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特許7391295情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20230101AFI20231128BHJP
【FI】
G06Q30/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020095156
(22)【出願日】2020-05-31
(65)【公開番号】P2021189814
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】福田 智史
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-125046(JP,A)
【文献】特開2019-175249(JP,A)
【文献】特表2018-515873(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のプロジェクトに、調達する資金の目標額および終了期限を関連付けて記憶する記憶部と、
ユーザによって操作されるユーザ端末から前記第一のプロジェクトへの前記資金の提供を受け付ける受付部と、
前記終了期限を過ぎた場合に、前記受付部が受け付けた前記資金の総額が前記目標額に達したか否かを判定する判定部と、
前記資金の総額が前記目標額に達したと前記判定部により判定された場合に、前記受付部により受け付けられた前記資金の決済を確定させる確定部と、
前記資金の総額が前記目標額に達していないと前記判定部により判定された場合に、前記第一のプロジェクトに資金を提供した前記ユーザを第一のユーザグループに関連付けて、前記第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として前記記憶部に記憶させる関連付け部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理システムは、さらに、
前記第一のプロジェクトとは異なりかつ、資金の提供を受け付け可能な第二のプロジェクトを特定するプロジェクト特定部と、
前記プロジェクト特定部により特定された前記第二のプロジェクトに関する情報を前記活用情報として、前記第一のユーザグループに含まれるユーザにより操作される前記ユーザ端末に送信する第一送信部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記関連付け部は、さらに、前記第一のユーザグループに前記第一のプロジェクトに付された少なくとも一の属性情報を関連付けて前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記プロジェクト特定部は、前記第二のプロジェクトとして、前記第一のユーザグループに関連付けられた属性情報の少なくとも一つが付されたプロジェクトを抽出することを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記プロジェクト特定部は、前記第二のプロジェクトとして、当該第二のプロジェクトに関連付けて記憶された終了期限までの残り期間が所定期間以下または所定期間以上であるプロジェクトを抽出することを特徴とする請求項2、3または4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記プロジェクト特定部は、前記第二のプロジェクトとして、当該第二のプロジェクトに関連付けて記憶された目標金額までの金額が所定金額以下のプロジェクトを抽出することを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理システムは、さらに、
前記受付部が、前記第一送信部により前記活用情報が送信された前記ユーザ端末から前記第二のプロジェクトへの資金の提供を受け付けた場合、前記ユーザ端末により前記第一のプロジェクトへ提供された資金を、前記第二のプロジェクトへ提供された資金として支援先を変更する変更部を備えることを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記情報処理システムは、さらに、
前記第二のプロジェクトへの資金の提供指示を示した前記ユーザに対し、所定の特典を付与する特典付与部を備えることを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理システムは、さらに、
広告に関するコンテンツを特定するコンテンツ特定部と、
前記コンテンツ特定部により特定された前記コンテンツを前記活用情報として、前記第一のユーザグループに含まれるユーザにより操作される前記ユーザ端末に送信する第二送信部と
を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記活用情報には、予め設定された広告に関するコンテンツが含まれることを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
ユーザによって操作されるユーザ端末から、調達する資金の目標額および終了期限が関連付けられた第一のプロジェクトへの前記資金の提供を受け付ける受付ステップと、
前記終了期限を過ぎた場合に、前記受付ステップにおいて受け付けた前記資金の総額が前記目標額に達したか否かを判定する判定ステップと、
前記資金の総額が前記目標額に達したと前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記受付ステップにおいて受け付けられた前記資金の決済を確定させる確定ステップと、
前記資金の総額が前記目標額に達していないと前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記第一のプロジェクトに資金を提供した前記ユーザを第一のユーザグループに関連付けて、前記第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として所定の記憶部に記憶させる関連付けステップと
を実行する情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
第一のプロジェクトに、調達する資金の目標額および終了期限を関連付けて所定の記憶部に記憶する記憶機能と、
ユーザによって操作されるユーザ端末から前記第一のプロジェクトへの前記資金の提供を受け付ける受付機能と、
前記終了期限を過ぎた場合に、前記受付機能により受け付けた前記資金の総額が前記目標額に達したか否かを判定する判定機能と、
前記資金の総額が前記目標額に達したと前記判定機能により判定された場合に、前記受付機能により受け付けられた前記資金の決済を確定させる確定機能と、
前記資金の総額が前記目標額に達していないと前記判定機能により判定された場合に、前記第一のプロジェクトに資金を提供した前記ユーザを第一のユーザグループに関連付けて、前記第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として前記記憶部に記憶させる関連付け機能と
を実現させるコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドファンディングに関する技術開発が盛んに行われている。クラウドファンディングは、ウェブ上の決済機能等を利用してユーザから提供された資金を、資金を求めるユーザに提供するものである。
【0003】
一般的に、プロジェクトの種類には、「実行確約型」と「達成時実行型」がある(非特許文献1等)。
【0004】
「実行確約型」とは、参加希望者によって支払われる参加代金の合計金額にかかわらず、参加者の募集が開始された時点でプロジェクトの実行が確約されているプロジェクトの種類である。
【0005】
「達成時実行型」とは、参加希望者によって支払われる参加代金の合計金額につき一定の目標額が設定され、プロジェクトの開始時に設定された募集期間内に当該目標額に達成された場合にのみプロジェクトが成立し、未達成となった場合には、プロジェクトが不成立となるプロジェクトの種類である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】11-2.達成時実行型と実行確約型の違いは何ですか?[online],Fanbeats運営事務局,[2020年3月23日検索]、(Fanbeats support>プロジェクト>11.プロジェクトの参加)、インターネット<URL: https://faq.fanbeats.jp/hc/ja>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常、「達成時実行型」のプロジェクトが不成立となった場合、参加代金の支払いは自動的にキャンセルされる。
【0008】
そのため、参加者の参加代金の支払い意欲を無駄にしてしまうという問題があった。
【0009】
そこで、本開示の目的は、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することである。
【0010】
本開示のより具体的な目的の一つは、クラウドファンディングにおけるプロジェクトへの参加者の参加代金の支払い意欲を無駄にしない情報処理システム、情報処理方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本における情報処理システムは、第一のプロジェクトに、調達する資金の目標額および終了期限を関連付けて記憶する記憶部と、ユーザによって操作されるユーザ端末から第一のプロジェクトへの資金の提供を受け付ける受付部と、終了期限を過ぎた場合に、受付部が受け付けた資金の総額が目標額に達したか否かを判定する判定部と、資金の総額が目標額に達したと判定部により判定された場合に、受付部により受け付けられた資金の決済を確定させる確定部と、資金の総額が目標額に達していないと判定部により判定された場合に、第一のプロジェクトに資金を提供したユーザを第一のユーザグループに関連付けて、第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として記憶部に記憶させる関連付け部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本開示における情報処理システムは、さらに、第一のプロジェクトとは異なりかつ、資金の提供を受け付け可能な第二のプロジェクトを特定するプロジェクト特定部と、プロジェクト特定部により特定された第二のプロジェクトに関する情報を活用情報として、第一のユーザグループに含まれるユーザにより操作されるユーザ端末に送信する第一送信部とを備えることができる。
【0013】
関連付け部は、さらに、第一のユーザグループに第一のプロジェクトに付された少なくとも一の属性情報を関連付けて記憶部に記憶させることができる。
【0014】
プロジェクト特定部は、第二のプロジェクトとして、第一のユーザグループに関連付けられた属性情報の少なくとも一つが付されたプロジェクトを抽出することができる。
【0015】
プロジェクト特定部は、第二のプロジェクトとして、当該第二のプロジェクトに関連付けて記憶された終了期限までの残り期間が所定期間以下または所定期間以上であるプロジェクトを抽出することができる。
【0016】
プロジェクト特定部は、第二のプロジェクトとして、当該第二のプロジェクトに関連付けて記憶された目標金額までの金額が所定金額以下のプロジェクトを抽出することができる。
【0017】
本開示における情報処理システムは、さらに、受付部が、第一送信部により活用情報が送信されたユーザ端末から第二のプロジェクトへの資金の提供を受け付けた場合、ユーザ端末により第一のプロジェクトへ提供された資金を、第二のプロジェクトへ提供された資金として支援先を変更する変更部を備えることができる。
【0018】
本開示における情報処理システムは、さらに、第二のプロジェクトへの資金の提供指示を示したユーザに対し、所定の特典を付与する特典付与部を備えることができる。
【0019】
本開示における情報処理システムは、さらに、広告に関するコンテンツを特定するコンテンツ特定部と、コンテンツ特定部により特定されたコンテンツを活用情報として、第一のユーザグループに含まれるユーザにより操作されるユーザ端末に送信する第二送信部とを備えることができる。
【0020】
活用情報には、予め設定された広告に関するコンテンツが含まれることができる。
【0021】
本開示における情報処理方法は、ユーザによって操作されるユーザ端末から、調達する資金の目標額および終了期限が関連付けられた第一のプロジェクトへの資金の提供を受け付ける受付ステップと、終了期限を過ぎた場合に、受付ステップにおいて受け付けた資金の総額が目標額に達したか否かを判定する判定ステップと、資金の総額が目標額に達したと判定ステップにおいて判定された場合に、受付ステップにおいて受け付けられた資金の決済を確定させる確定ステップと、資金の総額が目標額に達していないと判定ステップにおいて判定された場合に、第一のプロジェクトに資金を提供したユーザを第一のユーザグループに関連付けて、第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として所定の記憶部に記憶させる関連付けステップとを実行することを特徴とする。
【0022】
本開示におけるコンピュータプログラムは、コンピュータに、第一のプロジェクトに、調達する資金の目標額および終了期限を関連付けて所定の記憶部に記憶する記憶機能と、ユーザによって操作されるユーザ端末から第一のプロジェクトへの資金の提供を受け付ける受付機能と、終了期限を過ぎた場合に、受付機能により受け付けた資金の総額が目標額に達したか否かを判定する判定機能と、資金の総額が目標額に達したと判定機能により判定された場合に、受付機能により受け付けられた資金の決済を確定させる確定機能と、資金の総額が目標額に達していないと判定機能により判定された場合に、第一のプロジェクトに資金を提供したユーザを第一のユーザグループに関連付けて、第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として記憶部に記憶させる関連付け機能とを実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本開示によれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0024】
具体的には、本開示によれば、クラウドファンディングにおけるプロジェクトへの参加者の参加代金の支払い意欲を無駄せずに活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示におけるプロジェクトページに表示される画面の一例を示す概念図である。
図2】本開示における支援額選択ページに表示される画面の一例を示す概念図である。
図3】本開示における情報処理システムの実施形態の一例を示すシステム構成図である。
図4】本開示における情報処理システムのサーバ装置のハードウェア構成図である。
図5】本開示における情報処理システムの構成の一例を示す構成図である。
図6】本開示におけるプロジェクトテーブルのデータ構成の一例を示す概念図である。
図7】本開示におけるリターンテーブルのデータ構成の一例を示す概念図である。
図8】本開示におけるグループテーブルのデータ構成の一例を示す概念図である。
図9】本開示における情報処理システムの構成の他の例を示す構成図である。
図10】本開示における情報処理方法のフローの一例を示すフロー図である。
図11】本開示におけるンピュータプログラムを実行するための回路構成の一例を示す回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示における情報処理システムの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
本開示における情報処理システムは、一例として、プロジェクトの起案者であるクリエータとそのファンとを繋ぐプラットフォームを提供する。かかるプラットフォームにより提供されるウェブサイトは、クラウドファンディングサイトまたはEC(electronic commerce)サイトとして機能することができる。
【0028】
クラウドファンディングには、主に「購入型プロジェクト」、「投資型プロジェクト」、「寄付型プロジェクト」の3類型のプロジェクトが含まれる。
【0029】
「購入型プロジェクト」では、支援者は、起案者から支援に対するお礼品(リターン)を受け取ることができる。このリターンには、物品などの有形物の他、サービス、デジタルコンテンツなどの無形物なども含まれる。デジタルコンテンツは、例えば、静止画、動画、音声、ゲームプログラム、ゲーム媒体(アイテム、カード、アバタなど)、および、文書のコンテンツである。デジタルコンテンツは、電子的に提供が可能なものであればこれに限られるものではない。また、デジタルコンテンツは金銭を介した取引の対象となってもよい。
【0030】
「投資型プロジェクト」では、支援者は、起案者が得た収益の一部である金銭を受け取ることができる。
【0031】
「寄付型プロジェクト」では、支援者は、お礼品も金銭も受け取らない。
【0032】
また、上記「購入型プロジェクト」は、さらに、「達成時実行型プロジェクト」、「実行確約型プロジェクト」の2つの型に分けられる。
【0033】
「達成時実行型プロジェクト」は、起案者が設定した期間内に目標金額を達成するとプロジェクト成立となり、起案者が設定した期間内に目標金額を達成できないとプロジェクト不成立となる。後者の場合、プロジェクトは実行されないため、支援金(資金)の支払いは例えば自動でキャンセル(返金)され、支援者はリターンを受け取ることはできない。
【0034】
「実行確約型プロジェクト」は、参加人数や集まった金額に関わらず予めプロジェクトの実行が確約されている。そのため、プロジェクトへの参加と同時に申し込んだ特典の代金の支払いも確定となる。この型の場合の代金は、商品(特典)の購入代金と言い換えることができる。
【0035】
本開示におけるプロジェクトは、上記類型のいずれかに該当してもよいし、それ以外の類型に該当してもよい。本開示におけるプロジェクトが一例として「達成時実行型プロジェクト」であるものとして以下の説明を行う。
【0036】
図1は、クラウドファンディングサイトに表示されるプロジェクトページの表示画面の一例を示したものである。図1に示される例では、資金調達者となる起案者(クリエータ)がゲームを制作する費用を調達することを目的としたプロジェクトページの一部を示したものである。
【0037】
図1に示されるように、表示画面1には、プロジェクトの概要2、プロジェクトに関する画像3、起案者(クリエータ)名4、支援総額(集まっている金額)5、目標金額6、支援者数7、残り日数8、達成率9、支援ボタン10、プロジェクトの詳細な説明11、プロジェクト名12などを表示することができる。また、プロジェクトの詳細な説明11の下方に示されるように、本プロジェクトを内部または外部のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にシェアできるボタンなどが表示されてもよい。
【0038】
また、このプロジェクトは「購入型」の案件であるため、複数のリターンが設定される。図2(a)~(c)は、資金提供を検討するユーザに対し、複数の支援額を表示していずれの支援額により支援を行うかを選択させる表示画面の一例を示したものである。この支援額の表示には、支援額に応じたリターンの内容も併せて表示される。なお、上述した「実行確約型」の場合には、かかる資金提供はリターン品の購入を意味する。
【0039】
図2(a)に示される例では、支援額が5,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、および、サイン入りポストカードが設定されている。また、図2(b)に示される例では、支援額が10,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、および、サイン入りポストカードに加え、ゲーム内カード(レア)が設定されている。同様に、図2(c)に示される例では、支援額30,000円である場合のリターンとして、制作されたゲーム、クリエータによるお礼の手紙、サイン入りポストカード、および、ゲーム内カード(Sレア)に加え、ゲームのクレジットへの名前の掲載が設定されている。
【0040】
なお、リターンとしてのゲームは、記録媒体に記憶されたゲームを提供することのみならず、所定の端末でゲームのプレイを実現するためのコンピュータプログラムを提供することも含まれる。あるいは、リターンとして提供されるゲームは、サーバ上でコンピュータプログラムが実行されるWebゲームとしてもよい。この場合、かかるWebゲームをプレイする権利がリターンとなる。
【0041】
この場合、このコンピュータプログラムは、例えば、ネットワークを介してユーザが無料でダウンロードすることよって提供される。コンピュータプログラムは、物理的な記録媒体を介して有償でユーザに提供されてもよい。また、ゲーム内カードとは、ゲーム内で利用可能なカードであって、キャラクタのイラスト等が描かれたものとすることができる。このカードには、レアリティが付与されているものとすることができ、NR(ノーマル)、R(レア)、SR(Sレア)の順に希少度が高くなるものとすることができるが、レアリティの種類や数はこれらに特に限定されるものではない。また、ゲームのクレジットへの名前の掲載とは、ゲームのエンドロール等に資金提供者として氏名等を掲載することを意味するものとする。
【0042】
このプロジェクトに対して資金提供を検討するユーザは、図2(a)~(c)のように提示された複数のリターンの中から自分が欲しいと思うリターンが設定された支援額に対応するボタンを選択することで、クリエータに対して資金提供を行うことができる。これに対し、クリエータは、資金提供を行ってくれたユーザに対して、支援額に応じて設定されたリターンを提供する。
【0043】
そして、上述したクラウドファンディングサイトを実現するために、本開示における情報処理システム100は、図3に示すように、1以上のクライアント装置200およびサーバ装置300で構成されることができる。これらクライアント装置200およびサーバ装置300は、所定のネットワークを介して接続されることができる。
【0044】
クライアント装置200は、スマートフォンなどの情報処理装置である。クライアント装置は、スマートフォン以外に、携帯電話機、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、電子書籍リーダー、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム用コンソール、およびこれら以外の各種情報処理装置であってもよい。クライアント装置の各々は、コンピュータプロセッサ、メモリ、通信I/F、ディスプレイおよび各種情報を記憶するストレージを備えることができる。
【0045】
<ハードウェア構成>
ここで、図4を用いて、サーバ装置300のハードウェア構成について説明する。サーバ装置300は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、入出力インターフェース(入出力I/F)304と、通信インターフェース(通信I/F)305とを含む。各構成要素は、バスBを介して相互に接続される。
【0046】
サーバ装置300は、プロセッサ301と、メモリ302と、ストレージ303と、入出力I/F304と、通信I/F305との協働により、本実施形態に記載される機能、方法を実現することができる。
【0047】
プロセッサ301は、ストレージ303に記憶されるプログラムに含まれるコード又は命令によって実現する機能、及び/又は、方法を実行する。プロセッサ401は、例えば、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSI等と呼称されることもある。
【0048】
メモリ302は、ストレージ303からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ301に対して作業領域を提供する。メモリ302には、プロセッサ301がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ302は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む。
【0049】
ストレージ303は、プログラムを記憶する。ストレージ303は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含む。
【0050】
通信I/F305は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、ネットワークを介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F305は、ネットワークを介して、他の情報処理装置との通信を実行する。通信I/F305は、各種データをプロセッサ301からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F305は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ301に伝達する。
【0051】
入出力I/F304は、サーバ装置300に対する各種操作を入力する入力装置、及び、サーバ装置300で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F304は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0052】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ301に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、又は、その組み合わせにより実現される。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0053】
出力装置は、プロセッサ301で処理された処理結果を出力する。出力装置は、例えば、タッチパネル、スピーカ等を含む。なお、クライアント装置200も特筆すべき場合を除き、図4と同様のハードウェア構成で構成されることができる。
【0054】
<機能構成>
そして、本実施形態に従う情報処理システム100は、図5に示されるように、記憶部110と、受付部120と、判定部130と、確定部140と、関連付け部150とを備える。
【0055】
以下の説明では、これら構成要素はすべてサーバ装置300が備えるものとして説明を行う。ただし、記憶部110、判定部130、関連付け部150の一部または全部をクライアント装置200が備えるものとしてもよい。
【0056】
記憶部110は、第一のプロジェクトに、調達する資金の目標額および終了期限を関連付けて記憶する。
【0057】
これら目標額および終了期限はプロジェクトごとに関連付けられたプロジェクトテーブルで管理されることができる。
【0058】
図6は、上記プロジェクトテーブルの一例である。目標額および終了期限の他、図6に示したようなプロジェクトNo、プロジェクト名、支援総額(提供資金総額)の他、図1に示したようなプロジェクトの概要、起案者(クリエータ)名、支援者数、残り日数、達成率等のクラウドファンディングサイトの各プロジェクトページに表示されるデータについても本プロジェクトテーブルで管理することができる。
【0059】
また、プロジェクトに支援可能な支援額(支援コース)および対応するリターンについては、図7に示すようなリターンテーブルとして別途管理してもよいし、上記プロジェクトテーブルに含めてもよい。
【0060】
なお、支援総額、残り日数、達成率等については所定の時間間隔または支援があったタイミングで更新されるものとすることができる。
【0061】
以上のプロジェクトテーブルは、所定の記憶装置に記憶される。所定の記憶装置は、クライアント装置200、サーバ装置300のいずれかに含まれてもよいし、両方に含まれてもよいし、上記以外の特定の装置に備えられてもよい。この場合、特定の装置は、情報処理システム100に含まれるものとするのが好ましい。
【0062】
受付部120は、ユーザによって操作されるユーザ端末から第一のプロジェクトへの資金の提供を受け付ける。
【0063】
ここでいうユーザ端末は、上述したクライアント装置200に相当するものである。なお、ユーザ端末は、ユーザの所有物でなくてもよい。
【0064】
上述したとおり、第一のプロジェクトは購入型プロジェクトの達成時実行型プロジェクトである。
【0065】
ユーザは、クレジットカード、携帯電話キャリア決済、デビットカード決済、プリペイドカードなどによる支払い方法の中から一つを選択して資金の提供を行うことができる。また、これらに代えて、本システム100または他のサービスで用いられるポイント等の仮想通貨により資金の提供を行うことができる。ここでは、資金の提供がクレジットカード決済により行われるものとして説明を行う。
【0066】
本実施形態に従う情報処理システム100は、ユーザ端末からの資金の提供の手続きを受け付けた場合、クレジットカードの有効性確認と与信枠確保の処理(オーソリ処理)を行うことができる。そして、プロジェクトが成立するまで売上確定の処理を行わない。
【0067】
判定部130は、終了期限を過ぎた場合に、受付部120が受け付けた資金の総額が目標額に達したか否かを判定する。
【0068】
目標額に達したか否かの判定は、終了期限を過ぎる前にも行うことができるが、少なくとも、終了期限を過ぎたタイミングに行われるものとする。かかる判定は、資金の総額と目標額を比較し、資金の総額が目標額と同じかそれ以上であれば目標額に達したと判定する。
【0069】
そして、確定部140は、資金の総額が目標額に達したと判定部130により判定された場合に、受付部120により受け付けられた資金の決済を確定させる。
【0070】
資金の総額が目標額に達したと判定部130により判定された場合とは、プロジェクトが成立した場合である。この場合、確定部140は、クレジットカードの売上確定の処理を行う。
【0071】
関連付け部150は、資金の総額が目標額に達していないと判定部130により判定された場合に、第一のプロジェクトに資金を提供したユーザを第一のユーザグループに関連付けて、活用情報の提示対象として記憶部110に記憶させる。
【0072】
資金の総額が目標額に達していないと判定部130により判定された場合とは、プロジェクトが不成立である場合である。この場合、確定部140は、クレジットカードの売上確定の処理を行わず、上述したオーソリ処理の取り消し処理を行うことができる。
【0073】
そして、不成立となったプロジェクトに資金を提供したユーザは、図8に示すように、グルーピングされてグループテーブルとして管理される。かかるグルーピングは、一例として、不成立となったプロジェクトごとに行われるものとしてもよい。なお、ユーザグループに含まれるユーザは一人であってもよい。
【0074】
かかるユーザグループに属するのは、プロジェクトへの資金の提供という形で所定額の金銭を支払う意思のあったユーザでもある点に着目すべきである。
【0075】
そこで、かかるユーザグループは、活用情報の提示対象として記憶部110に記憶される。
【0076】
活用情報は、第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である。
【0077】
第一のプロジェクトに提供した資金とは、クレジットカード決済においてオーソリ処理が行われたものの、未だ取り消し処理がなされていない状態の資金である。また、第一のプロジェクトに提供した資金には、取り消し処理がなされた状態の資金が含まれてもよい。
【0078】
他用途とは、例えば、所定の商品またはサービスの購入の用途である。一例として、第一のプロジェクトに提供した資金と同額の商品またはサービスの購入を提案する内容の広告を、ユーザグループに属するユーザを対象として提示することができる。
【0079】
あるいは、他用途とは、例えば、他のプロジェクトへの資金の提供を行う用途である。一例として、第一のプロジェクトに提供した資金と同額の第二のプロジェクトへの資金の提供を提案する内容の広告を、ユーザグループに属するユーザを対象として提示することができる。
【0080】
このように、不成立となったプロジェクトへ参加していたユーザに対して、単にクレジットカード決済をキャンセルして返金するだけではなく、この資金を他用途へ活用させることで、これらのユーザの金銭の支払い意欲を無駄にしない。
【0081】
また、これらのユーザは、プロジェクトへの資金の提供という形で所定の金銭を支払う意思のあったユーザでもあることから、これらユーザに対して商品・サービスの購入を提案することは、広告効果が非常に高い。よって、本開示の構成によれば、ターゲティング広告の対象として非常に価値の高いデータを生成することもできる。
【0082】
なお、活用情報の提示は、例えば、特定の商品またはサービスを紹介するウェブサイト、商品またはサービスが電子的なものである場合にはこれらのダウンロードサイト、第二のプロジェクトのウェブページなどのリンク情報をユーザ端末に表示させることにより行うことができる。
【0083】
提示手法の例としては、「あなたにお勧めの別プロジェクトがあります。ここをクリック」のようなテキストを表示することができる。また、テキストと共にプロジェクトの内容を示すサムネイル画像も併せて表示することもできる。
【0084】
本実施形態に従う情報処理システム100は、図9に示されるように、さらに、プロジェクト特定部160と、第一送信部165とを備えることができる。
【0085】
プロジェクト特定部160は、第一のプロジェクトとは異なりかつ、資金の提供を受け付け可能な第二のプロジェクトを特定する。
【0086】
第一送信部165は、プロジェクト特定部160により特定された第二のプロジェクトに関する情報を上記活用情報として、第一のユーザグループに含まれるユーザにより操作されるユーザ端末に送信する。
【0087】
ここでは、上述したように、他用途として他のプロジェクトへの資金の提供を行う用途を提案する。
【0088】
第二のプロジェクトは、第一のプロジェクトと異なるものであって、かつ、資金の提供を受け付け可能なものであれば特に限定されない。資金の提供を受け付け可能なものとは、プロジェクトの終了期限前であることを意味するものとする。従って、第二のプロジェクトの資金提供の受け付けは、第一のプロジェクトの募集期限が過ぎた時点で、まだ開始されていなくてもよい。
【0089】
また、第一送信部165が活用情報を送信するユーザ端末は、第一のユーザグループに含まれるユーザ全員の各ユーザ端末であってもよいし、その中から更に他の条件により抽出されたユーザのユーザ端末であってもよい。また、第一送信部165は、第一のユーザグループに含まれるユーザを無作為に選び、かかるユーザにより操作されるユーザ端末に活用情報を送信してもよい。
【0090】
上記抽出は、ユーザIDに関連付けて記憶されているユーザの年齢や性別等のユーザ情報に基づいて行われることができる。また、ユーザ情報には、ユーザが現在または過去に支援を行ったプロジェクトの情報が含まれてもよく、かかるプロジェクトの情報に基づいて抽出を行ってもよい。
【0091】
関連付け部150は、さらに、第一のユーザグループに第一のプロジェクトに付された少なくとも一の属性情報を関連付けて記憶部110に記憶させるのが好ましい。
【0092】
各プロジェクトには、属性情報が付されるものとする。プロジェクトに付される属性情報には、ゲーム、アニメ、漫画などのプロジェクトのジャンルを示すものの他、作者の氏名や経歴などに基づく作者情報を示すものなどが含まれる。
【0093】
そして、ユーザグループには、これらの属性情報の少なくとも一つが関連付けて記憶される。
【0094】
図8に示す例では、第一のグループ(グループID:1001)には「マンガ」、「作者A」、「ティーンズ向け」の属性情報が付されており、ユーザID2001,2002,2003のユーザが関連付けられている。
【0095】
そして、プロジェクト特定部160は、第二のプロジェクトとして、第一のユーザグループに関連付けられた属性情報の少なくとも一つが付されたプロジェクトを抽出することができる。
【0096】
第一のユーザグループに関連付けられた属性情報のうち、いずれの属性情報を用いて第二のプロジェクトを抽出するかについては、予め属性情報に付された優先度に基づいて行われてもよいし、抽出を行う際に指定を求めるものであってもよい。
【0097】
このようにして抽出された第二のプロジェクトは、第一のユーザグループに属するユーザが興味を抱く可能性が高いプロジェクトである。
【0098】
また、プロジェクト特定部160は、第二のプロジェクトとして、当該第二のプロジェクトに関連付けて記憶された終了期限までの残り期間が所定期間以下または所定期間以上であるプロジェクトを抽出することができる。
【0099】
残り期間が所定期間以下のプロジェクトとして抽出された第二のプロジェクトは、ユーザに対して支援決断を急かすものであり、ユーザへの訴求力が強い。なお、所定期間は、いかなる期間でもよい。所定期間は、一例として、資金提供の受付期間に対して四分の一以下であり、さらに好ましくは七分の一以下であり、さらに好ましくは十四分の一以下であり、さらに好ましくは三十分の一以下である。所定期間は、72時間、48時間、又は24時間といった具体的な数値であってもよい。
【0100】
一方で、残り期間が所定期間以上のプロジェクトとして抽出された第二のプロジェクトは、ユーザに対して支援決断の時間を十分に与えるものである。
【0101】
なお、抽出された第二のプロジェクトを提示する際、残り時間も一緒に提示することで、ユーザの興味をより惹くことができる。
【0102】
プロジェクト特定部160は、第二のプロジェクトとして、第二のプロジェクトに関連付けて記憶された目標金額までの金額が所定金額以下のプロジェクトを抽出することができる。所定金額は、目標金額以下であれば、いかなる額であってもよい。所定金額は、一例として、目標金額に対して四分の一以下であることが好ましく、より好ましくは十分の一以下であることが好ましい。
【0103】
目標金額までの金額が所定金額以下のプロジェクトとして抽出された第二のプロジェクトは、ユーザの支援によりプロジェクトが成功する可能性が高いものであり、ユーザへの訴求力が強い。
【0104】
なお、抽出された第二のプロジェクトを提示する際、目標金額までの金額も一緒に提示することで、ユーザの興味をより惹くことができる。
【0105】
本実施形態に従う情報処理システム100は、図9に示されるように、さらに、変更部170を備えることができる。変更部170は、サーバ装置300に含まれる。
【0106】
変更部170は、受付部120が、第一送信部165により活用情報が送信されたユーザ端末から第二のプロジェクトへの資金の提供を受け付けた場合、ユーザ端末により第一のプロジェクトへ提供された支援金を、第二のプロジェクトへ提供された資金として支援先を変更する。
【0107】
かかる構成によれば、ユーザへの返金処理を行う必要がなくなることから、手間を削減することができる。
【0108】
なお、支援先の変更は、第一のプロジェクトから第二のプロジェクトのみならず、第一のプロジェクトから第二のプロジェクトおよび第三のプロジェクトへといったように、複数の変更先へ変更するものとしてもよい。
【0109】
例えば、20000円の支援をしていてプロジェクトが不成立となった場合に、この20000円を10000円ずつ別のプロジェクトの支援へ回すことができる。
【0110】
また、本実施形態に従う情報処理システム100は、図9に示されるように、さらに、特典付与部180を備えることができる。特典付与部180は、サーバ装置300に含まれる。
【0111】
特典付与部180は、第二のプロジェクトへの資金の提供指示を示したユーザに対し、所定の特典を付与する。
【0112】
所定の特典としては、情報処理システム100で仮想的な通貨として使用可能なポイント等であってもよいし、別のプロジェクトへ支援する際の資金の上乗せであってもよい。
【0113】
本実施形態に従う情報処理システム100は、図8に示されるように、さらに、コンテンツ特定部190と、第二送信部195とを備えることができる。コンテンツ特定部190と第二送信部195は、サーバ装置300に含まれる。
【0114】
コンテンツ特定部190は、広告に関するコンテンツを特定する。
【0115】
広告に関するコンテンツとは、予め広告主によって有料又は無料で登録されたコンテンツとすることができる。コンテンツには、上述した他用途の例に挙げたような、所定の商品またはサービス、あるいは、他のプロジェクトが含まれるものとする。
【0116】
かかるコンテンツには、属性情報が付され、コンテンツ特定部190は、コンテンツの特定に、上述したようなグループに関連付けられた属性情報を用いてコンテンツを特定することができる。
【0117】
なお、グループに関連付けられた属性情報のうちどの属性情報を用いるかは、広告主によって指定されることができる。また、広告に関するコンテンツは、クラウドファンディングサイトのプロジェクトに関する広告に限定されず、任意のECサイトに関連した広告であってもよい。
【0118】
第二送信部195は、コンテンツ特定部により特定されたコンテンツを活用情報として、第一のユーザグループに含まれるユーザにより操作されるユーザ端末に送信する。
【0119】
かかる構成によれば、情報処理システム100におけるプロジェクト不成立時に発生した返金対象となる資金を有するユーザをターゲットとしたターゲティング広告を効果的に行うことができる。
【0120】
具体的には、広告主が広告内容を登録する処理をサーバ装置300が受け付け、かかる登録内容がサーバ装置300の記憶部110に記憶される。資金の総額が目標額に達していないと判定部130により判定された場合、記憶部110が参照されて、広告内容が読み出される。広告内容の登録時には、金銭(ポイントでもよい)の支払いが必要となってもよいし、無償かつ先着順で決めてもよい。広告主は、クラウドファンディングの起案者であってもよい。
【0121】
なお、活用情報は、予め設定された広告に関するコンテンツを含んでもよい。
【0122】
なお、本開示における情報処理システムの他の実施形態として、判定部による判定処理をユーザ端末で行うものとしてもよい。この場合、クライアント端末において記憶されている目標額に基づいて、資金の総額が目標額に達したか否かを判定する。そして、判定の結果はサーバ装置に送信される。
【0123】
また、本開示における情報処理システムの他の実施形態として、関連付け部による関連付け処理をクライアント端末で行うものとしてもよい。この場合、クライアント端末において、ユーザを第一のユーザグループに関連付けて記憶する。
【0124】
続いて、本開示における情報処理方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0125】
本開示における情報処理方法は、図10に示されるように、受付ステップS110と、判定ステップS120と、確定ステップS130と、関連付けステップS140とを備えることを特徴とする。
【0126】
受付ステップS110は、ユーザによって操作されるユーザ端末から、調達する資金の目標額および終了期限が関連付けられた第一のプロジェクトへの資金の提供を受け付ける。かかる受付ステップS110は、上述した受付部120により実行されることができる。
【0127】
判定ステップS120は、終了期限を過ぎた場合に、受付ステップにおいて受け付けた資金の総額が目標額に達したか否かを判定する。かかる判定ステップS120は、上述した判定部130により実行されることができる。
【0128】
確定ステップS130は、資金の総額が目標額に達したと判定ステップにおいて判定された場合に、受付ステップにおいて受け付けられた資金の決済を確定させる。かかる確定ステップS130は、上述した確定部140により実行されることができる。
【0129】
関連付けステップS140は、資金の総額が目標額に達していないと判定ステップにおいて判定された場合に、第一のプロジェクトに資金を提供したユーザを第一のユーザグループに関連付けて、第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として所定の記憶部に記憶させる。かかる関連付けステップS140は、上述した関連付け部150により実行されることができる。
【0130】
以上の構成によれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0131】
具体的には、本開示によれば、クラウドファンディングにおけるプロジェクトへの参加者の参加代金の支払い意欲を無駄せずに活用することができる。
【0132】
また、本開示の構成によれば、ターゲティング広告の対象として非常に価値の高いデータを生成することもできる。
【0133】
最後に、本開示におけるコンピュータプログラムの実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0134】
本開示におけるコンピュータプログラムは、コンピュータに、記憶機能と、受付機能と、判定機能と、確定機能と、関連付け機能とを実現させることを特徴とする。
【0135】
記憶機能は、第一のプロジェクトに、調達する資金の目標額および終了期限を関連付けて所定の記憶部に記憶する。
【0136】
受付機能は、ユーザによって操作されるユーザ端末から第一のプロジェクトへの資金の提供を受け付ける。
【0137】
判定機能は、終了期限を過ぎた場合に、受付機能により受け付けた資金の総額が目標額に達したか否かを判定する。
【0138】
確定機能は、資金の総額が目標額に達したと判定機能により判定された場合に、受付機能により受け付けられた資金の決済を確定させる。
【0139】
関連付け機能は、資金の総額が目標額に達していないと判定機能により判定された場合に、第一のプロジェクトに資金を提供したユーザを第一のユーザグループに関連付けて、第一のプロジェクトに提供した資金を他用途へ活用するための情報である活用情報の提示対象として記憶部に記憶させる。
【0140】
上記機能は、図11に示す受付回路1120、判定回路1130、確定回路1140および関連付け回路1150により実現されることができる。受付回路1120、判定回路1130、確定回路1140および関連付け回路1150は、それぞれ上述した受付部120、判定部130、確定部140および関連付け部150により実現されるものとする。各部の詳細については上述したとおりである。
【0141】
以上の構成によれば、上述した従来技術の問題の少なくとも一部を解決又は緩和する技術的な改善を提供することができる。
【0142】
具体的には、本開示によれば、クラウドファンディングにおけるプロジェクトへの参加者の参加代金の支払い意欲を無駄せずに活用することができる。
【0143】
また、上述した実施形態に係るサーバ装置又は端末装置として機能させるために、コンピュータ又は携帯電話などの情報処理装置を好適に用いることができる。このような情報処理装置は、実施形態に係るサーバ装置又は端末装置の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、情報処理装置の記憶部に格納し、情報処理装置のCPUによって当該プログラムを読み出して実行させることによって実現可能である。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0145】
また、実施形態に記載した手法は、計算機(コンピュータ)に実行させることができるプログラムとして、例えば磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、計算機に実行させるソフトウェア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)を計算機内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現する計算機は、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウェア手段を構築し、このソフトウェア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、計算機内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。
【0146】
なお、参加者の参加代金の支払い意欲が無駄になるという課題は、ネットオークションにおいても生じうる。例えば、第1の入札者が希望商品の入札額を指定したにも関わらず、より高い額での入札が第2の入札者によって行われることがある。この場合、何らかの事情で第1の入札者が再入札できないままオークションが終了すると、第1の入札者の支払い意欲は無駄になり得る。
【0147】
特に、入札額が更新されたことに第1の入札者が気づかなかったとき、あるいは、入札額の更新がオークション期間の終了間際になされたため再入札をする時間が残されていなかったときなど、第1の入札者に再入札をする意欲があったにも関わらずその機会が失われたとき、第1の入札者の支払い意欲は、大きな無駄になり得る。
【0148】
このような第1の入札者に対して類似商品のオークションが行われているページが提案されれば、第1の入札者は新たな入札をはじめる可能性が高く、高い広告効果が見込める。特に、類似商品のオークション期間が終了間際である場合であるとき、第1の入札者の入札意欲が高くなり、より高い広告効果が見込める。
【0149】
ネットオークションに適用される情報処理システムは、上記で説明した情報処理システムの構成要素を適宜備えてよい。ネットオークションに適用される情報処理システムは、例えば、記憶部、受付部、判定部、確定部、許可部、特定部、関連付け部および送信部を備える。
【0150】
記憶部は、出品者を識別する出品者識別情報と、出品される商品を識別する商品情報と、オークション期限と、最高入札額と、入札者を識別する入札者情報とを互いにを関連付けて記憶すればよい。
【0151】
受付部は、入札者によって操作される端末から、商品識別情報、入札者情報、商品識別情報、および所定の金額を示す金額情報を受け付ける(受信する)。なお、受付部は、記憶部に記憶される最高入札額を超える金額を示す金額情報しか受け付けない。受付部によって受け付けられた金額情報は、最高入札額として記憶部に記憶され(更新され)、受付部によって受け付けられた入札者情報も記憶部に記憶される(更新される)。
【0152】
判定部は、記憶部に記憶されるオークション期限が過ぎたかどうかを判定する。
【0153】
確定部は、オークション期限が過ぎたと判定部によって判定された場合に、記憶部に記憶される最高入札額の決済を確定させる。このとき、記憶部に記憶される最高入札額に対応する入札者情報は、落札者を示す情報に該当する。確定部は、落札者に対応するクレジットカードの決済処理を進める。
【0154】
許可部は、オークション期限が過ぎたと判定部によって判定された場合に、出品者によって操作される端末と、落札者によって操作される端末との間で、商品の受け渡しに関する情報の送受信を許可する。
【0155】
特定部は、オークション期限が過ぎたと判定部によって判定された場合に、受付部によって受け付けられた入札者情報のうち落札者以外の入札者を示す入札者情報を、記憶部を参照することで特定する。
【0156】
関連付け部は、特定部が特定した入札者情報に対応する入札者の端末と、上記商品と類似する商品がオークションにかけられている(又は将来的にかけられる)URL情報とを関連付ける。
【0157】
送信部は、関連付け部によって関連付けられた入札者の端末に、URL情報を送信する。
【0158】
なお、かかる情報処理システムは、確定部を備えなくてもよく、代わりに、許可部によって許可される情報の送受信において、落札者が別の手段で(例えば振り込みなどによって)支払いを確定させてもよい。
【0159】
また、判定部は、オークション期限が過ぎたかどうかを判定することに代えて、オークション期限までの期間が所定期間を下回ったかどうかを判定してもよい。そして、所定期間を下回ったと判定された場合に、特定部、関連付け部および送信部は、上述した機能を発揮してもよい。
【符号の説明】
【0160】
100 情報処理システム
110 記憶部
120 受付部
130 判定部
140 確定部
150 関連付け部
160 プロジェクト特定部
165 第一送信部
170 変更部
180 特典付与部
190 コンテンツ特定部
195 第二送信部
200 クライアント装置
300 サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11