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▶ ショアライン デザイン アンド マニュファクチャリング エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】磁気粘性流体バルブの使用方法
(51)【国際特許分類】
   F16K 13/10 20060101AFI20231128BHJP
   F16K 13/00 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
F16K13/10 C
F16K13/00 D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022578685
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 US2021038219
(87)【国際公開番号】W WO2021262588
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】63/041,967
(32)【優先日】2020-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522490479
【氏名又は名称】ショアライン デザイン アンド マニュファクチャリング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Shoreline Design and Manufacturing LLC
【住所又は居所原語表記】345 Huntington Road, Stratford, CT 06614, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(72)【発明者】
【氏名】コットン エリック
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-068571(JP,A)
【文献】特開2016-142320(JP,A)
【文献】米国特許第06558590(US,B1)
【文献】中国特許第1314903(CN,C)
【文献】米国特許第06095486(US,A)
【文献】中国特許出願公開第105782324(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0005085(KR,A)
【文献】中国特許第103591363(CN,B)
【文献】米国特許第06354561(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 13/10
F15B 21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気粘性流体バルブの使用方法であって、
前記磁気粘性流体バルブは、
長手方向に延びる中空シリンダであって、シリンダ第1端と、シリンダ第2端と、シリンダ内部と、を備える中空シリンダと、
前記中空シリンダ内部に設けられたセンターロッドであって、ロッド第1端とロッド第2端とを含むセンターロッドと、
前記センターロッドの長手方向の第1の位置に設けられた第1のスペーサシリンダと、
前記センターロッドの長手方向の第2位置に設けられた第2のスペーサシリンダと、
その厚さ方向に延在する第1の流路開口部を含む第1のエンドプレートであって、
前記第1のエンドプレートは前記ロッド第1端に結合される、第1のエンドプレートと、
その厚さ方向に延在する第2の流路開口部を含む第2のエンドプレートであって、
前記第2のエンドプレートは前記ロッド第2端に結合される、第2のエンドプレートと、 前記中空シリンダの外側で長手方向の第3の位置に設けられたワイヤーコイルであって、前記第3の位置は、前記第1の位置と前記第2の位置との間である、ワイヤーコイルと、
を備え、
前記第1のスペーサシリンダの外径及び前記第2のスペーサシリンダの外径は、前記中空シリンダの内径より小さい前記磁気粘性流体バルブを提供するステップと、
圧力下で前記シリンダ第1端に磁気粘性流体を供給して前記磁気粘性流体が前記第1の流路開口部及び前記中空シリンダを通過して前記第2の流路開口部から流出させるステップと、
前記ワイヤーコイルに選択的に電流を流すことにより前記磁気粘性流体の粘度を増加させて磁性流体の流れを停止させるステップと、
前記磁気粘性流体バルブの周囲の温度を前記磁気粘性流体の融点以下に下げ、前記磁気粘性流体バルブ内の前記磁気粘性流体を固化させるステップと、
前記磁気粘性流体が固化した後、前記ワイヤーコイルへの通電を停止するステップと、
を含む磁気粘性流体バルブの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2020年6月21日に出願された米国仮出願63/041,967の優先権を主張し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、可変モールド(variable mold)に関し、特に、磁気粘性流体及び磁気粘性バルブを用いて可変モールドを調整及び構成する可変モールドに関するものである。
【0003】
モールド(金型)は、さまざまな製造工程で使用される。
モールドを使用することの欠点の1つは、製品のわずかな変更にも新しいモールドを作る必要があることである。そのため、カスタム製品のように成形品を頻繁に変更する場合や、研究開発のように成形品を何種類も試作するような場合には、多大な時間と費用がかかってしまう。
【0004】
可変モールドは利用できるかもしれないが、従来の可変モールドは利用できる解像度が低いため、その用途が限定される。
例えば、従来の可変モールドは、大きな曲率半径を有する大規模な成形品を製造することしかできない場合がある。
さらに、従来の可変モールドの低解像度のために、可変モールドの各点間の表面を滑らかにするためにモールド上に敷く補間層が必要とされる場合がある。
さらに、従来の可変モールドの制御システムは、複雑な電気機械アクチュエータ、サーボ、及び/又はステッピングモータを必要とする場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、分解能が高く、制御機構がシンプルで、補間層が不要な可変モールドが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(例示的な実施形態の簡単な説明)
一態様において、本開示は、磁気粘性流体と共に使用するためのバルブに向けられる。このバルブは、長手方向に延びる中空シリンダを含む。中空のシリンダは、シリンダ第1端と、シリンダ第2端と、シリンダ内部と、を含む。また、このバルブは、シリンダ内部に設けられたセンターロッドを含む。センターロッドは、ロッド第1端とロッド第2端とを含む。
【0007】
前記バルブは、前記センターロッドに長手方向に設けられた第1のスペーサシリンダと、前記センターロッドに長手方向の第2位置で設けられた第2のスペーサシリンダと、を有することを特徴とする。バルブは、第1のエンドプレートの厚さ方向に延在する第1流路開口部を備える第1のエンドプレートと、第2のエンドプレートの厚さ方向に延在する第2流路開口部を備える第2のエンドプレートとをさらに含む。第1のエンドプレートは、ロッド第1端に結合され、第2のエンドプレートは、ロッド第2端に結合される。
【0008】
また、このバルブは、長手方向の第3の位置において、中空シリンダの外側に設けられたワイヤーコイルを含む。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間である。第1のスペーサシリンダの外径及び第2のスペーサシリンダの外径は、中空シリンダの内径より小さい。
【0009】
別の態様において、本開示は、磁気粘性流体バルブの使用方法に向けられている。本方法は、磁気粘性流体バルブを提供することを含む。バルブは、長手方向に延びる中空シリンダを含む。中空シリンダは、シリンダ第1端と、シリンダ第2端と、シリンダ内部とを含む。また、このバルブは、シリンダ内部に設けられたセンターロッドを含む。センターロッドは、ロッド第1端とロッド第2端とを含む。また、バルブは、長手方向においてセンターロッドに設けられた第1のスペーサシリンダと、長手方向において第2位置においてセンターロッドに設けられた第2のスペーサシリンダと、を有する。バルブは、第1のエンドプレートの厚さ方向に延在する第1流路開口部を備える第1のエンドプレートと、第2のエンドプレートの厚さ方向に延在する第2流路開口部を備える第2のエンドプレートとをさらに含む。第1のエンドプレートはロッド第1端に結合され、第2のエンドプレートはロッド第2端に結合される。また、バルブは、長手方向の第3の位置で中空シリンダの外部に設けられたワイヤーコイルを含む。第3の位置は、第1の位置と第2の位置との間である。第1スペーサシリンダの外径及び第2スペーサシリンダの外径は、中空シリンダの内径より小さい。
【0010】
この方法は、磁気粘性流体が第1の流路を通り、中空シリンダを通り、第2の流路から出るように、圧力下でシリンダ第1の端に磁気粘性流体を供給することをさらに含む。また、この方法は、磁気粘性流体の粘度を増加させ、それによって磁気粘性流体の流れを停止させるために、ワイヤーコイルに電流を選択的に流すことを含む。
【0011】
別の態様において、本開示は、可変モールドに向けられる。可変モールドは、複数の油圧ピンシステムを含む。各油圧ピンシステムは、加圧流体の供給と流体連通しているバルブと、バルブと流体連通しているチュービングと、チュービングに結合されているピンとを含む。ピンは、バルブからチューブへの流体の供給に応答して、チューブから変位するように構成されている。複数の油圧ピンシステムの各ピンの長手方向軸は、相互に平行であり、2次元アレイに配置されている。また、可変モールドは、複数の油圧ピンシステムのバルブに動作可能に結合されたコントローラを含む。コントローラは、複数の油圧ピンシステムの各ピンの変位を制御するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
(図面略図)
より具体的な説明は、添付の図に示されている例示的な実施形態を参照することによって行われる。
これらの図面は例示的な実施形態を描いており、本開示の範囲を限定するものではないことを理解した上で、例示的な実施形態は、その中の添付図面の使用を通じて、さらなる具体性及び詳細性をもって説明及び解説されることになる。
【0013】
図1図1は、例示的な実施形態による磁気粘性(MR)流体バルブの透視図である。
図2図2は、例示的な実施形態に係るMR流体バルブの断面図である。
図3図3は、例示的な実施形態によるエンドプレートの透視図である。
図4図4は、例示的な実施形態に係るMR流体バルブの拡大断面図である。
図4A図4Aは、例示的な実施形態による磁力線を示すMR流体バルブの拡大断面図である。
図5図5は、例示的な実施形態によるカップリング付きMR流体バルブの断面図である。
図6図6は、例示的な実施形態による油圧ピンシステムの模式的なブロック図である。
図7図7は、例示的な実施形態によるピンアセンブリの断面図である。
図8図8は、図7のピンアセンブリの断面図であり、例示的な実施形態による拡張位置にあるピンを示す。
図9図9は、例示的な実施形態によるピンアセンブリの断面図である。
図10図10は、図9のピンアセンブリの断面図であり、例示的な実施形態による拡張位置にあるピンを示している。
図11図11は、例示的な実施形態による可変モールドの概略ブロック図である。
図12図12は、例示的な実施形態によるマニホールドの透視図である。
図13図13は、例示的な実施形態による可変モールドの透視図である。
図14図14は、例示的な実施形態に係る可変モールドの上面図である。
図15図15は、例示的な実施形態によるMR流体バルブの側面図である。
図16図16は、例示的な実施形態による可変モールドの透視図である。
図17図17は、例示的な実施形態による可変モールドの透視図である。
図18図18は、例示的な実施形態によるマニホールドの分解透視図である。
図19図19は、FEMM(Finite Element Method Magnetics)データを生成するための解析レイアウトを示す図である。
図20図20は、FEMMデータを生成するための横方向の解析ラインを示す図である。
図21図21は、FEMMデータ生成のための軸方向解析線を示す図である。
図22図22は、磁気シールドがない場合の横方向の解析線に沿った磁界強度を示すプロット図である。
図23図23は、磁気シールドがない場合の軸方向分析線に沿った磁界強度を示すプロット図である。
図24図24は、0.002インチの磁気シールドを施した横方向の解析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図25図25は、磁気シールドが0.002インチの軸方向分析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図26図26は、0.005インチの磁気シールドを有する横方向の解析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図27図27は、磁気シールドが0.005インチの軸方向分析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図28図28は、磁気シールドが0.010インチである横方向の解析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図29図29は、磁気シールドが0.010インチの軸方向分析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図30図30は、0.020インチの磁気シールドを施した横方向の解析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図31図31は、磁気シールドが0.020インチの軸方向分析線に沿った磁界強度を示すプロットである。
図32図32は、例示的な実施形態によるピンアセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
例示的な実施形態の様々な特徴、態様、及び利点は、図及び詳細な説明を通して同種の数字が同種の構成要素を表す添付の図面と共に、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。 様々な説明された特徴は、図面において必ずしも縮尺通りに描かれていないが、いくつかの実施形態に関連する特定の特徴を強調するために描かれている。
【0015】
本明細書で使用される見出しは、組織的な目的のためのものであり、本開示又は特許請求の範囲を制限することを意味しない。理解を容易にするために、図に共通する同様の要素を指定するために、可能であれば参照数字が使用されている。
【0016】
(詳細説明)
ここで、様々な実施形態について詳細に参照する。
各例は、説明のために提供され、限定として意図されず、すべての可能な実施形態の定義を構成しない。
【0017】
図1-2及び図4は、磁気粘性流体バルブ(MR流体バルブ)100の例示的な実施形態を示している。MR流体バルブ100は、中空シリンダ110、センターロッド120(図2及び図4)、第1のスペーサシリンダ130(図2及び図4)、第2のスペーサシリンダ140(図2及び図4)、第1のエンドプレート150、第2のエンドプレート160、及びワイヤーコイル170を含んでもよい。
【0018】
図2に示されるように、例えば、中空シリンダ110は、長手方向、すなわち長手方向軸10に沿って延在していてもよい。中空シリンダ100は、シリンダ壁111と、シリンダ壁111によって画定されるシリンダ内部116とを含んでもよい。中空シリンダ100は、シリンダ第1端112と、シリンダ第1端112の反対側で長手方向軸線10に沿って延びるシリンダ第2端114とを更に含んでもよい。
【0019】
センターロッド120は、シリンダ内部116内に収容されてもよい。センターロッド120は、ロッド第1端122及びロッド第2端124を含んでもよい。センターロッド120は、高透磁率材料で形成されてもよい。例示的な実施形態では、高透磁率材料は、鉄などの強磁性材料であってもよい。
【0020】
第1のスペーサシリンダ130は、第1のスペーサシリンダ130がセンターロッド120の上から嵌め込まれるように寸法構成されたスペーサ内径D1(図4参照)を有する中空であってもよい。スペーサ内径D1は、第1のスペーサシリンダ130がセンターロッド120との摩擦係合又は接着剤、はんだ、溶接、圧入、摩擦撹拌溶接、又は他の適切な接合方法を介してセンターロッド120に軸方向に固定されたままであるように構成されてもよい。第1のスペーサシリンダ130は、長手方向軸線10に沿った第1の位置132(図2参照)に配置されてもよい。
【0021】
第2のスペーサシリンダ140は、第2のスペーサシリンダ140がセンターロッド120の上から嵌め込まれるように、内径がD1(図4参照)の大きさを有する中空であってもよい。第2のスペーサシリンダ130は、長手方向軸線10に沿った第2の位置142(図2)に配置されてもよい。スペーサ内径D1は、第2のスペーサシリンダ140が、センターロッド120との摩擦係合又は接着剤、はんだ、溶接、圧入、摩擦撹拌溶接、又は他の適切な接合方法を介してセンターロッド120上に軸方向に固定されたままとなるように構成されていてもよい。第2の位置142は、第1の位置132と異なっていてもよい。
【0022】
第1のスペーサシリンダ130及び第2のスペーサシリンダ140は、それぞれ、スペーサ外径D2(図4参照)を有していてもよい。中空シリンダ110は、シリンダ内径D3(図4参照)を有してもよい。例示的な実施形態において、スペーサ外径D2はシリンダ内径D3より小さく、それによって第1のスペーサシリンダ130と中空シリンダ110との間に第1のチャネル180が形成され、第2のスペーサシリンダ140と中空シリンダ110との間に第2のチャネル182が形成される。図4に詳細に示されるように、第1の位置132と第2の位置142との間の長手方向軸線10に沿った軸線位置において、中心ロッド120と中空シリンダ110との間に内部室190が形成されてもよい(図2も参照)。
内部室190の直径は、第1のチャネル180及び第2のチャネル182の直径より大きくてもよい。
【0023】
図3は、第1のエンドプレート150の例示的な実施形態を示している。例示的な実施形態において、第1のエンドプレート150及び第2のエンドプレート160は、実質的に同一であってもよい。従って、本明細書に記載された第1のエンドプレート150の特徴は、第2のエンドプレート160にも適用され得る。
【0024】
しかし、第1のエンドプレート150と第2のエンドプレート160が同一であることは必須ではなく、特定の用途で必要とされ得るように第1のエンドプレート150と第2のエンドプレート160の間に差があってもよいことが理解されよう。第1のエンドプレート150は、第1のロッド孔152を含んでもよい。第1のロッド孔152は、寸法的に中央ロッド120の端部を受け入れるように構成されてもよい。エンドプレート150又は160は、摩擦係合又は接着剤、はんだ、溶接、圧着、摩擦撹拌溶接、又はセンターロッドとの他の適切な接合方法を介して、センターロッド120に取り付けられる。第1のエンドプレート150は、第1のエンドプレート152の厚さ方向に延在する第1流路孔154をさらに含んでもよい。例示的な実施形態において、第1のエンドプレート150は、複数の第1流路孔154を含んでもよい。第1流路孔154は、第1のエンドプレート150を通過してシリンダ内部116(図2参照)へMR流体を流すことができるように構成される。
【0025】
例示的な実施形態において、シリンダ第1端112は、第1のエンドプレート150の表面と略一致してもよく、シリンダ第2端114は、第2のエンドプレート160の表面と略一致してもよい。この実施形態では、第1のエンドプレート150及び第2のエンドプレート160は、接着剤、はんだ、溶接、圧着、摩擦攪拌溶接、又は他の適切な接合方法を介して中空シリンダ110に貼付されてもよい。代替の例示的な実施形態では、第1のエンドプレート150及び第2のエンドプレート160の外径は、第1のエンドプレート150及び第2のエンドプレート160が中空シリンダ110内に受容され得るように寸法的に構成されてもよい。本実施形態において、第1のエンドプレート150及び第2のエンドプレート160は、上述したように、中空シリンダ110に接合されてもよい。
【0026】
あるいは、第1のエンドプレート150及び第2のエンドプレート160は、軸筒110との摩擦係合を介して中空軸筒110に対して軸方向に固定されてもよい。
【0027】
ワイヤーコイル170は、中空シリンダ110の周囲に周方向に巻かれたワイヤであってもよい。ワイヤーコイル170は、電流がワイヤーコイルに流されたときに発生する磁場が、内部室190内で長手方向軸線10に実質的に平行になるように寸法構成されていてもよい。さらに、ワイヤーコイル170によって生成される磁場は、第1のチャネル180及び第2のチャネル182内で長手方向軸10に垂直な、すなわち、MR流体の流れ方向に垂直な重要な成分を有していてもよい。
【0028】
図4Aは、磁力線600を有するMR流体バルブ100の例示的な実施形態を示している。領域602で見られるように、第1のチャネル180内の磁場は、長手方向軸10に垂直な重要な成分を有する。同様に、領域604で見られるように、第2のチャネル182内の磁場は、長手方向軸10に垂直な有意な成分を有することが分かる。図4Aに示される磁場線600は、説明のためのみの大まかな近似であり、MR流体バルブ100内の方向磁場を正確に示すことを意図していないことが理解されるであろう。
【0029】
磁場が第1のチャネル180及び第2のチャネル182を通過するとき、長手方向軸10に垂直な磁場の成分は、MR流体に作用してその粘性を変化させ、MR流体を低流動状態にすることがある。MR流体の低流量状態は、第1のチャネル180及び第2のチャネル182の小さな断面積と組み合わせて、MR流体を、MR流体バルブ100を通るそれ以上のMR流体の通過を防止するプラグに効果的に変換し得る。磁場を除去すると、MR流体は通常の流動状態に戻り、MR流体バルブ100を通る流動を再開することができる。
【0030】
図5に見られるように、第1のカップリング192及び第2のカップリング194は、MR流体バルブ100に動作可能に結合されてもよい。第1のカップリング192は、MR流体バルブ100を、MR流体供給と流体連通している第1のチューブ206と流体連通させてもよい。第2のカップリング194は、MR流体バルブ100を、本明細書で議論するようなピンアセンブリと流体連通している第2のチューブ208と流体連通させてもよい。
【0031】
図6は、油圧ピンシステム200の例示的な実施形態を示している。油圧ピンシステムは、圧力下で流体を供給するように構成されたポンプ202を含んでもよい。例示的な実施形態において、流体は、本明細書に記載されるようなMR流体であってよい。油圧ピンシステム200は、流体の流れを調節するように構成されたバルブ203をさらに含んでもよい。例示的な実施形態では、バルブ203は、本明細書に記載されるようなMR流体バルブ100であってよい。バルブ203は、第1チューブ206を介してポンプ202と流体連通していてもよい。液圧ピンシステムは、ピンアセンブリ204をさらに含んでもよい。ピンアセンブリ204は、第2のチューブ208を介してバルブ203と流体連通していてもよい。
【0032】
図7図8は、ピンアセンブリ204の例示的な実施形態を示す。
ピンアセンブリは、ピン本体210と、ピンチューブ212とを含んでもよい。
ピン本体210は、ピンチューブ212の外周に適合するように寸法的に構成されてもよい。例示的な実施形態では、ピンチューブ212は、図6に示される第2チューブ208と同じ構造であってよい。
代替の例示的な実施形態では、ピンチューブ212は、第2のチューブ208とは異なる構造であってもよく、代わりに第2のチューブ208と流体連通していてもよい。
【0033】
図7は、格納位置にあるピンアセンブリ204を示す。流体が圧力下でピンチューブ212内に供給されると、流体は、図8に見られるように、ピン本体210を拡張させる。図6のバルブ203が、流体の流れを止めるために閉じられる(すなわち、作動させられる)と、ピン本体210は、拡張位置に留まる。図6のバルブ203が開いている(すなわち、非活性化されている)とき、流体の流れは、ピン本体210を拡張又は後退させることが許可される。
【0034】
図9図10は、ピンアセンブリ220の例示的な実施形態を示す。ピンアセンブリ220において、図7図8のピン本体210は、ピンシャフト224及びピンヘッド222に置き換えられている。ピンシャフト222は、ピンチューブ212の内部に適合するように寸法的に構成されてもよい。図9は、格納位置にあるピンアセンブリ220を示す。流体が圧力下でピンチューブ212内に供給されると、流体はピンシャフト224及びピンヘッド222を拡張させる。図6のバルブ203が流体の流れを止めるために閉じられる(すなわち、作動させられる)と、ピンシャフト224及びピンヘッド222は、伸長位置に留まる。図6のバルブ203が開いている(すなわち、非活性化されている)とき、流体の流れは、ピンシャフト224及びピンヘッド222を伸長又は収縮させることを許可される。
【0035】
図32は、ピンアセンブリ230の例示的な実施形態を示す。ピンアセンブリ230は、図7-8のピン本体210を含むが、ピン本体210の遠位端210aに又は近接して、加熱要素236及びプラグ238の少なくとも1つを含むように変更されている。チューブ212に対するピン本体210の動きは、それ以外は、図7及び図8に示される配置に関して上述したものと同じである。
【0036】
発熱体236は、電力源に電気的に接続されてもよく、加熱コイルとして形成されてもよい。発熱体236は、ピン本体210を形成するための成形操作の間に発熱体を埋め込むことを含むがこれに限定されない様々な方法でピン本体210に接続されてもよい。加熱要素236の加熱から発生する熱は、ピン本体210の遠位端210aの温度を上昇させ、遠位端210aに隣接する任意の成形可能材料の硬化を補助するために使用されてもよい。
【0037】
プラグ238は、ピン本体210の遠位端210aの開口部210bを閉じるように構成される。開口部210bは、チューブ212と流体連通している。プラグ238を取り外すと、流体、すなわち磁気粘性流体の充填又は取出しのためなど、ピン本体210及びチューブ212の内部へのアクセスが可能になる。プラグ238は、図32に示すように、ねじ式の止めねじであってもよい。図32に示すように、発熱体236は、プラグ238を取り囲むか、さもなければ、プラグ238を取り囲んでいてもよい。
【0038】
図11は、可変モールド300の例示的な実施形態を示している。可変モールド300は、ポンプ310と、ポンプ310と流体連通しているマニホールド320と、マニホールド320と流体連通している複数の油圧ピンシステム330と、ポンプ及び複数の油圧ピンシステム330に動作可能に結合されたコントローラ340と、コントローラ340に動作可能に結合されたピン位置検出器350とを含んでもよい。油圧ピンシステム330は、各ピンシステム330の長手方向軸が実質的に平行であり、2次元マトリックスに配置されるように配置された、合計N個の油圧ピンシステム(Nは整数)を含んでもよい。
例示的な実施形態では、各油圧ピンシステム330は、図6を参照して説明した油圧ピンシステム200であってもよいが、ポンプ310が可変モールド300に提供されるので、ポンプ202は含まれない。
各油圧ピンシステム330は、ピン332を含んでもよい(図13参照)。
【0039】
ポンプ310は、加圧された流体をマニホールド320に供給してもよい。例示的な実施形態において、流体は、本明細書に記載されるようなMR流体であってよい。マニホールド320は、順に、加圧された流体を油圧ピンシステム330の各々に供給する。ピン位置検出器350は、油圧ピンシステム330の各ピン332が伸長する際の伸長距離を検出するように構成されていてもよい。例えば、ピン位置検出器150は、各ピン332へのレーザビームの飛行時間に基づいて伸長距離を検出するように構成された一連のレーザ及び検出器から構成されてもよい。あるいは、ピン位置検出器150は、ピン332の画像を撮影するように構成された1つ以上のカメラを含んでもよい。
【0040】
コントローラ340は、これらの画像を使用して、ピン位置検出器150内のカメラの既知の位置に基づいてピン332の位置を写真測量的に計算するように構成されてもよい。代替の実施形態では、各油圧ピンシステム330は、バルブを通って流れた流体の量を検出するように構成された流量検出器を含んでもよく、この流量検出器は、コントローラ340に動作可能に結合され、各ピン332がどの程度延びたかを決定するために使用されてもよい。コントローラ340は、油圧ピンシステム330の各々のバルブに動作可能に結合されてもよい。
【0041】
コントローラ340は、所望の形状を作成するために、可変モールド300の各ピン332の必要な伸長距離を記述する予めプログラムされたファイルを格納するように構成されてもよい。コントローラ340は、ピン位置検出器350を介して各ピンの位置を監視し、ピン332が所定の距離を伸長したときに対応するバルブを閉じるように構成されてもよい。例示的な実施形態では、コントローラ340は、MR流体バルブ100のワイヤーコイル170を介して電流を送ることによって、対応するバルブを閉じてもよい(例えば、図2参照)。
【0042】
図12は、マニホールド320の例示的な実施形態を示している。マニホールド320は、ポンプ310(図11を参照)と流体連通するための入口ポート322を含んでもよい。マニホールドは、油圧ピンアセンブリ330(図11参照)の各々と流体連通するための複数の出口ポート324をさらに含んでもよい。
【0043】
図13は、可変モールド300の例示的な斜視図である。例示的な実施形態において、ピン332の各々は、六角形の形状を有してよく(図14も参照)、ピン332の各々の間の空間を最小にするようにハニカムパターンで配置されてよい。図13に示された例示的な実施形態は120本のピン332を示しているが、図13の実施形態は例示的なものに過ぎず、可変モールド300はこの構成に限定されないことは理解されよう。可変モールドは、数万、数十万、又はそれ以上のピン332を含む、任意の所望のサイズまで構成可能であることが想定される。
【0044】
例示的な実施形態では、磁気シールドは、液圧ピンアセンブリ330の各磁気コイル170の周囲に提供されてもよい。磁気シールドは、第1の磁気コイル170によって生成された磁場が、隣接する又はそうでなければ近くの液圧ピンアセンブリ330内のMR流体に干渉するのを防ぐように構成されていてもよい。例示的な実施形態では、磁気遮蔽体は、鉄などの高透磁率材料で形成されてもよい。例示的な実施形態では、磁気シールドは、MR流体バルブ100の周囲に嵌る金属スリーブであってもよい。
【0045】
さらに、例示的な実施形態では、各磁気コイル170の周囲に熱遮蔽体及び/又は熱絶縁体が設けられてもよい。熱シールドは、活性化された磁気コイルからのオーミック加熱によって引き起こされる熱の熱伝導を停止するように構成されてもよい。
【0046】
例示的な実施形態において、冷却システムは、MR流体バルブ100の周囲に提供されてもよい。冷却システムは、より高い電流及び磁気密度を可能にするように、オーミック加熱を介して磁気コイルから発生する熱に対抗するのを助けることができる。例示的な実施形態では、冷却システムは、MR流体バルブが配置される流体密室と、流体密室を通して冷却流体を積極的にポンピングすることとを含んでもよい。代替の例示的な実施形態では、受動的対流冷却システムが使用されてもよい。
【0047】
本明細書に記載される少なくとも例示的な実施形態は、MR流体の使用について説明する。本明細書の目的のために、MR流体は、磁場を受けると見かけの粘度が増加する流体であることが理解されよう。例示的な実施形態では、MR流体は、磁場を受けると粘弾性固体となることができる。
【0048】
例示的な実施形態において、MR流体は、ロード社製のMRF-140bC Magneto-Rheological Fluid;ロード社製のMRF-140CG Magneto-Rheological Fluid;又はガリウム系液体金属であってもよい。しかしながら、これらの例は例示的なものであって限定的なものではなく、他のMR流体も本明細書に記載の構造で使用できることが理解されよう。ガリウム系MR(GMR)流体が使用される例示的な実施形態では、流体システム(すなわち、流体リザーバ、マニホールド320、MR流体バルブ100、流体供給ライン)の温度は、GMR流体の融点より高くされてもよい。次に、コントローラ340(図11参照)は、ポンプを制御して、ピン332を拡張するように、マニホールドを介してGMR流体をMR流体バルブ100に流してもよい。
【0049】
コントローラ340は、個々のピン332がその所定の伸長距離に達すると、GMR流体の流れを停止するようにMR流体バルブ100を選択的に制御してもよい。全てのピン332が所望の位置になると、冷却剤システムを用いて、MR流体バルブ100の周囲の温度をGMR流体の融点よりも低い点まで下げ、それによってMR流体バルブ100内のGMRを固化させても良い。その後、磁気コイル170をオフにしてもよく、MR流体バルブ100は、固化したGMR流体により閉じた状態のままとなる。ピン332をリセットするために、冷却水システムを制御してMR流体バルブ100の周囲の温度をGMR流体の融点よりも高くし、負圧をかけることによってGMR流体を油圧ピンアセンブリ330から汲み上げてもよい。GMR流体を使用し、冷却システムを介して温度を制御することにより、オートクレーブ圧力(すなわち、100psi以上)の環境下で可変モールド300を使用することができるようになる場合がある。これにより、例えば、航空宇宙用途の部品の製造において、可変モールド300を使用することができるであろう。
【0050】
図15は、MR流体バルブ400の例示的な実施形態である。MR流体バルブ400は、MR流体バルブ100の代替品としてあってもよい。MR流体バルブ400は、中空シリンダ410を含んでもよい。中空シリンダ410の内部は、第1大径部411と、小径部414と、第2大径部412とに分割されていてもよい。小径部414の周囲には、磁気コイル416が設けられてもよい。磁気コイル416に電力が供給されると、結果として生じる磁場が小径部414内のMR流体の粘性を高め、それによってMR流体を粘弾性流体に変え、小径部414を通るMR流体の流動を停止させることがある。
【0051】
図16図17は、動作原理を示すためのスケールモデル可変モールド500の例示的な実施形態である。MR流体を供給するためのポンプをモデル化するために、シリンジ502が使用されてもよい。シリンジは、流体入口516を介してマニホールド510にMR流体を供給してもよい。シリンジ502から圧力を受けている間、MR流体は、チャンバ520に設けられたMR流体バルブ560を通って流れてもよい。個々のMR流体バルブ560は、制御カップリング540(図17参照)から制御線(図示せず)を介して伝送される制御信号を介して制御されてもよい。外部ケーブル(図示せず)は、制御カップリングをコントローラに動作可能に結合してもよい。制御バルブ560から、MR流体は、ピン530を延ばしてもよい。ピン530が延びるときに、ピン530の機械的支持を提供するために、フレーム532が提供されてもよい。
【0052】
図16図17にさらに見られるように、可変モールド500は、マニホールド510を介して温度制御流体を循環させるために用いられるマニホールド温度流体入口512及びマニホールド温度流体出口514を含んでもよい。
温度制御流体は、上述したように、GMR流体の状態を遷移させるために使用されてもよい。
さらに、可変モールドは、チャンバ温度流体入口522及びチャンバ温度流体出口524(図16)を含んでもよく、これらは、チャンバ520を介して温度制御流体を循環させるために使用されてもよい。
【0053】
図18は、マニホールド510の例示的な実施形態を示している。
マニホールド510は、マニホールドベースプレート570と、流体フローデバイダ550とを含んでもよい。
流体入口516を介してマニホールドに供給されたMR流体は、内部流路572に流れることになる。
そして、MR流体は、流体フローデバイダ内に設けられた複数のバルブ流体入口550の各々を通過することになる。
バルブ流体入口550の各々は、MR流体バルブ560の1つと流体連通していてもよい(図16図17を参照)。
【0054】
図19図31は、様々な厚さの磁気シールドを使用する単一MR流体バルブ100のモデルに対する有限要素法磁気学(FEMM)データを示す様々な図表である。
データは、磁気コイル170を流れる2アンペアのDC電流を想定して作成された。磁気コイル170は、FEMMデータの目的のために、376個のコイルターンを含んでいた。FEMMデータを作成する際に考慮したMR流体は、ロード社製のMRF-140CGである。
【0055】
図19は、FEMMデータの生成に使用されたMR流体バルブの解析レイアウトの概要を示す図である。図20は、横方向の解析ラインに沿って測定された磁場強度を示すプロットのX軸を示す図である。図21は、MR流体チャンネルに中心的な軸方向分析線に沿って測定された磁場強度を示すプロットに対するX軸を示す図である。
【0056】
図22-23は、磁気シールドを有しないMR流体バルブの磁界強度を示す。図22に見られるように、MR流体バルブの幾何学的形状をはるかに超えて伸びる著しい磁場があり、これは、完全可変モールドアセンブリにおける隣接するMR流体バルブの動作に干渉を引き起こす可能性がある。
【0057】
図24図31は、0.002インチ厚から0.02インチ厚までの範囲の磁気遮蔽体の厚さを変えた場合の磁界強度のプロットを示している。図24図26図28図30に見られるように、磁気シールドは、MR流体バルブのジオメトリの外側の磁場の強さを著しく減少させる。これにより、隣接するMR流体バルブが互いに干渉することなく独立して動作することが可能になると考えられる。
【0058】
本開示は、様々な実施形態、構成、及び側面において、本明細書に描かれ、説明されるような構成要素、方法、プロセス、システム、及び/又は装置を含み、それらの様々な実施形態、サブコンビネーション、及びサブセットを含む。 本開示は、様々な実施形態、構成、及び態様において、例えば、本明細書に描かれていない及び/又は説明されていないが、当技術分野において周知又は理解されており、本開示と一致する可能性のある構成要素又はプロセスを実際に又は任意に使用又は含めることを企図する。
【0059】
本開示の実施形態は、多数の他の汎用又は特殊目的のコンピューティングシステム環境又は構成で動作可能である。本明細書に記載されたシステム及び方法と共に使用するのに適している可能性のあるコンピューティングシステム、環境、及び/又は構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルド又はラップトップ装置、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブル家電、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームPC、上記の任意のシステム又は装置を含む分散コンピューティング環境、及び同様のものがあるが、それだけに限られるわけではない。
【0060】
本開示の実施形態は、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能な命令がコンピュータによって実行されるという一般的な文脈で説明され得る。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含んでもよい。本明細書に記載されたシステム及び方法は、通信ネットワークを介してリンクされるリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境でも実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶装置を含むローカル及びリモートのコンピュータ記憶媒体の両方に配置されてもよい。
【0061】
プログラム及びモジュールによって実行されるタスクは、以下に、図の助けを借りて説明される。当業者は、本開示による対応するコンピューティング環境において、任意の形態のコンピュータ可読媒体に書き込むことができるプロセッサ実行可能命令として、例示的な実施形態を実装することができる。
【0062】
少なくとも1つ」、「1つ以上」、「及び/又は」という表現は、動作上、接続法でも分離法でもある自由形式である。 例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」;「A、B、又はCの少なくとも1つ」;「A、B及びCの1つ以上」;「A、B、又はCの1つ以上」;「A、B、及び/又はC」という表現のそれぞれは、A単独、B単独、C単独、A及びB一緒、A及びC一緒、B及びC一緒、又はA、B、及びC一緒を意味している。
【0063】
本明細書及びそれに続く請求項において、以下の意味を有する多数の用語が参照されるであろう。用語「a」(又は「an」)及び「the」は、その実体の1つ以上を指し、それにより、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の参照語を含む。このように、用語「a」(又は「an」)、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」は、本明細書において交換可能に使用することができる。さらに、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」等への言及は、言及された特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を排除すると解釈することを意図していない。
【0064】
本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される近似語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく許容的に変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用され得る。従って、「約」などの用語によって修正された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。場合によっては、近似的な表現は、値を測定するための機器の精度に対応することがある。「第1」、「第2」、「上」、「下」などの用語は、ある要素を別の要素から識別するために使用され、特に指定しない限り、特定の順序又は要素の数を指すことを意味するものではない。
【0065】
本明細書で使用する場合、用語「かもしれない(may)」及び「かもしれない(may be」は、一連の状況内での発生の可能性、特定の特性、特徴又は機能の所有、及び/又は修飾動詞に関連する能力、能力又は可能性の一つ以上を表現することにより他の動詞を修飾することを示す。従って、"may "及び "may be "の使用は、ある状況下では修正された用語が時には適切、有能、又は適切でない場合があることを考慮しながら、示された能力、機能、又は用途に対して明らかに適切、有能、又は適切であることを示すものである。
例えば、ある状況では事象や能力が期待できるが、他の状況では事象や能力が発生しない。この区別は、"may" と "may be" という用語によって把握される。
【0066】
特許請求の範囲で使用される場合、単語「comprises」及びその文法的な変形は、論理的に、例えば、これに限定されないが、「consisting essentially of」及び「consisting of」のような、様々で異なる範囲のフレーズを従属し含むものでもある。必要な場合には、範囲が示されており、それらの範囲は、その間のすべての下位範囲を含むものである。本開示が特定の実施形態における特定の範囲の使用を明確にしている場合を除き、添付の特許請求の範囲は、範囲のバリエーションをカバーすることが期待される。
【0067】
本書で使用する用語「決定する」、「計算する」、「算出する」、及びその変形は、互換的に使用され、あらゆる種類の方法論、プロセス、数学的操作又は技術を含む。
【0068】
本開示は、例示及び説明の目的で提示される。本開示は、本明細書に開示された形態又は形態に限定されるものではない。本開示の詳細な説明において、例えば、いくつかの例示的な実施形態の様々な特徴は、特徴のすべての潜在的な実施形態、変形、及び組み合わせの説明を本開示に含めることが実行可能でない程度に、それら及び他の企図される実施形態、構成、及び側面を代表的に説明するためにグループ化されたものである。従って、開示された実施形態、構成、及び態様の特徴は、上記で明示的に議論されていない代替の実施形態、構成、及び態様において組み合わされることができる。例えば、以下の請求項に記載された特徴は、単一の開示された実施形態、構成、又は態様の全ての特徴よりも少ない特徴にある。従って、以下の請求項は、本詳細説明に組み込まれ、各請求項は、本開示の別個の実施形態として、それ自体で成立する。
【0069】
科学技術の進歩により、本開示の用語で必ずしも表現されないバリエーションが提供される可能性があるが、特許請求の範囲ではこれらのバリエーションを必ずしも排除するものではない。
図1
図2
図3
図4
図4A
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図12
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図14
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図16
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