(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】冷蔵庫および冷蔵庫システム
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20231127BHJP
F25D 11/02 20060101ALI20231127BHJP
【FI】
F25D23/00 301L
F25D23/00 301Q
F25D11/02 D
(21)【出願番号】P 2022534873
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 JP2020027031
(87)【国際公開番号】W WO2022009421
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-08-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】立石 圭奈
(72)【発明者】
【氏名】大和 康成
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0210822(US,A1)
【文献】特開2018-095450(JP,A)
【文献】特開2003-114075(JP,A)
【文献】中国実用新案第205300103(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106524664(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0035278(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貯蔵室と、
情報を表示し、ユーザーにより情報が入力される
操作パネルと、
制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記
操作パネルより
収納食品を登録するボタンが押下されたことを検知すると前記
操作パネルに食品入力画面を表示させ、前記食品入力画面より食品名が入力されると、前記
操作パネルに貯蔵室入力画面を表示させ、前記制御装置は、前記貯蔵室入力画面より食品を貯蔵する貯蔵室が入力されたことを検知すると、前記食品入力画面より入力された前記食品名と、前記貯蔵室入力画面より入力された前記貯蔵室に関する貯蔵室情報とを含む基本情報を記憶装置に記憶させ、
前記基本情報の前記貯蔵室情報は、温度帯の異なる前記複数の貯蔵室のうち、前記基本情報の前記食品名に対応する前記食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する情報であり、
前記基本情報は、更新が可能であり、
前記制御装置は、前記基本情報の登録の後に前記
操作パネルより食品を探すボタンが押下されたことを検知すると、前記
操作パネルに食品検索画面を表示させ、前記食品を貯蔵した前記貯蔵室を検索するための前記食品名が前記
操作パネルから入力されると、前記食品名を含む前記基本情報を前記記憶装置から特定し、特定した前記基本情報に含まれる前記貯蔵室情報を、前記
操作パネルに表示し、
前記制御装置は、前記基本情報の登録の後に前記
操作パネルより食品を収納するボタンが押下されたことを検知すると、前記
操作パネルに食品入力画面を表示し、前記食品入力画面より前記食品名が入力されると、貯蔵室入力画面を前記
操作パネルに表示し、前記貯蔵室入力画面上で食品を貯蔵する貯蔵室が入力されると、前記食品名を含む前記基本情報を前記記憶装置から特定し、前記貯蔵室入力画面上で入力された前記貯蔵室情報と前記基本情報の前記貯蔵室情報とが異なる場合、前記基本情報の前記貯蔵室情報を、前記食品の適正な前記貯蔵室を提案する応答として前記
操作パネルに表示する、冷蔵庫。
【請求項2】
前記記憶装置には、前記基本情報とは別に、食品名毎に、温度帯の異なる前記複数の貯蔵室のうち、前記食品名の食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室情報を対応づけた管理情報が記憶されており、
前記制御装置は、食品名を含む提案要求が前記
操作パネルから入力されると、前記提案要求の前記食品名の食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する貯蔵室情報を、前記記憶装置の前記管理情報に基づいて特定し、前記提案要求に対する応答として前記
操作パネルに表示する請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
音声を入力するマイクを備え、
前記マイクを
入力装置として用いる請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記複数の貯蔵室のそれぞれに配置された点灯装置を備え、
前記制御装置は、前記
操作パネルに前記貯蔵室情報を表示した後、表示した前記貯蔵室情報により識別される貯蔵室が開かれると、開かれた前記貯蔵室に配置された前記点灯装置を点灯させる請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記
操作パネルは、前記貯蔵室を開閉するドアの表面に設けられている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
外部機器との間で通信を行う通信装置を備え、
前記制御装置は、
前記通信装置を介して前記外部機器から前記食品名を含む第1検索要求の入力があると、前記第1検索要求に対する応答として食品を探す前記ボタンが前記
操作パネルで押下された場合と同様の前記貯蔵室情報を、前記通信装置を介して前記外部機器に送信し、
前記通信装置を介して前記外部機器から前記食品名および前記貯蔵室情報を含む第2検索要求の入力があると、前記第2検索要求に対する応答として食品を収納する前記ボタンが前記
操作パネルで押下された場合と同様の前記貯蔵室情報を、前記通信装置を介して前記外部機器に送信する請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記記憶装置は、前記外部機器から入力された、食品名と、前記複数の貯蔵室のうち前記食品名の食品を貯蔵した貯蔵室に関する貯蔵室情報と、を含む前記基本情報を記憶する請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記通信装置はサーバーに通信可能に接続され、
前記通信装置から前記サーバーに前記基本情報が送信して記憶される請求項6または請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の冷蔵庫と、
前記冷蔵庫に通信可能に接続された外部機器とを備え、
前記冷蔵庫は、前記外部機器との間で通信を行う通信装置を備え、
前記外部機器から前記食品名を含む第1検索要求の入力があると、前記第1検索要求に対する応答として食品を探す前記ボタンが前記
操作パネルで押下された場合と同様の前記貯蔵室情報を、前記記憶装置から特定し、前記通信装置を介して前記外部機器に送信して表示させ、
前記外部機器から前記食品名および前記貯蔵室情報を含む第2検索要求の入力があると、前記第2検索要求に対する応答として食品を収納する前記ボタンが前記
操作パネルで押下された場合と同様の前記貯蔵室情報を、前記記憶装置から特定し、前記通信装置を介して前記外部機器に送信して表示させる冷蔵庫システム。
【請求項10】
前記冷蔵庫および前記外部機器との間で通信を行うサーバーを備え、
前記制御装置は、前記通信装置を介して前記サーバーに前記基本情報を送信して前記サーバーに記憶させ、
前記サーバーは、前記外部機器から前記要求の入力があると、前記応答としての前記貯蔵室情報を特定し、前記外部機器に送信して表示させる請求項9に記載の冷蔵庫システム。
【請求項11】
前記管理情報は前記サーバーに記憶され、
前記管理情報はネットワークを介して定期的に更新される、請求項2に従属する請求項10に記載の冷蔵庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報を表示する表示装置を備えた冷蔵庫および冷蔵庫システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の冷蔵庫においては、食品を貯蔵する貯蔵室を撮影する撮影部を備え、撮影部によって撮影された貯蔵室の画像に基づいて、貯蔵室内の様子を冷蔵庫のドア表面に設けられた操作パネルの表示装置に模式的に表示するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、貯蔵室内の様子を表示装置にて確認できるが、表示装置上の表示が模式的であるため、食品の形状および大きさを大まかに確認できるだけである。つまり、食品が例えば牛乳であるのか、野菜ジュースであるのか、といったところまでは識別できない。このため、ユーザーは、目的の食品がどこに貯蔵されているのかを正確に把握することが難しいという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、目的の食品がどの貯蔵室に貯蔵されているのかを正確に把握することが可能な冷蔵庫および冷蔵庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る冷蔵庫は、複数の貯蔵室と、情報を表示し、ユーザーにより情報が入力される操作パネルと、制御装置と、を備え、制御装置は、操作パネルより収納食品を登録するボタンが押下されたことを検知すると操作パネルに食品入力画面を表示させ、食品入力画面より食品名が入力されると、操作パネルに貯蔵室入力画面を表示させ、制御装置は、貯蔵室入力画面より食品を貯蔵する貯蔵室が入力されたことを検知すると、食品入力画面より入力された食品名と、貯蔵室入力画面より入力された貯蔵室に関する貯蔵室情報とを含む基本情報を記憶装置に記憶させ、基本情報の貯蔵室情報は、温度帯の異なる複数の貯蔵室のうち、基本情報の食品名に対応する食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する情報であり、基本情報は、更新が可能であり、制御装置は、基本情報の登録の後に操作パネルより食品を探すボタンが押下されたことを検知すると、操作パネルに食品検索画面を表示させ、食品を貯蔵した貯蔵室を検索するための食品名が操作パネルから入力されると、食品名を含む基本情報を記憶装置から特定し、特定した基本情報に含まれる貯蔵室情報を、操作パネルに表示し、制御装置は、基本情報の登録の後に操作パネルより食品を収納するボタンが押下されたことを検知すると、操作パネルに食品入力画面を表示し、食品入力画面より食品名が入力されると、貯蔵室入力画面を操作パネルに表示し、貯蔵室入力画面上で食品を貯蔵する貯蔵室が入力されると、食品名を含む基本情報を記憶装置から特定し、貯蔵室入力画面上で入力された貯蔵室情報と基本情報の貯蔵室情報とが異なる場合、基本情報の貯蔵室情報を、食品の適正な貯蔵室を提案する応答として操作パネルに表示するものである。
【0007】
本開示に係る冷蔵庫システムは、上記の冷蔵庫と、冷蔵庫に通信可能に接続された外部機器とを備え、冷蔵庫は、外部機器との間で通信を行う通信装置を備え、外部機器から食品名を含む第1検索要求の入力があると、第1検索要求に対する応答として食品を探すボタンが操作パネルで押下された場合と同様の貯蔵室情報を、記憶装置から特定し、通信装置を介して外部機器に送信して表示させ、外部機器から食品名および貯蔵室情報を含む第2検索要求の入力があると、第2検索要求に対する応答として食品を収納するボタンが操作パネルで押下された場合と同様の貯蔵室情報を、記憶装置から特定し、通信装置を介して外部機器に送信して表示させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ユーザー自身によって基本情報が入力されて記憶装置に記憶され、記憶装置に記憶された基本情報に基づいて、目的の食品を貯蔵した貯蔵室情報が表示装置に表示される。基本情報はユーザー自身が入力した情報であるため、ユーザーが求める目的の食品を正確に特定でき、結果として目的の食品が貯蔵された貯蔵室を正確に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1に係る冷蔵庫の食品登録動作を示すフローチャートである。
【
図5】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される初期画面の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される食品入力画面の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される貯蔵室入力画面の一例を示す図である。
【
図8】実施の形態1に係る冷蔵庫の食品検索動作を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される食品検索画面の一例を示す図である。
【
図10】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される検索結果画面の一例を示す図である。
【
図11】実施の形態1に係る冷蔵庫の適正貯蔵室通知動作を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される貯蔵室入力画面の一例を示す図である。
【
図13】実施の形態1に係る冷蔵庫の貯蔵室提案機能の動作を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される貯蔵室入力画面の一例を示す図である。
【
図15】実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される提案画面の一例を示す図である。
【
図16】実施の形態2における冷蔵庫を備えた冷蔵庫システムのネットワーク構成を示す図である。
【
図17】実施の形態3の冷蔵庫システムのネットワーク構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
まず、冷蔵庫の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る冷蔵庫の正面図である。
図2は、
図1のA―A概略断面図である。
図3は、実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、冷蔵庫1は、最上部に開閉ドア2および開閉ドア3を備えて配置される冷蔵室20と、冷蔵室20の下方に引出ドア4を備えて配置される製氷室21と、製氷室21と並列に引出ドア5を備えて配置される切替室22とを備えている。切替室22は、温度帯の切り替えが可能である。冷蔵庫1はさらに、製氷室21および切替室22の下方に引出ドア6を備えて配置される冷凍室23と、冷凍室23の下方に引出ドア7を備えて配置される野菜室24とを備えている。本明細書では、冷蔵室20、製氷室21、切替室22、冷凍室23および野菜室24をまとめて複数の貯蔵室と呼ぶ。複数の貯蔵室は、互いに温度帯が異なっている。
【0012】
開閉ドア3は、その表面に操作パネル8を備えている。操作パネル8は、各貯蔵室の温度および設定等の各種情報を表示する表示装置8aと、ユーザーにより各種情報が入力される入力装置8bとを備える。表示装置8aは例えば液晶パネルで構成され、入力装置8bは例えば操作スイッチで構成される。また、操作パネル8は、表示装置8aと入力装置8bとを兼ね備えたタッチパネルで構成してもよい。
【0013】
開閉ドア2および開閉ドア3には、それぞれ貯蔵ケース9が設置されており、食品を貯蔵することができる。引出ドア5には貯蔵ケース10が設置され、引出ドア6には貯蔵ケース11が設置され、引出ドア7には貯蔵ケース12が設置されている。貯蔵ケース10、貯蔵ケース11および貯蔵ケース12のそれぞれには、食品を貯蔵することができる。同様に引出ドア4にも貯蔵ケース(図示せず)が設置されている。貯蔵ケースは1つでも良いし、2個以上あっても良い。
【0014】
冷蔵室20には、棚13が配置されている。棚13は1つでも良いし2つ以上でも良い。また、冷蔵室20には、チルド食品17を貯蔵するチルドケースが配置されてチルド室14が構成されている。
【0015】
各貯蔵室のそれぞれには、LEDまたはランプ等の点灯装置19が設置されている。具体的には、冷蔵室20の天井、チルド室14の上部、製氷室21、切替室22、冷凍室23および野菜室24のそれぞれの間口上部など、各貯蔵室のドアを開いたときに点灯装置19の光が視認しやすい位置に点灯装置19が設置されている。なお、点灯装置19は、各貯蔵室のドアを開いたときに貯蔵室の内部を照らす照明装置(図示せず)とは別に設けられている。点灯装置19が点灯するタイミングについては後述する。
【0016】
冷蔵庫1は、音声認識のためのマイク18を備えている。マイク18は、冷蔵庫床面から例えば1300mm~1600mmの高さ位置に取り付けられる。マイク18は、
図1では操作パネル8の上部に取り付けられた例を示しているが、この位置に限定するものではない。マイク18は、ユーザーの音声を取得するために適正な高さ位置に取り付けられていればよい。マイク18は、各種情報を入力する入力装置として機能する。
【0017】
冷蔵庫1にはさらに、制御基板25が設置されている。制御基板25には、
図3に示すように制御装置25aが実装されている。制御装置25aは、マイクロプロセッサユニットにより構成され、CPU等の演算装置25aaと、記憶装置25abとを備えており、記憶装置25abには制御プログラムおよび後述の基本情報等が記憶されている。記憶装置25abには、例えばROM、EEPROMまたはフラッシュメモリなどが用いられる。制御装置25aは、制御プログラムにしたがって冷蔵庫全体を制御する。
【0018】
また、制御装置25aは、食品を冷蔵庫1に登録する食品登録機能と、冷蔵庫1内に貯蔵されている食品の貯蔵室を検索する食品検索機能と、食品の適正な貯蔵室を通知する適正貯蔵室通知機能と、食品の適正な貯蔵室を提案する貯蔵室提案機能と、を有する。これらの機能は、制御プログラムを演算装置25aaにて実行することで実現される。なお、制御装置25aは、マイクロプロセッサユニットに限定するものではない。例えば、制御装置25aは、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよい。また、制御装置25aは、プログラムモジュールであって、図示しないCPU等からの指令により、実行されるものでもよい。
【0019】
(食品登録機能)
図4は、実施の形態1に係る冷蔵庫の食品登録動作を示すフローチャートである。
図5は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される初期画面の一例を示す図である。
図6は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される食品入力画面の一例を示す図である。
図7は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される貯蔵室入力画面の一例を示す図である。
【0020】
ユーザーは、食品を新たに冷蔵庫1に貯蔵する際、食品を冷蔵庫1に登録する登録作業を行う。操作パネル8の表示装置8aには、初期画面30が表示されている(ステップS1)。初期画面30には、「収納食品を登録する」ボタン30a、「食品を探す」ボタン30bおよび「食品を収納する」ボタン30cが表示されている。制御装置25aは、「収納食品を登録する」ボタン30aが押下されたことを検知すると(ステップS2)、
図6に示す食品入力画面31を表示装置8aに表示する(ステップS3)。食品入力画面31は、文字入力を行うキーボードが表示されたキーボード部31aと、選択入力を行うための履歴が表示された選択入力部31bとを有し、ユーザーは指16を用いて入力操作を行う。
【0021】
選択入力部31bには、過去に登録した食品名が示された選択ボタン31baが表示される。選択ボタン31baの選択により、選択ボタン31baに示された食品名が入力される。過去に登録した食品名は、選択回数が多いほど選択入力部31bの上位に表示される。選択入力部31bは横長の表示領域となっており、複数の選択ボタン31baが横に並んで表示され、左から右にかけて上位から下位となっている。なお、この表示例は一例であって、選択入力部31bが縦長の表示領域である場合には、上から下にかけて上位から下位としてもよい。
【0022】
食品入力画面31にて、キーボード部31aを用いた入力または選択入力部31bを用いた選択入力により食品名が入力されると(ステップS4)、制御装置25aは、
図7に示す貯蔵室入力画面32を表示装置8aに表示する(ステップS5)。貯蔵室入力画面32には、開閉ドア2および開閉ドア3を開いた状態の冷蔵庫1の模式図が表示されている。この模式図には、開閉ドア2、開閉ドア3、冷蔵室20のチルド室14以外の部分21a、冷蔵室20のチルド室14、製氷室21、切替室22、冷凍室23および野菜室24のそれぞれに対応した四角形状の選択ボタン32aが示されている。
【0023】
ユーザーは、いずれかの選択ボタン32aを指16で押下することにより、食品を貯蔵する貯蔵室を入力する。食品登録機能を用いた食品の登録は、主に冷蔵庫1を使用するユーザー(例えば、お母さん)によって行われるため、貯蔵室の入力では、食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室が入力される。
【0024】
制御装置25aは、いずれかの選択ボタン32aが押下され、貯蔵室が入力されたことを検知すると(ステップS6)、次の処理を行う。制御装置25aは、選択された選択ボタン32aに対応する貯蔵室に関する貯蔵室情報と、食品入力画面31にて入力された食品名とを含む基本情報を、記憶装置25abに記憶する(ステップS7)。
【0025】
以上により、食品が冷蔵庫1のどの貯蔵室に貯蔵されたかといった基本情報が冷蔵庫1に登録される。冷蔵庫1には、基本情報が複数登録される。基準情報は、ユーザーが再度、操作パネル8から入力することにより、更新が可能である。基準情報の更新が可能なため、ユーザーの嗜好に合わせて食品の貯蔵室のカスタマイズが可能である。また、貯蔵室情報は、貯蔵室名でもよいし、貯蔵室毎に割り振られた識別番号でもよく、要するに貯蔵室を識別できる情報であればよい。
【0026】
制御装置25aは、基本情報の記憶装置25abへの記憶を終了すると、操作パネル8の表示を初期画面30に戻す。
【0027】
制御装置25aは、ユーザーによる食品登録が行われた後に、扉検知センサ(図示せず)により例えば開閉ドア2または開閉ドア3が開かれたことを検知すると、収納場所として入力された貯蔵室の点灯装置19を点灯させる。具体的には例えば、食品登録動作において、鶏もも肉とチルド室とを含む基本情報が登録された後に、開閉ドア2が開かれた場合、制御装置25aは、チルド室14に設置された点灯装置19を点灯させる。これにより、ユーザーは、どこに貯蔵するかを瞬時に視覚で認識することができる。
【0028】
なお、ここでは、基本情報の入力を操作パネル8の入力装置8bから行う例を示したが、マイク18から音声で入力するようにしてもよい。また、制御装置25aにタイマーを内蔵し、基本情報を登録した日付時間情報を同時に保存することで、登録日からの経過情報および履歴情報も提供できる。
【0029】
このように、基本情報を記憶装置25abに登録することで、基本情報を複数のユーザーで共有できる。基本情報を複数のユーザーで共有できることで、以下に詳述する食品探索機能を実現でき、食品を探す時間の短縮が可能となる。また、以下に詳述する適正貯蔵室通知機能を実現でき、貯蔵室内の整理整頓が可能となる。
【0030】
(食品検索機能)
図8は、実施の形態1に係る冷蔵庫の食品検索動作を示すフローチャートである。
図9は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される食品検索画面の一例を示す図である。
図10は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される検索結果画面の一例を示す図である。
【0031】
ユーザーは、目的の食品が冷蔵庫1内のどこに貯蔵されているかを知りたい場合、表示装置8aに表示された初期画面30(
図5参照)(ステップS11)にて、「食品を探す」ボタン30bを押下する。制御装置25aは、初期画面30にて「食品を探す」ボタン30bが押下されたことを検知すると(ステップS12)、
図9に示す食品検索画面33を表示装置8aに表示する(ステップS13)。食品検索画面33は、文字入力を行うキーボードが表示されたキーボード部33aと、選択入力を行うための食品の候補が表示される選択入力部33bとを有し、ユーザーは指16を用いて入力操作を行う。選択入力部33bに表示される候補は、キーボード部33aから入力された文字に基づいて予測される食品の候補である。
【0032】
ユーザーは、探したい食品名をキーボード部33aから入力するか、選択入力部33bに表示されたいずれかの選択ボタン33baを押下することにより、探したい食品名を入力する。制御装置25aは、食品名が入力されると(ステップS14)、その食品名の食品が貯蔵された貯蔵室情報を示す検索結果画面34(
図10参照)を表示装置8aに表示する。具体的な処理としては、制御装置25aは、食品検索画面33にて食品名が入力されると、食品名を含む第1検索要求が入力されたと検知する。制御装置25aは、第1検索要求が入力されたと検知すると、第1検索要求の食品名に基づいて記憶装置25abを検索し、第1検索要求の食品名を含む基本情報を特定する。そして、制御装置25aは、特定した基本情報に含まれる貯蔵室情報を示す検索結果画面34を、第1検索要求に対する応答として表示装置8aに表示する(ステップS15)。
【0033】
検索結果画面34には、基本情報の貯蔵室情報により識別される貯蔵室に目的の食品が収納されているメッセージが文字表示されると共に、開閉ドア2および開閉ドア3を開いた状態の冷蔵庫1の模式図が表示される。冷蔵庫1の模式図には、その貯蔵室部分が識別表示される。
図10の例では、冷凍室23が識別表示されている。この検索結果画面34により、ユーザーは、冷蔵庫1を開けることなく目的の食品が貯蔵されている貯蔵室を把握することができる。よって、食品を探す手間が省けるので、食品を探すために冷蔵庫1のドアを開いたままの状態とする時間を短縮でき、消費電力の低減を実現できる。
【0034】
制御装置25aは、検索結果画面34の表示を行った後、検索結果画面34に表示された該当の貯蔵室のドアが開かれると、その貯蔵室の点灯装置19を点灯させる。これにより、ユーザーは、今開いた貯蔵室に、目的の食品が貯蔵されていることを瞬時に視覚で認識することができる。また、例えば、目的の食品がチルド室14に貯蔵されている場合、開閉ドア2または開閉ドア3を開いた際にチルド室14の点灯装置19が点灯するため、冷蔵室20のうち特にチルド室14に目的の食品が貯蔵されていることを瞬時に視覚で認識することができる。
【0035】
なお、ここでは、食品名の入力を食品検索画面33から入力する例を示したが、マイク18から音声で入力するようにしてもよい。
【0036】
(適正貯蔵室通知機能)
主に冷蔵庫1を使用する第1ユーザー(例えば、お母さん)が食品に適した温度帯の貯蔵室を選んで適正に食品を貯蔵し、冷蔵庫1内を整理していても、たまにしか冷蔵庫1を使用しない第2ユーザー(例えば、子供)が、食品を移動させてしまう場合がある。この場合、次に第1ユーザーが食品を冷蔵庫1から取り出そうとした際に、食品を見つけるまでに時間を要してしまい、消費電力の増大に繋がる。適正貯蔵室通知機能は、このような場合に有効な機能であり、適正な場所への貯蔵を促す機能である。以下、第1ユーザーにより、食品Aがその食品Aに適切な温度帯の貯蔵室に貯蔵され、基本情報が登録済であるものとして、適正貯蔵室通知機能について説明する。
【0037】
図11は、実施の形態1に係る冷蔵庫の適正貯蔵室通知動作を示すフローチャートである。
図12は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される貯蔵室入力画面の一例を示す図である。
【0038】
第2ユーザーは、冷蔵庫1内に貯蔵されている食品Aを冷蔵庫1から取り出した後、冷蔵庫1に戻す際、以下のようにして収納情報の入力を行う。まず、第2ユーザーは、表示装置8aに表示された初期画面30(ステップS21)上において、「食品を収納する」ボタン30cを押下する。制御装置25aは、「食品を収納する」ボタンを押下されたことを検知すると(ステップS22)、食品入力画面31(
図6参照)を表示装置8aに表示する(ステップS23)。食品入力画面31上で第2ユーザーにより食品名が入力されると(ステップS24)、制御装置25aは、続いて貯蔵室入力画面32(
図7参照)を表示装置8aに表示する(ステップS25)。第2ユーザーは、貯蔵室入力画面32上のいずれかの選択ボタン32aを指16で押下することにより、食品Aを貯蔵する貯蔵室を入力する。以上により収納情報が入力される。
【0039】
制御装置25aは、いずれかの選択ボタン32aが押下されると(ステップS26)、食品Aの食品名と、選択された選択ボタン32aに対応する貯蔵室の貯蔵室情報とを含む第2検索要求が入力されたと検知する。制御装置25aは、第2検索要求が入力されたと検知すると、第2検索要求の貯蔵室情報と、対応の基本情報の貯蔵室情報とを比較する。対応の基本情報は、食品入力画面31上で入力された食品名に基づいて記憶装置25abから検索される。
【0040】
制御装置25aは、貯蔵室入力画面32にて入力された貯蔵室情報と、基本情報の貯蔵室情報とが異なる場合(ステップS27)、基本情報の貯蔵室情報を示す貯蔵室通知画面35を、第2検索要求に対する応答として表示装置8aに表示する(ステップS28)。貯蔵室通知画面35には、基本情報の貯蔵室情報により識別される貯蔵室への収納を促すメッセージが文字表示されると共に、開閉ドア2および開閉ドア3を開いた状態の冷蔵庫1の模式図が表示され、模式図上においてその貯蔵室が識別表示される。
図12の例では、冷凍室23が識別表示されている。
【0041】
基本情報の貯蔵室情報は、第1ユーザーによって登録された、食品Aの貯蔵に適した温度帯の貯蔵室情報となっている。このため、第2ユーザーは、貯蔵室通知画面35により、食品Aの貯蔵に適した貯蔵室を把握することができる。制御装置25aは、貯蔵室入力画面32にて入力された貯蔵室情報と、基本情報の貯蔵室情報とが一致する場合、収納場所が正しい旨を通知する正解画面(図示省略)を表示装置8aに表示する(ステップS29)。
【0042】
制御装置25aは、貯蔵室通知画面35または正解画面の表示を行った後、貯蔵室通知画面35または正解画面に表示された該当の貯蔵室が開かれると、その貯蔵室の点灯装置19を点灯させる。これにより、ユーザーは、今開いた貯蔵室が、適正な貯蔵室であることを瞬時に視覚で認識することができる。
【0043】
以上の適正貯蔵室通知機能により、冷蔵庫1内に貯蔵されている食品Aの適正な収納場所を確認できる。具体的な利用形態としては、以下のような場合がある。例えば冷蔵庫1をさらに別の第3ユーザーと共用している場合、第2ユーザーが食品Aを冷蔵庫1から取り出す際に、第3ユーザーによって食品Aが適正な収納場所から既に移動している可能性があり得る。この場合、第2ユーザーは冷蔵庫1から取り出した食品Aを、元々あった場所に戻せばいいというわけではない。したがって、このような場合に適正貯蔵室通知機能を利用して食品Aの適正な収納場所を確認することで、冷蔵庫内の整理整頓が可能である。このように、適正貯蔵室通知機能は、複数のユーザーと冷蔵庫1を共用する場合に特に有効である。
【0044】
なお、第2ユーザーが食品をどの貯蔵室に貯蔵したかの入力、つまり収納情報の入力は、上記のように画面から入力する方法に限らない。例えば、冷蔵庫1内に設けたカメラによって食品を撮影し、撮影された画像から、制御装置25aが食品名と貯蔵室情報とを判定することで入力するようにしてもよい。
【0045】
(貯蔵室提案機能)
貯蔵室提案機能は、食品の貯蔵に適切な貯蔵室を提案する機能である。この機能の使用タイミングは任意であるが、以下、基本情報の登録時に使用する例で貯蔵室提案機能を説明する。
【0046】
図13は、実施の形態1に係る冷蔵庫の貯蔵室提案機能の動作を示すフローチャートである。
図14は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される貯蔵室入力画面の一例を示す図である。
図15は、実施の形態1に係る冷蔵庫の表示装置に表示される提案画面の一例を示す図である。
図13のステップS31~ステップS34は、
図4のフローチャートのステップS1~ステップS4と同様である。また、
図13のステップS36~ステップS37は、
図4のフローチャートのステップS6~ステップS7と同様である。以下、
図13のフローチャートにおいて
図4と異なるステップを中心に説明する。
【0047】
制御装置25aは、ステップS34にて食品名が入力された後、
図14に示す貯蔵室提案機能付の貯蔵室入力画面36を表示する(ステップS35)。貯蔵室提案機能付の貯蔵室入力画面36は、
図7に示した貯蔵室入力画面32にさらに、「おすすめ」ボタン36aが表示されている。制御装置25aは、「おすすめ」ボタン36aが押下されたことを検知すると(ステップS38)、
図15に示す提案画面37を表示装置8aに表示する(ステップS39)。提案画面37には、ステップS33の食品入力画面31にて入力された食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室への収納をおすすめするメッセージが文字表示されると共に、開閉ドア2および開閉ドア3を開いた状態の冷蔵庫1の模式図が表示される。模式図上には、その貯蔵室が識別表示される。
図15の例では、チルド室14が識別表示されている。
【0048】
記憶装置25abには、ユーザーにより入力される基本情報とは別に、食品名毎に、その食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室情報を対応づけた管理情報が記憶されている。制御装置25aは、提案画面37を表示する具体的な処理として、以下の処理を行う。制御装置25aは、「おすすめ」ボタン36aが押下されると、ステップS33の食品入力画面31にて入力された食品名を含む提案要求が入力されたと検知する。制御装置25aは、提案要求が入力されたと検知すると、提案要求の食品名の食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する貯蔵室情報を記憶装置25abの管理情報に基づいて特定し、提案要求に対する応答として表示装置8aに表示する。
【0049】
制御装置25aは、提案画面37の表示を行った後、提案画面37に表示された該当の貯蔵室が開かれると、その貯蔵室の点灯装置19を点灯させる。これにより、ユーザーは、今開いた貯蔵室が、適正な貯蔵室であることを瞬時に視覚で認識することができる。
【0050】
以上の貯蔵室提案機能により、食品の適正な貯蔵室を知らないユーザーでも、どの貯蔵室に貯蔵すればよいのかを知ることができる。よって、例えばユーザーが初めて入手したために適切な貯蔵室が分からない場合であっても、スムーズに冷蔵庫1に貯蔵することができる。
【0051】
以上のように、本実施の形態1の冷蔵庫1は、複数の貯蔵室と、情報を表示する表示装置8aと、ユーザーにより情報が入力される入力装置8bとを備える。冷蔵庫1はさらに、入力装置8bから入力された、食品名と、複数の貯蔵室のうち前記食品名の食品を貯蔵した貯蔵室に関する貯蔵室情報と、を含む基本情報を記憶する記憶装置25abと、制御装置25aとを備える。制御装置25aは、食品名を含む第1検索要求が入力装置8bから入力されると、第1検索要求の食品名を含む基本情報を記憶装置25abから特定し、基本情報の貯蔵室情報を、第1検索要求に対する応答として表示装置8aに表示する。
【0052】
このように、ユーザー自身によって基本情報が入力されて記憶装置25abに記憶され、記憶装置25abに記憶された基本情報に基づいて、目的の食品を貯蔵した貯蔵室情報が表示装置8aに表示される。基本情報はユーザー自身が入力した情報であるため、ユーザーが求める目的の食品を正確に特定でき、結果として目的の食品が貯蔵された貯蔵室を正確に把握することができる。
【0053】
また、本実施の形態1の冷蔵庫1において、基本情報の貯蔵室情報は、温度帯の異なる複数の貯蔵室のうち、基本情報の食品名の食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する貯蔵室情報である。制御装置25aは、食品名と、前記食品名の食品を貯蔵する貯蔵室に関する貯蔵室情報とを含む第2検索要求が入力装置8bから入力されると、第2検索要求の食品名を含む基本情報を記憶装置25abから特定する。そして、制御装置25aは、第2検索要求の貯蔵室情報と基本情報の貯蔵室情報とが異なる場合、基本情報の貯蔵室情報を、第2検索要求に対する応答として表示装置8aに表示する。
【0054】
このように、基本情報の貯蔵室情報は、食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する貯蔵室情報であるため、この貯蔵室情報が表示されることで、ユーザーは、食品の適正な貯蔵室を把握できる。
【0055】
本実施の形態1の冷蔵庫1の記憶装置25abには、基本情報とは別に、食品名毎に、温度帯の異なる複数の貯蔵室のうち、前記食品名の食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室情報を対応づけた管理情報が記憶されている。制御装置25aは、食品名を含む提案要求が入力装置8bから入力されると、提案要求の食品名の食品の貯蔵に適した温度帯の貯蔵室に関する貯蔵室情報を、記憶装置25abの管理情報に基づいて特定し、提案要求に対する応答として表示装置8aに表示する。
【0056】
これにより、食品の適正な貯蔵室を知らないユーザーでも、どの貯蔵室に貯蔵すればよいのかを知ることができる。
【0057】
本実施の形態1の冷蔵庫1は、音声を入力するマイク18を備え、マイク18を入力装置として用いる。
【0058】
これにより、マイク18から音声によって入力操作を行える。
【0059】
本実施の形態1の冷蔵庫1は、複数の貯蔵室のそれぞれに配置された点灯装置19を備える。制御装置25aは、表示装置8aに貯蔵室情報を表示した後、表示した貯蔵室情報により識別される貯蔵室が開かれると、開かれた貯蔵室に配置された点灯装置19を点灯させる。
【0060】
これにより、該当の貯蔵室を瞬時に視覚で認識することができる。該当の貯蔵室とは、第1検索要求時であれば、目的の食品が貯蔵された貯蔵室、第2検索要求時および提案要求時であれば、食品の適正な貯蔵室である。
【0061】
本実施の形態1の冷蔵庫1において、表示装置8aは、貯蔵室を開閉するドアの表面に設けられている。
【0062】
これにより、冷蔵庫1を開けることなく該当の貯蔵室を把握することができる。該当の貯蔵室とは、第1検索要求時であれば、目的の食品が貯蔵された貯蔵室、第2検索要求時および提案要求時であれば、食品の適正な貯蔵室である。
【0063】
実施の形態2.
本実施の形態2の冷蔵庫1は、外部機器からネットワークを介して通信可能としたものである。以下、本実施の形態2の冷蔵庫が、実施の形態1の冷蔵庫1と異なる点を中心に説明する。本実施の形態2において説明していない構成および動作は実施の形態1と同様である。
【0064】
図16は、実施の形態2における冷蔵庫を備えた冷蔵庫システムのネットワーク構成を示す図である。
冷蔵庫システムは、冷蔵庫1Aと、外部機器40と、を備えている。冷蔵庫1Aは、通信装置25acを備え、冷蔵庫1Aおよび外部機器40とネットワーク50を介して通信可能に接続されている。ネットワーク50は、例えば、インターネットまたは各家庭内のLANなどを含む。
【0065】
外部機器40は、例えばスマートフォンまたはタブレット端末等の携帯端末、ならびにユーザーの宅内に設置されたパソコンなどであり、通信機能を備えたものある。外部機器40には、冷蔵庫1Aとの通信を行うためのアプリケーションがインストールされ、外部機器40にて、冷蔵庫1Aにおける上記の食品検索機能、適正貯蔵室通知機能および貯蔵室提案機能を利用することが可能となっている。
【0066】
上記実施の形態1の冷蔵庫1では、操作パネル8を操作することにより、食品検索機能、適正貯蔵室通知機能および貯蔵室提案機能の利用が可能であった。本実施の形態2の冷蔵庫1Aでは、外部機器40からネットワーク50を介して冷蔵庫1Aに接続し、外部機器40にて食品検索機能、適正貯蔵室通知機能および貯蔵室提案機能を利用可能である。すなわち、冷蔵庫1Aは、通信装置25acを介して外部機器40から各要求があると、要求に対する応答としての貯蔵室情報を通信装置25acを介して外部機器40に送信する。外部機器40は、冷蔵庫1Aからの貯蔵室情報に基づいて結果画面を表示する。
【0067】
これにより、ユーザーは、冷蔵庫1Aの設置位置まで行かなくても、外部機器40を用いて結果画面を確認できる。よって、外部機器40から例えば食品検索機能を利用することにより、冷蔵庫1A内の食品の位置をこまめに確認することができる。このため、食品の存在を忘れてしまって賞味期限切れを招くといった事態を抑制できる。
【0068】
また、冷蔵庫1Aは、貯蔵室提案機能にて用いられる管理情報を、冷蔵庫システムの管理者がネットワーク50を介して冷蔵庫1Aに接続し、定期的に更新するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態1の冷蔵庫1では、基本情報の登録操作を冷蔵庫1の操作パネル8の入力装置8bにて行う構成であった。本実施の形態2の冷蔵庫1Aでは、外部機器40から基本情報の登録操作が可能である。具体的には、外部機器40は、外部機器40にて入力された基本情報を通信装置25acおよびネットワーク50を介して冷蔵庫1Aに送信することで冷蔵庫1Aの記憶装置25abに記憶する。
【0070】
このように外部機器40から基本情報の登録が可能となることで、以下の効果が得られる。外出先での食品購入時に販売者から適切な収納場所を聞いた際、その収納場所の情報を、外部機器40を用いて外出先にて登録することができる。これにより、帰宅して食品を冷蔵庫1Aに収納する際、適正貯蔵室通知機能を使って、登録しておいた貯蔵室を読み出すことで、当該食品を適切な貯蔵室に貯蔵することができる。このように外部機器40から基本情報の登録が行えることは、例えば、遠方でお土産として冷凍されている食品を購入したが、帰宅後の収納場所はチルド室が良い場合など、覚えておきにくい情報の時に、特に有効である。
【0071】
以上のように、本実施の形態2の冷蔵庫1Aは、外部機器40との間で通信を行う通信装置25acを備える。制御装置25aは、通信装置25acを介して外部機器40から要求の入力があると、応答としての貯蔵室情報を、通信装置25acを介して外部機器40に送信する。
【0072】
このように、冷蔵庫1Aが通信装置25acを備えることで、外部機器40との通信が可能となる。
【0073】
本実施の形態2の冷蔵庫1Aにおいて記憶装置25abは、外部機器40から入力された、食品名と、複数の貯蔵室のうち前記食品名の食品を貯蔵した貯蔵室に関する貯蔵室情報と、を含む基本情報を記憶する。
【0074】
このように、冷蔵庫1Aの記憶装置25abには、入力装置8bから入力された基本情報だけでなく、外部機器40から入力された基本情報も記憶できる。
【0075】
本実施の形態2の冷蔵庫システムは、冷蔵庫1Aと、冷蔵庫に通信可能に接続された外部機器40とを備える。冷蔵庫1Aは、外部機器40との間で通信を行う通信装置25acを備え、外部機器40から要求の入力があると、応答としての貯蔵室情報を記憶装置25abから特定し、通信装置25acを介して外部機器40に送信して表示させる冷蔵庫システム。なお、外部機器40からの要求とは、第1検索要求、第2検索要求および提案要求の一部または全部である。
【0076】
これにより、外部機器40からも上記要求に応じた貯蔵室情報を確認できる。
【0077】
実施の形態3.
本実施の形態3の冷蔵庫システムは、基本情報等をサーバーに登録するものである。
【0078】
図17は、実施の形態3の冷蔵庫システムのネットワーク構成を示す図である。
実施の形態3の冷蔵庫システムは、
図16に示した冷蔵庫システムにさらにサーバー60を備えた構成を有する。冷蔵庫1Aの通信装置25acは、サーバー60に通信可能に説図される。サーバー60は、例えばクラウドサーバーであり、ネットワーク50を介して冷蔵庫1Aおよび外部機器40と通信可能である。
【0079】
上記実施の形態1および実施の形態2では、基本情報が冷蔵庫1の記憶装置25abに記憶される構成であった。本実施の形態3では、冷蔵庫1Aまたは外部機器40にて入力された基本情報を、ネットワーク50を介してサーバー60に送信し、サーバー60に登録する。また、サーバー60は、食品検索機能、適正貯蔵室通知機能および貯蔵室提案機能にて必要な情報を保持している。サーバー60は、冷蔵庫1Aまたは外部機器40から、第1検索要求、第2検索要求または提案要求が入力されると、要求に応じた応答の貯蔵室情報を特定し、要求入力元の冷蔵庫1Aまたは外部機器40に送信して表示させる。
【0080】
また、貯蔵室提案機能にて用いられる管理情報をサーバー60に記憶させておき、管理情報を冷蔵庫システムの管理者が定期的に更新するようにしてもよい。そして、冷蔵庫1Aまたは外部機器40からサーバー60に接続し、適宜更新されている管理情報を利用できるようにしてもよい。
【0081】
本実施の形態3の冷蔵庫1Aは、通信装置25acがサーバー60に通信可能に接続され、通信装置25acからサーバー60に基本情報が送信して記憶される。また、本実施の形態3の冷蔵庫システムは、冷蔵庫1Aおよび外部機器40との間で通信を行うサーバー60を備える。制御装置25aは、通信装置25acを介してサーバー60に基本情報を送信してサーバー60に記憶させ、サーバー60は、外部機器40から要求の入力があると、応答としての貯蔵室情報を特定し、外部機器40に送信して表示させる。
【0082】
このように、基本情報をサーバー60に記憶しておき、外部機器40からの上記要求に応じた貯蔵室情報をサーバー60から外部機器40に送信して表示させることもできる。
【符号の説明】
【0083】
1 冷蔵庫、1A 冷蔵庫、2 開閉ドア、3 開閉ドア、4 引出ドア、5 引出ドア、6 引出ドア、7 引出ドア、8 操作パネル、8a 表示装置、8b 入力装置、9 貯蔵ケース、10 貯蔵ケース、11 貯蔵ケース、12 貯蔵ケース、13 棚、14 チルド室、16 指、17 チルド食品、18 マイク、19 点灯装置、20 冷蔵室、21 製氷室、21a チルド室外、22 切替室、23 冷凍室、24 野菜室、25 制御基板、25a 制御装置、25aa 演算装置、25ab 記憶装置、25ac 通信装置、30 初期画面、30a 「収納食品を登録する」ボタン、30b 「食品を探す」ボタン、30c 「食品を収納する」ボタン、31 食品入力画面、31a キーボード部、31b 選択入力部、31ba 選択ボタン、32 貯蔵室入力画面、32a 選択ボタン、33 食品検索画面、33a キーボード部、33b 選択入力部、33ba 選択ボタン、34 検索結果画面、35 貯蔵室通知画面、36 貯蔵室入力画面、36a ボタン、37 提案画面、40 外部機器、50 ネットワーク、60 サーバー。