(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-27
(45)【発行日】2023-12-05
(54)【発明の名称】フォトレジスト除去方法及びフォトレジスト除去システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/027 20060101AFI20231128BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20231128BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231128BHJP
【FI】
H01L21/30 572B
H01L21/306
H01L21/304 651
(21)【出願番号】P 2022514795
(86)(22)【出願日】2021-09-08
(86)【国際出願番号】 CN2021117270
(87)【国際公開番号】W WO2022205776
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】202110340148.X
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 仲平
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 文▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】戴 茂春
(72)【発明者】
【氏名】淮 ▲賽▼男
(72)【発明者】
【氏名】周 宇
【審査官】牧 隆志
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107665810(CN,A)
【文献】特開2013-211377(JP,A)
【文献】特開2019-207948(JP,A)
【文献】特開平02-130553(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0313986(US,A1)
【文献】特開2005-191587(JP,A)
【文献】特開2003-088789(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/377951(US,A1)
【文献】米国特許第5858106(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
H01L 21/304
H01L 21/306
G03F 7/26 - 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ライン設備が実行する、フォトレジスト除去方法であって、前記方法は、
ターゲットウエハを取得するステップであって、前記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ前記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、前記金属架空層は三次元中空構造を有する、ステップと、
前記ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬するステップと、
前記第1時間長さの終了に応答し、新しい前記第1有機溶剤を使用して前記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うステップと、
前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行うステップと、
前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去するステップと、
ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得するステップであって、前記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む、ステップと、を
含み、
前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行う前記ステップは、
洗い流し後の前記ターゲットウエハを第2温度の前記第1有機溶剤中に置くステップと、
前記第2温度の前記第1有機溶剤を収容する容器を、前記容器の底部が超音波洗浄水面と接触するように前記容器を保持し、超音波洗浄の震動が前記超音波洗浄水面の震動のみによって前記容器の底部のみに伝達されるようにする、ステップと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記容器中の前記ターゲットウエハに対して前記第2時間長さの超音波洗浄を行うステップと、を含む、フォトレジスト除去方法。
【請求項2】
洗い流し後の前記ターゲットウエハを第2温度の前記第1有機溶剤中に置く前記ステップは、
洗い流し後の前記ターゲットウエハを、ターゲット角度で前記第2温度の前記第1有機溶剤中に置くステップを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記ターゲット角度は45度である、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である、請求項1~
3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去する前記ステップは、
前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハを第2有機溶剤中に配置するステップと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記ターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得する前記ステップは、
溶剤除去後の前記ターゲットウエハを紙面上に立てて、初期の乾燥処理を行うステップと、
初期の乾燥処理の終了に応答し、前記ターゲット処理方式によって前記ターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記遠心脱水とはターゲット回転数で前記ターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ターゲット回転数は3000回転/分である、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第4時間長さは35秒である、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、前記第1温度は80℃であり、前記第1時間長さは96時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、前記第1温度は85℃であり、前記第1時間長さは4時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記金属架空層はエアブリッジ構造である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
フォトレジスト除去システムであって、前記フォトレジスト除去システムは、ウエハ取得装置と、水浴浸漬装置と、洗い流し装置と、超音波洗浄装置と、残留溶剤除去装置と、乾燥処理装置と、を含み、
前記ウエハ取得装置は、ターゲットウエハを取得することに用いられ、前記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ前記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、前記金属架空層は三次元中空構造を有し、
前記水浴浸漬装置は、前記ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬することに用いられ、
前記洗い流し装置は、前記第1時間長さの終了に応答し、新しい前記第1有機溶剤を使用して前記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うことに用いられ、
前記超音波洗浄装置は、前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられ、
前記残留溶剤除去装置は、前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することに用いられ、
前記乾燥処理装置は、ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、前記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを
含み、
前記超音波洗浄装置は、洗い流し後の前記ターゲットウエハを第2温度の前記第1有機溶剤中に置くことと、
第2温度の前記第1有機溶剤を収容する容器を前記容器の底部が超音波洗浄水面と接触するように前記容器を保持し、超音波洗浄の震動が前記超音波洗浄水面の震動のみによって前記容器の底部のみに伝達されるようにする、ことと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記容器中の前記ターゲットウエハに対して前記第2時間長さの超音波洗浄を行うことと、に用いられる、フォトレジスト除去システム。
【請求項14】
前記超音波洗浄装置は、洗い流し後の前記ターゲットウエハを、ターゲット角度で前記第2温度の前記第1有機溶剤中に置くことに用いられる、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ターゲット角度は45度である、請求項
14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である、請求項
13~15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記残留溶剤除去装置は、前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハを第2有機溶剤中に配置することと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記ターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することと、に用いられる、請求項
13に記載のシステム。
【請求項18】
前記乾燥処理装置は、溶剤除去後の前記ターゲットウエハを紙面上に立てて、初期の乾燥処理を行うことと、
初期の乾燥処理の終了に応答し、前記ターゲット処理方式によって前記ターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することと、に用いられる、請求項
13に記載のシステム。
【請求項19】
前記遠心脱水とはターゲット回転数で前記ターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す、請求項
13に記載のシステム。
【請求項20】
前記ターゲット回転数は3000回転/分である、請求項
19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第4時間長さは35秒である、請求項
19に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、前記第1温度は80℃であり、前記第1時間長さは96時間である、請求項
13に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、前記第1温度は85℃であり、前記第1時間長さは4時間である、請求項
13に記載のシステム。
【請求項24】
前記金属架空層はエアブリッジ構造である、請求項
13に記載のシステム。
【請求項25】
生産ライン設備であって、前記生産ライン設備は水浴浸漬機と、洗い流し器と、超音波洗浄機と、遠心機と、を含み、
前記水浴浸漬機は、ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬することに用いられ、前記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ前記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、前記金属架空層は三次元中空構造を有し、
前記洗い流し器は、前記第1時間長さの終了に応答し、新しい前記第1有機溶剤を使用して前記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うことに用いられ、
前記超音波洗浄機は、前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行い、且つ前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することに用いられ、
前記遠心機は、ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、前記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを
含み、
前記超音波洗浄機は、前記ターゲット超音波出力に基づき容器中の前記ターゲットウエハに対して前記第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられ、
前記容器中に第2温度の前記第1有機溶剤が収容されており、且つ洗い流し後の前記ターゲットウエハが配置されており、前記容器は、前記容器の底部が超音波洗浄水面と接触するように保持され、超音波洗浄の震動が前記超音波洗浄水面の震動のみによって前記容器の底部のみに伝達されるようにする、生産ライン設備。
【請求項26】
前記超音波洗浄機は、洗い流し後且つターゲット角度で前記第2温度の前記第1有機溶剤中に置かれた前記ターゲットウエハに対して、ターゲット超音波出力に基づき前記第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられる、請求項
25に記載の設備。
【請求項27】
前記ターゲット角度は45度である、請求項
26に記載の設備。
【請求項28】
前記ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である、請求項
25~
27のいずれかに記載の設備。
【請求項29】
前記超音波洗浄機は、前記第2時間長さの終了に応答し、前記第1有機溶剤を第2有機溶剤に置き換えることと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記ターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することと、に用いられる、請求項
25に記載の設備。
【請求項30】
前記遠心機は、初期の乾燥処理の終了に応答し、前記ターゲット処理方式によって前記ターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、前記初期の乾燥処理とは溶剤除去後の前記ターゲットウエハを紙面上に立てることを指す、請求項
25に記載の設備。
【請求項31】
前記遠心脱水とはターゲット回転数で前記ターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す、請求項
25に記載の設備。
【請求項32】
前記ターゲット回転数は3000回転/分である、請求項
31に記載の設備。
【請求項33】
前記第4時間長さは35秒である、請求項
31に記載の設備。
【請求項34】
前記第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、前記第1温度は80℃であり、前記第1時間長さは96時間である、請求項
25に記載の設備。
【請求項35】
前記第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、前記第1温度は85℃であり、前記第1時間長さは4時間である、請求項
25に記載の設備。
【請求項36】
前記金属架空層はエアブリッジ構造である、請求項
25に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願はチップ製造の技術分野に関し、特にフォトレジスト除去方法及びフォトレジスト除去システムに関する。
【0002】
本願は2021年3月30日に提出された、出願番号が第202110340148.X号であり、発明の名称が「フォトレジスト除去方法及びフォトレジスト除去システム」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容は引用によって本願中に組み合わせられる。
【背景技術】
【0003】
チップの製造過程において、フォトレジストを利用してコンポーネント、例えば重要なコンポーネントであるエアブリッジを構築する必要があり、コンポーネント構築完了後に、余分なフォトレジストに対してレジスト除去処理を行う必要がある。
【0004】
関連技術においては、フォトレジストに対してレジスト除去処理を行うときに、通常、乾式レジスト除去方法を採用しフォトレジストに対して除去を行う。例えばplasmaプラズマレジスト塗布法を採用してフォトレジストに対して除去を行い、乾式レジスト除去によってフォトレジスト除去を行うときに、高周波電圧を印加する必要があり、フォトレジストとその他のイオンとの間の反応をトリガーし、それにより除去しやすい反応物を生成し、それによりフォトレジストの除去を実現する。
【0005】
しかし、上記方法においては、高周波電圧を印加して関連反応の発生をトリガーする必要があり、該過程において、高周波電圧はコンポーネントに対して衝撃が発生することになり、それによりコンポーネントの表面又は構造に対して一定の損傷をもたらし、獲得したコンポーネントの製品品質を比較的低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例はフォトレジスト除去方法及びフォトレジスト除去システムを提供し、フォトレジスト除去効果を向上させると同時に、コンポーネントの製品品質を向上させることができる。該技術的手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様は、フォトレジスト除去方法を提供しており、前記方法は、
ターゲットウエハを取得するステップであって、前記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ前記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、前記金属架空層は三次元中空構造を有する、ステップと、
前記ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬するステップと、
前記第1時間長さの終了に応答し、新しい前記第1有機溶剤を使用して前記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うステップと、
前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行うステップと、
前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去するステップと、
ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得するステップであって、前記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む、ステップと、を含む。
【0008】
別の態様は、フォトレジスト除去システムを提供しており、前記システムは、ウエハ取得装置と、水浴浸漬装置と、洗い流し装置と、超音波洗浄装置と、残留溶剤除去装置と、乾燥処理装置と、を含み、
前記ウエハ取得装置は、ターゲットウエハを取得することに用いられ、前記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ前記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、前記金属架空層は三次元中空構造を有し、
前記水浴浸漬装置は、前記ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬することに用いられ、
前記洗い流し装置は、前記第1時間長さの終了に応答し、新しい前記第1有機溶剤を使用して前記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うことに用いられ、
前記超音波洗浄装置は、前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられ、
前記残留溶剤除去装置は、前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することに用いられ、
前記乾燥処理装置は、ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、前記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む。
【0009】
一種の可能な実現方式においては、前記超音波洗浄装置は、洗い流し後の前記ターゲットウエハを第2温度の前記第1有機溶剤中に置くことと、
前記第2温度の前記第1有機溶剤を収容する容器を超音波洗浄水面上に浮かべることであって、前記容器の底部は前記超音波洗浄水面と接触する、ことと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記容器中の前記ターゲットウエハに対して前記第2時間長さの超音波洗浄を行うことと、に用いられる。
【0010】
一種の可能な実現方式においては、前記超音波洗浄装置は、洗い流し後の前記ターゲットウエハを、ターゲット角度で前記第2温度の前記第1有機溶剤中に置くことに用いられる。
【0011】
一種の可能な実現方式においては、前記ターゲット角度は45度である。
【0012】
一種の可能な実現方式においては、前記ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である。
【0013】
一種の可能な実現方式においては、前記残留溶剤除去装置は、前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハを第2有機溶剤中に配置することと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記ターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することと、に用いられる。
【0014】
一種の可能な実現方式においては、前記乾燥処理装置は、溶剤除去後の前記ターゲットウエハを紙面上に立てて、初期の乾燥処理を行うことと、
初期の乾燥処理の終了に応答し、前記ターゲット処理方式によって前記ターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することと、に用いられる。
【0015】
一種の可能な実現方式においては、前記遠心脱水とはターゲット回転数で前記ターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す。
【0016】
一種の可能な実現方式においては、前記ターゲット回転数は3000回転/分である。
【0017】
一種の可能な実現方式においては、前記第4時間長さは35秒である。
【0018】
一種の可能な実現方式においては、前記第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、前記第1温度は80℃であり、前記第1時間長さは96時間である。
【0019】
一種の可能な実現方式においては、前記第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、前記第1温度は85℃であり、前記第1時間長さは4時間である。
【0020】
一種の可能な実現方式においては、前記金属架空層はエアブリッジ構造である。
【0021】
別の態様は、生産ライン設備を提供しており、前記設備は水浴浸漬機と、洗い流し器と、超音波洗浄機と、遠心機と、を含み、
前記水浴浸漬機は、ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬することに用いられ、前記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ前記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、前記金属架空層は三次元中空構造を有し、
前記洗い流し器は、前記第1時間長さの終了に応答し、新しい前記第1有機溶剤を使用して前記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うことに用いられ、
前記超音波洗浄機は、前記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の前記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行い、且つ前記第2時間長さの終了に応答し、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することに用いられ、
前記遠心機は、ターゲット処理方式によって溶剤除去後の前記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、前記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む。
【0022】
一種の可能な実現方式においては、前記超音波洗浄機は、前記ターゲット超音波出力に基づき容器中の前記ターゲットウエハに対して前記第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられ、
前記容器中に第2温度の前記第1有機溶剤が収容されており、且つ洗い流し後の前記ターゲットウエハが配置されており、前記容器は超音波洗浄水面上に浮かべられ、前記容器の底部は前記超音波洗浄水面と接触する。
【0023】
一種の可能な実現方式においては、前記超音波洗浄機は、洗い流し後且つターゲット角度で前記第2温度の前記第1有機溶剤中に置かれた前記ターゲットウエハに対して、ターゲット超音波出力に基づき前記第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられる。
【0024】
一種の可能な実現方式においては、前記ターゲット角度は45度である。
【0025】
一種の可能な実現方式においては、前記ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である。
【0026】
一種の可能な実現方式においては、前記超音波洗浄機は、前記第2時間長さの終了に応答し、前記第1有機溶剤を第2有機溶剤に置き換えることと、
前記ターゲット超音波出力に基づき前記ターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、前記ターゲットウエハの表面に残留した前記第1有機溶剤を除去することと、に用いられる。
【0027】
一種の可能な実現方式においては、前記遠心機は、初期の乾燥処理の終了に応答し、前記ターゲット処理方式によって前記ターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後の前記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、前記初期の乾燥処理とは溶剤除去後の前記ターゲットウエハを紙面上に立てることを指す。
【0028】
一種の可能な実現方式においては、前記遠心脱水とはターゲット回転数で前記ターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す。
【0029】
一種の可能な実現方式においては、前記ターゲット回転数は3000回転/分である。
【0030】
一種の可能な実現方式においては、前記第4時間長さは35秒である。
【0031】
一種の可能な実現方式においては、前記第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、前記第1温度は80℃であり、前記第1時間長さは96時間である。
【0032】
一種の可能な実現方式においては、前記第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、前記第1温度は85℃であり、前記第1時間長さは4時間である。
【0033】
一種の可能な実現方式においては、前記金属架空層はエアブリッジ構造である。
【0034】
別の態様は、可読記憶媒体を提供しており、前記可読記憶媒体中に少なくとも1つのコンピュータプログラムが記憶されており、前記少なくとも1つのコンピュータプログラムはプロセッサによりロードされ且つ実行されて前記フォトレジスト除去方法を実現する。
【0035】
本願が提供する技術的手段は以下の有益な効果を含んでもよい。
【0036】
表面にフォトレジストを有し、同時にフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされているターゲットウエハを、第1温度の第1有機溶剤中に第1時間長さで水浴浸漬した後に、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行い、第1有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う。ここで超音波洗浄がターゲット超音波出力を採用し、洗浄終了後のターゲットウエハに対して溶剤除去及び乾燥処理を行うことによって、レジスト除去処理後のターゲットウエハを獲得し、フォトレジスト除去過程において、同一種のレジスト除去溶剤(第1有機溶剤)を使用して2ステップの処理(水浴浸漬及び超音波洗浄)によってフォトレジストに対する除去を実現できるようにし、フォトレジストの残留を減少させ、フォトレジストの処理効果を向上させる。同時に、遠心脱水とガスパージとを組み合わせる方式によって湿式処理後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、ガスパージのみを利用して処理する過程において気流を制御しにくいという原因で金属デバイスに対してもたらす損傷を回避し、獲得した金属デバイスの製品品質を向上させる。
【0037】
ここでの図面は明細書中に組み込まれ且つ本明細書の一部分を構成し、本願に合致する実施例を示し、且つ明細書とともに本願の原理を解釈することに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本願の一例示的実施例に示されるLift-Offプロセスの模式図を示す。
【
図2】本願の一例示的実施例が提供するフォトレジスト除去方法のフローチャートを示す。
【
図3】本願の一例示的実施例が提供するフォトレジスト除去方法のフローチャートを示す。
【
図4】関連技術に基づきレジスト除去処理を行った後のエアブリッジ構造の画像を示す。
【
図5】関連技術に基づきレジスト除去処理を行った後のエアブリッジ構造の画像を示す。
【
図6】本願が提供するフォトレジスト除去方法に基づき処理した後のエアブリッジ構造の画像を示す。
【
図7】本願が提供するフォトレジスト除去方法に基づき処理した後のエアブリッジ構造の画像を示す。
【
図8】本願の一例示的実施例に示されるフォトレジスト処理方法のフローチャートである。
【
図9】本願の一例示的実施例が提供するフォトレジスト除去システムの模式図を示す。
【
図10】本願の一例示的実施例に示される生産ライン設備の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
例示的実施例に対してここに詳細に説明を行い、その例示は図面中に表される。以下の記述は図面に関し、別途表記されない限り、異なる図面における同じ数字は同じ又は類似する要素を表す。以下の例示的実施例中に記述される実施形態は本願と一致する全ての実施形態を代表するものではない。逆に、それらは添付の特許請求の範囲中に詳述される本願のいくつかの態様と一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0040】
理解されるべきであるように、本明細書中に言及される「複数」とは2つ又は2つ以上を指す。「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述し、三種の関係が存在できることを表す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBとが同時に存在すること、及びBが単独で存在することの三種の状況を表すことができる。文字「/」は一般に前後の関連対象が一種の「又は」の関係であることを表す。
【0041】
本願の実施例はフォトレジスト除去方法を提供しており、フォトレジストの処理効果を向上させ、獲得した金属デバイスの製品品質を向上させることができる。理解しやすくするために、以下、本願に関する数個の名詞に対して解釈を行う。
【0042】
1)ウエハ(Wafer)
ウエハとはシリコン半導体集積回路の作製に用いられるシリコンウエハを指し、多くのはシリコン/サファイア等の材質であり、シリコンウエハ上に各種の回路素子構造を加工して作製でき、概略的に、ウエハはチップ基板として用いることができる。
【0043】
2)フォトレジスト(Photoresist、PR)
フォトレジストは、感光性レジストとも呼ばれ、マイクロ電子技術中における微細パターニング加工の重要な材料の1つであり、チップ基板の表面をコーティングすることに用いることができる一種の感光重合体であり、フォトエッチングステップを行う時に化学反応が発生でき、後で現像液と組み合わせて所要のパターンを形成する。
【0044】
フォトレジストはネガ型フォトレジスト及びポジ型フォトレジストを含み、すべてエネルギービーム(光ビーム、電子ビーム、及びイオンビーム等)の照射下で、架橋反応を主とするフォトレジストはネガ型フォトレジストと呼ばれ、ネガ型レジストと略称し、すべてエネルギービーム(光ビーム、電子ビーム、及びイオンビーム等)の照射下で、光分解反応を主とするフォトレジストはポジ型フォトレジストと呼ばれ、ポジ型レジストと略称する。
【0045】
異なるタイプのフォトレジストの異なる属性に基づき、対応的にネガ型フォトエッチング及びポジ型フォトエッチングの2種のプロセスを有する。ネガ型フォトエッチングの基本特徴は露光後に、フォトレジストが架橋なので溶解不能になり且つ硬化することになることである。一度硬化すると、架橋したフォトレジストは溶剤中に洗い落とされることができなくなり、フォトレジスト上のパターニングは投影マスク上のパターニングとは逆である。ポジ型フォトエッチングはシリコンチップの表面にコピーしたパターニングが投影マスクと同様であり、紫外線に露光された後の領域は一種の化学反応を経て、現像液中に軟化し、且つ現像液中に溶解できる。露光したポジ型フォトレジスト領域は現像液中に除去され、不透明な投影マスク下での露光されないフォトレジストは依然としてシリコンチップ上に残される。
【0046】
3)リフロー(Reflow)
リフローとは特定のフォトレジストは加熱後に変形収縮が発生し、アーチ状物を形成することを指す。
【0047】
4)空気ブリッジ/真空ブリッジ
空気ブリッジは一種の低寄生効果の交差相互接続方法であり、クロスライン接続をすることができるだけでなく、チップ中における伝送線間の信号クロストークを効果的に抑制することができる。
【0048】
独立で存在する空気ブリッジは分離式エアブリッジと呼ばれてもよく、一連の空気ブリッジは全部連結して1つの全体エアブリッジを形成し、全体式エアブリッジと呼ばれる。
【0049】
チップ製造過程において、通常、Lift-Offプロセス(剥離プロセス)を採用してターゲットデバイス、例えば空気ブリッジを獲得する。
図1は本願の一例示的実施例に示されるLift-Offプロセスの模式図を示す。
図1に示されるように、Lift-Offプロセスは、1.基板を洗浄することであって、該基板は一般にウエハとして実現される、ことと、2.清潔な基板上に一層のフォトレジストをコーティングすることであって、ここで、回転コーティングの方式を採用してフォトレジスト被覆を行うことができ、フォトレジストを均一にコーティングするようにする、ことと、3.フォトレジストをコーティングした基板をレーザ直接描画機中に入れてレイアウトを記録し、且つ露光を行うことと、4.露光後の基板を化学溶剤に浸して現像を行うことであって、該過程において、もしコーティングしたフォトレジストがポジ型フォトレジストであるなら、露光を経た後の部位は現像液に溶けることになり、それにより対応する形状を形成し、もしコーティングしたフォトレジストがネガ型フォトレジストであるなら、露光を経ていない部位は現像液に溶けることになり、対応する形状を残す、ことと、5.構造を有するフォトレジスト層表面に基づき、その上方に一層の金属膜材料をメッキし、金属架空層を形成することであって、該過程は垂直蒸着の方法を採ることができ、フォトレジストがポジ型フォトレジストであることを例とすると、該金属膜材料は構造を有する部位で材料に入って直接フォトレジストの下の基板に接触することになり、それにより相応な粘着を生じて金属構造を形成する、ことと、6.有機溶剤を使用して金属構造を基板上から剥離することと、7.金属構造を獲得することと、を含む。
【0050】
フォトレジストはフォトエッチングマスクからシリコンチップの表面へのパターニング転移の媒介、及びエッチングされる領域又はイオンが注入される領域のバリア層として、フォトレジストは一度エッチング操作又は注入される操作が完了するとウエハ表面では有用ではなくなる。よって、できるだけ完全に除去する必要がある。同時にエッチング過程によるいかなる残留物もできるだけ除かなければ、チップの各性能に影響を与えることになる。フォトレジストに対する除去効果を向上させるために、本願はフォトレジスト除去方法を提供し、残留したフォトレジストを効果的に除去すると同時に、コンポーネント構造の完全性を保障することができる。ここで、本願において示されるフォトレジスト除去方法は生産ライン設備により実行されてもよく、該生産ライン設備はアプリケーションプログラムが制御するマニピュレータ、及びアプリケーションプログラムが制御する組立ラインにおけるフォトレジスト除去設備等として実現されてもよい。
【0051】
本願において提供されるフォトレジスト除去方法は各種のチップのチップコンポーネントの製造過程に応用できる。概略的に、量子チップのチップコンポーネントの製造過程に応用でき、量子チップのチップコンポーネントの製造において、本願が提供するフォトレジスト除去方法は、金属架空層が製造されているウエハ上に残留したフォトレジストを効果的に除去し、金属架空層の品質を向上させ、更に該金属架空層の性能を向上させることができる。例えば、該金属架空層がエアブリッジ構造であるときに、伝送線間のクロストークに対するエアブリッジ構造の遮蔽機能を向上させることができる。
【0052】
図2は本願の一例示的実施例が提供するフォトレジスト除去方法のフローチャートを示し、該方法は生産ライン設備により実行されてもよく、
図2に示されるように、該フォトレジスト除去方法は以下のステップを含んでもよい。
【0053】
ステップ210:ターゲットウエハを取得し、該ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ該フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、該金属架空層は三次元中空構造を有する。
【0054】
ターゲットウエハ上にフォトレジストがコーティングされており、且つ該ターゲットウエハは、該フォトレジストのレジスト層上に金属膜メッキ処理を行ってターゲットコンポーネント構造を形成した後の、レジスト除去処理を行うことを待つウエハである。
【0055】
ステップ220:ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬する。
【0056】
一種の可能な実現方式においては、第1温度は第1有機溶剤の種類と対応し、第1時間長さは第1有機溶剤の種類と対応する。
【0057】
一種の可能な実現方式においては、該第1温度は該第1有機溶剤の使用説明データテーブルに基づき決定する温度である。概略的に、該第1温度は該第1有機溶剤を有効にする温度区間におけるターゲット温度である。
【0058】
該第1有機溶剤はターゲットウエハ上のフォトレジストを溶解して、余分なフォトレジストを除去するために用いられる。
【0059】
ここで、該第1有機溶剤の深さはターゲットウエハの厚さ以上であり、ターゲットウエハを該第1有機溶剤中に浸没できるようにする。
【0060】
ステップ230:第1時間長さの終了に応答し、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行う。
【0061】
ここで、新しい第1有機溶剤とは使用されていない第1有機溶剤、つまり、環境に汚染されていない第1有機溶剤を指す。
【0062】
ターゲットウエハに対して洗い流しを行うこととは、流れる第1有機溶剤を使用してターゲットウエハの表面上に残留した使用された第1有機溶剤を洗い落とすことを指す。
【0063】
ステップ240:第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力(超音波出力パワーとも称される)に基づき洗い流し後のターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行う。
【0064】
一種の可能な実現方式においては、超音波洗浄マシンを使用してターゲットウエハに対して超音波洗浄を行い、ターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う過程において、ターゲットウエハを第1有機溶剤中に浸没する必要があり、更に残留したフォトレジストに対して洗浄を行う。
【0065】
ステップ250:第2時間長さの終了に応答し、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去する。
【0066】
第1有機溶剤の残留は、金属架空層の性能に対して一定の影響をもたらすことになり、例えば、金属架空層の電気的性能に対して影響をもたらす。従って、第1有機溶剤によってターゲットウエハ上に残留した余分なフォトレジストを除去した後に、第1有機溶剤の残留によるターゲットウエハ上の金属架空層の性能に対する影響を減少させるために、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去する必要がある。従って、第1有機溶剤によってウエハ表面上のフォトレジストを除去した後に、すなわち第2時間長さの終了後に、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去する。
【0067】
ステップ260:ターゲット処理方式によって溶剤除去後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後のターゲットウエハを獲得し、該ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む。
【0068】
一種の可能な実現方式においては、ガスパージを行う時に採用されるガスは窒素ガス(N2)である。
【0069】
以上のように、本願が提供するフォトレジスト除去方法は、表面にフォトレジストを有する。同時にフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされているターゲットウエハを、第1温度の第1有機溶剤中おいてに第1時間長さで水浴浸漬した後に、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行う。その後、第1有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う。ここで超音波洗浄がターゲット超音波出力を採用し、洗浄終了後のターゲットウエハに対して溶剤除去及び乾燥処理を行うことによって、レジスト除去処理後のターゲットウエハを獲得し、フォトレジスト除去過程において、同一種のレジスト除去溶剤(第1有機溶剤)を使用して2ステップの処理(水浴浸漬及び超音波洗浄)によってフォトレジストに対する除去を実現できるようにし、フォトレジストの残留を減少させ、フォトレジストの処理効果を向上させる。同時に、遠心脱水とガスパージとを組み合わせる方式によって湿式処理後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、ガスパージのみを利用して処理する過程において気流を制御しにくいという原因で金属デバイスに対してもたらす損傷を回避し、獲得した金属デバイスの製品品質を向上させる。
【0070】
本願が提供するフォトレジスト除去方法はチップ製造過程において、立体構造に対してフォトレジスト除去を行うシーンに応用できる。概略的に、本願において示されるフォトレジスト除去方法は全体式エアブリッジのレジスト層ブリッジサポートをリリースする製造シーンにおいて用いることができる。
【0071】
一種の可能な実現方式においては、本願の実施例におけるターゲットウエハはチップ製造過程においてエアブリッジ構造の製造を行うことに用いられるウエハであり、該エアブリッジ構造は伝送線間のマイクロ波クロストークを遮蔽することに用いられ、該エアブリッジ構造は立体構造である。従って、エアブリッジ構造の製造過程において、中間層の形状が変わらないことを保証する前提下で、上下層の重合体に対してリリースを行う必要がある。
図3は本願の一例示的実施例が提供するフォトレジスト除去方法のフローチャートを示し、該方法は生産ライン設備により実行されてもよく、
図3に示されるように、該フォトレジスト除去方法は以下のステップを含んでもよい。
【0072】
ステップ310:ターゲットウエハを取得し、該ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、該金属架空層は三次元中空構造を有する。
【0073】
一種の可能な実現方式においては、該金属架空層はエアブリッジ構造であり、該エアブリッジ構造は独立で存在する空気ブリッジ、すなわち分離式エアブリッジであってもよく、又は、該エア構造とは一連の空気ブリッジが形成した全体エアブリッジ、すなわち全体式エアブリッジを指し、本願の実施例は該エアブリッジ構造が全体式エアブリッジであることを例として説明を行う。
【0074】
該ターゲットウエハはリフロー(reflow)後にエアブリッジ構造が刻まれており、且つレジスト除去ステップを経ていないウエハであってもよい。
【0075】
ステップ320:ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬する。
【0076】
一種の可能な実現方式においては、該過程は以下のように実現されてもよい。該ターゲットウエハを現像バスケット中に平らに置いた後に、容器中に置き、容器内に第1有機溶剤を注ぎ入れ、該第1有機溶剤の深さはターゲットウエハの厚さ以上であり、ターゲットウエハを該第1有機溶剤中に浸没するようにし、それにより第1有機溶剤がターゲットウエハの表面の余分なフォトレジストに十分に作用できるようにする。
【0077】
ここで、該第1時間長さは第1有機溶剤の温度が第1温度に達する時にタイミングを開始するものであり、つまり、第1有機溶剤の温度が第1温度に達することに応答し、タイマーを始動し、該タイマーは第1温度の持続時間長さに対してタイミングを行うことに用いられる。
【0078】
一種の可能な実現方式においては、該第1温度は第1有機溶剤に対して加熱を行う水浴釜の温度であってもよく、水浴を使用して加熱することは第1有機溶剤が均一に熱を受けるようにすることができ、それにより第1有機溶剤のレジスト除去効果を向上させる。
【0079】
一種の可能な実現方式においては、該第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、その対応する第1温度は80℃であり、第1時間長さは96時間である。
【0080】
別の一種の可能な実現方式においては、該第1有機溶剤はN-メチルピロリドン(N-Methyl Pyrrolidone、NMP)溶剤であり、対応する第1温度は85℃であり、該第1時間長さは4時間である。
【0081】
ステップ330:第1時間長さの終了に応答し、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行う。
【0082】
一種の可能な実現方式においては、第1時間長さの終了に応答し、新しい第1有機溶剤を使用して常温下でターゲットウエハに対して洗い流しを行う。
【0083】
ここで、常温とはチップ製造環境(クリーンルーム)の定温を指し、該定温は22℃である。
【0084】
ステップ340:洗い流し後のターゲットウエハを第2温度の第1有機溶剤中に置く。
【0085】
超音波洗浄の洗浄効果を向上させるために、一種の可能な実現方式においては、洗い流し後のターゲットウエハを、ターゲット角度で第2温度の第1有機溶剤中に置く。
【0086】
ここで、該ターゲット角度は45°である。
【0087】
概略的に、ターゲット角度の角で洗い流した後のターゲットウエハを第2温度の第1有機溶剤中に置くことを実現するために、ターゲットウエハを配置するときに、ターゲットウエハをターゲットウエハの直径と同じ現像バスケット中に配置することができ、ターゲットウエハの一端を現像バスケットの中心に接触させ、一端を現像バスケットの支柱に接触させるようにし、上記形式で配置されたターゲットウエハを第1有機溶剤が入れられた容器中に配置して、ターゲットウエハをターゲット角度で第1有機溶剤中に置くようにする。
【0088】
ステップ350:第2温度の第1有機溶剤を収容する容器を超音波洗浄水面上に浮かべ、容器の底部は超音波洗浄水面と接触する。
【0089】
立体構造が比較的弱く、超音波洗浄が立体構造に対して破壊をもたらしやすく、例えば、エアブリッジ構造が中空構造であり、超音波洗浄が容易にエアブリッジ構造の崩壊変形をもたらす。従って、超音波洗浄を行う過程において、容器と超音波洗浄水面との接触面積を減少させる必要があり、本願の実施例においては、第2温度の第1有機溶剤を収容する容器を超音波洗浄水面上に浮かべ、該容器の底部は超音波洗浄水面と接触して、容器が水面の振動のみに接触するようにし、超音波が容器内の立体構造に対してもたらす影響を減少させる。
【0090】
一種の可能な実現方式においては、該第2温度は常温、すなわち(クリーンルーム)の定温であり、例えば22℃である。
【0091】
ステップ360:ターゲット超音波出力に基づき容器中のターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行う。
【0092】
超音波洗浄過程において、超音波による立体構造(エアブリッジ構造)に対する橋体損害を減少させるために、一種の可能な実現方式においては、超音波洗浄を行う過程において使用するターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である。ここで、該最も低い出力は35%Powerであり、該最も低い出力とは超音波洗浄機の最も低い震動出力を指す。
【0093】
一種の可能な実現方式においては、該第2時間長さは5minである。
【0094】
ステップ370:第2時間長さの終了に応答し、ターゲットウエハを第2有機溶剤中に配置する。
【0095】
一種の可能な実現方式においては、超音波洗浄終了後のターゲットウエハをターゲット時間長さ内に第1有機溶剤から移し出し、該ターゲット時間長さはできるだけ短くし、その後、該ターゲットウエハを第2有機溶剤中に配置する。
【0096】
概略的に、該第2有機溶剤は第1有機溶剤と溶ける有機溶剤、例えばイソプロパノール(Iso-Propyl Alcohol、IPA)溶剤として実現されてもよい。
【0097】
ステップ380:ターゲット超音波出力に基づきターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去する。
【0098】
一種の可能な実現方式においては、ターゲット超音波出力で第2有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う過程は、ターゲット超音波出力で第1有機溶剤中においてターゲットウエハに対して清超音波洗浄を行う過程と同じであってもよい。つまり、ターゲット超音波出力で第2有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う過程において、ターゲットウエハはターゲット角度で第2有機溶剤中に浸没し、第2有機溶剤を収容する容器は超音波洗浄水面上に浮かべられ、容器の底部は超音波洗浄水面と接触する。
【0099】
ここで、ターゲット超音波出力で第2有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う過程は常温(22℃)下で行われてもよい。
【0100】
一種の可能な実現方式においては、該第3時間長さは第2時間長さに等しく、すなわち第2時間長さは5minであり、第3時間長さも5minである。
【0101】
ステップ390:ターゲット処理方式によって溶剤除去後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後のターゲットウエハを獲得し、該ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む。
【0102】
一種の可能な実現方式においては、ターゲットウエハに対して乾燥処理を行うことは、
溶剤除去後のターゲットウエハを紙面上に立てて、初期の乾燥処理を行うこととして実現されてもよい。
【0103】
初期の乾燥処理の終了に応答し、ターゲット処理方式によってターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後のターゲットウエハを獲得する。
【0104】
ここで、初期の乾燥処理の過程は、第2有機溶剤中から取り出されたターゲットウエハを吸水紙の紙面上に立てて、ターゲットウエハの表面に残留した第2有機溶剤をターゲットウエハと紙面との接触点に集めるようにし、吸水紙がターゲットウエハ上に残留した第2有機溶剤に対して吸収を行うようにすることとして実現されてもよい。初期の乾燥処理を行った後に、遠心脱水とガスパージとを組み合わせる方式によって、更にターゲットウエハに対して乾燥処理を行う。
【0105】
一種の可能な実現方式においては、該遠心脱水とはターゲット回転数でターゲットウエハに対して第4時間長さで回転することを指し、該第4時間長さは35sであり、該ターゲット回転数は3000回転/分(rpm)である。
【0106】
ここで、ターゲット回転数でターゲットウエハに対して回転を行うことは、ターゲットウエハを回転塗布平板上に配置し、回転塗布平板の回転数を3000回転/分(rpm)に制御することとして実現されてもよく、回転時間長さは35sである。
【0107】
以上のように、本願の実施例が提供するフォトレジスト除去方法は、表面にフォトレジストを有する。同時にフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされているターゲットウエハを、第1温度の第1有機溶剤中に第1時間長さで水浴浸漬した後に、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行い、第1有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う。ここで超音波洗浄がターゲット超音波出力を採用し、洗浄終了後のターゲットウエハに対して溶剤除去及び乾燥処理を行うことによって、レジスト除去処理後のターゲットウエハを獲得し、フォトレジスト除去過程において、同一種のレジスト除去溶剤(第1有機溶剤)を使用して2ステップの処理(水浴浸漬及び超音波洗浄)によってフォトレジストに対する除去を実現できるようにし、フォトレジストの残留を減少させ、フォトレジストの処理効果を向上させる。同時に、遠心脱水とガスパージとを組み合わせる方式によって湿式処理後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、ガスパージのみを利用して処理する過程において気流を制御しにくいという原因で金属デバイスに対してもたらす損傷を回避し、獲得した金属デバイスの製品品質を向上させる。
【0108】
立体構造に対してフォトレジスト除去を行う過程において、レジスト除去効果を上げると同時に、立体構造に対する構造損害を低減させることができる。エアブリッジ構造を例とすると、
図4、及び
図5は関連技術に基づきレジスト除去処理を行った後のエアブリッジ構造の画像を示し、
図4における部分Aは光学顕微鏡下での分離エアブリッジ構造の模式図に対応し、
図4における部分Bは光学顕微鏡下での全体式エアブリッジ構造の模式図に対応する。
図4に示されるように、関連技術に基づきレジスト除去処理を行った後に、エアブリッジ構造の周囲に依然として残留したフォトレジストが付着している。
図5に示されるように、関連技術に基づきレジスト除去処理を行った後に、異なるサイズの分離エアブリッジは、共焦点顕微鏡下で、エアブリッジ構造の橋体表面構造が損傷されることを観察できる。
【0109】
図4、及び
図5に示されるエアブリッジ構造の画像と比較して、
図6、及び
図7は本願が提供するフォトレジスト除去方法に基づき処理した後のエアブリッジ構造の画像を示す。
図6に示されるように、本願が提供するフォトレジスト除去方法に基づき処理した後の全体式エアブリッジ構造は、電子顕微鏡下で、橋体構造の橋頂及び橋底にフォトレジストの残留がなく、且つエアブリッジ構造の形状は完全に維持され、陥没及び破断等の状況が生じていない。
図7に示されるように、本願が提供するフォトレジスト除去方法は異なるサイズのエアブリッジ構造中に使用され、いずれも安定した効果を果たすことができる。
【0110】
全体式エアブリッジがレジスト層ブリッジサポートをリリースするプロセスでは、第1有機溶剤がRemover PG溶剤であることを例とすると、
図8は本願の一例示的実施例に示されるフォトレジスト処理方法のフローチャートであり、
図8に示されるように、該方法は以下を含む。
【0111】
ステップ810:ターゲットウエハを現像バスケット中に平らに置き、ビーカー内にターゲットウエハ全体を被覆するRemover PG溶剤を注ぎ入れ、80℃まで水浴加熱し、96時間水浴する。
【0112】
ここで、該ターゲットウエハは、リフロー後にエアブリッジ構造が刻まれているレジスト除去ステップを経ていないウエハであり、該ターゲットウエハの直径は2インチである。
【0113】
該水浴時間長さは水浴温度が80℃になった時にタイミングを開始するものである。
【0114】
ステップ820:96時間後に、ターゲットウエハを取り出し、新しいRemover PG溶剤を使用して表面に対して洗い流しを行う。
【0115】
ステップ830:ターゲットウエハを第1傾斜角でビーカー内に立て、超音波洗浄機の出力を最も低く調節し、常温で5min超音波洗浄する。
【0116】
ここで、該第1傾斜角は45°であり、超音波洗浄機の出力は35%Powerであり、且つ超音波洗浄過程において、終始ビーカーを持ち上げてビーカーが水面の震動に接触するようにする。
【0117】
ステップ840:Remover PG溶剤中に超音波洗浄が完了した後に、ターゲットウエハを迅速に移し出し、IPA溶剤が注がれたビーカー内に引き替えて5min超音波洗浄する。
【0118】
ここで、ステップ840の超音波洗浄過程における操作方式はステップ830における超音波洗浄過程における操作方式と同じである。
【0119】
ステップ850:ターゲットウエハを取り出し、それを紙面上に立てて水を片隅に集め、ティッシュによって吸収した後に回転塗布平板に置き、3000rpm回転数で35s回転し、その間にN2と組み合わせてチップ表面をパージしてクリーンし、フォトレジストを除去した後のターゲットウエハを獲得する。
【0120】
以上のように、本願の実施例が提供するフォトレジスト除去方法は、表面にフォトレジストを有する。同時にフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされているターゲットウエハを、第1温度の第1有機溶剤中に第1時間長さで水浴浸漬した後に、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行い、第1有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う。ここで超音波洗浄がターゲット超音波出力を採用し、洗浄終了後のターゲットウエハに対して溶剤除去及び乾燥処理を行うことによって、レジスト除去処理後のターゲットウエハを獲得し、比較的良いフォトレジスト除去効果を実現でき、ターゲットウエハの表面に明瞭なフォトエッチング構造を現すようにする。同時に、立体型構造について、レジスト除去効果を向上させると同時に、立体型構造表面に対する損傷を減少させ、立体型構造の品質を向上させることができる。
【0121】
図9は本願の一例示的実施例が提供するフォトレジスト除去システムの模式図を示し、
図9に示されるように、該フォトレジスト除去システムは、ウエハ取得装置910と、水浴浸漬装置920と、洗い流し装置930と、超音波洗浄装置940と、残留溶剤除去装置950と、乾燥処理装置960と、を含み、
上記ウエハ取得装置910は、ターゲットウエハを取得することに用いられ、上記ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つ上記フォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、上記金属架空層は三次元中空構造を有し、
上記水浴浸漬装置920は、上記ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬することに用いられ、
上記洗い流し装置930は、上記第1時間長さの終了に応答し、新しい上記第1有機溶剤を使用して上記ターゲットウエハに対して洗い流しを行うことに用いられ、
上記超音波洗浄装置940は、上記第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後の上記ターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられ、
上記残留溶剤除去装置950は、上記第2時間長さの終了に応答し、上記ターゲットウエハの表面に残留した上記第1有機溶剤を除去することに用いられ、
上記乾燥処理装置960は、ターゲット処理方式によって溶剤除去後の上記ターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後の上記ターゲットウエハを獲得することに用いられ、上記ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む。
【0122】
一種の可能な実現方式においては、上記超音波洗浄装置940は、洗い流し後の上記ターゲットウエハを第2温度の上記第1有機溶剤中に置くことと、
上記第2温度の上記第1有機溶剤を収容する容器を超音波洗浄水面上に浮かべることであって、上記容器の底部は上記超音波洗浄水面と接触する、ことと、
上記ターゲット超音波出力に基づき上記容器中の上記ターゲットウエハに対して上記第2時間長さの超音波洗浄を行うことと、に用いられる。
【0123】
一種の可能な実現方式においては、上記超音波洗浄装置940は、洗い流し後の上記ターゲットウエハを、ターゲット角度で上記第2温度の上記第1有機溶剤中に置くことに用いられる。
【0124】
一種の可能な実現方式においては、上記ターゲット角度は45度である。
【0125】
一種の可能な実現方式においては、上記ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である。
【0126】
一種の可能な実現方式においては、上記残留溶剤除去装置950は、上記第2時間長さの終了に応答し、上記ターゲットウエハを第2有機溶剤中に配置することと、
上記ターゲット超音波出力に基づき上記ターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、上記ターゲットウエハの表面に残留した上記第1有機溶剤を除去することと、に用いられる。
【0127】
一種の可能な実現方式においては、乾燥処理装置960は、溶剤除去後の上記ターゲットウエハを紙面に立てて、初期の乾燥処理を行うことと、
初期の乾燥処理の終了に応答し、上記ターゲット処理方式によって上記ターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後の上記ターゲットウエハを獲得することと、に用いられる。
【0128】
一種の可能な実現方式においては、上記遠心脱水とはターゲット回転数で上記ターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す。
【0129】
一種の可能な実現方式においては、上記ターゲット回転数は3000回転/分である。
【0130】
一種の可能な実現方式においては、上記第4時間長さは35秒である。
【0131】
一種の可能な実現方式においては、上記第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、上記第1温度は80℃であり、上記第1時間長さは96時間である。
【0132】
一種の可能な実現方式においては、上記第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、上記第1温度は85℃であり、上記第1時間長さは4時間である。
【0133】
一種の可能な実現方式においては、上記金属架空層はエアブリッジ構造である。
【0134】
ここで、本願の実施例中に示されるフォトレジスト除去システムにおける各々の装置は、対応する機能を実現し、又は対応するステップを実行することに用いられる各々のマニピュレータとして実現されてもよく、又は、フォトレジスト除去組立ライン上の各々の設備として実現されてもよく、本願はこれに対して制限しない。
【0135】
以上のように、本願の実施例が提供するフォトレジスト除去システムは、表面にフォトレジストを有する。同時にフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされているターゲットウエハを、第1温度の第1有機溶剤中に第1時間長さで水浴浸漬した後に、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行い、第1有機溶剤中においてターゲットウエハに対して超音波洗浄を行う。ここで超音波洗浄がターゲット超音波出力を採用し、洗浄終了後のターゲットウエハに対して溶剤除去及び乾燥処理を行い、レジスト除去処理後のターゲットウエハを獲得し、フォトレジスト除去過程において、同一種のレジスト除去溶剤(第1有機溶剤)を使用して2ステップの処理(水浴浸漬及び超音波洗浄)によってフォトレジストに対する除去を実現できるようにし、フォトレジストの残留を減少させる。同時に、遠心脱水とガスパージとを組み合わせる方式によって湿式処理後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、ガスパージのみを利用して処理する過程において気流を制御しにくいという原因で金属デバイスに対してもたらす損傷を回避し、獲得した金属デバイスの製品品質を向上させる。
【0136】
図10は本願の一例示的実施例に示される生産ライン設備の模式図を示し、
図10に示されるように、該生産ライン設備は水浴浸漬機1010、洗い流し器1020、超音波洗浄機1030、及び遠心機1040等を含み、
ここで、該水浴浸漬機1010は、ターゲットウエハを温度が第1温度である第1有機溶剤中に置いて第1時間長さで水浴浸漬することに用いられ、該ターゲットウエハの表面にフォトレジストを有し、且つフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされており、該金属架空層は三次元中空構造を有し、
該洗い流し器1020は、第1時間長さの終了に応答し、新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行うことに用いられ、
該超音波洗浄機1030は、第1有機溶剤中において、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後のターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行い、且つ第2時間長さの終了に応答し、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去することに用いられ、
該遠心機1040は、ターゲット処理方式によって溶剤除去後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行い、レジスト除去後のターゲットウエハを獲得することに用いられ、該ターゲット処理方式は遠心脱水と同時にガスパージを行うことを含む。
【0137】
一種の可能な実現方式においては、該超音波洗浄機は、ターゲット超音波出力に基づき容器中のターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられ、
該容器中に第2温度の第1有機溶剤が収容されており、且つ洗い流し後のターゲットウエハが配置されており、該容器は超音波洗浄水面上に浮かべられ、該容器の底部は超音波洗浄水面と接触する。
【0138】
一種の可能な実現方式においては、該超音波洗浄機は、洗い流し後且つターゲット角度で第2温度の第1有機溶剤中に置かれたターゲットウエハに対して、ターゲット超音波出力に基づき第2時間長さの超音波洗浄を行うことに用いられる。
【0139】
一種の可能な実現方式においては、該ターゲット角度は45度である。
【0140】
一種の可能な実現方式においては、該ターゲット超音波出力は超音波洗浄機の最も低い出力である。
【0141】
一種の可能な実現方式においては、該超音波洗浄機は、第2時間長さの終了に応答し、第1有機溶剤を第2有機溶剤に置き換えることと、
ターゲット超音波出力に基づきターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去することと、に用いられる。
【0142】
選択可能に、第1有機溶剤が収容されている超音波洗浄機と第2有機溶剤が収容されている超音波洗浄機とは異なる超音波洗浄機であってもよい。概略的に、第1超音波洗浄機(第1有機溶剤が収容されている超音波洗浄機)中においてターゲットウエハに対する超音波洗浄が完了した後に、ロボットアーム又はコンベアによって、ターゲットウエハを第2超音波洗浄機(第2有機溶剤が収容されている超音波洗浄機)中に移動することができ、第2超音波洗浄機中にターゲットウエハに対して第3時間長さの超音波洗浄を行って、ターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去する。
【0143】
一種の可能な実現方式においては、該遠心機は、初期の乾燥処理の終了に応答し、ターゲット処理方式によってターゲットウエハに対して更なる乾燥処理を行い、レジスト除去後のターゲットウエハを獲得することに用いられ、初期の乾燥処理とは溶剤除去後のターゲットウエハを紙面上に立てることを指す。
【0144】
一種の可能な実現方式においては、遠心脱水とはターゲット回転数でターゲットウエハに対して第4時間長さで遠心回転することを指す。
【0145】
一種の可能な実現方式においては、ターゲット回転数は3000回転/分である。
【0146】
一種の可能な実現方式においては、第4時間長さは35秒である。
【0147】
一種の可能な実現方式においては、第1有機溶剤はRemover PG溶剤であり、第1温度は80℃であり、第1時間長さは96時間である。
【0148】
一種の可能な実現方式においては、第1有機溶剤はN-メチルピロリドン溶剤であり、第1温度は85℃であり、第1時間長さは4時間である。
【0149】
一種の可能な実現方式においては、金属架空層はエアブリッジ構造である。
【0150】
選択可能に、該生産ライン設備はさらに制御チップを含み、該制御チップは水浴浸漬機、洗い流し器、超音波洗浄機、及び遠心機にそれぞれ電気的に連結されてもよく、水浴浸漬機、洗い流し器、超音波洗浄機、及び遠心機を制御してそれぞれパラメータ調節を行うために用いられ、例えば、水浴浸漬機の水浴温度及び水浴時間長さを制御し、洗い流し器の放水時間長さを制御し、超音波洗浄機の超音波出力、及び洗浄時間長さを制御し、遠心機の回転数等々を制御する。
【0151】
選択可能に、該生産ライン設備はさらに電源を含み、制御チップ、水浴浸漬機、洗い流し器、超音波洗浄機、及び遠心機等の電気設備のために電力供給を行うために用いられる。
【0152】
選択可能に、各々のマシンの間はコンベアによって空間的接続を行い、又はロボットアームに基づきターゲットウエハの各々のマシン間での空間的移動を完了させる。概略的に、ロボットアームに基づきターゲットウエハの各々のマシン間での空間的移動を完了させることを例とすると、表面にフォトレジストを有し、且つフォトレジストのレジスト層表面上に金属架空層がメッキされているターゲットウエハに対して一回のフォトレジスト除去を行う過程において、先ず制御チップによって水浴浸漬機、洗い流し器、超音波洗浄機、及び遠心機におけるパラメータに対してそれぞれ設定を行う。その後、ロボットアームを利用してターゲットウエハを水浴浸漬機中に配置し、該水浴浸漬機中に第1温度の第1有機溶剤が収容されており、第1時間長さで浸漬し、第1時間長さが終了した後に、ロボットアームを制御してターゲットウエハを洗い流し器中に移動させて、洗い流し器が新しい第1有機溶剤を使用してターゲットウエハに対して洗い流しを行うようにする。その後、ロボットアームを利用してターゲットウエハを第1有機溶剤が収容されている超音波洗浄機中に移動させ、ターゲット超音波出力に基づき洗い流し後のターゲットウエハに対して第2時間長さの超音波洗浄を行い、第2時間長さが終了した後に、超音波洗浄機を利用してターゲットウエハの表面に残留した第1有機溶剤を除去する。その後、ロボットアームを利用してターゲットウエハを遠心機中に移動させ、遠心機が溶剤除去後のターゲットウエハに対して乾燥処理を行うようにし、最終的にレジスト除去後のターゲットウエハを獲得し、及びターゲットウエハ上にレジスト除去後の金属架空層がメッキされている。上記過程においておける各々のマシンによるターゲットウエハに対する処理過程は
図2又は
図3に示される実施例における関連記述を参照でき、ここでは再度説明しない。
【0153】
一例示的実施例においては、さらに可読記憶媒体を提供しており、少なくとも1つの指令、少なくとも一段のプログラム、コードセット又は指令セットを記憶することに用いられ、上記少なくとも1つの指令、上記少なくとも一段のプログラム、上記コードセット又は指令セットは生産ライン設備におけるプロセッサによりロードされ且つ実行されて相応な装置を制御して上記フォトレジスト除去方法における全部又は部分ステップを実現する。例えば、該コンピュータ可読記憶媒体は読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、読み出し専用光ディスク(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、磁気テープ、フロッピーディスク及び光データ記憶設備等であってもよい。
【0154】
当業者は明細書を考慮し、ここに開示されている発明を実践した後に、本願の他の実施手段を容易に想到する。本願は本願のいかなる変更、用途又は適応的変化をもカバーすることを目的とし、これらの変更、用途又は適応的変化は本願の一般的な原理に従い、且つ本願において開示されていない本技術分野における公知常識又は慣用技術手段を含む。明細書及び実施例は例示的なものとしてのみ見なされ、本願の真の範囲及び精神は以下の請求項により示される。
【0155】
理解されるべきであるように、本願は上記に記述され、且つ図面中に示される正確な構造に限定されず、且つその範囲を逸脱することなく各種の改定及び改変を行うことができる。本願の範囲は添付される請求項のみにより制限される。
【符号の説明】
【0156】
910 ウエハ取得装置
920 水浴浸漬装置
930 装置
940 超音波洗浄装置
950 残留溶剤除去装置
960 乾燥処理装置
1010 水浴浸漬機
1020 器
1030 超音波洗浄機
1040 遠心機