(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
A63F5/04 601A
A63F5/04 699
(21)【出願番号】P 2020032815
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-02-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390026620
【氏名又は名称】山佐株式会社
(72)【発明者】
【氏名】寺内 貴則
(72)【発明者】
【氏名】小原 雅生
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-014582(JP,A)
【文献】特開2020-011068(JP,A)
【文献】特開2002-272920(JP,A)
【文献】特開2019-092961(JP,A)
【文献】特開2020-096731(JP,A)
【文献】特開2018-023460(JP,A)
【文献】特開2017-144095(JP,A)
【文献】特開2017-012515(JP,A)
【文献】特開2016-077421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の動作を制御する回路基板を対向するカバー部材とベース部材との間に収容する基板ケースを
筐体の内部に備えた遊技機において、
前記カバー部材と前記ベース部材はそれぞれ射出成型時のゲートにより形成されるゲート痕を備え、
前記カバー部材には第1表示部が形成されたシートが貼り付けられ、
前記第1表示部は、情報を二次元コードで示した第1コード情報を備え、
前記第1表示部が形成されたシートは、前記カバー部材において、前記ゲート痕と重ならない位置に貼り付けられ
さらに前記遊技機は、
前扉を備え、
前記前扉には、
表側に第3表示部を備え、
前記基板ケースには、第2表示部を備え、
前記第3表示部は、
並んで配置された複数の数字を含む第3文字情報と、前記第3文字情報を特定可能な情報を二次元コードとして示した第3コード情報と、を備え、
前記第2表示部は、前記第3文字情報とは異なる文字情報であ
り並んで配置された複数の数字を含む第2文字情報と、前記第2文字情報とは異なる情報を二次元コードとして示した第2コード情報と、を備え、
前記第3コード情報のほうが前記第2コード情報よりもサイズが大きいことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技機の動作を制御する回路基板が基板ケースに収容され、当該基板ケースに貼付するシールにはコード情報が記載されており、情報を読取機を用いて読み取る遊技機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-166701号公報(段落0101、0102等参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技機に対する不正行為はますます巧妙化してきている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板ケース等への不正行為に対するセキュリティ性を高めた遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、
遊技機の動作を制御する回路基板を対向するカバー部材とベース部材との間に収容する基板ケースを備えた遊技機において、
前記カバー部材と前記ベース部材はそれぞれ射出成型時のゲートにより形成されるゲート痕を備え、
前記カバー部材には第1表示部が形成されたシートが貼り付けられ、
前記第1表示部は、情報を二次元コードで示したコード情報を備え、
前記第1表示部が形成されたシートは、前記カバー部材において、前記ゲート痕と重ならない位置に貼り付けられたことを特徴とする。
【0007】
第1表示部が形成されたシートは、カバー部材において、ゲート痕と重ならない位置に貼り付けることから、ゲート痕に起因する第1表示部の歪みを防止し、情報を二次元コードで示したコード情報の読み取りを阻害しないことから、不正行為に対するセキュリティを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるスロットマシンの正面図である。
【
図2】
図1のスロットマシンの内部を示す図である。
【
図3】スロットマシンの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】支持板に支持された状態の基板ケースの斜視図である。
【
図5】
図4の基板ケースが前方側に倒された状態を示す図である。
【
図7】基板ケースの回動機構への取付方法を説明するための図であって、回動部材(軸受部材+軸固定部材材)および回動部材カバーを分解した状態の斜視図である。
【
図11】カバー部材のカバー側切欠部を表側から見たときの斜視図である。
【
図12】カバー部材のカバー側切欠部を裏側から見たときの斜視図である。
【
図14】基板ケースが回動部材(軸受部材+軸固定部材材)に取り付けられた状態の斜視図である。
【
図16】証紙の一例を説明するための説明図である。
【
図17】封印シールの一例を説明するための説明図である。
【
図18】記録紙の一例を説明するための説明図である。
【
図19】基板ケースの正面図であり、基板ケースの表面に貼付される記録紙と封印シールとの配置関係を説明するための図である。
【
図20】基板ケースの表面に対する封印シールの貼付の具体例を説明するための説明図である。
【
図21】基板ケースの表面に貼付される記録紙と封印シールとの配置関係を説明するための図である。
【
図22】記録紙の第1コード情報とLEDとの配置関係を説明するための図である。
【
図23】封印シールのカバー構造を説明するための図である。
【
図24】封印シールの配置の変形例を示す図である。
【
図25】封印シールの配置の他の変形例を示す図である。
【
図26】メイン制御基板に実装されるDIP部品とSMD部品とを比較説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
本件明細書では、遊技機の一例であるスロットマシン1の正面に向かって位置している遊技者、すなわち、当該スロットマシン1の前に設置してある椅子に座っている遊技者から見て、スロットマシン1から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向(y軸の負方向)とし、その逆方向を「後」方向(y軸の正方向)とし、スロットマシン1の左側から右側に向かう方向を「右」方向(x軸の正方向)とし、その逆方向を「左」方向(x軸の負方向)とし、スロットマシン1の下側から上側に向かう方向を「上」方向(z軸の正方向)とし、その逆方向を「下」方向(z軸の負方向)として説明を行う(
図2参照)。なお、説明の便宜を考慮し、図面の各図には、一部の図を除いて、上記に記載した向きのx軸、y軸及びz軸を示しており、x軸、y軸及びz軸の向きは異なる図であっても互いに一致している。
【0012】
<実施形態>
本発明の一実施形態に係る遊技機の一例であるスロットマシン1について、
図1~
図22を参照して説明する。
【0013】
(構成)
スロットマシン1の構成の概略について
図1および
図2を参照して説明する。
【0014】
本実施形態におけるスロットマシン1は、前面開口を有し、略四角箱状に形成された筐体3の前面開口が前面扉5によりヒンジ機構4を用いて開閉自在に閉塞される。ヒンジ機構4は、
図2に示すように、筐体3の左側に設けられている。この前面扉5のほぼ中央高さの位置に操作板7が配設され、この操作板7の上方に正面板9が配設されている。そして、正面板9には横長矩形の表示窓11が設けられ、表示窓11の内側には、複数種類の図柄を予め定められた順序で可変表示する回転リールから成る左・中・右リール13L,13M,13Rが配置されている。この左・中・右リール13L,13M,13Rにより、複数種類の図柄を可変表示する複数の可変表示列を有する図柄表示手段が形成されており、左・中・右リール13L,13M,13Rの夫々が1つの可変表示列を形成する。
【0015】
ここで、左・中・右リール13L,13M,13Rには、例えば「7」、「BAR」、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」を含む複数種類の図柄が合計20個、所定の配列でそれぞれ設けられている。また、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれの各図柄それぞれには、0番から19番までのコマ番号が順に付され、例えばコマ番号0番から19番までの図柄が印刷されたリールテープがリールの周面に貼り付けられて、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれが形成されている。また、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれが回転すると、コマ番号19番、18番、…、0番、19番、…の予め定められた順に複数の図柄がそれぞれ表示窓11に可変表示される。
【0016】
そして、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転が停止したときに、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれについて3個ずつで合計9個の図柄が表示窓11から覗くように設定され、具体的には1つのリールにつき上段、中段および下段に各1個の3個ずつ、左・中・右リール13L,13M,13Rで合計9個が表示窓11を通して表示される。すなわち、左・中・右リール13L,13M,13Rの全てが停止すると、縦3列横3行に配列された合計9個の図柄が表示窓11に停止表示されることになる。表示窓11に表示される各図柄のうち、例えば、左リール13Lの下段図柄、中リール13Mの下段図柄、右リール13Rの下段図柄で構成される一ライン(下段ライン)が入賞ラインとして設定され、当該ラインに当選役の図柄が揃った状態で左・中・右リール13L,13M,13Rが停止すれば入賞となる。
【0017】
ここで、
図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれには、それぞれがステッピングモータにより構成される左・中・右リールモータ14L,14M,14Rが連結され、左・中・右リール13L,13M,13Rがそれぞれ独立して回転駆動される。
【0018】
また
図1に戻って、操作板7には、遊技者が内部に貯留されているクレジットメダルから1枚ずつのメダル(遊技用価値)投入を指示するためのベットスイッチ15、遊技者がクレジットメダルから1ゲーム(遊技)あたりの規定枚数の最大投入枚数(3枚に設定されている)のメダル投入を指示するための最大ベットスイッチ17、遊技者が各リール13L,13M,13Rを回転させて各図柄の可変表示を開始させるための操作を行うレバー状のスタートスイッチ19、遊技者が左・中・右リール13L,13M,13Rの回転をそれぞれ停止させて各図柄の可変表示を停止させるための操作を行う左・中・右リール13L,13M,13Rそれぞれに対応した左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、遊技者がクレジットメダルの払い出しを指示するための精算スイッチ23、およびメダル投入口25が設けられている。なお、本実施形態では、1ゲーム(遊技)に必要なメダル投入数(規定枚数)は、3枚と2枚の2種類が設定されているものとする。このように、遊技用価値を用いて遊技を行うことが可能になっている。なお、本実施形態では遊技用価値としてメダルを用いるスロットマシン1を本発明にかかる遊技機の一例として説明するが、メダルに限らず、他の遊技媒体や電子的なデータを遊技用価値として用いる遊技機に本発明を適用してもよい。
【0019】
また、正面板9の上方のほぼ中央には、動画などを表示して遊技者に当選や入賞などを告知したり、入賞させるのに必要な左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21Rの操作態様を報知したりする演出を行うための液晶表示器27が設けられ、液晶表示器27のすぐ上方には、各種の入賞図柄が表示された説明パネル29が設けられ、液晶表示器27および説明パネル29の左右には、音楽や音声などによる演出を行うためのスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。なお、後述するメダル払出口39の左右にもスピーカ31L,31Rがそれぞれ設けられている。
【0020】
さらに、説明パネル29およびスピーカ31L,31Rの上辺には中央ランプ部33Mが配設され、その左右には左・右ランプ部33L,33Rがそれぞれ配設されている。中央・左・右ランプ部33M,33L,33Rには、それぞれ発光ダイオードなどの光源が配設されている。これらの中央・左・右ランプ部33M,33L,33Rは一体的に形成され、遊技者に当選や入賞を告知するなどの演出を行うための上部ランプ部33を構成している。
【0021】
また、操作板7の下方には、装飾画などが表示された下部パネル35が設けられ、この下部パネル35には、スロットマシン1の個別情報を記載した識別ラベル、いわゆる証紙750が貼付されている。この証紙750については後述する。なお、証紙750が貼付される場所は下部パネル35に限らず、遊技店に前面扉5が閉じられた状態で設置されている状況下で視認可能な位置であればよく、例えば、前面扉5の側面や、メダル受け皿41に貼付されるようにしてもよい。この下部パネル35の左右には、それぞれ複数の光源が例えば2列に並んで配置された下部ランプ部37L,37Rが設けられている。また、下部パネル35の下方には、メダル払出口39や、このメダル払出口39から払い出されるメダルを受けるメダル受け皿41が設けられている。また、正面板9の右下隅には、3つのリールに対する入賞ラインの位置を示す図形(図示省略)が描かれ、正面板9の左下隅には
図3のメイン制御基板63に搭載されたCPU61による表示制御を受けて、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器45、メダルの払出枚数を表示する払出表示器46が配設されている。このクレジット表示器45は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の貯留枚数(最大で50枚)が表示可能になっている。また、払出表示器46は、例えば2個の7セグメントディスプレイで構成され、2桁の払出枚数が表示可能になっている。なお、各7セグメントディスプレイの各セグメントは、発光ダイオード(LED)により構成されている。なお、払出表示器46は、発生したエラーに対応するエラーコードの表示にも用いられる。
【0022】
また、各リール13L,13M,13Rを支持する支持枠体13が、筐体3内の背板3aに固定されている。筐体3内の支持枠体13の下方には、メダルをメダル払出口39に排出するためのホッパーユニット43(
図2参照)が配設されている。また、メダル投入口25付近の裏面側には、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導くメダルセレクタ48(
図2参照)が配設されている。なお、筐体3内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ48において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット43から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口39から払い出される。具体的には、メダルセレクタ48には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの駆動によるレール部の作動により、メダル投入口25から投入されたメダルをホッパーユニット43内に貯留させる通路と、メダル払出口39からメダル受け皿41へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口25から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿41へ払い出すかの切り換えをすることができる。ただし、例えばメダルの貯留枚数が最大貯留枚数になった場合やゲーム中は、キャンセルコイルの駆動によるレール部の作動が行われずにメダル投入口25に投入されたメダルがメダル払出口39に排出され、これら以外の場合は、
図3のメイン制御基板63に搭載されたメインCPU61による駆動制御を受けたキャンセルコイルの駆動によってレール部が作動し、メダル投入口25に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して正規のメダルのみをホッパーユニット43に導く。
【0023】
図3に示すように、筐体3内部のメダル投入口25近傍にあるメダルセレクタ48部分に投入センサ53が設けられ、投入センサ53はメダル投入口25に投入されたメダルを1枚ずつ検出する。そして、ホッパーユニット43の出口には払出センサ54が設けられ、払出センサ54はメダル払出口39に払い出されるメダルを1枚ずつ検出する。
【0024】
また、
図2に示すように、操作ボックス50が設けられており、
図3に示すように、操作ボックス50には、電源のON、OFFを切り換える電源スイッチ50a、キーシリンダー式の設定変更キースイッチ50b、押しボタン式の設定変更ボタン50c(リセットスイッチ)が設けられている。また、操作ボックス50は、筐体3の内部に配設されているため、前面扉5を開放しなければ、操作できないようになっている。
【0025】
また、
図3に示すように、設定値表示器56が設けられており、設定値表示器56は例えば1個の7セグメントディスプレイで構成され、1桁の当選確率の設定値(具体的には、1~6の6段階)を表示するものである。なお、7セグメントディスプレイの各セグメントは、発光ダイオード(LED)により構成されている。この設定値表示器56には、スロットマシン1の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体3の内部、詳しくは、前面扉5の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は消去される。
【0026】
また、
図3に示すように、扉センサ(扉開閉用スイッチ)58が設けられており、扉センサ58は筐体3側に設置されているものであって、前面扉5が閉じているか否かを検知するためのセンサである。例えば、この扉センサ58は、前面扉5が閉塞している場合に、前面扉5の背面と扉センサ58の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前面扉5が開放するに従って前面扉5の背面が扉センサ58の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前面扉5の開閉を検知するようにしてもよい。
【0027】
また、
図3に示すように、左・中・右リール13L,13M,13Rの回転位置をそれぞれ検出する左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが設けられている。左・中・右位置センサ55L,55M,55Rは、例えば左・中・右リール13L,13M,13Rにそれぞれ設けられた突起部を検出するフォトインタラプタからなり、左・中・右リール13L,13M,13Rが回転すると、一周ごとに突起部を検出してその検出信号をメイン制御基板63のメインCPU61に出力する。本実施形態では、例えば左・中・右位置センサ55L,55M,55Rが突起部を検出したときに、それぞれコマ番号19番の図柄が表示窓11の中段に位置するように構成されている。
【0028】
図3に示すホッパーモータ57はホッパーユニット43に配設され、その駆動によりメダルをメダル払出口39に向けて払い出すものである。また、オーバーフローセンサ57aは、ホッパーユニット43のメダルを貯留するメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御基板63のメインCPU61へ信号を出力するものである。
【0029】
また、筐体3内部には、外部集中端子板59(
図3参照)が設けられている。外部集中端子板59は、遊技データをスロットマシン1の外部に出力させるものであり、メイン制御基板63のメインCPU61と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板59は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ表示器)やホールコンピュータに接続されている。
【0030】
また、
図3に示すように、遊技の進行に関する制御を行うメインCPU61が実装されたメイン制御基板63と、メイン制御基板63から送信された情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブCPU71が実装されたサブ制御基板73とが別々に設けられており、メイン制御基板63からサブ制御基板73に対して各種のデータが一方向で送信される。
【0031】
そして、メイン制御基板63のRWM(リードライトメモリ)65は、メインCPU61内部の記憶容量であり、スロットマシン1の遊技状態などの遊技に関するデータを一時的に記憶するものである。また、メイン制御基板63のROM67は、メインCPU61内部の記憶容量であり、予め設定されたデータを含む遊技機用プログラム(スロットマシン1用のプログラム)を記憶する。
【0032】
また、
図3に示すように、メイン制御基板63には、4個の表示部品により構成される比率表示器(役比モニタ)69が設けられている。この比率表示器69は、筐体3の内部であって左・中・右リール13L,13M,13Rの上部位置に設置された基板ケース80内のメイン制御基板63に搭載されて、前面扉5を開放したときに、外部から視認可能な位置に配置されている。そして、比率表示器69は、表示部品である4個の7セグメントディスプレイから成り、各7セグメントディスプレイの各セグメントは、発光ダイオード(LED)により構成されている。なお、比率表示器69には、例えば、所定期間における、役物払出枚数の、総払出枚数に対する百分率や、連続役物払出枚数の、総払出枚数に対する百分率、AT役(押し順役)による払出枚数の、総払出枚数に対する百分率などが表示される。
【0033】
また、上記したメイン制御基板63のメインCPU61は、タイマ割込などの割込機能を有し、ROM67に記憶された遊技機用プログラムを実行することにより、遊技の進行に関する処理を行う。そして、メインCPU61は、役抽選結果に関するデータ、遊技者により操作される左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作に関するデータなどの種々のデータをコマンド形式でサブ制御基板73(サブCPU71)に送信する。
【0034】
サブ制御基板73は、各種データを一時的に記憶するRWM部と、演出用の各種プログラムなどを記憶するROM部とを有するメモリ75を備えている。さらに、サブ制御基板73のサブCPU71はタイマ割込などの割込機能を有し、サブCPU71は、メインCPU61から送信されるスロットマシン1に関する各種のデータ(役抽選結果、左・中・右ストップスイッチ21L,21M,21R、スタートスイッチ19等の操作器具が操作されたか、などに関するデータ)に基づいてメモリ75に格納されたプログラムを実行することにより、遊技者に対して供すべき遊技に関連する演出の内容を決定する。また、サブ制御基板73のサブCPU71は、決定された演出の内容に基づいて、サブ制御基板73が有するI/Oポートを介して、スピーカ31L,31Rなどの演出機器の制御を行う。
【0035】
なお、メイン制御基板63等の各種制御基板は、不正行為、いわゆるゴト行為を行う不正行為者によって、いずれも不正アクセスの対象となり得る。例えば、メイン制御基板64には、スロットマシン1における基本的な制御、具体的には例えば役抽選等を行うための当選確率データや、役抽選を実行するためのプログラム等が記録されたROM67が搭載されている。本実施の形態では、ROM67等はメインCPU61に内蔵されている。このため、メインCPU61を、ROM67等を偽造したものに交換することによって、遊技中に特定の操作を行うとボーナス遊技に当選して必ず大当たりになるようにする等、スロットマシン1に不正な改造を試みる不正行為者が現れる虞がある。したがって、スロットマシン1においては、メイン制御基板63等の各種制御基板を、ケースの内部に収容して封止(封印とも言う)することが行われている。本実施形態においても、メイン制御基板63は、外部から不正にアクセスすることができないように、基板ケース80内に収容された上、該基板ケース80が痕跡を残さずに開放することができないように厳重に封印されている。また、基板ケース80には、不正に開放されたことを確実に視認することができるように、種々の対策が講じられている。なお、
図2に示すように、この実施形態において、基板ケース80は、各リール13L,13M,13Rの上方であって、筐体3の背板3aに取り付けられている。なお、メイン制御基板63以外の制御基板(例えば、筐体3の左側内壁面に取り付けられるサブ制御基板73:
図2参照)を収容する基板ケースにおいても同様である。
【0036】
(基板ケース)
次に、基板ケース80について、
図4~
図15を参照して説明する。本件明細書において、「基板ケース80の正面視」は、スロットマシン1の筐体3の背板3aに基板ケース80を正規の位置及び正規の向きで取り付けた状態で、基板ケース80をスロットマシン1の前(前方)側からスロットマシン1の後(後方)側に向かう方向(y軸の正方向)で見た場合に相当する。また、「スロットマシン1の正面視」は、スロットマシン1をスロットマシン1の前(前方)側からスロットマシン1の後ろ(後方)側に向かう方向(y軸の正方向)で見た場合に相当する。
【0037】
筐体3の背板3aの上部に支持板81(
図5参照)が取り付けられ、該支持板81に基板ケース80が回動可能に取り付けられている。換言すると、基板ケース80は、筐体3の背板3aに支持板81を介して取り付けられている。
図4は、基板ケース80が支持板81に取り付けられた状態の前方斜め右上から見たときの斜視図である。
【0038】
図6に示すように、基板ケース80は、光透過性を有し、カバー部材80aと、ベース部材80bとで構成され、両者が嵌め合わされた状態で形成される収容空間に、平板状をしたメイン制御基板63がその実装面63aがカバー部材80aに対向し、実装面63aと反対側の面がベース部材80bと対向するように収容される。メイン制御基板63は、実装面63aが矩形状に形成されるとともに、四隅それぞれにねじ30の挿通孔64が設けられ、カバー部材80aにメイン制御基板63がねじ30で固定される。カバー部材80aとベース部材80bは、いずれも、主に、透明樹脂(例えば、透明なABS樹脂(アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)等の成分からなる熱可塑性樹脂や透明なポリカーボネート)で形成されており、両者を分離せずともメイン制御基板63を外部から視認可能になっている。また、カバー部材80aとベース部材80bは、いずれも、射出成形法によって形成された射出成形品である。射出成形品として作成する際には、射出成形用金型(図示外)の成形空間であるキャビティ内(図示外)へ、ゲート(図示外)から溶融樹脂材料を注入して固化させる射出成形工程を含んでいる。そして、射出成形後に前記ゲートとの接続部を切り離した跡であるゲート位置の痕跡が射出成形品であるカバー部材80aとベース部材80bとに残ることになる。カバー部材80aには、前記ゲート位置の痕跡であるゲート痕80agが形成されている。また、ベース部材80bには、前記ゲート位置の痕跡であるゲート痕80bgが形成されている。
【0039】
メイン制御基板63の実装面63aには、上述したメインCPU61、上述した比率表示器69、モニタLED32、黒色に形成されたICチップを含む複数の部品が実装される。メインCPU61は、回路が形成される本体部と本体部と該本体部に接続された複数の外部端子とを有し、各外部端子がメイン制御基板63の所定の電極に接続される。この実施形態では、メイン制御基板63側にメインCPU61を搭載するためのソケット65が設けられており、メインCPU61をソケット65に嵌め込むことでメイン制御基板63に搭載される。モニタLED32は、メイン制御基板63上に配置され、スロットマシン1の各種のセンサに接続されることで、スロットマシン1の各種センサが有効に機能しているか否かを点灯状態(対応するセンサがメダルや操作を検出した状態で点灯、検出していない状態で消灯)により表示するためのものである。
【0040】
メイン制御基板63は、本実施の形態では、地色(すなわち、ソルダレジストの色)を緑色で着色している。
【0041】
また、メイン制御基板63の実装面63aには、図示しないが、英数字などからなる文字列が印刷等によって付与される。ここで、メイン制御基板63の実装面63aに付与される文字には、モニタLED32が対応するセンサを示す数字などや、メイン制御基板63の種類や型番を識別可能な基板IDなどが含まれる。
【0042】
また、
図4に示すように、基板ケース80の上部の左右それぞれに、かしめ部80cが形成されており、メイン制御基板63を収容し、ベース部材80bにカバー部材80aを取り付けた後は、かしめ部80cを破壊しなければ、カバー部材80aとベース部材80bとを分離できないように構成されている。本実施形態では、カバー部材80aとベース部材80bとを係合させることを「Aかしめ」と定義し、基板ケース80における「Aかしめ」が施される部分(かしめ部80c)を「Aかしめ部」と定義する。「Aかしめ部」は、スロットマシン1が製造工場から出荷されてから、スロットマシン1の検査機関が基板ケース80を開放してメイン制御基板63を検査するまでの間、基板ケース80の内部のメイン制御基板63に不正改造等が施されないように、基板ケース80を封止して、基板ケース80が不正に開放された際にはその痕跡が残るようにするための部分である。なお、「Aかしめ部」は、それを設ける場所や設置数は特に限定されるものではない。
【0043】
また、基板ケース80の下部の左右方向(x軸の正負方向)に回動軸80ax(
図4、
図5参照)が設定されており、当該軸を中心に回動可能となっている。また、
図5に示すように、支持板81には、ケース保持部81aが設けられ、メイン制御基板63が前方に向く方向で基板ケース80を保持できるようになっている。
図5に示すように、ケース保持部81aは、前方に突出しており、前端部にケースノブ83(
図4参照)の先端が挿通する挿通孔81bが設けられている。ケースノブ83は、基板ケース80に固定されており、先端を挿通孔81bに挿通させると、ケース保持部81aに係止するとともに、引っ張ると係止状態が解除され、ケース保持部81aから着脱自在となっている。
【0044】
ケースノブ83を引っ張ってケース保持部81aから外すと、基板ケース80が回動可能な状態となる。この状態になると基板ケース80は回動軸を基準として前方に倒すことができる。
図5に示すように、保持状態から約90°回転させ、基板ケース80が前方側に倒れると、メイン制御基板63の実装面63aと反対側の面を視認可能となり、当該面に異常が発生しているか否かを確認できるようになっている。
【0045】
図6に示すように、基板ケース80のカバー部材80aは、メイン制御基板63の実装面63aに対向する前方板80a1と、前方板80a1に対して略90°に延在する右内側板80a2、右外側板80a3、左内側板(不図示)、左外側板(不図示)と、左内側板及び左外側板の左側に前方板80a1と段差がある嵌合部80a4とを有する。嵌合部80a4の前方側の面(前面)80a4aは、前方板80a1の後述する主要部85aの前方側の面(前面)85a1aよりも、y軸の正方向側(スロットマシン1の後ろ側(奥側))に位置する。また、面80a4aの左側側面付近には、面80a4aと後述する面80b9a1とに貼付された後述する封印シール550を、カバー部材80aとベース部材80bとを分離する際に破断する突起状の破断部80a4hが形成されている。なお、破断部80a4hの構造は特に限定されるものではない。
【0046】
前方板80a1は、メイン制御基板63の実装面63aと略平行に配置される主要部85aと、主要部85aに対して実装面63a側にそれぞれ窪んだ第1凹部85b、第2凹部85c、第3凹部85dとを有する。第1凹部85bは、メイン制御基板63を収容した状態で、実装面63aにおける、メインCPU61の直上位置を含む箇所に形成され、メインCPU61直上方向への移動を規制している。この実施形態では、後述する記録紙350は前方板80a1の主要部85aの前方側の面(前面)85a1aに貼付される。第2凹部85cは、第1凹部85bの左隣りであって、基板ケース80の正面視(
図6のy軸の正方向の視点)で隣接した位置に形成され、遊技店のスタッフなどがメインCPU61を利用した不正を確認する際にメインCPU61を覗き見る部位となっている。第3凹部85dの底部には、メイン制御基板63に実装されたコネクタ68が挿通する挿通孔85eが形成される。
【0047】
図6に示すように、基板ケース80のベース部材80bは、メイン制御基板63の実装面63aと反対側の面に対向するとともに、基板ケース80が支持板81に保持された状態で当該支持板81に当接する後方板80b1と、後方板80b1に対してそれぞれ略90°に延在する右側板80b2、中間板80b3、左側板80b4、下側板80b5、ベース左外側板80b8と、左側板80b4の左側に被嵌合部80b9とを有する。
【0048】
右側板80b2の外側面(収容空間と逆側の面)には、右回動軸部90aが形成されるとともに、左側板80b4の外側にあるベース左外側板80b8の外側面(収容空間と逆側の面)には左回動軸部90bが形成される。なお、支持板81に設けられた右軸受けフック81c(
図14参照)に右回動軸部90aが支持される。また、支持板81に設けられた左軸受けフック81d(
図14参照)に左回動軸部90bが支持される。
【0049】
下側板80b5の後方板80b1側に窪んだ部分の前方端には、複数のカバー係止片80b6が形成される、各カバー係止片80b6は、いずれも前端部が下側板80b5に対して略90°に屈曲し、フック状に形成される。ベース部材80bにカバー部材80aを装着した状態において、当該屈曲した部分はカバー部材80aの第3凹部85dの底面の前方に配置されるようになっており、カバー部材80aの前方への移動が規制される。これにより、カバー部材80aがベース部材80bから前方側に離れるという、カバー部材80aの浮き上がりを防止している。
【0050】
被嵌合部80b9は、第1被嵌合形成部80b9aと、当該第1被嵌合形成部80b9aに対してy軸の正方向側(スロットマシン1の後ろ側(奥側))に凹んだ第2被嵌合形成部80b9bとを有する。カバー部材80aとベース部材80bとが組み合わされた場合、カバー部材80aの嵌合部80a4がベース部材80bの被嵌合部80b9の窪みに嵌め合わされた状態となる。この状態では、嵌合部80a4と、被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの境界部に凹凸ができる。封印シール550は、その一部が嵌合部80a4と被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの凹凸のある境界部に位置するように貼り付けられ、当該封印シール550を剥がさなければカバー部材80aとベース部材80bとを分離できないようになっている。
【0051】
次に、
図7~
図15を参照して、基板ケース80の回動機構について説明する。なお、
図7は、支持板81に保持された状態の基板ケース80の部分分解斜視図であり、基板ケース80を右斜め上から見たときの斜視図である。また、
図8(a)は回動部材カバー86を前方から見たときの図、
図8(b)は回動部材カバー86を後方から見たときの図、
図9は軸受部材87を前方右斜め上から見たときの斜視図、
図10は軸固定部材88の斜視図、
図11はカバー部材80aを前方右斜め下から見たときの斜視図であって、右外側板80a3の拡大図、
図12は右外側板80a3を後方から見たときの拡大図、
図13はベース部材80bを前方右斜め下から見たときの斜視図であって、右回動軸部90aの拡大図、
図14は回動部材カバー86を外した状態であって、支持板81に保持された状態の基板ケース80を前方右斜め下から見たときの斜視図、
図15は
図14のB-B矢視断面図であって、回動機構の拡大図である。
【0052】
図13に示すように、ベース部材80bの右側板80b2には、右回動軸部90aが形成されている。右回動軸部90aは、円筒状の軸部90a1と、該軸部90a1の外周面に形成されたフランジ部90a2とを有する。軸部90a1は、一端が右側板80b2に接続し、円筒の中心軸が右側板80b2に対して90°となるように配置され、回動軸の一部を構成している。右側板80b2における、軸部90a1の空洞が配置される箇所には貫通孔が形成されており、後述する回動部材カバー86の固定ピン86a(
図8参照)が挿通可能となっている。
【0053】
また、軸部90a1の周面には、軸固定部材88の移動規制突起88a(
図10参照)が配置される、2つの配置孔90a3が形成される。さらに、両配置孔90a3それぞれの周縁には、係止片90a4が形成される。各係止片90a4は、いずれも配置孔90a3における軸部90a1の他端側の端縁から、当該配置孔90a3の内側方向に突出している。また、軸部90a1の他端と配置孔90a3との間には、切断ライン90a5が凹設されており、当該ラインを切断すると係止片90a4を取り除くことができるようになっている。
【0054】
また、フランジ部90a2は、右側板80b2と所定間隔離れた位置に形成される。フランジ部90a2と右側板80b2との隙間には、支持板81に形成された板状の右軸受けフック81c(
図14参照)が配置され、基板ケース80の左右方向の移動が規制できるようになっている。さらに、軸部90a1の外周面には、係止突起90a6が形成されており、軸部90a1が軸受部87bの挿通孔87c(
図9参照)に挿通した後は、係止突起90a6とフランジ部90a2とで軸受部材87の軸受部87bを挟んで、基板ケース80の左右方向の移動を規制できるようになっている。
【0055】
図9に示すように、軸受部材87は、支持板81に当接し、支持板81に固定するためのねじ穴が形成された固定部87aと、固定部87aの端部から略90°に屈曲し、右回動軸部90aの軸部90a1が挿通する挿通孔87cが形成された軸受部87bとを有する。挿通孔87cは、軸部90a1の外周円の径よりも大なる径で形成されており、軸部90a1が挿通可能、かつ、回動可能となっている。
【0056】
図10に示すように、軸固定部材88は、円筒部88dと、円筒部88dの外周面に突設された移動規制突起88aと、円筒部88dの軸方向の一端部に形成された鍔部88bと、鍔部88bにおいて、円筒部88dの軸方向であって円筒部88dの他端部の方向に張り出した未使用孔指示片88cとを有する。円筒部88dの外周円は、ベース部材80bに形成された右回動軸部90aの内周円の径よりも小なる径で形成され、円筒部88dの一端が、右回動軸部90aの軸部90a1に挿入可能となっている。
【0057】
また、鍔部88bは、右回動軸部90aの内周円の径よりも大なるサイズで形成されるとともに、軸受部材87の挿通孔87cの径よりも大なるサイズで形成されている。そのため、円筒部88dの一端を軸部90a1の内側に挿入後、円筒部88dの左方向移動が鍔部88bにより規制される。
【0058】
また、軸固定部材88の移動規制突起88aは、円筒部88dの一端を右回動軸部90aの軸部90a1に挿入して、移動規制突起88aにより固定された後は、基板ケース80が軸受部材87から外れないようになっている。具体的には、移動規制突起88aは、円筒部88dの挿入側の一端から鍔部88bが形成される他端側に向かうにつれて突出高さが高くなるように形成されており、移動規制突起88aの当該他端側の端部においては、円筒部88dを含めたサイズが、右回動軸部90aの内周円の径よりも大きくなっている。そのため、移動規制突起88aが配置孔90a3に嵌る位置まで、円筒部88dを軸部90a1に挿入した後は、軸固定部材88の左方向の移動が移動規制突起88aにより規制される。すなわち、移動規制突起88aが配置孔90a3に嵌る位置まで軸固定部材88の円筒部88dを挿入した後は、移動規制突起88aを取り除かなければ軸受部材87から基板ケース80を外すことができないようになっている。
【0059】
そこで、この実施形態では、一度だけ、意図的に軸受部材87から基板ケース80を外して、再度正常に回動可能な状態に復帰できるように構成されている。例えば、
図13に示す軸部90a1の「B」の文字の隣りに配置された配置孔90a3に移動規制突起88aを配置して位置決めした場合を例に説明する。
【0060】
この場合、「B」の文字の上下に形成された切断ライン90a5を工具を用いて切断すると、「B」の文字の隣りに配置された係止片90a4を取り除くことができ、基板ケース80を軸受部材87から外すことができる。基板ケース80を再度軸受部材87に固定する場合は、軸部90a1の「C」の文字の隣りに配置された配置孔90a3に移動規制突起88aを配置すれば、再び固定が可能となる。
【0061】
なお、
図14に示すように、基板ケース80と軸受部材87に固定した状態では、軸受部材87の軸受部87bが邪魔になって移動規制突起88aが見にくい。そのため、どちらの配置孔90a3に移動規制突起88aを配置したのか分からない。しかしながら、「B」の文字の隣りの配置孔90a3に移動規制突起88aを配置した状態では、未使用孔指示片88cにより「C」の文字の上下に設けられた切断ライン90a5が隠される。そのため、露出している切断ライン90a5を切断すれば、確実に移動規制突起88aが配置された配置孔90a3の係止片90a4を取り除くことができる。
【0062】
また、
図14に示すように、軸固定部材88の移動規制突起88aを右回動軸部90aの配置孔90a3に配置した状態では、軸受部材87の固定部87aのねじ穴の前方に軸固定部材88の鍔部88bが配置され、当該ねじ穴を隠すようになっている。上述のように、軸固定部材88は、係止片90a4を取り除かなければ外れないため、一旦、基板ケース80を固定すると、支持板81から軸受部材87を外す方法により基板ケース80を取り外すこともできないようになっている。
【0063】
また、これらの回動機構部は、回動部材カバー86で覆われており、該回動部材カバー86を外さなければ回動機構部にアクセスできないようになっている。回動部材カバー86には、
図8(b)に示すように、後方側から見たときに、回動側係止部86bが形成されており、一旦、支持板81に形成された回動側被係止部89(
図7参照)と当該回動側係止部86bとが係合すると、これらを破壊しなければ、回動部材カバー86を外せないような封印構造となっている。
【0064】
ここで、支持板81の回動側被係止部89は1箇所しか設けられていないが、上下方向にスライド移動が可能な構造となっている。そのため、例えば、2箇所に設けられた回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方(下側の回動側係止部86b)と係合させ、その後、当該一方の回動側係止部86bを破壊した後は、回動側被係止部89を上方にスライドさせ、他方の回動側係止部86b(上側の回動側係止部86b)と係合させると再度の封印が可能となる。これに伴い、回動部材カバー86を前方から見たときに、カバー側切断ライン86cが形成され(
図8(a)参照)、当該ラインを工具などで切断すれば、封印構造が解除できるようになっている。
【0065】
ところで、蓋部材80aのベース部材80bへの装着方法としては、メイン制御基板63をカバー部材80aにねじ30で固定した後、カバー部材80aとベース部材80bとを重ね合わせ、その後、カバー部材80aを下方にスライドさせることで、カバー部材80aをベース部材80bに装着する(
図6参照)。そして、上記のように、基板ケース80は、ベース部材80bにカバー部材80aを装着した後は、かしめ部80cで厳重に封印され、かしめ部80cを破壊しなければベース部材80bとカバー部材80aとを分離することができなくなっている。さらに、カバー部材80aの右外側板80a3と、左外側板とは、共にベース部材80bの内側に配置された状態で装着されるため、一旦カバー部材80aがベース部材80bに装着された状態では、カバー部材80aの左右方向への移動は規制される。また、カバー部材80aは、ベース部材80bに形成されたカバー係止片80b6により前方方向への移動も規制されることから、カバー部材80aをベース部材80bから分離させるためには、一度カバー部材80aを上方にスライドさせる必要がある。
【0066】
ただし、この実施形態では、基板ケース80の回動軸を固定する軸固定部材88により、カバー部材80aの上方へのスライド移動を規制できるようになっている。また、軸固定部材88は、回動部材カバー86に設けられた固定ピン86aにより固定されることから、例えば、かしめ部80cを破壊しても、さらに回動部材カバー86を外し、さらに軸固定部材88を外さなければ、カバー部材80aとベース部材80bとの分離ができないようになっている。以下、その構造を説明する。
【0067】
図11および
図12に示すように、カバー部材80aの右外側板80a3には、ベース部材80bの右回動軸部90aが形成された位置に対応する箇所に軸固定部材88が挿通するためのカバー側切欠部80a6が形成されている。当該カバー側切欠部80a6は、後方側が空いたU字状に形成されている。また、ベース部材80bの中間板80b3にも、カバー側切欠部80a6と重なるように、略同形状のベース側切欠部80b7が形成されている(
図13等参照)。
【0068】
回動部材カバー86の装着方法については、
図7に示すように、支持板81の所定位置に、軸受部材87を配置した後、軸受部材87の挿通孔87cに、基板ケース80の右回動軸部90aの軸部90a1を挿通させ、軸受部材87をねじで固定する。続いて、軸固定部材88で基板ケース80を固定する。
【0069】
図15は、
図14のB-B矢視断面図であり、軸固定部材88が軸受部材87に挿通し、さらに、軸固定部材88の円筒部88dに回動部材カバー86の固定ピン86aが挿通された状態を示している。軸固定部材88の円筒部88dは、軸受部87bから基板ケース80側にはみ出すように、軸受部87bの幅よりも長く形成されており、軸固定部材88で基板ケース80を固定した状態では、軸固定部材88の先端部(円筒部88dにおける鍔部88bと反対側の端部)が、カバー部材80aの右外側板80a3に形成されたカバー側切欠部80a6、および、ベース部材80bの中間板80b3に形成されたベース側切欠部80b7それぞれに挿通した状態となる。最後は、回動部材カバー86の固定ピン86aを、軸固定部材88の円筒部88dに挿通させるべく左側スライドさせ、回動部材カバー86を装着する。これにより、軸固定部材88が、固定ピン86aにより固定される。なお、固定ピン86aは、
図8(b)に示すように、回動部材カバー86の内側であって、軸固定部材88の円筒部88d並びに右回動軸部90a(ベース部材80b)の軸部90a1に挿通可能な位置に形成されている。
【0070】
この場合、カバー部材80aを上方にスライドさせてベース部材80bから分離しようとしても、支持板81に固定された軸固定部材88の円筒部88dにカバー側切欠部80a6が当たって、上方への移動が規制されるため、分離が不可能となる。上述のように、軸固定部材88を右回動軸部90aから外そうとする場合は、右回動軸部90aの切断ライン90a5を切断する必要があり、これを行う場合は回動部材カバー86を外さなければならない。このように、軸固定部材88は、基板ケース80が支持板81から不正に取り外されるのを防止する機能(いわゆる筐体かしめ)と、基板ケース80の不正な開放を防止する機能(いわゆる本体かしめ)とを有し、両かしめ機能が基板ケース80の回動軸に集約されている。なお、一般的に、このようなかしめ機能を実現する構造部(かしめ構造部)は、外部からの不正なアクセスを遮断する為に、ケース等で保護することが望ましい。しかしながら、両かしめ機能を離れた場所に設けると、個別のケースで保護する必要性が生じ、その分筐体内部のスペースを占有するだけでなく、コストも増大する。そこで、この実施形態のように、両かしめ機能を回動軸に集約すると、かしめ構造部を保護するケースの設置範囲が小さくて済み、スペース効率がよい。
【0071】
そのため、基板ケース80のかしめ部80cが破壊された状態であっても、支持板81に固定された状態では、カバー部材80aとベース部材80bとの分離は容易ではない。このように、基板ケース80のカバー部材80aとベース部材80bとの封印構造は、回動機構側でも可能となっている。なお、回動部材カバー86の固定ピン86aは、軸固定部材88の円筒部88dおよびカバー側切欠部80a6を挿通し、軸固定部材88の円筒部88dの補強と、回動部材カバー86の位置決めの機能を有する。
【0072】
本実施形態では、支持板81と基板ケース80とを係合させることを「Bかしめ」と定義し、基板ケース80における「Bかしめ」が施される部分(回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向負側の回動側係止部86bや支持板81の回動側被係止部89などから構成される部分)を「Bかしめ部」と定義する。「Bかしめ部」は、スロットマシン1が製造工場から出荷された後に、基板ケース80が支持板81から不正に取り外されないように、基板ケース80を支持板81に連結させて、基板ケース80が支持板81から不正に取り外された際にはその痕跡が残るようにするための部分である。基板ケース80や支持板81を点検する場合は、「Bかしめ部」やその周辺の状態(破壊痕等の有無)を確認することによって、基板ケース80が支持板81から不正に取り外されたか否かを確認することができる。なお、「Bかしめ部」は、それを設ける場所は特に限定されるものではない。
【0073】
「Bかしめ部」を構成する支持板81の回動側被係止部89は1箇所にしか設けられていないが、上下方向にスライド移動可能な構造になっており、「Bかしめ部」を構成する回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向負側の回動側係止部86bが破壊されることにより係合が解かれた後、上方向に移動する。これにより、回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向正側の回動側係止部86bと支持板81の回動側被係止部89とが係合可能になる。この係合を「Cかしめ」と定義し、基板ケース80における「Cかしめ」が施される部分(回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向正側の回動側係止部86bや支持板81の回動側被係止部89などから構成される部分)を「Cかしめ部」と定義する。
【0074】
本実施形態では、「Bかしめ部」に加え、「Bかしめ部」の予備として「Cかしめ部」が備えられている。すなわち、基板ケース80は、スロットマシン1が製造工場から出荷された後でも、検査機関等による立入検査によって支持板81から正規に取り外されることがある。この検査の際に、上述した「Bかしめ部」は検査機関等により正規に破壊されることになる。この検査の際には、「Bかしめ部」を構成する回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向負側の回動側係止部86bは破壊されるが、支持板81の回動側被係止部89は破壊されず、「Cかしめ部」の一部として使用される。検査機関等による検査が完了した後の基板ケース80は、再度、支持板81に取り付けられる必要があるが、「Bかしめ部」を構成する回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向負側の回動側係止部86bは、既に破壊された状態となっているため、利用することができない。このため、検査完了後の基板ケース80を支持板81に取り付ける際には、「Cかしめ部」を構成する回動部材カバー86の回動側係止部86bの一方である
図8のz軸方向正側の回動側係止部86bと支持板81の回動側被係止部89とで、基板ケース80と支持板81とを連結することになる。この場合に、回動側被係止部89は、「Bかしめ部」と兼用される。なお、「Cかしめ部」は、それを設ける場所は特に限定されるものではない。また、「Cかしめ部」の予備としてさらに「Dかしめ部」を備えるようにしてもよい。
【0075】
また、その他のかしめ部として、「Fかしめ部」を備えている。メイン制御基板63をメーカに返却する際に、そのメイン制御基板63を収容する基板ケース80におけるベース部材80bとカバー部材80aとを係合させることを「Fかしめ」と定義し、基板ケース80における「Fかしめ」が施される部分を「Fかしめ部」と定義している。「Fかしめ部」は、メイン制御基板63をメーカに返却する際に、基板ケース80が不正に開放されないように、基板ケース80を封止して、基板ケース80が不正に開放された際にはその痕跡が残るようにするための部分である。なお、「Fかしめ部」は、それを設ける場所は特に限定されるものではない。本実施の形態では、基板ケース80における右上隅角部の「Aかしめ部」の左側に設けている。
【0076】
(証紙)
続いて、証紙750について
図16を参照して説明する。
【0077】
証紙750には、
図16に示すように、製造会社名、会社ロゴ、製造番号を示す記号や英数字から成る証紙番号(以下、「第3文字情報」と記載する。)750b、読取機を用いることで第3文字情報750bを特定可能な情報を読み取ることができる第3コード情報750aとが表示される。ここで、第3文字情報750bを特定可能な情報は、第3文字情報750bと完全一致している情報や、第3文字情報750bとは完全一致していなくても第3文字情報750bを特定できる情報である。第3文字情報750bとは完全一致していなくても第3文字情報750bを特定できる情報として、例えば、第3文字情報750bが1S-1-123/123456である場合の1S1123123456(ハイフン及びスラッシュ無し)、第3文字情報750bが1S1123123456である場合の1S-1-123/123456(ハイフン及びスラッシュ有り)、第3文字情報750bが1S-1-123/123456(「1S」は機種に関わらず付加されるもの)である場合の1-123/123456(「1Sハイフン」無し)などがある。また、両者に、大文字と小文字の違いや、全角と半角の違いや、フォントの違いなどがある場合であっても、第3文字情報750bとは完全一致していなくても第3文字情報750bを特定できる情報の一例に含まれることとしてもよい。本実施形態では、第3コード情報750aは、QRコード(登録商標)などの二次元コードであるが、二次元コード以外の例えば一次元コードなどであってもよい。
【0078】
第3コード情報750aは、例えば、証紙750の大きさが例えばk=55mm、l=35mmである場合に、第3コード情報750aの表示領域の大きさは例えばn=7mm、m=7mmに設定されている(証紙750全体に対する第3コード情報750aの表示領域の占有率は、約2.5%となる)ようなものが含まれる。また、第3文字情報750bは、例えば、証紙750の大きさが例えばk=55mm、l=35mmである場合に、第3文字情報750bの表示領域の大きさは例えばy3=4mm、x3=36mmに設定されている(証紙750全体に対する第3文字情報750bの表示領域の占有率は、約7.5%となる)ようなものが含まれる。また、第3コード情報750aの証紙750における位置はsa3=5mm、sb3=43mm、ta3=13mm、tb3=15mmであるなど、第3コード情報750aは証紙750の所定の領域に形成される。なお、証紙750については、上述のようなスロットマシン1の個別情報を示すものに限らず、公的機関による試験の適合を証するものであったり、特許権等の実施許諾を証するものであっても良い。
【0079】
証紙750が
図1に示すようにスロットマシン1の前面扉3(下部パネル35)に貼付された場合、第3コード情報750aを構成する二次元コードの向きや第3文字情報750bを構成する文字の向きは、スロットマシン1の正面視において、スロットマシン1の上側から下側に向かう方向(「下」方向:z軸の負方向)である。なお、
図16~
図18の(注)に示すように、二次元コードの向きは二次元コードの上側から下側に向かう向きであり、文字の向きは文字の上側から下側に向かう向きである。本実施形態では、二次元コードとして、略矩形状をし、3隅に1個ずつ四角い切り出しシンボルが配置されたQRコード(登録商標)を用いている。このQRコード(登録商標)の向きは、切り出しシンボルが左上に1つ、右上に1つ、左下に一つ配置されている状態におけるQRコード(登録商標)の上側から下側に向かう向きである。
【0080】
(封印シール)
続いて、封印シール550について
図17を参照して説明する。
【0081】
長方形状の封印シール550は、
図17に示すように、封印シール550の外周の各角部に例えばR2mmの面取りなどを施してあり、第2文字情報550bと、読取機を用いることで第2文字情報550bとは異なる情報を読み取ることができる第2コード情報550aとが表示される。
【0082】
第2文字情報550bとしては、例えば、「87654321」などの封印シール550のシリアル番号などが含まれる。また、第2コード情報550aは、QRコード(登録商標)などの二次元コードが印刷されており、当該二次元コードを読取機を用いることで読み取ることができる情報としては、例えば、「L4FEUNW388」などのランダムな英数字などが含まれる。ここで、二次元コードを読取機を用いることで読み取ることができる情報としては、ランダムな英数字に限定されず、第2文字情報550bと一部だけ異なるもの、例えば、「87654331」などであっても良い。このように第2文字情報550bと一部だけ違うようにした場合は、仮に第2コード情報550aを読取機を用いることで読み取られた場合であっても、第2文字情報550bに記載された文字との違いに気がつきにくく、同一と誤認させることができる。本実施形態では、第2コード情報550aは、QRコード(登録商標)などの二次元コードであるが、二次元コード以外の例えば一次元コードなどであってもよい。
【0083】
第2コード情報550aは、例えば、
図17に示すように、封印シール550の大きさが例えばh=35mm、g=60mmである場合に、第2コード情報550aの表示領域の大きさは、例えば、j=6mm、i=6mmに設定されている(封印シール550全体に対する第2コード情報550aの表示領域の占有率は、約1.7%となる)ようなものが含まれる。また、第2文字情報550bは、例えば、封印シール550の大きさが例えばh=35mm、g=60mmである場合に、第2文字情報550bの表示領域の大きさは例えばy2=2mm、x2=11mmに設定されている(封印シール550の全体に対する第2文字情報550bの表示領域の占有率は、約1%となる)ようなものが含まれる。また、第2コード情報550aの封印シール550における位置はsa2=47mm、sb2=7mm、ta2=18mm、tb2=11mmであるなど、第2コード情報550aは封印シール550の所定の領域に形成される。
【0084】
上記したように第3コード情報750aの表示領域の大きさは例えばn=7mm、m=7mmに設定されている。一方で、上記したように第2コード情報550aの表示領域の大きさは例えばj=6mm、i=6mmに設定されている。このように、第3コード情報750aの表示領域は第2コード情報550aの表示領域に比べてサイズ(面積)が大きい。
【0085】
また、上記したように証紙750全体に対する第3コード情報750aの表示領域の占有率は例えば約2.5%である。一方で、上記したように封印シール550全体に対する第2コード情報550aの表示領域の占有率は例えば約1.7%である。このように、証紙750全体に対する第3コード情報750aの表示領域の占有率は封印シール550全体に対する第2コード情報550aの表示領域の占有率よりも高い。
【0086】
また、上記したように第3文字情報750bの表示領域の大きさは例えばy3=4mm、x3=36mmに設定されている。一方で、上記したように第2文字情報550bの表示領域の大きさは例えばy2=2mm、x2=11mmに設定されている。このように、第3文字情報750bの表示領域は第2文字情報550bの表示領域に比べてサイズ(面積)が大きい。
【0087】
また、上記したように証紙750全体に対する第3文字情報750bの表示領域の占有率は約7.5%である。一方で、上記したように封印シール550の全体に対する第2文字情報550bの表示領域の占有率は約1%である。このように、証紙750全体に対する第3文字情報750bの表示領域の占有率は封印シール550の全体に対する第2文字情報550bの表示領域の占有率よりも高い。
【0088】
封印シール550では、第2コード情報550aや第2文字情報550bなどが印刷等により表示される表面と反対側の裏面から封印シール550を見た場合に、第2コード情報550aを構成する二次元コードや第2文字情報550bを構成する文字などは、人がそれらの向きを判別可能に見える程透けて見えない。なお、封印シール550の裏面からは第2コード情報550aが読取機で読み取ることができる程度には透けていないとしてもよい。
【0089】
(記録紙)
続いて、記録紙350について
図18を参照して説明する。
【0090】
記録紙350は、光透過性を有するシートにより形成され、
図17に示すように、記録紙350の外周の各角部に例えばR0.3mmの面取りなどを施してある。ここで、記録紙350は、ポリエチレンテレフタラート(PET)などの樹脂などにより形成され、又、無着色であることが望ましい。なお、記録紙350の外周の各角部に面取りが施されていなくてもよい。
【0091】
上記したように封印シール550の外周の各角部は例えばR2mmの面取りなどが施され、一方、上記したように記録紙350の外周の各角部は例えばR0.3mmの面取りなどが施される。このように、記録紙350の外周の各角部の面取りのRの値の方が封印シール550の外周の各角部の面取りのRの値はより小さい。ここで、記録紙350は透明なシールで形成され、封印シール550は不透明なシールで構成されている。透明なシールの場合は、貼り付け作業時に付いた指紋等が不正の痕跡(透明なシールを剥がすとともに、基板ケースに孔を開けて再度透明なシールを貼り付けるような不正の痕跡)と紛らわしくなる。Rが小さい方が、指等の接触する面積が小さくなり、粘着力の低下はもちろん、指紋や指に付着した異物等の付着を防止できるため、記録紙350など透明なシールの場合はRが小さいほうが望ましい。一方、Rが大きいと貼り付け作業の作業効率が良くなるため、封印シール550など不透明のシールについては上述の指紋等の付着による上記の弊害がないため作業性を優先することが望ましい。また、封印シール550にはスリット558a、558bが設けられているため、作業性を優先することが望ましい。
【0092】
記録紙350には、基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字が形成されている。ここで、基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字は、
図18に示すように、「主基板番号」、「かしめ使用記録」、「A」、「B」、「C」、「F」、「用途」、「本体固定用」、「立入検査」、「基板回収用」、「年月日」、「担当者」の文字である。ここで、「A」、「B」、「C」、「F」に関しては、
図18に示す通り、〇で囲まれているが、本件明細書では単に「A」、「B」、「C」、「F」と記載する。なお、本実施形態では、これらの文字は記録紙350に印刷等により形成されるが、これに限定されず、基板ケース80の表面に直接印刷等して形成するようにしてもよい。
【0093】
また、記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字の色は、メイン制御基板63の地色(例えばメイン制御基板63の面のうちの記録紙350と対向する実装面63aの地色)に対し、高コントラストとなる色が使用される。また、高コントラストとなる色は、当該文字の輪郭と地色との境目の明度の差が大きい色、例えば、メイン制御基板63の地色となるソルダレジストの色が緑色や黒色の場合は白色や白色と同系色である。また、記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字の色は、メイン制御基板63の地色に対し、高コントラストとなる色であるが、かかる高コントラストとなる色は、メイン制御基板63の地色と後述する第2着色部353とのコントラストよりも、高コントラストとなる色である。
【0094】
なお、後述するように、記録紙350は、基板ケース80の表面80Mであって、基板ケース80に収容したメイン制御基板63と対向する側から見て(基板ケース80の正面視において)、当該メイン制御基板63と重なる位置に貼付される。これにより、記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字は、基板ケース80の表面80Mであって、基板ケース80に収容したメイン制御基板63と対向する側から見て(基板ケース80の正面視において)、当該メイン制御基板63と重なる位置に存在することになる。
【0095】
基板ケース80の表面80Mであり、基板ケース80に収容したメイン制御基板63と対向する側から見て(基板ケース80の正面視において)、メイン制御基板63と重ならない部分であって、基板ケース80を構成する樹脂の厚みが薄い第1部分よりも厚くなることで基板ケース80が白濁して見える第2部分80LD(
図19参照)に形成される識別情報の色は、当該白濁して見える第2部分及び記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字の色に対して低明度な色、例えば、黒色が使用される。
【0096】
ここで、第2部分80LDは、ベース部材80bとカバー部材80aとが重なることで、第1部分よりも厚くなり、白濁する部分である。例えば、第2部分80LDは、
図19に示すように、基板ケース80の正面視において、基板ケース80の左下端部となる。かかる部分は、ベース部材80bとカバー部材80aとが重なることで、白濁して見える。すなわち、樹脂により形成される基板ケース80は、塑性変形した際に白化するという特性があるため、完全な透明に形成されてはおらず、基板ケース80の複数の部材が重なると白濁して見えることとなる。なお、第2部分80LDは、基板ケース80の正面視において、基板ケース80の左下端部に限定されず、基板ケース80が白濁して見える部分であれば場所を問わない。
【0097】
また、第2部分80LDに形成される識別情報は、アルファベット等の言語に用いられる文字の他、数字や、記号も含まれ、例えば、基板ケース80の型番などの識別情報やメイン制御基板63の型番などの識別情報が含まれるが、これに限定されない。
【0098】
また、第2部分に形成される識別情報の色は、黒色に限定されず、黒色と同系色や、白濁して見える第2部分80LDや基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字の色に対して高コントラストとなる色であればよい。
【0099】
また、第1部分の例としては、平板形状が連続しており、その内部が視認しやすい部位であり、例えば比率表示器69やモニタLED32に対向する部位などが挙げられる。すなわち、例えば比率表示器69やモニタLED32などの電子部品を視認可能なように薄い平板で形成されている。また、記録紙350のように、基板ケース80以外のものが貼り付けられることで、視認性が低下した場合であってもある程度の視認性を確保する必要がある部分である。
【0100】
なお、基板ケース80が白濁して見える第2部分80LDを、例えば、基板ケース80のカバー部材80a又はベース部材80bの形成に用いる射出成形用金型に例えば細かな凹凸を設ける等の粗面加工を施し、この粗面加工を施した射出成形用金型を用いてカバー部材80a又はベース部材80bを作ることによって、形成するようにしてもよい。
【0101】
また、記録紙350の外周に沿った枠線W1や、上述の基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字を縦線と横線とで仕切る枠線W2の色も、記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字の色と同様、メイン制御基板63の地色(例えばメイン制御基板63の面のうちの記録紙350と対向する実装面63aの地色)に対し、高コントラストとなる色、例えば、白が使用される。なお、枠線W1の方が枠線W2よりも太線で形成されている。
【0102】
また、高コントラストとなる色は、上述したメイン制御基板80の実装面80aに印刷等される文字の色と同系色である。すなわち、メイン制御基板80の実装面80aに印刷される文字の色は、メイン制御基板80の地色が緑色の場合は、白色と同系色となっている。ここで、同系色には、同じ色も含まれる。
【0103】
なお、メイン制御基板80の地色(例えばメイン制御基板63の面のうちの記録紙350と対向する実装面63aの地色)は緑色や黒色に限定されず、例えば、黄色、赤色、紫色などであっても良い。ここで、地色を黄色にした場合は、記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字は青色、地色を赤色にした場合は当該文字は緑色、地色を紫色にした場合は当該文字は黄緑色などである。すなわち、高コントラストとなる色には、メイン制御基板80の地色(例えばメイン制御基板63の面のうちの記録紙350と対向する実装面63aの地色)と、色相環の反対色や補色の関係となる色などを含む。
【0104】
また、記録紙350には、光透過性を有する光透過部と、下地の色を白色系統の色で形成された着色部351とを備える。ここで、光透過部は、記録紙350を光透過性を有するシートで形成するため、着色部351や記録紙350に形成される基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字や枠線W1、W2以外の部分となる。着色部351には、白色系統の色のうち、第2着色部353よりも明度が高い第1着色部352と、第1着色部352よりも明度が低い第2着色部353とを備える。ここで、明度は、明るさの度合をいい、例えば、明るさの度合が10段階ある場合に、第1着色部352は「10」であり、第2着色部353は「7」などである(明るさの度合いを表す数値が大きい程明るい)。
【0105】
ここで、第1着色部352と第2着色部353との明度は、色の違うインクにより印刷することで異なるようにしてもよいし、重ね塗りの有無等や回数で異ならせてもよい。なお、第1着色部352と第2着色部353とは下地の色を白色系統の色以外の色で形成するようにしてもよいが、第1着色部352と第2着色部352との双方の視認性をメイン制御基板80の地色(例えばメイン制御基板63の面のうちの記録紙350と対向する実装面63aの地色)に対して良好なものとする上では、双方とも白色系統とすることが最も望ましい。
【0106】
第1着色部352は、複数の領域を備えており、例えば、記録紙350の右上に検印領域357と、日付記入領域356a及び担当者名記入領域356bとの計7個、備えられており、第1着色部352は矩形状に着色されており、本実施の形態では、白色である。
【0107】
記録紙350の右上に設けられた検印領域357の左側には「A」の文字が、上述したように白色で形成されている。ここで、記録紙350の右上の検印領域357は「Aかしめ部」を使用したことを示す捺印が可能な領域である。なお、捺印に限定されず、筆記具などにより記入するようにしても良い。
【0108】
一番上の日付記入領域356aの上側には「年月日」、一番上の担当者名記入領域356bの上側には「担当者」、一番上の日付記入領域356aの左側には「B」及び「本体固定用」、中央の日付記入領域356aの左側には「C」及び「立入検査」、一番下の日付記入領域356aの左側には、「F」、「基板回収用」の文字が、上述したように白色で形成されている。
【0109】
ここで、記録紙350に形成される文字「B」及び「本体固定用」は、同じ行にある日付記入領域356a及び担当者名記入領域356bが「Bかしめ部」を正規に使用した「年月日」を作業者の筆記具による手書きや捺印などにより記入可能な領域及び「Bかしめ部」を正規に使用した「担当者」の名前を筆記具などにより記入可能な領域であることを示している。
【0110】
また、記録紙350に形成される文字「C」及び「立入検査」は、同じ行にある日付記入領域356a及び担当者名記入領域356bが「Cかしめ部」を正規に使用した「年月日」を筆記具などにより記入可能な領域及び「Cかしめ部」を正規に使用した「担当者」の名前を筆記具などにより記入可能な領域であることを示している。
【0111】
また、記録紙350に形成される文字「F」、「基板回収用」は、同じ行にある日付記入領域356a及び担当者名記入領域356bが「Fかしめ部」を正規に使用した「年月日」を筆記具などにより記入可能な領域及び「Fかしめ部」を使用した「担当者」の名前を筆記具などにより記入可能な領域であることを示している。
【0112】
日付記入領域356aは、例えば略矩形状をしており、例えばその横幅(長手方向の長さ)がc=16mmである。また、担当者名記入領域356bは、例えば略矩形状をしており、例えばその横幅(長手方向の長さ)がd=18mmである。このように、担当者名記入領域356bの長手方向の長さは日付記入領域356aの長手方向の長さよりも長い。
【0113】
第2着色部353は、複数の領域を備えており、第1文字情報354aが記載される文字領域354と、第1コード情報355aが記載されるコード領域355とを備える。第1文字情報354aとしては、例えば、「ABCD/12345」などのメイン制御基板の管理番号であるが、これに限定されず、他の情報を表示してもよい。また、第1コード情報355aとしては、読取機を用いることで第1文字情報354aを特定可能な情報を読み取ることができるQRコード(登録商標)などの二次元コードにより表現したものである。ここで、第1文字情報354aを特定可能な情報は、第1文字情報354aと完全一致している情報や、第1文字情報354aとは完全一致していなくても第1文字情報354aを特定できる情報である。第1文字情報354aとは完全一致していなくても第1文字情報35abを特定できる情報として、例えば、第1文字情報354aがABCD/12345である場合のABCD12345(スラッシュ無し)、第1文字情報354aがABCD12345である場合のABCD-12345(ハイフン有り)、第1文字情報354aがABCD/12345s(「s」は機種に関わらず付加されるもの)である場合のABCD/12345(「s」無し)などがある。また、両者に、大文字と小文字の違いや、全角と半角の違いや、フォントの違いなどがある場合であっても、第1文字情報354aとは完全一致していなくても第1文字情報35abを特定できる情報の一例に含まれることとしてもよい。本実施形態では、第1コード情報355aは、QRコード(登録商標)などの二次元コードであるが、二次元コード以外の例えば一次元コードなどであってもよい。
【0114】
第1コード情報355aは、例えば、
図18に示すように、記録紙350の大きさが例えばe=53mm、f=83mmである場合に、第1コード情報355aの大きさは、例えば、a=9mm、b=9mmに設定されている(記録紙350全体に対する第1コード情報355aの表示領域の占有率は約1.8%となる。)ようなものが含まれる。また、第1文字情報354aは、例えば、記録紙350の大きさが例えばe=53mm、f=83mmである場合に、第1文字情報354aの表示領域の大きさは例えばy1=4mm、x1=25mmに設定されている(記録紙350の全体に対する第1文字情報354aの表示領域の占有率は、約2.3%となる)ようなものが含まれる。また、第1コード情報355aの記録紙350における位置はsa1=7mm、sb1=67mm、ta1=7mm、tb1=37mmであるなど、第1コード情報355aは記録紙350の所定の領域に形成される。
【0115】
上記したように第1コード情報355aの表示領域の大きさは例えばa=9mm、b=9mmに設定されている。一方で、上記したように第2コード情報550aの表示領域の大きさは例えばj=6mm、i=6mmに設定されている。このように、第1コード情報355aの表示領域は第2コード情報550aの表示領域に比べてサイズ(面積)が大きい。
【0116】
また、上記したように記録紙350全体に対する第1コード情報355aの表示領域の占有率は例えば約1.8%である。一方で、上記したように封印シール550全体に対する第2コード情報550aの表示領域の占有率は例えば約1.7%である。このように、記録紙350全体に対する第1コード情報355aの表示領域の占有率は封印シール550全体に対する第2コード情報550aの表示領域の占有率よりも高い。
【0117】
また、上記したように第1文字情報750bの表示領域の大きさは例えばy1=4mm、x1=25mmに設定されている。一方で、上記したように第2文字情報550bの表示領域の大きさは例えばy2=2mm、x2=11mmに設定されている。このように、第1文字情報354aの表示領域は第2文字情報550bの表示領域に比べてサイズ(面積)が大きい。
【0118】
また、上記したように記録紙350の全体に対する第1文字情報354aの表示領域の占有率は約2.3%である。一方で、上記したように封印シール550の全体に対する第2文字情報550bの表示領域の占有率は約1%である。このように、記録紙350の全体に対する第1文字情報354aの表示領域の占有率は封印シール550の全体に対する第2文字情報550bの表示領域の占有率よりも高い。
【0119】
第2着色部353である文字領域354とコード領域355とは、矩形状に着色されており、本実施の形態では、上述した第1着色部352である検印領域357と日付記入領域356aと担当者名記入領域356bとの白色よりも明度が低い灰色である。このように、文字領域354及びコード領域355は検印領域357、日付記入領域356a及び担当者名記入領域356bより明度が低い。なお、これらの明度の関係は逆であってもよい。
【0120】
このように明度の低い領域に、第2着色部353(第1文字情報354a、第1コード情報355a)を表示することで、第1着色部352(検印領域357、日付記入領域356a、担当者名記入領域356b)に記入する記入者が、記入領域を間違えて第2着色部353に記入することがないようにすることが可能となる。すなわち、第1着色部352への記入は、本実施の形態では、記録紙350を基板ケース80に貼付した後になり、メイン制御基板63と重なることから、メイン制御基板63に対し、高コントラストとなるように明度を高くして、記入者の目に留まりやすくすることが望ましい。一方、本実施の形態では、第2着色部353へ記入される情報(第1文字情報354a、第1コード情報355a)は、記録紙350を基板ケース80に貼付する前から判明している情報であり、貼付する前から機械による印刷を行うことが可能な情報である。そのため、第2着色部353への記入は、機械による印刷により行われるようにしている。このため、上述のように、第1着色部352と第2着色部353の双方の視認性をメイン制御基板63の地色に対して良好なものとするうえでは、双方とも白色系統とすることが最も望ましいが、敢えて第1着色部352との明度の差を出して、記入領域を間違えないようにするようにしている。また、機械による印刷では、摩擦のばらつきを小さくすることが可能である。
【0121】
第1着色部352は、筆記具や印などにより記入されることが望ましく、第2着色部353に表示される第1文字情報354aや第1コード情報355aは、印刷により形成されることが望ましいものである。これは、明度が低い領域よりも明度が高い領域の方が記入者の目に留まり易く、第1着色部352と第2着色部353との区別が明確になり、目に留まりやすい方の領域に記入させる方が、記入者が記入する領域を間違えることを防止することが可能となるためである。
【0122】
第1着色部352の下地は、第2着色部353の下地よりも厚く形成されている。これは、本実施の形態では、第2着色部353への記入は、記録紙350を基板ケース80に貼付する前であるため、第2着色部353は、第1着色部352に比べ、かかる筆記具などによる記入を考慮する必要がないことから厚く形成する必要はないのに対し、第1着色部352は、筆記具などにより記入可能な領域であるため、厚く形成することにより柔軟性を持たせるようにしている。そのため、作業者が筆記具などにより記入する際に、筆記具との摩擦が強くても剥がれ難くなる。また、第1着色部352への記入は、記録紙350を硬い基板ケース80に貼付した後になるため、柔軟性を持たせることにより記入しやすくなることができる。また、第1着色部352が厚く形成されると、筆記具のインクを吸収しやすくすることができる。
【0123】
また、第2着色部353に表示される第1文字情報354aや第1コード情報355aを印刷により形成することとした場合は、第2着色部353を印刷後、速く乾燥させる必要があり、下地を薄くすることで作業効率を上げることを可能とするためである。ここで、第1着色部352の下地を、箔押しや、印刷した上に箔押し、二度刷り、印刷の上にニス加工などにより、第2着色部353の下地よりも厚く形成するようにしてもよい。
【0124】
また、記録紙350は、第1着色部352を印刷した後に、第2着色部353を印刷することが望ましい。これは、上述したように、第1着色部352の方が第2着色部353よりも下地が厚く形成されているため、印刷が乾きにくく、印刷の乾燥に要する時間を確保するためである。なお、第1着色部352と第2着色部353との印刷の順番は、同時であってもよいし、又、第2着色部353を印刷した後に、第1着色部352を印刷するようにしてもよい。
【0125】
また、記録紙350は、基板ケース80に収容したメイン制御基板63と対向する側から見て、メイン制御基板63に配置される各種電子部品の一部と重なる部分に貼り付けられるようにしてもよい。この場合には、記録紙350に形成される文字の色は、メイン制御基板63の地色に加え、電子部品に印刷されている型番の文字などに対しても、高コントラストとなる色が使用されることが望ましい。また、この場合であっても、記録紙350は、基板ケース80内に配置されて基板ケース80外部からの視認により点検が必要な部品、例えば、各種の電子部品のうち、メインCPU61などと重なる領域(点検領域)や、基板ケース80に対する不正行為を防止するための部品、各種のかしめ部などと重なる領域(不正行為防止領域)とは重ならないように貼り付けられることが望ましい。そのため、記録紙350は、本実施形態では、基板ケース80の表面(基板ケース80の正面視において、基板ケース80の前面)80Mのうち、点検領域、不正行為防止領域と重ならず、黒色に形成されたICチップ群が配置されたメイン制御基板63と対向する部分に貼り付けられている。言い換えると、記録紙350は、上記点検領域や、上記不正行為防止領域とは重ならないように貼り付けられた結果、黒色に形成されたICチップ群の重なる部分に貼り付けられている。
【0126】
記録紙350では、基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字や第1コード情報355a、第1文字情報354aなどが印刷等により表示される表面と反対側の裏面から記録紙350を見た場合に、基板ケース80の正規の開封履歴に関する文字や第1コード情報355aを構成する二次元コード、第1文字情報354aを構成する文字などは、人がそれらの向きを判別可能に透けて見える。これにより、記録紙350をメイン制御基板63及び基板ケース80の組付け前に貼り付けした場合、基板ケース80のカバー部材80aにメイン制御基板63を固定する際に裏から記録紙350の上下関係を確認でき、メイン制御基板63をカバー部材80aに取り付ける向きを間違えることなくメイン制御基板63をカバー部材80aに固定することができる。なお、記録紙350の裏面から第1コード情報355aが読取機で読み取ることができる程度に透けているとしてもよい。
【0127】
(記録紙及び封印シールの基板ケースへの貼付)
続いて、記録紙350及び封印シール850の基板ケース80への貼付について
図19を参照して説明する。
【0128】
封印シール550は、基板ケース80の表面(基板ケース80の正面視において、基板ケース80の前面)80Mに、基板ケース80外部に剥き出しになるように貼付される。この実施形態では、封印シール550は、その一部が、カバー部材80aの嵌合部80a4とベース部材80bの被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの凹凸のある境界部に来るように、嵌合部80a4の面80a4aと被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aの面80b9a1とに貼付される(
図6、
図19、
図21参照)。このとき、
図21に示すように、第2コード情報550aを構成する二次元コードの向きや第2文字情報550bを構成する文字の向きは、基板ケース80の正面視において、基板ケース80の左側から右側に向かう方向(「右」方向:x軸の正方向)である。
【0129】
記録紙350は、基板ケース80の表面80Mであって、基板ケース80に収容したメイン制御基板63と対向する側から見て(基板ケース80の正面視において)、当該メイン制御基板63と重なる位置に、基板ケース80外部に剥き出しになるように貼付される。この実施形態では、記録紙350は、カバー部材80aの前方板80a1の主要部85aの前面85a1aに貼付される(
図6、
図19、
図21参照)。このとき、
図21に示すように、第1コード情報355aを構成する二次元コードの向きや第1文字情報354aを構成する文字の向きは、基板ケース80の正面視において、基板ケース80の上側から下側に向かう方向(「下」方向:z軸の負方向)である。
【0130】
なお、上述したように、証紙750がスロットマシン1の前面扉3の下部パネル35に貼付された場合、第3コード情報750aを構成する二次元コードの向きや第3文字情報750bを構成する文字の向きは、スロットマシン1の正面視において、スロットマシン1の上側から下側に向かう方向(「下」方向:z軸の負方向)である(
図1参照)。
【0131】
なお、記録紙350の第1コード情報355aを構成する二次元コードの向きや第1文字情報354aを構成する文字の向き、及び、証紙750の第3コード情報750aを構成する二次元コードの向きや第3文字情報750bを構成する文字の向きが上述した基板ケース80又はスロットマシン1の上側から下側に向かう方向(「下」方向:z軸の負方向)である場合、封印シール550の第2コード情報550aを構成する二次元コードの向きや第2文字情報550bを構成する文字の向きは、基板ケース80の左側から右側に向かう方向(「右」方向:x軸の正方向)の他に、基板ケース80の下側から上側に向かう方向(「上」方向(z軸の正方向))など、記録紙350や証紙750の二次元コードや文字の向きと異なっていればよい。
【0132】
また、
図19に示すように、ヒンジ機構4との距離は封印シール550の方が記録紙350よりも小さい(記録紙350よりも封印シール550の方がヒンジ機構4寄りにある)。また、
図19に示すように、ヒンジ機構4との距離は封印シール550の第2コード情報550aの方が記録紙350の第1コード情報355aよりも小さい(記録紙350の第1コード情報355aよりも封印シール550の第2コード情報550aの方がヒンジ機構4寄りにある)。このようにすると、前面扉5を開放したときにコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じである記録紙350の方を、それらの内容が実質的に同じでない封印シール550よりも先に目につくようにすることで、不正行為者に記録紙350の第1コード情報355aの方を読取やすく、封印シール550の第2コード情報の方を読み取り難くすることができる。
【0133】
また、基板ケース80の表面80Mに貼付された記録紙350と封印シール550とでは、
図19に示すように、基板ケース80の正面視において、封印シール550よりも記録紙350の方が基板ケース80の中央寄りにある。また、
図19に示すように、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aよりも第1コード情報355aの方が基板ケース80の中央寄りに配置される。なお、基板ケース80は、基板ケース80の正面視において、例えば、矩形状を呈するものであり、ここでいう矩形状には完全なる四角のみならず凹凸を有するものも含む。
【0134】
具体的には、
図19に示すように、基板ケース80の表面80M全体での左右方向の長さ(横幅)L3の中心線L3Cと、基板ケース80の表面80M全体での上下方向の長さ(縦幅)L4の中心線L4Cの交点を基準点Qとすると、第2コード情報550aの中心点Sよりも第1コード情報355aの中心点Tの方が基準点Qに近い。
【0135】
別の見方をすると、
図19に示すように、基板ケース80の表面80Mのうちのシール等を貼り付け可能な領域の左右方向の長さ(横幅)L1の中心線L1Cと、基板ケース80の表面80Mのうちのシール等を貼り付け可能な領域の上下方向の長さ(縦幅)L2の中心線L2Cとの交点を基準点Pとすると、第2コード情報550aの中心点Sよりも第1コード情報355aの中心点Tの方が基準点Pに近い。ここで、「シール等を貼り付け可能な領域」は、例えば、基板ケース80の正面視において、かしめを構成する部位と重ならない領域、コネクタを構成する部位と重ならない領域などである。
【0136】
なお、コード情報の中心点で説明したが、封印シール550全体の中心点Rよりも、記録紙350全体の中心点Uの方が、基準点Qに近いようにしてもよいし、基準点Pに近いようにしてもよい。
【0137】
また、上述したように記録紙350全体の中心点Uと、封印シール550全体の中心点Rとを用いたが、記録紙350や封印シール550が方形状の場合には、簡単に対角線の交点で中心点が定まるが、この中心点に限定されるものではない。例えば、記録紙350や封印シール550の全体形状が方形状のような簡単な形状ではなく、雲形状や楕円状のものが組み合わさった歪な形状のものである場合には、中心点を簡単に定めることができないので、そのような場合には、コード情報或いは記録紙350や封印シール550における、上述した基準点Q又は基準点Pに最も近い場所から基準点Q又は基準点Pまでの距離で比較することとしてもよい。例えば、第2コード情報550aにおける上述した基準点Qに最も近い点よりも、第1コード情報355aにおける上述した基準点Qに最も近い点の方が、上述した基準点Qに近いようにしてもよい。また、第2コード情報550aにおける上述した基準点Pに最も近い点よりも、第1コード情報355aにおける上述した基準点Pに最も近い点の方が、上述した基準点Pに近いようにしてもよい。封印シール550における上述した基準点Qに最も近い点よりも、記録紙350における上述した基準点Qに最も近い点の方が、上述した基準点Qに近いようにしてもよい。また、封印シール550における上述した基準点Pに最も近い点よりも、記録紙350における上述した基準点Pに最も近い点の方が、上述した基準点Pに近いようにしてもよい。
【0138】
また、第2コード情報550aよりも、第1コード情報355aの方が、基板ケース80の正面視における左右方向における中央よりに配置されるようにしたり、封印シール550よりも記録紙350の方が左右方向における中央よりに配置されるようにしたりしてもよい。
【0139】
また、
図21に示すように、基板ケース80がスロットマシン1の筐体3内に収容された状態において、記録紙350の第1コード情報355aと封印シール550の第2コード情報550aとは、基板ケース80の正面視において、縦方向にも横方向にも揃っていない。言い換えると、記録紙350の第1コード情報355aと封印シール550の第2コード情報550aとは、スロットマシン1の筐体3の背板3aに取り付けられた状態での基板ケース80を上側から見て(上下方向において)、第1コード情報355aと第2コード情報550aとが重なる領域がなく、当該状態での基板ケース80を左側から見て(左右方向において)、第1コード情報355aと第2コード情報550aとは重なる領域がない。これにより、不正行為者が記録紙350の第1コード情報355aと封印シール550の第2コード情報550aとの連続的な読み取りを困難にすることができ、不正行為者が第1コード情報355aと第2コード情報550aの双方を読み取る時間的余裕をなくすことができる。
【0140】
基板ケース80がスロットマシン1の筐体3の背板3aに取り付けられた状態では、記録紙350の方が、封印シール550よりも、スロットマシン1の後方側から前方側に向かう方向(「前」方向:y軸の負方向)において前方側(y軸方向負側)に配置される。さらに記載すると、基板ケース80がスロットマシン1の筐体3の背板3aに取り付けられた状態では、記録紙350の第1コード情報355aや第1文字情報354aなどの方が、封印シール550の第2コード情報550aや第2文字情報550bなどよりも、スロットマシン1の後方側から前方側に向かう方向(「前」方向:y軸の負方向)において前方側(y軸方向負側)に配置される。
【0141】
記録紙350の第1コード情報355aと封印シール550の第2コード情報550aとでスロットマシン1の前後方向での位置を異ならせることで、不正行為者が第1コード情報355aや第2コード情報550aを読み取る際の読取機のピント調節が手間取り、不正行為者が、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の記録紙350の第1コード情報355aを読み取った後に、それらの内容が実質的に異なる方の封印シール550の第2コード情報550aを読み取る時間的余裕を与えないようにできる。特に、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じでない方の封印シール550の方を記録紙350よりも後方側(y軸方向正側)にすることで、不正行為者に、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の記録紙350の第1コード情報355aを、それらの内容が実質的に異なる方の封印シール550の第2コード情報550aより先に読み取るよう動機づけることができる。
【0142】
なお、メイン制御基板63の実装面63に一次元コードやQRコード(登録商標)などの二次元コードなどのコード情報(以下、適宜、「基板面コード情報」と記載する。)が配置されることがある。基板面コード情報として、実装面63に直接配置されるコード情報や当該実装面63aに実装された部品(メインCPU61やICチップなど)の天面(部品の面のうちの実装面63aと対向する面と反対側の面)上に配置されるコード情報とがある。この場合、基板ケース80がスロットマシン1の筐体3の背板3aに取り付けられた状態で、スロットマシン1の後方側から前方側に向かう方向(「前」方向:y軸の負方向))において、基板面コード情報の方が封印シール550の第2コード情報550aよりも前方側(y軸方向負側)に配置され、記録紙350の第1コード情報355aの方が基板面コード情報よりも前方側(y軸方向負側)に配置されるようにしてもよい。
【0143】
カバー部材80aのゲート痕80agとベース部材80bのゲート痕80bgとは、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aとゲート痕80agとの距離が、ベース部材80のうちの基板ケース80の正面視における第1コード情報355aと重なる箇所とゲート痕80bgとの距離より大きくなるよう形成される。これにより、ゲート痕80agが第1コード情報355aの読み取りを邪魔するのを防止できる。また、ゲート痕80agが第1コード情報355aの読み取りの邪魔にならないので、不正行為者に、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の記録紙350の第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。なお、カバー部材80aのゲート痕80agはベース部材80bのゲート痕80bgに比べて、多くの数設けることで、より射出成形における均一性を保つようにしてもよい。
【0144】
基板ケース80の正面視において、封印シール550は、その一部が、カバー部材80aの嵌合部80a4とベース部材80の被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの凹凸のある境界部であって破断部80a4hがあるところに来るように、嵌合部80a4の面80a4aと被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aの面80b9a1とに貼付される。本実施形態では、当該境界部では凹凸があるが、これに限定されるものではない。封印シール550の貼付の具体例について
図20(a)、(b)を参照して説明する。
【0145】
図20(a)の具体例では、封印シール550は、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aの一部が、カバー部材80aの嵌合部80a4とベース部材80の被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの凹凸のある境界部80ab1に位置し、第2文字情報550bは境界部80ab1に位置しないように、嵌合部80a4の面80a4aと被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aの面80b9a1とに貼付される。このとき、破断部80a4hは、カバー部材80aとベース部材80bとを分離する際に、第2コード情報550aを破断するが、第2文字情報550bは破断しない位置にある。このように、第2コード情報550aの一部が凹凸のある境界部80ab1に位置することで、不正行為者に第2コード情報550aの読み取りが難しいとの印象を与え、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の記録紙350の第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。また、第2文字情報550bが境界部80ab1に位置しないようにして第2文字情報550bについては敢えて破断されないようにすることにより、不正な開封後、偽造した封印シールに貼り替えられた場合であっても容易に発見できる。また、第2コード情報550aを破断することで読み取り不可能にし、第2文字情報550bとの関係性を確認不能とすることで、誤った模造品を作成させることが可能になる。また、破断部80a4hにより第2コード情報550aを確実に破断できる。なお、破断部80a4hがない場合にも
図20(a)の配置例を適用できる。
【0146】
また、基板ケース80には、かかる痕跡がつきやすくなるような構成(破断部)を備えてもよい。例えば、ベース部材80bのフランジとカバー部材80aのフランジとの間に封印シール550が貼り付かない空洞を設けることで、封印シール550を刃物などで破こうとしても、封印シール550が撓んできれいに破れないようにしても良い。また、基板ケース80に、封印シール550が貼り付けられる部分を覆う封印シールカバー部材を備え、当該封印シールカバー部材をスライドさせて取り外さないと封印シール550を破くことができないようにするとともに、当該カバー部材の内側であって封印シールと接触する面側に、当該封印シールカバー部材をスライドさせて取り外す際に、封印シール550に傷を付ける突起を設けても良い。このように構成することで、不正行為を行おうとする者が、いかにきれいに痕跡を残さないように封印シール550を破ろうとしても、痕跡が残るようにすることが可能となる。
【0147】
図20(b)の具体例では、封印シール550は、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aも第2文字情報550bも、カバー部材80aの嵌合部80a4とベース部材80の被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの凹凸のある境界部80ab1に位置せず、他の箇所の一部が境界80ab1に位置するように、嵌合部80a4の面80a4aとベース部材80の被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aの面80b9a1とに貼付される。このとき、破断部80a4hは、カバー部材80aとベース部材80bとを分離する際に、第2コード情報550aも第2文字情報550bも破断せず、他の箇所を破断する位置にある。これにより、封印シール550の第2コード情報550aと第2文字情報550bの両方に凹凸等の変形が生じず、不正行為者に対して封印シール550に違和感を与えないことにより、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じでない方の封印シール550の第2コード情報550aを読み取ろうとする動機づけを与えないことができる。また、正規の作業者(ホール側・メーカー側)が不正の目的でなく基板ケース80を開封した場合には、第2コード情報550aと第2文字情報550bとは破断されず、再使用した場合であっても、第2コード情報550aと第2文字情報550bの機能を維持できる。なお、破断部80a4hがない場合にも
図20(b)の配置例を適用できる。
【0148】
したがって、上記した実施形態によれば、一方の記録紙350に表示された第1文字情報354aの内容と第1コード情報355aから得られる特定可能な情報の内容とを実質的に同じにしつつ、他方の封印シール550に表示された第2文字情報550bの内容と第2コード情報550aから得られる情報の内容とを異なるようにすることで、一方の第1コード情報355aを読み取った際に第1文字情報354aの内容と読み取った第1コード情報355aから得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識させることで、他方の第2文字情報550bの内容と第2コード情報550aから得られる情報の内容とが実質的に同じであると思い込ませ、不正行為を行おうとする者に表面80Mに誤った封印シール550を備える模造品の基板ケース80を作成させることができる。これにより、表面80Mに記録紙350と封印シール550を備えた基板ケース80に関する不正行為を効果的に防止できる。
【0149】
また、店員が点検する際に、9ケタや8ケタなどの文字列がリストと一致するかを確認するのは煩雑であるところ、記録紙350に表示された第1文字情報354aの内容と第1コード情報355aから得られる特定可能な情報の内容とが実質的に同じであり、封印シール550に表示された第2文字情報550bの内容と第2コード情報550aから得られる情報の内容とを異なっているかを確認するという簡易的な確認方法により、模造品の基板ケースを容易に発見することができる。これにより、表面80Mに記録紙350と封印シール550を備えた基板ケース80に関する不正行為を効果的に防止できる。
【0150】
また、第1文字情報354aを特定可能な情報が得られる第1コード情報355aを、第2文字情報550bと異なる情報が得られる第2コード情報550aよりも基板ケース80の中央よりに配置することにより、基板ケース80の模造品を作成しようとする不正行為者に対し、第2コード情報550aよりも第1コード情報355aの方を読取機により読み取り易くすることができる。これにより、不正行為者は、先に第1コード情報355aを読み取り、第1文字情報354aの内容と読み取った第1コード情報355aから得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識することにより、第2文字列情報750aの内容と第2コード情報から得られた情報の内容とが実質的に同じであるとの思い込みを誘起させることが可能になる。
【0151】
また、記録紙350の第1コード情報355aは封印シール550の第2コード情報550aよりサイズが大きい。このため、第1コード情報355aは第2コード情報550aより目につきやすいので、不正行為者に第2コード情報550aより先に第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。また、記録紙350の第1コード情報355aは封印シール550の第2コード情報550aより占有率が高いので、同様に、不正行為者に第2コード情報550aより先に第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。また、記録紙350の第1文字情報354aは封印シール550の第2文字情報550bよりサイズが大きいので、同様に、不正行為者に第2文字情報550bとペアの第2コード情報550aより先に第1文字情報354aとペアの第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。また、記録紙350の第1文字情報354aは封印シール550の第2文字情報550bより占有率が高いので、同様に、不正行為者に第2文字情報550bとペアの第2コード情報550aより先に第1文字情報354aとペアの第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。また、(1)記録紙350の第1コード情報355aが封印シール550の第2コード情報550aよりサイズが大きい、(2)記録紙350の第1コード情報355aが封印シール550の第2コード情報550aより占有率が高い、(3)記録紙350の第1文字情報354aが封印シール550の第2文字情報550bよりサイズが大きい、(4)記録紙350の第1文字情報354aが封印シール550の第2文字情報550bより占有率が高い、を多く満たすほど、不正行為者に第2コード情報550aより先に第1コード情報355aを読み取るようさらに動機づけることができる。
【0152】
また、コード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の記録紙350を正対するよう配置し、それらの情報が実質的に同じでない方の封印する封印シール550を正対しないよう配置することで、記録紙350の第1コード情報354aを封印シール550の第2コード情報355aより読み取りやすくすることとなる。そのため、不正行為者に第2コード情報355aより先に第1コード情報354aを読み取るよう動機づけることができる。
【0153】
また、一方の証紙750に表示された第3文字情報750bの内容と第3コード情報750aから得られる特定可能な情報の内容とを実質的に同じにしつつ、他方の封印シール550に表示された第2文字情報550bの内容と第2コード情報550aから得られる情報の内容とを異なるようにすることで、一方の第3コード情報750aを読み取った際に第1文字情報750bの内容と読み取った第3コード情報750aから得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識させることとなる。そのため、他方の第2文字情報550bの内容と第2コード情報550aから得られる情報の内容とが実質的に同じであると思い込ませ、不正行為を行おうとする者に表面80Mに誤った封印シール550を備える模造品の基板ケース80を作成させることができる。これにより、表面80Mに封印シール550を備えた基板ケース80に関する不正行為を効果的に防止できる。
【0154】
また、店員が点検する際に、9ケタや8ケタなどの文字列がリストと一致するかを確認するのは煩雑であるところ、証紙750に表示された第3文字情報750bの内容と第3コード情報750aから得られる特定可能な情報の内容とが実質的に同じであり、封印シール550に表示された第2文字情報550bの内容と第2コード情報550aから得られる情報の内容とを異なっているかを確認するという簡易的な確認方法により、模造品の基板ケースを容易に発見することができる。これにより、表面80Mに封印シール550を備えた基板ケース80に関する不正行為を効果的に防止できる。
【0155】
また、第3文字情報750bを特定可能な情報が得られる第3コード情報750aをスロットマシン1の筐体3外部に配置し、第2文字情報550bと異なる情報が得られる第2コード情報550aを筐体3内に配置することにより、基板ケース80の模造品を作成しようとする不正行為者に対し、第2コード情報550aよりも第3コード情報750aの方を読取機により読み取り易くすることができる。これにより、不正行為者は、先に第3コード情報750aを読み取り、第1文字情報354aの内容と読み取った第1コード情報355aから得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識することにより、第2文字列情報750aの内容と第2コード情報から得られた情報の内容とが実質的に同じであるとの思い込みを誘起させることが可能になる。
【0156】
また、証紙750の第3コード情報750aは封印シール550の第2コード情報550aよりサイズが大きい。このため、第3コード情報750aは第2コード情報550aより目につきやすいので、不正行為者に第2コード情報550aより先に第3コード情報750aを読み取るよう動機づけることができる。また、証紙750の第3コード情報750aは封印シール550の第2コード情報550aより占有率が高いので、同様に、不正行為者に第2コード情報550aより先に第3コード情報750aを読み取るよう動機づけることができる。また、証紙750の第3文字情報750bは封印シール550の第2文字情報550bよりサイズが大きいので、同様に、不正行為者に第2文字情報550bとペアの第2コード情報550aより先に第3文字情報750bとペアの第3コード情報550aを読み取るよう動機づけることができる。また、証紙750の第3文字情報750bは封印シール550の第2文字情報550bより占有率が高いので、同様に、不正行為者に第2文字情報550bとペアの第2コード情報550aより先に第3文字情報750bとペアの第3コード情報750aを読み取るよう動機づけることができる。また、(1)証紙750の第3コード情報750bが封印シール550の第2コード情報550aよりサイズが大きい、(2)証紙750の第3コード情報750bが封印シール550の第2コード情報550aより占有率が高い、(3)証紙750の第3文字情報750bが封印シール550の第2文字情報550bよりサイズが大きい、(4)証紙750の第3文字情報750bが封印シール550の第2文字情報550bより占有率が高い、を多く満たすほど、不正行為者に第2コード情報550aより先に第3コード情報750aを読み取るようさらに動機づけることができる。
【0157】
また、コード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の証紙750を正対するよう配置し、それらの情報が実質的に同じでない方の封印シール550を正対しないよう配置することで、証紙750の第3コード情報750aを封印シール550の第2コード情報355aより読み取りやすくすることとなる。そのため、不正行為者に第2コード情報355aより先に第3コード情報750aを読み取るよう動機づけることができる。
【0158】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上記したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、次のようなものであってもよい。
【0159】
メイン制御基板63の実装面に実装されるLED(モニタLED32や比率表示器69のLEDなど)は、基板ケース80の正面視において、封印シール550の第2コード情報355aよりも記録紙350の第1コード情報355aの方の近くに配置される(基板ケース80の正面視において、LEDと第1コード情報355aとの距離は、LEDと第2コード情報550aとの距離より小さい)ようにしてもよい。これにより、不正行為者の意識を記録紙350の方へ向かわせることで、不正行為者にコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の記録紙350の第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。この場合、LEDは、記録紙350の第1コード情報355aの近くの所定の領域に配置されないとすることが好ましい。例えば、LEDを配置しない所定の領域は、例えば、所定の状況下でLEDが第1コード情報355aの読み取りをある程度妨害する領域に設定され、例えば、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aと重なる領域34aであってもよく(
図22(a)参照)、第1コード情報355aと重なる領域34aと当該領域34aからLED1個分外までの領域34b1とを合わせた領域34bであってもよく(
図22(b)参照)、第1コード情報355aと重なる領域34aと当該領域355aから第1コード情報355aを構成する二次元コード1個分外までの領域34c1とを合わせた領域34cであってもよい(
図22(c)参照)。これにより、LEDが、正規の作業者による記録紙350の第1コード情報355aの読み取りを過度に妨げることを防止できる。
【0160】
メイン制御基板63の実装面63に一次元コードやQRコード(登録商標)などの二次元コードなどのコード情報(基板面コード情報)が配置されることがある。基板面コード情報として、実装面63に直接配置されるコード情報や当該実装面63aに実装された部品(メインCPU61やICチップなど)の天面(部品の面のうちの実装面63aと対向する面と反対側の面)上に配置されるコード情報とがある。この場合、基板面コード情報は、記録紙350の第1コード情報355aの近くの所定の領域に配置されないようにしてもよい。例えば、基板面コード情報を配置しない所定の領域は、例えば、所定の状況下でLEDが第1コード情報355aの読み取りをある程度妨害する領域に設定され、例えば、次の(1)~(3)であってもよい。(1)は、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aと重なる領域である。(2)は、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aと重なる領域と当該領域から第1コード情報355aを構成する二次元コード半個分外までの領域とを合わせた領域である。(3)は、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aと重なる領域と当該領域から第1コード情報355aを構成する二次元コード1個分外までの領域とを合わせた領域である。これにより、正規の作業者は記録紙350の第1コード情報355aの読み取りを基板面コード情報に邪魔されることがなく円滑に行うことができる。
【0161】
また、封印シール550の第2コード情報550の近くの所定の領域に、基板面コード情報が存在するようにしてもよい。例えば、基板面コード情報が存在する領域は、例えば、所定の状況下でLEDが第2コード情報550aの読み取りをある程度妨害する領域に設定され、例えば、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aと重なる領域の第2コード情報550aを構成する二次元コード半個分外から当該二次元コード1個分外までの領域としてもよい。これにより、不正行為者による第2コード情報550aの読み取りを基板面コード情報により邪魔することで難しくできる。
【0162】
また、基板ケース80の正面視において、記録紙350の第1コード情報355aと当該第1コード情報355aに最も近い基板面コード情報との距離は、記録紙350の第1コード情報355aと封印シール550の第2コード情報550aとの距離よりも小さいようにしてもよい。仮に、不正行為者が記録紙350の第1コード情報355aを読み取った後に、他のコード情報を読み取ろうとした場合であっても、読み取られても問題のない基板面コード情報の読み取りに不正行為者を誘導することができ、これにより封印シール550の第2コード情報550aの読み取りにたどり着くのを遅らせることができる。
【0163】
また、基板ケース80の正面視において、記録紙350の第1コード情報355aと封印シール550の第2コード情報550aとを結ぶ直線上であって、第1コード情報355aと第2コード情報550aとの間に、基板面コード情報が存在するようにしてもよい。これにより、不正行為者が記録紙350の第1コード情報355aを読み取った後に、次に、基板面コード情報を読み取るように不正行為者を誘導することができ、封印シール550の第2コード情報550aの読み取りにたどり着くのを遅らせることができる。なお、第1コード情報355aと第2コード情報550aとを結ぶ直線上に基板面コード情報が存在するとは、例えば、基板ケース80をある方向から見た場合に、第1コード情報355a、基板面コード情報、第2コード情報550aの3つが、同時に、少なくとも一部が重複していればよい。
【0164】
また、メイン制御基板63の実装面63aに実装された部品のうち最も背の高い部品(実装面63aから部品の天面(部品の面のうちの実装面63aと対向する面と反対側の面)までの距離が最大の部品)は、記録紙350の第1コード情報355aの近くの所定の領域に配置されないようにしてもよい。最も背の高い部品は、例えば、アルミニウムコンデンサ91aであったり、レギュレータ91bであったりする(
図6参照)。例えば、最も背の高い部品を配置しない所定の領域は、例えば、所定の状況下で最も背の高い部品が第1コード情報355aの読み取りをある程度妨害する領域に設定され、例えば、次の(1)~(2)であってもよい。(1)は、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aが表示される第2着色部353と重なる領域から第1コード情報355aを構成する二次元コード半個分外までの領域である。(2)は、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aが表示される第2着色部353と重なる領域から第1コード情報355aを構成する二次元コード1個分外までの領域である。これにより、最も背の高い部品が記録紙350の第1コード情報355aを読み取る際の邪魔になることを防止して正規の作業者の第1コード情報355aの読み取りを円滑に行うことが可能になる。
【0165】
また、最も背の高い部品は、その全体が、基板ケース80の正面視において、第1コード情報355aが表示される第2着色部353と重なる領域内に収まるよう配置されるようにしてもよい。これにより、最も背の高い部品が記録紙350の第1コード情報355aの近傍にある場合であっても、最も背の高い部品が記録紙350の第1コード情報355aを読み取る際の邪魔になることを防止して正規の作業者の第1コード情報355aの読み取りを円滑に行うことが可能になる。
【0166】
また、基板ケース80が、カバー部材80aの嵌合部80a4とベース部材80の被嵌合部80b9の第1被嵌合形成部80b9aとの基板ケース80の正面視における前方側に配置される、例えば
図23に示す略箱状をし、後方側が開口された封印シールカバー部900を備えるようにしてもよい。その場合、基板ケース80の正面視において、封印シール550の前方側を封印シールカバー部900で覆われるようにし、封印シールカバー部900は第2コード情報550aを読取機で読み取れ、第2文字情報550bを作業者などの人が文字を判別可能な程度の透明度を有すとしてもよい。この場合、記録紙350(第1コード情報355a、第1文字情報354a)は基板ケース80の外部に剥き出しになるように配置される一方、封印シール550(第2コード情報550a、第2文字情報550b)は封印シールカバー部900で基板ケース80の正面視における前方側が覆われるように配置される。なお、封印シールカバー部900の構造は一例であって、基板ケース80の正面視において、封印シール550の前方側を覆うことができる構造であればよい。これにより、コード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じでない方の封印シール550の第2コード情報550aの前方側を覆うことにより、第2コード情報550aの読み取りを困難にし、不正行為者が封印シール550の第2コード情報550aの内容と第2文字情報550bの内容とが実質的に同一でないことを発見するのを妨げることができる。なお、封印シールカバー部900は、カバー部材80aやベース部材80bと同様に、例えば、透明樹脂(例えば、透明なABS樹脂(アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)等の成分からなる熱可塑性樹脂や透明なポリカーボネート)で作るようにしてもよい。また、封印シールカバー部900の透明度を、第2コード情報550aを読み取り可能であるものの、カバー部材80aやベース部材80bよりも低くするとよく、このようにすると、第2コード情報550aを読み取りにくくすることができる。透明度を低くする方法としては、比較的透明度の低い樹脂材料を選択するようにする。例えば、カバー部材80aやベース部材80bがPCである場合、一般的にはPCよりも透明度が低いとされるABS樹脂を封印シールカバー部900に用いるようにしてもよい。また、透明な樹脂材料に顔料を混ぜて透明度を下げて、封印シールカバー部900に用いるようにしてもよい。また、封印シールカバー部900の形成に用いる射出成形用金型に例えば細かな凹凸を設ける等の粗面加工を第2コード情報550aと重なる領域に施し、この粗面加工を施した射出成形用金型を用いて封印シールカバー部900を作るようにしてもよい。また、第2コード情報550aと重なる領域と重なる領域に、ゲート痕や押出しピン等、成形する際に必然的に残る跡が形成されるように、封印シールカバー部900を作るようにしてもよい。
【0167】
また、封印シールカバー部900は、
図23に示すように、基板ケース80の正面視において、封印シール550の第2コード情報550aの近傍であって当該第2コード情報550aと重ならない領域に立体的構造物900a(例えば前後方向に延びたリブ)を備えるようにしてもよい。この場合、立体的構造物900aが第2コード情報550aの読み取りの邪魔をして、不正行為者が第2コード情報550aを読み取ろうとする意欲を減退させることができる。
【0168】
また、封印シール550は、基板ケース80の表面80Mのうちの平坦面の第1面部と、基板ケース80の全面(表面80Mや側面など)のうちの当該平坦面から連続し当該平坦面と同一平面上にない面(平坦や曲面等など形状は問わない)の第2面部とを少なくとも含む複数の面にまたがり、第2コード情報550aが第1面部に位置するように、基板ケース80に貼付されるようにしてもよい。このとき、第2文字情報550bも第1面部に配置されるようにしてもよい。例えば、
図24(a)、(b)に示すように、封印シール550が基板ケース80の表面80Mのうちの平坦面の第1面部と、当該平坦部から連続し同一平面上にない基板ケース80の左側面の第2面部とにまたがり、第2コード情報550aと第2文字情報550bとが基板ケース80の表面80Mのうちの平坦面の第1面部に配置されるようにしてもよい。
図24の場合、封入シール550全体が基板ケース80の表面80Mに貼付されているわけではない。なお、
図24(a)は基板ケース80の正面図であり、(b)は基板ケース80の左側面図である。これにより、不正行為者の封印シール550の第2コード情報550a等の読み取り意欲を減退させるとともに、正規の作業者による封印シール550の第2コード情報550a等の読み取り作業を妨げないようにすることができる。
【0169】
また、メイン制御基板63の実装面63aに実装される実装部品はSMD(surface mount device)であってもよい。例えば、両面実装部品(リード挿入型:例えば、DIP(Dual In-line Package)部品)99Aをメイン制御基板63の実装面63aに実装した場合、両面実装部品99Aの端子99A1の形状により、両面実装部品99Aと実装面63aとの間に隙間YYができる(
図26(a)参照)。一方で、SMD(例えば、SOP(Small Outline Package)やQFP(Quad Flat Package))99Bをメイン制御基板63の実装面63aに実装した場合、SMD99Bの端子99B1の形状により、SMD99Bと実装面63aとの間に隙間はほとんどできない(
図26(b)参照)。これにより、記録紙350の第1コード情報355aと、両面実装部品99Aの天面(実装部品の面のうちの実装面63aと対向する面と反対側の面)との、実装面63aの垂直方向での距離XXより、記録紙350の第1コード情報355aと、SMD99Bの天面(実装部品の面のうちの実装面63aと対向する面と反対側の面)との、実装面63aの垂直方向での距離ZZの方が大きくなり、SMD99Bが記録紙350の第1コード情報355aの読み取りの邪魔になるのを防止できる。
【0170】
また、
図2に示すように基板ケース80はスロットマシン1の筐体3内の上方に設置された状態では、封印シール550は、基板ケース80の正面視において、
図25に示すように、カバー部材80aとベース部材80bとの境界を跨り、記録紙350より基板ケース80の表面80Mのうちの筐体3の上面側に配置されるようにしてもよい。ここで、筐体3の上方は筐体3の天板等の陰になって暗くなる。このため、コード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じでない封印シール550をそれらの内容が実質的に同じである記録紙350より筐体3内の暗い位置に配置されることになり、不正行為者にそれらの内容が実質的に同じである記録紙350の第1コード情報355aを読み取るよう動機づけることができる。
【0171】
また、上記した実施形態では、封印シール550より記録紙350の方が「Bかしめ部」に近くなるように配置されているが、これに限定されるものではなく、記録紙350よりも封印シール550方が「Bかしめ部」に近くなるように配置されていてもよい。
【0172】
また、基板ケース80の表面80Mに記録紙350の貼付位置を示す部位を設け、例えば記録紙350の貼付位置の四隅に所定形状の部位を設け、基板ケース80をスロットマシン1に取り付けた状態では、当該部位が封印シール550に対しヒンジ機構4の反対側に配置されている(ヒンジ機構4、封印シール550、部位の並び順となる)ようにしてもよい。
【0173】
また、封印シール550を記録紙350より劣化しやすい(黄ばみやすい、はがれやすい)とし、記録紙350よりも封印シール550の方を筐体3の背板3aに設けられた通気口3h(
図2参照)寄りに配置する(封印シール550と通気口3hとの距離を、記録紙350と通気口3hとの距離より小さくなるように配置する)ようにしてもよい。なお、封印シール550の材質は紙が一例としてあげられる。
【0174】
また、基板ケース80に収容するメイン制御基板80に配されたコネクタは、記録紙350の周囲にはなく、封印シールの周囲に存在するようにしてもよい。また、基板ケース80をスロットマシン1の筐体3にとりつけた状態では、基板ケース80の正面視において、メイン制御基板63の実装面63aに、封印シール550の周囲のうちの少なくとも封印シール550の上側部分にはコネクタが設けられ、記録紙350の周囲のうちの少なくとも記録紙350の上側部分にはコネクタが設けられないようにしてもよい。これにより、不正行為者にコネクタに接続された配線ケーブルが読み取りの邪魔になる封印シール550の第2コード情報550aよりも、配線ケーブルが読み取りの邪魔にならない記録紙350の第1コード情報355aを読み取ろうとする動機づけができる。
【0175】
上記した実施形態では、基板ケース80がスロットマシン1の筐体3の背板3aに取り付けられた状態では、記録紙350の方が封印シール550よりも、また、記録紙350の第1コード情報355aや第1文字情報354aなどの方が封印シール550の第2コード情報550aや第2文字情報550bなどよりも、スロットマシン1の後方側から前方側に向かう方向(「前」方向:y軸の負方向)において前方側(y軸方向負側)に配置されるとしているが、これに限定されるものではなく、記録紙350と封印シール550との位置関係や、記録紙350の第1コード情報355aや第1文字情報354aなどと封印シール550の第2コード情報550aや第2文字情報550bなどとの位置関係は、スロットマシン1の後方側から前方側に向かう方向(「前」方向:y軸の負方向)において、逆であってもよい。
【0176】
また、LED(モニタLED32や比率表示器69のLEDなど)は、基板ケース80の正面視において、記録紙350の第1コード情報355aよりも、封印シール550の第2コード情報550aの方の近くに配置される(基板ケース80の正面視において、LEDと第2コード情報550aとの距離は、LEDと第1コード情報355aとの距離より小さい)ようにしてもよい。これにより、不正行為者による封印シール550の第2コード情報550aの読み取りをLEDにより妨害できる。この場合、LEDは、封印シール550の第2コード情報550aの近くの所定の領域に配置されないとすることが好ましい。例えば、LEDを配置しない所定の領域は、例えば、所定の状況下でLEDが第2コード情報550aの読み取りを過度に妨害する領域に設定され、例えば、次の(1)~(3)であってもよい。(1)は、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aと重なる領域である。(2)は、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aと重なる領域と当該領域からLED1個分外までの領域とを合わせた領域である。(3)は、基板ケース80の正面視において、第2コード情報550aと重なる領域と当該領域から第2コード情報550aを構成する二次元コード1個分外までの領域とを合わせた領域である。これにより、LEDが、正規の作業者による封印シール550の第2コード情報550aの読み取りを過度に妨げることを防止できる。
【0177】
また、上記した実施形態や上記した変形例の内容は、メイン制御基板63以外の制御基板(例えば、筐体3の左側内壁面に取り付けられるサブ制御基板73:
図2参照)を収容する基板ケースにおいても適宜変更を加えることにより適用することができる。
【0178】
また、上記した実施形態や上記した変形例の内容は、適宜組み合わせることができる。
【0179】
また、上記では、スロットマシン1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、パチンコ機など他の遊技機にも適用できる。
【0180】
上記した実施形態や上記した変形例を包含する内容をまとめると、下記の内容を適宜組み合わせたものとなる。
【0181】
(1) 遊技機の動作を制御する回路基板を対向するカバー部材とベース部材との間に収容する基板ケースを備えた遊技機であるとしてよい。
【0182】
(2) 遊技機は基板ケースの表面に第1表示部を備え、第1表示部は、第1文字情報と、読取機を用いることで第1文字情報を特定可能な情報を読み取ることができる第1コード情報と、が表示されているとしてよい。ここで、第1文字情報を特定可能な情報は、第1文字情報と完全一致している情報や、第1文字情報とは完全一致していなくても第1文字情報を特定できる情報である。
【0183】
(3) 遊技機は基板ケースの表面に第2表示部を備え、第2表示部は、第1表示部に表示される第1文字情報とは異なる文字情報である第2文字情報と、読取機を用いることで第2文字情報とは異なる情報を読み取ることができる第2コード情報と、が表示されているとしてよい。
【0184】
(4) 遊技機は、当該遊技機が遊技店に設置され、前面扉を閉じた状態で、遊技機外部から視認可能な第3表示部を備え、第3表示部は、第3文字情報と、読取機を用いることで第3文字情報を特定可能な情報を読み取ることができる第3コード情報と、が表示されているとしてよい。ここで、第3文字情報を特定可能な情報は、第3文字情報と完全一致している情報や、第3文字情報とは完全一致していなくても第3文字情報を特定できる情報である。
【0185】
上記の(2)と(3)を備える場合、第1表示部の第1コード情報を読み取った際に第1文字情報の内容と読み取った第1コード情報から得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識させることで、第2表示部の第2文字情報の内容と第2コード情報から得られる情報の内容とが実質的に同じであると思い込ませ、不正行為者に表面に誤った第2表示部を備える模造品の基板ケースを作成させることができ、表面に第1表示部と第2表示部を備えた基板ケースに関する不正行為を効果的に防止できる。また、正規の作業者が点検する際に、9ケタや8ケタなどの文字列がリストと一致するかを確認するのは煩雑であるところ、第1表示部に表示された第1文字情報の内容と第1コード情報から得られる特定可能な情報の内容とが実質的に同じであり、第2表示部に表示された第2文字情報の内容と第2コード情報から得られる情報の内容とを異なっているかを確認するという簡易的な確認方法により、模造品の基板ケースを容易に発見することができ、この点からも表面に第1表示部と第2表示部とを備えた基板ケースに関する不正行為を効果的に防止できる。
【0186】
上記の(3)と(4)を備える場合、第3表示部の第3コード情報を読み取った際に第3文字情報の内容と読み取った第3コード情報から得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識させることで、第2表示部の第2文字情報の内容と第2コード情報から得られる情報の内容とが実質的に同じであると思い込ませ、不正行為者に表面に誤った第2表示部を備える模造品の基板ケースを作成させることができ、表面に第2表示部を備えた基板ケースに関する不正行為を効果的に防止できる。また、正規の作業者が点検する際に、9ケタや8ケタなどの文字列がリストと一致するかを確認するのは煩雑であるところ、第3表示部に表示された第3文字情報の内容と第3コード情報から得られる特定可能な情報の内容とが実質的に同じであり、第2表示部に表示された第2文字情報の内容と第2コード情報から得られる情報の内容とを異なっているかを確認するという簡易的な確認方法により、模造品の基板ケースを容易に発見することができ、この点からも表面に第2表示部とを備えた基板ケースに関する不正行為を効果的に防止できる。
【0187】
(5) 第1表示部には基板ケースの正規の開封履歴に関する文字が付与されており、当該文字の色は第1表示部と対向する回路基板の面の地色に対し高コントラストとなる色であるとしてよい。このようにすると、作業者は基板ケースの正規の開封履歴に関する文字を視認しやすくなる。
【0188】
(6) 第1表示部には作業者が所定の情報を記入する着色が施された第1領域と第1コード情報を表示する着色が施された第2領域とがあり、第1領域と第2領域とでは明度が異なるとしてよい。このようにすると、作業者は所定の情報の記入を間違わずに第1領域に行うことができる。なお、第1領域の方が第2領域より明度を高くすると(明るくすると)、作業者は所定の情報の記入をより間違わずに第1領域に行うことができるようになる。
【0189】
(7) 第1表示部には作業に係る日付と担当者名とをそれぞれ記入する略矩形状をした日付記入領域と担当者名記入領域とがあり、担当者名記入領域の長手方向の長さは日付記入領域の長手方向の長さよりも長いとしてよい。このようにすると、日付に比べて長短が様々となり得る担当者名の記入に対して柔軟に対応できるようになり、今後訪れるであろう店員等のグローバル化にも対応できる。
【0190】
(8) 基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第2コード情報よりも第1コード情報の方が基板ケースの中央寄りに配置されているとしてよい。なお、基板ケースは、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、例えば、矩形状を呈するものであり、ここでいう矩形状には完全なる四角のみならず凹凸を有するものも含む。このようにすると、不正行為者に対し、第2コード情報よりも第1コード情報の方を読み取り易くすることができ、不正行為者は、先に第1コード情報を読み取り、第1文字情報の内容と読み取った第1コード情報から得られた特定可能な情報の内容とが実質的に同じであると認識することにより、第2文字列情報の内容と第2コード情報から得られた情報の内容とが実質的に同じであるとの思い込みを誘起させることが可能になる。
【0191】
なお、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第2表示部よりも第1表示部の方が基板ケースの中央寄りに配置されているとしてよいし、第2文字情報よりも第1文字情報の方が基板ケースの中央寄りに配置されているとしてよい。
【0192】
(9) (9)及び後述する(11)では、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、基板ケースの表面の縦方向(上下方向)の中心線と当該表面の横方向(左右方向)の中心線との交点を第1基準点とする。第2コード情報の中心点よりも第1コード情報の中心点の方が第1基準点に近いとしてよい。
【0193】
(10) (10)及び後述する(12)では、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、基板ケースの表面のうちの第1表示部及び第2表示部の表示可能な領域の縦方向(上下方向)の中心線と当該領域の横方向(左右方向)の中心線との交点を第2基準点とする。第2コード情報の中心点よりも第1コード情報の中心点の方が第2基準点に近いとしてよい。
【0194】
(11) 第2コード情報のうちの上記の第2基準点に最も近い点よりも、第1コード情報のうちの上記の第1基準点に最も近い点の方が、上記の第2基準点に近いとしてよい。
【0195】
(12) 第2コード情報のうちの上記の第2基準点に最も近い点よりも、第1コード情報のうちの上記の第2基準点に最も近い点の方が、上記の第2基準点に近いとしてよい。
【0196】
(13) 第1コード情報のサイズは第2コード情報のサイズより大きいとしてよい。このようにすると、第1コード情報は第2コード情報より目立つようになり、不正行為者に第2コード情報よりも第1コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。さらに、このようにすると、第1コード情報と第1文字情報とが実質的に同じ内容であることを知得している不正行為者が、第2コード情報と第2文字情報とが実質的に同じ内容であろうと思い込むよう誘起でき、小さくて読み取りにくい第2コード情報をわざわざ読み取ろうとすることの意欲を減退できる。
【0197】
(14) 第1表示部全体に対して第1コード情報が占める占有率は第2表示部全体に対して第2コード情報が占める占有率よりも高いとしてよい。このようにすると、第1コード情報は第2コード情報より目立つようになり、不正行為者に第2コード情報よりも第1コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。さらに、このようにすると、第1コード情報と第1文字情報とが実質的に同じ内容であることを知得している不正行為者が、第2コード情報と第2文字情報とが実質的に同じ内容であろうと思い込むよう誘起でき、小さくて読み取りにくい第2コード情報をわざわざ読み取ろうとすることの意欲を減退できる。
【0198】
(15) 第1文字情報のサイズは第2文字情報のサイズよりも大きいとしてよい。このようにすると、第1文字情報は第2文字情報より見やすくなり、不正行為者に第2文字情報とペアである第2コード情報よりも第1文字情報とペアである第1コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。
【0199】
(16) 第1表示部全体に対して第1文字情報が占める占有率は第2表示部全体に対して第2文字情報が占める占有率よりも高いとしてよい。このようにすると、第1文字情報は第2文字情報より見やすくなり、不正行為者に第2文字情報とペアである第2コード情報よりも第1文字情報とペアである第1コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。
【0200】
(17) 第3コード情報のサイズは第2コード情報のサイズより大きいとしてよい。このようにすると、第3コード情報は第2コード情報より目立つようになり、不正行為者に第2コード情報よりも第3コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。さらに、このようにすると、第3コード情報と第3文字情報とが実質的に同じ内容であることを知得している不正行為者が、第2コード情報と第2文字情報とが実質的に同じ内容であろうと思い込むよう誘起でき、小さくて読み取りにくい第2コード情報をわざわざ読み取ろうとすることの意欲を減退できる。
【0201】
(18) 第3表示部全体に対して第3コード情報が占める占有率は第2表示部全体に対して第2コード情報が占める占有率よりも高いとしてよい。このようにすると、第3コード情報は第2コード情報より目立つようになり、不正行為者に第2コード情報よりも第3コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。さらに、このようにすると、第3コード情報と第3文字情報とが実質的に同じ内容であることを知得している不正行為者が、第2コード情報と第2文字情報とが実質的に同じ内容であろうと思い込むよう誘起でき、小さくて読み取りにくい第2コード情報をわざわざ読み取ろうとすることの意欲を減退できる。
【0202】
(19) 第3文字情報のサイズは第2文字情報のサイズよりも大きいとしてよい。このようにすると、第3文字情報は第2文字情報より見やすくなり、不正行為者に第2文字情報とペアである第2コード情報よりも第3文字情報とペアである第3コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。
【0203】
(20) 第3表示部全体に対して第3文字情報が占める占有率は第2表示部全体に対して第2文字情報が占める占有率よりも高いとしてよい。このようにすると、第3文字情報は第2文字情報より見やすくなり、不正行為者に第2文字情報とペアである第2コード情報よりも第3文字情報とペアである第3コード情報を読み取ろうとする動機づけをすることができる。
【0204】
(21) 第1コード情報、第2コード情報及び第3コード情報は、それぞれ、第1表示部、第2表示部及び第3表示部の所定の領域に表示されるとしてよい。
【0205】
(22) 遊技機は前面開口を有し、略四角箱状に形成された筐体と、ヒンジ機構を用いて、前面開口を開閉可能な前面扉とを備え、第1表示部よりも、第2表示部の方が、ヒンジ機構側に形成されているとしてよい。このようにすると、前面扉を開放したときにコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じである第1表示部の方を、それらの内容が実質的に同じでない第2表示部よりも先に目につくようにすることで、不正行為者に第1表示部の第1コード情報の方を読取やすく、第2表示部の第2コード情報の方を読み取り難くすることができる。
【0206】
(23) 第1表示部の第1コード情報を構成するコードの向きを、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、上側から下側に向かう方向である(縦向き)としてよい。
【0207】
(24) 第3表示部の第3コード情報を構成するコードの向きを、遊技機を当該遊技機の前方側から見た場合(遊技機正面視において)、上側から下側に向かう方向である(縦向き)としてよい。
【0208】
(25) 第2表示部の第2コード情報を構成するコードの向きを、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、上側から下側に向かう方向以外、例えば、左側から右側に向かう方向(横向き)や下側から上側に向かう方向(縦向きを180°回転させたもの)などとしてよい。
【0209】
(23)と(25)との場合、人に対してコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の第1表示部の第1コード情報が正対し、それらの情報が実質的に同じでない方の第2表示部の第2コード情報が正対しないので、第1コード情報の方が第2コード情報355aよりも読み取りやすくなり、不正行為者に第2コード情報より先に第1コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0210】
(24)と(25)との場合、人に対してコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の第3表示部の第3コード情報が正対し、それらの情報が実質的に同じでない方の第2表示部の第2コード情報が正対しないので、第3コード情報の方が第2コード情報よりも読み取りやすくなり、不正行為者に第2コード情報より先に第3コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0211】
(26) 第1表示部の第1文字情報を構成する文字の向きを、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、上側から下側に向かう方向である(縦向き)としてよい。
【0212】
(27) 第3表示部の第3文字情報を構成する文字の向きを、遊技機を当該遊技機の前方側から見た場合(遊技機正面視において)、上側から下側に向かう方向である(縦向き)としてよい。
【0213】
(28) 第2表示部の第2文字情報を構成する文字の向きを、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、上側から下側に向かう方向以外、例えば、左側から右側に向かう方向(横向き)や下側から上側に向かう方向(縦向きを180°回転させたもの)などとしてよい。
【0214】
(26)と(28)との場合、人に対してコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の第1表示部の第1文字情報が正対し、それらの情報が実質的に同じでない方の第2表示部の第2文字情報が正対しないので、第1文字情報の方が第2文字情報よりも読み取りやすくなり、不正行為者に第2文字情報とペアの第2コード情報より先に第1文字情報とペアの第1コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0215】
(27)と(28)との場合、人に対してコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の第3表示部の第3文字情報が正対し、それらの情報が実質的に同じでない方の第2表示部の第2文字情報が正対しないので、第3文字情報の方が第2文字情報よりも読み取りやすくなり、不正行為者に第2文字情報とペアの第2コード情報より先に第3文字情報とペアの第3コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0216】
(29) 第2表示部は、第2コード情報がカバー部材とベース部材との境界部のうちの同一平面上にない箇所を含むように位置し、第2文字情報がカバー部材とベース部材との境界部以外に位置するように、表示される。このようにすると、第2コード情報が変形することで不正行為者に第2コード情報の読み取りが難しいとの印象を与え、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の第1表示部の第1コード情報をそれらの内容が実質的に同じでない方の第2表示部の第2コード情報よりも先に読み取るよう動機づけることができる。また、第2文字情報が破断されないようにすることにより、不正にカバー部材とベース部材とを分離した後、偽造した第2表示部が表示された場合であっても容易に発見できる。
【0217】
(30) 第2表示部は、第2表示部の第1コード情報と第2文字情報のいずれもベース部材とカバー部材との境界部に位置せず、他の箇所が当該境界部に位置するように、表示される。このようにすると、第2表示部の第2コード情報と第2文字情報の両方に変形が生じず、不正行為者に対して第2表示部に違和感を与えないことにより、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じでない方の第2表示部の第2コード情報を読み取ろうとする動機づけを与えないことができる。また、正規の作業者が不正の目的でなく基板ケースのカバー部材とベース部材とを分離した場合には、第2コード情報と第2文字情報とは破断されず、再使用した場合であっても、第2コード情報と第2文字情報の機能を維持できる。
【0218】
(31) 基板ケースはカバー部材とベース部材とを分離する際、第2コード情報を破断するが、第2文字情報は破断しない破断部を備えるとしてよい。このようにすると、第2コード情報を破断部により確実に破断することができて第2コード情報の読み取りを不可能になり、不正行為者は誤った関係にある第2コード情報及び第2文字情報が表示された第2表示部の模造品を作ってしまうことになる。
【0219】
(32) 基板ケースが遊技機の筐体の背板に取り付けられて当該遊技機内部に収容されている状態では、第1表示部(第1コード情報、第1文字情報)と第2表示部(第2コード情報、第2文字情報)とは、遊技機の後方側から前方側に向かう方向において異なる位置にあるとしてよい。このようにすることで、第1コード情報と第2コード情報とを読み取る際の読取機のピント調節が手間取り、不正行為者はコード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の第1表示部の第1コード情報を読み取った後に、それらの内容が実質的に異なる方の第2表示部の第2コード情報を読み取る時間的余裕を与えないようにできる。
【0220】
(33) 上記の(32)において、第1表示部(第1コード情報、第1文字情報)の方が第2表示部(第2コード情報、第2文字情報)よりも、遊技機の後方側から前方側に向かう方向において前方側にあるとしてよい。このようにすると、不正行為者に、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の第1表示部の第1コード情報を、それらの内容が実質的に異なる方の第2表示部の第2コード情報よりも先に読み取るよう動機づけることができる。
【0221】
(34) 上記の(33)において、回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面に第4コード情報が存在し、遊技機の後方側から前方側に向かう方向において、第4コード情報の方が第2表示部の第2コード情報よりも前方側にあり、第1表示部の第1コード情報の方が第4コード情報よりも前方側にあるとしてよい。これにより、第1コード情報、第4コード情報、第2コード情報の順で読み取りやすく形成でき、第1コード情報を読み取るよう動機づけるとともに、第2コード情報の読み取りを困難にできる。
【0222】
(35) 第1表示部が透明なシールで形成され、第2表示部が不透明なシールで形成され、第1表示部の外周の各角部にはR面取りが施され、第2表示部の外周の各角部にはR面取りが施され、第1表示部のR面取りのRの値は第2表示部のR面取りのRの値より小さい(例えば、第1表示部のR面取りがR0.3mmで、第2表示部のR面取りがR2mmである)としてよい。透明なシールの場合は、貼り付け作業時に付いた指紋等が不正の痕跡(透明なシールを剥がすとともに、基板ケースに孔を開けて再度透明なシールを貼り付けるような不正の痕跡)と紛らわしくなる。Rが小さい方が、指等の接触する面積が小さくなり、粘着力の低下はもちろん、指紋や指に付着した異物等の付着を防止できるため、透明なシールで形成された第1表示部の場合はRが小さいほうが望ましい。一方、Rが大きいと貼り付け作業の作業効率が良くなるため、不透明のシールで形成された第2表示部については上述の指紋等の付着による上記の弊害がないため作業性を優先することが望ましい。また、第2表示部にはスリットが設けられることがあり、この場合には作業性を優先することが望ましい。
【0223】
(36) 基板ケースが遊技機の筐体内部に収容された状態において、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第1表示部の第1コード情報と第2表示部の第2コード情報とは、縦方向にも横方向にも揃っていないとしてよい。このようにすると、不正行為者が第1表示部の第1コード情報と第2表示部の第2コード情報との連続的な読み取りが困難になり、不正行為者が第1コード情報と第2コード情報の双方を読み取る時間的余裕をなくすことができる。
【0224】
(37) カバー部材の第1ゲート痕とベース部材の第2ゲート痕とは、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第1コード情報と第1ゲート痕との距離が、ベース部材のうちの基板ケース正面視における第1コード情報と重なる箇所と第2ゲート痕との距離より大きくなるよう形成されるとしてよい。このようにすると、第1ゲート痕が第1コード情報の読み取りを邪魔するのを防止できる。また、第1ゲート痕が第1コード情報の読み取りの邪魔にならないので、不正行為者に、コード情報の内容と文字情報の内容が実質的に同じ方の第1表示部の第1コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0225】
(38) 基板ケースが、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第2表示部の前方側に配置される、第2コード情報を読取機で読み取ることができ、第2文字情報の文字を人が判別可能な程度の透明度を有するカバー部を備えることで、基板ケース正面視において第2表示部の前方側をカバー部で覆うようにする一方で、第1表示部を基板ケース外部に剥き出しになるとしてよい。このようにすると、カバー部で前方側が覆われた第2コード情報よりも、剥き出しになった第1コード情報の方が読取やすい印象を不正行為者に与えることができ、第2コード情報よりも第1コード情報の方を読み取るように動機づけることができる。また、コード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じでない方の第2表示部の第2コード情報の読み取りを困難になり、不正行為者が第2コード情報の内容と第2文字情報の内容とが実質的に同一でないことを発見するのを妨げることができる。
【0226】
(39) 上記の(38)において、カバー部は、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第2コード情報の近傍であって当該第2コード情報と重ならない領域に立体的構造物を備えるとしてよい。このようにすると、立体的構造物が第2コード情報の読み取りの邪魔をして、不正行為者が第2コード情報を読み取ろうとする意欲を減退させることができる。
【0227】
(40) 第2表示部は、基板ケースの表面のうちの平坦面の第1面部と、基板ケース80の全面のうちの当該平坦面から連続し当該平坦面と同一平面上にない面の第2面部とを少なくとも含む複数の面にまたがり、第2コード情報が第1面部に位置するように、基板ケースに表示されるとしてよい。なお、この場合、第2表示部の一部が基板ケースの表面以外に配置されるようになっていてもよい。このようにすると、不正行為者の第2表示部の第2コード情報等の読み取り意欲を減退させるとともに、正規の作業者による第2表示部の第2コード情報等の読み取り作業を妨げないようにすることができる。
【0228】
(41) 基板ケースを遊技機の筐体内の上方に設置し、基板ケースが遊技機の筐体内の上方に設置された状態では、第1表示部よりも、第2表示部の方が、基板ケースの表面のうちの筐体の上面側に表示されるとしてよい。このようにすると、コード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じでない第2表示部をそれらの内容が実質的に同じである第1表示部より筐体内の暗い位置に配置されることになり、不正行為者にそれらの内容が実質的に同じである第1表示部の第1コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0229】
(42) 回路基板には光源が実装され、当該光源は、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、光源と第1コード情報との距離が光源と第2コード情報との距離より小さくなるように配置されるとしてよい。このようにすると、不正行為者の意識を第1表示部の方へ向かわせることで、不正行為者にコード情報の内容と文字情報の内容とが実質的に同じ方の第1表示部の第1コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0230】
(43) 上記の(42)において、光源は、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第1表示部の第1コード情報の近くの所定の領域に配置されないとしてよい。このようにすると、光源が正規の作業者による第1表示部の第1コード情報の読み取りを過度に妨げることを防止できる。
【0231】
(44) 回路基板には光源が実装され、当該光源は、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、光源と第2コード情報との距離が光源と第1コード情報との距離より小さくなるように配置されるとしてよい。このようにすると、不正行為者による第2表示部の第2コード情報の読み取りを光源により妨害できる。
【0232】
(45) 回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面には第4コード情報が存在し、第4コード情報は、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第1表示部の第1コード情報の近くの所定の領域に配置されないとしてよい。このようにすると、正規の作業者は第1表示部の第1コード情報の読み取りを第4コード情報に邪魔されることがなく円滑に行うことができるため、不正行為者に対して、第1コード情報を読み取るよう動機づけることができる。
【0233】
(46) 回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面には、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第2表示部の第2コード情報の近くの所定の領域に、第4コード情報が存在するとしてよい。このようにすると、不正行為者による第2コード情報の読み取りを第4コード情報により邪魔することで難しくできるため、不正行為者に、第2コード情報の読み取りを避けるよう動機づけることができる。
【0234】
(47) 回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面には第4コード情報が存在し、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第1表示部の第1コード情報と当該第1コード情報に最も近い第4コード情報との距離は、第1表示部の第1コード情報と封印シールの第2コード情報との距離よりも小さいとしてよい。このようにすると、仮に、不正行為者が第1表示部の第1コード情報を読み取った後に、他のコード情報を読み取ろうとした場合であっても、読み取られても問題のない第4コード情報の読み取りに不正行為者を誘導することができ、これにより第2表示部の第2コード情報の読み取りにたどり着くのを遅らせることができる。
【0235】
(48) 回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面には第4コード情報が存在し、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、第1表示部の第1コード情報と第2表示部の第2コード情報とを結ぶ直線上であって、第1コード情報と第2コード情報との間に、第4コード情報が存在するとしてよい。このようにすると、不正行為者が第1表示部の第1コード情報を読み取った後に、次に、第4コード情報を読み取るように不正行為者を誘導することができ、第2表示部の第2コード情報の読み取りにたどり着くのを遅らせることができる。
【0236】
(49) 回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面に実装される実装部品を、SMD(surface mount device)としてよい。このようにすることで、DIP(Dual In-line Package)部品と比べ、第1表示部の第1コード情報と、実装部品の天面(部品の面のうちの対向面と反対側の面)との、対向面の垂直方向での距離を大きくすることができ、実装部品が第1表示部の第1コード情報の読み取りの邪魔になるのを防止できる。
【0237】
(50) 第1表示部は、第1コード情報及び第1文字情報が表示される面と反対側の面から当該第1表示部を見た場合に、当該第1コード情報を構成するコード及び当該第1文字情報を構成する文字の向きを人が判別可能に透けて見えるが、第2表示部は、第2コード情報及び第2文字情報が表示される面と反対側の面から当該第2表示部を見た場合に、当該第2コード情報を構成するコード及び当該第2文字情報を構成する文字の向きを人が判別可能に見える程透けて見えないとしてよい。このようにすることで、第1表示部を回路基板及び基板ケースの組付け前に表示した場合、基板ケースのカバー部材に回路基板を固定する際に裏から第1表示部の上下関係を確認でき、回路基板をカバー部材に取り付ける向きを間違えることなく回路基板をカバー部材に固定することができる。
【0238】
(51) 回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面に実装される実装部品のうち最も背の高い実装部品(対向面から実装部品の天面(部品の面のうちの対向面と対向する面と反対側の面)までの距離が最大の実装部品)は、第1表示部の第1コード情報の近くの所定の領域に配置されないとしてよい。このようにすることで、最も背の高い実装部品が第1表示部の第1コード情報を読み取る際の邪魔になることを防止して正規の作業者の第1コード情報の読み取りを円滑に行うことが可能になる。
【0239】
(52) 第1表示部は第1コード情報を表示する着色が施された着色領域を備え、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面に実装される実装部品のうち最も背の高い実装部品(対向面から実装部品の天面(部品の面のうちの対向面と対向する面と反対側の面)までの距離が最大の実装部品)は、当該最も背の高い実装部品の全体が、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、着色領域と重なる領域内に収まるよう配置されるとしてよい。このようにすることで、最も背の高い実装部品が第1表示部の第1コード情報の近傍にある場合であっても、最も背の高い実装部品が第1表示部の第1コード情報を読み取る際の邪魔になることを防止して正規の作業者の第1コード情報の読み取りを円滑に行うことが可能になる。
【0240】
(52) 遊技機は基板ケースを遊技機の筐体に取り付ける支持部材を有しており、第2表示部は第1表示部よりも支持部材と基板ケースとを係合させるBかしめ部よりも近いとしてよい。これにより、店員によるBかしめ部の確認作業と、不正行為者による第2表示の偽造の確認作業とを、一連の流れで行うことができる。
【0241】
(53) 遊技機は、前面開口を有し、略四角箱状に形成された筐体と、ヒンジ機構を用いて、前面開口を開閉可能な前面扉とを備え、基板ケースは第1表示部の表示位置を示す指示部を表面に備え、基板ケースを遊技機に取り付けた状態では、当該指示部は第2表示部に対しヒンジ機構の反対側に配置される(ヒンジ機構、第2表示部、指示部の並び順となる)としてよい。これにより、第2表示部よりもヒンジ機構の反対側に設けられた指示部に貼り付けるよう誘導することで、より確実に第1表示部を第2表示部よりもヒンジ機構の反対側に配置させることができ、第1表示部を読み取るよう誘起できる。
【0242】
(54) 遊技機は、背面に通気口を有する筐体を有し、第2表示部は第1表示部より劣化しやすく、第1表示部よりも第2表示部の方が筐体の背面の通気口の近くに配置されるとしてよい。これにより、第2表示部の劣化が促進されることから、不正行為者による第2表示部の確認意欲を減退させることができる。
【0243】
(55) 基板ケースが遊技機の筐体内部に収容された状態では、基板ケースを表面側から見た場合に(基板ケース正面視において)、回路基板の面のうちの第1表示部と対向する対向面に、第2表示部の周囲のうちの少なくとも第2表示部の上側部分にはコネクタが設けられ、第1表示部の周囲のうちの少なくとも第1表示部の上側部分にはコネクタが設けられないとしてよい。このようにすることで、不正行為者にコネクタに接続された配線ケーブルが読み取りの邪魔になる第2表示部の第2コード情報よりも、配線ケーブルが読み取りの邪魔にならない第1表示部の第1コード情報を読み取ろうとする動機づけができる。
【0244】
本発明は、文字情報やコード情報を複数備えた基板ケースを備える遊技機に広く適用することができる。各実施例や各変形例は、主旨を阻害しない範囲で相互に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0245】
1…スロットマシン、63…メイン制御基板、63a…実装面、80…基板ケース、80a…カバー部材、80b…ベース部材、80M…表面、350…記録紙、354a…第1文字情報、355a…第1コード情報、550…封印シール、550a…第1コード情報、550b…第2文字情報