(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
B65G1/137 A
(21)【出願番号】P 2022008973
(22)【出願日】2022-01-24
【審査請求日】2022-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】522033092
【氏名又は名称】チェーチャン、リビアオ、ロボット、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG LIBIAO ROBOTS CO., LTD.,
(73)【特許権者】
【識別番号】520362550
【氏名又は名称】プラスオートメーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】ヂュ ヂイェンチィァン
(72)【発明者】
【氏名】▲刑▼ 振威
(72)【発明者】
【氏名】高木 一郎
(72)【発明者】
【氏名】飛 佳佑
【審査官】寺川 ゆりか
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522492(JP,A)
【文献】特表2019-516639(JP,A)
【文献】国際公開第2006/028086(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搭載して移動可能なトレイと、
前記トレイの移動範囲に沿って配置され、前記トレイから前記荷物を受け取る複数のボックスを有するラックと、
前記トレイの動作を制御するトレイコントローラと、
前記トレイが内部において移動可能な搬送枠と、
前記ラックに配置され、前記ラックを識別する識別子を記憶する記憶部と、
前記搬送枠に配置され、前記記憶部から前記識別子を読み出すリーダと、
仕分けられる前記荷物および該荷物の個数を特定する荷物情報と、該荷物の仕分け先を示す仕分け先情報とを含むオーダデータを受信し、前記識別子
と前記ラックにおける前記複数のボックスのそれぞれのボックス位置情報
とに基づいて、
該ボックス位置情報と前記仕分け先情報とを関連付けてタスクデータを生成する第1システムとを備え、
前記トレイコントローラは、前記タスクデータに従って前記トレイを、前記複数のボックスのうち該荷物の仕分け先と関連付けられた第1ボックスへ移動させ、該荷物を前記第1ボックスへ投入する、仕分けシステム。
【請求項2】
前記トレイは、前記荷物を前記第1ボックスへ投入した後、該荷物を搭載した元の位置へ戻る、請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記ラックは、前記複数のボックスを略鉛直方向に配列した複数のボックス列と、前記複数のボックスを略水平方向に配列した複数のボックス行とを含む、請求項1または請求項2に記載の仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物の仕分けシステムは、ラックに配置された複数のボックスを有し、作業者が指定されたボックスに荷物を投入する。これにより、各ボックスに関連付けられた仕分け先に、必要な荷物を仕分ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ラックに設置されるボックスの個数が増えると、作業者は、多数のボックスから指定されたボックスを探し、その指定されたボックスの位置まで移動して荷物を投入する必要がある。この場合、作業効率が悪化し、作業時間が長くなる。また、作業者の負担が増大し、作業者の能力によって作業時間もばらつく。
【0004】
従って、作業効率を向上させ、作業時間を短縮することができる仕分けシステムの開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本実施形態による仕分けシステムは、荷物を搭載して移動可能なトレイと、トレイの移動範囲に沿って配置され、トレイから荷物を受け取る複数のボックスを有するラックと、トレイの動作を制御するトレイコントローラと、仕分けられる荷物および該荷物の個数を特定する荷物情報と、該荷物の仕分け先を示す仕分け先情報とを含むオーダデータを受信し、ラックにおける複数のボックスのそれぞれのボックス位置情報と仕分け先情報とを関連付けてタスクデータを生成する第1システムとを備え、トレイコントローラは、タスクデータに従ってトレイを、複数のボックスのうち該荷物の仕分け先と関連付けられた第1ボックスへ移動させ、該荷物を第1ボックスへ投入する。
【0006】
トレイは、荷物を第1ボックスへ投入した後、該荷物を搭載した元の位置へ戻る。
【0007】
ラックは、複数のボックスを略鉛直方向に配列した複数のボックス列と、複数のボックスを略水平方向に配列した複数のボックス行とを含む。
【0008】
ラックに配置され、ラックを識別する識別子を記憶する記憶部と、トレイコントローラに配置され、記憶部から識別子を読み出すリーダとをさらに備え、複数のラックが1つのトレイコントローラに対して配置され、第1システムは、識別子およびボックス位置情報に基づいてタスクデータを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態による仕分けシステムのソータの構成を示す斜視図。
【
図2】本実施形態による仕分けシステムの構成を示す概念図。
【
図3】本実施形態による仕分けシステムの動作例を示すフロー図。
【
図5】タスクナンバのステータスが「処理済み」になった例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。図面は模式的または概念的なものであり、各部分の比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。明細書と図面において、既出の図面に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
図1は、本実施形態による仕分けシステムのソータ1の構成を示す斜視図である。トレイ10は、荷物(図示せず)を搭載して、搬送枠11の搬送領域A11を上下方向(Z方向)および左右方向(Y方向)に移動可能に構成されている。搬送枠11は、例えば、金属または樹脂のような枠で構成されており、トレイ10がZ-Y方向に移動可能な空間としてその枠内に搬送領域A11を有する。トレイ10は、搬送枠11の内部を移動することができる。トレイ10は、荷物を載せる底板とその周囲の三辺を取り囲む側板とを有し、底板の一辺には側板が設けられていない。トレイ10は、側板が設けられていない底板の一辺を下に向けて傾斜することによって、荷物を所定のボックスへ投入する。
【0012】
ラック20a、20bは搬送領域A11を挟んで搬送枠11の両側に配置され、搬送領域A11のY-Z面に沿って配置されている。ラック20a、20bは、それぞれ同じ構成を有し、トレイ10から荷物を受け取る複数のボックス30a、30bを有する。例えば、ラック20aは、複数のボックス30aを略鉛直方向に配列した複数のボックス列と、複数のボックス30aを略水平方向に配列した複数のボックス行とを含む。ラック20bは、複数のボックス30bを略鉛直方向に配列した複数のボックス列と、複数のボックス30bを略水平方向に配列した複数のボックス行とを含む。
【0013】
ラック20a、20bは、搬送枠11のX方向の一方側および他方側にそれぞれに着脱可能に配置されている。ラック20a、20bは、それぞれ固有の識別子(以下、ラックID)を有し、互いに区別可能に構成されている。ラックIDは、例えば、RFIDタグ、バーコード、QRコード等の記憶部22a、22bに格納されている。記憶部22aは、ラック20aに配置され、ラック20aを識別する固有のラックIDを記憶する。記憶部22bは、ラック20bに配置され、ラック20bを識別する固有のラックIDを記憶する。一方、搬送枠11には、記憶部22a、22bからラックIDを読み出すためのリーダ12a、12bが配置されている。これにより、搬送枠11は、ラック20a、20bからラックIDを読み取り、ラック20a、20bを識別することができる。
【0014】
このように、複数のラック20a、20bは、1つの搬送枠11の両側に区別可能に配置されている。トレイ10は、搬送領域A11内をY-Z面に沿って移動することができ、任意のボックス30a、30bに荷物を搬送かつ投入することができる。
【0015】
図2は、本実施形態による仕分けシステム100の構成を示す概念図である。仕分けシステム100は、ソータ1と、管理システムWMSと、実行システム(第1システム)WESと、ロボット制御システムRCSと、端末STとを備えている。
【0016】
管理システムWMSは、荷物の仕分けに関するオーダデータを生成する。オーダデータは、例えば、クライアントからの荷物の配送指示等であり、仕分けの対象となる荷物および該荷物の個数を特定する荷物情報と、該荷物の仕分け先を示す仕分け先情報とを含む。オーダデータは、例えば、1つの配送先に対して配送する荷物およびその個数を示す。1つの配送先に対して1つのボックス30a、30bを割り当てた場合、1つのオーダデータは、1つのボックス30a、30bへ投入される荷物およびその個数を示す情報である。この場合、ボックス30a、30bへの仕分け先は、配送先と1対1に対応する。1つの配送先に対して複数のボックス30a、30bを割り当てた場合、1つのオーダデータは、複数のボックス30a、30bへ投入される荷物およびその個数を示す情報となる。この場合、複数のボックス30a、30bの仕分け先が1つの配送先に対応する。
【0017】
管理システムWMSは、複数のオーダデータを生成し、実行システムWESへ送信する。管理システムWMSは、例えば、CPUおよびメモリを備えたコンピュータでよい。
【0018】
トレイコントローラとしてのロボット制御システムRCSは、ソータ1とアクセスポイントAPを介して無線接続、あるいは、ハブを介して有線接続されている。これにより、ロボット制御システムRCSは、ラック20a、20bのリーダ12a、12bで読み取られたラックIDを受け取ることができる。ロボット制御システムRCSは、ラック20a、20bのラックIDを実行システムWESへ送信する。また、ロボット制御システムRCSは、実行システムWESから後述するタスクデータを受信し、タスクデータに従ってソータ1の搬送トレイ10の動作を制御する。ロボット制御システムRCSも、例えば、CPUおよびメモリを備えたコンピュータでよい。
【0019】
また、ロボット制御システムRCSは、ラック20a、20bのラックIDと該ラック20a、20bのそれぞれに配置されているボックス30a、30bの位置情報(投入口の位置情報)とを互いに関連付けたラック情報を予め格納している。ロボット制御システムRCSは、搬送枠11からラックIDを受信すると、ラック情報に基づいて、その時に搬送枠11に取り付けられているラック20a、20bのボックス30a、30bの位置情報(投入口の位置情報)を特定する。これにより、ラック20a、20bごとにボックス30a、30bの個数や配置位置が異なっていても、ロボット制御システムRCSは、ボックス30a、30bの位置情報を正確に把握することができる。よって、ロボット制御システムRCSは、その時点で配置されているラック20a、20bとそのラック20a、20bのボックス30a、30bの位置情報とを関連付けたシュート情報を生成することができる。シュート情報は、ロボット制御システムRCSに保存されるとともに、実行システムWESへ送信され、実行システムWESにおいても保存される。これにより、実行システムWESおよびロボット制御システムRCSが同期される。尚、シュート情報は、実行システムWESが生成し、ロボット制御システムRCSへ送信してもよい。
【0020】
実行システムWESは、管理システムWMSからのオーダデータと上記シュート情報とに基づいて、オーダデータの荷物情報および配送先情報(仕分け先情報)をボックス30a、30bのいずれかと関連付けてタスクデータを生成する。配送先とボックス30a、30bとの関連付けは、配送先の個別情報をボックス30a、30bの位置情報(投入口の位置情報)のいずれかに任意に関連付ければよい。このとき、実行システムWESは、配送される荷物のサイズや個数によって、配送先の個別情報に対して、複数のボックス30a、30bのうち1つボックスの位置情報を割り当ててもよく、複数のボックスの位置情報を割り当ててもよい。また、ラック20a、20bに様々なサイズのボックス30a、30bを予め配置し、実行システムWESは、配送する荷物のサイズに適したボックス30a、30bと配送先とを関連付けてもよい。この場合、オーダデータには荷物のサイズ情報も含め、ラック情報にはボックス30a、30bのサイズ情報を含めればよい。これにより、実行システムWESは、配送する荷物のサイズや個数に適したボックス30a、30bを割り当てることができる。例えば、実行システムWESは、荷物のサイズ×個数以上の容量を有するボックス30a、30bを割り当てればよい。実行システムWESは、例えば、CPUおよびメモリを備えたコンピュータでよい。
【0021】
端末STは、例えば、バーコードリーダと、タブレット端末とを備え、作業者によって操作される。端末STは、アクセスポイントAPを介して実行システムWESと無線接続されている。実際の荷物にはその荷物を特定するためのバーコード等の識別子が貼付されており、作業者がバーコードリーダを用いて、そのバーコードをスキャンする。タブレット端末は、読み取られた荷物の情報を処理して実行システムWESへ送信する。これにより、端末STは、バーコードリーダでスキャンした荷物の情報(スキャン情報)を実行システムWESへ送信することができる。このとき、端末STは、自己を識別する端末IDを有し、スキャン情報と共に端末IDも実行システムWESへ送信する。これにより、実行システムWESは、どの端末STの作業者がどの荷物を処理しているかを特定することができる。実行システムWESは、端末STからのスキャン情報および端末IDを受信する。尚、端末STは、特に限定されず、バーコードリーダおよびPC(Personal Computer)で構成されてもよい。バーコードは、QRコードでもよく、荷物を識別することができるその他の任意のコードでよい。
【0022】
実行システムWESは、オーダデータおよび/またはタスクデータをタブレット端末の画面に表示させる。実行システムWESは、全てのオーダデータおよび/またはタスクデータを表示させてもよく、端末STが処理すべきオーダデータおよび/またはタスクデータのみを表示させてもよい。これにより、作業者は、オーダデータおよび/またはタスクデータに従った荷物をバーコードリーダでスキャンし、その荷物をトレイ10へ搭載することができる。尚、荷物の搭載作業は、ロボットアームまたはコンベア等を用いてその荷物をトレイ10へ搭載してもよい。
【0023】
尚、本実施形態において、1つの端末STは、1つの搬送枠11に対応して設けられている。複数の端末STおよびそれぞれに対応する複数の搬送枠11を用いて、複数の荷物を同時並行して仕分けてもよい。
【0024】
実行システムWESは、スキャン情報を端末STから受け取り、スキャン情報とタスクデータとを関連付ける。これにより、荷物を投入すべきボックス30a、30bが決定される。ロボット制御システムRCSは、実行システムWESと同期されているので、荷物を投入すべきボックス30a、30bを把握している。
【0025】
荷物を投入すべきボックス30a、30bが決定されると、実行システムWESは、端末STに、「仕分け準備完了」の通知を表示させるとともに、「発車可能」のボタンを表示させる。作業者がタブレット端末に表示された「発車可能」の表示をタッチすると、ロボット制御システムRCSは、トレイ10の動作を開始させる。ロボット制御システムRCSは、荷物を投入すべきボックス30a、30bの位置までトレイ10を移動させ、荷物をそのボックス30a、30bへ投入(シュート)する。このように、ロボット制御システムRCSは、タスクデータに従ってトレイ10を、複数のボックス30a、30bのうち荷物の仕分け先と関連付けられたボックスへ移動させ、荷物をそのボックスへ投入することができる。これにより、1つのタスクが終了する。
【0026】
ロボット制御システムRCSは、荷物の投入後、荷物を搭載した元の位置へトレイ10を戻す。これにより、次のタスクデータの処理が可能になる。
【0027】
本実施形態による仕分けシステムによれば、実行システムWESは、荷物情報と仕分け先情報とを含むオーダデータに基づいて、荷物を投入するボックス位置情報と仕分け先情報とを関連付けてタスクデータを生成する。ロボット制御システムRCSは、タスクデータに従ってトレイ10を移動させ、ボックス位置情報に従って荷物を投入するボックスへ移動させ、該荷物をそのボックスへ投入する。これにより、作業者は、商品のバーコードをスキャンして、その荷物をトレイ10へ搭載し、タブレット端末の「仕分け実行」ボタンをタッチするだけで1タスクの処理を実行することができる。その結果、作業効率を向上させ、作業時間を短縮することができる。また、作業者の仕分けミスを抑制することができる。
【0028】
尚、本実施形態において、搬送枠11および端末STは、1つずつ設けられている。しかし、複数の搬送枠11および複数の端末STがそれぞれアクセスポイントAPを介してロボット制御システムRCSまたは実行システムWESに接続されていてもよい。この場合、複数の搬送枠11および複数の端末STは1対1に対応しており、それぞれラックIDと端末IDで区別すればよい。これにより、実行システムWESは、複数の搬送枠11および複数の端末STに対して共通化され、複数の搬送枠11および複数の端末STを制御することができる。
【0029】
図3は、本実施形態による仕分けシステムの動作例を示すフロー図である。
【0030】
まず、搬送枠11にラック20a、20bをセットする(S10)。
【0031】
次に、ロボット制御システムRCSは、リーダ12a、12bで読み取られたラックIDを搬送枠11から取得する。ロボット制御システムRCSは、ラックIDとそれに対応するラックのボックス位置情報(投入口の位置情報)とを互いに関連付けたラック情報とに基づいて、シュート情報を生成する(S20)。シュート情報は、搬送枠11にセットされたラック20a、20bのボックス30a、30bの位置情報(投入口の位置情報)を示す情報である。シュート情報は、ロボット制御システムRCSから実行システムWESへ送信され、実行システムWESおよびロボット制御システムRCSは同期される(S30)。
【0032】
次に、管理システムWMSが、オーダデータを実行システムWESへ送信する(S40)。オーダデータは、例えば、クライアントからの配送指示であり、仕分けの対象となる荷物の種類および該荷物の個数を特定する荷物情報と、該荷物の仕分け先を示す仕分け先情報とを含む。
【0033】
実行システムWESは、オーダデータとシュート情報とに基づいて、オーダデータの荷物情報および配送先情報(仕分け先情報)をボックス30a、30bのいずれかに割り当ててタスクデータを生成する(S50)。タスクデータは、オーダデータで指定された荷物およびその配送先の情報と任意のボックス30a、30bの位置情報とを関連付けた情報である。
【0034】
タスクデータは、ロボット制御システムRCSに送信され、実行システムWESおよびロボット制御システムRCSによって共有される(S60)。
【0035】
図4Aおよび
図4Bは、タスクデータの生成の一例を示す概念図である。
図4Aおよび
図4Bは、実行システムWESのモニタに表示される画面でよい。
【0036】
タスクナンバは、個々のタスクデータに付され、タスクを区別するための番号である。オーダナンバは、個々のオーダデータに付され、オーダを区別するための番号である。オーダは、複数のタスクで構成されている場合もある。ステータスは、タスクの処理状況を示す。荷物の配送が未完了のタスクは、「未処理」と表示される。荷物の配送が完了したタスクは、「処理済み」と表示される。荷物コードは、配送すべき荷物の情報(識別子)を示す。個数は、配送すべき荷物の個数を示す。シュートナンバは、タスクに対応するシュート情報を特定する番号である。このように、タスクデータは、オーダデータの荷物情報を、タスクごと(配送ごと)にボックス30a、30bのいずれかと関連付けている。これにより、ソータ1は、タスクデータに従って荷物を所定のボックス30a、30bへ配送する。尚、オーダデータは、配送先情報(仕分け先情報)も含むので、タスクデータは、配送先情報(仕分け先情報)も実質的に含んでいる。また、シュートナンバの割り当ては、複数のオーダデータを含むバッチ単位で行ってもよい。
【0037】
オーダデータは、シュート割り当て前においては、
図4Aに示すように、タスクナンバ、オーダナンバ、ステータス、荷物コード、個数の情報を有するものの、シュートナンバをまだ有していない。オーダデータからタスクデータを生成するためには、作業者が
図4Aの実行システムWESのモニタに表示させた「シュート割付」ボタンをタッチまたはクリックする。これにより、実行システムWESは、
図4Bに示すように、オーダデータのタスクごとにシュート情報を自動で割り当てる。このとき、実行システムWESは、荷物コードで特定される荷物の情報(例えば、荷物の種類およびサイズ等)と、シュート情報のボックス30a、30bの容量とを参照して、各タスクの荷物がボックス30a、30bに収容できるようにシュート情報を割り当てればよい。これにより、タスクデータが生成される。
【0038】
次に、作業者が端末STで荷物をスキャンし、実行システムWESがスキャン情報を受信する(S70)。ロボット制御システムRCSは、スキャン情報とタスクデータとに基づいて、荷物を投入するボックスに対応するシュートナンバをソータ1および実行システムWESへ指示する(S80)。これにより、ソータ1は、トレイ10を発車可能にし、待機する(S90)。実行システムWESは、端末STに「発車可能」のボタンを表示させる(S100)。
【0039】
作業者が、スキャンした荷物をトレイ10に搭載し端末STの「発車可能」ボタンをタッチまたはクリックする。このとき、実行システムWESは、発車指示を受信して、ロボット制御システムRCSへ発車指示を送信する(S110)。
【0040】
ロボット制御システムRCSは、ソータ1へ発車指示を送信する(S110)。ソータ1は、トレイ10を発車させ、タスクデータに従ったボックスの位置まで移動し、荷物を投入する(S130)。
【0041】
次に、ソータ1は、トレイ10を元の位置(荷物を搭載する位置)に戻す(S140)。トレイ10が元の位置に戻ると、ロボット制御システムRCSは、到着通知を実行システムWESに送信し(S150)、実行システムWESは、到着通知を受信する(S160)。
【0042】
実行システムWESは、到着通知を受信すると、タスクデータを「処理済み」にする(S170)。例えば、
図5は、タスクナンバWES002のステータスが「処理済み」になった例を示す図である。これにより、1つのタスクが完了する。各タスクが完了するごとに、パトライト等の警報機を介して作業者にタスクの完了を知らせてもよい。
【0043】
その後、ステップS70~S170を繰り返し実行することにより、他のタスクが実行される。これにより、オーダデータに含まれる全てのタスクが完了すると、オーダの処理が完了したことになる。さらに、バッチに含まれる全てのオーダが完了すると、バッチの処理が完了したことになる。ラック20a、20bは、オーダ単位、または、バッチ単位で交換される。よって、オーダの処理が完了した時点、あるいは、バッチの処理が完了した時点で警報機を介して作業者にオーダまたはバッチの完了を知らせてもよい。
【0044】
ラック20a、20bを交換した場合、ステップS10から再度実行すればよい。
【0045】
本実施形態による仕分けシステムによれば、作業者は、荷物を所定位置にあるトレイ10へ搭載する作業と端末STの操作とを行うだけであり、荷物の仕分け作業自体は自動化される。従って、荷物の仕分け作業の時間が短縮され、仕分けミスを抑制できる。また、作業者が仕分け作業を行う場合と比べて、荷物の仕分け作業の時間がばらつかず、ほぼ均一の時間で各タスクを処理することができる。従って、本実施形態による仕分けシステムが、仕分け作業の生産性を略均一化することができる。
【0046】
また、ソータ1は、Z方向に縦方向にボックス30a、30bが配置されている。従って、ソータ1の設置面積が比較的小さくなり、仕分けシステムは、小さなスペースでも設置可能である。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0048】
10 トレイ、11 搬送枠、12a,12b リーダ、20a,20b ラック 22a,22b 記憶部、30a,30b ボックス、100 仕分けシステム、1 ソータ、WMS 管理システム、WES 実行システム、RCS ロボット制御システム、ST 端末