(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】プロテインキナーゼ阻害剤としての1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン系化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20231128BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20231128BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20231128BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20231128BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20231128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231128BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
C07D487/04 145
C07D487/04 CSP
A61K31/519
A61K31/5377
A61K31/541
C07D519/00 311
A61P43/00 111
A61P43/00 105
A61P35/00
(21)【出願番号】P 2022506747
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(86)【国際出願番号】 CN2020106158
(87)【国際公開番号】W WO2021023104
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】201910712009.8
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522044319
【氏名又は名称】チェンドゥ サイノジェン バイオ-ファーマシューティカル テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】チォン, ハン
(72)【発明者】
【氏名】シォン, ウェイイェン
(72)【発明者】
【氏名】ユー, ビン
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-516202(JP,A)
【文献】特表2014-503567(JP,A)
【文献】国際公開第2018/177403(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/214846(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/029663(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/086591(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/
A61K 31/
C07D 519/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物であって、
【化1】
但し、
A
1はCR
5またはNであり;
A
2はCR
6またはNであり;
A
3はCR
7またはNであり;
R
1は、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
且つ、
R
5は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8は、それぞれ1、2または3個のR基で置換されていてもよく、ここで、Rは、独立して、H、-OH、ハロゲン、
-CN、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、
またはC
2-6アルキニル基
から選択され
;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい、
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項2】
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物であって、
【化2】
但し、
A
1はCR
5またはNから選択され;
A
2はCR
6またはNから選択され;
A
3はCR
7またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
且つ、
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8は、それぞれ1、2または3個のR基で置換されていてもよく、ここで、Rは、独立して、H、-OH、ハロゲン、
-CN、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、
またはC
2-6アルキニル基
から選択され:
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい、
一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項3】
A
1がCR
5またはNから選択され;
A
2がCR
6またはNから選択され;
A
3がCR
7またはNから選択され;
R
1が、H、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
2が、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
3が、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
且つ、
R
5が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mが、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8が、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’が、独立して、H、-OH、ハロゲン、
-CN、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基
から選択され;
R
a、R
bおよびR
cがそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
好ましくは、
A
1がCR
5またはNから選択され;
A
2がCR
6またはNから選択され;
A
3がCR
7またはNから選択され;
R
1が、H、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
2が、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
3が、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
且つ、
R
5が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8が、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’が、独立して、H、-OH、ハロゲン、
-CN、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、
またはC
2-6アルキニル基
から選択され;
R
a、R
bおよびR
cがそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
好ましくは、
A
1がCR
5またはNから選択され;
A
2がCR
6またはNから選択され;
A
3がCR
7またはNから選択され;
R
1が、H、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
3が、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
且つ、
R
5が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8が、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’が、独立して、H、-OH、ハロゲン、
-CN、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、
またはC
2-6アルキニル基
から選択され;
R
a、R
bおよびR
cがそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
好ましくは、
A
1がCR
5またはNから選択され;
A
2がCR
6またはNから選択され;
A
3がCR
7またはNから選択され;
R
1が、H、ハロゲン、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、H、ハロゲン、-CN、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリルから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
且つ、
R
5が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8が、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’が、独立して、H、-OH、ハロゲン、
-CN、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、
またはC
2-6アルキニル基
から選択され;
好ましくは、
A
1がCR
5またはNから選択され;
A
2がCR
6またはNから選択され;
A
3がCR
7またはNから選択され;
R
1が、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、H、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリルから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-または-C
1-6アルキレン-から選択され;
且つ、
R
5が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R
8が、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’が、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル、-CN、-OR
a、-NR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
A
1がCR
5またはNから選択され;
A
2がCR
6またはNから選択され;
A
3がCR
7から選択され;
R
1がHまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
2がHまたは-CNから選択され;
R
3が、H、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリルから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lが、化学結合、-O-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-または-C
1-6アルキレン-から選択され;
且つ、
R
5が、H、ハロゲンまたは-OR
aから選択され;
R
6が、HまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
7が、H、ハロゲンまたはC
1-6アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成する、
請求項1又は2に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項4】
一般式(II)で表される化合物であって、
【化3】
但し、
A
2がCR
6またはNから選択され;
R
3が、1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよい以下の基からなる群から選択され、
【化4】
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成する、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項5】
一般式(II)で表される化合物であって、
【化5】
但し、
A
2がCR
6またはNから選択され;
R
3が、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよい以下の基からなる群から選択され、
【化6】
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lが、化学結合、
または-C
1-6アルキレン-
から選択され;
R
6が、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成する、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項6】
一般式(II)で表される化合物であって、
【化7】
但し、
A
2がCR
6またはNから選択され;
R
3が以下の基から選択され、
【化8】
R
4が、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lが、化学結合、または-C
1-6アルキレン-から選択され;
R
6が、H、またはC
1-6アルキル基から選択される、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項7】
一般式(III)または(III-1)で表される化合物であって、
【化9】
但し、
R
1が、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、
またはC
1-6ハロゲン化アルキル基
から選択され;
R
3が、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基が、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、D、
C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’が、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mが、0、1または2を表し;
好ましくは、
R
1が、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、-CN、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記の基が、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、H、D、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’が、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mが、0、1または2を表し;
好ましくは、
R
1が、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、-CN、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
3-7シクロアルキル基、または4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記の基が、1または2個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR’、
-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’が、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mが、0、1または2を表し;
好ましくは、
R
1が、HまたはDから選択され;
R
2が、HまたはDから選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
4-6シクロアルキル基、または5~6員ヘテロシクリルから選択され、前記の基が、1個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-OR
a、-SR
aまたは-NR
bR
cから選択され;
R
6が、H、D、ハロゲン、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
aまたは-S(O)
mNR
bR
cから選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、
-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
aまたは-S(O)
mNR
bR
cから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、
-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、または-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
R’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R’’とR’’’が、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R’’、R’’’が、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
mが、0、1または2を表す、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項8】
一般式(III)、(III-1)または(III-2)で表される化合物であって、
【化10】
但し、
R
1が、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または5~6員ヘテロシクリルから選択され、前記の基が、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
好ましくは、
R
1が、H、D、
またはハロゲン
から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、
または-CN
から選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基が、1または2個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
aまたは-NR
bR
cから選択され;
R
6が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
aまたは-NR
bR
cから選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
aまたは-NR
bR
cから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
好ましくは、
R
1が、HまたはDから選択され;
R
2が、HまたはDから選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基が、1個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
aまたは-NR
bR
cから選択され;
R
6が、H、Dまたはハロゲンから選択され;
R
7が、H、Dまたはハロゲンから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-または-C(O)-から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項9】
一般式(IV)または(IV-1)で表される化合物であって、
【化11】
但し、
R
1が、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、-CN、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または5~6員ヘテロシクリルから選択され、前記の基が、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
好ましくは、
R
1が、H、D、
またはハロゲン
から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、
または-CN
から選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基が、1または2個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
7が、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
好ましくは、
R
1が、HまたはDから選択され;
R
2が、HまたはDから選択され;
R
3が、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基が、1個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lが、化学結合、-O-、-NH-または-C(O)-から選択され;
R
7が、H、Dまたはハロゲンから選択され;
R
8が、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cが、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項10】
一般式(V)または(V-1)で表される化合物であって、
【化12】
但し、
R
1が、H、D、ハロゲン、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、-CN、
C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3が、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリルであり;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
8が、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
1が、H、D、
またはハロゲン
から選択され;
R
2が、H、D、ハロゲン、
または-CN
から選択され;
R
3が、1または2個のR
8基で置換されていてもよいピペラジニルであり;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
8が、H、D、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aが、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、
R
1が、HまたはDから選択され;
R
2が、HまたはDから選択され;
R
3が、1または2個のR
8基で置換されていてもよいピペラジニルであり;
R
4が、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
8が、H、D、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択される、
請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント、およびそれらの混合物。
【請求項11】
【化13】
【化14】
【化15】
から選択される、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアント。
【請求項12】
請求項1~11いずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアントと、
薬学的に許容される賦形剤と、
必要に応じて、他の治療剤と
を含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアントを含む第1容器;
必要に応じて、他の治療剤を含む第2容器;および
必要に応じて、前記の化合物および/または他の治療剤を希釈または懸濁するための医薬用賦形剤を含む第3容器
を含む、キット。
【請求項14】
CDK介在性疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体
または同位体バリアントの使用。
【請求項15】
前記CDK介在性疾患には、細胞増殖性疾患、例えば、肉腫および癌のような固形腫瘍(例えば、線維肉腫、粘液性肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜肉腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺腫瘍、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、胎児性癌肉瘤、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫瘍、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫)が含まれるが、これらに限定されない、
請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase,CDK)阻害剤として、CDKに対して広いスペクトルおよび強力な阻害活性を有する1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン系化合物を提供する。本発明の化合物は、癌および炎症などの疾患の治療に有効である。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase,CDK)およびサイクリン(cyclin)は、細胞周期の調節における重要な因子である。CDKはサイクリンと結合してヘテロダイマーを形成する。ここで、CDKは触媒サブユニットであり、サイクリンは調節サブユニットであり、さまざまなサイクリン-CDK複合体を形成し、さまざまな基質をリン酸化し、細胞周期の各段階を促進および変換する役割を果たす。
【0003】
ここ十年来、CDK阻害剤は、新規抗腫瘍薬の開発におけるホットスポットになり、20以上のCDK阻害剤が臨床段階に入った。CDK阻害剤の前臨床の薬力学の結果は優れているが、ほとんどの臨床試験の結果は期待できない。主な問題としては、固形腫瘍における有効性の欠如と高い毒性が挙げられる。一部のCDK阻害剤は、CDKサブタイプに対する選択性が乏しいため、大きな毒副作用を示す。
【0004】
CDK4およびCDK6は、密接に関連している2つのキナーゼであり、腫瘍細胞周期においてサイクリンDと結合してG1期からS期への移行を促進し、細胞周期の進行に必要なものである。ヒトの腫瘍(例えば、乳癌や骨髄腫)では、CDK4とCDK6の活性化は細胞周期の変化を引き起こすことが証明された。また、CDK4およびCDK6の阻害は、腫瘍抑制タンパク質Rbの不活性化を防ぎ、腫瘍細胞周期の進行を妨げる可能性がある。
【0005】
現在、複数の選択的CDK4/6阻害剤(例えば、Palbociclib、Dinaciclib、LY2835219およびLEE011)は臨床段階にある。これらの医薬の臨床評価には、転移性乳癌、卵巣癌、脂肪肉腫、非小細胞肺癌、肝臓癌、神経膠芽細胞腫、黒色腫、多発性骨髄腫、およびリンパ腫も含まれる。
【0006】
多くのCDK阻害剤化合物は開示されているが、CDK関連疾患を治療するために、より多くのCDK阻害剤(特に、CDK4/6選択的阻害剤)が依然として必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤として強力な阻害活性を有する1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン系化合物を提供する。また、既知の薬物と比較して、本発明の化合物は、既知の化合物に比べて、代謝安定性およびクリアランスを含む薬物動態特性をさらに改善する。
【0008】
本発明の一局面では、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化1】
但し、
A
1はCR
5またはNであり;
A
2はCR
6またはNであり;
A
3はCR
7またはNであり;
R
1は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル基、C
6-10アリール基、または5~10員ヘテロアリール基から選択され、前記C
3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基またはチオキソ基で置換されていてもよく;
R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R
5は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-SR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-C(O)R’、-C
0-6アルキレン-C(O)OR’、-C
0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-SR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-C(O)R’、-C
0-6アルキレン-C(O)OR’、-C
0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8は、それぞれ1、2または3個のR基で置換されていてもよく、ここで、Rは、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、-C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールは、-CN、-NO
2、カルボニル、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
cまたは-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく;
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0009】
他の局面では、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化2】
但し、
A
1はCR
5またはNから選択され;
A
2はCR
6またはNから選択され;
A
3はCR
7またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8は、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールは、-CN、-NO
2、カルボニル、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
cまたは-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく:
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0010】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物、および薬学的に許容される任意の賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0011】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、他の治療薬をさらに含む。
【0012】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物、他の治療薬、および薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒介物を含むキットを提供する。
【0013】
また、別の局面では、本発明は、CDK介在性疾患を治療及び/又は予防するための薬物の調製への、本発明の化合物の使用を提供する。
【0014】
また、別の局面では、本発明は、本発明の化合物または本発明の組成物を被験者に投与することを含む、前記被験者におけるCDK介在性疾患を治療および/または予防する方法を提供する。
【0015】
また、別の局面では、本発明は、CDK介在性疾患の治療および/または予防のための本発明の化合物または本発明の組成物を提供する。
【0016】
具体的な実施形態において、前記疾患は、例えば、肉腫および癌のような固形腫瘍(例えば、線維肉腫、粘液性肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜肉腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺腫瘍、皮脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌(embryonal carcinoma)、胎児性癌肉瘤(embryonal carcinosarcoma)、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮腫、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫瘍、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫)が挙げれれる。
【0017】
本発明の他の目的および利点は、以下の具体的な実施形態、実施例および特許請求の範囲から、当業者に明らかである。
【0018】
定義
化学定義
以下、具体的な官能基と化学用語の定義についてより詳細に説明する。
【0019】
数値範囲が挙げられる場合、その範囲内の各値および部分範囲を含む。例えば、「C1-6アルキル基」は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C1-6、C1-5、C1-4、C1-3、C1-2、C2-6、C2-5、C2-4、C2-3、C3-6、C3-5、C3-4、C4-6、C4-5、C5-6アルキル基を含む。
【0020】
本明細書に記載される場合、以下に定義される部分のいずれかが様々な置換基で置換されてもよく、また、それぞれの定義は、以下に記載されるそれらの範囲内にこのような置換部分を含むことを意図することを理解されたい。特に明記されていない限り、「置換」という用語は、以下に示すように定義される。
【0021】
「C1-6アルキル基」とは、1~6個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基を指す。一部の実施形態では、C1-4アルキル基が好ましい。C1-6アルキル基の例として、メチル(C1)、エチル(C2)、n-プロピル(C3)、イソプロピル(C3)、n-ブチル(C4)、tert-ブチル(C4)、sec-ブチル(C4)、イソブチル(C4)、n-ペンチル(C5)、3-ペンチル(C5)、ペンチル(C5)、ネオペンチル(C5)、3-メチル-2-ブチル(C5)、tert-ペンチル(C5)、n-ヘキシル(C6)などが挙げられる。「C1-6アルキル基」という用語には、1個以上(例えば、1、2、3または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されたヘテロアルキル基も含まれる。アルキル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。通常、アルキルの略語として、Me(-CH3)、Et(-CH2CH3)、iPr(-CH(CH3)2)、nPr(-CH2CH2CH3)、n-Bu(-CH2CH2CH2CH3)またはi-Bu(-CH2CH(CH3)2)が挙げられる。
【0022】
「C2-6アルケニル基」とは、2~6個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態では、C2-4アルケニル基が好ましい。C2-6アルケニル基の例として、ビニル(C2)、1-プロペニル(C3)、2-プロペニル(C3)、1-ブテニル(C4)、2-ブテニル(C4)、ブタジエニル(C4)、ペンテニル(C5)、ペンタジエニル(C5)、ヘキセニル(C6)などが挙げられる。「C1-6アルケニル基」という用語には、1個以上(例えば、1、2、3または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されたヘテロアルケニル基も含まれる。アルケニル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0023】
「C2-6アルキニル基」とは、2~6個の炭素原子、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合、および必要に応じて1つ以上の炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖の炭化水素基を指す。一部の実施形態では、C2-4アルキニル基が好ましい。C2-6アルキニル基の例として、エチニル(C2)、1-プロピニル(C3)、2-プロピニル(C3)、1-ブチニル(C4)、2-ブチニル(C4)、ペンチニル(C5)、ヘキシニル(C6)などが挙げられるが、これらに限定されない。「C2-6アルキニル基」という用語には、1個以上(例えば、1、2、3または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、ホウ素、ケイ素、リン)で置換されたヘテロアルキニル基も含まれる。アルキニル基は、1個以上の置換基、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基または1個の置換基で置換されてもよい。
【0024】
「-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-」とは、以上定義された「C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、またはC2-6アルキニル基」の二価の基を指す。
【0025】
「C1-6アルキレン」は、C1-6アルキル基から他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルキレンであってもよい。一部の実施形態では、C1-4アルキレンが特に好ましい。非置換アルキレンとして、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2CH2-)、プロピレン(-CH2CH2CH2-)、ブチレン(-CH2CH2CH2CH2-)、ペンチレン(-CH2CH2CH2CH2CH2-)、ヘキシレン(-CH2CH2CH2CH2CH2CH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。典型的な置換アルキレンとして、例えば、置換メチレン(-CH(CH3)-、-C(CH3)2-)、置換エチレン(-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH2C(CH3)2-)、置換プロピレン(-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-、-CH2CH2CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2CH2-、-CH2CH2C(CH3)2-)などの1つ以上のアルキル(メチル)で置換されたアルキレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
「C0-6アルキレン」とは、化学結合および上記で定義された「C1-6アルキレン」を意味する。
【0027】
「C2-6アルケニレン」は、C2-6アルケニレンから他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルケニレンであってもよい。一部の実施形態では、C2-4アルケニレンが特に好ましい。例示的な非置換アルケニレン基として、エテニレン(-CH=CH-)およびプロペニレン(例えば、-CH=CHCH2-、-CH2-CH=CH-)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルケニレン基として、例えば、置換エテニレン(-C(CH3)=CH-、-CH=C(CH3)-)、置換プロペニレン(-C(CH3)=CHCH2-、-CH=C(CH3)CH2-、-CH=CHCH(CH3)-、-CH=CHC(CH3)2-、-CH(CH3)-CH=CH-、-C(CH3)2-CH=CH-、-CH2-C(CH3)=CH-、-CH2-CH=C(CH3)-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
「C2-6アルキニレン」は、C2-6アルキニレンから他の1つの水素を除去した二価の基を指し、置換または非置換のアルキニレンであってもよい。一部の実施形態では、C2-4アルキニレンが特に好ましい。例示的なアルキニレン基として、エチニレン(-C≡C-)、置換または非置換プロピニレン(-C≡CCH2-)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
「ハロゲン化」または「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)およびヨウ素(I)を意味する。
【0030】
「C1-6ハロゲン化アルキル基」とは、1つ以上のハロゲン基で置換された前記「C1-6アルキル基」を意味する。例として、モノハロゲン化、ジハロゲン化、およびパーハロゲン化が挙げられる。モノハロゲン置換基は、1つのヨウ素、臭素、塩素またはフッ素原子を有しても良い。ジハロゲン置換基およびポリハロゲン置換基は、2つ以上の同一のハロゲン原子または異なるハロゲンの組み合わせを有しても良い。好ましいハロゲン化アルキル基の例として、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチルおよびジクロロプロピルが挙げられる。ハロゲン化アルキル基は、任意の利用可能な結合部位に、例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1個の置換基で置換される。
【0031】
「C3-7シクロアルキル基」とは、3~7個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を持つ非芳香族環式炭化水素基を指す。一部の実施形態において、C3-6シクロアルキル基は特に好ましく、C4-6シクロアルキル基が更に好ましく、C5-6シクロアルキル基が更に好ましい。シクロアルキル基には、さらに、前記シクロアルキル環が1個以上のアリール基或いはヘテロアリール基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環に位置し、また、このような場合、炭素数は依然としてシクロアルキル系中の炭素数を示す。例示的な前記シクロアルキル基として、シクロプロピル(C3)、シクロプロペニル(C3)、シクロブチル(C4)、シクロブテニル(C4)、シクロペンチル(C5)、シクロペンテニル(C5)、シクロヘキシル(C6)、シクロヘキセニル(C6)、シクロヘキサジエニル(C6)、シクロヘプチル(C7)、シクロヘプテニル(C7)、シクロヘプタジエニル(C7)、シクロヘプタトリエニル(C7)などが挙げられるが、それらに限定されない。
【0032】
「3~11員ヘテロシクリル基」は、環炭素原子と1~5個の環ヘテロ原子を有する3~11員非芳香環系の基であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロシクリル基において、結合価が許容される限り、連結部位は炭素または窒素原子であってもよい。一部の実施形態では、環炭素原子および1~5個の環ヘテロ原子を有する3~9員の非芳香族環系である3~9員ヘテロシクリル基が好ましい。一部の実施形態では、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する3~7員の非芳香族環系である3~7員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する3~6員の非芳香族環系である3~6員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する4~7員の非芳香族環系である4~7員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する4~6員の非芳香族環系である4~6員ヘテロシクリル基が好ましい。環炭素原子および1~3個の環ヘテロ原子を有する5~6員の非芳香族環系である5~6員ヘテロシクリル基がより好ましい。さらに、ヘテロシクリル基は、前記ヘテロシクリル基環と1つ以上のシクロアルキル基と縮合した環系を含み、ここで、連結点はシクロアルキル環上に位置する;或いは、前記ヘテロシクリル環が一つ或いは複数のアリール基或いはヘテロアリール基と縮合した環系を含み、その中、連結点はヘテロシクリル環上に位置する。且つ、このような情況で、環員数は、依然としてヘテロシクリル基の環の員数を示す。1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリルの例として、アジリジニル、オキシラニル、チオレニル(thiorenyl)が挙げられるが、それらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基の例として、アゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル-2,5-ジオンが挙げられるが、それに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリルの例として、ジオキソラニル、オキサスルフラニル(oxasulfuranyl)、ジスルフラニル(disulfuranyl)、オキサゾリジン-2-オンが挙げられるが、これらには限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基の例として、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニル(thianyl)が挙げられるが、それらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるが、それらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリルの例として、トリアジナニル(triazinanyl)が挙げられるが、それに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基の例として、アゼパニル、オキセパニル、チエパニルが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書では、5,6-二環式ヘテロシクリルとも称される)として、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。C6アリール環に縮合された例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書では、6,6-二環式ヘテロシクリル基とも称される)として、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0033】
さらに、3~11員のヘテロシクリル基には、スピロヘテロシクリル基、即ち、2つの環(例えば、ヘテロシクリルおよびカルボシクリル)が1つの炭素原子を共有する基を含み、ここで、少なくとも1つの環は上記で定義したヘテロシクリル基である。より具体的には、前記スピロヘテロシクリル基は、2つの4員環、2つの5員環、2つの6員環、1つの4員環と1つの5員環、1つの4員環と1つの6員環、または1つの5員環と1つの6員環によって形成されたスピロ環であり、ここで、少なくとも1つの環が上記で定義した4~6員ヘテロシクリル基、1個、2個または3個のヘテロ原子O、N又はSを含む4~6員ヘテロシクリル基が好ましく、1個のヘテロ原子Nを含む4~6員ヘテロシクリル基がより好ましい。具体的に、スピロヘテロシクリル基として、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【化3】
【0034】
「C6-10アリール基」は、6~10個の環炭素原子および0個のヘテロ原子を有する単環式または多環式(例えば、二環式)の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有する6または10個のπ電子を有する)の基を指す。一部の実施形態において、アリール基は、6個の環炭素原子を有する(「C6アリール」;例えば、フェニル基)。一部の実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、1-ナフチル、2-ナフチルなどのナフチル)。アリール基は、更に前記アリール環が1個以上のシクロアルキル基或いはヘテロシクリル基と縮合した環系を含み、且つ、連結部位は前記アリール環に位置し、この場合、炭素原子数は依然として前記アリール環系内の炭素原子数を示す。
【0035】
「5~10員ヘテロアリール基」は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列で共有された6または10個のπ電子を有する)を有する基であり、ここで、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素および硫黄から選択される。1個以上の窒素原子を含むヘテロアリール基において、結合価が許容される限り、連結点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は、一方または両方の環に1個以上のヘテロ原子を含み得る。ヘテロアリール基は、さらに前記ヘテロアリール環が一つ或いは複数のシクロアルキル基或いはヘテロシクリル基と縮合した環システムを含み、且つ連結部位は前記ヘテロアリール環に位置し、その場合、炭素原子数は依然として前記ヘテロアリール環系中の炭素原子数を示す。一部の実施形態において、環炭素原子と1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員単環式或いは双環の4n+2芳香環系である5~6員ヘテロアリール基は特に好ましい。1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、ピロリル、フラニル、およびチオフェニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。3個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、トリアゾリル、オキサジアゾリル(例えば、1,2,4-オキサジアゾリル)、およびチアジアゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。4個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基として、テトラゾリルが挙げられるが、これに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基として、それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるが、これらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基として、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基として、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテロアリール基として、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
「カルボニル」は、単独で使用される場合にも、または他の用語と組み合わせて使用される(例えば、アミノカルボニル)場合にも、-C(O)-で表される。
【0037】
「オキソ」は=Oを表す。
【0038】
「チオキソ」は=Sを表す。
【0039】
本明細書で定義されるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、カルボシクリル基、ヘテロシクリル基、アリール基、およびヘテロアリール基などは、置換されていてもよいものである。一般的に、「置換」という用語は、「されていてもよい」という用語が付くかどうかにかかわらず、基(例えば、炭素または窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容される置換基(例えば、置換すると安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応によって自発的に変換する化合物)を生成する置換基)で置換されることを意味する。特に明記しない限り、「置換された」基は、基の1つまたは複数の置換可能な位置に置換基を有し、且つ任意の所定の構造中の1つ以上の位置が置換された場合、各位置における置換基は、同じでも異なっていてもよい。「置換」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基(安定な化合物の形成につながる本明細書に記載のいずれかの置換基)による置換を含む。なお、本発明において、例えば、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たし且つ安定な部分の形成につながる本明細書に記載の任意の適切な置換基を有してもよい。
【0040】
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORaa、-ON(Rbb)2、-N(Rbb)2、-N(Rbb)3
+X-、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(=O)Raa、-CO2H、-CHO、-C(ORcc)2、-CO2Raa、-OC(=O)Raa、-OCO2Raa、-C(=O)N(Rbb)2、-OC(=O)N(Rbb)2、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCO2Raa、-NRbbC(=O)N(Rbb)2、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb)2、-OC(=NRbb)N(Rbb)2、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb)2、-C(=O)NRbbSO2Raa、-NRbbSO2Raa、-SO2N(Rbb)2、-SO2Raa、-SO2ORaa、-OSO2Raa、-S(=O)Raa、-OS(=O)Raa、-Si(Raa)3、-OSi(Raa)3、-C(=S)N(Rbb)2、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-SC(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O)Raa、-P(=O)2Raa、-OP(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-OP(=O)(Raa)2、-OP(=O)(ORcc)2、-P(=O)2N(Rbb)2、-OP(=O)2N(Rbb)2、-P(=O)(NRbb)2、-OP(=O)(NRbb)2、-NRbbP(=O)(ORcc)2、-NRbbP(=O)(NRbb)2、-P(Rcc)2、-P(Rcc)3、-OP(Rcc)2、-OP(Rcc)3、-B(Raa)2、-B(ORcc)2、-BRaa(ORcc)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されるか;
または、炭素原子上の2つのジェミナル水素は、=O、=S、=NN(Rbb)2、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)2Raa、=NRbbもしくは=NORcc基で置換され;
各Raaは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRaa基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
各Rbbは、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
各Rccは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRcc基が連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され;
各Rddは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-ORee、-ON(Rff)2、-N(Rff)2、-N(Rff)3
+X-、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)Ree、-CO2H、-CO2Ree、-OC(=O)Ree、-OCO2Ree、-C(=O)N(Rff)2、-OC(=O)N(Rff)2、-NRffC(=O)Ree、-NRffCO2Ree、-NRffC(=O)N(Rff)2、-C(=NRff)ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NRff)N(Rff)2、-OC(=NRff)N(Rff)2、-NRffC(=NRff)N(Rff)2、-NRffSO2Ree、-SO2N(Rff)2、-SO2Ree、-SO2ORee、-OSO2Ree、-S(=O)Ree、-Si(Ree)3、-OSi(Ree)3、-C(=S)N(Rff)2、-C(=O)SRee、-C(=S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)2Ree、-P(=O)(Ree)2、-OP(=O)(Ree)2、-OP(=O)(ORee)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換されるか、または2つのジェミナルRdd置換基が連結して=Oもしくは=Sを形成し得;
各Reeは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、アリール、複素環基、およびヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換され;
各Rffは、独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールから選択されるか、または2つのRff基が連結して、複素環基またはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRgg基で置換され;
各Rggは、独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-N3、-SO2H、-SO3H、-OH、-OC1-6アルキル基、-ON(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)2、-N(C1-6アルキル基)3
+X-、-NH(C1-6アルキル基)2
+X-、-NH2(C1-6アルキル基)+X-、-NH3
+X-、-N(OC1-6アルキル基)(C1-6アルキル基)、-N(OH)(C1-6アルキル基)、-NH(OH)、-SH、-SC1-6アルキル基、-SS(C1-6アルキル基)、-C(=O)(C1-6アルキル基)、-CO2H、-CO2(C1-6アルキル基)、-OC(=O)(C1-6アルキル基)、-OCO2(C1-6アルキル基)、-C(=O)NH2、-C(=O)N(C1-6アルキル基)2、-OC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)(C1-6アルキル基)、-N(C1-6アルキル基)C(=O)(C1-6アルキル基)、-NHCO2(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=O)NH(C1-6アルキル基)、-NHC(=O)NH2、-C(=NH)O(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)(C1-6アルキル基)、-OC(=NH)OC1-6アルキル基、-C(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-C(=NH)NH(C1-6アルキル基)、-C(=NH)NH2、-OC(=NH)N(C1-6アルキル基)2、-OC(NH)NH(C1-6アルキル基)、-OC(NH)NH2、-NHC(NH)N(C1-6アルキル基)2、-NHC(=NH)NH2、-NHSO2(C1-6アルキル基)、-SO2N(C1-6アルキル基)2、-SO2NH(C1-6アルキル基)、-SO2NH2、-SO2C1-6アルキル基、-SO2OC1-6アルキル基、-OSO2C1-6アルキル基、-SOC1-6アルキル基、-Si(C1-6アルキル基)3、-OSi(C1-6アルキル基)3、-C(=S)N(C1-6アルキル基)2、C(=S)NH(C1-6アルキル基)、C(=S)NH2、-C(=O)S(C1-6アルキル基)、-C(=S)SC1-6アルキル基、-SC(=S)SC1-6アルキル基、-P(=O)2(C1-6アルキル基)、-P(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(C1-6アルキル基)2、-OP(=O)(OC1-6アルキル基)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロアルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C3-C7炭素環基、C6-C10アリール基、C3-C7複素環基、C5-C10ヘテロアリール基であるか;または2つのジェミナルRgg置換基が連結して=Oもしくは=Sを形成してもよく;ここで、X-は、対イオンである。
【0041】
例示的な窒素原子上の置換基としては、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc)2、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc)2、-CO2Raa、-SO2Raa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc)2、-SO2N(Rcc)2、-SO2Rcc、-SO2ORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc)2、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)2Raa、-P(=O)(Raa)2、-P(=O)2N(Rcc)2、-P(=O)(NRcc)2、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つのRcc基は、連結して、複素環基もしくはヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、炭素環基、複素環基、アリール、およびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換され、ここで、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上記の通りである。
【0042】
他の定義
本明細書で使用される「癌」とは、不適切に高レベルの細胞分裂、不適切に低レベルのアポトーシス、またはその両方によって引き起こされるか、またはそれらに起因する任意の疾患を指す。癌の例としては、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病)、真性多血症、リンパ腫(ホジキン病、非ホジキン病)、ウォルデンストロムのマクログロブリン血症、重鎖疾患、および固形腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される「治療」という用語は、この用語が適用される障害または病状、或いはこのような障害または病状の1つ以上の症状の進行または予防の逆転、緩和、抑制に関する。本明細書で使用される名詞「治療」は、動詞である治療の行為に関連し、後者は前記定義の通りである。
【0044】
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、係る物質は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずに、患者の組織と接触して使用することに適し、合理的な利益/リスク比に見合って、それらの所望の応用に有効であり、可能であれば、本発明の化合物の双性イオン型を含む。
【0045】
「塩」という用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製段階にin situで調製されるか、或いは、遊離塩基形態の精製化合物を適切な有機または無機酸と別々に反応させて生成される塩を単離することにより調製される。
【0046】
薬学的に許容される塩基付加塩は、例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物または有機アミンなどの金属またはアミンで形成される。カチオンとして使用される金属の例として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどが挙げられる。好ましいアミンの例として、N、N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミンおよびプロカインが挙げられる。
【0047】
塩は、無機酸から調製される、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物およびヨウ化物であっても良い。酸の例として、塩酸、硝酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸などが挙げられる。代表的な塩として、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシレート、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフタレート、メタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリルスルホン酸塩、およびイセチオン酸塩などが挙げられる。塩は、有機酸から調製される、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などであっても良い。代表的な塩として、酢酸塩、プロピオン酸塩、オクタン酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ナフトエート、ベシル酸塩、トシレート、フェニル酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩などが挙げられる。薬学的に許容される塩として、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類金属によるカチオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含むがこれらに限定されない無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミンカチオンが挙げられる。さらに、例えば、アルギニン塩、グルコン酸塩、ガラクツロン酸塩などのアミノ酸の塩もが挙げられる(例えは、Berge S.M.et al.,“Pharmaceutical Salts.”J.Pharm.Sci.,1977;66:1-19を参照)。
【0048】
投与される「被験者」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児被験者(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験者(例えば、若年成人、中年成人または高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態において、被験者は、ヒトである。一部の実施形態において、被験者は、非ヒト動物である。用語「ヒト」、「患者」および「被験者」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0049】
「疾患」、「障害」および「病状」は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0050】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される用語「治療」は、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患している間に行われ、その疾患、障害または病状の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または病状の進行を遅延させるかまたは遅くする行為(「治療性治療」)を想定し、そしてまた、被験者が特定の疾患、障害または病状を罹患し始める前に行われる行為(「予防性治療」)を想定する。
【0051】
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を引き起こすために充分な量のことを指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学的目標、化合物の薬物動態学、治療される疾患、投与様式、ならびに被験者の年齢、健康状態、および病状などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療有効量および予防有効量を含む。
【0052】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される化合物の「治療有効量」とは、疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障害または病状に関連する1つまたは1つより多くの症状を遅延させるかまたは最小にするために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または病状の治療において治療上の利点を提供する、単独でまたは他の治療法と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または病状の症状または原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効果を増強する量を含む。
【0053】
他に規定がない限り、本明細書中で使用される化合物の「予防有効量」とは、疾患、障害もしくは病状、またはその疾患、障害もしくは病状に関連する1つもしくは1つより多くの症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または病状の予防において予防上の利点を提供する、単独でまたは他の薬剤と組み合わせる時の治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効果を増強する量を含む。
【0054】
「組み合わせ」及び関連用語は、本発明の化合物と他の治療剤とを同時に又は順次投与することを意味する。例えば、本発明の化合物は、別々の単位製剤で他の治療剤と同時に又は順次に投与したり、単一の単位製剤で他の治療剤と同時に投与したりすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0055】
本明細書で使用される「本発明の化合物」という用語は、以下の式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、及びそれらの混合物を指す。
【0056】
本明細書では、化合物は、一般に標準的な命名法で記載される。不斉中心を有する化合物については、特に明記しない限り、すべての光学異性体およびその混合物を含むことが理解されるべきである。さらに、本発明に含まれるすべての異性体化合物および炭素-炭素二重結合は、特に明記しない限り、ZおよびEの形で現れる可能性がある。異なる互変異性型で存在する化合物について、前記化合物は、特定の互変異性体に限定されず、すべての互変異性型を含むことを意図する。
【0057】
一実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物に関する。
【化4】
但し、
A
1はCR
5またはNから選択され;
A
2はCR
6またはNから選択され;
A
3はCR
7またはNから選択され;
R
1は、R
1は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R
5は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-SR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-C(O)R’、-C
0-6アルキレン-C(O)OR’、-C
0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-SR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-C(O)R’、-C
0-6アルキレン-C(O)OR’、-C
0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8は、それぞれ1、2または3個のR基で置換されていてもよく、ここで、Rは、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールは、-CN、-NO
2、カルボニル、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
cまたは-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく:
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0058】
他の実施形態において、本発明は、一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物に関する。
【化5】
但し、
A
1はCR
5またはNから選択され;
A
2はCR
6またはNから選択され;
A
3はCR
7またはNから選択され;
R
1は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
2は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
3は、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R
5は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R
1-R
2およびR
4-R
8は、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO
2、カルボニル、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
c、-O-C(S)-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールは、-CN、-NO
2、カルボニル、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(S)R
a、-C(O)OR
a、-C(S)OR
a、-C(O)-NR
bR
c、-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)R
a、-O-C(S)R
a、-N(R
b)-C(O)-R
a、-N(R
b)-C(S)-R
a、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-N(R
b)-S(O)
m-R
a、-N(R
b)-S(O)
m-R
bR
c、-N(R
b)-C(O)OR
a、-N(R
b)-C(S)OR
a、-O-C
1-6アルキレン-OR
a、-C(O)-C
1-6アルキレン-NR
bR
c、-N(R
b)-C(O)-NR
bR
c、-N(R
b)-C(S)-NR
bR
c、-O-C(O)-NR
bR
cまたは-O-C(S)-NR
bR
cからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよく:
R
a、R
bおよびR
cはそれぞれ、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0059】
A1、A2およびA3
一実施形態において、A1はCR5であり;別の実施形態において、A1はCHであり;別の実施形態において、A1はC(OMe)であり;別の実施形態において、A1はCFであり;別の実施形態において、A1はNである。
【0060】
一実施形態において、A2はCR6であり;別の実施形態において、A2はCHであり;別の実施形態において、A2はCFであり;別の実施形態において、A2はCMeであり;別の実施形態において、A2はNである。
【0061】
一実施形態において、A3はCR7であり;別の実施形態において、A3はCHであり;別の実施形態において、A3はCMeであり;別の実施形態において、A3はCFであり;別の実施形態において、A3はNである。
【0062】
R1
一実施形態において、R1はHであり;別の実施形態において、R1はDであり;別の実施形態において、R1はハロゲンであり;別の実施形態において、R1は-CNであり;別の実施形態において、R1は-ORaであり;別の実施形態において、R1は-SRaであり;別の実施形態において、R1は-NRbRcであり;別の実施形態において、R1は-C(O)Raであり;別の実施形態において、R1は-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R1は-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R1はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R1はMeであり;別の実施形態において、R1はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R1はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R1は3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R1はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R1は5~10員ヘテロアリール基である。
【0063】
R1の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基で置換されていてもよい。R1の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、チオキソ基で置換されていてもよい。
【0064】
R2
一実施形態において、R2はHであり;別の実施形態において、R2はDであり;別の実施形態において、R2はハロゲンであり;別の実施形態において、R2は-CNであり;別の実施形態において、R2はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R2はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R2はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R2は3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R2はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R2は5~10員ヘテロアリール基である。
【0065】
R2の上記の実施形態では、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、オキソ基で置換されていてもよい。R2の上記の実施形態において、前記C3-7シクロアルキル基または3~7員ヘテロシクリル基は、チオキソ基で置換されていてもよい。
【0066】
R3
一実施形態において、R3はHであり;別の実施形態において、R3はDであり;別の実施形態において、R3はハロゲンであり;別の実施形態において、R3は-CNであり;別の実施形態において、R3は-NO2であり;別の実施形態において、R3は-ORaであり;別の実施形態において、R3は-SRaであり;別の実施形態において、R3は-NRbRcであり;別の実施形態において、R3は-C(O)Raであり;別の実施形態において、R3は-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R3は-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R3は-S(O)mRaであり;別の実施形態において、R3は-S(O)mORaであり;別の実施形態において、R3は-S(O)mNRbRcであり;別の実施形態において、R3は-O-C1-6アルキレン-R8であり;別の実施形態において、R3はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R3はC1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R3はC3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R3は3~11員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3は4~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3は5~6員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3はピペラジニル基であり;別の実施形態において、R3は3~9員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R3はC6-10アリール基であり;別の実施形態において、R3は5~10員ヘテロアリール基である。
【0067】
R3の上記の実施形態において、前記の基は、1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよい。一実施形態において、前記の基は1個のR8基で置換された。別の実施形態において、前記の基は2つのR8基で置換された。別の実施形態において、前記の基は3つのR8基で置換された。別の実施形態において、前記の基は4つのR8基で置換されている。別の実施形態において、前記の基は5個のR8基で置換された。
【0068】
より具体的な実施形態において、R
3は、1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよい以下の基からなる群から選択される。
【化6】
【0069】
より具体的な実施形態において、R
3は以下の基からなる群から選択される。
【化7】
【化8】
【0070】
より具体的な実施形態において、R
3は以下の基からなる群から選択される。
【化9】
【0071】
R4
一実施形態において、R4は、Hであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)Raであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)ORaであり;別の実施形態において、R4は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R4は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R4は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R4は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R4は、3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R4は、C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R4は、5~10員ヘテロアリール基であり;別の実施形態において、R4は、イソプロピル、イソブチルまたはシクロペンチルである。
【0072】
L
一実施形態において、Lは化学結合であり;別の実施形態において、Lは-O-であり;別の実施形態において、Lは-NH-であり;別の実施形態において、Lは-C(O)-であり;別の実施形態において、Lは-C(O)NH-であり;別の実施形態において、Lは-NHC(O)-であり;別の実施形態において、Lは-C1-6アルキレン-であり;別の実施形態において、Lは-C2-6アルケニレン-であり;別の実施形態において、Lは-C2-6アルキニレン-である。
【0073】
R5
一実施形態において、R5は、Hであり;一実施形態において、R5は、Dであり;一実施形態において、R5は、ハロゲンであり;一実施形態において、R5は、-CNであり;一実施形態において、R5は、-ORaであり;一実施形態において、R5は、-SRaであり;一実施形態において、R5は、-NRbRcであり;一実施形態において、R5は、-C(O)Raであり;一実施形態において、R5は、-C(O)ORaであり;一実施形態において、R5は、-C(O)NRbRcであり;一実施形態において、R5は、-C(O)Raであり;一実施形態において、R5は、-C(O)ORaであり;一実施形態において、R5は、-C(O)NRbRcであり;別の実施形態において、R5は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R5は、C1-6ハロゲン化アルキル基である。
【0074】
R6
一実施形態において、R6はHであり;一実施形態において、R6はDであり;一実施形態において、R6はハロゲンであり;一実施形態において、R6は-CNであり;一実施形態において、R6は-ORaであり;一実施形態において、R6は-SRaであり;一実施形態において、R6は-NRbRcであり;一実施形態において、R6は-C(O)Raであり;一実施形態において、R6は-C(O)ORaであり;一実施形態において、R6は-C(O)NRbRcであり;一実施形態において、R6は-S(O)mRaであり;一実施形態において、R6は-S(O)mORaであり;一実施形態において、R6は-S(O)mNRbRcであり;別の実施形態において、R6はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R6はC1-6ハロゲン化アルキル基である。
【0075】
R7
一実施形態において、R7はHであり;一実施形態において、R7はDであり;一実施形態において、R7はハロゲンであり;一実施形態において、R7はFであり;一実施形態において、R7は-CNであり;一実施形態において、R7は-ORaであり;一実施形態において、R7は-SRaであり;一実施形態において、R7は-NRbRcであり;一実施形態において、R7は-C(O)Raであり;一実施形態において、R7は-C(O)ORaであり;一実施形態において、R7は-C(O)NRbRcであり;一実施形態において、R7は-S(O)mRaであり;一実施形態において、R7は-S(O)mORaであり;一実施形態において、R7は-S(O)mNRbRcであり;別の実施形態において、R7はC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R7はC1-6ハロゲン化アルキル基である。
【0076】
R8
一実施形態において、R8は、Hであり;一実施形態において、R8は、Dであり;別の実施形態において、R8は、-NH2であり;別の実施形態において、R8は、-NHC1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R8は、-N(C1-6アルキル基)2であり;別の実施形態において、R8は、C1-6アルキル基であり;別の実施形態において、R8は、C1-6ハロゲン化アルキル基であり;別の実施形態において、R8は、-C0-6アルキレン-ORaであり;別の実施形態において、R8は、C3-7シクロアルキル基であり;別の実施形態において、R8は、3~7員ヘテロシクリル基であり;別の実施形態において、R8は、C6-10アリール基であり;別の実施形態において、R8は、5~10員ヘテロアリール基であり;別の実施形態において、同一の炭素原子上の2個のR8は一緒にオキソを形成する。別の実施形態において、同一の炭素原子上の2個のR8は一緒にチオキソを形成する。
【0077】
m
一実施形態において、mは0であり;別の実施形態において、mは1であり;別の実施形態において、mは2である。
【0078】
上記のいずれの実施形態におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせは、他の実施形態におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせることができる。たとえば、A1におけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせは、A2、A3、R1~R8、R’、Ra、Rb、Rc、Lおよびmにおけるいずれかの技術構成またはそれらの任意の組み合わせと組み合わせることができる。本発明は、これらの技術構成のすべての組み合わせを含むが、その詳細は一つ一つ列挙しない。
【0079】
特定の実施形態において、本発明は、以下の一般式で表される化合物を提供する。
【化10】
【0080】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、A1はNである。
【0081】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、A1はCR5である。
【0082】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、A2はCR6である。
【0083】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、A3はCR7である。
【0084】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここでR1は、H、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R1はHまたはDである。
【0085】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、R2は、H、D、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、R2はHまたはDである。
【0086】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
好ましくは、R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよく;
好ましくは、R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
3-7シクロアルキル基、または4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1または2個のR
8基で置換されていてもよく;
好ましくは、R
3は、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
4-6シクロアルキル基、または5~6員ヘテロシクリル(例えばピペラジニル)から選択され、前記の基は、1個のR
8基で置換されていてもよく;
好ましくは、R
3は、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
aまたは-S(O)
mNR
bR
cから選択されるか、或いは、1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよい以下の基から選択され、
【化11】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択され、
【化12】
【化13】
好ましくは、R
3は、以下の基から選択される。
【化14】
【0087】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R4は、H、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
好ましくは、R4は、H、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
好ましくは、R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
好ましくは、R4は、イソプロピル、イソブチル、またはシクロペンチルから選択される。
【0088】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、Lは化学結合である。
【0089】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R5、R6およびR7は、独立して、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;好ましくは、ここで、R5は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R5、R6およびR7は、独立して、H、D、ハロゲン、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORaまたは-S(O)mNRbRcから選択され;好ましくは、ここで、R5は、H、D、ハロゲン、-ORa、-SRaまたは-NRbRcから選択され;
好ましくは、R5、R6およびR7は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R5、R6およびR7は、独立して、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
好ましくは、R7はHまたはハロゲンであり;好ましくは、R7はFである。
【0090】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
好ましくは、R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
好ましくは、R8は、H、D、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0091】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
A1はCR5またはNから選択され;
A2はCR6またはNから選択され;
A3はCR7またはNから選択され;
R1は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R3は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、-O-C1-6アルキレン-R8、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R8は、H、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表し;
且つ、
R1-R2およびR4-R8は、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO2、カルボニル、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(S)Ra、-C(O)ORa、-C(S)ORa、-C(O)-NRbRc、-C(S)-NRbRc、-O-C(O)Ra、-O-C(S)Ra、-N(Rb)-C(O)-Ra、-N(Rb)-C(S)-Ra、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、-N(Rb)-S(O)m-Ra、-N(Rb)-S(O)m-NRbRc、-N(Rb)-C(O)ORa、-N(Rb)-C(S)ORa、-O-C1-6アルキレン-ORa、-C(O)-C1-6アルキレン-NRbRc、-N(Rb)-C(O)-NRbRc、-N(Rb)-C(S)-NRbRc、-O-C(O)-NRbRc、-O-C(S)-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Ra、RbおよびRcはそれぞれ、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0092】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
A1はCR5またはNから選択され;
A2はCR6またはNから選択され;
A3はCR7またはNから選択され;
R1は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R3は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-O-C1-6アルキレン-R8、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R8は、H、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R1-R2およびR4-R8は、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO2、カルボニル、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(S)Ra、-C(O)ORa、-C(S)ORa、-C(O)-NRbRc、-C(S)-NRbRc、-O-C(O)Ra、-O-C(S)Ra、-N(Rb)-C(O)-Ra、-N(Rb)-C(S)-Ra、-N(Rb)-C(O)ORa、-N(Rb)-C(S)ORa、-O-C1-6アルキレン-ORa、-C(O)-C1-6アルキレン-NRbRc、-N(Rb)-C(O)-NRbRc、-N(Rb)-C(S)-NRbRc、-O-C(O)-NRbRc、-O-C(S)-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Ra、RbおよびRcはそれぞれ、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールからなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0093】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
A1はCR5またはNから選択され;
A2はCR6またはNから選択され;
A3はCR7またはNから選択され;
R1は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R3は、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-ORa、-SRa、-NRbRc、-O-C1-6アルキレン-R8、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R8は、H、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R1-R2およびR4-R8は、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO2、カルボニル、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)-NRbRc、-O-C(O)Ra、-N(Rb)-C(O)-Ra、-N(Rb)-C(O)ORa、-O-C1-6アルキレン-ORa、-C(O)-C1-6アルキレン-NRbRc、-N(Rb)-C(O)-NRbRc、-O-C(O)-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Ra、RbおよびRcはそれぞれ、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される1つ以上の基でさらに置換されていてもよい。
【0094】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
A1はCR5またはNから選択され;
A2はCR6またはNから選択され;
A3はCR7またはNから選択され;
R1は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R3は、H、ハロゲン、-CN、-O-C1-6アルキレン-R8、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリルから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C1-6アルキレン-、-C2-6アルケニレン-、または-C2-6アルキニレン-から選択され;
且つ、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R8は、H、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R1-R2およびR4-R8は、それぞれ1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO2、カルボニル、-CN、-ORa、-NRbRc、-O-C1-6アルキレン-ORa、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択される。
【0095】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
A1はCR5またはNから選択され;
A2はCR6またはNから選択され;
A3はCR7またはNから選択され;
R1は、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R2は、H、ハロゲン、-CN、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R3は、H、-O-C1-6アルキレン-R8、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリルから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-または-C1-6アルキレン-から選択され;
且つ、
R5は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R8は、H、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
且つ、
R8は、1、2または3個のR’基で置換されていてもよく、ここで、R’は、独立して、H、-OH、ハロゲン、-NO2、カルボニル、-CN、-ORa、-NRbRc、-O-C1-6アルキレン-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0096】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
A1はCR5またはNから選択され;
A2はCR6またはNから選択され;
A3はCR7から選択され;
R1は、HまたはC1-6アルキル基から選択され;
R2は、Hまたは-CNから選択され;
R3は、H、-O-C1-6アルキレン-R8、C3-7シクロアルキル基、または3~11員ヘテロシクリルから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、C1-6アルキル基、またはC3-7シクロアルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-O-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-または-C1-6アルキレン-から選択され;
且つ、
R5は、H、ハロゲンまたは-ORaから選択され;
R6は、HまたはC1-6アルキル基から選択され;
R7は、H、ハロゲンまたはC1-6アルキル基から選択され;
R8は、H、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-ORa、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成する。
【0097】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化15】
但し、
A
2はCR
6またはNから選択され;
R
3は、1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよい以下の基からなる群から選択され、
【化16】
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-、-NHC(O)-、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
R
6は、H、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成する。
【0098】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化17】
但し、
A
2はCR
6またはNから選択され;
R
3は、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよい以下の基からなる群から選択され、
【化18】
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-C
1-6アルキレン-、-C
2-6アルケニレン-、または-C
2-6アルキニレン-から選択され;
R
6は、H、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成する。
【0099】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(II)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化19】
但し、
A
2はCR
6またはNから選択され;
R
3は、以下の基から選択され、
【化20】
【化21】
R
4は、C
1-6アルキル基、またはC
3-7シクロアルキル基から選択され;
Lは、化学結合または-C
1-6アルキレン-から選択され;
R
6は、HまたはC
1-6アルキル基から選択される。
【0100】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(III)または(III-1)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化22】
但し、
R
1は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;ここで、前記C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルは、オキソまたはチオキソで置換されていてもよく;
R
3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、-O-C
1-6アルキレン-R
8、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~11員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され、これらの基は、それぞれ1、2、3、4または5個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、H、D、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
5は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、-C(O)R
a、-C(O)OR
a、-C(O)NR
bR
c、-S(O)
mR
a、-S(O)
mOR
a、-S(O)
mNR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8は、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-OR
a、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR
8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
R
aは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-SR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-C(O)R’、-C
0-6アルキレン-C(O)OR’、-C
0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、-C
0-6アルキレン-CN、-C
0-6アルキレン-NO
2、-C
0-6アルキレン-OR’、-C
0-6アルキレン-SR’、-C
0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-C(O)R’、-C
0-6アルキレン-C(O)OR’、-C
0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mOR’、-C
0-6アルキレン-S(O)
mNR’’R’’’、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、-C
0-6アルキレン-C
3-7シクロアルキル基、-C
0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリル、-C
0-6アルキレン-C
6-10アリール、または-C
0-6アルキレン-5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C
1-6アルキル基、C
2-6アルケニル基、C
2-6アルキニル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C
6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表す。
【0101】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(III)または(III-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R2は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO2、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1、2または3個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、H、D、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R5は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、同じ原子上の2つのR8基がともにオキソまたはチオキソを形成し;
Raは、独立して、H、-C0-6アルキレン-OR’、-C0-6アルキレン-SR’、-C0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-C(O)R’、-C0-6アルキレン-C(O)OR’、-C0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-S(O)mR’、-C0-6アルキレン-S(O)mOR’、-C0-6アルキレン-S(O)mNR’’R’’’、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-C3-7シクロアルキル基、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択され;
RbとRcは、独立して、H、-C0-6アルキレン-OR’、-C0-6アルキレン-SR’、-C0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-C(O)R’、-C0-6アルキレン-C(O)OR’、-C0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-S(O)mR’、-C0-6アルキレン-S(O)mOR’、-C0-6アルキレン-S(O)mNR’’R’’’、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-C3-7シクロアルキル基、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表す。
【0102】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(III)または(III-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R2は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R3は、H、D、ハロゲン、-CN、-NO2、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C3-7シクロアルキル基、または4~7員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1または2個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R5は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R6は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R7は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、-C0-6アルキレン-OR’、-C0-6アルキレン-SR’、-C0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-C(O)R’、-C0-6アルキレン-C(O)OR’、-C0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-S(O)mR’、-C0-6アルキレン-S(O)mOR’、-C0-6アルキレン-S(O)mNR’’R’’’、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-C3-7シクロアルキル基、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択され;
RbとRcは、独立して、H、-C0-6アルキレン-OR’、-C0-6アルキレン-SR’、-C0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-C(O)R’、-C0-6アルキレン-C(O)OR’、-C0-6アルキレン-C(O)NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-S(O)mR’、-C0-6アルキレン-S(O)mOR’、-C0-6アルキレン-S(O)mNR’’R’’’、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-C3-7シクロアルキル基、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C2-6アルキニル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、3~7員ヘテロシクリル、C6-10アリール、または5~10員ヘテロアリールから選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに3~7員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表す。
【0103】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(III)または(III-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、HまたはDから選択され;
R2は、HまたはDから選択され;
R3は、H、D、-ORa、-NRbRc、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORa、-S(O)mNRbRc、C4-6シクロアルキル基、または5~6員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R5は、H、D、ハロゲン、-ORa、-SRaまたは-NRbRcから選択され;
R6は、H、D、ハロゲン、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORaまたは-S(O)mNRbRcから選択され;
R7は、H、D、ハロゲン、-C(O)Ra、-C(O)ORa、-C(O)NRbRc、-S(O)mRa、-S(O)mORaまたは-S(O)mNRbRcから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、-C0-6アルキレン-OR’、-C0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-C(O)R’、-C0-6アルキレン-S(O)mR’、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-C3-7シクロアルキル基、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択され;
RbとRcは、独立して、H、-C0-6アルキレン-OR’、-C0-6アルキレン-NR’’R’’’、-C0-6アルキレン-C(O)R’、-C0-6アルキレン-S(O)mR’、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、-C0-6アルキレン-C3-7シクロアルキル基、または-C0-6アルキレン-3~7員ヘテロシクリルから選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
R’は、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R’’とR’’’は、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R’’、R’’’は、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成し;
mは、0、1または2を表す。
【0104】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(III)、(III-1)または(III-2)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化23】
但し、
R
1は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または5~6員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
5は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
6は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
7は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、-SR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
8は、H、D、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する。
【0105】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(III)、(III-1)または(III-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、H、D、ハロゲン、-CNまたは-ORaから選択され;
R2は、H、D、ハロゲン、-CNまたは-ORaから選択され;
R3は、H、D、-ORa、-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基は、1または2個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R5は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRaまたは-NRbRcから選択され;
R6は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRaまたは-NRbRcから選択され;
R7は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRaまたは-NRbRcから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する。
【0106】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(III)、(III-1)または(III-2)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、HまたはDから選択され;
R2は、HまたはDから選択され;
R3は、H、D、-ORa、-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基は、1個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R5は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、-SRaまたは-NRbRcから選択され;
R6は、H、Dまたはハロゲンから選択され;
R7は、H、Dまたはハロゲンから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-または-C(O)-から選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する。
【0107】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(IV)または(IV-1)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化24】
但し、
R
1は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、H、D、-OR
a、-NR
bR
c、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または5~6員ヘテロシクリルから選択され、前記の基は、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよく;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R
7は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、または-C
0-6アルキレン-OR
aから選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
bとR
cは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、R
b、R
cは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する。
【0108】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(IV)または(IV-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、H、D、ハロゲン、-CNまたは-ORaから選択され;
R2は、H、D、ハロゲン、-CNまたは-ORaから選択され;
R3は、H、D、-ORa、-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基は、1または2個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-、-C(O)-、-C(O)NH-または-NHC(O)-から選択され;
R7は、H、D、ハロゲン、-CN、-ORa、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する。
【0109】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(IV)または(IV-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、HまたはDから選択され;
R2は、HまたはDから選択され;
R3は、H、D、-ORa、-NRbRc、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、またはピペラジニルから選択され、前記の基は、1個のR8基で置換されていてもよく;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
Lは、化学結合、-O-、-NH-または-C(O)-から選択され;
R7は、H、Dまたはハロゲンから選択され;
R8は、H、D、-NH2、-NHC1-6アルキル基、-N(C1-6アルキル)2、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
RbとRcは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択されるか;或いは、Rb、Rcは、N原子とともに5~6員ヘテロシクリルを形成する。
【0110】
より具体的な実施形態において、本発明は、一般式(V)または(V-1)で表される化合物であって、上記の一般式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供する。
【化25】
但し、
R
1は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
2は、H、D、ハロゲン、-CN、-OR
a、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
3は、1、2または3個のR
8基で置換されていてもよい5~6員ヘテロシクリルであり;
R
4は、C
1-6アルキル基、C
1-6ハロゲン化アルキル基、C
3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R
8は、H、-NH
2、-NHC
1-6アルキル基、-N(C
1-6アルキル)
2、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
R
aは、独立して、H、C
1-6アルキル基、またはC
1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0111】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(V)または(V-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、H、D、ハロゲン、-CNまたは-ORaから選択され;
R2は、H、D、ハロゲン、-CNまたは-ORaから選択され;
R3は、1または2個のR8基で置換されていてもよいピペラジニルであり;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R8は、H、D、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択され;
Raは、独立して、H、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0112】
より具体的な実施形態において、本発明は、上記の一般式(V)または(V-1)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物を提供し、ここで、
R1は、HまたはDから選択され;
R2は、HまたはDから選択され;
R3は、1個のR8基で置換されていてもよいピペラジニルであり;
R4は、C1-6アルキル基、C1-6ハロゲン化アルキル基、C3-7シクロアルキル基、または3~7員ヘテロシクリルから選択され;
R8は、H、D、C1-6アルキル基、またはC1-6ハロゲン化アルキル基から選択される。
【0113】
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得るので、様々な異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し得る。例えば、本発明の化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマーもしくは幾何異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ体混合物、および1つ以上の立体異性体を多く含む混合物を含む)の形態であり得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得るか;または好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。
【0114】
当業者は、有機化合物が、溶媒中で反応するか、または溶媒から沈殿あるいは結晶化して、当該溶媒と複合体を形成し得ることを理解できる。これらの複合体は「溶媒和物」と呼ばれる。溶媒が水である場合、複合体は「水和物」と呼ばれる。本発明は、本発明の化合物のすべての溶媒和物を含む。
【0115】
「溶媒和物」という用語とは、一般的に、加溶媒分解反応により形成された、溶媒と組み合わせた化合物またはその塩の形態を指す。この物理的な会合は、水素結合が含まれる。通常の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテルなどが含まれる。本発明の化合物は、例えば結晶として調製され、且つ溶媒和されることができる。適切な溶媒和物は、薬学的に許容される溶媒和物が含まれ、さらに化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物が含まれる。特定の実施形態において、例えば、1つまたは複数の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれている場合、前記の溶媒和物が単離される。「溶媒和物」は、溶液状態の溶媒和物と分離可能な溶媒和物が含まれる。代表的な溶媒和物として、水和物、エタノレート、およびメタノレートが挙げられる。
【0116】
「水和物」という用語は、水と組み合わせた化合物を指す。通常、化合物の水和物に含まれる水分子数の、該水和物中の該化合物分子数に対する比率は、一定である。したがって、化合物の水和物は、たとえば、一般式RxH2Oで表される。ここで、Rは該化合物であり、xは0より大きい数である。所定の化合物は、複数のタイプの水和物を形成する可能性がある。例えば、一水和物(xは1)、低次水和物(xは0より大きく1より小さい数、例えば、半水和物(R0.5H2O))、および多水和物(xは1より大きい数、例えば、二水和物(R2H2O)および六水和物(R6H2O))が挙げられる。
【0117】
本発明の化合物は、非晶質または結晶質(結晶多形)の形態のいずれでもよい。また、本発明の化合物は、1種または複数の結晶として存在してもよい。したがって、本発明は、本発明の化合物のすべての非晶質または結晶形をその範囲に含む。「結晶多形」という用語とは、特定の結晶が堆積して並んだ化合物の結晶形(あるいはその塩、水和物または溶媒和物)を指す。すべての多形体は同じ元素組成を有する。異なる結晶形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光電特性、安定性、および溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化速度、貯蔵温度、および他の要因により、優勢な結晶形が生じる可能性がある。化合物の様々な多形体は、異なる条件下で結晶化することによって調製できる。
【0118】
また、本発明には、式(I)に記載されたものと同等の同位体標識化合物(同位体バリアント)を含むが、1つ以上の原子は、原子質量または質量数が天然に典型的に見られる原子質量または質量数と異なる原子によって置換された。本発明の化合物に導入できる同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、11C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Clが挙げる。上記同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物、そのプロドラッグ、および前記化合物または前記プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内に含まれる。放射性同位体(例えば3Hおよび14C)を導入したものなどの一部の同位体標識された本発明の化合物は、薬物および/または基質の組織分布に関する測定に用いられる。トリチウム(即ち、3H)と炭素-14(即ち、14C)の同位体は、その製造と検出が容易であるため特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2Hのようなより重い同位体での置換は、代謝安定性に優れているため、治療で利点がある。例えば、インビボでの半減期の延長や投与量の削減ができるので、状況に応じて優先に考えられることがある。通常、同位体標識された本発明の式(I)の化合物およびそのプロドラッグは、以下のスキームおよび/または実施例および調製例で開示されるプロセスが行われる場合、非同位体標識試薬の代わりに、容易に入手可能な同位体標識試薬を使用することにより調製することができる。
【0119】
さらに、プロドラッグも本発明の明細書に含まれる。本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、インビボで、例えば血液中での加水分解によって医学的な効果を有する活性形態に変換される化合物を指す。薬学的に許容されるプロドラッグは、T. HiguchiおよびV. Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium SeriesのVol.14,Edward B.Roche,ed.,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987、ならびにD.Fleisher、S.RamonおよびH.Barbra“Improved oral drug delivery:solubility limitations overcome by the use of prodrugs”,Advanced Drug Delivery Reviews(1996)19(2)115-130に記載されているが、それらはそれぞれ参照により本明細書に組み入れられる。
【0120】
本発明は、治療有効量の式(I)で表される化合物またはその治療上許容される塩、および薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬製剤も提供する。これらの形態はすべて本開示に含まれる。
【0121】
好ましい本発明の化合物として、以下に示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ体、溶媒和物、水和物、多形体、プロドラッグまたは同位体バリアント、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【化26】
【化27】
【化28】
【0122】
医薬組成物、キットおよび投与
他の様態では、本発明は、本発明の化合物(「活性成分」とも呼ばれる)および薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、有効量の本発明化合物を含む。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、治療有効量の本発明化合物を含む。一部の実施形態において、前記医薬組成物は、予防有効量の本発明化合物を含む。
【0123】
本発明の薬学的に許容される賦形剤とは、配合される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、アジュバントまたは媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、アジュバントまたは媒体には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
【0124】
本発明は、更に、キット(例えば、医薬パック)を含む。提供されるキットは、本発明の化合物、他の治療剤、ならびに本発明の化合物、他の治療剤を含有する第1および第2容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/または分散パッケージ、あるいは他の適切な容器)を含む。一部の実施形態において、提供されるキットは、また、本発明の化合物および/または他の治療薬を希釈または懸濁するための薬学的に許容される賦形剤を含む第3の容器も有しても良い。一部の実施形態において、第1容器および第2の容器内の本発明の化合物を他の治療薬と組み合わせて単位製剤を形成して提供する。
【0125】
本発明によって提供される医薬組成物は、経口投与、非経口投与、吸入投与、局所投与、直腸内投与、鼻腔投与、口腔投与、膣内投与、インプラントによる投与または他の投与方法などの様々な方式によって投与することができるが、これらに限定されない。例えば、本発明で用いた非経口投与には、皮下投与、皮内投与、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、動脈内投与、滑膜腔内投与、胸骨内投与、脳脊髄膜内投与、病巣内投与、頭蓋内の注射や輸液技術が含まれる。
【0126】
通常、有効量で本発明によって提供する化合物を投与する。治療される病状、選択される投与方式、実際に投与される化合物、患者の年齢、体重および反応、患者の症状の重篤度などを含む状況に応じて、実際に投与される化合物の量は医師によって決定される。
【0127】
実施例
以下の実施例は、本発明の範囲を限定することではなく、本発明を例示することを目的として本発明の請求項で保護される方法と化合物を実施、製造、評価する完全な開示および説明を当業者に提供するために、提供される。
【0128】
本発明の化合物の調製プロトコルは、スキーム1に示される。
反応式1
【化29】
【0129】
一般式Iで表される化合物は、上記の反応スキームに従って調製することができる。まず、1,2-シクロヘキサンジオン(1)を、p-トルエンスルホン酸の触媒で、トルエン/エタノールで還流させ、エノン中間体(2)を得た。次に、(2)をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させ、得られたエナミン中間体を、O-メチルイソ尿素硫酸塩とさらに反応させ、8-エトキシ-2-メトキシ-5,6-ジヒドロキナゾリン(3)を調製した。(3)を塩化水素と反応させ、2-メトキシ-6,7-ジヒドロキナゾリン-8(5H)-オン(4)を得た。(4)を1-アジド-4-ニトロベンゼンおよびアミン(5)と反応させ、1-置換8-メトキシ-4,5-ジヒドロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン(6)を得た。さらに、(6)を、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)存在下での酸化-芳香族化反応とそれに続くPOCl3存在下での塩素化反応を経て、塩素化物(8)を得た。化合物(8)をアミン(9)とカップリングさせて、式(Ia)で表される化合物を得た。ここで、R3’は、保護基(例えばBoc)で保護されたR3を表し、脱保護によって式(I)で表される化合物を与えるものであり;或いは、R3に保護基が必要ない場合、R3’はR3であり、式(Ia)で表される化合物は式(I)で表される化合物である。
【0130】
実施例I-1
1-イソプロピル-N-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-1)
【化30】
【0131】
1):2-エトキシシクロヘキサ-2-エン-1-オン(2a)
1,2-シクロヘキサンジオン1a(90g,803.2mmol)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(15.3g,80.3mmol)をトルエン/エタノール(2:1,1000mL)に懸濁し、加熱還流させ、さらに36時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で蒸留してほとんどの溶媒を除去した。その後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(500mL)で反応液を中和し、ジクロロメタン(200mL)で3回抽出した。有機層を合わせ、乾燥(無水硫酸ナトリウム)させ、吸引濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製し、淡黄色の油状物として表題化合物2a(91.1g,650.6mmol, 81%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 5.84(t,J=4.6Hz,1H),3.74(q,J=7.0Hz,2H),2.56-2.45(m,2H),2.41(q,J=5.5Hz,3H),1.95(p,J=6.2Hz,2H),1.36(t,J=7.0Hz,3H)。
【0132】
2):8-エトキシ-2-メトキシ-5,6-ジヒドロキナゾリン(3a)
2a(21g,150.0mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(99.3mL,750.0mol,5equiv.)のN,N-ジメチルホルムアミド(300mL)溶液を、120℃で13時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧下で濃縮し、褐色の油状物としてエナミン中間体を得た。この粗生成物は、さらに精製することなく、次の反応に直接用いられる。LC-MS (ESI),C13H20N3O [M+H]+: m/z=234.2。
上記工程で得られた粗生成物、O-メチルイソ尿素硫酸塩(73.9g,300.0mmol)および無水酢酸ナトリウム(49.2g,600.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(500mL)に懸濁した。80℃に昇温し、24時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、ジクロロメタン(500mL)で希釈し、吸引濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物3a(16.4g,79.5mmol,53%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 8.20(s,1H),5.46(t,J=4.7Hz,1H),3.99(s,3H),3.92(q,J=7.0Hz,2H),2.70(t,J=7.9Hz,2H),2.40(td,J=7.9,4.8Hz,2H),1.44(t,J=7.0Hz,3H)。
【0133】
3):2-メトキシ-6,7-ジヒドロキナゾリン-8(5H)-オン(4a)
氷水浴中で、塩化水素(37.5mL, 4M in dioxane,150mmol)を3a(15g,72.8mmol)のメタノール(200mL)溶液にゆっくりと加えた。室温に昇温し、一晩反応させた。氷水浴中で、PH≒8になるまで反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を滴下した。ジクロロメタン(200mL)で反応液を3回抽出し、有機層を合わせ、乾燥(無水硫酸ナトリウム)させ、吸引濾過し、濃縮した。淡黄色の固体として表題化合物4a(12.0g,67.4mmol,93%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 8.66(s,1H),4.05(s,3H),2.92(t,J=6.1Hz,2H),2.84-2.72(m,2H),2.18(ddd,J=12.7,7.2,5.7Hz,2H)。
【0134】
4):1-イソプロピル-8-メトキシ-4,5-ジヒドロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン(6a)
4a(11.5g,64.6mmol)をトルエンに溶解し、室温で、イソプロピルアミン5a(16.6mL,193.8mmol)、1-アジド-4-ニトロベンゼン(21.2g,129.2mmol)および氷酢酸(1.1mL,19.4mmol)を順次に加えた。反応を100℃に加熱し、撹拌しながら一晩反応させた。反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物6a(9.2g,37.5mmol,58%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 8.38(s,1H),5.73(p,J=6.7Hz,1H),4.03(s,3H),3.08(ddd,J=7.9, 6.6,1.8Hz,2H),3.05-2.92(m,2H),1.70(d,J=6.7Hz,6H)。
【0135】
5):1-イソプロピル-8-メトキシ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン(7a)
2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(23.6g,104.1mmol)を6a(8.5g,34.7mmol)のトルエン(200mL)溶液に加え、50℃に加熱し、24時間反応させた。減圧下で濃縮し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1~6:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物7a(6.4g,26.4mmol,76%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.32(s,1H),8.00(d,J=8.8Hz,1H),7.68(d,J=8.9Hz,1H),6.15(p,J=6.7Hz,1H),4.21(s,3H),1.87(d,J=6.8Hz,6H)。
【0136】
6):8-クロロ-1-イソプロピル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン(8a)
氷水浴中で、7a(5.8g,23.9mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)溶液に、塩化ホスホリル(22.3mL,239.0mmol)をゆっくりと滴下した。滴下後、100℃に昇温し、1時間反応させた。反応を再び氷水浴に移し、酢酸エチル(600mL)で希釈し、激しく撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液(1M)をゆっくりと滴下してPHを8程度に調整し、有機相を分離し、水(80mL)3回、飽和食塩水(80mL)1回で順次に洗浄し、乾燥(無水硫酸ナトリウム)させ、吸引濾過し、濃縮し、得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物8a(4.7g,19.1mmol)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d,ppm) δ 9.39(s,1H),8.21(dd,J=8.9,0.8Hz,1H),7.76(dd,J=8.9,0.9Hz,1H),6.14(p,J=6.7Hz,1H),1.94-1.80(m,6H)。
【0137】
7):4-(6-(1-イソプロピル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-h]キナゾリン-8-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(I-1a)
4-(6-アミノピリジン-3-イル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル9a(168.6mg,0.606mmol)のトルエン(0.8mL)溶液に、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.606mL,1MのTHF溶液,LiHMDS)をゆっくりと滴下した。室温で撹拌し、30分間反応させた後、8a(50mg,0.202mmol)を加え、さらに撹拌しながら4時間反応させた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)でクエンチし、ジクロロメタン(8mL)で3回抽出し、有機相を合わせ、乾燥(無水硫酸ナトリウム)させ、吸引濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=30:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物I-1a(56mg,0.114mmol,56.4%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.23(s,1H),8.46(s,1H),8.33(d,J=9.0Hz,1H),8.11(s,1H),7.89(d,J=8.8Hz,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),7.37(dd,J=9.1,2.9Hz,1H),6.20(p,J=6.7Hz,1H),3.64(t,J=5.1Hz,4H),3.14(d,J=5.2Hz,4H),1.86(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0138】
8):1-イソプロピル-N-(5-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-2-イル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-1)
I-1a(14.7mg,0.03mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液(4M,0.76mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、吸引濾過し、得られたフィルター残留物を恒量になるまでオイルポンプで真空乾燥し、黄色の粉末として表題化合物I-1(12.6mg,99%)を得た。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0139】
実施例1におけるI-1の合成方法を参照することにより、8a(50mg,0.202mmol)から、化合物I-2(45.2mg,103.0μmmol,51%)、I-3(40.8mg,92.9μmmol,46%)、I-12(61.7mg,145.4μmmol,72%),I-13(56.8mg,133.3μmmol,66%)、I-14(29.3mg,66.7μmmol,33%)、およびI-17(28.9mg,54.5μmmol,27%)を調製した。
【0140】
実施例1におけるI-1aの合成方法を参照することにより、8a(50mg,0.202mmol)から、化合物I-4(55.4mg,137.4μmmol,68%)、I-5(68.3mg,163.6μmmol,81%)、I-6(60.6mg,155.5μmmol,77%)、I-7(62.7mg,145.4μmmol,72%)、I-8(59.8mg,139.4μmmol,69%)、I-9(71.1mg,159.6μmmol,79%)、I-10(61.8mg,143.4μmmol,71%)、I-11(35.7mg,82.8μmmol,41%)、I-15(23.0mg,52.5μmmol,26%)、およびI-16(55.2mg,143.4μmmol,71%)を調製した。
【0141】
I-2a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.24(s,1H),8.37(s,1H),8.26(s,1H),8.06(s,1H),7.91(d,J=8.8Hz,1H),7.60(d,J=8.8Hz,1H),6.26(p,J=6.7Hz,1H),3.61(t,J=5.0Hz,4H),2.95(t,J=5.0Hz,4H),2.55-2.38(m,3H),1.87(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0142】
I-3a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.21(s,1H),8.20(d,J=8.7Hz,1H),8.06(s,1H),7.89(d,J=8.8Hz,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),7.40(d,J=8.7Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.61(t,J=5.0Hz,4H),2.88(t,J=5.0Hz,4H),2.53(s,3H),1.86(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0143】
I-4 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.20(s,1H),8.31-8.27(m,1H),8.17(s,1H),8.09(d,J=3.0Hz,1H),7.88(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.36(dd,J=9.0, 3.0Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.24(dd,J=6.1, 3.8Hz,4H),2.64(t,J=5.0Hz,4H),2.39(s,3H),1.86(d,J=6.7Hz,6H)。
【0144】
I-5 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.24(s,1H),8.69(s,1H),8.30(d,J=9.0Hz,1H),8.13(s,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.36(dd,J=9.0, 3.0Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.26(t,J=5.0Hz,4H),2.68(t,J=4.9Hz,4H),2.52(q,J=7.2Hz,2H),1.86(d,J=6.7Hz,6H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0145】
I-6 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.22(s,1H),8.39(s,1H),8.33(d,J=8.9Hz,1H),8.08(d,J=2.8Hz,1H),7.88(d,J=8.8Hz,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),7.35(dd,J=9.1, 3.0Hz,1H),6.21(p,J=6.8Hz,1H),3.96-3.88(m,4H),3.22-3.16(m,4H),1.86(d,J=6.7Hz,6H)。
【0146】
I-7 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.19(s,1H),8.28(d,J=9.0Hz,1H),8.10-8.02(m,2H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.36(dd,J=9.1, 3.0Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.24(s,4H),2.75(s,5H),1.86(d,J=6.7Hz,6H),1.12(d,J=6.5Hz,6H)。
【0147】
I-8 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.20(s,1H),8.27(d,J=9.0Hz,1H),8.13-8.05(m,2H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.36(dd,J=9.0, 3.0Hz,1H),6.20(q,J=6.7Hz,1H),3.19(t,J=5.1Hz,4H),2.83(t,J=5.0Hz,4H),1.86(d,J=6.7Hz,6H),1.72(d,J=8.6Hz,1H),0.55-0.42(m,4H)。
【0148】
I-9 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.20(s,1H),8.27(d,J=9.0Hz,1H),8.14(s,1H),8.08(d,J=2.9Hz,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.36(dd,J=9.1, 3.0Hz,1H),6.22 (h, J=6.7Hz,1H),3.22(t,J=5.0Hz,4H),2.61(t,J=5.0Hz,4H),2.17(d,J=7.4Hz,2H),1.86(d,J=6.7Hz,7H),0.94(d,J=6.6Hz,6H)。
【0149】
I-10 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.24(s,1H),8.41(d,J=8.5Hz,1H),8.33-8.26(m,1H),8.23(s,1H),7.92(d,J=8.8Hz,1H),7.74(dd,J=8.6, 2.3Hz,1H),7.61(d,J=8.9Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.54(s,2H),2.57(s,6H),2.47(s,2H),1.88(d,J=6.8Hz,6H),1.11(t,J=7.1Hz,3H)。
【0150】
I-11 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.20(s,1H),8.27(d,J=9.0Hz,1H),8.13(s,1H),8.09(d,J=3.0Hz,1H),7.88(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.37(dd,J=9.1, 3.0Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.69(d,J=11.8Hz,2H),2.79(td,J=12.1, 2.5Hz,2H),2.36(s,6H),2.00(d,J=12.7Hz,2H),1.86(d,J=6.7Hz,6H),1.73(td,J=12.0, 3.9Hz,2H),1.68-1.57 (brs, 6H)。
【0151】
I-12a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.25(s,1H),8.39(d,J=8.6Hz,1H),8.32(s,1H),8.25(d,J=2.4Hz,1H),7.92(d,J=8.8Hz,1H),7.63-7.60(d,J=8.8 Hz 1H),7.59(dd,J=8.8Hz,2.8Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),4.29(s,2H),2.85(t,J=12.8Hz,2H),2.72(ddd,J=12.2, 8.5, 3.6Hz,1H),1.88(d,J=6.7Hz,6H),1.68 (tt, J=12.4, 6.5Hz,3H),1.50(s,9H)。
【0152】
I-13a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.23(s,1H),8.47(d,J=9.8Hz,1H),8.37(s,1H),7.91(d,J=8.8Hz,1H),7.61(d,J=8.8Hz,1H),7.08(d,J=9.8Hz,1H),6.13(p,J=6.7Hz,1H),3.62(s,8H),1.85(d,J=6.8Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0153】
I-14a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.30(d,J=1.3Hz,1H),8.54(d,J=8.9Hz,1H),8.33(d,J=2.6Hz,1H),7.92(d,J=8.8Hz,1H),7.77 (dt, J=9.0, 1.9Hz,1H),7.69(dd,J=8.8, 1.5Hz,1H),6.23(p,J=6.7Hz,1H),4.30(s,2H),3.90-3.82(m,4H),1.88(d,J=6.7Hz,6H),1.53(s,9H)。
【0154】
I-15 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.28(s,1H),8.34(d,J=9.0Hz,1H),8.11(d,J=3.0Hz,1H),7.86(d,J=8.8Hz,1H),7.71(d,J=8.9Hz,1H),7.54(d,J=3.1Hz,1H),6.25(p,J=6.7Hz,1H),3.90-3.81(m,4H),3.29-3.22(m,4H),1.88(d,J=6.7Hz,6H)。
【0155】
I-16 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.18(s,1H),8.13(d,J=1.6Hz,1H),7.95(d,J=8.8Hz,1H),7.91-7.85(m,3H),7.62-7.55(m,2H),6.96(d,J=8.9Hz,1H),6.25(p,J=6.7Hz,1H),4.10(s,3H),1.83(d,J=6.7Hz,6H)。
【0156】
I-17a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) 9.16(s,1H),8.19(t,J=4.4Hz,2H),7.68(d,J=8.6Hz,1H),7.62(d,J=2.9Hz,1H),7.52(d,J=8.7Hz,1H),6.82(dd,J=8.8, 2.9Hz,1H),6.05(p,J=6.7Hz,1H),3.71(s,4H),3.40(d,J=5.8Hz,4H),1.80(t,J=5.7Hz,4H),1.71(d,J=6.7Hz,6H),1.45(s,9H)。
【0157】
重要中間体8-クロロ-1-イソブチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン(8b)の調製
【化31】
【0158】
1):実施例1における6aの合成方法を参照することにより、化合物4a(1.8g,10.1mmol)を反応させて1-イソブチル-8-メトキシ-4,5-ジヒドロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン6b(1.6g,6.2mmol,61%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 8.39(s,1H),4.71(d,J=7.4Hz,2H),4.03(s,3H),3.13-2.98(m,4H),2.40(dt,J=13.8,6.9Hz,1H),0.97(d,J=6.7Hz,6H)。
【0159】
2):実施例1における7aの合成手順を参照することにより、6b(1.5g,5.80mmol)から、7b(1.22g,4.76mmol,82 %)を調製した。LC-MS (ESI),C
13H
15N
5O
[M+H]
+: m/z=257.2。
3):実施例1中8aの合成手順を参照することにより、7b(1.1g,4.28mmol)から、8b(600.3mg,2.3mmol,54%)を調製した。
1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.39(s,1H),8.20(d,J=8.9Hz,1H),7.76(d,J=8.9Hz,1H),5.07(d,J=7.2Hz,2H),2.55(dt,J=13.6,6.8Hz,1H),1.05(d,J=6.7Hz,6H)。
【表2】
【0160】
実施例1におけるI-1の合成方法を参照することにより、8b(50mg,0.192mmol)から、化合物I-18(65.8mg,149.8μmmol,78%)を調製した。
【0161】
実施例1におけるI-1aの合成方法を参照することにより、8b(50mg,0.192mmol)から、化合物I-19(54.5mg,130.6μmmol,68%)、I-20(67.1mg,155.5μmmol,81%)、およびI-21(57.4mg,142.1μmmol,74%)を調製した。
【0162】
I-18a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.21(s,1H),8.30(d,J=9.0Hz,1H),8.14(s,1H),8.08(d,J=2.9Hz,1H),7.89(d,J=8.9Hz,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),7.40(dd,J=9.0, 3.0Hz,1H),5.10(d,J=7.6Hz,2H),3.67-3.61(m,3H),3.14(t,J=5.0Hz,4H),1.50(s,9H),0.97(d,J=6.6Hz,6H)。
【0163】
I-19 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.21(s,1H),8.34(s,1H),8.27(d,J=9.0Hz,1H),8.11(d,J=3.0Hz,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),7.39(dd,J=9.0, 3.0Hz,1H),5.10(d,J=7.6Hz,2H),3.28-3.19(m,4H),2.68-2.60(m,4H),2.57(dd,J=13.8,6.9Hz,1H),2.38(s,3H),0.96(d,J=6.7Hz,6H)。
【0164】
I-20 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.21(s,1H),8.35(s,1H),8.28-8.23(m,1H),8.12(d,J=2.9Hz,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.39(dd,J=9.0,3.0Hz,1H),5.09(d,J=7.6Hz,2H),3.27-3.21(m,4H),2.71-2.63(m,4H),2.54(dq,J=17.7,7.0Hz,3H),1.67(s,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H),0.96(d,J=6.7Hz,6H)。
【0165】
I-21 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.20(s,1H),8.29(d,J=8.9Hz,1H),8.11-8.06(m,2H),7.88(d,J=8.8Hz,1H),7.59(d,J=8.9Hz,1H),7.38(dd,J=9.0,3.1Hz,1H),5.10(d,J=7.6Hz,2H),3.95-3.88(m,4H),3.23-3.13(m,4H),0.97(d,J=6.7Hz,6H)。
【0166】
中間体 8-クロロ-1-シクロペンチル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-h]キナゾリン(8c)の調製
【化32】
【0167】
1):実施例1における6aの合成方法を参照することにより、化合物4a(1.2g,6.74mmol)から、1-シクロペンチル-8-メトキシ-4,5-ジヒドロ-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-H]キナゾリン6c(1.06g,3.91mmol,58%)を調製した。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 8.46(s,1H),4.68(d,J=7.4Hz,2H),3.92(s,3H),3.15-2.88(m,4H),2.42(dq,J=13.2,6.4Hz,2H),2.32(m,1H),2.10(td,J=13.2,6.4Hz,2H),1.88(d,J=8.0Hz,4H)。
【0168】
2):実施例1における7aの合成手順を参照することにより、6c(1.0g,3.69mmol)から、c(705mg,2.62mmol,71%)を調製した。LC-MS (ESI),C
14H
16N
5O
[M+H]
+: m/z=270.1。
3):実施例1における8aの合成手順を参照することにより、7c(705mg,2.62mmol)から、8c(350.5mg,1.28mmol,49%)を調製した。
1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.41(s,1H),8.32(s,1H),8.18(d,J=8.7Hz,1H),7.78(d,J=8.7Hz,1H),6.05(p,J=6.7Hz,1H),2.48(dq,J=13.3,6.6Hz,2H),2.06(td,J=13.8,6.8Hz,2H),1.91(d,J=8.1Hz,4H)。
【表3】
【0169】
実施例1におけるI-1の合成方法を参照することにより、8c(35mg,0.128mmol)から、化合物I-22(27.7mg,61.4μmmol,48%)を調製した。
【0170】
実施例1におけるI-1aの合成方法を参照することにより、8c(35mg,0.128mmol)から、化合物I-23(22.5mg,52.5μmmol,41%)を調製した。
【0171】
I-22a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.35(s,1H),8.26(d,J=9.6Hz,1H),8.10-7.92(m,2H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),7.72(d,J=9.5Hz,1H),6.13(p,J=7.1Hz,1H),3.53-3.41(m,4H),3.52-3.43(m,4H),2.48(dt,J=12.2,6.0Hz,2H),2.12-2.02(m,2H),2.10-1.96(m,4H),1.48(s,9H)。
【0172】
I-23 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d) δ 9.16(s,1H),8.32(d,J=9.0Hz,1H),8.12(s,1H),8.06(d,J=2.9Hz,1H),7.68(d,J=8.7Hz,1H),7.44(d,J=8.6Hz,1H),7.28(dd,J=9.1,3.0Hz,1H),6.05(p,J=7.0Hz,1H),4.01(dd,J=5.8,3.7Hz,4H),3.12(dd,J=5.8,3.7Hz,4H),2.44(dt,J=13.8,7.3Hz,2H),2.36(s,3H),2.15-1.99(m,4H),1.85(dq,J=9.9,3.9Hz,2H)。
【0173】
【0174】
1):4-(4-((1-イソプロピル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-h]キナゾリン-8-イル)アミノ)フェニル)ピペラジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(I-24a)の調製
室温で、8a(30mg,0.121mmol)および9b(67.1mg,0.242mmol)の1,4-ジオキサン(1.5mL)溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(7.0mg,10mol%)および4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(14mg,0.024mmol)を加えた。次に、アルゴンで2回置換し、100℃に昇温し、封管で4時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル(5mL)および半飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8mL)で希釈し、有機層を分離し、酢酸エチル(5mL)で水層を3回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1~30:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物I-24a(16.1mg,0.033mmol)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.10(s,1H),7.81(d,J=8.8Hz,1H),7.66-7.56(m,2H),7.52(d,J=8.9Hz,1H),7.42(s,1H),7.05-6.92(m,2H),6.16(p,J=6.7Hz,1H),3.62(t,J=5.1Hz,4H),3.14(t,J=5.1Hz,4H),1.79(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0175】
2):1-イソプロピル-N-(4-(ピペラジン-1-イル)フェニル)-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-h]キナゾリン-8-アミン塩酸塩(I-24)の調製
I-24a(12.2mg,0.025mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液(4M,0.13mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、吸引濾過し、得られたフィルター残留物を恒量になるまでオイルポンプで真空乾燥し、黄色の粉末として表題化合物I-24(13.1mg)を得た。LC-MS (ESI),C
21H
25N
8 [M+H]
+: m/z=389.2。
【表4-1】
【表4-2】
【0176】
実施例24におけるI-24の合成方法を参照することにより、8a(30mg,0.121mmol)から、化合物I-28(19.8mg,44.8μmmol,37%)、I-30(12.1mg,26.6μmmol,22%)、I-32(27.3mg,61.7μmmol,51%)を調製した。
【0177】
実施例24におけるI-24aの合成方法を参照することにより、8a(30mg,0.121mmol)から、化合物I-25(20.6mg,49.6μmmol,41%)、I-26(15.5mg,39.9μmmol,33%)、I-27(15.1mg,33.9μmmol,28%)、I-29(21.2mg,50.8μmmol,42%)、I-31(6.3mg,14.5μmmol,12%)、I-33(14.8mg,35.1μmmol,29%)、I-34(15.8mg,36.3μmmol,30%)、I-35(15.3mg,37.5μmmol,31%)を調製した。
【0178】
I-25 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.10(s,1H),7.81(d,J=8.8Hz,1H),7.60-7.54(m,2H),7.52(d,J=8.8Hz,1H),7.29(s,1H),7.02-6.96(m,2H),6.15(p,J=6.7Hz,1H),3.25(t,J=5.0Hz,4H),2.67(t,J=5.1Hz,4H),2.52(q,J=7.2Hz,2H),1.79(d,J=6.7Hz,6H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0179】
I-26 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.11(s,1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),7.66-7.57(m,2H),7.53(d,J=8.8Hz,1H),7.35(s,1H),7.03-6.93(m,2H),6.16(p,J=6.7Hz,1H),3.91(dd,J=6.0, 3.6Hz,4H),3.18(dd,J=5.8, 3.8Hz,4H),1.80(d,J=6.7Hz,6H)。
【0180】
I-27 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.09(s,1H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),7.59-7.54(m,2H),7.52(d,J=8.8Hz,1H),7.33(s,1H),7.02-6.96(m,2H),6.16(p,J=6.7Hz,1H),3.67(q,J=7.8, 7.3Hz,4H),2.71(t,J=11.0Hz,2H),1.85(d,J=8.6Hz,2H),1.79(d,J=6.7Hz,2H),1.64(q,J=7.0Hz,4H),1.44-1.35(m,1H)。
【0181】
I-28a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.21(s,1H),8.36(dd,J=8.9, 5.9Hz,1H),8.16(s,1H),7.73(d,J=8.8Hz,1H),7.51(d,J=8.8Hz,1H),6.93(m,2H),6.20(p,J=6.7Hz,1H),3.62(t,J=5.1Hz,4H),3.14(t,J=5.1Hz,4H),1.82(d,J=6.7Hz,6H),1.48(s,9H)。
【0182】
I-29 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.16(s,1H),8.47(dd,J=8.9, 5.9Hz,1H),8.20(s,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.57(d,J=8.8Hz,1H),6.93(ddd,J=17.0, 9.1, 2.9Hz,2H),6.20(p,J=6.7Hz,1H),4.02-3.90(m,4H),2.96(dd,J=5.6, 3.6Hz,4H),1.85(d,J=6.7Hz,6H)。
【0183】
I-30a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.18(s,1H),8.28(d,J=8.6Hz,1H),7.76(d,J=8.8Hz,1H),7.63(s,1H),7.48(d,J=8.8Hz,1H),6.59-6.43(m,2H),6.12(p,J=6.7Hz,1H),3.91(s,3H),3.58(t,J=5.0Hz,4H),3.10(t,J=5.0Hz,4H),1.81(d,J=6.7Hz,6H),1.50(s,9H)。
【0184】
I-31 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.10(s,1H),8.31(d,J=8.6Hz,1H),7.81(d,J=8.8Hz,1H),7.75(s,1H),7.52(d,J=8.8Hz,1H),6.69-6.51(m,2H),6.24(p,J=6.7Hz,1H),3.93(s,3H),3.25(t,J=5.0Hz,4H),2.67(t,J=4.9Hz,4H),2.41(s,3H),1.84(d,J=6.7Hz,6H)。
【0185】
I-32a δ 9.11(s,1H),7.92(dd,J=14.7, 2.5Hz,1H),7.80(d,J=8.8Hz,1H),7.48(d,J=8.8Hz,1H),7.41(s,1H),7.18-7.27(m,1H),6.87(t,J=9.0Hz,1H),6.13(p,J=6.7Hz,1H),3.32(t,J=4.8Hz,4H),2.93(t,J=4.9Hz,4H),1.85(d,J=6.6Hz,6H),1.53(s,9H)。
【0186】
I-33 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.13(s,1H),7.94(dd,J=14.7, 2.5Hz,1H),7.86(d,J=8.8Hz,1H),7.55(d,J=8.8Hz,1H),7.44(s,1H),7.11-7.03(m,1H),6.98(t,J=9.0Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.14(t,J=4.8Hz,4H),2.66(t,J=4.9Hz,4H),2.39(s,3H),1.85(d,J=6.6Hz,6H)。
【0187】
I-34 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.14(s,1H),7.94(dd,J=14.6, 2.5Hz,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.56(d,J=8.8Hz,1H),7.40(s,1H),7.07(dd,J=8.9, 2.5Hz,1H),6.99(t,J=8.9Hz,1H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.17(t,J=4.9Hz,4H),2.71(s,4H),2.54(q,J=7.2Hz,2H),1.85(d,J=6.7Hz,6H),1.16(t,J=7.2Hz,3H)。
【0188】
I-35 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.14(s,1H),7.96(dd,J=14.7, 2.5Hz,1H),7.87(d,J=8.8Hz,1H),7.56(d,J=8.8Hz,1H),7.47(s,1H),7.09(dd,J=9.0, 2.5Hz,1H),6.97(t,J=9.0Hz,1H),6.22(p,J=6.7Hz,1H),3.96-3.86(m,4H),3.15-3.05(m,4H),1.86(d,J=6.7Hz,6H)。
【0189】
【0190】
1):3-((1-イソプロピル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-h]キナゾリン-8-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド(I-36a)の調製
8a(30mg,0.121mmol)および9c(41.6mg,0.242mmol)の1,4-ジオキサン(1.5mL)溶液をアルゴンで2回置換し、トリフルオロ酢酸(13.5μL,0.182mmol)を加えた。100℃に昇温し、封管で8時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル(5mL)および半飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8mL)で希釈し、有機層を分離し、酢酸エチル(5mL)で水層を3回抽出し、有機層を合わせ、飽和食塩水(5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、吸引濾過し、濃縮した。得られた残留物をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ジクロロメタン/メタノール=80:1~10:1)により精製し、淡黄色の固体として表題化合物I-36a(16.7mg,43.6μmol,36%)を得た。1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.36(s,1H),8.29(s,1H),8.00(d,J=9.0Hz,1H),7.86(d,1H,J=8.0 Hz),7.65(d,J=9.0Hz,1H),7.51(t,1H,J=8.0 Hz),7.43(dt,1H,J=8.0,1.2Hz),5.83(p,J=6.5Hz,1H),3.73(s,2H),1.68(d,J=6.7Hz,6H)。
【0191】
2):3-((1-イソプロピル-1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-h]キナゾリン-8-イル)アミノ)ベンゼンスルホンアミド塩酸塩(I-36)の調製
I-36a(12mg,31.3μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解させ、塩化水素の1,4-ジオキサン溶液(4M,0.2mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、濃縮し、恒量になるまでオイルポンプで真空乾燥し、黄色の粉末として表題化合物I-36(12.6mg)を得た。LC-MS (ESI),C
17H
18N
7O
2S
[M+H]
+: m/z=384.2。
【表5】
【0192】
実施例36におけるI-36の合成方法を参照することにより、8a(40mg,0.162mmol)から、化合物I-39(8.1mg,17.8μmmol,11%)を調製した。
【0193】
実施例36におけるI-36aの合成方法を参照することにより、8a(40mg,0.162mmol)から、化合物I-37(9.9mg,19.4μmmol,12%)、I-38(12.0mg,30.8μmmol,19%)、I-40(9.1mg,21.1μmmol,13%)を調製した。
【0194】
I-37 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm)δ 9.31(s,1H),8.12(d,J=9.0Hz,1H),7.71(d,J=8.8Hz,1H),7.32(d,J=9.0Hz,2H),6.99(d,J=9.0Hz,2H),6.22(p,J=6.7Hz,1H),3.92(brs, 4H),3.56(t,2H),, 3.33(m,4H),2.91(s,3H),2.24(t,2H),1.71(d,J=6.6Hz,6H)。
【0195】
I-38 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.11(s,1H),7.82(d,J=8.8Hz,1H),7.58(d,J=9.0Hz,2H),7.53(d,J=8.8Hz,1H),7.34(s,1H),6.97(d,J=9.0Hz,2H),6.13(p,J=6.7Hz,1H),4.12(t,J=5.7Hz,2H),2.79(t,J=5.6Hz,2H),1.78(d,J=6.7Hz,6H)。
【0196】
I-39a 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.19(s,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.81(d,J=8.6Hz,2H),7.70(s,1H),7.59(d,J=8.8Hz,1H),7.48(d,J=8.6Hz,2H),6.20(p,J=6.7Hz,1H),3.63(s,4H),3.49(s,4H),1.84(d,J=6.7Hz,6H),1.48(s,9H)。
【0197】
I-40 1H NMR (400MHz,クロロホルム-d, ppm) δ 9.19(s,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.84-7.76(m,2H),7.63(s,1H),7.58(d,J=8.9Hz,1H),7.52-7.46(m,2H),6.21(p,J=6.7Hz,1H),3.70(s,4H),2.45(s,4H),1.85(d,J=6.7Hz,6H)。
【0198】
生物学的実施例1
キナーゼ活性アッセイ
Caliper Mobility Shift Assay法により、キナーゼCDK4/サイクリンD3に対する化合物の阻害効果を検出した。化合物の最終試験濃度は、1μMから、3倍希釈で得られた10濃度である。5倍最終濃度の化合物5μLおよび最終濃度10nMのCDK4/サイクリンD3キナーゼ溶液10μLをそれぞれ384ウェル反応プレートに添加し、室温で10分間プレインキュベートした(陰性対照ウェルは、10μLのキナーゼバッファーおよび5μLの5%DMSOを含み;陽性対照ウェルは、10μLのキナーゼ溶液および5μLの5%DMSOを含む)。10μLの最終濃度250μMのATPおよび対応する基質ペプチドの混合溶液を加えて反応を開始し、室温で150分間反応させた。EDTAを含む停止試験液30μLを添加し、キナーゼ反応を停止させた。Caliper EZ Readerにより変換率を読み取った。変換阻害率%=(陽性対照の平均変換率%-サンプルの変換率%)/(陽性対照の平均変換率%-陰性対照の平均変換率%)。なお、陰性対照ウェルは、酵素活性のないウェルの変換率の読み取り値を表し;陽性対照ウェルは、化合物阻害のないウェルの変換率の読み取り値を表す。濃度のlog値をX軸とし、阻害率をY軸とし、分析ソフトウェアGraphPad Prism 5におけるlog(inhibitor) vs. response - Variable slopeによって、用量反応曲線をフィッティングし、酵素活性に対する各化合物のIC50値を得た。計算式:Y=Bottom+(Top-Bottom)/(1+10^((LogIC50-X)*HillSlope))。
【0199】
同様の方法により、CDK6/サイクリンD3およびCDK2/サイクリンA2に対する本発明化合物のIC50値を検出した。
【0200】
本発明の最も代表的な化合物の酵素阻害活性の結果を以下の表に示す。なお、AはIC
50<10nMを表し、Bは10nM≦IC
50<50nMを表し、Cは50nM≦IC
50<100nMを表し、DはIC
50≧100nMを表す。陽性対照化合物:パルボシクリブ(Palbociclib)。
【表6】
【0201】
上記の内容は、好ましい実施形態を参照して本発明に対する詳細な説明であるが、本発明は、以上の説明に限定されない。本発明の精神および範囲を離れることなく、様々な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかである。