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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】商品情報処理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 21/00 20060101AFI20231128BHJP
   B41J 5/30 20060101ALI20231128BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20231128BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
B41J5/30 B
B41J3/36 Z
B41J29/42 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022122812
(22)【出願日】2022-08-01
(62)【分割の表示】P 2021126755の分割
【原出願日】2017-02-14
(65)【公開番号】P2022145774
(43)【公開日】2022-10-04
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】猪爪 健一
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-030207(JP,A)
【文献】特開2015-147322(JP,A)
【文献】特開2013-111843(JP,A)
【文献】特開2016-218947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0152758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/00
B41J 5/30
B41J 3/36
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品情報に基づく印字項目の確認操作を入力する入力手段と、
前記確認操作が入力された後に、印字イメージに基づく印字を印字手段に行わせる印字制御手段と、
印字項目が含まれる印字イメージを表示し、印字イメージ上における前記確認操作が必要な印字項目のうち前記確認操作が入力されていない印字項目を前記確認操作の前であることを示す態様で表示する表示手段と、
を備え、
前記表示手段は、一の商品情報に基づく第1印字イメージ及び当該商品情報に基づく印字イメージであって前記第1印字イメージとは異なる第2印字イメージを表示し、
前記入力手段により前記第1印字イメージ上における印字項目に前記確認操作が入力された場合に、前記第2印字イメージ上における同一の印字項目にも前記確認操作が入力されたとみなす、みなし入力手段を備える、
ことを特徴とする商品情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記第1印字イメージと前記第2印字イメージとを切り替え可能に表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の商品情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータを商品情報処理装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、
商品情報に基づく印字項目の確認操作を入力する入力手段、
前記確認操作が入力された後に、印字イメージに基づく印字を印字手段に行わせる印字制御手段、
印字項目が含まれる印字イメージを表示し、印字イメージ上における前記確認操作が必要な印字項目のうち前記確認操作が入力されていない印字項目を前記確認操作の前であることを示す態様で表示する表示手段、
として機能させ、
前記表示手段は、一の商品情報に基づく第1印字イメージ及び当該商品情報に基づく印字イメージであって前記第1印字イメージとは異なる第2印字イメージを表示し、
前記コンピュータを、
前記入力手段により前記第1印字イメージ上における印字項目に前記確認操作が入力された場合に、前記第2印字イメージ上における同一の印字項目にも前記確認操作が入力されたとみなす、みなし入力手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報処理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルプリンタにおいて、印字内容の誤記は店舗の信用問題となるため、発行前には確認作業が必要となる。特許文献1には、印字前に、印字項目の確認を促す技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-218947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、メッセージにより印字項目の確認を促しているため、文字サイズやフォントや配置までは判断出来ないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、印字項目を文字内容だけでなく文字サイズやフォントや配置の正否も確認できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、商品情報に基づく印字項目の確認操作を入力する入力手段と、前記確認操作が入力された後に、印字イメージに基づく印字を印字手段に行わせる印字制御手段と、印字項目が含まれる印字イメージを表示し、印字イメージ上における前記確認操作が必要な印字項目のうち前記確認操作が入力されていない印字項目を前記確認操作の前であることを示す態様で表示する表示手段と、を備え、前記表示手段は、一の商品情報に基づく第1印字イメージ及び当該商品情報に基づく印字イメージであって前記第1印字イメージとは異なる第2印字イメージを表示し、前記入力手段により前記第1印字イメージ上における印字項目に前記確認操作が入力された場合に、前記第2印字イメージ上における同一の印字項目にも前記確認操作が入力されたとみなす、みなし入力手段を備える、ことを特徴とする商品情報処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の商品情報処理装置において、前記表示手段は、前記第1印字イメージと前記第2印字イメージとを切り替え可能に表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、コンピュータを商品情報処理装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、商品情報に基づく印字項目の確認操作を入力する入力手段、前記確認操作が入力された後に、印字イメージに基づく印字を印字手段に行わせる印字制御手段、印字項目が含まれる印字イメージを表示し、印字イメージ上における前記確認操作が必要な印字項目のうち前記確認操作が入力されていない印字項目を前記確認操作の前であることを示す態様で表示する表示手段、として機能させ、前記表示手段は、一の商品情報に基づく第1印字イメージ及び当該商品情報に基づく印字イメージであって前記第1印字イメージとは異なる第2印字イメージを表示し、前記コンピュータを、前記入力手段により前記第1印字イメージ上における印字項目に前記確認操作が入力された場合に、前記第2印字イメージ上における同一の印字項目にも前記確認操作が入力されたとみなす、みなし入力手段として機能させる、ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、実際に印字される態様に近い状態で印字項目の確認作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態におけるラベルプリンタ(印字装置)の外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態におけるラベルプリンタの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態におけるラベルプリンタがRAMに記憶する商品ファイルのデータ構成及びデータ例を示す図である。
図4】本発明の実施形態におけるラベルプリンタがRAMに記憶する確認項目ファイルのデータ構成及びデータ例を示す図である。
図5】本発明の実施形態におけるラベルプリンタが表示する印字項目確認画面の一例を示すイメージ図である。
図6】本発明の実施形態におけるラベルプリンタが表示する印字項目確認画面の一例を示すイメージ図である。
図7】本発明の実施形態におけるラベルプリンタが表示する印字項目確認画面の一例を示すイメージ図である。
図8】本発明の実施形態におけるラベルプリンタが実行する確認処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
図9】各ラベルの印字イメージをタブに分ける場合における印字項目確認画面の一例を示すイメージ図である。
図10】未確認の確認項目に誘導する際の動作を説明するための図である。
図11】未確認の確認項目に誘導する際の動作を説明するための図である。
図12】ラベルプリンタが表示する値付け画面の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態におけるラベルプリンタ(印字装置)1の外観構成を示す斜視図である。このラベルプリンタ1は、例えば販売店のバックヤードに設置され、各種商品又は商品容器に貼付するラベルを発行する装置であり、基台部10の上面に、操作表示部13と、キー操作部15とを設置し、また基台部10の前面に一対のラベル発行口17,19を設置し、さらに商品計量用のはかり部30をケーブル(無線でも良い)で接続して構成されている。
【0013】
図2は、本実施形態におけるラベルプリンタ1の構成を示すブロック図である。ラベルプリンタ1は、制御部20と、はかり部30と、印字部40と、操作部50とを備えている。はかり部30はロードセル31を備え、商品の重量を計量する。印字部40は第1,第2印字機構部41,43を有している。これら第1,第2印字機構部41,43は、何れもラベルの印字を行い、印字したラベルをラベル発行口17,19から排出する。操作部50はキー操作部15と、操作表示部13(13a,13b)とを備える。キー操作部15はテンキーと印字キーとモード選択キーとを備える。テンキーは数字の入力を受け付ける。印字キーは印字指示の入力を受け付ける。モード選択キーは、後述する判定モードの選択を受け付ける。操作表示部13は液晶表示器13aにタッチパネル13bが積層された構造となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。液晶表示器13aは各種データの表示を行う。タッチパネル13bは操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。
【0014】
制御部20は、CPU21と、ロードセル制御部22と、印字制御部23と、操作制御部24と、表示制御部25と、ROM26と、RAM27とを備えている。CPU21はバスを介して制御部20が備える各部と相互に接続されている。
【0015】
CPU21は、ROM26が記憶する制御プログラムとRAM27が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。またCPU21は、必要な情報をRAM27に記憶させる。ロードセル制御部22は、はかり部30が備えるロードセル31の制御を行う。印字制御部23は印字部40の制御を行う。操作制御部24は、キー操作部15と、タッチパネル13bの制御を行う。タッチパネル13bは、液晶表示器13aに表示された下記する印字イメージのプレビュー画面をタッチすることで、プレビュー画面中のタッチした項目を指定する。表示制御部25は、液晶表示器13aの制御を行う。即ち表示制御部25は、RAM27に記憶されている印字データやフォーマット情報等に基づいて、下記する印字イメージをプレビュー画面として液晶表示器13aに表示させる。RAM27は、CPU21が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。またRAM27は、値を操作者が入力(設定)する各種ファイル(後述)を記憶する。ROM26は制御プログラムを記憶する。
【0016】
図3は、本実施形態におけるラベルプリンタ1がRAM27に記憶する商品ファイルのデータ構成及びデータ例を示す図である。同図に示す商品ファイルは、商品番号、品名、単価、加工日、消費期限、原産地等の各商品情報を有している。
【0017】
図4は、本実施形態におけるラベルプリンタ1がRAM27に記憶する確認項目ファイルのデータ構成及びデータ例を示す図である。同図に示す確認項目ファイルは、確認操作が必要な印字項目である確認項目を有している。印字項目は、ラベルに印字される項目(例えば、商品情報)である。図示する例では、確認項目は、品番(商品番号)、単価/値段、日時、広告文、産地名称(原産地等)、イメージ、内容量・内容量単位、上下限重量、コメント、保存温度、個体識別番号/ロット番号、添加物、バーコード、店名、製造者、風袋、品名、加工日時、賞味日時(消費期限)である。
【0018】
次に、本ラベルプリンタ1の動作について説明する。以下、ラベルプリンタ1が、商品又は商品容器に貼付する商品ラベルと、商品が陳列される棚に貼付する棚ラベルとの2枚のラベルを一度の印字操作で略同時に発行する場合について説明する。操作者は、ラベルを発行するために、キー操作部15の印字キーを押下する。ラベルプリンタ1は、印字キーが入力を受け付けると、印字イメージのプレビュー画面であって、発行するラベルの確認項目を確認するための印字項目確認画面を操作表示部13に表示する。
【0019】
図5図7は、本実施形態におけるラベルプリンタ1が表示する印字項目確認画面の一例を示すイメージ図である。印字項目確認画面には、発行するラベルそれぞれの印字イメージが表示されている。図示する例では、商品ラベルの印字イメージSと棚ラベルの印字イメージTとが並んで表示されている。よって、操作者は、複数あるラベルの印字イメージを1つの画面で確認することができる。また、印字項目確認画面には、表示を拡大する拡大ボタンZIと、表示を縮小するZOボタンと、ラベルの発行を中止する中止ボタンCとが設置されている。
【0020】
ラベルプリンタ1は、確認項目の全てを確認すると確認操作が終了したと判定する第1のモードと、確認項目の一部を確認すると確認操作が終了したと判定する第2のモードとの2つの判定モードを有する。ラベルプリンタ1は、第1のモードと第2のモードとを選択する選択手段を備える。例えば、ラベルプリンタ1は、キー操作部15のモード選択キーが入力を受け付けると、判定モードを切り替える。
【0021】
まず、第1のモード時における動作について説明する。第1のモードでは、同一の確認項目が複数ある場合に、一方の確認項目に確認操作が入力されると、他方の確認項目にも確認操作が入力されたとみなす、みなし入力機能を設定することが可能である。図5図6は、第1のモード時にみなし入力機能が設定されているときの動作を説明するための図である。図5(A)は、初期状態、すなわち、確認項目に確認操作が入力されていない状態を示す。表示制御部25は、確認が必要な印字項目である確認項目を印字イメージ上に表示する。この際、表示制御部25は、印字イメージにおいて、確認項目と確認項目でない印字項目とを表示態様を異ならせて表示する。本例では、表示制御部25は、確認項目ファイルを参照して確認項目を特定し、特定した確認項目の中心に二重丸のマークを付し、その表示範囲を橙の長方形で囲んでいる(表示色を橙としている)。また、表示制御部25は、確認項目でない印字項目を全て無色としている。また、表示制御部25は、確認項目の確認を促すメッセージ「ラベルイメージの確認をしてください。◎の付いた対象エリアをすべてタッチしてください。」を印字項目確認画面に表示する。
【0022】
本例における商品ラベルの確認項目は、単価「398円」、値段「326円」及び賞味期限(消費日時)「16.12.25」である。また、棚ラベルの確認項目は、単価「398円」、値段「326円」、賞味期限「16.12.25」及びプラマークである。よって、商品ラベルと棚ラベルとに共通する確認項目は、単価、値段及び賞味期限である。
【0023】
操作者は、マークが付された未確認(確認操作が入力されていない)の確認項目を確認すると、確認した確認項目に確認操作を入力する。本実施形態では、確認操作は、操作表示部13に表示された確認項目をタッチする操作である。よって、タッチパネル13bは、確認項目の確認操作を入力する。CPU21は、操作制御部24がタッチパネル13bにおいて確認項目にタッチする操作を検出すると、当該確認項目を確認済(確認操作が入力された)とする。表示制御部25は、確認済となった確認項目に付されたマークを削除するとともに、その表示範囲を青の長方形で囲む(表示色を青にする)。
【0024】
図5(B)は、確認項目「値段」の確認操作が入力された状態を示す。例えば、表示制御部25は、商品ラベルの印字イメージS上で、値段に対する確認操作が入力されると、商品ラベルの印字イメージS上の値段に付されたマークを削除するとともに、その表示色を青にする。
【0025】
また、CPU21は、確認操作が入力された確認項目と同一の確認項目がある場合には、当該同一の確認項目にも確認操作が入力されたとみなし、確認済とする。すなわち、CPU21は、同一の確認項目が複数ある場合、一方の確認項目に確認操作が入力されると、他方の確認項目にも確認操作が入力されたとみなす。本例では、確認項目「値段」は、商品ラベルと棚ラベルとに共通する確認項目であるため、棚ラベルの値段に対しても確認操作が入力されたものとみなされ、棚ラベルの値段も確認済となる。そのため、表示制御部25は、棚ラベルの印字イメージT上の値段に付されたマークを削除するとともに、その表示色を青にする。
【0026】
図6(A)は、商品ラベルの確認項目全てに対し確認操作が入力された状態を示す。例えば、CPU21は、商品ラベルの印字イメージS上で、全ての確認項目に確認操作が入力されると、商品ラベルの全ての確認項目を確認済とするとともに、棚ラベルにおいて商品ラベルと共通する確認項目全てを確認済とする。これにより、未確認の確認項目は、棚ラベルのプラマークのみとなる。
【0027】
図6(B)は、図6(A)に示す状態のときにプラマークに対する確認操作が入力され、全ての確認項目に対し確認操作が入力された状態を示す。CPU21は、全ての確認項目に確認操作が入力されると、確認操作が終了したと判定する。表示制御部25は、CPU21が確認操作は終了したと判定した場合に、印字操作を受け付けるラベル発行ボタンPを印字項目確認画面に表示する。また、表示制御部25は、ラベル発行ボタンPの押下を促すメッセージ「よろしければ発行ボタンを押してください。」を印字項目確認画面に表示する。印字制御部23は、ラベル発行ボタンPが入力を受け付けると、印字部40に商品ラベル及び棚ラベルを発行させる。印字部40は、印字イメージに基づく印字を行い、商品ラベル及び棚ラベルを発行する。
【0028】
なお、CPU21は、第1のモード時にみなし入力機能が設定されていない場合には、複数ある同一の確認項目のうち一方に確認操作が入力されたとしても、他方の確認項目に確認操作が入力されたとはみなさず、全てのラベルの全ての確認項目に確認操作が入力された場合に、確認操作が終了したと判定する。
【0029】
続いて、第2のモード時における動作について説明する。図7は、第2のモード時における動作を説明するための図である。図7(A)は、初期状態、すなわち、確認項目に確認操作が入力されていない状態を示す。本実施形態では、CPU21は、第2のモード時には、1枚目のラベルである商品ラベルの確認項目全てに確認操作が入力された場合に、確認操作が終了したと判定する。すなわち、CPU21は、棚ラベルにある確認項目に確認操作が入力されていない場合であっても、商品ラベルにある確認項目全てに確認操作が入力されると、確認操作が終了したと判定する。本例では、表示制御部25は、確認項目ファイルを参照して商品ラベルの確認項目を特定し、特定した確認項目に二重丸のマークを付し、その表示色を橙としている。一方、表示制御部25は、棚ラベルの確認項目であって商品ラベルの確認項目でないプラマークにはマークを付さずにその表示色を確認項目でない他の印字項目と同様に無色としている。
【0030】
図7(B)は、商品ラベルの確認項目全てに確認操作が入力された状態であって、棚ラベルの確認項目に確認操作が入力されていない状態を示す。図示するように、商品ラベルの印字イメージS上の確認項目は全てマークが削除されその表示色が青になっているのに対し、棚ラベルの印字イメージT上の確認項目は全てマークが付されその表示色が橙になっている。CPU21は、商品ラベルの全ての確認項目に対して確認操作が入力されると、確認操作が終了したと判定する。すなわち、CPU21は、棚ラベルにおいて未確認の確認項目がある場合であっても、商品ラベルの確認項目が全て確認済である場合には、確認操作が終了したと判定する。表示制御部25は、CPU21が確認操作は終了したと判定した場合に、印字操作を受け付けるラベル発行ボタンPを印字項目確認画面に表示する。印字制御部23は、ラベル発行ボタンPが入力を受け付けると、印字部40に商品ラベル及び棚ラベルを発行させる。印字部40は、印字イメージに基づく印字を行い、商品ラベル及び棚ラベルを発行する。
【0031】
図8は、本実施形態におけるラベルプリンタ1が実行する確認処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。ラベルプリンタ1は、キー操作部15の印字キーが入力を受け付けた際に、本図に示す処理を実行する。
【0032】
(ステップS101)表示制御部25は、確認項目にマークを付すとともにその表示色を橙にして、各ラベルの印字イメージを操作表示部13に表示する。その後、ステップS102の処理に進む。
【0033】
(ステップS102)操作制御部24は、確認項目に対する確認操作の入力を受け付けたか否かを判定する。確認操作の入力を受け付けたと操作制御部24が判定した場合には、ステップS103の処理に進む。また、確認操作の入力を受け付けていないと操作制御部24が判定した場合には、ステップS102の処理を再度実行する。
【0034】
(ステップS103)CPU21は、確認操作の入力を受け付けた確認項目を確認済にする。表示制御部25は、印字イメージにおいて、確認済の確認項目に付されたマークを削除するとともに、その表示色を青にする。その後、ステップS104の処理に進む。
【0035】
(ステップS104)CPU21は、現在の判定モードが第1のモードであるか第2のモードであるかを判定する。第1のモードであるとCPU21が判定した場合には、ステップS105の処理に進む。また、第2のモードであるとCPU21が判定した場合には、ステップS109の処理に進む。
【0036】
(ステップS105)CPU21は、みなし入力機能が設定されているか否かを判定する。みなし入力機能が設定されているとCPU21が判定した場合には、ステップS106の処理に進む。また、みなし入力機能が設定されていないとCPU21が判定した場合には、ステップS108の処理に進む。
【0037】
(ステップS106)CPU21は、確認操作の入力を受け付けた確認項目と同一の確認項目があるか否かを判定する。同一の確認項目があるとCPU21が判定した場合には、ステップS107の処理に進む。また、同一の確認項目がないとCPU21が判定した場合には、ステップS108の処理に進む。
【0038】
(ステップS107)CPU21は、同一の確認項目を全て確認操作があったものとみなし、確認済にする。表示制御部25は、確認済の確認項目に付されたマークを削除するとともに、その表示色を青にする。その後、ステップS108の処理に進む。
【0039】
(ステップS108)CPU21は、全ての確認項目が確認済であるか否かを判定する。全ての確認項目が確認済であるとCPU21が判定した場合には、ステップS110の処理に進む。また、未確認の確認項目があるとCPU21が判定した場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0040】
(ステップS109)CPU21は、1枚目のラベルの確認項目が全て確認済であるか否かを判定する。1枚目のラベルの確認項目が全て確認済であるとCPU21が判定した場合には、ステップS110の処理に進む。また、1枚目のラベルに未確認の確認項目があるとCPU21が判定した場合には、ステップS102の処理に戻る。
【0041】
(ステップS110)CPU21は、確認操作が終了したと判定する。表示制御部25は、ラベル発行ボタンを印字項目確認画面に表示する。その後、ステップS111の処理に進む。
【0042】
(ステップS111)操作制御部24は、ラベル発行ボタンが入力を受け付けたか否かを判定する。ラベル発行ボタンが入力を受け付けたと操作制御部24が判定した場合には、ステップS112の処理に進む。また、ラベル発行ボタンが入力を受け付けていないと操作制御部24が判定した場合には、ステップS111の処理を再度実行する。
【0043】
(ステップS112)印字制御部23は、印字部40にラベルを発行させる。その後、処理を終了する。
【0044】
以上説明したように、本実施形態のラベルプリンタ1は、印字項目の確認操作を入力するタッチパネル13bと、確認操作が終了したことを判定するCPU21と、確認操作が終了したと判定した場合に、印字イメージに基づく印字を行う印字部40と、確認操作が必要な印字項目について、確認操作前の印字項目と確認操作後の印字項目とで異なる態様で表示し、さらに確認対象以外の印字項目とも異なる態様で表示する表示制御部25とを備える。
【0045】
この構成により、ラベルプリンタ1は、印字イメージを表示し、そのイメージ上に確認すべき対象であるか否かを分かる態様で表示させることができる。これにより単に印字項目の文言の正否を確認するだけでなく、文字サイズやフォント、配色、ラベルにおける配置(レイアウト)等を容易に確認することが出来る。これにより、試し印字によりラベルを無駄にする虞もない。
【0046】
さらに、確認項目は確認後であっても確認対象外(無色)とは異なる態様で表示されている(無色にはならずに青くなる)ため、確認を終え印字が出来る状態であっても注意喚起を継続して促すことが出来る。
【0047】
また、本実施形態のラベルプリンタ1は、確認が必要な印字項目を印字イメージ上に表示する表示制御部25と、印字項目の確認操作を入力するタッチパネル13bと、確認操作が終了したことを判定するCPU21と、確認操作が終了したと判定した場合に、印字イメージに基づく印字を行う印字部40と、を備え、CPU21は、印字項目の全てを確認すると、確認操作が終了したと判定する第1の判定モードと、印字項目の一部を確認すると、確認操作が終了したと判定する第2の判定モードとを備える。
【0048】
上記構成によれば、ラベルプリンタ1は、確認操作の終了を判定するモードを複数備えているため、状況や運用に応じてモードを使い分けることができる。これにより、効率的にラベルを発行することができる。
【0049】
例えば、特許文献1には、印字前に、印字項目の確認を促し、さらに履歴に応じて確認を省略できる技術が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、初めて印字を行う対象は印字履歴が無いため、印字項目の確認を省略ができず効率が悪いという問題があった。一方、本実施形態では上述したように、ラベルプリンタ1は、確認操作の終了を判定するモードを複数備えているため、状況や運用に応じてモードを使い分けることができる。これにより、効率的にラベルを発行することができる。
【0050】
また、本実施形態におけるラベルプリンタ1は、第1のモードと第2のモードとを選択するキー操作部15を備える。これにより、状況や運用に応じて、確認操作の終了を判定するモードを選択することができる。
【0051】
また、CPU21は、同一の印字項目が複数ある場合、一方の印字項目に確認操作が入力されると、他方の印字項目にも確認操作が入力されたとみなす。これにより、同一の印字項目が複数ある場合に、確認操作を省略することができるため、確認作業を効率的に行うことができる。
【0052】
また、表示制御部25は、確認操作が必要な印字項目と確認操作が必要でない印字項目とを表示態様を異ならせて表示する。これにより、操作者は、どの印字項目に対し確認操作が必要であるかを容易に判別することができる。
【0053】
また、表示制御部25は、確認操作が終了したと判定した場合に、印字操作を受け付ける表示をする。これにより、確認操作が終了した場合にのみ印字操作を受け付けるため、確認操作が終了する前に印字されることを防ぐことができる。
【0054】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0055】
例えば、上述した実施形態では、発行する複数のラベルの印字イメージを1つの画面上に表示しているが、これに限らず、例えば、タブを用いて印字イメージを表示するラベルを切り替えるようにしてもよい。図9は、各ラベルの印字イメージをタブに分ける場合における印字項目確認画面の一例を示すイメージ図である。本図に示す印字項目確認画面には、発行するラベルそれぞれの印字イメージを表示するためのタブが設置されている。図示する例では、商品ラベルの印字イメージを表示するタブ1と、棚ラベルの印字イメージを表示するタブ2とがある。図9(A)はタブ1が選択され商品ラベルの印字イメージが表示された状態を示し、図9(B)はタブ2が選択され棚ラベルの印字イメージが表示された状態を示す。よって、操作者は、各タブを選択することにより、印字イメージを表示するラベルを切り替えることができる。
【0056】
また、プリンタ1は、印字項目確認画面において未確認の確認項目がある場合に、当該確認項目への確認を誘導してもよい。図10は、未確認の確認項目に誘導する際の動作を説明するための図である。例えば、表示制御部25は、印字イメージ全体を表示している図10(A)に示す状態のときに、拡大ボタンZIが入力を受け付けると、図10(B)に示すように表示を拡大させる。
【0057】
そして、CPU21は、図10(B)に示す状態のときに、値段及び単価に対して確認操作の入力を受け付けると、値段及び単価を確認済とする。表示制御部25は、図10(C)に示すように、確認済となった値段及び単価に付されたマークを削除するとともに、表示色を青にする。このとき、印字項目確認画面に表示されていない賞味期限は未確認のままである。そのため、表示制御部25は、未確認の確認項目があることを通知するメッセージ「未確認の項目が残っています」Mを印字項目確認画面に表示する。これにより、操作者は、未確認の確認項目があることを知ることができる。
【0058】
さらに、表示制御部25は、図10(D)に示すように、確認操作が入力されていない確認項目「賞味期限」への確認を誘導するために、拡大を保持したまま、未確認の確認項目「賞味期限」に表示を切り替える。これにより、操作者は、どの確認項目が未確認であるかを知ることができ、確認作業をより効率的に行うことができる。なお、図示した例では、同一の印字イメージ内で未確認の確認項目がある場合について説明したが、別の印字イメージ(または別のタブ)への誘導も同様にすることができる。
【0059】
なお、確認操作が入力されていない確認項目への確認を誘導する表示はこれに限らず、例えば、図11に示すように、印字イメージ全体を表示することにより確認操作が入力されていない確認項目「賞味期限」への確認を誘導してもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、ラベルプリンタ1は、印字項目確認画面において、確認項目に対する確認操作の入力を受け付けているが、これに限らず、例えば、印字項目を入力するための値付け画面等の他の画面において確認操作の入力を受け付けてもよい。図12は、ラベルプリンタ1が表示する値付け画面の一例を示すイメージ図である。図示するように、値付け画面には、発行するラベルの印字イメージIが表示される。印字イメージIは、印字項目確認画面に表示するものと同一のものである。なお、ラベルプリンタ1は、値付け画面において確認操作が終了した場合には、印字項目確認画面を表示せずに、値付け画面にラベル発行ボタンを表示し、ラベル発行ボタンが入力を受け付けると、ラベルを発行する。
【0061】
また、上述した実施形態では、タッチパネル13bにおいて確認項目をタッチする操作を確認操作としたが、これに限らず、例えば、各確認項目の値を操作者が読み上げた音声を音声認識により解析する等、他の操作であってもよい。
さらに、音声認識の場合、タッチ操作の場合とは異なり、読み上げた音声情報と事前に登録されている登録音声情報との一致の判断を行うことができるため、より正確な確認業務を実現することが出来る。また、確認時の音声情報を担当者ごとに再生可能な操作履歴として残しても良い。
【0062】
また、上述した実施形態では、未確認の確認項目の表示態様として、対象となる項目の表示範囲を橙の長方形で囲み、中心に二重丸のマークを付しているが、いずれか一方のみでもよく、また、色もマーク形状もこれに限定されない。同様に、確認済の確認項目の表示態様も、確認済であることを判別することができればよく、上述した実施形態のものに限定されない。
【0063】
また、上述した実施形態では、ラベルプリンタ1は、第2のモード時には、1枚目のラベルの確認項目に確認操作が入力された場合に、確認操作が終了したと判定しているが、これに限らず、例えば、2枚目以降のラベルの確認項目に確認操作が入力された場合に、確認操作が終了したと判定する等、確認項目の一部に確認操作が入力された場合に、確認操作が終了したと判定するものであればよい。
【0064】
また、上述した実施形態では、ラベルプリンタ1は、ラベル発行ボタンを表示することにより印字操作を受け付ける表示をしているが、これに限らず、「印字ができる状態になりました」等のメッセージを表示するだけでもよい。
【0065】
また、上述した実施形態では、第1のモード時のみなし入力機能について、異なるラベルに同一の確認項目がある場合について説明したが、同一のラベルに同一の確認項目がある場合にも、同様に、一方の確認項目に確認操作が入力されると、他方の確認項目にも確認操作が入力されたとみなしてもよい。例えば、アレルギー物質や栄養成分等の表示は同一ラベル内で複数個所に印字される可能性がある。
【0066】
なお、上述のラベルプリンタ1としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のラベルプリンタ1としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0067】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 ラベルプリンタ(印字装置)、10 基台部、13 操作表示部、13a 液晶表
示器、13b タッチパネル、15 キー操作部、17,19 ラベル発行口、20 制
御部、21 CPU、22 ロードセル制御部、23 印字制御部、24 操作制御部、
25 表示制御部、26 ROM、27 RAM、30 はかり部、31 ロードセル、
40 印字部、41 第1印字機構部、43 第2印字機構部、50 操作部
図1
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図12