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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-24
(45)【発行日】2023-12-04
(54)【発明の名称】代謝測定のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/083 20060101AFI20231127BHJP
【FI】
A61B5/083
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022535107
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2020084591
(87)【国際公開番号】W WO2021115946
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】62/947,350
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ブイッザ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴィカリオ フランチェスコ
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-514472(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0112413(US,A1)
【文献】国際公開第2013/083640(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0288602(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代謝測定のためのシステムであって、前記システムは、
代謝モニタであって、
1回又は複数回の息の間に対象者によって呼出されたガスの一部分における第1のO2濃度測定値及び第1のCO2濃度測定値を決定し、
呼出ガスの一部分における決定された前記第1のO2濃度測定値と、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のCO2濃度測定値とに基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第1のO2消費速度(VO2)と、第1のCO2体積生成量(VCO2)とを決定する、代謝モニタ
を備える、システムにおいて、前記システムは、
CO2モニタであって、
1回又は複数回の息の間に対象者によって呼出されるガスにおける第2のCO2濃度測定値を決定し、
前記第2のCO2濃度測定値に基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第2のCO2体積生成量(VCO2)を決定する、CO2モニタと、
前記代謝モニタと前記CO2モニタとに動作可能に接続された、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサであって、コンピュータ可読命令によって、
決定された前記第1のVCO2と前記第2のVCO2とに基づいて補正係数を決定し、
前記補正係数と前記第1のVO2とを使用して、補正された第1のVO2を決定する、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサと
さらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記補正係数は、前記CO2モニタからの前記第2のVCO2と、前記代謝モニタからの前記第1のVCO2との商として決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
補正された前記第1のVO2は、前記補正係数と前記第1のVO2との積である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記CO2モニタはカプノグラフィである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
1つ又は複数の前記物理的コンピュータプロセッサは、前記補正係数と、決定された前記第1のVCO2とを使用して、補正された第1のVCO2を決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
1つ又は複数の前記物理的コンピュータプロセッサは、補正された前記第1のVO2と補正された前記第1のVCO2とに基づいて、対象者の代謝状態を決定する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
1つ又は複数の前記物理的コンピュータプロセッサは、補正された前記第1のVO2と補正された前記第1のVCO2とに基づいて、エネルギー消費及び/又は呼吸商を測定する、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記代謝モニタは、1回又は複数回の息の間に対象者の1つ又は複数のブリージングパラメータに関係した信号を出力する、複数のセンサを備え、
1つ又は複数の前記物理的コンピュータプロセッサは、対象者の1つ又は複数の前記ブリージングパラメータに基づいて、対象者による呼出ガスの一部分の前記第1のO2濃度測定値及び前記第1のCO2濃度測定値をさらに決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
1つ又は複数の前記センサは、1回又は複数回の息における呼出ガスの一部分の流量を測定する、流量センサを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記CO2モニタは、1回又は複数回の息の間の対象者の1つ又は複数のブリージングパラメータに関係した信号を出力する、複数のセンサを備え
1つ又は複数の前記物理的コンピュータプロセッサは、被験者の1つ又は複数の前記ブリージングパラメータに基づいて、対象者による呼出ガスにおける第2のCO2濃度測定値をさらに決定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
1つ又は複数の前記センサは、1回又は複数回の息における呼出ガスの流量を測定する、流量センサを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記代謝モニタは、O2センサ、及び/又はCO2センサの内の一方又は両方を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記CO2モニタは、CO2センサ、及び/又は流量センサの内の一方又は両方を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
代謝測定のための方法であって
代謝モニタを用いて、1回又は複数回の息の間に対象者により呼出されたガスの一部分における、第1のO2濃度測定値及び第1のCO2濃度測定値を決定するステップと、
前記代謝モニタを用いて、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のO2濃度測定値と、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のCO2濃度測定値とに基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第1のO2消費速度(VO2)と、第1のCO2体積生成量(VCO2)とを決定するステップと、
を有する、方法において、
CO2モニタを用いて、1回又は複数回の息の間に対象者により呼出されたガスにおける第2のCO2濃度測定値を決定するステップと、
前記CO2モニタを用いて、前記第2のCO2濃度測定値に基づいて、1回又は複数回の息の間に対象者の第2のCO2体積生成量(VCO2)を決定するステップと、
1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサを用いて、決定された前記第1のVCO2と前記第2のVCO2とに基づいて、補正係数を決定するステップと、
1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサを用いて、前記補正係数と前記第1のVO2を使用して補正された第1のVO2を決定するステップと
を有することを特徴とする、方法。
【請求項15】
前記補正係数は、前記CO2モニタからの前記第2のVCO2と、前記代謝モニタからの前記第1のVCO2との商として決定される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 本開示は、代謝測定のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[02] 代謝モニタリング装置は、一般に、特定の対象者のエネルギー消費を評価するために使用される。しかし、そのようなシステムは嵩張ること、及び/又は正確さに欠ける場合がある。エネルギー不足の増大(例えば、ICU滞在中)は罹患率を増加させる可能性があり、過剰摂食は高血糖、(呼吸機能障害又は呼吸不全を有する対象者において有害な影響を及ぼす可能性がある)高二酸化炭素生成、脂質異常症、及び/又は肝脂肪症につながる可能性がある。本開示は、従来技術のシステムにおける欠陥を克服する。
【発明の概要】
【0003】
[03] 従って、本開示の1つ又は複数の態様はシステムに関する。本開示は、代謝測定のためのシステムに関し、このシステムは、代謝モニタであって、1回又は複数回の息の間に対象者によって呼出されたガスの一部分における第1のO2濃度測定値及び第1のCO2濃度測定値を決定し、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のO2濃度測定値と、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のCO2濃度測定値とに基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第1のO2消費速度(VO2)と、第1のCO2体積生成量(VCO2)とを決定する、代謝モニタと;CO2モニタであって、1回又は複数回の息の間に対象者によって呼出されるガスにおける第2のCO2濃度測定値を決定し、前記第2のCO2濃度測定値に基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第2のCO2体積生成量(VCO2)を決定する、CO2モニタと;前記代謝モニタと前記CO2モニタとに動作可能に接続された、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサであって、コンピュータ可読命令によって、決定された前記第1のVCO2と前記第2のVCO2とに基づいて補正係数を決定し、前記補正係数と前記第1のVO2とを使用して、補正された第1のVO2を決定する、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサとを備える。
【0004】
本開示の別の態様は、方法に関し、この方法は、代謝モニタを用いて、1回又は複数回の息の間に対象者により呼出されたガスの一部分における、第1のO2濃度測定値及び第1のCO2濃度測定値を決定するステップと、前記代謝モニタを用いて、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のO2濃度測定値と、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のCO2濃度測定値とに基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第1のO2消費速度(VO2)と、第1のCO2体積生成量(VCO2)とを決定するステップと、CO2モニタを用いて、1回又は複数回の息の間に対象者により呼出されたガスにおける第2のCO2濃度測定値を決定するステップと、前記CO2モニタを用いて、前記第2のCO2濃度測定値に基づいて、1回又は複数回の息の間に対象者の第2のCO2体積生成量(VCO2)を決定するステップと、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサを用いて、決定された前記第1のVCO2と前記第2のVCO2とに基づいて、補正係数を決定するステップと、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサを用いて、前記補正係数と前記第1のVO2とを使用して補正された第1のVO2を決定するステップとを有する。
【0005】
本開示のさらに別の態様は代謝測定のためのシステムに関する。このシステムは、1回又は複数回の息の間に対象者により呼出されたガスの一部分における第1のO2及びCO2の濃度測定値を決定する手段と、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のO2濃度測定値と、呼出ガスの一部分における決定された前記第1のCO2濃度測定値とに基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第1のO2消費速度(VO2)と、第1のCO2体積生成量(VCO2)とを決定する手段と、1回又は複数回の息の間に対象者によって呼出されたガスにおける第2のCO2濃度測定値を決定する手段と、前記第2のCO2濃度測定値に基づいて、1回又は複数回の息の間の対象者の第2のCO2体積生成量(VCO2)を決定する手段と、決定された前記第1のVCO2及び前記第2のVCO2に基づいて補正係数を決定する手段と、前記補正係数と前記第1のVO2とを使用して、補正された第1のVO2を決定する手段とを備える。
【0006】
[04] 本開示のこれら及びその他の目的、特徴、及び特性、並びに動作の方法及び関係する構造の要素の機能、並びに部品と製造の経済性との組合せは、添付の図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮するとより明らかになり、そのすべてが本明細書の一部を形成し、ここで同様の参照記号は、各種図中の対応する部品を示す。しかしながら、図面は例示及び説明のみを目的としており、本開示の限界の定義として意図されたものではないことを明白に理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[05] 1つ又は複数の実施形態による、代謝測定値を決定するように構成された、システムの概略図である。
図2】[06] 1つ又は複数の実施形態による、代謝測定値を決定するように構成された、モデルの概略図である。
図3】[07] 1つ又は複数の実施形態による、異なるVCO2測定値を表わすプロットの例を示す図である。
図4】[08] 1つ又は複数の実施形態による、異なるVCO2測定値を表わすプロットの例を示す図である。
図5】[09] 1つ又は複数の実施形態による、異なるVO2測定値を表わすプロットの例を示す図である。
図6】[10] 1つ又は複数の実施形態による、代謝測定値のための補正係数を決定するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[11] 本明細書において使用される場合には、単数形は、文脈が別段、言明しない限り、複数の参照先も含む。本明細書において使用される場合には、「又は」は、文脈が別段、明示しない限り、「及び/又は」を意味する。本明細書において使用される場合には、2つ以上の部分又は構成要素が「結合されている」ことは、両部品が接合されているか、又は直接的若しくは間接的に、即ち、リンクが生成される限り、1つ又は複数の中間部品又は構成要素を介して、一緒に動作することを意味するものとする。本明細書において使用される場合には、「直接的に結合されている」とは、2つの要素が、互いに直接的に接触していることを意味する。本明細書において使用される場合には、「固定的に結合されている」又は「固定されている」とは、2つの構成要素が、相対的に一定の方位を維持しながら一体として動くように結合されていることを意味する。
【0009】
[12] 本明細書において使用される場合には、用語「単位」は、構成要素が単一のピース又はユニットとして作成されていることを意味する。即ち、別個に作製され、次いでユニットとして結合されたピースを含む、構成要素は、「単位」構成要素又は体ではない。本明細書において用いられる場合には、2つ以上の部品又は構成要素が互いに「係合する」とは、部品同士が、直接的に、又は1つ若しくは複数の中間部品若しくは構成要素を介して、互いに対して力を発揮することを意味するものとする。本明細書において用いられる場合には、「番号」とは、1又は1を超える(即ち、複数の)整数を意味するものとする。
【0010】
[13] 本明細書において使用される方向に関する語句、例えば、限定ではなく、頂、底、左、右、上、下、前、後、及びそれらの派生語は、図面に示される要素の向きに関係し、その中に明示的に記載されない限り、特許請求の範囲に対して限定的ではない。
【0011】
[14] 臨床実践では、(例えば、集中治療室(ICU)において)患者は通常、適切なカロリーを摂ることができない。一般に、過度に低カロリー又は高カロリーの摂食は避けるべきである。具体的には、ICU滞在中のエネルギー不足の増加は、罹患率を増大させると共に、過剰摂食は、高血糖、(呼吸機能障害又は呼吸不全を有する患者において有害な影響を及ぼす可能性のある)高二酸化炭素産生、脂質異常症、及び/又は肝脂肪症につながる可能性がある。現在使用されている方法は、高価で嵩張る代謝モニタリング装置を使用して、患者の固有エネルギー消費を評価している。一般に、代謝モニタリング装置は混合チャンバを有し、そこにおいて、二酸化炭素生成(VCO2)、酸素消費(VO2)、及び結果として、その特定の患者に対する代謝要求を推定するために、患者からの空気が二酸化炭素及び酸素濃度の観点から分析される。いくつかの実施形態では、酸素消費は、O2体積消費量、及び/又はO2質量消費量として決定される。酸素消費の推定には、嵩張る混合チャンバ内で使用されるセンサが理由で、確実な測定値を得るのにより多くの時間が必要となる。患者によって生成される二酸化炭素を推定するために、CO2モニタ(例えば、カプノグラフィ)が一般に使用される。
【0012】
[15] より小さな混合チャンバを有するより小さな代謝モニタが存在し得る。それらは、息の流れのある割合を継続的にサンプリングするので、より小さな混合チャンバを有することができる。しかしながら、これらのモニタからの測定値は、比例フローサンプリングのために、不正確である場合がある(息の間でそうであるように流れが一定でない場合に、正確に一定割合の流れをサンプリングすることが困難な場合がある)。一般に、高い流量では、実際のサンプリングが設計値を超え、低い流量では、実際のサンプリングがそれを下回る。この不正確さの結果として、混合チャンバは、流量が最大である息の初期段階において、より多くのガスをサンプリングする。息のこの部分は、二酸化炭素の濃度が高い部分である。サンプリングにおけるこの不正確さは、混合チャンバ内のより高いCO2濃度を生じさせ、その結果、より高いCO2生成計算を生じさせる場合がある。同様のことが酸素消費計算においてもあてはまる。
【0013】
[16] システム10(図1に記載)は、既存のシステムの欠点を克服できる。システム10は、全体流れに対して実行される測定であるがために、比例サンプリング問題による影響を受けないCO2モニタからのVCO2の測定の信頼性及び正確性を利用する。いくつかの実施形態では、そのようなCO2モニタは、呼吸ガスにおける二酸化炭素(CO2)の濃度又は分圧をモニタリングする、カプノグラフィを含む。この測定は、流れ測定と併せて、患者によって生成される二酸化炭素を計算するのに使用される。CO2モニタ(例えば、カプノグラフィ)は患者からのO2濃度及びO2消費を測定しない。システム10は、代謝モニタ測定を増強するために、CO2モニタからのVCO2測定を使用する。特に、システム10は、CO2モニタからのVCO2測定値、及び代謝モニタからのVCO2測定値を使用して補正係数を計算して、この補正係数を代謝モニタからのVO2消費計算に応用するように構成されている。この補正係数は、代謝モニタからのVO2測定値に適用してもよい。この補正は、患者の代謝要求を理解するのに必要な、バイタルサイン(vital sign)VO2の精度を改善することを可能にする。
【0014】
[17] いくつかの実施形態では、システム10は、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ18、プロセッサ20、電子記憶装置22、クライアント計算プラットフォーム24、ネットワーク26、及び/又はその他のコンポーネントの内の1つ又は複数を備える。図1において、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ類18、プロセッサ20、電子記憶装置22、及びクライアント計算プラットフォーム24は、別個の実在として示されている。いくつかの実施形態では、システム10のコンポーネントの一部及び/又は全部、並びに/或いはその他のコンポーネントを1つ又は複数の単独装置(例えば、ユーザ装置、代謝モニタ、CO2モニタ、医療装置、その他)にグループ化してもよい。いくつかの実施形態では、システム10の一部又は全部が、同一のハウジング内に同位置に配置されて、相互に、及び対象者と直接的に通信してもよい。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ類18、プロセッサ20、及びシステム10のその他のコンポーネントは、有線又は無線の接続を介して互いに通信する。いくつかの実施形態では、システム10は、対象者に呼吸可能なガスを提供し、且つ/又は対象者から呼出ガスを収集するように構成された、対象者インターフェイス90を含む。いくつかの実施形態では、対象者インターフェイス90は、システム10の内部又は外部のその他のコンポーネント(例えば、代謝モニタ16、CO2モニタ、センサ類、又はその他のコンポーネント等)と接続するように構成されている。いくつかの実施形態では、対象者インターフェイスは、代謝モニタ16及び/又はCO2モニタ17に含まれる。
【0015】
[18] 代謝モニタ16は、対象者の代謝状態についての情報を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16は、1回又は複数回の息の間に対象者によって呼出されたガスの一部分におけるO2及びCO2の第1の濃度測定値を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16は、対象者による吸入及び/又は呼出ガスにおける1つ又は複数のパラメータに関係した信号を出力するように構成された、1つ又は複数のセンサ15を含む。いくつかの実施形態では、センサ15は、対象者により吸入及び/又は呼出されたガスにおけるO2濃度に関係した信号を出力するように構成された、1つ又は複数のO2濃度センサ13を含む。いくつかの実施形態では、センサ15は、対象者によって呼出及び/又は吸入されたガスにおけるCO2濃度に関係した信号を出力するように構成された1つ又は複数のCO2濃度センサ11を含む(例えば、非分散型赤外線(NDIR)CO2センサ)。いくつかの実施形態では、センサ15は、対象者による吸入及び/又は呼出されたガスの流量に関係した信号を出力するように構成された、流量センサ21を含む。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16は、その他のセンサ(例えば、以下に説明するセンサ類18)を含む。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16は、呼出ガスの全部又は一部分を収集するように構成された混合チャンバ19を備える。いくつかの実施形態では、全部の呼出ガスは、O2及びCO2測定が実施される混合チャンバへと移動する。いくつかの実施形態では、呼出ガスの比例サンプル(即ち、任意の時間における、全体流れの一定の百分率)は、混合チャンバへ移動し、残部は直接、大気に移動する。
【0016】
[19] いくつかの実施形態では、代謝モニタ16は、1回又は複数回の息の間の対象者の第1のO2消費速度(VO2)と、第1のCO2体積生成量(VCO2)とを決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、VO2及び/又はVCO2決定は、呼出ガスの一部分における決定された第1のO2濃度と、呼出ガスの一部分における決定された第1のCO2濃度とに基づく。いくつかの実施形態では、VO2及び/又はVCO2の決定は、対象者の1つ又は複数のブリージングパラメータにさらに基づく。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のブリージングパラメータは、(例えば、センサ21に含まれる流量センサによって決定された)呼出ガスの流量を含む。
【0017】
[20] いくつかの実施形態では、代謝モニタ16は、酸素消費(VO2)及び二酸化炭素生成(VCO2)の測定値、並びにそれらの時間変化に基づいて対象者の代謝状態についての情報を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、VO2及びVCO2測定値は、対象者のエネルギー消費量(EE)及び呼吸商(RQ)を推定するために使用される。エネルギー消費量(EE)は、個人のカロリー必要量を評価するのに使用され、呼吸商(RQ)は、エネルギーを生成するのに一次的に使用される栄養素(例えば、炭水化物、脂肪、タンパク質、等)についての情報を提供する。いくつかの実施形態では、代謝モニタ装置は、基礎代謝率(BMR)装置、安静時代謝率(RMR)装置、安静時エネルギー消費(REE)装置、及び/又は対象者の代謝速度を提供することができる任意の装置である。
【0018】
[21] CO2モニタ17は、ブリージングガス中の二酸化炭素生成(VCO2)測定値におけるCO2濃度に関係する情報を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、CO2モニタ17は、対象者による吸入及び/又は呼出ガスにおける1つ又は複数のガスパラメータに関係する信号を出力するように構成された、1つ又は複数のセンサ25を含む。いくつかの実施形態では、センサ25は、対象者によって呼出及び/又は吸入されたガス中のCO2濃度に関係する信号を出力するように構成された、1つ又は複数のCO2濃度センサ27(例えば、非分散型赤外線(NDIR)CO2センサ)を含む。いくつかの実施形態では、センサ25は、対象者による吸入及び/又は呼出ガスの流量に関係する信号を出力するように構成された、流量センサ29を含む。いくつかの実施形態では、CO2モニタ17は、その他のセンサ(例えば、以下に説明するセンサ18)を含む。いくつかの実施形態では、CO2モニタ17は、CO2濃度測定値に基づいて二酸化炭素生成(VCO2)を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、VCO2は、対象者の1つ又は複数のブリージングパラメータ(例えば、呼出ガスの流量)に基づいてさらに決定される。いくつかの実施形態では、CO2モニタ17は、カプノグラフである。その他のCO2モニタも考えられる。
【0019】
[22] いくつかの実施形態では、代謝モニタ16及び/又はCO2モニタ17の1つ又は複数の機能が、プロセッサ20によって仮定される。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16及び/又はCO2モニタ17の1つ又は複数の機能が、これらの装置に含まれるプロセッサによって仮定される。いくつかの実施形態では、代謝モニタ16及び/又はCO2モニタ17の1つ又は複数の機能が、システム10の外部のプロセッサによって仮定される。
【0020】
[23] センサ18は、対象者12の1つ又は複数のブリージングパラメータに関係する情報を伝達する、出力信号を発生させるように構成されている。例えば、1回又は複数回の息の間、1つ又は複数の時間間隔の間、及び/又は連続的に。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のブリージングパラメータは、対象者12に提供される呼吸可能なガスに関係するガスパラメータ、対象者12の呼吸に関するブリージングパラメータ、対象者12の生理学的パラメータ、及び/又はその他のパラメータを含み得る。呼吸可能なガスの1つ又は複数のガスパラメータは、例えば、吸入流量、呼出流量、吸入体積、呼出体積、圧力、湿度、温度、加速度、速度、及び/又は呼吸可能なガスのその他のパラメータの内の1つ又は複数を含む。被験体12の呼吸に関係するブリージングパラメータは、一回換気量、タイミング(例えば、吸入の開始及び/又は終了、呼出の開始及び/又は終了等)、吸入流量、呼出流量、呼吸速度、呼吸気流、(例えば、吸入、呼出、ブリージングサイクル等の)持続時間、呼吸頻度、ブリージングの努力、及び/又は他のブリージングパラメータを含む。生理学的パラメータは、酸素計測法(oximetry)パラメータ、脈拍、温度、血圧、及び/又はその他の生理学的パラメータを含む。いくつかの実施形態では、センサ18は、そのようなパラメータを直接(例えば、対象者及び/又は対象者界面との流体連通を介して)測定する1つ又は複数のセンサを備える。いくつかの実施形態では、センサ18は、1つ又は複数のパラメータに関係する出力信号を間接的に(例えば、システム10の内部又は外部のその他のセンサ又はその他のコンポーネントからの測定値を介して)生成する、1つ又は複数のセンサを備える。いくつかの実施形態では、センサ18は、対象者12の生理学的パラメータに関係する出力信号を生成するように構成された、1つ又は複数のセンサを備える。例えば、対象者の心臓パラメータを測定するための心拍センサ、対象者の動きを検出するための運動センサ、加速度計、オキシメータ、オーディオセンサ、ビデオセンサ(カメラ)、及び/又はその他のセンサを備える。
【0021】
[24] センサ18は、システム10の内部又は外部の複数の場所に配置されたセンサを含む。例えば、いくつかの実施形態では、センサ18は、代謝モニタ16及び/又はCO2モニタ17に含まれる。例えば、センサ18は、対象者12と直接結合されたセンサ、対象者12の方を向くように位置づけられたセンサ(例えば、カメラ)、及び/又は他の場所にあるセンサを含む。
【0022】
[25] プロセッサ20は、システム10において情報処理能力を提供するように構成されている。そのようにして、プロセッサ20は、ディジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、及び情報を処理するために設計されたディジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン、及び/又は情報を電子的に処理するための他の機構の内の1つ又は複数を含む。プロセッサ20は、図1において単一の実在として示されているが、これは説明目的にすぎない。いくつかの実施形態では、プロセッサ20は、複数の処理ユニットを含む。これらの処理ユニットは、物理的に同一の装置(例えば、サーバ)内部に位置するか、又はプロセッサ20は、協調して動作する複数の装置(例えば、1つ又は複数のサーバ、ユーザと関連する1つ又は複数の計算装置24、医療装置、センサ18、代謝モニタ、1つの病院機器、外部リソース14の一部である装置、電子記憶装置22、及び/又はその他の装置)の処理機能を表わす。
【0023】
[26] 図1に示されるように、プロセッサ20は、1つ又は複数のコンピュータプログラムコンポーネントを実行するように構成されている。1つ又は複数のコンピュータプログラムコンポーネントは、対象者情報コンポーネント28、代謝モニタコンポーネント30、CO2モニタコンポーネント32、補正係数決定コンポーネント36、補正コンポーネント38、及び/又はその他のコンポーネントの内の1つ又は複数を含む。プロセッサ20は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア、及び/又はファームウェアのいくつかの組合せ;並びに/或いはプロセッサ20上の処理能力を構成するための他のメカニズムによって、コンポーネント28、30、32、36、38及び/又はその他のコンポーネントを実行するように構成されている。
【0024】
[27] コンポーネント28、30、32、36、及び38は、単一の処理ユニット内で同じ位置にあるものとして図1に示されているが、プロセッサ20が複数の処理ユニットを含む実施形態では、コンポーネント28、30、32、36、38、及び/又はその他のコンポーネントの内の1つ又は複数が、他のコンポーネントから離れた位置に配置されてもよいことを理解されたい。以下に記載する異なるコンポーネント28、30、32、36、38及び/又は他のコンポーネントによって提供される機能性の説明は、例示を目的としたものであり、コンポーネント28、30、32、36、及び/又は38のいずれかが記載されているよりも多いか、又は少ない機能性を提供し得るので、限定することを意図するものではない。例えば、コンポーネント28、30、32、36、及び/又は38の1つ又は複数が排除されてもよく、その機能の一部又は全部が、他のコンポーネント28、30、32、36、及び/又は38によって提供されてもよい。別の例として、プロセッサ20は、コンポーネント28、30、32、36、及び/又は38の内の1つに帰属される機能の一部又は全部を実行し得る1つ又は複数の追加コンポーネントを実行するように構成されている。
【0025】
[28] 対象者情報コンポーネント28は、いくつかの実施形態では、対象者12に関係した情報を決定(且つ/又は取得)するように構成されている。いくつかの実施形態では、対象者情報コンポーネント28は、対象者のブリージングパラメータに関係した情報を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、対象者のブリージングパラメータに関係した情報が、代謝モニタ16、及び/又はCO2モニタ17から取得(決定)される。いくつかの実施形態では、ブリージングパラメータ情報は、吸入流量、呼出流量、吸入体積、呼出体積、圧力、湿度、温度、加速度、速度、ガス成分濃度(例えば、O2濃度、CO2濃度、その他)、及び/又は呼吸可能なガスのその他のパラメータの内の1つ又は複数を含む。対象者12の呼吸に関係したブリージングパラメータは、一回換気量、タイミング(例えば、吸入の開始及び/又は終了、呼出の開始及び/又は終了、等)、吸入流量、呼出流量、呼吸速度、呼吸気流、持続時間(例えば、吸入、呼出、ブリージングサイクル、等)、呼吸頻度、ブリージングの努力、呼出及び吸入ガスの成分濃度(例えば、O2濃度、CO2濃度、等)、及び/又は他のブリージングパラメータを含む。いくつかの実施形態では、対象者のブリージングパラメータは、センサ18からの出力信号に基づいて決定される。
【0026】
[29] いくつかの実施形態では、対象者12に関係する情報は、経歴情報を含む。例えば、経歴情報は、人口統計情報(例えば、性別、民族性、年齢、等)、バイタルサイン情報(例えば、心拍数、温度、呼吸数、体重、BMI、等)、医学的/健康状態情報(例えば、疾患種類、疾患の重症度、疾患の段階、疾患の分類、症状、行動、再入院、再発、等)、治療履歴情報(例えば、治療の種類、治療の期間、現在及び過去の投薬、等)、及び/又はその他の情報を含む。いくつかの実施形態では、対象者情報コンポーネント28は、以前のブリージングパラメータ(例えば、以前のモニタリングセッション、及び/又は以前の測定)に関係する情報を含む。
【0027】
[30] いくつかの実施形態では、対象者情報コンポーネント28は、その他の対象者に関係する情報を決定する(且つ/又は取得する)ように構成されている。例えば、類似のブリージングパラメータ情報、人口統計情報、バイタルサイン情報、医学的/健康状態情報、治療歴情報、及び/又は対象者12とのその他の類似性を有する対象者。なお、上述した対象者情報は限定を意図するものではない。対象者に関係する多数の情報が存在することがあり、いくつかの実施形態によるシステム10と共に使用される。例えば、ユーザは、システム10をカスタマイズすることを選び、関連があると考える任意のタイプの対象者データを含めてもよい。いくつかの実施形態では、対象者情報コンポーネント28は、(例えば、電子記憶装置22、外部リソース14、1つ又は複数の医療装置、その他の内部又は外部データベース、及び/又はその他の情報源に含まれる)1つ又は複数のデータベースからの情報を取得/抽出するように構成されている。
【0028】
[31] 代謝モニタリングコンポーネント30は、代謝モニタ16からの情報を取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、代謝モニタからの情報はブリージングガスパラメータに関係していることがある。例えば、いくつかの実施形態では、代謝モニタからの情報は、対象者による呼出ガス中のO2濃度、対象者による呼出ガス中のCO2濃度、対象者によるO2消費(VO2)、対象者によるCO2体積生成量(VCO2)、吸入及び/又は呼出ガスの流量、及び/又はその他のブリージングガスパラメータを含む。
【0029】
[32] いくつかの実施形態では、代謝モニタリングコンポーネント30は、(例えば、システム10の内部又は外部のコンポーネントからの)1つ又は複数のガスパラメータを受信して、決定且つ/又は取得するように構成されている。1つ又は複数のパラメータは、センサ18からの出力信号に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、代謝モニタリングコンポーネント30は、対象者12の呼吸に関係した1つ又は複数のブリージングパラメータ、システム10内部の呼吸可能なガスの1つ又は複数のパラメータ、(例えば、呼吸装置によって送達される呼吸可能なガスの流れに関係したパラメータ)、対象者12の1つ又は複数の生理学的パラメータ、及び/又はその他のパラメータを決定するように構成されている。対象者12の呼吸に関係したブリージングパラメータは、個々の息の開始及び/又は終了を含む。いくつかの実施形態では、ブリージングパラメータは、一回換気量、タイミング(例えば、吸入の開始及び/又は終了、呼出の開始及び/又は終了、等)、呼吸速度、(例えば、吸入、呼出、単一のブリージングサイクル、等の)持続時間、呼吸気流、ブリージング努力、呼吸頻度、及び/又はその他のブリージングパラメータを含む。対象者に送達された呼吸可能なガスの流れの1つ又は複数のガスパラメータは、例えば、流量、心拍数、体積、圧力、湿度、温度、加速度、速度、及び/又はその他のガスパラメータの内の1つ又は複数を含む。生理学的パラメータは、酸素計測法パラメータ、脈拍、温度、血圧、運動、及び/又はその他の生理学的パラメータを含む。
【0030】
[33] いくつかの実施形態では、代謝モニタリングコンポーネント30は、1つ又は複数のセンサ18からの出力信号に基づいて呼出ガスの流量を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、代謝モニタリングコンポーネント30は、吸入流量、呼出流量、及び/又はインターフェイス機器内部のその他のガス流量を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、呼出流量全体が決定される。いくつかの実施形態では、代謝モニタリングコンポーネント30は、呼出ガスの一部分の流量を決定するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、(全呼出ガスが収集された後に)呼出ガスがサンプリングされる。例えば、いくつかの実施形態では、サンプルは、さらなる測定(例えば、O2及びCO2の濃度測定)のために混合チャンバへと誘導された流れの一定部分である。いくつかの実施形態では、代謝モニタリングコンポーネント30は、吸入された空気の体積、及び/又は呼出された空気の体積を決定するように構成されている。
【0031】
[34] CO2モニタリングコンポーネント32は、CO2モニタからの情報を取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、CO2モニタからの情報は、ブリージングガスパラメータに関係する。例えば、いくつかの実施形態では、CO2モニタからの情報は、対象者による呼出ガスにおけるCO2濃度、対象者によるCO2体積生成量(VCO2)、吸入ガス及び/又は呼出ガスの流量、並びに/或いはその他のブリージングガスパラメータを含む。
【0032】
[35] いくつかの実施形態では、CO2モニタリングコンポーネント32は、(例えば、システム10の内部又は外部のコンポーネントからの)1つ又は複数のガスパラメータを受け取り、決定し、且つ/又は取得するように構成されている。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のパラメータは、センサ18からの出力信号に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、CO2モニタリングコンポーネント32は、対象者12の呼吸に関係した1つ又は複数のブリージングパラメータ、システム10内部の呼吸可能なガスの1つ又は複数のパラメータ、(例えば、呼吸装置によって送達される呼吸可能なガスの流れに関係したパラメータ)、対象者12の1つ又は複数の生理学的パラメータ、及び/又はその他のパラメータを決定するように構成されている。対象者の呼吸に関係したブリージングパラメータは、個々の息の開始及び/又は終了を含む。いくつかの実施形態では、ブリージングパラメータは、一回換気量、タイミング(例えば、吸入の開始及び/又は終了、呼出の開始及び/又は終了、等)、呼吸速度、(例えば、吸入、呼出、単一のブリージングサイクル、等の)持続時間、呼吸気流、ブリージング努力、呼吸頻度、及び/又はその他のブリージングパラメータを含む。対象者に送達された呼吸可能なガスの流れの1つ又は複数のガスパラメータは、例えば、流量、体積、圧力、湿度、温度、加速度、速度、及び/又はその他のガスパラメータの内の1つ又は複数を含む。生理学的パラメータは、酸素計測法パラメータ、脈拍、温度、血圧、運動、及び/又はその他の生理学的パラメータを含む。
【0033】
[36] いくつかの実施形態では、CO2モニタリングコンポーネント32は、1つ又は複数のセンサ18からの出力信号に基づいて呼出ガスの流量を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、CO2モニタリングコンポーネント32は、吸入流量、呼出流量、及び/又はインターフェイス機器内部のその他のガス流量を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、呼出流量全体が決定される。いくつかの実施形態では、CO2モニタリングコンポーネント32は、呼出ガスの一部分の流量を決定し、センサ18からの出力信号に基づいて1つ又は複数のブリージングガスパラメータを決定するように構成されている。
【0034】
[37] 補正係数決定コンポーネント36は、代謝モニタリングコンポーネント30からのVO2及びVCO2情報と、CO2モニタリングコンポーネント32からのVCO2情報とを受け取るように構成されている。いくつかの実施形態では、補正係数決定コンポーネント36は、代謝モニタリングコンポーネント30から受信したVCO2情報と、CO2モニタリングコンポーネント32からのVCO2情報とに基づいて、補正係数を決定するように構成されている。CO2モニタからの測定値が、VCO2及びVO2の代謝モニタリング測定値の精度を向上させるために使用される。いくつかの実施形態では、補正係数が、代謝モニタからのVO2測定へ適用される。この補正は、患者の代謝要求を理解するのに必要な、このようなバイタルサインの精度を向上させる。
【0035】
[38] いくつかの実施形態では、補正係数は、CO2モニタからのVCO2と、代謝モニタからのVCO2との商として計算される。補正コンポーネント38は、補正係数決定コンポーネント36から決定された補正係数を受信するように構成されている。いくつかの実施形態では、補正コンポーネント38は、補正係数に基づいて、対象者により消費された補正O2(VO2)を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、補正VO2は、代謝モニタからのVO2と、補正係数との積である。補正されたVO2は、代謝モニタによって分析されたガスが呼出肢(exhalation limb)においてサンプリングされる場合に、患者によって呼出される、O2の毎秒当りの体積を表わす。患者によって消費されたVO2を計算するために、代謝モニタからの補正された測定値が、(例えば、ベンチレータを介して)患者に供給されたVO2から、差し引かれる。
【0036】
[39] 図2は、補正係数を決定するモデルの例200を示す。いくつかの実施形態では、モデル200は、システム10の1つ又は複数のコンポーネントによって実行される。いくつかの実施形態では、モデル200は、プロセッサ20の1つ又は複数のコンポーネントによって実行される。(図1におけるCO2モニタ17に類似する)CO2モニタからのVCO2側定値212が、モデル216に入力される。(図1における代謝モニタ16に類似する)代謝モニタからのVO2及びVCO2の測定値214が、モデル216に入力される。モデル216は、2つのモニタからVCO2測定値を受け取り、それを補正係数を計算するのに使用するように構成されている。補正係数は、代謝モニタからのVO2測定値に適用される。補正係数は、CO2モニタからのVCO2と、代謝モニタからのVCO2との商として計算される。対象者によって消費される補正O2(VO2)は、補正係数に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、補正VO2は、代謝モニタからのVO2と、補正係数との積である。
【0037】
[40] いくつかの実施形態では、補正係数は、機械式換気の下での患者のシミュレーションに基づくモデルを使用して計算される。このモデルにおいて、O2消費とCO2生成の異なる値がシミュレーションされる。特に、300ml/minのCO2を生成し、300ml/minのO2を消費する、患者のシミュレーションが行われる。図3は、シミュレーションされたモデルを使用して決定されたVCO2と、CO2モニタを使用して決定されたVCO2とを時間経過に対して表わすプロットの例300を示す。黄色で示されているのは、シミュレーションモデルを使用して患者によって生成された測定値310である。緑で示されているのは、CO2モニタ(例えば、カプノグラフ)からの測定値312である。グラフ300から分かるように、2つの測定値は近似している。図4は、理想的な比例サンプリング方式を使用する代謝モニタリング装置を用いて決定されたVCO2と、同じ代謝モニタリング装置であるが、時間経過に対する可変サンプリングによる、VCO2測定値とを表わすプロットの例400を示す。青で示されているのは、時間経過に対して理想的な比例サンプリング方式を使用する代謝モニタからの測定値414である。赤で示されているのは、同じ代謝モニタからであるが、時間経過に対して(対象流れの振幅に応じて)1.5%から5%まで変化するサンプリングによる、測定値416である。これらの2つの測定値が、約10%異なる様子が観察可能である。この差異から、代謝モニタからのVO2測定値を補正するのに使用される補正係数が決定される。
【0038】
[41] 図5に、VO2測定値を表わすプロットの例500を示す。緑で示されているのは、理想的な比例サンプリング方式を使用する代謝モニタからの測定値515である。明るい青で示されているのは、より現実的なサンプリングによる代謝モニタからの測定値517である。暗い赤で示されているのは、補正係数で調節された、1つ又は複数のより現実的な代謝モニタからの測定値519である。図5から分かるように、より現実的な比例サンプリングを使用する代謝モニタからの測定値は、約10%の不正確さがある。それにもかかわらず、CO2モニタからのVCO2と、同じ代謝モニタからのVCO2とを使用して計算された補正係数を使用すると、不正確さが0.3%に低減された。
【0039】
[42] 図1に戻ると、システム10は、外部リソース14、電子記憶装置22、クライアント計算プラットフォーム24、ネットワーク26、及び/又はすべてがネットワーク26を介して通信可能に結合されている、その他コンポーネント、の内の1つ又は複数を含む。
【0040】
[43] 外部リソース14は、患者及び/又はその他の情報のソースを含む。いくつかの実施形態では、外部リソース14は、データベース、ウェブサイト、等のその他の情報、システム10に参加する外部エンティティ(例えば、患者の集団に対する医療履歴情報を保管するヘルスケアプロバイダの医療記録システム)、システム10の外部の1つ又は複数のサーバ、ネットワーク(例えば、インターネット)、電子記憶装置、Wi-Fi技術に関係する機器、Bluetooth(登録商標)に関係する機器、データエントリデバイス、センサ、スキャナ、及び/又はその他のリソース等の、患者及び/又はその他の情報のソースを含む。いくつかの実施形態では、本明細書において外部リソース14に帰する機能性の一部又は全部は、システム10に含まれるリソースによって提供される。外部リソース14は、有線及び/又は無線接続を介して、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク及び/又はインターネット)を介して、セルラー技術を介して、Wi-Fi技術を介して、及び/又はその他のリソースを介して、プロセッサ20、計算装置24、電子記憶装置22、及び/又はシステム10のその他のコンポーネントと通信するように構成されている。
【0041】
[44] 電子記憶装置22は、電子的に情報を記憶する電子記憶媒体を含む。電子記憶装置22の電子記憶媒体は、システム10と一体に設けられる(即ち実質的に取り外し不能である)システム記憶と、例えば、ポート(例えば、USBポート、Firewireポート、等)又はドライブ(例えば、ディスクドライブ、等)を介してシステム10に取り外し可能に接続可能である、リムーバブルストレージとの、一方又は両方を含む。電子記憶装置22は、(全体的に、又は部分的に)システム10内部で別個のコンポーネントであるか、又は電子記憶装置22は、(全体的に、又は部分的に)システム10の1つ又は複数のその他のコンポーネント(例えば、計算装置18、プロセッサ20、等)と一体的に設けられる。いくつかの実施形態では、電子記憶装置22は、プロセッサ20と一緒にサーバ内に、外部リソース14の部分であるサーバ内に、計算装置24内に、及び/又はその他の場所に位置する。電子記憶装置22は、光学的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、光ディスク、等)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブ、等)、電荷ベースの記憶媒体(例えば、EPROM、RAM、等)、ソリッドステート記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ等)、及び/又はその他の電子的に読み取り可能な記憶媒体、の内の1つ又は複数を含む。電子記憶装置22は、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ20によって決定された情報、計算装置24及び/又はグラフィカルユーザインターフェイス40及び/又は他の外部計算システムを介して受信された情報、外部リソース14、センサ18から受信した情報、及び/又はシステム10が本明細書に記載されるように機能することを可能にするその他の情報を記憶することができる。
【0042】
[45] クライアント計算プラットフォーム24は、対象者12、介護者(例えば、医師、看護師、友人、家族など)、患者、及び/又はその他のユーザと、対象者12及び/又はその他のユーザが、それを通してシステム10に情報を提供し、且つシステム10から情報を受け取ることができるシステム10との間のインターフェイスを提供するように構成されている。例えば、クライアント計算プラットフォーム24は、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ18、プロセッサ20からの出力の表現(例えば、プロット、2D/3D画像、ビデオ、オーディオ、テキストなど)をユーザに表示する。これにより、データ、キュー、結果、指示、及び/又は、総称して「情報」と呼ばれる、その他任意の通信可能な項目を、ユーザ(例えば、対象者12、医師、介護者、及び/又は他のユーザ)と、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ18、プロセッサ20、電子記憶22、及び/又はシステム10のその他のコンポーネントの内の1つ又は複数との間で通信させることを可能にする。
【0043】
[46] いくつかの実施形態では、計算装置24が、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ18、プロセッサ20、又はシステム10のその他のコンポーネントの中に含まれる。いくつかの実施形態では、個々の計算装置24は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、医療デバイス、及び/又は対象者12、個々の介護者、患者、及び/又はその他のユーザに関連する、その他の計算装置に含まれる。いくつかの実施形態では、個々の計算装置24は、病院、医師のオフィス、及び/又は患者に対するその他の医療施設、試験設備、患者を治療するための設備、データ入力設備、及び/又はその他の装置に含まれる。
【0044】
[47] いくつかの実施形態では、計算装置24は、介護者、患者、及び/又はその他のユーザと情報の授受をするように構成されている。例えば、計算装置24は、データ分析、及び/又はその他の情報の表示表現を容易化するために、グラフィカルユーザインターフェイス40を提示するように構成されている。いくつかの実施形態では、クライアント計算プラットフォーム24は、複数の別個のインターフェイスを備える。いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインターフェイス40は、計算装置24、プロセッサ20、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ18、及び/又はシステム10のその他のコンポーネントに関連する複数の別個のインターフェイス;介護者、患者、及び/又はその他のユーザとの間で情報の伝達及び/又は情報の受信を行うように構成された複数のビュー及び/又はフィールド;及び/又は他のインターフェイスを含む。
【0045】
[48] いくつかの実施形態では、計算装置24は、グラフィカルユーザインターフェイス40、処理能力、データベース、及び/又は電子記憶をシステム10に提供するように構成されている。従って、計算装置24は、プロセッサ20、電子記憶22、外部リソース14、及び/又は(例えば、同じハウジング内の)システム10のその他のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態では、計算装置24は、ネットワーク(例えば、ネットワーク26、インターネット、等)に接続されている。いくつかの実施形態では、計算装置24は、プロセッサ20、電子記憶22、外部リソース14、及び/又はシステム10のその他のコンポーネントを含まないが、その代わりに、ネットワークを介してこれらのコンポーネントと通信する。ネットワークへの接続は、無線又は有線である。例えば、プロセッサ20はリモートサーバ内に位置して、計算装置24上で介護者に対してグラフィカルユーザインターフェイス40の表示を無線で生じさせる。
【0046】
[49] 上述のように、いくつかの実施形態では、個々の計算装置24は、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、及び/又はその他の計算装置である。個々の計算装置24内に含めるのに適するインターフェイス装置の例としては、タッチスクリーン、キーパッド、タッチセンシティブ及び/又は物理ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイ、スピーカー、マイク、インジケータライト、可聴アラーム、プリンタ、及び/又はその他のインターフェイス装置が挙げられる。本開示はまた、個々の計算装置24が、リムーバルストレージインターフェイスを含むことを企図する。この例においては、介護者、患者、及び/又はその他のユーザが計算装置24の実装をカスタマイズすることを可能にする、リムーバブルストレージ(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブルディスク、等)から、計算装置24中に情報がロードされる。計算装置24での使用に適合された、その他の例示的な入力装置及び技法としては、それに限定はされないが、RS-232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル、等)、及び/又はその他の装置が挙げられる。
【0047】
[50] ネットワーク26は、インターネット及び/又はその他のネットワーク、例えば、ローカルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、イントラネット、近距離無線通信、周波数(RF)リンク、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、及び/又は任意のタイプの有線又は無線ネットワークを含む。このような例は、限定的あることを意図するものではなく、本開示の範囲は、外部リソース14、代謝モニタ16、CO2モニタ17、センサ18、プロセッサ20、電子記憶22、及び/又はクライアント計算プラットフォーム24が、その他のいくつかの通信媒体を介して動作可能にリンクされている、実施形態を含む。
【0048】
[51] 図6は、代謝測定値の予測を容易化するための方法600を示す。このシステムは、1つ又は複数のセンサ、1つ又は複数の物理的コンピュータプロセッサ、及び/又はその他のコンポーネントを備える。1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数のコンピュータプログラムコンポーネントを実行するように構成されている。1つ又は複数のコンピュータプログラムコンポーネントは、対象者情報コンポーネント28、サンプリングコンポーネント30、検出コンポーネント32、予測コンポーネント、リスクコンポーネント36、制御コンポーネント38、及び/又はその他のコンポーネントを含む。以下に提示される方法600の動作は、例示を意図するものである。いくつかの実施形態では、方法600は、記載されていない1つ又は複数の追加の動作を用いて、及び/又は考察された動作の内の1つ又は複数を用いずに達成され得る。さらに、方法600の動作が図6に例示されている順序であって、以下に説明される順序は、限定的であることを意図していない。
【0049】
[52] いくつかの実施形態では、方法600は、1つ又は複数の装置(例えば、ディジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたディジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン及び/又は電子的に情報を処理するためのその他の機構)に実装される。1つ又は複数の処理装置は、電子記憶媒体上に電子的に記憶された命令に応答して、方法600の動作の一部又は全部を実行する1つ又は複数の装置を含む。1つ又は複数の処理装置は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを介して、方法600の動作の1つ又は複数を実行するために専用に設計されるように構成された、1つ又は複数の装置を含む。
【0050】
[53] 動作602において、対象者による呼出ガスの一部分のO2及びCO2の第1の濃度測定値が決定される。いくつかの実施形態では、動作602は、(図1に示されて、本明細書において説明された)代謝モニタ16と同様の、又はそれに類似する、代謝モニタによって行われる。
【0051】
[54] 動作604において、対象者の第1のO2消費速度VO2及び第1のCO2体積生成量VCO2が、決定された呼出ガスの第1のCO2濃度と、決定された呼出ガスの第1のO2濃度に基づいて、決定される。いくつかの実施形態では、動作604は、(図1に示し、本明細書において説明された)代謝モニタ16と同様の、又はそれに類似の代謝モニタによって実施される。
【0052】
[55] 動作606において、呼出ガスにおける第2のCO2濃度が測定される。いくつかの実施形態では、動作606は、(図1に示されて本明細書において説明された)CO2モニタ17と同様の、又はそれに類似のCO2モニタによって実施される。
【0053】
[56] 動作608において、測定されたCO2濃度に基づく対象者の第2のCO2体積生成量VCO2が決定される。いくつかの実施形態では、動作608は、(図1に示し、本明細書で説明された)CO2モニタ17と同様の、又はそれに類似する、CO2モニタによって実施される。
【0054】
[57] 動作610において、決定された第1のVCO2と、第2のVCO2とに基づいて、補正係数が決定される。いくつかの実施形態では、動作610は、(図1に示し、本明細書で説明された)補正係数決定コンポーネント36と同様の、又はそれに類似のコンピュータプロセッサコンポーネントによって実施される。
【0055】
[58] 動作612において、補正係数と第1のVO2とを使用して、補正された第1のVO2が決定される。いくつかの実施形態では、動作612は、(図1に示し、本明細書で説明された)補正コンポーネント38と同様の、又はそれに類似のコンピュータプロセッサコンポーネントによって実施される。
【0056】
[59] 特許請求の範囲において、括弧の間におかれた参照記号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。用語「備える」又は「含む」は、請求項において列挙されたものとは別の要素又はステップの存在を除外するものではない。数個の手段を列挙する装置クレームにおいて、これらの数個の手段は、同一のハードウェアアイテムによって具現化され得る。単数形の要素は、複数のそのような要素の存在を除外しない。数個の手段を列挙する、いかなる装置クレームにおいても、これらの数個の手段は、同一のハードウェアアイテムによって具現化され得る。決定の要素が、互いに異なる従属請求項に記載されているという事実だけでは、これらの要素は組み合わせて使用することができないことを示すものではない。
【0057】
[60] 上記に提供された説明は、現在最も実用的で好ましい実施形態であると考えられているものに基づいて例示の目的で詳細を提供するが、そのような詳細はそのような目的のためだけのものであり、本開示は、明示的に開示された実施形態に限定されるものではなく、逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内にある修正形態及び等価な配設にも及ぶことを意図していることを理解されたい。例えば、本開示は、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴を、可能な範囲で、任意その他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせることができることを企図していると理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6