム長さが1,000~15,000μmであり、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延方向のビーム幅が80~300μmである、ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の方向性電磁鋼板の磁区微細化方法。
【請求項14】
前記方向性電磁鋼板の表面に絶縁被膜層を形成する段階をさらに含む、ことを特徴とする請求項11~請求項13のいずれか一項に記載の方向性電磁鋼板の磁区微細化方法。
【請求項15】
前記グルーブを形成する段階の後、前記方向性電磁鋼板の表面に前記絶縁被膜層を形成する段階を行う、ことを特徴とする請求項14に記載の方向性電磁鋼板の磁区微細化方法。
【請求項16】
前記方向性電磁鋼板の表面に前記絶縁被膜層を形成する段階の後、前記熱衝撃部を形成する段階を行う、ことを特徴とする請求項15に記載の方向性電磁鋼板の磁区微細化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
方向性電磁鋼板およびその磁区微細化方法に係り、より詳しくは、永久磁区微細化法および一時磁区微細化法を組み合わせて、鉄損を改善すると同時に熱衝撃量を減少させることができる方向性電磁鋼板およびその磁区微細化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
方向性電磁鋼板は、変圧器などの電磁製品の鉄心材料として用いられるため、機器の電力損失を低減することによってエネルギー変換効率を向上させるためには、鉄心素材の鉄損に優れ、積層および巻取の際に占積率が高い鋼板が要求される。
【0003】
方向性電磁鋼板は、熱延、冷延および焼鈍工程により2次再結晶された結晶粒が圧延方向に{110}<001>方向に配向された集合組織(別名、「Goss Texture」ともいう)を有する機能性鋼板をいう。
【0004】
方向性電磁鋼板の鉄損を低くする方法として、磁区微細化方法が知られている。つまり、磁区をスクラッチやエネルギー的な衝撃を与えて方向性電磁鋼板の有する大きな磁区の大きさを微細化させることである。この場合、磁区が磁化され、その方向が変わる時、エネルギー的消耗量を磁区の大きさが大きい場合より低減することができる。磁区微細化方法としては、熱処理後にも改善効果が維持される永久磁区微細化と、そうでない一時磁区微細化とがある。
【0005】
回復(Recovery)が現れる熱処理温度以上の応力緩和熱処理後にも鉄損改善効果を示す永久磁区微細化方法は、エッチング法、ロール法およびレーザ法に区分することができる。エッチング法は、溶液内の選択的な電気化学反応で鋼板表面に溝(グルーブ、groove)を形成させるため、溝の形状を制御しにくく、最終製品の鉄損特性を幅方向に均一に確保することが困難である。これとともに、溶媒として用いる酸溶液によって環境にやさしくないという欠点を有する。
【0006】
ロールによる永久磁区微細化方法は、ロールに突起形状を加工してロールや板を加圧することによって、板表面に一定の幅と深さを有する溝を形成した後、焼鈍することによって、溝下部の再結晶を部分的に発生させる鉄損改善効果を示す磁区微細化技術である。ロール法は、機械加工に対する安定性、厚さに応じた安定した鉄損の確保を得にくい信頼性およびプロセスが複雑であり、溝形成直後(応力緩和焼鈍前)に鉄損と磁束密度特性が劣化するという欠点を有する。
【0007】
レーザによる永久磁区微細化方法は、高出力のレーザを高速で移動する電磁鋼板の表面部に照射し、レーザ照射によって基地部の溶融を伴うグルーブ(groove)を形成させる方法を使用する。しかし、このような永久磁区微細化方法も磁区を最小サイズに微細化させることは困難である。
【0008】
一時磁区微細化の場合、コーティングされた状態でレーザを加えた後、コーティングをもう一度行わないことに現在の技術は集中しているため、レーザを一定以上の強度で照射しようとしない。一定以上に加える場合、コーティングの損傷により張力効果をうまく発揮しにくいからである。
【0009】
永久磁区微細化の場合、溝を掘って静磁エネルギーを受けられる自由電荷面積を広げることであるため、できる限り深い溝深さが必要である。もちろん、深い溝深さによって磁束密度の低下などの副作用も発生する。そのため、磁束密度の劣化を低減するために、適正な溝深さに管理するようになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
方向性電磁鋼板およびその磁区微細化方法を提供する。具体的には、永久磁区微細化法および一時磁区微細化法を組み合わせて、鉄損を改善すると同時に熱衝撃量を減少させることができる方向性電磁鋼板およびその磁区微細化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施例による方向性電磁鋼板は、電磁鋼板の一面または両面に、圧延方向と交差する方向に形成された線状のグルーブと、前記電磁鋼板の一面または両面に、前記圧延方向と交差する方向に形成された線状の熱衝撃部とを含む。
【0012】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部は、前記圧延方向に沿って複数個形成され、前記グルーブと前記熱衝撃部との間の間隔(D2)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.5倍である。
【0013】
前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~3.0倍である。
【0014】
前記グルーブ間の間隔(D1)が2~15mmであり、前記グルーブと前記熱衝撃部との間の間隔(D2)は0.45~7.5mmであり、前記熱衝撃部間の間隔(D3)は2.5~25mmであってもよい。
【0015】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部は、前記電磁鋼板の一面に形成される。
【0016】
前記グルーブは、前記電磁鋼板の一面に形成され、前記熱衝撃部は、前記電磁鋼板の他面に形成される。
【0017】
前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.4倍であってもよい。
【0018】
前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の2~2.8倍であってもよい。
【0019】
前記グルーブの深さは、前記電磁鋼板の厚さの3~5%であってもよい。
【0020】
前記熱衝撃部は、前記熱衝撃部が形成されない前記電磁鋼板表面と10~120のビッカース硬度(Hv)差を有することができる。
【0021】
前記グルーブの下部に形成された凝固合金層を含み、前記凝固合金層は、厚さが0.1μm~3μmであってもよい。
【0022】
前記グルーブの上部に形成された絶縁被膜層を含むことができる。
【0023】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部の長手方向と前記圧延方向とは75~88°の角度をなすことができる。
【0024】
前記グルーブおよび前記熱衝撃部は、前記電磁鋼板の圧延垂直方向に沿って2個~10個断続的に形成される。
【0025】
本発明の一実施例による方向性電磁鋼板の磁区微細化方法は、前記方向性電磁鋼板を準備する段階と、前記方向性電磁鋼板の一面または両面に、圧延方向と交差する方向にレーザを照射して、線状のグルーブを形成する段階と、前記方向性電磁鋼板の一面または両面に、前記圧延方向と交差する方向に前記レーザを照射して、線状の熱衝撃部を形成する段階とを含む。
【0026】
前記グルーブを形成する段階および前記熱衝撃部を形成する段階を複数回行って、前記グルーブおよび前記熱衝撃部を前記圧延方向に沿って複数個形成し、前記グルーブと前記熱衝撃部との間の間隔(D2)は、複数の前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.5倍となり、前記熱衝撃部間の間隔(D3)は、前記グルーブ間の間隔(D1)の0.2~3.0倍となるように形成する。
【0027】
前記グルーブを形成する段階における前記レーザのエネルギー密度は0.5~2J/mm2であり、前記熱衝撃部を形成する段階における前記レーザのエネルギー密度は0.02~0.2J/mm2であってもよい。
【0028】
前記グルーブを形成する段階において、前記レーザの前記方向性電磁鋼板圧延の垂直方向のビーム長さが50~750μmであり、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延方向のビーム幅が10~30μmであってもよい。
【0029】
前記熱衝撃部を形成する段階において、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延垂直方向のビーム長さが1,000~15,000μmであり、前記レーザの前記方向性電磁鋼板の圧延方向のビーム幅が80~300μmであってもよい。
【0030】
前記方向性電磁鋼板の表面に絶縁被膜層を形成する段階をさらに含むことができる。
【0031】
前記グルーブを形成する段階の後、前記方向性電磁鋼板の表面に前記絶縁被膜層を形成する段階を行うことができる。
【0032】
前記方向性電磁鋼板の表面に前記絶縁被膜層を形成する段階の後、前記熱衝撃部を形成する段階を行うことができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の一実施形態によれば、永久磁区微細化法および一時磁区微細化法を組み合わせて、鉄損を改善すると同時に熱衝撃量を減少させることができる。
【0034】
本発明の一実施形態によれば、永久磁区微細化法および一時磁区微細化法を組み合わせて、磁区を最小サイズに微細化させることができる。
【0035】
また、本発明の一実施形態によれば、永久磁区微細化法および一時磁区微細化法を組み合わせて、絶縁コーティング層の損傷を最小化することによって、耐食特性を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施例により磁区微細化された方向性電磁鋼板の断面(TD面)の模式図である。
【
図2】本発明の一実施例により磁区微細化された方向性電磁鋼板の圧延面(ND面)の模式図である。
【
図3】本発明の他の実施例による方向性電磁鋼板の断面(TD面)の模式図である。
【
図4】本発明のさらに他の実施例による方向性電磁鋼板の圧延面(ND面)の模式図である。
【
図5】本発明の一実施例によるグルーブの模式図である。
【
図6】本発明の一実施例によるレーザビームの形状を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
第1、第2および第3などの用語は、多様な部分、成分、領域、層および/またはセクションを説明するために使用するが、これらに限定されない。これらの用語は、ある部分、成分、領域、層またはセクションを他の部分、成分、領域、層またはセクションと区別するためにのみ使用する。したがって、以下に述べる第1部分、成分、領域、層またはセクションは、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で第2部分、成分、領域、層またはセクションと言及される。
【0038】
ここで使用する専門用語は、単に特定の実施例を言及するためのものであり、本発明を限定することを意図しない。ここで使用する単数形態は、文章がこれと明確に反対の意味を示さない限り、複数形態も含む。明細書で使用する「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分を具体化し、他の特性、領域、整数、段階、動作、要素および/または成分の存在や付加を除外させるものではない。
【0039】
ある部分が他の部分の「上に」あると言及した場合、これは直に他の部分の上にあるか、その間に他の部分を伴ってもよい。対照的に、ある部分が他の部分の「真上に」あると言及した場合、その間に他の部分が介在しない。
【0040】
特に定義しないが、ここに使用する技術用語および科学用語を含むすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。通常使用される辞書に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有すると追加解釈され、定義されない限り、理想的または非常に公式的な意味で解釈されない。
【0041】
以下、本発明の実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0042】
図1および
図2には、本発明の一実施例により磁区微細化された方向性電磁鋼板10の模式図を示す。
図1および
図2に示すように、本発明の一実施例による方向性電磁鋼板10は、電磁鋼板の一面11または両面11、12に、圧延方向(RD方向)と交差する方向に形成された線状のグルーブ20と、電磁鋼板の一面11または両面11、12に、圧延方向と交差する方向に形成された線状の熱衝撃部30とを含む。
【0043】
グルーブ20および熱衝撃部30は、圧延方向に沿って複数個形成され、グルーブ20と熱衝撃部30との間の間隔(D2)は、グルーブ20間の間隔(D1)の0.2~0.5倍であり、熱衝撃部間の間隔(D3)は、グルーブ間の間隔(D1)の0.2~3.0倍である。
【0044】
本発明の一実施例によれば、グルーブ20および熱衝撃部30を同時に形成して、磁区を最小サイズに微細化させることができ、その結果、鉄損を改善することができる。レーザでグルーブ20を形成する時、鉄粉が発生するほど強いエネルギーが集束するため、付近の温度は非常に高く上昇する。この付近に熱衝撃部30形成のためのレーザを照射すれば、グルーブ20の周辺部は熱を受け、冷却時に熱収縮が起こるようになる。熱収縮によって鋼板10に引張応力が作用する。結果として、このような張力は磁区の大きさを減少させる。また、グルーブ20の形成により発生した自由面は、閉曲線を作るために静磁エネルギー的表面電荷を生成し、他の機序による2つの効果が同時に形成され、2つの効果のシナジーで鉄損が追加的に減少する。
【0045】
特に、グルーブ20を形成して、熱衝撃部30の多量形成による熱衝撃を減少させることができ、熱衝撃部30を形成して、絶縁コーティング層50の損傷を防止して耐食特性を極大化することができる。
【0046】
図1には、グルーブ20間の間隔をD1で表示し、グルーブ20と熱衝撃部30との間の間隔をD2で表示し、熱衝撃部30間の間隔をD3で表示した。
【0047】
図1のように、複数のグルーブ20および複数の熱衝撃部30が形成された場合、任意のグルーブ20およびその任意のグルーブ20と最も近いグルーブ20をグルーブ間の間隔(D1)と定義する。また、任意の熱衝撃部30と最も近いグルーブ20とを熱衝撃部とグルーブとの間の間隔(D2)と定義する。さらに、任意の熱衝撃部30と最も近い熱衝撃部30とを熱衝撃部間の間隔(D3)と定義する。
また、本発明の一実施例において、グルーブ20および熱衝撃部30に圧延方向(RD方向)に厚みが存在するので、グルーブ20の中心線と熱衝撃部30の中心線を基準として間隔を定義する。さらに、本発明の一実施例において、グルーブ20および熱衝撃部30は実質的に平行であるが、平行でない場合、最も近い位置を間隔と見なす。さらに、複数のグルーブ20および複数の熱衝撃部30が形成された場合、それぞれの間隔(D1、D2、D3)の平均値、つまり、間隔(D1、D2、D3)の総和を全個数で割った値が前述した範囲を満足できる。
【0048】
グルーブ20と熱衝撃部30との間の間隔(D2)は、グルーブ20間の間隔(D1)の0.2~0.5倍である。グルーブ20と熱衝撃部30との間の間隔(D2)は、グルーブ20間の間隔(D1)を適切に制御することによって、単位面積内に形成されるスパイクドメインの密度を極大化して鉄損改善効果を極大化することができる。さらに具体的には、グルーブ20と熱衝撃部30との間の間隔(D2)は、グルーブ20間の間隔(D1)の0.22~0.3倍である。
【0049】
図1には、グルーブ20の間に熱衝撃部30が1つ形成された場合、つまり、D3/D1が1である場合を示したが、これに限定されない。具体的には、熱衝撃部間の間隔(D3)は、グルーブ間の間隔(D1)の0.2~3.0倍である。
【0050】
熱衝撃部間の間隔(D3)が大きすぎる場合、意図した鉄損のさらなる減少効果よりはむしろ良くない磁区(磁区の移動を円滑にできるスパイク磁区形成がされず)を作り、鉄損の減少を阻害する要素になりうる。熱衝撃部間の間隔(D3)が小さすぎる場合、スパイク磁区形成による磁区移動の容易性にもかかわらず、鉄損改善効果を確保できない問題が発生しうる。
【0051】
さらに具体的には、グルーブ間の間隔(D1)は2~15mmであり、グルーブと熱衝撃部との間の間隔(D2)は0.45~7.5mmであり、熱衝撃部間の間隔(D3)は2.5~25mmであってもよい。
【0052】
間隔(D1、D2、D3)が大きすぎる場合、意図した鉄損のさらなる減少効果よりは磁区の移動を円滑にできるスパイク磁区形成がされず、鉄損の減少を阻害する要素になりうる。間隔(D1、D2、D3)が小さすぎる場合、スパイク磁区形成による磁区移動の容易性にもかかわらず、レーザ照射による熱影響部が大きすぎて鉄損改善効果を確保できない問題が発生しうる。
【0053】
グルーブ間の間隔(D1)および熱衝撃部間の間隔(D3)は、全体電磁鋼板内でその間隔が一定であり得る。具体的には、全体電磁鋼板内のすべてのグルーブ間の間隔(D1)および熱衝撃部間の間隔(D3)が、平均グルーブ間の間隔(D1)および平均熱衝撃部間の間隔(D3)の10%以内に相当できる。さらに具体的には1%以内に相当できる。
【0054】
図1および
図2には、グルーブ20および熱衝撃部30が鋼板の一面11に形成されたことを示したが、これに限定されるものではない。例えば、
図3に示されるように、グルーブ20は、鋼板の一面11に形成され、熱衝撃部30は、鋼板の他面12に形成されることも可能である。この場合、グルーブ20と熱衝撃部30との間隔(D2)は、グルーブ20を鋼板の厚さ中心を対称にして、他面に投影した仮想の線を基準として、その仮想の線と熱衝撃部30との間隔(D2)と定義する。熱衝撃部30を他面12に形成することを除けば、本発明の一実施例で説明したものと同一であるので、重複する説明を省略する。
【0055】
図1~
図3には、グルーブ間の間隔(D1)内に1つの熱衝撃部30が形成されること、つまり、D3/D1が約1である例を示したが、これに限定されるものではない。
【0056】
例えば、
図4に示されるように、D3/D1が1より小さい場合も可能である。さらに具体的には、熱衝撃部間の間隔(D3)は、グルーブ間の間隔(D1)の0.2~0.5倍であってもよい。この場合、前述したように、それぞれの間隔(D1、D2)の平均値が前述した範囲を満足できる。さらに具体的には、グルーブ20と熱衝撃部30との間の間隔(D2)は、グルーブ20間の間隔(D1)の0.2~0.4倍になってもよい。例えば、グルーブ間の間隔(D1)内に4つの熱衝撃部30が形成(D3/D1が0.25)され、それぞれの間隔(D2)がD1の0.25倍、0.5倍、0.25倍、0倍の場合、計算される平均D2は、D1の0.25倍である。
【0057】
また、逆にD3/D1が1より大きい場合も可能である。さらに具体的には、熱衝撃部間の間隔(D3)は、グルーブ間の間隔(D1)の2~2.8倍であってもよい。
【0058】
図1に示すように、グルーブ20は、鋼板の表面の一部がレーザ照射によって除去された部分を意味する。
図1には、グルーブ20の形状が楔状で表現されているが、これは一例に過ぎず、四角形、台形、U字形、半円形、W形など多様な形態に形成可能である。
【0059】
図5には、本発明の一実施例によるグルーブ20の模式図を示す。グルーブ20の深さ(HG)は、鋼板の厚さの3~5%であってもよい。グルーブの深さ(HG)が浅すぎると、適切な鉄損改善効果を得にくい。グルーブの深さ(HG)が深すぎると、強いレーザ照射によって鋼板10の組織特性を大きく変化させたり、多量のヒールアップおよびスパッタを形成して磁性を劣化させることがある。したがって、前述した範囲にグルーブ20の深さを制御するのがよい。
【0060】
図5に示すように、グルーブ20の下部に形成された凝固合金層40を含み、凝固合金層40は、厚さが0.1μm~3μmであってもよい。凝固合金層40の厚さを適切に制御することによって、2次再結晶の形成には影響を及ぼさず、最終的な絶縁コーティング後、溝部にスパイクドメイン(spike domain)だけを形成する。凝固合金層40の厚さが厚すぎると、1次再結晶時に再結晶に影響を及ぼすため、2次再結晶焼鈍後に2次再結晶のゴス集積度に劣るので、2次再結晶鋼板にレーザ照射を実施しても鉄損改善効果特性を確保できないことがある。凝固合金層は、平均粒径が1~10μmの再結晶を含み、他の鋼板部分と区分される。
【0061】
図5に示すように、グルーブ20の上部には絶縁被膜層50が形成される。
【0062】
図2および
図4には、グルーブ20および熱衝撃部30の長手方向と圧延方向(RD方向)とが直角を形成することを示しているが、これに限定されるものではない。例えば、グルーブ20および熱衝撃部30の長手方向と圧延方向とは75~88°の角度をなすことができる。前述した角度を形成する時、方向性電磁鋼板の鉄損を改善するのに寄与できる。
【0063】
図2および
図4には、グルーブ20および熱衝撃部30が圧延垂直方向(TD方向)に沿って連続的に形成されたことが示されているが、これに限定されるものではない。例えば、グルーブ20および熱衝撃部30は、鋼板の圧延垂直方向(TD方向)に沿って2個~10個断続的に形成される。このように断続的に形成する時、方向性電磁鋼板の鉄損を改善するのに寄与できる。
【0064】
熱衝撃部30は、グルーブ20とは異なり、外観上では他の鋼板表面と区別できない。熱衝撃部30は、塩酸濃度5%以上で10分以上浸漬時に溝形態にエッチングされる部分であって、他の鋼板の表面部分と区別可能である。あるいは、熱衝撃部30は、グルーブ20や熱衝撃部30が形成されない鋼板表面と10~120のビッカース硬度(Hv)差を有する点で区別可能である。この時、硬度測定方法は、ナノインデンターによる微小硬度で熱衝撃部と熱衝撃を受けない部位の硬度を測定できる。つまり、ナノビッカース硬度(Hv)を意味する。
【0065】
本発明の一実施例による方向性電磁鋼板の磁区微細化方法は、方向性電磁鋼板10を準備する段階と、方向性電磁鋼板10の一面または両面に、圧延方向(RD方向)と交差する方向にレーザを照射して、グルーブ20を形成する段階と、方向性電磁鋼板10の一面または両面に、圧延方向(RD方向)と交差する方向にレーザを照射して、熱衝撃部30を形成する段階とを含む。
【0066】
まず、方向性電磁鋼板10を準備する。本発明の一実施例では、磁区微細化方法および形成されるグルーブ20および熱衝撃部30の形状にその特徴があるものであって、磁区微細化の対象になる方向性電磁鋼板は制限なく使用可能である。特に、方向性電磁鋼板の合金組成とは関係なく本発明の効果が発現する。したがって、方向性電磁鋼板の合金組成に関する具体的な説明は省略する。
【0067】
本発明の一実施例において、方向性電磁鋼板は、スラブから熱間圧延および冷間圧延により所定の厚さに圧延された方向性電磁鋼板を用いることができる。
【0068】
次に、方向性電磁鋼板の一面11に、圧延方向(RD方向)と交差する方向にレーザを照射して、グルーブ20を形成する。
この時、レーザのエネルギー密度(Ed)は0.5~2J/mm2であってもよい。エネルギー密度が小さすぎる場合、適切な深さのグルーブ20が形成されず、鉄損改善効果を得にくい。逆にエネルギー密度が大きすぎる場合にも、深すぎる深さのグルーブ20が形成されて、鉄損改善効果を得にくい。
【0069】
図6には、本発明の一実施例によるレーザビームの形状を示す模式図を示した。グルーブを形成する段階において、レーザの鋼板圧延垂直方向(TD方向)のビーム長さ(L)が50~750μmであってもよい。圧延垂直方向(TD方向)のビーム長さ(L)が短すぎると、レーザの照射される時間が短すぎて、適切なグルーブを形成できず、鉄損改善効果を得にくい。逆に圧延垂直方向(TD方向)のビーム長さ(L)が長すぎると、レーザの照射される時間が長すぎて、厚すぎる深さのグルーブ20が形成されて、鉄損改善効果を得にくい。
【0070】
レーザの鋼板圧延方向(RD方向)のビーム幅(W)は10~30μmであってもよい。ビーム幅(W)が過度に短かったり長ければ、グルーブ20の幅が短かったり長くなり、適切な磁区微細化効果が得られないことがある。
【0071】
図6には、ビーム形状を楕円形に示したが、球形、あるいは長方形など形状の制限がない。
レーザとしては、1kW~100kWの出力を有するレーザを用いることができ、Gaussian Mode、Single Mode、Fundamental Gaussian Modeのレーザを用いることができる。TEMoo形態のビームであり、M2値は1.0~1.2の範囲の値を有することができる。
【0072】
次に、方向性電磁鋼板10の一面または両面に、圧延方向(RD方向)と交差する方向にレーザを照射して、熱衝撃部30を形成する。
前述したグルーブ20を形成する段階および熱衝撃部30を形成する段階は、時間の前後に関係なく行われてもよい。具体的には、グルーブ20を形成する段階の後、熱衝撃部30を形成することができる。また、熱衝撃部30を形成する段階の後、グルーブ20を形成することができる。さらに、グルーブ20および熱衝撃部30を同時に形成することも可能である。
【0073】
熱衝撃部30を形成する段階において、レーザのエネルギー密度(Ed)は0.02~0.2J/mm2であってもよい。エネルギー密度が小さすぎる場合、適切な熱衝撃部30が形成されず、鉄損改善効果を得にくい。逆にエネルギー密度が大きすぎる場合、鋼板表面が損傷して、鉄損改善効果を得にくい。
【0074】
熱衝撃部30を形成する段階において、レーザの鋼板圧延垂直方向(TD方向)のビーム長さ(L)が1,000~15,000μmであり、レーザの鋼板圧延方向(RD方向)のビーム幅(W)が80~300μmであってもよい。
【0075】
グルーブ20および熱衝撃部30の形状については前述したものと同一であるので、重複する説明は省略する。
【0076】
本発明の一実施例による方向性電磁鋼板の磁区微細化方法は、絶縁被膜層を形成する段階をさらに含むことができる。絶縁被膜層を形成する段階は、方向性電磁鋼板を準備する段階の後、グルーブを形成する段階の後、または熱衝撃部を形成する段階の後に含まれてもよい。さらに具体的には、グルーブを形成する段階の後に含まれてもよい。グルーブを形成した後、絶縁被膜層を形成する時、絶縁コーティングを1回のみ進行させてもよいという点でメリットがある。絶縁被膜層を形成した後、熱衝撃部を形成する段階を行うことができる。熱衝撃部の場合、絶縁被膜層に損傷を加えないので、絶縁コーティング層の損傷を最小化することによって、耐食特性を極大化することができる。
【0077】
絶縁被膜層を形成する方法は特に制限なく使用可能であり、一例として、リン酸塩を含む絶縁コーティング液を塗布する方式で絶縁被膜層を形成することができる。このような絶縁コーティング液は、コロイダルシリカと金属リン酸塩とを含むコーティング液を用いることが好ましい。この時、金属リン酸塩は、Alリン酸塩、Mgリン酸塩、またはこれらの組み合わせであってもよいし、絶縁コーティング液の重量対比、Al、Mg、またはこれらの組み合わせの含有量は15重量%以上であってもよい。
【0078】
以下、実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、このような実施例は単に本発明を例示するためであり、本発明がこれに限定されるものではない。
【0079】
実験例1:グルーブおよび熱衝撃部の間隔
冷間圧延した厚さ0.30mmの方向性電磁鋼板を準備した。この電磁鋼板に1.0kWのGaussian modeの連続波レーザを照射して、RD方向と86°の角度のグルーブを形成した。レーザビームの幅(W)は20μmであり、レーザビームの長さ(L)は600μmである。レーザのエネルギー密度は1.5J/mm2、グルーブの深さは12μmであった。
下記表1にまとめたグルーブ間の間隔(D1)でグルーブを形成し、絶縁被膜を形成した。
【0080】
以後、電磁鋼板に1.0kWのGaussian modeの連続波レーザを照射して、熱衝撃部を形成した。レーザビームの幅(W)は200μmであり、レーザビームの長さ(L)は10,000μmである。レーザのエネルギー密度は0.16J/mm2であった。
下記表1にまとめられたグルーブと熱衝撃部との間の間隔(D2)および熱衝撃部間の間隔(D3)で熱衝撃部を形成し、これを表1にまとめた。
【0081】
下記表1に鉄損改善率および磁束密度劣化率を表示した。鉄損改善率は、レーザを照射してグルーブを形成した後の電磁鋼板の鉄損(W1)と、レーザを照射して熱衝撃部を形成した後の鉄損(W2)を測定して、(W1-W2)/W1で計算した。磁束密度劣化率は、レーザを照射してグルーブを形成した後の電磁鋼板の磁束密度(B1)と、レーザを照射して熱衝撃部を形成した後の磁束密度(B2)を測定して、(B1-B2)/B1で計算した。鉄損は、磁束密度の値が1.7Telsaの時、周波数が50Hzである場合の鉄損値(W17/50)で測定した。磁束密度は、磁化力800A/mでの磁束密度である場合の磁束密度値(B8)で測定した。
【表1】
【0082】
表1に示されるように、熱衝撃部を形成しない比較例1およびD2/D1が0.15である比較例2は、実施例に比べて、鉄損改善率および磁束密度劣化率に劣ることを確認できる。
【0083】
実験例2:D3/D1が0.5以下である場合
実験例1と同様に実施し、D3/D1が0.5以下となるように、グルーブの間に熱衝撃線を複数個形成した。グルーブ間の間隔(D1)は10mmに固定した。
【表2】
【0084】
表2に示されるように、D3/D1が0.2~0.4である場合、0.5である場合に比べて、鉄損改善率および磁束密度劣化率が改善されることを確認できる。
【0085】
本発明は、実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造可能であり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。そのため、以上に述べた実施例はあらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0086】
10:方向性電磁鋼板、
11:鋼板の一面、
12:鋼板の他面、
20:グルーブ、
30:熱衝撃部、
40:凝固合金層、
50:絶縁被膜層