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特許7391395シート及びヘアカラーカウンセリング方法
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  • 特許-シート及びヘアカラーカウンセリング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】シート及びヘアカラーカウンセリング方法
(51)【国際特許分類】
   A45D 44/00 20060101AFI20231128BHJP
【FI】
A45D44/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021170568
(22)【出願日】2021-10-18
(65)【公開番号】P2023060776
(43)【公開日】2023-04-28
【審査請求日】2021-11-25
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314006042
【氏名又は名称】株式会社ソフトブレイン
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川原 和紀
(72)【発明者】
【氏名】田代 裕也
(72)【発明者】
【氏名】細野 太一
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-135603(JP,A)
【文献】特開2000-127656(JP,A)
【文献】実開昭48-103125(JP,U)
【文献】特開2018-143370(JP,A)
【文献】特開2001-195568(JP,A)
【文献】特開平07-067721(JP,A)
【文献】特公昭39-027686(JP,B1)
【文献】特開昭61-013904(JP,A)
【文献】実開昭49-144498(JP,U)
【文献】特開2002-083011(JP,A)
【文献】特開2016-212726(JP,A)
【文献】特開2005-143655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D44/00-44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の所定の領域を有する図形と、
該所定の領域に対応して付された所定の第1記号と、
該所定の第1記号に対応する所定の第2記号と、
該所定の第2記号が表示される記入部であって、表示された所定の第2記号に関連付けて、毛髪の状態又は特性を記入することで、染髪対象者の該所定の第1記号に対応する所定の領域における染髪前の毛髪の状態又は特性を記入できる記入部と
を有するシート。
【請求項2】
前記図形が、少なくとも2以上の所定の領域を有し、
所定の第1記号が、所定の領域ごとに異なり、
所定の第2記号が、所定の第1記号に対応する所定の領域ごとに異なる、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
所定の第1記号に対応する所定の第2記号が、該所定の第1記号と同一の記号である、請求項1又は2に記載のシート。
【請求項4】
前記図形が、毛髪に対応する形状を有する図形である、請求項1~3のいずれかに記載のシート。
【請求項5】
前記図形が、少なくとも2以上存在し、それぞれの図形が異なる型の図形であり、
前記2以上の図形から1の図形を選択する選択部と
を有する、請求項1~5のいずれかに記載のシート。
【請求項6】
記入部が、表示された所定の第2記号に関連付けて、ヘアカラー剤の調合量を記入することで、染髪対象者の該所定の第1記号に対応する所定の領域における毛髪の染髪に必要なヘアカラー剤の調合量を記入できる、請求項1~5のいずれかに記載のシート。
【請求項7】
前記図形が、三角形状で表現される、請求項1~6のいずれかに記載のシート。
【請求項8】
所定の第1記号が、1の型の図形の所定の領域ごとに異なり、
1の型の図形の所定の領域に対応する所定の第1記号と、他の型の図形の所定の領域に対応する所定の第1記号が、同一の記号を含む、請求項5~7のいずれかに記載のシート。
【請求項9】
前記図形が、新生毛を示す所定の領域及び/又は既染毛を示す所定の領域を有し、該新生毛が、白髪又は黒髪を示す、請求項1~8のいずれかに記載のシート。
【請求項10】
請求項1に記載のシートを用い、
所定の第2記号に関連付けて、染髪対象者の該所定の第1記号に対応する所定の領域における染髪前の毛髪の状態又は特性を記入部に記入する記入ステップを有する、ヘアカラーカウンセリング方法。
【請求項11】
前記図形が、少なくとも2以上存在し、それぞれの図形が異なる型の図形であり、
前記2以上の図形から1の図形を選択する選択部と
を有し、
前記図形が、白髪染めを行う毛髪に対応する図形、及び、オシャレ染めを行う毛髪に対応する図形を含む、請求項1に記載のシート。
【請求項12】
前記図形が、少なくとも2以上存在し、それぞれの図形が異なる型の図形であり、
前記2以上の図形から1の図形を選択する選択部と
を有し、
前記図形が、新生毛のみからなる毛髪に対応する図形、既染毛のみからなる毛髪に対応する図形、及び、新生毛と既染毛からなる毛髪に対応する図形を含む、請求項1に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の毛髪の状態又は特性を簡便に記録するシート及びヘアカラーカウンセリング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、美容院やヘアカラーリングの専門店などで、ヘアカラーリング剤を用いて染髪が行われている。カラーリングは、顧客の要望に応じて、適切なヘアカラーリング剤を用いることで、異なる色へ染髪することが可能となる。
【0003】
一方、顧客の希望する髪色に染め上がらず、ヘアカラーリングに対して不満が残る場合がある。このような問題を解決するため、顧客に対し、ヘアカラー施術後の染め上がりの髪色を提示して顧客の希望する髪色に染めるヘアカラーをアドバイスし、ヘアカラーに対する不満を解消することができるヘアカラーアドバイスツールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、顧客の要望どおりにヘアカラーリングを行うには、美容師の経験や勘、感性による部分が多く、経験の浅い美容師にとって、ヘアカラーリングは難しいものであった。例えば、毛髪の部位の状態又は特性によって色の染まりやすさが異なる。そのため、毛髪の部位が新生毛又は既染毛か、毛髪の部位の長さ等、顧客の毛髪の状態を詳細に記録し、把握する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-143655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、顧客の毛髪の状態又は特性を簡便に記録することのできるシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題は、
[1]少なくとも1以上の所定の領域を有する毛髪を模した図形と、該所定の領域に対応する所定の記号と、所定の記号に関連付けて、染髪対象者の該所定の記号に対応する所定の領域における毛髪の状態又は特性を記入できる記入部とを有するシート;
[2]少なくとも2以上の異なる型の毛髪を模した図形と、前記2以上の図形から1の図形を選択する選択部とを有する、前記[1]に記載のシート;
[3]記入部が、所定の記号に関連付けて、染髪対象者の該所定の記号に対応する所定の領域における毛髪の染髪に必要なヘアカラー剤の調合量を記入できる、前記[1]又は[2]に記載のシート;
[4]毛髪を模した図形が、三角形状で表現される、前記[1]~[3]のいずれかに記載のシート;
[5]所定の記号が、1の型の毛髪を模した図形の所定の領域ごとに異なり、1の型の毛髪を模した図形の所定の領域に対応する所定の記号と、他の型の毛髪を模した図形の所定の領域に対応する所定の記号が、同一の記号を含む、前記[2]~[4]のいずれかに記載のシート;
[6]図形が、新生毛を示す所定の領域及び/又は既染毛を示す所定の領域を有し、該新生毛が、白髪又は黒髪を示す、前記[1]~[5]のいずれかに記載のシート;
[7]少なくとも1以上の所定の領域を有する毛髪を模した図形と、該所定の領域に対応する所定の記号とを有するシートを用い、所定の記号に関連付けて、染髪対象者の該所定の記号に対応する所定の領域における毛髪の状態又は特性を記入する記入ステップを有する、ヘアカラーカウンセリング方法;
[8]少なくとも2以上の異なる型の毛髪を模した図形と、前記2以上の図形から1の図形を選択する選択部とを有し、毛髪を模した図形が、白髪染めを行う毛髪に対応する図形、及び、オシャレ染めを行う毛髪に対応する図形を含む、シート;
[9]少なくとも2以上の異なる型の毛髪を模した図形と、前記2以上の図形から1の図形を選択する選択部とを有し、毛髪を模した図形が、新生毛のみからなる毛髪に対応する図形、既染毛のみからなる毛髪に対応する図形、及び、新生毛と既染毛からなる毛髪に対応する図形を含む、シート;
[10]選択部にて選択した図形に対応する毛髪の状態又は特性を記入できる記入部を有する、前記[8]又は[9]に記載のシート;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顧客の毛髪の状態又は特性を簡便に記録することのできるシートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態にかかる毛髪を模した図形の一例を示す図である。
図2】本発明の実施の形態にかかるシートの一例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるシートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態にかかる毛髪を模した図形の一例を示す図である。図形1は、毛髪を模した図形であり、1以上の所定の領域2(領域2a、2b、2c・・・)及び所定の記号3(記号3a、3b、3c・・・)を有する。図形1は、染髪対象者の毛髪の状態又は特性によって、1以上の所定の領域2に分けられる。また、図形1は、ヘアカラー剤を塗布する部位等によって、1以上の所定の領域2に分けられてもよい。所定の領域2は、毛髪の状態又は特性と関連付けられる。毛髪の状態又は特性としては、例えば、白髪と黒髪のいずれであるか、新生毛と既染毛のいずれであるか、毛髪の明度、退色の度合い、毛髪の艶、毛髪の柔らかさ、及び/又は、毛髪の太さ等が挙げられる。
【0012】
また、図形1を構成する所定の領域2の数と、所定の領域2に関連付けられた毛髪の状態又は特性の組み合わせにより、図形1は異なる毛髪の型を表すことができる。毛髪の型は、毛髪の状態及び特性の組み合わせや、ヘアカラー剤の塗布部位によって決定される。毛髪の型を決定する所定の領域2に関連付けられた毛髪の状態又は特性としては、例えば、新生毛が白髪又は黒髪であるかが挙げられる。さらに、新生毛及び既染毛の組み合わせ(新生毛のみ、既染毛のみの場合も含む)、毛髪の明度及び退色の度合いの組み合わせ、ヘアカラー剤を塗布する部位、又はそれらの組み合わせ等によって、さらに細かく毛髪の型を決定することができる。また、図形1がどのような毛髪の型を示しているのか、視認してわかるように表されることが好ましい。例えば、図形1の所定の領域2に対応した毛髪の状態又は特性ごとに、色彩を異ならせることが好ましい。具体的には、白髪の新生毛に該当する所定の領域2を白色で表示し、黒髪の新生毛に該当する所定の領域2を濃い黒色で表示し、既染毛に該当する所定の領域2を薄い黒色で表示することが好ましい。
【0013】
また、図形1は、三角形状で表されることが好ましい。シートの使用者である美容師は、三角形の底辺のある側を毛髪の根元側、三角形の頂点のうち底辺に対向する位置にある頂点のある側を毛髪の毛先側として、図形を認識することができ、毛髪の根元側と毛先側とを一目で区別することができる。ここで、三角形の底辺とは、図形1のような二等辺三角形を形成する三辺のうち、もっとも短い辺である。また、図形1は、三角形の底辺と平行な直線により、複数の所定の領域2に区切られるのが好ましい。なお、後述するように、シート中に、複数の異なる型の三角形を設ける場合は、それらの三角形のそれぞれの底辺がシートの左側に位置し、底辺に対向するそれぞれの頂点がシートの右側に位置する等、複数の三角形について、三角形の底辺から頂点へ向かう方向が同じ方向になることが好ましい。
【0014】
所定の領域2には、所定の記号3(記号3a、3b、3c・・・)が対応付けて記載されている。所定の記号3は、所定の記号3と所定の領域2とが、対応関係にあることがわかるように、記載されることが好ましい。例えば、領域2a内に記号3aが記載されるように、所定の記号が所定の領域内に配置される。また、所定の記号は、所定の領域2の領域外であっても、領域外の右上や左下などの決まった位置に配置される。所定の記号3は、図形1に含まれる複数の領域2を区別できるものであれば特に指定されない。例えば、アルファベット、平仮名、ハート、スペード、ダイヤ等の図形でもよいし、「1」、「2」等の数字でもよいが、数字を用いることが好ましい。なお、図1~3において○印の中に1~4の数字が表示された記号を、本明細書では、それぞれ「1」、「2」、「3」、「4」と表記する。また、図形1に含まれる複数の領域2a、2b、2cは、それぞれ異なる記号3a、3b、3cが対応付けて記載されている。さらに、後述のシートにおいて、複数の図形1を有する場合、1の図形1と、他の図形1とで、それぞれの図形に含まれる所定の領域2に、同一の記号3が対応付けて記載されていることが好ましい。詳細は後述する。
【0015】
図2は、本発明の実施の形態にかかるシートの一例を示す図である。シート10は、選択領域11と、情報記入領域12と、調合量記入領域13とを有する。選択領域11は、情報記入領域12及び調合量記入領域13の上部に位置するが、特に限定されない。
【0016】
選択領域11は、複数の毛髪を模した図形1(図形1a、1b・・・)を有する。これらの複数の毛髪を模した図形1は、例えば、図形の形状、大きさ、所定の領域の数、所定の領域の形状、又は、所定の領域の色若しくは模様の少なくともいずれか1つが異なっている。また、染髪対象者の毛髪の状態又は特性を基に、複数の図形から特定の図形を選択する選択部4(選択部4a、4b・・)を有していてもよい。選択部4のそれぞれは、毛髪を模した図形1のそれぞれと対応関係にあることがわかるように、対応する図形1の左側など近傍に配置されることが好ましい。選択部4は、図示するようにチェックボックスタイプであることが好ましい。また、特に選択部4を設けずに、選択した図形1を丸で囲むような、選択したことがわかる態様で記入してもよい。複数の選択部4のうちのいずれか1つの選択部4を選択して記入することで、後述するように、情報記入領域12に記入された情報が、選択部4に対応する図形1に関するものであることを特定することができる。
【0017】
上述のとおり、図形1は、1以上の所定の領域2を有し、所定の領域2は、上述の毛髪の状態又は特性と関連付けられている。また、選択領域11に記載されている図形1について、図形1を構成する領域2の数と、領域2に関連付けられた染髪対象者の毛髪の状態又は特性の組み合わせが、図形ごとにそれぞれ異なる。すなわち、選択領域11に記載されている複数の図形1は、それぞれ、異なる毛髪の型を示している。例えば、図形1aは領域2dを有し、領域2aは白髪の新生毛であることを示している。また、図形1bは領域2eと領域2fを有し、それぞれの領域が既染毛であり、領域2eと領域2fとで、毛髪の明るさのレベルが異なることを示している。このように、過去に髪を染めたタイミングや日焼け等のダメージ等で毛髪の部位によって毛髪の状態又は特性が異なることがあるため、新生毛又は既染毛の部分でも、さらに細かく所定の領域2を区別することができる。
【0018】
また、上述のとおり、図形1がどのような所定の領域2を有する毛髪の型を示しているのか、シート10を視認してわかるように表されることが好ましい。例えば、図示するように、白髪の新生毛に該当する領域2dを白色で表示し、黒髪の新生毛に該当する領域2gを濃い黒色で表示し、既染毛に該当する領域2e、2f、2hを薄い黒色で表示することができる。これにより、白髪若しくは黒髪の新生毛若しくは既染毛の領域がわかりやすく把握でき、記入者が毛髪の型を選択する際に、容易に選択をすることができる。また、例えば、ある程度類似する所定の毛髪の型ごとに図形1を所定の範囲にまとまって表すことが好ましい。図2の選択領域11では、白髪染め若しくはオシャレ染めを行うかで、毛髪の型ごとの図形1が分けられて表されている。なお、オシャレ染めとは、有色の毛髪(黒髪)を有色に染髪(カラーリングともいう)する毛染め方法であり、白髪染めとは、白髪の毛髪を有色に染髪する毛染め方法である。つまり、染髪対象者の新生毛部分が、白髪又は黒髪かにより、それぞれの図形1を分けて、所定の範囲にまとまって表すことが好ましい。さらに、白髪染め又はオシャレ染めの中でも、毛髪の型に含まれる所定の領域2が、新生毛のみであるか、既染毛のみであるか、又は新生毛と既染毛とを示す所定の領域2の組み合わせであるかで、それぞれの毛髪の型を表す図形1が所定の範囲にまとまって表されてもよい。シート10の所定の範囲にまとまって記載される所定の毛髪の型の種類としては、新生毛部分が白髪若しくは黒髪、及び/又は、新生毛のみ、既染毛のみ、若しくは新生毛及び既染毛の組み合わせ等が挙げられ、上述の所定の領域2に関連付けられる毛髪の状態又は特性を適宜用いることができる。
【0019】
所定の図形1に含まれる複数の所定の領域2は、それぞれ異なる記号3が対応付けて記載されている。さらに、選択領域11に記載されている1の図形1と、他の図形1とで、それぞれの図形に含まれる所定の領域に、同一の記号が対応付けて記載されていることが好ましい。例えば、図形1aは、領域2dに対応して記号3dとして「1」が記載されている。また、図形1bは、領域2eに対応して記号3eとして「1」が、領域2fに対応して記号4fとして「2」がそれぞれ記載されている。また、図形1cは、領域2gに対応して記号3gとして「1」が、領域2hに対応して記号3hとして「2」がそれぞれ記載されている。これにより、後述の染髪対象者の毛髪の状態又は特性に合わせて毛髪の情報等を記入するとき、記入するスペースを効率的にまとめることができる。
【0020】
情報記入領域12及び調合量記入領域13には、染髪に必要な情報として、選択した図形1の所定の領域2に対応する染髪対象者の毛髪の情報等を記入する。染髪対象者の毛髪の情報は、所定の領域2に対応した所定の記号3に関連付けて記入する。
【0021】
情報記入領域12は、所定の領域2に対応した、染髪対象者の毛髪の長さ及び明るさのレベルを記入する。例えば、選択領域11にて、選択部4cであるチェックボックスにチェックを入れることで、図形1cを選択した場合、領域2gに対応する染髪対象者の新生毛部分の長さ及び明るさのレベルを記号3iの右側に記入し、領域2hに対応する染髪対象者の既染毛部分の長さ及び明るさのレベルを記号3jの右側に記入する。なお、内容を記入する位置は、記入内容と所定の記号3とが対応関係にあることがわかるように記入されれば特に限定されない。選択領域11で選択した図形1の所定の領域2が所定の記号3と対応付けられているため、情報記入領域12において、所定の領域2に対応する染髪対象者の毛髪の状態を所定の記号に関連付けて記入することができる。さらに、選択領域11に記載されている1の図形1及び他の図形1の所定の領域2について、同一の記号3が記載されているため、情報記入領域12に記載される記号3の数は、選択領域11の図形1のうち、最も所定の領域2の数が多いものと同じ数があればよい。なお、情報記入領域12では、所定の領域2に対応した、染髪対象者の毛髪の長さ及び明るさのレベルを記入したが、これに限らず、所定の領域2に対応した、染髪対象者の毛髪の状態や特性(例えば、傷み、乾燥、艶、柔らかさ、クセ等)を記入してもよい。
【0022】
調合量記入領域13は、所定の領域2に対応した、染髪対象者の毛髪を染髪するのに必要なヘアカラー剤の調合量を記入する。例えば、選択領域11にて、図形1cを選択した場合、領域2gに対応する染髪対象者の新生毛部分を染髪するのに必要なヘアカラー剤の調合量を記号3kの右側に記入し、領域2hに対応する染髪対象者の既染毛部分を染髪するのに必要なヘアカラー剤の調合量を記号3mの右側に記入する。なお、上述のとおり、内容を記入する位置は、記入内容と所定の記号とが対応関係にあることがわかるように記入されれば特に限定されない。選択領域11で選択した図形1の所定の領域2が所定の記号3と対応付けられているため、調合量記入領域13において、所定の領域2に対応する染髪対象者の毛髪を染髪するのに必要なヘアカラー剤を所定の記号3に関連付けて記入することができる。さらに、選択領域11に記載されている1の図形1及び他の図形1の所定の領域2について、同一の記号3が記載されているため、調合量記入領域13に記載される記号3の数は、選択領域11の図形1のうち、最も所定の領域2の数が多いものと同じ数があればよい。
【0023】
このように、本発明の実施の形態にかかるシートでは、複数の選択部4のうちのいずれか1つの選択部4を選択することができるため、情報記入領域12に記入した情報がいずれの型の毛髪に関するものであるか、つまり、情報記入領域12に記入した情報が複数の図形1のうちのいずれに対応するものであるかを、把握することが可能となる。よって、図形1の所定の領域2内の記号3に対応する、情報記入領域12内の記号3に対応する空欄に、長さ、明るさ、調合量等の情報を記入することで、例えば、図形1の所定の領域2内の記号3が「1」の場合は、情報記入領域12内の「1」に対応する空欄に、長さ、明るさ、調合量等の情報を記入することで、図形1の所定の領域2内の記号3が「2」の場合は、情報記入領域12内の「2」に対応する空欄に、長さ、明るさ、調合量等の情報を記入することで、多数の毛髪の型にあわせた情報を把握することが可能となる。このような構成を採用することで、図形1ごとに長さ、明るさ、調合量等の情報を記入する欄を設けるよりも、省スペースで、必要な情報を記入することが可能となる。
【0024】
図3は、本発明の実施の形態にかかるシートの一例を示す図である。シート20は、上述のシート10と同様の構成と、一般情報記入領域21とを有する。
【0025】
一般情報記入領域21は、染髪対象者である顧客の属性を記入するための領域であり、例えば、来店回数、予約時間、スタッフ名、氏名、来店動機、年齢、性別等を記入する。さらに、染髪の施術に必要な情報について記入するための領域でもあり、例えば、毛量、毛髪全体の長さ(レングス)、染髪の部門(白髪染め又はオシャレ染め)、染髪の品種(部分染め、根元染め、全体染め)等を記入する。また、染髪後の毛髪の明るさ、毛髪の染まりやすさ、染髪対象者の嫌いな色味、気になるところ等を記入する。これらの情報は、美容師が顧客にヒアリングをしながら記入してもよいし、顧客自身が記入してもよい。
【0026】
本発明の実施の形態にかかるシートの使用方法を説明する。まず、来店した顧客がシート20の一般情報記入領域21を記入する。一般情報記入領域21の記入を終えたら、美容師にシート20を渡す。なお、これらの情報は、美容師が顧客にヒアリングをしながら記入してもよい。次に、顧客の毛髪を確認しながら、美容師はシート20の選択領域11に記載された複数の図形1の中から、顧客の毛髪の状態又は特性に適した毛髪の型を示す図形1を選択部4から選択する。仮に、シート20に記載された図形1に、顧客の毛髪の状態又は特性に適する毛髪の型を示す図形1がない場合、最も適する型の図形1を選択する。または、シート20に、三角形状の図形1の外枠のみを記載しておき、美容師が顧客の毛髪の状態に対応するように、所定の領域2と記号3を割り振ってもよい。
【0027】
次に、情報記入領域12に、顧客の毛髪を確認しながら、選択した選択部4に対応する図形1の、所定の領域2に対応する顧客の毛髪の情報を記入する。具体的には、情報記入領域12の所定の記号3に関連付けて、選択領域11で選択した図形1の所定の領域2に対応する顧客の毛髪の長さ及び明るさのレベルを記入する。一般情報記入領域21において、染髪の品種について全体染めを選択していた場合、顧客の毛髪全体の情報を記入する。また、染髪の品種について、部分染め又は根元染めを選択していた場合、染髪する部分に対応する毛髪の部分の情報のみを記入するとしてもよい。
【0028】
次に、調合量記入領域13に、情報記入領域12に記入した髪の長さ等の情報に基づいて、染髪に必要なヘアカラー剤の量を記入する。さらに、記入された情報と顧客とのカウンセリング等より、実際の施術を行うヘアカラー剤の色を決定する。ヘアカラー剤の算出は、上記の情報を基に美容師が算出してもよいし、コンピュータが算出してもよい。シート20に顧客の毛髪の型及び所定の領域2に対応する顧客の毛髪の情報が記入されているため、ヘアカラー剤の算出は、顧客の毛髪の状態を確認した美容師だけでなく、他の美容師が担当することができる。このように、顧客に対して施術のカウンセリングや毛髪の状態及び特性を確認する担当者と、実際の施術を行う担当者を分けることができる。例えば、シート20の情報に基づいて、熟練者がヘアカラー剤の調合を行うことができる。また、シート20にて選択された顧客の毛髪の型及び情報を参考にして、ヘアカラー剤の選定やヘアカラー剤の塗布等のカラーリングの施術を行うことができる。これらにより、施術の品質が向上し、顧客の満足度が高まるという優れた効果を奏する。
【0029】
上で述べた実施の形態では、毛髪を模した図形1の所定の領域2と、毛髪の状態又は特性とを関連付けて、所定の領域2に対応する染髪対象者の毛髪の情報を、記号3に関連付けて記入するシートとしたが、毛髪を模した図形1の所定の領域2を、染髪後の髪色と関連付けてもよい。すなわち、所定の領域2に対応する記号3に、所定の領域2に対応する染髪対象者の染髪後の仕上がりの情報や染髪対象者の毛髪の情報を記入するシートとすることができる。
【0030】
本発明によれば、毛髪を模した図形の所定の領域に対応する所定の記号と、染髪対象者の所定の領域における毛髪の状態又は特性とを関連付けて記入されるため、染髪対象者の毛髪の状態又は特性を容易に記録し、確認することができる。また、本発明によれば、複数の型の毛髪を模した図形から染髪対象者の毛髪の状態又は特性に対応した図形を選択することができるため、染髪対象者の毛髪の状態又は特性に対応した図形を選択することができる。
【0031】
また、本発明によれば、毛髪を模した図形が三角形状で表現されるため、図形における毛髪の根元と毛先を容易に判別することができる。また、本発明によれば、異なる型の毛髪を模した図形における所定の領域に対応する所定の記号が同一であるため、シートの記入部分を省スペース化することができる。また、本発明によれば、新生毛を示す所定の領域及び/又は既染毛を示す所定の領域を有する図形を備え、該新生毛が白髪又は黒髪を示すので、多くの染髪対象者の毛髪の状態又は特性に対応できるシートを提供できる。
【符号の説明】
【0032】
1、1a~1c:図形 2、2a~2h:領域 3、3a~3m:記号
4、4a~4c:選択部 10、20:シート
11:選択領域 12:情報記入領域 13:調合量記入領域 21:情報記入領域
図1
図2
図3