(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】情報報告、指示方法、端末機器及びネットワーク機器
(51)【国際特許分類】
H04B 7/0417 20170101AFI20231127BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20231127BHJP
【FI】
H04B7/0417
H04W24/10
(21)【出願番号】P 2022527231
(86)(22)【出願日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2020139111
(87)【国際公開番号】W WO2021136071
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-05-11
(31)【優先権主張番号】201911411013.7
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】郤 偉
【審査官】大野 友輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/215052(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0201912(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0417
H04W 24/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末機器に応用される情報報告方法であって、
ネットワーク機器からの指示情報を受信するステップであって、前記指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように前記端末機器を指示するためのものであるステップと、
前記指示情報に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を前記ネットワーク機器に報告するステップと、
を含
み、
前記指示情報に、前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延が含まれ、
前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延は、前記端末機器が、ダウンリンクチャネルのインパルス応答における前記少なくとも1本の目標パスの位置を特定することに用いられる、情報報告方法。
【請求項2】
前記少なくとも1本の目標パスは、
前記少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
前記少なくとも1本の目標パスは、前記ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が
上位N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
前記少なくとも1本の目標パスは、前記ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記Nは、プロトコル値であり、又は前記ネットワーク機器により予め配置されたものであり、
前記既定の閾値は、プロトコル値であり、又は前記ネットワーク機器により予め配置されたものである
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を前記ネットワーク機器に報告するステップの前に、
前記ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び前記少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップであって、前記ダウンリンクチャネルのインパルス応答は、前記ネットワーク機器により発行されたチャネル状態情報参照信号CSI-RSに基づいて確定されたものであるステップ、
をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び前記少なくとも1本の目標パスの
、参照パスに対する相対的な遅延に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップは、
前記ダウンリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び前記少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの遅延を確定するステップであって、前記ダウンリンクチャネルに対応する参照パスはアップリンクチャネルに対応する参照パスと同じであるステップと、
前記少なくとも1本の目標パスの遅延及び前記ダウンリンクチャネルのインパルス応答に応じて、対応する目標パスのインパルス応答成分を確定するステップと、
前記インパルス応答成分に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップと、
を含み、
前記位相情報は、位相及び位相差の少なくとも1つを含み、
前記インパルス応答成分に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップは、
前記インパルス応答成分に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相を確定するステップと、
前記参照パスのインパルス応答成分に応じて、前記参照パスの位相を確定するステップと、
前記少なくとも1本の目標パスの位相及び前記参照パスの位相に応じて、前記少なくとも1本の目標パスと前記参照パスの位相差を確定するステップと、
を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ネットワーク機器に応用される情報指示方法であって、
端末機器に指示情報を送信するステップであって、前記指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように前記端末機器を指示するためのものであるステップ
を含
み、
前記指示情報に、前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延が含まれ、
前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延は、前記端末機器が、ダウンリンクチャネルのインパルス応答における前記少なくとも1本の目標パスの位置を特定することに用いられる、情報指示方法。
【請求項7】
前記少なくとも1本の目標パスは、
前記少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
前記少なくとも1本の目標パスは、前記ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が
上位N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
前記少なくとも1本の目標パスは、前記ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記Nは、プロトコル値であり、又は前記ネットワーク機器により予め配置されたものであり、
前記既定の閾値は、プロトコル値であり、又は前記ネットワーク機器により予め配置されたものである
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記端末機器に指示情報を送信するステップの前に、
前記端末機器により送信されたサウンディング参照信号SRSに応じて、アップリンクチャネルのインパルス応答を確定するステップと、
前記アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定するステップと、
をさらに含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
端末機器であって、
ネットワーク機器からの指示情報を受信する受信モジュールであって、前記指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように前記端末機器を指示するためのものである受信モジュールと、
前記指示情報に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を前記ネットワーク機器に報告する報告モジュールと、
を備え
、
前記指示情報に、前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延が含まれ、
前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延は、前記端末機器が、ダウンリンクチャネルのインパルス応答における前記少なくとも1本の目標パスの位置を特定することに用いられる、端末機器。
【請求項11】
前記少なくとも1本の目標パスは、
前記少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
前記少なくとも1本の目標パスは、前記ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が
上位N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
前記少なくとも1本の目標パスは、前記ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす請求項10に記載の端末機器。
【請求項12】
前記Nは、プロトコル値であり、又は前記ネットワーク機器により予め配置されたものであり、
前記既定の閾値は、プロトコル値であり、又は前記ネットワーク機器により予め配置されたものである
請求項11に記載の端末機器。
【請求項13】
前記報告モジュールは、
前記ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び前記少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定することであって、前記ダウンリンクチャネルのインパルス応答は、前記ネットワーク機器により発行されたチャネル状態情報参照信号CSI-RSに基づいて確定されたものであること
にさらに用いられる請求項10に記載の端末機器。
【請求項14】
端末機器に指示情報を送信する送信モジュールであって、前記指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように前記端末機器を指示するためのものである送信モジュール
を備え
、
前記指示情報に、前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延が含まれ、
前記少なくとも1本の目標パスの、参照パスに対する相対的な遅延は、前記端末機器が、ダウンリンクチャネルのインパルス応答における前記少なくとも1本の目標パスの位置を特定することに用いられる、ネットワーク機器。
【請求項15】
前記送信モジュールは、
前記端末機器により送信されたサウンディング参照信号SRSに応じて、アップリンクチャネルのインパルス応答を確定することと、
前記アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、前記少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定することと、
にさらに用いられる請求項14に記載のネットワーク機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月31日に中国で出願した特許出願番号201911411013.7号の優先権を主張し、その全ての内容は引用によってここに取り込まれる。
本発明は、通信の分野に関し、特に情報報告、指示方法、端末機器及びネットワーク機器に関する。
【背景技術】
【0002】
端末機器は、ネットワーク機器と通信する時に、ネットワーク機器にダウンリンクチャネルのチャネル状態情報(CSI,Channel State Information)をフィードバックすることができ、ネットワーク機器は、端末機器によりフィードバックされたCSIに基づいて、ダウンリンク伝送のためのプリコーディングマトリックスを確定し、当該プリコーディングマトリックスに基づいて端末機器にデータを送信することで、良好なリンク性能を得ることができる。
【0003】
多入力多出力技術(MIMO,Multi-Input Multi-Output)の発展に伴い、端末機器及びネットワーク機器は、多入力多出力技術により通信することが多くなってきている。多入力多出力技術により通信する場合にも、端末機器は、ネットワーク機器にCSIをフィードバックする必要がある。MIMO下で端末機器がネットワーク機器にCSIをフィードバックする時のリソースオーバーヘッドを削減するために、端末機器は、一般的に、暗黙的フィードバックによってネットワーク機器にCSIをフィードバックする。例えば、端末機器は、ネットワーク機器にサウンディング参照信号(SRS,Sounding Reference Signal)を送信でき、ネットワーク機器は、SRSに基づいてアップリンクチャネル情報を確定し、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの相反性によりダウンリンクチャネル情報を確定し、さらに、ダウンリンク伝送のためのプリコーディングマトリックスを確定することができる。
【0004】
チャネル相反性は、時分割複信(TDD,Time Division Duplex)システムと周波数分割複信(FDD,Frequency Division Duplex)システムに存在する。TDDシステムでは、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルのインパルス応答(impulse response)は、完全に同じであるので、このような相反性(reciprocity)は、完全相反性と呼ばれてもよい。しかしながら、FDDシステムにおいて、このような相反性は、部分的なチャネル相反性(partial reciprocity)のみになり、即ち、角度領域では、ダウンリンクチャネルの離脱角(AoD,Angle of Departure)がアップリンクチャネルの到来角(AoA,Angle of Arrival)と等しく、遅延領域では、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルは、同じマルチパス遅延及びマルチパスパワーを有する。但し、FDDシステムにおいて、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルは異なるキャリア周波数にあるため、アップリンク・ダウンリンク無線伝送に対応する波長は異なる。このように、FDDシステムにおいて、ネットワーク機器は、チャネル相反性に基づいてダウンリンク伝送のためのプリコーディングマトリックスを効果的に確定できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、FDDシステムでネットワーク機器はチャネル相反性に基づいてダウンリンク伝送のためのプリコーディングマトリックスを効果的に確定できないという課題を解決するために、情報報告、指示方法、端末機器及びネットワーク機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
技術課題を解決するために、本発明は、以下のように実現される。
第1局面において、端末機器に応用される情報報告方法であって、
ネットワーク機器からの指示情報を受信するステップであって、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものであるステップと、
指示情報に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告するステップと、
を含む情報報告方法を提供する。
【0007】
第2局面において、ネットワーク機器に応用される情報指示方法であって、
端末機器に指示情報を送信するステップであって、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものであるステップ
を含む情報指示方法を提供する。
【0008】
第3局面において、
ネットワーク機器からの指示情報を受信する受信モジュールであって、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものである受信モジュールと、
指示情報に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する報告モジュールと、
を備える端末機器を提供する。
【0009】
第4局面において、
端末機器に指示情報を送信する送信モジュールであって、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものである送信モジュール
を備えるネットワーク機器を提供する。
【0010】
第5局面において、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含む端末機器であって、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると第1局面に記載の方法のステップが実現される端末機器を提供する。
【0011】
第6局面において、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、プロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を含むネットワーク機器であって、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると第2局面に記載の方法のステップが実現されるネットワーク機器を提供する。
【0012】
第7局面において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると第1局面に記載の方法のステップが実現されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0013】
第8局面において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると第2局面に記載の方法のステップが実現されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施例では、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0015】
ここで説明される図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、本発明の一部を構成し、本発明の模式的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明に対する不当な限定を構成しない。図面の説明は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の情報指示方法の実施例のフローチャート模式図である。
【
図2】本発明の情報報告方法の実施例のフローチャート模式図である。
【
図3】本発明のネットワーク機器の実施例の構造模式図である。
【
図4】本発明の端末機器の実施例の構造模式図である。
【
図5】本発明の端末機器の別の実施例の構造模式図である。
【
図6】本発明のネットワーク機器の別の実施例の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
端末機器及びネットワーク機器は、多入力多出力技術に基づいて通信する時に、ネットワーク機器がダウンリンク伝送のためのプリコーディングマトリックスを確定するように、端末機器は、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの相反性に基づいてネットワーク機器にCSIをフィードバックすることができる。具体的に、端末機器は、ネットワーク機器にサウンディング参照信号(SRS,Sounding Reference Signal)を送信でき、ネットワーク機器は、SRSに基づいてアップリンクチャネル情報を確定し、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの相反性によりダウンリンクチャネル情報を確定し、さらに、ダウンリンク伝送のためのプリコーディングマトリックスを確定することができる。
【0018】
しかしながら、FDDシステムにおいて、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの相反性は、部分的な相反性に過ぎず、即ち、角度領域では、ダウンリンクチャネルの離脱角がアップリンクチャネルの到来角と等しく、遅延領域では、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルは、同じマルチパス遅延及びマルチパスパワーを有するが、FDDシステムにおいて、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルは異なるキャリア周波数にあるため、アップリンク・ダウンリンク無線伝送に対応する波長は異なる。このように、端末機器は、チャネル相反性に基づいてネットワーク機器にCSIを効果的にフィードバックすることができない。
【0019】
実際のFDDシステムにおいて、検討したところ、遅延領域で、パスのいずれかについても、アップリンク・ダウンリンク伝送の距離が同じであるが、波長が異なるため、アップリンク・ダウンリンチャネルのインパルス応答において当該パスの位相が異なることを見出した。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応するパスの位相情報を把握できれば、ネットワーク機器は、当該位相情報及びアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの部分的な相反性に基づいて、ダウンリンク伝送のプリコーディングマトリックスを確定して取得することができる。
【0020】
これに鑑みると、本発明の実施例は、情報報告、指示方法、端末機器及びネットワーク機器を提供し、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0021】
以下、本発明の実施例における図面によって、本発明の実施例における技術方案を明確で完全に説明し、説明される実施例は、本発明の実施例の全てではなく、一部であることが明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者は、進歩性のある労働を費やすことなく得られる他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれる。
【0022】
本発明の技術方案は、種々の通信システム、例えば、ロングタームエボリューション(LTE,Long Term Evolution)/ロングタームエボリューション アドヴァンスド(LTE-A,Long Term Evolution advanced)システム、LTE周波数分割複信(FDD,Frequency Division Duplex)システム、LTE時分割複信(TDD,Time Division Duplex)システム、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS,Universal Mobile Telecommunications System)又はワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX,Worldwide Interoperability for Microwave Acess)通信システム、5Gシステム、又は新しい無線(NR,New Radio)システム等に応用されてもよい。
【0023】
端末機器は、ユーザ機器(UE,User Equipment)と理解してもよく、モバイル端末(Mobile Terminal)、モバイルユーザ機器等と呼ばれてもよく、無線アクセスネットワーク(例えば、RAN,Radio Access Network)を介して1つ又は複数のコアネットワークと通信してもよい。端末機器は、携帯電話(又は、「セルラー」電話と呼ばれる)のようなモバイル端末、及びモバイル端末を有するコンピュータであってもよく、例えば、無線アクセスネットワークと音声及び/又はデータのやり取りを行う、携帯型、ポケット型、ハンドヘルド型、コンピュータ内蔵又は車載の移動装置であってもよく、ドローン、飛行体等の飛行機器であってもよい。
【0024】
ネットワーク機器は、コアネットワークと理解してもよいし、基地局と理解してもよい。基地局は、GSM又はCDMAにおける基地局(BTS,Base Transceiver Station)であってもよいし、WCDMA(登録商標)における基地局(NodeB)であってもよいし、LTEにおける進化型基地局(eNB又はe-NodeB,evolutional Node B)及び5G基地局(gNB)、並びに後続の進化型通信システムにおけるネットワーク側機器であってもよく、本発明は、これを限定せず、説明の便宜上、下記実施例では、gNBを例として説明する。
【0025】
以下、図面によって、周波数分割複信(FDD,Frequency Division Duplex)システムを応用場面とすることを例として、本発明における各実施例により提供される技術方案を説明し、ちなみに、本発明の実施例により提供される方法は、チャネルの部分的な相反性を有する他のシステムにも適用される。
【0026】
図1は、本発明の情報指示方法の実施例のフローチャート模式図であり、当該方法は、電子機器、例えばネットワーク機器によって実行されてもよい。言い換えると、情報指示方法は、ネットワーク機器にインストールされたソフトウェア又はハードウェアによって実行されてもよい。
図1に示すように、当該情報指示方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0027】
S102:端末機器に指示情報を送信し、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものである。
【0028】
FDDシステムにおいて、端末機器及びネットワーク機器は多入力多出力技術(MIMO,Multi-Input Multi-Output)に基づいて通信する場面において、ネットワーク機器は、端末機器にダウンリンクデータを送信する前に、端末機器に指示情報を送信してもよく、当該指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものである。
【0029】
本実施例において、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスは、以下の条件のうちの少なくとも1つを満たしてもよい。
【0030】
条件1:少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まない。
【0031】
当該参照パスは、アップリンクチャネル又はダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうちの1本のパスであってもよく、任意に、当該参照パスは、アップリンクチャネル又はダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も高いパスであってもよい。本実施例において、当該参照パスは、ネットワーク機器が少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定するために用いられてもよい。
【0032】
条件2:少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N本のパスを含む。
【0033】
Nは、0よりも大きい整数であり、具体的に、プロトコル値であってもよいし、ネットワーク機器により予め配置されたものであってもよく、当該前N本のパスの強度は、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち他のパスの強度よりも大きい。
【0034】
少なくとも1本の目標パスは条件1と2を満たすとは、少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち参照パス以外の強度が最も大きい前N本のパスを含むことを指す。
【0035】
条件3:少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上のパスを含む。
【0036】
既定の閾値は、プロトコル値であってもよいし、ネットワーク機器により予め配置されたものであってもよい。
【0037】
少なくとも1本の目標パスは条件1と3を満たすとは、少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち参照パス以外の強度が既定の閾値以上のパスを含むことを指す。
【0038】
少なくとも1本の目標パスは条件2と3を満たすとは、少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N本のパスと、強度が既定の閾値以上のパスとの共通集合又は和集合を含むことを指す。
【0039】
少なくとも1本の目標パスは条件1、2および3を満たすとは、少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち参照パス以外の強度が最も大きい前N本のパスと、強度が既定の閾値以上のパスとの共通集合又は和集合を含むことを指す。
【0040】
本実施例において、端末機器が少なくとも1本の目標パスを位置決めし、さらに、少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告しやすいように、ネットワーク機器により発行された前記指示情報は、当該少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を含んでもよく、当該少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、ネットワーク機器によって端末機器に前記指示情報を送信する前に確定されてもよい。具体的に、
ネットワーク機器は、端末機器に前記指示情報を送信する前に、無線リソース制御(RRC,Radio Resource Control)シグナリング、媒体アクセス制御(MAC,Media Access Control)-制御要素(CE,Control Element)シグナリング及びダウンリンク制御情報(DCI,Downlink Control Information)のうちの少なくとも1つにより、端末機器がネットワーク機器にサウンディング参照信号(SRS,Sounding Reference Signal)を送信するようにトリガーしてもよい。端末機器は、ネットワーク機器からのシグナリングを受信すると、ネットワーク機器にSRSを送信でき、端末機器により送信されたSRSは、端末機器によりプリコーディングされた後に送信されるものであってもよいし、端末機器によりプリコーディングされていないものであってもよい。
【0041】
ネットワーク機器は、端末機器により送信されたSRSを受信すると、当該SRSに応じてアップリンクチャネルのインパルス応答を推定することができる。アップリンクチャネルのインパルス応答は、1本又は複数本のパスを含んでもよく、即ち、アップリンクチャネルは、1本又は複数本のパスに対応してもよく、本実施例において、アップリンクチャネルのインパルス応答が複数本のパスを含むことを例として説明してもよい。
【0042】
ネットワーク機器は、アップリンクチャネルのインパルス応答を取得すると、アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定してもよい。FDDシステムにおいて、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとは同じマルチパス遅延及びマルチパスパワーを有するため、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、アップリンクチャネルに対応する当該少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に相当する。このように、ネットワーク機器は、アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定することは、以下のステップを含んでもよい。
【0043】
まず、アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分を確定する。
【0044】
具体的に、ネットワーク機器は、アップリンクチャネルのチャネルインパルス応答に応じて、アップリンクチャネルに対応する当該少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分を確定してもよい。1本のパスのインパルス応答成分は、1つの複数として表されてもよく、1本のパスのインパルス応答成分に基づき、当該パスの遅延(ネットワーク機器のタイミング標準を基準として得られる遅延であり、即ち、当該遅延は当該タイミング標準に対する遅延である)と強度を確定して取得することができる。
【0045】
次に、少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定する。
【0046】
本ステップで確定された少なくとも1本の目標パスの遅延は、アップリンクチャネルに対応する当該少なくとも1本の目標パスの遅延と理解してもよく、当該遅延は、ネットワーク機器のタイミング標準に対する遅延と理解してもよく、1本の目標パスのインパルス応答成分に基づき、当該1本の目標パスの遅延を確定して取得することができる。
【0047】
最後に、アップリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定する。
【0048】
アップリンクチャネルに対応する参照パスは、ネットワーク機器により配置されたものであってもよく、具体的には、ダウンリンクチャネルに対応する参照パスと同じであってもよい。このように、端末機器とネットワーク機器は、一致した遅延標準を有することができる。好ましくは、アップリンクチャネルに対応する参照パスは、アップリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も高いパスであってもよい。本実施例において、アップリンクチャネルに対応する参照パスの遅延は0とみなしてもよく、位相も0とみなしてもよい。
【0049】
本実施例において、ネットワーク機器が参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの遅延に応じて確定した少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、以下の少なくとも1つを含んでもよい。
【0050】
1つ目は、1つのビットマップ及びビットマップにおける参照パスの位置に応じて確定された相対的な遅延である。
【0051】
具体的に、ネットワーク機器は、予定の長さのビットマップを利用して少なくとも1本の目標パス及び参照パスを示し、ビットマップにおける参照パスの位置を指示してもよい。このように、ビットマップ及びビットマップにおける参照パスの位置に基づき、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定することができる。
【0052】
例えば、仮に、ビットマップの長さが32であり、目標パスと参照パスの合計本数が4であり、かつ、ビットマップにおいて目標パスと参照パスに対応するビットが1であり、他のビットが0であり、ネットワーク機器は、ビットマップにおける参照パスの位置が01である、即ち、参照パスがビットマップの4つの1における2つ目のビットに対応するパスであることを指示するとすれば、
参照パスに対する1本目の目標パス(ビットマップにおける1つ目の1に対応)の相対的な遅延は、-N0-1として表されてもよく、N0は、1本目の目標パスに対応するビット(値が1である)と参照パスに対応するビット(値が1である)の間のビットの数であり、
参照パスに対する2本目の目標パス(ビットマップにおける3つ目の1に対応)の相対的な遅延は、N1+1として表されてもよく、N1は、2本目の目標パスに対応するビット(値が1である)と参照パスに対応するビット(値が1である)の間のビットの数であり、
参照パスに対する3本目の目標パス(ビットマップにおける4つ目の1に対応)の相対的な遅延は、N3+1として表されてもよく、N3は、3本目の目標パスに対応するビット(値が1である)と参照パスに対応するビット(値が1である)の間のビットの数である。
【0053】
2つ目は、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの最初パスと最後パスの相対的な遅延である。
【0054】
最初パスは、少なくとも1本の目標パスのうち時間領域において第1位にある目標パスと理解してもよく、最後パスは、少なくとも1本の目標パスのうち時間領域において最後の1位にある目標パスと理解してもよく、少なくとも1本の目標パスの本数は2以上である。
【0055】
最初パスの遅延と最後パスの遅延が知られている場合に、範囲内のパスの遅延(つまり、他の目標パスの遅延)を取得することができるため、ここで少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定する時に、参照パスに対する最初パスの相対的な遅延と参照パスに対する最後パスの相対的な遅延のみを確定してもよい。
【0056】
3つ目は、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延である。
【0057】
具体的に、少なくとも1本の目標パスの遅延及び参照パスの遅延に応じて、参照パスに対する各目標パスの相対的な遅延をそれぞれ計算してもよい。
【0058】
本実施例において、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、[n1、n2、…、nN]として表されてもよく、但し、Nは目標パスの合計本数であり、nk>0(k=1、2、…、N)の場合、k本目の目標パスの遅延が参照パスよりも大きいことを示し、nk<0の場合、k本目の目標パスの遅延が参照パスよりも小さいことを示す。
【0059】
4つ目は、少なくとも1本の目標パスのうちの第1パスに対する第2パスの相対的な遅延である。
【0060】
具体的に、ネットワーク機器は、少なくとも1本の目標パスのうち第1位に位置する目標パスの遅延及び参照パスの遅延に応じて、参照パスに対する当該目標パスの相対的な遅延を確定でき、第2位に位置する目標パスについて、第1位に位置する目標パスに対する当該目標パスの相対的な遅延を確定でき、第3位に位置する目標パスについて、第2位に位置する目標パスに対する当該目標パスの相対的な遅延を確定でき、…このまま、その前の1位に位置する目標パスに対する最後の1位に位置する目標パスの相対的な遅延を確定し、さらに、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を取得する。
【0061】
即ち、ネットワーク機器は、少なくとも1本の目標パスのうちの第1パスに対する第2パスの相対的な遅延を確定でき、第1パスと第2パスは、少なくとも1本の目標パスのうち位置が隣り合う2本のパスであり、また、第1パスが第1位に位置する1本目の目標パスである場合に、第1パスの相対的な遅延は参照パスに対する遅延である。少なくとも1本の目標パスの位置は、時間領域における当該少なくとも1本の目標パスの位置であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0062】
本実施例において、前の1本の目標パスに対する各目標パスの相対的な遅延は、[m1、m2、…、mN]として表されてもよく、但し、Nは目標パスの合計本数であり、m1は、参照パスに対する第1位に位置する1本目の目標パスの相対的な遅延であり、m1は前記n1と等しく、mk(k=2、…、N)は、第k-1位に位置するk-1本目の目標パスに対する第k位に位置するk本目の目標パスの相対的な遅延であり、mkは前記nk-nk-1と等しい。
【0063】
ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定して取得した後、端末機器に指示情報を送信してもよく、当該指示情報に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が含まれてもよい。
【0064】
ネットワーク機器は、端末機器に、指示情報を含むRRCシグナリングを送信することと、端末機器に、指示情報を含むMAC-CEシグナリングを送信することと、端末機器に、指示情報を含むDCIを送信することと、のうちの少なくとも1つによって端末機器に指示情報を送信してもよい。
【0065】
例えば、ネットワーク機器は、前記RRCシグナリング及びDCIによって端末機器に指示情報を送信する場合、仮に、指示情報に、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスのうちの最初パスの相対的な遅延及び参照パスに対する最後パスの相対的な遅延が含まれるとすれば、ネットワーク機器は、RRCシグナリングに最初パスの複数の相対的な遅延及び最後パスの複数の相対的な遅延を運ばせ、DCIにおいて、RRCシグナリングによって運ばれる最初パスの複数の相対的な遅延のうちの有効なもの、及び最後パスの複数の相対的な遅延のうちの有効なものを指示することができる。
【0066】
ネットワーク機器が端末機器に指示情報を送信すると、端末機器は、当該指示情報に基づいて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告することができる。具体的な実現方式は、
図2に示す実施例に記載された内容を参照してもよく、ここでは詳細に説明しない。
【0067】
ネットワーク機器は、端末機器により報告されたダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を受信すると、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの部分的な相反性に基づいて、当該位相情報及びアップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができる。
【0068】
本発明の実施例では、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0069】
図2は、本発明の情報報告方法の実施例のフローチャート模式図であり、当該方法は、電子機器、例えば端末機器によって実行されてもよい。言い換えると、情報報告方法は、端末機器にインストールされたソフトウェア又はハードウェアによって実行されてもよい。
図2に示すように、当該情報報告方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0070】
S202:ネットワーク機器からの指示情報を受信し、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものである。
【0071】
FDDシステムにおいて、端末機器及びネットワーク機器は多入力多出力技術に基づいて通信する場面において、ネットワーク機器は、端末機器にダウンリンクデータを送信する前に、
図1に示す実施例に記載された方法により端末機器に指示情報を送信してもよく、当該指示情報は、端末機器に当該少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように指示するためのものである。
【0072】
本実施例において、少なくとも1本の目標パスは、少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N(Nは正整数であり、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものである)本のパスを含むこと、少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値(既定の閾値はプロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものである)以上のパスを含むこと、のうちの少なくとも1つの条件を満たしてもよい。具体的には、
図1に示す実施例に記載された少なくとも1本の目標パスを参照でき、ここでは繰り返して説明しない。
【0073】
ネットワーク機器が端末機器に前記指示情報を送信すると、端末機器は当該指示情報を受信することができる。その後、端末機器はS204を実行してもよい。
【0074】
S204:指示情報に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する。
【0075】
本実施例において、端末により発行された指示情報に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が含まれてもよく、当該少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、ネットワーク機器が
図1に示す実施例に記載された方法により確定することができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0076】
端末機器は、指示情報を受信すると、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する前に、ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定し、少なくとも1本の目標パスの位相情報を取得した後、取得された位相情報をネットワーク機器に報告してもよい。
【0077】
ダウンリンクチャネルのインパルス応答は、端末機器がネットワーク機器により発行されたチャネル状態情報参照信号(CSI-RS,Channel State Information-Reference Signals)に基づいて確定したものであってもよく、ネットワーク機器によりCSI-RSを発行する時点は、ネットワーク機器が端末機器に前記指示情報を送信する前であってもよいし、ネットワーク機器が端末機器に前記指示情報を送信した後であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0078】
端末機器は、ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定する時に、以下のステップを含んでもよい。
【0079】
まず、ダウンリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定する。
【0080】
ここでの少なくとも1本の目標パスの遅延は、端末機器のタイミング標準に対する当該少なくとも1本の目標パスの遅延、即ち、端末機器のタイミング標準を基準として得られる遅延と理解してもよく、ダウンリンクチャネルに対応する参照パスは、
図1に示す実施例に記載された参照パスであってもよく、当該参照パスはアップリンクチャネルに対応する参照パスと同じである。好ましくは、当該参照パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も高いパスであってもよい。
【0081】
本実施例において、端末機器は、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定する時に、
図1に示す実施例に記載された少なくとも1本の目標パスの遅延に4つの場合のうちの少なくとも1つが含まれることを考えて、以下、異なる場合について、端末機器が如何にして少なくとも1本の目標パスの遅延を確定して取得するかをそれぞれに説明する。具体的には、
図1に示す実施例における1つ目の場合、即ち、1つのビットマップ及びビットマップにおける参照パスの位置に応じて確定された相対的な遅延について、
具体的に、ネットワーク機器は、ビットマップを利用して参照パス及び目標パスを示し、ビットマップにおける参照パスの位置を指示したため、端末機器は、ビットマップ及びビットマップにおける参照パスの位置に基づいて、少なくとも1本の目標パスの遅延を取得することができる。
図1に示す実施例に記載された3本の目標パス及び1本の参照パスと、ビットマップにおける参照パスの位置が01であることとを例として、仮に、参照パスの遅延がx(好ましくは0である)であるとすれば、
1本目の目標パス(ビットマップにおける1つ目の1に対応)の遅延は、x-N
0-1として表されてもよく、N
0は、1本目の目標パスに対応するビット(値が1である)と参照パスに対応するビット(値が1である)の間のビットの数であり、
2本目の目標パス(ビットマップにおける3つ目の1に対応)の遅延は、x+N
1+1として表されてもよく、N
1は、2本目の目標パスに対応するビット(値が1である)と参照パスに対応するビット(値が1である)の間のビットの数であり、
3本目の目標パス(ビットマップにおける4つ目の1に対応)の遅延は、x+N
3+1として表されてもよく、N
3は、3本目の目標パスに対応するビット(値が1である)と参照パスに対応するビット(値が1である)の間のビットの数である。
【0082】
図1に示す実施例における2つ目の場合、即ち、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスのうちの最初パスと最後パスの相対的な遅延について、
具体的に、参照パスの遅延及び参照パスに対する最初パスの相対的な遅延に応じて、最初パスの遅延を取得し、参照パスの遅延及び参照パスに対する最後パスの相対的な遅延に応じて、最後パスの遅延を取得することができる。最初位置の遅延と最後位置の遅延を取得した後、さらに他の目標パスの遅延を取得できる。
【0083】
図1に示す実施例における3つ目の場合、即ち、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延について、
具体的に、仮に、参照パスの遅延がx(好ましくは0である)、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が[n
1、n
2、…、n
N]であるとすれば、少なくとも1本の目標パスの遅延は、[x+n
1、x+n
2、…、x+n
N]として表されてもよい。
【0084】
図1に示す実施例における4つ目の場合、即ち、少なくとも1本の目標パスのうちの第1パスに対する第2パスの相対的な遅延について、
具体的に、参照パスの遅延及び参照パスに対する第1位に位置する1本目の目標パスの相対的な遅延に応じて、1本目の目標パスの遅延を確定でき、仮に、参照パスの遅延がx(好ましくは0である)であるとすれば、1本目の目標パスの遅延はxと1本目の目標パスの相対的な遅延の和に等しい。
【0085】
1本目の目標パスの遅延を取得した後、2本目の目標パスの遅延を確定でき、2本目の目標パスの遅延は1本目の目標パスの遅延と2本目の目標パスの相対的な遅延の和に等しく、2本目の目標パスの遅延を確定した後、3本目の目標パスの遅延を確定でき、3本目の目標パスの遅延は2本目の目標パスの遅延と3本目の目標パスの相対的な遅延の和であり、…このまま、最後の目標パスの遅延を確定して取得する。このように、最終的に、全ての目標パスの遅延を取得することができる。
【0086】
任意に、前記2つ目~4つ目の場合において、少なくとも1本の目標パスのうちのいずれか1つの目標パスにとって、目標パスの遅延が1よりも小さく、又は離散逆フーリエ変換(IDFT,Inverse Discrete Fourier Transform)点数NIDFT(ダウンリンクチャネルインパルス応答のCSI-RSの数の推定に利用可能)よりも大きい場合、さらに目標パスの遅延を、IDFT点数NIDFTをモジュロ演算した値に変換し、変換された値を目標パスの遅延とする必要がある。例えば、目標パスの遅延がx+niであり、x+niが1よりも小さく、又はNIDFTよりも大きい場合、目標パスの遅延は、x+niをIDFT点数NIDFTでモジュロ演算した値であるべきであり、x+ni|NIDFTと記す。
【0087】
次に、少なくとも1本の目標パスの遅延及びダウンリンクチャネルのインパルス応答に応じて、対応する目標パスのインパルス応答成分を確定する。
【0088】
端末機器は、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定すると、ダウンリンクチャネルのインパルス応答における少なくとも1本の目標パスの位置を取得でき、ダウンリンクチャネルのインパルス応答に応じて、さらに、対応する目標パスのインパルス応答成分を取得できる。
【0089】
最後、確定されたインパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定する。
【0090】
本実施例において、位相情報は、位相及び位相差の少なくとも1つを含んでもよく、当該位相差は、目標パスと前記参照パスの間の位相差であってもよい。
【0091】
端末機器は少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定する時に、位相情報に位相が含まれる場合、端末機器は、直接、少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分に基づいて、少なくとも1本の目標パスの位相を確定して取得することができる。位相情報に位相差が含まれる場合、端末機器は、少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相を確定するとともに、参照パスのインパルス応答成分に応じて、参照パスの位相を確定した後、当該少なくとも1本の目標パスの位相及び参照パスの位相に応じて、参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの位相差を確定して取得することができる。
【0092】
端末機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定して取得した後、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告してもよい。
【0093】
本実施例において、任意に、端末機器は、少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告する前に、少なくとも1本の目標パスの位相情報を数値化し、数値化された位相情報を取得してもよく、1本の目標パスの位相情報を数値化した後、少なくとも1ビットを取得することができる。このように、端末機器は、ネットワーク機器に位相情報を報告する時に、ネットワーク機器に少なくとも1本の目標パスの数値化された位相情報を報告してもよい。
【0094】
任意に、端末機器は少なくとも1本の目標パスの位相情報を数値化する時に、目標パスの本数が1よりも大きい場合、異なる目標パスの位相情報を数値化して得られるビット数が同じであってもよく、即ち、各目標パスの位相情報が一定数のビットに数値化されてもよく、一定数のビットは、プロトコル値であってもよいし、ネットワーク機器により予め配置されたものであってもよい。
【0095】
又は、目標パスの本数が1よりも大きい場合に、異なる目標パスの位相情報を数値化して得られるビット数が異なってもよく、第1目標パスの位相情報を数値化して得られるビット数は、第2目標パスの位相情報を数値化して得られるビット数よりも大きく、第1目標パスの強度は第2目標パスの強度よりも大きい。即ち、異なる強度の目標パスの位相情報に異なる精度の数値化を行い、目標パスの強度が高くなる高いほど、目標パスの位相情報を数値化して得られるビット数が多くなる。
【0096】
本実施例において、端末機器は、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する時に、報告方式は、周期報告、非周期報告、半永続報告のうちの1つであってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0097】
端末機器が少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告する時に使用されるチャネルは、物理アップリンクリンク制御チャネル(PUCCH,Physical Uplink Control Channel)及び物理アップリンク共有チャネル(PUSCH,Physical Uplink Shared Channel)のうちの少なくとも1つであってもよく、ここでは具体的に限定せず、即ち、端末機器は、PUCCHによる少なくとも1本の目標パスの位相情報の報告をサポートし、PUSCHによる少なくとも1本の目標パスの位相情報の報告もサポートする。
【0098】
端末機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告した後、ネットワーク機器は、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの部分的な相反性に基づいて、当該位相情報及びアップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得してもよい。
【0099】
本発明の実施例では、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0100】
以上、本明細書の特定の実施例を説明した。他の実施例は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれる。場合によっては、特許請求の範囲に記載された動作又はステップは、実施例における順番に従って実行されてもよく、かつ、依然として所望の結果を実現できる。なお、図面に記述されたプロセスは、必ずしも、示された特定の順番又は連続的な順番でなければ所望の結果を実現できないことを要求するとは限らない。一部の実施形態において、マルチタスク処理及び並行処理も、可能なものであり、又は、有利なものであり得る。
【0101】
図3は、本発明のネットワーク機器の実施例の構造模式図であり、当該ネットワーク機器は、送信モジュール31を備え、
送信モジュール31は、端末機器に指示情報を送信し、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものである。
【0102】
任意に、少なくとも1本の目標パスは、
少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上である少なくとも1本のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす。
【0103】
任意に、Nは、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものであり、
既定の閾値は、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものである。
【0104】
任意に、指示情報に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が含まれ、
送信モジュール31は、端末機器に指示情報を送信する前に、端末機器により送信されたサウンディング参照信号SRSに応じて、アップリンクチャネルのインパルス応答を確定し、
アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定する。
【0105】
送信モジュール31が、アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定することは、
インパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分を確定することと、
少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定することと、
アップリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定することと、
を含む。
【0106】
任意に、参照パスは、アップリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も高いパスである。
【0107】
任意に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、
1つのビットマップ及びビットマップにおける参照パスの位置に応じて確定された相対的な遅延と、
参照パスに対する少なくとも1本の目標パスのうちの最初パスと最後パスの相対的な遅延と、
参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延と、
少なくとも1本の目標パスのうちの第1パスに対する第2パスの相対的な遅延と、
のうちの少なくとも1つを含み、
第1パスと第2パスは、少なくとも1本の目標パスのうち位置が隣り合う2本のパスであり、第1パスが1本目の目標パスである場合に、第1パスの相対的な遅延は参照パスに対する遅延である。
【0108】
任意に、送信モジュール31は、端末機器に指示情報を送信することは、
端末機器に、指示情報を含む無線リソース制御RRCシグナリングを送信することと、
端末機器に、指示情報を含む媒体アクセス制御-制御要素MAC-CEシグナリングを送信することと、
端末機器に、指示情報を含むダウンリンク制御情報DCIを送信することと、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0109】
本発明の実施例により提供されるネットワーク機器は、
図1の方法実施例におけるネットワーク機器により実現される各プロセスを実現でき、重複を回避するために、ここでは繰り返して説明しない。
【0110】
本発明の実施例において、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0111】
図4は、本発明の端末機器の実施例の構造模式図であり、当該端末機器は、受信モジュール41と、報告モジュール42とを備え、
受信モジュール41は、ネットワーク機器からの指示情報を受信し、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものであり、
報告モジュール42は、指示情報に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する。
【0112】
任意に、少なくとも1本の目標パスは、
少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす。
【0113】
任意に、Nは、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものであり、
既定の閾値は、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものである。
【0114】
任意に、指示情報に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が含まれ、
報告モジュール42は、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する前に、
ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定し、ダウンリンクチャネルのインパルス応答は、ネットワーク機器により発行されたチャネル状態情報参照信号CSI-RSに基づいて確定されたものである。
【0115】
報告モジュール42が、ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定することは、
ダウンリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定することであって、ダウンリンクチャネルに対応する参照パスはアップリンクチャネルに対応する参照パスと同じであることと、
少なくとも1本の目標パスの遅延及びダウンリンクチャネルのインパルス応答に応じて、対応する目標パスのインパルス応答成分を確定することと、
インパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定することと、
を含む。
【0116】
任意に、位相情報は、位相及び位相差の少なくとも1つを含む。
【0117】
任意に、報告モジュール42が、インパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定することは、
インパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相を確定することと、
参照パスのインパルス応答成分に応じて、参照パスの位相を確定することと、
少なくとも1本の目標パスの位相及び参照パスの位相に応じて、少なくとも1本の目標パスと参照パスの間の位相差を確定することと、
を含む。
【0118】
任意に、報告モジュール42が、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告することは、
少なくとも1本の目標パスの位相情報を数値化し、数値化された位相情報を取得することと、
数値化された位相情報をネットワーク機器に報告することと、
を含む。
【0119】
任意に、報告モジュール42が、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告することは、
ネットワーク機器に、少なくとも1本の目標パスの位相情報を含む物理アップリンク制御チャネルPUCCHを送信することと、
ネットワーク機器に、少なくとも1本の目標パスの位相情報を含む物理アップリンク共有チャネルPUSCHを送信することと、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0120】
任意に、報告モジュール42が、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告することは、
周期、非周期又は半永続の方式に基づいて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する
ことを含む。
【0121】
本発明の実施例により提供されるネットワーク機器は、
図2の方法実施例における端末機器により実現される各プロセスを実現でき、重複を回避するために、ここでは繰り返して説明しない。
【0122】
本発明の実施例において、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0123】
図5は、本発明の端末機器の別の実施例の構造模式図である。
図5に示す端末機器500は、少なくとも1つのプロセッサ501と、メモリ502と、少なくとも1つのネットワークインターフェース504と、ユーザインターフェース503とを含む。端末機器500における各部材は、バスシステム505により結合される。バスシステム505は、これらの部材の間の接続通信を実現するためのものであると理解できる。バスシステム505は、データバスの他、電源バス、制御バス及び状態信号バスを含む。しかし、説明を明白にするために、
図5に、各バスをまとめてバスシステム505として示す。
【0124】
ユーザインターフェース503は、ディスプレー、キーボード、クリック機器(例えば、マウス、トラックボール(track ball))、タッチプレート又はタッチスクリーン等を含んでもよい。
【0125】
本発明の実施例におけるメモリ502は、揮発性メモリであってもよいし、不揮発性メモリであってもよいし、揮発性及び不揮発性メモリの両方を含んでもよいと理解できる。不揮発性メモリは、リードオンリーメモリ(ROM,Read-Only Memory)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM,Programmable ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM,Erasable PROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM,Electrically EPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュとして用いられるランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)であってもよい。様々の形式のRAM、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM,Static RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM,Dynamic RAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM,Synchronous DRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(DDR SDRAM,Double Data Rate SDRAM)、強化型同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(ESDRAM,Enhanced SDRAM)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(SLDRAM,Synchlink DRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(DRRAM,Direct Rambus RAM)は、利用可能であるが、これらの説明は例示的であって、制限的ではない。本発明の実施例に説明されたシステム及び方法のメモリ502は、これら及び他の任意の適当なタイプのメモリを含むが、これらに限られないことを意図する。
【0126】
一部の実施形態において、メモリ502には、実行可能なモジュール若しくはデータ構造体、又は、それらのサブセット若しくは拡張セットとしてのオペレーティングシステム5021及びアプリケーション5022が記憶されている。
【0127】
オペレーティングシステム5021は、様々な基本サービスの実現及びハードウェアベースのタスクの処理に用いられる、様々なシステムプログラム、例えば、フレームワーク層、カーネルライブラリ層、駆動層等を含んでもよい。アプリケーション5022は、様々なアプリケーションサービスを実現するために、様々なアプリケーション、例えば、メディアプレーヤー(Media Player)、ブラウザー(Browser)等を含む。本発明の実施例の方法を実現するプログラムは、アプリケーション5022に含まれてもよい。
【0128】
本発明の実施例では、端末機器500は、メモリ502に記憶され、プロセッサ501で実行可能なコンピュータプログラムをさらに含み、コンピュータプログラムは、プロセッサ501によって実行されると、
ネットワーク機器からの指示情報を受信するステップであって、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものであるステップと、
指示情報に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告するステップと、
が実現される。
【0129】
上記の本発明の実施例に開示された方法は、プロセッサ501に応用されてもよいし、プロセッサ501により実現されてもよい。プロセッサ501は、信号の処理能力を有する集積回路チップであり得る。実現プロセス中に、前記方法の各ステップは、プロセッサ501におけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェア形式のコマンドにより完成されてもよい。上記のプロセッサ501は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP,Digital Signal Processor)、特定用途向け集積回路(ASIC,Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,Field Programmable Gate Array)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスターロジックデバイス、ディスクリートハードウェア部材であってもよく、本発明の実施例に開示された各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、任意の通常のプロセッサ等であってもよい。本発明の実施例に開示された方法のステップに関しては、ハードウェアデコードプロセッサにより実行して完成し、又は、デコードプロセッサにおけるハードウェア及びソフトウェアモジュールを組み合わせて実行して完成するように直接具現化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムメモリ、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ、プログラマブルリードオンリーメモリ又は電気的消去可能プログラマブルメモリ、レジスタ等の本分野における周知のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に配置されてもよい。当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、メモリ502に配置され、プロセッサ501は、メモリ502における情報を読み取り、そのハードウェアとともに前記方法のステップを完成する。具体的に、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、プロセッサ501によって実行されると前記情報報告方法の実施例に記載の各ステップが実現される。
【0130】
本発明の実施例に説明されたこれらの実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はそれらの組合せにより実現されてもよいと理解できる。ハードウェアにより実現する場合、処理ユニットは、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC,Application Specific Integrated Circuits)、デジタル信号プロセッサ(DSP,Digital Signal Processing)、デジタル信号処理機器(DSPD,DSP Device)、プログラマブルロジックデバイス(PLD,Programmable Logic Device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA,Field-Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本発明に記載の機能を実行するための他の電子ユニット又はそれらの組合せにおいて実現されてもよい。
【0131】
ソフトウェアにより実現する場合、本発明の実施例に記載の機能を実行するモジュール(例えば、プロセス、関数等)により、本発明の実施例に記載の技術を実現してもよい。ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されてもよい。メモリは、プロセッサの中で、又はプロセッサの外部で実現されてもよい。
【0132】
任意に、コンピュータプログラムは、プロセッサ501によって実行されると、以下のステップがさらに実現されてもよい。
【0133】
少なくとも1本の目標パスは、
少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす。
【0134】
Nは、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものであり、
既定の閾値は、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものである。
【0135】
指示情報に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が含まれ、
少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告する前に、当該方法は、
ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップであって、ダウンリンクチャネルのインパルス応答は、ネットワーク機器により発行されたチャネル状態情報参照信号CSI-RSに基づいて確定されたものであるステップ、
をさらに含む。
【0136】
ダウンリンクチャネルのインパルス応答及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップは、
ダウンリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定するステップであって、ダウンリンクチャネルに対応する参照パスはアップリンクチャネルに対応する参照パスと同じであるステップと、
少なくとも1本の目標パスの遅延及びダウンリンクチャネルのインパルス応答に応じて、対応する目標パスのインパルス応答成分を確定するステップと、
インパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップと、
を含む。
【0137】
位相情報は、位相及び位相差の少なくとも1つを含む。
【0138】
インパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相情報を確定するステップは、
インパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの位相を確定するステップと、
参照パスのインパルス応答成分に応じて、参照パスの位相を確定するステップと、
少なくとも1本の目標パスの位相及び参照パスの位相に応じて、少なくとも1本の目標パスと参照パスの間の位相差を確定するステップと、
を含む。
【0139】
少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告するステップは、
少なくとも1本の目標パスの位相情報を数値化し、数値化された位相情報を取得するステップと、
数値化された位相情報をネットワーク機器に報告するステップと、
を含む。
【0140】
少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告するステップは、
ネットワーク機器に、少なくとも1本の目標パスの位相情報を含む物理アップリンク制御チャネルPUCCHを送信することと、
ネットワーク機器に、少なくとも1本の目標パスの位相情報を含む物理アップリンク共有チャネルPUSCHを送信することと、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0141】
少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告するステップは、
周期、非周期又は半永続の方式に基づいて、少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告すること
を含む。
【0142】
端末機器500は、上記の実施例における端末機器により実現される各プロセスを実現でき、重複を回避するために、ここでは繰り返して説明しない。
【0143】
本発明の実施例において、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0144】
図6を参照し、
図6は、本発明のネットワーク機器の別の実施例の構造模式図である。
図6に示すように、ネットワーク機器600は、プロセッサ601と、送受信機602と、メモリ603と、ユーザインターフェース604と、バスインターフェースとを含み、
本発明の実施例では、ネットワーク機器600は、メモリ603に記憶され、プロセッサ601で実行可能なコンピュータプログラムをさらに含み、コンピュータプログラムは、プロセッサ601により実現される時に、
端末機器に指示情報を送信するステップであって、指示情報は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示するためのものであるステップ
を実現する。
【0145】
図6において、バス構成は、相互接続する任意数のバスとブリッジを備えてもよく、具体的に、プロセッサ601をはじめとする1つ又は複数のプロセッサとメモリ603をはじめとするメモリの種々の回路を接続したものである。バス構成は、周辺機器、電圧レギュレーター及び電力管理回路等のような種々の他の回路を接続したものであってもよい。これらは、全て本分野における公知のものであるので、本明細書においてさらなる記載をしない。バスインターフェースにより、インターフェースが提供される。送受信機602は、複数の部品であってもよく、即ち、送信機と受信機を含んでもよく、伝送媒体で他の種々の装置と通信するためのユニットとして提供される。ユーザ機器によっては、ユーザインターフェース604は、所要の機器に外部接続又は内部接続可能なインターフェースであってもよく、接続される機器は、キーパッド、ディスプレー、スピーカー、マイクロホン、ジョイスティック等を含むが、これらに限られない。
【0146】
プロセッサ601は、バス構成及び通常の処理の管理を担当し、メモリ603は、プロセッサ601が操作を実行する時に使用されるデータを記憶することができる。
【0147】
本発明の実施例において、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する少なくとも1本の目標パスの位相情報を報告するように端末機器を指示でき、端末機器は、指示情報を受信した後、指示情報に応じて、当該少なくとも1本の目標パスの位相情報をネットワーク機器に報告できる。このように、ネットワーク機器は、ダウンリンクチャネルに対応する所定のパスの位相情報を報告するように端末機器を指示することによって、チャネルの部分的な相反性に基づいて、アップリンクチャネルのインパルス応答と端末機器によって報告された位相情報により、ダウンリンクチャネルのインパルス応答を取得することができ、ダウンリンクプリコーディングの設計を最適化することで、ダウンリンク伝送のスループットを向上させることができる。
【0148】
任意に、コンピュータプログラムは、プロセッサ603によって実行されると、以下のステップがさらに実現されてもよい。
【0149】
少なくとも1本の目標パスは、
少なくとも1本の目標パスは参照パスを含まないこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も大きい前N(Nは正整数である)本のパスを含むこと、
少なくとも1本の目標パスは、ダウンリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が既定の閾値以上である少なくとも1本のパスを含むこと、
のうちの少なくとも1つの条件を満たす。
【0150】
Nは、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものであり、
既定の閾値は、プロトコル値であり、又はネットワーク機器により予め配置されたものである。
【0151】
指示情報に、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延が含まれ、
端末機器に指示情報を送信するステップの前に、
端末機器により送信されたサウンディング参照信号SRSに応じて、アップリンクチャネルのインパルス応答を確定するステップと、
アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定するステップと、
をさらに含む。
【0152】
アップリンクチャネルのインパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定するステップは、
インパルス応答に応じて、少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分を確定するステップと、
少なくとも1本の目標パスのインパルス応答成分に応じて、少なくとも1本の目標パスの遅延を確定するステップと、
アップリンクチャネルに対応する参照パスの遅延及び少なくとも1本の目標パスの遅延に応じて、少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延を確定するステップと、
を含む。
【0153】
参照パスは、アップリンクチャネルに対応する複数本のパスのうち強度が最も高いパスである。
【0154】
少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延は、
1つのビットマップ及びビットマップにおける参照パスの位置に応じて確定された相対的な遅延と、
参照パスに対する少なくとも1本の目標パスのうちの最初パスと最後パスの相対的な遅延と、
参照パスに対する少なくとも1本の目標パスの相対的な遅延と、
少なくとも1本の目標パスのうちの第1パスに対する第2パスの相対的な遅延と、
のうちの少なくとも1つを含み、
第1パスと第2パスは、少なくとも1本の目標パスのうち位置が隣り合う2本のパスであり、第1パスが1本目の目標パスである場合に、第1パスの相対的な遅延は参照パスに対する遅延である。
【0155】
端末機器に指示情報を送信するステップは、
端末機器に、指示情報を含む無線リソース制御RRCシグナリングを送信することと、
端末機器に、指示情報を含む媒体アクセス制御-制御要素MAC-CEシグナリングを送信することと、
端末機器に、指示情報を含むダウンリンク制御情報DCIを送信することと、
のうちの少なくとも1つを含む。
【0156】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、前記情報報告又は情報指示方法の実施例の各プロセスが実現され、同じ技術効果を達成できる。重複を回避するために、ここでは繰り返して説明しない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の例は、リードオンリーメモリ(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、磁気ディスク又は光学ディスクのような非一過性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含む。
【0157】
説明すべきこととして、本明細書において、「含む」、「備える」という用語又は他の如何なる変形は、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置がそれらの要素だけでなく、明確に列記されていない他の要素、又は、このようなプロセス、方法、物品又は装置の固有の要素も含むように、非排他性の包含をカバーすることを意図している。更なる制限がない限り、「…を含む」という記述により限定された要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置にさらに別の同一の要素が存在する場合を除外するものではない。
【0158】
以上の実施形態の説明により、当業者であれば、前記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームを併用することにより実現されてもよく、当然のことながら、ハードウェアによって実現されてもよいが、多くの場合に、前者がより好ましい実施形態であることを明確に理解できる。このような理解に基づいて、本発明の技術方案は、本質的に、又は従来技術に寄与する部分が、ソフトウェア製品として具現化されてよく、当該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光学ディスク)に記憶されており、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバー、エアコン、又はネットワーク機器等であってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法を実行させるための若干のコマンドを含む。
【0159】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、上記の具体的な実施形態は、制限的なものではなく、模式的なものに過ぎず、当業者であれば、本発明の示唆で、本発明の趣旨及び特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく作ることが可能な他の種々の態様は、全て本発明の保護範囲に含まれる。