IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-車両ドア、車両及び運転教習システム 図1
  • 特許-車両ドア、車両及び運転教習システム 図2
  • 特許-車両ドア、車両及び運転教習システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】車両ドア、車両及び運転教習システム
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/00 20060101AFI20231127BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
B60J5/00 K
B60J5/00 501Z
B60J5/04 Z
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022007520
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2022040380
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】202110680300.9
(32)【優先日】2021-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リアン シン
(72)【発明者】
【氏名】シュチン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンタオ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シュアイシュアイ ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】チョンファ ルオ
(72)【発明者】
【氏名】リーフォン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ユンチャン フォン
(72)【発明者】
【氏名】タオ ワン
(72)【発明者】
【氏名】シャオチェン ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】フチュアン ウ
(72)【発明者】
【氏名】イー ウ
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-077714(JP,A)
【文献】特開2018-095038(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0134660(US,A1)
【文献】米国特許第10676045(US,B1)
【文献】特開2017-020275(JP,A)
【文献】特開2019-019451(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0028907(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/00
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側にドアハンドルが設けられたドア本体と、
前記ドア本体の内側に設けられ、予め設定された条件で、前記ドア本体の内側に前記ドアハンドルから予め設定された距離を隔てて形成された目標エリアに目標物が存在するか否かを検出するための目標物検出装置を備え、
前記目標エリアは、前記ドア本体の前後方向において前記ドアハンドルの後側に位置し
前記目標エリアと前記ドアハンドルとの間の予め設定された距離を、教習生が前記ドアハンドルを片手で操作しながら触れることができる最大距離よりも大きくする、
車両ドア。
【請求項2】
前記ドア本体には、目標物を収容するための凹溝が設けられており、前記凹溝の内部に前記目標エリアを画定し、前記目標物検出装置が前記目標エリアに設けられている、
請求項1に記載の車両ドア。
【請求項3】
前記車両ドアは、車両ドアを開ける状態にあるときに前記目標物検出装置に車両ドア開信号を送信するための車両ドア状態検出装置をさらに備え、
前記目標物検出装置は、前記ドア開信号を受信したことを条件に、前記目標エリアに目標物が存在するか否かを検出する、
請求項1に記載の車両ドア。
【請求項4】
前記目標物検出装置は、前記ドア開信号に応じて前記目標エリアに前記目標物が存在するか否かを検出し、前記目標エリアに前記目標物が存在することを検出した場合に第1検出信号を生成するように構成されている、
請求項3に記載の車両ドア。
【請求項5】
前記目標物検出装置は、前記ドア開信号に応じて前記目標エリアに前記目標物が存在するか否かを検出し、前記目標エリアに前記目標物が存在していないことを検出した場合に第2検出信号を生成するように構成されている、
請求項3に記載の車両ドア。
【請求項6】
前記目標物検出装置は、前記目標エリアにおいて対向して配置された発射モジュールと受光モジュールとを有する光電センサである、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両ドア。
【請求項7】
前記目標物検出装置は、前記目標エリアに位置する圧力センサである、
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両ドア。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両ドアを備える車両。
【請求項9】
前記車両は、前記目標物検出装置と通信し、前記目標物検出装置に検出指示を送信するための制御装置をさらに備え、
前記目標物検出装置は、前記検出指示を受信したことを条件に、前記目標エリアに目標物が存在するか否かを検出する、
請求項8に記載の車両。
【請求項10】
前記制御装置は、前記目標物検出装置から検出信号を受信し、前記検出信号に基づいてルール違反の有無の検出結果を生成することにさらに用いられる、
請求項9に記載の車両。
【請求項11】
前記車両は、前記制御装置と通信して前記制御装置から前記検出結果を受信する車載端末装置をさらに備える、
請求項10に記載の車両。
【請求項12】
請求項8から11までのいずれか1項に記載の車両と、
前記車両の目標物検出装置及び/又は前記車両の制御装置と通信する教習端末装置と、を備える、
運転教習システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転教習技術分野、特に車両ドア技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
オランダ式ドア開け方とは、オランダの教習生がドアを開ける方法の1つで、ドアを運転するときは常にドアから遠い方の手でドアを開けることで、視覚の死角を減らすことができる。簡単に言えば、左運転の場合は右手でドアを開け、右運転の場合は左手でドアを開けるということである。このようにして、上半身も慣性的に回転することで、頭と肩も自然に回転する。回転している間、まずバックミラーを通して車の後ろの様子を見るようになり、振り向くと目も自然に外や後ろを見るようになる。この完全な動作によって、車の後ろに歩行者や走行中の車がいるかどうかをよりよく確認することができ、多くの不要な事故を避けることができる。逆に、ドアに近い方の手でドアを開ける場合に、後方の状況を特に意識しないと、教習生は自然にドアを直接外側に押してしまい、後方の状況を観察する余裕もなく、事故につながりやすくなる。
【0003】
自動車運転教習のシーンでは、教官は通常口頭で指導することより教習生に対してオランダ式ドア開け方の教習を行うため、監視が不足となる場合があり、教習生に対するオランダ式ドア開け方の教習効果は低くくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車両ドア、車両、及び運転教習システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様において、車両ドアを提供し、該車両ドアは、内側にドアハンドルが設けられたドア本体と、ドア本体の内側に設けられ、予め設定された条件で、ドア本体の内側にドアハンドルから予め設定された距離を隔てて形成された目標エリアに目標物が存在するか否かを検出するための目標物検出装置を備える。
【0006】
本開示の第2様態において、車両を提供し、該車両は、本開示の上述の実施形態による車両ドアを備える。
【0007】
本開示の第3様態において、運転教習システムをさらに提供し、該システムは、本開示の上述の実施形態による車両と、車両の目標物検出装置及び/又は車両の制御装置と通信する教習端末装置と、を備える。
【0008】
本開示の実施形態に係る技術によれば、車両ドアを開ける間にユーザの開扉動作を検出することができ、特に、オランダ式ドア開け方を利用してドアを開ける教習のシーンにおいて、ユーザがオランダ式ドア開け方の要求に従って一方の手でドアを開けながら他方の手をドア本体の目標エリアに置いているか否かを監視することができるので、教習生の開扉動作を監視する目的を達成することができ、教習効果を高めることができ、教習生が良好な開扉習慣を身につけることに有利である。
【0009】
ここに記載された内容は、本開示の実施形態のキーポイント又は重要な特徴を記述することを意図せず、また、本開示の範囲を制限することにも用いられないことを理解すべきである。本開示の他の特徴については、下記の明細書を通して説明を促す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、図面を参照してより詳細に説明し、本開示の各実施形態の上述又は他の特徴や態様及び利点はより明らかになる。図面において、同一又は類似の符号は、同一又は類似の要素を示す。
【0011】
図1】本開示の実施形態による車両ドアの構成の概略図である。
図2】本開示の実施形態による車両ドアの目標物検出装置が凹溝に取り付けられている概略図である。
図3】本開示の実施形態による運転教習システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下において、本開示の例示的な実施形態を、理解を容易にするために本開示の実施形態の様々な詳細を含む添付の図面に関連して説明するが、これらは単に例示的なものであると考えるべきである。したがって、当業者は、本開示の範囲及び精神を逸脱することなく、本明細書に記載された実施形態に様々な変更及び修正を加えることができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、周知の機能及び構成については、明確化及び簡略化のために説明を省略する。
【0013】
以下、図1及び図2を参照しながら、本開示の実施形態に係る車両ドア1について説明する。
【0014】
図1に示すように、本開示の実施形態に係る車両ドア1は、ドア本体10と目標物検出装置20とを備えている。
【0015】
具体的に、ドア本体10の内側にドアハンドル11が設けられている。予め設定された条件で、ドア本体10の内側にドアハンドル11から予め設定された距離だけ隔てて形成された目標エリア12に目標物が存在するか否かを検出する目標物検出装置20がドア本体10の内側に設けられている。
【0016】
ドア本体10の内側とは、ドア本体10の車室内の空間に面した側を指すことが理解される。ドアハンドル11は、車両ドア1のドアロック装置に伝動連結されており、ユーザは、ドアハンドル11を手で操作してドアロック装置を解錠し、これにより、閉状態の車両ドア1を開けることができる。
【0017】
例示的に、目標物は、運転者又は搭乗者の手であってもよく、すなわち目標物検出装置20は、予め設定された条件で、目標エリア12にユーザ又は搭乗者の手が存在するか否かを検出するために用いられる。
【0018】
ここで、予め設定された条件とは、車両ドア1が開こうとしているとき、又は車両ドア1を開ける間であり、より具体的に、目標物検出装置20が車両ドア1開信号を受信したことであってもよく、目標物検出装置20が車両の制御装置からの検出指示を受信したことであってもよい。
【0019】
より具体的に、車両ドア1のドアロック装置がアンロックされたことをドア状態検出装置が検出したときに、車両ドア1開信号を生成するようにしてもよいし、車両ドア1の作動状態が、車両ドア1を開ける状態に変化したことをドア状態検出装置が検出したときに、車両ドア1開信号を生成するようにしてもよい。検出信号は、車両の制御装置によって直接生成することができる。
【0020】
具体的な応用例では、運転教習におけるオランダ式ドア開け方の教習のシーンについては、オランダ式ドア開け方の要求に従って、教習生は、車両ドア1を開ける際に、車両ドア1に近い側の手を目標エリア12に置き、車両ドア1から遠い側の手でドアハンドル11を操作して車両ドア1を開ける必要がある。つまり、左ハンドル車の運転席にいる場合には、左手を目標エリア12に置きながら右手でドアハンドル11を操作して開扉動作を行う必要がある一方、右ハンドル車の運転席にいる場合には、右手を目標エリア12に置きながら左手でドアハンドル11を操作して開扉動作を行う必要がある。これにより、車両ドア1を開ける過程では、教習生の上半身も車両ドア1に合わせて習慣的に回転し、頭部や肩も自然に回転し、回転中はまずバックミラーを通して車の後ろの様子を見ることができ、回転後は自然に目が外側や後ろを見ることができるので、オランダ式ドア開け方の動作要領を達成することができる。
【0021】
教習生が一方の手でドアハンドル11を操作して車両ドア1を開ける過程において、目標物検出装置20は、車両ドア1開信号又は検出指示に応じて、教習生の他方の手が目標エリア12に存在するか否かを検出する。より具体的に、目標エリア12に教習生の他方の手が存在することが検出すると、第1検出信号が生成されるが、目標エリア12に教習生の他方の手が存在しないことが検出すると、第2検出信号が生成される。これにより、教習生の開扉動作がオランダ式ドア開け方に適合しているか否かを検出することができ、オランダ式ドア開け方の教習において教習生に対する監視の目的を果たすことができる。
【0022】
好ましくは、オランダ式ドア開け方に対する監視の精度を向上させ、教習生がドアハンドル11を片手で操作しながら、目標物検出装置20をトリガして目標物検出装置20による監視を避けることを回避するために、目標エリア12とドアハンドル11との間の予め設定された距離を、教習生がドアハンドル11を片手で操作しながら触れることができる最大距離よりも大きくすることができる。
【0023】
なお、本開示の実施の形態では、目標物検出装置20の具体的な態様が限定されるものではなく、目標エリア12に目標物が存在するか否かを検出する目的が達成されればよい。例えば、目標物検出装置20は、具体的に、圧力センサや静電容量センサ、機械的なキー構造等であってもよい。
【0024】
そして、目標物検出装置20の車両ドア1における具体的な設置位置も限定されるものではなく、目標物検出装置20の検出範囲が目標エリア12をカバーするものであればよい。例えば、目標物検出装置20は、具体的に目標エリア12に配置することができる。
【0025】
また、本開示の実施形態では、車両ドア1は、運転席側の車両ドア1であってもよく、助手席側の車両ドア1であってもよい。運転教習のシーンでは、車両ドア1は運転席側に位置することが好ましい。
【0026】
本開示の実施形態に係る車両ドア1によれば、予め設定された条件で、ドアハンドル11から間隔をおいて設定された目標エリア12に目標物が存在するか否かを検出する目標物検出装置20を、ドア本体10の内側に設けることで、車両ドア1を開ける間に、ユーザの開扉動作を検出することができ、特に、オランダ式ドア開け方を利用した開扉動作の教習のシーンにおいて、ユーザがオランダ式ドア開け方の要求に従って、一方の手で車両ドア1を開けながら他方の手をドア本体10の目標エリア12に置いているか否かを監視することができるので、ユーザの開扉動作に対する監視の目的を達成することができ、教習効果を高め、ユーザが良好な開扉習慣を身につけるのに有利である。
【0027】
図2に示すように、一実施形態では、ドア本体10には目標物を収容するための凹溝13が設けられ、凹溝13の内部は、目標エリア12が画定され、目標物検出装置20は目標エリア12に設けられている。
【0028】
例示的に、ドア本体10の内側ドアパネルは、車体の内側に向かって突出するボス構造14を備えており、ボス構造14の上面は比較的緩やかな平面を形成している。ボス構造体14の上面はドアハンドル11の下方に位置し、ボス構造体14の上面の一部を下方に凹ませて凹溝13が形成されている。凹溝13の上端は開放されており、教習性が凹溝13内に手を突っ込んで車両ドア1を操作しやすくなっている。これに応じて、対象物検出手段20の検出範囲が凹溝13内の対象領域12を覆うように、対象物検出手段20が凹溝13内にも配置されている。
【0029】
これにより、教習生がオランダ式ドア開け方で車両ドア1を開ける過程において、一方の手でドアハンドル11を操作しながら、他方の手で凹溝13に突っ込んでドア本体10を操作することができるので、オランダ式ドア開け方に従って車両ドア1を開ける際の教習生の利便性を向上させることができ、オランダ式ドア開け方の開扉動作により迅速に対応することができる。
【0030】
また、本開示の他の例では、車両ドア1の内側には、ドアハンドル11から予め設定された距離だけ隔てて配置されたアームレストが設けられている。ここで、アームレストと車両ドア1の内側面との間には半閉領域が画成されており、半閉領域が目標エリア12となっている。目標物検出装置20は、目標物検出装置20の検出範囲が目標エリア12を覆うように、アームレスト又はドア本体10のアームレストに対応する位置に設けられてもよい。
【0031】
一実施形態では、目標エリア12は、ドア本体10の前後方向においてドアハンドル11よりも前方側に位置している。
【0032】
例えば、ドア本体10の前後方向において、目標エリア12を画定する凹溝13又はアームレストはドアハンドル11と間隔をおいて設けられており、凹溝13又はアームレストをドアハンドル11の後側に位置させることにより、目標エリア12がドアハンドル11の後側に形成される。
【0033】
オランダ式ドア開け方の動作要求に従って、教習生は車両ドア1に近い側の手でドアハンドル11を操作して車両ドア1を開けると同時に、車両ドア1から遠い側の手を目標エリア12に置く必要があることが理解される。ドアハンドル11の側に目標エリア12を設けることにより、ドアを開ける過程において車両ドア1から遠い側の教習生の手を、車両ドア1に近い側の手よりも後方に位置させることができる。これにより、教習生の車両後方側への回動幅を大きくすることができ、教習生が車両ドア1を開ける過程においてできるだけ車両後方の状況を確認することに有利である。
【0034】
一実施形態では、この車両ドア1には、車両ドア1の作動状態を検出し、車両ドア1を開ける状態にあるときに車両ドア1開信号を目標物検出装置20に送信するための車両ドア1状態検出装置が設けられている。目標物検出装置20は、車両ドア1状態検出装置と通信し、車両ドア1開信号を受信したことを条件に、目標エリア12に目標物が存在するか否かを検出する。
【0035】
例示的に、ドア状態検出装置は、車両の制御装置と電気通信することができる。制御装置は、ドアロック装置の解錠時に、車両ドア1開信号を生成して目標物検出装置20に送信するように、ドア状態検出装置を制御する。目標物検出装置20は、車両ドア1開信号に応じて、目標エリア12に目標物が存在するか否かを検出する。
【0036】
本開示の他の例では、車両ドア1状態検出装置は、車両ドア1の位置を検出するための、車両ドア1又は車体に設けられたセンサであってもよい。そして、車両ドア1が閉位置でなくなったときに車両ドア1開信号を生成し、生成された車両ドア1開信号を目標物検出装置20に送信する。
【0037】
車両ドア1状態検出装置を設けることにより、車両ドア1の作動状態が、車両ドア1を開ける状態に切り替わる直前又は既に開状態に切り替わった時点で、目標物検出装置20に車両ドア1開信号を送信して、目標物検出装置20に車両ドア1開信号に基づいて目標エリア12の検出を行わせることができる。
【0038】
一実施形態では、目標物検出装置20は、車両ドア1開信号に応じて目標エリア12を検出し、目標エリア12に目標物が存在することを検出した場合に第1検出信号を生成するように構成されている。
【0039】
例示的に、目標物検出装置20は、車両の制御装置と通信し、目標物検出装置20は、目標エリア12を検出した後に検出信号を生成し、検出信号を制御装置に送信する。制御装置は、検出信号に基づいて対応する検出結果を生成して車載端末装置に送信し、車載端末装置は、検出結果に基づいてトレーニングデータを生成し、画面表示や音声アナウンスにより教習生や教習指導員に提示する。
【0040】
一具体例では、制御装置は、第1検出信号に基づいて第1検出結果を生成して車載端末装置に送信し、車載端末装置は、第1検出結果に基づいて、「教習生がオランダ式ドア開け方で開扉動作を完了しました」ことを提示する音声を報知する。
【0041】
他の実施形態では、目標物検出装置20は、車両ドア1開信号におうじて目標エリア12を検出し、目標エリア12に目標物が存在しないことを検出した場合に第2検出信号を生成するように構成されている。
【0042】
一具体例では、制御装置は、第2検出信号に基づいて第2検出結果を生成して車載端末装置に送信し、車載端末装置は、第2検出結果に基づいて、「教習生がオランダ式ドア開け方で開扉動作を完了していない」ことを提示する音声を報知する。
【0043】
上述した実施形態により、目標物検出装置20は、目標物に対する検出状況に応じて対応する検出信号を生成するように構成されており、車両の制御装置及び車載端末装置を介して、対応する検出結果を生成して対応する表示及び音声アナウンスを報知することができ、教習生又は教習指導員に教習生のトレーニング状況をフィードバックすることができる。
【0044】
一実施形態では、目標物検出装置20は、目標エリア12に対向して配置された、送信モジュール及び受信モジュールを有する光電センサである。
【0045】
一具体例では、発射モジュールは、受光モジュールと位置合わせて光ビームを発射し、ここで、発射モジュールは、発光ダイオード、レーザダイオード、又は赤外線送信ダイオードなどを用いることができ、受光モジュールは、フォトダイオードを用いることができる。フォトダイオードは、光を照射していない状態では、フォトダイオードの暗電流と呼ばれる逆電流が非常に小さい。フォトダイオードは、光を照射している状態でキャリアが励起され、光キャリアと呼ばれる電子と正孔が生成される。外部電界の作用により、光キャリアは導電に関与し、暗電流よりもはるかに大きな逆電流を形成し、この逆電流は光電流と呼ばれる。光電流の大きさは光照射の強度に比例するので、負荷抵抗には光照射の強度に応じて変化する電気信号が得られる。
【0046】
発射モジュール及び受光モジュールは、目標エリア12内に間隔をおいて対向して配置されてもよく、教習生の手が目標エリア12に置かれているか否かは、受光モジュールによって受光されたビームの光束の大きさに影響を与えることが理解される。これにより、受光モジュールによって生成された電流の大きさに応じて、対応する電気信号を生成することができるため、目標エリア12に目標物が存在するか否かを反映させることができる。
【0047】
以上の実施形態によれば、目標物検出装置20による目標物の検出機能を実現することができ、感度が高く、教習生が車両ドア1を開ける過程において目標エリア12に手を置いたか否かをタイムリーかつ効率的に判断することができる。
【0048】
一実施形態では、目標物検出装置20は圧力センサであり、圧力センサは目標エリア12に位置する。
【0049】
例示的に、目標物検出装置20としては、静電容量型圧力センサを用いることができる。静電容量型圧力センサは、目標エリア12を画成する凹溝13又はアームレストに設けられ、目標エリア12における目標物の力を加える状況を検出し、目標エリア12内に目標物が存在するか否かを検出することができる。
【0050】
圧力センサが圧力信号を検出した場合にはローレベルの信号を出力し、圧力センサが圧力信号を検出していない場合にはハイレベルの信号を出力することが理解される。これに基づいて、圧力センサの出力信号の違いから、目標エリア12内に目標物が存在するか否か、すなわち、教習生が車両ドア1を開ける過程において目標エリア12に手を置いたか否かを判断することができ、教習生の開扉動作を検出することができる。
【0051】
本開示の実施形態の別の態様として、車両も提供される。
【0052】
本開示の実施形態による車両は、本開示の上述の実施形態によるドアを含む。
【0053】
例示的に、ドアは、車両の運転席側に配置されてもよい。
【0054】
本開示の実施形態に係る車両によれば、本開示の上述した実施形態に係る車両ドア1を利用することにより、車両ドア1を開ける間にユーザの開扉動作を検出することができ、特に、オランダ式ドア開け方を利用してドアを開ける教習のシーンにおいて、ユーザがオランダ式ドア開け方の要求に従って一方の手でドアを開けながら他方の手をドア本体の目標エリアに置いているか否かを監視することができるので、教習生の開扉動作を監視する目的を達成することができ、教習効果を高めることができ、教習生が良好な開扉習慣を身につけることに有利である。
【0055】
一実施形態では、車両は、制御装置をさらに備える。制御装置は、目標物検出装置と通信し、制御装置は、目標物検出装置に検出指示を送信する。目標物検出装置は、検出指示を受信したことを条件に、目標エリアに目標物が存在するか否かを検出する。
【0056】
例示的に、運転教習のシーンにおいて、教習生の開扉動作がオランダ式ドア開け方の動作要件を満たしているか否かの特別な練習において、制御装置が目標物検出装置に検出指示を送信して、目標物検出装置を起動させ、目標エリア内に目標物が存在するか否かを検出するようにしてもよい。
【0057】
これにより、教習生の開扉動作に対する特別な練習を実現することができ、教習生の良好な開扉習慣を身につけることができる。
【0058】
一実施形態では、制御装置は、さらに、目標物検出装置から検出信号を受信し、検出信号に基づいてルール違反の有無の検出結果を生成するように構成されている。
【0059】
具体的な応用例では、本開示の実施形態の車両は、運転教習のシーンに適用される教習用車両とすることができる。制御装置は、目標物検出装置と通信して、目標物検出装置からの検出信号を受信し、検出信号に基づいて対応する検出結果を生成する。
【0060】
例えば、教習生がドアを開ける間に、目標物検出装置が目標エリアに教習生の手が存在することを検出した場合には、第1検出信号を生成し、制御装置は、第1検出信号を受信して、教習生の開扉動作がルール違反していないことを示す第1検出結果を生成する。また、目標物検出装置が目標エリアに教習生の手が存在しないことを検出した場合には、第2検出信号を生成し、制御装置は、第2検出信号を受信して、教習生の開扉動作がルール違反をしている第2検出結果を生成する。
【0061】
以上の実施形態によれば、目標物検出装置から送信された検出信号に基づいて、教習生の開扉動作がルール違反しているか否かの検出結果を得ることができ、教習生の開扉動作がオランダ式ドア開け方の動作要件を満たしているか否かを監視することができる。
【0062】
一実施形態では、当該車両は、車載端末装置をさらに備える。車載端末装置は、制御装置と通信し、制御装置から検出結果を受信する。
【0063】
一具体例では、制御装置は、第1検出信号に基づいて第1検出結果を生成して車載端末装置に送信し、車載端末装置は、第1検出結果に基づいて対応するトレーニングデータを生成し、画面表示又は音声アナウンスにより教習生又は教習指導員に提示し、例えば、「教習生がオランダ式ドア開け方で開扉動作を完了しました」ことを提示する音声を報知することができる。制御装置は、第2検出信号に基づいて第2検出結果を生成して車載端末装置に送信し、車載端末装置は、第2検出結果に基づいて対応するトレーニングデータを生成し、画面表示や音声アナウンスにより教習生や教習指導員に提示し、例えば、「教習生がオランダ式ドア開け方で開扉動作を完了していない」ことを提示する音声を報知する。
【0064】
上述の実施形態によれば、教習生の開扉動作がオランダ式ドア開け方の動作要件を満たしているか否かを教習生又は教習指導員にリアルタイムでアナウンスし、教習生の開扉動作をリアルタイムで評価することができる。
【0065】
本開示の実施形態の別の態様として、運転教習システムも提供する。
【0066】
図3に示すように、本開示の実施形態に係る運転教習システムは、本開示の上述の実施形態に係る車両と、教習端末装置とを備える。教習端末装置は、車両の目標物検出装置及び/又は車両の制御装置と通信する。
【0067】
例示的に、運転教習システムは、サービス端末、教習端末装置、及び車両を含む。サービス端末はサーバと交換機とを含み、教育端末装置は交換機を介してサーバと通信し、車両のルーティング設備は交換機を介してサーバと通信する。より具体的に、教習端末装置は、中央制御端末とモバイルデバイス端末とを含むことができ、中央制御端末は、具体的に、管理オペレーティングシステムを統合した中央制御パネルであってもよい。
【0068】
一具体例では、車両の目標物検出装置は、ルーティング装置及び交換機を介して校内サーバと通信する。目標物検出装置が検出信号を校内サーバに送信し、校内サーバが検出信号に基づいて対応するトレーニングデータを生成し、このトレーニングデータを教習端末装置に送信して、教習生のトレーニング状況を教習端末装置に提示する。
【0069】
他の具体例では、車両の制御装置は、目標物検出装置から送信された検出信号に基づいて対応する検出結果を生成した後、その検出結果をルーティング装置及び交換機を介して教習端末装置に送信し、教習端末装置に教習者のトレーニング状況を提示する。
【0070】
本開示の実施形態に係る運転教習システムは、本開示の上述した実施形態に係る車両を利用することにより、教習生の開扉動作を監視する目的を達成することができ、教習端末装置を介して教習指導員が教習生の訓練状況をリアルタイムで把握することができ、オランダ式ドア開放法に対する特別なトレニンーグに対して、トレニンーグ効果を高めることに有利であり、教習生が良好なドア開放習慣を身につけることを助けることができる。
【0071】
本開示の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」「反時計回り」「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本開示を便利又は簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位や、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないため、本開示を限定するものと理解してはならない。
【0072】
また、「第1」、「第2」の用語は説明に用いられるものであり、比較的重要であることを指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはならない。「第1」、「第2」が限定されている特徴は1つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本開示の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、例えば、2つ、3つなど、2つ以上を意味する。
【0073】
なお、本開示の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続、あるいは一体化が可能である。機械的接続や、電気的接続や、通信も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続すること、二つの部品の内部が連通することや、二つの素子の相互作用の関係も可能である。当業者にとって、具体的な場合に応じて上記用語の本開示の具体的な意味を理解することができる。
【0074】
本開示では、特に明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」に直接接触するか、第1特徴と第2特徴が中間メディアを介して間接的に接触するかのいずれかである。また、第1特徴は第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあること、或いは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことを示す。第1特徴は、第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるのは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下にあること、或いは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示す。
【0075】
上記の開示は、本開示の異なる構造を実現するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本開示の開示を簡略化するために、特定の例の構成要素及び設置を上記にて説明している。当然ながら、これらは一例にすぎず、本開示を制限することを目的としていない。さらに、本開示は、異なる例において数字及び/又はアルファベットを繰り返し参照することができ、このような繰り返しは、簡略化と明瞭化の目的を実現するためであり、その自体が検討する各種の実施形態及び/又は設置の間の関係を示していない。
【0076】
上記の具体的な実施形態は、本開示の保護範囲に対する制限にならない。当業者が、設計要件と他の要因に基づいて、改修、組合、サブ組合、代替を行うことができることは明らかである。本開示の思想と原理における変更、均等な置換及び改善等は、いずれも本開示の保護の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0077】
1 車両ドア
10 ドア本体
11 ドアハンドル
12 目標エリア
13 凹溝
14 ボス構造
20 目標物検出装置
図1
図2
図3