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特許7391122情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231127BHJP
   G06Q 30/015 20230101ALI20231127BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/015
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2022023255
(22)【出願日】2022-02-17
(65)【公開番号】P2023120066
(43)【公開日】2023-08-29
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】505300841
【氏名又は名称】株式会社ZOZO
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池松 里菜
(72)【発明者】
【氏名】安藤 文紀
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 駿矢
(72)【発明者】
【氏名】保利 美幸
【審査官】池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-248776(JP,A)
【文献】国際公開第2019/123776(WO,A1)
【文献】特開2016-071604(JP,A)
【文献】特開2017-174224(JP,A)
【文献】特開2014-041539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアごとの利用者の購買履歴に基づいて、エリアごとの当該利用者の購買行動の傾向を推定し、前記利用者がいずれかのエリアに所在あるいは訪問する場合に、当該エリアの購買行動の傾向に応じたアイテムを特定する特定部と、
前記特定部により前記エリアについて特定されたアイテムに関する取引対象情報を前記利用者に提供する提供部と
を有し、
前記特定部は、
購買行動の傾向として、エリアごとの前記利用者の所定カテゴリに属するアイテムの属性の傾向を推定し、前記利用者がいずれかのエリアに所在あるいは訪問する場合に、当該エリアの所定カテゴリに属するアイテムの属性の傾向に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提供部は、
前記エリアについて特定されたアイテムと、前記エリアに所在し、当該アイテムを取り扱う店舗とを示す前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供部は、
購買行動の傾向として、エリアごとに、当該エリアにおける前記利用者の所定カテゴリに属するアイテムの用途の傾向を推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定部は、
前記利用者が位置する現在のエリアにおける購買行動の傾向に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定部は、
前記利用者の目的地であるエリアにおける購買行動の傾向に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定部は、
前記利用者が購入したアイテムの価格帯と、前記エリアに所在する店舗が取り扱うアイテムの価格帯との差額に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定部は、
さらに、前記利用者が閲覧したコンテンツに応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、
アイテムの組み合わせを示す前記コンテンツに応じて、所定のアイテムの組み合わせを特定し、
前記提供部は、
前記特定部により特定された組み合わせが示すアイテムを取り扱う各店舗を示す前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記特定部は、
さらに、アイテムの組み合わせが所定の条件を満たす組み合わせであるか否かを学習させたモデルを用いて、所定のアイテムの組み合わせを特定し、
前記提供部は、
前記特定部により特定された組み合わせが示すアイテムを取り扱う各店舗を示す前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記特定部は、
さらに、前記利用者が現在使用する物品に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記特定部は、
さらに、前記利用者に関する情報に基づいて推定される前記利用者のアイテムの主観的評価と、所定の情報に基づいて推定される第三者によるアイテムの客観的評価とに応じたアイテムを特定し、
前記提供部は、
前記特定部により特定されたアイテムの前記主観的評価及び前記客観的評価を示す前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記特定部は、
前記主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上であって、且つ、当該スコアと、前記客観的評価に基づくスコアとの合計値が所定の閾値以上であるアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記特定部は、
前記利用者に同行する同行者の嗜好に基づく前記客観的評価に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項11または12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記特定部は、
さらに、前記利用者が購入したアイテムの前記主観的評価及び前記客観的評価に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項11から13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記客観的評価に応じたアイテムを特定するか否かの選択を前記利用者から受け付ける受付部
をさらに有し、
前記特定部は、
前記客観的評価に応じたアイテムを特定することが選択された場合は、前記主観的評価及び前記客観的評価に応じたアイテムを特定し、前記客観的評価に応じたアイテムを特定しないことが選択された場合は、前記主観的評価に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項11から14のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記提供部は、
前記利用者に同行する同行者の属性に対応する店舗を示す前記取引対象情報を優先的に提供する
ことを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記特定部は、
さらに、前記利用者に同行する同行者の前記エリアにおける購買行動の傾向に応じたアイテムを特定し、
前記提供部は、
前記利用者に関して特定されたアイテムと、前記同行者に関して特定されたアイテムとを取り扱う店舗を示す前記取引対象情報を優先的に提供する
ことを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記特定部は、
所定の電子商取引サービスにおいて提供されるアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1から17のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記特定部は、
所定の電子商取引サービスにおいて前記利用者からアイテムの取り置きの指示が店舗に対して行われた場合は、当該店舗が所在するエリアの店舗において取り扱われるアイテムであって、取り置きがされているアイテムとの組み合わせが所定の条件を満たすアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1から18のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記提供部は、
前記特定部により特定されたアイテムを取り扱う店舗を示す地図情報を含む前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から19のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記提供部は、
前記特定部により特定されたアイテムの各々を取り扱う各店舗間の経路を示す地図情報を含む前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項20に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記提供部は、
前記特定部により特定されたアイテムの各店舗における在庫数、各店舗の営業時間、各店舗における当該アイテムの代替品の有無の少なくともいずれかに応じた経路を示す地図情報を含む前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項21に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記提供部は、
前記特定部により特定されたアイテムを取り扱う店舗のうち、前記利用者が前記エリアにおいて行動可能な時間内に訪問可能な店舗と、当該店舗が取り扱うアイテムとを示す前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から22のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記提供部は、
前記利用者が利用する端末装置にインストールされたアプリケーションが起動された場合に、当該アプリケーションを介して前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から23のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記提供部は、
前記エリアが前記利用者の拠点が所在するエリアとは異なるエリアである場合に、前記取引対象情報を提供する
ことを特徴とする請求項1から24のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項26】
前記特定部は、
前記利用者に指定された位置情報が示すエリアにおける前記利用者の購買行動の傾向に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする請求項1から25のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項27】
前記提供部は、
前記取引対象情報が示すアイテムを前記利用者が購入した場合は、当該アイテムとの組み合わせが所定の条件を満たすアイテムに関する情報をさらに提供する
ことを特徴とする請求項1から26のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項28】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
リアごとの利用者の購買履歴に基づいて、エリアごとの当該利用者の購買行動の傾向を推定し、前記利用者がいずれかのエリアに所在あるいは訪問する場合に、当該エリアの購買行動の傾向に応じたアイテムを特定する特定工程と、
前記特定工程により前記エリアについて特定されたアイテムに関する取引対象情報を前記利用者に提供する提供工程と
を含み、
前記特定工程は、
購買行動の傾向として、エリアごとの前記利用者の所定カテゴリに属するアイテムの属性の傾向を推定し、前記利用者がいずれかのエリアに所在あるいは訪問する場合に、当該エリアの所定カテゴリに属するアイテムの属性の傾向に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項29】
リアごとの利用者の購買履歴に基づいて、エリアごとの当該利用者の購買行動の傾向を推定し、前記利用者がいずれかのエリアに所在あるいは訪問する場合に、当該エリアの購買行動の傾向に応じたアイテムを特定する特定手順と、
前記特定手順により前記エリアについて特定されたアイテムに関する取引対象情報を前記利用者に提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ
前記特定手順は、
購買行動の傾向として、エリアごとの前記利用者の所定カテゴリに属するアイテムの属性の傾向を推定し、前記利用者がいずれかのエリアに所在あるいは訪問する場合に、当該エリアの所定カテゴリに属するアイテムの属性の傾向に応じたアイテムを特定する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の購買行動を支援するための技術が提供されている。このような技術の一例として、店舗で商品を購入する前に、予め商品情報を取得する際に横断的に各店舗の売り出し情報を比較し、利用者の購入品目リストと比較し、最適な購入リストを作成する技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-128935号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0005】
例えば、上述した技術では、利用者からから購入する品目の種類、数量、金額等の購入条件をあらかじめ取得する必要があり、利用者にとって利便性が良いとは限らない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、利用者の位置情報が示すエリアにおける当該利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する特定部と、前記特定部により特定された取引対象に関する取引対象情報であって、当該取引対象を取り扱う店舗を示す取引対象情報を前記利用者に提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者の利便性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るエリア情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
(実施形態)
〔1.情報処理システムの構成〕
まず、実施形態に係る情報処理システム1について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、端末装置100とが含まれる。情報処理装置10と、端末装置100とは所定の通信網(ネットワークN)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示した情報処理システム1には、複数台の情報処理装置10や、複数台の端末装置100が含まれてもよい。
【0012】
情報処理装置10は、利用者の購買行動の傾向(例えば、購入履歴や、購入履歴に基づく利用者の嗜好など)に応じた取引対象に関する情報を提供することにより、利用者の購買行動を支援することを実現するための情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置10は、取引対象(被服等)を提供する電子商取引サービスを提供する。また、情報処理装置10は、被服のコーディネートを示すコンテンツ(画像等)の投稿を利用者から受け付け、他の利用者に配信するコーディネートサービスを提供する。そして、情報処理装置10は、電子商取引サービスにおける利用者の取引対象の購買行動の傾向や、コーディネートサービスにおける利用者のコーディネートの閲覧履歴などに応じて、利用者が所在するエリア内の実店舗において取り扱う取引対象を特定し、特定した取引対象に関する情報を提供する。
【0013】
なお、情報処理装置10は、サービスに係るウェブサイトを提供するウェブサーバとしての機能を有していてもよい。また、情報処理装置10は、端末装置100にインストールされた各種サービスに関するアプリケーションに表示する情報を、情報処理装置10に配信する装置であってもよい。また、情報処理装置10は、アプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。
【0014】
また、情報処理装置10は、端末装置100に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、情報処理装置10から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0015】
端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、端末装置100は、情報処理装置10や、所定のサービスを提供するサーバ装置などによって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、図2に示す例では、端末装置100がスマートフォンである場合を示す。
【0016】
〔2.情報処理の一例〕
次に、図2を用いて、本実施形態に係る情報処理装置等により実現される情報処理の一例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、以下の説明では、情報処理装置10が、各エリアの地図情報や各エリアに所在する店舗等の情報を含むエリア情報を自装置の記憶部で管理しているものとする。例えば、情報処理装置10は、各エリアを識別する識別情報(エリアID)や、各エリアの所在情報(所在地や、範囲など)、各エリア内の地図情報、各エリアに所在する店舗に関する店舗情報(例えば、所在地や、取り扱う取引対象など)などを含むエリア情報を記憶する。なお、エリアは、任意の広さの範囲が適宜設定されてもよい。例えば、エリアは、緯度及び経度を基に同様の大きさの網の目(メッシュ)に分割されたものであってもよい。すなわち、エリアは、地域メッシュで区切られたエリアであってもよい。この場合、エリアIDには、地域メッシュコードが用いられてもよい。なお、上記は、一例であり、エリアは、地域メッシュに限らず種々の情報を基に設定されてもよい。例えば、エリアは、「町」、「区」、「市」、「県」等の行政区画を基に設定されてもよい。また、エリアは、商業施設(ショッピングセンターや、ホームセンター、アウトレットモール、地下街など)等の施設ごとに設定されてもよいし、通りや商店街などを基に設定されてもよい。
【0017】
また、以下の説明では、端末装置100が、利用者ID「UID#1」により識別される利用者(利用者U1)により利用されるものとする。また、以下の説明では、端末装置100を利用者U1と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を端末装置100と読み替えることもできる。
【0018】
まず、情報処理装置10は、利用者U1の位置情報を取得する(ステップS1)。例えば、情報処理装置10は、端末装置100が有するGPS(Global Positioning System)により測位された位置情報を取得する。なお、情報処理装置10は、利用者U1の路線検索サービスや、地図提供サービス、飲食店紹介サービス、施設予約サービスなどにおける利用履歴が示す利用者U1の位置情報を取得してもよい。
【0019】
続いて、情報処理装置10は、位置情報が示すエリアにおける利用者U1の被服に関する購買行動の傾向に応じた被服を特定する(ステップS2)。ここで、図2の例において、利用者U1の位置情報が、利用者U1が現在エリアAに所在することを示したものとする。この場合、情報処理装置10は、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の価格帯に基づき推定される、エリアAにおける利用者U1の購買行動の傾向(言い換えると、エリアAにおいてどのような目的で被服を購入するか)に応じて、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服のうち、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、利用者U1に購入を提案する被服の組み合わせ(コーディネート)を特定する。
【0020】
例えば、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の価格帯が第1の閾値(例えば、1万円)以下である場合、情報処理装置10は、利用者U1がエリアAにおいて被服を購入する目的が、普段使いの被服を購入することであると推定する。そして、情報処理装置10は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、「普段使い」等のタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の組み合わせを特定する。
【0021】
また、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の価格帯が第2の閾値(例えば、5万円)以上である場合、情報処理装置10は、利用者U1がエリアAにおいて被服を購入する目的が、特別な用途(例えば、デートや、パーティーなど)に用いる被服を購入することであると推定する。そして、情報処理装置10は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、「デート」や、「パーティー」などのタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の組み合わせを特定する。
【0022】
なお、情報処理装置10は、電子決済サービスにおいて利用者U1が購入した被服の価格帯と、エリアAに所在する店舗が取り扱う被服の価格帯との差額に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、電子決済サービスにおいて利用者U1が購入した被服の価格帯が、エリアAに所在する店舗が取り扱う被服の価格帯との差額が所定の閾値(例えば、1万円)以上低い場合、情報処理装置10は、利用者U1が、普段購入する被服よりも高額な被服を求めてエリアAに訪問したと推定(言い換えると、特別な用途に用いる被服を購入するためにエリアAに訪問したと推定)する。そして、情報処理装置10は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、「デート」や、「パーティー」などのタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の組み合わせを特定する。
【0023】
一方、電子決済サービスにおいて利用者U1が購入した被服の価格帯と、エリアAに所在する店舗が取り扱う被服の価格帯との差額が所定の閾値(例えば、1万円)以内である場合、情報処理装置10は、普段使いの被服を購入することを目的としてエリアAに訪問したと推定する。例えば、情報処理装置10は、エリアAに所在する店舗が取り扱う被服の価格帯が第2の閾値以上であっても、利用者U1が普段から被服にお金をかける人物であり、普段使いの被服を購入することを目的としてエリアAに訪問したと推定する。そして、情報処理装置10は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、「普段使い」等のタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の組み合わせを特定する。
【0024】
また、情報処理装置10は、利用者U1が現在着用する被服に応じた被服を特定してもよい。例えば、情報処理装置10が提供するサービスに関するアプリケーション(以下、単に「アプリ」と記載する場合がある)等を介して、利用者U1が現在着用する被服を示す情報(例えば、アプリから提供されるアンケート等に入力された情報)を受け付けた場合、情報処理装置10は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、当該被服に対応する被服を含むコーディネートを示すコンテンツを抽出する。そして、情報処理装置10は、抽出したコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の組み合わせを特定する。
【0025】
また、情報処理装置10は、利用者U1に関する情報に基づいて推定される利用者U1の被服に対する主観的評価と、所定の情報に基づいて推定される第三者による被服に対する客観的評価とに応じた被服を特定してもよい。例えば、情報処理装置10は、電子商取引サービスにおいて利用者U1が購入した被服や、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツに基づく利用者U1の主観的評価を用いて算出したスコア(例えば、「1(非常に悪い)」から「10(非常に良い)」までの10段階のスコア)と、利用者U1のパーソナルカラー診断や、骨格診断などの結果に基づく利用者U1の客観的評価を用いて算出したスコアとが所定の条件を満たす被服の組み合わせを特定する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上であって、且つ、当該スコアと、客観的評価に基づくスコアとの合計値が所定の閾値以上である被服の組み合わせ(言い換えると、利用者U1が気に入り、且つ、客観的評価も高い被服の組み合わせ)を特定する。なお、情報処理装置10は、特定した被服に関する情報を利用者U1に提供する際、当該被服について算出された、主観的評価のスコア、並びに、客観的評価のスコアとともに当該被服に関する情報を提供してもよい。
【0026】
ここで、利用者U1に同行する同行者がいる場合、利用者U1の被服の購入の決定は、同行者の意見(嗜好等)により左右されることが推定される。したがって、情報処理装置10は、同行者の嗜好を反映した客観的評価に応じた被服を特定してもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者U1から所定の範囲内(例えば、3メートル以内)において所定の時間以上(例えば、1時間以上)位置する他の利用者を利用者U1の同行者として特定する。そして、情報処理装置10は、利用者U1の主観的評価を用いて算出したスコアと、電子商取引サービスにおいて同行者が購入した被服や、コーディネートサービスにおいて同行者が閲覧したコンテンツなどに基づき推定される同行者の嗜好を反映した客観的評価を用いて算出したスコアとが所定の条件を満たす被服の組み合わせを特定する。
【0027】
続いて、情報処理装置10は、特定した被服に関する情報を利用者U1に提供する(ステップS3)。ここで、ステップS2において、情報処理装置10が、店舗Sh1が取り扱う被服#1、店舗Sh2が取り扱う被服#2、並びに、店舗Sh3が取り扱う被服#3の組み合わせを特定したものとする。このような場合、特定した被服#1~#3に関する情報(例えば、価格や、画像など)や、店舗Sh1~Sh3の店舗情報(例えば、利用者U1の現在地からの距離や、地図情報など)などを示す情報を端末装置100に提供する。そして、端末装置100は、情報処理装置10から提供された情報を画面C1に示すように表示する。
【0028】
ここで、図2の例において、被服#1~#3のうち、利用者U1が購入を希望する被服として、被服#1及び#2に対する選択操作を画面C1に対して行ったものとする。このような場合、情報処理装置10は、端末装置100が、利用者U1の現在位置から、被服#1を取り扱う店舗Sh1、並びに、被服#2を取り扱う店舗Sh2へ訪問するための最短の経路を示す画面C2を表示するよう端末装置100を制御する。例えば、端末装置100は、エリアAの地図上に、利用者U1の現在位置を示す地点Pt1、店舗Sh1の所在地を示す地点Pt2、店舗Sh2の所在地を示す地点Pt3、並びに、地点Pt1を出発地点とし、地点Pt2、地点Pt3の順に来店する経路R1を重畳して表示する。
【0029】
さらに、図2の例において、利用者U1が店舗Sh1を訪問し、被服#1を購入したものとする。このような場合、情報処理装置10は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、被服#1に対応する被服を含むコーディネートを示すコンテンツを抽出する。そして、情報処理装置10は、抽出したコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服を特定し、特定した被服に関する情報を示す画面C3を表示するように端末装置100を制御する。
【0030】
なお、利用者U1が店舗Sh1において被服#1を購入したか否かは、例えば、利用者U1がアプリを介して情報処理装置10に送信した情報(例えば、アプリから提供されるアンケート等)に基づき判別してもよい。また、利用者U1が、所定の電子決済サービスを用いて店舗Sh1に対して行った決済に関する情報に基づき、利用者U1が店舗Sh1において被服#1を購入したか否かを判別してもよい。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、決済金額が被服#1の価格と一致する、若しくは、決済金額が被服#1の価格以上である場合に、利用者U1が店舗Sh1において被服#1を購入したと判別する。
【0031】
以上のように、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者が所在するエリアにおける購買行動の傾向に応じた被服を特定し、特定した被服を取り扱う店舗に関する情報を提供する。これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者が持つ被服に対する潜在的な購入の意思や、漠然とした購入対象の被服のイメージなどを持っていずれかのエリアに訪問した際、訪問したエリアにおける店舗の情報を持っていない場合に、利用者の嗜好に適した店舗を探すために多数の店舗を巡るといった労力を消費する事態や、利用者の嗜好に適した被服に巡り合うことができないといった事態を防ぐことができる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0032】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報処理装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報処理装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0033】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100等との間で情報の送受信を行う。
【0034】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部30は、エリア情報データベース31と、利用者情報データベース32とを有する。
【0035】
(エリア情報データベース31について)
エリア情報データベース31は、エリアに関する各種の情報を記憶する。ここで、図4を用いて、エリア情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係るエリア情報データベースの一例を示す図である。図4の例において、エリア情報データベース31は、「エリアID」、「所在情報」、「地図情報」、「価格帯」、「店舗情報」といった項目を有する。
【0036】
「エリアID」は、エリアを識別するための識別情報を示す。「所在情報」は、エリアの所在地や、範囲などの情報を示す。「地図情報」は、エリア内の地図情報を示す。「価格帯」は、エリア内に所在する店舗が取り扱う取引対象の価格帯を示す。「店舗情報」は、エリア内に所在する店舗に関する情報を示し、「店舗ID」、「所在地」、「取引対象情報」といった項目を有する。「店舗ID」は、店舗を識別するための識別情報を示す。「所在地」は、店舗の所在地を示す。「取引対象情報」は、店舗が取り扱う取引対象に関する情報を示し、例えば、取引対象の画像や名称、価格、在庫などといった情報が格納される。
【0037】
すなわち、図4では、エリアID「AID#1」により識別されるエリアの所在情報が「所在情報#1」、地図情報が「地図情報#1」、店舗の価格帯「価格帯#1」であり、エリア内に所在し、店舗ID「SID#1」により識別される店舗の所在地が「所在地#1」、取り扱う取引対象の情報が「取引対象情報#1」である例を示す。
【0038】
(利用者情報データベース32について)
利用者情報データベース32は、利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、図5を用いて、利用者情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係る利用者情報データベースの一例を示す図である。図5の例において、利用者情報データベース32は、「利用者ID」、「購入履歴」、「閲覧履歴」といった項目を有する。
【0039】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「購入履歴」は、利用者が所定の電子商取引サービスにおける取引対象の購入履歴や、所定の電子決済サービスを用いて購入した取引対象の履歴を示し、例えば、取引対象の画像や、取引対象の価格、取引対象の購入先(店舗ID等)などといった情報が格納される。「閲覧履歴」は、利用者がコーディネートサービスにおいて閲覧したコンテンツを示す。
【0040】
すなわち、図5では、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の購入履歴が「購入履歴#1」、閲覧履歴が「閲覧履歴#1」である例を示す。
【0041】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図3に示すように、受付部41と、特定部42と、提供部43とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0042】
(受付部41について)
ここで、同行者がおらず、1人で取引対象を購入しにエリアに訪問している利用者が、購入を検討している取引対象について客観的な評価を求めたい場合が考えられる。一方で、客観的な評価を見ずに購入を検討したいといった要望も考えられる。したがって、受付部41は、客観的評価に応じた取引対象を特定するか否かの選択を利用者から受け付ける。例えば、受付部41は、端末装置100にあらかじめインストールされたアプリを介して、客観的評価に応じた取引対象を特定するか否かの選択を利用者から受け付ける。
【0043】
(特定部42について)
特定部42は、利用者の位置情報が示すエリアにおける当該利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。例えば、図1の例において、特定部42は、エリア情報データベース31及び利用者情報データベース32を参照し、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の価格帯に基づき推定される、エリアAにおける利用者U1の購買行動の傾向に応じて、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。
【0044】
なお、特定部42は、利用者の位置情報が示すエリアにおいて、利用者が購入した取引対象の履歴に基づく購買行動の傾向に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、特定部42は、位置情報が示すエリアにおいて利用者が過去に購入した被服の属性(例えば、電子商取引サービスやコーディネートサービス上において被服が分類される属性)に基づき推定される、当該における利用者の購買行動の傾向に応じて、当該エリアに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。具体的な例を挙げると、位置情報が示すエリアにおいて利用者が過去に購入した被服の属性が「普段使い」に分類される場合、特定部42は、利用者当該エリアにおいて被服を購入する目的が、普段使いの被服を購入することであると推定し、「普段使い」等のタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服や、電子商取引サービスにおいて「普段使い」等のタグが付された被服に対応する被服であって、当該エリアに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。
【0045】
また、特定部42は、利用者が位置する現在のエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、利用者U1が位置する現在のエリアAに所在する各店舗が取り扱う被服の価格帯に基づき推定される、エリアAにおける利用者U1の購買行動の傾向に応じて、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。
【0046】
また、特定部42は、利用者の目的地であるエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、特定部42は、端末装置100が有するGPSにより測位された位置情報の履歴や、利用者の各種サービス(例えば、路線検索サービスや、地図提供サービス、飲食店紹介サービス、施設予約サービスなど)における利用履歴に基づき利用者の目的地であるエリアを推定し、推定したエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。
【0047】
また、特定部42は、利用者が購入した取引対象の価格帯と、エリアに所在する店舗が取り扱う取引対象の価格帯との差額に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、電子決済サービスにおいて利用者U1が購入した被服の価格帯が、エリアAに所在する店舗が取り扱う被服の価格帯との差額が所定の閾値以上低い場合、特定部42は、利用者U1が、普段購入する被服よりも高額な被服を求めてエリアAに訪問したと推定する。そして、特定部42は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、「デート」や、「パーティー」などのタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。
【0048】
一方、電子決済サービスにおいて利用者U1が購入した被服の価格帯と、エリアAに所在する店舗が取り扱う被服の価格帯との差額が所定の閾値(例えば、1万円)以内である場合、特定部42は、普段使いの被服を購入することを目的としてエリアAに訪問したと推定する。そして、特定部42は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、「普段使い」等のタグが付されたコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。
【0049】
また、特定部42は、さらに、利用者が閲覧したコンテンツに応じた取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服のうち、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツが示すコーディネートに対応する被服を特定する。
【0050】
また、特定部42は、取引対象の組み合わせを示すコンテンツに応じて、所定の取引対象の組み合わせを特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、利用者U1に購入を提案する被服の組み合わせを特定する。
【0051】
また、特定部42は、さらに、取引対象の組み合わせが所定の条件を満たす組み合わせであるか否かを学習させたモデルを用いて、所定の取引対象の組み合わせを特定してもよい。例えば、特定部42は、コーディネートサービスに投稿されたコンテンツを教師データ(正解データ)として予め生成されたモデルを用いて、利用者が購入した被服や、利用者が購入を検討している被服(例えば、電子商取引サービスにおいて利用者が閲覧した被服)と、他の被服との組み合わせを特定する。
【0052】
また、特定部42は、さらに、利用者が現在使用する物品に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、利用者U1が現在着用する被服に対応する被服を含むコーディネートを示すコンテンツを抽出する。そして、特定部42は、抽出したコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服を特定する。
【0053】
また、特定部42は、さらに、利用者に関する情報に基づいて推定される利用者の取引対象の主観的評価と、所定の情報に基づいて推定される第三者による取引対象の客観的評価とに応じた取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、電子商取引サービスにおいて利用者U1が購入した被服や、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツに基づく利用者U1の主観的評価と、利用者U1のパーソナルカラー診断や、骨格診断などの結果に基づく利用者U1の客観的評価とが所定の条件を満たす被服を特定する。
【0054】
また、特定部42は、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上であって、且つ、当該スコアと、客観的評価に基づくスコアとの合計値が所定の閾値以上である取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上であって、且つ、当該スコアと、客観的評価に基づくスコアとの合計値が所定の閾値以上である被服を特定する。
【0055】
また、特定部42は、利用者に同行する同行者の嗜好に基づく客観的評価に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、図1の例において、特定部42は、利用者U1の主観的評価を用いて算出したスコアと、電子商取引サービスにおいて同行者が購入した被服や、コーディネートサービスにおいて同行者が閲覧したコンテンツなどに基づき推定される同行者の嗜好を反映した客観的評価を用いて算出したスコアとが所定の条件を満たす被服を特定する。
【0056】
また、特定部42は、客観的評価に応じた取引対象を特定することが選択された場合は、主観的評価及び客観的評価に応じた取引対象を特定し、客観的評価に応じた取引対象を特定しないことが選択された場合は、主観的評価に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、客観的評価に応じた取引対象を特定することを選択する旨を受付部41が受け付けた場合、特定部42は、主観的評価及び客観的評価を反映した結果に基づき取引対象を特定する。一方、客観的評価に応じた取引対象を特定しないことを選択する旨を受付部41が受け付けた場合、特定部42は、主観的評価のみを反映した結果に基づき取引対象を特定する。
【0057】
ここで、利用者の過去の購買行動において、主観的評価及び客観的評価のいずれを重視したか否かに応じて取引対象を特定したいといった要望が考えられる。したがって、特定部42は、さらに、利用者が購入した取引対象の主観的評価及び客観的評価に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、利用者が購入した取引対象の所定割合が、客観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である場合、特定部42は、利用者が客観的評価を重視する利用者であると推定し、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以下であっても、客観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である取引対象を特定する。また、利用者が購入した取引対象の所定割合が、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である場合、特定部42は、利用者が主観的評価を重視する利用者であると推定し、客観的評価に基づくスコアが所定の閾値以下であっても、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である取引対象を特定する。
【0058】
なお、特定部42は、エリアごとに、利用者が主観的評価及び客観的評価のいずれを重視するかに応じて取引対象を特定してもよい。例えば、利用者が所定のエリアにおいて購入した取引対象の所定割合が、客観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である場合、特定部42は、当該エリアにおける取引対象の購入において、利用者が客観的評価を重視する利用者であると推定し、当該エリアに利用者が訪問する際には、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以下であっても、客観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である取引対象を特定する。また、利用者が所定のエリアにおいて購入した取引対象の所定割合が、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である場合、特定部42は、当該エリアにおける取引対象の購入において、利用者が主観的評価を重視する利用者であると推定し、当該エリアに利用者が訪問する際には、客観的評価に基づくスコアが所定の閾値以下であっても、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上である取引対象を特定する。
【0059】
さらに、利用者に同行する同行者がいる場合、同行者の購買行動の傾向に応じた取引対象に関する情報を提供し、販売機会を創出したいといった要望が考えられる。したがって、特定部42は、さらに、利用者に同行する同行者のエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、特定部42は、利用者に関して取引対象を特定する手法と同様の手法を用いて、同行者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。
【0060】
さらに、店舗では被服の試着だけを行い、購入は電子商取引サービスにおいて行いたいといった要望が考えられる。したがって、特定部42は、所定の電子商取引サービスにおいて提供される取引対象を特定してもよい。例えば、特定部42は、上記の手法により特定した被服であって、情報処理装置10が提供する電子商取引サービスにおいて販売される被服を特定する。
【0061】
さらに、電子商取引サービスに出店するストアの実店舗に対し、利用者から被服の取り置きの指示が行われた場合、実店舗に利用者が来店する際に、取り置きの指示が行われた被服と組み合わせが可能な被服であって、実店舗が所在するエリア内で取り扱われる被服に関する情報を提供することにより、販売機会を創出したいといった要望が考えられる。したがって、特定部42は、所定の電子商取引サービスにおいて利用者から取引対象の取り置きの指示が店舗に対して行われた場合は、当該店舗が所在するエリアの店舗において取り扱われる取引対象であって、取り置きがされている取引対象との組み合わせが所定の条件を満たす取引対象を特定してもよい。例えば、特定部42は、コーディネートサービスにおいて提供されるコンテンツが示すコーディネートにおいて、取り置きの指示が行われた被服に対応する被服と組み合わせて着用される被服を特定する。
【0062】
さらに、利用者が訪問予定のエリアに所在する店舗において取り扱われる取引対象のうち、自身の購買傾向に応じた取引対象がどのようなものであるか事前に把握したいといった要望が考えられる。したがって、特定部42は、利用者に指定された位置情報が示すエリアにおける利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定してもよい。例えば、特定部42は、利用者に指定されたエリアにおける利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象であって、当該エリアに所在する店舗が取り扱う取引対象を特定する。
【0063】
(提供部43について)
提供部43は、特定部42により特定された取引対象に関する取引対象情報であって、当該取引対象を取り扱う店舗を示す取引対象情報を利用者に提供する。例えば、図1の例において、提供部43は、特定された被服に関する情報や、特定された被服を取り扱う店舗に関する店舗情報などを示す情報を端末装置100に提供する。
【0064】
また、提供部43は、特定部42により特定された組み合わせが示す取引対象を取り扱う各店舗を示す取引対象情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、特定された被服#1~#3に関する情報や、被服#1を取り扱う店舗Sh1、被服#2を取り扱う店舗Sh2、並びに、被服#3を取り扱う店舗Sh3に関する店舗情報などを示す情報を提供する。
【0065】
また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象の主観的評価及び客観的評価を示す取引対象情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、被服について算出された、主観的評価のスコア、並びに、客観的評価のスコアとともに当該被服に関する情報を提供する。
【0066】
また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象を取り扱う店舗を示す地図情報を含む取引対象情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、利用者U1が選択操作を行った被服#1及び#2を取り扱う店舗Sh1及びSh2の所在地を示す地図情報を提供する。
【0067】
また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象の各々を取り扱う各店舗間の経路を示す地図情報を含む取引対象情報を提供してもよい。例えば、図1の例において、提供部43は、利用者U1の現在位置から、被服#1を取り扱う店舗Sh1、並びに、被服#2を取り扱う店舗Sh2へ訪問するための最短の経路を示す地図情報を提供する。
【0068】
また、提供部43は、取引対象情報が示す取引対象を利用者が購入した場合は、当該取引対象との組み合わせが所定の条件を満たす取引対象に関する情報をさらに提供してもよい。例えば、図1の例において利用者U1が店舗Sh1を訪問し、被服#1を購入した場合、提供部43は、コーディネートサービスにおいて利用者U1が閲覧したコンテンツのうち、被服#1に対応する被服を含むコーディネートを示すコンテンツコンテンツが示すコーディネートに対応する被服であって、エリアAに所在する各店舗が取り扱う被服に関する情報を提供する。
【0069】
ここで、特定部42により特定された取引対象を取り扱う各店舗への最短の経路を提供するだけでなく、特定された取引対象が利用者の来店前に売り切れてしまうといった事態や、店舗の営業時間などの実情を考慮した経路を提供したいといった要望が考えられる。したがって、提供部43は、特定部42により特定された取引対象の各店舗における在庫数、各店舗の営業時間、各店舗における当該取引対象の代替品の有無の少なくともいずれかに応じた経路を示す地図情報を含む取引対象情報を提供してもよい。例えば、図1を例にして説明すると、提供部43は、店舗Sh2における被服#2の在庫が所定の閾値以下である場合、被服#2が売り切れる可能性を考慮し、店舗Sh1よりも店舗Sh2を先に訪問する経路を提供する。また、提供部43は、店舗Sh2の閉店時間が店舗Sh1よりも早い場合、店舗Sh1よりも店舗Sh2を先に訪問する経路を提供する。また、提供部43は、被服#2の代替品となる被服が店舗Sh1において販売されている場合、店舗Sh2において被服#2が売り切れているか否かを確認してから代替品を購入するか検討したいといった利用者U1の要望を考慮し、店舗Sh1よりも店舗Sh2を先に訪問する経路を提供する。
【0070】
さらに、利用者がエリアに訪問する時間帯が、店舗が閉店するまでの時間が長い朝若しくは昼の時間帯(言い換えると、エリアにおける活動可能な時間が長く、多数の店舗に来店することが可能な時間帯)であるか、若しくは、店舗が閉店するまでの時間が短い夜の時間帯(言い換えると、エリアにおける活動可能な時間が短く、少数の店舗しか来店することができない時間帯)であるかに応じて、取引対象情報を提供したいといった要望が考えられる。したがって、提供部43は、特定部42により特定された取引対象を取り扱う店舗のうち、利用者がエリアにおいて行動可能な時間内に訪問可能な店舗と、当該店舗が取り扱う取引対象とを示す取引対象情報を提供してもよい。例えば、利用者がエリアに訪問する時間帯が、朝若しくは昼の時間帯である場合、提供部43は、特定部42により特定された被服の組み合わせのうち、所定の閾値以上の店舗(例えば、5店舗以上)に来店し、各店舗から被服を購入することで完成する組み合わせを示す取引対象情報を優先的に提供する。また、利用者がエリアに訪問する時間帯が、夜の時間帯である場合、提供部43は、特定部42により特定された被服の組み合わせのうち、所定の閾値未満の店舗に来店し、各店舗から被服を購入することで完成する組み合わせを示す取引対象情報を優先的に提供する。
【0071】
さらに、取引対象情報を利用者が必要と推定されるタイミングで提供することにより、取引対象情報の訴求効果を高めたいといった要望が考えられる。したがって、提供部43は、利用者が利用する端末装置にインストールされたアプリケーションが起動された場合に、当該アプリケーションを介して取引対象情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、情報処理装置10が提供するアプリが起動されたタイミング(言い換えると、取引対象情報の提供を希望するタイミング)で取引対象情報を提供する。
【0072】
また、提供部43は、エリアが利用者の拠点が所在するエリアとは異なるエリアである場合に、取引対象情報を提供してもよい。例えば、提供部43は、利用者が自宅や出勤先、通学先などといった拠点が所在するエリアとは異なるエリアに訪問する際(言い換えると、利用者が土地勘のないエリアに訪問する際)、プッシュ通知等による通知を端末装置100に対して行い、当該通知を選択する操作が行われた場合に取引対象情報を提供する。
【0073】
さらに、利用者の同行者に応じた店舗に関する情報を提供したいといった要望が考えられる。したがって、提供部43は、利用者に同行する同行者の属性に対応する店舗を示す取引対象情報を優先的に提供してもよい。例えば、利用者の同行者が異性である場合、提供部43は、メンズ及びレディースの被服を取り扱う店舗を示す情報を優先的に提供する。
【0074】
また、提供部43は、利用者に関して特定された取引対象と、同行者に関して特定された取引対象とを取り扱う店舗を示す取引対象情報を優先的に提供してもよい。例えば、提供部43は、利用者に関して特定された被服と、同行者に関して特定された被服との双方を取り扱う店舗を示す情報を優先的に提供する。
【0075】
〔4.情報処理のフロー〕
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置10の情報処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0076】
図6に示すように、情報処理装置10は、利用者の位置情報が示すエリアにおける当該利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する(ステップS101)。続いて、情報処理装置10は、情報提供の条件を満たしたか否かを判定する(ステップS102)。情報提供の条件を満たしていない場合(ステップS102;No)、情報処理装置10は、取引対象を特定する処理を繰り返す。
【0077】
一方、情報提供の条件を満たした場合(ステップS102;Yes)、情報処理装置10は、取引対象に関する取引対象情報であって、当該取引対象を取り扱う店舗を示す取引対象情報を利用者に提供し(ステップS103)、処理を終了する。
【0078】
〔5.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0079】
〔5-1.取引対象について〕
上述の実施形態において、提供部43が、特定部42により特定された被服の組み合わせ(コーディネート)に関する情報を提供する例を示したが、提供部43が提供する情報はこのような例に限定されない。例えば、特定部42は、一の被服や、同一のカテゴリ(例えば、アウターや、ボトムス、靴など)に属する複数の被服などを特定する。そして、提供部43は、一の被服を示す情報や、同一のカテゴリに属する複数の被服を示す情報を提供する。
【0080】
また、特定部42により特定される取引対象は、被服に限定されない。例えば、特定部42により特定される取引対象は、飲食店から提供される飲食物や、飲食物の組み合わせであってもよい。
【0081】
〔5-2.利用者ごとに学習したモデルを用いた取引対象の組み合わせの特定について〕
上述の実施形態において、特定部42が、取引対象の組み合わせが所定の条件を満たす組み合わせであるか否かを学習させたモデルを用いて、所定の取引対象の組み合わせを特定する例を示したが、モデルはこのような例に限定されない。例えば、特定部42は、以下に示すように利用者ごとに学習した機械学習モデル、利用者の属性ごとに学習した機械学習モデル、利用者の状況(シチュエーション)ごとに学習した機械学習モデルを用いて、取引対象(被服等)の組み合わせの相性の度合いを示す相性度を算出し、相性度が所定の閾値以上である組み合わせを特定してもよい。
【0082】
具体的な例を挙げると、特定部42は、利用者ごとに学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出してもよい。このような場合、情報処理装置10は、利用者が、コーディネートサービスにおいて提供されるコンテンツや、SNS(Social Networking Service)の画像を閲覧し、「いいね」等の高評価を行った画像の被服のマッチングを機械学習モデルに学習させる。このような構成を有することにより、情報処理装置10は、利用者の嗜好にマッチするコーディネートに関する情報を提供することができるため、利用者に対して、より具体的かつ有益な情報を提供可能にする。
【0083】
また、特定部42は、利用者Uの趣味趣向等を含む属性ごとに学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出してもよい。このような場合、情報処理装置10は、「XX(例えば、芸能人や、年代、ドラマの種別(アクション等))」が好きな利用者用の機械学習モデルを複数生成し、それぞれの機械学習モデルについて正解データを生成する。このような場合、情報処理装置10は、「XX」が好きな利用者が「いいね」をしている画像や、「XX」と合致する画像を正解データとして機械学習モデルを学習させる。このような構成を有することにより、情報処理装置10は、SNS等で評価が高いコーディネートや、芸能人等の有名人が着用しているコーディネートに関する情報を提供することができるため、利用者に対して、より具体的かつ有益な情報を提供可能にする。
【0084】
また、特定部42は、利用者のシチュエーションごとに学習した機械学習モデルを用いて、相性度を算出してもよい。このような場合、情報処理装置10は、新卒、転職、中途採用等の企業採用のシチュエーションごとに、書類選考に通った利用者の就職活動時の画像を正解データとして、新卒、転職、中途採用のそれぞれについて生成された機械学習モデルを生成する。このような構成を有することにより、情報処理装置10は、利用者の状況に適したコーディネートに関する情報を提供することができるため、利用者に対して、より具体的かつ有益な情報を提供可能にする。
【0085】
〔5-3.エリアの特徴を学習したモデルを用いた取引対象の特定について〕
さらに、上述の実施形態において、特定部42は、エリアを示す情報や、利用者に関する情報(例えば、電子商取引サービスにおける購入履歴や、コーディネートサービスにおける閲覧履歴)を入力した場合に、当該エリアにおける利用者の購買行動の傾向を出力するように学習が行われた機械学習モデルを用いて、取引対象や取引対象の組み合わせの特定処理を行ってもよい。
【0086】
〔5-4.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0087】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0088】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0089】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置10は、受付部41と、特定部42と、提供部43とを有する。受付部41は、客観的評価に応じた取引対象を特定するか否かの選択を利用者から受け付ける。特定部42は、利用者の位置情報が示すエリアにおける当該利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。また、特定部42は、利用者が位置する現在のエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。また、特定部42は、利用者の目的地であるエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。また、特定部42は、客観的評価に応じた取引対象を特定することが選択された場合は、主観的評価及び客観的評価に応じた取引対象を特定し、客観的評価に応じた取引対象を特定しないことが選択された場合は、主観的評価に応じた取引対象を特定する。提供部43は、特定部42により特定された取引対象に関する取引対象情報であって、当該取引対象を取り扱う店舗を示す取引対象情報を利用者に提供する。提供部43は、特定部42により特定された取引対象に関する取引対象情報であって、当該取引対象を取り扱う店舗を示す取引対象情報を利用者に提供する。
【0090】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者が持つ被服に対する潜在的な購入の意思や、漠然とした購入対象の被服のイメージなどを持っていずれかのエリアに訪問した際、訪問したエリアにおける店舗の情報を持っていない場合に、利用者の嗜好に適した店舗を探すために多数の店舗を巡るといった労力を消費する事態や、利用者の嗜好に適した被服に巡り合うことができないといった事態を防ぐことができるため、利用者の利便性を向上させることができる。
【0091】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、さらに、利用者に関する情報に基づいて推定される利用者の取引対象の主観的評価と、所定の情報に基づいて推定される第三者による取引対象の客観的評価とに応じた取引対象を特定する。そして、また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象の主観的評価及び客観的評価を示す取引対象情報を提供する。また、特定部42は、主観的評価に基づくスコアが所定の閾値以上であって、且つ、当該スコアと、客観的評価に基づくスコアとの合計値が所定の閾値以上である取引対象を特定する。また、特定部42は、利用者に同行する同行者の嗜好に基づく客観的評価に応じた取引対象を特定する。また、特定部42は、客観的評価に応じた取引対象を特定することが選択された場合は、主観的評価及び客観的評価に応じた取引対象を特定し、客観的評価に応じた取引対象を特定しないことが選択された場合は、主観的評価に応じた取引対象を特定してもよい。また、特定部42は、さらに、利用者が購入した取引対象の主観的評価及び客観的評価に応じた取引対象を特定する。
【0092】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、主観的評価及び客観的評価に基づき取引対象を特定し、各評価を示す情報を提供することができるため、利用者が購入する取引対象を決定する際の判断基準を与えることができる。
【0093】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、利用者が購入した取引対象の価格帯と、エリアに所在する店舗が取り扱う取引対象の価格帯との差額に応じた取引対象を特定する。また、特定部42は、さらに、利用者が閲覧したコンテンツに応じた取引対象を特定する。また、特定部42は、さらに、利用者が現在使用する物品に応じた取引対象を特定する。
【0094】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者の取引対象の購買の傾向に応じた取引対象を特定し、情報を提供することができるため、提供する情報の精度を向上させることができる。
【0095】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、取引対象の組み合わせを示すコンテンツに応じて、所定の取引対象の組み合わせを特定する。そして、提供部43は、特定部42により特定された組み合わせが示す取引対象を取り扱う各店舗を示す取引対象情報を提供する。また、特定部42は、さらに、取引対象の組み合わせが所定の条件を満たす組み合わせであるか否かを学習させたモデルを用いて、所定の取引対象の組み合わせを特定する。そして、提供部43は、特定部42により特定された組み合わせが示す取引対象を取り扱う各店舗を示す取引対象情報を提供する。
【0096】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、被服等である取引対象のコーディネートを特定し、利用者情報を提供することができるため、どのような組み合わせで被服を購入するかを考えるといった利用者の量力を軽減し、利用者の購買行動を支援することができる。
【0097】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、さらに、利用者に同行する同行者のエリアにおける購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。そして、提供部43は、利用者に関して特定された取引対象と、同行者に関して特定された取引対象とを取り扱う店舗を示す取引対象情報を優先的に提供する。また、提供部43は、利用者に同行する同行者の属性に対応する店舗を示す取引対象情報を優先的に提供する。
【0098】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者の同行者にも配慮した情報を提供することができるため、利用者の同行者との購買行動を支援することができる。
【0099】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、所定の電子商取引サービスにおいて提供される取引対象を特定する。
【0100】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、店舗では被服の試着だけを行い、購入は電子商取引サービスにおいて行いたいといった要望に応えることができるため、利便性を向上させることができる。
【0101】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、所定の電子商取引サービスにおいて利用者から取引対象の取り置きの指示が店舗に対して行われた場合は、当該店舗が所在するエリアの店舗において取り扱われる取引対象であって、取り置きがされている取引対象との組み合わせが所定の条件を満たす取引対象を特定する。
【0102】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、実店舗に利用者が来店する際に、取り置きの指示が行われた被服と組み合わせが可能な被服であって、実店舗が所在するエリア内で取り扱われる被服に関する情報を提供することができるため、販売機会を創出することができる。
【0103】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、特定部42は、利用者に指定された位置情報が示すエリアにおける利用者の購買行動の傾向に応じた取引対象を特定する。
【0104】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者が訪問予定のエリアに所在する店舗において取り扱われる取引対象のうち、自身の購買傾向に応じた取引対象がどのようなものであるか事前に把握することができるため、利便性を向上させることができる。
【0105】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、提供部43は、特定部42により特定された取引対象を取り扱う店舗を示す地図情報を含む取引対象情報を提供する。また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象の各々を取り扱う各店舗間の経路を示す地図情報を含む取引対象情報を提供する。また、提供部43は、取引対象情報が示す取引対象を利用者が購入した場合は、当該取引対象との組み合わせが所定の条件を満たす取引対象に関する情報をさらに提供する。また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象の各店舗における在庫数、各店舗の営業時間、各店舗における当該取引対象の代替品の有無の少なくともいずれかに応じた経路を示す地図情報を含む取引対象情報を提供する。また、提供部43は、特定部42により特定された取引対象を取り扱う店舗のうち、利用者がエリアにおいて行動可能な時間内に訪問可能な店舗と、当該店舗が取り扱う取引対象とを示す取引対象情報を提供する。
【0106】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者について特定した取引対象の購買のために最適な経路に関する情報を提供することができるため、利用者の購買行動を支援することができる。
【0107】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、提供部43は、利用者が利用する端末装置にインストールされたアプリケーションが起動された場合に、当該アプリケーションを介して取引対象情報を提供する。また、提供部43は、エリアが利用者の拠点が所在するエリアとは異なるエリアである場合に、取引対象情報を提供する。
【0108】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、取引対象情報を利用者が必要と推定されるタイミングで提供することができるため、取引対象情報の訴求効果を高めることができる。
【0109】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置10を例に挙げて説明する。図7は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0110】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0111】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0112】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0113】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0114】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報処理装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0115】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0116】
また、上述した情報処理装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0117】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0118】
10 情報処理装置
20 通信部
30 記憶部
31 エリア情報データベース
32 利用者情報データベース
40 制御部
41 受付部
42 特定部
43 提供部
100 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7